橘「えぇ!?絢辻さん、泊まりに来るの!?」(215)


橘「……」フキフキ

橘「よし!あとは整理すれば……!」

美也「もーう、にぃに!どうしてにぃにの部屋なのにみゃーも手伝わないといけないの?」

橘「ごめんごめん、でも一人じゃ間に合いそうになかったし……」

美也「まったく、こーんな良い妹が居るんだから、にぃには感謝しなよ!!」

橘「はいはい……美也を産んでくれた両親に感謝するよ」

美也「そこはみゃーに感謝する所でしょ!」


橘「わかったわかった、掃除が終わったらな」

美也「ていうかさ、なんで急に大掃除なの?」

橘「……」ギクッ

橘「あ、あはははは!よーし頑張るぞ美也ー!」

美也「あ!ねぇにぃに!みゃーに教えてよー!!!」


―――
―――――

橘「ふー……これで完璧だね」

美也「やーっと終わったよ……」


橘「美也、部屋の掃除ありがとな」

美也「にしししししし!それでどうして急に大掃除なの?」

橘「あー……えっとだな……」

美也「?」

橘「今日はー……絢辻さんが家に泊まりに来るんだ」

美也「…………」

美也「はぁ!?なぁーにそれ!?にぃにの彼女が泊まりに来るから大掃除してたの!?」

橘「だ、騙して悪かった!ごめん、美也!」

美也「もーう知らないんだから!ばかにぃに!にぃになんて底無し沼で溺れちゃえ!」


バタン!

橘「……はぁ、後でまんま肉まんあげれば美也の機嫌も直るよな」

橘「それにしても、絢辻さんも急だよな……」

橘「『今日、あなたの家に泊まりに行くから』なんて言われて、びっくりだよ」

橘「……絢辻さんとお泊りか」

ピンポーン

橘「あ、絢辻さんかな?思ったより早いな……」


―――
―――――


ピンポーン…ピンポーンピンピンピンピン……

橘「この鳴らし方は確実に絢辻さんだな……」

ガチャッ

絢辻「遅い、1回目で出なさいよ」

橘「む、無茶言わないでよ絢辻さん……」

絢辻「……ふふっ、上がってもいい?」

橘「も、勿論!今僕の部屋に案内するよ」

絢辻「それじゃ、お邪魔します」


橘「ここが僕の部屋だよ、絢辻さん」

絢辻「へぇー、思ってたより随分綺麗じゃない」

橘「そ、そうかな?」

橘(直前に美也と大掃除をしたなんて口が裂けても言えないよ……)

橘「……あれ?そういえば絢辻さん、荷物は?」

絢辻「え?財布だけよ?」

橘「……?泊まるんじゃないの?」

絢辻「泊まるに決まってるでしょ?さっき電話で話したじゃない」

橘「……下着とかどうするの?」


絢辻「橘君の下着を借りればいいかなって思ったんだけど……」

橘「…………」

橘「え、えぇ!?あ、絢辻さんが僕のパンツを!?」

絢辻「……だ、ダメかな?」

橘「と、とんでもない!むしろ洗濯しないで家宝にしたいくらいだよ!!」

絢辻「……橘君?」ギロッ

橘「あ、あっはっはっはっは!!!・……でもブラは流石に無いよ?」

橘「美也のだって小さいと思うし……」

絢辻「別に、1日くらい付け無くてもいいわよ」


橘「そ、そっか……」

橘(……って、夜はずっとノーブラで過ごす気なのか!?)

絢辻「あ、本棚見てもいい?」

橘「う、うん……」

橘(お宝本はもう違う場所に隠したから、大丈夫だよな……)

絢辻「……ふーん、ねぇ、これって面白い?分厚くて読み応えがありそうなんだけど」

橘「あ、僕は好きだよその小説……でも絢辻さん、そういうジャンルも読むの?」

絢辻「私は面白ければなんでも読むわ、じゃー読ませてもらうわよ」



――
――――

絢辻「…………」ペラッ

橘(な、なんか緊張するな……それより絢辻さんだよ)

橘(絢辻さんが準備もしないでうちに泊まりに来るかな……)

橘(今日だって急に言われたし……絢辻さんなら前日かもっと前に言うと思うんだけど……)

絢辻「……あなたが選んだ本にしては、中々面白いわね」

橘「気に入ったの?」

絢辻「えぇ、たまにはこういう小説もいいかも……」


橘「へぇー……なんか以外だね……」

絢辻「『生きている相手ならば、たとえ神でも殺してみせる』……この台詞、気に入ったわ」

橘「ははは、僕は絢辻さんなら神様だって殺せると思うよ?」

絢辻「……どういう意味かしら?返答次第で怒るわよ?」

橘「ご、ごめんなさい……」

絢辻「だーめ、こっちに来なさい」

橘「うぅ……」

絢辻「横になる」

橘「はい……って横?」


絢辻「……よいしょ」

橘「え……あ、絢辻さん?」

絢辻「何よ?別に嫌ならどいてもいいけど」

橘「い、嫌じゃないです!!」

橘(ど、どういうことだ……!?絢辻さんが膝枕なんて……!)

