勇者「」王様「勇者はわしが育てた!!」(469)

【北の王国】

勇者「え?」

北の王「おお!そうなのですか!勇者殿」

勇者「え?え?その・・・」

王様「そうなのだ。あの魔王を倒した技も元はわしが編み出した技を勇者に伝授したものでな」

大臣「そうそう。勇者を鍛え上げる王様の姿には皆感心しておりました」

勇者「・・・」

王様「なんじゃったかの。あの必殺技」

勇者「ああ、ギガ・・・」

王様「そうじゃ!ギガ王様斬りなっ!あれでしとめたんだったの」

勇者「・・・」

北の王「ほほぅ。それほどの武君とは。一度手合わせ願いたいですな」

王様「いや、それは最近は歳のせいで腰をやっておってな・・・」

北の王「それは残念です。あ、そうそう。勇者殿のお仲間のみなさんは?」

王様「おお!よくぞ聞いてくれた。まず戦士なのじゃが、これがまた我が兵士達の中でも飛びぬけて強くてな。わが国の兵錬の賜物ですな。はっはっは」

勇者「戦士は兵士採用試験落ち・・・」

王様「よかったら北の国からも我が国に見学に来るがよかろう!!!」

北の王「ぜひお願いしたいですな。今日はご一緒ではないのですかな」

王様「あれには国を任せておりますからな。こうして各国に我らが顔を出せるわけですわ」

王様「それから魔法使い!これも我が魔術師達の中でも指折りでな」

勇者「魔法使いは国外追放されたって言ってたけ・・・」

王様「魔術師の留学も感慨ですぞ!!!」

北の王「ありがたい話です」

王様「そして賢者ですな。彼女ほどの知識を持っておるのはわしくらいのものですな」

勇者「・・・」

北の王「すばらしい。我らが国民も勇者様の与えてくださったこの平和に感謝しております。ぜひ一度国民に声をかけていただきたい」

勇者「は、はぁ・・・」

王様「ぜひそうさせていただきましょう!わっははは」

北の王「国民からも勇者様へ感謝のしるしとして色々と送り物が届いていましたぞ。あとでお受け取りください」

勇者「いや、そんな・・・」

王様「ぜひ!いただきましょう!皆様からの感謝のしるしですからな!」

この王様好きだ(北ではない)

大臣「ですな!」

北の王「勇者様。よろしければ旅のお話でもお聞かせくださいませんかな」

勇者「ええ、いいで・・・」

王様「その話は後でも出来るでしょう。国同士の交友の話でもしましょう」

北の王「そうですか。私も勇者様の育ったお国との国交についてはぜひ話したいと思っておりました」

大臣「では・・・」






王様「わはははは。見ろ大臣。こんな立派なダイヤモンドまであるぞ」

大臣「こちらは金のインゴッドがこんなに。笑いが止まりませんな」

勇者「あの・・・王様・・・」

王様「それに貿易の方もうまくいったな」

大臣「関税がこちらの言い値決まるとは思いませんでしたな」

勇者「王様」

王様「これはまだ多少無理を行っても良さそうだな」

勇者「王様!!」

王様「どうした勇者。突然大声出して」

勇者「もう満足でしょう。そろそろ国に帰りましょうよ」

続きはまだかね?

