まどか「がんばったね、泣き虫ほむらちゃん」(240)

第1話 穏やかな日常ってのは、簡単に壊れるものだったんだね

―ワルプルギスの夜を倒した1年後、帰り道―

まどか「もうすぐ夏休みだね」

ほむら「そうね……今年の夏休みは受験勉強であまり遊べないでしょうけど」

まどか「うん、そうだよね……」ショボン

ほむら「まどか、もしよかったら、一緒に勉強しない?」

まどか「! うん!」パァァ

ほむら「ふふっ」

まどか「ティヒヒ///」

まどか「あのね……それから、お願いがあるの」モジモジ

ほむら「何?」

まどか「夏休み中に、ほむらちゃんのお家にお泊まりに行っても、いい……?」

ほむら「! まどか、それって……」ドキン

まどか「///」ドキドキ

ほむら「まどか……///」ドキドキ

まどか「ほむらちゃん……///」ドキドキ

QB「やぁ」

ほむらまどか「きゃあああぁぁぁぁあああ!!」

ほむら「なんてタイミングで現れるのよ、キュゥべえ!」

まどか「キュゥべえのエッチ!///」

QB「え」

QB「何で今僕は怒られたんだい? わけがわからないよ」

ほむら「こっちの話よ!///」

まどか「もう、どこから湧いたの?」

QB「人をゴキブリみたいに言うのやめてくれるかな。今日はせっかく重要な情報を知らせにきたのになぁ」

ほむら「何?」

QB「美樹さやかが追いつめられている。予想以上に深刻な状態だよ」

まどか「え?」

ほむら「何のこと?」

QB「ほむら、君はまだ気づいてなかったのかい?」

ほむら「……」

まどか「ねぇ、何の話?」

ほむら「……」ジー

QB「……」

ほむら「!!」ハッ

ほむら「まどか、急いで学校に戻りましょう!」ダッ

まどか「え? え? 待ってよ、ほむらちゃん!」ダッ

QB「……」

ほむら「何てことなの。予想できたことだったのに……!」クッ

まどか(どういうこと? だってもう、魔女は生まれない、って)

まどか(私の祈りでルールが変わった、って)

まどか(そんな…………嫌だよ、さやかちゃん!)ジワッ

―放課後の教室―

ほむら「美樹さん!」

まどか「さやかちゃん!!」


………………
…………
……


さやか「……あたしって、ホント馬鹿」ガクッ





――そう――



――穏やかな日常は、簡単に壊れてしまうものだったのです――

ほむら「夏休みの補習が2教科も?」ワナワナ

まどか「」

ほむら「どういうことなの? 半年後は受験だって知ってるはずでしょう?」

まどか「」

さやか「面目ない……」

ほむら「いえ、過ぎたことはもういいわ。あなた、夏休みはなかったものとして諦めるのね」フゥ

さやか「えー!? ほむらは厳しすぎるー!」

ほむら「ここで甘くしたら、後で泣くのはあなたでしょう!?」

まどか(んもう、キュゥべえが意味ありげに言うから、勘違いしちゃったよ……)ホッ

さやか「はは……穏やかな日常ってのは、簡単に壊れるものだったんだね……」

ほむら「自業自得でしょう!?」

QB「やぁ、やってるね」

さやか「あっ、キュゥべえ! あんたほむらに告げ口したでしょう!」

QB「僕はただ『さやかが追いつめられている』と言っただけだ。約束は守ったはずだよ」

さやか「詭弁でしょうが!!」

ほむら「その通りだけど、そこで怒る資格は、あなたにはないわ」ファサ

さやか「むぅ」

まどか(さやかちゃんに口止めされて、キュゥべえ、あんな言い方したんだ……)ムゥ

QB「僕にとってさやかの受験は、どうでもいいことだと思っていたんだけどね」

QB「よく考えたら、さやかが受験に失敗した場合、魔獣狩りに支障が起こる可能性があると判断したんだ」

ほむら「あなたは相変わらずね……いえ、今回は知らせてくれて感謝するわ」

QB「それでほむら、さやかの勉強を助けてくれないかな? 僕が教えようとしたんだけど、拒否されてしまってね」

まどか「キュゥべえに教えられるの?」

QB「君達の教科書に書いてあることを講義すればいいんだろう? そのくらいなら大丈夫さ」

ほむら「何で断ったの?」

さやか「いやー、だってキュゥべえに勉強を教えてもらう、ってなんか屈辱じゃん?」

ほむら「……そんなことが言える余裕が、あなたにあるの?」ジト

さやか「うぅ……」

ほむら「わかったわ。私が教えてあげる」

さやか「えー? ほむらって厳しそうだから嫌だなぁ」

ほむら「」ジロッ

さやか「うぅ~」

まどか「だ、大丈夫だよ。私もほむらちゃんに勉強見てもらってるけど、凄く優しいよ?」

さやか「まどか、騙されちゃ駄目だよ! こいつが優しいのはまどかに対してだけだから!」

ほむら「その通りよ」キッパリ

さやか「やっぱ嫌だぁ~~!」

まどか「んもう、ほむらちゃんったら///」

QB「それならマミはどうだい? 僕から頼んであげるけど」

まどか「ん~、マミさんかぁ」

さやか「そりゃ、マミさんに教えてもらえたら最高だけどさ」

ほむら「? 巴さんなら断らないと思うけど」

さやか「いや、なんかさぁ」

まどか「受験が終わったばかりのマミさんに頼むのは悪いかな、って」

ほむら「あ……」

ほむら(そんな気遣い、思いつきもしなかった……)

ほむら(私はやっぱり駄目だな……)

さやか「背に腹は替えられない! しょうがないからほむらに頼むよ!」

ほむら「なんでそんなに上から目線なのよ……」

ほむら「いいわ。夏休みの間、まどかと受験勉強をするつもりだったから、それに参加してちょうだい」

さやか「ありがとう、友よ!」

まどか「……ねぇ、さやかちゃん」

さやか「ん?」

まどか「私とほむらちゃんの2人きりの時間を邪魔するんだから、真面目にやってくれないと、私、怒っちゃうかも……」

さやか「わっ、わかりました!」ビクッ

まどか「うん、なら私も協力するね」ニコ

さやか(こ、怖かった……)

―その後、マミのマンション―

マミ「美樹さんがそんなに追いつめられてたなんてねぇ……」

さやか「キュゥべえの馬鹿ぁ! 何でみんなにばらしちゃうのよ!?」

QB「さやか、君は受験に失敗しても変わらずに魔獣狩りをしてくれるのかい?」

さやか「そ、それは……」

QB「だったらその対策も、僕の仕事ということになるよね」

ほむら「キュゥべえに何を言っても無駄よ」

マミ「恥ずかしいのなら、初めからちゃんと真面目にやってれば良かったのに」

まどか「ホントだよ、さやかちゃん」ハァ

さやか「うぅ~」

杏子「……」

ほむら「? どうしたの、杏子? あなたなら、真っ先に美樹さんをからかうのかと思ったけど……」

杏子「いや、あのな……」

マミ「あのね、佐倉さんが美樹さんを頻繁に遊びや魔獣狩りに誘ってたみたいなの」

まどか「え?」

ほむら「杏子……」

杏子「うぅ、悪かったよ」

さやか「まぁまぁ、あんまり杏子を責めないでやってよ」

まどか「そうだね、誘いに乗ったさやかちゃんが悪いんだもんね」

さやか「うぐぅ」

まどか「ティヒヒヒ」

マミ「佐倉さんと一緒に住んでるのは私なのに。ちょっと妬けちゃうわね」フフ

杏子「だってゲームでも魔獣狩りでも、ムキになってくれんのはさやかぐらいだからさ~」

ほむら「ウマが合うのね、あなた達」

まどか(ホント、初めて会ったときは想像もできなかったよ)

マミ「じゃあ美樹さん、今日はこれで帰って。魔獣狩りは私達4人でやるから」

さやか「だ、大丈夫ですよ! あたしも参加します!」

マミ「鹿目さんも暁美さんも受験で、しばらく魔獣狩りは当番制になるのだから、全員が揃ったときぐらい勉強に集中しなさい」

さやか「明日からちゃんとやりますから!」

マミ「明日からやる、って言葉ほど信用できないものもないわよ?」

さやか「うぅ~」

マミ「そんな顔しないの。私も暇があるときは勉強見てあげるから」

まどか「マミさん、受験終わったばかりなのに……」

マミ「いいのよ。可愛い後輩のためだもの」ニコ

ほむら「だ、そうよ。巴さんのためにも、怠けずにやるのね」

さやか「ほむらは言い方が冷たいよ……」

まどか「…………ねぇ、さやかちゃん。上条君と同じ高校に行きたくないの?」

さやか「っ!!」

さやか「そっか……そうだよね」グッ

さやか「わかった。今日は帰って勉強するよ!」

まどか「うん、それがいいよ」ニコ

マミ(ちょろいわね、美樹さん……)

QB(なるほど。さやかを動かすのにはこうすればよかったのか)

ほむら「……」

杏子「……」ポリポリ

―路地裏―

マミ『鹿目さん、暁美さん、そっちに魔獣を追い込んだわ。一網打尽にしちゃって!』

ほむら『了解』

まどか『わかりましたっ』

ほむら(来た。5体か……)ピシュン

まどか(行くよ! ハイパーまどかビーム!)ピシュン

ひゅん、ひゅん。ずばっ。ずばっ。

ほむら「くっ、1体撃ち漏らした!」

杏子『おっと、そいつはあたしの獲物だ!』

ほむら「杏子!」

ざん!

……………………
………………
…………

マミ「やっぱり人が多いと楽ね」

杏子「ほむらも弓使い、だいぶ慣れたじゃんか」

ほむら「ええ、流石に1年もやってれば、ね」

まどか「ティヒヒヒ(私とほむらちゃん、お揃いだもんね)」

―帰り道―

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん、どうかした?」

ほむら「え?」

まどか「なんか元気ないな、って」

ほむら「……」

ほむら「私って冷たいのかしら?」

まどか「へっ?」

まどか「ああ、さやかちゃんが言ったこと気にしてたの?」

ほむら「……」

マミ「ふふふ、あんなの美樹さんの冗談よ。真に受けることないわ」

杏子「さやかはほむらに甘えてんだろ」

ほむら「そう……なのかな?」

まどか「そうだよ」

ほむら「……私、ずっと心臓が悪くて病院にいたし、友達もいなかったから、人付き合いとか上手くできなくて……」

まどか「ほむらちゃん……」

杏子「確かにあんた、人付き合い苦手そうだもんな」

マミ「こら」

ほむら「今日だって美樹さんの現状を知って、本当なら心配しなくちゃいけないのに、私は怒ってたわ」

マミ「これは重症ねぇ……自分の気持ちにも気づけないなんて」

ほむら「え?」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん。ほむらちゃんは何で怒っちゃったの?」

ほむら「だって美樹さんが怠けていたから……」

まどか「さやかちゃんが怠けると、何でほむらちゃんが怒るのかな?」

ほむら「え?」

まどか「あのね、実は私も怒ってたんだよ?」

ほむら「……そうなの?」

まどか「だってさやかちゃんのこと心配だし、一緒の高校に行きたいって思うし、友達なんだから当たり前だよ」

ほむら「あ……」

マミ「それはあなただって同じでしょう?」

杏子「好きの反対はね、憎いじゃないのさ。無関心なんだよ」

マミ「本当に冷たい人なら、他人のために怒ったりしないわ」

まどか「そう言うこと。ほむらちゃんは、とっても優しいんだよ!」

ほむら「そんな……///」

ほむら「……まどか、ありがとう。私、あなたに会えて本当によかった」

まどか「ほむらちゃん///」

マミ「あら? そこで惚気になっちゃうの?」

杏子「はは、あたしらガン無視かい?」

ほむら「ち、違っ! まどかに会えなかったら、あなた達ともこうしていられなかったから……」アセアセ

マミ「ふふっ、わかったわ。そんなに慌てなくてもいいのに」

杏子「ははは」

杏子「でも……あんたも色々あるんだな」

マミ「そりゃそうよ。生きてればみんな、何かしらあるのが当たり前よ」

杏子「そうだよな……」

まどか「? 杏子ちゃんも何かあるの?」

杏子「んまぁ……こんな生活してるとな……」

マミ「だからそれは、焦らなくていい、って言ったじゃない」

杏子「ん……」

杏子「でもやっぱ、みんなが受験とかやってるの見てるとさ……あたし、さやかの邪魔しちゃったし」

まどか「杏子ちゃんは学校行く気はないの?」

杏子「そんなの今更だしさ。それに先立つものもな」

まどか「あ、ごめん……」

マミ「今は働いてるんだし、お金が貯まったら定時制に行く、って手もあるわ。高認を受けていきなり大学行っちゃうのもありだと思うの」

ほむら「こうにん?」

マミ「高等学校卒業程度認定試験、だったかな。それに合格すれば高校を出た子と同じ学力があると見なされて、大学受験の資格がもらえるの」

まどか「えっ、凄い!」

杏子「大学かぁ……実感湧かないな」

マミ「あなたの将来なんだから、ゆっくり考えなさい」

杏子「マミさんには迷惑ばっかり掛けちゃうな」

ほむら「マミさん?」

杏子「!! マミだ、マミ!!///」

マミ「ふふふ、その呼び方、懐かしいな」

まどか(マミさん、って呼んでたんだ)