橘(や、柔らかくていい香りだ……!)

絢辻「……か、感想」

橘「え?」

橘「か、感想を言いなさいよ」


橘「あ、うん……ほど良く柔らかくて、絢辻さんの香りがして気持ちいいよ」

橘「それに、絢辻さんの程良い腿とジーパンが合わさって天に…」

絢辻「そ、そこまで聞いて無い!!」

橘「えぇ!?絢辻さんが感想を言えって言うから……」

絢辻「ば、罰としてもう少しこのままでいなさい」

橘「う、うん……」


――
――――


橘「えっと……絢辻さん」

絢辻「何?」

橘「僕としてはずっとこうして居たいんだけど、そろそろ晩御飯だね」

絢辻「あ、もうこんな時間?」

橘「今日は、その……親が居ないんだよね、あははは……」

絢辻「そう、なら私が作ってもいい?」

橘「え、絢辻さん料理できるの!?」

絢辻「りょ、料理くらいできるわよ!」

>>26
×橘「か、感想言いなさいよ」

○絢辻「か、感想を言いなさいよ」

こうだったすまんこ


橘「という事は今日は絢辻さんの手料理か……」

絢辻「あまり期待しないほうがいいわよ、料理なんて基本の基本しかできないし」

橘「ううん、それでも楽しみだよ」

絢辻「そ、そう……それじゃー台所借りても良い?」

橘「あ、うん!今案内するよ」


―――
―――――


絢辻「……」

橘「何か作れるかな?足りなかったら僕が買ってくるけど」

絢辻「そうね……妹さんも入れて3人分だから……」

絢辻「カレーがベストかもね、材料も冷蔵庫にあるし簡単よ?」

橘「カレーか……うん、じゃーカレーを作ろうか」

絢辻「あなたはあっちのこたつで座ってても良いわよ?」

橘「僕も手伝うよ、絢辻さん一人に作らせるのは流石に悪いしね」


絢辻「……」トン トン

橘(じゃがいもの皮剥くのって意外と面白いな……)

絢辻「……」ウルウル

橘「あ、絢辻さん!?どうしたの!?」

絢辻「う、うるさいわね!この玉ねぎのせいよ!」

橘「そ、そっか……でも泣いてる絢辻さんも中々……」

絢辻「…………橘君、玉ねぎみたいにさ・れ・た・い?」ストン!!

橘「……すいません」


絢辻「……さて、後は煮込んで終わりね」

橘「すごいな……絢辻さん、ほんとに料理出来たんだね」

絢辻「カレーなんて材料を入れて煮込むだけなんだから、簡単よ」

橘「僕も後で練習しようかな……」

絢辻「あなたは料理の勉強より他にやる事がたくさんあるでしょ?」

橘「はい……」

絢辻「そ、それに……それくらいだったら毎日私が……」


ガラッ

美也「にぃにー、ご飯どうするのー?」

絢辻「……!お邪魔してるよ、美也ちゃん」ニコッ

橘(うわぁ……猫被るのうまい……流石絢辻さん)

美也「あ、どうも……」

橘「美也、今カレーが出来るからもうちょっと待ってろよ」

美也「へぇー、隠し味入れようよ?絶対おいしくなるって!」

橘「ダメだ!美也が隠し味を入れておいしくなった覚えなんて、一度もないだろ!」


橘(あと美也、絢辻さんが来てるんだからにぃにじゃなくてお兄ちゃんだろ?)コソコソ

美也(あ、そうだった……)

絢辻「ふふ、『にぃに』って呼ばせてあげたら?にぃに♪」

橘「……!」

橘(あ、絢辻さんのにぃに……!すごい破壊力だ……!)

美也「……何よ、鼻の下伸ばしてさ」

橘「え?あ、ほ、ほら!そろそろカレーが出来るし準備しよう!」


――
――――

橘「はぁー、お腹一杯だよ……」

美也「食べた食べた……」

絢辻「ふふっ、それじゃー片付けるわね」

橘「あ、僕も手伝うよ」

美也「それじゃー二人とも、えっちぃ事はしちゃだめだよ?」

橘「こ、こら!美也!」

美也「にしし!じゃあ美也部屋に戻るね?」


絢辻「……はぁ」

橘「まったく、美也の奴……」

絢辻「ふふ、美也ちゃん、可愛い妹だと思うけど?」

橘「そうかな……もう少し静かになればもっとマシになるんだけど……」

絢辻「私は美也ちゃんが少し、羨ましいな……」

橘「え?」

絢辻「なんでもないわ、早く洗い物を済ましちゃいましょ?」


――
――――

橘「さて、お風呂沸かしたけど……絢辻さん、先入る?」

絢辻「橘君が先に入って、私、もう少し小説読みたいし」

橘「いいの?僕が先で」

絢辻「うん、いいから入ってきなさいよ」

橘「わかった、それじゃー入ってくるね」

ガチャッ

絢辻「……さて、私も準備しようかな」

皿洗ってくる


橘「……」

橘「……絢辻さん、今日はどこで寝るんだろ」

橘「もしかして……僕と……」

橘「ま、待て……確か今日は絢辻さんノーブラだったよな……」

橘「……」

絢辻『橘君』

橘「うわああああ!!!」

ガララッ

絢辻「ど、どうしたの!?」


橘「あ、いや!絢辻さん!?」

橘(ば、ばばばばばバスタオル1枚!?この間はスク水だったのに!)

