鬼娘「うっ……ぐすっ……、おウチに入れてください……」(482)

明日のシミュレーションのためにこんな感じで頼む

福娘もよろ

>>7
福娘か、外に出せーって感じかな
エロいぜ

だっちゃはもう古いお

鬼娘「いたっ…いっ…」

村人「物怪でも血はでるんだなぁ?このまま石投げて殺してやるか」

鬼娘「やめて…くだっ…あうっ!」

村人「ははは!鬼も落ちたもんだな!もういっ――」

男「その辺にしておけ」

村人「なんだお前は、こいつは鬼の娘だぞ?殺して当然だろう!腕を離せ!」

男「…この子に罪はない、やめてやれ」

村人「鬼の味方するってのか?この外道めが!お前も石打ちだ!」

男「―石打ちか、投げられるのか、その腕で?」

石は痛い、豆にしてくれ・・・

>>14
ショットガンで撃つけど良い?

>>15

     (  ´・ω) 
    γ/  γ⌒ヽ (´;ω;`)  ウッ…
    / |   、  イ(⌒    ⌒ヽ

    .l |    l   } )ヽ 、_、_, \ \
    {  |    l、 ´⌒ヽ-'巛(  / /
    .\ |    T ''' ――‐‐'^ (、_ノ
        |    |   / //  /

村人「―ひっ、腕っああああああああああああああ」

鬼娘「…っ」

男「外は寒いだろう、今日は私のところに来るといい」

鬼娘「あの人、腕…、血がいっぱい」

男「罪も無き娘を石打ちにするような下種の腕に価値はない」

鬼娘「でもっ…手当しなきゃ」

男「勝手にしろ」

鬼娘「…大丈夫ですか?」

村人「お前…くそ!死んじま――ぐ」

男「片腕では足りなかったか?」

村人「あぎゃあああああああ!ぅ…ええええ」

男「黙れ」

村人「…」

鬼娘「…酷い、首まで取る必要は…」

男「こうしなければお前はこの男に殺されていた」

男「…いくぞ」

鬼娘「…」

――

男「みたいだったら格好良かったのにな」

鬼娘「いいから早くズボン穿け」

男「へいへい、失礼しました」

鬼娘「まったく…酷いところに来たものだ…」

男「ズボン穿いたぜ!」

鬼娘「報告せんでいい!阿呆め!」

男「怒ってる顔も可愛いよおおおお」

鬼娘「近寄るなっ!こら!やめんか!!」

男「あべしっ!」

鬼娘「…ふん」

男「相変わらず腕力あるなー、女の子はもっと淑やかにだな」

鬼娘「…どうせ私は下品だ、腕力も普通の女子のそれとは違う」

男「でもお前可愛いじゃん」

鬼娘「ばかもの…っ!そんな事は…」

男「長い髪に可愛い系の童顔とか俺好み過ぎる」

鬼娘「…そんなに褒めるな!私はそんなに美しくない!」

男「その長所をうまく使おうぜ!」

鬼娘「何に使うのだ――――って脱ぐな!」

男「わかった、入れてやろう。フヒヒ」

鬼娘「あ、ありがとうございます!」

数分後
http://imepic.jp/20120203/029520


友「今日は節分か」

男「みたいだな」

男「さっき子ども達が外で豆まきしてるのを見たよ」

友「今日は雪が積もってるってのに……子どもは元気だなー」

男「節分ってさ、なーんで鬼が追い出されなきゃいけねーんだろな」

友「なんでって……鬼は何となく悪者のイメージだからじゃないの?」


男「それって必ずしも鬼がやられ役じゃなきゃいけないのか?」

友「いや知らないよそんなの。昔節分のルールを作った人に言ってくれ」

男「そーだな。お前に言ってもしょうがないよな」

友「何か鬼に対して思い入れでもあんのか?」

男「いや、ただちょっと気になっただけだよ。深い意味は無い」

友「そうか……あ、じゃあ俺こっちだから」

男「おう、じゃあな。また明日」


ワイワイガヤガヤ

男「ん? なんか空き地の前が賑わってるな」

子ども1「鬼はー外ー!」

子ども2「福はー内ー!」

男「なんだ、ここでも節分か……ん?」

「お、鬼だぞー! 怖いぞー!」

男「あの鬼役の子……随分気合い入ってんなー。わざわざ鬼のコスプレまでして」

男「ってか、寒くないのかな?」


「がおー! お家に入れろー!」

子ども3「うわっ、鬼が襲ってきたぞ! 豆ぶつけて追い返せ!」

子ども4「くらえ豆鉄砲! 鬼はー外―!」

バシバシッ

「い、いたっ……い、痛くなんかないぞー! そんなのへっちゃらだからお家にい、入れろー!」

子ども5「この鬼なかなか粘るなー! よーし、一斉攻撃で倒すぞー!」

子ども達「おー! 鬼はー外ー!」

バシバシバシバシッ

「がお……って、いたっ! いたいいたい! ま、まいった、まいったから……」

子ども達「おりゃおりゃー!」

バシバシバシバシッ

「うっ……やめ……ひぐっ……もう……やべて……よぉ……」

男「おいおい……いくら節分っていってもあれは酷いぞ……しょうがない……」


男「待てぇぃっ!」ザッ

子ども1「もういっちょ! 鬼はー……って、ん?」

子ども2「……いきなりなんだよ、おっさん」

男「おっさ……! まだまだピチピチの高校生だわ!」

子ども3「俺達からしたら充分おっさんだし」

子ども4「……で、何の用?」

男「……フ、フフフ。俺様オニ。オ前ラ、クウ。ガオー!」

子ども5「うわっ! ちょ、ちょっと待った! おっさん、大人のくせに子どもに向かってくるなんて、卑怯なんだぞ!」

男「俺様オニダカラ、卑怯トカ、関係ナイ。オ前ラ、クウ。ガオー!!」

子ども達「ぎゃあああああああああああ!!!!」

ドタバタ


男「……ふう、行ったか」

男「……おい、大丈夫か?」

鬼娘「……」グス

男「まーお前が鬼役をやる気満々なのは格好からうかがえるけども」

男「流石にさっきのは人数比がおかしかったよなー。もうちょっと鬼役がいてくれたらな」

鬼娘「……」グスッ

男「…………………………じ、じゃあ俺は……そろそろ……行くわ……」

グイッ

男「……へ?」


鬼娘「わ、私は……鬼なんだぞ……怖いんだぞ……が、がお……」

男「ちょ、ちょーっと離してもらえるかな……」

鬼娘「た……食べられたくなかったら……お家に……入れろ……!」

男(おいおいこの子どんだけ鬼役やりたいんだよ!)

男「あ、あー。もしかしてまだ節分やりたかった? 俺余計なお世話しちゃった?」

鬼娘「……う……う……」プルプル

男(いやそんな涙目で嗚咽をもらしながらプルプルされても困る!)

男(こういう対処法が分からない厄介な状況は……)

ダッ

鬼娘「あっ……」

男(逃げるに限る!)


