春香「千早ちゃん!お泊りですよ!お泊り!」(523)



今日は千早ちゃんのお家にお泊りに来ました!


春香「千早ちゃんのお家にお泊まりに来るのも何回目かなぁ」

千早「もう数え切れないわね」

春香「楽しいお泊り会にしようね!千早ちゃん!」

千早「そうね」


春香「お邪魔しまーす」

千早「どうぞ」

春香「相変わらず綺麗にしてるね」

千早「物は春香が置いていくから増えているけどね……」

春香「最近は千早ちゃんの家に入りびたってるから……」テヘヘ


千早「まあ、私は賑やかで良いけど…ご飯も一人より美味しいし……」

春香「千早ちゃん!」パァッ

千早「でも、やたらと物を置いていくのは感心しないわ」

春香「千早ちゃん…」ショボーン


千早「マグカップや歯ブラシとかは良いとして、枕は流石にやり過ぎじゃない?」

春香「だって枕が無いと千早ちゃんと一緒に寝れないもん…」

千早「……///」


春香「実家に帰るよりも、千早ちゃんのお家に泊まった方が事務所行きやすいしね」

千早「春香はもう殆どこの家に住んでるみたいなものよね」

春香「千早ちゃん、そういうの何て言うか知ってる?」

千早「な、何?」

春香「半同棲って言うんだよ!」


千早「は、半同棲!?///」

春香「んー。そういう場合、私は通い妻ってことになるのかなぁ」

千早「……そうかもしれないわね」

春香「千早ちゃん、お料理できないもんねー」

千早「さ、最近は春香に教えてもらってるから少しはできるわよ!」

春香「えぇー?どうかなぁー?」ニヤニヤ


千早「むー……」

春香「もう!冗談だよ!冗談!」

千早「ふんっ」プイ

春香「ふふっ。怒ってる千早ちゃんも可愛いなぁ」ニヤニヤ

千早「ふ、ふん……///」


春香「まあ千早ちゃんが料理できなくても私が作ればいいんだけどね」

千早「何かそれって違う気がするわ……」

春香「今日も美味しいもの作ってあげるね!何か食べたいものある?」

千早「んー…ハンバーグ?」


春香「あ、この前作ったやつ?」

千早「うん。あれ、すごく美味しかったから……」

春香「分かった!じゃあ今日はハンバーグにしよっか!」

千早「ありがとう、春香」


春香「でも、それだと材料が足りないや……」

千早「それなら、少し買い物に出ましょうか?私もちょうど欲しいもの有るし」

春香「じゃあ、そうしよっか」


ースーパーまでの道ー

春香「うぅ…外はまだまだ寒いね…」

千早「そうね…乾燥は喉の敵だし、冬は嫌いだわ……」

春香「千早ちゃんらしいね」

千早「手も冷えるし…冷え性には辛い季節よ本当に……」


春香「……ねぇ、千早ちゃん」

千早「なに?春香」

春香「手、繋ごっか?」ニコッ

千早「う、うん///」


春香「…私は結構好きだけどな、冬」

千早「どうして?」

春香「だってこうやって千早ちゃんと手、繋げるし」

千早「春香……」

春香「こうやって千早ちゃんの手を温めるの好きなんだ」ニコッ


千早「……私も春香と手を繋ぐの好きよ」

春香「ほんとに?」

千早「手も温まるし、それに心が落ち着くわ」

春香「へへ、嬉しいな♪」ニコニコ

ギュッ


ー スーパー ー

…………

春香「さてと、あとは豚肉を…」

千早「春香、これも買っておいて」

春香「あ、千早ちゃん、またカロリーメイトを!」

千早「だって美味しいんだもん」


春香「いや、確かに身体にも良いけど千早ちゃん、ご飯もこれで済ますことあるでしょ?」

千早「栄養は充分よ」

春香「………(栄養足りてない気がするけどなぁ…)」チラッ

千早「なに?」

春香「ううん。な、何でもないよ!」


千早「そういう春香だってハーゲンダッツをちゃっかり買ってるじゃない」ジトーッ

春香「こ、これは…だってこのお店、『8が付く日』はハーゲンダッツの特売やってるんだもん!今日は安いから良いんだもん!」

千早「ふーん。結構コンビニで買ってくる姿も見てるんだけど?」

春香「ぎくっ」


千早「…春香?」ジトーッ

春香「ま、まあまあ!良いじゃない!カロメもハーゲンも両方買って、早く帰ろうよ!」

千早「もう、またそうやって、すぐにはぐらかすんだから……」


ー千早宅ー

春香「あぁー。やっぱり部屋の温度下がってるよぉ……」

千早「そんなに広くないから、すぐ温まるわ。我慢して、春香」

春香「よぉし!ストーブ・加湿器、スイッチオン!」


春香「あ!そうだ!部屋が温まるまで千早ちゃんにくっついてよっと♪」

ギュッ

千早「ちょ、ちょっと春香」

春香「はぁー…千早ちゃん温かい……」

千早「ふふっ……しょうがないわね」


春香「さて、部屋も温まったし、早速ハンバーグ作りに取り掛かりましょうか!」

千早「そうね」

春香「じゃあ、千早ちゃんはお米の準備お願い」

千早「分かったわ」

春香「私は玉葱を刻むね」


トントントントントントン

千早「(それにしても春香が来るまでお米なんか全然炊かなかったけど)」

トントントントントントン

千早「(最近は春香の影響でほぼ毎日炊いてるわね)」

トントントントントントン

千早「(食生活はかなり良くなった…これは春香のおかげね……)」

トントントントントントン ト!!