絢辻「はぁ……大声出すから驚いたじゃない!」

橘「ご、ごめんなさい……ていうかどうしてここに……?」

絢辻「……き、今日のお詫びよ!」

橘「お詫び?」

絢辻「……そう、今日は突然泊まるなんて言って迷惑掛けたお詫び」

橘「迷惑だなんて……」

絢辻「ほら、前向いてなさい?背中流すわよ」


橘「……」ドキドキ

絢辻「……強くない?」ゴシゴシ

橘「う、うん……平気だよ」

絢辻「…………」ゴシゴシ

橘「あ、絢辻さん……今日何かあったの?」

絢辻「え……?」

橘「準備もしないで突然泊まりにきたりさ、絢辻さんらしくないなって思って……」

絢辻「…………親と喧嘩したのよ」

橘「喧嘩?」


絢辻「最初は些細な事だったんだけど……どんどん悪化しちゃって」

橘「そ、そっか……電話とかはしなくていいの?」

絢辻「い、いいの!明日には帰る予定だし……」ゴシゴシ

橘「あんまりお母さんとお父さんを心配させちゃダメだよ?」

絢辻「いいのよ、あんな親……よし、終わり」

橘「つ、次は僕が絢辻さんの背中を洗うよ」

絢辻「え!?……じゃ、じゃあお願いしようかしら……」

橘「えぇ!?いいの!?」


絢辻「ほら、はやくしなさいよ……」

橘「う、うん……」

橘(あ、絢辻さんのお尻だ……桃みたいで綺麗だな……)

絢辻「……ちょ、ちょっと!早く洗いなさいよ!」

橘「ご、ごめん……今洗うよ」ゴシゴシ

絢辻「ん……」

橘「い、痛くない?」ゴシゴシ

絢辻「……もう少し強くてもいいわ」


橘「……」ゴシゴシ

絢辻「……」

橘「よし、次は前だね」

絢辻「……ふん!」

ドガッ

橘「いたっ!冗談だよ絢辻さん!」

絢辻「自業自得よ」

チャポン

橘「……」

絢辻「……何か喋りなさいよ」

橘「な、何か喋りなさいって言われても……」

橘(あ、絢辻さんと一緒に浴槽に入ってるんだぞ!?)

橘(緊張してそれどころじゃないよ!!!)

絢辻「……ね、ねぇ……今日はありがと」

橘「え……?」

姉辻さんが迎えに来る気がする


絢辻「その……さっきまで何も聞かないで、泊めてくれて」

橘「あ、うん……」

絢辻「……い、今ならなんでも言う事を聞くわよ」

橘「え?」

絢辻「……あ、あなたにお礼がしたいの!」

橘「お礼だなんて……困った時はお互い様だよ」

絢辻「いいから!早く言いなさい!」

橘「そうだなー…………」


橘「じゃあさ……」

絢辻「……い、言っておくけど変な事言ったら殴るからね!」

橘「ははは、僕は絢辻さんの前で変な事を言えるほど度胸は無いよ……」

絢辻「……で、なにしてほしいの?」

橘「……絢辻さん、あと2年経ったら、僕と結婚してよ」

絢辻「え?」

橘「ずっと一緒に居てほしいんだ」

絢辻「……」

橘「……絢辻さん?」

アマガミに直接的なエロ描写求める奴は素人


絢辻「……え?」

橘「あ、絢辻さん!鼻血、鼻血!!」

絢辻「え?嘘……」

橘「わー!早く上がってティッシュだよ!」


――
――――

橘「ふー……どうなるかと思ったよ」

絢辻「わ、悪かったわね……ごめんなさい」

橘「いいっていいって、風呂も綺麗にした事だし」


橘「さて、絢辻さんの鼻血も止まったし、そろそろ寝ようか?」

絢辻「そ、そうね……もう10時……」

橘「あ……絢辻さん、どこで寝る?」

絢辻「あなたが良ければだけど……一緒に寝たいな」

橘「……う、うん……それじゃー寝ようか」

カチッ

絢辻「へ、変な所触らないでよ?」

橘「わ、わかってるって……」


橘「……」ドキドキ

絢辻「……」

橘(う、うう……背中合わせとは言え、絢辻さんが隣で寝てるのか……)

橘(お、落ち着け……落ち着け橘純一……!)

絢辻「……ねぇ、さっきの返事だけど」

橘「え?あ、うん」

絢辻「私も橘君と同じ気持ちだから……橘君が20歳になったら、夫婦になりましょ」

橘「い、いいの……?」

絢辻「なんでも聞くって言ったでしょ?」


橘「……うん、おやすみ、詞」

絢辻「……おやすみなさい」

チュッ

―――――私の未来の旦那さん。


END

   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi. _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     |    |  /    |   丿 _/  /     丿
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

七咲が始まっちゃうううううう!!!!!!
と言う事でこれで終わり

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