王様「何を言っておる。ここで帰ってしまってはもったいなかろう」

大臣「そうそう。まだまだお金になりますよ。うひひ」

勇者「魔王倒してから方々国や町を回ってもう1年も帰ってませんよ」

王様「もうそんなになるか。あと行くところがひーふーみー。うむ、あと3年は帰れぬかもな」

勇者「そんな!っていうか魔王倒しに行ってからまだ一度も家に戻ってないんですよ」

王様「そうであったか?大臣」

大臣「凱旋パレードで近くを通ったと思います」

王様「ならその時勇者の母君も晴れ姿を拝むことが出来たであろう。気にすることはない」

勇者「いや、気にしますよ!」

王様「勇者、お前は自分の個人的な欲求のために世界中でお前に感謝を伝えたい人々を蔑ろにするつもりか?」

勇者「いえ、そんなことは・・・」

王様「それとも私達が個人的な欲求で世界を回っているとでも思っているおるのか?」

勇者「違うんですか?」

王様「人々からの貢物は受け取らねばその気持ちを無下にしてしまうであろう。それに貿易交渉についてもわが国のため、ひいてはお前の母君のためになることだぞ」

勇者「それはそうですが・・・」

大臣「今日は北の王と長々と話すことになりましたから勇者も疲れているのでしょう。もう休んだらどうですかな」

勇者「は、はぁ」トコトコ




王様「これ以上勇者を連れていくのは難しいかのぅ、大臣」

大臣「いえ、まだまだ行くべき権力者や富豪などたくさんいますから」

王様「そうじゃのぅ。金もじゃが、そういった連中に顔も売っておかねばな」

大臣「そのためには勇者にはいてもらいませんとな」

王様「何か考えがあるのか?」

大臣「はい、お任せください。今夜、勇者殿にはお楽しみを用意しておきましょう、ふふふ」






【勇者の部屋】

勇者「はぁ・・・帰りたい。王様達どこまで本気なんだか・・・」

勇者「もう帰っちゃおっかな・・・。最初はうれしかったけど、最近は感謝されすぎな感じなんだよな」

勇者「黙って帰ったら悪いかな・・・」

コンコン

勇者「ん?」

女遊び人「失礼いたします」

勇者「え?誰?」

女遊び人「今夜お相手させていただきます女遊び人と申します。よろしくおねがいします」ヌギヌギ

勇者「お世話って・・・何いきなり服脱いでんの!」

女遊び人「あ、御代は大臣様からいただいてますので大丈夫ですよ」

勇者「なななな・・・」

女遊び人「勇者様のお相手をさせていただけるなんて私うれしいです・・・///」ズイッ

勇者「え?え?」

女遊び人「何からさせていただきましょう」

勇者「何って?」

女遊び人「夜伽のお相手をさせていただきます///」ズイッ

勇者「ちょちょちょっ!ふ、服着てよ!」

女遊び人「着衣が好きなんですか?若いのにマニアックですね///」

上半身着衣黒ニーソねこみみで頼む

勇者「何もするつもりないよ!」

女遊び人「え・・・そうなんですか。でも・・・私このまま帰ったら怒られちゃいます」

勇者「じゃ、じゃあ時間までここにいればいいよ」

女遊び人「そうですか。ちぇっ残念っ。じゃ朝までいますね」

勇者「・・・」

女遊び人「・・・」

勇者「な・・・なんか間が持たないんだけど」

女遊び人「では何かお話してくれませんか?勇者様」

勇者「え?」

女遊び人「何もしないでは私も心苦しいですので、愚痴でもなんでも聞かせていただきますよ」

勇者「じゃ、じゃあ・・・」







女遊び人「魔王を倒してからずっとなんですかー」

勇者「そうなんだよ。色々理屈つけちゃいるけど、もう帰りたいよ」

女遊び人「勇者様かわいそう。帰ってしまってもいいでしょ」

勇者「だよね」

女遊び人「帰りましょうよ。あなたのやりたいこと、やるべきことやるのが一番です」

勇者「やるべきこと?」

女遊び人「うん。例えばいい女の子見つけるとか」

勇者「え!?」

女遊び人「私なんてどおですか?」クルッ

勇者「え、あ、その・・・///」

女遊び人「誰か好きな人でもいるの?」

勇者「う、うん・・・」

女遊び人「そっか・・・。残念♪」

勇者「ごめん・・・。でも話聞いてもらって決心ついたよ。僕・・・一度家に帰るよ」

女遊び人「うん、役に立てたならうれしいわ」

勇者「じゃ、夜のうちに行くよ。君は朝までいていいから」

女遊び人「そう、じゃあね」

勇者「ありがとう!」ダッ



女遊び人「・・・」


【北の城下町】

タッタッタッ

勇者「はぁはぁ、よし、見つからずに抜け出せたぞ」

賢者「あ、見つけた」

勇者「賢者!」

賢者「勇者、ひさしぶりね」

勇者「うん、ひさしぶりだね。みんな元気にしてる?」

賢者「さあ?でも、戦士も魔法使いも自分の町に帰ったはずですよ」

勇者「やっぱみんな帰ってるのか。賢者は?」

賢者「私には帰る故郷がありませんので・・・」

勇者「あ、ごめん・・・」

賢者「いえ、昔のことですので気にしないでください」

勇者「そういえば、どうしてこの町に?」

賢者「そうそう、話したいことがあったんです。ここにいると聞いて」

勇者「何かあったの?」

賢者「ここじゃちょっと・・・落ち着けるところで話しましょうか」

【北の大地】

側近「どうもこんにちは」

トロル王「だれだ」

側近「私、魔王様のお付をしておりました側近と申します」

トロル王「なにがようが」

側近「いえ、ちょっとお話したいことがありましてね」

トロル王「なんだ」

側近「魔王様が亡くなってからの人間の動向についてちょっと」

トロル王「おでたちにはかんけいない」

側近「そうですか?魔王様の統率がなくなった魔物達は今とても危険な状態にあるといってもいいんですよ」

側近ちゃんは女の子だな

トロル王「どういうことだ」

側近「今、我々魔物は各地にちらばってしまって軍としての体を保っていません」

側近「また、人間達は勇者によって魔王様が倒されたことによって我々を恐れなくなってます」

側近「土地もかなり人間に奪われてしまいまして、こちら側の土地に人間が食い入ってきています」

側近「そして魔物が勇者でもない一般の人間にさえ狩られてしまう始末。食べるのにも困窮している魔物も少なくありません」

トロル王「おでたちもみなはらすかしてる」

側近「でしょう。このままでは世界はひどくなる一方です」

トロル王「おでにはかんけいね」

側近「これからお見せする光景を見てもそれが言えますか?」

トロル王「なに?」

ヴォーン

側近「こちらの水晶を見てください」

トロル王「こ・・・これ・・・」

側近「これを見てもまだ言えますか?」

トロル王「おでの・・・村が・・・ああああああああああああああ!」

側近「酷いでしょう。老人も子供も皆殺しです。もっともそんな区別が人間についてるとは思いませんけど」

トロル王「おおおおおお・・・・おおおおおおお」

側近「だからあなたに立ってもらえないかと」

トロル王「たづ?」

側近「我々はあまりに各地に散りすぎました。それを集結させ、統率する旗印が必要なのです」

トロル王「ゆるざねぇ・・・絶対ゆるざねぇ・・・」

側近「どうです?魔王を名乗ってみませんか?」






側近「ふふふふ、続きますよ勇者。エンディングにはまだ早い」

【北の城下町】

勇者「北の魔王?」

賢者「ええ、近頃北のほうで魔物の被害が増えていると聞いていたのですが、北の魔王と名乗る者が村々を襲っているといるようです」

勇者「なんとかしないと!」

賢者「ええ、ですのであなたを探していたんです。急いで準備を」

勇者「そうだね。とりあえず部屋に・・・って・・・そうだ・・・僕、王様達から逃げてきたんだった」

賢者「え?」

勇者「いや、あの人たちいまいち信用できなく、抜け出してきたんだけど・・・戻ったらまた北の王様に無理言うだろうなぁ・・・」

賢者「私達で準備していけばいいのでは?」

勇者「軍資金とか装備の問題があるし・・・」

賢者「私に考えがあります」

トロルとか初期の中ボスやがな

【北の王城】

王様「勇者が逃げ出したというのは本当か!?」

大臣「はい、隠密により24時間監視してますので間違いないです」

王様「それで勇者は?」

大臣「どうも賢者と連れ立ってどこかへ行くようです」

王様「賢者だと・・・王宮での官職を断りおってから行方がしれんかったが何で今頃・・・」

大臣「残念でしたねー。官職につけて愛人にでもしようとしてましたのに」

王様「もう言うでない」

大臣「見つかったんなら、勇者と一緒に今すぐ連れ戻しましょうか」

王様「いや、そのまま泳がせよ」

大臣「は?なんでまた」

王様「隠密には調査と報告を怠らせるなよ」

大臣「はい、それは分かりましたが・・・」

王様「わしに考えがある」

王様が次期真央になるかも

【北の城下町】

女商人「ゴールド銀行へようこそ!」

勇者「そうだった。旅の間のお金全部入れっぱなしで忘れてた」

賢者「装備も預けておいてよかったですね」

勇者「さすが賢者。機転がきくね」

賢者「では全額下ろしてください」

女商人「え・・・」

賢者「ですから全額」

女商人「あ・・・その・・・ほんとに全部?」

賢者「お願いします」

女商人「必要な分だけにしておかない?」

賢者「いいえ、全部お願いします」

女商人「・・・・どうぞ」

勇者「・・・200ゴールド?これだけだっけ?」

賢者「そんな馬鹿な!9999999ゴールドあったはずです!」

女商人「いやー、最近物価の変動も激しくてね。あたしも困っちゃった。あはは・・・」

勇者「なるほど。それじゃ仕方ないね。賢者?」

賢者「物価が変わっても預けたお金の金額が変わるはずないでしょう!」

女商人「あはははは・・・」

賢者「笑ってないで答えてください」

女商人「あはははー・・・・使い込んじゃった」ボソッ

勇者「え?」

女商人「いやぁ・・・あはは、まさか冒険終ったのに取りに来るとか思わなくって。ゆるして、ねっ」パチ☆

勇者「え・・・でも・・・」

女商人「ねぇ~ん・・・許してくれたら、い・い・こ・と してあげるゾ☆」

勇者「いいこと?」

賢者「勇者を惑わせないでください。それよりお金!」

女商人「でも、ないものはないしぃ~」

勇者「じゃ、じゃあ装備は?」

賢者「そうです。他では手に入らない伝説の武具を預けてあったはずです」

女商人「あ、それだったらあるかな」ゴソゴソ

勇者「よかった!」

女商人「はい。火炎も吹雪も通さない『おなべシールド』!」

勇者「おお!」

女商人「そして、高い防御力が売りの『ステテコの鎧』!」

勇者「すごい!」

女商人「最後は伝説中の伝説、あの魔王をも切り裂いた『ひのきブレード』!!さあ、持ってって」

勇者「よし。これで装備は大丈夫そうだ」

賢者「ちがっ・・・はぁ・・・どうせ本物はなさそうですね・・・とりあえずそれでいいですか」

勇者「うん」

女商人「ではあたしはこれで」ササッ

賢者「待ってください」ガシッ

おなべシールドwwwwwwww蓋じゃないのかよwwwwwwww

女商人「いえ、お構いなく」

賢者「衛兵をすぐ呼んで捕まえてもらいますので。横領罪です」

女商人「ちょっちょっと待って。衛兵は勘弁して」

賢者「駄目です」

女商人「勇者さまぁ~ん。た・す・け・て☆体で払うわよ」

勇者「え・・・」ドキドキ

賢者「おまわりさ~ん!」

女商人「ま、待って。働くから!そ、そうだ!武器が必要ってことは冒険に出るんでしょ。あたしついていって働くから!」

賢者「どうしましょう?勇者」

勇者「うん、仲間も必要だったしちょうどいいかも」

女商人「さすが勇者様、分かってる~」

賢者「調子に乗らないでください。はぁ・・・まぁいいでしょう」

女商人「やった!」

勇者「その前にちょっと待って。やっぱり王様達にはこのこと知らせておかないと」

賢者「そうですね」

勇者「町の人も警戒しておかないといつ魔物が来るか分からないからね。すぐ逃げられるようにしておかないと」

賢者「では、北の王城に寄っていきますか」

北の勇者()を思い出す

【北の王城】

北の兵士「この手紙を王様に?」

勇者「はい。大事な手紙ですのでお願いします」

北の兵士「勇者様でしたら直接渡していただいてもかまいませんが」

勇者「僕達はすぐに発たないといけないので。おねがいしますね。それじゃ!」

賢者「さて、じゃあ行きますか」

勇者「その前に、戦士と魔法使いも誘っていかない?」

女商人「戦士と魔法使い?」

勇者「うん、二人ともすっごい腕なんだ」

賢者「ええ、二人とも頭の中はともかく実力はあります。なんとかと鋏は使いようです」

女商人「あの・・・賢者っていつもこんな感じなの?」

勇者「うん、いつもこんな感じだよ」ニコニコ

女商人「黒い・・・」

賢者「何か言いましたか?」

女商人「いえ・・・ところで戦士と魔法使いってそんなにアレなの?」

賢者「会えば分かりますよ・・・」

【北の王城】

大臣「王様、勇者から手紙が来ておりますが」

王様「なんと?」

大臣「北の地に魔王が決起し、周辺を襲っていると。勇者は鎮圧に向かうようです」

王様「なんじゃと!?そうか・・・。大臣!すぐに発つぞ!」

大臣「え?このことを北の王に知らせなくてよいのですか?」

王様「よい!それより早馬を飛ばし、この情報をわが国に知らせるのだ。決してここで口外はするな」

大臣「な、なぜ・・・」

王様「わしらもすぐに国に帰るぞ。戦火がここまで及ばぬとも限らぬからな」

大臣「国に戻って何をするんです?」

王様「食料と資材を集めるのだ!兵も増強しろ。燃料もだ。伝令にもそう伝えさせるのだ」

王様「隠密!おるか!」

隠密「はっ!ここに」

王様「勇者達のことは任せたぞ」

隠密「御意!」

【戦士の村】

戦士「おお!よく来たな。久しぶりじゃねーか。がははは」バンバンッ

勇者「いたっ、痛いって。叩かないで」

戦士「なに言ってやがる!ずっと顔みせねーで。たまには顔見せろよな。寂しいじゃねーか」バシッ

勇者「ごめんってば」

戦士「おまえん家も何回も行ったのにお袋さんしかいねーし、どこいってたんだよ」

勇者「王様達が全然離してくれなかったんだよ」

戦士「ところで、今日はおめーこんないい女二人も連れてどうしたんだよ。お前もなかなかやるじゃねーか。がはははは!」

賢者「戦士。勇者いじりもその辺にしておいてください」

女商人「はじめましてー。あたし勇者の妻の女商人っていいます。よろしくー」

戦士「な、なん・・・だと・・・。勇者お前も結婚したのか」

勇者「え?」

戦士「そうかそうかー。俺はてっきり女賢者と結ばれると思ってたんだがなー」

女賢者「なっ///」

戦士「こいつは結構優柔不断で決断力がないところもあるが、根はすげーいい奴だからな。よろしく頼むぜ」

女商人「はいっ!」ニコニコッ

女賢者「違います!勇者は結婚なんてしていません!」

戦士「は?違うの?」

女賢者「女商人もあんまり調子に乗ってると・・・埋めますよ。女商人は借金のかたに連れてきてるだけです」

戦士「なっ、おまっ、借金のかたにこんな可愛い子を好きなようにしてるだと!?うらやまけしらかん!」

勇者「違うよ。この人と一緒に・・・」

戦士「俺も結婚してなければ混ぜてもらったのになぁ!」

勇者「え?」

女賢者「は?」

勇者「そういえば戦士『お前も結婚したのか』って言ってたけど・・・、結婚してるの?」

戦士「ああ!後で嫁さん紹介するぜ。がははは」

女賢者「なんと・・・こんなゴリラでも結婚できるとは、神はなんと残酷な運命を・・・」

戦士「そんな褒めんな。てれんだろー」

女賢者「・・・」

女商人「なるほど、こういう人ね」

戦士「それでな、俺ももうすぐお父さんになるんだぜ?」

勇者「もう子供もいるの?」

戦士「ああ、もうすぐだ。生まれたら抱かせてやっからな!勇者。お前みてーなスゲー男になってもらいたいからな」

賢者「男とは限らないでしょ」

戦士「お前みたいな、腹黒い女にはさせないからな。がははは」

賢者「戦士・・・子供の顔を見る前に消し炭になりたいの?」ゴゴゴゴッ

戦士「がはは、冗談だって。まぁ、そういうわけでな。お前達と一緒に世界救った俺だが、今度は嫁さんと子供を命がけで守ってやるってもんだぜ」

勇者「戦士は大人だなー」

戦士「お前もそのうちわかるって!まぁ、家に寄ってけ。積もる話もあるだろ」

勇者「う、うん・・・」

【村のはずれ】

戦士「じゃあな。勇者。たまには顔見せろよ」

勇者「うん、戦士も元気でね」

戦士「ああ!お前も速いところどっちかに決めろよ!」

女商人「勇者様、よろしくね」

賢者「いい加減にしないと怒りますよ」ゴゴゴゴッ

戦士「がはは。勇者は苦労しそうだな」

勇者「あ、最後に知ってたらでいいんだけど、魔法使いって今どうしてるか知ってる?」

戦士「あの爺さんか・・・。あー・・・それがなぁ・・・」

勇者「何かあったの?」

戦士「ちょっと前に死んじまったよ。魔法使いの町でな」

勇者「え・・・な、なんで?」

戦士「人に聞いた話なんだが、あそこは結構魔物の住処に近い場所だったせいか。魔物がちょくちょく襲ってきていて、魔法使いはそれをいつも追い払っていたらしい」

戦士「だが、魔法使いもあの歳だ。いつまでも守れないと思ったんだろ。魔物の住処に一人で行ってそのまま帰って来なかったって話だ」

勇者「そんな・・・魔法使い・・・」

賢者「スケベなだけが取り柄のくせに、似合わないことするから・・・」

女商人「残念ですね・・・」

戦士「きっと町の奴らは感謝してるだろ。俺もそのうち墓参りくらい行ってくるぜ」

賢者「勇者。さっきは何で戦士を魔法討伐に誘わなかったんですか?」

女商人「そうだよー。ゴリラみたいに強そうだったでしょー。もったいない」

勇者「今、戦士は誘えないよ。奥さんと子供を守るためにがんばってるんだから・・・」

賢者「でも事情を話せばきっとついてきてくれましたよ:

勇者「だからだよ。そんな戦士だからやっぱ幸せでいて欲しいな」

女商人「ふふっ勇者はやさしいねー。キュンってしちゃった」ギュッ

勇者「く、くっつかないで」

賢者「しかし、戦力的に心もとないですね」

女商人「さっき言ってた魔法使いの町っての行って見たらどう?よく魔物と戦ってる町なら結構強い人いるんじゃない?」

勇者「魔法使いの町ならルーラでいけるね。よし、行こうか」.