春香「痛っ……」


千早「春香!?」

春香「痛ーい…指切っちゃったよぉ……」

千早「大丈夫!?」

春香「千早ちゃん、絆創膏有る?」

千早「ちょっと貸して!」

春香「え?」

チュー


春香「ふぇ?千早ちゃん!?」

千早「……」チュー

春香「わわわ、指をそんな風に…!」

千早「……」チュー

春香「た、玉葱臭くて汚いからいいよぉ!!」

千早「……」チュー


千早「……」チュー

春香「……///」

……………

千早「血は止まったかしら?」

春香「う、うん///もう止まったよ///ありがと、千早ちゃん///」

千早「はい、絆創膏。もう春香は座っていて」

春香「え?」

千早「あとは私がやっておくわ。作り方だけ教えてくれる?」

春香「うん…ごめんね……」


春香「そして、かんせーい!」

千早「春香に教えてもらった通り作ったけどあまり上手くできなかったわ……」

春香「大丈夫大丈夫!料理は見た目じゃないよ!味だよ!味!」

千早「…それって慰められてるのかしら……」


…………

春香「ごちそうさまでした」

千早「お粗末様」

春香「あ、千早ちゃんまた人参残してる…」ジーッ

千早「こ、これは…」

春香「残しちゃダメだよ?」

千早「うぅ……」


千早「え、栄養はカロリーメイトで充分摂取できてるから大丈夫よ!」

春香「………(だから足りてないって……)」

千早「だ、だから今日は食べなくても大丈夫のはず……」

春香「千早ちゃん?」ジーッ

千早「分かったわよ……」ショボン


春香「はい、アーン?」

千早「うぅ……」アーン

春香「どう?美味しいでしょ?」ニコッ

千早「うう……」モグモグゴク

春香「ふふっ。頑張ったね。偉い、偉い」

なでなで

千早「春香のいじわる……」


春香「さてと、そろそろお風呂入ろっか?」

千早「そうね。じゃあ先に春香入って?」

春香「ええ!?一緒に入ろうよ!」

千早「だってお風呂狭いし……」


春香「ええー。入ろうよぉ!」

千早「いいから先に……」

春香「ねえねえ!お願いだってばぁ!」

千早「……」

春香「ねえねえ!ねえねえ!」

千早「ふぅ…もう、分かったわよ……」

春香「やった!(千早ちゃんはちょろいなぁ…)」


ー風呂ー

春香「ふう…温かいね」

千早「やっぱりこのバスタブじゃ二人入ると狭いわ」

春香「えぇ?私好きだよこのバスタブ?」

千早「そう?二人なら広い方が良いと思うけど……」

春香「だって千早ちゃんにすぐ抱きつけるし!えいっ!」

千早「きゃっ!?も、もう、春香ったら!」


春香「んん?今日はどれくらい育ってるかな?ほれほれ」

もみもみ

千早「ちょ…春香そんなところ……」

春香「それそれそれそれ」モミモミ

千早「春香、もう!やめてってばぁ!」

もみもみ

春香「……んー。成長は…無し、かな……」

千早「クッ……」


春香「千早ちゃんはちょっと痩せすぎだよー」

千早「これでも春香とご飯食べ始めてから太った方なんだけど……」

春香「ええ?それでぇ?うーん。これからはもっとカロリーの高いもの作らなきゃなぁ……」

千早「大丈夫。栄養とカロリーならカロリーメイトで充分補充できてるから安心して」

春香「いやいや…そういう問題じゃ……(だからできて無いってば……)」


千早「(確かに春香の身体は同い年なのに女の子っぽい身体ね……)」

千早「(母性というか、何か見ていて落ち着くわ……)」

千早「(何気に765プロで一番男受けする身体じゃないかしら……)」

千早「(良いなぁ……胸も結構有るし……)」

千早「クッ……」


春香「あれあれー?もしかして千早ちゃん、エッチなこと考えてる?」ジトーッ

千早「え?べ、別に春香の身体のことなんて考えて無いわよ!?」

春香「ふーん。私の身体のこと考えてたんだー。」ジトーッ

千早「あ!しまった……」


春香「ねえねえ。私の身体についてどんなこと考えてたの?教えて欲しいな?」

千早「い、嫌よ。恥ずかしいし……」

春香「えぇー。良いじゃん…ほらほら……」

千早「うぅ……」


春香「ほら、千早ちゃん……?」

千早「うぅ……春香の、春香の身体はすごく…すごく……」

春香「すごく?」

千早「うぅ……すごく…エ、エッチだと思います……」

春香「ふふ…よく言えたね……偉い、偉い……」

なでなで

千早「うぅ…春香のいじわるぅ……」


春香「ふふっ…へぇ……千早ちゃんは私の身体をエッチだと思ってくれてるんだ……」

千早「も…もうやめてぇ……」

春香「私も千早ちゃんの身体、好きだよ?」

さわっ……

千早「ふぇ!?」

春香「千早ちゃん……お風呂、出よっか?」


ー寝室ー

春香「ねぇ、千早ちゃん、いいでしょう?」

春香「ふふふ…千早ちゃんはいつもそうだよね……」

春香「いつもそうやって、駄目って言いながらも、私を受け入れてくれる……」


春香「可愛いよ、千早ちゃん……」

春香「あ、ダメだよ千早ちゃん、手、退けて?」

春香「え?小さいから恥ずかしい?」

春香「良いんだよ、ほら、手、退けて?」


春香「はい、よく出来ました」

春香「小さくて綺麗だよ千早ちゃん……」

春香「ん?その目は何?」

春香「ふふっ…もしかして、何か期待しちゃってる?」


