ほむら（まどかが私の誘いを断るほどの用事 + アメリカ人が来る）

杏子「何の話してるの？」

ほむら（これはつまり……）

杏子「ねぇ何の話？」

まどか「今度ね、アメリカから私の友達が来るんだよ」

ほむら（……男の予感がしてならないわ！）

杏子「へぇ、旅行で？」

まどか「……う、うん……　そうみたい……」

杏子「日本旅行か、いいなぁ」

まどか「せっかくだから見滝原がどんな街か見てみたいって言ってたけど」

まどか「わたしもまだあんまりよくわかってないから、うまく案内できるかなって」

ほむら「なら私もご一緒していいかしら」

まどか「えっ…　えぇと……　確かに、人数多い方が楽しいかもしれないけど…」

杏子「まどかにこっちでもちゃんと友達できたよって見せてあげたら、安心するんじゃない？」

ほむら「そういう効果もあるわね！」

まどか「うん……」

ほむら（間違いないわ）

ほむら（認めたくないけど…　まどかに限ってそんな）

杏子「その友達って、実は彼氏？」

ほむら（人が聞きづらいことをよくもあっさり……）

ほむら（でも助かったわ！　さぁ正直にこたえなさいまどか！）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

まどか「ち、違うよ！」

ほむら（ふぅ……）

杏子「だったらさ、あたしも行っていい？」

まどか「杏子ちゃんまで？」

杏子「ほむら一人行かせたらいろいろ心配だろ」

まどか「……」

まどか「そ、そんなことないよ！　……ちょっとしか」

ほむら「当然じゃない」ﾌｧｻｯ

杏子「あんたさ、近頃ハマってるその変なキャラ作り、似合ってないよ」

杏子「ともかく、うちの父さんが若い頃アメリカで勉強してたんだ」

杏子「その頃いろんな人にお世話になったっていうから、ちゃんと恩返ししないとな」

まどか「杏子ちゃんはいい子だねぇ」

杏子「せっかく来るなら楽しんで行ってもらおうと思ったけど、邪魔だったかな」

まどか「ううん、そういうの気にしない人たちだし大丈夫……」

まどか「……あ……」

杏子「やっぱりやめとこうか？」

——放課後——

マミ「鹿目さんのお友達？　そんなところにお邪魔していいのかしら」

杏子「言ってから気付いたよ。何度か確認してみたけど、いいってさ」

杏子「まぁ、ほむらがあんまりにも乗り気すぎて断れなかったのかも…」

マミ「暁美さんね…」

さやか「あいつどうしちゃったんだろう……」

杏子「なにか変な事しないように見張っておくよ」

——当日——

杏子「その人たち、空港から電車で来るの？」

まどか「ここに直接来るみたい」

杏子「直接ってなんだそりゃ」

まどか「自家用機があるからね」

ほむら「ずいぶんお金持ちなのね。でも私はそんなものに負けないわ！」

まどか「ほむらちゃん何言って…」

　FFFFFWOOOOOOSH!!!!

まどか「この音…　あ、来たよ！」

キャプテン・アメリカ「ここが日本の街なのか……？」

杏子（ふおおおおおお！！！）

セントリー「どこかにニンジャが潜んでいないだろうね」

アイアンマン「今回は戦いにきたんじゃあないぞ」

スパイダーマン「せっかく来たんだし遊んで行こうじゃないの」

『このメンバーを見てワクワクしないヤツがいるって！？』

『どうかしてるんじゃないのか？』

杏子「あ、アオリもアメリカっぽい」

まどほむ（なに？　アオリって！）

スパイダーマン「お、まどかだ！　迎えに来てくれたんだね」

まどか「友達も連れてきちゃった」

キャプテン・アメリカ「早速日本で友達ができたんだね。それはよかっ…」

ほむら「なによまどか、この変態は！」

杏子「バカ野郎！　相手を誰だと思ってんだ！？」

セントリー「どうした？　また『ヘンタイ』って聞こえたけど」

スパイダーマン「ボクらがわかる数少ない日本語だね」

『今月発売のマーベルクロスはカンフーVSニンジャ対決！』
『アイアンフィストとほむスパローの戦いを見逃すなよ！』

杏子「いやアオリはもういいから」

ほむら「…どう見てもただの変態じゃない」

杏子「違うよ！　マジもんのキャプテン・アメリカだって！」

まどか「杏子ちゃん知ってたんだ」

ほむら「だから誰なのよ」

杏子「アメリカの英雄だよ！　なんで知らないんだよ！？」

ほむら「……だって、前はずっと病院にいたから…」

杏子「あっ……　ごめん」