ダッダッダッダッ

男「ハァー……ハァ……ハァ……ハァ……ふぅ……」

男「家まで全力疾走してしまった」

男「さっきの子は……ついて来てないな……当たり前か」

男「……にしても節分の鬼役にあそこまでなりきる娘がいたとは」

男「……ちょっと可哀想だったけど、あれ以上関わるのはなんか面倒なことになりそうだったしなぁ」

男「まー家入ってさっさと忘れよ………………って……」

鬼娘「……がお」


男「なっ……なんでお前が家の玄関の前にいるんだよ!?」

鬼娘「つ……ついてきた……だけ……」

男(ついてきたって……こんな小さい娘が男子高校生の全速力についてこれる訳ないんだけど)

男(俺の足ってそんな遅かったのか……!?)

鬼娘「……わ……私は……お、鬼だぞー……」

男(げっ、また始まっちゃったし)

鬼娘「こ……こわーい……こわーい……お、鬼……ヒック……だんだ……ぞ……」

男(何かまた泣き始めちゃったし!)


鬼娘「だ……だべられだぐながったら……ぐす……お、おうぢに……」ポロポロ

男「ちょ! ちょっと待った! 分かった! 節分な! よしやろう! 節分やろう!」

鬼娘「……」グス

男「家に確か豆ある筈だから! 今から取ってくるよ!」

男「そんでお前が気のすむまで節分やってやるから! 満足したら帰れよ!」

鬼娘「!! ……う……うぅ……」

男「じゃ、ここでちょっと待ってろよ!」

グイッ

男「…………って、今度は何ぃ!?」









鬼娘「うっ……ぐすっ……、おウチに入れてください……」

やっとスレタイまでたどり着けた
なんかこの時点で達成感がすごいんだけど

とりあえず風呂に入ろうと思うんだ
流石に落ちないよね…

鬼娘「ふぇぇ・・・VIPの人に虐められたよぉ」

鬼女A「・・・」

鬼女B「クンクン、何だか山吹色のお菓子の良い匂いがするにゃぁ~」

展開考えてたら寝てたという



男「え? おウチ? おウチって、俺んちってこと?」

鬼娘「……」コク

男「なんで急に……俺とお前って今日会ったばっかだよな?」

鬼娘「……」コク

男「じゃあ何で……ってかお前の家はどこなんだよ?」

鬼娘「ず……ずっと遠く……」

男「随分アバウトだな……親はどこにいるんだ?」

鬼娘「こ、こっちには来てないから……分かんない」


男「なんだよそれ……迷子ってことか? だったら勝手に俺の判断で家に入れたりは出来ないよ」

鬼娘「入れて……くれないの……?」

男「ああ、こればっかりはな……代わりに警察まで届けてやるからさ」

鬼娘「やっぱり……私が……鬼……だから……」プルプル

男「……え? 何だって?」

鬼娘「ふ……ふえぇ……」ジワァ

男「お……おいちょっと待て落ち着いて。話せばわか
鬼娘「ふえええええええええええええん!!!!」エーン

男「ちょっ、待って! 俺んちの前でそんな大声で泣かないで!」

鬼娘「えええええええええん!! えええええええええん!!」

男「分かった! とりあえず俺んち入ろうか! うん、いい子だからね! 泣きやんでねー!」


バタン

男「くっそ、どこの子かも分かんない子を家に招いてしまった……」

鬼娘「……」ヒック

男「俺捕まるんじゃないか……?」

男(いや、やってしまったことを後悔していても仕方ない!)

男(まぁこの子も家に入れたら泣きやんでくれたし、まずは話だけ聞いてあげよう)

男「ふー、にしてもさっきの全力疾走が地味に疲れたなー」グテー

鬼娘「……」キョロキョロ

男「……? どうしたの、玄関に突っ立ったままキョロキョロして。部屋まで入っておいでよ」


鬼娘「……!! い、いいの?」

男「え、いいも何もさっき自分で家に入れろって言ったんだろ?」

鬼娘「そ……そうだけど……」オロオロ

男「さっきは俺もああ言ったけどさ。ここまで来て怒ったりしないって。遠慮せずおあがり」

鬼娘「お……お邪魔します」

男「大したもてなしも無いけど……いらっしゃい」

鬼娘「!!」ジワァ

鬼娘「ふぇ……」ポロ…

男「え!? ええええ何で!? ちゃんと言う通り家に入れてあげたのに! 今度は何が不満だったの!?」


鬼娘「違う……不満じゃないの……ぐす……」

鬼娘「これは……嬉しくて……嬉し涙なの……」

男「な……家に入れてもらったのがそんなに嬉しかったの?」

鬼娘「……」コク

男「は、ははっ。オーバーなやつだなぁ……」

鬼娘「全然オーバーじゃないよぉ!」



鬼娘「だって……私……人のおウチに入れてもらったのなんて……初めてで……」

鬼娘「人に……いらっしゃいって……言ってもらえたのも……は……初めて……で……」

男「……!」



鬼娘「だ……だから……だがらぁ……うれじぐ……でぇ……ぐす……」

男「……そっか」


男「なぁ、お前の名前なんていうんだ?」

鬼娘「……お……鬼娘……」

男「……よし。じゃ鬼娘……こっちおいで」

鬼娘「……え?」

男「おいで」

鬼娘「……」トコトコ

ギュー

鬼娘「!? わ、わわ!」


男「俺さ……お前が今までどういう風に過ごしてきたかとか……想像もつかないし、聞こうとも思わないけど」

鬼娘「……」

男「ただ、俺がお前を家に招いたのは紛れも無い事実だからさ」

鬼娘「……う……」

男「お前にとって初めて入る人の家が大したこと無かったなって思われたくないし、精いっぱいお前をもてなすよ」

鬼娘「うう……」

男「改めて……いらっしゃい。鬼娘」

鬼娘「ふ……う……うわあああああああああああん!!」ギュー


男「よしよし」ナデナデ

男(……にしてもこの子、何でこんなに鬼の格好のクオリティが高いんだろ?)

男(特にこの角なんて、まるで直に頭から生えてるみたいだ)サワサワ

鬼娘「うにゃあ//// くすぐったいよぉ」

男「くすぐったいって……面白いこと言うな。それじゃまるで神経が繋がってるみたいじゃん」

鬼娘「? それはそうだよ。だって繋がってるんだもん」

男「は?」

男(どういうことだ? あれか、この子は完全に鬼になりきってるから、こういう細かい所でも演技をかかさないのか?)

しえ

むしろ
鬼娘「我を祓うと言うか、毎度ながら寂しいものじゃ」
鬼娘「ふ・・・いつからか人間に嫌われ、追われる身となってしもうたか」
鬼娘「そちに免じて帰るとしようかの・・・」

みたいなのを想像したんだよ!馬鹿!

男「その…角のカチューシャ気にいってるの?」

鬼娘「かちゅーしゃ?」

男「この角のこと」さわさわ

鬼娘「だ、だから…駄目ですぅ」びくびく

男「頭皮から生えてるみたいだけど…」じぃーっ

鬼娘「ほ、本物ですよぉ…」

男「…え?」

鬼娘「え?」

男「いや、だって…」

鬼娘「あ、あのぉ…その…申し遅れました…私…その鬼の末裔です…」

男「オニ?」

鬼娘「こ、怖がらないで…っ!!何もしませんから!!」

男「いや、別に怖くないけど…鬼なんて実在…」

鬼娘「わ、わけあって人里におりてきたのですが…道も分からず…うぅ…」

男「そ、そうか…まぁいい、とりあえずお前はこの家にしばらく身を置くことになったんだから気にするな」

鬼娘「あ、ありがとうございます…」ぺこぺこ

男(高級そうな着物を着てるあたりどういった家の子なんだ…?)