魔法討伐→魔王討伐

【魔法使いの町】

勇者「着いたんだけど・・・とりあえず魔法使いに挨拶だけしておきたいな。お墓どこだろう」

賢者「そうですね、町の英雄みたいですから誰でも知ってるでしょう」

女商人「あの辺の人にきいてみよっか」

勇者「あの、すみません」

男「ん?なんだい?」

勇者「魔法使いのことを知りたいんですが・・・」

男「魔法使い?あー、はいはい。あのスケベ爺のことねー。ほんと笑えるよね」

勇者「え?え?」

男「何?その歳でもうあっち系のお店に興味あるの?元気だねー」

勇者「あ、あの魔法使いはこの町の英雄じゃ・・・?」

男「あー、ありゃ確かに男の英雄と言えなくもないな。あの歳まで現役だとはねー」

勇者「魔法使いはこの町を魔物から守ったんじゃないんですか?」

男「魔物?そんなんこの町に来たこともないよ。あの爺さんの方が夜の魔物って感じだよ。ははは」

勇者「えー、えと、魔法使いってどうやって死んだの?」

男「あれ?ほんとに知らないの?じゃあ教えちゃおっかなぁ。生涯現役で通した男の腹上死についてたっぷりと」

【1時間後】

賢者「まさか、パフパフ屋で腹上死をしてたとは思いませんでしたね・・・」

女商人「すごい人もいたものね」

勇者「魔法使い・・・あなたって人は・・・」

賢者「戦士はどういう思考でこの話をあんな英雄譚に脳内変換したんでしょうね、まったく」

女商人「男の英雄って聞いて勘違いして頭の中でストーリーまで作っちゃったんじゃない?」

勇者「戦士は頭が弱かったからなぁ・・・。でも魔法使いのお墓参りが出来たのはよかったよ」

賢者「まぁ、そうですね。魔法使い・・・かなりスケベで最低の人でしたが安らかに成仏してください」

魔法使い「お前さんも、相変わらず堅物じゃのぅ。そんなんじゃから胸も尻も硬いまま成長せんのじゃわい、うひひひ」モミモミ

魔法使い復活キター(´・ω・`)

賢者「ギャーーーーーーーーーー!」

勇者「魔法使い!死んだんじゃ!?」

魔法使い「ああ、死んだぞい?ほれっ、足がクリンッとしてなくなっておるじゃろう」

勇者「あ、ほんとだ。クリンッっとしてる。透けてるし」

賢者「おのれ悪霊!これでも喰らいなさい!聖水!」バシャッ

魔法使い「ぐああああああああああああ、や、やめれえええええええ!」シュウシュウ

勇者「賢者!魔法使いが消えちゃうよ」

賢者「いいんです。消してしまいましょう」

魔法使い「待って!待つんじゃ!お願い!話だけでも聞いてくりゃれ!」

勇者「賢者!」

賢者「仕方ありませんね・・・」

魔法使い「ふぅ・・・危うく成仏するとこじゃったわい・・・。わしじゃって、そんなナイ乳揉んでもそれほどうれしくないわい・・・」ボソッ

賢者「・・・」ゴゴゴゴゴッ

魔法使い「じょ、冗談じゃ!おぬしらがピンチと思って天界から戻ってきちゃったんじゃ、てへっ」

賢者「あなたがそんな人じゃないことはよく分かってます。本当のことを言わないと、成仏したほうがマシだと思う体験をしますよ?」

女商人「なるほど・・・こういう人ね・・・」

魔法使い「わ、わかったわい。わしの聞くも涙語るも涙の話を聞くが良い!」

賢者「で、魔法使いの話をまとめるとこうですね」

賢者「死んで天界に行った」

魔法使い「うん」

賢者「天界で若い女の子に猥褻行為をしてまわった」

魔法使い「何しろ、もう何やったって死なんしのう。きゃっほーてなもんでの」

賢者「あまりに酷いので地上に追放された」

魔法使い「酷いと思わんかい?出入り禁止にされてしもうたのじゃ!」プンプン

勇者「ひどい・・・」

女商人「ひどいわね・・・」

俺「ひどいな…」

魔法使い「じゃろう?」

賢者「酷いのはあなたです!死んでまで何やってるんですか!」

魔法使い「まぁ、そういうわけでここにおったわけじゃ」

賢者「はぁ・・・どうします?勇者?」

勇者「魔法使い、力を貸して欲しいんだ」

賢者「勇者!?」

女商人「これ連れてくの?」

魔法使い「何やらわけがあるようじゃのぅ。話してみい」

魔法使い「なるほどのぅ。北の魔王とな」

勇者「うん」

魔法使い「ほかならぬ勇者の頼みだからの。断れんわい」

勇者「ありがとう、魔法使い」

魔法使い「しかし、おぬしら相変わらずじゃのぅ・・・。おぬしも・・・賢者も・・・」

勇者「え?」

魔法使い「わしとしてはこんな可愛い子二人と一緒なら大歓迎じゃってことじゃよ!」モミモミ

賢者「ギャー!」

女商人「いやああ!ジジイはいやー!」

勇者「大丈夫かな?」

【北の王国郊外】

兵士「はぁはぁ・・・がはぁ・・・」

勇者「あれは!」

兵士「ぐふっ・・・」バタッ

勇者「大丈夫ですか!?ベホマ!」パァ・・・

兵士「うぐ・・・ゆ・・・勇者様!モンスターが・・・モンスターの軍団が突然!」

賢者「勇者!見て!城が・・・町が燃えてます!」

女商人「勇者様!急ぎましょう!」

魔法使い「むぅ・・・」

トロル「ゆるざねぇ・・・・ずるざねぇぞおおおおおお!ぐあああああああ!」ドガドガッ

女「うぐっ・・・」バタッ

男「足が・・・足がああああああああ」シタバタ

トロル「ウオオオオオオオオオオオオオン!」

勇者「なんで!?人がこんなに死んで・・・怪我して・・・誰も逃げてなかったの!?王様は!?