春香「何されたいの?言ってみて?」

春香「ふぅん……」

春香「ほんとにエッチだね、千早ちゃん……」


春香「じゃあ、舐めてあげるね?」

春香「ふふっ…可愛い声……」

春香「小さいけど敏感なんだ……」

春香「え?もっとして欲しい?」

春香「本当にエッチだね千早ちゃんは……」


春香「じゃあ、お望み通りしてあげる」

春香「いっぱい可愛い声、聞かしてね?」


春香「ふふっ…」

春香「千早ちゃんのファンの人がこの声聞いたらどう思うかな?」

春香「え?変なこと言わないでって?」

春香「冗談だよ…冗談……」


春香「あれあれ?千早ちゃん、ショーツがビショビショだよ?」

春香「こっちも触ってあげるね?」


春香「ん?きゃっ……」

春香「わ、私はいいよ……」

春香「私が千早ちゃんを気持ちよくしてあげるよ…」

春香「きゃっ…ち、千早ちゃん、落ち着いて……?」


春香「千早ちゃん、目が血走ってるよ…」

春香「少し、落ち着こ?ね?」

春香「え?いつも自分だけ悪いからって?」

春香「いやいや、無理しなくても良いよ?」


春香「きゃっ…痛っ……」

春香「千早ちゃん、もっと優しく触って?」

春香「……ん」

春香「そうそう…優しく優しく……」


春香「ふふっ…」

春香「千早ちゃん、なんだか犬みたい……」

春香「すごい必死でなめてくるもん……」


春香「え?嫌じゃないよ?」

春香「むしろ嬉しいかな……」

春香「うん…もっとして?千早ちゃん……」


春香「それにしても、千早ちゃんがこんなに積極的なの初めてだよね」

春香「え?お風呂からずっと我慢してた?」

春香「それってもしかして、私の身体に触ることを?」

春香「ふーん。それで爆発しちゃったんだ」

春香「エッチだね、千早ちゃん……」


春香「ふふっ。また真っ赤になっちゃって…可愛い……」

春香「次は私が気持ちよくさせてあげるね?」

春香「ふふっ……どう気持ち良い?」

春香「え?いきそう?」

春香「じゃあ、いつも通り私にお願いしなきゃ駄目だよ?」

春香「ほらほら、早く言わないとやめちゃうよ?」


春香「そんな切ない顔しても駄目だよ?」

春香「ほら、千早ちゃん?」

春香「クスッ…よく言えました」

春香「じゃあ、続きしてあげるね」

春香「好きな時にいっていいよ?」


春香「……あ。いっちゃったね?」

春香「あはは。すごい身体震えてるよ?」

春香「気持ちよかった?」

春香「ふふっ…またしてあげるね?」

春香「大好き千早ちゃん……」


ー翌朝・布団の中ー

ピピピピッ ピピピピッ

春香「……ん?もう朝かぁ…おはよう千早ちゃん」

千早「うん…おはよ春香……」

春香「千早ちゃんが私より早く起きてるって珍しいね」

千早「うん……」


春香「ん?どうしたの千早ちゃん?」

千早「ううん…別に何も無いわ……」

春香「ほんとに?」

千早「ほんとよ…心配しないで……」

春香「じゃあ、こっち向いてよ」


千早「何でも無いったら!」

春香「何でも有るよ!」

グイッ

千早「きゃっ……」

春香「千早ちゃん…目が真っ赤だよ……」

千早「別に、何も無いわよ。起きたばかりだからじゃない?」

春香「そう……」

千早「ほら、春香。朝ご飯食べよ?」


ー765プロ事務所ー

春香「(千早ちゃんは何でも無いって言ってたけど……)」

春香「(あれって絶対泣いた後だよね……)」

春香「(枕にシミもついてたし……)」

春香「(それにしても何で泣いてたんだろ?)」

春香「(全く理由が思いつかないや……)」


春香「(何か悲しませるようなことしたっけ?)」

春香「(うーん…心当たり無いなぁ……)」

春香「(少なくとも昨日はいつも通りだったし…)」

春香「(もしかして、嬉し泣き!?)」

春香「(っていう様子でも無かったし……)」


春香「もう!訳分かんないよぉ!」

P「どうした春香?」

春香「あ。プロデューサーさん」

P「何か悩み事か?」

春香「いえ…特に何も……」

P「そうか…まあ、何か有ったらいつでも相談しろよ?」

春香「はい。ありがとうございます」


春香「(千早ちゃんの様子は……)」


千早「…ふふっ。高槻さんったら」

やよい「うっうー!もやしは本当に何にでも合うんですよぉ!」


春香「(別に変わったところもないなぁ…)」

春香「(やっぱり千早ちゃんの言うとおり、何も無いのかな……)」


春香「千早ちゃん?」

千早「何?春香?」

春香「今日も千早ちゃんのお家行っていい?」

千早「ええ…良いわよ別に」

やよい「うっうー!相変わらずお二人は仲良しですねぇ!」

千早「……///」


ー千早宅ー

春香「さてと、今日は何作ろうかな…」

千早「何でも良いわよ」

春香「その何でも良いっていうのが一番困るんだよねぇ…」

千早「とりあえず、買い物でも行く?」

春香「そうだね。食材見ながら決めよっか」


ースーパーの帰り道ー

春香「今日は牛肉が安かったからすき焼き!」

千早「どうしてこんなに安かったのかしら?」

春香「ラッキーだったね!」

千早「それにしても二日続けてカロリーの高い夕飯ね」

春香「これで千早ちゃんも太れるよ…」ニシシシ