男「でもまぁ…鬼、かぁ…」

鬼娘「お、驚きました…?」

男「うん、正直妖怪なんて昔の伝承くらいに思ってたから」

鬼娘「そ、そうですか…」

男「…まぁ、その角を帽子で隠すなりすれば全然正体は分からないけどね、見たところで変わったカチューシャくらいにしか思われないし」

鬼娘「は、はぁ…私今まで屋敷から出た事なくて…」

男「…箱入り娘?」

鬼娘「そ、そうなのかな…」

男(今の時代、上品な和服を着こんだ箱入り娘、そして鬼…とんでもない子を引き込んだのかもしれない)

鬼娘「?」

鬼娘「そ、それでなんですけど…!」

男「なに?」

鬼娘「ただで身を置く訳にはいきません、私でよければ男さんの身の回りのお手伝いをさせてください」

男「別に、そこまd

鬼娘「いえ、これでも家事洗濯は学んでおります!きっとお役に立てると思います!!」

男「まぁ、そういうなら…頼もうかな」

鬼娘「あ、あ…ありがとうございます!!」ぺこぺこ

男(家政婦だなこれじゃ)

男「だけど、俺大学生でお昼はこの部屋を開けてるしな…」

鬼娘「男さんは学生さんなんですか?」

男「まぁ」

鬼娘「…よ、よければ私も学舎について行ってもよろしいですか?」

男「…」

鬼娘「…駄目…ですか?」

男「…まずその着物をどうにかしないと浮いて見えるなぁ、って」

鬼娘「き、着物ですか?」

男「替えの服とかないよね?」

鬼娘「…すみません」

男「…それで行くしかないか」

鬼娘「ど、どこへでしょうか?」

男「今から君の服買いに行くんだよ」

鬼娘「そ、そんな…私なんかにもったいない!!」

男「貧乏学生だからシマムラだけど我慢してね」

鬼娘「だ、だから私なんかに…!!」

男「ほら、行くよ」ぐいっ

鬼娘「…っ!?//////」




男「やっぱり着物で帽子の姿じゃ目立つな」

鬼娘「す、すごく見られてます…」

男「さっさと服決めちゃおう」

鬼娘「な、なにがいいんでしょう…?」

男「お、俺も…女性の服は良く分からん…」

鬼娘「…そ、そんな…」

男「ん?…これなんかどうだ?お前に似合いそうなセーターだが」

鬼娘「…もこもこしてます」

男「駄目か?」

鬼娘「い、いえ、そんな!!」

店員「なにかお選びでしょうか?」

男「あ、丁度いい、この子に似合いそうな服を見繕ってくれますか?」

鬼娘「え?」

店員「そうですね…えぇと、お客様はこういった色がお好みでしょうか?」

鬼娘「は、はぁ…」

男「じゃこれもらおうか?」

鬼娘「…」

男「どした?」

鬼娘「このせーたーが良いです…」

店員「そのサイズのセーターはちょっと大きいかもしれませんね」

男「うーん、ちょうどいいサイズが…切れてるな」

鬼娘「そ、それが…いいです」

男「…じゃあこれにするか」

鬼娘「は、はい!」

男「じゃあ、これに合う奴にありませんか?」

店員「はい、かしこまりました」




鬼娘「♪~」

男「その服やけに気にいったみたいだね」

鬼娘「はい♪男さんが選んでくれたお洋服です!」

男「そう言ってくれると嬉しいな」

鬼娘「あ、あぅ…////」

男「…せっかくだし、どこかで外食しようか」

鬼娘「で、でも…」

男「お金なら気にしないでいいの」




鬼娘「男さんコレすごくおいしいです!!」ぱくぱく

男「…ガストでそんなに喜んでくれると嬉しいよ」

鬼娘「…男さんはあまり食べないんですね」

男「うん?そうかな」

鬼娘「はい」

男「まぁ、気にしないで食べていいよ今日は君の歓迎会も兼ねてるんだし」

鬼娘「…あ、ぅ…その…ありがとう…ございます…」ぺこ




男「ただいまーっと」

鬼娘「…え、えっと」

男「君もこれからはただいまだよ?」

鬼娘「は、はい…ただいま…」

男「よしよし、んじゃ荷物は置いてお風呂にしようか」

鬼娘「お、お風呂ですか…/////」

男「…え?なんで顔赤くしてんの」

鬼娘「い、いえ…私には男さんに恩義があります…このくらいで恥ずかしがっては…」もごもご

男「え、どういうこと?」

鬼娘「そ、それは…その…」

男「?」

鬼娘「…男さんのお背中を…ぜ、是非お流ししたいと…」

男「そんなサービス求めてないから」

男「うちのバスタブ狭いと思うけど、我慢してね」

鬼娘「ま、まってください!!」

男「ん?」

鬼娘「お、男さんの背中を流させてください!!」//////

男「いいからそういうの」

鬼娘「だ、駄目です!!やらせてください!!」///////

男「顔真っ赤にするほど恥ずかしいくせに」

鬼娘「そんなことないですぅ!!!」

男「意外と頑固だな君」

鬼娘「男さんが頑固なんです!!」




男「まぁ…凄くいいけどさ」

鬼娘「な、なにか言いました?」ごしごし

男「いやなんでも…」

鬼娘「どこか…痒いところありますか…?」ごしごし

男「最高ですはい」

鬼娘「え、えと…では…その、こちらを…向いてください…」

男「…それはあかんやろ」

鬼娘「は、はやく…」

男「…観念するしかないか」

男「…」くるっ

鬼娘「…っ////////」

男「これは不可抗力でして…」びんびん

鬼娘「…」じぃーっ

男「…そんなに見られると死にたくなるんだけど」

鬼娘「え?あ、はい!!す、すすすすみません!!」じぃーっ

男「どこ見て言ってる」

鬼娘「で、では不肖ながら私が綺麗しますね!!!」

男「…目が輝いてるね」

はよ  バン バン  はよ バン バン はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ バン バン
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/  バン  バン
  ̄ ̄\/___/    はよ バン

男(でもまぁ…)

鬼娘「で、では…足から綺麗にしますね」

男(和服で分からなかったけど着痩せするタイプだったんだな…)

鬼娘「こ、こんな感じかな…どうです?」

男(背丈に似合わず、エロい乳してるというか…)

鬼娘「お、男さん?」

男(バスタオルで隠してるけどハミ乳してるし)

鬼娘「あ、あのぉ…」

男(エロい凄くエロい)

鬼娘「そ、そんなに見られると…恥ずかしぃんですけど…」

男「え?」

鬼娘「お、男さんは…こういう…大きい方が…お好きなんですか?」

男「え、あ…ごめん!!」

鬼娘「あ、謝らないでください…////」

男「いや、その…」びんびん

鬼娘「…こ、ここも綺麗にしますね…」

にぎっ

男「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!」

鬼娘「っ!…カチカチ…です」にぎにぎ

男「…も、もういいから…」びんびん

鬼娘「だ、駄目です…これくらいさせてください…」にぎにぎ

男「これくらいって…」

鬼娘「お、男さんへの恩義を返さないと気が済まないんです…」さわさわ

男(潤んだ目で言われても…っ)