マミ「佐倉さんは私の大切なお友達よ。遠慮される方が悲しいな」

杏子「うん……」

マミ「魔女と戦ってた頃、私は年上なのに、みんなの支えになってあげられなくて、そのことは今でも後悔してるわ」

まどか「そんなっ! マミさんは頼りになる先輩です!」

マミ「そう? 鹿目さんは暁美さんしか目に入ってなかったような気がするんだけど」

まどか「そっ、それは……///」

ほむら「///」

マミ「うふふ、意地悪言っちゃったね。ごめんなさい」

マミ「それに佐倉さんに偉そうに言っちゃったけど、私だって将来のことなんて、何も決まってないの」

ほむら「私も何も考えてないわ……」

杏子「うん……」

まどか(私もほむらちゃんとずっと一緒にいたい、ってことぐらいしか……)

マミ「私達、魔法少女なんてやってるから、余計未来のことについて考える暇はないわよね」

杏子「はは、色々あったもんな……」

マミ「ねぇ、今日はもっとお喋りして行かない? なんかそんな気分」

まどか「私は大丈夫です。今日は遅くなる、って言ってあるから」

ほむら「じゃあ、ご飯はどうしようかしら? ファミレスでも行く?」

杏子「それともコンビニで何か買って、公園で話すかい?」

マミ「そうね……お店の中じゃ魔法少女の話はできないもんね」

まどか「じゃ、じゃあ、カップラーメンでもいいのかな?」

杏子「へっ?」

ほむら「そうね、いいと思うわ」

まどか「私、何年かぶりだよ~」

―公園―

まどか「じゃーん! 1番スタンダードなのを買ってみました!」

ほむら「私はシーフードを」

まどか「あっ、それも美味しいよね!」

ほむら「後で交換する?」

まどか「ティヒヒヒ、いいの?」

ほむら「ええ(可愛い)」

マミ「私はチリトマトにしちゃった。佐倉さんは焼きそば?」

杏子「ああ、夏だし」

マミ「?」

…………

まどか「あつっ、あっつ~い」フーフー

ほむら「確かに、夏に外で食べるのはキツかったわね」ハフハフ

マミ「ふー、ふー。辛いのを選んだのは失敗だったかも」

杏子「はは、だからあたしはこれにしたのさ。スープがない分、熱すぎないし」ズルズル

まどか「でも美味しい!」チュルチュル

ほむら「ふふっ」

まどか「パパには悪いんだけど、やっぱりたま~にジャンクな味って食べたくなっちゃうんだ」

ほむら(まどか、可愛い)

マミ「私は受験のときにお世話になったわ」ハフハフ

杏子「あたしが作ったご飯も食べずにカップ麺食ってたこともあったじゃん」

マミ「あ、あれは本当に忘れてたのよ……」

まどか「えー? 杏子ちゃんもご飯作れるんだ」

杏子「そんなに難しいことじゃないだろ?」

ほむら「料理って、要は慣れだから」

まどか「そっか(いつかほむらちゃんと一緒に住むときのために、私もできるようになっておかないと……)」

………………

まどか「ごちそうさま! 美味しかったね」ティヒヒ

マミ「ゴミはこの袋にまとめましょうか」

杏子「で、どんな話をするのさ?」

マミ「どうせだから、みんなで悩みとか愚痴を打ち明け合わない?」

まどか「何だかさやかちゃんがいないときにこんな話になっちゃうなんて、悪い気がするなぁ」

マミ「美樹さんと言えば、例の彼とはどうなってるの?」

まどか「別にどうも。見ててやきもきしちゃうんです」

ほむら「上条恭介はずっとバイオリンに夢中らしくて、恋愛とか考えてる暇がないみたい」

杏子「でもさ、結局はさやかしかどうにかできない問題じゃんさ。まどかがやきもきしたって始まらないだろ?」

まどか「うん……そうなんだけどね……」

マミ「でも女の子なら、誰でも友達の恋愛には興味津々なものよ」

まどか「多分、それだけじゃないです」

杏子「どういうことさ?」

まどか「私、さやかちゃんが命懸けで上条君の腕を治したのを知ってるから……」

まどか「きっと、頑張った人には報われて欲しいんだと思う」

ほむら「まどか……」

マミ「鹿目さんらしいわ」

杏子「でもな、世の中頑張っても報われないことなんてたくさんあるんだぞ? そんなに神様は優しくねぇのさ」

まどか「わかってる。自分でも子供っぽいって思うよ」

まどか「でもやっぱり、希望を持つことや誰かのために頑張ることが間違いだなんて、認めたくないから」

まどか「だから私は、さやかちゃんに報われて欲しいんだと思う」

杏子「ふーん、いいじゃねぇの? 結局、自分の信じてるもののために突っ走るしかないもんな」

まどか「うんっ」

マミ「そう言えば、美樹さんは大丈夫なのかしら? 実際のところ、受験とかどうなの?」

まどか「大丈夫ですよ! さやかちゃんはやれば出来る子ですから!」

杏子「それって、やらなきゃ出来ない子、ってことだけどな」ハハ

まどか「……」

杏子「そこで黙るなよ!」

まどか「だ、大丈夫だよぉ。今頃ちゃんとやってる、って」

―その頃、さやかの部屋―

QB「で、君はどうして勉強しに帰って来たのに部屋の掃除なんかしてるんだい?」

さやか「だ、だって気になっちゃったんだもん! 大丈夫だって、これが終わればちゃんとやるから!」

QB「やれやれ」

さやか「あ、のだめの1巻がこんなとこにあった……」

QB「さやか?」

さやか「ちょっと、ちょっとだけならいいじゃん!」

QB「わかったよ、上条恭介と同じ高校へ行く気はないんだね」

さやか「うぐっ。あ、相変わらず汚いヤツ……」

さやか「はいはい、わかりました! やりますよ! やればいいんでしょ!」

QB「きゅっぷい」

―再び公園―

マミ「そう言えば、鹿目さんの夢、聞いたことあったわね」

杏子「まどかの夢?」

まどか「うん。私、得意な学科も自慢できる才能もないから、誰の役にも立てないまま毎日を過ごしていくことが、凄く嫌だった……」

マミ「魔法少女になれれば夢が叶う、って言ってたけど、実際なってみてどう?」

マミ「あの時と今じゃ、魔法少女は違う意味合いのものになったわけだけど」

まどか「どうかな……ほむらちゃんの恋人になれて、ちょっと考えが変わったかもしれないです」

マミ「どんな風に?」

まどか「こんな私でも、必要だって言ってくれる人がいてくれて……」

まどか「こんな私でも、誰かのために生きられるんだ、ってわかったから」

ほむら「まどか……」

マミ(本当にラブラブねぇ……)フフ

まどか「例えば杏子ちゃんだってバイトしてて、それは誰かの役に立ってるからお給料貰えるんだよね?」

まどか「誰かの役に立つ、って特別なことでもないような気もしてきて……」

杏子「でもあたしがいなくなっても、誰かがやれることだぞ? 所詮は社会の歯車さ」

まどか「あー、そっか……」

ほむら「あの……」

マミ「ん?」

ほむら「社会の歯車、ってそんなに悪いことなの?」

まどか「えっ?」

杏子「悪いわけはないだろうさ」

マミ「でもせっかく生まれて来たんだもの、自分だけしかできないことを見つけて輝きたいじゃない?」

ほむら「私は病気のこともあって、社会の歯車さえなれないと悲観してたから、悪いことには思えないの」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「そっか、そう言う考えもあるんだね」

杏子「誰にでもできる仕事、ってのも、誰かがやらなくちゃいけない仕事だもんな」

まどか「そっか……」

マミ「でも大きな夢を持つことは悪いことじゃないと思う」

マミ「大人になるまで時間はあるんだから、いっぱい悩んでいけばいいと思うの」

ほむら「そうね」

杏子「………………あのさ、せっかくだから、正直に告白するよ」

まどか「何?」

杏子「あたしさ、どっかで変なバランス感覚があるんだと思う」

ほむら「バランス感覚?」

杏子「あたしの勝手な祈りで家族を壊しちまったのに、あたしだけ幸せになっていいのか、ってさ」

まどか「やめてよ! そんなのってないよ!」

杏子「自分でもわかってるさ。馬鹿な感傷だ、ってね。でもさ……理屈じゃないだろ、こういうのって」

ほむら「杏子……」

マミ「……それを言うなら私だって、家族で私だけ生き残ったことに、罪悪感みたいな気持ちはあるわ……」

まどか「マミさんまで……」

マミ「私が正義の味方にこだわってるのは、そう言う想いがあるからかもしれない」

まどか「そんな……そんな……」

マミ「でもね、私も佐倉さんも幸せにならなくちゃいけないと思うの。だって、これからも生きていくんですもの」

まどか「そうだよ。そうじゃなかったらおかしいよ」

杏子「へへっ、悪いな。あんた達の話を聞いてて、あたしも弱音を吐きたくなっただけさ」

まどか「杏子ちゃん……」

杏子「でもな、こんなことを考えられるのも、まどかとほむらのお陰なんだ」

ほむら「えっ!?」

マミ「そうね。あなた達がいなかったら、私達は何も知らずに魔女になっていたかもしれないもの」

まどか「そんな……私はあの時、ほむらちゃんのことしか考えてなくて、そんなこと言ってもらえるようなことじゃないのに……」

ほむら「私も、自分の目的のために戦っていただけよ」

マミ「でも結果として魔法少女はみんな救われたわ。だからとても感謝してるのよ?」

杏子「まっ、照れくさくて今まで言えなかったけどさ」

マミ「暁美さん、鹿目さん、本当にありがとう」

杏子「ありがとうな」

ほむら「いや、あの……その……///」

まどか「うぅ~///」

マミ「ふふっ、そんなに照れなくてもいいじゃない」

杏子「はははは」

マミ「さっ、今日はそろそろ帰りましょうか」

杏子「ゴミ、さっきのコンビニで捨てて行こうか」

まどかほむら「///」

マミ「ほらほら、いつまでも照れてないの」フフ

―帰り道―

杏子「……なぁ、やっぱあたし達、大人になっても魔法少女やってるんだよな?」

まどか「あー」

マミ「そうね、忙しい仕事だったりしたら大変そう」

まどか「色々あるねぇ」ティヒヒ

杏子「おばさんになってもあのカッコしなきゃなんないのかと思うと、気が重いよな……」

マミ「うぅ~、それは言わないでよ……」

ほむら「ええ……」

まどか「でも……多分、そのことでは私が1番悲惨だと思う……」ズーン

杏子「あー、あのピンクの衣装は確かに……」

ほむら「大丈夫よ、まどか。私はありだから」キリッ

まどか「ほむらちゃん……///」

マミ「あー、はいはい、バカップル、バカップル」

杏子「投げやりになるなよ……」

第2話 じゃああたしはどうすればいいのよ

―夏休み、教室―

さやか「はぁ、夏休みに補習なんて……」

さやか「あたしの青春を返して、って感じよね!」

さやか(そう言えば、何人くらい受けるのかな? あたし1人だったら寂しいよね……)ハハ

がらっ。

さやか「!」

上条「あれ? さやかじゃないか」

さやか「恭介ぇ?」

上条「よかった。僕1人じゃなかったんだね」

さやか「きょ、恭介も補習なの?」

上条「恥ずかしながら、ね。バイオリンに夢中になってたせいで、実は成績が下がってたんだ」

さやか「そうなんだ……」

上条「さやかは?」

さやか「ええっ!? いやー、あはははは……///」

上条「半年後は受験だって言うのに、怠けてたら駄目じゃないか」

さやか「恭介には言われたくないって!」

上条「あははは、ごめんごめん」

さやか「んもう」

さやか(ヤバイ……嬉しい……///)