千早「もう、春香ったら……」


春香「…ねえ、千早ちゃん」

千早「なに?」

春香「手、繋いでいい?」

千早「うん」

ギュッ

春香「へへ、温かいね」

千早「そうね」


春香「……」

千早「……」


春香「……ねぇ」

千早「……なに?」


春香「今日の朝、どうして泣いてたの?」


千早「…だから何でも無いって……」

春香「嘘だよ!だって千早ちゃんすごく悲しそうな顔してたもん!」

千早「………」

春香「もしかして、私、何かしたかな?」

千早「………」


春香「ほら、私って調子に乗りやすいし、知らない間に千早ちゃんの嫌がることしちゃったかなって……」

千早「春香は……」

春香「え?」

千早「春香は何も悪くないわ……」

春香「………」

千早「悪いのは私……」

春香「え?」

千早「さ、早く帰りましょ?」


ー千早宅ー

春香「ただいまー」

千早「やっぱり帰ってきたばかりだと寒いわね……」

春香「すぐにストーブつけるね」

千早「春香」

ギュッ

春香「わわっ?!千早ちゃん!?」

千早「部屋が温まるまでこうしてましょ?」


春香「どうしたの?千早ちゃんの方からなんて珍しい……」

千早「嫌?」

春香「ううん。嬉しいけど……」

千早「ならいいじゃない」

春香「うん……」



春香「………」

千早「………」


春香「……そろそろご飯作ろっか」

千早「……うん」


春香「よし!できたよ千早ちゃん!」

千早「早かったわね」

春香「さ、食べよ食べよ!」


春香「千早ちゃんってすき焼きに卵使わないタイプなんだよね……」

千早「ええ。味が混じり合うのがあんまり好きじゃないの……」

春香「えぇ!それが美味しいのにぃ!」

千早「だって、卵つけたらすき焼きじゃなくて卵食べてるみたいじゃない?」

春香「分かんないなぁ……」


春香「ふぅー食べた食べた」

千早「ちょっと買い過ぎたわね」

春香「うん。よし!それじゃ……」

千早「お風呂、入りましょうか?」

春香「ええ!?」


春香「どうしちゃったの千早ちゃん!?」

千早「なに?おかしい?」

春香「うう…おかしくないけど、おかしいよ!」

千早「別に良いじゃない?一緒に入りましょ」

春香「う、うん……」


ー風呂ー

春香「(こんなに積極的な千早ちゃん初めて……)」

春香「(こんなのおかしいよ)」


千早「………」

春香「………」


千早「春香……」

春香「な、なに?千早ちゃん!?」


千早「えっと…あの……」

春香「………」ゴク

千早「その……」

春香「うん……」

千早「……やっぱり何でも無い」


春香「………」

千早「………」

春香「……出よっか」

千早「……うん」


ー寝室ー

春香「(千早ちゃんの様子が明らかにおかしい……)」

春香「(まるで何か言いたそうな……)」

千早「おやすみ春香」

春香「うん、おやすみ。千早ちゃん……」


春香「………」

千早「………」

ゴソッ

春香「きゃっ!?千早ちゃん!?」

春香「どうしたの?」

春香「そんないきなり……」

春香「あっ……」


…………………


ー翌朝・布団の中ー

ピピピピッ ピピピピッ

春香「う…朝かぁ……」

春香「痛たっ…千早ちゃん無理させすぎだよ……」

春香「身体のあちこちがめちゃくちゃ……」

千早「………」スースー

春香「無垢な顔しちゃって……」


春香「(あ、また枕にシミが……)」

春香「(昨日もあの後泣いてたんだ……)」

千早「んんっ……」ムニャムニャ

春香「(千早ちゃん可愛い)」

ブルッ

春香「寒い…早く服着ないと……」


千早「んあっ…春香ぁ……寒い……」

ギュッ

春香「きゃっ!?千早ちゃん……」

千早「……」スースー

春香「もう、しょうがないなぁ」フフッ


春香「(千早ちゃんって身体は温かいけど、手は冷たいんだよね……)」

千早「ムニャムニャ」スースー

春香「ふふっ」


トントントントントントン

千早「むにゃ…おはよう春香ぁ」

春香「おはよう千早ちゃん」

千早「ちょっと寝すぎちゃった」

春香「もうすぐ朝ご飯できるからね」

千早「うん…ありがとう……」


春香「(あ、やっぱり目が赤い…)」

千早「いただきます」

春香「はい、どうぞ」

千早「うん、春香の味噌汁はやっぱり美味しいわね」

春香「ありがとう」


春香「(…どうして泣いてたんだろ……)」


ー765プロ事務所ー

春香「はぁ…(結局また聞きそびれちゃった…)」

P「どうした春香?元気が無いぞ?」

春香「あ、プロデューサーさん……」

P「悩み事だろ?言ってみろよ」

春香「はい……」


春香「あの、もしもエッチの後に恋人が泣いてたら、プロデューサーさんならどうしますか?」

P「ぶっ……な、何を言い出すんだ!」

春香「プロデューサーさんが相談しろって言ったんじゃないですか!」

P「う…まあ、確かにそうだが……」


P「それって嬉し泣きじゃないのか?」

春香「違いますよぉ。すっごく悲しそうな顔してましたもん……」

P「んー。分からないなら直接本人に聞いてみるとかどうだ?」

春香「もう!聞きましたよ!本人は『何でも無い』って言ってました」

P「う、そうか……」