鬼娘「き、気持ちいいですか…?」さわさわ

男「…す、すごく」

鬼娘「そうですか…ふふ」さすりさすり

男(…妖艶な笑みだなおい)

寝て起きたら続いてた
俺には書けないエロがあっていいんじゃないでしょうか

自分の続きから書いていいの?
いいんだったら書く

じゃ>>114から


鬼娘「あ……鬼は角が敏感なの……知らなかった?」

男「え? ああ、うん。知らなかったよ」

男(なんか設定もしっかりしてるんだな……)サワサワ

鬼娘「あっ、ちょ、あんまり……触らないで……」

男(それに演技もうまいな……)サワサワ

鬼娘「きゃうっ!? だ、駄目だ……よぉ……」

男「……」ウズウズ

男「」サワサワサワサワサワサワサワサワサワサワサワサワサワサワ


鬼娘「うひゃあっ!? だ…駄目ぇ……出ちゃう……出ちゃうからぁ……」ハァハァ

男「出ちゃうって何が?」サワサワサワサワ

鬼娘「そ……それはぁ………………!!!!」ビクッ

鬼娘「~~~~~~~~~!!」ビクビクッ

バリバリバリバリ!!

男「へ……はぁ!?」

ドゴーン

男「な……何、今の……」

シュー….プスプス

鬼娘「あはぁ……ご、ごめんなさい……私……角触られ過ぎると……勝手に放電しちゃうの……」ハァハァ

はよ


男「へー……そ、そうなんだー」

男(いやー放電までしちゃうなんて本当に鬼娘は鬼になりきってるなぁ……)

男(……いやいやちょっと待て。放電って演技とか設定とかそういう問題じゃないだろ)

男(……と、ゆーことは……もしかして)

男「鬼娘……お前……本物の鬼なのか!?」

鬼娘「えぇ!? 今更!?」

男「あ、いや……ずっとコスプレかなんかだと思ってたからさ……それ」


男(あーなるほど本物か……そりゃそうだよな普通の人間が雪の積もってる日にあんな格好出来る訳ないよな)

男(でも普通本物の鬼がいるなんて思わないし……それこそ雷出すとこ見るぐらいしなきゃ)

男(人のおウチに入れてもらったこと無いって……鬼なんだもん、そりゃそうだよな)