―帰り道―

上条「さやか、やればできるんじゃないか」

さやか「あははは、補習受けることになったら友達に怒られちゃってさー。実は今日まで勉強漬けだった、ってわけ」

上条「それって鹿目さんや暁美さんのことかい?」

さやか「そう。特にほむらなんて怒るとおっかなくてさー」

上条「大人しそうに見えるのに」

さやか「いやぁ、あいつは怒ると鬼みたいな顔するんだよ?」

上条「あははは、それだけさやかのことが心配なんだね」

さやか「うん、わかってる」

上条「いい友達を持ったね、さやかは」

さやか「まあね」

上条「……」

さやか「?」

上条「志築さんとは……」

さやか「え?」

上条「ごめん、何でもないや……」

さやか「うん……」

上条「……」

さやか「でも、あたしは今でも仁美と友達のつもりだから」

上条「さやか……」

さやか「だから恭介は、そんな顔しちゃ駄目」

上条「うん、ありがとう」

さやか「うん」

上条「さやか、夏休み、一緒に勉強しないか?」

さやか「えっ!?」

上条「ほら、一緒に教え合ったりさ。2人の方がはかどるだろ?」

さやか「いやー、補習受けてる同士でそれはどうなんだろ~」タハハ

上条「正直言っちゃうけどさ、さやかに僕を監視してて欲しいんだ」

さやか「監視? そりゃ穏やかじゃないね」

上条「1人でやってると、どうしてもバイオリンに手が伸びちゃうから」

さやか「ああ」

上条「だからさ、頼むよ」

さやか「うん、わかった! そう言うことなら一緒に勉強しよう!」

上条「ありがとう、さやか」ニコ

―さやかの部屋―

さやか「~~~~~~~~~~~~~~~っっ///」ゴロゴロ

さやか(何これ何これ何これ、あたし、夢見てるんじゃないよね?)

さやか(夏休み中、ずっと恭介と一緒じゃん!)

さやか(幸せ過ぎるよ、これ~~~~~~///)ゴロゴロ

さやか(受験戦争、バンザイ!!)

さやか「そうだ。今日の分の勉強、やっとこ」

さやか(あたしの方が進んでたもんね、恭介に教えてあげられるようにしとかないと)ニヤニヤ

さやか「~♪」

さやか(ここどうやるんだっけ……)

さやか(おっと、ほむらのノートのコピー、っと)

さやか(いやぁ、さやかちゃん、いい友達を持ったね!)