春香「むぅ…それでもダメだからプロデューサーさんに聞いてるのに……」

P「すまん…」

春香「もう!そんなのだからプロデューサーさんは彼女ができないんですよ!」

P「ぐっ…それを言われると……」


春香「前に言ってた『あの子』はどうなったんですか?」

P「いやー。結構アタックしてるんだがなぁ。色々と気難しい子だから……」

春香「ふーん。まあ、女の子の相談にも乗れないプロデューサーさんじゃ難しいんじゃ無いですか?」

P「ぐぐっ…今日の春香は一段とキツイな……」


P「なあ春香、女の子が喜びそうなもの教えてくれよ」

春香「プロデューサーさんが相談しちゃうんですか!?」

P「すまん!この通りだ!」

春香「んもぅ…プレゼントとかどうですか?」

P「プレゼントか…いいな……」

春香「ベタだけど一番確実な方法だと思います」

P「ふぅん……」


春香「もう!プロデューサーさんも私の相談についてもっと考えてくださいよ!」

P「そうだなぁ……」

春香「………」ジーッ

P「あ!そうだ!もしかして、相手は欲求不満なんじゃ無いか!?」


春香「さいってい!」

P「うぅ……」

春香「それに、欲求不満なんて有り得ません」

P「え?」

春香「毎晩毎晩いっぱい、いかせてあげてますから」

P「そ、そうか……(春香の彼氏も大変だろうな………)」


春香「やめてって言われてもずっと続けてあげるんです」ニヤッ

P「ひっ…」

春香「嫌がる素振りを見せるんですけど、身体は完全に受け入れてるのが可愛いんですよ」ニヤニヤ

P「(完全に尻に引かれてるんだな彼氏……)」

春香「ふふっ…すいませんノロケちゃって」

P「限界もあるらしいし、ほどほどにな……」


ー千早宅・寝室ー

千早「春香、おやすみ」

春香「うん、おやすみ」


春香「(『もしかして、相手は欲求不満なんじゃ無いか!?』)」

春香「(千早ちゃんが欲求不満…?)」

春香「(ありえないよなぁ……)」

春香「(結局、理由は分からずじまいか……)」


ゴソッ

春香「千早ちゃん……」

千早「きゃっ……」

春香「そんなこと言いながら、期待してたでしょ?」

千早「そんなこと……」

春香「ほら、いいでしょ?千早ちゃん?」


千早「春香、ダメ……」

春香「千早ちゃんはいつもいつもそうだね……」

千早「ふぇ?」

春香「ダメって言いながら、私を受け入れちゃう……」

千早「うぅ……」ウルウル

春香「本当は好きなんでしょ?こういうこと?」


千早「ち、違うわ……」

春香「じゃあ、今すぐ私を拒否してみて?」

千早「うぅ……」

春香「できないでしょ?やっぱりエッチなんだよ、千早ちゃんは……」


千早「はぅ……」

春香「ほら、気持ちいいでしょ?千早ちゃん?」

千早「うん……」

春香「お願いしてくれたら、もっとしてあげるよ?ほら?」


千早「はうぅ…もっと、」

春香「もっと?」

千早「もっと…もっとしてくださぃ……」

春香「はい、よく言えました」ニコッ


千早「春香ぁ、春香ぁ……」

春香「ふふっ…可愛いよ千早ちゃん……」

千早「うぅ…春香ぁ……」ウルウル

春香「今日もいっぱい可愛いがってあげるね……?」


ー1週間後・765プロ事務所ー

春香「はぁ…」

P「どうした春香」

春香「あぁ…プロデューサーさん……」

P「その様子から察するに、相変わらずなのか…?」


春香「はい…むしろ酷くなる一方で……」

P「酷くなる一方?」

春香「最近は朝まで泣いてるみたいで……」

P「うわあ……」

春香「もうどうすれば良いのか……」

P「大変だなお前も……」


春香「そういうプロデューサーさんは調子がいいみたいですね…」

P「おう!春香のお陰でな!」

春香「私がこんなに悩んでるのに……」

P「ハッハッハ!この前なんか食事に行ったんだぞ!」

春香「……」

P「ああ!すまんすまん!ノロケちゃって!」

ハッハッハ

春香「………」


ー千早宅ー

春香「はぁ……」

千早「春香、最近元気無いわね……」

春香「な、何でも無いよ……(それは千早ちゃんもでしょ……)」

千早「もしかして悩み事…?」


春香「まあ、そんな感じかな……」

千早「私で良ければ相談にのるわよ?」

春香「ううん。大丈夫…大した事じゃ無いから……」

千早「そう……」

春香「(相談できるわけ無いよ……)」


春香「あれ?千早ちゃん、そのネックレスどうしたの?」

千早「え、あ、ああこれ?」

春香「そうそう」

千早「え、えっと……か、買ったの」

春香「へぇ、千早ちゃんにしては珍しい趣味だね」

千早「た、たまには良いでしょ?」


春香「うん。すごく似合ってるよ」

千早「そ、そう?」

春香「うん。可愛い」

千早「あ、ありがとう…」


春香「でも、これって結構高かったでしょ?」

千早「え、うん…そうね……」

春香「最近有名な女優さんが付けてて話題のものだもん」

千早「そう…なんだ……」

春香「あれ?知らなかったのに買ったの?」


千早「う、うん……」

春香「そっかぁ、それじゃ相当ラッキーだったね。頑張らなきゃなかなか手に入らないものなんだよ?」

千早「へ、へぇ……」

春香「貴重なものだし大切にしなきゃね!」