鬼娘「ど、どーしたの?」

男「……」ブツブツ

鬼娘「そ、そっか。そーだよね……」

鬼娘「私が……人間だと思ったから……おウチに入れてくれたんだよね……」

男「……あ」


鬼娘「最初から私が鬼だって分かってたら、きっと入れてくれなかったんだよね……うぅ」

鬼娘「で……でも……何でかな……何で鬼ってだけで外に追い出されちゃうのかな?」

男「……!」

鬼娘「昔の……風習なんて分かんない……けどぉ……」グス

鬼娘「一体……今の私達が……人間に…な……何をしたって……えぐっ……言うの……?」ポロポロ

男「……うん」

男「そーだ! その通りだよな!」バッ

鬼娘「……ふぇ?」


男「いや、俺もそれは疑問だったんだよ! なーんで節分っていっつも鬼ばっか外に出されるのかなって!」

男「でも鬼ってのは架空の生物だから別にいっか、ってずっと思ってたけど」

男「鬼が実在していることが分かった今! やっぱりそんなルールはよくないと改めて思ったよ」

鬼娘「ほ……ホントに? じ、じゃあこれからは鬼が追い出されることは無くなるの?」

男「いや……俺1人がそうやって言っても、日本全体の認識を変えることなんて出来ないな……ごめん」

鬼娘「そ……そんなぁ……」ガクッ

男「う……そんながっかりしないでよ……」

男「俺は、日本全体のルールを変えることは出来ないけど、この家の中でのルールなら変えられるから!」

鬼娘「ど……どういうこと?」

男「この家で、鬼が追い出されない俺達だけの節分をやろーぜ、ってこと」ニッ

鬼娘「あ……う、うん!」パアアア


男「お……やっと笑ったな……お前」

鬼娘「……え?」

男「あ! 今せっかく可愛かったのに! やめないでよ勿体無い」

鬼娘「か……可愛い? 私が?////」

男「うん。さっきから泣き顔ばっか見てたけどさ」

男「お前は笑ってる顔の方が可愛いと思うぞ?」

鬼娘「そ……そうかな?」

男「そうだよ。だから泣くのはもうやめて、もっと俺に笑い顔を見せてくれ……な?」

鬼娘「う……うん!」ニコー


男「よーし、豆取ってきたぞー」

鬼娘「ひゃうっ」ビクッ

男「……って、どうしたの?」

鬼娘「ご、ごめんなさい。豆が怖くて……」

男「え? でもさっき外で子ども達と節分ごっこやってたよな?」

男「てっきり豆まき自体は好きなもんだと思ってたんだけど」

鬼娘「アレは……人のおウチに入れてもらいたかったから……」

鬼娘「ぶつけられても……我慢してたの……」

鬼娘「ほんとは……とっても……とっても……怖かった……」ブルブル

>>117
自分、見抜き良いスか?
仏陀「ウッ・・・千手観音・・・中に出すよ」
問1)「あたかも」を使って短文を作りなさい答え:冷蔵庫に牛乳があたかもしれない。


男「鬼娘……」

鬼娘「あ、でも節分はしたいの! 豆も……ぶつけられないなら平気……多分……」

男「そうか……? じゃ、こっから豆掴んで」

鬼娘「は、はい!」

鬼娘「……!」ソー

鬼娘「……!!」ビクビク

男「……あの」

鬼娘「あ、ハイ! ごめんなさい! す、すぐに取るから!」アセアセ

男「そんなビビんなくていいよ。こんなのただの食いもんだぜ?」


鬼娘「そ……そうなんだけど……鬼にとっては……やっぱり天敵だから」

男「……鬼娘、あーんして」

鬼娘「え?」アーン

ヒョーイ

パクッ

鬼娘「!? んー!?」

男「お味はどう?」

鬼娘「な、何するのー!? ど、どうって言われたって……そんなの……」

ポリポリ



鬼娘「……お、美味しい」

男「だろー?」


鬼娘「あんなに怖かった豆がこんなに美味しかったなんて……もっと食べてもいい?」

男「あー、一応豆は年の数だけ食べるっていう決まりがあるんだけど……鬼娘って何歳なの?」

鬼娘「分かんない……覚えてないよ……」

男「ま、どうでもいいか。どうせ俺達だけの節分なんだし。ルールは俺が決める」

男「好きなだけ豆食べていいよ」

鬼娘「わーい!」

ポリポリポリポリ

エロはあるかな


男「……で、結局」

男「豆は全部鬼娘が食ってしまったと」

鬼娘「ご……ごめんなさいいい! つい美味しくて……」

鬼娘「……怒ってる?」

男「ん? 何で俺が怒るんだよ?」

男「鬼が豆を全部食べちゃう……なんて、新しくて面白いじゃん」

男「まさに俺達だけの節分だよ」ナデナデ

鬼娘「え……あ、うん。えへへ」


男「まぁでもこのまま終わっちゃうのも味気ないので」

男「代わりにあられを持ってきたよ」

鬼娘「わーい! これも美味しそう!」

男「……いや、これは食べずにまこうな?」

鬼娘「え? そ、そっか。りょうかーい」


男「よし、じゃー始めるぞ……準備はいいか?」

鬼娘「だ、だいじょぶ!」

男「じゃ、せーの……でいくぞ」

男「……せーの」











男・鬼娘「鬼はああああああ内いいいいいいい!!!!」

バラバラッ

これで終わるエンドと
こっから福娘が出てくるエンドとどっちがいいですか

続けますね、中途半端になったらごめん



男「鬼はああ内いいい!!」

バラバラッ

鬼娘「鬼はー内ー!」

バラッ

男「もっと思い切りやろうぜ鬼娘! 今日はお前が主役なんだ!」

鬼娘「う……うん!」

男「鬼はああああ内いいいいい!!」

バラバラッ

鬼娘「鬼はああああああ内いいいいいいいい!!」

バラバラッ


男「楽しいか? 鬼娘」

鬼娘「う……うん! 楽しいよ! こんなに楽しいの初めてで……私……」ウルウル

男「あ……おい鬼娘! 泣かないでよ……笑顔笑顔」ニッ

鬼娘「あ……そっか。え、えへへ」ニコ





男(鬼娘のやつ……楽しんでくれてるみたいだな)

男(ま……俺も節分なんて久々だし、楽しませてもらうとするか)

男「鬼はあああ内いいいい!!」

男「福もおおお内い……
鬼娘「福はあああああああ外おおおおおおおお!!!!」

バラバラバラバラッ



男「……お……鬼娘……さん……?」


鬼娘「福はあああああああ外おおおおおおおお!!!!」

バラバラバラバラッ

男「ちょ……鬼娘……別にわざわざ福を追い出す必要は……無いんじゃないか?」

鬼娘「何言ってるの!? 福は……福は私達の敵なんだよ!」

男「そ、そうなのか?」

鬼娘「そうだよ! いっつも……鬼ばっかり虐げられて……福はいい思いしてさ!」

鬼娘「ずるいよ! 不公平だよ! ……だから今日こそは……」

鬼娘「福はあああああああああ外おおおおおおおお!!!!」

バラバラバラバラッ


男(こ……怖い……けど、そうだよな。鬼娘からしたらそういう気持ちになるのは当たり前か)

男(今日のこれで、今までの寂しい気持ちが少しでも薄れてくれるなら……これでいいか)

男「よーし! じゃあ俺もやるか!」

男「福はああああああ外おおおおおおお!!!!」

鬼娘「! ……えへへ」

鬼娘「福はあああああ外おおおおおおお!!!!」


男「……ふう」

男「あんなにあったあられ……全部まいちゃったな」

鬼娘「おウチ……結構汚れちゃったね……」

男「ん? あー気にしなくていいよ。鬼娘はお客様なんだし」

鬼娘「お客様……お客様かぁ……えへへへ」

男「ちょっと疲れちゃったし、こたつに入ってのんびりしようぜ」

鬼娘「う、うん」

男「はー、やっぱ冬はこたつだぜー」ヌクヌク

鬼娘「……」ジー

男「……? どうした? 俺の方じっと見て」


鬼娘「え……あ……あの……」

男「遠慮せずに言えよ」

鬼娘「その……そっち……行ってもいい……? お、おひざの上……」

男「……ははっ、お安いご用だよ。おいで、お客様」

鬼娘「……うん!」

ゴソゴソ


男「あーお前の体あったかいなー」

鬼娘「そ……そうかな……」

男「うん。ってか不思議だなー。そんな露出度の高い格好してんのに、寒くないのか?」

鬼娘「鬼は妖気を纏ってるから……寒いのとか熱いのは……平気なの」

男「へーそうなのか、便利だな。ってことは別にこたつの温もりとか鬼娘には必要なかったか?」

鬼娘「ううん……そんなこと無い……」フルフル

鬼娘「こうしてると……あったかくなってくるよ……」

鬼娘「心がポカポカしてくるんだ……」

男「……そっか……じゃ、もっとあったかくしてやるよ」ギュー


鬼娘「!! ……」

鬼娘「…………お兄ちゃん」

男「へ?」

鬼娘「あ……あの……私……お兄ちゃんとかいないから……もしいたらこんな感じかな……って思って」

鬼娘「い……嫌だった?」

男「……そんな訳ないだろ。俺もこんな可愛い妹がいたらよかったな、って思ったよ」

鬼娘「ほんと? えへへ、嬉しい!」


ピンポーン

男「ん? 誰かきたな……」

男「ちょっと出てくるから……鬼娘はここで待ってて」

鬼娘「……」コクコク

男「はーい、どなたですかー」

ガチャ

「こんにちはー」

男「はい、こんにちは……えっと、君は誰かな?」

福娘「私福娘と申しますー。よろしくお願いします」ペコリ


男「あぁ、わざわざご丁寧にどうも……」ペコ

男「で、ウチに何の用?」

福娘「あ、ハイー。実は私ですね、俗にいう福の神のような存在でしてね」

男「福の神って……え!?」

福娘「あっ驚かせてしまってすいません。普段は人前に姿を現わしたりしないんですが……」

福娘「ちょっと失礼させてもらいますね」

ススー

男「あっ! ちょっと、勝手に家の中入らないで!」

  + / ̄ ̄ヽ

   / (●) ..(● +
   |0゚  'ー=‐' i  
    >     く
 _/ ,/⌒)、,ヽ_

   ヽ、_/~ヽ、__)


鬼娘「お兄ちゃん……まだかな……」

福娘「ふっ……やっぱり……いましたか……」

鬼娘「……え?」

福娘「どんな汚い手を使ったか知らないですけど……人間を騙して家に上がりこむとは……卑劣な鬼ですね」

鬼娘「なに? なんなの!?」

福娘「けど残念でした。こっちにはすぐに伝わってくるんだから……追い出してやるわ!」

鬼娘「……」ビクッ

タタッ

男「おい! お前やめろって!」

鬼娘「お兄ちゃん!」


福娘「可哀想に……あなたは騙されてるんです。すぐ正気に戻してあげますからね」

男「はぁ? 何勝手なこと……」

福娘「鬼を退治するなんて簡単……こうやって豆をまけばすぐに……」

バラバラッ

鬼娘「……」

福娘「あ……あれ? ちょっと量が足りなかったかな? も、もう一回!」

バラバラバラバラッ

鬼娘「そんなに豆投げたらもったいないよ!」

福娘「なんでぇ!?」


福娘「そ……そんな……豆が効かない鬼がいるなんて……」ワナワナ

鬼娘(お兄ちゃんのおかげだ!)