さやか「!!」ハッ

さやか「……………………仁美」

さやか(ヤバイ…………これって、抜け駆けじゃん)ドクン

―夕方、コンビニ―

杏子「よっ、さやかじゃん」

さやか「杏子……」

杏子「あたしはバイトの帰りなんだ。さやかは?」

さやか「う、うん。消しゴムを買いにね」

杏子「……なんか元気ないけど?」

さやか「あは、まあね……」

杏子「はっ、仕方ない。話ぐらいなら聞くよ?」

さやか「うん……」

―公園―

杏子「食うかい?」

さやか「うん、サンキュ」

さやか「杏子、バイトは楽しい?」

杏子「ははは、まあね。こんな手があったんだ、ってちょっと後悔してる」

さやか「ふーん」

杏子「マジで元気ないな。どうしたのさ?」

さやか「今日、補習受けに行ったらさ、恭介がいて」

杏子「ぼうやが?」

さやか「あはは……あいつ、バイオリンばっか弾いてて成績下がっちゃったんだってさ」

杏子「へぇ~、マジでバイオリン馬鹿だな」

さやか「だから1人で勉強してるとバイオリンに手が伸びちゃうから、あたしと一緒に勉強しないか、って……」

杏子「マジ!? スゲー進展じゃん!」

さやか「うん」

杏子「ははっ、まどかのヤツが聞いたら喜ぶぞ」

さやか「でもさ……これって、抜け駆けじゃん」

杏子「あん?」

さやか「仁美はあたしに先に告白する権利を譲ってくれたのにさ、あたし、仁美に隠れてこんなことしてて」

杏子「……」

さやか「フェアじゃないよ。こういうの、良くないよね」

杏子「……」

さやか「杏子はどう思う?」

杏子「ウゼェ」

さやか「えっ?」

杏子「ちょーウゼェ」

さやか「なっ、何でよ?」

杏子「あんたとライバル女が戦ってんのはさ、どっちかがぼうやと付き合いたいからだろ?」

さやか「そうだけど」

杏子「なのに、何でぼうやが一番嫌な思いをしなきゃならないわけさ?」

さやか「っ!」

杏子「ぼうやは幼馴染みのさやかと一緒に勉強したい、って思っただけだろ」

杏子「あんた達の事情に付き合わせるのは、違うんじゃねーの?」

さやか「じゃあ、あたしはどうすればいいのよ!?」

杏子「知らねーよ」

さやか「そんな……」

杏子「あんた、いい子でいたいだけなんじゃないのか?」

さやか「ち、違っ!!」グッ

杏子「さやかはさ、ほむらが渡って来た世界で、ぼうやにふられて魔女になったことだってあるんだろ?」

さやか「……」

杏子「ほむらは何度も失敗してたんだ。あたし達が上手く行ったのは、ちょっとした偶然の積み重ねなんだよ」

さやか「うん……」

杏子「なのにフェアだの抜け駆けだの、言ってる余裕あんのかい?」

さやか「それは……」

杏子「まどかが言ってた。さやかは命懸けでぼうやの腕を治してやったんだから、頑張った人には報われて欲しい、って」

さやか「あの子らしいね……」

杏子「でもあんたが頑張らないんなら、まどかも応援しなくなるはずさ」

さやか「っ!」

杏子「どうすればいいのかは、自分で考えな」

―杏子が去った後―

さやか「どうすりゃいいのよ……」

さやか「…………」

――――――――


ほむら『美樹さやか…………あなたの、魔女化によってね』

まどか『だってさやかちゃん、怪我した上条君のお見舞い、ずっと続けてるんだよ? 上条君が辛いときに、ずっと支えになってあげてるのに!』

ほむら『その少年が恋人を作ったことで、美樹さやかのソウルジェムが濁ったことは事実だわ』

ほむら『恋愛のことはよくわからないけど……例えば好きな人がいない少年が魅力的な少女に告白されたら、OKをしてしまうものじゃないかしら?』

ほむら『あなたが先に告白をすれば、未来は簡単に変わるかもしれないわ』

まどか『……でもそれって、今の上条君はさやかちゃんをそう言う目で見てない、ってことだよね。私は納得できないよ……』

上条『さやかが僕を好きだって言ってくれたのに、その友達の志築さんと付き合えるわけないだろう?』

上条『だってさやかは僕の大切な幼馴染みだもの』

杏子『ほむらは何度も失敗してたんだ。あたし達が上手く行ったのは、ちょっとした偶然の積み重ねなんだよ』

杏子『でもあんたが頑張らないんなら、まどかも応援しなくなるはずさ』


――――――――

さやか「うぅ……」ジワッ

さやか「どうしろって言うのよ。どうしろって……」ポロポロ

さやか「う~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ」ポロポロ

……………………
………………
…………

仁美「どうしたんですの? こんなところに呼びつけるだなんて」

さやか「うん、急にごめん……」

仁美「さやかさん? なんだか元気がありませんけど……」

さやか「仁美…………あたしさ」

仁美「はい」

さやか「夏休みの間、恭介と一緒に勉強することになったから」

仁美「!!」

さやか「……」

仁美「抜け駆け、ですのね……」

さやか「ごめん……」

仁美「卑怯者」

さやか「っっ!!」

仁美「否定しませんのね」

さやか「ごめん……ごめん……」ポロポロ

仁美「さやかさん……」

さやか「あたし、やっぱ無理。誰にも恭介を渡したくない……っ!」

さやか「だって、だって子供の頃からずっと好きだったんだもん!!」

仁美「……」

さやか「ごめん、仁美……ごめんね……」ポロポロ

さやか「うぅっ」

さやか「う~~~~~~~~~~~~~~っっ!」ポロポロ

仁美「…………もう、いいですわ」

さやか「…………え?」

仁美「あんな無神経な男、のしつけてさやかさんにお譲りします」

さやか「え? あ、え?」

仁美「彼、わたくしといると気詰まりで、何を話していいのかわからなくなるんでしょうね」

仁美「わたくしといるとき、さやかさんのお話ばかりされますのよ?」

さやか「そんな……」グスッ

仁美「酷いと思いません?」

さやか「あっ、あいつ、バイオリン馬鹿だし、不器用だからさ」

仁美「わたくしはどんな顔をすればいいのでしょうね」

さやか「ごめん……」

仁美「さやかさんに謝ってもらっても、却って悲しいだけですわ」

さやか「ごっ、ごめん。そうだよね」

仁美「だからもう、よろしいんですの」

さやか「仁美……」

仁美「今回は、わたくしの見る目がなかった、と言うことですわね」

さやか「……」グスッ

仁美「どうかさやかさんが上手く行きますよう、お祈りしてますわ」

さやか「え? あの……」

仁美「ご機嫌よう」スタスタ

さやか「っ! 仁美っ!!」

仁美「……」

さやか「えと……あの……」

仁美「わたくしはどうして、さやかさんより先に上条君に出会えなかったんでしょうね……?」ジワッ

さやか「!」

だっ。たったった……

さやか「仁美……」

さやか「ごめん……ごめんね……」ポロポロ

―数日後、上条の部屋―

上条「――と、こういうわけさ。わかったかい?」

さやか「なるほどぉ~、恭介の教え方わかりやすいわ。サンキュ」

上条「それじゃあ、例題を解いてみようか」

さやか「了解!」

上条「……」カリカリ

さやか「……」カリカリ

上条「……」

上条「~♪」

さやか「恭介……左手がバイオリン弾いてるよ?」

上条「あっ、ごめん!」

さやか「んもう。ほんとにバイオリン馬鹿だね」ククク

上条「そんなに笑わないでよ///」

さやか「もうちょっと頑張ろうよ。そしたら休憩してさ、そのとき弾いてみせてよ。正直言うと、あたしも聴きたいしさ」ニッ

上条「さやか…………うん、わかったよ」

―上条家の側、路地裏―

QB「さやかは上条恭介と一緒に勉強しているのか……」

QB「やはり人間の行動は予測が難しいね」

QB「しかしこれは僥倖だと言える」

QB「さやかの成績の向上が望める上、上条恭介との関係が良好になればさやかの精神の安定が期待できる」

QB「その場合、もしさやかが受験に失敗したとしても、魔獣狩りに影響がでない可能性が大きいからね」

QB「僕は新人の子達の面倒に戻ることにしよう」

QB「さやか、しばらくお別れだね」

QB「きゅっぷい」

第3話 誰かに認めてもらえるのっていいものよね

―路地裏―

ほむら「今日は魔獣が多いわね」ピシュン

さやか「ほむら、あたしが突っ込むから援護お願い」

ほむら「ええ」

さやか「おりゃあああああああああああっ!」

……………………
………………
…………

さやか「ふぅ、いい汗かいた!」

マミ「そっちも終わったみたいね」

杏子「もう気配はないよな」

ほむら「それじゃ、帰りましょうか」

さやか「ほむら、ご苦労さん」

さやか「まどかがいないとカッコいいトコ見せられなくてモチベーションが下がるかと思ったけど、真面目にやれるじゃん!」

ほむら「……私はいつからまどかにカッコつけるためだけに戦ってることになったのかしら……?」ジト

マミ「そうよ。鹿目さんが安心して家族とお出かけするためにも、暁美さんはちゃんとやってくれてるんだから」

ほむら「……もうそれでいいわ」ハァ

杏子「ははっ。幸せ者はからかわれる運命にあるのさ。諦めな」

ほむら「んもう」

マミ「ふふっ」

さやか「はははっ」

??「あっ、マミさん!」

マミ「ん?」

魔法少女A「この前は助けてくださってありがとうございました!」ペコッ

マミ「ああ、あなた達も来てたの」

魔法少女B「マミさんがいたなら、一緒に戦いたかったな……」

杏子「マミ、知り合いかい?」

マミ「新人の子達よ、この前知り合ったの」

魔法少女B「え……4人いる……?」

魔法少女A「嘘っ! もしかして、マギカ・カルテットの皆さんですか!?」

さやか「マギカ」

ほむら「カルテット?」

魔法少女A「す、凄い! マギカ・カルテットが勢揃いしてるなんて!」

魔法少女B「あの、ワルプルギスの夜をこの4人で倒したんですよね?」

杏子「あ、ああ」

さやか「そう言うことになっちゃうのかな、はは」

魔法少女A「凄い凄い! あの、良かったら握手してもらってもいいですか!?」

魔法少女B「わ、私も……」

さやか「えぇ~、困っちゃうな~。まぁ、可愛い後輩の頼みとあっちゃね!」

マミ「うふふふ」

ほむら(な、何これ……何よこれ! 恥ずかしい……逃げたい……///)

―新人2人が去った後―

さやか「いやぁ、あたし達って有名人になってたんだねぇ」テレテレ

マミ「私もあの子達から聞いたの。照れちゃうわよね」ウフフ

ほむら「な、何でバレてるの? 恥ずかしいわよ、こんなの!」

杏子「いや、よく考えてみろよ。不思議でもなんでもないじゃんさ」

ほむら「え……?」

杏子「ワルプルギスの夜。あんなでかい魔女が、結界も張らずに現れたんだぞ?」

マミ「なるほど。魔法少女の素質を持つ子なら、目撃してる可能性があるわよね」ウンウン

杏子「魔女のことを知らなくてもでっかい化け物、ってのは判ったろうさ。しかもその周りでちょろちょろと動いてるあたしらも見られた可能性は高い」

さやか「そっか。その後、キュゥべえに出会って魔法少女の話を聞いたら、すぐに気づくだろうね。あたし達がその化け物を倒したんだ、って」

マミ「確かに、不思議でもなんでもない話ね」ウンウン

ほむら「そんなぁ……」

マミ「いいじゃない。悪く言われてるわけじゃないんだから」

杏子「……でもひとつ、おかしい所があるけどね」

さやか「何?」

杏子「あたし達のことを知りすぎてる。まるであたし達の誰かが言いふらしたみたいだ」

マミ「」ギクッ

ほむら「どういうこと?」

杏子「あたし達は避難所から離れて戦ってたはずさ。なのに、どうして4人だったなんて正確にわかるのさ?」

ほむら「そう言えば……」

マミ(やばいやばいやばいやばい……)ドキドキ

さやか「あ、わかった! その後4人で魔獣狩りをしてるのを見て、この4人だってわかったんじゃない?」

マミ(美樹さん、でかしたわ!)

杏子「そんなはずはないんだよ」

ほむら「まどかが魔法少女になったのは、ワルプルギスを倒した直後よ?」

さやか「そっか! その後見られたんなら、5人だって勘違いしなきゃおかしいんだ!」

マミ(美樹さんの馬鹿!)

ほむら「だっ、誰よ! こんなこと言いふらすなんて!」

杏子「あたしじゃねぇぞ?」

マミ(どうしようどうしようどうしよう……)ドックンドクン

マミ「!」ハッ

マミ「鹿目さんがもしかしたら……」

ほむら「まどかが?」

さやか「そりゃあり得ないっしょ~」ハハ

マミ「いえ、発想の転換をしてみて」

杏子「どういうこった?」

マミ「私達が魔獣狩りをしているのを見た子が、ワルプルギスを倒したのが私達5人だと思ったとするわね」

マミ「もしそれを、鹿目さんが知ったとしたら?」

さやか「! まどかなら、ちゃんと間違いを正しそうだ!」

マミ「そうね。鹿目さんは偽りの名誉に甘んじる子じゃないもの」

マミ「むしろ、5人で戦ったと勘違いされることが、私達の名誉を傷つけられた、と思い込んじゃいそうじゃない?」

杏子「うーん、あり得るな」

マミ(やった、切り抜けた!?)

マミ(……でもこんなの駄目よ。鹿目さんに訊かれたら一発でバレちゃうじゃない!)ガクブル

ほむら「……」

マミ(どうしよう……鹿目さんに口裏を合わせてもらうしか……)

マミ(うぅ……軽蔑されちゃうだろうな……)

ほむら「いえ、あり得ないわね」キッパリ

マミ「」ギクギクッ

マミ「そ、それはどうして?」ドキドキ

ほむら「私達が他の魔法少女に憧れられているとして、そのことを知ったまどかが、私達に知らせない理由がないわ」

さやか「ああ、そっか! まどかなら嬉しそうに報告して来そう!」

マミ(鹿目さんマイスターには通じなかった――!)

マミ(どうしようどうしようどうしよう)ドックンドックン

杏子「さやか、お前だろ?」

さやか「なっ、なんでよ!?」

杏子「さっき嬉しそうだったじゃんか」

マミ(神様ぁ、心を入れ替えますから、こっちに矛先が向きませんように……)ドックンドックン

マミ「!!」ハッ

マミ「……もう一度整理しましょうか。私達がワルプルギスを倒したことがバレたのはどうして?」

杏子「だからそれは、避難所にいた魔法少女の素質を持ったヤツが、あたし達とワルプルギスが戦ってたのを目撃したんだろう、って」

マミ「そうね。そして思い出してみて」

ほむら「?」

マミ「その避難所には、鹿目さんもいたのよ?」

杏子さやかほむら「!!」

さやか「そうか! 避難所でまどかを見てれば、その後あたし達が5人でいるのを見かけても……」

ほむら「まどかを除いた4人でワルプルギスと戦ったと、小学生でもわかるでしょうね」

杏子「ならそいつら、まどかはあたし達の弟子かなんかだとしか思わなかっただろうさ」

マミ「そう言うこと」

さやか「凄いや、マミさん! 名探偵じゃないですか!」

マミ「うふふふ、褒めたって何も出ないわよ?」

マミ(やった――――!! やったやった、切り抜けられたわ! 神様、ありがとう!)

杏子「へへ、真相がわかるとすっきりするもんだね」

マミ「ふふっ、そうだね」ニコニコ

ほむら「いえ、まだよ」

マミ「」ギックーン

マミ(神様、マミが嫌いなの!?)

さやか「えぇ~? 今の推理は完璧だと思ったけどなぁ」

杏子「あとは何があるのさ?」

ほむら「……」

マミ(暁美さん、何を言うつもりなの……?)ドックンドックン

ほむら「真相を突き止めたところで、恥ずかしい噂が消えるわけではないのよ?」

…………

マミ杏子さやか「ああ」

ほむら「ああ、ってあなた達……」

マミ「ごめんね。私ったら推理に夢中になってたみたい」

杏子「はは、それこそ諦めるんだね。人の口に戸は立てられねぇ」

さやか「えへへ、正直に言っちゃうけどさ、やっぱあたしは嬉しかったよ」

マミ「そうね、誰かに認めてもらえるのっていいものよね」

ほむら「うぅ~」

杏子「ま、あんたの気持ちもわかるさ。ほむらの本性は気弱な恥ずかしがり屋なんだもんな」

さやか「でもみんなに認めてもらえたんだからさ、そこは喜ばなきゃ」

マミ(……暁美さん、ごめんなさい……)

マミ「さあ、今度こそ帰りましょう?」

ほむら「何でこんなことに……」トボトボ

さやか「まぁまぁ」

マミ(……これからは自重しよう……)

―物陰―

QB「……」

QB「まったく、わけがわからないよ」ヤレヤレ

第4話 ずっとこんな風に、仲良く寄り添って行こうね

―早朝、ほむらのふとん―

ちゅんちゅん……

まどか「……ん……」

まどか(朝か……)

まどか「んー」

まどか(なんか布団が凄く熱い……)

ほむら「」スースー

まどか「!!」

まどか(ほむらちゃんのどアップ……///)

まどか(そっか、昨日ほむらちゃんと……///)

まどか(きゃー、きゃー///)モゾモゾ

ほむら「」スースー

まどか(ほむらちゃんの寝顔、綺麗だよね)

まどか(幸せ……///)

まどか(喉乾いちゃった)モゾモゾ

まどか(ちょっと起きてお水飲もうっと)

しゃー、きゅっ。

ごくごく。

まどか(美味しい)

まどか(寝汗すごいな……)

まどか(そっか、2人の体温で暖め合ったから……)

まどか(……///)

まどか(ほむらちゃんも起きたら、喉乾いてるよね)

まどか(でも今用意しても温くなっちゃうし……)

まどか(! まだ5時前?)

まどか(こんなに明るいんだ……)

ちゅんちゅん。

ほむら「」スースー

きらっ。

まどか「?」

まどか(あ、ソウルジェムが光ったのか)

まどか(私のソウルジェムとほむらちゃんのソウルジェムがぴったり仲良く並んでる……)

まどか(なんかえっちだな///)

まどか「……」

まどか(もうちょっと寝よう)モゾモゾ

まどか(ほむらちゃんの髪を踏まないように……と)モゾモゾ

まどか(えへへ、ほむらちゃん……///)ギュッ

まどか(ほむらちゃんの肌、すべすべで気持ちいい)

まどか(裸で抱き合うのって、こんなに気持ちいいんだ……)ドキドキ

まどか(昨夜……)

まどか(///)カ―ッ

まどか(む、夢中でよく覚えてないや///)ドキドキ

ほむら「」スースー

まどか(でも、凄く優しくしてくれたよね……)

ほむら「」スースー

まどか(どうしよう……凄くキスしたい……)

まどか(いいよね? 恋人なんだもん)

ちゅっ。

まどか(きゃー、きゃー///)

ほむら「うぅ……まどか……」

まどか「あっ、ごめん! 起こしちゃった?///」

ほむら「うぅ……うぅぅぅぅうううう……」ポロポロ

まどか「!? ほむらちゃん?」

まどか(うなされてるの?)

ほむら「うううううううぅうううぅうぅううううぅぅぅぅううううううっ!!」

まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃん!?」

まどか(1年前、マミさんを助けたときと同じだ!)