魔法使い「これだけ民間人がいたのでは、広域魔法で焼き払うわけにはいかんのぅ・・・」

女商人「でも!もたもたしてたらみんなが!」

トロル「うおおおおおおおお!」ズンッ

女商人「勇者様あぶない!そんな武器じゃ!」

勇者「ふっ!」シャキン

トロル「・・・・」バタリッ

女商人「あ・・・ひのきのぼうで・・・斬った?すごい・・・」

賢者「達人は獲物を選びません。勇者クラスとなれば別格です」

女商人「す・・・すごい・・・」

賢者「それとも伝説のひのきブレードのおかげですかね」

女商人「あ・・・え・・・そうそう。良い切れ味でしょ!あはは・・・は・・・」

魔法使い「さっさと魔物を倒してしまうぞい」

女商人「いえ、それより町の人を助けないと!」

勇者「え・・・」

賢者「勇者!迷ってる場合じゃないですよ!」

勇者「僕は・・・」

賢者「勇者!」

勇者「モンスターを・・・倒す!僕には・・・それしか出来ないから・・・」

女商人「勇者様・・・」

魔法使い「おぬしら、ほれっ、ぼさっとするな。各個撃破じゃぞい!メラゾーマ!」ボボゥ

トロル「ぐおおおおおおおお!」ドサッ

勇者「いくぞ!」

女商人「え?え?あたしも一人で?ちょっと!?」

トロル「うおおお!」ブンッ

女商人「うわっ!たったった・・・とぅ!」スパパパ

トロル「・・・」バタッ

賢者「なかなかのナイフさばきですね」

女商人「なんで・・・」

賢者「あなたが強いのはその物腰で分かりますよ。さっ、行きますよ!」

勇者「はぁ・・・はぁ・・・なんだこいつら・・・死ぬのが怖くないのか・・・」ズバズバ

トロル「うがああああああああああああ!ゆるざねえええええええええええ」

勇者「くっ・・・」ドスッ

トロル「・・・」バタッ

勇者「んっ・・・あれは!?」

トロル王「おまえが勇者か・・・またごろじだ・・・おで・・・おでの仲間おおおおおおおおおおおお!」ドガッ

勇者「うぐっ・・・お・・・重い!」ギィーン

トロル王「ゆるざない・・・ぜっだい!この北の魔王がああああああ」ドガドガドガッ

勇者「魔王!?」

トロル王「おおおおおおおおおおおお!」ブンッ

勇者「おっと。魔王がこんな前線に!?でも・・・こいつを倒せば終る!」ガンッ

トロル王「うおおおおおおお!」ドガッ

勇者「うぐっ・・・硬い・・・刃が立たない」ジンジン

トロル王「勇者・・・人間・・・ゆるざないぞおおおおおおおお!」ブンッ

勇者「まずい!?」

魔法使い「バイキルト!」

勇者「魔法使い!」

魔法使い「ほっほ。通りすがりの魔法使いじゃわい」

勇者「ありがとう!よし・・・いける!」

勇者「はやぶさ斬り!」ズババ

トロル王「ぐあっ」ボタタ

勇者「やったか!?」

トロル王「うぐぐ・・・ゆるざない・・・ぜっだい・・・」ズルズル・・・

勇者「両腕を失って・・・ま、まだやる気か・・・」

トロル王「子供も・・・兄弟も・・・全部殺ざれだ・・・ゆるざない・・・ぐあうっ」ガブッ

勇者「うぐっ」

トロル王「ううううううううううううっ」

勇者「な・・・殺されたって・・・何を・・・・ぐぐぐっ・・・」

トロル王「うーうーっ!」ガブガブ

賢者「勇者!大丈夫ですか!」ドスッ

トロル王「・・・」ビクンッ

勇者「け・・・賢者・・・何も殺さ・・・・」

賢者「勇者?」

勇者「ううん、なんでもない」

賢者「さっ、残りを片付けてしまいましょう」

【北の国郊外】

大臣「いつまでこんなところで軍を待機させておくんですか?」

王様「まぁ、待て。まだ早い」

大臣「ん?お前は」

隠密「王様、『今』でございます」

王様「うむ、ご苦労」

王様「兵士達よ!これより我々は北の国の民を助けに馳せ参じる!」

王様「人命を第一に考えよ!モンスター討伐はあとでもかまわん。出来るだけ多くの人を逃がすのだ!」

王様「この戦いには勇者も参加しておる!これは人類の誇りと命をかけた戦いだ!勇気を!」

兵士達「勇気を!」

王様「私に続けえええええええええええ!」

兵士達「おおおおおお!」

【北の王国】

王様「この度は、援軍が遅れまして何と言ったら良いか・・・」

北の王「いや、王よ。本当に助かりました。遅いなどと言うことはありません。どこの国より真っ先に駆けつけていただき感謝しております」

王様「しかし、町がこの有様では・・・」

北の王「いえ、人命優先で対処していただいたおかげで多くのものが命を取り留めました。町はなくとも北風に鍛えられた体がある限り復興はできましょう」

王様「さすがですな。ではわが国としても出来うる限りの融資をさせえていただきましょう」

北の王「それはありがたいが・・・それだけの借金をするだけの余裕は・・・」

王様「何、融資と言っても形だけのもの。食料や物資も持ってまいりましたので使っていただいて結構。返済など復興が終ってからで結構ですぞ」

北の王「返す言葉もございません・・・。ありがとう・・・!」

王様「なになに。わっはっは」

北の王「勇者殿もありがとうございました。魔物を退治していただいて」

勇者「・・・」

北の王「勇者殿?」

勇者「あ、はい」

王様「勇者も後悔しているのであろう」

北の王「後悔?」

王様「先に人命を優先すればもっと助かったのではないかと。まだまだわしの教えたことが活かしきれておりませんな」

北の王「まぁまぁ・・・あのままモンスターを放置はしておけませんですし」

勇者「あの・・・」

王様「なんじゃ?」

勇者「なんで魔物は襲ってきたんでしょう?」

王様「はぁ?突然何をいっておるのじゃ」

勇者「いえ・・・魔物にも何かわけがあったのでは・・・と」

王様「何を馬鹿な事を。魔物は人を襲うと決まっておろう。あっても腹が減ったとかそんな理由じゃわい」

北の王「まぁまぁ、魔物が人を襲うわけですか・・・なかなか興味深い話です」

勇者「・・・」

王様「わっはっは。たっぷり恩と借金を押し付けてやったわい」

大臣「なるほど、こういうことだったんですか」

王様「これで北の国は我が国に頭が上がるまい。物資もわが国に頼らざるを得ず、恩もあることから他の国から買うわけにもいかないであろう」

大臣「やりましたね」

王様「まだまだこれからじゃわい。ゆくゆくはわが国の属国として支配下においてやらねばな。わーっはっは」

大臣「さすが王様」

王様「次は南の国にでもいくかの」

大臣「南の国ですか?」

王様「今回のことでまたわが国の株も勇者の株も上がりまくりじゃ。ジャブを入れておかねばな」

【仮宿舎】

賢者「今度は南の国に連れて行かれるんですか?」

勇者「うん・・・」

女商人「で、ついていくと?」

勇者「うん・・・」

賢者「嫌じゃなかったんですか?そういうの」

勇者「何か・・・今、母さんに顔向けできないって言うか・・・今の顔見て欲しくないっていうか・・・」

魔法使い「まぁまぁ、男にはそんな時期もあるわい。ほっほ」

賢者「茶化さないでください!」

勇者「だから・・・ごめんね。気持ちの整理が付いたらまた会いに行くから」

魔法使い「何を言っておるんじゃ?わしもついていくぞい」

勇者「え?」

賢者「私もです」

女商人「あたしもー」

勇者「なんで?」

賢者「このままほっておけないでしょ」

女商人「借金返し終わってないし」

魔法使い「南の小麦色の肌のぴちぴちギャルが楽しみじゃわい」

勇者「賢者・・・女商人・・・ありがとう」

魔法使い「わしは?」

賢者「じゃ、行きましょうか」

魔法使い「ねぇ、わしは?」

【南の森】

???「・・・」

側近「うんと言ってくださいませんか?」

???「・・・」

側近「トロル族は全滅しましたよ」

???「・・・」

側近「他の魔族も時間の問題でどんどん人間によって滅びに向かっていくでしょう」

???「・・・」

側近「今、われら魔族の力を示しておかないと人間は我々を家畜以下の存在とみなすでしょう」

???「・・・」

側近「あなたが魔族のために立つというのであれば、誰もが勇気を奮い起こされると思います」

???「・・・」

側近「知恵は私が出しましょう。しかし、あなたには勇気がある。仲間との絆がある。力を合わせれば、あの勇者でも仕留めることができます」

???「・・・」

側近「お願いします。ともに魔族を救いましょう!」

???「・・・・・・」コクリッ

側近「魔王になってもらえますか!ありがとうございます!誰もがあなたの勇気に共感し、手を貸すことでしょう!行きましょう!勇者討伐に!」

???「ピキー!」






側近「ふふふ、これで半分」

【南の王国】

王様「勇者はわしが育てたんや!」

勇者「・・・」

南の王「いやはや、見事でした。北の王は不幸なことでありましたが、あれほどの魔物をわずか1日で鎮圧するとは」

王様「なんのなんの。この世界のためになるのであれば力は惜しめませんからな」

大臣「ですなぁ。勇者」

勇者「はぁ・・・」

南の王「どうなさった?元気がありませんな」

王様「なーに、まだ先の疲れが残っておるのであろう」

南の王「それはいけない。我が国に来た時に握手攻めにあってしまわれたようで申し訳ない」

王様「それも勇者としての務めですじゃよ。また南の国の皆さんに顔をみせよう」

南の王「ありがとうございます。しかし、先ほどの戦いは見事でしたな。勇者殿も王国軍も」

勇者「え・・・それは・・・」

王様「はっはっは。勇者は我が国の誇りですじゃ。それに我が軍ものぅ。育てたかいがあったのぅ」

南の王「ぜひ王様には我が国の兵錬の手ほどきを願いたいですな」

王様「あ・・・いつつつ・・・ま、まだ腰の調子が治っておりませんでな。先の戦いで悪化しておって・・・」

南の王「そうですか。でしたらこの暖かい土地でしばらく静養されていくといいでしょう」

王様「ぜひそうさせていただこう!あっはっは」

【勇者の部屋】

勇者「はぁ・・・、またあの人たちはもう・・・」

勇者「やっと休めるよ・・・ふぅ・・・」

ギギィ

遊び人「こんばんは。夜伽のお相手にまいりました」

勇者「き、君は!?」

遊び人「えへっ、きちゃったっ♪」

勇者「きちゃったって・・・どうしてここへ?」

遊び人「王様たちにね。勇者様に気に入られちゃったって言ったら一緒に来るかって」

勇者「あの人たちは・・・」

遊び人「というわけで・・・」ヌギヌギ

勇者「ちょっ、まっ」

遊び人「なぁに?」

勇者「いや、そういうことは・・・なしの方向で・・・っていうか服着てっ」

遊び人「好きな人がいるからっていうの?あたしそんなのどうでもよくなっちゃったっ」ズイッ

勇者「あうあう・・・」

遊び人「ちょっと遊んでいかない?」

勇者「だ、だめだよ!」グイッ

遊び人「ちぇっ、ざーんねんっ。でも勇者様なんか悩んでるような顔してるから、慰めてあげたくなっちゃうのよねぇ」

勇者「え?顔が!?」ペタペタ

遊び人「やっぱ悩んでるんだ」

勇者「あう」

遊び人「話しちゃいなYO」パチッ☆

勇者「わ、わかったから服着て・・・」

遊び人「ふーん、トロル達がねー」

勇者「うん、許さないとか人間に仲間が殺されたとか・・・」

遊び人「そのことお仲間さん達には話さないの?」

勇者「うん・・・みんな人のためにがんばって戦ってるのに・・・こんなこと話したら悪いって言うか・・・」

遊び人「勇者様はやさしいね」

勇者「え?」

遊び人「知っちゃったらつらいこと自分ひとりで抱えちゃってさ」

勇者「いや・・・」

遊び人「でもそれでどうするかは勇者様が決めなくちゃね」

勇者「え?」

遊び人「悩んでるんでしょ?このまま魔物と戦えるかどうか」

勇者「なんでそれが・・・」

遊び人「顔に書いてあるわよ。でもつらくても決めなくちゃいけない選択っていうのはあるものよ」

勇者「選択・・・」

遊び人「うん、それで失敗したとしても選ばなくちゃいけないの。そのために誰かが泣くことになってもね」

勇者「うん・・・そっか、そうだよね・・・ありがとう遊び人」

遊び人「いえいえ、おねえさんで良ければいつでも相談に乗るわ」

娼婦キャラの人生悟ってる率はガチ

遊び人「さて、朝になっちゃったし、帰るわね」

勇者「あ、もうそんな時間か」

遊び人「遊ぶ時間がなくなっちゃったわね。延長する?」

勇者「い、いや、そういうのは!」

遊び人「うふふ、冗談よ」

勇者「遊び人、君と話せてよかったよ。ありがとう」

遊び人「次は夜伽の後に言ってね。そのセリフ」

勇者「///」

遊び人「じゃあね」

勇者「さーって!今日からがんばるかな!」

賢者「勇者!」

魔法使い「大変なのじゃ」

女商人「聞いてよ勇者様―!」

勇者「ちょ、ちょっといっぺんに話さないで」

賢者「実はこんなものが!」

勇者「果たし状?なにこれ?」

魔法使い「とにかく読んでみい」

勇者「えっと・・・拝啓 貴殿らが我が同胞トロル族を滅亡させたと聞き及んでこの書をしたためている次第である」

勇者「貴殿らの所業許しがたく、我ら魔族を代表し、我が貴殿らとの決闘を申し込むものである」

勇者「我ら魔族と貴殿らの誇りと命を懸けた勝負を所望する」

勇者「時は次の満月の夜、場所は南の森前にて待つ。南の魔王。敬具」

勇者「なにこれ?」

魔法使い「果たし状じゃのう」

女商人「やたら漢らしい文書ね。なにが所業許しがたく、よ。北の町をあんなにしておいて!」

勇者「それは・・・」

賢者「勇者。どうします?」

女商人「もちろん行ってケチョンケチョンにしてやるのよね!」

勇者「うーん・・・」

女商人「勇者!?」

勇者「うん・・・僕は人間だ・・・」

魔法使い「ふむ・・・」

勇者「人のために戦うよ。それで相手を倒すことになっても」

魔法使い「勇者・・・それでよいのか?」

勇者「うん。王様にも知らせておこう」

【南の森前】

魔法使い「誰もおらんのう」

女商人「いや、あっちから何か来る」

ピョンピョンッ

スライム「ピキー!」

勇者「スライム!?」

スライム「ピキーピキキキーピキキーピーピーキキーピキキピキー!」ダッ

勇者「なに言ってんの!?」

賢者「相手になってやるから付いて来いってことじゃないですか?」

スライム「ピキー」ピョンピョン

女商人「あ、行っちゃう。追っかけましょ」

女商人「でもスライムなんて拍子抜けね」

魔法使い「ふむ」

賢者「結構深い森ですね」

勇者「危ない!」ダンッ

ゴゴォ

女商人「きゃっ」

魔法使い「今のは・・・ギラ!?どこからじゃ」

賢者「分かりませんでした。うわっ」

ゴゴゥ

勇者「これは・・・ギラの狙撃!?どこから」

ドガッ

女商人「ぐふっ」

勇者「女商人!?」

女商人「うぐ・・・体当たりを・・・メタルスライムのようだったけど・・・ううっ・・・」

魔法使い「どこじゃ!?」

賢者「移動しながら攻撃しているようです。確かこっちのほうへ・・・きゃあ!」

勇者「賢者!だいじょ・・・うわっ」

ビチャア

勇者「目が・・・・目がああああああああああ!」

魔法使い「バブルスライムじゃ!勇者!すぐ毒消しを・・・ぎゃああ!」

勇者「魔法使い!どこ!?」

魔法使い「聖水をくろうた・・・消える・・・消えてしまううううううううう!」

勇者「みんな!どこ!?」ガサガサッ

勇者「ううっ・・・うっ・・・や、やっと目が見えてきた・・・」

勇者「みんなー!くっ・・・はぐれてしまった・・・」

スライム「ピキー!」ドガッ

勇者「うぐっ・・・」

勇者「こ、これが狙いか・・・バラバラにして一人ずつ・・・くっ・・・また茂みの中に」

(側近「勇者達の強さは仲間との絆の強さです。まずこれを破壊しなければなりません」)

スライム「・・・」ズザザザ

(側近「そのためにも彼らを分散できるだけの仲間がこちらにも必要です。あなたは一人では弱い。それは誰もが知るところです。しかしそのあなたが魔王として立ったとしたら」)

スライム「ピキー!」ダッ

勇者「見えた!」ズバッ

スライム「ピキュー・・・」

勇者「やったか!?」

ホイミスライム「ピー!」キラーン

勇者「ホイミスライム!?回復された!?」

(側近「みんながあなたを助けようと集まるでしょう。仲間と連携するのです」)

バブル「ピー!」ブシャア

勇者「うわっと、食らうか!」

ゴゴゥ

勇者「ぐあっ・・・あれは・・・」

メタル「ピキー」

(側近「勇者は強い。だが単独で強いからこそ連携に不慣れなのです。あなた達のコンビネーションこそ勇者を倒すのに必要なのです」)

勇者「メタルスライムか・・・だったら・・・こちらも速さで全員斬ってやる!」

勇者「はやぶさ斬り!」ズババ

シュン

勇者「消えた!?」

はぐれ「ピキー!」

勇者「はぐれメタル!?仲間を助けた!?」

「ピー」

「ピー」

「ピー」

「ピー」

「ピー」

ザワザワザワザワ

勇者「また見失った・・・なんだ・・・こいつら・・・何を話し合ってるんだ・・・」

スライム「ピキキー!」ドガッ

勇者「うぐっ・・・うしろ・・・」

勇者「もういない・・・きりがないな」

勇者「くぅ・・・だったら!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

勇者「このあたり一帯吹き飛ばしてやる!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

(側近「勇者は強い。そしてそれはタフであることも言えます。あなた達の攻撃はじわじわ効きますが、決定的なものにはならないでしょう」)

勇者「おおおおおおおおおお」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

(側近「だから決定的な攻撃が必要です。そしてそのタイミングが。あなた達の攻撃に焦れて大魔法を使おうとした時隙が生まれるでしょう。その時こそ」)

スライム「ピキー!」ダッ

バブル「ピキー」

ホイミ「ピキー」

メタル「ピキー」

はぐれ「ピキー」

勇者「なっ・・・全員出てきた!?」

ヴォーーーーーン ドドドドドドド

勇者「なっ・・・五芒星!?これはまさか!?」

スライム「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ

勇者「だめだ!止めないと!」ダダダ

スライム「【ミ】・・・」

勇者「くっ」ズバッ

スライム「・・・」ビクンッ

バブル「【ナ】・・・」

勇者「やめろ!」ズバッ

バブル「・・・」

ホイミ「【デ】・・・」

勇者「はぁ!」ズバッ

ホイミ「・・・」

メタル「【イ】・・・」

勇者「はぁ・・・はぁ・・・」ズバッ

メタル「・・・」

はぐれ「【ン】・・・」

勇者「間に合えー!」ズバン!

はぐれ「・・・」ビクンッ

【ミナデイン!!】

バリバリバリバリバリッ!!!

勇者「ぐああああああああああああああああああああ!」バリバリバリバリ

勇者「うぐぐぐぐぐああああああああああああ!!」バリバリバリバリ

勇者「か、体がああああああああああああ!!」バリバリバリバリ



勇者(なんでこんなことになったんだろう・・・)

勇者(魔王を倒したらそれで終わりだと思ったのに・・・)

勇者(でも・・・僕が死んだら・・・みんな悲しむ・・・かな?)