福娘「こ……こうなったら……天の力で……倒すしかない」

キュイイイイイイン

鬼娘「!!」

バッ

男「やめろって言ってんだろ!」

福娘「ちょっと、どいてください! 何で鬼をかばうんですか!?」

男「お前こそ何でいきなり鬼娘を倒そうとするんだよ!?」

福娘「そ……そんなの決まってるじゃないですか! 鬼は災いを呼び込む悪だからです!」


男「それは一体誰が言ってたんだよ!?」

福娘「え……有名な言い伝えじゃないですか!」

男「ほらな! 所詮は言い伝えだろうが! 誰か実害を被ったやつはいるのかよ!?」

福娘「そ……それは……分からないですけど……」

男「だったらいきなり攻撃したりすんなよ!」

男「俺は騙されたりなんかしてない! 自分の意思でこの子を家に置いてるんだ!」

男「災いなんて起きてないし、もし起きたとしてもそれは自分で責任を取るよ!」

男「だから鬼娘には手を出すな! 帰ってくれ!」

鬼娘「お……お兄ちゃん……」ポー


福娘「え……な……なんで……?」

福娘「なんで私が……悪者みたいに……い、言われるの……?」

福娘「か……帰れ……って……そんなの……は……初めて言われたよ……」

福娘「わ……私は……ただ……悪い奴を退治したかった……だ、だげ、なのに……」ポロポロ

男「……お、おいおい……待ってくれ……」

福娘「……ふえ」ポロポロ

男「このパターンは……」



福娘「ふええええええええええええええん!!」

男「やっぱりいいいいい!!」


男「ちょ……ちょっと待って! ごめん、俺が悪かった! 帰れなんて言わないからさ!」

男「いやーよく考えたら俺って馬鹿だなー!」

男「せっかく福の神がウチに来てくれたのに、帰れなんて、どうかしてたぜー!」

男「あ……もうすぐご飯作るからさ、ぜ、是非福娘にも食べていってほしいなー……なんて」

福娘「……」グス

男(だ……駄目か)

福娘「……食べるぅ……」ヒック

男(ほっ)


男「……よーし」

男「お前ら、飯出来たぞー」

鬼娘「……」ジロー

福娘「……」ギロー

男「何お互い無言でにらみ合ってんだよ」

鬼娘「……ふん」

男「そんでお前は何でそんなに不機嫌なんだよ、鬼娘」


鬼娘「何でって……当たり前だよぉ。 私、福は敵だって言ったじゃん」

鬼娘「なのに結局入れちゃって……お兄ちゃんの馬鹿ー」

男「し、しょうがないだろ……俺は子どもの涙が苦手なんだよ……」

男「それにもういきなり攻撃はしないように言ったから……」

男「もしお前が危なくなったら俺が盾になってやるから……な?」ナデナデ

鬼娘「お兄ちゃん……もう、しょうがないなー……」


福娘「……随分仲が良いんですね」

鬼娘「……当然だよ。 私とお兄ちゃんには深い絆があるから」

男「まぁ、会ったのは今日が初めてだけどな……」

鬼娘「関係ない……大事なのは気持ちだから」ギュー

男「お、おい。食事中に抱きついてくるなよ。食べ辛い」

男(随分懐かれたなぁ)

鬼娘「……」チラ

福娘「!!」

鬼娘「……へへー」ニヤ

福娘「!! ……むぅぅ……」


鬼娘「お兄ちゃん……食べさせて……」

男「なんだよお前……お子ちゃまだなー」

鬼娘「お子ちゃまでいいもん」

男「仕方ない奴だな……ほれ」

鬼娘「あーん」パク

鬼娘「うん、おいしー」

男「そっかそっか。そりゃよかった」

鬼娘「……」チラ

福娘「!! ……また……」

鬼娘「……えっへっへ」ニヤ

福娘「!!!! むうううううううう!!」

  バン はよ はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/



      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/


          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ はよ ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
     /_/


福娘「んもおおおおおおおおお!!」

男「ど……どうした!? いきなり牛みたいな声だして!?」

福娘「お兄ちゃん! 私も隣行っていい!?」

男「え……いいけど、って何でお前まで俺のことお兄ちゃんって……」

福娘「いいでしょ! ねーねーお兄ちゃん、私にもあーんってして!」ギュー

男「はぁ? どうしてそんな急に……」

福娘「だって……私のことほったらかしで鬼の方ばっかり可愛がるなんてズルイ!」

福娘「本当なら逆なのに……ちやほやされるのは私の方の筈なのにー!」


鬼娘「他の人間のところ行けばいいじゃん。ちやほやされ放題だよ」

鬼娘「私はお兄ちゃんだけいればいいから」

福娘「い、や、だ! たった1人でも私のことを見てくれないのは、やなのー!」

福娘「福はみんなを幸せにするんだから、その分みんなから愛されなきゃ駄目なのー!」

鬼娘「何それすっごいわがまま。やっぱり福は敵だ!」

福娘「邪魔しないでよ。やっぱり鬼は災いだ!」

鬼娘・福娘「むううううううう!!」

男「おいおい喧嘩はやめろって!」


鬼娘「お兄ちゃんは鬼の味方だもんね?」ウルウル

男「え……ああ、それは」

福娘「……お兄ちゃん……」グス

男「ええーと……」

男(これどっちかの味方したら確実にもう片方が泣き出すわ……)

男「ってゆーかお前ら初対面だろ!? もっと仲良くしよーぜ」

鬼娘「福なんかと仲良く出来る訳ないよ」

福娘「こっちだって! 鬼なんか嫌いだ!」


男「それは節分の風習のせいだろ? 『福は内、鬼は外』っていう決まり文句のせいだ」

男「そのせいで鬼娘は福に嫉妬したし、福娘は鬼を災い扱いした。そうだろ?」

鬼娘・福娘「……」コクン

男「俺はそんな風習に、お前らみたいなチビッ子達まで縛られて欲しくないよ」

男「だからさ、一回過去のイメージってもんを取っ払って自分の目だけで相手のことを見てやってくれないか?」

鬼娘「……そんなこと言われても……」

福娘「そんな急には……無理だよ……」

男「……そうか……」

男「だったら……やっぱり一回思い切って戦っとくか?」

鬼娘・福娘「……え?」


鬼娘「お兄ちゃん……外に出て一体何するの?」

福娘「まぁどんな内容の戦いでも私が勝つけどね」

男「へへ、お前ら。外はこんなに綺麗な雪景色なんだぜ?」

男「こんなシチュエーションでやる戦いっていったら一つだろ……雪合戦だよ」

鬼娘「雪合戦?」


男「おう……ってもしかして知らなかったか?」

福娘「私は知ってるよ。人間がやってるの見たことあるから」

鬼娘「わ、私も……見たことある……」

男「そうか。じゃあ説明の手間が省けたな」

男(こいつらは話し合いさせてもどうせ喧嘩になっちゃうだろうからな)

男(だったら一回思いっきり戦わせて『ふ……お前やるな』『お前もなかなか良かったぜ』的展開を狙うしかない)

男(子どもの雪合戦だったら怪我することも無いだろうし、我ながらいいアイディアだ)フフン


福娘「……で、どうなったら勝ちなの?」

男「おう、それは相手が降参って言うまでだな」

鬼娘「分かった……」

男(雪合戦で降参なんてまず無いからな。子ども達よ、思う存分遊ぶがよい)





福娘「じゃ……始めよっか。本気でいくよ?」

ゴオオオオオオオオ

男「……え?」

鬼娘「いいよ……私もそのつもりだし」

ズズズズズズ

男「……へ!?」


男「お……おいお前ら、ちょっと落ち着いて……」

福娘「はぁっ!!」

ビュッ!