ほむら「あああああぁぁぁぁぁああああっっ!!」

まどか「ほむらちゃん!!」

ほむら「まどかっ、まどかぁっ!!」ギュッ

まどか「私はここだよ!? どうしたの、悪い夢でも見たの?」ギュッ

ほむら「まどかを撃ったときのことがっ。夢でっ。うわあぁあああっ!」ポロポロ

まどか「私を……撃った……?」

ほむら「っ!」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「……2人でワルプルギスの夜を倒したとき……」

まどか「うん」

ほむら「……魔女になりなくない、ってまどかが、真っ黒になったソウルジェムを差し出して……」

まどか「……うん」

ほむら「だから……私……まどかのソウルジェムを撃ったの……」

まどか「なっ!?」

まどか(なんてこと、ほむらちゃんにさせたの、私)

まどか(こんなの酷いよ……)ジワッ

ほむら「ごめんなさい、まどか。ごめんなさい」ポロポロ

まどか「いいんだよ。きっとその私も、ほむらちゃんに看取ってもらえて幸せだったよ?」ナデナデ

ほむら「うわああぁあっ。あああっっ」ポロポロ

まどか「大丈夫、私はもう魔女にならないからね。ずっとほむらちゃんの側にいるよ?」ナデナデ

ほむら「まどかっ。まどかぁ……っ!」

まどか(ほむらちゃんの戦いはまだ終わってなかったんじゃん……)ポロポロ

まどか(こんな風にずっと苦しんでたの……?)

まどか(こんなのってないよ)ポロポロ

まどか「ほむらちゃんはもう苦しまなくてもいいんだよ? ほむらちゃんはもう望みを叶えたんだから」

ほむら「うぅぅ……」ヒックヒック

まどか「マミさん達だって、ほむらちゃんに感謝してる、って言ってたでしょ?」

ほむら「私は、そんなこと言ってもらえるような人間じゃないの」ヒック

まどか「どうして?」

ほむら「私はっ、何度も繰り返して、何度も巴さん達を見捨ててきたのっ」ポロポロ

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「ワルプルギスの夜の呪いを1人で受けたときだって、みんなは自己犠牲だって言ったけど、本当は違う」

まどか「うん」

ほむら「私は……今思えば自殺願望があったんだと思う……」ポロポロ

まどか「えっ!?」

ほむら「子供の頃からずっと病気で、友達もいなくて、明るい未来なんて想像したことなかった」ヒック

まどか「うん……」

まどか(ほむらちゃん、夢見が悪かったせいで不安定になってる……)

まどか(全部吐き出させてあげよう)ナデナデ

ほむら「何度も同じ時を繰り返して、なくした未来を待ち望んでたはずなのに、私はそれが怖くてどうしようもなかったの」

まどか「そうだったんだ……」

ほむら「時間を止める能力が無くなるのもわかってたし、本当ならワルプルギスを倒したら見滝原から出て行くつもりだった……」

まどか「ほむらちゃん……」

まどか(そんな決意で戦ってたの? 誰にも理解されなかったかもしれないのに……)ジワ

ほむら「だから、呪いを1人で受けたの……」

ほむら「あの時はもうまどかが側にいてくれてたのに、私は戦いから逃げようとしてたのよ!」ポロポロ

まどか「そっか……」

ほむら「ごめんね、まどか。あなたが憧れてくれたカッコイイ私なんてどこにもいないの」

ほむら「私は臆病で、卑怯で、泣き虫で、情けない女なのっ!」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「うぅ~~~~~っ」ポロポロ

ほむら「ごめんなさい、まどかぁ。嫌わないで……お願い……嫌わないで」ポロポロ

まどか「何でそのくらいのことで、私がほむらちゃんを嫌いにならないといけないのかな?」

ほむら「え……?」

まどか「私が好きになったカッコイイほむらちゃんは、無敵のスーパーヒーローなんかじゃないよ」

まどか「泣き虫で、引っ込み思案で、臆病で、それでも私のために、傷つきながらずっと頑張ってくれたあなたなんだよ?」

ほむら「まどか……っ!」ジワッ

まどか「そしてほむらちゃんはこうして望みを叶えたんだもん。もう悲しむ必要なんて、どこにもないよ」

ほむら「まどかぁ、まどかぁっっ!」ポロポロ

まどか「がんばったね、泣き虫ほむらちゃん」ナデナデ

ほむら「うわぁああっ、ああああぁぁぁああああああっっっ!」ポロポロ

まどか(なんて細い肩……それに夏でも真っ白な肌……こんな体で、ずっと戦って来たんだよね……)

まどか「大好きだよ」

……………………
………………
…………

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん、落ち着いた?」ナデナデ

ほむら「ごめんなさい。みっともない所を見せたわ」グスッ

まどか「そんなこと言っちゃ嫌だよ。ほむらちゃんが泣いてたって、みっともなくなんかないもん」

ほむら「まどか……」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん。大人になったら一緒に住もうよ」

ほむら「え?」

まどか「もしほむらちゃんが今日みたいに悪い夢を見ても、隣に私がいたら安心できるでしょ?」

ほむら「……ええ」

まどか「だから、ずっと一緒にいよう?」ナデナデ

ほむら「まどか……」

ほむら(裸で抱き合うのって気持ちいい……)

まどか「私ね、将来のことなんて何も決まってなかったけど、ほむらちゃんとずっと一緒にいる、ってそれだけは決めちゃってたんだ」

ほむら「そうね……素敵な夢だと思うわ」

ほむら(まどかとの生活……私はそんなことさえ想像せずにいたんだ……)

まどか「でもね、私欲張りだから、新しい夢ができちゃった」

ほむら「何?」

まどか「私、ほむらちゃんが幸せになったところが見たい」

ほむら「え?」

まどか「幸せな未来を夢見れるようになって、悲しい夢を見なくても済むようになったほむらちゃんが見てみたい」

まどか「そして私は、ほむらちゃんの側でそのお手伝いをしたいんだ。それが私の新しい夢だよ」

ほむら「まどか……」ウルウル

まどか「私もほむらちゃんのために頑張りたい」

ほむら「~~~~~~~~~~~~っっ!」ポロポロ

ほむら「私っ、あなたに会えて良かった。あなたを好きになって良かった。あなたを諦めないで良かったっ!」

まどか「うん、私もだよ。ほむらちゃんとこうなれて本当に嬉しい」

ほむら「まどかぁ」ギュッ

まどか「ほむらちゃん……」ギュッ

まどか(ほむらちゃんが弱音なんて吐くから、もっともっと好きになっちゃったじゃない……)キュン

ほむら(まどかの形、匂い、ぬくもり……)

まどか(恋人になれたのに、キスだってえっちだってしちゃったのに……)

ほむら(私の大切なものは、全部ここにあったんだよね)ギュッ

まどか(好きになりすぎてどうしていいのかわかんないよ)ギュッ

ほむら「!!」ハッ

まどか(ほむらちゃん……)

ほむら(目の前に…………まどかのさくらんぼが!)ドキン

まどか「……なんか、すっかり朝になっちゃったね」

ほむら(か、可愛い///)ジー

まどか「朝ご飯、何食べようか?」

ほむら(どうしよう……ちゅってしたい……)ドキドキ

まどか「あ、その前にほむらちゃん、喉乾いてない?」

ほむら(そんな空気じゃないけど……)

まどか「ほむらちゃん?(寝ちゃったのかな?)」

ちゅっ。

まどか「ひゃあん!///」ビクン

ほむら「あ……///」

まどか「ほむらちゃん……///」

ほむら「ごめんなさい、つい……」

まどか「……えっち、したくなっちゃった?」

ほむら「///」コクン

まどか「……しちゃおっか?」

ほむら「……うん///」

まどか(可愛い)

ちゅっ……

ほむら「ん……」

まどか「ふ……」

ちゅっ。ちゅるっ。

まどか(また、あの凄いカッコするんだよね……///)

まどか(どうしよう……こんなに明るかったら、ほむらちゃんに色んなトコ見られちゃう)

まどか(……でもいいや。ほむらちゃんに全部あげるって決めたんだもん)

……………………
………………
…………

―事後―

ほむら「まどか……」ナデナデ

まどか「ほむらちゃん……」ナデナデ

まどか(ほむらちゃんの凄いところまで見ちゃったよ///)

まどか(私も全部見られちゃっただろうけど……)

まどか(今日帰って、パパやママの顔、まともに見れる自信がないよぅ~///)

ほむら(まどかの肌、すべすべして気持ちいい)ナデナデ

まどか「こうやって裸で抱き合うのって気持ちいいね……」ナデナデ

ほむら「そうね、全身でまどかとキスしてるみたい」

まどか「ティヒヒヒ/// なんかえっちだね」

ほむら「でもこれは……」

まどか「ん?」

ほむら「気持ちいい、って言うより、幸せ、って感じなのかな?」

まどか「あ……」

ほむら「幸福感、ってこういうのを言うんじゃないかな」

まどか「そっか……そうだよね!」

ほむら「うん……」

まどか「私ね、何でえっちが気持ちいいのか、ちょっとわかっちゃった」

ほむら「そうなの?」

まどか「うん。好きな人とするから気持ちいいんだよ」

ほむら「! そっか……」

ほむら「私、まどかの色んなとこ触って、色んなとこにキスして、まどかとそう言うことしてるんだ、って凄く興奮してた……」

まどか「ティヒヒヒ/// 私も同じだよ」

まどか「それにほむらちゃんに触られて、キスされて、その全部が愛おしくて、凄く反応しちゃってた///」

ほむら「まどか……」

まどか「ほむらちゃん、幸せになろう?」

ほむら「……うん」

まどか「誰にも負けないぐらい幸せになろうよ」

ほむら「まどかと一緒にいられれば…………今はそんな気がしてるの」

まどか「大きな前進だね! 嬉しいなぁ」

ほむら「うん」

まどか「ほむらちゃん、テーブルの上見てみて」

ほむら「?」

ほむら「あ、私とまどかのソウルジェム……」

まどか「ぴったり仲良く並んでるよね」

ほむら「ええ、私達の魂が」

まどか「ずっとこんな風に、仲良く寄り添って行こうね」

ほむら「ええ」

まどか「愛してるよ、ほむらちゃん」

ほむら「私もよ、まどか」

ちゅ……

―ほむらのアパートの前―

QB「朝早いのに、まどかの気配もする……」

QB「近くに来たから寄ろうと思ったけど、どうやら遠慮した方がよさそうだ」

QB「同性で恋人同士になった魔法少女は何組か見てきたけど、みんな社会や時代のせいで迫害されたり、時には罰せられて来た」

QB「君達はどうなるんだろう……」

QB「まどか、ほむら、君達はどうか幸せになって欲しい」

QB「安定して魔獣狩りができるようにね!」

QB「きゅっぷい」

最終話 正義の味方の魔法少女なんだから

―夏休み最終日、街角―

まどか「……ってわけだったんだ」

ほむら「そうなの。ふふふ」

まどか「ティヒヒヒ///」

にゃーん。

ほむら「あら、エイミー」

まどか「あっ、猫ちゃん!」

にゃーん。すりすり。

ほむら「久しぶりね、エイミー」

まどか「わぁ、この猫ちゃん、エイミーって言うの? ほむらちゃんに懐いてるね! いいなぁ」ウズウズ

ほむら「……」ナデナデ

まどか「わっ、私が撫でても逃げないかな?」ソワソワ

ほむら「……エイミーって名前ね、あなたがつけたのよ」

まどか「へっ?」

ほむら「……」ナデナデ

まどか「あ……(別の世界の私だ……)」

ほむら「初めて会ったときのまどか……私が転校して来たとき、すでに魔法少女になっていたまどかのことなの」

まどか「うん」

ほむら「この子、あなたの目の前で車にはねられてしまって、この子を助けるために、まどかは魔法少女になったの」

まどか「そうだったんだ……」

ほむら「きっとそのとき仲良くなって、エイミーって名前をつけたのね」

まどか「ティヒヒヒ、どうりでこの子にぴったりの名前だな、って思ったよ」

ほむら「そう」

まどか「……このエイミーは、私の代わりにほむらちゃんが助けてあげたんだね?」

ほむら「ええ。病院を抜け出して、この子が轢かれそうになっているところを、時間を止めて助けたの」

まどか「そっか……」

ほむら「そうすれば、取りあえずまどかは魔法少女にならない。後はキュゥべえを倒せばいいと思って」

まどか(ほむらちゃんはどうすれば私が助かるのかだけを考えて、何度も何度も同じ時間を繰り返したんだよね)