千早「うん…大切にするわ……」


ー夜・寝室ー

千早「おやすみ、春香」

春香「おやすみ……」

ゴソッ

春香「ねえ、千早ちゃん…いい?」

千早「ごめんなさい。今日はそういう気分じゃないの……」

春香「え……」


千早「ごめんね、春香。今日は我慢して?」

春香「う、うん……」


春香「(千早ちゃんが私を拒否するなんて……)」

春香「(こんなの初めてだよ……)」

春香「(千早ちゃん、どうしちゃったの……?)」


ー翌日・765プロ事務所ー

春香「はぁー……」

P「どうしたどうした春香」

春香「あぁ……プロデューサーさん……」

P「日に日に元気が無くなってくなお前。大丈夫か?」

春香「ちょっと大丈夫じゃないです……」

P「そ、そうか……まだ理由、分からないのか?」

春香「今はそれ以上の問題ができましたよ……」


P「どうかしたのか?」

春香「昨日、ベッドの中で拒まれちゃったんです……」

P「え……」

春香「私、何かしたのかな……」

P「あ、ああ……そういう時もたまに有るって!」

春香「でも、こんなこと初めてで……」


P「う、うーん……」

春香「はぁ……で、どうしたんですかプロデューサーさん」

P「ん?」

春香「そんなお洒落しちゃって。どこか行くんですか?」

P「あ、ああ。今日は食事に誘おうかと思ってな……」

春香「そうなんですか……」


春香「良いですね、熱々で……」

P「正直、春香には感謝してるよ」

春香「………」

P「プレゼントもすごく気に入ってもらったみたいでさ!」

春香「………」

P「今日の朝、すごくお礼言われちゃってさ」

春香「………」

P「『大切にします』だってさ。ふふっ…」


春香「……私、もう帰ります」

P「え?」

春香「プロデューサーさんはもっとデリカシーを持った方がいいですよ!」

P「お、おい、春香……」

春香「ふんっ!!」

ツカツカツカツカ


春香「あ、千早ちゃん!」

千早「春香、ちょうどいい所に」

春香「ん?」

千早「今日は夕御飯要らないわ」

春香「え?どうして?」


千早「ごめんなさい。ちょっと仕事先の人と食事することになっちゃって……」

春香「そうなんだ…それなら、しょうがないね……」

千早「先に帰っておいてくれる?はい、鍵」

春香「うん…待ってるね……」


ー千早宅ー

春香「ただいまー…」

春香「寒い…ストーブを……」

春香「晩御飯どうしよう……」

春香「一人ならカップ麺でいいか……」


春香「ごちそうさまでした……」

春香「お風呂、入ろうかな……」

…………

春香「このバスタブも一人だと広く感じるね、千早ちゃん……」

春香「……なんてね」

……………


春香「千早ちゃん遅いなぁ……」

春香「よし、千早ちゃんが帰ってくるまで待っていよう!」

春香「それまでハーゲンダッツでも食べようかな……」

春香「あ。美希のドラマ始まるから見なきゃ」


……………

ー翌朝ー

ピピピピッ ピピピピッ

春香「あっ!!気づいたら寝ちゃってた!!」

春香「千早ちゃん、先に寝ちゃってごめん!!」

春香「……ってあれ?」

春香「千早ちゃん……?」


春香「千早ちゃーん?」

シーン……

春香「あれ……?」

春香「帰ってない…?」

春香「……連絡は!?」

春香「あ。着信一件……」


春香「留守電が入ってる……」

ピッ

千早「『春香、ごめんなさい。終電乗り逃しちゃったから、今日は適当にホテルに泊まるわ。事務所には直接行くから戸締りお願いね。ガチャ』」

春香「……そっか」


ー765プロ事務所ー

春香「はぁ…」

P「あ、春香。」

春香「………」ジロッ

P「昨日は本当にすまなかった!」

春香「………」

P「ごめん。ちょっと俺、浮かれてた。これからは気をつけるから許してくれ!」

春香「………」


春香「はぁ…別に良いですよもう……」

P「あ、ありがとう!」

春香「で、昨日はどうだったんですか?上手くいきましたか?」

P「ああ!お陰様で、ばっちり上手くいったよ!」

春香「………」ジロッ

P「おっとすまない……」


春香「それは良かったですね……」

P「プレゼントしたネックレスも付けてきてくれてさ」

P「食事の後も夜景を見にいってさ…へへへ……」


春香「ちょっと待って。プロデューサーさん。」


P「ん?どうした?」


春香「プレゼントって……ネックレスだったんですか?」


P「あ、ああそうだぞ?」

春香「それって、最近話題の有名女優のやつですか?」

P「あれ?どうして知ってるんだ?春香に話したことあったか?」

春香「そんな……」

P「業界の人に仲介してもらってな。手に入れるの苦労したんだぜ?」


春香「そ、そんな……」

ガタッ タッタッタッタ

P「お、おい!?春香!?」


ー千早宅ー

千早「ただいまー」

春香「………」

千早「あ、良かった。先に帰ってたんだ」

春香「う、うん。鍵、預かったままだったから……」

千早「春香が先に帰って無かったらどうしようかと思ってたわ」

春香「はは…そうなんだ……」


千早「ご飯は?」

春香「まだ食べてないよ」

千早「準備もしてないの?」

春香「うん……ごめんね」