鬼娘「……くっ!」

ヒュッ

ドッカーン

福娘「あれを避けるなんてやるじゃん。でも次は当てる!」

鬼娘「投げ方がなってないよ。私がお手本見せてあげる」

ギュン!

ドッカーン

男「……あわわわ」


男(ま、まずいことになった……)

男(そうだよ、あいつら見た目は子どもだけど中身は鬼と福の神なんだ!)

男(馬鹿だ俺、完全に油断してた……)

男(にしても本気出すとここまですごいだなんて……流石に予想外だった)

男(早く止めないと大惨事に……)

ドゴーン

バゴーン

ドッカーン

男(……ただの人間に止められる訳ねー!!)

男(とりあえず戦況はどうなってんだ?)チラ

男(…………まずい、鬼娘がおされてる)


鬼娘「ハァ……ハァ……」

福娘「あはっ、そろそろ限界じゃないのー?」

鬼娘「……ハァ……ま、まだまだ……」

福娘「もー往生際が悪いなー。普通に考えて鬼なんかが神に勝てる訳無いじゃん!」

鬼娘「そ……そんなこと……わかんない……」

鬼娘「う……」グラァ

福娘「ぐらついた! 隙あり!」ヒュッ

バシーン


鬼娘「ぐはっ!!」バタッ

福娘「倒れた、チャンス! ここで一気に決める!」

福娘「これで……これでお兄ちゃんは私のもんだー!」





バッ

男「や、やめてくれー!」

福娘「えっ……」ピタ

鬼娘「けほっ……お兄ちゃ……」


男「ごめん、俺が悪かった! お前らの力を見誤って軽い気持ちで雪合戦なんて提案した俺が……」

福娘「……」

男「俺は……ただお前らに……仲良くなって欲しかっただけだったんだ……」

福娘「……」

男「勝手に勝負させて、勝手に勝負の邪魔するなんて……自分勝手だけど……」

福娘「……」

男「頼むから鬼娘を攻撃しないでくれ……!」

福娘「な……なにそれ……なにそれぇ……」グス


福娘「わた、私……お兄ちゃんが欲しくて……頑張ったのに……うぅ……」

福娘「結局……こうなるんじゃあん……ヒック……」

福娘「わ……わだじを……悪者にするんでじょ……」ポロポロ

福娘「おにいぢゃん……わだじのこど……嫌いなんでじょ……?」

男「ち……違う! 嫌いとかそういうのじゃないよ!」

福娘「嘘! もういい……もぉいいよぉ……」スッ

男「ど、どこに行くんだ!?」

福娘「じらない……もう帰る……帰るもん……」


男「帰るって…………あっ! 馬鹿! そっちは急な坂が……」

福娘「……え」ズルッ

男「福娘!」ダッ



ガシッ

男「うわあああああああああ!!」ゴロゴロゴロゴロ

福娘「きゃあああああああああ!!」ゴロゴロゴロゴロ


福娘「うう……ってお兄ちゃん! 大丈夫!?」

男「ぐぁ……全身打ったが……まぁ大丈夫だろ……それよりお前は無事か?」

福娘「うん……お兄ちゃんが抱きかかえてくれてたから平気……」

男「そっか……よかった……」

福娘「な……なんで助けたの? お兄ちゃん……私のこと嫌いなのに……」

男「何勝手に決め付けてんだ。そんなこと誰も言ってないだろ?」

男「俺は自分の気持ちに素直なお前が好きだよ。じゃなきゃこんな痛い思いして助けねぇし」

福娘「お……お兄ちゃん……」グス


男「けどさ、おんなじくらい鬼娘のことも好きなんだ。俺にはどっちかなんて決められねぇ」

男「こんな優柔不断な俺を嫌いになるのは構わない」

男「けど、鬼だっていう……そんな安易な理由で鬼娘を嫌うのだけはやめてくれ……頼む……」

福娘「お兄ちゃん……なんでそこまで……」

福娘「………………もうっ……しょうがないな……」

福娘「馬鹿なお兄ちゃんに免じて……あの鬼娘を攻撃するのはやめてあげる」

男「福娘……ありがとう! でも、馬鹿って……ひでぇな」

福娘「だって馬鹿なんだもん。言っとくけどね、福の神は坂から落ちたって全然怪我なんかしないんだよ」

男「げっ、マジかよ……あはは、じゃあ俺の助けいらなかったんか。かっこわるー」

福娘「ううん! お兄ちゃんは、馬鹿だけど……かっこよかったよ……!」

男「……そうかい……ありがとよ」

Yesロリコン
Noタッチ


パアアアアアア

男「お、おい。いきなり手が光りだしてるけど……何してんだ?」

福娘「じっとしててよ。治療してあげてるの」

男「治療って、そんなことも出来るのか……流石福の神」

福娘「はぁ……すっごく疲れるんだけどね……」

男「そうなのか……じゃ、じゃあ俺なんかの治療はいいからさ、上にいる鬼娘を治してやってくれよ!」

福娘「……やだよ……」


男「……! そ、そんなこと言わないで頼むよ……」

福娘「もー! 静かにしてて!」

男「福娘……」






福娘「……これから2人連続で治療しなきゃいけないんだから、集中させて!」

男「……ふ、福娘……お前ってやつは……可愛いやつだ!」ナデナデ

福娘「く……くすぐったいよぉ」

福娘(ふああ……やっとお兄ちゃんに撫でてもらえた……////)


そして―

男「ほら、鬼娘……恥ずかしいのは分かるけど、いつまでも俺の後ろに隠れてないで出てこい」

鬼娘「……」ヒョコッ

男「……福娘に言いたいことがあるんだろ?」

鬼娘「あ……えっと、け、怪我……治してくれて……ありがと……」

福娘「……別に。もともと私がさせちゃった怪我だし」

鬼娘「……そーだよね、それじゃ」クルッ

男「コラコラ」ガシッ


男「それで終わったら何も変わらないだろ? ……福娘も」

福娘「う……あ、あの……さっきは……雪ぶつけて……ご、ごめん……ね?」

鬼娘「……あ、あう、うん……い、いいよ」

鬼娘「わ……私ももう……福は敵だとか……言わないから」

福娘「私も……鬼は災いだなんて……決めつけない……」

スッ

福娘「……その手は?」

鬼娘「な……仲直りと……友達になろうの……握手……」

福娘「…………うん……!」

ギュッ


男(鬼と福の握手だなんて、何気にこれ歴史的瞬間じゃないか?)

男(それに……美しい友情を確かめ合う……なんて感動的なシーンなんだ!)