まどか(ううん、私のために人生のすべてを捧げるつもりだったんだ……)

まどか「ごめんね……私、魔法少女になっちゃって……」

ほむら「いいえ。そのお陰で巴さんや杏子も救われた……あの結果で良かったと、今では胸を張って言えるわ」

まどか「ほむらちゃん……」

まどか「ありがとう」

ほむら「え?」

まどか「ううん、お礼を言いたい気分だったんだ」ティヒヒ

ほむら「……そう」ニコ

にゃーん。

まどか「あっ、私にも懐いてくれた!」

ほむら「人懐っこい猫みたいね」

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

まどか「エイミー、せっかくほむらちゃんに助けてもらったんだから、もう車の前に飛び出しちゃ駄目だよ」ナデナデ

ほむら「……ありがとう」

まどか「えっ?」

ほむら「ううん、私もまどかにお礼が言いたかったの」

まどか「そっか」

ほむら「ええ」

まどか「テイヒヒヒ///」

ほむら「ふふふっ」

まどか「さあ、マミさんに家に行こう?」

ほむら「ええ」

ぎゅっ。

ほむら(この手はもう、二度と離さない……)

―同日、上条の部屋―

さやか「よしっ、出来たっと!」

上条「それじゃさやか、答え合わせの前にコーヒーでも煎れようか」

さやか「いいね~、熱いヤツでお願いね」

上条「OK、わかったよ」

がちゃ、ばたん。

さやか「~♪ 恭介も答え、全部埋めてるね」

さやか「夏休み、けっこう2人とも頑張ったよね」ヘヘ

さやか「……」

さやか(今日でそれも終わりか……寂しいな……)

さやか「…………」

さやか(仁美…………)

がちゃ。

上条「お待たせ、さやか」

さやか「えへへ、悪いね」

がちゃん。

さやか「熱っ!」

上条「さやかっ!」グイッ

さやか「!!」

上条「ごめんよ、大丈夫かい!?」

さやか「お、大げさだよ。ちょっと手に掛かっただけだって」

上条「すぐに水で冷やそう」グイッ

さやか「あ……」

……………………

しゃー。

上条「火傷にならないといいけど……」

さやか「平気だってば。もう痛くないし」

上条「いいからちゃんと冷やさないと」

さやか「うん……」

さやか(凄い力だった……)

さやか(恭介も男の子なんだ……)

さやか(……///)

さやか「あ、あの……もう平気だから、腕、離してよ///」

上条「! ごっ、ごめん……///」パッ

さやか「///」

上条「///」

上条(僕は何やってるんだ……///)

さやか(あたし……ホントならこんなの魔法で治せちゃうんだよね)

上条「///」

さやか(でも……)

さやか「あのさ、恭介……」

上条「え?」

さやか「心配してくれて、ありがとう」ニコ

上条「!」ドクン

上条「な、何を言ってるんだい? 僕のせいだろ……」

さやか「あはは、恭介もドジ踏むんだね」

上条「……///」

上条(さやか……さやかの腕、柔らかかったよな……)ドキドキ

……………………
………………
…………

さやか「うわー! 2人とも80点代じゃん! 凄くない?」

上条「あはは、初めからこうだったら良かったのにね」

さやか「でもさ、あたし、恭介と一緒に勉強できて楽しかったよ」

上条「え?」

さやか「だから補習になって、得しちゃったかな?」

上条「!!」

さやか「あははっ、なーんてね///」

上条「さやか……」

さやか「えへへ、変なこと言っちゃったかな?」

上条「さやかは女の子だったんだね……」

さやか「へっ!?」

上条「あ、その、違うんだ」アセアセ

さやか「ちょっとー、今までさやかちゃんを何だと思ってたわけぇ?」

上条「ごめん、ちょっと間違っただけなんだ」

さやか「んもう、どういう間違いよ、それ」タハハ

上条「うん、ごめんよ……」

上条(可愛い女の子だったんだ、って言いそうになったんだよ……)

上条「さやか、またバイオリンを弾いてもいいかい?」

さやか「うん、そうだね。これだけ頑張ったんだもん。あたしも聴きたいし」

上条「ありがとう」

~♪~♪~♪

さやか(あ、グノーのアヴェ・マリアだ……)

~♪~♪~♪

さやか(恭介……)

……………………

ぱちぱちぱちぱち。

さやか「凄く良かったよ、恭介」

上条「ありがとう、さやか」

さやか「……ずっと思ってたんだけどさ、恭介、前と演奏変わったよね」

上条「そうかい?」

さやか「うーん、何だろう? 深みが出たって言うかさ、音に力が出てきた感じ」

上条「それは褒めすぎだって」

さやか「あははは、音楽とか良くわかってないあたしに言われても嬉しくないか」

上条「そんなことはないけどさ」

さやか「でもホントにそう思ったんだよ。ずっと練習しまくってた成果が出たんじゃないかなぁ」

上条「……もし」

さやか「ん?」

上条「もし、さやかの言うとおりだとしたら、それは事故のせいかもね」

さやか「え?」

上条「この腕はもう駄目だって、諦めろって言われたんだ」

さやか「うん……」

上条「でも君は、そんなときでも力強く僕を励ましてくれたよね」

上条「バイオリンを弾いてるとね、あのときのさやかを思い出すんだ」

さやか「恭介……」

上条「僕は君の気持ちに応えたい」

さやか「!」

上条「正直に言っちゃうけど、僕、君の気持ちを聞くまで、さやかのことを女の子だって意識したことはあまりなかったんだ」

さやか「うん」

上条「でもお陰で気づけたよ。さやかはとっても魅力的な女の子なんだってね」

さやか「……え?」

上条「さやか、好きだ」

さやか「え……あ……え?」

上条「好きだ」

さやか「きょ……」ポロッ

さやか「~~~~~~~~っ」ポロポロ

上条「待たせちゃってごめんよ」ギュッ

さやか「うぅ~~~~~っ」ポロポロ

さやか「嬉しい……嬉しいよ、恭介ぇ……」

上条「さやか……」ナデナデ

さやか「うわぁあっ、うあああああぁぁぁああん。恭介ぇ~~」

上条(さやか……抱きしめるとこんなに小さいんだ……)

上条(あたたかい…………さやか、やっぱり女の子なんだな……///)

―同日、マミのマンション―

杏子「ただいま~。うぅ~、暑かった~~」

マミ「ふふ、おかえりなさい。麦茶飲む?」

杏子「おっ、いいね。サンキュ」

マミ「ちょっと待ってて」

…………

杏子「生き返った~~!」

マミ「んもう、大げさなんだから」

杏子「へへっ」

杏子「ん? 何やってたのさ? 夏休みの宿題は終わったって言ってたろ?」

マミ「読書感想文の推敲よ。誤字脱字があったらみっともないじゃない?」

杏子「ふーん」

マミ「うん、大丈夫みたい」

杏子「へへ、それじゃああたしが最終チェックしてやるよ」

マミ「あなた、課題図書読んでないじゃない」

杏子「まぁまぁ」

マミ「もう」

杏子「…………これ、何て読むんだ?」

マミ「邂逅(かいこう)、よ」

杏子「意味は?」

マミ「巡り会う、って感じかな」

杏子「ふーん……あ、こっちは?」

マミ「刹那(せつな)、ね」

杏子「意味は?」

マミ「瞬間、極めて短い時間のことね」

杏子「なんでわざわざ難しい言葉で書くのさ。巡り会う、瞬間、でいいじゃん」

マミ「わかってないわね、佐倉さん」フゥ

杏子「!」ハッ

杏子(そうか……マミのヤツ……)

杏子(難しい言葉を使った方が、点をたくさんもらえて成績が良くなる、ってんだな)

杏子(へへっ、さすが優等生。考えが深いじゃん)

マミ「文章は、難しい言葉を使って書いた方がカッコイイじゃない!」キリッ

杏子「………………………はい?」

―夕方、マミのマンション―

さやか「ん~~~~~、美味しい!」

まどか「美味しいね、ほむらちゃん」

ほむら「そうね、巴さんのケーキ、お店のより好きかも」

マミ「んもう、それは褒めすぎです」

杏子「いや、これマジでうまいよ」

さやか「そうそう、マミさんこそ謙遜しすぎですって!!」

まどか(なんか今日、さやかちゃんのテンション高いなぁ)

まどか(上条君と何かあったかな?)ティヒヒ

さやか「あー、まどか、何笑ってんのさー?」

まどか「ううん、ちょっとね」

さやか「怪しいなぁ」

まどか(怪しいのはさやかちゃんだって)

QB「やぁ、揃ってるね」

マミ「あら、キュゥべえ」

杏子「なんか久しぶりだな」

QB「ここのところ、新人の子達の面倒を見ていたからね」

さやか「さてはマミさんのケーキにつられて来たなぁ~。このいやしん坊め!」

QB「マミのケーキか。懐かしいね」

マミ「キュゥべえの分も用意するわ。待ってて」

QB「ありがとう、マミ」

……………………

QB「さて、今日は君達に報告があって来たんだ」

まどか「何? あらたまっちゃって」

QB「君達が大人になったとき、魔法少女を引退してもいいことになりそうなんだ」

まどか「え?」

マミ「あの……えと……」

さやか「それって、普通の人間に戻れる、ってこと?」

QB「まさか、そんなことは不可能さ。わかってるだろう?」

杏子「じゃあどういうことさ?」

QB「つまり、このまま安定して魔法少女が増えれば、君達は大人になったら魔獣狩りしなくてもいい、ってことだよ」

ほむら「魔法少女が魔女にならなくなった今、魔法少女が過剰供給になる可能性が出てきた、ってことね」

QB「そういうことさ。さすがほむらは理解が早いね」

マミ「でも、大人になって魔法少女を続けてもいいんでしょ?」

QB「そうだけど、引退してもらった方が、僕としてはありがたいね」

まどか「なんで?」

QB「君達は大人になれば社会に参加し、仕事をするだろう。やがて結婚して出産もすれば子育ても始まる」

さやか(あー、あたし達って子供産めるんだ……)

QB「そんな生活に疲れたような大人が魔獣狩りなんてやってたら、これから魔法少女になろうって子はどう思うだろうね?」

QB「僕としては、魔法少女の勧誘に支障が出るのは好ましくないのさ」

杏子「つまり、新しい魔法少女を勧誘するのに、大人になった連中は邪魔、ってことかい?」

QB「邪魔とまでは言ってないよ。魔獣狩りが楽しいのなら、趣味でやってくれる分には問題ないからね」

マミ「同じよ。今は命懸けで戦え、って言っておいて、大人になったら用済みだって言うんでしょ?」

QB「どうしてそう言う結論になるのかなぁ。これは君達のためにもなることじゃないか」

マミ「そうじゃない。そうじゃないのよ」

まどか「だってキュゥべえの言い方、冷たいよ」

さやか「人をねぎらう気持ちとかないんだね」

マミ「魔法少女の祈りがなければ人類は発展してこれなかった、以前教えてもらったしそのことはわかるわ」

杏子「でもな、道具扱いされて喜ぶヤツなんかいねーのさ」

QB「うーん、難しいね」

QB「君達の幸せが僕の勧誘活動に好影響になる。利害の一致した素晴らしいシステムだと思ったんだけどなぁ」

ほむら「ぷふっ」

まどか「えっ?」

ほむら「ふふふ。うふふふふふ。あはははははは!」

さやか「ええっ!? ほむらが爆笑してる!?」

杏子「は、初めて見た……」

ほむら「あははははははは!」

マミ「新鮮ね……」

ほむら「ふふふふ。んもう、笑いすぎて涙が出ちゃったわ」

ほむら「キュゥべえ、あなた達と私達は、永遠に分かり合えない存在みたいね」

QB「うーん、残念ながらそうみたいだね」

ほむら「でも私、今はあなたのこと嫌いじゃないわ」ニコ

QB「? ごめんよ、ほむら。感情のない僕には、君が何を言いたいのかさっぱりだ」

ほむら「いえ、いいの。今まで何度も酷い目に遭わせてごめんなさい」ナデナデ

QB「なんだかよくわからないけど、やっぱり人間は面白いね」

ほむら「ふふっ」

まどか(今、ほむらちゃんが普通の女の子みたいに見えた……)

まどか(ずっと悲しい戦いを続けて来た子には見えなかったよ……)

まどか(嬉しいなぁ、嬉しいなぁ)

まどか(私、この笑顔を守るためにずっと戦っていきたい)

さやか「でもさ、これでおばさんになってもミニスカ、ってのから解放されたんだよね!」

マミ「そうね、色々思うことはあっても、そう言う考え方もできるのよね」

まどか「ティヒヒヒ/// 希望が見えて来たね!」

杏子「魔法少女引退か~。もっと将来のこと、考えて行かなくちゃな!」

ほむら「ええ」

QB「もちろん、大人になるまでは魔獣狩りは続けてもらうよ。受験などの例外を除いてね」

QB「わかってるかい? 忘れてもらっちゃ困るんだけど」

杏子「へへ、心配すんなって」

さやか「あたし達が忘れるわけないじゃん!」

マミ「そうね、私達を誰だと思ってるのかしら?」

ほむら「ふふっ」

まどか「そうだよ! 私達は」

まどほむさや杏マミ「正義の味方の魔法少女なんだから!」キリッ

QB「きゅっぷい」

―fin―

マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかが願いでマミ、QBを蘇生
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

なんか寝ぼけてて変な時間にスレ立てちゃったよ
今から2時くらいまで席を外すけど、まだ長いおまけが残ってるんです!
できれば保守を、保守を~~~~~!