千早「春香がご飯を疎かにするなんて珍しいわね……」


春香「………ねぇ、千早ちゃん」

千早「なに?」

春香「昨日、誰とご飯食べに行ったの?」

千早「だから、仕事先の人って昨日言ったじゃない」

春香「……ねぇ、どうして濁して言うの?」


千早「え?」

春香「私、知ってるよ?」

千早「………」

春香「昨日はプロデューサーさんと一緒に居たんだよね……?」


千早「どうしてそれを……」

春香「ああ…やっぱり本当だったんだ……」

千早「え?」

春香「ちょっと思い当たることがあったから、予想で言ってみただけだったけど……」


春香「本当だったんだ……」



ー春香が千早を押し倒すー


千早「きゃっ…春香!」

春香「ひどい!ひどいよ千早ちゃん!」

千早「べ、別に、プロデューサーとは何も無かったわよ」

千早「食事の後も夜景観に行ったけど、そこで別れたし」

千早「ホテルには一人で泊まったわ!」


春香「嘘だ!そんなの信じられないよ!」

千早「本当よ!信じて春香!」

グイッ

千早「きゃっ…服を…服を引っ張らないで……」

千早「い、痛いよ春香ぁ!」


春香「千早ちゃんは私のものなんだから!」

春香「他の人が触るなんて絶対許さない!」

千早「あっ…春香ぁ……」


春香「こんな時でも感じちゃうんだ……」

春香「本当にエッチだね、千早ちゃん!」

千早「あっ…やめてぇ……やめてよ春香ぁ!痛いっ…」

春香「プロデューサーさんとはどうだった?これより気持ち良かった?」

千早「本当に、本当に寝てないの、信じて春香……」グスングスン


春香「信じられないよ……」

春香「じゃあ、どうしてネックレスを買ったって嘘ついたの?」

春香「どうしてプロデューサーさんと食事に行くって言わなかったの?」

春香「どうして?ねえ、どうして?」

千早「あぅ…やめて……春香…」


春香「千早ちゃんはいつもそうだよね」

春香「『やめて』って言いながら、私を受け入れちゃう」

春香「本当にエッチだよ千早ちゃん……」

春香「プロデューサーさんにもそうやって、流されたんでしょ?」

千早「あっ…違うってば……ああ………」


春香「千早ちゃんは私のものだからね……?」

春香「それを分かるまでずっとしてあげるね?」

千早「あぁ…春香ぁ……春香ぁ………」

……………


ー翌朝ー

ピピピピッ ピピピピッ

千早「うっ…」グスングスン

春香「……ごめんね千早ちゃん。私、どうかしてた……」

春香「なんか裏切られた気がして、頭に血がのぼっちゃった……」

春香「最低だよね………」

春香「そんなにボロボロにしちゃって……恋人失格だ……」

春香「私、ここから出ていくよ…本当に、本当にごめんね。」

春香「さよなら、千早ちゃん……」


キィー……ガチャン


千早「うぅ…春香ぁ……」


ー1ヶ月後・ドラマ収録現場ー

ハイ!!カット!!休憩に入ります

春香「はぁ……」

P「どうしたんだ、溜息なんてついて?」

春香「プ、プロデューサーさん!?」


P「最近、事務所にも寄り付かないし、俺のこと避けてないか?」

春香「いえ、そんなことは……」

P「俺は会えなくて寂しかったぞ?」

春香「そうですか……」

P「春香」

春香「はい?」


P「俺、明日プロポーズしようかと思うんだ」

春香「へぇ……」

P「あれ、驚かないのか?」

春香「ええ。」


P「なんだ。つまらないやつだな」

P「まあいいや。次は驚くことになるぞ!?」

P「なんと相手はな!」

春香「千早ちゃん、でしょ?」


P「え?なんで分かったんだよ!?」

春香「……乙女の勘です」

P「すごいな春香…逆に俺が驚かされちゃったよ……」

春香「きっと上手くいきますよ」

P「ん?」

春香「きっと上手くいくから頑張ってください……」

P「あ、ああ……」


ー千早宅ー

千早「ただいま……」

『おかえり!千早ちゃん!ご飯できてるよ!』

千早「………」


千早「部屋も寒いわね……」


『あ!そうだ!部屋が温まるまで千早ちゃんにくっついてよっと♪』

ギュッ

『ちょ、ちょっと春香』

『はぁー…千早ちゃん温かい……』

『ふふっ……しょうがないわね』


千早「………」


千早「ご飯食べないと…」

千早「カロリーメイトでいっか…」

モソモソ


『あぁー!またカロリーメイトでご飯済ませてる!』

『そんなのじゃ栄養足りないよ!』

『私が栄養のあるもの作ってあげる!』


千早「ふふっ…春香ったら……」

千早「あ……」

千早「………」


千早「お風呂……」

チャポン……

千早「(……このバスタブこんなに広かったんだ)」


『やっぱりこのバスタブじゃ二人入ると狭いわ』

『えぇ?私好きだよこのバスタブ?』

『そう?二人なら広い方が良いと思うけど……』

『だって千早ちゃんにすぐ抱きつけるし!えいっ!』

『きゃっ!?も、もう、春香ったら!』


千早「………」


ー寝室ー

千早「このベッドも一人だと広く感じるわ……」

千早「まだ微かに春香の匂いがする……」

千早「枕も置いていったままね……」


『ねえ、千早ちゃん。寄り添ったら温かいよ?おいで?』

『うん……』

ギュッ

『わあ、千早ちゃん温かーい』