勇者(悲しむのは伝説の勇者が死んだからで僕が死んだからじゃないかもな・・・)

勇者(でも・・・一人くらい悲しむかな・・・女商人とか賢者とか・・・遊び人・・・)

勇者(そうだ・・・立って守らないと・・・)

勇者「う・・・くっ・・・」ズルズル

勇者(か、回復を・・・・)

勇者「う・・・・あ・・・・」

勇者(駄目だ・・・肺がやられて声が・・・)

スライム「ピ・・・・」ズリズリ

勇者(な・・・あいつらまだ生きてるのか)

バブル「キ・・・」ズリズリ

ホイミ「・・・」ズルズル

メタル「・・・」ズルズル

はぐれ「・・・」ズルズル

勇者(あんな体で集まって・・・どうするつもりだ・・・)

スライムたちがあつまって・・・・

ボフン

勇者(キングスライムだと・・・だめだ・・・やられる・・・)ギュッ

勇者(・・・・ん?)

勇者(・・・・・・え・・・・あ・・・・)

勇者(こいつ・・・死んでる・・・)

勇者(た・・・助かった・・・うっ・・・意識が・・・・)ガクッ

女商人「賢者!はやくして!勇者様が死んじゃうでしょ!」

賢者「今やってますよ。まさか勇者がここまでやられるなんて・・・」

女商人「ひどい傷・・・どうやったらここまで・・・」

勇者「う・・・いつつ・・・」

賢者「気がつきましたか?」

女商人「勇者様!」ギュッ

勇者「いてて」

賢者「女商人やめなさい!傷が開いてしまいます」

勇者「そういえば魔法使いがいないけど・・・」

賢者「ああ、アレは泣きながら天に帰っていくのを見ましたよ。特に止めませんでしたが」

勇者「ああ・・・そう・・・」

賢者「まったく早く成仏してくれないと・・・あれ?町のほうが明るいですが・・・それに回りに鳥が・・・」

女商人「いえ、あれ明るいんじゃなくて燃えてるのよ!!鳥じゃなくてモンスターじゃない!?」

勇者「そんな・・・うくっ・・・助けに行かないと!」

賢者「勇者は休んでいてください。私達二人で行きましょう」

女商人「そうです。そんな体じゃ無理ですって」

勇者「そんなわけには・・・大丈夫、立てるよ」

女商人「こちらに私達をひきつけて町を襲う作戦だったってわけ?」

賢者「いえ、こちらはこちらで本気で倒す気だったんでしょう」

勇者「うん・・・死ぬかと思った・・・急ごう!」

【南の町】

「ギャア!ギャア!」

賢者「これは・・・」

女商人「ひどい・・・みんな死んでるの・・・?」

勇者「ドラキーにキメラにいたずらモグラ・・・低級モンスターがこんなにたくさん・・・なんて数だ・・・」

賢者「モンスターの死体もこんなに・・・」

女商人「とにかく残りのモンスターをなんとかしないと!」

賢者「人の生き残りもいるのかどうか分かりませんし・・・魔法で倒したほうが早いかもしれませんね」

勇者「だめだよ!もし人がその中にいたら!」

賢者「でも一匹ずつ倒してたらその間にみんな死んでしまうかもしれませんよ。ある程度倒してから探したほうが・・・」

勇者「だめだよ・・・そんなこと・・・」

賢者「でもさすがにこの数は・・・」

賢者「・・・わかりました。じゃあ出来るだけ急いで各個撃破していきましょう」

勇者「うん」



勇者「はぁ・・・はぁ・・・」

女商人「結局生きてる人は誰もいなかったわね」

賢者「ええ・・・。たぶん逃げた人も多いでしょうし・・・全滅ということはないと思いますが・・・」

勇者「・・・」

女商人「勇者様。そんなに気を落とさないでください」

賢者「やれることはやったんです。あなたがその全ての責任を背負うことはないんですよ?」

女商人「そうですよ。勇者様は何も悪くない!」

勇者「でも・・・何かを救う選択もあったんじゃないかな・・・って」

勇者「ううん、何でもない。ありがとう」

賢者「・・・」

【王城】

大臣「いやー危ないところでしたなー勇者の情報がなければやられていたかもしれませんねー」

王様「そうだな。無事帰ってこられたのはよいのだが・・・」

大臣「ところで今回は支援とかしないんですね」

王様「そうだ。それが困ったことだな・・・」

大臣「どうしてですか?北の国みたいにガッチリ借金で縛っちゃえばいいじゃないですか」

王様「わが国にそれだけの余裕がないのだ・・・。それに南の国の惨状はひどい。国を立て直そうとするものもいるだろうが・・・」

大臣「だからそこにつけこめば・・・」

王様「・・・来るぞ」

大臣「何がですか?」

ドンドンドン

大臣「なんだ騒々しい」

兵「た・・・大変です!ここへ向かって大量の難民が・・・」

王様「来たか!」ガタッ

兵「どどどどどうしましょう」オロオロ

王様「門を閉ざせ!絶対に入れるな!一人たりともだ!」

大臣「王様!?」

王様「今は北の民の一部も引き受けておる。物資の支援にも資金を使っている。これでさらに人を入れては国の経済が破綻するわ」

王様「一人でも入れればその者からあらぬ噂が広がるであろうし、入れなかったものからの不平の声も高まるだろう。一人も入れるな」

大臣「し、しかし・・・どうすれば・・・」

王様「我々には自国民を守る義務があるのじゃぞ」

王様「わしに考えがある」

隠密「王様、報告に参りました」

王様「そうか」

隠密「勇者の南の王国の魔物の討伐は終りました。南の王国に生き残りはいないようです」

王様「先に逃げ出してきたやつらで困っておるわい・・・」

隠密「何か収容施設のようなところへ送られていく人を見ましたが・・・まさか・・・」

王様「お前はそんなことを気にする必要はない!」

隠密「しかし・・・」

王様「さっさと報告をせい!」

隠密「はっ・・・。勇者は未だに仲間と一緒のようです」

王様「そうか。では次は東の王国にでも連れて行くとするかの。ほっほっほ!」

隠密「・・・」

大臣「難民を炭鉱送りにするとは考えましたな」

王様「まぁな」

大臣「しかし、あれは数年前に何もでなくなった廃坑ですが・・・」

王様「だからそこにしたのだ」

王様「仕事とそれに応じた賃金を与えようというのだ。断るまい。そこに町を作る」

大臣「しかし、何も出てこないと」

王様「ああ、それでは賃金の払いようがないな」

王様「それに、これならそう資金がかかることもあるまい」

大臣「しかし、そのうち気づくのではないですか?」

王様「そこは、ほれっ、努力が足りんのじゃよ。はーっはっは」

【東の王国】

王様「勇者はわしが育てたった!」

勇者「」

東の王「で、今回はどのようなご用件で?」

王様「ごほんっ!北と南の国が魔物に襲われたのはご存知ですな?」

東の王「ええ。特に南はひどい有様だったようですな」

王様「そうじゃ。それでの、わが国は北の国に支援もしておるし、南の難民も受けれておる」

東の王「それは立派なことですな」

王様「じゃろ?だが財政的にかなり厳しいところがあっての。これで残る国も我が国と東の国のみじゃ。お互い支えあっていかねばならぬじゃろう」

東の王「それはそうですな」

王様「それで援助・・・」

東の王「お断りする」

王様「え、はやっ!なんでじゃ?」

東の王「これで残す人間の国は二つのみ。それは分かる。だがそちらの腹が分からん」

王様「腹がわからんとは心外な。わしは腹を割って話して折るつもりじゃが・・・」

東の王「ならばなぜここに勇者殿がおられるのか」

王様「は?」

東の王「かつて魔王を倒せし勇者殿。それはお強いのでしょうな。我が国の中でもあこがれておるものはおる」

王様「ほっほ。でしょうな」

東の王「その強さは私らなど束にかかってもかなわんほどでしょう」

王様「なんのなんの」

東の王「だからといって一国の王がそれを恐れて言いたい事も言えないとでもお思いか!!王よ!」

王様「なっ・・・」

東の王「この場に勇者殿がいることなど脅し以外の何ものでもありますまい!」

王様「そんなつもりはないのじゃが・・・」

東の王「そちらには勇者殿がおられるから魔物をそう脅威に感じておらんのであろう」

東の王「だが我が国にも勇者殿には劣るかも知れぬが屈強な兵士がおり、魔物と戦ってきておる」

東の王「この条約を読ませてもらったが、こちらからの一方的な支援ではないか」

東の王「これが同等の条約なら考え直そう。また来られるがよい」

大臣「まったく。とりつくしまもありませんな」

王様「外交とは本来そういうものだ。時間はいくらでもかけるわい」

大臣「おのれ・・・魔物に襲われでもすれば我らが勇者にすがり付くであろうに」

王様「それはそれで困るがな。これ以上国が減ってはな」

大臣「王様には何か考えがあるんですか?」

王様「とりあえず様子を見るしかあるまい」

大臣「ないんですか」

王様「うるさい!そのうち隙を見つけてやるわい!」

大臣「・・・」

【勇者の部屋】

勇者「あーもぅ。やっと部屋に帰れる」

ガシャ

女遊び人「はーい、いらっしゃーい」

勇者「なんか、もう最初から部屋にいるし・・・」

女遊び人「待ってましらよぉー」グビグビ

勇者「酔っ払ってるし・・・」

女遊び人「ほ~ら、突っ立ってらいでしゅわりなさい!」ポンポン

勇者「それ僕のベッド・・・」

女遊び人「ほらほら~」

勇者「はぁ・・・」ストン

女遊び人「こにょやろ~遅いンにゃろー」ギュッ

勇者「ちょっ!当たってるから///]