おまけ みんな、ずいぶん大人になったじゃないか

―ワルプルギスの夜から20年後、居酒屋個室―

まどか「うぅ~~~~~~」

ほむら「まどか、泣かないで……」ナデナデ

さやか「マミさん、相変わらず唇いい色じゃないですかー」

マミ「これ? マキアージュの新色よ」

杏子「さやか、坊や達は?」

さやか「おじいちゃん家に預けて来た。後でウチの親も遊びに行くってさ、娘の私がいないのに」

さやか「もう孫が生まれると、娘なんて誰も可愛がってくれないよ~」

マミ「うふふ」

杏子「旦那はコンサートで全国回っても、さやかはずっと見滝原にいるんだろ?」

さやか「うん、そのつもり」

杏子「坊や達、会わせてくれよ。さやかの子供が見たい」

さやか「あんた、人の子供を見せ物みたいに」

マミ「あら、私も見たいわ」


まどか「うぅ~~~~~~~~」

ほむら「まどか……」ナデナデ

さやか「それにしても杏子、相変わらずとんがったカッコしてるね。さすがアパレル系」

マミ「佐倉さん、凄いのよ。今度、重役になるかもしれないんですって」

さやか「マジ!? まだ30代半ばじゃん!」

杏子「若い頃モデルの真似事もしてたしさ、客寄せパンダだっての」

さやか「でも凄いじゃん! バイトから這い上がって重役かよ」

杏子「まぁ、やるからにはトコトンやってみるつもりだけどね」ニヤ

まどか「うぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっ」

さやか「ああ、もう、まどかうるさい」

まどか「んもうっ。親友が落ち込んでるのに、さやかちゃん冷たいよ!」

さやか「まぁ、気持ちはわかるけどさ……」

まどか「さやかちゃん、ずっとニューヨークに住んでて、心までニューヨーカーになっちゃったんだ……」

さやか「ニューヨーカーは心が冷たいんかい。どんな偏見よ、それ」

さやか「大体、5年前に帰ってきた時だってあったじゃん………………あんたが補導されんの」

杏子「まどか、中学の頃から身長まったく伸びてないもんな」

マミ「見事に童顔のままだしね……」

ほむら「まどかが補導されかけたのは10回以上になるの。もう少しわかってあげて……」

まどか「私ね……生徒達に『まどっち』って呼ばれてるの……」

さやか「ぷはっ!! くくく、似合いすぎ」

まどか「笑わないでよぅ」

杏子「萌えキャラの末路と言うヤツだな……」

ほむら「何かしら、それ?」

杏子「漫画とかさ、ちっちゃくて可愛いヒロインって定番だろ?」

ほむら「ええ」

杏子「つまりそれって、低身長で童顔ってことだよな」

マミ「そうね。きっとそう言うヒロイン達も、大人になったら飲み会で補導される運命にあるんだわ」

さやか「なんだ、仲間がいるってことじゃん! まどか、落ち込むことないよ!」

まどか「嬉しくないよぅ……」

ほむら「どういう慰めよ、それ……」

まどか「うぅ~~~~~」

さやか「ああ、もう、ウザイ!!」

さやか「まどか! 言っとくけどあんたが補導されんのは小さくて童顔だから、ってだけじゃないんだよ!?」

まどか「えっ?」

さやか「何よ、そのぷりぷりの肌は!? あんた、本当に30代!?」

まどか「え? え? え?」

さやか「こっちはお肌の曲がり角をすでにドリフトで曲がっちゃったって言うのに――――!」

まどか「わ、私に言われたって……」

マミ「そうね。実は私も、ほうれい線が気になって来ちゃって……」

杏子「あー、あたしもすっぴんとかもう無理」

まどか「みんなも」

さやか「あたしは長男生んだときはまだ良かったけどさ、次男生んだらガクっと来たね」

さやか「髪にコシとかも無くなった気がするし……うわー、マジでヤバイよ!」

ほむら「私も色んな化粧水試してるけど、これと言ったのがなくて……」

まどか「ほむらちゃんまで!?」

さやか「そう言うこと! 補導されるくらい我慢しな、って言ってて悲しくなってくるわ――!」

まどか「ご、ごめんね?」

…………

さやか「そう言えばまどか、今は見滝原中学で先生やってんだよね?」

まどか「うん、そうだよ」

さやか「和子先生はどうしてる?」

まどか「和子先生、今は校長やってるんだ」

さやか「おー。あの和子先生がねぇ」

マミ「鹿目さんの教え子に、魔法少女はいないのかな?」

まどか「あ、この前学校でキュゥべえを見ましたよ。話はしなかったけど」

さやか「お~、じゃあ後輩がいるってことだね」

ほむら「私、この前キュゥべえと世間話したわ。そのときに訊いておけばよかったわね」

杏子「ははっ、キュゥべえ、懐かしいな。どうしてた?」

ほむら「どうって、ちっとも変わってなかったわね」

ほむら「その時たこやきをあげたんだけど、中身の熱さに目を白黒させてて可愛かったわ」フフ

杏子「お前それ、わざとだろ?」

ほむら「まさか。今度は小龍包をあげるつもりよ」

杏子「わざとじゃねーか! ドSか!」

マミ「でもキュゥべえ、相変わらずデリカシーがなくて、きっと後輩達を怒らせてることでしょうね」フフ

さやか「ニューヨークにいたキュゥべえの仲間は違ってたんだけどなぁ」

まどか「さやかちゃん、キュゥべえの仲間に会ったんだ?」

さやか「うん。実はさ、最初のお産のとき、部屋にソウルジェム置きっぱなしにしちゃってさー」

ほむら「ぶ――――っ!!」

まどか「きゃあっ」

マミ「あ、暁美さん?」

ほむら「そ、それで!? 大丈夫だったの!?」

さやか「ああ、うん。そのときあたしの元にソウルジェムを届けてくれたのがキュゥべえの仲間だった、ってわけ」

杏子「ソウルジェムはあたし達の本体なんだぞ? よく無事だったな」

まどか「ソウルジェムは絶対肌身離さず持ち歩け、って言われてたのにね」

さやか「でもその子、凄くいい子だったんだよ。『元気な子を産んでね。God bless you』なんて言っちゃってさ」

まどか「ふーん、なんかカッコイイ!」

マミ「住んでるところで、性格なんかもちょっと違うのかしら?」

杏子「ほむら? まだ顔が青いぞ?」

ほむら「……この前キュゥべえと話したんだけど、ソウルジェムが私達を操ることができるのは、100メートルぐらいが限度なんだそうよ」

さやか「マジ!? うわ――――、マジでやばかったよ、あたし!」

まどか「し、死んじゃうの?」

ほむら「そうね。ソウルジェムが側に来れば息を吹き返すそうだけど」

マミ「でもお腹の子は……」

杏子「ばっ、馬鹿野郎!」

まどか「うわぁ……」

さやか「良かった……良かったよぉ……」

ほむら「そうね、本当に良かった……」ホッ

…………

まどか「ほむらちゃん、ハイボールって美味しい?」

ほむら「そうね、最近こればっかりよ」

まどか「ひとくち!」

ほむら「ええ」

まどか(あ、口紅ついてる。ティヒヒ、間接キスしちゃお)

杏子「おーい、こいつほむらと間接キスして喜んでるぞ……」

まどか「!! み、見ないでよぅ///」アセアセ

さやか「あんた、ホントに30代?」

ほむら「まどか……」ナデナデ

マミ「もう、何十年ラブラブだったら気が済むのかしらね……」

さやか「あんたら、悩みとかないでしょ?」

ほむら「そんなことないわ。最近は2人でずっと悩んでるの」

さやか「何をさ?」

まどか「あのね、家を買おうかどうか、って」

さやか「ええっ!? 早くない?」

杏子「ほむらもバリ出世コースだもんな」

まどか「ウチのパパとママが家を買ったのなんか、今の私達より早いぐらいだよ?」

ほむら「早いウチに家を買えば、ローンが終わるのも早いのよ?」

マミ「なんか凄い……」

さやか「はー、しっかりしてるねぇ」

ほむら「でも一軒家に住めば、ご近所づきあいとか色々ありそうで」

まどか「女2人住んでるのはね……浮いちゃうそうだし」

杏子「あー、そりゃあな」

マミ「でもガーデニングとか憧れるわよね」

まどか「そう! そうなんですよ~。猫ちゃんも飼えるし!」

杏子「あんたら、周りから結婚しろとかうるさく言われないのか?」

まどか「あれっ? 杏子ちゃんに言ってなかったっけ?」

ほむら「私達、親にバレてるのよ?」

マミ「ええっ!? それは私も初耳よ?」

まどか「私、ほむらちゃんと住むことになったとき、ママに『あんたは嫁に出すつもりで送り出すから』って言われちゃった」

まどか「未だに何でバレたのかはわからないんだけどね……」

さやか「いやいやいや、絶対ママの前でほむらの惚気話とかしちゃったんだって!」

まどか「私、そんなに間抜けじゃないもん」

マミ(どうかしらね?)