『春香もとても温かいわ…』

『へへっ…ずっとこうしてたいね!』


千早「………」


千早「私、何してるんだろ……」

千早「どこで間違えたんだろ……」

千早「優しくしてくれたあの人を突き放すこともできずに、なあなあと付き合って……」

『千早の歌は世界で一番だ!自信を持て!』

千早「大好きな人も傷つけて……」

『なんか裏切られた気がして、頭に血がのぼっちゃった……最低だよね………』

千早「最低なのは、私よ……」




千早「私、どうすれば良いのかしら……」



ー翌日ー

P「千早、さっきの店はどうだった?」

千早「すごく美味しかったです。ありがとうございました」

P「そうか、それは良かった」


千早「くしゅん」

P「大丈夫か?ほら、これ着ろよ」

千早「あ、ありがとうございます」

P「風邪引いたら大変だからな……」

千早「温かいです……」


P「お。そのネックレス付けてくれてるんだ?」

千早「は、はい」

P「ふふっ…よく似合ってるぞ、千早……」

千早「……///」



P「……千早、大切な話があるんだ」

千早「はい?なんですか?」

P「その、俺と結婚しないか?」

千早「………」

P「あ、別に今すぐ結論は出さなくてもいいぞ……?」

千早「………」

P「ただ、考えておいてくれないか?」


千早「プロデューサー」

P「ん?」

千早「私、私は━━━━━━━━」


ー翌日・765プロ事務所ー

P「わざわざ済まないな。こんな時間に呼び出して……」

春香「いえ、気にしないでください」

P「あのな、春香、」

春香「おめでとうございます!プロデューサーさん!結婚式はいつですか?」ニコッ


P「春香……」

春香「成功したんですよね?おめでとうございます」ニコッ

P「上手く笑えてないぞ?」

春香「!」

P「別に無理矢理笑う必要は無いんだ。悲しかったら素直に泣けば良い」


春香「ううっ……うわーん!」

P「ごめんな、春香。お前たち、付き合ってたんだな。知らずに俺、お前から千早をとってしまった……」

春香「ううっ……」グスングスン

P「俺、千早のこと絶対に幸せにしてみせるから……」


P「だから許してくれ……」

春香「ううっ……」グスングスン

P「な、春香?」

春香「許せませんよ私……」グスッグスッ


春香「私、絶対にあなたのことは許しません!」

春香「すごく幸せだったのに……」

春香「ずっと続くと思ってたのに!!」

春香「あなたが奪った!あなたが私から!全て!」


P「春香、千早のことはまだ好きか?」

春香「当たり前じゃないですか!」

P「そうか、じゃあこの話はここまでだ……」

春香「え?」

P「千早のところへ行ってやってくれ」


P「春香は本当におっちょこちょいだな。人の話は最後まで聞かなきゃ駄目だろ?」

春香「どういうことですか?」

P「俺は丁重に振られたよ」

春香「え?」


P「『私は幸せになる権利が無い』ってな」

P「その後、お前たちの話も聞いた」

P「俺はその話を聞いて思ったんだ」

P「千早はまだお前のことが好きだってな」


P「今回のことは俺が全て悪いと思ってくれて構わない」

P「だから、早く行ってやってくれ春香!」


春香「プロデューサーさん……ありがとうございます!!」

タッタッタッタ

P「頼んだぞ春香……」


ー千早宅ー

千早「………」

ピンポーン

千早「………」

ピンポーン

千早「………」

カチャカチャ

千早「……?」

ガチャ

千早「!?」


「千早ちゃん……」

千早「え?春香……?」

春香「へへ…鍵返すの忘れちゃってたよ……」

千早「帰って」

春香「千早ちゃん……」


千早「私には、春香に会う資格無いから……」

春香「そんなこと関係ないよ」

千早「え?」

春香「だって、私が千早ちゃんに会いたくて来たんだもん」


春香「それなら関係ないよね?」

千早「そんな……」

春香「この部屋、寒いね。風邪ひいちゃうよ?」

千早「…………」

ギュッ

春香「ふふっ…温かいね……」


千早「やめて、春香…それ以上優しくされたら私……」

春香「また甘えちゃう?」

千早「…………」コクッ

春香「いいんじゃないかな」

千早「え……」


春香「千早ちゃんが甘えん坊なのは今に始まったことじゃないしね」フフッ

千早「春香……」

春香「それとも、千早ちゃんは私のこと嫌いかな?」


千早「ううん…嫌いじゃない……嫌いな訳がないよ……」

春香「それじゃあ、何?聞かせて?」

千早「……好き。春香のこと、大好き……」

春香「ふふっ…私も千早ちゃんのこと大好きだよ……?」


春香「へへっ…両想いなら良いよね?」

千早「春香……」


春香「ね、仲直りしよ?」


千早「本当に私で良いの?」


春香「もちろん!」


春香「これからもよろしくね!千早ちゃん!」


おわり


保守してくれた人間&スクリプトのみなさんありがとうございました。

なんか最後グダってしまいましたが、無事終わりました。


とりあえず、はるちはってジャスティスですよね!スクリプト市ね!

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