女遊び人「当ててんにゃろーあははは」グイグイッ

勇者「お酒臭い・・・」

女遊び人「ほらっ、勇者様も飲んで飲んで」

勇者「み・・・未成年だし」

女遊び人「そういえば、そうらったねー」

勇者「女遊び人・・・なんかあったの?そんな寂しそうな顔して・・・」

女遊び人「そんな顔してないにゃろー」

勇者「うん、顔はそうだけど・・・なんかそんな気がして・・・」

女遊び人「それは勇者様がちっとも遊んでくれないからなのら」グイッ

勇者「だから当たってるって!そんな理由には思えないんだけど」

女遊び人「あーあーもー。勇者様はするどいなー」

女遊び人「はぁ・・・酔いがさめちゃった。何でそう思ったの?」

勇者「いや・・・なんとなくだけど・・・泣いてるみたいだったから」

女遊び人「・・・」

女遊び人「そんな風に言われたの・・・2回目ですよ」

勇者「どうしたの?」

女遊び人「このままでいいのかなって・・・そう思っていただけです」

勇者「このまま?」

女遊び人「国が・・・二つも滅んじゃって・・・」

勇者「ああ・・・」

女遊び人「それでも私・・・余り悲しくないんですよね・・・。身寄りがないからかもしれませんけど」

女遊び人「それって私が冷たい人間なのかな・・・って。どうすれば人のために悲しめるのかなってね」

女遊び人「あはは、な、なんともなりませんよね。ごめんなさい。こんな話しちゃって」

勇者「ううん、僕も・・・同じだよ」

女遊び人「え・・・」

勇者「僕にできるのは力を振るうことだけ。本当ならもっと人を救えたかもしれないのに・・・」

勇者「そのために力を使うのが本当は正しいって分かってるのに・・・やり方がわからなくて・・・」

勇者「僕は・・・だめだなぁ」

女遊び人「勇者様。あなたはいつかきっとそんな力の使い方ができますよ」

勇者「女遊び人・・・」

女遊び人「その時は、私もお手伝いさせてください、そうすれば私も少し救われます」

勇者「ありがとう・・・」

女遊び人「っていっても、夜のお手伝いしかできませんけどね。うふふ」

勇者「!?」

遊び人「ほらっ、なんて顔してるの。元気出せ。勇者様♪」

【東の王城廊下】

コッコッ

大臣「勇者、こんな早朝からお出かけかの?」

勇者「ああ、大臣か」

大臣「疲れているのならゆっくりしておってはどうか」

勇者「いえ、眠れなくて。あ、そうそう。大臣が紹介してくれた女遊び人なんだけど」

大臣「女遊び人?」

勇者「目的はともかく彼女を紹介してくれたことは感謝するよ。ありがとう」

大臣「なんのことかの。女遊び人とは」

勇者「え?だって大臣からの紹介って・・・」

大臣「そんな者しらんぞ?酒と食事を勇者に用意したくらいだが」

勇者「え?じゃあ彼女は?」ダッ

大臣「あ、おい、勇者」

ガチャッ

勇者「女遊び人!?」

勇者「誰もいない・・・」

勇者「・・・?」

【竜の巣】

竜王「誰だ」

側近「私は魔王様のおそばに仕えておりました側近と申す者」

竜王「お前か。最近魔物に人間を襲わせておるのは。なんだその被り物は」

側近「私などのお見苦しい顔を竜王様にお見せできないので」

竜王「ふんっ、私はお前が誰であるかなどどうでも良い。失せろ」

側近「竜王様であれば私が来たわけはお分かりでしょう」

竜王「人間を滅ぼせとでも言うのであろう」

側近「よくお分かりで」

竜王「私は人間などに興味はない。無論お前達にもだ」

側近「ではなぜ前魔王様とともに勇者と戦ったのですか?」

竜王「ふん、それはあやつがそれなりの見返りを寄越したからよ」

側近「見返り?それはなんでしょう?」

竜王「宝よ!竜族は古来より光物に弱くてな。みなキラキラした宝物を集めおるわ」

側近「ほほぅ」

竜王「そんじょそこらの宝では駄目だ。私をうならせるほどのものでなくてはな!」

側近「ちなみに前魔王様は何をお渡しに?」

竜王「ふん、それはな」

側近「それは?」

竜王「あやつ自身よ!光っておった!黒光りであったがの。光り輝いてよく斬れてまことにいい男だったわ」

側近「それほどでしたか」

竜王「ああ、一目で見惚れたな。それに比べてお前は・・・」

側近「私は?」

竜王「濁っておる。黒いがまったく光らん闇そのもののようじゃ」

側近「ふふ、魔族ゆえ・・・」

竜王「お前のようなものでは力を貸せんわ。いね」

側近「ではそれなりの対価をお支払いましょう。光物ですね。これではいかがです?」

ピカアアァ!!

竜王「そ・・・それは!?光の玉!?」

側近「どうです?これ以上ない光物でしょう?」

竜王「失われて久しく、竜族が数千年かけて捜し求めそれでも見つからなかったものを・・・なぜお前が・・・」

側近「ふふっ、私は何でも知ってますゆえ」

竜王「うっ・・・くぅ・・・ほしいっ」ボソッ

側近「いかがですか?この世に二つとない至宝ですよ」

竜王「ほしい・・・めっちゃほしい・・・」ボソッ

側近「いらないですか?じゃあこれは大魔道様にでも差し上げてあちらに頼みますかね」

竜王「ま、待て!あんな者に渡したら穢れる!何に使われるか分からん」

側近「では」

竜王「分かった。勇者を倒せばよいのだろう」

側近「今勇者は東の町におります。町ごと頼みます。竜族で奇襲すれば容易いことでしょう」

竜王「いいだろう。だが奇襲など弱者のすること。食物連鎖の覇者たる我らのすることではない」

側近「ではどうするのですか?」

竜王「私に考えがある」

【東の町 酒場】

勇者「この気配は!?」

竜王「はじめまして勇者。食事中に失礼する」

勇者「お前は・・・」

竜王「人の町ゆえ人の姿を借りさせてもらった。私は竜王・・・いや東の魔王とでも名乗ろうか?」

勇者「くっ」ジャキンッ

竜王「おっと、こんなところでやりあうこともあるまい。今日は話をするためにきただけだ」

勇者「・・・」グッ

竜王「構えは解かぬか。まぁ私の殺気をお前なら感じているのであろうがな」

竜王「単刀直入に言う。私、竜王と竜の巣は勇者、お前とこの東の国の人間すべてに正式に宣戦布告をする」

勇者「なっ・・・」

竜王「一週間後だ。一週間後の日の出とともにこの町を攻める。覚悟しているがいい」

勇者「待て!」

竜王「なんだ」

勇者「お前達は何のために戦うんだ」

竜王「何のため?」

勇者「僕達には戦う理由がない」

竜王「お前になくてもこちらにはある」

勇者「戦いたくないんだ・・・」

竜王「それは本心か?」

勇者「え?」

竜王「私にはお前の本心には思えんな・・・。誰かにそう思わされているのか?お前の心のうちはどうなのだ?」ジー

勇者「な、何を」

竜王「くっ・・・くっく・・・。まぁいい。何のために戦うのかなど人それぞれだ。一切れのパンのために命をかける者でもおるであろう。その時々変化するものでもあろう」

勇者「それは・・・」

竜王「私の戦う理由も変わってしまったな。くくっ、お前の力・・・底が見えん・・・。光り輝いておるわ!」

勇者「なっ・・・」

竜王「お前の光り輝く命を貰い受ける!それが私の戦う理由だ!またくるぞ!」バンッ

バサッバサッ

勇者「ド、ドラゴンに!ま、待て!」ダダダッ

勇者「く・・・空か・・・」ダダダッ

勇者「ライデイン!」ガガーン

竜王「おっと、甘いわ。勝負は一週間後だ。さらば!」

ゴゴゥ

勇者「うわっち!!ブレスか・・・」

勇者「っというわけなんだ」

魔法使い「それはまずいのう。ドラゴン族といえば最強の種族じゃ。厳しい戦いになるぞい」

女商人「あの・・・なんで魔法使いが平然とここにいるの?成仏したんじゃなかったの?」

魔法使い「天界から追い返されてしまったわい。キャッチアンドリリースじゃ。ほっほっほ」

賢者「もうあなたは地獄にでも落ちたらいいんじゃないですか?」

魔法使い「しどい!」

勇者「それよりドラゴンの対策だよ。地上からじゃ攻撃が届かないし、相手はブレスで攻撃してくるんだけど」

魔法使い「わしに考えが・・・」

賢者「あ、その先言わないでください。ひどいフラグだと思いますので」

魔法使い「・・・」

【7日後】

勇者「いよいよか・・・」

女商人「今度はちゃんと一般人は避難してくれましたね」

賢者「そうでもないようですよ・・・」

男「うわあああああ」

女「きゃああああああ、な、なんで町じゃないこんなところにドラゴンが・・・」

魔法使い「人が・・・郊外から町に逃げてきておるの」

勇者「くっ・・・倒すのは国じゃなく人だということか!竜王!」

バサバサッ

魔法使い「やはり上空から降りてこんのう」

女商人「あれじゃ攻撃が届かないわ」

賢者「ブレスで焼き払う気ですね」

魔法使い「じゃあ、いくぞい!ドラゴラム!」ズズーン

魔法使い「さあ、賢者。乗るんじゃ」

賢者「はい」

魔法使い「ほれっ、もっとくっつかんと落ちるぞい」

賢者「こ、こうですか?」ギュッ

魔法使い「もっとじゃ」

賢者「こう?」キュー

魔法使い「おほっ、かすかな胸が背中に当たってきもちええわい」

賢者「・・・」ブチッブチブチッ

魔法使い「ぎゃああああああああああ!鱗むしらんでくれ!」

賢者「早くいきなさい」ブチッ

魔法使い「NOOOOOOOO」バサバサッ

賢者「では行きますよ!」ゴゴゴゴゴゴ

賢者「バギクロス!!」ドヒュー!