杏子(どうだろうな……)

ほむら「私の場合はもっと大変だったわ」

まどか「2人でほむらちゃんの実家に泊まったとき、キスしてるのを見られちゃったんだよね」

マミ「ど、どうしたの、それで!?」

ほむら「即、家族会議よ。母には泣かれたわ」

杏子「よく許してもらえたな」

ほむら「認めてもらった、と言うより、諦められたのね」

マミ「あなた達って本当に波瀾万丈ね……」

ほむら「たくさんの人を悲しませるのはわかってるけど、私はまどかと一緒じゃないと幸せになれないし……」

まどか「うん、私も……」

さやか「大丈夫だよ。きっとみんなもわかってくれるよ」

杏子「そうだな、幸せになんなきゃ意味ないもんな……」

まどか「それから両方の親に言われたのはね、ちゃんと老後のことも考えなさい、って」

さやか「そっかー。子供、できないんだもんね」

まどか「それから、どんなに2人が愛し合ってたって、同じお墓には入れないんだよ、って」

ほむら「やはり世間からは家族とは認めてもらえないものね」

マミ「そんなことまで考えなくちゃいけないのね……」

ほむら「だからキュゥべえにお願いしてあるの。2人のソウルジェムを同じ場所に埋めて欲しい、って」

杏子「えっ!? あたしら死んでも残るもんなのか?」

ほむら「輝きはなくなってしまうけど、残るそうよ」

まどか「みんなも、どう残すか考えてた方がいいかもね」

…………

さやか「で、マミさんはどうなんです?」

マミ「え?」

さやか「男できましたか?」

ほむら「そう言う下品な訊き方はやめなさい……」

マミ「あ、あの、その」アセアセ

マミ「そうだ、鹿目さん、あの話美樹さんにした?」

まどか「ああ」

さやか「ん? なんかあるの?」

まどか「今度ね、たっくんが結婚するんだ」

さやか「マジ――!? たっくん、もうそんな歳かぁ、あたしら老けるわけだよ」

杏子「まどかはもう相手に会ったんだろ?」

まどか「うん、気の強そうな女の子で、たっくん、お尻に敷かれてる感じだった」

さやか「あはは」

ほむら「きっとお母様がああ言う人だから、似た人を好きになったのね」

まどか「あたしの背を追い越してからずっと生意気だったから、ちょうどいいよ」ティヒヒ

さやか「それ、たっくんが小学生のときじゃん」

まどか「私が先生になるときも、できるの? みたいなこと言ったんだよ」

杏子「子供が言ったことじゃんか」

さやか「しょうがないなー」

マミ「うふふ」

さやか「で、マミさんはどうなんですか?」

マミ「うぇえ!? 戻って来ちゃった」

さやか「だってマミさんって謎じゃないですか。今までどんな男と付き合ってきたのかも全然わかんないし」

ほむら(確かにそう言う話は聞いたことないけど、それってもしかすると……)

まどか(さやかちゃん、そこは空気読もうよ……)

さやか「杏子は知らないの? ずっと一緒に住んでるんだし」

杏子「って言ったって、あたしは転勤多かったから、マミと一緒に住んだのはそんなに長くないのさ」

さやか「うーん、謎だ……」

マミ「あの、そんな話いいじゃない」アセアセ

マミ「そうよ! 佐倉さんは? 転勤してる間にいい人に巡り会わなかったの?」

杏子「あたしも相変わらず男と付き合ったことなんかないさ。ぶっちゃけ、キスもしたことねー」

さやか「うわ、いい女が泣くよ~」

マミ(佐倉さん、何でそこまでぶっちゃけちゃうのよぅ~)

まどか「……あの、杏子ちゃん」

杏子「ん?」

まどか「まだお父さん達のこと、引きずってるとかじゃないよね?」

杏子「どうだろうな……自分では出会いがなかっただけだと思ってるけどさ。正直、自分の深層心理なんて小難しいことはわかんねーし」

ほむら「杏子……」

まどか「杏子ちゃん……」

杏子「はは、そんなに暗くなることもないさ。今のままで十分楽しいし」

さやか「そりゃそうだろうけどさ……」

杏子「マミ、ばあさんになるまでお互い独り身だったら、支え合おうな」

マミ「ええ、もちろん」

…………

さやか「しかし杏子が重役かー。凄いよね~」

杏子「ベンチャー系なら、20代で重役だの社長だの、ごろごろいるだろ?」

杏子「っていうか、大企業でもう部下のいるほむらのが凄いさ」

さやか「でもバイトから叩き上げ、ってのが凄いじゃん」

杏子「ん~、そう言うんじゃないんだけどな、ホントに」

マミ「そんなに謙遜しないの。私なんて、しがないOLなんだから」

杏子「でもマミだって夢があるじゃん」

さやか「何々? マミさんの夢?」

マミ「んもう、内緒にして欲しかったのに」

まどか「マミさんならきっとできますって!」

ほむら「ええ」

さやか「何~~~~~? 教えてくださいよ~~~」

マミ「あのね、私、お菓子作るの好きだから、それをお仕事にできたらな、って///」

さやか「おぉっ、いいじゃないですか~」

マミ「そう?」

さやか「マミさんがケーキ屋さんとかやるなら、さやかちゃん、毎日通っちゃいますよ!」

ほむら「ニューヨークからどうやって通う気よ」

杏子「マミ、そんときは、あたしが資金援助するからな!」

ほむら「そうね、私も」

まどか「マミさんのケーキ、本当に美味しいもんね」

マミ「うん……真剣に考えてみようかな……」

―路上―

さやか「これからどうする?」

杏子「カラオケでも行くかい?」

マミ「それともウチで、もうちょっと飲む?」

まどか「ウチでもいいよ」

さやか「カラオケ、久しぶりだからちょっと惹かれるね」

ほむら「それじゃ、カラオケにしましょうか」

??『助けて……』

まどほむさや杏マミ「!?」

??『助けて……』

まどか「キュゥべえ!?」

マミ「キュゥべえの声よね、今聞こえたの」

さやか「うん、キュゥべえだった!」

ほむら「一体何が……?」

杏子「探そうぜ!」

―路地裏―

QB「これは……なんて僥倖だ。魔法少女の気配が5人も!」タタタタ

QB「魔獣がいきなり、何年かぶりの大量発生をしたときはどうなることかと思ったけど」

QB「! 向こうも気づいてくれたようだ。こちらに近づいて来てる!」タタタタ

まどか「キュゥべえ!」

QB「って、まどか達じゃないか!」

さやか「いや、久しぶりだねぇ!」

QB「本当に。みんな、ずいぶん大人になったじゃないか」

…………

さやか「どうせお肌の曲がり角を曲がっちゃったわよ!」

杏子「悪かったな! 化粧が濃くなってさ!」

マミ「何であなたはそんなにデリカシーがないの!?」

まどか「何で嫌味言うの!? どうせ私は中学生と間違えられて補導されちゃったよ!」

QB「え」

QB「何で今僕は怒られたんだい? わけがわからないよ」

マミ「そうよ、あなたには私達の苦しみなんかわからないのよ!」

QB「なんだか知らないけど、肌が気になるなら、魔法で修復すればいいじゃないか」

さやか「できるの!?」

杏子「それを先に言えよ!!」

マミ「キュゥべえの馬鹿!」

ほむら「それよりキュゥべえ、『助けて』って何? 何を急いでいたの?」

QB「そうだ! いきなり魔獣が大量発生してしまってね、新人の魔法少女が取り残されてしまったんだ!」

ほむら「わかった。場所を教えて」

さやか「え、ほむら、行く気なの?」

ほむら「? もちろんよ」

マミ「い、今更あのカッコするのはちょっと……///」

杏子「なぁ///」

さやか「ちょっ、ちょっとね///」

まどか「……私は行くよ」ヘンシン!

まどか「今日の怒りを、全部魔獣にぶつけるんだもん」ゴゴゴゴ

ほむら「まどか……」

さやか「あ、あんた……」

さやか(ヤバイよ、まどか………………………あんた、今でもそのカッコ、似合っちゃってるよ!)

マミ(どうしよう……違和感がないとは言えないわ)

杏子(はは……補導されんのも納得だ。やっぱ30代には見えねー)

ほむら(まどか、素敵よ……)

まどか「ほむらちゃん、行こう!」

ほむら「ええ!」ヘンシン!

QB「ついてきて!」

さやか「ああ、もう! どうにでもなれ!」ヘンシン!

マミ「待って、美樹さん!」ヘンシン!

杏子「ちくしょー、笑いたければ笑え!」ヘンシン!

―路地裏―

魔法少女C「あわわわわわ……」ガクブル

魔獣「ぉぉぉぉぉ……」

魔法少女C(も、もう駄目だ……私はここで死ぬんだ……)ジワッ

魔法少女C「お母さ――ん!」

??「ハイパーまどかビーム!!」

ばしゅっ、ばしゅっ。

??「ティロ・フィナーレ!!」

どーん!

ほむら「よしっ、あの子の周りはこれで安全よ!」

まどか「続けて一気にやっつけちゃおう!」

さやか「てかまどか、さっきのは何!?」

まどか「私の必殺技! 現役のときは頭の中で叫んでたの!」

杏子「何だよ、そのセンス!?」

マミ「鹿目さん、必殺技はもっとエレガントに名付けないと」

ほむら「あら、私はいいと思うわ」

さやか「あんたはまどかがやることなら何でもいいんでしょうが!」

ほむら「私だってやってみせるわ!」

ほむら「ハイパーほむら……///」ピシュン

さやか「やっぱ恥ずかしいんじゃん!」

まどか「ティヒヒヒ」

マミ「取りあえず倒しちゃいましょう!」ダッ

杏子「さやか、久しぶりに数を競ってみるかい?」

さやか「はん、負けないよ!」ダッ

杏子「よっしゃ! うりゃあああああああああっ!!」

さやか「だあああああああああああっっ!!」

―少し離れた路地―

魔法少女D「な、何よ、これ……」

魔法少女E「先輩!」

魔法少女D「あ、Eちゃん!」

魔法少女E「先輩もキュゥべえに呼ばれたんですか!?」

魔法少女D「ええ。魔獣がたくさんいるからどうしようかと思ってたら、とんでもなく強い人達が現れて……」

魔法少女E「わ、魔獣がみるみる減ってく。誰なんでしょう……」

QB「よくその目に焼き付けておくといい。あれが本当に強い魔法少女の戦いだよ」

魔法少女DE「キュゥべえ!」

QB「さあ、向こうにCがいる。どうやら腰が抜けてしまったみたいなんだ」

魔法少女D「行きましょう、Eちゃん!」

魔法少女E「はい、先輩!」

―路地裏―

魔法少女D「Cちゃん!」

魔法少女E「C!」

魔法少女C「先輩! Eちゃん!」

魔法少女D「良かった! 無事だったのね!」ギュッ

魔法少女C「うわぁぁああっ! 私、もう駄目かと思って……!」ポロポロ

魔法少女E「ごめんな、C。1人にしちゃって」

魔法少女C「うわぁぁぁ、うわああああん」

魔法少女D「でも、あの人達は誰なのかしら?」

魔法少女E「C、どんな人か見た?」

魔法少女C「あ、まどっちがいました……」グスッ

魔法少女E「まどっちが!?」

魔法少女D「まどっち、って鹿目先生?」

……………………
………………
…………

マミ「殲滅完了。もう気配はないわよね」

ほむら「ええ」

杏子「あたしは12匹だぜ、さやか」

さやか「うわー、負けたー! あたし11匹……」

まどか「さあ、さっきの子のところへ行こう?」

ほむら「そうね」

魔法少女E「まどっち~~~~!」

まどか「ん?」

魔法少女C「まどっち先生~~~!」

魔法少女D「鹿目先生~~~~!」

まどか「」

く…クラスの皆には…!

魔法少女E「スゲェ! まどっち、魔法少女だったんだ!」

魔法少女C「まどっち先生、助けてくれてありがとうございました!」ペコッ

魔法少女D「先生、強いんですね! 今度、戦い方を教えて下さい!」

まどか「」

さやか(うわっ、うわ~~~、あの子達、まどかの教え子なの!?)

杏子(ど、どうフォローしてやればいいんだよ……)オロオロ

マミ(いたたまれない……)

ほむら(まどかぁ――――っ!)

魔法少女E「まどっち?」

まどか「く……」

まどか以外全員「く?」

まどか「クラスのみんなには、内緒だよ?」キラン

―fin―

これで泣き虫ほむらちゃんの話はおしまいです
元々ここまで妄想しちゃった話なんで、まぁ、蛇足でもいいからまとめちゃおうかなぁ、と
マミさんと杏子にパートナーがいないのはねぇ……余り物カプとか好きじゃないんで
それぞれこの後おまえらと電撃的な出会いを果たして恋に落ちる、と各自妄想してもらえると
すんごい年上になっちゃったがなwww
あとマミさんの固有魔法がリボンってマジで知らんかった……
杏子の鎖みたいのなのと同じサブウェポン的なものかと思ってた

>>223
くっ、やっぱりオチを読まれたか

>>230
マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

>>230
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかが願いでマミ、QBを蘇生
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

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