鬼娘「……ま、でもお兄ちゃんを渡す気はないから」

福娘「……うん。それとこれとは話が変わってくるよね」

鬼娘「ふふふ……」

福娘「ふふふふふ……」

ギリギリギリッ




男(……前言撤回。美しい友情はまだまだ先になりそうだ)


男「よし、じゃー始めるぞ……準備はいいか?」

鬼娘「だ、だいじょぶ!」

福娘「オッケーだよ、お兄ちゃん!」

男「じゃまた掛け声は、せーの……でいくぞ」

男「……せーの」









福娘「鬼はあああああああ内いいいいいいい!!!!」

バラバラバラバラッ

鬼娘「福もおおおおおおお内いいいいいいい!!!!」

バラバラバラバラッ



終わり

エピローグ頼む

やっぱ疲れたー
でも節分ネタだし今日中に終わらせれてよかったー

>>419
今から深夜勤なんで書けない、ごめん

とりあえず最後に
読んでくれた人、支援してくれた人、保守してくれた人に感謝しつつ
おつ

ふむ


男「う~、寒いっ! 日も暮れるともう最悪だな、早くコタツん中に入らんと……」


\ オニハソトー! フクハウチー! /

帰り道、そこらの家から節分の掛け声が聞こえる。


男「……そいや今日は節分だったな。…………まぁ別に豆撒かんでもいいか」

?「うっ……、ひっく、ひっく……」

男「?」

泣き声がする。 見ると家のすぐ隣で女の子がしゃがんで顔を押さえ泣いていた。
着物姿の小さい女の子である。

男「(え~っと、近所の子か? ここら辺は子供が多いんだよな……)」

少し観察してみるとあることに気付いた。 女の子は裸足だった。

男(……声をかけるべきなのかな)


男(なんて声をかけるべきか……)

そう考えてゆっくり近づいてみる。すぐ側まで寄ると、女の子もこちらに気付いて顔を上げた。

?「うっ……、うっ……、ひぐっ……」

クシャクシャの顔でこちらを見ていたが、 数秒してまた顔を伏せて泣き続ける。

男「え、えっと……、どうしたのかな? こんなところで」

恐る恐る聞くと、女の子は顔を伏せたまま篭った声で返した。

?「おウチに、ねっ……、入れないの……」


男(やっぱ近所の子か。 親に叱られたのか、家に入る鍵でも失くしたのか……)

男はふぅっと息を吐いて女の子にまた聞いてみた。

男「 ……おウチはどこなのかな?」

?「………………おウチ、はねっ……無い、のっ……」

男「は?」

予想もしなかった答えに男がぽかんとする。 女の子はまた泣く

?「うっ……、うっ……、うっ……えっく……」

イイヨイイヨー

  バン はよ はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/



      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/


          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
  /  /

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ はよ ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
     /_/


その後も何回も家はどこなのかと聞いたが、女の子の回答はどれもわからないものであった。

男(どうしよ……)

男は困り果てた、変な子に話しかけちゃったなとも思った。

男(ひとまず交番まで連れてこう)

今度はなだめて立たせようとするが、女の子は聞いてくれなかった。
そうしてるうちに、いつの間にか陽が完全に沈んでしまっていた。


男(あ~、どうしよ。 近所のおばちゃん呼んでくるかな……)

冷たい風がびゅうっと吹く。

男(さすがに、このまんまじゃ危ないよな……)

他の人を呼ぶにしろ、震える素足の女の子を、とりあえずこのままにはしていられない。

男「なぁ! 俺の家これだからさ。 ちょっとの間、入らないか?」

仕方ないよなと思い、そう言うと、反応して、女の子は泣き顔を上げて聞いてきた。

?「おウチに……、入れてっ、くれるの……?」


その時、男はちょっと驚いた。 女の子の眼が金色だったからだ。

男「あ、ああ……。 ここじゃ寒いだろ? 何か暖かい着るものと……あと靴は……無理だな、
  まぁ靴下重ねればいいか。 それ履いて交番まで一緒に行こうから。 だから、なっ?」

少しして女の子は泣くのを抑え、涙目をゴシゴシとこすって、やっと立ち上がる。

?「……あ、ありがっ、とう……」

女の子はつっかえつっかえでそう言った。
男はその仕草に、少し色気を感じてどきっとしてしまった。

男「ぉ、おう。 ほら、行こうか」


男(いかんいかん。 俺はロリコンでは断じてない!)

女の子をかばう様に歩いてすぐ隣の家、自分の家まで案内した。


男「え~っと、鍵は……っと……―――?」

扉の前に着き、鍵を探そうとしたその時。 ありえない春のような温い風が吹いた。

?「青年、待たれよっ!!」


風と同時に声がして、自分と扉の前に、また知らない女の子が立っていた。

男「…………えっ?」

いつの間に、なんて速度ではない。 風が吹いて、瞬きをしたらそこに女の子が立っているのだ。

男「おわっ!?」

驚きの声をあげ、二、三歩下がる。

?「その者を家にあげてはならぬ!」


男「は、はぁ? う、うわっ?!」

?「………………」

下がった男の後に、さっきの少女が抱きついて隠れる。

現れた女の子はまるで巫女のような装束であった。
書くの忘れていたが二人とも中学校一年生くらいの年頃に見える。
どちらも長い黒髪で以下略あとは妄想で。

凛々しい声で男に告げる。

福娘「我はこの辺り一帯に訪れることとなった福の神である!」

そう名乗って手を広げると暖かく、うっすらとした光が男の周囲を纏った。

男「……え? …………えっ?」

福娘「にわかには信じられぬだろうが、どうか聞いて欲しい」

男は自分の理解を唐突に越えられてしまったため、ただ簡単に聞き返すだけだった。

福娘「手短に話す。 そなたの背後におるモノ。 その者はこの辺り一帯にあった厄、つまり鬼である」

男「えっ?」

福娘「この地域・周囲全ての家にて正しく豆撒きが行われた。 よって厄が居場所を無くし外へと出てきた。
   それは本来なら季節の移り変わりととも雲散霧散する。 だが、まだ豆撒きが行われていない一つ家がある、
   それがそなたの家だ」

鬼娘「……………………」

福娘「よってここに流れ込み集まった厄の塊が形を成して物の怪となった、それ鬼という。 わかったか?」


男「え、えと……」

男は鬼と呼ばれた背後で震える少女を見直す、そして気付いた。 福の神の光で照らされたその少女の
髪の生え際に、左右、二本の小さな角が現れていた。

福娘「危なかったな。 その者自体に暴力を振るう力は無いが、もし家に招きいれたならそなたには重大な不幸が訪れていた」

男「……そ、そうなんですか?」

福娘「だがもう心配せずともよい、我が来たからにはそなたの無病息災は確定である」

胸を張り、そう鼻高々といった感じで福の神は告げる。


福娘「さぁ、手を取れ」

そう言って手を伸ばす、男が恐る恐るその手を握ると、風が吹いて男の背後にいた鬼娘だけ簡単に吹き飛ばされた。

鬼娘「あうっ!?」

男「あっ!?」

福娘「これでよい。 さぁ、福を内にいれよ。 そしてこれも縁、そなたには我が直々に祝ってやろう♪」

男「は、はい……」

男は後ろを振り向く、福の神の力で弾かれた鬼がうっすらと呻く声を上げて倒れていた。

男「……………………」


福娘「気に留めるな、元々祓われ消えるモノであるぞ」

戸惑う・躊躇う気持ちはある。 けれどもどうしようもない。
男は鍵を開け、福の神と一緒に家の中へと入った……。

鬼娘「うっ……、ひぐっ……」

あとには鬼泣き咽ぶ声だけが残った。

オフロ┗(^o^ )┓

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