ドラゴン「!?」グラッ

ズーン

勇者「よし!バランス失って落ちてくるぞ!」

ズズーン

子供「うわあああああああああん」

女商人「勇者様!子供が」

ドラゴン「グギャオオオオオオオオオオオ!」ブンッ

勇者「大丈夫!」ダダダッ

ズバッ

ドラゴン「・・・」ブシュー

勇者「君!大丈夫?」

子供「う・・・わああああああああああ、ドラゴンの・・・首が・・・血が・・・・」ブルブル

ブラックドラゴン「ギャオオオオオ!」バサバサ

子供「わああああああああああ」ダダダッ

勇者「あっ、待って!危ない!」

子供「いやあああ触らないで化け物!」ダダダッ

ブラックドラゴン「ボォオオオオオオオ!」ゴゴゥ

子供「いやあああああああ・・・あ・・・あ」バタッ

女「いやああああああああああ!!私の子が・・・」

女「な、なんで!?」バシッ

勇者「!?」

女「なっ、なんで!なんで助けてくれなかったの!勇者様!」バシッバシッ

勇者「危ない!!離れて!」

ブラックドラゴン「グオオ!」ブンッ

勇者「はっ!」ズババ

ブラックドラゴン「・・・」ズズーン

男「勇者?」

老人「勇者様だ!」

婦人「助けて!勇者様!」

ワイワイワイワイ

勇者「ちょ、ちょっと離れて!」

男「早く助けてくれ!勇者!!」

婦人「子供が!子供がいないの!勇者様!」

勇者「ご、ごめん!」ダダダッ

男「おい!どこにいくんだ!見捨てるのか!」

老人「早く助けろ!」

勇者「うっ・・・」ビクッ

婦人「あんたそれでも勇者様なの!?」



女商人「いい加減にしなさい!!!!」

女商人「あ・・・あんたたち最低よ!!!」

男「な・・・なんだお前は」

女商人「人に頼ってばっかで!自分達の国でしょう!自分達で守ったらどうなの!」

老人「そ、そんなこといっても・・・わしらじゃごにょごにょ・・・」

女商人「戦う武器がないの?私を誰だと思ってるの!?私は女商人!」ガチャン

女商人「さあ、どれも業物の一級品ばかりよ。さあ、手にとって戦いなさい!」

「・・・」

女商人「何?どうしたの!?好きなのを選びなさい!あなたたち?さあ!」

ザッ

東の兵「その辺にしていただきたい」

東の兵「さあ、みなさんは私達が誘導しますので、こっちへ」

女商人「あ・・・」

衛兵「勇者殿、女商人殿。大変失礼しました」

衛兵「市民も混乱しておるのです。お許し願いたい」

衛兵「彼らは兵が責任を持って逃がしますゆえ・・・。私どももともに戦います」

勇者「ううん、ありがとう・・・」

勇者「よし!いくぞ!」




勇者「ぜぃ・・・ぜぃ・・・あとはお前だけだぞ!竜王!」

竜王「勇者の力・・・これほどとは・・・」

勇者「まだやめる気はないのか・・・?」

竜王「当然だ。ふはははは!これほど血がたぎるのは初めてだ!」

勇者「なぜそこまで・・・」

竜王「愚問を。お前も分かっているだろうに」

勇者「なっ・・・」

竜王「お前も私と同じだ。この血沸き肉踊る戦場が楽しくて仕方ないのであろう」

勇者「ち・・・ちがっ!」

竜王「ふんっ。まぁそんなことはどうでもよいわ。これ以上語るのも無駄だな」

竜王「我らが語るのは口先ではなかったな。我らは拳で語るのみ!」

竜王「いくぞ!勇者あああああああああああ!」

勇者「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」

カッ







女商人「また、たくさん死んでしまいましたね・・・」

勇者「うん・・・」

女商人「竜王は?」

勇者「なんとか・・・たお・・・し・・・」ガクッ

賢者「勇者!大丈夫ですか!また酷い怪我を・・・ベホマ!」キューン

勇者「ありがとう・・・賢者」

魔法使い「わしも怪我しとるんじゃが・・・」

賢者「はい、薬草」

女商人「幽霊に薬草って効くのかしら?」

魔法使い「・・・」

【王城】

隠密「報告に上がりました」

王様「待っておったぞ!話せ」

隠密「東の国は壊滅しました。ドラゴン族は勇者達にて討伐を完了」

大臣「なんと!」

王様「まずい!まずいぞ」

大臣「なぜです?これで世界には我らのものでは」

王様「一国の独裁国家なぞ存在しえぬわ!これで貿易も交易も今の全てが狂ってしまう」

大臣「そういうものですか?」

王様「分散されていた不満が全部ここへ集まってくるぞ!おのれ・・・」

大臣「か・・・革命でも起きるんですか?」

王様「可能性はあるだろう・・・」

大臣「そ、そんな!どうしましょう!」

王様「その時はうまく勇者を使って・・・やるか・・・」

隠密「!?」

大臣「勇者がそんなことしますかね?」

王様「ほっ、うまいこと反乱分子を悪人にしたてあげれば難しくはあるまい。いや、反乱分子になる前に難民だけでも理由をつけて始末させるか・・・」

大臣「確かに勇者は単純ですからな」

隠密「・・・」

王様「単純というより力の持って行き場がないのだよ。あの化物はな」

隠密「なんてことを!」

王様「むっ?まだおったのか?報告が終ったならさっさと行け!」

隠密「勇者の剣を人間に向けるなんて!そんな酷いことを本気でさせるんですか!」

王様「黙れ!隠密のお前の意見なんぞ聞いておらん!」

隠密「勇者は魔物を殺めることにさえ心を痛めています!そんなことは・・・」

大臣「王様はさっさと行けといっているんだ」

隠密「・・・」

大臣「何だその目は」

隠密「もう嫌です・・・」

王様「なに?」

隠密「もう、勇者を裏切るのは嫌です!」

王様「それがお前の仕事であろうが!」

隠密「でしたら・・・やめさせていただきます」シュバッ

大臣「おい!」

王様「いい、ほっておけ。それよりやらねばならぬことがある」

【魔王城】

側近「ただいま戻りました」

大魔道「ご苦労であった。なかなかの手並みであったな」

側近「いえいえ、これも大魔道様のお知恵あってこそです」

大魔道「くくくっ、これで邪魔な魔王候補どもや人間を一気に減らすことができた。残るは王国のみだな」

側近「ええ、勇者を仕留めそこなったのは不覚ですが・・・」

大魔道「もう一息のところまではいったのだがな・・・。まぁ私が手を下せばすむことだな」

側近「ふふっ、これで世界は」

大魔道「「ふははははは!ついに我が物になるのだな」

側近「おめでとうございます。ではさっそく王国へ兵を送りましょう」

大魔道「くくっ、抜かりはない。もうすでに全軍出発しておるわ」

側近「兵は拙速を尊ぶですか」

大魔道「そういうことだ。ご苦労であったな。側近」

側近「いえいえ、全ては大魔道様のため」

大魔道「ほほぅ、では私のために死んでくれるか?」

側近「え?」

大魔道「お前は知りすぎたのだよ。そう・・・裏の裏までな・・・」ゴゴゴゴゴゴ

側近「な・・・なにを・・・」

ゴゴゥ

【王城】

大臣「おおおおお王様王様おうさまああああああああああ!」

王様「やかましい!」

大臣「十・・・十万を超える魔物の軍団がわが国に向かっていると・・・」

王様「なっそれほどの大軍か・・・」

大臣「こんな時に勇者はどこにいったのやら。隠密からの報告はもうないし」

王様「ふん、竜王を倒した後仲間と一緒に消えおったな。あの化物が」

大臣「王様!?」

王様「いままで飼ってやった恩を忘れおって・・・」

大臣「わ、私達恨まれちゃったりしてますかね?」

王様「こんなことなら早めに始末しておくんだったわ」

大臣「でも勇者ですよ?」

王様「あれの力はそれだけでひとつの脅威じゃ。そんな爆弾でもわしはうまく使っておったつもりでおったが、所詮化物は化物か・・・」

大臣「それより魔物のことをどうにかしないと」

王様「そうだな・・・まず難民達の中から志願兵を募る。参加すればわが国の市民権を与えると言ってな。それを最前線に送り出せ」

大臣「なるほど」

王様「それからこれを使う」ガラッ

大臣「こ・・・これは・・・」

王様「そう、勇者達の持っておった道具じゃ」

大臣「伝説の武具や魔法道具がこれほど・・・」

王様「まったく集めに集めたものだわい全部99個ずつあるぞ」

大臣「なんで99個なんでしょうね。中途半端な。100個にすればいいのに」

王様「仕様であろう」

大臣「仕様ってなんですか?」

王様「気にするな」

大臣「これはどうしたんです?」

王様「預かり所に入れっぱなしにしておったのでな、裏から手を回しての」

大臣「これほど強力なものがこれだけあれば・・・」

王様「ああ・・・十分我々でも対抗できるであろう。兵達に与えるのだ」

大臣「はっ」

王様「それからわしらも行くぞ」

大臣「え?」

王様「これはわが国の存亡をかけた戦になる。我が国民を守るためだ。皆を率いていかねばな」

大臣「王様・・・ご立派です!!では私はちょっと用事を思い出したのでこれで」

王様「お前もくるのだ」グイッ

大臣「お、お腹が痛いんで!」

王様「我らが先頭に立つことで兵の士気にかかわることだ。行くぞ!」

【魔王城】

賢者「魔王城・・・二回目ですけど禍々しいですね・・・」

女商人「ほんとにここに黒幕がいるの?」

勇者「うん・・・竜王が最後に教えてくれた・・・」

魔法使い「それを信用していいのかのぅ?」

勇者「竜王はウソをつくようなやつじゃないと思う・・・」

女商人「敵なのに随分親しげね」

勇者「とにかく入ろう」ギギィ

賢者「誰もいませんね」

魔法使い「罠かもしれん、気をつけるのじゃぞ」

女商人「分かってるわよ。でも気配さえどこにも・・・・ん?あれは?」

魔法使い「なんじゃこれは?炊飯ジャーかの?」カポッ

ドヒュウーーーーーーー!

魔法使い「な、なんじゃ・・・す、吸われるううううううううあああああああああああ」ガチャン

賢者「なっ・・・」

ガチャン

女商人「さらに落とし穴!?」

ヒュー

賢者「あれは魔物封じの道具か何かでしょうか」

女商人「みたいね」

賢者「じゃ、先に進みましょうか」

女商人「そうね」

勇者「え?魔法使いは!?」

賢者「成仏できないんなら封印ってのはいい手かも知れませんね」

ガチャン

ガチャン

賢者「わっ」

女商人「きゃっ」

勇者「あれ?賢者?女商人?」

勇者「いない・・・」

【魔王の部屋】
勇者「結局みんな見つからなかったな・・・」

ギギィ

側近「ようこそ魔王城へ」

勇者「誰だお前は」

側近「初めまして。私は側近と申すもの。以後お見知りおきを」

勇者「お前が黒幕か!?んっ?」

側近「ああ、それは」

勇者「足元に何か・・・うわっ!」

側近「大魔道様の死体ですよ。ふふ、私と違って愚かな方です」

勇者「な、仲間をやったのか?」

側近「仲間と言えるほどの関係ではありません」

勇者「僕の仲間はどこへやった?」

側近「さあ、罠にかかったのは分かりましたが、その後までは。ただ、生きて抜けられるようなものではないですよ」

勇者「くっ・・・」

側近「どうしました?さあ、ラスボスですよ。かかってきたらどうですか?」

勇者「・・・」

側近「どうしました?」

勇者「もう・・・やめない?いい加減その仮面をはずしたら?」

側近「なぜです?」

勇者「全部お前がやってたんだな・・・」

側近「・・・」

勇者「今までのことを考えると犯人はお前しかいない!」

側近「・・・」

勇者「その仮面の下の正体は・・・」

側近「・・・」

勇者「犯人は・・・お前だ!」

勇者「賢者!」

賢者「ふふっ、よく分かりましたね」

勇者「思い返してみれば、いつでも魔物の襲撃の情報を持ってくるのは君だった」

賢者「なるほど」

勇者「それに、他の人たちが誰もその情報を知らないというのもおかしい。近くで事件があったのなら噂くらいにはなってるはずだ」

賢者「ふふっ」

勇者「その割には誰も魔物に警戒なんてしていなかった」

賢者「お見事です」

勇者「なんていうのはただの後付なんだけどね」

賢者「え?」

勇者「ずっと一緒にいた仲間なんだ。そんな仮面なんて付けて変な格好しても分かるよ。賢者のことなら」

賢者「・・・」

勇者「ねぇ・・・賢者、なんでこんなことしたの?全部君がやったことなの?」

賢者「ええ、そうですよ。そこの大魔道を唆したのも、トロル族をはめたのも、スライム達を焚きつけたのも、ドラゴン族を買収したのも全て私」

勇者「そんな・・・」

賢者「ああ、そういえば今回の魔物襲撃の発端となったトロル族の村のひとつを焼き払ったのも私です、ふふふ」

勇者「なんでそんな酷いことを!」

賢者「魔物の村のことでなんであなたが怒るんですか?」

勇者「それは・・・」

賢者「あなたは人間のために戦うと選択したんじゃないですか?」

賢者「あなたには色々な選択の機会があった。」

勇者「・・・」

賢者「争いなど及ばない土地で愛する人と暮らしていくこともできた。人間なんて見捨てて、自由に逃げ出すこともできた」

賢者「人間たちの上に立って導くこともできたでしょうし、魔物の上に立つことだって不可能ではなかったはずです。そしてその両方でも」

勇者「・・・」

賢者「いろんなの選択を放棄してきた結果があなたじゃないですか?」

勇者「それは・・・王様達が・・・」

賢者「ああ、王様ですか。あなたには彼が醜悪に映りますか」

勇者「え?」

賢者「彼は利己的で、傲慢ですが、ひとつの選択を貫いていますよ」

勇者「選択?」

賢者「国を守るということです。他国に抜きん出て、有利に外交を行い、自国民を幸せにするということです」

勇者「それじゃ他の国が・・・」

賢者「ええ、そうですね。彼は世界平和など望んでません。そして全ての支配も望んでませんよきっと。自分の手の届くところだけです。部をわきまえているといいますか」

勇者「確かに王様はそうかもしれない・・・。でも賢者がこんなことした理由にまったくなっていないよ!」

賢者「理由?理由ですか」

勇者「賢者?」

賢者「ふふふっ、そんなの全てが憎いからに決まっているじゃないですか!この地獄のような世界全て!そしてそれを造った神が!」

勇者「賢者・・・?」

賢者「賢者・・・それは私の名前などではありません。そして側近などでもない。それは・・・これの名前です」バッ

勇者「それは・・・賢者の石!?」

賢者「理由が知りたいなら教えてあげましょう!私の生まれた不滅都市のことを!」

勇者「不滅都市?」

賢者「不滅都市・・・魔物と人間が共存するその都市では寿命以外では誰も死ぬことがありません」

賢者「不死。ずっと生きられる。天寿を全うできる。それは幸せと考える人もいるかもしれません」

賢者「でも違う。怪我をしてもすぐ直ってしまう。切り刻まれても、首を撥ねられてもすぐに元にもどってしまう」

賢者「それはどんな暴力をしても許されるということです。実際、あの街では力がすべてでした」

賢者「あの街では力の弱いものは奴隷。しかもどんな酷く扱っても倒れない、倒れることさえ許されない奴隷です」

賢者「そんな街で私は生まれ、捨てられました。捨てられたからといって死にませんからしばらくして奴隷としようとする人間が私を拾いました」

賢者「そして、家畜と一緒に放置されて育ちました。使えるようになるまで放っておかれたのです」

賢者「その間、体のあちこちを齧られたりしましたが、それもすぐに直ってしまいます」

賢者「使えるようになってからはただの道具です。言われることを言われたまま行うだけ」

賢者「そのうち器量がよくなったからと言って貴族の家に買われました」

賢者「貴族はさんざん遊んだ挙句、飽きたんでしょうね。私を捨てることにしました」

賢者「ただ捨てるだけでは飽き足らなかったんでしょう。庭に穴をほって埋めることにしたんです」

賢者「不滅都市で一番恐れられているのが生きながら埋められることです。死ねないわけですから寿命までそのままです」

賢者「勇者?そんな顔しないでください。別に私はこれまでのことを恨んでるわけじゃないんですよ?」

賢者「その時私はただの道具に過ぎなかったんですから。別に埋められて寿命を迎えて死ねばそれでよかったんです」

賢者「何も考えることも思うこともなかったんですから。最初から心などなかったんですから」

賢者「でも、穴に放り込まれたとき、私の体に何かが突き刺さりました」

賢者「そう、この賢者の石です。その時、石から私の中にあらゆる知識が流れ込んできました」

賢者「賢者の石こそが、この街が不死である原因だったんです。そして理解しまったんです」

賢者「私がいままで何をされたのかを」

賢者「私は神を恨みました。なぜ今更私に知性を与えたのかと!何も知らないまま死ぬことができればそれでよかったのに!と」

賢者「私はその日のうちに不滅都市を滅ぼしました。再生の原因の賢者の石は私のものになったのですから、もう誰も生き返りません」

賢者「だから私は何でも知っています。そして賢者なんです」

賢者「そして、私は世界を滅ぼす旅に出て・・・」

賢者「あなたに出会った」

【数年前】

賢者(憎い・・・憎い憎い・・・この街から滅ぼしてやりますか)

