ハム蔵(ご主人が犯罪に手を貸してと言ってくる。どうしよう) (22)


このSSはスレタイ通り動物が言葉を喋っているように表現します

()が動物の人語翻訳

「」はいつも通り人が聞いてる台詞


それだけ

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ハム蔵(どうしよう)

へび香(2回も言わなくて良いから。やっちゃえば?)

ハム蔵(やっちゃえばって……軽くない?)

いぬ美(檻に押し込められた挙句電車で移動、そして家を特定させられた私に聞く?)

シマ男(あれはドンマイとしか言えないな。というわけで頑張れハム蔵)

ハム蔵(いや、家特定なら軽いほうじゃないか! 自分は盗みだぞ!)

へび香(別に良いじゃない、どうせあの子のでしょ?)

ハム蔵(まぁ……そうなんだけど)

へび香(なら別に良いじゃない。アンタだって行きたいんでしょ?)

ハム蔵(まぁ家に行きたいか行きたくないかと聞かれたら行きたいけど)

いぬ美(ハイ決定)

シマ男(餞別よろしく~)

ハム蔵(し、仕方ないなぁ)

そんなこんなで

自分。ことハム蔵は

ご主人である我那覇響の命のもと、とある家に忍び込むこととなった


春香「うーっ宿題やらなきゃ」

ご主人のターゲットはやっぱりこの人

自分はご主人に連れられることが多く

事務所や仕事先でいろいろと情報を聞くことがあるけど

みんなに人気なんですよね

……決して諜報員として聞いたり見たりしているわけではないんですよ

でも、今回はご主人の命令を頂いたわけです

任務は

・春香さんが履いていた下着を盗むというもの

・できたら春香さんの好きな人を調べる

そして現在、天海宅。春香さんの部屋

この部屋の主である春香さんは

現在学校の宿題に勤しんでいます

人間って大変ですね


春香「えーっと、えっとぉ……公式は」

ハム蔵(……春香さんの生足です)

正直、

自分はなんで今のご主人に飼われているのか悩むことがあります

いっそ逃げ出して

春香さんのペットになりたい

さて、任務に移らなければいけないわけですが

自分、ただのハムスターです

なので春香さんが部屋を出てくれないと

自分は脱衣所に行くことができません


でも下着を盗んでこいだなんて

ご主人も酷い命令を出すよね

確かに

あの如月千早という仲間が

春香さんを家に泊めたりしてるのは羨ましいと思うけど

だからって着ていた服をクンカクンカしてるとか

そんなことあるわけないって

自分は否定したんだけど

どうしてもって言うから仕方がなくここに来ているわけです

いぬ美が春香さんの私物をクンカクンカしていたのが羨ましかったわけじゃないし

春香さんの家に来たかったわけでもない

断じて。と考えにふけっていた自分は

隠れているカバンの中に春香さんの手が伸びてきていることに気付けなかった


春香「あれ? ハム蔵?」

ハム蔵(春香さんが目の前……)

捕まってしまった自分は

春香さんの手の中で小さくなるしかない

春香「ねぇ、どうしてここに居るの?」

ハム蔵「ヂュイ、ヂュイ……」

言葉が通じなくてよかったと思ったのは初めてです

言葉が解ってしまうと

自分、包み隠さず話してしまいそうだから

春香「もしかして、響ちゃんから逃げてきた?」

ハム蔵「ヂュイ!」

春香「えっと……そうってことかな?」


とりあえず春香さんが良いように解釈してくれたので

なんとか助かりましたが

ご主人には連絡されてしまいました

でもご主人は

『そっか、ありがとう春香! 今日だけは悪いけどお願いしていいか?』

なんて

まるで自分は関係ないと……

春香「えへへっ、今日はよろしくね?」

ハム蔵「ヂューイ!」

でも

一日春香さんと一緒にいられるのなら

それはそれで良いかな


春香「それで~? 今日は何が原因?」

ハム蔵「ヂュイ?」

春香「なんて言ってるか解ったら良いのに」

ハム蔵「ヂュイヂューイ」

春香さんの差し出してきた指を

ぺろっと舐める

食べ物みたいな味はないし

空腹が満たされるようなものでもないけど

なんだか幸せな気分になれた

春香「えへへ一応、嫌われてないんだよね?」

ハム蔵「ヂュイ!」

全力で頷くと

春香さんはまた嬉しそうに笑ってくれた


春香「ねぇ、ハム蔵」

ハム蔵「ヂュイ?」

春香「響ちゃんはね? みんなのこといつも話してくれるんだよ?」

ハム蔵「…………」

春香さんは

自分がご主人を嫌わないようにって

ご主人が自分たちをどれだけ思ってくれてるか話してくれた

優しい人だとハムスター目線でも思う

もしも自分がハムスターのメスから相手を選ぶ時が来たら

春香さんみたいな相手を選びたい

ハム蔵(春香さんがハムスターだったら良かったのに)

春香「ん?」

言葉が通じないのはなんだか悲しい


自分はハムスターで

春香さんは人間で

だから言葉は通じないし

自分が何をどう頑張ったって

春香さんから特別な好きを受けることもできない

だから、ちょっとだけ

春香「どうかし――」

勢いよくジャンプして

ご主人の頬を叩いた時のように飛びつく

ハム蔵「ヂュイ!」

春香「ぁ……え?」

ちゅっと、春香さんの唇を貰い受ける

ハム蔵「ヂュイ?」

春香「もぅ、ハム蔵ったら何するのかなっ」

ちょっと怒った春香さんも自分は好きです

叶うことのない想いだけど、自分は春香さんが好きです


持ち帰った下着は、戦利品として一部をスカーフにして貰いました


短いけど終わり


いや、構想ミスったと>>1で気づいたけど

一応書き終えようと思ったんだ

自分……何してるんだろう

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