賢者(誰も彼も心の醜さが透けて見えるようですね・・・)

ドンッ

子供「うわあああん」

賢者「あらあら、大丈夫ですか?ほらっ立ち上がって」スッ

子供「くすんっ」

賢者「いい子です」ニコッ

母「どうもすみません。うちの子が」ペコッ

賢者「いえいえ」ニコニコ

賢者(憎い憎い憎い!この母親は子供のことを煩わしく思ってるのが丸わかりだし、子供は何も考えてない、何もしつけられていない)

賢者(さて・・・滅・・・)

勇者「ねぇねぇ君」

賢者「え?」

勇者「何かつらそうだけど・・・大丈夫?」

賢者「なんでもないですよ。お気遣いありがとうございます」ニコッ

勇者「そうは見えないけどなー」

賢者(こいつ・・・強いですね・・・。それに何を考えてるのかまったく分からない・・・)

賢者「あなたは?」

勇者「あ、僕は勇者っていうんだ。ほんとに大丈夫?」

賢者「わたしは・・・そう、私は賢者と言います」

勇者「わぁ、賢者様だったんだ。賢者様でも何か悩み事?」

賢者「え・・・そう見えますか?」

勇者「うん、泣いてるみたいだったから・・・」

賢者(こいつが・・・勇者!?世界を光に導くもの!?)

賢者「勇者様でしたか。急いでるご様子ですので私のことはお気になさらずに」

勇者「急いでるって言っても長い旅になるから少しくらいいいよ」

賢者「長い旅ですか?」

勇者「うん、これから仲間を募って魔王を倒しに行くんだ」

賢者(魔王を倒す?世界を救う?この世界を滅ぼそうとする私の前で・・・)

賢者「そうなんですか。では私が参加希望してもいいですか?」

勇者「え!ほんと!?賢者様が一緒ならすごく助かるよ」

賢者「世界のためですから。勇者様」ニコッ

賢者(そう。勇者、あなたが世界をどうするか見届けてから滅ぼしてあげますよ)

勇者「勇者様じゃなくて勇者って呼んでよ、ねっ」

賢者「では私のことも賢者とお呼びください」

勇者「よろしく!賢者!」

賢者「こちらこそ、勇者」

【魔王城】

賢者「あの時、私が悩んでいるのを分かってもらえた時、そして賢者と呼んでもらった時」

賢者「あれが初めて感じた『うれしい』という感情なんでしょうね」

賢者「しかし、魔王は討ち果たされた。しかし、あなたは世界をどうもしなかった」

勇者「だから世界を?」

賢者「あなたに失望したのは事実です」

賢者「でも、そんなことがなくても私はこの世界そのものが憎いのですから一人でも滅ぼしますよ」

勇者「じゃあ何で1年も待ってたの?」

賢者「それは・・・」

勇者「それとも待っててくれたの・・・?」

賢者「何も変わらないのが分かった今、そんなことは関係なくなっただけです」

勇者「・・・」

賢者「それに今、魔物の大軍が王国に向かっています。どちらが勝つにせよ。生き残るものは少ないでしょうね」

勇者「そんな!」

バタンッ

女商人「勇者様!」

魔法使い「勇者!ぶじか!?」

賢者「あら、生きてあの罠を抜けてくるとは、なかなかやりますね」

女商人「え?」

魔法使い「なんじゃと?」

賢者「メラゾーマ!!」ゴゴゥ

勇者「あぶないっ!」バッ

女商人「きゃっ」

魔法使い「どういうことじゃ!?」

勇者「賢者が・・・黒幕だったんだ」

魔法使い「なんじゃと!?」

女商人「なんで・・・なんで裏切ったの!?」

賢者「裏切った?あなたにだけは言われたくないですね」

女商人「な・・・なにを・・・」

賢者「あなただって最初から裏切ってるじゃないですか」

女商人「何のこと・・・?」

賢者「まだとぼけるんですか?王国のスパイさん」

勇者「え?」

賢者「それともこう呼んだほうがいいですか?隠密さん?」

女商人「!?」

勇者「女商人?」

賢者「その女は最初から王様の差し金で動いてたんですよ。勇者の情報を報告するためにね」

勇者「そんな・・・だって女商人は偶然・・・」

賢者「偶然?旅の前にお金をおろして行くのは当然予想できるでしょう。そこに潜んでいたんですよ」

勇者「うそ・・・だよね?女商人」

女商人「・・・ごめんなさい。でもあたしは・・・」

賢者「ほらみなさい。勇者あなたは利用されてたんですよ。この女に」

女商人「ち・・・違う!最初はそうだった!でももうあたしはそんなことしてないわ!だ・・・だって!」

勇者「え?」

女商人「だって私も仲間だっていってくれたんだから!勇者様の力になりたいと心から思ったから!」

賢者「口でなら何とでも言えますよ。勇者、はっきり言います。あなたのパーティーにまともな人間なんていなかったんですよ」

勇者「え」

賢者「破壊を求める私、王国の犬、あと言葉にするのも煩わしいもの」

魔法使い「最後のまさかわしのことじゃないじゃろ?な?な!?」

賢者「あなたにまともな仲間などいなかった」

勇者「いや・・・仲間だよ。もちろん賢者も」

賢者「まだ言いますか」

勇者「だから帰ろう」

賢者「駄目です。ここであなた達も滅びてもらいます。そして世界も」ゴゴゴゴゴゴ

勇者「どうしても?」

賢者「そうです。それにあなたも好きじゃないですか」

勇者「なんのこと?」

賢者「破壊が。力を振るうことが」

勇者「・・・」

賢者「勇者としてあなたが今までやってきたことはなんですか?魔物を殺し、ダンジョンを破壊し、魔物から王と土地を奪った」

勇者「・・・」

賢者「その時あなたが何を思っていたか。今回の戦いを見ても分かりました。戦うことそれ自体が楽しい。そうでしょう」

賢者「そして、それが終ってしまった時、抜け殻のようになって王達の言うがまま」

賢者「つまらなくて退屈だったでしょう。それに比べて戦っている時のあなたは実に生き生きしていました」

賢者「それでもあなたは敵のいなくなった世界で堪え続けるんですか?」

勇者「そうさ・・・」

女商人「勇者様!?」

勇者「そうだよ。僕は破壊を、力を楽しんでた」

勇者「それは認める。今回でもトロル王、スライム達、竜王・・・みんな強かった。でも戦えることが楽しかった」

賢者「でも力を出し切れなかったんじゃないですか」

勇者「そうだね、町の人も近くにいたし・・・」

勇者「でも全ての破壊を望んだりしない。僕が我慢していればいいんだから。僕のような化物が」

女商人「勇者様!?」

魔法使い「勇者!それは違うぞ!?」

賢者「いえ、それはいつも傍にいるあなた達だからそう思うだけですよ。多くの人にとって勇者は化物でしょう。そして私も」

勇者「賢者・・・」

賢者「話が長くなってしましたね。そろそろ決着をつけるとしますか」

勇者「・・・」

賢者「勇者、本当の本気で来ていいですよ」

勇者「え?」

賢者「そうでなくては私を止められませんよ?真の賢き者の力、お見せしましょう」ゴゴゴゴゴゴゴ

勇者「こ・・・これは!?」

魔法使い「な・・・なんとうい魔力じゃ・・・」

女商人「あ・・・あ・・・」

勇者「すごいっ!」ブルッ

勇者「賢者!じゃあ僕が全力で止めてやる!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔法使い「こ・・・これは・・・!?」

女商人「勇者様!?」ビクッ

魔法使い「逃げるぞい。女商人!」

女商人「え?そんな!勇者様!」

魔法使い「おぬしは勇者の本気を知らんからそういうんじゃ。あやつが本気になったらこの辺り一帯吹き飛ぶぞ。肉体どころか魂魄まで消滅させられてしまうわい」

女商人「勇者さまー!」

賢者「おおおおおおおおおおおお!!」

勇者「来い!」






賢者(ごめんなさい・・・勇者・・・こんなことをさせて・・・)

勇者(賢者・・・)

賢者(こうなることも分かってた・・・分かってたんです・・・)

勇者(君は・・・)

賢者(私を消して・・・勇者)

勇者(!?)

賢者「なんて顔してるの。元気出せ。勇者様」

(遊び人「なんて顔してるの。元気出せ。勇者様♪」)

勇者「君は・・・」

賢者「行きますよ!!」

カッ

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

【数年後 戦士の村】

戦士「おお!お前らかひっさしぶりだなー!」

戦士「顔出せつったのに全然顔ださねーんだもんな!この薄情ものが!」グリグリ

トロル「戦士、仕事の時間だど」

スライム「ピキキー」

ドラゴン「早くせい」

戦士「おう!わりぃな。今日は休むわ。古い仲間が来てくれたんでな」

トロル「わがっだ。だいじにしろ」ドスドス

ドラゴン「うぃっす」

スライム「ピキキー」ピョンピョン

戦士「ん?あいつらか?仕事仲間だよ」

戦士「魔物と人間の戦争・・・あっただろ?」

戦士「幸いこの村は無事だったんだけどよ。あれで人間も魔物もほとんどしんじまったじゃねーか」

戦士「そこで生き残った魔物とか人間とかもこの村にきてよ」

戦士「ま、お互い自分達だけじゃ生きていけないくらい少なくなっちまったからな」

戦士「助け合ってるってわけよ、がははは」

戦士「おっ、おい、何泣いてんだよ。泣くような話したか?」

戦士「何謝ってんだよ。わけわかんねー」

戦士「あ、そうそう。魔法使いもな、たまに来るぜ?」

戦士「やっぱ俺の言ったとおりあの爺さん英雄だぜ」

戦士「世界中飛び回って人助けしてるって話だ。なんか商人のねーちゃんも一緒だったな」

戦士「は?魔法使いが死んでる?がははははは!何言ってんだ」

戦士「んなわけねーだろ。ちょっと半透明で足がクリンッとしてたがピンピンしてたぞ!」

戦士「しかし、お前・・・なんか・・・変わったなー」

戦士「いや、見た目は変わってないんだが、なんつーか」

戦士「大人になったな」

戦士「落ち着いたっつーか、なんつーか。憑き物が落ちたっつーか」

戦士「何?お前らそういうことなのか?やったのか?やっちまったのか?なぁなぁ?」

戦士「いてぇ!がはは、照れんなよ!」

戦士「ま、今日はゆっくりしていけよ!」

戦士「こいつがこんな成長したのもお前のおかげかもな」

戦士「はっ?こいつはお前が育てたって?なにいってんだ。だったらお前らは俺が育てたようなもんだ」

戦士「人間なんてお互いに育てあって成長していくんだよ、なっ」

戦士「そうそう、俺の子供もでっかくなったんだぜ?見ていくだろ?」

戦士「なに辛気臭せえ顔してんだよ!がははは」

戦士「なぁーに。人間なんてたらふく食って、いっぱい働いてりゃ幸せだって」

戦士「たまには自分のためになんかしてみろよ」

戦士「それでよ!お前らも幸せになれよ。なっ、勇者」

勇者「うん!」




おしまい

最後まで見ていただいた方いましたらありがとうございました。

それでは!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom