安部菜々「オールディーズ?」 (735)

モバP(以後P)「ああ。企画というか、試みとしてどうかなって」

菜々「えぇと、50年代から60年代ぐらいにヒットした英語圏のポップス、でしたっけ?」

P「定義はそうだが、最近はもっと緩く捉えた使い方をするらしい。まぁ、ここでは懐メロ、ぐらいのニュアンスで聞いといてくれ」

菜々「わかりました。それで、選曲はどうするんですか?」

P「色々だな。こちらから提案したのもあるけど、概ねアイドル達に選ばせてみた」

菜々「ああ、Pさんがよく掛けてるから、みんなもそれなりに聞いてますもんね」

P「ああ。俺が選ぶとどうしても偏るかな、ってのもあるんだ。なので自由に提案してもらえると嬉しい」

菜々「おおー、仮にCDとかなったら権利関係ですごいお金がかかりそうな企画ですねっ」

P「まぁ、実現性はとりあえず置いといてくれるか?(苦笑)」

菜々「分かりましたっ。それじゃ、菜々は何にしようかなっ♪ キャハッ!」

P「菜々はマイウェイ」

菜々「えっ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383349396

P「マイウェイ。シナトラの」

菜々「いま~船出が~♪ ……って、なんでですか!」

P「えっ、嫌か? 名曲じゃないか。シナトラとアンカのエピソードも素晴らしい」

菜々「あ、そ、そうですねっ。別に嫌ってわけじゃないんですけど…なんというか、イメージが……」

P「ちなみに歌い出し。菜々が歌ったあたりは原語だと"そして今終わりが近づき、私は終幕に面している"って感じ。人生を生ききった人の美しさを歌った詞だな」

菜々「や、やっぱりそういうネタなんじゃないですか! 菜々は十七歳ですっ! 人生はこれからですからっ」

P「じゃ、キャプテンジャックとかどうだ? ビリージョエルじゃなくて、キャプテンジャックのやつな」

菜々「えーおーキャプテンジャッ♪ ていうやつですよね。ちょっと懐かしいけど、あれはオールディーズなんですか?」

P「うん、むしろ年代よりも、そういう"誰かにとってちょっと懐かしい"をメインにする方向で。まぁ、"セブンティーン イズ ザ ベスト"ってラップが入るだけなんだけど」

菜々「なんですかそれ! Pさんさっきから菜々の扱いが酷すぎますっ!」

P「まー、それはさておいて」

菜々「さておかないで下さい! 大事な話ですっ」

P「はいはい大事っすね。で、これから一通り聞いてみようと思うんだが、菜々にも一緒に聞いて欲しいんだよ」

菜々「もう……。人選になんとなく含みを感じるんですけど……分かりました」

P「よし、それじゃ早速行こう。最初は誰だ?」


藍子「私です、プロデューサーさん」

P「藍子か。CD発売も決まって気合い充分だな! それじゃ一発熱いやつをかましてくれ!」

藍子「あ、熱いかどうかは……。ともかく、準備しますね」



■高森藍子 (They Long to Be) Close to You


きゃっ!?

あっ、いえ、急に鳥が飛んできたので、驚いただけです

 もう、どうして貴方と一緒にいる時って、こういう事が多いんだろ

──私と一緒で、彼の近くにいたいのかな?──

 なんて、私が彼の方ばかり見てるだけだよね



 今日は夜の散歩

 なんちゃって、収録で遅くなっちゃった帰りなんだけど

 あ、星が綺麗。どうして、彼と歩いている時はこんなに星が綺麗なのかな

──私と一緒で、彼の近くにいたいのかな?──

 なんて、彼を見上げるついでに空がよく目に入るだけだよね



 きっと貴方が生まれた時、天使とか神様とか、そういう人達が集まって、夢を叶えるちからをくれたのね



 事務所ではとても無理だけど、今だけ彼を独り占め

 どうして、事務所の子達はいつも彼について回るのかな

──私と一緒で、彼の近くにいたいのかな?──

 なんて、仕事だもんね。仕方がないよね


 ああ、もっと貴方の傍に行きたいな


  ああ、もっと貴方の傍に行きたいな


――――
――

菜々「これはカーペンターズですよね」

P「おう。アレンジは別のアーティストっぽかったかな」

菜々「芯はあるけど、誰かにぶつけるわけじゃない、そんな感じが藍子ちゃんのイメージにも合ってた気がします」

P「んー、しかし随分恣意的な解釈だな……。藍子ってこんな風に内にふつふつと感情溜めて燃やすタイプか?」

菜々「うーん?」

P「ま、歌の話であって、藍子がこんな風に思ってるわけではないだろうけどさ」

菜々「Pさんて、スカウトする目は確かだけど、他はわりと節穴ですよね」

P「えっ!? な、なんで!? ウサミンなんで!?」

菜々「おしえませーん。ウサミン星の辞書には敵に塩を送るって諺は載ってないのです」

P「敵って断言された……鬱だ…。もう次いこう…」


菜々「次は誰が歌うんですか~?」


志乃「私よ」

菜々「えっ」

志乃「何かおかしいかしら?」

菜々「あ、いえ、その……」

P「気にしないで下さい。菜々は志乃さんに対してただ事務所にたむろして酒を飲む酔っぱらいというイメージを持ってるだけなんです」

菜々「なっ!?」

志乃「そう……。菜々ちゃんが私の事をどう考えているか、とても良く分かったわ。ちょっと寂しいけれどね」

菜々「ちちち違いますよ!? そんな風に思ってませんからねっ! Pさんが勝手に…もー、なんでそんな事言うんですか!」

菜々「あああごめんなさいごめんなさい! 違うんです、確かに志乃さんはいつもお酒飲んでるイメージですけど…」

P「志乃さん、もう行っちゃったぞ」

菜々「え」

P「志乃さんは……おお、これは前奏で分かる超有名曲だな。さすがにトランペットは吹かないか」


■柊志乃 La Vie En Rose

 抱き寄せて 近く 早く
 あなたが唱える魔法の呪文
 これがla vie en rose(バラ色の人生)

 あなたのキスで漏れる溜息
 目を閉じているのに
 私にはla vie en rose(バラ色の人生)が見えているの

 あなたが私を抱き寄せてくれたら
 私は夢心地
 薔薇の花咲く別世界にいるの

 あなたの声は天使の歌声
 些細な言葉も恋の歌に変わるわ

 あなたの心も魂もわたしに頂戴?
 そうすれば
 人生はいつだってla vie en rose(バラ色の人生)だもの


────
──


菜々「……すごい…」

P「ホント、その一言だな」

菜々「ずっと聞いていたいです。私、ファンになっちゃいました!」

P「ああ、それが長い歌は駄目なんだ。トレーニングをもっと真面目にやってくれたら大きな舞台だって用意してあげられるのに……」

菜々「うぅ~、残念です。あ、あと、歌の歌詞初めてちゃんと知りました。なんていうか、すごいですね」

P「菜々は大人なんだからもうちょっと語彙を増やせないのか?」

菜々「お、大人なら語彙が増えるってわけじゃないです! あ、て、ていうか大人じゃないです、十七歳ですぅ!」

P「はいはい、セブンティーン イズ ザ ベスト」

菜々「うぅ…、えっと、大人の恋、って感じがしました」

P「そうだなぁ、流石大人、色んな経験をしてきた、って感じがするな。これはキャラもあるから、成人でも菜々には似合わないかもしれないな」

菜々「未成年ですってば! なんなんですかもう! ……やっぱり、お相手がいるんですかねー? 菜々も素敵な人とのキス、憧れちゃうなー」

P「ウサミン星の王子様としたんだろ?」

菜々「あっ、そ、そうですよ! で、でも、ファンのみんなの為にお姫様にはならなかったんですっ」

志乃「私にお相手がいるか、ですって?」

P「あ、お帰りなさい」

菜々「お帰りなさい♪ やっぱり、おられるんですか?」

志乃「そうね、いるわ。正確には、今は違うけど、いずれそうなるつもりよ」

P「うわ、マジですか? 志乃さんの事だからスキャンダルとかは心配してません、けど……なんだかもやもやするなぁ。くそっ」

志乃「ふふ、嫉妬してくれるの? けど、今のあなた、犬と肉よ」

P「へ?」

菜々「どういう事ですか?」

志乃「古い寓話よ。それじゃ、喉が渇いたから失礼させて貰うわね」


P「菜々は志乃さんの話分かったか?」

菜々「いえ、全然」

P「…………」

菜々「…………」

P「つ、次行こう次!」

菜々「そ、そうですね♪ 次は誰かな? キャハッ!」

──────────




こんな風に、古めの洋楽で適当にだらだらやってく予定です。

歌詞からのアプローチメインでやっていこうと思うんですが、
・怖いので翻訳を拾ってこないで自力で訳す
・自分の英語力だと間違ってる
・キャラに合わせて一部を強引に改変
ので、元の歌詞とニュアンスが異なるであろう部分が多数あります。許して。

あと、藍子のやつみたいに訳じゃなくて歌詞を元にストーリーっぽくしてみたり。



曲名でぐぐれば色々出てくると思うので、興味が湧いた方は是非ぐぐってみて下さい。




──────────

楓「高垣楓です」

P「あっ、楓さんですか」

菜々「今から楽しみですねっ。楓さんは何を歌ってくれるんでしょう?」

P「楓さんもオールディーズは結構聞かれるんですよね」

楓「はい。オールディーズはオールデイズ聞いていられるぐらい好きです。ふふっ」

P「…………」

菜々「…………」

楓「けど、今回はオールディーズといって良いんでしょうか。そんな感じの選曲にしてみました」

P「ほうほう?」

楓「私自身、すごく好きで、尊敬していた歌手なので、追悼という訳ではないんですけど」

菜々「と言うことは、最近亡くなられた方なんですか?」

P「あっ、なるほど」

菜々「? Pさんは分かったんですか?」

P「まぁ、聞いてみようよ」

楓「はいっ。それじゃ、準備しますね」


ルー・リード?

ピアノマンを黒川さんに歌ってもらいたい

>>13を下記に差し替え

楓「高垣楓です」

P「あっ、楓さんですか」

菜々「今から楽しみですねっ。楓さんは何を歌ってくれるんでしょう?」

P「楓さんもオールディーズは結構聞かれるんですよね」

楓「はい。オールディーズはオールデイズ聞いていられるぐらい好きです。ふふっ」

P「…………」

菜々「…………」

楓「けど、今回はオールディーズというより、自分の中で懐かしくて大好きな歌。そんな感じの選曲にしてみました」

P「ほうほう?」

楓「私自身、すごく好きで、尊敬していた歌手なのですが、少し前、急に亡くなられて」

菜々「菜々も分かります。もう二度と歌う姿が見れないと思うと、すごく悲しいですよね」

楓「はい…。けど、気楽に聞いて下さい。別に追悼というわけではないんですから」

菜々「はーいっ」

楓「それじゃ、準備しますね」


P「…逝ってしまった偉大な歌手か……。菜々の場合は美空ひばりだっけ?」

菜々「あぁ~河の流れのように~♪ ってなんでですか! ひばりさんが亡くなった時は本当に生まれてませんから!」

P「……"本当に"?」

菜々「……」

P「……」

菜々「キャハッ♪」


■高垣楓 Saving All My Love For You

 遅いですよ、プロデューサー 待ちくたびれちゃいました

 なかなか時間が合わないですね 前に飲んだのはいつだったでしょうか

 あ、怒っているわけではないんですよ? ふふ、はい、おしぼりです

 プロデューサーがついてないといけない子もいますから、その子を優先して下さい

 ──無理は言えないって分かるんです だから、せめて一番は、私が貰っていいですか?

 プロデューサーは、今まで出会ったどんな人とも違う気がします だから、一番いいところは取っておきました


 何の一番か、ですって? ふふっ、何でしょうね?


 私、一人が気楽だと思ってたんです あまり人に合わせるのは得意じゃないから

 だけど、今じゃその時の気持ちが信じられないですね え、人恋しくて彼氏でも作るんじゃないかって? 怒りますよ、もう

 ふふ、冗談ですよ 怒ってないです

 ──私もそう思うんです こんな人じゃなくて、もっと容易な相手を見つけようって けど、そう思うと、それだけで気持ちが塞いで悲しくなるんです

 家ですか? 寝に帰るだけですね 一人でいると、そんな事ばかり考えてしまうから

 そんな事って何かって? 私そんな事言いました? ふふ、プロデューサー、もう酔ったんですか?


 いいんです こうしている今が、"とっておき"なんですから


 仕事の方はどうですかって?

 いつか話しましたよね 仕事を休んで、一緒にどこかに逃げようって

 ふふ、分かってますよ 温泉にでもつかってのんびり骨休めをしてこよう、って話ですよね 美味しいお酒を飲んで

 それまで頑張ろうって 少しの間頑張ろうって なんだかもうずっと昔の話のような気がします あ、待ってるんですからね?

 ──本当に、一緒に逃げよう、って言ってくれたら 私はどうするかしら きっと応じてしまいます ただの夢ですけれど


 少しでも長くこうしていたいから ほっとする時間が欲しいから

 プロデューサーが暖簾を潜って入って来た時 今夜すべてがうまく行く気がしたんです


 ──こうして夜通し、大好きなあなたと互いに杯を傾けあって これが私の"とっておき"なんです


────
──



菜々「ほわぁー…」

P「…………」

菜々「相変わらずの歌唱力ですね…って、Pさん? どうしたんですか?」

P「あ、いや、これ、こんな内容だったかなと思って。不倫の歌だと思ったけど」

菜々「竹内まりやみたいな?」

P「そうそう。あと気のせいかな、プロデューサーって言ってなかった?」

菜々「い、言ってないと思いますよ!?」


楓「どうでしょう?」

菜々「あ、お、お帰りなさい! 今の、どなたの曲なんですか?」

P「えんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

菜々「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! って、急にどうしたんですか」

P「……で、有名なホイットニー・ヒューストンだ。本当に素晴らしかった! 俺も大好きなんですよ、ホイットニー」

菜々「あぁ! これもホイットニー・ヒューストンだったんですね」

楓「はい。今の歌はカバーで、オリジナルは別の人なんですが…とにかく、大好きだったので、残念です」

P「そうですねー。まだまだ亡くなるような歳じゃなかったのに」

楓「はい。ヒューストンていう響きも色々応用が効きそうで好きだったんですけど……」

P「ホントに尊敬してんのかあんた!」

楓「ふふ、冗談ですよ。ところでプロデューサー、今晩都合どうですか?」

P「え、なんですか?」

楓「久しぶりに、飲みに行きませんか? 今夜すべてがうまく行く気がするんです」

菜々「!?」

P「? えーと今夜は…」

菜々「あ、あ、あ! Pさん今夜はあれですよ、ほら、あれがあるじゃないですか!」

P「え、なんかあったっけ」

菜々「もー、忘れちゃったんですか! ええと、あの、えーっと…」

P「あ、そうか。イベントの経費資料纏めないといけないんだった。すいません、楓さん、今日はちょっと…」

楓「そうですか…」 シュン

P「こ、今度! 今度埋め合わせしますから!」

楓「はい、待ってます。それじゃ」 ニコッ

P「はーい、おつかれさまです」

菜々「お、おつかれさまでしたー。……ごめんなさい」

P「? しかし、なんで菜々がそれ知ってるんだ? ちひろさんに直接言われただけなのに」

菜々「あ、あれー? なんでかな、たしかPさんが言ってたんじゃないかなー!」

P「そっか。ま、思い出させてくれてありがとな。それじゃ、次いくか」


李衣菜「はいっ! 任せてください! 私が往年のロックの名曲を歌い上げます!」

P「おー、だりーなか。可愛いやつを一発頼むぜ。コーデッツみたいなの」

李衣菜「嫌です! 私はロックに生きるんです!」

P「そうかーがんばれー」

李衣菜「ぐぬぬ…。けど、なつきちに貸して貰ったCDからこれぞと言うのを選んできましたからね。絶対Pさんもきっと、これからは私をもっとロックにプロデュースするよう悔い改めますっ」

P「そうかーがんばれー」

李衣菜「うぅ……。絶対吠え面かかせてやる…」


■多田李衣菜 We'll Be Together

 私といる君の事、君の仕草のぜんぶ それが心の中でぐるぐる、回ってる

 雨が降っても槍が降っても 私達は一緒にいるべき 他になんにもいらないの


 君と一緒に踊りたいな

 雨が降っても槍が降っても 私達は一緒にいるべき 他になんにもいらないの


 ねね、私の事、呼んでみて? 別になんでも、君の好きなように呼んでくれて良いけど

 ベイビーって呼んで欲しいな、かっこよく ね、私の事、ベイビーって呼んでみて


 君といるためなら、世界中の海を泳いで渡ってみせる! 夜になったら明かりが必要なぐらい、君の事が必要なの

 君の名前を聞くだけで、私の気持ちは燃えちゃいそう だから一緒にいるの 今夜ずーっと一緒にいようね


────
──


李衣菜「どうですかっ!」ドヤァ

P「…………」

菜々「……なんていうか」

李衣菜「ふふん、言葉も出ないようですね。もうにわかとか言わせませんからねっ」

P「……だりーなかわいい」

李衣菜「ファッ!?」

菜々「うん、歌詞が分かると途端に可愛く聞こえますねこの歌」

李衣菜「菜々さんまで!?」

P「やっぱそう思うよな? しかも歌ってるのがスティングじゃなくて可愛いだりーなだぞ。もう[ピーーー]気かと」

菜々「ベイビーって呼んで、ってとことか、意味が分かるとすっごく可愛く聞こえますよね。まとわりつくうざかわな感じ」

P「はぁ……やっぱだりーな可愛いわ」

李衣菜「か、可愛いとか言わないで下さい!(////) 私はロックにいきたいんです! つ、次です、リベンジします!」

P「あーうん、可愛いだりーななら何でも許しちゃう」



■多田李衣菜(リベンジ) Daddy, Brother, Lover, Little Boy

もし君が花火になるなら、私はその導火線になるよ

君が泣いているなら、私がその悲しみを晴らしてあげるね


女の子がついていけないような場所に行くなら、私いくらでもお転婆になる

なんだってしてあげたいの!


君が探しているものは全部、私の中に見つけて欲しいの

君が必要とするあらゆる種類の人に、私、なれるよ?

私はあなたのママで、お姉さんで、恋人で、娘だよ


君がその、もし、ムラムラッときちゃった時は、わたしに言ってほしいの

君がくれた愛の全てを、わたし倍にして返してあげるね

君の部屋で、その ……する時は、君の望む事、全部してあげる!


君が探しているものは全部、私の中に見つけて欲しいの

君が必要とするあらゆる種類の人に、私、なれるよ?

むしろそれ以上になれるから!

私はあなたのママで、お姉さんで、恋人で、娘だよ


────
──

李衣菜「ど、どうですか! 今度はロックじゃないなんて言わせませんよ!」 ゼェゼェ

菜々「…………これは歌詞の意味が分かっちゃいけない気がしました。選曲はすごくロックなのに」

P「うん、可愛すぎだろう。しかも歌ってるのが可愛い可愛いだりーなだぞ。もう何度死にかけた事か」

李衣菜「かっ…」

P「いやー、李衣菜は本当に可愛いな」

李衣菜「(////)」


菜々「(真っ赤になって黙っちゃった)…これ、本当にこういう歌詞なんですか?」

P「おう。割とこんな感じだぞ」

菜々「これ、ミスタービッグですよね?」

P「ロマーンス」

菜々「全くグレイトだぜ……じゃなくって」

P「よく知ってるな。ともかく、そうだ。ミスタービッグの91年のアルバムだったかな」

菜々「なんていうか……」

P「まぁ、超絶プレイに乗せた攻撃的な曲調に、受け身な求愛の歌詞だからな。ギャップは感じるよな」

李衣菜「な……」

P「おっ、どうした李衣菜。あっ、もちろん二曲ともすごく良かったぞ!」

李衣菜「なつきちぃぃぃぃぃ! Pさんがぁぁぁぁぁ!」 ウワァァァァン

菜々「あっ」


P「あー、行っちゃった…。うーん、褒めてるつもりなんだけどなぁ。あいつ本当に可愛いし」

菜々「……Pさん的にはやっぱり、李衣菜ちゃんが一番可愛いですか?」

P「うん。いや、うちのアイドルはみんな一番に可愛いけど。例外はない」 キリッ

菜々「…な、菜々も可愛いですか?」

P「当然だろう。つか、俺は一番可愛いと思った子しかスカウトしないし、スカウトした子は一番可愛いんだ。例外は既にアイドルになっててスカウト出来なかった子ぐらい」

菜々「と、当然って……えへへ(////)」

菜々「けど、李衣菜ちゃんに一番言ってますよね?」

P「あーそうかも。李衣菜は反応が面白くってついなぁ」

菜々「だから嫌がるんじゃないですか?」

P「そうかな……今度から軽々しく言うのをやめて、真剣に可愛いって言う事にしよう」


菜々「そ、そういう問題じゃ……」

P「菜々、可愛いよ」 キリッ

菜々「ふぇっ? えっと、そんな、急に、でも、嬉しい……(////)」 テレテレ

P「こんな風に言ったらやっぱ嫌がられるかなー」

菜々「だ、駄目ですよ! 絶対嫌がらないと思いますけど駄目です!」

P「え、そ、そう? 嫌がらないならいいじゃん」

菜々「そういうのが駄目なんです! 事務所潰す気ですか!」

P「あ、いえ、その、す、すいません……」

菜々「分かればいいんです分かれば! さ、次行きましょう!」

P(なんで事務所が潰れるんだ…)

──────────
一旦ここまで。

>>14
うわ、亡くなってたんですね……
いつか必ずそうなるとはいえ、つらい…

>>16
ピアノマンは自分も好きなので是非やってほしいですね
書けたら書いてみます

ちょっとだけ再開して投下。

──────────

ほたる「あ、あの…すみません。次、良いですか?」

P「おっ、ほたるか。最初から来てると思ったけど遅かったな、何かあったか?」

ほたる「い、いえ…特には。電車が止まって、代わりに乗ったバスが道を間違えちゃっただけですから…」

P「そ、そうか…」

菜々「バスが道を間違えるなんてあるんですね…」

P「しかし、ちょっと意外だな、ほたるは昔の歌とか聞くんだな。何を歌ってくれるんだ?」

ほたる「あ、はい。それは…」

P「あーいや、すまん! 先に歌ってくれるか? 聞いてからがいいだろう」

ほたる「あ、は、はいっ! それじゃ、いってきます」


■白菊ほたる The Rose

 ある人は言います 愛とは川のようだと か弱い葦はその流れに押し流されるしかないと

 ある人は言います 愛とは剃刀のようだと 触れれば切り裂かれて、悲しい血の涙を流すと

 またある人はこうも言います 愛とは餓えであると それは果てのない、苦しい欲求だと

 けど私は思うんです 愛は花なんじゃないかって そして私達は一粒の種


 思うんです 傷つく事を恐れていたら ダンスを覚える事はできないし

 夢から醒める事を恐れていたら チャンスを掴む事もできないんじゃないかって


 与える事を損だと思う人は 与えて貰う事もないんじゃないかな

 死を恐れていては 生きる意味を知ることもないんじゃないかな


 夜になって、寂しい闇に包まれ 道のりがあまりに長く遠く思えても

 愛はただ、強く幸運な人だけのものじゃないかって考えてしまう時も


 思い出して 終わらない冬はないって事

 冷たい厚い雪の下にも、種達は眠っています

 春になれば、お日様の愛を注がれて いつしか花を咲かせるんです


────
──


P「…やばい、泣けてきた」 グスッ

菜々「これ、聞いた事あります。都はるみさんか誰かが歌ってませんでした?」 グスッ

P「ああ、ジブリ映画だったかな。それで使われてたな」

ほたる「あ、は、はい。私もおもひでぽろぽろで知りました」

P「おぉ、お帰り。おもひでぽろぽろなんてよく知ってるな。菜々が高校生ぐらいの時の映画なのに」

菜々「えっ、そんな最近…じゃなくて!」

P「91年の映画だからなー。あれあれ、安部さんは"高校時代"が過去の話なんですかね?」

菜々「菜々は17歳です、現役の女子高生ですからっ」

ほたる「あ、そ、そうなんですか?」

菜々「ほたるちゃんまで!?」 ガーン

ほたる「あ、いえ、そうではなくて。91年なんて、私生まれてないです…テレビで見たので」

P「まぁ、そういう経緯もあって、聞いた事はある、って人は多い曲かもしれないな」

ほたる「は、はいっ。私、前の前の事務所が潰れて、もう諦めようかなって時にこの歌を聴いて…」

P「元々は、ジャニス・ジョプリンていう実在のカリスマロックシンガーをモデルにした映画『ローズ』の主題歌なんだが」

菜々「あ、そうなんですか? それもおもひでぽろぽろみたいな話で?」

P「いや、そうではないんだが…。まぁ、モデルのジョプリン自身、派手で刹那的な外見の反面で、シャイで家族思いの人だったらしいから」

P(言葉を選んでしまった。元ネタが絡むと何と言って紹介すればいいか難しい歌だよなこれ)

ほたる「?」

P「と、ともかく! 諦めずに求め続ける事を、優しく、穏やかに諭して、励ましてくれる、本当に良い歌だよな!」

ほたる「…! はいっ! 聞くだけで、一人じゃないんだ、って力が湧いてくる、素敵な歌です。プロデューサーさんに似ています」

P「えっ、どこが…」

ほたる「えっ、あ、あの……(////)」

菜々「もー! Pさんはどうしてそうなんですか!」

ほたる「わ、私もいつか、この歌みたいに、みんなを勇気づけてあげられるようなアイドルになりたいと思いますっ。だからその、どうかこれからも宜しくお願いしますっ」 ペコッ

P「お、おう。ふつつかなPですが、こちらこそ末永くよろしくお願い致します」 ペコリ

ほたる「!! す、末永く…って……(//////)」

 タタタッ



P「あー、行っちゃった」

菜々「Pさんって、いつもあのノリでお仕事とか取ってくるんですか?」

P「え、いや、流石に事務所の子と雑談するノリではないぞ。当たり前だろ、どうしたんだ?」

菜々「いえ……修羅場製造機みたいな人だなと思って」

P「ははは、あのぐらいの冗談で修羅場になられたら、今頃この事務所は大変な事になってるって」

菜々「はぁ…もういいです。それで次は誰ですか?」


小梅「わ、私…です…」

P「おっ、小梅か。小梅もオールディーズとか聞くのか?」

小梅「ど、どうだろ…。よ、よく分からないけど……知ってる歌が、あ、あったから…」

P「おー、それで参加してくれたのか。ありがとな!」 ナデナデ

小梅「う、うん……」

菜々(小梅ちゃん、目を閉じて撫でられてる…猫みたいでかわいい)

小梅「あ、あのね、Pさん。頭よりも……」

P「ん? お、おぉ、そうだったな」 ナデナデ

小梅「ん──…」

菜々「な、な、な、何やってるんですか!?」

P「え? あ、いや…」

小梅「ふぅ…。そ、それじゃ…行ってきます…ね?」

P「おう」


菜々「……おう、じゃないですよ! お、お、女の子の喉を撫でるなんて、どういう了見ですかっ」

P「やー、小梅って猫っぽいとこあるじゃない?」

菜々「そ、それは菜々も思いましたけど…」

P「おっ、菜々も見た事あるか? 時々何もない虚空を見つめてて。ぼーっとしてるのかなと思ったら、目が何か追いかけてるんだよな」

菜々「え、そ、それは……それって…」 ゾォォ

P「ま、それでこないだ悪ふざけでちょっとやってみたら、気に入ったらしくてさ……」

菜々「……あ、始まりましたよ」

P「おー、これか。なるほどな」

菜々「あ、これは菜々でも分かります。けど、どうして"なるほど"なんですか?」

P「あー、説明は後でな」


■白坂小梅 Stand by Me

 夜になって、あたり一面…暗闇に包まれて 月の光だけ…しか見えない…ような時でも

 私は…怖くないよ あなたが近くに…いてくれるなら

 だからPさん…近くにいてね そ、そう…近くに…いてほしいの


 空が墜ちてきたって… や、山が海に転げ落ちたって

 私は大丈夫…泣いたりしないの あなたが…近くにいてくれる限り

 だからPさん…近くにいてね そ、そう…近くに…いてほしいの


 Pさんが…困っている時も 近くにいてくれる?

 私でも…力になれる事が…あ、あるはずだから……


────
──


菜々「これも、映画の主題歌ですよね?」

P「ああ、映画でリバイバルヒットしてるな。小梅も映画で知ったクチだと思う」

菜々「え、あれってホラーだったんですか? 確かにちょっと怖かったけど…」

P「いや、原作者のスティーブン・キングがホラー作家なんだよ。ミザリーなんかは日本でも有名じゃないかな」

菜々「ああ、そういう!」

P「小梅も別にホラーしか見ないわけじゃないだろうけどな。……それにしても、あの映画、好きだったなぁ」

菜々「リバー・フェニックスかわいかったですよね!」

P「クリス役か。彼の訃報を聞いて回想するところから始まるけど、リバーももう鬼籍に入ってるんだなぁ…」

菜々「この手の話題だとどうしても、もういない方の話が出てきちゃいますね…」

P「戻そう、戻そう。俺、メインの四人全員に共感しちゃうんだよね」


菜々「どの子も、身近にいそうな身近さと可哀想さがありましたよね」

P「そうなんだよなぁ。あと思春期っつーか、中二病っつーか、突っ張ったことがしてみたくて、みたいな」

P「そもそも旅のきっかけ自体そうなんだけど、ゴーディとか物静かで内向的な子がさ、なんだったかな。ええと」

P「『でけぇヤツをぶち込んでやる。その薄汚い尻に』」


小梅「…た、ただいま……」

P「お、おう! お帰り!」

小梅「お、お尻とか…爆発すれば…いいのに…」

P「ん?」

菜々「ち、違うよ!? 菜々とPさんは、映画の台詞の話をしていただけで…」

P「ああ、そうそう。小梅もスタンドバイミーを知ったのは映画がきっかけだろ?」

小梅「そ、そう…。ま、間違って借りたのが…きっかけだけど……あの映画は好き」

P「おっ。小梅には男の友情が分かるか!」

小梅「? わ、わたしも…あんな冒険、してみたい…死体を見に…。Pさん、こ、今度、ああいうの…連れていってく、下さい…」

P「」

菜々「」


小梅「で、でも……レイ・ブラワーは可哀相。だから私が…ブラワー役を…」

P「すんな!」

────

───

──

菜々「独特の感性を持った子ですよね、小梅ちゃんて…」

P「でも、いい子だろ?」

菜々「あ、はい。それは勿論っ」

P「しっかし、スタンドバイミーは名曲だけど、小梅の好みからは外れてる気がするんだよな。男の子の古い友情の歌だろ? わざわざ合わせてくれたのかなぁ」

菜々(映画の先入観なしに聞いたら、愛の歌ともとれる気がするんだけど…)

P「ま、いっか。さ、次は誰だ?」

※映画のあらすじ
 12歳の少年たちが、中学に上がる前の夏休み(アメリカは夏休み明けに学年が上がる)に死体を見に旅する話。
 レイ・ブラワーは少年たちが探し求める死体。ブルーベリーを摘みに出て、汽車にはねられたらしい。
 ゴーディは主人公で、クリスはその親友。

──────────

ここまで。

ちょっとだけ再開。

──────────




麗奈「アーッハッハッ…ゲホゲホ。次はこのレイナサマよ!」

P「おっ、麗奈か。練習してきたか?」

麗奈「とーぜんでしょ! アタシは野望の為なら努力を惜しまないのよ」

菜々「麗奈ちゃんは何を歌うんですか?」

麗奈「Badよ!」

菜々「えっ? マイケルジャクソンの?」

P「ああ。世界のスーパースター。キング・オブ・ポップのマイケルジャクソンだ」

麗奈「そうよ! そしてBadは"ワル"って意味なの。どう、アタシにピッタリでしょ!」

菜々「えっ、あっ、うーん? これ、選曲は麗奈ちゃんが?」

麗奈「違うわ。Pに選ばせたのよ。このアタシに一番相応しい曲を用意しなさいってね!」

菜々「やっぱり…」

麗奈「さ、準備するわ。そこで聞いていなさい!」



■小関麗奈 Bad

 アンタの考えなんてお見通しよ ホントの事を教えてあげるから、出てきて顔を見せなさい

 アタシの考えを教えてあげるだけだから 何も撃ち殺そうってワケじゃないわ


 いいわね?


 三つ数えるから アンタの考えを言ってみて。さもなきゃ、アタシの話を聞きなさい

 ちょっと、口の利き方には気をつけなさいよ? アンタの事はお見通しだって言ったでしょ


 いい? アタシ達に限界なんてないの 綺麗事なんかじゃないわ、本当よ

 アンタが見た事ないだけよ 今に見せてあげるから、待ってなさい


 何故かって? アタシが最強だからよ すぐに世界中が気がつくわ

 誰がホントに最強なのかって事をね



 聞いたわよ アンタ間違ってる 手遅れになる前にやめさせてやるわ

 アンタのひねくれた目に ホンモノを見せてあげる

 隠れて石を投げるようなマネはやめるのよ アンタの言葉はチープすぎるの


 いい? アタシ達に限界なんてないの 綺麗事なんかじゃないわ、本当よ

 アンタが見た事ないだけよ 今に見せてあげるから、待ってなさい


 何故かって? アタシが最強だからよ すぐに世界中が気がつくわ

 誰がホントに最強なのかって事をね



 アタシ達は未来の世界を好きに作っていけるの もっとずっといい場所にね

 アタシの話が気に入らないからって すぐ噛みついてちゃ駄目なのよ


 いい? アタシ達に限界なんてないの 綺麗事なんかじゃないわ、本当よ

 アンタが見た事ないだけよ 今に見せてあげるから、待ってなさい


 何故かって? アタシが素敵で最強だからよ すぐに世界中が気がつくわ

 誰がホントに最強なのかって事をね


────
──


菜々「うーん、やっぱりこういう内容ですよね」

P「ん、何かまずかったか?」

菜々「あ、そうじゃなくって…。麗奈ちゃんが自信満々に言うほどBadな内容だったかなぁ、って思ってたから」

P「ああ、Badって言ったら辞書にはネガティブな意味しか載ってないからな」

菜々「や、やっぱり知ってたんですか!?」

P「おう。決してお上品じゃないが、上を目指し、前向きで、まぁ口では色々言うが実は努力や苦労を厭わない。麗奈にピッタリだろ?」

菜々「う……そ、そう言われると納得するしかないですね。菜々はてっきり…」

P「キングオブポップと、Badってタイトルだけで釣ったと思ったか?」

菜々「え、その、そういうわけじゃ…あるんですけど」

P「ま、そうなんだけどね」

菜々「」


P「流石に軽く知ってはいたけど、ここまでとはなー。あ、麗奈に言うなよ? 怒られるから」

麗奈「ねぇ、P。あの歌、ホントにこのレイナサマに相応しいワルの歌なの…? 確かにI'm badって言ってるけど、なんかおかしい気が…」

P「おっ、戻ったか。おつかれ麗奈! いやー、さすが麗奈だな! 風格すら漂わせた見事なワルっぷりだったぞ!」

麗奈「え、そ、そう?」

P「ああ! もう夜空の星が輝く影で大笑いできるレベルのワルだ! ブライガーもブライシンクロンしちまうレベルのな!」

麗奈「あ……アーッハッハッ! ブラ何とかは知らないけど、アタシに掛かれば子供みたいなモンよ!」

菜々(ちょろい)

P「あぁ!? ブライガーディスってんじゃねぇよ!」

麗奈「ひっ!? あ、あの、ごめ……」

P「いいっていいって! 麗奈は最高だな! よーし、もっとすごいワルになる為に今からダンスレッスンだ! クイーンオブポップの座は麗奈を待ってる!」

麗奈「そ、そうね! それじゃ行ってくるわ! アーッハッハッ!…ゲホゲホ」


※Badは一言で言いにくいたくさんのニュアンスが含まれているので、ここでは「最強」を当ててみました。
 ヤバイとかパネェって表現の方がより近いのではないかと言う気もしますが、流石に麗奈は言わなそうだし。
 試験問題としては間違いだと思いますが、文脈としてはそう悪くないんじゃないかと。


菜々「行っちゃった…」

P「よし、次だ」

菜々「Pさん酷すぎません!?」

P「それほどでもない」

菜々「謙虚だなー。あ、で、次は?」


杏「杏だよ」

P「えっ、杏か?」

杏「何。なんかまずいの」

P「あ、いや。意外だっただけで」

杏「私も意外だよ…はぁ、帰るのがめんどくさいからって事務所で寝るんじゃなかった…」


P「また事務所で寝たのか! おま、まさか俺の仮眠用の…?」

杏「あ、うん。プロデューサーが徹夜してる間に有効利用させて頂きましたぁー。どやっ☆」

P「く、くそ…俺もまだあんまり使ってないのに…」

杏「あ、だからあんまりプロデューサーの匂いがしなかったんだ……」 ボソッ

P「匂いとか言うな! 大体みんな、女子寮が近いだろうになんだって俺の仮眠用の寝床で寝るんだ。女の子の匂いがする寝床ってなんかドキドキして寝られないんだよ!」

杏「ふ、ふーん。プロデューサーは杏の匂いでもドキドキする、の?」

P「するに決まってんだろ!」

杏「へ、へぇー。するんだ。変態だね(////)」 ニヘラッ

P「人の寝床を勝手に使うアイドルよりマシだ……どう考えたって女子寮備え付けのベッドの方が寝心地いいだろうに…いぢめですか?」 グスッ

杏「別に眠くてやってるわけじゃないと思うけど」

P「えっ、他になんかあんの?」

杏「さあね。さ、ちゃちゃっと歌って杏は帰るよ」



■双葉杏 Homeward Bound

 あー、帰りたい 心から帰りたい

 なーんにも考えなくていい我が家

 好きな音楽かけて 好きなものに囲まれて

 ゲームとかネットとか そういうものが静かに杏の帰りを待ってると思うと

 もう、帰っていい?


────
──


菜々「えっ、これで全部ですか?」

杏「ふー、歌った歌った。おつかれさまー」

P「おい」

杏「何だ」

P「サビしか歌ってねーじゃねーか! サイモン&ガーファンクルは詞が素晴らしいんだぞ!」

杏「うるさいなぁ、それじゃあプロデューサーが歌えばいいじゃん」

菜々「ここ以外はどういう歌詞なんですか?」

P「ああ、ぶっちゃけ、悪い言葉で言うとドサ回りの歌なんだ。売れないフォークシンガーが、稼ぐ為にあちこち駆けずり回って、せっかくステージに立てたって好きな歌を歌えるわけじゃない」

P「望まない歌を歌わされて、慣れないトークで笑い物にされて、他の出演者の引き立て役にされる事だってあるだろう」

P「そうやって気持ちをすり減らして、そこで杏が歌ってたサビに繋がるんだよ。アイドルに歌わせるのはちょっと可哀相だと思うけど、人間の全部が入ってる感じがしてすごく好きなんだよな」

杏(さて、この隙に戦術的撤退。プロデューサーの寝床でもう一眠りしようっと) ソソクサ


菜々「なんだかすごく分かります……。夢に向かってもがいてるはずなのに、夢に近づいている感じがなくて、消耗していく感じ…」 ジワッ

P「あー、うん。けど、菜々は夢に確実に近づいてるからな? そこは大丈夫だから、信じろ。な?」

菜々「ふふっ、分かるなら歌ってみろー、って言わないんですか?」

P「え、あ、うーん……」

菜々「さて、ちょっとセンチになっちゃったけど菜々はもう大丈夫ですっ♪ キャハッ!」

P「センチとか、いつの生まれですか安部さん」

菜々「も、もう! せっかくホントは優しいなーって思ってたのに! どーして水を差すんですか!」

P「あれ、そういえば杏は?」

菜々「あ、あれ? 帰っちゃったのかな?」

P「ぐぬぬ…。ま、いいか、本来強制じゃなくて希望者のみって話だったし」


菜々「Pさんて、杏ちゃんがいないところでは杏ちゃんに優しいですよね」

P「え、そりゃ、いないところで厳しくしようがないし。杏には随分助けてもらったし」

菜々「ふーん。ふふっ」

P「え、なに。何で俺笑われてんの?」

菜々「Pさんらしいなーって、思っただけですから。キャハッ♪」

P「解せぬ……。次だ次!」


──────────

ここまで。


ブライシンクロンするのはブライスターかブライサンダーではないだろうかとマジレスする
って書こうと思って念のため調べたら、三段変形そのものをブライシンクロンと呼ぶらしくて驚いた

ちょっと再開。

>>60
ありがとう
自分の中では物質増大プラズマシステムの基礎理論がブライシンクロン理論だと思ってたんですが、
ぐぐったらそれはシンクロン原理で、変形がブライシンクロンでした。

引き分けって事で!

──────────

亜季「サー! 自分でありますっ、サー!」

P「おっ、亜季か。亜季とは趣味が遠いから、面白い歌が聞けそうだ」

亜季「そんな事はないと思うんですけど…。プロデューサー殿も健康の為、24耐久アウトドア戦やインドア戦に参加するべきであります!」

菜々「何の話ですか?」

亜季「あぁ、そういうサバイバルゲームのイベントがあるんですよ。菜々殿も如何ですか?」

菜々「な、菜々はちょっとそういうのは…」

P「撃ち合い以前に、屈んだ姿勢で一日中山野を駆けずり回るとか、菜々じゃなくても体力もたんわ!」

亜季「むぅ、残念であります…。上京して知りましたが、千葉にもいいフィールドがたくさんあるんですよ」

菜々「な、な、なんで千葉なのかなーっ。千葉はウサミン星から遠いですからねー。残念ですっ☆」

亜季「プロデューサー殿はせめてランニングぐらいはしないと、まだお若いのに体型が…」


P「や、やめて! お腹のあたりを覗き込まないで! あと前屈みにならないで! 俺も前屈みになっちゃう!」

菜々「うわ……」

亜季「さて、今回はプロデューサー殿が楽しくランニング出来るような曲を選んできました」

P「へ、へぇー。珍しいな、どんな曲だろ」

亜季「それでは早速、準備に入らせて頂くでありますっ!」 ビシッ



菜々「あれ、前奏始まらない?」

P「アカペラなのかな。……いや待てよ、亜季が選ぶランニング用の歌って、まさか…!」 ガタッ



■大和亜季 Running Cadence (from Full Metal Jacket)

 とーちゃんかーちゃん ベッドでイチャイチャ

 かーちゃん寝転び 言うことにゃ……


P「うおぉい! やめて! アイドルがそんな下ネタソング歌わないで!」

亜季「きゃっ!? な、なんでありますかプロデューサー殿っ」

P「意味分かって歌ってたのか!?」

亜季「いえ、分からないでありますっ! どのような内容なんですか?」

菜々「あ、菜々も気になります。ジョギングに丁度良いテンポの歌でしたね」

P「この歌はだなぁ……」

菜々「この歌は?」

亜季「なんでありましょう?」

P「こ、この歌は、ええと……」 モジモジ


P「えーと、その、あれだ。具体的な説明は避けるが、下品な下ネタに不謹慎ネタ満載で、兵士の訓練でランニングする時、かけ声代わりに歌わせる歌なんだよ」

菜々「え、そ、そうなんですか?」

亜季「そ、そうだったんですか…(////) でも、どうしてそんな歌を歌わせるんでしょう」

菜々「そうですよ、それこそイジメみたいじゃないですか」

P「あー、まぁ、それに関してなんだが。そもそも新兵の訓練て、えらく厳しいそうだよ。ただ技術を覚えて、体を鍛える以上の事をするらしい」

菜々「そうなんですか?」

P「ああ。あの歌もその一環として存在するもので、決してリー・アーメイが下ネタ好きだからってわけじゃない、と…思う」

菜々「りー…?」

亜季「先ほどの歌が出てきた映画で、新兵を鍛える教官を演じた俳優であります。というか、演技指導で入った本物の元軍曹が抜擢されてしまったとか」

P「まぁ、あれだよ。戦争なんていう異常な環境で働く技術を身に着ける為には、傍から見たら異常な訓練方法が必要だった、って事だよ」


亜季「映画の舞台は、ベトナム戦争の真っ最中でしたからね」

菜々「ふむふむ?」

P「まぁ、是非の話には踏み込まないよ。ただ、あの歌も、意味があって、役目を持って生まれてきた物なんだろう、ってだけで」

亜季「部外者の私達が面白半分に歌う物ではない、という事でありますね」

P「ああ。アイドルには、アイドルとして歌う歌が別にあるんだ。まぁ、この企画自体まだ悪ふざけの域だから、目くじら立てる事ではないんだが…」

亜季「いえっ! 意味を教えて頂き大変参考になりました! 今後はランニング中に歌うのは控えるでありますっ」

菜々「歌ってたのかよ!!」



P「はぁ……なんか堅い話をして疲れたな」

菜々「…けど、菜々ふと思ったんですけど、Pさんあの歌時々口ずさんでませんでした?」

P「ああ、バカっぽくて実は大好き」

菜々「うわ台無しだ…」

P「さ、さーて、次は誰かなー、っと?」




未央「次は私たち三人だよっ!」 ギュッ

P「うおっ!? 三人?」

卯月「はいっ! ニュージェネレーションの三人で参加しますっ」

凛「…そういう事みたいだけど、よろしくね」

未央「みたいとか言ってさー、プロデューサー、ここだけの話、ニュージェネで組んだの、しぶりんが発起人だからね?」 ヒソヒソ

凛「…未央。重そうだから、プロデューサーから離れなよ」

未央「えーっ、重くないよねー。ね、プロデューサー?」

P「いや、重い。降りなさい」

未央「ひどい!? もう、登っちゃうもんね!」 ノボリッ

卯月「いいなぁ! じゃ、わたしも♪」 ノボリッ

P「お前もか卯月!?」


菜々「等身大だっこちゃん…」

P「えっ、なんですか安部さん? また何かやらかしてますか?」

菜々「え、あっ、やらかしてません! コアラみたいって言ったんです!」

凛「ちょ、ちょっと…! 二人とも…!」

未央「しぶりんも登ろうぜぇー」

卯月「おちつくー♪」

P「助けてしぶりん!」

凛「しぶりん言うな」

未央「はぁー、ホント落ち着くねうづきん!」 スリスリ

卯月「うんうん♪ アイドル始めたばっかりを思い出すねー」 スリスリ

凛「…………」 イラッ


P「ぐぬぬ……」 プルプル

凛「…私も登る」

P「ちょ!?」

未央「かもーん☆」

卯月「かもーん♪」

 シブノボリッ

菜々(腰掛けたプロデューサーに女の子が三人よじ登ってしがみついてる……。すごい構図)

────

───

──


P「ふう、酷い目にあった」

菜々「そんな事言って、全然抵抗してませんでしたよね?」

P「あー、まぁ、そりゃね。最近あんまり相手してやれなかったからな」

菜々「最近は三人とも忙しそうですしね」

P「ああ。俺が業界入って最初に担当したような連中でさ、ぺーぺーだったし、ずっと一緒にいたなぁ」

菜々「あ、見てると何だか分かります。あの三人と、羨ましいぐらい仲が良いですよね」

P「あー、プロデュースしたって言うより、一緒に大きくなった感じだからなぁ。一緒に怒られたり、移動が間に合わないって駆けずり回ったりしてさ」

P「今じゃとても考えられないけど、地方のイベントで強行軍して、車中泊で雑魚寝なんて事もあったなぁ」

菜々「……」

P「菜々、なんか大人しかったけどどうしたんだ?」

菜々「え? あ、あぁ、いえ。さすがに若い子に囲まれると圧倒されちゃって…」

P「安部さん、卯月は同い年ですよね?」

菜々「あっ、キャ、キャハッ♪」




■ニュージェネレーション(島村卯月・渋谷凛・本田未央) Let Me Be There

 どこだって、あなたの行くところ

 そこに私達も連れて行って欲しいの

 あなたの手を握って、あなたを助けてあげる

 ついて行って、全部見守ってあげる


 朝も夜も、そばにいさせて

 どんな事が起こっても、一緒なら楽しくなれるよ

 私達だけのワンダーランドに連れて行ってあげたいな

 だから願いはただ一つ


 そばにいさせて?


 一緒に大きくなって 一緒にここまで来たよね

 これからもずっと一緒がいいな

 助けが必要? ここにいるよ!

 私達が必要? すぐに飛んでいくよ!


 朝も夜も、そばにいさせて

 どんな事が起こっても、一緒なら楽しくなれるよ

 私達だけのワンダーランドに連れて行ってあげる

 だから願いはただ一つ


 そばにいさせて?


────
──


菜々「可愛い曲ですねー。これって、どういう歌なんですか?」

P「あー、バックグラウンドはよく知らないんで、単なる歌詞の解釈になっちゃうんだけど」

菜々「あ、それでいいです。聞きたいです」

P「文字通り、傍にいさせてくれ、って内容の歌だよな」

P「最初の方だとどうとでも取れるけど、成長して人生の中で変わっていく様をうんぬんて出てくるから、家族やペットというすごく近しい存在、あるいはそうなりたい相手に贈る歌ってイメージ」

菜々「ふむふむ。曲の明るさと合わせると、子供に懐かれるような感じもしますね」

P「あー、そういう脳天気さはあるな。けど、言ってる事重すぎだろ……人生を一緒に歩んでくれ、って内容にも取れるぞこれ」

菜々「あはは、子供ってそう言うとこあるじゃないですか…って。Pさん、実はこの歌大好きです?」

P「え、な、なんで分かったの? オリビア・ニュートンジョンの歌は大体好きだけど、これともう一曲は特に好きかな」

菜々「やっぱり……。なんか解説に含みがあるから」

P「そ、そうかな……いや、そんなはずは…マジで…?」

菜々「自覚なかったんですね…」


未央「ふいー、歌った歌った」

P「おーう、おつかれ」

卯月「初めての洋楽だから、頑張りましたっ」

P「おう、よかったぞ。ところで今回の選曲は相談して決めたのか?」

凛「そうかな」

未央「えっ」

卯月「えっ」

P「えっ?」

菜々「ち、違うの?」

未央「しぶりんの発案だよね?」

凛「み、未央!」 アセッ

卯月「うん。勿論三人で相談して、これがいい、ってなりましたけど、提案してくれたのは凛ちゃんですっ」


P「そっか。まぁ、他の曲と一緒に掛けてたから、記憶に残っててもおかしくないし、偶然か」

卯月「? 何がですか?」

菜々「今の曲、Pさんが大好きな歌なんですよ~」

P「うっ、そう紹介されると恥ずかしいな……」

未央「あ、知ってるよ! すごい倍率高かったって」

P「ば、倍率?」

卯月「プロデューサーさんの好きな曲リストの上位を歌いたいって子は大勢いたんだけど、凛ちゃんが頑張って抽選に勝ち抜いてくれたんですっ」

凛「ちょ、ちょっと…!」

P「そんなもんが流出してたのか……」

未央「まーいいではないかプロデューサー君っ♪」

卯月「私達もこの歌、大好きになりましたし!」

P「ま、いいけど…。好きな歌を誰かが好きになってくれるのは単純に嬉しいし」


卯月「それだけじゃないですよっ」

未央「ねー♪」

卯月「ねー♪」

凛「…なんでこっち見ながら言うの?」

未央「詳しくは、歌詞を参照、って事で!」

卯月「みんな同じ気持ちですからっ♪」

凛「…そう、なのかな? とにかく、そういう事だから」

凛「それじゃ」

────

───

──


P「まったく、失礼な奴らだなあいつら…」

菜々「…えっ?」

P「いつまでも半人前じゃないっての。あいつらと同じように、俺だって成長してるんだから」

P「あいつらはあいつらで輝いて、俺は俺でそれを支える、それが出来るんだよ。昔みたいにべったりで、助けてあげようか?なんて…」

菜々「そ、そういう意味であの選曲をした…のかな?」

P「ま、あいつらなりに恩返しのつもりなんだろうし、悪い気はしないけどさ」

菜々(純粋に、ずっともっと傍にいたい、って事だと思うんだけどなー)

菜々「Pさんって……スカウトする目は確かだけど、他は本当に節穴ですよね」

P「え、またそれ!? なんなの、いぢめ? プロデューサーいぢめですか?」

菜々「また乃々ちゃんの真似ですか…。正直似てないんですけど…」

P「く、くそ、ウサミン星人が俺に厳しい…」

──────────

ここまで。

黒川さんまでなかなか辿り着かないな……

ちょっと再開。

そういえばぐぐってみて、じゃなくてつべのURL貼った方が分かりやすいんじゃないかと思いました。

■(They Long to Be) Close to You
ttp://www.youtube.com/watch?v=AqgBhVi-8Yg

※イメージしたのはこっち
ttp://www.youtube.com/watch?v=LNZJMYYaVE0


■La vie en rose
ttp://www.youtube.com/watch?v=8IJzYAda1wA

※志乃さんが歌うとこんな感じかなぁと小野リサVer.
ttp://www.youtube.com/watch?v=pGHRcuPtURE


■Saving All My Love For You
ttp://www.youtube.com/watch?v=etxwK9XtPBI


■We'll Be Together
ttp://www.youtube.com/watch?v=KYps5LfOaGg


■Daddy, Brother, Lover, Little Boy
ttp://www.youtube.com/watch?v=OD-C-oS--xQ


■The Rose
ttp://www.youtube.com/watch?v=CB4EgdpYlnk


■Stand by Me
ttp://www.youtube.com/watch?v=Vbg7YoXiKn0

※小梅の歌ったのはなんとなく自分の中では、レノン版に近い若々しいイメージ。
ttp://www.youtube.com/watch?v=aF30MGX0siU


■Bad
ttp://www.youtube.com/watch?v=dsUXAEzaC3Q


■Homeward Bound(杏が歌ったのはサビの部分だけ)
ttp://www.youtube.com/watch?v=7z9wd9bS1FM


■Running Cadence (from Full Metal Jacket)
ttp://www.youtube.com/watch?v=ZJNQZ_fot0A
※ロレンスの虐められるシーン込み。


■Let Me Be There
ttp://www.youtube.com/watch?v=I89lfJsW3bE
※地味にバックコーラスがいい味出してるんだけど、こういうのはなんとなく未央が自分から引き受けちゃうイメージ。

──────────


 ガチャッ

加蓮「おはようございまーす。…何やってるの?」

P「おっ、次は加蓮に奈緒か」

奈緒「…うス」

菜々「二人は何を歌うんですか?」

加蓮「あ、一緒に来ただけで、歌うのは別々だよ」

P「え、そうなのか」

奈緒「アタシとしてはむしろ、凛も入れて三人の方がよかったんだけど…」

加蓮「そういうわけにもいかない問題じゃない? 三人で気持ちを一つにするような事じゃないもの」

P「え、いや、全然話が見えないんだが…」

加蓮「とにかく、そう言う事だから。準備するねっ♪」




菜々「あ、なんだかのどかな出だしですね」

P「ん、これはまた有名なタイトルが来たな」




■北条加蓮 When I'm Sixty Four
ttp://www.youtube.com/watch?v=fDt26gJYVB4

 ずーっと未来の話ね

 私が歳を取って 髪が真っ白になっても

 クリスマスや、誕生日には、あなたはカードや花束をくれるかな?

 私が変な事をしたら 叱ったり怒ったりしてくれる?


 私を必要として、大事にし続けてくれるかな? 私が64歳になっても


 Pさんだって歳を取るよね

 ずっと一緒にいてあげられるんだけどな もしもあなたが、そう言ってくれればね


 私だってその頃には家事だってこなせるよ、多分

 Pさんは庭いじりをして わたしはそれを見ながら編み物なんかして

 日曜日には朝からドライブにいくの 素敵だと思わない?


 夏にはコテージを借りて、孫たちを呼ぼうよ

 名前は凛花に須奈緒なんてどうかな? 孫たちの為にも、節約してお金貯めないとね


 どうかな? 率直な気持ちを、一筆認めてよ 拝啓敬具とか社交辞令はナシで

 Pさんの答えを聞かせて 永遠に私のものになってくれる?

 私を必要として、大事にし続けてくれるかな? 私が64歳になっても


────
──



加蓮「ふう…。ねね、どうだった?」

P「おう、良かったぞ。意外な選曲だったけど、ああいう方向もアリだなぁ」

加蓮「そういう事じゃなくてさぁ」 モジモジ

P「トライアドプリムスに一人加えて、ビートルズのカバーアルバムか。面白そうだ……最後の一人は誰に…いや、いっそポール本人に依頼したら意外と快く応じてくれるかも…?」 ブツブツ

加蓮「むーっ」

 ゲシッ

P「いてっ。な、なんだよ加蓮。今ちょっと考え事してるから蹴らないで…」

 ゲシッ ゲシッ

P「痛い、痛いよ。なんなんだ急に…」



菜々(あの二人、いつもああなんですか?) ヒソヒソ

奈緒(あー、うん。わりとそうかも) ヒソヒソ

菜々(奈緒ちゃんが止めてるの? 大変ですねー) ヒソヒソ

奈緒(いや、いつもは大体凛が。凛が張り合っちゃって、もっと収拾つかなくなったらあたしが入るけど…) ヒソヒソ

菜々(あぁ……。本当に大変ですね…) ヒソヒソ

P「なにひそひそ話してるんだ、助けてくれよ!」

菜々「(無視) 奈緒ちゃん、そろそろ用意して貰って良いですか?」

奈緒「(無視) うん、それじゃ行ってくる」

P「菜々ぁ、奈緒ぉ~(涙)」



P「全く……これは職場におけるイジメですよ」

菜々「どう考えてもPさんが悪いですっ」

加蓮「わりと許されないレベルでPさんが悪いよね」

P「ひどいわ……あれ、これは聞いた事ない出だしだな。奈緒は何を歌うって?」

加蓮「MAGICって曲らしいけど」

P「あぁ、オリビアニュートンジョンか。え、いや……こんなアレンジ聞いた事ないぞ…?」

菜々「あ、前奏終わりますよ。まずは聞いて見ましょう」



■神谷奈緒 MAGIC
ttp://www.youtube.com/watch?v=N2c2g3y2Uwc

 来ないでくれよ 今夜たまたま寂しかっただけなんだろ? 寂しさも、あなたに取ってはゲームの一部なんだな

 あなたの人生で、あなたは一つ学ばないといけない 受ける事と与える事は、表裏一体だってこと


 だから…だからさ、分かってくれよ 刹那の情事なら欲しくないんだ


 あたしは駆け引きなんかしたくない あなたを抱きしめて掛ける魔法が欲しいんだよ

 それは一夜の恋より大切なもの あたしが欲しいのは あなたに触れたとき掛かる魔法なんだ


 これ以上、虚しい恋物語であたしの時間を浪費させないでくれ

 時間を無駄にするのはもうたくさん もっとマシな何かを見つけられないとしても、その時は家に引き籠もってる方がまだマシなんだよ




 愛してる あなたの事、こんなにも愛してる だけど、こうする他ないんだよ


 あたしは駆け引きなんかしたくない あなたを抱きしめて掛ける魔法が欲しいんだよ

 それは一夜の恋より大切なもの あたしが欲しいのは あなたに触れたとき掛かる魔法なんだ


 あたしの心に触れてみてよ 全てを共有するぐらい深く きっかけに、魔法が必要なんだ

 いつしかあなたが あたしを愛するようになったら 魔法は役目を終えて あたし達を止めるものは何もなくなる


 だからそう、あたしは駆け引きなんかしたくない あなたを抱きしめて掛ける魔法が欲しいんだよ

 それは一夜の恋より大切なもの あたしが欲しいのは あなたに触れたとき掛かる魔法なんだ


────
──



奈緒「……うす」

P「おお、お帰り。よかったぞ!」 ナデナデ

奈緒「な、撫でんな!(////)」 バシッ

加蓮「むー…」

加蓮「Pさんて奈緒は撫でたがるよね。私の時は撫でなかったのに」

P「え、あぁ、そうかも? 嫌だったか、ごめんな?」

奈緒「べ、別に……どうでもいいけど(////)」

P「ところで、さっきの歌なんなんだ? 80sポップっぽいなとは思ったんだが」

奈緒「80じゃなくて、0083な」

P「は? だぶるおー…って、え、これアニソン!?」


加蓮「アニメのエンディングだよね。奈緒の部屋に遊びに行った時見せられた気がする」

奈緒「わ、悪いかよっ! 懐かしくて洋楽なんだからいいだろ!」

菜々「機動戦士ガンダムのOVAシリーズですよね」

加蓮「あ、そうそう。ガンダム。なんだか難しい話だった」

奈緒「なんでだよ!? 0083は超熱くて分かりやすいだろ!」

P「どうどう、落ち着け奈緒」 ナデナデ

奈緒「だ、だから撫でんなっつってんだろ!(////)」 バシッ

P「おっとすまんすまん。しかし、ノーチェックだったなぁ。アニメはそこそこ見てるつもりだったんだが」

奈緒「ていうか、Pさんも0080は分かったんだろ? あっちの方がマイナーだと思うけど」

P「ん? ああいや、俺が分かるのは80sポップスなんだ。厳密な定義はあるのかどうかもよく知らないけど、概ね80年代に流行った洋楽ポップス、ぐらいに思ってくれ」

奈緒「なんだ、そうなのか……」


P「だが今のを聞いて俄然興味が出てきたな。奈緒、俺にも見せてくれるか?」

奈緒「ほ、ホントにっ!?」 パァァ

P「おう」

奈緒「い、いつ見る? あと、どこで見る? 折角なら良い画面で見たいよな…折角BDで揃えたんだし…」

P「お、おう…?」

奈緒「確かPさん、大きいテレビ買ったって言ってたよな。せっかくならそこがいいかな……そうなると0083だけじゃ勿体ないから…」

P「あ、あの、奈緒さん?」

奈緒「あ…BD再生出来なかったり?」

P「い、いや、出来るけどさ。使う機会がないだけで、無駄にAV機器は一通りあるよ…けど」

奈緒「じゃあ問題ないよなっ。一気見もいいけど、折角ならちゃんと見て欲しいから、一晩じゃ足りないよな」


P「あ、あのさ、俺、そこまで分かんないから…」

奈緒「大丈夫だって! あれは見やすい作品だし、あたしが横で説明するから。あ、でも合わなかった時の為に他に何枚か持っていく?」

P「いや、ていうかさ。お前、俺の部屋に通う気なの?」

奈緒「連日は難しいか。なら休みの全日から合宿しかないかなー」

P「えっ、と、泊まる気なの!?」

奈緒「じゃ、あたしライブラリから厳選する作業に入るから、日程の調整よろしくな!」

P「ちょ、な、奈緒さーん!?」



P「…………」

菜々「菜々、好きな物の話をしてるとああいう風に暴走しちゃう人、以前よく見ました」

P「は? え? いや、あいつマジで俺んちに泊まりがけでBD見に来るの?」

菜々「アニメの話が出来る人、欲しかったんじゃないですか?」

P「いや、だからっていきなり男の家に来るか? いやまぁ、アニメ見るぐらい良い…か…? いや、駄目だよな、アイドルだぞ」

加蓮「男の家なら奈緒も行かないと思う。プロデューサーの家だからでしょ」

P「え、いや、どういう理屈…」

加蓮「私も行くから」

P「いや、冗談じゃない。奈緒には断るから、加蓮も来ちゃ駄目だ。どうしても上映会がしたかったら事務所で…」


加蓮「…もしもし、今平気? Pさんの家でアニメの鑑賞会やるから。え、日程はまだ。うん、うん。分かった、伝えとく。それじゃね」 ピッ

P「いきなり広めるなよ!?」

加蓮「大丈夫だよ、凛だから。ニュージェネも全員参加するって」

P「」

加蓮「スケジュールの調整はお願いね。それじゃ」

P「」




P「いやいやいや、駄目だろ絶対……」

菜々「Pさんが贔屓するから、加蓮ちゃん怒っちゃったんですよ…」

P「え、贔屓? あー、そうか、そうかもしれないなぁ」

菜々「前は加蓮ちゃんにつきっきりだったけど、最近は逆に加蓮ちゃんに距離取ってません?」

P「うーん、加蓮は体力的な問題もあったからなぁ…。元気になってからはなんだか圧倒されちゃってさ」

菜々「(加蓮ちゃんだいぶ攻めてますもんね)…奈緒ちゃんの方は?」

P「奈緒は手の掛からない子なんだが、もっと自分は可愛いんだって自信持って欲しいからさ。そういう扱いを心がけてるつもりなんだが、あいつ菜々とは別の意味でいじられ上手でさ…」

菜々「菜々はいじられ上手じゃないですっ! けど、そういう事ならPさんの身から出た錆って事ですよね…諦めて上映会やるしかないんじゃないですか?」

P「はぁ……仕方ない、部屋は開放して、その日はどっかでアリバイ作ってよう…。大きいモニタで上映会したいからってアイドル達に閉め出されちゃったよwwwwwって形にすれば、まだ…」

菜々「世間は認めても、あの子達は認めないと思いますけど……」

菜々(駆け引きなんかしたくない……か。でも一番大きな譲歩を引き出しましたね…奈緒ちゃん、恐ろしい子…!)

P「あーもう! それについては後で考える事にしよう…」


──────────

ここまで。

投下が書き溜めてた分に追いついたので、ペースダウンします。
ダウンしなかったら仕事しろよって心配してやってください。

再開。



──────────




 コンコン

奏「Pさん? 来たわ」

P「おっ、奏か。ちゃんと選曲したか?」

奏「もう…心配性ね。ちゃんと選んだわ、ちゃんとね」

菜々「?」

P「フィジカルは駄目だぞ、ああいうのは」

菜々「フィジカル(物理的)…?」

奏「分かってるわよ、一度聞けば分かるわ。それじゃ、準備するわね」

P「……」




 コンコン

奏「Pさん? 来たわ」

P「おっ、奏か。ちゃんと選曲したか?」

奏「もう…心配性ね。ちゃんと選んだわ、ちゃんとね」

菜々「?」

P「フィジカルは駄目だぞ、ああいうのは」

菜々「フィジカル(物理的)…?」

奏「分かってるわよ、一度聞けば分かるわ。それじゃ、準備するわね」

P「……」




──────────

うわ重複してしまった……

>>100はスルーで。

──────────



──────────

うわ重複してしまった……

>>100はスルーで。

──────────


菜々「あの、Pさん。フィジカルって?」

P「え、ああ。オリビアニュートンジョンのナンバーなんだけど」

菜々「ああ、ひょっとしてさっきPさんが言ってたもう一曲って」

P「違うよ! まぁ、歌自体は結構好きなんだが、内容が内容なんで遠慮して貰ったんだ」

菜々「何かまずいんですか?」

P「えーっとその、あれだ。心のつきあいは充分したから、今度は体のおつきあいをしましょ、って内容の歌なんだよ」

菜々「だ、だからフィジカル(肉体的)……それは菜々も聞くのが恥ずかしいかも、です…(////)」 カァァ

P「お遊び半分とはいえ、流石にちょっとな」

菜々「そ、そうですね…。あ、前奏始まった。なんだか爽やかな出だしですね」

P「あいつ…!」 ガタッ



■速水奏 Kiss Me
ttp://www.youtube.com/watch?v=3YcNzHOBmk8

 大麦畑でキスして 夜、青い草陰で

 踊ろう、踊ろう くるくる回ってステップを踏むの

 あなたはあの靴を履いてきて 私はあのドレスを着るわね


 柔らかな黄昏の中でキスして 月明かりの下に連れ出して

 あなたが手を上げると バンドが演奏を始めて、ホタル達が舞い踊るの


 月が輝いてるわ だからキスして?


 古いツリーハウスでキスして ブランコに乗った私を揺らしてね

 花の帽子を持ってきて

 あなたのお父さんが印を付けた地図を、二人で辿ってみましょ


 柔らかな黄昏の中でキスして 月明かりの下に連れ出して

 あなたが手を上げると バンドが演奏を始めて、ホタル達が舞い踊るの


 月が輝いてるわ だからキスして?



────
──




奏「ただいま。どう?」

菜々「素敵でしたよー♪」

P「それは認めるが…」

奏「なぁに? まだ何か不満なの? 私としては、フィジカルも良かったんだけど」

P「あれは駄目だ! ああいうのは内容を教えずに美波あたりに歌わせるのがいいんだ」

菜々(うわ最低だこの人…)

奏「もう。こんな時、別の女の話をするのはマナー違反じゃない?」 ニコッ

P「か、からかうなよ!」

奏「ふふっ、Pさん可愛い!」

菜々(Pさんが手玉に取られてる……こうすればいいのね。奏ちゃん、年下だけど、参考にさせてもらいますっ)


奏「それじゃ、そろそろ行くわね」

P「あ、もう行くのか?」

奏「ええ。学校の方で用事があるから。…寂しい?」

P「寂しくねぇし。それじゃ気をつけてな」

奏「……」 ズイッ

P「な、なんだ?」

 チュッ

菜々「!?」

菜々(き、き、キスした!? 頬にだけど!)

奏「楽しんでるのは確かだけど、それだけじゃないのよ? 今のが証拠。それじゃまたね」 ペロリ




P「…………」

菜々「…………」

P「ま、まったく困ったヤツだな…学校でも挨拶代わりにやったりしてないだろうな(////)」 サスリサスリ

菜々「奏ちゃん、学校では真面目な子で通ってるらしいですよ?」

P「そ、そうか。うむ、それならいいんだ。父さん安心だ」

菜々「…………」

P「…………」

菜々「Pさん、顔真っ赤ですよ?」

P「は!? ぜ、全然真っ赤じゃねーし! むしろ心配で真っ青だし!(////)」

菜々「動揺しすぎですよ……」




 ガチャッ

芽衣子「おはよープロデューサー!」

P「お、おう。次は芽衣子か」

芽衣子「? どしたのプロデューサー、顔赤いよ?」

P「あ、ああいや、何でもないんだ。それよりオフは旅行じゃなかったのか?」

芽衣子「そうだよ? もう、プロデューサーと都合が合えば二人で海外~、って決めてたのになー」

菜々(二人で!?)

P「ああ、国内にしたのか?」

芽衣子「うんっ。海外は次の楽しみって事にして、ちょっと地元に顔出してきたの」

P「芽衣子は身軽だなぁ」


芽衣子「プロデューサーほどではないと思うけどね? でも、旅も良いけど、久しぶりの地元もよかったなぁ」

P「和歌山か、楓さんと一緒だっけ」

芽衣子「うんっ。今度おいでよ、案内してあげる! 宿ならうちを使えばいいし」

P「お、いいな。暇が出来たら是非お願いするよ」

芽衣子「うんうんっ! 両親も会いたがってたよ!」

菜々(こ、この流れ……!?)

P「そうだなぁ、お世話になってるアイドルのご両親には、もっと折を見て報告を兼ねたご挨拶に伺わないといけないよな」

芽衣子「……う、うんっ! そうだよ!」

菜々(安定のPさんでした…)

芽衣子「えっと、それじゃそろそろ行ってくるね」

P「おう。何歌うんだ?」

芽衣子「えへへ。それは聞いてのお楽しみ♪」



菜々「Pさんて、芽衣子ちゃ…芽衣子さんと旅行に行く約束してるんですか?」

P「ん? おぉ、まぁ、約束ってほどではないけどね。よくあるだろ、時間が出来たら温泉でも行ってゆっくりしよう、みたいな」

菜々「ああ……。永遠に来ない"そのうち"ってやつですか」

P「人聞きの悪い言い方するなよ…ちゃんと約束した相手とはみんなちゃんと行くよ。いつかは分からないけど」

菜々「そういうのを永遠に来ない"そのうち"と…って、みんな?」

P「ああ。他にはえーっと、楓さんとは温泉に行こうって話してて、巴や沙織も地元に呼びたがってたなぁ。まぁ、ちゃんとした約束ではないけど、こういう話は色んな人とわりとしてるかも」

菜々「な、菜々は!? 菜々はされてませんよっ」

P「だって菜々はこの手の話はウサミン星がーって逃げるじゃんよ…」

菜々「な、なんという事でしょう……。あ、あのですね、Pさん。実はですね、菜々のおうちは…」

P「お、始まった。おー、これは意外なような、芽衣子らしいような面白い選曲だなぁ」

菜々「も、もぉー!」




■並木芽衣子 Touring
ttp://www.youtube.com/watch?v=YlW9Vo8yHzM

 ロンドンにも行ったし、ロサンゼルスにも行ったよ

 スペイン、ニュージーランド、アメリカ、ヨーロッパ、日本、パゴパゴ島

 カナダやタイにも行ったし、オズやカモト諸島にだって行ったよ!


 ファンのみんなは遠くから来てくれる 日が沈んだら、パーティの始まりよ!

 旅先の宿が我が家みたいになっちゃってるのはまぁ、確かだけどね


 ロックンロールは生きてるわ 何故って、私達に力をくれるじゃない?

 ハイウェイを500マイル、一時間でぶっ飛ばそう

 ツアーバスを満タンにしたら そう、文字通りぶっ飛ばそう 道中の暇つぶしも用意して


 行くよ ロックンロール! みんな、ついてきて!

 行くよ ロックンロール! みんな、ついてきて!


 ツアー ツアーよ 退屈なんてとんでもない

 ツアー ツアーよ 退屈なんてするヒマない

 そう、ツアーだよ お気に入りの彼と一緒に、世界中をツアーで回るの




 大きな世界をあちこち回って 大勢のファンに会ったわ

 カモト諸島からロカウェイビーチ つらくなんてないよ 遠くもないの


 アメリカの女の子はすごいよ イカした車に 冷えたビール そしてロックンロール

 あ、和歌山の女の子もすごいからね? 覚えてて


 行こう 行こうよ メキシコまで500マイル

 行こう 行こうよ 東京まで200マイル

 さあ、行こう!


 夜通し飛ばそう 夜明けまで一直線 夜通し飛ばそう ああ、血が騒ぐ

 ツアーを続けよう 世界中を回るの



────
──



芽衣子「ふー、歌ったー!」

P「おう、おつかれ」

菜々「いかにもロックな歌詞ですねー」

P「芽衣子はラモーンズなんて聞くんだな」

芽衣子「わりとなんでも聞くから。好きだけど、特別好きって訳でもないかなー。この歌は大好きだけどねっ」

P「ツアーの歌だから?」

芽衣子「うんっ。旅行の前の日とか、テンション上がってずっと口ずさんでたりする!」

P「あー…なんか納得」

菜々「菜々も納得しました」


芽衣子「まあでも、最近はそんなに急いで回る事もないかなーって思わなくもないんだけどね。移動の間も、楽しかったりするじゃない?」

P「ふーん、そういうもんなのか」

芽衣子「どこに行くかも大事だけど、誰と行くかも大事だって気づいたの!」

P「ああ、ツアーで(みんなと)一緒に移動するのは楽しかったりもするな」

芽衣子「でしょでしょ? ま、誰かさんは仕事しっぱなしで私の事ほったらかしだったりするんですけどー」

P「あ、あれは仕方なかったりするんだよ……」

芽衣子「うそうそ、頑張ってるプロデューサーには感謝してますっ。それじゃ寄り道しながら帰るから、そろそろ帰るねっ」

P「ああ、気をつけてな。おつかれー」

芽衣子「あ、地元に一緒に行く話、ちゃんと進めといてよね。それじゃおつかれさまー!」




P「はー、癒されたなー」

菜々「えっ?」

P「やぁ、下ネタソングを慌てて止めて、ニュージェネ三人に登られて、加蓮に蹴られて、なんか上映会やらされそうになって、奏にからかわれて、って流れだったからさ」

菜々「はぁ…」

菜々(両親に会わせたいから地元に呼ぶって言うのは、癒しなんでしょうか…)

P「それにしても、こうなんて言うんだろうなー」

菜々「? どうしました?」

P「いや…。うーん……人に言うなよ?」

菜々「は、はい……なんですか」

P「錯覚だと分かっちゃいるんだが、迫られてるんじゃないかって気がしてドキッとする事がわりとあるんだよな……加蓮とか奏とか、特にさぁ」


菜々「は、はいぃ!?」

P「わ、分かってはいるんだってば、信頼とか親しみの意思表示を、そう錯覚してるだけだって! そんなビックリするなよ……」

菜々「はぁ……。びっくりしているというか、呆れていると言うか…みんな可哀相というか…」

P「か、可哀相とか言うな! 芽衣子もさ、良い物は共有したい、って子だから他意なく言ってくれてるんだよなぁ」

P「でも、ホントは旅行に誘うとか地元に招くとか、勘違いする奴がいてもおかしくないよなぁ…。よそで言って危ない目にあったりしなければいいが」

菜々「(溜息) 芽衣子ちゃんはそのあたり踏まえてると思いますよー」

P「ならいいが……あ、か、勘違い男とかって思われて距離置かれたら仕事に支障が出るから、絶対言わないでくれよ……?」

菜々「言いませんっていうか、言えませんけど…」

P「言うなよ? 絶対言わないでくれよ? フリじゃないからな?」

菜々「言いませんってば!」



──────────

ここまで。

一週間もかかってしまった…。
ちょっとだけ投下。


──────────



千秋「外まで聞こえるわよ。言う言わないって、一体なんの話?」

P「お、おう。千秋か。何でもないんだよ、うん」

千秋「そう」 チラッ

菜々 ビクッ

千秋「あまり女性をからかうものではないわ。貴方の株を下げるだけよ」

P「お、おう……胆に銘じます…」

千秋「それで、何の話をしていたの?」

P「い、いや、大した話じゃないんだ!」

千秋「そう……話せないような事なのね」

P「そ、そういう訳ではないんだが…。俺がつい、失敗談をぶっちゃけちゃってさ、情けないから人には言わないでくれ、って話をしてただけなんだ」

菜々「そ、そうなんですっ」

菜々(一番言えないのは、Pさんがそう思い込んでる事なんですけど…)


千秋「…………」

千秋「まあ、いいわ。それで、来てみたんだけど、歌えばいいの?」

P「ん、あぁ。悪いな、千秋。こんなお遊びの企画につきあって貰って」

千秋「貴方が言うのだから、私は従うわ」

P「え、いや、それは…」

千秋「それだけ貴方を買っているという事よ。失望させるような事はしないでくれるわね」 プイッ

P「……」




菜々「…千秋さんて、いつもあんな感じなんですか?」

P「い、いや。照れ屋なんだよ、誰かがいる時はああいうノリの時があるけど、二人だとそうでもないんだが…」

菜々「そ、そうなんですか?」

P「ああ。自分に厳しい分、人にも厳しくなりがちなだけでさ。責任感と向上心の強い、尊敬出来る子だよ。あんまり苦手とか思わないでやってくれ。な?」

菜々「べ、別にそういう訳じゃないんですけど…」

P「…ん、なんだ。始まらないな。機材トラブルかな?」

菜々「何か考え込んでますね」

P「ちょっと行ってくる」

菜々「あ、はーい」




千秋(……どっちを歌うべきかしら…。本命はこちらなんだけど、流石に露骨すぎるわよね……」 ブツブツ

P「どうした、千秋。何かトラブルか?」

千秋「はひゃぁ!?」

P「そ、そんなに驚く事ないだろ…」

千秋「あ、貴方が急に声を掛けるからよ!」

P「いや、すまんすまん。で、何か困ってるようだけど、どうかしたのか?」

千秋「なんでもないわ。……そうだ、Pさん。歌うのは一曲だけかしら?」

P「え、いや……まぁ、頼めて一曲だろうと思ってたけど、特に決まってないな。二曲歌った子もいるし」

千秋「そう…。なら」

P「おっ、千秋も二曲歌ってくれるのか?」


千秋「な、何故そうなるの!? そんな、踏ん切りがつかないわ…!(////)」

P「え? は? 踏ん切り…?」

千秋「れ、練習が不充分な気がしているのよ! それより、そこにいられると歌いにくいわ。早く戻ってくれないかしら?」

P「え、あ、うん……。じゃ、向こうで聞いてるから。期待してるぞ」

千秋「…ピアノ、借りるわね」

P「あぁ。好きに使ってくれ」



P「ただいまー」

菜々「お帰りなさいっ♪」

P「お、始まった。おー、これか。意外なような、不思議と似合うような、これまた面白い選曲だなぁ」

菜々「おおー生演奏ですねっ。あれ、これ三拍子ですか? 珍しいですね」

P「テネシーワルツなんかも三拍子だけど、確かに多くはないなぁ」



■黒川千秋 Piano Man

ttp://www.youtube.com/watch?v=HVKtL9VU8rQ

 土曜、夜9時。いつもの顔ぶれで店が賑わい始める。

 私の隣席には年配の婦人。カクテルのグラスを弄びながら、その人が私にたずねる。


「ねえ、お嬢さん。思い出の一曲、ってやつをやってもらえるかしら?」

「寂しいような、甘いような、そんな感じの曲だったの」

「私がもっと若い装いを楽しんでいた頃は、覚えていたのだけどね」



 歌ってよ、ピアノマン

 今夜はあたし達みんな、そんな気分なんだ

 君の歌を聞くと安らげるんだよ




 バーテンとはパジャマパーティ以来の仲。時々一杯奢ってくれたりもする。

 彼女にはウィットがあるし、お客が煙草を取り出したらすかさずライターを差し出す敏さもある。

 だけど、彼女が本当にいたいのはここではないみたい。

「ねえ、千秋。分かるわね? 私もう、うんざりなのよ」

「私、まだまだイケると思ってるんだけど。映画のスターにだってなれるわ」

「ここを出て行けさえすればね」

 そう言った彼女は、いつもの笑顔ではなくて、真剣な目をしていた。


 ボックス席の比奈は売れっ子作家。売れすぎて、婚期を逃してしまったぐらい。

 一緒に飲んでいるのは亜季。船乗りになって、文字通り水が合ったよう。

 多分、一生海軍にいる気なんでしょうね。


 ウェイトレスの志保は捕まって、今年のキャッツの調子について聞かされている。

 だけど、教えている方のろれつがだんだん怪しくなってきてるわ。

 皆、孤独を共有して飲んでいるけど、それでも一人きりで飲むよりはマシみたいね。



 歌ってよ、ピアノマン

 今夜はあたし達みんな、そんな気分なんだ

 君の歌を聞くと安らげるんだよ


 土曜の晩はちょっとした盛況ぶり。マネージャーが私に微笑む。

 何故って。

 皆、日々の生活を一時忘れる為、私に会いに来ているのだから。

 ピアノが奏でる音はまるでカーニバル。マイクはなんだかビールの匂いがするわね。

 皆、バーに座って、私にチップをくれながら、こう言うの。


「あなた一体、なんだってこんなところに?」


────
──


菜々「…流石の表現力ですねー…」

P「ああ…。情景まで浮かぶようだ。浮かびすぎてちょっと皆には聞かせられないなと思うレベル」

菜々「でも、不思議な歌ですね」

P「うん?」

菜々「寂しいような悲しいような。でも、なんだか安らぐような感じもして」

P「ああ、歌詞自体は、もう人生が下り坂になっちゃった人達の集う酒場の歌だよな。そういう意味では寂しくて悲しいし、弱ったもの同士が空気を共有する安らぎもあると思う」

菜々「そう考えるとちょっと意外ですね。上昇志向の千秋さんとの組み合わせは」

千秋「そうかしら?」

菜々「ひゃっ!?」

P「お。おかえり千秋」


千秋「ええ」

P「そうかしら、って?」

千秋「そのままの意味よ」

菜々「あ、菜々が意外だって言っちゃった事ですか? ごめんなさい、あんまり考えずに言っちゃって…」

千秋「いえ、いいのよ。そう思う人もいるでしょうから」

千秋「ただ…私の両親に言わせれば、今の私は、まさに歌に出てくる人達そのものでしょうね。少なくとも、そういう将来を心配しているみたい」

菜々「そ、そうなんですか?」

千秋「ええ。そういう考え方の人達だから。けど、私としても、ピアノマンの人達に似ていると思う部分はあるわ」

P「そんな事はないと思うが……」

千秋「勘違いしないで。悪い意味ではないのよ? 私はトップを諦めた訳ではないし、落ち目になったつもりもないわ」

千秋「けど……心境の変化ね。あんな風に集まって、休んで、そしてまた次からの英気を養うのも悪くない、そう思うの」


P「へー、なるほどな。千秋的には、ピアノマンの酒場は逃げ場じゃなくて、充電場所というわけか」

千秋「ええ。張り詰めているばかりが努力じゃないわ。弦だって切れてしまうでしょう?」

P「成長したなぁ。最初はずーっと張り詰めてて、初めて失敗した時はこの世の終わりみたいな顔してたのに」

千秋「…貴方が不甲斐ないから、成長せざるを得なかったのよ」 ムスッ

P「うぐ……。そ、そんな事より、もう一曲あるんだろ?」

千秋「あ、ち、違うの、そんな事が言いたいのではなくて……えっ? え、えぇ、そうだったわね。聞きたいの?」

P「え、そりゃ聞きたいけど。千秋がまだ調整出来てないっていうなら無理には…」

千秋「聞きたいかと聞いてるのよ!」

P「は、はい! 聞きたいです」

千秋「……」

P「ち、千秋?」

千秋「わ、分かったわ。それじゃ、歌うから、聞きなさい」



菜々「…千秋さん、頭抱えてますね」

P「あー、時々ああしてるんだよなぁ。確かに色々話してくれるようになったけど、どーしても自分で抱えちゃう事があるみたいなんだよ」

P「さっきもなんだか無理矢理話題を打ち切るみたいにして歌う事にしてたし……。なんだかなぁ、助けになれればと思うんだが、歯がゆいなぁ」

菜々「あ、は、始まりましたよ! 取り敢えず聞いてみましょう!」




■黒川千秋 The Best of My Love
ttp://www.youtube.com/watch?v=dli8RKi6wgM

 毎晩、私はベッドで 貴方をきつく抱きしめる夢を見るの

 私達の会話を思い出して 心をかき乱しながら

 私達は話し合おうとしたけれど どうして言葉ではうまくいかないのかしら

 貴方が、私を大切に思ってくれている事 分かっているのに


 外面ばかりで空虚な世界 私が今まで生きてきた世界を見て

 うわべの会話とパーティで無駄に過ぎていく時間 それで何が得られたのかしら?

 世界はまるで冬の川のよう わたしはそこから這い上がれないんじゃないかって思ってた


 でも今 今は心から貴方を愛しているわ

 愛しい人 私の愛を受け取って ああ、愛しい人 私の愛を受け取って



 そんな時、私はあの晩を思い出すの あれは素敵なひとときの夢だった

 私は心からの安らぎに包まれて 眠りに落ちる

 だけど夜が明ければ 私はまた不安になる 今日はうまくやれるの?

 貴方は貴方の 私は私の生き方があって それはズレているんじゃないかしら


 貴方が私を 大事に思ってくれている事は分かっているわ 私もそのつもり

 けど、きっと それでは不充分なのよ



 でも今 今は心から貴方を愛しているわ

 愛しい人 私の愛を受け取って ああ、愛しい人 朝も夜も 私の愛を受け取って


────
──


P「うーむ、イーグルスの名曲中の名曲だ。ピアノアレンジってのは珍しいなぁ」

菜々「イーグルスって、ホテルカリフォルニアが有名ですよね。今の子はイーグルスって言うと楽天の方かもしれないですねー」

P「そうかもしれないなぁ。……ていうか安部さんも今の子ですよね?」

菜々「あー! も、戻って来ましたよ! おかえりなさい!」

千秋「…ど、どうかしら?」

P「ああ、よかったよ。本当によかった」

千秋「…素人じゃないんだから、もう少し違う事が言えないのかしら」

菜々「なんだか切な可愛い歌詞ですね」

P「ああ。千秋が歌うとまたひと味違うな」

千秋「(ムスッ) また、私には似合わないって事? 確かにこれはがらじゃないと思うわ…」


P「いやいや。あれが千秋の本音だったら、おれなびいちゃうわー」

千秋「え……ほ、本当!?」 ズイッ

P「おう! 自信もっていいぞ! 断言して良い。あの演技を見て、千秋に恋しない男はいない!」

千秋「…………例外はいるみたいね」 ガッカリ

P「は? あ、あぁ。ブーブーエスの芸田さんみたいにゲイの人とかはまぁ、例外だろうけどさ。あの人結構好きなんだよな、親切だし、話面白いし」

千秋「そういう事じゃ…! ……もういいわ」

P「そ、そんな露骨に失望しないでくれよ。キャラとして好きなだけであって、そういう意味での好きじゃないからさ…」

千秋「そんな事疑ってないわ…。貴方がどうしようもない事は分かっていたんだから、私がもっと頑張らないといけないのね」

P「よ、よく分からないけど千秋には苦労をかけるなぁ」

千秋「自分の為にやっている事よ。例外がいるなら、一人もいなくなるまでレッスンすれば良いだけ」

菜々(千秋さん、可哀相…)



菜々「千秋さん、燃えてましたね」

P「レッスン前に寄ってくれたのかぁ。うーん、ありがたいような、申し訳ないような」

菜々「Pさんに会いたかったんじゃないですか?」

P「え…。それならまぁ嬉しいけど、さすがに違うだろー」

菜々「……」



──────────

ここまで。

二週半開いてしまった。。。

再開します。

──────────



 ガチャッ

蘭子「煩わしい太陽ね(おはようございますっ)」

P「おっ、次は蘭子か。蘭子がオールディーズってなんか意外だな」

蘭子「我が解き明かした古の秘儀は僅かに過ぎぬ(たくさんは知らないですけど)」

P「そっか、その中から選りすぐって来てくれたんだな」

蘭子「闇の幻影は我が魔力と親和性があるのよ(はいっ、大好きな映画の主題歌なんです!)」

P「へー。蘭子が好きそうな映画でオールディーズっていうと……ブリガドーンあたりか?」

蘭子「ぶり…?」

P「ああいやなんでもない。取り敢えず聞かせてくれるか?」

蘭子「刮目するがいい!(はいっ、聞いてください!)」





菜々「……蘭子ちゃんと普通に会話してますね」

P「え、今更!? ていうか菜々も得意なんじゃないの、ああいうの」

菜々「いやー、菜々の設定とはベクトルが違うっていうかというか設定じゃないです! ウサミンヒストリーはホントの事です!」

P「自分でボケて突っ込むなよ……。蘭子が好きって言うとファンタジーかな。"虹の彼方に"あたりかなぁ」

菜々「あ、オズの魔法使い…ジュディ・ガーランドですか? 素敵ですよね」

P「ディズニーもありかなぁ。"星に願いを"とか。歌だけなら、"それはむずかしい"とか"オーディレリー"、"ベアネセサリー"あたり大好きなんだが」

菜々「全然ついてけないです……。うーん。でも、蘭子ちゃんはどちらも外してきそうな気が」

P「? なんで?」

菜々「中二病だから」

P「おい馬鹿やめろ」



■神崎蘭子 Never Ending Story

ttp://www.youtube.com/watch?v=zeRoEBvBL4Y

 汝の幻夢を思い出すがいい! 私と汝れは前世よりの宿縁
 (君が見て来たものを思い起こしてみて 彼女の顔は、君の夢と鏡写しよ)

 信じなさい、我が下僕 我は不偏存在 詠唱の一つ一つが私の分霊
 (信じてみて、私は何処にでもいる 一文一文の中に隠されているの)

 そこにあるものこそ、"永劫の寓話"
 (そこに記されているものこそ 果てしない物語なのよ)




 汝が幻想を極めよ 星幽門すら凌駕するほどに
 (星に手を伸ばして見て 空想の世界ではきっと届くわ)

 呪文の妙なる綾をひもとけば、奥義を解き明かす事も可能
 (美しい韻に彩られた文章が、秘密をひもといてくれる)

 暗雲を切り裂く虹霓の剣 それこそ"永劫の寓話"
 (厚い雲に隠された虹 それが果てしない物語なの)


 恐怖の意味を知ったか されど躊躇うな これは始まりにすぎぬ
 (どうか恐れないで、彼女も隠れてしまうわ 君の手にあるのは、新しい始まりなのよ)

 呪文の妙なる綾をひもとけば、奥義を解き明かす事も可能よ
 (美しい韻に彩られた文章が、秘密をひもといてくれる)

 暗雲を切り裂く虹霓の剣 それこそ"永劫の寓話"
 (厚い雲に隠された虹 それが果てしない物語なの)



────
──


P「おー、こう来るか。なるほどな」

菜々「ああ……ネバーエンディングストーリー…。まぁ、ゲドとかよりは全然マシですけどね…」 ケッ

P「えっ。あ、あの、菜々さん?」

菜々「なんで真逆な結末にしたのか……。そりゃ絵面とか尺の都合ぐらいは分かりますけど」

P「そうか、菜々は原作派か……」

蘭子「く、黒き太陽の顕現か!?(な、菜々さんが…?)」

菜々「あ……きゃ、キャハッ♪ ファルコンは可愛かったですねっ」

???「アトレーユ×バスチアンは鉄壁」

P「誰だ今の」


蘭子「第七の天使よ、永劫の寓話の魔力属性はそなたと反発するか…(菜々さんはネバーエンディングストーリー嫌いでしたか…)」

菜々「? えぇと…」 チラッ

P「菜々はあの映画嫌いだったかー」

菜々「そ、そそそそんな事ないですよ!? DVDも揃えてますし、BDも買っちゃいましたし…」

P「つまり大ファンだと」

菜々「うぅ…。はい、そうなんです。話題に出たので嬉しくてつい語っちゃっただけで…」

蘭子「勝利の祝宴!(本当ですか! 嬉しいですっ!)」

菜々「ごめんね、蘭子ちゃん」

蘭子「是非に及ばず! 聖魔の対峙する黄昏は近い!(いえ! 今度映画のお話とかしたいです!)」

P「菜々も語りたいみたいだしいいんじゃないか。あ、上映会とかやるなら事務所の談話室か寮でやってね。菜々と蘭子どっちかの家でもいいけど」


菜々(さりげなく自宅は貸さないアピール…)

菜々「上映会ですか? むしろ大歓迎ですけど…」

蘭子「来世への約定!(本当? 約束ですよっ!)」

菜々「ら、来世…? あはは…」 チラッ

P「蘭子はこの後確か…」

蘭子「如何にも。第二の聖誕の儀に備えよ(はいっ! 2ndアニバーサリーLiveに向けてのレッスンですっ)」

P「その前に予定がないなら、しばらく駄弁ってってもいいんじゃないか?」

蘭子「暫しの臨在!(ホントですか? それじゃ、少しだけお邪魔していきますね!)」

菜々(どうしよう、何を言ってるか全然分からない…)





P「やっぱ、映画で使われた曲、って多いな。洋楽に触れる機会なんだろうな」

菜々 グデー

P「どうした菜々。蘭子が帰った途端突っ伏したりして」

菜々「疲れました…。蘭子ちゃんの言葉が半分も分かんないんですもん…」

P「なんだ、だらしないな…。こう言っちゃなんだが、蘭子の言う事は大体文脈の通りだから、例え聞こえなくても大体分かるぞ」

菜々「うわ、ひどい! 適当って事ですか!?」

P「違ぇよ! そのぐらい素直だから難しく考える事ないって話だよ! つか、なんとなく分かるから、菜々の悩みがむしろ分からん」

菜々「そうですか……。そういえば、肝心の歌なんですけど、全然話題にしませんでしたね……」

P「ああ、そういえば。いい歌だし、歌い手のエピソードも面白いんだけどな」

菜々「そうなんですか? リマールでしたっけ、どこの人なんだろう」

P「リマールはイギリスだな。本名のハミルをアナグラムした芸名だよ。まぁ、舞台裏の話みたいなのは面白いんだが、ファンタジーの舞台裏とか、蘭子ががっかりするかと思ってしなかったんだよね」


菜々「意外と考えてるんですね…」

P「意外とは余計だ。ああでも、蘭子の歌も良かったのに、それを言わなかったのはしくじったなぁ。まぁいいや、蘭子の家でご両親もいる時に言うか」

菜々「えっ!?」

P「えっ、何?」

菜々「蘭子ちゃんの家に行くんですか?」

P「え、あぁ。シンデレラガールの時お邪魔してから、なんか妙に気に入られちゃってな」

菜々「シンデレラガールにそんな特典が……」

P「なんかもう、手塩にかけて育てた我が子~みたいな心境だったからさー。先方のご両親に『娘を末永くよろしくお願いします』とか言われて変な顔しちゃったよ。そう言えば俺は父親じゃないんだっけ、みたいな」

菜々「ちょっと!?」

P「そういや愛梨の時も、同じような事言われたんだよなぁ。ああいうのって、言うもんなのか?」


菜々「言いませんよ!? 少なくとも『末永く』は言いません!」

P「だよなー」

P「…………」

P「え、じゃあなんで言われたんだろ」

菜々「も……もぉー! もう知りません!」


※おまけ
ttp://www.youtube.com/watch?v=wHN52JkFJKs




 ギャーギャー


 ガチャ


美優「あ、あの、どうかしましたか?」

P「あ、あぁ、美優さん。いや、何でもないんですよ!」

美優「そ、そうですか…」

P「……」

美優「……」

P「…あの、ええと、美優さんも、一曲歌いに?」

美優「あ、はい。ご迷惑でしたか…?」

P「ああいや、とんでもない! 大歓迎ですよ!」

美優「そ、そうですか、よかった…」

美優「…本当に、よかった……」

P「あ、あの?」

美優「あっ、じ、準備しますねっ。それではっ」




菜々「美優さんと、何かあったんですか?」

P「え? いや、別に。なんで?」

菜々「なんだか、お互い相手が何か言うのを待ってるみたいな感じがして…」

P「あー、うーん。それはあるかもしれないな。美優さんて、何か言いたい事がある感じがしてさ。それを言ってくれないかなと思って、一呼吸置いちゃうんだよな」

菜々「え…」

P「な、なんだよ…」

菜々「Pさんにそんな気遣いが裏目に~みたいな事があるなんて…」

P「お前は俺をなんだと思ってるんだ…。仕事の話なんかはもう割切って仕切っちゃうんだけどさ。そういう時、すごい潤んだ目で見つめられたりするんだよ…」

菜々「え、えぇ~…」

P「よほど言いたい事があったのかなぁって思っちゃってさぁ。あんな美人にそんな目で見つめられてみろよ、罪悪感で死にたくなるぞ」

菜々「安定の節穴ですね…」



■三船美優 I Honestly Love You

ttp://www.youtube.com/watch?v=4M8Y18yYodc

「長居しすぎて、しまったみたいですね」

「ああ、すいません。やっぱり高速を使えば良かったかなぁ」

 私の切り出しに彼は、視線を前に向けたまま、ハンドルに寄りかかって答える。
 渋滞の時とかで、焦っている時よくやる『癖』。

「…そういう事では、ないんです。ただ、あまり居心地がいいものだから甘えてしまって…」

「……。え? 一体何の話をしてるんです?」

 何の話か分からない。そう彼は答えるけど、その前の沈黙でとぼけているのだと分かってしまう。
 そうやってとぼけるのが彼の優しさ。弱さ。そしてそれに甘えてしまっていたのは、私の狡さ。

「あの人の気持ちを、もっと大事にしてあげて下さい。…今の仕事もありますから、すぐにとは言いません。けど、引退させて欲しいんです」

 今度こそ、彼は黙ってしまう。
 二人とも黙り込んでしまった車内で、ラジオから「あの人」の歌だけが、ただ流れていた。



 いつの間にか渋滞を抜けていて、マンションの前。彼が車を停める。

 車を下りた私を呼び止めて、意を決したように彼が口を開いた。

「美優さん、芸能活動の方は、続けて頂けませんか。俺が何かご迷惑をお掛けしていたなら、お詫びします。担当も変えて貰いますから」

 答える前に、これだけは伝えておかなくちゃ。私も覚悟を決める。

「……貴方を、愛しています──心から、愛しています」

 振り返らずに言う。きっと彼は、怒ったような、困ったような顔をしているんだろう。
 それを見たら、多分心が揺らぐから。だから、振り返らずに言う。

「私は、これで思い出にできます。でも、周囲はそう思わないから、だから、これで終わりにするのが良いんです」

「美優さん、俺も貴女を──」

「言わないで!」


 優しい彼は、そう言うだろうと思ってた。けど、仕草を見る度、瞳を覗き込む度に思い知らされる…分かってしまう。

「貴方を困らせたい訳じゃない……何かして欲しくて言っている訳ではないんです」

 ただ、言わないとけりを付けられない。そう思っただけ。

「だから、これで終わりましょう。貴方は、貴方の大事な人のところに帰って下さい」

 彼が息を吐く。納得はしていないかも知れないけど、食い下がるのはやめてくれただろう。
 だから私は、せいぜい笑顔を作って、彼に最後の嘘をつく。

「私にも、そういう人がいるんです。だから、このまま続ければ、お互いが困ってしまいますね」


 冗談めかして終わらせると、逃げるように部屋へと駆け込む。
 彼の車が、遠ざかっていくのが聞こえた。

 もし私達が、違う出逢い方をしていたら、二人は幸せなキスをして終幕、という場面だったのかしら。
 だけど現実はそうじゃなかった。

「……貴方が、好きでした──本当に、心から、愛してました」

 もう届かない告白を最後に、私は声を殺して、泣いた。


────
──


菜々「なんだか、悲しい歌ですね……」

P「いかにもオリビア・ニュートンジョンって感じの歌だよなぁ。黙って別れりゃいいのに」

菜々「……」

P「な、なんだよぅ」

菜々「Pさんがさっき言ってた、もう一曲の好きな歌って、これですか?」

P「え、な、なんで分かるの!?」

菜々「分かりますよ…」

 ガチャ

美優「あの、戻りました…」

P「あぁ、おかえりなさい! 良かったですよ!」


美優「あ、はい。ありがとうございます」

P「……」

美優「……」

菜々「あー! ええっと、すごく綺麗な歌ですよね! 美優さんのお好きな歌なんですかー?」

美優「あ、はい…。好きというか、なんだか共感してしまって…」

菜々「え…きょ、共感ですか…? あぁ、でも確かに……」

P「だ、駄目ですよ!」 ガタッ

美優「えっ? あ、あの、Pさん…? 私、別に実際に…」

P「そんな……そんな不倫みたいな不毛な事はやめて下さい!」 ギュッ

美優「ふぇっ!?」


P「幸せにしますから……! きっと幸せにしてみせますから!」

美優「そ、それ……って…」

P「美優さん……!」

美優「Pさん…」 ポー

菜々「うわー! うわー! うわーうわーうわー!」

美優「(ハッ)…あ、あの、Pさん。確かにこの歌には共感するんですけど、別に実体験とは関係ないというか…(////)」

P「へ? え、あ、あぁ! なーんだ! そ、そりゃそうですよね! いやーすいません、本当に大変な失礼を!(/////)」 ハハハ

美優「わ、私こそ済みません。紛らわしい事を言ってしまって…あ、あの…(////)」 モジモジ

P「いやー良かった…本当に良かった…。え、はい、なんでしょう?」

美優「い、痛いです。手を……(////)」


P「は? 手、ですか? ……あ、あぁ!」 パッ

美優「あっ…」

P「す、済みません。勝手に手を取ってしまったりして…」

美優「い、いえ。ちょっと強く握られて痛かっただけで……Pさんに手を握っていて頂くと、安心しますから、それは別に…」

菜々「(何この空気……) は、はい質問ですっ! 実体験と関係ないそうですけど、どういう部分に共感したんですかっ?」

美優「えっ? ……そうですね。まず最初に、この歌のヒロインは、別に不倫はしていなかったと思うんです」

美優「ただ、これ以上進んだら、そうなってしまう。そう思ったから、その直前で身を引くんです。本当に好きだから。好きな人の幸せを壊したくないから」

P「…………」

美優「多分、自分にも相手がいるというのは、嘘だと思うんです。そこまでして、それでも、ただどうしても抑えられなくて、気持ちだけは伝えて、そして別れるんです」

菜々「切ないですね…それは、本当に……」 グスッ

美優「はい…すごく、切ないです…」




P「うーん、心配だなぁ」

菜々「どうしたんですか?」

P「美優さんの歌の解釈は興味深かったけどさ。オリビア本人はすごいストレートに感情を出せる人らしくてな」

菜々「え、という事は…?」

P「歌は歌、歌手は歌手だけど、まぁ、その前提を取っ払って考えるならさ。深みにはまる前かもしれないけど、不倫の歌だろうなぁ。しかも、言いたい事を相手に一方的に告げて去る歌」

菜々「美優さんが勘違いしているって事ですか?」

P「ああいやすまん、そういう訳じゃないんだ。歌の解釈なんて自由であって、聞いた人間の数だけバリエーションがあっていい」

P「解釈した美優さんが、吐き出す前に相手の事を考えちゃって、気持ちを溜め込んでしまう性格って事なんじゃないかと思って」

菜々「ええと、つまり何が心配なんですか…?」

P「いや、美優さんさ。悪い男に引っ掛かったりしないか心配だなぁって」

菜々「既にPさんに引っ掛かってますけどね」

P「おい! 誰が悪い男か!」

菜々「それは冗談ですけど……」

菜々(本音を言うと冗談じゃないレベルでPさんの将来が心配ですけど……)


──────────

ここまで。

乙 待ってた

はじめて見たけどイイネ.
なつきちの『Johnny B.Good』が見たいな

再開します。

最初の方は曲へのリンクがないので、良かったら>>80のリストと合わせて読んでみて下さい。
よりガッカリするだけだったりしたらごめんなさいですが。

──────────


夏樹「うーっす」

P「お、夏樹……と、あれ、だりーな?」

李衣菜「う、うーす」

P「おう、おかえり」

菜々「夏樹さんも歌いに来たんですかー?」

夏樹「ああ。でも、その前に…」

P「ん、なんだ?」

夏樹「Pさんさぁ、あんまだりーないじるなよ」

P「えっ? お、おう……」

李衣菜「そ、そうですよっ。私はロックなんです! なつきちもっと言ってやって!」

菜々(本当に言いつけに行ってたんですね…)


夏樹「だりーなの奴、夜中でも構わず報告にくるんだよ。またPさんに可愛いって言われたーってさ」

P「いやーすまんすまん。そんなに嫌がってるとは思ってなくて…」

李衣菜「い、嫌がってるって程では、ないんですけど…」

夏樹「アタシもつい、めんどくさくなって『アタシは言われた事ないぞ』って流しちゃうんだけど」

夏樹「その時決まって、ドヤ顔になってひそかに鼻を鳴らすのがうざい」

李衣菜「」

P「へっ?」

李衣菜「し、し、し、してないよドヤ顔なんて! 何言ってんのなつきち!(////)」

P「鼻は鳴らしてるんだ?」

李衣菜「しししてませんからぁ!!(////)」


P「ふーん。……しかし、そうか。言ったことなかったっけか」

夏樹「ああ、ないね」

P「夏樹、可愛いよ」 キリッ

菜々「!」

夏樹「!!」

李衣菜「!?」

夏樹「うお、お…。……へへ、今のはヤバかった。くらっときたよ」

李衣菜「な、な、何言ってるんですか! 悪ふざけにしたってタチが悪すぎですよ!!」

P「いや、悪ふざけじゃないんだが……」

李衣菜「い、行こ、なつきち! こここんなとこにいたら妊娠しちゃうよ!」 グイグイ

夏樹「お、おいだりーな……。ったく…んじゃPさん、後でな」

P「おう、期待してるぞ」




P「さーてと、夏樹達は何を歌ってくれるのかなー」

菜々「なんすかね」 ムスッ

P「……えっ? あの、菜々さん?」

菜々「なんすかね」 ムスーッ

P「え、な、何。なんで怒ってるの」

菜々「怒ってません」

P「怒ってるじゃん…」

菜々「菜々言いましたよね、軽々しく『可愛いよ。キリッ』をやるなって! なんでその日の内に破るんですかぁ!」

P「え、いや、だって。言われた事ないって言われたら、流石に言わなきゃ駄目だろ。だって俺が担当してるアイドルは全員可愛いもん。可愛くないと思ってる子をプロデュース出来るほど、俺人間出来てないし」

菜々「そんな事分かってます!」


P「俺がプロデューサーとして、心からそう思ってるって事は、少なくとも知っといて欲しいんだよ……。まぁでも、菜々の助言を軽んじちゃったのは確かだよな。ごめんな」

菜々「…………」

P「…あ、は、始まったぞ! ポインターシスターズかー、これも映画音楽だなー。ははは…はは…」

菜々「ずるいです、Pさんは……」 ボソッ

P「ん?」

菜々「な、なんでもないですよー♪ ちょっと意地悪しちゃいました、キャハッ!」


■ロック・ザ・ビート(木村夏樹&多田李衣菜) Be There

ttp://www.youtube.com/watch?v=EHTyl_Mt1Es

 もしあなたが私と一緒に来るなら、悪いようにはしないわ そして二人で楽しみましょう?

 それはとっても素敵なこと この誰も信じられない、イカれた世界でね


 あなたの為なら、どんな山にも登ってみせるわ 海だって泳いで渡ってみせる

 あなたも同じ気持ち?



 貯金も、冷蔵庫も、愛車のタンクも空っぽでいいわよね

 私達の人生はいつもギリギリ

 そして私は祈るの あなたも一緒でありますように




 Ooh 嘘ついたっていいわ、分かってるから

 最後には本当の事を言うの お互いさまよね

 それはケーキの一切れじゃなくて いわば共同作業


 お医者なんて必要ない お薬もね

 気のいい友人もいらないわ お金も使っちゃいなさいよ



 貯金も、冷蔵庫も、愛車のタンクも空っぽでいいわよね

 私達の人生はいつもギリギリ

 そして私は祈るの あなたも一緒でありますように



 私の蜜をちょっと落として、床に塗り込めるの

 そこは夜、私が勝負服を脱ぐところよ

 それ以上だってしてあげるわ



 貯金も、冷蔵庫も、愛車のタンクも空っぽでいいわよね

 私達の人生はいつもギリギリ

 そして私は祈るの あなたも一緒でありますように



────
──



菜々「李衣菜ちゃんて、夏樹ちゃんと歌ってる時は普通にかっこいいですよね」

P「ああ、夏樹は李衣菜を可愛がってるなぁ。見せ場見せ場で李衣菜を立ててる」

菜々「あ、確かに」

P「まぁ、夏樹自身ぶっきらぼうだったり繊細だったりしてわりと人付き合い下手なとこあるし、外見で怖がられる事もあるからなぁ」

菜々「そ、そうなんですか?」

P「ああ。さすがに最低限の付き合いは出来るようになったって言ってたけどな。それだけに誰かといると気を遣うし、地で振る舞ってても懐いてくれる李衣菜が可愛いんだろうな」

菜々「そういうものですか……。けど、なんだか納得です」

P「お、続けてもう一曲か。これまた映画だな。スターシップ、映画は『マネキン』だったかな」



■ロック・ザ・ビート(木村夏樹&多田李衣菜) Nothing's Gonna Stop Us Now

ttp://www.youtube.com/watch?v=Sp1dfoTV_z4

 君の目の中に、僕にはパラダイスが見える

 それは僕にとって本当に素晴らしいものなんだ

 近くにいてほしい 君に溢れるほど捧げたいんだ

 僕の心に芽生えたこの愛 君へのね


 クレイジーだって? 好きに言わせておきなよ そんな奴ら知るもんか

 僕の手を取って いいかい? 振り返らず行こう


 世界がどうなろうと知ったことか

 僕らの心が通じていれば、何だって作り出せるさ


 それを一緒に作っていこう 石のように永遠に 僕らを邪魔する奴は今やいないよ

 世界が去っていっても、僕には君が、君には僕がいるよ

 邪魔する奴はいない 邪魔なんてさせるもんか






 君に出会えて本当に嬉しいよ 決して失いたくない

 君といる限り 素晴らしい人生になるよ どんなに酷い時でもね

 何だろうと、僕達がする事を


 クレイジーだと言う奴らは放っておきなよ 奴らが何を知ってるって言うのさ

 僕の手を取って いいかい? 振り返らず行こう


 世界がどうなろうと知ったことか

 僕らの心が通じていれば、何だって作り出せるさ


 それを一緒に作っていこう 石のように永遠に 僕らを邪魔する奴は今やいないよ

 世界が去っていっても、僕には君が、君には僕がいるよ

 邪魔する奴はいない 邪魔なんてさせるもんか





 君が必要なんだ 僕に永遠に必要でありつづけるものなんだ

 ただ、ただ、君を抱いていたい ずっと ずっとのずっと、永遠に


 世界がどうなろうと知ったことか

 僕らの心が通じていれば、何だって作り出せるさ


 それを一緒に作っていこう 石のように永遠に 僕らを邪魔する奴は今やいないよ

 世界が去っていっても、僕には君が、君には僕がいるよ

 邪魔する奴はいない 邪魔なんてさせるもんか


────
──


夏樹「うーす」

P「おー、すげぇ良かったぞ。ちょっと調整すればそのままステージで使えそうな出来映えだ」

李衣菜「ホント!?」

夏樹「へへ、褒めすぎだろ…。そんな大したもんじゃないって」

P「いやいや、マジで。世界中に見せびらかして自慢してやりたくなったもん」

李衣菜「へへっ、なつきち!」 スッ

夏樹「ん? おぉ」 スッ

夏樹&李衣菜「「いえーい!」」 ハイタッチ!

菜々(李衣菜ちゃん、完全に機嫌が直ってる…)

菜々「二曲とも映画からですっけ? 有名なロック曲なんですか?」

夏樹「さぁ? どうだろうな、仕事ならそのへんも考えるけど」


P「スターシップの方はロックバンドだけど、ポインターシスターズはR&B路線のコーラスグループだな。まぁ、R&Bとロックの間に明確な境界があるわけじゃないが」

夏樹「アタシは楽しそうだから来て、好きな歌を歌っただけだからなぁ。それがロックだって言うならロックでいいんじゃないか?」

P「お、おい…聞いたかだりーな! これがロックだ!」 ナデナデナデナデ

李衣菜「な、なんで撫でるんですかぁ!(////)」

夏樹「そんなカッコイイもんじゃないと思うけど。いい加減なだけだからさ」


菜々「あ、は、はいっ! リクエストいいですか?」

P「リクエストか、面白いな」

夏樹「菜々さん? なんだい」

菜々「菜々、いかにもロック!って感じの曲が聞きたいです! コテコテのやつ!」

夏樹「ふぅん?」


菜々「ジョニーB……でしたっけ? ああいう感じの」

夏樹「ジョニー・B、ね……了解」 ニヤッ

李衣菜「?」

夏樹「行くぜだりーな。もう一ステージだ」

李衣菜「う、うん!」




菜々「……菜々、おかしな事言っちゃいました? 夏樹ちゃん、なんで笑ったんだろ」

P「菜々はいわゆるロックンロールとか、ロカビリーが聞きたかったのか?」

菜々「え? あ、はい。多分……。ジャンルの名前はよく分からないんですけど…」

P「あ、始まった。やっぱりなー」

菜々「え? え? 菜々が知ってる曲と違いますこれ!」

P「いや、これは間違いなくジョニーBだよ」

菜々「題名間違えちゃったかな……ところで李衣菜ちゃん、なんだかすごいテンパってません?」

P「李衣菜も菜々と同じ勘違いをしてたんだろうな。勘違いっつーか、夏樹のイタズラに引っ掛かっただけだが」

菜々「?」

P「菜々が聞きたかったのは、ジョニーBグッドじゃないかな。チャックベリーの」

菜々「え、あ、そ、そうですそれです!」


■ロック・ザ・ビート(木村夏樹&多田李衣菜) Johnny B.

ttp://www.youtube.com/watch?v=qiedTok_SX8

 眠れない夜に、彼女は君の名を呼ぶ

 孤独な旅路さ 君がどれほど彼女を好きか知ってるよ

 何度も何度も、君は懲りもせず夢を追いかける

 だけどねジョニー 友人として忠告させてもらうよ

 彼女は見た目どおりの女性じゃない


 ジョニーB 現実を見るんだ

 目を開いて 話をちゃんと聞いてくれ

 赤信号が見えてるってのに どうして分からない



 彼女を家まで送っていく時 体をぴったりよせてくるだろ?

 君を手玉にとって お持ち帰りするテクなんだよ

 君はくらっと来て ふらふらついて行っちまう

 これが初めてじゃないだろ どうしてまた引っ掛かるのさ


 ジョニーB 現実を見るんだ

 目を開いて 話をちゃんと聞いてくれ

 赤信号が見えてるってのに どうして分からない



 彼女に一言 名を呼ばれれば

 君は一晩中だって 車を走らせる

 彼女が待っているんだものな また愛を恵んでくれるって

 彼女のキスは猛毒で 君の中に残り続けるんだね


 ジョニーB 現実を見るんだ

 目を開いて 話をちゃんと聞いてくれ

 赤信号が見えてるってのに どうして分からないのさ


────
──



菜々「間違って伝えちゃったけど、これはこれで良い歌ですね」

P「だろ。機械のオケなのが勿体ないけど。まあでも、別に間違って伝わってはいないよ」

菜々「え? でも…」

P「チャックベリーのジョニーBグッドを、フーターズのジョニーBと間違えられるドジなんてこの世にいな……ほとんどいないよ」

菜々(なんで言い直したんだろう…)

P「フーターズの方しか知らないならありそうな話だけど、夏樹が知らないなんてありえないしな」

菜々「じゃあ、どうして…」

P「だからさ、イタズラなんだって。ほら、夏樹もしたり顔でVサインしてきてるだろ」

菜々「も、もぉーっ!」

P「ロックだなぁ、夏樹は」


菜々「ロックが良く分からないです…そういえば、あんまり歌詞の解説とかしてくれなくなりましたね」

P「ん? あぁ、まぁ、夏樹たちもそんなに気にしてないんじゃないかな。頭で考えるより、音を聞いて、リズムに乗って楽しむもんだからな」

P「あ、もう一曲行くってさ。今度は菜々の聞きたかったやつが来るんじゃないか」

菜々「あ、ホントだ! 菜々の知ってる曲です!」



■ロック・ザ・ビート(木村夏樹&多田李衣菜) Jonny B Goode

ttp://www.youtube.com/watch?v=I8JULmUlGDA


 江戸川が東京湾に注ぐあたり 墨田区の南、江東区

 多田李衣菜という素朴な少女が住んでいる


李衣菜「えっ、なつきち、なんかいつもと歌詞違わない?」

夏樹「いいから合わせろ。行くぜ!」


 勉強も運動も並ちょっと下 知識も全然にわかだけれど

 驚くようなギターを弾く



 Go Go だりーな Go

 Go Go だりーな Go

 行け 多田李衣菜






 てきとーな袋にギターを詰めて

 錦糸町の駅前 道ばたに座る

 ティッシュ配りのにーちゃんが眺める中

 列車のリズムに合わせてギターをかき鳴らす


 通りすがりの人々は足を止め 口々に言う

 「この子、なかなかやるじゃないか」



 Go Go だりーな Go

 Go Go だりーな Go

 行け 多田李衣菜





 プロデューサーは言う

 「いつかあの子は有名になって 一流バンドを率いるだろうね」

 「日本中からファンが押し寄せ 夜が更けるまで彼女のステージに熱狂する」

 「そしていつかだりーなの名前がライトアップされて、こう紹介されるのさ」

 「さぁ、今夜も多田李衣菜の登場だ! ってね」



 Go Go だりーな Go

 Go Go だりーな Go

 行け 多田李衣菜


※地名・人名以外は大体こんな感じです。

  ジョニーBグッドという若者は、学も財産も何もないが、ギターテクはすごい!
  いつかこれでビッグになるに違いない!っていう、陽気で脳天気な内容。
  当時の世相と、黒人チャック・ベリーが歌った事を合わせて考えると、まさにドリームだったんではないかと。

────
──


P「これまたすごい改変だな……。恐縮しちまいそうなもんだが、ノリノリでついてく李衣菜はやっぱ大物だな」

菜々「分かってないって可能性は…」

P「あるな。夏樹なら、帰ってから種明かしもありうる」

菜々「なんていうか、お姉ちゃんと妹……というより、お兄ちゃんと弟、って感じしますね」

P「ああ、するかも。このかわいがり方は姉妹ってより、兄弟っぽいな」

菜々「それにしても、すごい楽しそう。菜々も楽しくなって、体が勝手に動いちゃいました♪」

P「これがロックンロール。だろ?」 ドヤァ

菜々「うわウザ……」

P「……」 グスッ

菜々「う、う、うっざみーん♪ キャハッ!」


──────────

ここまで。

>>160
ありがとうございます。大きく空いてしまって済みません。。

>>161
ジョニーBグッドは入れたかったんですが、誰に歌って貰おうか決めあぐねてました。
ありがとうありがとう。

あと「いそしぎ」と「ムーンリバー」も誰かに歌って欲しいんですけど誰がいいですかね……

あっ、ちなみにだりーなの家の所在ですが、テキトーに決めただけで特に根拠はないです。
どこかで詳しく決まってたらごめんなさい!


いそしぎはちょっと思いつかんけどムーンリバーなら日菜子とか ストレートにまゆとかでもいいけど
あと早苗さんにSay you love me歌ってもらいたい パティオースティンの

再開します。

序盤の曲リスト:>>80
※よりガッカリするだけだったりしたらごめんなさい。

──────────


 ガチャ

のあ「……来たわ、P。……泣いているの?」

P「のあさぁぁぁん、うさみんがブホォ!」

菜々「ち、違うんですよ! 元はと言えばPさんが菜々の事をブホォ!」

のあ「……ブホォ? 新しいパフォーマンスの練習かしら」 トゥートゥーポマシェリーマーシェーリ

ttp://ring.cdandlp.com/ladarone/photo_grande/113679267.jpg
※トゥートゥーポマシェリーマーシェーリの擬音について
 こういう格好をしてるという事で。
 紹介しているサイトへの直リンを貼ってしまいましたが、気になる方は避けて頂いて「les grandes chansons de michel polnareff」でぐぐってみて下さい。

P「いやいやいやいや、どっちが新しいパフォーマンスだよ!」

のあ「……まだ何もしていないわ」

菜々「ど、どうしたんですか!? わざわざ衣装に着替えたんですか?」


のあ「この服は家から着てきたものよ」

菜々「家からかよ!」

のあ「どうかしたの?」

菜々「い、いえ、どうもしませんけど……ちょっとのあさんのイメージと違ったなーって思っちゃって…」

のあ「……」

P「お、おい、菜々……」

のあ「P、いいの。アメリカ人の菜々には、私のこの姿をイメージできなかったようね」

菜々「え、あ、アメリカ人?」

のあ「USA民」

菜々「ダジャレか! な、菜々はウサミン星から来たウサミン星人なんですーっ!」


のあ「……」 フム

菜々「……? あ、あの、のあさん…?」

のあ「素晴らしいツッコミよ。そしてそこから流れるように自らがボケる…流石ね」

菜々「ぼ、ボケじゃありませんからぁ!」

のあ「その技術(アート)…欲しいわ。菜々、にゃん・にゃん・にゃんに入りなさい」

菜々「え゛っ……。い、いやその、菜々はウサ耳キャラだし、今からネコミミに転向するのはちょーっと難しいかなーって…ていうかボケじゃないですってば!」

P(キャラって言っちゃった…)

のあ「大丈夫よ。耳なんてまたすぐ伸びるわ。ほら、これを使いなさい」 スッ

 つ[爪切り]

菜々「え、は……。な、なんでそこで爪切りなんですかっ! もう……なんなの…もう…」

P「のあさん、そろそろ歌の方頼むよ」

のあ「…。分かったわ」





菜々「のあさんて、キャラがよく分かんないです…」

P「あー、悪かったな。彼女、なんだろ、言葉が難しいな…。『人を動かす何者か』になるのが夢なんだってさ」

菜々「? 感動させたりとか、ですか?」

P「そうそう。そういうと高尚っぽいけどさ、人を笑わせたい、びっくりさせてやりたい…みたいな感覚って、ショービズに関わる人間ならそんなに珍しくないだろ」

菜々「あ、そう言われるとそうかもです」

P「ただのあさん自身、笑いが苦手なのは自覚してるんだよな」

菜々「そ、そうなんですか!? みくちゃんとの掛け合いとか、ステージでも人気なのに…あっ、でも言われてみれば、これは笑っていいのか、って不安になる時があります」

P「基本真顔だからな。あと、加減が下手なんだって」

菜々「?」

P「ま、それは追々……のあさん遅いな」


菜々「現れませんね。のあさんはあの衣装で何を歌うつもりだったんでしょう」

P「え。どう考えてもミッシェル・ポルナレフだろ。"シェリーにくちづけ"あたりじゃないか?」

菜々「え、あ、あのファッションてモデルいたんですか!?」

P「ポルナレフ自身は確かに、凄まじくかっこいいんだよ。かっこよすぎて、『似合わないのにポルナレフの格好をする』ってギャグが定着するぐらい」

菜々「菜々もギャグの方しか見たことないです…。確かに先入観なしで考えたら、今日ののあさん素敵だったかも。ギャグじゃなかったんですかね?」

P「さぁ…。相手の反応見て楽しむって意味で、悪戯の一種だった可能性はあるけど」

菜々「あ、のあさん来ました…って、普段の格好に戻ってますね。着替えてたんですね…」

P「さぁ何がくるかな。"シェリーに口づけ"か、"愛の願い"か…」

菜々「あ、始まった」

 ドテッ

菜々「え、だ、大丈夫ですかPさん!?」


■高峯のあ Moments aren't Moments

ttp://www.youtube.com/watch?v=seaFJoiUlOU

 優しさ 暖かさ 穏やかさ これらは皆、私と貴方が最早隠す事が出来ないほど強く感じている「もの」に近い言葉

 力強さ 輝き 明瞭さ これらは皆、私と貴方が今夜目にする高貴な輝きを表現するには到底足りない、ただの言葉


 だから 瞬間が一瞬で過ぎ去る事はないわ

 その瞬間が 私と貴方の体験する 魔法の一瞬である限り

 その魔法が 私と貴方の心に咲く 愛しさの花である限り





 温和 沈黙 柔和 これらはみな翼 私と貴方の元に 永遠に壮麗で在り続けるものを運ぶ

 見えない物を信じ 感じるままに与え そうすれば私と貴方は より親密に、近しくなれるわ 私達の見出す世界で



 その瞬間が一瞬で過ぎ去る事はないわ

 その瞬間が 私と貴方の体験する 魔法の一瞬である限り

 その魔法が 私と貴方の心に咲く 愛しさの花である限り


 だから 瞬間が一瞬で過ぎ去る事はないわ

 その瞬間が 私と貴方の体験する 魔法の一瞬である限り

 その魔法が 私と貴方の心に咲く 愛しさの花である限り


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──


菜々「これもミッシェル・ポルナレフの曲なんですか?」

P「いや全然違うよ! スティービー・ワンダーが作って、ディオンヌ・ワーウィックが歌った映画の挿入歌だな」

菜々「そ、そうなんですか? でも、綺麗で、ミステリアスで、のあさんのイメージに合ってる気がします」

P「……。加減が下手ってのは、凛なんかにも言えるんだけどさ」

菜々「あ、はい? さっきの話ですか?」

P「ああ。凛は『サボりの才能がない』だけなんだが、のあさんは『ブレーキを踏めない』んだよな。悪気はなくても相手が泣くまで弄っちゃう的な」

菜々「あ…さっきって」

P「うん。やりすぎる前に手綱を引いてくれって頼まれてるんだが、だんだんタジタジになる菜々が可愛くてつい遅くなってしまった。ごめん」

菜々「も、もぉーっ!!(////)」

P「だからみく達と組むまでは、モデルとかさ、笑う要素のない仕事しか出来なかったんだよな」


P「まぁ、俺もいきなりメイド服で出迎えられるまではそもそも、そういう希望がある事自体知らなかったんだけどさ」

菜々「のあさんと張り合えるみくちゃんて、実はすごいんですね…」

P「うちに来る前からだから、芸歴は凛達より長いぐらいだしな。移籍組には流石に負けるけど、それでもセルフプロデュースでやってた逞しさがあるし」

P「あ、勿論相談はしたぞ? 三人のユニットにしようってのも、実はみくの提案だし。最後の一人をアーニャにしたのは事務所の決定だけど」

菜々「そうだったんですか…」

P「こういうとあれだがみくは『わざとらしさ』で売ってるから、二人だとバランスがな。アーニャとのあさんだけでもうまくいかないだろうし、にゃん^3はあの三人で完成するユニットだよ」

菜々「(くすっ) Pさんて意外と考えてるんですね」

P「意外とは余計だ。まぁ、ともかくのあさんが食いついてくる時は大体、面白い掛け合いがしたいだけだよ」

菜々「キャハッ!分かってますよっ♪ それにしても、ブレーキを踏めないって、車のハンドルは握らせたくない人ですねっ」

P「いや、運転は普通に出来るらしいぞ。免許持ってるし。ていうか都心はともかく、地方は免許無いと何も出来なかったりするからな」


菜々「そういえばPさんの地元ってどこなんですか?」

P「絶対ナイショ。やたら聞いてくるアイドルがいてなんか怖くなったから、ってだけなんだが、聞いてどうするんだ……? まゆとか未だに時々聞かれるんだが」

菜々(実家を先に味方につけようって事じゃないですかね…)


のあ「戻ったわ」

菜々「あ、お帰りなさいっ! すごい素敵でしたよっ。菜々、きゅんきゅんしちゃいました♪」

P「そこは同意なんだが、最初からあの選曲だったのか?」

のあ「否、よ。最初は"愛の願い"を予定していたわ。ただ、気が変わったのよ」

P(やっぱり、お詫びのつもりで、菜々のイメージに合わせてくれたのかな)

のあ「…菜々。貴女に尋ねたいのだけど、私の衣装はそんなにおかしかったかしら」

菜々「!」


菜々(今までの情報を踏まえて……のあさんなら、相手を笑わせる為にやっていたはず…! ここは…っ!)

菜々「そんな事ないですよっ! ちょっとびっくりはしちゃいましたけど、すごく面白かったですっ」

のあ「……」

のあ「そう…。それじゃ、帰るわね…」

 ガックリ トボトボ

 バタン


P「あーあ。あんなへこんでるのあさん初めて見たわ……」

菜々「あ、あれー!?」


※おまけ Love Me,Please Love me (邦題:愛の願い)
ttp://www.youtube.com/watch?v=SsC2gfnXh4o




 ガチャッ

P「おっ、次は日菜子か」

日菜子「……」

P「ひ、日菜子…?」

 ニヘラッ

日菜子「い、いきなりプロポーズだなんて、日菜子困っちゃいますよぉ…むふ…むふふふ…」

P「何言ってんだお前」

日菜子「何って、Pさんが言ったんじゃないですかぁ。…あ、これは妄想でした」

菜々(いつも通りのフルスロットルぶりですね…)

P「そ、そうか…日菜子も一曲歌いにきてくれたのか?」

日菜子「そうですよぉ。そしてそれを聞いたPさんは日菜子に…むふふふ…」 ブツブツ



菜々「行っちゃった…」

P「あいつ、美優さんとはまた別の理由で心配だなぁ。歩いてて電柱とかにぶつかるぐらいならいいけど、車道に出ちゃったりしないだろうな」

菜々「さ、流石にそこまではしないんじゃないですか?」

P「そうか? 自分の世界に完全に入り込んでる時とか、抱えて運んだりしてるんだが必要ないかな…」

菜々「え!? ま、まさか杏ちゃんみたいにわきに抱えたりしてたり…? 杏ちゃん以外の体格の子にやったら流石にセクハラですからね!?」

P「え、いや。こんな風に……」

菜々「お、お、お姫様だっこ!?」


■喜多日菜子 Moon River

ttp://www.youtube.com/watch?v=BOByH_iOn88

 ムーンリバーの川巾は 1マイルよりなお広い

 だけど私もいつか、胸を張って渡っていくんですよぉ

 くれた夢の数と同じぐらい 私の心を痛ませてきたあなた

 あなたの通った道を辿って どこへだってついて行きます…むふふ


 二人して 世界中を旅して廻るんです

 世界は広くて、初めての事ばかり あっ、そんな事……初めてなの…むふふふ…

 日菜子たち、虹の両端でずーっと それが綺麗なアーチを描いて、橋になるのを

 待ってていいですよね 私のハックルベリーさん?

 ムーンリバーと そして日菜子と……むふふ…

────
──


菜々「すごい幻想的で、綺麗な歌ですよね」

P「うん。個性が多少弱くても綺麗な、日菜子みたいな声質がよく映える歌だよ。……けど、日菜子が歌うとなんか妄想垂れ流してるように聞こえちゃうのがな…」

菜々「ちょっと!?」

P「あ、もう一曲行くみたいだな。なるほど、かの名曲をこう使ったのか」

菜々「? どういう事ですか?」

P「いや、ムーンリバーってさ、かの有名なヘンリー・マンシーニが、オードリー・ヘプバーンの為に作ったんだよ」

菜々「ふむふむ?」

P「ヘプバーンは音域が狭くてね。だから、決して歌は下手じゃないんだが、歌手としての名声はあんまないだろ? まぁ、ミュージカル全盛の時代が終わってたからという話もあるけど」

菜々「ああ、なるほど…キー的に負担が少ないから、ウォーミングアップに使ったと」


P「そうそう。…お、始まった。へー、ニール・セダカか」

菜々「え!?」

P「え、なんで驚くんだ」

菜々「ニール・セダカって、"Z・刻をこえて"の…?」

P「あ? あぁ、Better Days Are Comingだっけ」


■喜多日菜子 Happy Birthday Sweet Sixteen

ttp://www.youtube.com/watch?v=DoQOI6RbA2s

 16歳の誕生日、おめでとう 日菜子

 ずっと今夜を待っていたんだ 君が小さい子供じゃなくなるこの日をね

 君は、今まで見た誰よりも 可愛い女の子に変わったよ

 16歳の誕生日、おめでとう 日菜子


 あのファニーフェイスに何があったの? あの可愛い生意気少女が、今はドレスを着てるなんて

 この目が信じられないよ 年頃の女の子は、こんな奇跡を起こすんだね

 16歳の誕生日、おめでとう 日菜子




 日菜子が6歳ぐらいの頃、僕はただの「おにいちゃん」だった

 10歳の頃だったかな その頃は仲が悪かったよね

 13歳のバレンタインは今でも覚えてるよ あれはおかしかったなぁ

 だけど、日菜子はもっと大きくなって 素敵な未来をドレスに纏うよ

 今日、僕の恋人になってからもね


 勿論驚いてるよ こうして微笑んでいるのは 君が美しく変身した事の証拠さ

 君は、今まで見た誰よりも 可愛い女の子に変わったよ

 16歳の誕生日、おめでとう 日菜子

※ファニーフェイスは、直訳すると「面白い顔」「変な顔」ですが、となりのトトロでいう「サツキちゃん的ではないが、メイちゃん的可愛さ」、「愛嬌のある顔」というニュアンスではないかと思われます。
 「ファニーフェイス」という映画があって、ヒロインがオードリー・ヘプバーンなので、いまいちピンと来ない部分もあるのですが、語呂のいい訳語が思いつかなかったのでそのままファニーフェイスにしました。

────
──


日菜子「むふふ…」

P「お、おう。お帰り」

菜々「素敵な歌ですねー。菜々もこんな風に囁かれてみたいなぁ…」

日菜子「これは日菜子が16歳になった時に、プロデューサーさんが贈ってくれた歌なんですよぉ。むふふ…」

菜々「え、えぇっ!?」

P「往年の名曲の作者詐称すんな! これがヒットした年、俺まだ生まれてねえよ! あと6歳の日菜子とか見た事ねえよ!」

菜々「ていうか日菜子ちゃん、まだ15歳ですよね…?」

日菜子「あっ、そうでしたぁ。これも日菜子の妄想でした」

P「あのな…そんな妄想ばっかして、転んだりしないでくれよ?」

日菜子「大丈夫ですよぉ。プルーストも、人生は生きるよりも妄想する方がいい、って言ってますし」


P「ホントかよ!?」

菜々「そ、そうだ。Pさんにお姫様だっこしてもらったんですよね。妄想と較べて、どうでした?」

日菜子「……」

菜々「あ、あれ。日菜子ちゃん…?」

日菜子「菜々さん、何言ってるんですか? 妄想もほどほどにした方が…」 ドンビキ

菜々「え、えぇー…」

P「気づかないほど妄想に集中してるのかよ!? そっちこそほどほどにしろよ!」

──────────

ここまで。

ムーンリバーを日菜子に~というネタ頂きました!ありがとうございます。
コレジャナイだったらごめんなさい!

グーニーズは実はゲームの方だけ先に知ってて、シンディの歌を後から聞きました。
マイキーがキックとパチンコでフラッテリー一家をバタバタなぎ倒すわけじゃないんですよね…
…あっ、それだ!


夏樹はなーんとなくなんだけど、「実力はあるけど欲と必死さが無い」ってイメージで
伸び悩んでいた(悩んでるのはPだけで、本人は飄々としてた)のが李衣菜と組む事で大きく躍進したのかな、と勝手に想像してました。
これまたコレジャナイだったらごめんなさい!

読んで頂いてありがとうございます。

なんか忙しくなってきたら筆が進む進む……。
再開します。


──────────


紗南「てれれれれれれってってってー!ひあかむずあにゅーちゃれんじゃー!」 バーン!

P「そんな挨拶があるか…相変わらず自由な奴だな……」

紗南「そこで日菜子さんとすれ違ったよ」

P「あぁ、さっきまでここにいたからな。何かあったのか?」

紗南「うんにゃ、いつも通りだった。『もしもPさんがお姫様だっこしてくれたらぁ…むふふふ…』って言ってた」

P「妙にうまいなその物真似」

紗南「あと『不思議と感触まで鮮明に想像できます…むふ…むふふふ…』って言ってた。地道なレベリングが実を結んだみたい」

P「そうか……。で、紗南も歌いに来てくれたのか?」

紗南「うんっ。次のイベント早く起こしたいから、好感度稼ごうと思って!」

P「あぁ、別にそんな事しなくても次の仕事用意してるから……まあでも、そうやって自己アピールする姿勢は立派だな。偉いぞ!」 ナデナデ


紗南「んっ。まぁ、今のフラグ達成率だとこのイベントだよねー」

P「?」

紗南「そんな事より、ちょっと行ってくるね!」

P「おう」



菜々「あー、これは紗南ちゃんらしい選曲ですね」

P「え、そうなのか。シンディ・ローパー好きだったのか…」

菜々「違いますよ、グーニーズですっ」

P「あ、あぁ。確かに子供が喜びそうな映画だったなぁ。でも世代的には、紗南の親が見てたぐらいの映画じゃないか?」


■三好紗南 The Goonies 'R' Good Enough

ttp://www.youtube.com/watch?v=Scu81EW4UC8

 僕らは 銭ゲバと退屈が溢れる街に住んでる

 そんな鎖、断ち切って飛びだそう

 自分で感じられないモノなんて、リアルとは言えないでしょ

 言えなかった期待 昔遊んだ夢の世界 それを実現させるんだ!


 君が嬉しい事が、僕の嬉しい事だよ

 それで充分 むしろ最高!






 君が嬉しい事が、僕の嬉しい事だよ

 それで充分 むしろ最高!


 何が出来て出来ないか、分別って奴が分かってきたんだよ 君はそう言う

 だけど僕には、ただぐずぐずしてるみたいに見えるね


 古いしきたりとか迷信は なかなか捨てられるものじゃないけど

 そんなものは蹴飛ばして、飛び出さなきゃ!


 君が嬉しい事が、僕の嬉しい事だよ

 それで充分 むしろ最高!


────
──


菜々「ワクワクしてくる歌ですねっ。…けど、意外と風刺っぽい?」

P「菜々は映画は見たのか?」

菜々「見ました! あっ…も、もちろんビデ…DVDで見たんですよ?」

P「そこは何も言ってないだろ…。グーニーズってさ、わりと悪口なんだよな」

菜々「あ、確かに作中でそんな風に言われてた気がします」

P「愚図連中…とまでは言わないが、三バカトリオ、ぐらいのノリだよな。まぁ、グーニーズは四人だし、舞台の街の名前に引っ掛けたって設定だけど」

菜々「でも、それがどうかしたんですか?」

P「ああ、風刺絡みの話でさ。あのタイトル、直訳するなら『グーニーズは充分いけてる!』とかなるのかな。回りくどくないか?」

菜々「い、言われてみれば……。『グーニーズは最高!』じゃダメだったんですかね?」

P「そこで本来のgoonyで考えてみるとさ、『負け組だって悪くないさ』っていう、風刺的メッセージとのダブルミーニングなんじゃないかな、って」


P「マイキーの家は借金抱えて大変。マウスとデータは人種的マイノリティ。ローレンスはほほえみデブ」

菜々「最後のは別の映画ですよね!?」

P「うん……そういえばマウスとチャンクって、わりとまんまな奴らがフルメタルジャケットにもスタンドバイミーにもいたな。まぁそれはいいとして」

P「そんな、アメリカで勝ち組に入れない冴えない連中だって案外悪くないもんだぜ?みたいなメッセージが籠もってるのかなと」

菜々「なるほど…普段から、そんな事まで考えてるんですか?」

P「いやそういうわけじゃ…。けど、結構好きかも。宝探しみたいで面白くないか?」

紗南「ただいまっ!」

P「お、良かったぞ紗南! よくグーニーズなんて知ってたな!」

紗南「……」 ジロジロ

P「ん、どした?」


紗南「うーん、なかなかイベント発生しないなーって。グーニーズはお婆ちゃんの家でやったんだ」

P「(やった…?)へー、紗南はどのキャラが好きだ?」

紗南「キャラ? ……うーん、白いネズミかなぁ」

P「ネズミ…?」

紗南「海賊の骸骨はさー、出てくるとテンション上がるよね!」

P「え…っと、海賊ウィリーの事か? 確かにあの場面はテンション上がったなー。ポスターを先に見てたから、なんかもっと派手なのをイメージしてたけど」

紗南「さっきから何言ってんの?」

P「グーニーズの話だよな?」

紗南「グーニーズの話だよね?」

菜々「Pさんが言ってるのは映画のグーニーズで、紗南ちゃんが言ってるのはゲームのグーニーズですよね」


P「えっ? あー、あぁ! 紗南らしい選曲ってそう言う事か!」

紗南「あ、映画あるんだ? 今の歌って、映画が元なの?」

P「知らなかったのか……。よし、今度見せてやろう」

紗南「ホントっ!? じゃあ、じゃあ、あたしもオススメのゲーム持ってくね!」

P「まじか。紗南とゲームやっても大体俺がぼこられるだけじゃん…」

紗南「対戦じゃないやつ持ってくから! ……っしゃあ! イベント発生!このまま個別ルートまで突っ走るよーっ!」





P「はぁ……部屋の掃除しとくか」

菜々「……あれ!? そういえばPさん、奈緒ちゃん達は渋ってたのに、紗南ちゃんは普通に家に呼ぶんですか!?」

P「おいおい、凛とか奈緒ぐらいの年頃の子を部屋に入れるのと、紗南とか輝子ぐらいの子を入れるのとじゃ、全然意味合いが違うだろ?」

菜々「凛ちゃんと輝子ちゃんて同い年ですからね…? 紗南ちゃんもいっこしか違わないし」

P「……!?」

菜々「なに『初めて知った!!』みたい顔してるんですか!?」


 バターン

友紀「しまっていこーっ! おーっ!!」

P「なんか騒がしいのが来たな…」

友紀「あははは! このぐらい声張らないと、球場じゃ応援できないしね!」

P「球場で騒げよ…。あ、友紀の選曲分かっちゃった」

友紀「おっとぉ? ノーサインで分かるとは、さすがあたしの恋女房だね!」 ケラケラ

P「友紀に女房呼ばわりされるのは釈然としないものがあるが、まぁ確かにアイドルはマウンドに立つ方だよな」

菜々「何の話ですか?」

P「ん。ああ、野球でキャッチャーの事を『女房役』って言うのさ。恋女房ってのはその上級表現みたいなもんだな」

友紀「へー、そうなんだ」 ケラケラ

P「おい!?」

友紀「まーまー。んじゃ、行ってきまーす!」




菜々「今のやり取りで友紀ちゃんが何歌うか分かったんですか?」

P「ん? いや、球場で流れる定番ナンバーがあるからそれかな、ってだけ。あー、ひょっとすると、Wild Thingもあるかもしれないなぁ」

菜々「?」

P「いや、メジャーリーグって映画の主題歌でさ、実際の試合でも使われる事があるらしいから。後は……友紀の好きな選手の応援歌とかだと分からんなぁ。適当なコト言わなきゃよかったな…」

菜々「友紀ちゃんは絶対気にしないと思いますけど…」

P「ところで菜々、忘れてるかもしれないけど、友紀は二十歳だから菜々より年上設定だぞ」

菜々「あ……キャ、キャハッ♪」

P「あ、おい! あいつビール片手に歌うつもりか!?」

菜々「蓋は開けてないみたいですけど……」



■姫川友紀 Take Me Out to the Ball Game

※実際に球場で流れてるバージョン
ttp://www.youtube.com/watch?v=vRDYwQS6b00
※少人数で歌うならこんな感じ?
ttp://www.youtube.com/watch?v=JGws1yR0tg8

 姫川友紀は野球が大好き! 選手を全員覚えて、名前を全部言えるぐらい!

 球場に来れば、フレー!って応援してる彼女に会えるよ


 彼氏の名前はP その彼が言うの

 ”友紀、ディズニーランドなんてどう? 行こうよ”

 信じらんない! 返事は無論NO! あたしはこう言ってやるの





 あたしを野球に連れてって! 観客席に連れてってよ

 ピーナッツとビールも買ってね 帰れなくなってもいいから!


 そしてキャッツを応援しようよ!

 無様に負けたら許さない! かっ飛ばせキャッツ!

 これぞベースボール!って試合を見せて!

────
──


菜々「めちゃくちゃ楽しそうに歌ってますね…」

P「キャッツの試合がなかったからここに来たのか……。あっ、ビール開けやがった!」

菜々「飲みながら戻ってきますね…」

P「くそ…なんでここのスタジオは禁酒じゃないんだ…」

菜々「え、違うんですか!?」

P「まぁ、酒飲みながらレコード収録する大物アーティストとか、前例が無い訳じゃないからな…基本禁酒だけど、規約にはまだないんだよ」

菜々「そうだったんですか…」

P「あ、駄目ですよ安部さん。宴会とかで変な前例作ったら、禁止になる可能性が高いですからね」

菜々「しませんからね!?」

友紀「ップハーッ! ウメーッ!」


菜々(ビール…ゴクリ)

P「おい!」

友紀「んー? プロデューサーも飲む? ロング缶しかないけど」

P「それが半ダース"も"ある、だろ! それよりいつから俺がお前の彼氏になったんだ」

友紀「あー」

友紀「まーいーじゃん! 歌の話だし!」 ケラケラ

P「お前の場合、TPO弁えて言動調整できないから普段から気をつけなさい」

友紀「えーっ。あっでも、こないだ親に将来の話とかされて、めんどくさくなってPが彼氏だから心配すんなって言っちゃった!」

P「まじかよ!?」

友紀「ホントだ、あたし弁えられてない! さすが恋女房、あたしのコト分かってるね!」 ケラケラ


P「それはもう良いから! ちゃんとホントの事言っとけよ」

友紀「えーっ」

P「えーじゃない」

友紀「びーっ」

P「びーでもない!」

友紀「あははは! んじゃ、Pが彼氏になってくれたら言う」 ケラケラ

P「それじゃ意味ないだろ! 言うまでビールは没収」

友紀「あーっ、あたしが自分の稼ぎで買ったのに! んもー、しょうがないなぁ…帰って飲むか…」

P「あっおい! 飲むなとは言わないけど、親御さんにはちゃんと訂正しとけよ!」






P「…行っちゃった」

菜々(ビール…) ゴクリ

P「安部さん、ここで飲んだら設定変えてもらいますからね」

菜々「の、飲まないですよぉ。ウサミンは17歳なので、ビールの美味しさなんて分かんないんですっ!キャハッ♪」

P「語るに落ちてるぞ。……しっかし、友紀はあの明け透けさが魅力ではあるんだが…」

菜々「いつになく厳しく言ってましたね」

P「友紀はあのキャラがあるし、年齢的にも成人してるからさ、もうちょっと上にいけたら、彼氏とか旦那がいても関係なく愛されるタレントになれると思うんだよ」

P「ただ、今はその途中で、パパラッチとかで簡単にキャリア潰されるかもしれないからさ」

菜々「そこは他のアイドルと変わらないですね」

P「うん。友紀の場合、さっきも言ったけどあの明け透けさは魅力だからな。本人が意識して気をつけるより、俺とか周りがガミガミ言うから仕方なく、って構図の方が良い」


菜々「Pさん、完全に悪役ですね…」

P「それも仕事だろ?」

菜々「なるほど、恋女房……」

P「やめてくれ! そう言われるとなんか何かがキュッてなるんだよ!」


※おまけ:Wild Thing
ttp://www.youtube.com/watch?v=5Zw8z4_j9GI

──────────

ここまで。

序盤の曲リスト:>>80
※よりガッカリするだけだったりしたらごめんなさい。

寧ろなんでユッキを彼女にしないんですか(半ギレ)

礼子さんの『House of the Rising sun』
聴きたいな。
暗い歌だけど、楽しいだけが名曲じゃないし似合いそう

そういえば

紗南「最近はレゲーもやっててさ」

P「シンディ・ローパーはレゲエではなくないか?」

ってやり取りを入れ忘れた('A`

ちょっと再開。

そんなに詳しいわけじゃないからリクエスト貰うのは怖いなーと思っていたんですが、
「そういえばその名曲があるじゃないか!」って思い出したりとか
「こんな曲があったのか!」って新しい出逢いがあったりとか
自分的に大豊作ですありがとうありがとう!

──────────


 バーン!

早苗「P君面白そうな事やってるらしいじゃない♪ お姉さんも混ぜなさいよ!」

P「パッションな面子が続くな……」

瑞樹「おはようP君に菜々ちゃん」

菜々「おはようございますっ♪」

P「お疲れ様です、早苗さん。……と、川島さん」

瑞樹「そういえば分からないわ。どうして私だけいつも名字呼びなの?」

P「え、あー。そういえば最初の頃、瑞樹さんて呼ぶと聖來が一緒に反応しちゃうんで、そうしたんですよね」

瑞樹「もう必要ないんじゃないかしら?」

P「え、でももう川島さんで定着しちゃったし…」


瑞樹「瑞樹さんで紛らわしいなら、瑞樹ちゃんと呼べば良いんじゃないかしら」

P「いやそれはキツ…」

早苗「ちょっと! なにコント始めてるのよ!」

P「あっとそうでした。お二人でデュエットなさるんですか?」

早苗「そうそう。『セクシー☆ダイナマイツ』ってユニット名で売り出すわよ!ってそんなわけないじゃない!」 ビシッ

P「あ痛だっ! なんで話を戻すその流れでそのまままた脱線するんですか!?」

瑞樹「私の話まで脱線扱いしないで欲しいわ!」

P「あー、えーっとその…川島さんだけって事はないかと……他にも名字呼びの人いますし…」

瑞樹「例えば?」

早苗「そういえばP君、留美とか真奈美の事は名字呼びしてるわよね」


P「あっ、そうですね。ほら、川島さんだけじゃないですよ!」

瑞樹「釈然としないわ…」

P「そ、そんな事より川島さんは何を歌われるんです?」

瑞樹「無理矢理戻したわね」

P「そんな事ないですよ」

瑞樹「…まぁいいわ。それは聞いてからのお楽しみよ」

P「はぁ…。それじゃ早苗さんは? ロリータあたりで?」

早苗「Pくぅん? あたし、おっさん扱いも嫌だけど、ロリ扱いもイヤって知ってるよね?」 ギリギリギリ

P「痛でででででで! ち違いますって! トライミーとか歌ったロリータですよ! ユーロビートとか好きそうだし!」

菜々「ユーロビートでトライミーって、安室奈美恵さんが歌ったやつですか?」

P「そうそう。あれカバーなんだよ」


早苗「なんでユーロビート?」

瑞樹「ボディコンね。分かるわ」

早苗「ジュリアナが閉店した時、あたし10歳ぐらいなんだけど…」

P「まぁ、そうなんですけど……。ジュリアナ閉店と同時にボディコンが滅亡したわけでもないですし」

早苗「まぁ、ぶっちゃけ好きだけどね。……それより瑞樹、どっちから行く?」

P「あれっ? なんか昭和っぽいネーミングのユニットは?」

早苗「昭和っぽいとか言うな!」 ゴスッ

瑞樹「早苗が選んでいいわよ」

早苗「そ? んじゃ、お先に行かせてもらうわね」






P「痛てて……。早苗さんといると生傷が絶えないんだけど…」

瑞樹「成人組では間違いなく一番、その枠をナシにして考えても、杏ちゃんと乃々ちゃんの次ぐらいにボディタッチが多いわよね」

P「お、俺から触りにいってるわけじゃないですよ!? 人をセクハラ野郎みたいに言うのはやめて下さいよ、もう!」

瑞樹「そういう事じゃないわ」

菜々「あれ、早苗さんなんだかすごい緊張してません?」

P「へ? あぁ、ホントだ。ライブの時でもあんなに自然体の早苗さんが、珍しいな」

瑞樹「深呼吸してるわね」

 パァン! ウシッ!

菜々「じ、自分の両頬を叩いて気合い入れましたよ!?」

P「あーあ、真っ赤じゃないか…痕が残るような叩き方じゃないけど、アイドルなんだから顔はもっと大事にしてくれなきゃ……」

瑞樹「叩いたから真っ赤なんじゃなくて、真っ赤だから叩いたんだと思うわ」


■片桐早苗 Say you love me

ttp://www.youtube.com/watch?v=5GQGqZGOPxU

 分からない? あたし、君と友達以上の関係になりたいの

 君に触れるのは心地いいけど もっと先まで進みたいのよ

 今のままじゃ難しいと感じても あたし達が抱き合った時 きっとそれが正しいって分かるわ


 『愛してる』って言ってよ それが素敵な事だって分かるでしょ?

 ただ『愛してる』と言って あたしを氷みたいに扱わないで

 お願い、あたしを愛して 君のものになってあげるから 君もあたしのものになって

 ただ『愛してる』と言ってくれるだけで きっと全部うまく行くわ



 ねえ、分かるでしょ あたし、君と友達以上になりたいの

 じゃれあうだけじゃイヤ もっと心で繋がりたいの

 いつもと違う風にあたしを見て 今から一歩先に進めば、きっと分かるわ





 『愛してる』って言って それが良いわ

 『愛してる』って言ってよ あたしに冷たくしないで

 ねえ、愛して 君を頂戴 あたしをあげるから

 『愛してる』と言ってくれたら みんなうまく行くの


 『愛してる』と言ってくれない? ねえ、言って

 『愛してる』って言ってよ ダーリン

 『愛してる』と言って



 『愛してる』って言ってよ それが素敵な事だって分かるでしょ?

 ただ『愛してる』と言って あたしを氷みたいに扱わないで

 お願い、あたしを愛して 君のものになってあげるから 君もあたしのものになって

 ただ『愛してる』と言ってくれるだけで きっと全部うまく行くわ


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──



P「やばい、あんなシリアスな早苗さん初めて見た」

菜々「すごい色っぽかったですよね! 菜々もドキドキしちゃいました」

瑞樹「……ちょっと、聞いてないわよ。あんな本気で攻めてくるなんて…」

菜々「? どうかしたんですか?」

瑞樹「こ、こっちの話よ? 準備してきたあれでは弱いわね……ええと…」

P「川島さん、顔色悪いですけど……大丈夫です?」

瑞樹「えぇ。大丈夫よ。ちょ、ちょっと、5分ほど外すわね」





菜々「どうしたのかな…」

早苗「ただいまー、っと。あれ、瑞樹は?」

P「なんか5分ほど外すって、慌てて出て行きましたよ。何かやってるんですか?」

早苗「ん? ああ、ちょっとゲームをやってるの。美優と留美にも声を掛けたんだけど、乗ってこなかったのよね」

菜々「あ、美優さんならもう来られましたよー。…ゲームって、一体どんなゲームですか?」

早苗「うん。本気で愛の歌を歌って、P君を一番ドキッとさせた子が優勝、ってゲーム」

P「何やってんすか……。ちなみに相当ドキッとさせられました。ああいう歌もいけるなんて、知りませんでしたよ…」

早苗「ホント!? ちなみに優勝賞品は、P君がお婿さんになってくれる券♪」

P「ちょっ、何勝手に人の人生賭けてんだ! 全くもう、この人は……(溜息)」

早苗「いいじゃんいいじゃん、オトナの女はそういう口実がないと攻められないもんなのっ♪(////)」 ドスッ

P「カハッ」 ドサッ

菜々(鳩尾に肘鉄!?)


早苗「で、そういう事だから……って、P君聞いてるー?」

菜々「き、聞こえてないと思いますけど…」

早苗「もう、だらしないなぁ。ま、そういう訳なんだけど、菜々ちゃんも混ざる?」

菜々「な、菜々は遠慮しておこうかなーなんて……。キャハッ♪」

早苗「あたしらよりは余裕あるだろうけど、親御さんそろそろせっついてきてるんじゃない?」

菜々「う゛っ……。その、少しだけ…」

早苗「ま、後悔はしないようにしたいわね、お互い。…それじゃ先に帰るわ、瑞樹にはそう言っておいてくれる?」





P「う、ぐ……息を吐いたところで急に来るんだもんなぁ…死ぬかと思った…」 ゲホゲホ

菜々「……」

P「あれ、どうした菜々?」

菜々「……確かに……年齢的に…当ですけど…やっぱり思い切って……」 ブツブツ

P「なーなー? 耳に息吹きかけちゃうぞー?」 フーッ

菜々「ひゃあああ!? な、な、なんですかいきなり!?」

P「いや、なんか呼んでも反応ないから」

菜々「だからってやって良い事と悪い事がありますからね!?」

P「早苗さんは?」

菜々「もう……帰りましたよ」

P「友紀の置いてったビール持ってって貰えばよかったな……あ、川島さんきた。なんだ、川島さんもすごい真剣な顔してるな」

菜々「無理もないですよね…」

菜々(多分、いつものノリでおふざけのつもりで来たら、早苗さんがガチだったから焦ったんですね…)

P「? あー、こうして見ると、アナウンサー時代の川島さんを思い出すなぁ。密かにファンだったんだよね、俺」



■川島瑞樹 It Might Be You

ttp://www.youtube.com/watch?v=C0ug8LyAWSM

 私の人生って、通り過ぎる列車を眺めていたようなものだったわ

 浜辺で 海鳥が飛び交う様を眺めていたようなもの

 家で誰かが待っていてくれたら そんな事を願いながら


 その誰かって、君じゃないかしら そう 何かが囁いたの




 私の人生の中で

 恋人たちが どんな風に出会って どんな風に別れるのかを見て来たの

 もしも私の番が来た時 この人だ、って すぐに分かるかしら?


 その人って、君じゃないかしら そう 何かが囁いたの


 たくさん散歩に出掛けましょう 何度も一緒に朝を迎えてみましょう

 そしてたくさんの愛を育ててみましょう?


 時間が必要だって思うの そう、時間だけでいいのよ 分かるわよね?

 そうすれば 君が『その人』かどうか 分かるはずだわ



 ラブソングやララバイを たくさん考えてるの

 まだ形になっていない物もあるけど 全部まだ、誰も聞いた事がないものよ


 君よ 君なのよ 私がずっと、生まれた時から待ち続けてきた『誰か』っていうのは

 そう、君よ 多分、君なの

 私がずっと、生まれた時から待ち続けてきた『誰か』っていうのは


────
──



P「なっつかしいなぁー。ダスティン・ホフマン、『トッツィー』だ。学生の頃レンタルして来て見たんだったかなぁ」

菜々「え、ダスティン・ホフマンて歌も歌うんですか?」

P「ああいや、ホフマンは主演。歌はスティーヴン・ビショップだな。良い曲多いんだけど、なんだろうなぁ、癖がないのか、これがそこそこヒットして、後はあまり注目されなかったらしい」

菜々「そうなんですか…」

P「うん。他の曲もさ、悪くないんだよ」

川島「ど、どうだったかしら」

P「あ、お帰りなさい! 良かったですよ! いやー、やっぱ好きだなぁ…」

川島「ほ、本当!?」 ズイッ

P「…ビショップ」

 ガクッ


川島「そうよね、スティーヴン・ビショップの事好きよね。分かっていたわ」

P「あ、いや、勿論川島さんの歌も素敵でしたけどね」

川島「そ、そう? ドキっとした?」

P「あー…聞きましたよ。あんまり早苗さんの悪ふざけに乗っからないで下さいよ。もう大人なんですから」

川島「悪ふざ……。そ、そうね! お姉さん達があんまり色気振りまいたら、P君も困っちゃうわよねっ。はぁ……」

P「ホントですよ……ドキドキしどおしですよ…あ、そうか」

川島「な、何かしら?」

P「俺、大人の女性…って感じの人を名前呼びするのが、抵抗あるのかなって」

川島「つまり、どういう事?」

P「いや、例えばニュージェネの連中とかって、女性というより女の子って感じで。すんなり名前で呼べるんですよ」


川島「興味深いわ。でも、早苗はどうなのかしら?」

P「ああ、早苗さんは……年上ですけど、なんか女の子って感じがするからか、抵抗ないんですよね」

 ガタッ

川島「つまり私は大人のオンナと意識しているという事ね、分かるわ!」

P「え、はぁ、まぁ……」

川島「一歩リードよ、早苗……! あら、そういえば早苗は?」

菜々「あ、先にお帰りになりましたよ」

川島「そう、ありがとう。それじゃ私も行くわね」

菜々「あ、はーい。おつかれさまでしたっ」

川島「またね、P君♪」

菜々(ウィンクに投げキス……)





P「はぁ……心身ともにすごく消耗した気がする…」

菜々「あ、そういえば美優さんとか楓さんは名前呼びですけど、早苗さんと同じ理由ですか?」

P「え、ああ、そういえばそうだな。うーん、なんだろうな、あの二人が特別ってより、年上オーラ出てる人はつい距離を置いて名字呼びしちゃう感じ?」

菜々「うわ……逆ですか…」

P「な、なんだよ…。ちなみに礼子さんは自分でも分からん。あの人はなんかもう"礼子さん"てキャラだからしか言いようがない」


※おまけ:川島さんが準備してきてた曲 Do You Want to Know a Secret
ttp://www.youtube.com/watch?v=BVQU6xH96k8

──────────

ここまで。

Say you love meは>>190で初めて知ったんですが、やたらツボだったので使わせて貰っちゃいました。
ありがとうありがとう!
でも使われ方がコレジャナイだったらごめんなさい!

>>235
雌豹なだけにアニマルズですね。分かるわ。

分かるわと言えば、多用しすぎた気がする……
もっとあの、年甲斐もなく(失礼!)キャピキャピしてる可愛さが出せればよかったんですが。
川島さんが嫁の人ごめんねごめんね

ちょっと再開。

──────────


 ガチャ

菜々「あ、乃々ちゃん。おはようございまーすっ」

乃々「あの……アイドルやめたいんですけど…」

P「第一声からそれかよ!?」

乃々「む、無理ならせめて帰りたいんですけど…」

P「お、おう……。ま、まぁ強制じゃないし、今日はオフだったはずだし、止める理由はないよ」

菜々(むしろ、なんで来たんだろう…)

乃々「……」

P「どうした?」

乃々「な、なんでもないんですけど……それじゃ用もないですし帰ります…」


 トボトボ チラッ 

菜々「!」

 パタン



菜々「あの、乃々ちゃんひょっとすると……」

P「…」 ウズウズ

菜々「あ、あの、Pさん?」

 スクッ ズカズカッ バタン

 バタバタバタバタッ



 ナ、ナンデ オイカケテ クルンデスカ

 ヤ、ヤメテ ホシイン デスケド

 ム、ムーリィ

 バタバタバタバタッ

 ガチャッ

菜々(Pさんが急に出て行ったと思ったら、乃々ちゃんを抱きかかえて戻って来た!?)

菜々「ど、どうしたんですか!? さっき帰って良いって言ったのにそんな強引に連れ帰ってきて…」

P「はっ!? す、すまん乃々。ついいつもの癖で」

乃々「うう…もりくぼに自由はないんです…横暴なプロデューサーがこうして攫いに来ますし…(////)」

菜々(言うわりになんだか嬉しそう)


P「いや、面目ない。乃々と杏が背中を見せる時はいつも逃げる時だからもう条件反射で…」

乃々「あ、あんまりなんですけど……乃々はペットじゃないんですけど…」

菜々(むしろ条件付けされてるPさんこそペットっぽい気も)

菜々「あ、あの、取り敢えず乃々ちゃんを下ろしてあげたらどうですか」

P「あ、あぁ。そうだよな」 スッ

乃々「あ…」

P「済まなかったな、無理矢理連れてきちゃって」

乃々「本当に困るんですけど…もうこういう事やめて欲しいんですけど…」

P「わ、悪かったって。用もなく抱きかかえて攫ってくるみたいな事はしないって、気をつけるよ」

乃々「……全くしなくなったらそれはそれで寂しいんですけど」

P「は?」


乃々「ひ、独り言までいちいち聞かないで欲しいんですけど…」

P「(独り言だったのか…)お、おう…ごめんな」

乃々「…」

P「…」

菜々「……」

P「あの…」

乃々「せ、せっかくだから歌っていってもいいんですけど」

P「えっ? そうなのか! なんだ、準備してきてくれてたのか! いやぁ、嬉しいなぁ!早速聞かせてくれよ!」

乃々「む、むーりぃー…」

菜々「どっちなの!?」





P「乃々が辞めたい・帰りたい以外に何か積極的にやろうとしてくれるなんて、嬉しいなぁ」

菜々「乃々ちゃんて、ホントに嫌々アイドルやらされてるんですか?」

P「うーん……一回、本番直前に逃げ出した事があってさ」

菜々「え……た、大変じゃないですか!」

P「あ、うん。監督がカンカンでさ、ひとまず宥めなきゃいけなくて、すぐ追いかけられない事があったんだけど」

菜々「乃々ちゃん、帰っちゃったんですか?」

P「いや、すぐ外でうろうろしてた」

菜々「」

P「もう夢中でかっさらって戻ってさ、スタッフに平謝りして、どうにか予定通り撮影してもらったんだけど」


菜々「ま、まだ何か?」

P「いや、それ以来やたらプチ脱走するようになってさ。時間のちょっと前に逃げ出して、俺が担いで戻るのがもう習慣になってて……」

P「多分、乃々本人はアイドルが好きだと思うんだよなぁ。ただ自分でエンジン掛けられないから、そうやって誰かにスイッチ入れて貰ってるだけなんじゃないかなぁ」

菜々「は、はぁ…」

菜々(後で菜々も真似してみようっと)



■森久保乃々 Love Will Keep Us Alive

ttp://www.youtube.com/watch?v=t6tfTJ4I31g

 その人は たった一人で戦っていて

 その女の子は ただ隠れる場所が欲しかっただけなんですけど…


 道が分からなくて孤独でしたけど その人のおかげで強くなれましたし

 別にアイドルのお仕事なんてしなくても 愛があれば生きていけると思うんですけど…


 ”心配すんな。騙されたと思って乗せられてみろって!な?”とか言われても

 確かに 知らない間に世界はもりくb…その女の子にとって 生きやすくなったとは思うんですけど

 その人に見つけて貰って もう寂しくも虚しくもないですし

 別にアイドルのお仕事なんてしなくても 愛があれば生きていけると思うんですけど…




 ”お前の為ならなんだってやる 世界一の山にだって登ってやる! 命だっていくらでも賭ける!”

 そう言ってくれるのは嬉しいんですけど もりくぼがアイドルじゃなくても言ってほしいんですけど…

 あっ、なんだってやるなら、まず引退させてほしいんですけど…



 その人は たった一人で戦っていて

 その女の子は ただ隠れる場所が欲しかっただけなんですけど…


 道が分からなくて孤独でしたけど その人のおかげで強くなれましたし

 別にアイドルのお仕事なんてしなくても 愛があれば生きていけると思うんですけど…

 お腹が空いたって 二人の間に愛があれば生きていけると思うんですけど…

 大事だから何度も言うんですけど 何はなくても 愛があれば生きていけると思うんですけど…



────
──



P「イーグルス再結集の時の曲だ。いいよなぁ、これ」

菜々「素敵な歌詞ですねー。お腹が空いても、二人愛し合っていれば生きていける、ですか」

P「うんうん、イーグルスも、詞が分かると良さが増すグループだな。俺も一日一食まで切り詰めたって、ガチャがあれば生きていけるよ」

菜々「ご飯ぐらいは三食しっかり食べて下さいよ、もうっ!」

 ガチャ

P「おっ、良かったぞ乃々!」

乃々「む、むーりぃー…」

P「無理なもんか! 絶対トップアイドルにしてやるからな!」

乃々「トップアイドルとか無理ですし……あの歌はもりくぼの切実な願いなんですけど…」

P「ははは、むーりぃー」

乃々「ま、真似しないで欲しいんですけど…」







菜々「乃々ちゃんもまた、強烈なキャラですね…」

P「個性派の中でもひときわ異彩を放ってるだろ。あいつはビッグになるぞ」

菜々「本人がそれを望んでいるかどうかですけど…」

P「あれだけの素材を埋もれさせておくなんて! それはもう全人類に対する罪だろ! なーんて…」

菜々「女の子を攫ってアイドルさせる方が罪ですからね…ところでPさん、少女漫画って読みますか?」

P「ん? いや、あんまり。ガラスの仮面が少し分かるぐらい」

菜々「なんだかんだ言って、イケメンで強引な王子様が攫いに来てくれるお姫様、って構図は多いんですよ」

P「へー、そのへんの願望は男女とも一緒だな。男向けの漫画にも受け身な男子が美少女に迫られるって構図が多いように思えるぞ」

菜々「乃々ちゃんて、少女漫画が好きじゃないですか」

P「あはは、なるほどな。それじゃ、ホントの王子様が乃々を攫いに来るまで、王子でもイケメンでもない俺が頑張るか」

菜々「……そのまま王子様にならないで下さいよ?」

P「俺が王子に縁があるって言ったら、八王子ぐらいだからなぁ。ははは」

菜々(心配だなぁ…)






留美「おはよう、Pさんに菜々さん」

菜々「あ、おはようございまーす!」

P「おはようございます、和久井さん。和久井さんも、オールディーズを一曲歌いに来てくれたんですか?」

留美「オールディーズと言うには新しいかもしれないけど」

P「ああいや、なんかもう各人にとっての懐メロ~ぐらいの砕けたニュアンスでやっちゃってますから」

留美「そう。ならよかったわ」

P「しかし楽しみだなぁ、和久井さんも結構古い洋楽は聞かれるんですよね」

留美「元々そういう趣味があったわけではないわよ。貴方の影響ね」

菜々(!?)

P「あ、そうなんですか? いやー、光栄だなぁ」

留美「私の方こそ、感謝しているのよ。元々無趣味だったから。…貴方のおかげで、人生に潤いが得られた気がするわ」

P「い、いや、大袈裟ですよ」

留美「…何を言ってるのかしらね、私…。準備するわね」



■和久井留美 Will You Love Me Tomorrow

ttp://www.youtube.com/watch?v=m8KlYc0xG80

 今夜、あなたは私のものよ あなたは優しく愛してくれる

 その瞳には 私への愛が煌めいているわ

 だけどあなたは 明日になっても 変わらず私を愛してくれるのかしら?


 これは永遠の宝物? それとも一夜の戯れなのかしら

 あなたの囁きを信じていいの? 明日も変わらず愛してくれる?


 今夜あなたは、それとなく 貴女だけ…そう言ってくれるのね

 だけどこの夜が明けた時 私の心は傷つくのかしら


 あなたの気持ちが知りたいわ 私が信じていいものなのか

 だから教えて もう聞かないから 明日も変わらず愛してくれる?

 だから教えて もう聞かないから 明日も変わらず愛してくれる?


────
──




菜々(あ、あれ、なんだか重っ!)

P「いいなぁー、このチョイス。和久井さんのハスキーボイスにぴったりだ」

菜々「あ、あははー…そうですねー」

P「もちろん下手じゃ駄目だけど、技術だけじゃ感動させられないタイプの歌だよな」

留美「そう言って貰えるなら、選んだ甲斐があるわ」

P「あ、お帰りなさい。すいません、貴重なオフにこんな遊びにつきあって頂いて」

留美「いえ……オフと言っても、時間を持て余してばかりいるから」

P「そうですか? それなら良かった! ……って、もう前みたいな事が無いように気をつけないとですね」 ハハハ

菜々「前? 何かあったんですか?」

P「あぁ。ロケ現場の近くで偶然和久井さんに会ってさ。悪いとは思ったんだけど、急遽ヘルプに入って貰ったんだよね」


菜々「そ、そんな事が…」

留美「構わないわよ。必要として貰えるのは、私に取っても嬉しい事だから」

P「ははは、駄目ですよ、そんな社畜みたいな事言っちゃ。和久井さんは輝くアイドルなんですから」

菜々(何故か聞いててハラハラします…)

留美「今日は何か困っている事はない?」

P「え、うーん…。ちょっと思いつかないですね、元々仕事じゃないですし、むしろ俺すら要らないんじゃないかってぐらいで」

留美「そう、ならいいわ」





P「最近さ、オフの和久井さんによく会うんだよなー」

菜々「!?」

P「え、なんでびっくりしてんの。いや、オフは一人で旅行してるって言うからさ、ロケとか、移動中とかにばったり、って感じで会うだけだよ」

菜々「ぐ、偶然起きるものなんですか、そんなの?」

P「そう言われてもなー。実際よくあるんだし、そうなんじゃないか?」 ハハハ

菜々(なんでこんなに暢気なんだろう……!)

──────────

ここまで。

序盤の曲リスト:>>80
※よりガッカリするだけだったりしたらごめんなさい。

間に合わなかった……。

朝日が当たる家とL-O-V-Eどちらも頂きます!
でもその前に一旦これ。

──────────


 ガチャ

かな子「おつかれさまですっ」

周子「どもーっす」

菜々「おつかれさまでーすっ♪」

P「おう、おつかれさまです。かな子に周子か、え、ていうかオールディーズを歌おうって企画だけど、それで来たの?」

周子「うん。なんかまずかった?」

かな子「え、そうなんですか?」

P「あ、ああいや、それならいいんだ。二人ともありがとな」

P(周子はただ冷やかしに来たとか、かな子は予定勘違いして来たとか、そういうの多いからな…)


菜々「お二人は一緒に歌うんですか?」

周子「うんにゃ、あたしは面白そうだから来ただけで、かな子ちゃんとはすぐそこで会って一緒になっただけだよ」

かな子「あ、差し入れにチーズケーキ焼いて来たんです!」 ガサガサ

菜々「わぁ♪ それじゃ、菜々はお茶を淹れてきますねっ」

周子「おー、洋菓子ってなんかテンション上がるよねー」

かな子「えへへ、そう言って貰えると嬉しいな」 ドォンッ!!

P「」

周子「」

かな子「今、切り分けますね♪」

P「な、なぁかな子、参考までに聞くけど何人いることを想定して作ったんだ?」

かな子「はい? うーん、Pさんと、あと一人か二人いるかなーって思っていたので、私含めて四人ですねっ」


P(ウソだろ!その三倍は賄えるよ!)

かな子「余ったら勿体ないと思ったんですけど、丁度よかったです♪」

P(かな子が鼻歌交じりにケーキを切り始めた……。すごい嬉しそう)

周子「ね、ねぇかな子ちゃん。四等分しない方がいいと思うんだ」

かな子「? どうしてですか?」

周子「ほら、Pさん男の人だから、あたしらと同じ量じゃ多分足りないと思うんだよね。丁度今半分だから、それをPさんの分にして、残りをあたしらで分けようよ」

P「おま……俺を売る気か!?」

周子「んー、何言ってるか分かんないな。かな子ちゃんの作るスイーツは美味しいって言ってたし、やったねPさん!」

P「……」

かな子「ホントですかぁ! えへへ、嬉しいです。それじゃPさん、召し上がれ♪」


P「…」

P「……はっぴばーすでーとぅーゆー」

周子「!?」

P「はっぴばーすでーとぅーゆー はっぴばーすでーでぃあ周子ー はっぴばーすでーとぅーゆー」 ズイッ

かな子「あ、周子さんお誕生日今日なんでしたっけ? おめでとうございますっ♪」

周子「ちちち違うよ!? 確かに近いけど…」

P「うん、今日ではないけど近いよな。折角だから前祝いという事で、この大きい部分は周子が食べるといいと思うんだ。洋菓子はテンション上がるって言ってたし」

 ※このSS中の時系列はてきとーですが、以前蘭子が2ndアニバーサリー前か中を匂わせる台詞を言ってから一日経ってないので大体そのあたりという事で書いてます。

かな子「あの……。チーズケーキ苦手でした? 食べたくないなら言ってくれた方が……」 ションボリ

P「そんな事はないさ、超食べたいよ! なぁ周子!」

周子「も、勿論! あたしんち和菓子屋だから、おやつって言うと店で余った和菓子でさー。かな子ちゃんのスイーツはあたしも美味しいと思うしちょー食べたいよっ!」


かな子「えへへ、そうですかぁ? それじゃ、揉めないように四等分でいいですねっ」

かな子「はい、召し上がれ♪」

P「そ、そう言えば菜々がお茶の用意をしてくれてるし、戻って来たら頂こう。先に歌ってくれないか?」

かな子「あ、そうですね。それじゃ、ちょっと行ってきますっ」



菜々「お待たせしました旦那様、お嬢様♪ 菜々特製のウサミンティーでーs…うわでかっ」

P「おう、おかえり」

周子「やっぱ大きいよね……。こんなに食べたら大変な事になりそ…」

菜々「かな子ちゃんの作るお菓子って美味しいんですけど、これ食べたらしばらく絶食しないといけないかもです…代謝が落ちたのか一度お肉がつくとなかなか落ちなくなりましたし…」

周子「Pさんはいーじゃん、体重とか気にしないでしょ?」

P「あーいや。甘い物は好きなんだけど、たくさんは食べられないんだよな。あと安部さん、17歳で代謝落ちるってどこか悪いんですかね?」

菜々「あ、は、始まりましたよっ! 手拍子から始まる歌みたいですねっ」



■三村かな子 Lollipop

ttp://www.youtube.com/watch?v=9-DuC0tE7V4


 ロリポップ ロリポップ ロリロリ ロリポップ


 彼の事、ロリポップって呼ぶの どうしてって?

 それは、彼のキッスがアップルパイより甘いから♪

 彼が落ち着いてる時がチャンス だけどなかなか出来ないの


 そう彼は

 ロリポップ ロリポップ ロリロリ ロリポップ





 棒付きキャンディより甘いの

 チェリー味 コーラ味 ストロベリークリーム味

 お好きな味を選んでね だけど彼のキッスは独り占め♪


 ロリポップ ロリポップ ロリロリ ロリポップ


 彼、いつも私をドキドキさせるの 何故かって?

 彼、私がぼんやりしてる時にいきなりキスするのが好きなの

 もう、彼ったら!


 そう彼は

 ロリポップ ロリポップ ロリロリ ロリポップ...


────
──



かな子「もどりましたっ」

P「え、早っ。よかったぞー、ロリポップ……日本語カバーだとラリパップだったかな…は定番で可愛いし、よく似合うな」

かな子「えへへ、そうですか? えへへへ…(////)」

かな子「あ、そうだ。チーズケーキ召し上がって下さい、菜々ちゃんも!」

菜々「う、うんっ。ありがとう。うわぁ、美味しそうです! うわぁ…」

かな子「えへへ、わたしも早速…… あむっ! んー、おいしー!」 フルフル

P「うん、これは美味いな」 モグモグ

周子「うん、うまっ! これはやばいねー、食べ過ぎちゃうねー」 ハムハム

菜々「かな子ちゃんは本当においしそうに食べますねー。見てるこっちまで幸せになっちゃいます♪」

かな子「あ……。……」


P「ど、どうした?」

かな子「そういえばPさん、キスって甘いんですか?」

周子「ブッ!」

P「!?」

菜々(今時、小学生でも聞かないような質問……!?)

P「そ、そういう客観的事実はないと思うぞ。う、うん、無いんじゃないかな…」

かな子「でも、もっと甘いものじゃなくて、アップルパイと比較するあたりリアリティがあると思うんですっ」

P「ねえよ!?」

かな子「そうなのかな……キスなら食べ過ぎて体重が~とか気にしなくていいと思ったのに…」 シュン

周子(しょげるとこおかしいよね!?)


P「仮に甘かったら誰かとキスするのか…」

かな子「あ、それであともう一つあったんです。ロリポップってなんですか?」

P「ん? あぁ、それなら歌の歌詞にも出てきた…」

周子「ロリータポルノ大好きプロデューサー、略してロリポップだよ」

かな子「えぇぇーっ!?」

P「なんだその略語! 初めて聞いたよっていうかアイドルがそう言う事言っちゃ駄目ですっていうかよく咄嗟に思いつくな!」

周子「あははは♪ よく年少組とイチャイチャしてるから、絶対好きだよねこの人とは前々から思ってた」

P「ないから! 確かに許容年齢の範囲は広いかもしれないけど、そういうのは好きじゃないです!」

かな子「あわあわ……ロリポップがPさんだとすると、私、Pさんと……?」 チラッ

P「…」

かな子「あぅぅ…(////)」


P「ほらかな子が良く分からない事になっちゃったよ……後でフォローしといてくれよもう……。あ、もう食べないのか?」

P(節度を決めてそこで留まるあたり、流石だな)

周子「ん? 食べたい?」

P「おう、良かったらくれないか。(正直つらいけど残すのも悪いし)」

周子「しょーがないなぁ、Pさんは。はい」

P「さんきゅ」

周子「あ、間接キスじゃんこれ。チーズケーキ味だねー。ま、JKも卒業しちゃったあたしじゃガチロリのPさんは嬉しくないかー」

P「おい!」

周子「さーてと、それじゃあたしも腹ごなしに歌ってこようかなー! ……ありがとね」

P「ん、いや。うまいしな。周子は何歌うんだ?」

周子「Pにピッタリの歌を用意してきたから、刮目して聞くといいよ!」



■塩見周子 Please Come Home For Christmas

ttp://www.youtube.com/watch?v=XeShHAZk3to ※イーグルスバージョン。歌詞はこちら準拠。
ttp://www.youtube.com/watch?v=mput_1lVYus ※ぼんじょびバージョン

 ジングルベルが鳴る それは俺には悪い報せ

 最低のクリスマスだ あの子は行っちまって 共に祝う友達もいない

 ああ、どうかもう一度



 聖歌隊の歌う きよしこの夜 クリスマスキャロル

 手にしたキャンドルが 優しく照らす


 お願いだ周子 クリスマスには帰ってきてくれ

 それが駄目なら 新年の晩でもいいんだ




 親類や友人は 挨拶のカードを贈ってくれる

 星々が夜空に 変わらず輝いてる それ同じに



 なぁ、クリスマスなんだ クリスマスなんだぜ? 周子

 一年の間で 恋人同士がずーっと一緒にいる時なんだ


 頼むよ もうどこにも行かないって 言ってくれないか

 クリスマスから年明けまでは 家で一緒にいたいんだ


 お願いだ周子 クリスマスには帰ってきてくれ

 それが駄目なら 新年の晩でもいいんだ


 こんなに 悲しくて 辛くて 苦しいのは もうたくさんだ

 だから頼むよ 周子がいれば それだけでいいんだ


────
──



P「え、ひどくない?」

菜々「アテが外れる相手がいるだけマシですよ……菜々なんてもうクリスマスは明石家サンタを見る日になって久しいです」 ケッ

P「あ、あれ、菜々がまた黒くなってる!?」 チラッ

かな子「あぅぅ…(////)」 チラッチラッ

P「かな子もおかしいままか…」

かな子「お、おかしくないですよぉ。ただちょっと……あぅ…。やっぱり駄目です(////) お、おつかれさまでしたっ!」

 パタパタパタ

P「あ、おい! ロリポップは棒つきキャンディの事だからな! 誰かに間違って伝えるなよ!」




P「なんだったんだろう……」

周子「ただいまーっと。どうよ?」

P「あ、こいつ! どこが俺の歌なんだよ!」

周子「え、否定できるの? クリスマスは誰かと過ごすつもり? 彼女? せめて友達?」

P「う、ぐ……ま、まだ時間はある! 分かんないだろ!」

周子「ふーん。じゃ、賭ける?」

P「お、おういいぞ! 俺が勝ったら、嫌がってた水着グラビアのロケだかんな!」

周子「ふーん。あ、ねえ。あたしの誕生日って?」

P「ん? 言われた通りその日はオフにしてあるよ。俺は現場に入って、その後は下手すっと徹夜かもな」

周子「意味ないじゃん…。んじゃ、あたしが勝ったらクリスマスはその埋め合わせであたしと過ごすこと!」


P「へ?」

周子「んじゃ、決まりね。それじゃせいぜい頑張ってよねっ♪」



P「……あ、あれ? いや駄目だろ! っていうか、あれ? クリスマスに一人だったら俺の負けで、そうするとクリスマスは周子と……あれ?」

菜々「もう帰っちゃいましたけど…。見事に化かされてますね」

──────────

ここまで。

序盤の曲リスト:>>80
※よりガッカリするだけだったりしたらごめんなさい。

登場アイドルまとめ

・Pa
高森藍子、小関麗奈、本田未央、並木芽衣子、木村夏樹、喜多日菜子、三好紗南、姫川友紀、片桐早苗

・Cu
白菊ほたる、双葉杏、島村卯月、三村かな子

・Co
柊志乃、高垣楓、多田李衣菜、白坂小梅、大和亜季、渋谷凛、黒川千秋、北条加蓮、神谷奈緒、速水奏、神崎蘭子、三船美優、高峯のあ、川島瑞樹、和久井留美、森久保乃々、塩見周子

>>297
まとめありがとうございます。
Cu枠少ないな……一応CuPなのに…('A`

ともかくちょっと再開。またCo比率が上がります。

──────────

礼子「おはよう。妙な事を始めたみたいね」

P「あ、おはようございます礼子さん……と、珍しい取り合わせだな」

千枝「えへへ。おはようございます、Pさんっ」

ありす「おはようございます」

P「おう、おはよう二人とも……って、妙な事とは何ですか妙な事とは」

礼子「歌で嫁選びしてるんでしょ? アイドルの女の子を競わせて、その中から選んでやるなんて、一体何様なのかしら」

P「ブッ! ちちち違いますって! それは早苗さんが悪ふざけで言っただけで…」

礼子「冗談よ、知ってるわ。全く……一人しか勝ち残れないのに、群れた勢いで押し通そうなんて。勤め人の発想が抜けてないのかしら」

P「は、はぁ……」

礼子「あら、でも考えてみたら、あなたの甲斐性次第よね。一人だけなんて言って御免なさい」 ウフフ


P「ひ、一人ですよ!」

礼子「もう決まった人がいるの?」

千枝「え、そうなんですか!?」

ありす「……」 フンス

菜々(なんでありすちゃんドヤ顔してるんだろう…)

P「あっ、いや……出来るとして一人、結婚出来なかったら0人ですよ!」

千枝「なんだ…よかったです…」

ありす「……」 ムーッ

菜々(なんでありすちゃん急にむくれ出したんだろう…)


礼子「そ? じゃ、私と結婚しなさいよ」

ありす「な…!?」

千枝「えっ!?」

菜々「だだだ駄目です絶対駄目ですよぅ!」

礼子「あら……。おちびちゃん達をからかうつもりが、意外なものが釣れたわね」

菜々「っっーー!!(////)」

礼子「冗談よ。結婚なんて、頼まれたってお断りだわ。だから安心して頂戴」 クスクス

千枝(ほっ…)

ありす(ほっ…)

菜々(//////)


礼子「5年、10年後は分からないし、恋人なら今すぐでもOKだけどね?」

千枝「!?」

ありす「!!!」

菜々「!?!?」

礼子「ウフフ、おちびちゃん二人はともかく、大人二人までこんな面白い反応をしてくれるなんて」

P「ったく……。礼子さんはからかいに来たんですか?」

菜々「うー…(////)」

P(菜々が17歳アピールを忘れるほど動揺するとは……流石礼子さんだ)

礼子「それもあるけど、主に二人の付き添いよ。ほら、二人とも、折角練習したんだから、歌っていきなさいな」

千枝「あ、はいっ! じゃ、まず千枝から歌いますねっ」



■佐々木千枝 Too Many Rules

ttp://www.youtube.com/watch?v=6mhRjZ_rKoU

 深夜2時過ぎに帰ったら パパもママもすごく怒って

 10時15分までに寝なさい! なんて決まりを作られちゃった


 決まり決まり 決まりごとばっかり

 どうしてパパもママも ばかげた決まりを作るのかしら

 お星様お願いです 千枝の事きらいになってなかったらでいいんですけど

 決まりごとをちょっぴり減らして下さい


 プロデューサーさんが電話をくれる時

 家の電話だと うちに掛けてきた事になっちゃうじゃないですか

 だから時々 千枝だけに電話して下さいね




 決まり決まり 決まりごとばっかり

 どうしてパパもママも ばかげた決まりを作るのかしら

 お星様お願いです 千枝の事きらいになってなかったらでいいんですけど

 決まりごとをちょっぴり減らして下さい


 私の弟、いつも私の後をついて回って つまらない話ばかりするんですよ

 プロデューサーさんには、私がどれだけ苦労して抜け出して来てるか分かって欲しいんです

 私、どうすればいいのかなぁ



 決まり決まり 決まりごとばっかり

 どうしてパパもママも ばかげた決まりを作るのかしら

 お星様お願いです 千枝の事きらいになってなかったらでいいんですけど

 決まりごとをちょっぴり減らして下さい



────
──




菜々「元気がよくて、女の子らしい、可愛い歌ですね」

P「コニー・フランシスか。日本語カバーもされた有名曲だけど、よく知ってたなぁ」

千枝「戻りました!」

P「おー、お帰り千枝。よかったぞ」

菜々「うんうん、可愛かったですよっ」

千枝「えへへ、大人っぽかったですか?」

P「うん? お、おう」

P(内容的にも子供っぽさを前面に出してる気がするけど、確かコニー・フランシスが24歳ぐらいの時の曲だから、まぁ大人だよな)

千枝「えへへへ…。帰るのが2時10分なんてすごい大人っぽいです」

P「親御さんとの約束もあるし、うちの事務所は遅くても8時には帰れるようにしてるからなぁ」


千枝「夜も、10時には寝ちゃうから…10時15分までに寝なさい、ってどんな感じなのかな?」

P「早寝早起きか、千枝はいい子だなぁ」 ナデナデ

千枝「あ……っ。えへへへ(////)」

ありす(むっ…)

千枝「早く大人になりたいなぁ…。あ、でも、弟がいたらきっとすごい可愛がっちゃいます」

P「ああ、千枝はひとりっ子だもんな」

千枝「はいっ! みりあちゃんや莉嘉ちゃんの話聞いてて、すごく羨ましくって…。だからもし私に弟か妹がいたら、いっぱい面倒みたいです」

P「えらいなぁ千枝は。弟や妹はどうにもできないけど、事務所にいる千枝より下の子達の面倒とか、見てやってくれな」 ナデナデ

千枝「えへへへ…。あっ、でも、赤ちゃんなら大丈夫ですよね! 千枝、はやく大人になってPさんをユーワクしたいですっ」

P「ははは、そういうことは全然いい子じゃないなぁ千枝は」 ナデナデ

千枝「えへへへ…」

ありす(むーっ…!)

ありす「つ、次は私です! ちゃんと聞いてて下さいねっ!」





P「ありすも燃えてるな。千枝の歌を聞いたからかな」 ハハハ

菜々「Pさんいつか刺されますよ…」

礼子「大人の無邪気さは罪ね」


■橘ありす Fly me to the moon

ttp://www.youtube.com/watch?v=ZIDYqECkhGA
※この曲は本当に色んな人が歌ってるのですが、ありすが歌うならこのアレンジかなと思ったブレンダ・リーのバージョン

 月まで連れて行って下さい

 あと、星屑の中で遊びたいです

 えぇと… あと、木星や火星の春ってどんな感じなのか教えて下さい


 分からないですか? 別の言葉で言いますね

 手を…握ってくれませんか? あと、キスして下さい


 心を歌で満たしたい ずーっと、歌い続けたいです

 Pさんこそ 私の心の拠りどころ 探し続けていた輝きなんです


 何笑ってるんですか 別の言葉で言いますから、ちゃんと答えてください

 …あなたの事を愛しています 私の告白、受けてくれますか?



────
──




菜々「うわ重……じゃなくて、お、面白い歌詞ですねっ」

P「ん、あぁ、ありすが歌ったバージョンだと省略されてるけど、前部分があるんだよ」

菜々「そうなんですか?」

P「ああ。歌詞のストーリーを要約するとまぁそのなんだ。スパッとストレートに言えば済むとこ、回りくどい詩にして、回りくどい前置きをしてから、ようやくありすが歌った部分に入っていくんだよ」

菜々「あぁ! すごく納得しました! だから詩的な歌詞の後で言い直してるんですね」

千枝「ありすちゃん、大人っぽい…」 キラキラ

ありす「ど、どうですか…?」

菜々「よかったですよー!」

P「うん、ありすらしさがよく出た選曲だった」

ありす「ほ、本当ですか?」


P「おう。めんどくさいありすにばっちりマッチしたチョイスだ。本当に良かった!」

菜々(それ絶対けなしてますよね!?)

ありす「め、めんどくさ…!? ……自分のめんどくささは自覚してますから、それが何か?」

P「ありすは本当にめんどくさ可愛いなぁ!」 ガバッ ポスッ

ありす「きゃっ!?」

菜々(ありすちゃんを抱え上げて膝にのせた!?)

P「それがありすの良さだし、歌は歌だけどさ。もっとやりたい事はやりたい、欲しい事は欲しい、嫌な事は嫌ってストレートに言っていいんだからな?」 ナデナデ

ありす「は、放して……! うぅぅ…(////)」

千枝「ありすちゃん、いいなぁー」 キラキラ

菜々(いいなぁー)


ありす「ぜ、全然よくないです! こんなの子供扱いです、大人はしないの!」 ジタバタ

礼子「あら、大人もするし、して欲しいと思うわよ?」

千枝「ほんと? 礼子さん!」 パァァ

菜々「!!」 パァァ

ありす「だ、駄目! 私が乗るの!」 ギュッ

菜々(全然良くない、大人はしない。言い換えれば、私が乗るの! ですか…) ヤレヤレ


※おまけ:省略された前部分付バージョン
ttp://www.youtube.com/watch?v=2z2CmrVsc2E




ありす「~♪」

千枝「~♪」

P(結局二人とも膝に乗せてしまった……。子供とはいえ小学校高学年が二人ともなると流石につらいな…)

礼子「さてと……それじゃ、おちびちゃん二人は、先に出て待っててくれるかしら?」

千枝「どうしてですか?」

礼子「大人の話をするからよ」

ありす「(むっ)菜々さんだって大人じゃないのに、私たちだけ仲間外れになるのはおかしいです」

礼子「でも二人よりはお姉さんでしょう?」

ありす「でも、未成年ですっ」

菜々「えっ!?」

千枝「えっ?」


菜々「あ、あぁ! そ、そうですよ! 菜々は17歳だから成人してないんでした!」

P(ウサミン星人ぐだぐだだな…)

礼子「あら、実際の年齢はあなたたち二人を足しt…」

菜々「わ…わー! わー!わー!わー! ふ、二人ともちょっと休憩してこよっか! 菜々お姉さんが特製ココアをご馳走しちゃいますっ♪」




P「千枝は素直に、ありすは渋々ながら…って感じだったな…。大人の話って、一体なんです?」

礼子「さぁ? Pくんが重そうだったから」

P「へ? あ、あぁ、助かりました。流石に二人乗せたら成人男性ぐらいの重さになりますし、子供は元気よく動きますからね」

礼子「まんざらでもなかったみたいだけど、却って悪かったかしら?」

P「誤解を招く表現はやめてくださいよ、もう! …そりゃ担当してる子に懐かれるのは嬉しいですけど、それだけですから!」

礼子「そ? よかった」 クスクス


P「ところで、二人の選曲は礼子さんが?」

礼子「あら、何故そう思うの?」

P「タチが悪いから…」

礼子「ウフフ、言うようになったわね。確かに二曲とも私が教えたけど、手持ちを適当に聞いて貰って、好きに選ばせただけよ」

P「ああ、そういう……」

礼子「でも、千枝ちゃんだけは、誘導したと言えなくもないかしらね」

P「どういう事です?」

礼子「邦題を教えたの」

P「ああ……。『大人になりたい』ですか」

礼子「なりたいと言ってる時点で大人じゃないんだけど…気づかないかしらね」 クスクス

P「本当にタチ悪いな!?」

礼子「さてと……私も一曲歌っていいかしら?」

P「あ、どうぞどうぞ!」

礼子「そ? じゃ、ちょっと行ってくるわね」


■高橋礼子 The House of The Rising Sun

ttp://www.youtube.com/watch?v=zq_DpxCs27M

 ニューオリンズに、『朝日の家』と呼ばれる施設があります

 そこには大勢の、身を持ち崩した貧しい少女がいて ああ、神様 私もその一人になります


 母は仕立て屋でした 母は真新しい青いジーンズをよく仕立てていたものです

 私の恋人は ニューオリンズの南を中心に旅する博打打ちでした


 博打打ちに必要なのは、スーツケースとトランクだけ

 彼が満たされるのは、お酒を飲んでいる時だけ


 彼はグラス一杯にお酒を注いでは、カードゲームに興じます

 彼の人生でたった一つの娯楽は 街から街へと旅する事だったんです




 私の妹に伝えて下さい 私のように生きてはいけないと

 私は隠棲します、だから会いには来ないで下さい 私が余生を送る、あの場所には


 私が捕まったのは駅のホーム まさに列車に乗り込もうとした瞬間でした

 服役するのは、そう ニューオリンズになるでしょう


 私はニューオリンズに帰ります 思えば私の人生は駆けどおしでした

 でもそれもようやく終いに出来そう 残りの生涯が、あの『朝日の家』で待っているのだから


 ニューオリンズに、『朝日の家』と呼ばれる施設があります

 そこには大勢の、身を持ち崩した貧しい少女がいて ああ、神様 私もその一人になります



────
──



礼子「ふう…」

P「これは……ボブ・ディラン版の歌詞ですね?」

礼子「そうね。というより、アニマルズが少年の歌にアレンジしただけで、元々の歌詞に近いのはこちらよ」

P「そ、そうなんですか? 実は俺、この歌なんとなく聞いてたんですけど、なんだか胸が苦しくなりましたよ」 ハハハ…

礼子「そう? 私は逆に、こちらの歌詞の方が淡々と受け入れられるわ」

P「そんなもんですか?」

礼子「可哀相な誰かじゃなくて、自分への教訓という聞き方が出来るからかしらね」

P「ああ……そう言う事はあるかもしれないですね。礼子さんの表現力もあるけど、なんだか歌の女性が可哀相で」

礼子「そういえば、この歌は昔、明るい曲調のカントリー音楽だった事、知ってる?」

P「え、本当ですか!?」


礼子「ええ、機会があったら聞いてみるといいわ。とても興味深いから」

P「興味深い…ですか? 礼子さんらしくない言い方ですね」

礼子「あら、どういう意味?」

P「いやその、ははは…」 アセッ

礼子「歌は歌という事よ。そこから何かを感じ取る感性は素敵だけどね」

P「はあ…」

礼子「いくらPくんでも、歌に出てくる女の子はスカウト出来ないでしょ。いない女の子より、いる女の子をもっと見なさいな」

P「え、い、いや、さすがにそんな事考えてないですって…ははは」 アセッ

礼子「ならいいけど。折角歌ったのに、落ち込まれたら困るもの」

P「い、いやそんな! いいものを聞かせて貰いました、ありがとうございます!」


礼子「そ? よかったわ。それじゃそろそろ、おちびちゃん二人を連れて退散しようかしら」

P「え、別に戻って来てからでもいいですけど」

礼子「そしたら、また膝に乗りたがるわよ? 他の子も来る手前、それはあなたが大変になるんじゃないかしら」

P「へ? あ、あぁ、薫とかの年少組は真似したがるかもしれないな。そうですね、お願いします」

礼子「…あなた。くれぐれも言っておくけど、新しい子をスカウトする前に、いる女の子をもっとよく見た方がいいわよ…」 ヤレヤレ

P「え? あ、はぁ…」


※おまけ:『The House of The Rising Sun』長調バージョン
ttp://www.youtube.com/watch?v=UlbLs_bvimU
 ボブ・ディランのバージョンはようつべで手っ取り早く見つかりませんでした。

──────────

ここまで。
男性視点というか、男くさい歌ってそのままアイドルが歌うのは違和感あるなぁと思ってたんですが、あいさんに歌わせるのは割とアリという気がしました!なるほどな!

序盤の曲リスト:>>80
※よりガッカリするだけだったりしたらごめんなさい。

久しぶりにちょっと投下。

──────────


P「……なんだかすごく教訓めいた話をされた気がするな…。すっごい甘えてきたり、おふくろより怖かったり、どっちがホントの礼子さんなんだか」

P「やたら刹那的で快楽主義的な事を言ったかと思えば、ストイックで哲学的な事言ったりするしな……。うーん…」

 ガチャ

P「あ、菜々お帰り……えっ?」

 ゾロゾロ

P(な、なんか外人が大勢入って来た…!?)

P「あ、あの……部屋をお間違いでは…って、ええええっ!?」

桃華「Pちゃま!」

P「と、桃華? こ、この方達は…?」

桃華「わたくしがお招きしましたの!」

 ※具体的に誰ってちょっと思いつき兼ねたので決めませんでしたが、なんかもう「世界的アーティスト」がぞろぞろ現れたと思いねえ。
  ヘレンさんが気圧されてドヤ顔できなくなるレベルの。


P「お、お招きって……一大ニュースになっちゃう面々じゃないか!」

桃華「Pちゃまはこういう趣向はお嫌いだったですの…?」 シュン

外人達「Oh...」 シュン

P「い、いや、とんでもない! 生でお会いできるだけで光栄です!」

桃華「!」 パァァ

外人達「!」 パァァ

桃華「そ、そうですわよね!」

菜々「あれ、随分にぎやかですね……って、うわっ!?」

外人達「Wow! Maid-SAN!」「Cute!」「So KAWAII!」

菜々「えっ…、ええっ!?」


────

───

──


P「……大人気だったな」

菜々「なんかもう、今日一番疲れました…」

P「しっかし、さすがだなぁ。お遊びだからこそ全力で、か。ちょっと真似できないわ」

菜々「真似しようにも出来ませんよぅ。一体いくらかかったんでしょう…」

P「考えたくないや……。おい菜々、こんな贅沢二度と出来ないぞ。観客が俺達二人だけってのが申し訳ないぐらいだ」

菜々「桃華ちゃんの歌もちゃんと聞いてあげて下さいね!?」


■櫻井桃華 L-O-V-E

ttp://www.youtube.com/watch?v=6BW4W_hTi1s

~L~

 何って…宿題ですわ。Pちゃまったら、何だと思いましたの?

 そういう事しない子だと思ってたから、なんて。どういう意味かしら。


 ウフ、流石はPちゃま。わたくしの事をよく見てますのね。


 確かにわたくし、この手の私的な用事を人前でするなんて、以前はなかった事ですわ。


 あら、『分からないところはないか』ですって? ありがたい申し出ですわ。

 でも『流石の桃華も英語は苦手だったか』なんて、レディに失礼じゃありません?


 誰かに教えを請いたくて、こんな場所で宿題を拡げているのではないんですのよ。


 わたくし、帝王学の一環として主要外国語は一通り修めましたの。小学校の課題なんて退屈で欠伸が出ますの。

 でも、そうですわね……丁度いいですし、『L』で始まる言葉には、Pちゃまがわたくしを見守る『Look at me』を入れますわね。




~O~

 『そっか~』なんて笑って、Pちゃまがデスクに戻っていきますの。

 ちょっぴり残念ですけれど、わたくし、Pちゃまの仕事ぶりを見に、ここに来ておりますのよ?


 宿題なんて、ただの口実ですわ。


 だからPちゃま、いつものようにお仕事に打ち込んで下さいまし。

 そしてその凛々しい横顔を、わたくしにいーっぱい、見せて下さいましね。


 そうですわ! 『O』で始まる言葉には、『Only one I see』を入れましょう。

 ウフ、わたくし、いつもPちゃまだけを見つめておりますもの。



~V~

 ねえ、分かってらっしゃるのかしら。

 Pちゃまは、わたくしにとって、それはそれは特別な殿方ですのよ?


 わたくしの事、『櫻井家の子女』、あるいは『家は関係ない一人の小娘』と見る輩は大勢いますの。

 けれど、わたくしを『櫻井桃華』として評価して下さるのはPちゃまだけですわ。


 それがどれだけ難しくて、どれほどわたくしが切望していた事なのか、Pちゃまは多分ご存知ないでしょうね。

 他にも大勢の女の子をプロデュースしているのに、一人一人と向き合って、その本質を見抜くというのは並大抵ではないんですのよ?


 ですから、『V』には有用……いえ、多才…? ううん、どれも違いますわね。

 えい、それはそれは特別な『Very Very Extraordinary』! これですわ!



~E~

 ねえ、分かってらっしゃるのかしら?

 わたくしほど、Pちゃまを慕っている人間は他におりませんことよ。


 生涯の伴侶として、これほどの献身・専心を考えている娘が、わたくしの他におりまして?


 ですから、『E』には、他の誰より、『Even more than anyone』が入りますの。

 これはいわばプロダクションの皆に対する挑戦状、白手袋ですわよ!



~LOVE~

 さて……これで『LOVE』が揃いましたわね。


 LOVEこそが、わたくしがPちゃまに捧げられるものの全てですわ。


 櫻井家をその手にできますのよ? そう言いましたのに、Pちゃまったら。

 『そしたらプロデューサーと兼業なんてとても無理だろ? だから俺には要らないよ』なんて!


 そう言って、頭を撫でてくれたのはまぁ、評価して差し上げますけど。

 子供扱いはレディに失礼ですわっ。

 小金持ちの道楽とか、年上への憧れを恋と混同する小娘とは、わけが違いますのよ?



 わたくしとPちゃま。

 二人なら、何だって乗り越えていけますわ。


 Pちゃまなら、わたくしのこの思い。無碍にしたりは、しませんわよね?

 ちゃんと受け止めて下さいましね。


 わたくし思いますの。


 LOVEはわたくし達、二人のためにあるんですわ。


────
──



 ガチャ

菜々「あ、お帰りなさ……あ、あれ、Pさんは?」

桃華「バンドマンの皆様にご挨拶してらっしゃいますわ」 ムスーッ

菜々「あ、あぁ……。あの、何か飲まれます…?」

桃華「頂きますわ。まったく…Pちゃまったら…」 プンスカ



P「いやー、もう大感激だわ! 名刺も交換したし、握手もしてもらっちゃった。今日はもう手洗わないっ!」 ホクホク

菜々(昔のアイドルファンみたいな事言って…)

P「桃華、ありがとな! 皆さん、日本を観光してから帰るってさ!」

桃華「Pちゃまっ! ちょっとそこにお座りなさい!」

P「へ? あ、はい…」


桃華「よいしょっと…」

菜々(当たり前のように膝に乗った!?)

桃華「Pちゃま、わたくしがお招きした方達へのご挨拶が大事だという事は分かりますわ。けど、一番大切な事を忘れているのではなくて?」

P「ん? お、おぉ。桃華の歌、よかったぞ。選曲も良かった、ナット・キング・コール最期の名曲で来るとはな!」 ナデナデ

桃華「あっ…。うふふ、もっと撫でてもよろしくてよ?」

P「桃華は甘えん坊だなぁ」

桃華「普通ですわ! わたくしのお母ちゃまもよくお父ちゃまのお膝に乗って、こうして頭を撫でてもらっていますもの!」

菜々(櫻井家当主夫妻の私生活をこんなところで曝露されるとは…!)

P「桃華のご両親は仲が良いもんな」

桃華「そうですわ! わたくしも将来、あんな家庭を築きたいと思っていますの」


P「いつまでも仲の良いおしどり夫婦ってのは素敵だな。でもいいのか、旦那さん以外の膝に乗っても仕方ないだろ」

桃華「時間の問題ですから、大丈夫ですわ。それに色んな殿方のお膝に乗っておかないと、将来『あなたのお膝が一番ですわ』って言えませんもの」

P「(時間の問題…?) でも桃華、あんまり軽々しく男の膝に乗るもんじゃないぞ」

桃華「あら、やきもちですの? 安心なさって、お爺ちゃまに、お父ちゃま、叔父ちゃまにじいやのお膝には乗りましたけど、Pちゃまのお膝が一番ですわよ」

P「ははは、そいつは光栄だなぁ」 ナデナデ

桃華「Pちゃまは如何かしら。色んな娘をお膝にお乗せしているようですけど、わたくしが一番ではなくて?」

P「えっ? うーん、そうだなぁ……一番はサバかなぁ」

菜々(!?)

桃華「だ、誰ですのそれはっ!?」 ガーン


P「え、いや……実家の猫だけど…」

 ガクッ

桃華「も、もぉぉ! Pちゃまっ!?」

菜々(そんな事だろうと思いました)

P「しかしこのL-O-V-Eは、アイドルの歌に通じるチョイスだな、考えさせられたよ」 ナデナデ

桃華「? どういう意味ですの?」

P「いや、ぶっちゃけさ。この歌、誰でも歌えるだろ。楽しい歌だし、親しみやすいメロディに、分かりやすい歌詞」 ナデナデ

菜々「そ、それは確かに……そうかもしれないけど…ちょっと乱暴じゃないですか?」

P「菜々が引っ掛かってるのはさ、違うとこだと思うんだ。うまく歌うのは難しいんだよ。例えばナット・コールみたく歌うのは、誰にでも出来る事じゃない」

P「そこで求心力のあるアイドルが歌う事に意味が出てくるわけだ。誰でも歌えるに、誰もが知ってて口ずさめて、かつ名演…名唱?ていう理想のイメージが加わるわけだな」


菜々「あ、それはちょっと分かります!」

P「勿論、そもそも歌うのに歌唱力を求められる難しい歌が邪道だってわけじゃない。けど、それだけじゃないって事を思いだしたよ」

桃華「Pちゃま! さっきからお手々がお留守ですわよっ」

P「ん、あぁ。ごめんごめん。桃華、ありがとな~」 ナデナデ

桃華「えへへ…わたくしの有り難さ、分かればいいんですわっ」

菜々(ちょろい)


────

───

──



P「ふう、なんか腱鞘炎になるぐらい頭撫でたな」

菜々「桃華ちゃん、満足そうでしたね」

P「良い事をしたら褒める、悪い事をしたら叱る、ってのがしっかりしたご両親なんだろうな」

菜々(そういう事じゃないと思いますけど…)

P「しかし急に膝が軽くなるとなんか寂しいな……。菜々乗らない?」

菜々「えっ乗りますっ!」 ガタッ

P「なーんて、流石に大人の安部さんには失礼…えっマジ?」

菜々「も、もぉー! またからかったんですか!」

P「い、いや、からかったというか……乗るわけないですっ的なツッコミを期待したというか…ちょ、待って、さすがに菜々を乗せるのは社会的にまず…」

菜々「菜々は17歳で大人じゃないから乗るんです! ウサミン星では普通の事なんですーっ」


 ガチャッ

涼「はよーっす……あ、取り込み中?」

P「お、涼か。いや、菜々をからかったらブチギレて困ってたとこ」

菜々「き、キレてないですよ!? 菜々をキレさせたら大したもんですよ!」 アタフタ

涼「ふーん。ま、いいけど」

P「どうした涼、ギターなんか担いで珍しいな」

涼「いや…別にアタシ、楽器できないからボーカルやってた…ってわけじゃないからね?」

P「歌う代わりに演奏してくれるのか? ロッカーらしいへそ曲がりぶりだなぁ」

菜々(Pさんの言うロックが分からない)

涼「違うわ! 昔いたバンドのヘルプでね。ボーカルは後任がいるから、アタシはギターで入るってワケ。別にいいだろ?」

P「ああ、いいぞ。規模によっては事前に話通してくれるとありがたいけど、友達は大事だもんな」


涼「そゆこと。でさ、久しぶりだから、合わせる前にちょっと触っておきたいんだよね」

P「ん、いいんじゃないか? 一曲披露しに来てくれたのかと思ったけど、そう言う事なら今は誰も来てないし、使ってってくれよ」

涼「んじゃ、Pさんボーカルやってよ」

P「え、なんで?」

涼「感じが掴めなくてさー。夏樹だったら李衣菜に頼むだろうけど、アタシはそういうのいないじゃん? あ、別に羨ましいわけじゃないかんね?」

P(羨ましいのか)

菜々(羨ましいんですね)

P「いや…意味が分からないんですが…」

涼「なに、嫌なの?」

P「いや、別にそういう訳じゃないけど…」


涼「そっかー、Pさんは自分が嫌な事を普段アイドルにやらせるような男だったかー」

P「ち、ち、違ぇし!? ボーカルとか超あこがれるし?」

涼「よし、決まりだね!」

P「あ、あのでも…アイドルの前で歌うのは流石に気後れするって言うか…ましてやクールボイスにスカルスピリットの涼さんなわけじゃないですか…」

涼「っせーなぁ。グダグダ言ってないで行くぜ、ほら!」


 ズルズル


────

───

──



P『今夜は夜通し……ロックンロールだぁぁーーーー!!! イエェェーーーー!!!!』

菜々「ノリノリじゃないですか……」


■松永涼(&P?) Lost in Hollywood

ttp://www.youtube.com/watch?v=NYVqpauiq8E

 最後まで聞いてくれ 俺はお前を失ったと思ってる 俺は遅すぎたんだよな?

 酔いの勢いに任せて聞くけど 俺はまだお前の彼氏か? もう待っていられない


 最後にお前を見た時 泣いていたよな お前は隠そうとしていたけど 見えちまったんだ

 できる事ならそこにいたかった だけど遠すぎる 俺はハリウッドに夢中なんだ




 暗がりにハゲタカが待ち構えている そいつらがノックする音が聞こえる だけど俺はそこにはいない

 コーヒーはぬるくなって 肉ももうまずくなっちまった ロサンゼルスの夜は悲痛なサイレンが鳴り響いてる

 お前にも分かるだろ? こっちじゃ星も輝いて見えない

 スコッチにウィスキー それにレインボーの地元ワインさ

 それらは俺をもっと駄目にする 俺はすぐにでも逃げ出すべきなんだが ハリウッドに夢中なんだ


 日差しの暖かい通りで お前は『ざまぁみろ』って思ってるかな

 だけどお前の恋人は 撃鉄を起こした拳銃みたいに 影を追いかけて夜通し駆け回ってるのさ


 ロックンロールと引き換えにお前を失ったら 俺はおかしくなっちまうだろう

 俺は家に帰るべきなんだ 俺だってそうしようと頑張ったさ でも駄目だった

 俺はハリウッドに夢中なんだ


※おまけ:Pの最初のシャウト
ttp://www.youtube.com/watch?v=csmfoNEY8F8


────
──




P「ただいま…」

菜々「うわ、ひどい声…おつかれさまです」

P「本職はすごいわ……。まさかレインボーを歌わされるとは思わなかった」

菜々「元のアーティストですか?」

P「ああ。ディープパープルのギタリスト、リッチー・ブラックモアが作ったバンドでさ」

菜々「あ、ディープパープルは分かります! 王様で知ったんですけど…えへへ」

P「えへへじゃないだろ、王様の深紫伝説は95年ですよ安部さん。……まぁいいや、取り敢えず涼にも一曲歌って貰えるよう頼んできた」

菜々「Pさんは戻って来てよかったんですか?」

P「俺に何が出来ると…?」

菜々「えぇと……?」


■松永涼 Seven Doors Hotel

ttp://www.youtube.com/watch?v=CP3W3QmCQeU

 今から四世紀ほど前の話 舞台はここ、セブンドアーズ・ホテル

 虐殺が起き、若い男が死んで 地獄の門が開いてしまった

 エイボンの書を開け その目で見て学ぶのだ そう “お前の番”が来たのだ


 時は1981年 ホテルの廃墟が発見されたとき 災厄の記憶は誰からも失われていた

 一人の女がお前を誘う それは正しく破滅への先導人 お前と同じく、己が盲目を知らない


 セブンドアーズ・ホテル 地獄へと続く七つの門の一つ

 セブンドアーズ・ホテル 地獄へと続く七つの門の一つ


 例え理解出来なくても 目に映るもの全てに注意しろ

 悪魔はどこにでもいて 隙を窺っているのだから


 セブンドアーズ・ホテル 地獄へと続く七つの門の一つ

 セブンドアーズ・ホテル 地獄へと続く七つの門の一つ


────
──



P「あいつ普通にギターもこなすんだな…流石に歌いながらはきついけど、ギターソロとか見事なもんじゃないか」

菜々「これはメタル…ですか? なんだか怖い歌詞ですね」

P「北欧メタルの始祖とも言われる、ヨーロッパのデビューアルバムだな。名前のわりに、日本で最初にブームに火がついたらしい。菜々、覚えてたりしないか?」

菜々「えっ…ええっ? な、何年ごろの話ですか?」

P「セブンドアーズ・ホテルは82年、多分一番有名なファイナル・カウントダウンは86年」

菜々「流石に生まれてないですね…」

P「事実上の解散が92年だったかな」

菜々「あ、それなら生まれて……ないですよっ! 菜々は17歳だから生まれてないですっ!」

涼「Pさん、次の子が来るまででいいから……んだよ、またイチャついてんのか」

菜々「イチャついてないですっ!」

P「イチャついてはいないな」


涼「せっかくギグでPさんと繋がったと思ったのにな…」

P「つ、繋がったとか言うんじゃありませんっ。まぁでも、良い経験だったよ。みんなでやる音楽の楽しさって奴を久しぶりに思い出せた気がする。忘れてた事ばっかりだな」 ハハハ

涼「なんかやってたんだ? 道理で……。案外悪くなかったよ」

P「いやいや、逆にギャップを思い知らされたよ。……今度そうだな、涼はセブンドアーズ・ホテルの元ネタ知ってるか?」

涼「元ネタ? 原曲があんのか?」

P「いや、81年だったかな。イタリアのゾンビ映画『ビヨンド』がネタ元なんだ」

菜々「ぞ、ゾンビ映画なんですか…?」

P「俺も実物は小梅のコレクションで見たんだけどね。まぁ、そういや趣味が合いそうだって思いついただけなんだが」

涼「小梅か…アイツ、筋金入りだよね。ハロウィンの時ちょっと話したけど、心霊スポット巡りとか一人で行かないよ…」

P「マジかよ!? 心霊スポット巡りは霊よりDQNが怖いんだ、見かけたら止めてくれ!」

涼「お、おう…」


P「ああ、で、脱線したな。小梅はメタル好きだし、ホラー映画にも詳しいし、ユニット考えてみないか?」

涼「ホントかっ!?」 ガタッ

P「まぁ、実現するかどうかはまだ分からないけど」

涼「し…しょーがねーなPは。アタシに子守させようってのか? まったくしょーがねーなー」 ニヤニヤ

P(嬉しいのか)

菜々(嬉しいんですね…)

──────────

ここまで。
L-O-V-Eの人選は無駄に悩んでしまった……コレジャナイだったらごめんね!

序盤の曲リスト:>>80

ワンダフルワールド聞きたい

よく聞く洋楽調べて見たけど、以外とオールディーズの範囲に入らんなあ…

年末のゴタゴタに、風邪まで引いて今まで寝込んでました…

>>351
自分もこのSS書き始めて色々調べてみて、何となくオールディーズ的に認識してた曲が、全然オールディーズじゃない事を改めて知りました。
なんかもう開き直って、80sポップ全盛の年代に映画で使われた曲を紹介するSSになりつつある気がしますw

あと個人的に今更知って驚いたのは、ギルバート・オサリバンが活躍していた時期でした。


ともかくちょっとだけ再開。

──────────


P「それにしても、面白いものを聞かせてもらっちゃったなぁ」

菜々「? どちらの話です? 桃華ちゃんが連れてきたバンドと、涼さんのギターと…」

P「ああ、どっちもだけど、今は涼の方だな。原点であって帰る場所ではない、みたいな事を言ってたけど、縁は切れてないみたいで安心したよ」

菜々「どうしてですか?」

P「まぁ、色々あるけど……一番綺麗な理由としては、アイドルになったせいで、友達と疎遠になったりしないでよかったな、と」

菜々「うーん、なるほど…芸能活動の為に時間を割かれたら、そう言う事もあるわけですもんね」

 ガチャッ

ゆかり「おはようございます、プロデューサーさん。あと、菜々さんも」 ペコリ

P「おっ、ゆかりか。おはよう」

菜々「おはようございますっ!」


P「ゆかりは何を歌ってくれるんだ?」

ゆかり「あ、はい。色々考えたんですけど…」 ストン

菜々(Pさんの隣に座った…?)

ゆかり「あの、あまりオールディーズって分からなくて…いつ頃までの歌なら良いですか?」

P「ああ、そのへん適当でいいよ。自分にとって懐かしかったり昔の歌だったりしたらそれで」

ゆかり「ああ、よかった! ふふ、せっかく選んだのに、駄目って言われたらどうしようかと思っちゃいました」

P「そんな事言わないって。多少外れてたってありがたく聞かせてもらうよ」

ゆかり「なら、安心して挑戦できます!」

P「ああ!」

ゆかり「はいっ!」


P「…」

ゆかり「……♪」

P「……ところでさ」

ゆかり「はい、なんでしょう?」

P「何歌うの? っていうか歌わないの?」

ゆかり「あ、そうでした! それじゃ、準備しますねっ」


────

───

──


P「……どうせ分かるから良いんだけど、曲名教えてくれなかったな」

菜々「…はっ!?」


■水本ゆかり The Eternal Flame

ttp://www.youtube.com/watch?v=qNDifMyQuv8

 目を閉じて 手を貸して下さい…Pさん

 ね、分かりますか? 私の心臓…すごくドキドキしてます

 分かるかしら 貴方も同じに感じてますか?

 私が夢見てるだけ? それともこの熱さは 永遠のもの?



 これは運命 私、そう信じてるんです

 Pさんに相応しいのは私 貴方の寝顔を見つめながら

 貴方も同じ思いでいてくれますか?

 私が夢見てるだけ? それともこの熱さは 永遠のもの?






 ねえ、『ゆかり』って、呼んでくれますか?

 それだけで 冷たい雨模様に陽が差し込むみたいに

 寂しさが消えて 痛みも和らぐんです もう放したくない ああ…



 ねえ、『ゆかり』って、呼んでくれますか?

 それだけで 冷たい雨模様に陽が差し込むみたいに

 寂しさが消えて 痛みも和らぐんです もう放したくない ああ…



 目を閉じて 手を貸して下さい…Pさん

 ね、分かりますか? 私の心臓…すごくドキドキしてます

 分かるかしら 貴方も同じに感じてますか?

 私が夢見てるだけ? それともこの熱さは 永遠のもの?



────
──



菜々「……」

P「バングルスの名作だな。89年だけど、ゆかり達から見れば充分オールディーズなんだろうなぁ」

菜々「え、そ、それだけ!? 感じるところはそれだけなんですか!?」

P「? あ、いや、もちろんゆかりの歌は良かったけど、戻って来たら本人に言おうかなって…」

菜々「な、菜々がおかしいのかな……」

ゆかり「どうでしたか?」

P「ん、おお。元々歌自体うまくはあったけど、それに表現力が加わったなぁ。やっぱ芝居を始めたのが大きいのかな」

ゆかり「ふふ、ありがとうございます。プロデューサーさんがいてくれたから、新しい自分になれたんだと思います」 ストン

菜々(また自然にPさんの隣に座った…!?)

P「そんな大層なものじゃないって。ものにして見せたのはゆかりの資質と頑張りのおかげだよ」


ゆかり「プロデューサーさんとなら、何だって出来る気がするんです。これからもどうか、よろしくお願いしますね?」

P「お、おう…任せといてくれ。と、ところで、ゆかりがこの歌を知ったいきさつは何だ? 映画音楽とかって訳でもないし」

ゆかり「叔母…といっても、母と年が離れているので姉のような存在なのですが、その叔母が最近結婚したんです」 ウトウト

P「お、おう…?」

菜々「あーっ! どこかで聞いたと思ったら、それです! 菜々も友達の結婚式で聞いたんでした…ってぇ、そーんなわけないじゃないですかっ!」
菜々「菜々は17歳の女子高生ですからぁ、結婚するような歳の友達なんていませーんっ! もーPさんったら変な事ばっかり言って!菜々困っちゃいますよっキャハッ☆」 バンバン

P「痛いです安部さん。あと落ち着いて下さい、17歳なら一応結婚出来ますし、そもそも友達が全員同い年とは限りません」

ゆかり「?」 ウツラウツラ

菜々「あ……あぁー、えぇーっと! と、歳はちょーっと離れてるんですけど、お友達みたいなお姉さんが近所にいまして……キャハッ☆」

P「いつにも増してぐだぐだだな……でもそうか、結婚式の余興で歌われてもおかしくない曲だよな」

ゆかり「はい…私もいつかPさんと……一緒に…聞きたい…」 ウツラウツラ


P「? ゆかり、眠いのか?」

ゆかり「ふぁい…ちょっと……。昨晩……おしょくまで…れんしゅう……してたから…」 コックリコックリ

P「そうなのか…なんだか済まないな。あーおい! 寝るなら帰って寝なさい!」

ゆかり「ふぁ…ちょっと…だけ……くぅ…」 コテン

P「ちょっと、おい! なんでそんな寝付きがいいんだ! ……寄りかかられてたら何もできないな。しょうがない…ソファーまで運ぶか…」

 ギュッ

P「あっ、いつのまに裾を掴んで…くそ、動けなくなってしまった」

菜々(ゆかりちゃん、すごい幸せそうな寝顔…)






 ガチャッ

響子「おつかれさまですっ! あのっ、差し入れ持ってきたんですけど如何がががななな何やってるんですかぁ!?」

P「しーっ。寝てるから、静かにな?(小声)」

響子「あっはいっ、ごめんなさい…(小声) じゃなくって!」

P「あまり寝てないらしいんだ。少ししたら起きると思うから、な?(小声)」

響子「分かりました……けど」 チラッ

ゆかり「…すう…すう…」 スヤスヤ

響子「うう…いいなぁ…」 チラッ

P「? なにが?」

響子「あ、い、いえっ! そそそれよりサンドイッチ作ってきたんです。食べませんかっ」 アタフタ


P「おー、これはうまそうだ。クラブハウスサンドか。悪いなぁ」

響子「いえいえっ♪ ええと……」 キョロキョロ

ゆかり「…すう……んふふっ…♪」 スヤスヤ

菜々「?」

響子「あ、えへへ…失礼します…」 ペコリ

菜々(菜々とPさんの間に座った!? 確かに間は空いてましたけど…)

響子「はい、召し上がれ♪ 菜々さんも、よかったらどうぞっ」

菜々「わぁ、菜々も頂いちゃっていいんですか?」

響子「もちろんですっ。あ、Pさん動かないで。私がお取りしますから」

P「え、い、いや、そこまでしてもらわなくても…」


響子「だーめーでーすー。ゆかりちゃんが起きちゃいますからっ。はい、あーーん」

菜々( 新 婚 さん か !! )

P「あ…あーん…。むぐ…うん、うまいな!」

響子「えへへ、よかった♪ たくさんあるから、どんどん食べて下さいね。はい、もう一つ…」

P「あ、あー。それより、響子は何か歌ってくれないのか?」

響子「へ? あ、用意はしてきましたけど…」

P「先に歌ってくれないかな~。響子の歌が聞きたいな。ほ、ほら、食べながら聞いてるから!」

響子「うー…。わ、分かりましたっ♪ それじゃ、聞いて下さいねっ」

 パタパタパタ ガチャッ

P「このサンドイッチ、うまいなぁ。うまいけど、腹いっぱいなんだよなぁ……」 モグモグ

菜々(さっき食べたばっかりですもんね…)



■五十嵐響子 Here There and Everywhere

ttp://www.youtube.com/watch?v=DP2fpZKrWtk


 幸せな日々 その為に必要なのは 隣に貴方がいる事ですっ


 此処で 一日一日を 作り上げていくの

 大好きな人が 手を振ってくれる それだけで私は幸せ

 その不思議な力は 誰もが認めるところだと思いますっ


 彼処で あの人の髪を 撫でてあげるんです

 二人の 素敵な未来を 思い浮かべながら

 誰か何か言ってるけど あの人は知らん顔 私も気にしません


 何処だって あの人に傍にいて欲しい

 あの人さえいれば どんな不安も消えてしまうの

 あの人を愛する事は 何処にいても あの人を求めてしまう事




 愛とは共有する事 それは不滅で永遠 互いにそう信じる事なんです

 あの人の瞳に そこに私が映っているのを確かめながら ずっと映っていたいと望みながら


 何処だって あの人に傍にいて欲しい

 もしあの人がいれば どんな不安も消えてしまうの

 あの人を愛する事は 何処にいても あの人を求めてしまう事


 愛とは共有する事 それは不滅で永遠 互いにそう信じる事なんです

 あの人の瞳に そこに私が映っているのを確かめながら ずっと映っていたいと望みながら

 ずっと一緒にいましょうね

 此処でも 彼処でも 何処でも


※おまけ:わりと好きなポールのセルフカバーバージョン
ttp://www.youtube.com/watch?v=dlOGs21mTl8

────
──



菜々「……。これは、また…」

P「ビートルズ、ポール・マッカートニー作の名曲だな。ポール自身もビートルズ時代で一番気に入ってるって言ったことがあるとか」

菜々「それだけ!? ねえ、とぼけてるとかじゃなくて、本当にそれだけなんですかっ」

P「うわ、なんだよ……」

ゆかり「んん…いいにおい…」

P「おっ、ゆかり起きたか?」

ゆかり「ふぁれ…?」

響子「も、戻りましたっ」

P「おー、おかえり響子。よかったぞー」

ゆかり「どぉして…Pさんときょうこちゃんが…わたしの部屋にいるの…?」


P「まだ寝ぼけてるのか。おい、起きろゆかり、サンドイッチ食うか?」

ゆかり「ん……いたらきまふ…」

響子「は、はいこれっ」

ゆかり「…もぐ……おいしぃ…」 モグモグ

P「寝ながら食べてるのか…赤ちゃんみたいだな…」

響子「ふふ、ゆかりったらしようのない子ね。ねぇ、あなた♪ …なんちゃって(////)」

菜々(どういうプレイですか!?)

P「そういえば、響子はどういういきさつであの歌を?」

響子「あ、はいっ。親戚の結婚式で聞いて以来、大好きなんです」

P「あー、これも結婚式か。確かに合うよなぁ」


響子「はい! すっごい素敵な結婚式で、憧れなんですっ」

P「そっか。じゃあ、いつか響子が結婚する時、歌って貰えるといいな」

響子「どちらかというと、私は自分で歌いたいです。…その、いつかPさんと、一緒に…」 テレテレ

P「響子……」

響子「Pさん…」

P「俺が旦那さんにぶっ飛ばされちゃうから、旦那さんと歌ってあげなさい」

 ガタッ ドテッ

P「え、なに二人してずっこけてんの? 仕込み?」

菜々「も、もぉー! なんなんですか、もぉー!」

響子「あ、あはは……気にしないで下さいっ、私こんなことでへこたれませんから!」

ゆかり「…もぐ…もぐ…… ……くぅ…」



────

───

──


P「いやー、ゆかりは前も事務所で寝ぼけた事あったよな」

ゆかり「うう…私、起きしなはいつも頭が回らなくって…忘れていただけると嬉しいです…(////)」

響子「もう! Pさんっ、女の子を恥ずかしがらせるような事はしちゃダメですよっ!」

P「いや、悪い悪い。可愛かったから、つい」

ゆかり「はぅ…(//////)」

響子「もーっ!」

菜々(二人とも居座るんですね…)



 ガチャ


まゆ「こんにちはぁ、Pさん♪ 貴方のまゆがきましたよぉ♪」

P「おー、まゆか。おはよう」

まゆ「おはようございまぁす……何だか楽しそうな事やってますねぇ」 ニコッ

P「おー、いま俺、人生で一番モテてるとこだ」

菜々(うわぁ…)

響子「こんにちは、まゆちゃん」

ゆかり「こんにちはっ」

まゆ「うふ♪ ダメですよぉ、Pさん。ええと…」 キョロキョロ

まゆ「まゆの席が無いですねぇ、仕方ないから、まゆはPさんの膝に…」

菜々「や、やめて! これ以上ここに修羅場を持ち込まないで!?」

──────────

前半ここまで。
後半は年明けになりそうです。どうかよいお年を。

>>350
サッチモの「この素晴らしき世界」じゃなくて、サム・クックの方かしら?
他にもあったらごめんなさい!不勉強で!


序盤の曲リスト:>>80

サッチモのつもりだったけどサム・クックもいいね

随分間が空いちゃいました。済みません。

再開します。

──────────


P「ま、まゆ? 別に俺の膝なんかを勿体ぶるわけじゃないが、流石にまゆが乗るのはちょっとどうかと思うぞ?」

まゆ「どうしてですかぁ? 他の子は乗ってるのに……」

響子&ゆかり「!?」

P「ね、年少組の事だろ? ほら、まゆはもう大きいんだからさ。な?」

響&ゆ(ほっ…)

まゆ「幸子ちゃんは乗せるのに…」

響&ゆ「!?」

P「さ、幸子はほら、14歳だろ? まゆはそれより二つもお姉さんじゃないか。な? な?」

まゆ「輝子ちゃんは乗せるのに…」

P「う、ぐっ…あ、あー…えーっと! そんな事よりも、まゆも歌いに来てくれたんだろっ?」


まゆ「輝子ちゃんは15歳なのに……」

P「あー、まゆの歌が聞きたいなぁー! すっごい聞きたいなぁー!」

まゆ「…」

響&ゆ「…」

P「……」

まゆ「あっ、まゆ分かっちゃいましたぁ♪」

P「えっ」

まゆ「うふ♪ それじゃぁ、まゆ、Pさんの為に歌いますねぇ」 ニコッ


────

───

──


菜々「まゆちゃん、何が分かっちゃったんでしょう……」

P「わ、分からん。まゆはよく気がつく賢い子なんだが、時々良く分からない事を言ったり、とんでもない空回りをするから……」


まゆ「輝子ちゃんは15歳なのに……」

P「あー、まゆの歌が聞きたいなぁー! すっごい聞きたいなぁー!」

まゆ「…」

響&ゆ「…」

P「……」

まゆ「あっ、まゆ分かっちゃいましたぁ♪」

P「えっ」

まゆ「うふ♪ それじゃぁ、まゆ、Pさんの為に歌いますねぇ」 ニコッ


────

───

──


菜々「まゆちゃん、何が分かっちゃったんでしょう……」

P「わ、分からん。まゆはよく気がつく賢い子なんだが、時々良く分からない事を言ったり、とんでもない空回りをするから……」


■佐久間まゆ The Secret Marriage

ttp://www.youtube.com/watch?v=YfnXHRMfZYI

 地球上のどこにも

 まゆ達を祝福してくれる教会はなく

 まゆ達を許す国はなく

 お互いの家族からも縁を切られて

 仲間達からも見捨てられてしまいました




■佐久間まゆ The Secret Marriage

ttp://www.youtube.com/watch?v=YfnXHRMfZYI

 地球上のどこにも

 まゆ達を祝福してくれる教会はなく

 まゆ達を許す国はなく

 お互いの家族からも縁を切られて

 仲間達からも見捨てられてしまいました



──────────

ちょっと混雑がすごいみたいなので、一旦中断します。。。

>>374-379
投下し直すので、この部分ナシでお願いします。


>>373
サム・クックもいいけど、サッチモのあれは名曲ですね!
誰が歌うのが似合うのかな……クラリスに、音葉さん……敢えて女神ちひろあたりとか?

久しぶりの更新いいぞ?
涼さんがメタルやったなら
当然、きの子もKISSかアリス・クーパーで対抗だよな?

そろそろ大丈夫かな……

>>381
輝子は出したいけど、実は輝子が聞きそうな音楽全然分からないんですよね!
アリス・クーパー?さぞめんどくさい美少女……(ぐぐる)…よくも騙したァ!騙してくれたなァ!!
ってぐらいw

オススメありませんかね!

混雑はしてなさそうなんだけど、なんだか挙動がおかしいのでID変わるぐらいまで大人しくしてることにします……

混雑はしてなさそうなんだけど、なんだか挙動がおかしいのでID変わるぐらいまで大人しくしてることにします……

エラー出ても更新ボタン押せば、だいたい書き込みできますよ
そう、Janeならね

>>385-386
ありがとうございます。
Jane使ってるんですけど、サーバに負荷が掛かってる感じだったんですかねー?

更新押すのが早すぎるのかもしれないけど、更新しても書き込まれてないので改めて書き込む→二重投稿…て症状でした。

ともかく再開します。
>>374-379の部分から投稿し直すので、そこはスルーでお願いします。
ID変わってるはずなので、NGで消して頂けると読みやすいかも。

──────────

P「ま、まゆ? 別に俺の膝なんかを勿体ぶるわけじゃないが、流石にまゆが乗るのはちょっとどうかと思うぞ?」

まゆ「どうしてですかぁ? 他の子は乗ってるのに……」

響子&ゆかり「!?」

P「ね、年少組の事だろ? ほら、まゆはもう大きいんだからさ。な?」

響&ゆ(ほっ…)

まゆ「幸子ちゃんは乗せるのに…」

響&ゆ「!?」

P「さ、幸子はほら、14歳だろ? まゆはそれより二つもお姉さんじゃないか。な? な?」

まゆ「輝子ちゃんは乗せるのに…」

P「う、ぐっ…あ、あー…えーっと! そんな事よりも、まゆも歌いに来てくれたんだろっ?」

まゆ「輝子ちゃんは15歳なのに……」

P「あー、まゆの歌が聞きたいなぁー! すっごい聞きたいなぁー!」


まゆ「…」

響&ゆ「…」

P「……」

まゆ「あっ、まゆ分かっちゃいましたぁ♪」

P「えっ」

まゆ「うふ♪ それじゃぁ、まゆ、Pさんの為に歌いますねぇ」 ニコッ


────

───

──


菜々「まゆちゃん、何が分かっちゃったんでしょう……」

P「わ、分からん。まゆはよく気がつく賢い子なんだが、時々良く分からない事を言ったり、とんでもない空回りをするから……」


■佐久間まゆ The Secret Marriage

ttp://www.youtube.com/watch?v=YfnXHRMfZYI

 地球上のどこにも

 まゆ達を祝福してくれる教会はなく

 まゆ達を許す国はなく

 お互いの家族からも縁を切られて

 仲間達からも見捨てられてしまいました






 払うべき負債も 受け取るべき持参金もなく

 社会や世俗のしがらみも関係ない

 外の世界は 全て消えてしまって

 まゆ達の美しい婚礼を 邪魔するものはありません



 秘密の婚姻 誓いは口にしない

 秘密の婚姻 壊れる事はない





 祭壇に花はなく

 まゆには花嫁衣装もベールもなくて

 誓約に使う聖句もありません



 秘密の婚姻 誓いは口にしない

 秘密の婚姻 壊れる事はない


────
──



P「スティングか。映画で使われた曲もあるのに、渋いの来るなぁ」

ゆかり「綺麗な歌ですね…」 ウットリ

響子「憧れちゃいます…」 ウットリ

P「き、綺麗な歌だけど、綺麗すぎてちょっと怖いんだよな…」

菜々(両方の気持ちが分かる…)

まゆ「どうでしたかぁ?」

P「おお、よかったぞ!」

まゆ「うふ♪ ありがとうございます。それじゃあ…よいしょっと」

P「まてまてまて! なんで膝に乗ろうとする!」

まゆ「?」 キョトン


P「きょとんとされても…」

まゆ「だって、お膝に乗るのはご褒美って事ですよね?」

P「違うよ!? そもそもご褒美になってないというか、ゆかりも響子も乗ってないだろ?」

響子「えっ? あ、はい」

ゆかり「うっかりしてました…」

P「(うっかり?) ほら、な? あのなまゆ、まゆはもう16歳なんだから…」

まゆ「まゆが16歳だから駄目なんですかぁ?」

P「あー、うーん…えーっと…」

響子「ま、まゆちゃんっ! 15歳と16歳の間には大きな差があるんですよっ!」

ゆかり「? そうなんですか?」


P「! 響子の言う通りだ! えーと…?」

響子「ほら、16歳なら結婚出来る! もう大人の女性なんですよっ」

まゆ「!」

P「おお、なるほど…確かに結婚出来る年齢の女性を人前で軽々しく膝に乗せるのは、アイドルとか以前に、社会的にもよくないな」

まゆ「…わかりましたぁ。でも……」

P「でも?」

まゆ「……でも、15歳ならいいんですかぁ? 凛ちゃんや紗枝ちゃんも15歳ですけど」

P「う…ぐっ…」

響子「15歳はいいんです! ね、Pさんっ」

ゆかり「私も15歳まではいいと思います」

P「あ、ああ。15歳はまだ子供だからな!」

菜々(16歳どころか、17歳の卯月ちゃんによじ登られたり、李衣菜ちゃんハグしてかいぐり回したりしてましたけどね…)



~~~~~


凛「よしっ」 グッ

未央「? どったのしぶりん」

凛「…? なんとなく、やりたくなったんだけど、なんでだろ」

卯月「次、凛ちゃんの番だよー」


~~~~~



まゆ「でも、16歳は駄目なんですかぁ?」

 ガチャ

智絵里「あ、あの…おはようございます…」

P「ああ、15歳までだ! 16歳以上は受け入れられない……ん?」

智絵里「」

 バタン

P「わーっ! 待ってくれ智絵里、顔面蒼白でそのまま帰ろうとしないで!」

 ギャーギャー


────

───

──



菜々(結局Pさんが立つ事で膝を封じてしまいました…)

智絵里「そういう事だったんですか…」

P「おう。智絵里も子供みたいに扱われるの嫌だよな?」

智絵里「あの、わたし……わたしも…あの…嫌じゃ…ないです……」

智絵里「あの、でも…ずっと見ていてもらえれば…見捨てないでもらえればそれで…」

P「おう、そこは大人も子供も関係なく、きっちり最後まで見守らせて貰うから安心してくれ」

智絵里「よかった…」 ホッ

響子&まゆ&ゆかり(むっ…)

まゆ「まゆの事も見ていて下さいねぇ」

響子「わ、私もまだまだ失敗とかしちゃうので、お願いしますっ!」

ゆかり「Pさんと新しい事に挑戦し続けたいと思います。だから、これからもよろしくお願いします」

P「なんだ信用無いな…。約束するよ、みんなの事をしっかりプロデュースさせて貰うからなっ」

 キャッキャッ



────

───

──


P「そういえばまゆの歌の話、してなかったな。まゆはどうしてあれを選んだんだ?」

まゆ「まゆ、あの歌大好きなんです♪」

P「そういえば響子とゆかりも気に入ってたみたいだなぁ。女の子の感性だと、琴線に触れるものがあるんだろうか」

まゆ「そうですよぉ。だぁれもいない、静かな、静かな場所で、二人だけで結ばれるんです。うふ♪」

P「なるほどなぁ。結婚するなら、親戚や、友達や、職場の同僚をみんな呼んで、大勢に祝福して欲しいって思っちゃうけど、そういう考え方もあるのか」

響子「それが理想ですけど、現実的じゃないって思うんです。私も親族ぐらいは呼べたらなって思いますけど…」

ゆかり「単純に、二人きりに憧れるというのもあるんです。ライバルが200人近くもいますから、殊更に…」


P「えっ、お、おう…?」

P(ゲームか何かの話かな…)

響子「Pさんは、そう思わないんですか?」

P「えっ? いやその…気を悪くしたらごめんな? 良い歌だし結構好きなんだけど、なんだか心中っぽくて怖くもあるんだよ…」

まゆ「死を以て永遠に結ばれる、ですかぁ? うふふ、ロマンチックですねぇ♪」

P「ロマンチックじゃないよね!? お願いだから好きな人と生きて結ばれてね!?」

菜々「あ、智絵里ちゃんの歌、始まりますよっ」

 デデデデデデ デデデデデデ デッ

智絵里『お、おんりー…ゆーーーっ!!!!』

 ガタガタッ ドテッ


■緒方智絵里 Only You

ttp://www.youtube.com/watch?v=9r2pEdc1_lI

 Pさんがいるから 世界が素敵に思えるんです

 あなただけが 暗闇を照らしてくれます 

 あなただけ そう ただあなただけです

 わたしの心を ぬくもりで満たしてくれるのは



 Pさんだけが わたしを変えてくれる

 わたしの真実の 運命の人

 あなたに手を引かれて 分かったんです

 あなたはきっと魔法使い わたしの夢を叶えてくれる ただ一人 わたしの大切なひと






 あぁ… Pさんだけが わたしを変えてくれる

 わたしの真実の 運命の人

 あなたに手を引かれて 分かったんです

 あなたはきっと魔法使い わたしの夢を叶えてくれる ただ一人 わたしの大切なひと

 ただ一人 わたしの大切なひと


────
──



響子「出だしのインパクトが凄かったけど…こうして聞くと素敵な歌ですね」

菜々「出オチに使えるほど強烈で有名な曲ですからね…」

P「…俺も最初、智絵里には似合わないんじゃないかと思った。けど、一所懸命歌う姿を見てたらむしろ智絵里にぴったりな気がしてきたよ」

まゆ「あなただけ……。うふ♪ 歌詞もとっても素敵です」

P「そうだなぁ、歌詞も智絵里にぴったりで…っと、アイドルをこんな目で見ちゃプロデューサー失格だよな」

響&ま&ゆ「!?」

菜々(またこの人は三人を挑発するような事を言って…)

ゆかり「ど、どういう意味ででしょうか? 参考までに伺いたいんですが…」

P「いや、まぁ、いいじゃないか…」

まゆ「よくないですよぉ」


響子「そ、そうです。聞きたいですっ!」

P「ええぇ…。いや、あの、智絵里はさ、真面目さと一途さが良いところなんだけど、それでちょっと思い込みすぎちゃうとこあるからさ」

P「それでついぴったりだなんて言っちゃったけど、これって陰口だし、良くないなぁと反省したんだよ」

ゆかり「ああ…」 ホッ

響子「なんだ…」 ホッ

まゆ「そういう意味ですかぁ…」 ホッ

P「ほんと、友達のこと悪く言ってごめんな…」

智絵里「あ、あの…ど、どう…ですか?」 オドッ

P「お、おぉ! すっごい良かったぞ! 智絵里の新しい一面を見れた気がした!」 ナデナデナデナデ

智絵里「ふぇっ!? あ、あの……うぅ…」


ゆかり「む…」

響子「むむっ」

まゆ「むぅー…」

智絵里「あ、あの…恥ずかしい…です…(////)」

P「あっと、ごめんな。立ってると丁度良い位置に頭が来るから、つい」 スッ

智絵里「あ……」 シュン…

P「智絵里は、なんでオンリーユーなんだ?」

智絵里「えっ!? あ、あの…あの……わたし、ずっと…一番大切で……他に、考えられなくて……」

菜々(歌の話ですよね!?)

P「そうか。まぁ、プラターズは一発屋だと思われてるけど、他にも良い歌あるから、良かったら聞いてみてくれよ」


智絵里「えっ? あの……はい…」

P「まぁ、続けて聞くと流石に飽きるんだけどさ。有名なとこだと、『煙が目にしみる』とか、好きだなぁ」

ゆかり「不思議な題名ですね。どういう歌なんですか?」

P「うん。元々はミュージカル用の歌で、色んな人がカバーしたナンバーでさ。プラターズのはリバイバル・ヒットなんだよ」

響子「煙たいシーンで流れるんですか?」

P「いや、それはよく知らないんだけどさ。原題が『Smoke Gets in Your Eyes』で、はい菜々、訳して」

菜々「えっ!? ええーっと、急に言われると難しいというか、英語なんて昔授業でやったきりだし…」

ゆかり「? 菜々さんの学校では英語の授業がないんですか?」

菜々「あ、あぁーっ! えぇーっと…な、菜々疑いようもなく17歳なんですけどぉ、個人的に苦手なだけと言いますか…」

P(ウサミン星では英語を勉強しないとか言っとけば良いのに…)


響子「えっと、煙はあなたの…目に、入ります…?」

P「おっ、えらいぞ響子。流石だ」

響子「えへへへっ♪」 ズイッ

P「響子の言う通り、原題だと目にしみるってニュアンスはないんだ……どうした響子? 頭でも痛いのか?」

響子「いえ…大丈夫です……」 シュン

菜々(撫でて欲しかったんですね…)

P「? まぁともかく、歌の中で二回、煙が目に入るって言うんだけど、最初と最後で意味が違うんだよ」

まゆ「そのどちらかで、目にしみているんですかぁ?」

P「うん。最初は恋は盲目みたいなニュアンスでさ、恋に舞い上がってるところに、友人達が尋ねるんだよ。『それがホントの恋だって、どうして分かるのさ?』って…」

響子&智絵里&まゆ&ゆかり「「「「本当の恋ですっ!(ですよぉ♪)」」」」

P「お、おう…。でまぁ、次に出てくる時は、恋破れて泣いてるところを、友人達に嗤われてさ。『愛の火が消える時、その煙が目にしみて涙が出るんだ』って返すんだ」


ゆかり「可哀相…」

まゆ「まゆ達の恋が破れるなんてありえないですよぉ。嗤う人達はどうだか分かりませんけど…」

響子「わ、私は笑ったりしませんから! いつでも来て下さいねっ」

智絵里「あ、あの…わたしは……最後にわたしのところに来てくれれば、それでいいですから……」

P「え、いやあの、歌の話だよね……?」


────

───

──


菜々「なんだかんだ言って一緒に帰りましたね…」

P「うん。仲良いよな、趣味が合うのかな」

菜々「そこは間違いないと思いますけど、一緒に帰った理由は違うと思います…」

P「?」

──────────

ここまで。


まゆがStingとは思わぬシブさ

>>382
厚かましくリクエストしていいなら
Black Sabbathを
不気味で孤高な存在感はオジー
小さな身体から発せられるド迫力のボーカルはDIO様
しょーちゃんはサバスの信者に違いない

と言うわけで
『アイアン・マン』→『ネオン・ナイト』のメドレーでお願いします

再開します。

>>410
ありがとうありがとう!
ままゆはこういうの憧れそうだなぁと、実はスレ立てする前からまゆはこれと決めてました。
ゆかりだけなんとなく無理矢理こじつけちゃったなと反省してるんだけど、他二曲も「この歌ならこの子!」と思い込んでました。

>>411
情報提供ありがとうございます。
ブラックサバスってレインボーと縁深いバンドだったんですねー。
頂きます! ご希望に沿えるといいんですがなんかコレジャナイだったらごめんなさい!

──────────


 ガチャッ


あい「やあ、邪魔させてもらうよ」

菜々「あ、おはようございます、あいさん!」

P「おお、おはよう」

あい「ああ、おはよう。Pくんに菜々さん」

あい「なにやら面白そうな事をやってるそうじゃないか。私が混ざっても大丈夫かな?」

P「ああ、もちろん歓迎ですよ!」

あい「フッ、ありがとう。それじゃ、準備をさせて貰うよ」


────

───

──


菜々「やっぱりあいさんはかっこいいですねー、颯爽としてて」

P「あれで可愛いところもあるんだけど、男らしい……というと悪口になっちゃうかな。間合いの取り方が絶妙で付き合いやすいんだよな」

菜々「あ、やっぱりそういうのあるんですか? Pさん、よくあいさんと一緒にいますよね」

P「そうだなぁ」

菜々「……誰かに絡まれてる時と、誰かをからかう時以外は」

P「い、癒しなんだよ!いいだろ!」



■東郷あい When a Man Loves a Woman

ttp://www.youtube.com/watch?v=Y8raabzZNqw

 男が女を愛したなら 他の全てはどうでもいいのさ

 全てを投げ出す事さえ厭わない

 見つけだしたその宝を 手に入れる為なら



 彼女に欠点があっても まるで目に入らないのさ

 彼女は完全無欠

 もし彼女を悪く言うなら 親友とだって縁を切る






 男が女を愛したら 有り金すべてをつぎ込んだって惜しくはない

 彼女をつなぎとめておく為なら



 男は全ての安らぎを棄てて 雨に濡れながら暮らしたっていい

 それが似合いだと 彼女が言うならば



 さて、ここにいる男は 一人の女に惚れている

 男の持つ物全てを 君に捧げたんだ

 君の愛を繋ぎ止めておきたくて

 だからお願いだ 私につれなくしないでおくれ





 男が女を愛して それが余りに深い時

 彼に酷く 惨めな思いをさせる女がいる



 もし彼女が そんな女だったとしても

 男は最後まで気づかない 何故なら恋は盲目だから



 男が女を愛したら 男は大胆不敵

 他の女には目もくれない



 そう 男が女を愛する時 その時の気持ちは良く分かるよ

 何故ならベイビー 君こそ私の全てだから


────
──



P「すごいパワーだ…パーシー・スレッジの代表曲だな」

菜々「やっぱり楽器やってると肺活量とか違うんでしょうか…菜々も何か始めてみようかな…」

P「メリットはあるだろうけど、どこで練習するんだ? 菜々の部屋は普通のアパートだし、終電早いからこちらでスタジオ借りたりも難しいんだろ?」

菜々「うーん、いっそ都内に引っ越そうかと思うんですけど、今の部屋は愛着あるし、商店街はおまけしてもらえたりするし……って、菜々はウサミン星のお城に住んでるんですっ!」

P「そっすね。あ、あいさんお帰り」

あい「ああ、ただいま。また菜々さんをいじめていたのか? 女性をそんな風に扱うのは感心しないな」

菜々「あいさぁ~ん;;」

P「ち、ちゃうねん! これは愛情表現やねん! な! 菜々!」

菜々「ふぇ!? あああ愛情…!?(//////)」

あい「そういうのはますます感心しないな…」


P「うぐ…すいませんでした…。ところで随分男臭い歌だったけど、あいさんの趣味なのか?」

あい「まあ、そうだね。男の気持ちで歌っているというより、こんな風に愛されたいと思っているのかもしれない」

P「うへ…。じゃああいさん的には、雨の中、外で寝泊まりさせたり、惨めな扱いしたりする感じ?」

あい「そんなわけがないだろう! ……だがそうだな、盲目的に愛されて、盲目的に愛せたら素敵だなと思うよ」

P「なるほど、いわゆるバカップルか」

あい「全く、私も大概、小娘のような願望を持っているな。笑わないでくれよ、Pくん」

P「いや、笑わないさ。しかし、そうか、それがあいさんの恋愛観かぁ」

あい「そんな大仰なものではないよ。ある種の反動かもしれない」

P「反動…? ああ、具体的に誰か相手がいるとか?」

あい「……まあ、そうだね」


P「マジでっ!? ああいや、警戒しないで。あまり大っぴらにされると泣くファンもいると思うけど、あいさんぐらいの歳であいさんほど美人ならいない方が不自然でしょ」

あい「いや心配無用。どうやら私の独り相撲のようだからね」

P「? どんな相手なんです?」

あい「可愛い子と見れば声をかけずにいられないような男性だよ」

P「うわ、最低だなそいつ……。あいさん、自由恋愛を認めるような事を言っておいてなんだけど、そんな奴とは…」

あい「いや、そう捨てたものでもないさ。彼に声を掛けられた子は皆、アイドルという新しい自分を見つけて幸せになっているよ」

P「えっ、同業の人?」

あい「……全く、私の独り相撲だよ。さて、それじゃそろそろ私は行くよ」

P「え、あ、うん。はい。ありがとうあいさん、素敵な歌だったよ」

あい「フッ…ではね」

 バタン


────

───

──



P「うーん、あのあいさんがねぇ…。しかし心当たりがないな、そんな敏腕スカウトマンがお知り合いにいたとは…。なあ、菜々?」

菜々「愛情……愛……うぇへへ…(////)」 クネクネ

P「菜々がおかしい」



 バターン


フレデリカ「ハーイ♪プロデューサー、しるぶぷれー♪」

P「おっ、珍しいな。あとシルヴプレは挨拶じゃないぞ」

フレデリカ「そーなの? じゃ、こまんたれぶー♪」

P「もうそれでいいや。今日はどうしたんだ、ライブ以外は呼びにいかなきゃ来ない勢いのお前が」

フレデリカ「あ、ひどーい! アタシ別にレッスンも撮影も嫌いじゃないんだけどなー?」

P「じゃあなんでだよ…」


フレデリカ「だって、そうすればプロデューサーに会えるでしょ? プロデューサーもアタシに会えて嬉しいでしょ♪」

P「はいはい嬉しいです。で、今日はなんの用事で来たんだ?」

フレデリカ「オールディーズを歌おうって企画に混ざりにきたの。ね、ところで菜々どーしたの?」

P「菜々も人生について真面目に考える歳だからな。大人は色々大変なんだよ」

フレデリカ「ふーん。じゃ、アタシも一曲歌ってくるね♪」


────

───

──



P「聞いといてそれかよ…あの天真爛漫さは流石だな……」

菜々「フレデリカちゃんはやっぱり、フランスの歌とか歌ってくれるんですかねー? 菜々、キュンキュンしちゃいますっ」

P「おお ななよ きが ついたか!」

菜々「だいじょうぶだ… ななは しょうきに もどった! って、何やらせるんですかっ!」

P「別に頼んでないだろ……。あと、フレデリカはフランス語全然分からないらしいぞ」

菜々「もー、なんで歌う前から夢を壊すような事言うんですかぁ!」



■宮本フレデリカ Les Champs-Elysees

ttp://www.youtube.com/watch?v=oamRCeLNAWA

 気持ちが弾んで 誰かと友達になりたくて 歩いたの

 誰にでもボンジュールって言いたくて

 その「誰か」が キミだった キミとは何でも話したよね

 キミとアタシが仲良くなるには それで充分だったの



 シャンゼリゼには シャンゼリゼにはね

 晴れでも雨でも 昼でも夜でも

 欲しい物なら何でもあるよ それがシャンゼリゼ






 アイドルになってみないか?

 最高の仲間と 素敵なファンがいて 楽しく歌って踊るのさ

 キミがそう言うから アタシついていったの

 そして キスするのも忘れるぐらい 夢中になった



 シャンゼリゼには シャンゼリゼにはね

 晴れでも雨でも 昼でも夜でも

 欲しい物なら何でもあるよ それがシャンゼリゼ





 昨日の夜は見知らぬ二人 今朝は連れ立って歩く恋人同士

 熱い一夜にフワフワしながら エトワールからコンコルドまで

 まるでオーケストラ 小鳥たちも愛を歌ってる



 シャンゼリゼには シャンゼリゼにはね

 晴れでも雨でも 昼でも夜でも

 欲しい物なら何でもあるよ それがシャンゼリゼ


────
──




P「まさかのフランス語……。なんか、やたらハマってるのが逆に予想外だな……」

菜々「フレデリカちゃんのイメージにぴったりの、可愛い曲でしたねっ♪ やっぱりシャンゼリゼ通りを歩いたりしたのかなぁ…」

P「いやだから…ああでも、お母さんの実家はあちらだし、分からないな」

菜々「そういえば車のCMでも使われてましたねー」

P「あー、あったなぁ」

菜々「いすゞジェミニでしたっけ」

P「えっ。スズキのラパンだろ?」

菜々「えっ」

P「えっ?」

菜々「……」

P「……」


フレデリカ「くらえ!ブッシュ・ド・ノエル!」 ポヨン

P「ぬわぁぁ!?」

菜々「!?」

フレデリカ「ただいまっ、プロデューサー!」

P「い、いきなり何だよ…」

フレデリカ「菜々と見つめ合ってるから、ピンチ!と思って♪」

P「悪戯ならピンチじゃなくてチャンスだろ……おかえり。綺麗なフランス語だったぞ」

フレデリカ「ホントっ!? 丸暗記だから、意味は全然わかんないんだけどねー♪」

菜々「それはそれですごい気もしますけど…」

フレデリカ「それにしても、シャンゼリゼってどんなところなんだろ。きっと素敵なトコだよねー」


P「ああ、お母さんもこちらにいるもんな。でも、覚えてないだけで一回ぐらい行ったことあったりしてな」

フレデリカ「? シャンゼリゼってフランスでしょ?」

P「なにアタクシ生まれも育ちも日本でございって顔してんだ! 出身フランスってプロフィールに書いたよね!?」

フレデリカ「あ、そっか。んー…でも赤ちゃんだったから全然覚えてないなぁ」

P「里帰りについてったりもしないのか?」

フレデリカ「お爺ちゃんとお婆ちゃんも大体こっちに来ちゃうから」

P「アクティブだな…そりゃ、お母さんもフランス語忘れるわ」

フレデリカ「日本ファンなんだって。そうだ、この歌ってどういう内容なの?」

P「分からないで歌ってたのかよ!」

フレデリカ「うん。ママが若い頃好きだった歌なんだって」

P「ああ……1970年ぐらいだから、フレデリカのお母さんが~っていうと確かにそのぐらいか」


フレデリカ「そーそー。それで、どんな歌なの?」

P「えーっとだな……。なんだか開放的な気分で浮かれてシャンゼリゼ通りを歩いて、たまたま出会った人と挨拶しておしゃべりして仲良くなって…」

フレデリカ「へーっ。アタシとプロデューサーの時と一緒だね」

P「あぁ、そういやそうだったな。いきなり話しかけて来るからびっくりしたよ」

フレデリカ「アタシも、いきなりスカウトしてくるからびっくりしちゃった」

P「続けるぞ。で、相手についてなんかギタキチがいる胡散臭い店に行って、夜通し歌って踊って、あんまり夢中になったのでキスするのも忘れてしまった事であるよ、と」

フレデリカ「そこも一緒!」

P「一緒じゃねえよ!?」

フレデリカ「キスはまだでしょ?」

P「まだって言うのか……まぁ、まだっちゃまだか。ギター弾きの店もまだだな」


P「で、夜通し踊って、朝帰りのシャンゼリゼ通り。昨日まで他人だったのが、今では恋人同士。小鳥たちも愛の歌を奏でている事であるよ、と」

フレデリカ「朝帰りはあったね!」

P「あー…あったな」

菜々「え!?」

P「ん?」

フレデリカ「?」

菜々「どどどどういう事ですか!? 納得のいく説明を要求しますっ!」

P「いや、出先で宿も取れなくて、次の朝イチから現場だから帰れなくてさ。朝までカラオケボックスで凌いだんだよ」

フレデリカ「オール明けでそのまま仕事はきつかったなー」


菜々「よかった……行きずりで朝チュンしてそのまま恋人とか、そういう展開じゃないんですね……」

フレデリカ「そこもまだだねー」

P「まだとか言うな!? 別に将来予定されてるような事はないからね?」

フレデリカ「んー、でも、未来のことは分かんないでしょ?」

P「分かんないけどさ……。あ、ところで話変わるんだが、フレデリカはどんな風に愛さるのが理想?」

フレデリカ「え!」

菜々「は!?」

フレデリカ「そ、そういうこと、本人に聞くかなー普通」

P「(本人…?) い、いやまぁ、変な質問だったか。忘れてくれ」

菜々(あいさんの話を受けて、なんとなく世間話として振ったつもりなんでしょうけど…本当にこの人は…)


フレデリカ「んー」 ジロジロ

P「な、なんだよ…」

フレデリカ「フレちゃんとしては、プロデューサーはもうちょっと俺様ちゃんになってくれると嬉しいかなっ。たまには仕事以外でもリードして欲しい♪」

P「へ? いや、俺がどうこうじゃなくて…」

フレデリカ「でも、そんな風に気に掛けてくれたのは嬉しいよ。それじゃ、期待してるからねっ」

P「え、どういう事? ちょ、待ってくれ!」

フレデリカ「頑張ったら、ご褒美にチューしてあげる♪ それじゃ菜々もまたね♪ せしぼ~ん!」

P「だからそれも挨拶じゃねえから!」


────

───

──


フレデリカ「んー」 ジロジロ

P「な、なんだよ…」

フレデリカ「フレちゃんとしては、プロデューサーはもうちょっと俺様ちゃんになってくれると嬉しいかなっ。たまには仕事以外でもリードして欲しい♪」

P「へ? いや、俺がどうこうじゃなくて…」

フレデリカ「でも、そんな風に気に掛けてくれたのは嬉しいよ。それじゃ、期待してるからねっ」

P「え、どういう事? ちょ、待ってくれ!」

フレデリカ「頑張ったら、ご褒美にチューしてあげる♪ それじゃ菜々もまたね♪ せしぼ~ん!」

P「だからそれも挨拶じゃねえから!」


────

───

──

──────────
>>434重複。
──────────

P「いつにも増して話を聞いてくれなかったな…」

菜々「流石に恥ずかしかったんじゃないですか? 顔赤かったし、最後の方だんだん早口になってましたし…」

P「うーん、考えてみればいきなり恋愛観について聞くなんて、セクハラだよな。悪い事したなぁ、ちょっと気をつけないといかんな」

菜々「他にもっと気をつける事があると思うんですけど……」

──────────

ここまで。

フレデリカのスカウト云々は捏造です。

恋愛観ではなく夜の生活についてと誤解された可能性が微レ存……?

また二週間空いてしまった……。

>>437
そういえば「愛される」はそっちの意味にも取れますよねw
いつか使おうっと。。。

──────────


 ガチャッ

莉嘉「おはよーPくんっ!☆」

 ダダダドカッ

P「ぐぇ」

美嘉「ちょっと莉嘉、なに抱きついてるの!」

P「げほっ、げほっ……だ、抱きついてたのか……鳩尾に頭突きしてたのかと思った…(涙目)」

莉嘉「いーじゃん! ねーねーPくん、今日のア・タ・シ☆ いつもと違くない?」

P「お、おはよう莉嘉。あと美嘉も。……えー……っ…と?」

美嘉「おはよ、プロデューサー。菜々さんも★」

菜々「おはようございまーすっ」


莉嘉「えー、分かんないの~? もぉー、もっと良く見てよ。ほら、ねっ? ねっ?」 チラッチラッ

P「え、ええー……。あ、ピアス…? 新しい奴だよな、それ」

莉嘉「うんっ! お姉ちゃんが買ってくれたんだっ☆」

P「お、おう。すごく可愛いぞ」

莉嘉「えへへっ☆ オトナっぽい?」

P「ああ、大人っぽいぞ。…ちょっと大人っぽすぎる気もするけど」

美嘉「アタシと同じのが良いって聞かなくてさー★」 チラッチラッ

P「そうなのか? でも、莉嘉なら自分の稼ぎで買えるんじゃ……」

莉嘉「分かってないなぁ、Pくんは! プレゼントだからいいのにっ」

美嘉「まー、今の仕事始めてからあんまり一緒に出掛けたり出来ずにいるからね。アタシのお金なんだし、別にいいでしょ?」 チラッチラッ


菜々(美嘉ちゃんの『自分のピアスも褒めて』アピールがすごい…)

P「あー…それでか」

莉嘉「?」

P「まあ、そうだよな。良かったな莉嘉、お姉ちゃんにプレゼント貰えて」 ナデナデ

莉嘉「うんっ」

P「で、ファミリアツインの歌うオールディーズに期待しちゃっていいのか?」 ナデナデ

莉嘉「うんっ!☆」

菜々(そしてPさんのスルーっぷりがひどい……)

莉嘉「それじゃPくんを夢中にさせちゃうよーっ! いこっ、お姉ちゃんっ☆」

美嘉「う、うんっ。それじゃ期待しててよ、プロデューサー★」




 トボトボ


P「あー、美嘉」

美嘉「! ──な、なに?」

P「美嘉のピアスも似合ってるぞ。うん」

美嘉「──っっ!!(////)」


────

───

──


菜々「Pさんって、時々ひどくジゴロですよね」

P「え、今ジゴロって言うのか…? っていうか、いきなり酷いな。菜々は時々ひどく毒舌だよな」

菜々「な、ナナの事はいいんですっ! 美嘉ちゃんのピアス、気づかないフリして去り際に褒めたりとか、そういうところですよっ」

P「あー、それかー」

菜々「美嘉ちゃん、すごい嬉しそうでしたね」

P(最初に気づいて、言うタイミングがなかっただけなんだけど黙ってよう…)

菜々「あ、あと。それでか、ってどういう意味なんですか?」

P「ん? あぁ、大した事じゃないんだけどさ……」

菜々「い、言いにくい事なら別に…」

P「そう言う訳じゃないんだが、ぶっちゃけ、あいつらのギャランティってさ、サラリーマンの俺の収入を軽く超えてるわけ」


菜々「今やひっぱりだこですもんね、ファミリアツインもそうだし、二人別々でも」

P「だから俺みたいな貧乏人にたからなくても、いくらでも自分で好きな物買えばいいのになあって。思うんだが、事ある毎にやたら寄り道したがって、その度小物ねだられるんだよな」

菜々「え、そ、そうなんですか!?」

P「おう、そうなんです。でもまぁ、プレゼントが嬉しいって事なら、まあ納得かなと」

菜々「ほ、ホントにそれだけだと思ってるんですか!?」

P「え……なにその、二人だけだと思ったら大間違いだ的な宣言…。まあでも、飯とか飲みとか、あとそんな高くない物でよかったら歓迎だぞ。不思議ではあったけど嫌ではなかったし」

菜々「……Pさんてジゴロじゃなくてただの天然ですね」

P「え、ひどくない…?」



■ファミリアツイン(城ヶ崎美嘉&莉嘉) Since Yesterday

ttp://www.youtube.com/watch?v=x7QPBzAJ_io


 目を閉じて 思い出してみて あなたがしまい込んでしまった思い

 今日が終わる時 明日なんて来なければいいって きっと思うから



 あたし達二人 ここに座って 続けていく理由を探してる

 けどこれははっきりしてる あたし達にはもう 思い出しかないってこと



 全てが終わった時 あなたがまだそこにいるなら

 あたし言わなきゃいけないかも そう思うと怖いの

 あなたはもう 昔のあなたじゃない って




 あたし達二人 ここに座って 続けていく理由を探してる

 けどこれははっきりしてる あたし達にはもう 思い出しかないってこと



 もう終わりなのかな 多分そうだね

 叶えたい願い たくさん あったけど

 もう何も欲しくない



 あたし達二人 ここに座って 続けていく理由を探してる

 けどこれははっきりしてる あたし達にはもう 思い出しかないってこと


 あたし達の心にあるのはもう 昔の思い出だけだってこと


────
──


P「ストロベリー・スウィッチブレイドか。親御さんの趣味かなぁ」

菜々「すごく可愛らしいのに、すごく切ない歌詞ですね……」

 スクッ

菜々「? Pさん、どうしたんですか? 急に立ったりして」

 バターン! バタバタバタドカッ

莉嘉「ねーねーどうだったPくん!」

美嘉「こーら莉嘉! また莉嘉ばっかり!」

P「お、おう、すごくよかったぞ!」

菜々(鳩尾をガードしてる…よほど痛かったんですね…)


莉嘉「えへへー☆ でしょーっ? お姉ちゃんと練習したもん!」

P「そういや二人はどうしてあの曲を選んだんだ? ストロベリー・スウィッチブレイドなんて、なかなか聞く機会もないだろ」

莉嘉「ママが好きだったんだって!」

美嘉「丁度流行ってる時は子供だったからー、って悔しがってた」

P「二人が歌ったのは84年リリースの曲だな。菜々なら当時のこと分かるんじゃないか?」

莉嘉「ホント!? 菜々ちゃんいいなー!!」 キラキラ

美嘉「え、流石に生まれてないっしょ。だって菜々さんて確か……」

菜々「わー!わーわー! 84年って、30年前じゃないですか! ホントに生まれてないですっ!」

莉嘉「『ホントに』…?」 キョトン

菜々「な、ナナはホントに永遠の17歳でーすっ!キャハッ♪」

莉嘉「?」


菜々「そ、それより! 切ない歌詞ですよねっ。すっごく大人っぽかったですよ!」

莉嘉「ホントっ? あ、でもアタシ英語わかんない…どんな内容なの?」

P「ああ、中学入ったばっかりの英語力じゃ難しいよな。うーん、別れを前にした恋人の歌かな」

莉嘉「なんでっ!? 邪魔するヤツがいるの? それともどっちかが死んじゃうとか?」

P「いや、そういうんじゃなくてさ、気持ちが離れて関係が終わるんだ。だからどうしようもないんだけど、好きだった頃の思い出はある。それが切ないんだよ」

莉嘉「なんで……。好きだったら、ずっと好きだったらいいじゃん…」

美嘉「そう言う事もあるんだよ。飽きたり、飽きられちゃったりね。莉嘉も大きくなったら分かるかもね」

莉嘉「アタシはだいじょーぶだもんっ! アタシ飽きたりしないし、Pくんをユーワクして、ずーっとトリコにしちゃうもん!」

P「え、なんで俺…? けど、ラジオ(CDドラマね)の時みたいなのは駄目だぞ」

莉嘉「あ、あれはお姉ちゃんの漫画に……」

美嘉(え、駄目なの……?)


P「駄目だ。ああいうのは手っ取り早く盛り上がるけど、すぐ冷めて重たくなるテンプレコースだ」

莉嘉「うぅ~~ ……助けてお姉ちゃ~んっ」

美嘉「えっ」

莉嘉「えっ?」

美嘉「あ、あああアタシなら確かにプロデューサーをユーワクするぐらいヨユーだけど…」

莉嘉「ホントっ!? じゃあ教えて! はいこれっ☆」

P「人をこれとか言うな! って、え? 今ここでやるの?」

菜々(どうしていつもコントが始まるんだろう…)

美嘉「よ、ヨユーだけど、プロデューサーにはちょっと刺激が強すぎるかなぁって★ ケモノになって襲われちゃうしっ」 アセッ

P「はあ……そういうのは家でやってくれよ…まあいいか…。よしこい」

美嘉「えっ、えっ」


P(…なんかテンパってるな。美嘉って慣れてそうなのに、恋愛ネタとエロネタ振られると弱いなぁ)

美嘉(ど、どうしよ…漫画は駄目って、どうすれば……) アタフタ

P(美嘉もいつか好きな奴が出来て、誘惑とかするのかな。…いや、こんな綺麗な子なら、黙ってても向こうから来るだろうな。娘を嫁に取られるってこんな気分かなぁ)

美嘉(す、すごい見られてる……。顔、熱い……) アワワワ

P(気まずい……)

P「あー、まだか?」

莉嘉「やばいよお姉ちゃん! Pくん飽きてるよ!?」

美嘉「え、えっ? 待っ…」 ポワンポワンポワン




 ──想像上のP「俺達、そろそろ潮時だよな。終わりにしないか?」

   ──想像上のP「今だから言うけどさ。お前、正直重いんだよ」


  ──想像上のP「あーあ、なんでお前みたいなつまんない奴スカウトしちゃったんだろうな……はぁ…」



美嘉「や、やだ……」

P(なんだかすごい失礼な想像をされてる気がする)

美嘉「プロデューサー…」 ジワッ

P「!?」

美嘉「ぷ、プロデューサぁ……」 ウルウル

P「み、美嘉っ!」 ギュッ

美嘉「ふぇっ!?」

菜々「はぁぁぁ!?」

莉嘉「やったー!!」

P「だ、大丈夫だぞ! 俺ずっと美嘉のトリコだからなっ。なっ?」 ギュウウゥ


美嘉「プロデューサー…──うん……」 ギュッ

莉嘉「ホントにPくんをユーワクしちゃった! やっぱりお姉ちゃんすごいなー☆」 キラキラ

P「落ち着くまでこうしてるからな?」

美嘉「うん…」


莉嘉「……」 キラキラ


P(とはいったものの…)

美嘉「~♪」


莉嘉「………」


P「あの、美嘉……そろそろ落ち着かない?」

美嘉「落ち着くわけないよ……アタシさっきからずっと、ドキドキが止まらない…」

P(えぇ~~…)


莉嘉「…………」 イライラ


莉嘉「もーお姉ちゃんばっかりずるーい! Pくんアタシも! アタシもギュッてするの!」


美嘉「へ? あっ…」 パッ

莉嘉「Pくん次アタシ! アタシもー!」

P「悪いな莉嘉、これは一日に二回使うと寿命が十年縮むとても危険な技なんだ」

莉嘉「ううー! ずーるーいー!」 ジタバタ

莉嘉「いーもん! アタシもPくんをやりかた教わったから、今度から自分でユーワクするもん!」

美嘉「り、莉嘉にはまだ早いって★」

莉嘉「早くないもん! 莉嘉だってJCだもん! お姉ちゃんのバカーっ!」


────

───

──


P「なんだかんだ言って仲良いなあの二人は」

菜々「喧嘩したと思ったら次の瞬間には仲良くしてますもんね。帰る時も一緒だし」

P「あれが姉妹ってやつなんだろうなぁ。それにしても…なんかホントに寿命が十年縮んだ気がする」 グッタリ

菜々「自業自得ですよっ。いきなり人前で抱き合うとか、何考えてるんですか!?」

P「だってさぁ、美嘉の潤んだ目を見たら体が勝手に……あれがホントのユーワクなんだな…如何なおのこが耐えられようか…」

菜々「かっこつけて言っても駄目ですっ! 街中でやられても抱きしめるんですか!?」

P「ははは、ないない。そんな事したらアイドル生命断たれちゃうからな、美嘉だってこんなしょぼくれプロデューサーからかう為に自分のキャリアを危険に晒したりしないよ」

菜々(既成事実をいつでも作れるって事だと思うんですけど……)

P「まーでも、アイドルが嫁さんとか、全男児の夢だよなぁ。ありえないけどさ」

菜々「え……嘘…ですよね?」


P「ん、なんか変な事言ったか?」

菜々「アイドルがお嫁さんはありえないって…」

P「アイドル達が俺なんか相手にしないさ。……職場内結婚とかしてる友達はいるけど、アイドル以外の同僚ってちひろさんしかいないしなぁ」

菜々「そ、そんな事ないと思いますけど……」

P「それ以上いけない。俺も最低限の職業倫理だと胸に刻んで、鋼の決意をしてるんだよ…そうでなきゃ、アイドル全員に恋してると言っても良いような俺だぞ、絶対なんかイタい事やらかしてる」

菜々「う、うわぁ……そういう告白は聞きたくなかった…。それじゃ、アイドルである限りPさんが振り向く事はないと……」

P「まあそうだな…なんかすごい自意識過剰な感じがして嫌だけど」


~~~~~


ちひろ「よしっ」 グッ

鬼「? どったのちっひー」

ちひろ「勝利を確信しました! プロデューサーさんのお嫁さんポジはイタダキです!」

悪魔「次、ちひろちゃんの番だよー」


~~~~~


菜々「ぴ、Pさん、それ、絶対誰にも言っちゃ駄目ですからね!?」

P「い、言う訳ないだろそんな情けない事……」

菜々「言ったら引退ラッシュで事務所潰れますからね!? 絶対駄目ですからね!?」

P「フリですかね?」

菜々「フリじゃねーよ!」


────

───

──


頼子「あの、おはよう…ございます」

P「ん、おぉ。おはよう、頼子」

菜々「おはようございまーすっ」

P「頼子って隠れた名曲いろいろ知ってそうだよな。これは期待しちゃうな」

頼子「……そんな事ない、から。プレッシャー掛けないで…いじわるな人」

P「はは、すまんすまん。なんとなくイメージでそうなのかなー、とな?」

頼子「……少しは、聞くけど。それだけだから…」

P「聞きはするんだな。隠れた名曲とかそういうのは言葉の綾だからさ、頼子の好きな曲を聞かせてくれよ」

頼子「……うん」 コクリ


────

───

──


菜々「頼子ちゃんとは、よく話すんですか?」

P「ん? ああ、そりゃアイドルとコミュニケーション取るのは、プロデュース業の基本だからな」

菜々「それはそうですけど。あまり事務所にいないし、いても難しそうな本を一人で読んでて、話す機会がないから…」

P「普段は美術館とか博物館を廻ってるからな。確かに口数多い方じゃないけど、話してみると面白いぜ。知識欲旺盛で、物知りだから話題豊富だしな」

菜々「そうなんですか? 次に事務所で見たらお話できたらいいなっ♪」

P「古いこともたくさん知ってるから、話合うんじゃないか?」

菜々「な、ナナの知識べつに古くないもん!」



■古澤頼子 What a Wonderful World

ttp://www.youtube.com/watch?v=E2VCwBzGdPM

※日本アーチストによるアレンジで女性Vo
ttp://www.youtube.com/watch?v=cCW8X_UsKdI


 木々の緑 花々の赤

 萌え咲きほこる 私と貴方の為に

 そして私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って



 青い空 白い雲

 輝かしい祝福に満ちる昼 優しく侵しがたい闇に覆われる夜

 そして私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って




 空に輝く 美しい虹

 道を行き交う人達にも 輝いている


 友人同士が手を取り合い 挨拶を交わす

 言葉にはしないけど 愛してるって 言い合ってるのね



 赤ちゃんの泣き声 この子が大きくなる様を見守ろう

 この子はたくさんの事を学ぶだろう 私なんかが知ってるよりも ずっと多く



 そして私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って

 そう 私は思うの この世界はなんて素晴らしいんだろう って


────
──


P「いいチョイスだな。サッチモの代表曲の一つだ」

菜々「いい曲ですね…。……うーん、他に言葉が出てこない…本当に、いい曲です」

P「68年の曲だそうだ。ベトナム戦争の厭戦ムードもあったんだろうけど、そんなのはどうでもいいって思っちゃうよな」

頼子「……68年はヒットした年…発表はその前年です」

P「おっと、おかえり。そうなのか、流石詳しいな」

頼子「知識として…知っているだけだから」

菜々「それでも凄いですよっ! ナナ、感心しちゃいました♪」

頼子「……ありがとうございます。でも、知識は知識だから……」

頼子「……自分の世界に籠もっていた私を、Pさんが連れ出してくれたおかげで、世界がどんなに美しいかを本当に知る事が出来たんです」

P「そ、そんな持ち上げられるような事はしてないと思うが…」


頼子「経験は人生を豊かにしてくれます…本や絵画だけ見ていても、そこに込められた本当の美しさを知るには足りない…」

P「それは一理ある気がするな。そうか、この選曲は、頼子自身の経験にも絡めてあるんだな」

頼子「…貴方がいれば…どこへでも行ける…。Pさんの心…手に入れる事が出来たら、私は何だって出来る…」

P「ははは、頼子は言う事がいちいち詩的だな。よし分かった、今度の日曜でいいか?」

頼子「……うん」

菜々「!?」


────

───

──


菜々「…なんだかすごい事言われて軽々しく約束してた気がしたんですけど、大丈夫なんですか?」

P「ん? 何の話だ?」

菜々「心を手に入れる事が出来たら……とか」

P「ああ。蘭子の言い回しと一緒だよ、前々から美術館に行かないかって誘われててさ。展示がもうすぐ終わるから、急かしてくれたんだろ」

菜々「ら、蘭子ちゃんの時と一緒…? た、確かにそう考えればPさんの軽い対応も納得ですけど…」

P「気になってる展示だったからなぁ。週末が楽しみだ…そうだ、菜々も行くか? 何か掴めるかも知れないぞ」

菜々「いいい行きませんよ!? デートに別の女の子誘うなんて何考えてるんですか!」

P「は? デート? ……菜々、ちょっと少女漫画の読み過ぎなんじゃないか?」

菜々(なんでナナがおかしいみたいな話になってるんでしょう……)

P「…まあいいや、菜々が興味ないなら、他の連中にも声掛けてみるかな~っと」



※おまけ:個人的にわりと好きなロッド・スチュアートによる歌唱
ttp://www.youtube.com/watch?v=8gAq5itf1yM

──────────

ここまで。

この素晴らしき世界はなんかすごいたくさんのカバーがあるんですね。
自分が初めて聞いたのも、サッチモじゃなかった気がする。

訂正
>>455

誤:莉嘉「いーもん! アタシもPくんをやりかた教わったから、今度から自分でユーワクするもん!」
正:莉嘉「いーもん! アタシもやりかた教わったから、今度から自分でユーワクするもん!」

>>438以前

菜々の一人称を「菜々」から「ナナ」に。

読み返すと結構間違いがあるんですが、訂正した方がいいのかな…膨大な数になりそう(苦笑)


それはそれとして再開

──────────


 コンコン

P「ん、ノック? はーい?」

 ガチャ

ちひろ「ああ、ここで良かったんですね。おつかれさまです」

菜々「おつかれさまでーすっ」

P「あれ、ちひろさん? 何か問題です?」

ちひろ「あ、いえ。そういうわけではなくて…」

薫「せんせーっ!」

 ボフン!

P「うおっ…お、おお。薫か」


薫「うんっ! おはようございまーすっ!!!」

P「はい、おはようございます。っと、薫を案内してくれたんですね」

ちひろ「あ、えぇ、まぁ……」

P「?」

P(他に何かあるのかな……)

薫「せんせぇ!せんせぇ! かおるね、英語のお歌いーっぱい練習したよ!」

P「お、おお、そうか。えらいなー」

薫「えへへ…それじゃ歌ってくるね!」

P「ああ、頑張ってな」

薫「うんっ! いてきまーっ!」


P「いってらー」


────

───

──


P「…薫は柔らかくていいなぁ。みんな薫みたいだったらいいのに…」

ちひろ「!? ぷ、プロデューサーさん何言ってるんですか!?」

P「へ? ああ、変な意味じゃないですよ…もっと大きい子になると力も強いから、全力で抱きつかれると痛くて…」

菜々(そういえば莉嘉ちゃんに全力で抱きつかれて悶絶してましたね…)


■竜崎薫 Teacher's Pet

ttp://www.youtube.com/watch?v=k2c4g2THWHo


 せんせぇのペット!

 かおるね、せんせぇのペットになりたいな!

 ぎゅーってしてもらって ずーっと近くにいたいの!

 (あら Pくん、薫ちゃんが得意な科目は それみたいよ?)



 せんせぇの自慢!

 かおるね、せんせぇの自慢になりたいな!

 デートしてね みんなに見せつけて かおるが一番になりたいの!

 (ウフフ その為には、たくさんお勉強しないといけないわね)




 かおるね、せんせぇのお口から教わる事は 全部習いたいな!

 まずはね…えへへ お口でキスを教わりたいの!

 (あらあら 本気なの?)



 しゅくだいが出ても かおるだいじょーぶだよ!

 そつぎょーしたら せんせぇのおよめさんになるんだもん!

 (お嫁さん、ねぇ)



 せんせぇのペット!

 かおるね、せんせぇのペットになりたいな!

 あのね そつぎょーしょーしょを持って帰って ママに見せてあげたいの!

 それにはね せんせぇが かおるの事 奥さんにしますーって書いてあるの!


 そしたらね かおるね

 ずーっとせんせぇのペットでいられるね!

 (それにしても、ふぅん? 先生のペットねぇ…)


 (Pくん この子、貴方が大好きみたいよ?)



────
──



P「」

ちひろ「」

菜々「……」

ちひろ「あ、あの…プロデューサーさん…? まさか…」

P「ち、違いますよ!? 俺が教えたんじゃありません!」

菜々「本当ですかぁ?」 ジトーッ

ちひろ「あやしいです……」 ジトーッ

P「な、なんですか二人とも、その目は!?」

薫「せんせぇー! どうだった? かおる可愛かった?」

P「か、薫! あの歌は誰に教わったんだ? 自分で選んだんじゃないよな? なっ?」


薫「えっ? あ、あの……ホントはれーこさんに教わったの……ごめんなさい…」 シュン

P「あンの雌狐が…ッ! 合いの手が聞こえる気がしたのは礼子さんの入れ知恵だからか!」

薫「かおるが自分でさがさないとダメだった? ……せんせぇ、かおるズルしてごめんなさい…」 ジワァ

P「あ、全然駄目じゃないぞ! お歌もすごくよかったし、知らない事を教わるのは良い事だから!」 アセッ

薫「でも…」

P「先生こそ大声出してごめんな? な?」 ナデナデ

薫「せんせぇ怒ってない…?」

P「怒ってないさ! 薫が素敵な歌をうたってくれて、むしろ大喜びだから!」 ナデナデ

薫「えへへ… やったぁ!」 パァァ

菜々(やっぱりロリコンなんじゃ…)

ちひろ(間違いないですね…)



薫「あのね、せんせぇ」

P「ん? なんだい薫」

薫「このお歌、どういうお話なの?」

P「」

薫「れーこさんがね、これならせんせぇが喜んでくれるって。ないよーはせんせぇに聞きなさいって」

P「そ、そうだな。えーっとだな、1958年のアメリカ映画でだな……。クラーク・ゲーブルっていうかっこいい俳優と、ドリス・デイって人が出てくるんだ」

薫「えーがじゃなくて、かおるが聞きたいのは……」

P「そのドリス・デイがこの歌を歌ったんだよ。曲名も映画と同じ、『先生のお気に入り』でさ」

薫「! そうなんだ! それで? ねぇ、せんせぇそれで?」

P「学校にちゃんと通えなかったけど、叩き上げで世の中の事をよく知ってる新聞記者が、これからは教養がないとダメだって言われて夜間の学校に通い始めるんだが…」


P「そこの先生が、育ちが良くて教養もある代わりに、世間知らずなお嬢様なんだよ。まるであべこべな二人だから、最初は喧嘩したり、仲が悪いんだ」

薫「喧嘩しちゃうの!? せんせぇの言う事聞きなさいってママに言われてないのかな」

P「いい歳した大人だし、新聞記者ってのは『本当にそれが正しいのか?』って問いかけるのも仕事だからな。……まあでも、色々あって、結局仲良くなるんだよ」

薫「ほんと!? よかったー…」

P「その映画の主題歌が、薫が今歌ってくれた『先生のお気に入り』というわけだ。分かったか?」

薫「うんっ!」

菜々(結局歌の内容は教えてない気がするんですけど……)

ちひろ(薫ちゃん、すっかり丸め込まれて……)



P「あ、そうだ。ちひろさん?」

ちひろ「なんですか?」

P「他に何か用があったんじゃないですか?」

ちひろ「! え、いえ、その、確かにないわけではないんですけれども……」

P「? あるって事ですよね?」

ちひろ「ま、まぁ大した用事じゃないので…」 モジモジ

P「薫知ってるか?」

薫「あのね、ちひろさんも歌いたいんだって!」

ちひろ「か、薫ちゃん…!?」

P「おぉ、マジですか。歓迎ですよ!」


ちひろ「で、でも私アイドルじゃありませんし、歌もうまくないし…」

P「ははは、俺も歌わされましたから、全然問題ないですよ。むしろいつもの『エナドリ買わなきゃ貴様を取って食う!』ぐらいのノリでお願いします」

ちひろ「そ、そんな事思ってませんよ!?」

P「冗談ですよ。あんまり言い淀むから、なんかまたすごい告白が来るのかと思っちゃいましたよ」 ハハハ

ちひろ「こ……っ!?」

薫「ちひろさんせんせぇにこくはくするの!?」

ちひろ「ししししませんっ! しないからっ!」

菜々「ま、またって……以前そういう事が…?」

P「ん、おう。あの時のちひろさんの思い詰めた顔、未だに焼き付いてるな」

ちひろ「ああ悪質な冗談はやめて下さい! 薫ちゃんが信じちゃうじゃないですかっ!」


P「ははは、意地悪すぎましたね、すいません。でも、ちひろさんが計算ミスなんて珍しくて…その後徹夜で対応したのも良い思い出ですよ」

ちひろ「あ、なんだ……。って、それもナイショにして下さいって言ったじゃないですかっ! もうっ!」

菜々「告白ってそういう……」 ホッ

薫「せんせぇ! ちひろさんせんせぇにこくはくしたの!? ちひろさん、せんせぇの奥さんになるの!?」

P「まぁ、されたっちゃされたけど、薫が思ってるような告白じゃないからな。残念ながら奥さんになってくれないんだ」

薫「ほんとっ!? よかったぁ…。あ、でもね、かおるがおとなになるまでなら、奥さんになっててもいいよ!」

ちひろ「ぶっ!?」

P「おっ、じゃあ俺が大人になったら薫が奥さんになってくれるのか? 薫、それは略奪愛って言うんだぞぉ」 ハハハ

菜々「こどm ちひろ「子供に何教えてるんですか!?!?」

菜々(は、早い…!)



P「ところで話もどすんですけど、ちひろさん何歌ってくれるんですか?」

ちひろ「え、それはですね…その、昔から好きな曲で…」 モジモジ

P「恥ずかしいなら俺も歌いますよ」

ちひろ「そ、そんな……恥ずかしすぎですよ! そりゃ、一緒に歌ってくれたら素敵ですけど…」 ゴニョゴニョ

P「? そんな気負わなくても。アイドルのデビュー曲なんかも、本人が恥ずかしいからって時はよく一緒に歌ってますから」

ちひろ「そ、そうなんですか?」

P「ええ、きっかけはかな子の時なんですが、最近だと智絵里の『風色メロディ』とか、藍子の『お散歩カメラ』とかもやりましたよ」

菜々「そういえばナナの時も、振り付けまで一緒にやってくれて……」

P「歌はともかく振り付けは完璧だと思うんだけどなぁ。なんかみんなにきもいきもい言われるんですよね」

菜々「完璧すぎるからですよ!? 表情まで完璧なんだもん……」


P「みんなの為にやってるのに……。凛なんか未だに悔しがって恨み言言ってくるんだぞ、あいつの時はやってやんなかったから」

菜々「だからなんだって言うんですか…まぁ、感謝はしてますけど…」

P「そんなわけで、ちひろさんも踏ん切りつかないとかでしたら」

ちひろ「そ、そうですね…っ。一緒に歌うだけなら恥ずかしくないですよね!」

P「ある程度は。で、何歌うんです? ビートルズの『Money』あたり?」

ちひろ「違いますから!!」


────

───

──



ちひろ『はいっ、プロデューサーさん! マイクですっ』

P『え、いや、たくさんありますから別に……』

ちひろ『だーめーでーすっ。ね、はいっ♪』


薫「ちひろさんすごいうれしそーだねー!」

菜々「あれはもうハイになってますね…きっとPさんとお歌うたいたかったんですね」

菜々(なんでマイク1つで歌うんだろう……なんかもう、スナックのカラオケにしか見えない…)


■千川ちひろ Wouldn't It Be Nice

ttp://www.youtube.com/watch?v=lD4sxxoJGkA


 早く時が過ぎればいいって 思いませんか?

 こんな風に待つ必要なんてなくて そして

 二人で世界を共有して 一緒に暮らしたら素敵だなって ね?


 ねえ、プロデューサーさん きっとすごく素敵ですよ

 おやすみなさい って言った後も ずーっと一緒にいるんです




 一日が始まって 一緒に起きるのって 素敵じゃありませんか?

 一日一緒に仕事をしたのに 帰ったらもっと近くに寄り添うんです

 一晩中ずっと


 幸せな日々を共に過ごすんです

 優しいくちづけの一つ一つが 永遠に続くみたいな

 きっと素敵だろうなぁ



 もしも私たちがそう望んで そうなりますようにってお祈りしたら

 もしかしたら ねえ、プロデューサーさん? 叶わない事なんてないんじゃないかしら

 私たち結ばれて 幸せな結婚式を挙げるの


 ね、素敵だって思いません?



 なんだかこんな事ばかり話していたら そんな気がしてきちゃいますね

 それしか考えられなくなっちゃう でも、こういう話をもっと沢山したいです

 だって 素敵じゃないですか?


────
──


P「ふー、やっぱりビーチボーイズはいいなぁ」

薫「せんせぇ、おかえりーっ!」

P「おう、ただいま」

菜々「ちひろさんも、おかえりなさいっ♪」

ちひろ「なんだかお耳汚しで……(//////)」

P「そんな事ないですって! なぁ?」

薫「うんっ! ちひろさんかわいかったー!」

菜々「Pさんとのハモりも息がぴったりで、すごい素敵でしたよっ」

P「はー、ちひろさんが事務じゃなかったら絶対スカウトしてるのになぁ」

ちひろ「またそんないい加減な事言って! あんまりからかわないで下さいよっ(////)……そ、その気になっちゃうじゃないですか…」 ゴニョゴニョ


P「いやいやいや、いい加減じゃないですって。事情が許すなら、ちひろさんのご実家まで押しかけて土下座してるとこですよ」

薫「せんせぇ、やっぱりちひろさんとけっこんしちゃうの!?」

P「ん? あぁいや、ご家族や保護者の同意なしってワケに行かないからさ。お願いしに行く事はわりとあるんだよ。言われてみれば似てるな」

薫「せんせぇ! かおるも? かおるの時も、かおるをくださいーってどげざした!?」

P「土下座はしなかったなー。っていうか、薫もその時いたろ?」

薫「そうだった……」

P「薫の時はむしろ親御さんが乗り気だったからなぁ。土下座なんて滅多にしないよ」

菜々(滅多に、って事は無いわけではないんですか?) ヒソヒソ

ちひろ(私の知る限り、千秋ちゃんと忍ちゃんの時はご両親の前で土下座したらしいですよ) ヒソヒソ

菜々(ほ、ホントにあるんですね…)


P「まあでも、ちひろさんの時は土下座しないと駄目そうだなぁ。『お義父さん! ちひろさんをボクに下さい!』…なーんちゃって」 ハハハ

ちひろ「!?──ッッ!?!?(//////)」 カァァァ


────

───

──


P「痛てて……まさか引っぱたかれるとは思わなかった…」

菜々「それで済んだ事に感謝するべきですよ…」

P「そんなに嫌だったのかなぁ、アイドル。実現するかはともかく、ちひろさんもまんざらじゃないと思ってたんだけどなぁ……あんな耳まで真っ赤にして怒るとは」

菜々「怒ってはなかったと思いますよ?…口元にやけてましたし。というかそこじゃない気が…」

P「えっまじ? まー、怒ってたら帰りしなにスタドリ1ダースくれたりしないもんなぁ。照れ隠しかなぁ」

菜々(なんでスタドリ……意外と攻められるともろいんですねちひろさん…)

──────────

ここまで。

『素敵じゃないか』の何となく遠回しにデレッデレな歌詞はキノ子に合いそうだと思いつつ、キノ子はメタルだよなぁと迷ってたのでリクエスト頂けて踏ん切りがつきました。
輝子もボイスつきましたねー。とてもお迎え出来ないので前編しか聞けてないですが、あのフヒはとても良い。


ちひろさんはフロイドのmoney歌うのかと思いました(真顔)

>>493
(つべりながら)なにこれかっけえ!

ちひろさんは守銭奴系の歌いくつかピックアップしてたんだけど、>>457でいじったからやち天の流れがいいなと思ってしまいました

それはそれとして再開します。

──────────


 …ドドドド├”├”├”├”┣”┣”┣”


P「な、なんだ? 子供でも来てるのか?」


 ┣”┣”┣”├”├”├”├”ドドドドドドド……


菜々「通り過ぎていきましたけど…」


 …ドドドド├”├”├”├”┣”┣”┣”

 バーン!!


茜「おっはよーございまーーっす!!」


P「あ、あぁ……なるほどそう言う事か…」

菜々「茜ちゃんだったんですね…おはようございますっ」

茜「? 何がなるほどなんですか?」

P「い、いや、何でもない。おはよう茜」

茜「はいっ! おはようございまーすっ!!」

P「うんうん、今日も元気だな。でも廊下は静かにな」

茜「あ、そうでした!! はいっ、全力で気をつけますっ!!」

P「よーし、その意気だ」

菜々「どうして一度通り過ぎて戻って来たの?」

茜「あっ…えへへ…! 走るのに夢中で気づきませんでしたっ!!」


P「まあ、前方と足元と車に気をつけてくれればいいよもう。それで、今日はどうした?」

茜「はいっ! オールブラックスを歌いにきました!」

P「オールブラックス…?」

菜々「オールディーズの事じゃないですか?」

茜「あ、そうでした! オールディーズを歌いにきました!」

P「おっ、そうなのか。よし、期待していいかな」

茜「はいっ!!任せて下さい!!!」



■日野茜 Macho Man

ttp://www.youtube.com/watch?v=AO43p2Wqc08

 ボディ! 私のボディ感じたいですか!!

 うううう~~! わくわくしちゃいます!!

 私のボディ触りたくないですか!?

 最強じゃないですか!! もっと良く見て下さい!!!

 まさか…疑ってるんですか!? 私のボディの話ですよ!!

 ほら!もっと良く見て下さい!!!




 マッチョマンはみんなの憧れ!

 常に求められるムキムキマッチョボディを作りましょう!!

 それにはまず毎朝ジョギングです!!

 ジムに通っていい汗かきましょう!!

 はぁはぁ…なんだか筋肉がついてきた気がします!!

 マッチョマンなら信じられますね!!

 ついてきて下さい!!!!



 ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!!

 マッチョ マッチョマン! プロデューサー、私マッチョマンになれますか!?

 マッチョ マッチョマン! はぁはぁ…私マッチョになってますか!?





 ボディ! なんだか体が熱くなってきました!!

 見て下さい! 鍛え抜かれた!この!肉体!!(ペチペチ)

 はぁ…うっとりしちゃいます…

 ひょっとして私のボディ最高じゃないですか!?

 まさしく…神の与えし鋼のボディ!! どこまでも鍛えましょうっっ!!!




 マッチョマンは歩き方ですぐ分かります!

 ラガーシャツにヘッドギア! そして筋肉!!

 まさに!王者の!!風格!!!

 マッチョマンなら信じられますね!!

 王者は派手に着飾らないっっ!!!!



 ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!!

 マッチョ マッチョマン! プロデューサー、私マッチョマンになれますか!?

 マッチョ マッチョマン! はぁはぁ…私マッチョになってますか!? ファイヤーーーーーッ!!!





 ボディ! 私のボディ感じたいですか!!

 さあ行きましょう! わくわくしちゃいますね!!

 ボディ! 好きな食べ物はファンクです!!

 うううう~~何だか体が熱くなってきちゃいました!!!

 熱い!! 筋トレしたい!!!





 みんなでマッチョになりましょう!!

 何があっても筋肉さえあれば負けません!!!

 個性! 信念!! 腕力!!! 闘魂!!!!

 まさに生きた鋼っっ!!!!

 彼を信じずして誰を信じると言うのか!!!

 今!リングに立つっ!!神と見紛うその姿ぁぁぁぁぁぁっっ!!!!



 ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!!

 マッチョ マッチョマン! プロデューサー、私マッチョマンになれますか!?

 マッチョ マッチョマン! はぁはぁ…私マッチョになってますか!? ファイヤーーーーーっ!!!


────
──



菜々「すっごい楽しそうに踊ってましたね」

P「よりによって村人かよ……」

菜々「え、何ですか? ムラービト…?」

P「ビレッジピープルっていうグループの曲なんだよ。直訳して村人」

菜々「あ、あぁ! なるほどっ! でも、どうしてよりによってなんですか?」

P「ビレッジピープルは、ゲイを前面に押し出したグループでさ」

菜々「え、そ、そうなんですか…!? なんで茜ちゃんが…」

P「ゲイってのはそれまで社会からネガティブな認識しか持たれてなかったんだよな。それを面白おかしく茶化す形でグループのイメージに使ったんだよ」

P「真剣にゲイやってる人たちからすれば、馬鹿にされてると感じた部分もあったろうけど、日陰に隠れていたゲイを日なたの存在に押し上げたって側面もあって、そこは素直に評価して良いと思う」

菜々「そんな人たちがいたんですね……ナナ、知りませんでした」


P「菜々もヤングマンぐらいは知ってるんじゃないか?」

菜々「西城秀樹さんのですか? 知ってます! ……あ、さすがにナナが生まれる前の歌ですからね? これはホントですからね!?」

P「そこは疑ってないだろ……。あれの歌詞のあらすじ説明できるか?」

菜々「えっ? うーん……なんだかよく分からないけど、YMCAは素晴らしいから元気出せ一緒に行こう、って感じ…?」

P「そう。原曲にあったゲイ的なメッセージを削除してるから、なんだかよく分からない前向きさだけが残ってるんだ」

菜々「そ、そうなんですか? 原曲だと…?」

P「YMCA会館にはシャワーもベッドもあって、いい男達が沢山いるぜ。だからみんなで来いよ!って内容」

菜々「う、うわ……(//////) で、でもますます、どうして茜ちゃんがそんなグループの歌を知っているのか…」


 …ドドドド├”├”├”├”┣”┣”┣”

 バーン!!


茜「どうでしたかっ? 一曲入魂全身全霊で歌い切りましたっ!!」


P「遅いと思ったらまた通り過ぎてたのか…。茜はあの歌、誰かに教わったのか?」

茜「はいっ! ラグビー部マネージャー時代、部活の先輩方に教わりましたっ!!」

P「えっ」

茜「思い出すなぁ。よくトレーニングしながらみんなで歌ってたっけ…」

P「せ、先輩方ってみんなそっち系の人だったりするのか…?」

茜「いえ! ほかにも色々歌っていました! クイーンとか、リッキーマーティンとか……いや~懐かしいなぁ! 思えばあれがあったから、アイドルの私があるのかもかもしれませんっ!!」

P(あかん、ガチだ…)

P「ラグビー部とは今でもつきあいがあるのか?」

茜「はいっ! …あっ、いえその……プロデューサーからは気をつけるように言われていたんですけど、オフの時は応援に行ったりしてました…」

P「ああいや、俺の杞憂だったようだからこれからは気にしないでくれていいよ」


茜「本当ですかっ!? いや~~、良かった!先輩方には妹のように可愛がって頂いていたので、これで少しでも恩返しができますっ!!」

P「ああ、ごめんな。アイドルになったら変な奴も寄ってくるからと思ったんだが、その先輩方なら茜は大丈夫だ」

茜「あっ、でも、妹と言えば……」

P「? どうした?」

茜「いえその、私がアイドルデビューした後入ってきた部員で、しつこく誘ってくる人がいて……」

P「なんだと!?」 ガタッ

茜「あ、もう解決したんです! 先輩方に相談したら、親身に怒ってくれまして。『俺たちの妹にちょっかい出す奴とノンケは我が部にいらない!』って言ってくれて」

P「お、おう…?」

茜「ノンケってなんでしょう! そういえばアイドルになったばかりの頃、先輩方がプロデューサーがノンケかどうか聞いてきた事があって、一度会わせてほしいと頼まれたんです」

P「ひぃっ!?」 ササッ


菜々(どうしてお尻をかばうんでしょう…?)

茜「私としては大賛成だったので、『大事な人だから是非私たちでおもてなししましょう!』って提案したんですけど、『妹の特別な人は可愛がれない』って、それから何も言われなくなりまして…」

 ガバッ

茜「ひゃっ!?」

P「ありがとう…! ありがとう茜! お前は俺と俺の括約筋の恩人だ…!!」 ギュウウ

茜「あ、あの、プロデューサー…? うううう~~~っ(////////)」 カァァァ


 ポッポー


茜「な、なんだか熱くなって、胸がドキドキしてきました!!!! か、風邪かもしれないので走ってきます!!」


 バターン

 ┣”┣”┣”├”├”├”├”ドドドドドドド……


────

───

──


菜々「茜ちゃん真っ赤でしたね…」

P「ああ、感激のあまり抱きついちゃったけど、不快だったかな…恩人に悪いことしたな」

菜々「もうなんでもいいですけど…」

P「それにしても、茜がいなくなったらやけに静かになったなぁ」

菜々「そうですねー」

 スン

P「んー」 スンスン

菜々「どうしたんですか?」

P「あーいや、菜々、小さい子の世話とかする?」

菜々「え、は? ききき急になんですかっ!? そ、それはナナは花の17歳ですけど、それなりに子供は好きというか…Pさんが望むなら……」


P「変な意味にとらないでくれよ? 俺さ、オフに甥っ子の面倒とかよく見させられるんだが、子供の匂い好きなんだよな」

菜々「」

P「なんなのかなぁ、あれ。さすがに事務所の子は女の子だからおおっぴらに言えないし、嗅がないけど、小さい子特有の匂いってなんかあるよな」

菜々「な、なんで急にそんな話を?」

P「いや、さっきからなんかその子供の匂いがする気がして…」

菜々「最後にきた小さい子って言うと、薫ちゃん…?」

P「いや、それが10分ぐらい前からなんだよな」

 ガタガタッ ガサッ

P「え、机の下……し、輝子!?」

輝子「」

菜々(輝子ちゃんが自分の頭と鉢植え抱えてうずくまってる…?)


P「い、いつの間に! いたのか輝子!」

輝子「フヒ…い、いましたけど……。10分前からいましたけど…」

P「10分前…? あ、なんだそういう事か」

輝子「く、空気ですけど…空気だから、匂いとかしませんけど…」

P「か、勘違いするな輝子。匂いのない人間なんていないし、輝子のは別にいやな匂いじゃないからな!」

輝子「ほ、ホント? ホントなら、う、嬉しいけど…フヒ」

P「ああ、むしろ好きだ!」

輝子「フヒッ!?」

P「なんかこう、この子の為なら命がけで頑張れるって気になる匂…」

輝子「ヒッ…!ヒャッハーーーー!! そ、それじゃ親友の為にい、一曲ファックしてやるぜぇ!!」 ガタッ


P「…子供ってすげえなぁ、これが父親になるって感じかなあ……って、思ったんだが」

菜々「…もう行っちゃいましたよ。絶対最後まで聞こえてないです」

P「うん…」

菜々(それにしても、完全に保護者の心境なんですね…)


────

───

──



P「あれ、キノコだよな……?」

菜々「あの鉢植えですか? 並べてますね……」

P「あー、ステージでは流石に持ち込ませなかったからなぁ。ホントはトモダチと一緒に歌ったりしたいんだろうな」

菜々「き、キノコと一緒にライブですか?」

P「ほっとくと、好きな場所に好きな物を持ち込んで一人で遊んでるような子だからな。ライブは気に入ってくれてるし、キノコも一緒にって思うんじゃないか? いや、適当に言ってるけど」


■星輝子(&フレンズ) Iron Man

ttp://www.youtube.com/watch?v=vVxTB6GT_2g

 あいつは心を失ったのか 周りが見えているのだろうか

 木偶みたいに倒れるんじゃなく 歩く事ができるのか

 あれは生きてるのか 生きていないのか

 まさか自分で考える事ができるのか

 今まであいつを放っておいたのに どうして今更構わなきゃならないんだ



 人類の未来の為 時を旅していた時

 あいつは 強大な磁界の力で 鋼の体を手に入れた


 誰もあいつを顧みない

 あいつは世界の見守り 復讐計画を練っている

 じきに実行に移すさ






 時は来た アイアン・マンは恐怖を振りまく

 それは墓場からの復讐

 一度は助けた奴らを殺すのさ


 誰もあいつを顧みない

 誰もが目を背け 助けようとしない

 だから今こそ復讐するんだ



 重そうな鉛のトランクには 無残な餌食が詰まってる

 全力で逃げろ 死ぬ気で逃げろ

 アイアン・マンが蘇った!


────
──


菜々「輝子ちゃんて、マイク持つと別人みたいになりますね…すごい迫力」

P「ブラックサバスか。ホントはああいうの、ステージで歌いたいんだろうなぁ」

菜々「あれ、輝子ちゃんの持ち歌ってわりとメタル調多くありません?」

P「それでも、可愛さをわりと前面に出してるからな。歌とトークのギャップが良い、ってファン多いんだよ」

菜々「あぁ……急に『トークはいいよ…』って小さくなっちゃったりする…あれ、Pさんの差し金だったんですか」

P「歌とあのキャラだけで押せるようになったらまた考えるけど、せっかく可愛いからな。ところで気になることがあるんだが…」

菜々「? なんですか?」

輝子『ゴートゥーヘールッ! フヒヒヒフハハッ! アーッハッハッ! どうだP!』

菜々「いつにも増してノリノリですね」

P「あのテンパってる感じがいいんだが、落ち着いて貫禄出てきたらまたプロデュース方針調整するようだろうな。輝子、もう一曲いけるか? …っと」 ミブリテブリ

輝子『アンコールか? ヒヒッ! 仕方ねえな、まだファックされ足りないPの為にもう一曲!』


■星輝子(&フレンズ) Neon Knights

ttp://www.youtube.com/watch?v=nhe1SuBGkiA

 まただ! せっかくいい感じだったってのに!

 まぁ待て落ち着け 良いものはなくならない

 そうだった試しがない 機会はまた訪れる

 何度でも 何度でも 何度でも



 雄叫びを上げろ 勇者の軍勢よ

 通りを闊歩する 血に飢えたリア充どもから 自分自身を救い出すのだ

 騎乗しろ 小さな世界の守護者たち

 傘をかぶった船長のもと 光の海へと旅立つのだ




 王冠に指輪 ドラゴンとキング

 呪詛を紡ぎ魔法をかけろ

 神聖で光輝な 夜の祝福を受けて

 鐘の音が呼んでいる



 血染めの天使が 素早く舞い降りる

 真っ直ぐに照らす 光の柱を通って

 おぼろげな姿 自由の体現者

 影から抜け出し 永久に輝く ネオンの騎士!



 雄叫びを上げろ 勇者の軍勢よ

 通りを闊歩する 血に飢えたリア充どもから 自分自身を救い出すのだ

 騎乗しろ 小さな世界の守護者たち

 傘をかぶった船長のもと 光の海へと旅立つのだ



 何度でも 何度でも 何度でも

 ネオンの騎士!

 ネオンの騎士!!

 フヒヒヒヒフハハッアッハッハ!!!


────
──


P「やっぱり……。なんか声が複数聞こえないか?」

菜々「そ、そんなバカな。で、でも確かに一人で歌ってるはずなのに…」

P「ま、まさかキノコか…!? キノコが共鳴してるのか!?」

輝子「た、ただいま…」

P「おお、おかえり輝子! いきなり一曲増やして悪かったな!」

輝子「い、いや、いい……トモダチだから…フヒ」

菜々「おかえりなさい輝子ちゃん♪」

輝子「フヒッ?」 ビクッ

 カサカサ

P「お、おい! いきなりテーブルの下に潜るな…よっと」 ガシッ


菜々(ナチュラルに抱き上げて膝に乗せた!?)

P「あー、うん。やっぱ落ち着くな。菜々は怖くないから大丈夫だ。な?」

輝子「フヒ…お、重くないか? と、トモダチの鉢が二つもあるから…」

菜々(汗もかいてるのに、気にするポイントはそこなんですね…)

P「そう思うなら下ろしくれていいんだぞ。まあでも重くないよ、甥っ子よりはあるかな、ぐらい」

輝子「フヒヒ…なら、いい」

 キノコーノコノコー ホシショウコー ノーフューチャー プロデューサー♪

菜々(キノコ相手に鼻歌交じりで一人遊びを始めた…自宅みたいにくつろいでる!?)

P「なぁ、輝子」

輝子「んー?」


P「またシングルLIVEやりたいか?」

輝子「や、やりたい…! け、けど、一人だとトークしないとい、いけないし、乃々とか、幸子と一緒にやるのも、いい」

P「別に142sをもうやらないとかそういう意味じゃないぞ。トークはまぁ、構成次第だし、するにしても内容をあれこれ指定せず自由にやってもらうって方向もある」

輝子「! そ、それは、いい、いいぞ……フフ」

P「よし、じゃあ今度のバレンタインは輝子に任せよう!」

輝子「!?!?!?!?」

P「ははは、そんな目を丸くして喜んじゃって、可愛い奴め!」 ナデナデ

輝子「で、でもね……? ば、バレンタインはき、聞くところによると…」 オロオロ

P「聞いた話なんかどうでもいい! 輝子がこうだと思うバレンタインをファンのみんなに叩きつけてやってくれ!」

輝子「わ、わた………フヒッ」


輝子「……」

P「お、早速考えてくれてるのか? 時間があまりないのは確かだけど、別に今じゃなくていいぞ」

輝子「……フフフ…フヒヒヒフハハッ! アーッハッハッ!」

輝子「ドイツもコイツも!バレンタイン!コクハクレンアイ至上主義!ボッチたちが!静かに暮らす権利は!ないのか!!」

輝子「フ…フヒ…フハハハ!なら……この、私が!バレンタインデーを真っっ黒に…染め上げてやる!」

輝子「…っていうの。どう?フヒヒ」


────

───

──


P「普通じゃないバレンタインを期待してはいたし、面白いLIVEになりそうで嬉しいんだが、あそこまでとは…過去になんかあったのか?」

菜々「むしろ何もなかったから、とか…?」

P「え、だって、あれって女の子主導のイベントだろ…?」

菜々「そうですけど、やっぱり入りにくい事ってあるじゃないですか。渡す相手がいないと始まらないし」

P「親父さんとかいるじゃん……よし、決めた。今年のバレンタインは俺が輝子に特大ド本命チョコを渡す!」

菜々「は、はぁ!?」

P「海外では男が贈ったりもするらしいし、だったら俺が親友の輝子に本命の友チョコを贈ったっていいだろ?」

菜々「本命の友チョコって意味が分からないんですけど……でも輝子ちゃんを特別扱いしすぎじゃないですか? さっきだって膝に乗せたり」

P「なんかほっとけなくてさ。甥っ子がああすると大人しくなるから、つい…な」 ハハハ…

菜々「女の子扱いしてあげて下さい…。あと、本命って言って一人に贈ったら問題になるんじゃないですか?」


P「そ、そう?」

菜々「…下手すると血を見ますよ…」

P「大げさだなぁ(苦笑) でも一理ある。甘い物好きな子や子供はうらやましがるよな。それじゃ全員分用意しよう」

菜々(それはそれで問題になりそうですけど…) チラッ


P「……あ、キノコの話聞くの忘れたな。まあいいか」


菜々(やっぱり今年のバレンタインは血を見そう…)

──────────

ここまで。
茜のいたラグビー部がゲイの巣窟というのは二次創作です。念のため。

輝子の台詞はブラックバレンタインのテキストを一部使わせて貰ってます。
でもちょっと整形したりしてるのでそのままコピペったりするときっと恥をかきます。

輝子は>>411で頂いたリクそのまま歌わせちゃったけど、
自分的に輝子は一人遊びが得意で人付き合いに消極的な男の子に近いイメージ。
なのでコレジャナイだったらごめんなさい!

輝子は無頓着可愛いですね。
目の前で板チョコかじって(しかもハート型を作るなんて、思い切り歯形とか残りそうなかじり方)そのまま渡すみたいな。
その距離感の取り方の下手さが魅力。だからぼっちなんだろうけど。

リクを聞いてくれてありがとう。輝子のトモダチで良かったと思える

て言うか茜ちん愛されスギィ!(筋肉に)

まだ読みかけなんだけど、すごい共感したのでとりあえず書き込み

>>319

ほんとこれ、プレイ人口が増えてから投入されたキャラと
初期のキャラのハンデが凄まじすぎて、あーあって何時もなる
そのうえ追加キャラへのファンの反応にはすぐに答えていくから
もうどうしようもない

ちょっと訂正

>>482
誤:P「おっ、じゃあ俺が大人になったら薫が奥さんになってくれるのか? 薫、それは略奪愛って言うんだぞぉ」 ハハハ
正:P「おっ、じゃあ薫が大人になったら奥さんになってくれるのか? 薫、それは略奪愛って言うんだぞぉ」 ハハハ


>>517
誤: あいつは世界の見守り 復讐計画を練っている
正: あいつは世界を見守り 復讐計画を練っている



>>530
楽しんで頂けたなら良かった!

>>532
ありがとう
何となく礼子さんは大人組の中でも割とこういう事を言うイメージでした
いい男になってくれれば、もたれかかって酒を飲める。それはいいものさ… と、年下の男を鍛える哲学というか
特に風刺する意図はなかったんですが、そういう見方もあるのか~とか
書いた人間のくせに感心してしまいました(苦笑)


そろそろラストにしようと思っていたんですが、アーニャは何歌うと似合いますかね…
年齢的に両親はソ連崩壊を経験して冷戦後に青春を送った感じだろうから、東側文化に拘る事もなさそうだし
どっかで歌の好みとかに言及する台詞あったりしませんかね! もしくは歌って欲しい歌とか!

参考までに
ゴルゴ13でソ連の悪役が盗聴者にわざと聴かせる為に
マイケル・ジャクソンの「Bad」を大音量で流すシーンがあった
西側頽廃文化の象徴として

歌詞的にはスティービー・ワンダーの『to feel the fire』がこれ以上ないくらいアーニャにハマると思うんだけど
古くないうえにベストアルバムの日本盤限定収録何だよね

あとはジンギスカンのあの曲くらいしか思いつかないです

板復活してたんですね。

>>534-535
ありがとうありがとう

ゴルゴ13はそういうのすっごいやりそう!w

to feel the fireはコーヒーFIREのCMの為に作られた歌なんですね…
99年だと確かに新しいけど、これも良い歌だなぁw
ご期待に添えるかどうか分かりませんが、検討してみます!

で、ちょっと更新

──────────


 ピクッ

菜々「? 今度はどうしたんですか」

P「今度はとかいうな。いや、人の気配がしてさ…」

菜々「え、またですか? …机の下には誰もいませんけど…」

P「いや、部屋の外だな。気のせいかな……」

 スタスタスタ ガチャッ

裕子「ムムム……ムゥー…!」

菜々(裕子ちゃんが何か念じてる!?)

P「なんだまたユッコか…」

裕子「はっ!? 扉が開いてる…! ついに私のさいきっくぱわーが……!」


P「いや、俺が開けたんだが」

裕子「え、えーっと…い、今のは念力は念力でも、プロデューサーにテレパシーを送ってたんですよっ」

P「ふーん。おはようユッコ。今日は何しに来たんだ?」

裕子「すっごい聞き流された!? しかも何しに来たとか言われた!」

菜々(何の音もしてなかったのにプロデューサーが気づいた、って言うのはホントなのに…)

P「いや、だってオフだろ。お遊びでみんなにオールディーズを歌ってもらってるけどさ」

裕子「な、なんだか私の扱いテキトーじゃありません!?」

P「そんなことはないぞー? ただお前、オールディーズとか聞かなそうだから何しに来たのかなと純粋に」

裕子「ふっふっふっ、私だってオールディーズぐらい聞くんです! プロデューサーの為にとっておきのサイキックロックを準備してきてあげましたよっ」

P「おっ、そうなのか? ぞんざいに扱って済まなかったな」


裕子「分かればいいんです!」

P「邪険にしてるわけじゃないんだ。確かに言うことがいちいちインチキっぽくて相手をするのがばかばかしいというのはあるが、反応が面白くてついテキトーな受け答えしちゃうだけなんだ」

裕子「なんだか二重にひどい!? どうしてそんな言わなくて良い事を言うんですか!」


────

───

──


菜々「裕子ちゃんの扱いは菜々が見ても適当だと思いました」

P「いやぁ、可愛くてつい。幸子とかみくも可愛くてつい」

菜々「本人に言ってあげればいいのに…あ、ところでサイキックロックってなんでしょう? 裕子ちゃんらしいですよねっ」

P「あ、うん。それは何となく察しがついてる……ああ、やっぱりな」

菜々「?」


■堀裕子 A Whiter Shade of Pale

ttp://www.youtube.com/watch?v=a-zcSqDedR0

※女性ボーカル版。アレンジが新しいので別物かも。
ttp://www.youtube.com/watch?v=kPQ4FnX6H8s


 僕ら軽くステップを踏んだら 転がってフロアの反対側まで行ってしまった

 なんだか船酔いみたいな気分だ だけどみんながもっとやれって騒いでる

 それがあんまり騒がしいもんだから 天井が吹っ飛んでどこかに行ってしまった

 もう一杯、僕らが大声で注文したら ウェイターがトレーに乗せて持ってきた



 粉屋の打ち明け話がまた長くて すっかり夜が更けちまった

 そんなもんだから 元々青かった彼女の顔は

 もっと青ざめちまった


※A
 彼女は言う 『理由なんてなくても 答えは簡単よ』

 だけど僕は カードに興じながら考えた

 彼女を行かせる訳にはいかない ウェスタに仕える処女達みたいに

 ああ 目は開いてるのに なんだか眠っているような気分だ


※B
 彼女は言う 『半舷休日は家で過ごすの』

 僕らは海の上で揺られてるっていうのに

 だから僕は 彼女を姿見の処まで連れて行き 言ってやった

 『君は人魚なんだ 海の神様に乗っかった』

 だけど彼女が悲しげに微笑んだら 怒りはすぐに萎えちまった



 粉屋の打ち明け話がまた長くて すっかり夜が更けちまった

 そんなもんだから 元々青かった彼女の顔は

 もっと青ざめちまった


※C
 もしも音楽が 愛を育む栄養であるなら 笑い声は栄養の女王様だ

 そしてまた同様に

 もしも裏が 表になるならば 猥雑こそ清潔なんだ

 段ボールみたいに乾いた僕の口が 頭から落っこちそうだ

 だから僕らは急速潜航 ベッドの海へと飛び込んだのさ


※Aパートがないバージョン、Bパートがないバージョンもあるようです。
 Cパートは歌詞紹介では見かけるのですが、入っているバージョンが見つからなかったので、詞だけかも。
 初期の構想だと10分ぐらいあったのを削って、7分とか5分のバージョンにしたらしいので。


────
──



P「……」

菜々「難しい顔してますけど、どうかしました?」

P「ああ、いや…」

裕子「どうでしたかっ! エスパーユッコのサイキックロック!」

菜々「あ、おかえりなさい! 良かったですよっ」

P「うん、歌はよかったぞ。あんなのも歌えるんだなユッコ」

裕子「えへへ…エスパーユッコにお任せ下さい!」

P「でもさ、ひょっとすると…サイキックロックじゃなくて、サイケデリックロックじゃないか?」

裕子「へ?」

菜々「あ、なるほど! それならナナも聞いたことがあります!」


裕子「あ、えーっと… えっ?」

P「サ イ ケ デ リッ ク ロック。知らないか?」

裕子「も、もちろん知ってます! そうとも言うらしいですねっ!」 アセッ

菜々「(知らなかったのね…)サイケデリックロックって、どういうジャンルなんですか?」

P「(知らなかったんだな…)うーん、菜々は、さっきの歌の内容、どう思った?」

菜々「え"っ? ……えぇっと……えーっと…言葉の意味は分かるんですけど、何が起きてるのかさっぱり…でも、なんだか分かるような……」

P「えっ、菜々まさか…」

菜々「あーっ! そうですよ! 飲み会でへべれけになった時、こんな感じです!」

P「ほう、安部さんはそういう経験がおありなんですね」

菜々「あっ……あ、あー! 志乃さんがそうなってるところを見たんですっ」

P「志乃さんに伝えとくわ」

菜々「!?っっ!!?」



P「まぁ、それは置いとくとして」

菜々「じ、冗談ですよね? 言いませんよね?」

P「さあ、どうかな? で、サイケデリックロックなんだが、菜々の言うとおり、酔っぱらって何だか分からない状態をイメージしたロックなんだ」

裕子「そうだったんですか…」

P「正確には酒じゃなくて、LSDを使った時の幻覚症状を体現した音楽、だそうな」

菜々「ナナが生まれるより前に、そういうのが流行ったのは聞いた事があります」

P「ヒッピー文化が流行った時期だな。物質社会へのカウンター……っていうとちょっと外れるけど、意識の拡大みたいなものを急速に求める人達にはすごく良いものに思えたのかもしれない」

菜々「意識の拡大、ですか?」

P「分かるような分からないような表現だよな。でも魔術とかオカルト方面でも、LSDではなくても薬を使って、未知の力を引き出そうみたいな話あるだろ」

裕子「えっと、その、LSDというのを使うと、歌みたくなるんですか?」


P「なるんじゃないか。俺はやった事無いから聞いた話しか出来ないけど……まさか興味あるのか?」

裕子「えっ! いやその、興味という程ではないんですけど、エスパーとして覚醒する近道なのかなーなんて…」

P「LSDって麻薬だからな! やるなよ! まず手に入らないと思うけど機会があってもやるなよ!」

裕子「えっ、そうなんですか!? や、やりませんよぅ…」

P「絶対だぞ! やったら絶交だからな!」

裕子「やややりませんってば!」


────

───

──



菜々「ナナ、絶交って言葉久しぶりに聞きました」

P「ああ、うん。良くないとは思うんだがそういうとユッコはやたら聞き分けが良くなるからつい」

菜々「…可哀想だからあまり言わないであげてくださいね」

P「ユッコは妙にちょろいとこあるからキツめに言っとかないと心配でさ……。今後気をつけます」

菜々「裕子ちゃん、過去に何かあったのかしら……。あ、ところで志乃さんに言うって冗談ですよね!?」

P「さあ、どうかな?」

菜々「Pさぁぁんっ!?」





真奈美「漫才の練習ならマイクの前でやったらどうかね?」 コンコン

菜々「へ、あ、真奈美さんっ」

P「あ、ドア開けっ放しでしたか。すいません」


真奈美「いや、通りがかってたまたま聞こえた程度だから、誰かの迷惑という事はないだろうさ」

菜々「真奈美さんはお仕事です?」

真奈美「今終わったところだよ。アイドルの仕事ではなくて、スタジオボーカリスト、だがね」

P「なるほど、おつかれさまです」

真奈美「それにしても…スタジオを一室貸し切って、カラオケ大会のようなものをやるという話だったが、菜々君と二人でやっているのかい?」

P「ああいや、オールディーズ…というか、外国の懐メロを気が向いたら来て歌っていって貰う感じのお遊び企画ですよ」

菜々「スタジオが一杯になっちゃうから、歌ったら帰って貰ってるんですっ。後でCDに焼いて参加してくれた人に配る約束なんです」

真奈美「へぇ、それは興味深いね。私も参加して構わないかな?」

P「あ、いいんですか? お疲れなんじゃ」

真奈美「いいさ。仕事とは逆の歌で気晴らしをしたいんだ」



────

───

──


菜々「仕事とは逆の歌…?」

P「ああ、タイミング的に多分、うちの子の新曲の仮歌じゃないかな。可愛いめの曲が続いたから、違った感じのもやりたいんじゃないか」

菜々「真奈美さん、そんな仕事もしてたんですね」

P「なに他人事みたいに言ってんだ。メルヘンチェンジの仮歌も真奈美さんだぞ」

菜々「えっ! ……えぇっ!?」



■木場真奈美 Holding Out for a Hero

http://www.youtube.com/watch?v=7f_HsjpSVaI

※カバー版(日本語だけど、和訳ではない)
ttp://www.youtube.com/watch?v=nfl8vy1vxso


 雄々しき男達は どこへ行ってしまったの?

 神々はどこに?

 危難に立ち向かう 現代のヘラクレスは?

 猛々しい戦馬を駆る 白銀の騎士はいないの?

 夜更けに寝返りを打ちながら 私は夢を見る



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!




■木場真奈美 Holding Out for a Hero

http://www.youtube.com/watch?v=7f_HsjpSVaI

※カバー版(日本語だけど、和訳ではない)
ttp://www.youtube.com/watch?v=nfl8vy1vxso


 雄々しき男達は どこへ行ってしまったの?

 神々はどこに?

 危難に立ち向かう 現代のヘラクレスは?

 猛々しい戦馬を駆る 白銀の騎士はいないの?

 夜更けに寝返りを打ちながら 私は夢を見る



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!




 夜半を過ぎて 狂おしい幻想の中

 私が伸ばした手のすぐ先で 手を差し伸べる誰かがいるの

 雷と競って駆け 炎を纏って立ち上がる

 そんな超人に 私は夢中になりたいの



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!


──────────

またちょっと動作が怪しくなってきたので、一旦間を置きます。
Janeからの投下なのですが、更新で投下されておらず、ならばと投下すると二重投稿になるので…
>>551は重複なのでスルーしてください。

大して経ってないけどそろそろいいかな……

──────────


 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに



 山々の頂 天界との境界で

 稲妻が轟き 海を断ち割った処で

 誰かが私を 見つめているはず



 風も 冷気も 雨も突き抜け

 嵐や洪水を物ともせず

 彼が来るのを感じるの 私の血の滾りと同じに 熱く私を求めて!



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに

 逞しく 素早く 戦いから生まれたような肉体の

 そんなヒーローはどこ? 私は夜明けまで待っているのに

 真の勇者よ どうか今すぐ現れて 超人のようなヒーロー!



 ヒーローはどこ? 私は夜通しずっと待っているのに


────
──



菜々「うわー! うわー! すっごく懐かしいです! ナナ、きゅんきゅんしちゃいました!」

真奈美「喜んで貰えて嬉しいよ。フットルースは菜々君の思い出の映画なのかな?」

P「あ、おかえりなさい木場さん。ボニー・タイラーとは畏れ入りました」

真奈美「物真似以上のものにならないのが悔しいが、昔から好きでね。それに、不純だが、ちょっとした願掛けの意味もあるんだ」

P「ああ、ポリープ切除の一件ですか? ……にしたって、物真似って事はないと思うんだがなぁ」

菜々「あの…何の話をしてるんですか?」

P「これを歌ったボニー・タイラーって歌手はさ、声帯のポリープを切除したんだけど、その後ごたごたもあって、声質が変わっちゃったんだよ」

真奈美「普通なら致命傷だ。だが、彼女はそれを乗り越え、より輝かしいキャリアを築き上げたんだ。あやかりたい、というと少々なさけないな。フフ」

菜々「あ、いえその……フットルースのところから…」


P「あ、菜々はスクールウォーズの方が馴染みがあるのか」

菜々「あ、そうですそうです! 真奈美さんが歌ったのが原曲なんですか?」

P「そうだな。フットルースっていう映画の挿入歌なんだが、日本語版は麻倉未稀さんのが有名かな。あれは間奏のドラムソロにギターを被せてあるとこが特にいいな」

菜々「元はこういう歌だったんですね…」

真奈美「私も麻倉さんのは好きだよ。原曲から入ったから、馴染まない感じはあるがね」

P「ははは、いくつか繋がらなくなる歌詞もあったりしますしね。英語でヒーロー求む!っつってんのに、その直後に日本語で誰もがヒーローって手のひら返したり」

菜々「Pさんは好きなものほどけなしたりいじめたりする癖を何とかした方がいいと思いますっ」

P「性分なんや……」

真奈美「ほう、私も是非、プロデューサー君にいじめて貰いたいね」 ズイッ

P「き、木場さんをいじめるとか無理っすよ。は、はは…」


真奈美「その木場さんというのも他人行儀でよくないな。菜々君のように、呼び捨てて欲しい。さあ、私を征服してくれ、現代のヘラクレス…」

P「いやその俺はヘラクレスなんて柄じゃ…え、ちょ…待っ……」

菜々(真奈美さんがPさんをいじめてるようにしか見えない…)


────

───

──


P「一時はどうなる事かと……」

菜々「あんなたじたじのPさん初めて見ました」

P「だって真奈美さん色々すげぇんだもん…スタイルとか色気とか…」

菜々「Pさんて全方位が弱点ですよね…」

P「…菜々はスクールウォーズのどれを見たんだ? ドラマは30年前だけど…」

菜々「あ、映画があったじゃないですか。映画自体も菜々がまだ子供の頃ですけど、それで知ったんです」

P「あれの主題歌も確かにヒーローか……だけど、アレンジはだいぶ違ったような」

菜々「えへへ、実はハマッちゃって、メイドカフェのお給料でDVD揃えたんですけど、ドラマ版の方ばっかり見てたんです…」

P「……違う」

菜々「へ?」

P「もっとこう、自爆してくれよ! そんな理路整然と言い訳する菜々とか誰得なんだよ!」

菜々「え、ひどくない?」

P「菜々がおたおたしてくれないと癒されないだろ!?」

菜々「な、ナナをからかうの癒しにしないで下さいっ!」


──────────

ここまで。

そういえば「粉屋」はmiller=「臼(mill)を挽く人」で、ヤクの売人を意味する隠語だそうです。

再開します。

──────────


 コンコン

アナスタシア(以後アーニャ)「ドーブラエ ウートラ。おはよう、です」

P「おっ。おはようアーニャ」

菜々「おはようございます、アーニャちゃんっ」

P「あ、えーっと…」

アーニャ「? えと、日本語以外の歌、うたいに来ました」

P「あ、そういう理解なのな」

アーニャ「おかしい、ですか?」

P「ああいや、合ってるよ。言われてみればそういう事だなと気づかされただけでさ」

アーニャ「よかった。私、日本語おかしくないですね」


菜々「アーニャちゃんは、どんな洋楽を聞くんですか?」

アーニャ「ダー。みんなの歌を、よく聞きます。CGプロの、みんなの」

菜々「えっ」

アーニャ「菜々の、メルヘンチェンジも聞きます。ウーサミン ハイっ♪」 ニャンッ

P「(かわいい)えっと、日本語以外の歌だと、どんなのを聞くんだ?」

アーニャ「あー…えと、ナイショ、です」

P「な、内緒?」

アーニャ「それは聞いてのお楽しみ、です」 ニコッ


────

───

──


菜々「アーニャちゃんて、結構お茶目ですよね」

P「うん。まだロシア語で考えちゃう事が多いらしいんだけど、ああやって積極的に喋ってくれるのは嬉しいな」

菜々「で、何を歌ってくれるんでしょうね~」

P「あー、予想だが、『星に願いを』じゃないかなぁと」

菜々「あ、ピノキオですっけ。確かのあさんも好きだとか」

P「ああ、彼女も好きらし……あれ、予想外れたな。スティービー・ワンダーか」

菜々「あ、これ聞いた事あります! なんだっけ……CMソングですよね」



■アナスタシア To Feel the Fire

ttps://www.youtube.com/watch?v=u-aFRv9bnA8


 見た目では ウダーチャ…幸せそう、です

 誰が見ても分かるほど 愛と夢に満たされていると

 だけど 本当は違いますね?

 見た目はニェプラーヴダ…偽り、本当を暴かれるのを恐れている



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 ドゥシァ…魂が、大きな声で答えてくれるはず、です

 プラーミァ えと、炎です 暖かい 暖めてくれる炎

 あなたはそれを求めているはず




 笑顔 本当は笑っていませんね?

 私の前では 明るく振る舞っていると うまく騙せているつもりでも

 だから 抱きしめて 暖めます

 あなたが不安にならないように



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 魂が 大きな声で答えてくれるはずです

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず



 だから 私も本当を言います

 それがあなたの あなたを暖める あー…スイッチだから

 それが私のプラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず



 激しく煽らない方が 炎はよく燃えます

 ラケータ、あー…ロケットの技術者でなくても そんなの当たり前です



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 魂が 大きな声で答えてくれるはずです

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず



 あなた自身と向き合って 本当の事を話してあげて下さい

 魂が 大きな声で答えてくれるはずです

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず

 プラーミァ 暖かい あなたを暖めるプラーミァ

 あなたはそれを求めているはず




 あなたを暖めるプラーミァ あなたはそれを求めているはず



※ホントは弱音を吐く内容ですが、逆に弱音を吐かれる側を動作主にアレンジしました。

────
──


P「うーん、すごいのを知ってるなぁ」

菜々「ロシアでも、スティービー・ワンダーは有名なんですねー」

P「世界的に有名なアーチストだし、冷戦後だから知っててもおかしくないとは思うんだけどさ。今の曲、日本のCM用に書き下ろされて、日本盤にしか収録されてないんだよ」

菜々「そうなんですか?」

P「まぁ、お母さん経由なんだろうなぁ。確か99年の曲だから、アーニャはまだロシアで生まれたてってとこだな」

菜々「日本に戻ってきた時に買ってお土産にしたりとか、そういう感じかもしれないですねっ」

P「嫁入り道具だったりしてな」

アーニャ『プロデューサー』

P「っと、なんだろ?」

アーニャ『もう一曲、いいですか? 今度はロシアの歌、うたいます』

P「おーっ、勿論良いぞ! っと」 ミブリテブリ

アーニャ『? にゃん?』 ニャンッ

P「ちげぇよ! OKのハンドサインだよ!」



■アナスタシア Polyushko Pole

※わりと原曲?Ver.
ttp://www.youtube.com/watch?v=BvLxzdeePDU
ttp://www.youtube.com/watch?v=1vU51x4TRgo

※自分が聞いたVer.にわりと近いアレンジ
ttp://www.youtube.com/watch?v=Ys74j8UnXxo

※オリガVer.
ttp://www.youtube.com/watch?v=v_102h9-GW8





 乳のような朝霧。

 それが見渡す限り、故郷の草原を覆っている。

 少女は一人、小高い丘の上で待っていた。


 太陽が昇る頃、蹄の音がかすかに聞こえてきた。

 光が霧を追い散らしていく。それまで白に沈んでいた草原が、朝日に照らされ輝く。

 露に濡れた草を踏みしめて、50ほどの騎馬が往くのが見えた。

 騎兵は兵である事を表す最低限は満たしているものの、その装いは概ねばらばらで不揃いだ。

 その中にモバPの姿を認めて、少女は今更ながら胸を締め付けられるような悲しみを覚えた。



 愛用の長銃を背負い、自分が編んだマフラーに深く顎を埋めて、遠く前を見据えている。

 男の心に、もう自分がいないように思えて。

 男がもう、ここには帰ってこないような気がして。

 少女は流れる涙をぬぐう事も忘れ、戦に赴く英雄達を見つめた。



 おい。モバP。

 横を駆けていた友の呼びかけに、はっとして顔を上げる。

 友はその髭面に渋い表情を浮かべていて、それで男は、自分もまたひどくしかめ面をしていた事に気づいた。

 友が黙って遠く左前方を指さす。そちらに首を巡らすと、丘の上に人影が見えた。

 麦粒ほどの大きさだが、狩りで鍛えた男の目には、それが愛する少女だと分かった。

 彼女の髪は貴婦人達が身を飾る銀細工よりも繊細で、瞳は宝石よりも美しい。

 彼は無骨で、風流など分からぬ男だったが、本気でそう思っていた。



 彼女は、美しい銀髪が草原を渡る風で乱れるのも、青い瞳が涙で曇るのもそのままに、ただこちらを見つめている。

 愛する女の、端正な顔立ち。それを悲しみに歪ませたのは自分だ。

 アーニャ、どうか泣かないでおくれ。祖国のため、故郷のため、家族のため。愛するもののために、自分は戦に往くのだから。

 そして笑って、手を振っておくれ。君が愛してくれる男の、晴れの門出なのだから。


 男の理屈と知りながら、そう願う事しか出来なかった。

 未練を振り払うように、愛銃を高く掲げて、女に最後の挨拶を送る。

 猟兵の誇りであったはずのそれが、今は酷く重く、みすぼらしい物に思えた。





 故郷の村から南西に20里。二つの川が交わる低地に、友軍が結集していた。

 その数はせいぜい師団規模。敵の東進を阻むには心許ないが、中央から援軍が来るまでは、それでどうにかしのぐしかない。


 モバP達猟兵の小隊は、急造の歩兵大隊に編入された。

 数で勝るとはいえ、相手にとってここは敵地。進軍はゆっくり這うように、それでも確かに前進してくる。

 斥候を出して地形を探り、別働隊を出して安全を確かめながら。



 隊の耳目・手足となって縦横に駆け回りながら、彼は、その気配を肌で感じていた。

 いつもと異なる、灰色の霧。絡みつき、押しつぶすような重たい霧。敵意が霧の形をなして、木々の間に立ちこめている。

 犬を連れて来るべきだったな。彼は弱音を漏らした。

 シブーリンなら、忠実な彼の猟犬ならば、敵が潜む茂みを正確に嗅ぎ当てる事が出来たのに。




 だが、とモバPはかぶりを振る。言ったところで仕方ない事だ。

 ここで侵略の意図を挫けなければ、故郷は目と鼻の先。懐かしい草原も、住み慣れた村も、愛するアーニャも、みな蹂躙されてしまうだろう。

 だから、と彼は覚悟を決める。だから、大好きなアーニャ。どうか見ていておくれ。

 我らは敵へと突撃する。

 轡を並べ、隊伍を組み、疾風の如く突撃するのだ。


 君のために今、僕は命懸けで走るのだ。



 夕陽に照らされて、草原が赤く燃えている。

 まるで戦火のよう。

 星々が夜の静寂をもたらし、赤い世界を西の空へと追いやっていく。

 あの人を連れて行った戦も、こんな風に追い払ってくれればいいのに。

 私にバーバ・ヤガーのような魔法が使えれば、星々に頼んで、そうするのに。

 少女は丘に佇み、そんな事を考える。

 そうすれば、あの人は帰ってくる。故郷の草原を駆けてくる。

 思い出のこの丘で私を抱きしめて、私に求婚してくれる。




 少女はそうして待っている。

 男は帰らない。




※長くなっちゃいましたが内容はだいぶ盛りました。
 色んなバージョンがあるのですが、概ね「故郷の草原。赤軍兵士が出征する。見送りの女達は泣いて見送る。赤軍兵士は強くてかっこいい。勇敢に戦う」って内容のようです。


────
──



P「ポーリュシカ・ポーレ。愛しき草原よ、か。あちらの旋律ってなんかいいよなぁ」

菜々「これはロシア民謡でしたっけ?」

P「ああ、有名な曲だけど、そうなのかな。軍歌としても使われて、色んな詞がついたらしいけど」

アーニャ「ニェット、違います。元はスィムフォーニヤ…交響曲で、一部がヴァイナーピェスニャ(軍歌)として歌われるようになりました」

P「あっ、そうなのか。適当言ってごめんな」

菜々「あ、いえ、いいんですけど……」

アーニャ「私も、オリガさんの歌しか知らなかったので驚きました」

P「えっ、向こうで聞いたりしなかったのか?」

アーニャ「流れていたと思うんですけど、日本に来るまで意識しなかったので」

P「やっぱり、日本だとロシアのものが恋しくなったりするのか?」

アーニャ「ダー。ロシアにいた頃は、日本の物ばかり好きでした。けど、日本に来てからは、ロシアの物が気になります」

P「そういう事って、あるよなぁ。俺も離れてみたら地元が恋しく思える時があるよ」


アーニャ「……ところで、プロデューサー。私、二曲歌いました」

P「ん? あ、あぁ、どちらも良かったよ。ありがとな」

アーニャ「はい。それで?」

P「それで…って?」

アーニャ「撫でては、くれないのですか?」

菜々「な、なんでっ!?」

アーニャ「いつもみくの話を聞いて、羨ましいと思っていました」

P「そ、そうなのか……。まぁ、そのくらいならおやすい御用だけど…」

アーニャ「のあと二人で」

P「えっ」


────

───

──



P「ふう…」 ナデナデ

アーニャ「♪」

菜々(アーニャちゃん、嬉しそう…)

P「前からちょっと思ってたけど、アーニャって天然なとこあるよな」 ナデナデ

アーニャ「ニェット。私は天然ではありません」

P「えっ、即答で否定なのか」 ナデナデ

アーニャ「はい。日本に来て最初に…あー、転校した学校で教わりました」

P「学校で教わるのか……?」 ナデナデ

菜々「まさか。友達に教わったんですよね?」

アーニャ「ダー。私は、あざといと、言われました」


P「えっ?」

アーニャ「好かれたくてやるのはあざとい言います。私はあざといです」 フンス

菜々「うーん、気を引いて、何かしてもらう為にするならあざといのかもしれないですど、ただ好かれたいだけならあざといとは言わないと思いますよ」

アーニャ「なら、やっぱりあざといです。だって、撫でて欲しいですから」 フンス スピスピ

P「あっと手が止まってた。やっぱりアーニャって天然だなぁ」 ナデナデ

アーニャ「違います。私はあざといです」 プクー

菜々(あざといって、ホントは悪口なんだけど……)


────

───

──



菜々「アーニャちゃんには、あざといの意味教えてあげないんですか?」

P「あー、まぁ、追々なー。まあでも、アーニャが流行らせたら、『あざとい』がほめ言葉になるかもしれないぞ」

菜々「そういう事がないとは言いませんけど…」


 ガチャッ


由愛「…あ、あの…おはよう…ございます…」

P「あれ、由愛? 一人で来たの?」

由愛「は、はい…あの…ママが……いえ…」

菜々「おはようございます、由愛ちゃんっ♪」

 ススス…

菜々「(Pさんの影に隠れちゃった!?) あ、あれー…?」


P「大丈夫だぞ、菜々さんは優しいし、絵も描いたりするからきっと仲良くなれるぞ。な?」

由愛「は、はい…」

菜々「な、なんで知ってるんですか!? って、ナナが同人誌描いてたのは高校生の頃だし、コピー本をちょっと刷っただけで全然……」

P「えっ、マジで? いや、むしろそこまでやってるとは知らなかったんだが…」

菜々「は、謀りましたね!?」

P「自爆しただけじゃん…」

菜々「んもぉー、なんでPさんはいつもそう…んもぉー!」

由愛「……」 クスッ

P「おっ、笑った」

由愛「!」 フルフル


P「いいんだぞ。菜々さん面白いだろ? 仲良くなったら、もっと面白いぞ。な?」

菜々「な、ナナお姉さん、由愛ちゃんとお友達になりたいなっ」

由愛「あ、あの……」 オドッ

菜々「す、スケッチブック、どんな絵を描いてきたのかなっ。ナナも見ていいですか?」

由愛「…っ!」 ススススッ

由愛「う、歌って…きます…」

 トテテテッ


────

───

──


菜々「なんだか悲しくなりました……」

P「少なくとも四歳差の会話ではなかったと思う。十歳は離れていた」

菜々「な、ナナは17歳ですっ! 由愛ちゃんとは四歳差ですっ!」

P「うーん、事務所内で仲の良い子も増えてきてるんだが、やっぱり誰か間に立ってくれないと尻込みしちゃう感じなんだよな」

菜々「大体Pさんにべったりですよね」

P「えっ、やっぱそうなの? 他のちびっこと一緒に寄ってきてるとかじゃなくて」

菜々「うーん…事務所にPさんがいない時は、一人でお絵描きしてますね。みんなといる時も、一歩引いて眺めてる感じで。楽しそうではあるんですけど」

P「そうか…つまらなそうにしてるとか、いじめられてるとかではないよな?」

菜々「ナナが見る限り、そういう事はないですね。加奈ちゃんとか巴ちゃんとは仲良くしてるみたいですし、だんだん馴染んでいくんじゃないかなぁ、とは」


P「乃々みたいに攫って放り込んで~って訳にもいかないし。時間を掛けるしかない、か」

菜々「乃々ちゃんなら平気って考えがまずおかしいんですからね!?」

P「いやぁ、乃々は芯の強い子だよ。その証拠にほら、あんなに既成事実で周囲を固められても、アイドルやめたいなんて言い続けられるんだぞ」

菜々「うわぁ…乃々ちゃんが絶対望んでない信頼の仕方……。でも、その子に合ったやり方をちゃんと考えてるんですね」

P「そりゃまぁ、それが仕事だからな。一人として同じ子はいないし、手塩に掛けない子もいないよ」



■成宮由愛 Clair

ttps://www.youtube.com/watch?v=sU9fClvdo5s

 ねえ、クレア 誓って言うけど

 君を初めて見た時 僕の中で何かが始まった気がしたんだ

 僕には見当もつかない何かがね


 それでね

 次に会った時には 僕らがもう仲良しだって分かったよ

 そうならないなんて 考えられなかったんだ


 なんて言えばいいのかな うまく言葉にできないんだけど


 君が僕を見上げて 微笑んでくれたら

 ああ、言葉って無力なものだね

 人の言う事なんてどうでもいい

 僕にとって、君は子供以上の存在なんだ

 ああ、クレア クレア



 ねえ、クレア 最高の一時って、考えた事ある?

 もし一つ選ぶとしたら それは君だよ

 君と過ごして その仕草の全てが最高なんだ


 ああ、なのにどうして 君と「またね」をしなきゃいけないのか

 いい歳をして、僕は泣いてしまうんだ

 君と別れる度 死んでしまいそうなくらい、悲しくて


 こんな事があったら最高だろうな

 君が僕にこう言うのさ

 『あの…私、レイおじさんとパ、パ、パートナーになりたいです』

 『けっ、結婚してくれませんか? 私と…』

 あぁ、クレア…


 ねえ、クレア こんな事を言ったよね。

 『なんてことを!』

 『ベッドに戻ろう。ね?』

 『もう遅いんだから。分からないかな?』

 『夜中にたくさん飲んじゃ駄目だよ』

 『分かったよ。ちょっとだけ待ってくれるかい?』

 そうやって、君をあやしながら 自分のリズムを取り戻すんだ。

 どんな仕事を残してたっけな

 君は全く手が掛かるよ 寝付くまでは特にね

 だけど君がいなくなると 人生が遠ざかってしまったように感じるんだ

 あぁ、クレア…


────
──


P「ギルバート・オサリバン。72年のナンバーだったかな」

菜々「アローン・アゲインの人ですよね。そんな時代のアーティストだったんですねっ」

P「ああ、プロデューサーとトラブってた期間があって失速しちゃったけど、ヒットを連発するすごいシンガーソングライターだったんだ」

菜々「なんだか、ちょっと不安になる内容でしたけど……あの、歌に出てくるクレアって、小さな女の子なんですか?」

P「ああ、らしいよ。実在の人物で…」

由愛「も、もどりました…」

P「おかえり! チョイスも歌も良かったぞ!」

菜々「可愛かったですよっ♪」

由愛「あ、あの…ありがとう……えへへ、嬉しいです。あ…そうだ」

 ゴソゴソ

由愛「絵…描いてみたんです、歌の。み、見て、くれますか?」


P「おっ、いいのか? どれどれ…」

菜々「な、ナナも! ナナも見て良いですかっ?」

由愛「……ん…う、うん…」 コクリ

菜々「ありがとう、由愛ちゃんっ! わぁ、上手!」

P「これがクレアちゃんだよな。金髪だけど、由愛に似てるな。可愛いなぁ」

由愛「っ…(//////)」

菜々「すごく楽しそう。クレアちゃんとレイおじさんは本当に仲が良いんですねっ」

P「レイおじさんてのは、オサリバン本人の事なんだよな。オサリバンの本名はレイモンドって言うんだ。……このレイおじさん、どっかで見た気がするな…」

菜々(どっかでというか、どう見てもPさんと由愛ちゃんがいちゃついてる絵なんですけど…)

P「あ、ひょっとして俺? なーんて、流石に図々しいか、すごいイケメンだし」 ハハハ


由愛「そ、そう……」 コクリ

P「マジで! いやー、嬉しいなぁ、こんなかっこよく描いて貰えて。クレアの時、オサリバンは26歳だから年齢も近いな」

菜々「そういえばクレアちゃんも実在のモデルがいるそうですけど、由愛ちゃんぐらいの年頃だったんですか?」

P「クレアってのは、オサリバンのプロデューサー、ゴードン・ミルズの末娘の名前だそうだ」

菜々「も、モデルとかじゃなくて本人なんですか…何歳差だったんです?」

P「んー、オサリバンが46年生まれで当時26歳、ミルズがその11歳年上ってのは知ってるんだが、娘は何歳だったんだろな…」

由愛「さ、3歳です」

P「ん?」

由愛「あの、クレアちゃんの歳…」

P「お、おぉ、そうなのか。じゃあ例えるなら、由愛がちょうどオサリバンの半分の13歳だから、俺の一歳半の息子に由愛が愛を囁く感じかな…」


由愛「!?」

菜々「そう聞くとわりと凄まじい内容ですね…」

由愛「え……あ、その……」 フルフル

P「ど、どうした? どこか痛いのか?」

由愛「こ、子供って…?」 ウルウル

P「ん、あぁ、たとえ話だよ。そんな感じかなって。ホントはいないんだけどさ」

由愛「よかった…子供じゃ嫌です…私が、ママに…」

P「えっ、なにが」

由愛「わわ…えと、なんでも…ないです」


────

───

──


菜々「結局あんまりお話できなかったです…」

P「まー、だんだん仲良くなれるんじゃないか。俺の事も最初は怖いと思ってたみたいだし」

菜々「それが今では、随分愛されてるんですねPさんっ」

P「おう。求婚されちゃったらどうしよ…なんて」

菜々「皮肉ですからね!? そ、そういえばギルバート・オサリバンとクレアちゃんてホントに結婚したんですか?」

P「いや、してないよ。つか、流石にあれじゃないか、ちっちゃい女の子に可愛いねーって言うのをちょっと歌で大袈裟にしてみただけなんじゃないか」

菜々「なんだか急に夢のない話になりましたね…」

P「だって、考えてもみろ? 菜々より23歳年下って何歳だ、そりゃ小さくて可愛いだろうけど、結婚したいとか真面目に考えるか?」

菜々「た、確かにナナの歳と……って、マイナス6歳です! ナナは17歳だから、23歳年下はマイナス6歳でまだ生まれてないですから!」

──────────

ここまで。

なんか勿体ぶった事言っておいて、>>535で提案頂いたTo Feel The Fireは「良い曲だしこまけぇこたぁいいんだよ」の精神で普通に使わせて貰っちゃいました。
動作主を入れ替えたり色々改変しましたが、例によってコレジャナイだったらごめんなさい。

もすかうで有名な「目指せモスクワ」ですが、実は結構好きですw

乳のような朝霧……?
とりあえず乙です。
面白いんだけど、もうちょっとPの鈍感描写なんとかしてくれないかなー、話し的に仕方ないのかもしれないけど流石に酷すぎると気持ち悪いなーって思ってたけど、なんか感覚がマヒしてきたのか、今見るとまだ耐えられるな。それでもちょっと酷い気はするけど。
あとシブーリン吹いたwwwwww
でもここのしぶりんだとそれはそれで喜びそうなのがなんともいえないwwwwww

>>601
どこかで見かけてなんとなく使っていたんですが、改めてぐぐってみたら「乳色」で「透明さのない、少し濁りのある白」みたいなニュアンスみたいです。
見通せないほど濃くて、視界一面真っ白になるような霧だと思ってください!えっちな事を連想した変態は私一人で良い!

鈍感プロデューサーはこう言うとあれなんですが、造形あれこれ考えたものの、確かにちょっと言い訳っぽい描写が増えてるなーと読み返してみて思いました。
気をつけますね。


で、再開します。
──────────


 ガン ガコン! ドンガラガッシャーン


P「な、なんだ!?」

菜々「すごい音がしましたけど……」

P「わ、分からん……一体何が…」

 ガチャ

歌鈴「ふえぇっ、またやっちゃった……。なんで何にもないのに転ぶの……」 ガチャガチャ

P「歌鈴? 何やってるんだ…」

歌鈴「こんな所Pさんに見られたら……ふぇっ、ぴぴぴPさんっ?」

P「あ……あー、分かった。すっ転んで周りにあったもの全部ぶちまけちまったんだな」

歌鈴「はうぅ…ごめんなさい。その通りですぅ…」


P「あらら……片付けるか。突き当たりにロッカーがあるから、箒とちり取り持ってきてくれるか?」

歌鈴「あ、は、はいっ」 トテテッ

P「落ち着いてゆっくりなー」

歌鈴「あ、は……きゃーっ!?」 ドンガラガッシャーン

P(むしろどうやって転んでるんだろう…)


────

───

──


歌鈴「うぅ…結局菜々さんにも手伝ってもらっちゃって…」

菜々「いいのいいの、困った時はお互い様ですよっ♪」

P「おやすい御用だよ。歌鈴が怪我でもしたらそっちの方が大変だからな」

歌鈴「はうぅ、わたしがドジなせいでご心配かけてばっかりで…」

P「いや、むしろ役に立てて嬉しいんだ。歌鈴にはいつも元気を貰ってるから、そのお返しだと思ってくれよ」 ナデナデ

歌鈴「はわわわっ!? あ、あのっ?」 アワアワ

菜々(歌鈴ちゃんが見てて気の毒なぐらいテンパってる…)

歌鈴「わ、わ、わたしっ! Pさんを元気にしてあげられてますかっ!?」

P「勿論だ! 俺だけじゃない、歌鈴のステージを見た人はみんな元気になるぞ」

歌鈴「ふええっ!? わ、が、がんばりましゅっ!」

 ダダダダッ


P「……ハワイでのライブの時は、別の元気も貰っちゃったぞぅ。着替えの時は気をつけような」 ボソッ

菜々「怒りますよ!?」



■道明寺歌鈴 Wait for Me

ttps://www.youtube.com/watch?v=Rh0hasGfgck
PV
ttps://www.youtube.com/watch?v=U3cQQT6y83k




 『今夜』が終わっちゃいます…

 魔法にかかっていられる時間も もうじきお終いなんですね

 Pさんは わたしに 素敵なものをたくひゃんっ…

 (噛んだ…) たくさん、くれました でも…っ!

 ……でも 出来る事なら ご無理でなければでいいんですけどっ

 もう一度だけ チャンスを下さい!


 待って…下さい そしてお願い 歌鈴の傍にいて下さい

 こんな事 頼める立場じゃないですけど でもっ どうしても!

 待って下さい お願いだから 一緒にいて欲しいんです

 アイドル歌鈴が輝いていられる ほんの短い間だけ



 はわっ!? むむ無理にとは言いません!

 Pさんの望まれるように し、して下さいっ

 ただ、その…… もし、すごく才能のある女の子を見つけた時 Pさんは…どうするのかなって

 歌鈴は 一人じゃ何も出来ない子だから Pさんのプロデュースが必要だから

 わたし一人残されたら 全部なくなっちゃうんじゃないか…って 怖いんです


 待って下さい そしてお願い 歌鈴の傍にいて下さい

 こんな事 頼める立場じゃないですけど でもっ どうしても!

 待って下さい お願いだから 一緒にいて欲しいんです

 アイドル歌鈴が輝いていられる ほんの短い間だけ



 わたし達はまだ 何も生み出していませんけど

 わたし達が過ごした時間は きっと無駄じゃないはずですっ

 色々失敗して、わたし…また 沢山ご迷惑お掛けしちゃうと思うんですけど

 どうか許してほしいんです!

 そしていつか Pさんに頼るだけじゃなくて Pさんに必要とされる女の子になってみせます!


 だから待って下さい そしてお願い 歌鈴の傍にいて下さい

 こんな事 頼める立場じゃないですけど でもっ

 待って下さい お願いだから 一緒にいて欲しいんです

 アイドル歌鈴が輝いていられる ほんの短い間だけ



────
──


P「ホール&オーツ、80年頃だったかな。80sポップを聞くなら、個人的には外せないデュオだなぁ」

菜々「素敵な歌ですよね。歌鈴ちゃんの歌も素敵でしたっ♪」

歌鈴「あの、戻り…ふぇっ!?」

P「お。お帰り、良かったぞ!」

歌鈴「あ、あのでも、噛んじゃったりしたし…」

P「ああ、序盤な。立ち上がりの不安定さは課題だけど、歌鈴は何事も一所懸命で見ていて本当に元気になるよ」

歌鈴「そ、そんな事…わたしなんて、ドジでドベなのに…(//////)」 カァァ

P「こら」 チョップ

歌鈴「はぅ!?」 ビクッ

P「ファンの皆さんもそう言ってくれてるんだ。謙虚なのは良いけど、あんまり言うと皆の気持ちを否定することになっちゃうぞ?」 ナデナデ


歌鈴「は、はわっ!? あのっ、ええっ!?(//////)」 アワアワ

P「あとな、歌鈴はドジでもドベでもないよ。ただつい、他人のペースに合わせようとしちゃうんだよな。優しいから」 ナデナデ

菜々(良い事を言ってる気がするけど、歌鈴ちゃんあんなテンパって聞こえてるのかな…)

P「杏ぐらい図太く、藍子ぐらいマイペースにやってみろ。大変だと思ったら、待って貰えばいいんだ」 ナデナデ

歌鈴「あわわわ…Pさんがまた撫でっ…な、なんで!?(//////)」 ハニャフニャ

菜々(聞こえてなさそう…)

P「それこそWait for me~ってな。みんな歌鈴の事が大好きなんだから、喜んで待つさ!」 ポフポフ

歌鈴「へ、ぴ、Pさんも、そう思うんですかっ!?」

P「ああ、勿論!」

歌鈴「ふええっ、え、えええっ!?(//////)」


────

───

──


菜々「Pさんて、歌鈴ちゃんの事ずいぶん買ってるんですね」

P「まあ、あの子の場合は申し訳なさもあってなー」

菜々「申し訳なさ、ですか?」

P「歌鈴のポテンシャルは実際すごいよ。けど、変則スロースターターだろ? どうしても用意してやれる舞台が限られちゃってさ」

菜々「あ……確かにこう、調子を上げながらお客さんと一緒にステージを盛り上げていく役ですね」

P「真面目で前向きだけど、だから余計に、って感じなんだろうな。ま、そんなわけでさ、歌鈴が100%を出し切れる場を用意してやれない~って申し訳なさ」

菜々「な、なるほど…」

P「…ま、それだけじゃないけどさ」 ボソッ

菜々「へ?」

P「あいや、なんでもない。さっきも言ったけど、マイペースでやる度胸がつけば、もっと輝けると思うんだよな」


菜々「ああ、ドジでもドベでもない~、ですか」

P「うん。ドベの意味は実は知らないんだが、ドジの方はさ。実際他人のペースに合わせられる人間ばかりじゃないだろ」

菜々「そうですね…」

P「藍子もデビュー直後にスケジュールミスった事があってさ、その時の話だが、可哀想なぐらい慌てて、失敗しまくったんだよ」

菜々「そ、そんな事があったんですか?」

P「あの時の藍子が可愛くてなぁ。またあの顔が見たいんだけど、あの時ぐらいスケジュール詰め込んだら慌ててくれるかなぁ」

菜々「ちょっと!?」


 バタバタバタ ガチャッ


菜々「あ、あれ。歌鈴ちゃん?」


歌鈴「すすすいませ~ん! 忘れ物しちゃって…」

P「忘れ物なんてあったか?」

歌鈴「あのっ、このぐらいのポシェットなんですけど…」

P「いや、見てないな……いつも持ってる奴だよな? 今日は来た時から持ってなかった気がするけど」

歌鈴「ふぇっ!? そ、そういえば先週忘れて帰っちゃったから、今日は最初から持ってこない事にしたんでした~ふぇぇぇん!お騒がせしてごめんなさ~いっ!」


 ガチャッ バタバタバタ ガン ガコン ガッシャーン! フエェェエェエェ!?


菜々「……」

P「……」

菜々「あ、あの、言いにくいんですけど、歌鈴ちゃんてホントにドジじゃないんでしょうか…」

P「…自信なくなってきた」


────

───

──


菜々「あ、Pさん。そろそろ…」

P「ん、おぉ。そうだな」

菜々「今日は色々歌ってもらっちゃいましたね~」

P「ああ。宣材に使えそうなのもあったけど、それ以上に色々収穫だったな」

菜々「収穫、ですか?」

P「ああ、まあ。仕事だとどうしても、武器になると分かってるところばかり使う事になるからな。プロデュースを続けていく上で、女の子の希望とか適性を知る良い機会にさせて貰ったよ」

菜々「趣味の職権濫用じゃなかったんですね…」

P「いやほとんど趣味だ」 キリッ

菜々「言い切った!?」

P「菜々はまだ時間大丈夫か? 良かったら、菜々も一曲歌っていかないか?」


菜々「へ? 終電にはまだ時間ありますけど…いやでも、ナナは準備とかしてないですよ」

P「(終電て言っちゃったよ…)じゃ、俺からリクエストする」

菜々「いいですけど……どうせマイウェイとか、そういう系ですよね」

P「マイウェイ良い歌なのに……まあ、違うけど。ほらこれ、知ってるだろ?」

菜々「!! こ、これ…!」

P「いいか?」

菜々「はいっ! ウサミンパワーでいっちゃいますっ」



■安部菜々 Overnight Success

ttp://www.youtube.com/watch?v=RcX5ahXbU-M




 ミミミン ミミミン ミミ ミミミン ミミミン ミミ ミミミン ミミミン ミミ ウ・サ・ミーン

 探せばきっとある あなたの中の秘められたパワー

 あなたが強く願うなら 勝利は必ず微笑むはず

 夢に向かって走り出したら 振り向かず 立ち止まらないで


 光があなたを 眩しく照らすわ

 さあ出番よ あなたの時が動き出す

 感じる 期待に胸がドキドキするでしょ

 あなたの望みは 今、高みに達する!


 オーバーナイトサクセス 一夜で終わらない栄光

 あなたは幸せの鍵を手にしたの

 オーバーナイトサクセス 一夜で醒めない夢

 あなたにはそれを掴み取るパワーがあるわ!



 山だって動かせるわ あなたが心からそう信じて挑むなら

 海だって泳ぎきってみせる だから自分を信じて!


 誰にも邪魔はさせない 一歩一歩着実に夢へと向かうの

 叶う日が今日じゃないなんて そんなの分からないでしょ?

 感じる 期待に胸がドキドキするでしょ

 あなたの望みは 今、高みに到達する!


 オーバーナイトサクセス 一夜で終わらない栄光

 あなたは幸せの鍵を手にしたの

 オーバーナイトサクセス 一夜で醒めない夢

 あなたにはそれを掴み取るパワーがあるわ!


 オーバーナイトサクセス 一夜で終わらない栄光

 あなたは幸せの鍵を手にしたの

 オーバーナイトサクセス 一夜で醒めない夢

 あなたにはそれを掴み取るパワーがあるわ!


────
──


菜々「戻りましたっ!」

P「おー、お帰り菜々。さすが、芸達者だなぁ」

菜々「ナナ、この歌、大好きで……。いつか素敵なアイドルになって、フラッシュダンスみたいにステージに立ぢだいっで…」 ズビビッ

P「な、菜々? 泣いてるのか?」

菜々「ごめっ……なさい……っ。何だかっ……感極まっぢゃっで…」 グズグズ ズビビッ

P「は、はぁ…?」

菜々「ずっど…夢見でだがら……。Pざんに見つけでもらっで……よかった…本当に…ナナは幸せでず……」 グスッ ズズビッ

P「まあ待て落ち着け。菜々は歌をうたっただけで、まだトップに上り詰めてもいないし、アニメの主役にもなってないからな?」

菜々「……はっ!?そうでした!」 ズビーッ

P「あと確かにPVはなんか彷彿とさせる物があるがオーバーナイトサクセスとフラッシュダンスは無関係だ」


菜々「はぅっ!?」

P「まあでも良い歌だよな。84年だから、この歌もひょっとすると前年のフラッシュダンスを受けて作られたのかもしれない。ソニーのCM用に書かれたものだからな」

菜々「えっ、ソニーなんですか? じゃあ、日本国内向けに作られた…?」

P「ソニー自体は、ウォークマンとか世界的ヒット商品を持ってて、既に世界のソニーだったけどな。……って、こういう話題は菜々の方が詳しいか」

菜々「もう! 菜々が生まれた時にはウォークマンはもうCDが主流でしたから! カセットテープの時代なんて知りませんからねっ」

P(17歳設定でも間違ってないのかもしれないけど、17歳が言う台詞じゃないよな…)


────

───

──


 ガサガサヨッコイショッ

菜々「…っと。それじゃ、ナナは帰りますっ。Pさんはまだこちらに?」

P「ん、俺はもうちょっと」

菜々「…あまり根を詰めないで下さいね?」

P「いや、今日は別に仕事してないから…。何かすごい沢山宝物を手に入れた気分でさ、もうちょっと何かして帰りたいんだ」

菜々「……」 ジーッ

P「な、なんだよ……」

菜々「Pさん、本当に嬉しそうだなーって♪ それじゃお先に失礼しますね、ご主人様っ! キャハッ♪」


────

───

──


P「…………」

P「…行ったかな」


P「よーっし、それじゃ時間いっぱい、スタジオを独占して歌いまくってやるぜぇーっ!!」

 ガチャ

P「ひぁぁあぁっ!?」

茄子「こん・ばん・わ♪ ふふっ、何だか楽しそうですねぇー♪」

P「な、なんだ、茄子か…」

茄子「はいっ、茄子ですよ~! プロデューサーお一人ですか?」

P「ああ、さっきまで菜々がいたんだけどね。それにしても、変な時間に来たなぁ」


茄子「本当は最初に来たかったんですけど、ちょっと用事が出来てこんな時間になっちゃいました。でも、そういう事なら却ってらっきーでしたね♪」

P「ラッキーなのか…? まあいいや、データ落とす前で良かった。オールディーズを歌おう!の誘いに来てくれたんだろ?」

茄子「はい♪ 私が用意してきたのはイエスタデイ・ワンスモアなんですけど、どなたかもう歌っちゃいましたか?」

P「おー、確かにもう我々の世代には、それ自体がオールディーズだよな。確かにオールディーズと聞いて最初に浮かびそうな有名曲だけど、誰も歌ってないな」

茄子「おおー♪ らっきーでしたねっ!」


■鷹富士茄子 Yesterday Once More

ttps://www.youtube.com/watch?v=YTaWayUE5XA




 若い頃 ラジオを聞くのが習慣だったんです

 好きな曲がかかるのを 期待しながら

 もし本当にかかったら ニヤニヤしながら 一緒に歌っちゃったりもして♪


 そんな幸せな時代から さほども経っていないのですけど

 私のお気に入りの曲々は どこに行っちゃったのかしら?

 そんな風に首を傾げていたら 戻ってきたんです!

 昔からのお友達 私の大好きな音楽達が♪


 優しい シャラララ~♪ も

 格好良い ウォウウォウ♪ も

 あの頃のまま 輝いていて

 素敵な シンガリンガリン♪ も加わって

 一緒に歌い出すの 素敵でしょ?


 あっ ここも好きです

 歌の女の子が 彼を思って泣くパート

 何度聞いても 涙が出てきちゃいます

 昔と同じに あの日々がもう一度来たみたいに




 それはとっても 幸せな日々だったはずなのに

 思い出すと 涙が出るのは何故でしょう?

 本当に何もかも 変わってしまった気がします


 昔大好きだったあの歌 この歌

 歌詞も全部覚えていて 今でも全部歌えます

 懐かしいメロディは 今も変わらずどれも素敵で

 過ぎた時を 優しく巻き戻してくれます


 優しい シャラララ~♪ も

 格好良い ウォウウォウ♪ も

 あの頃のまま 輝いていて

 素敵な シンガリンガリン♪ も加わって

 一緒に歌い出すの 素敵でしょ?


 全ての思い出が 鮮やかに蘇って

 その一つ一つに 私はまた泣いてしまうんです

 あの時のように

 昔と同じに あの日々がもう一度来たみたいに


────
──


茄子「如何でしたか、プロデューサー? 茄子のイエスタデイ・ワンスモア♪」

P「……」 グスッ

茄子「え、ぷ、プロデューサー?」

P「い、いや、何でもないんだ……やっぱいいよなぁ、この歌。いつ聞いても泣けてくる…」

茄子「あ、はい♪ 私も大好きなんです♪」

P「それにしても……茄子…ごめんなぁ、俺なんかがスカウトしぢゃっで…」 グスグス

茄子「ちょ、ちょっと? プロデューサーさんっ!?」

P「茄子の幸運ならもっと良い人生があっだはずなのに……」

茄子「そ、そんな事……私いま、幸せですからっ」 オロオロ

P「なーんて。ふう……堪能した。あ、歌があまりに良くて涙が出たのはホントだぞ」

茄子「は、え、もしかしてからかったんですか~! もぉー、正座です、ちょっとそこに正座して下さいっ!」


────

───

──


茄子「反省しましたか?」

P「はい…」

茄子「ホントにびっくりしたんですから、冗談でもやめて下さいっ!」

P「いやその、俺があれ聞くと自然と泣けてくるのはホントで、茄子の歌がまたうまかったから余計に……」

茄子「だからって、涙が出たからヘコんだフリして私をからかうなんてやりすぎですっ」 プクー

P「(かわいい)はい、反省します…」


茄子「私をスカウトした事、後悔しているみたいに言われて、私がどんなに悲しかったか…プロデューサー分かりますかっ?」

P「はい、その、はい……」

茄子「私、今の暮らしが幸せなんです。プロデューサーと一緒にアイドル活動をさせて頂いて、ファンの皆様を笑顔に出来る、そんな日々をくれたプロデューサーに本当に感謝しているんです」

茄子「それは、歌みたいな感傷的な気持ちになる事もありますけど、後悔なんてしてませんから、プロデューサーも冗談でもあんな事は言わないで下さいっ」

P「はい、二度と言いません……心から反省しております」

茄子「本当ですか?」 ジィーッ

P「はい…」 チヂコマリ

茄子「……」 ジィィーーッ

P「………」 ビクビク


茄子「じゃ、許してあげますっ♪」 ニコッ


P「……」

P「はぁぁぁ、よかったぁぁ~~」

茄子「プロデューサーに出会えて、こうしてご一緒できて、茄子は本当に幸せ者です。ありがとうございますっ♪」 ペコリ

P「え、あ、おう。こちらこそ、茄子みたいな素敵な子をプロデュース出来て幸せです。ありがとうございます」 ペコリ

茄子「ふふっ♪」

P「はははっ」


────

───

──


P「茄子は怒ってる顔も可愛いけど、本当に怒ると割と怖いんだな……」

──────────

ここまで。

次にPに二曲ほど歌わせて終わる予定です。

ゲッ、スマン、なんか連投になってしまってる。
しかもよく見たら>>601もsage忘れてるし。二重にスマン。

>>639
どどんまい!
よほど人気のSSならともかく、このスレなら誰かの迷惑になる事はないはず!


ささいな訂正
>>625
誤:
P「おー、確かにもう我々の世代には、それ自体がオールディーズだよな。確かにオールディーズと聞いて最初に浮かびそうな有名曲だけど、誰も歌ってないな」

正:
P「おー、もう我々の世代には、それ自体がオールディーズだよな。確かにオールディーズと聞いて最初に浮かびそうな有名曲だけど、誰も歌ってないな」

そして更新

──────────

P「よし、茄子も帰したし、今度こそ俺様の一人舞台だ!」

P「一仕事する前に早速……っと」

P「よし、一曲目はこれだ!」



■モバP Your Song

ttps://www.youtube.com/watch?v=13GD78Bmo8s



 あー、すいません 大した事じゃないんですけど

 顔に出てました? うわ、参ったなぁ……

 その… 例えば俺にすごい貯金があったとして

 いやまぁ、ホントはないんですけど

 大きな家を買いたいな、って 二人一緒に暮らせるような



 例えば俺が芸術家だったら ……あーいや、やっぱナシで

 もうちょい現実的な線で

 怪しげなドリンクを売る事務員だったりとかして……


 いや、すいません だったらもっと何かあったのに …って話は置いといて

 本当につまらない物なんですけど

 歌を作って贈るのが 俺の精一杯なんです

 そう 今俺が歌ってる、この歌



 人に言ってもいいですよ

 “これは私の歌なんです”って

 素朴で簡単な歌かもしれないけど

 どうにか形にしてみました


 恥ずかしいんで さらっと聞き流してほしいんですけど

 ええと この部分なんですけどね

 “あなたといるから 俺の人生は素晴らしいんです”




 屋根に上って 苔を蹴飛ばしながら

 気にくわない詞に ×をつけたりして

 だけど この歌を書いてる間 すごくいい日和でしてね

 あなたみたいに 歌を愛してくれる人の為の歌

 そんな事を思いながら この歌を作ったんですよ


 あー その、すいません ど忘れしてしまって

 えーっと、ほら いつも見てるのに……





楓「プロデューサー」 ガチャッ

P「はひゃあぁん!?」 ビックゥ!

 ツカツカツカ ガシッ

P「え、か、楓さん!? ちょ、顔、掴まないで…」

楓「ほら、よく見て下さい。プロデューサー」 グググッ

P「ち、ちょっと…近い近い近い! あと酒くさい! 酔ってるんですか!」

楓「どっちも正しいです。私の目、青と碧、両方あります」 ググググッ

P「え、聞いてたんですか…って!わ、分かった! 分かりましたから! どっちも合ってます! だから離れて、これ以上はまずい!」


 パッ


楓「はい、それじゃ続きをどうぞ」 ニコッ

P「は、はぁ……」

楓「あ、youのところは楓でお願いします♪」 ニコニコ

P「え、えぇ~…」

P(楓さんの前で歌うとか、気まずいなぁ…) チラッ

楓「~♪」 ワクワク

P(すっごい上機嫌だ…ええい、ままよ!)




 それが青なのか碧だったか 忘れてしまって


 まあいいや とにかく何かって言うとですね

 楓さんの瞳は この世で一番魅力的だ って言いたいんですよ


 人に言ってもいいですよ

 “これは私の歌なんです”って

 素朴で簡単な歌かもしれないけど

 どうにか形にしてみました


 恥ずかしいんで さらっと聞き流してほしいんですが

 そう この部分なんですけどね

 “楓さんがいるから 俺の人生は素晴らしいんです”



 ホント、気にしないで 忘れてくれて良いんですけど


   “あなたがいるから 俺の人生は素晴らしいんです”


────
──



P「うわー緊張した…」

楓「……」 スー スー

P「寝てるし……この二十五歳児は本当に自由だな…。楓さん、風邪引きますよ、ほら」 ユサユサ

楓「んん……ふゃ……」

P「起きて下さい。潰れるならご自分の部屋でお願いしますよ」 ユサユサ

楓「ん……はれ、ぷろりゅーひゃー。わらひのうたは終わったんれすかぁ?」

P「はいはい。Your Songは歌い終わりましたから、起きて下さい」

楓「んふふっ♪ プロデューサーから見てyouは私だから、やっぱり私の歌ですね」

P「今はそれで良いですから……。さ、立てますか。部屋まで送ります」


────

───

──


P「女子寮まで歩いていけるっていうのは、良いような悪いようなだな…。もうちょっと遠ければタクシー呼ぶんだけど…」 テクテク

楓「ふふっ♪ 夜の散歩も素敵ですね」 フラフラ

P「フラフラじゃないですか、どんだけ飲んだんですか…」

楓「散歩、散歩…… !」 ピタッ

P「どうしました? 急に立ち止まって」

 シュッシュッ

P「ど、どうしたんですか? 急にシャドーみたいな…」

楓「コマンドさんぽ。ふふふっ♪」

P「その動きはボクシングです。ああほら、そんな頭振ったら気持ち悪くなりますよ」

楓「もっとあなたのソバット~♪」 ダキッ


P「うわぁ抱きつかないで! 人に見られでもしたらホントまずいですから! ちょ、体重掛けないで、ちゃんと立って下さいよもう!」

楓「プロデューサー、手繋ぎましょう。ね?」 ニコニコ

P「それもどうなんですか…」

楓「プロデューサーにチャランボ~♪」

P「もはや駄洒落になってないですよ。……まぁ、抱き合ってるよりいいか」

楓「はいっ」 テノヒラ

P「はい、これでいいですか」 ギュッ

P(手、小さいな。やわらかくてしっとりしてる…)

P「っと、いかんいかん」 ブンブン

楓「?」


P「あいや、今日は格闘技で攻めるんですね」

楓「アヤちゃんに教わりました。ふふふっ♪」 ニコニコ

P「なんでそんな上機嫌なんですか…。じゃ、行きましょう。誰かに見られる前に」


 テクテク テクテク


楓「~♪ It's a little bit funny~♪」

P「あ、Your Songですか? 楓さんからしたら、さっきの俺の歌なんかお耳汚しでしたよね」

楓「違いますよ?」

P「そう言って頂けると、嬉しいです」

楓「Your Songじゃなくて、My Song……かえでのうたです♪」

P「まだ言ってたのか! 恥ずかしいから、人には言わないで下さいよホント…」

楓「みんなに話していいよ~って、プロデューサー言いましたよね」 ニコニコ

P「あれは歌の歌詞ですって!」



────

───

──


 ガチャッ

P「ふう、すっかり遅くなってしまった…」

P「まさか寮の前で一悶着あるとはなぁ。迂闊に部屋までとか言った俺も悪いんだが…」

P「あれは分かってやってるのか、分かってないのか…」

P「っと、そろそろここ閉めないとな時間だな。あー、おかげで『雨にぬれても』も『雨に歩けば』も『雨に歌えば』も『悲しき雨音』も歌えなかったな…」

P「まあいいさ、歌うだけならどこでもできる! よし、事務所に戻って仕事するか」


────

───

──


 カタカタ カタカタ カチッ カチッ カタカタ

 ヨーシヨシヨシ ケイヒノ シリョウハ カンセイダ!

 ソレジャ マンヲジシテ キョクノセイリヲ シマスカネ…ット


 フムフム アノコハ コンナウタモ イケルンダナ ソレジャ ユニットヲ コンナフウニシテ……

 コレハイイナ エイギョウニ モッテッテミヨウ

 アーァ チヒロサン デビューシテ クレナイカナァ

 カタカタ カタカタ カチッ カチカチッ カタカタ

 …… ……… …………


────

───

──


 チュンチュン チュンチュン

P「ん……もう朝か」

P「すっかり事務所を私物化してしまった。ちひろさんにまた怒られるな…」


P「ふあぁ……!っと」 ノビー

P「んじゃ、腹もペコちゃんだし、みんなが来る前に軽くコンビニで食料でも調達してきますかね……っと」


────

───

──


 アザーシター

P「はー、良い天気だなぁ。公園通って帰るか」

 テクテク

P「この時間帯は人もいないなぁ。事務所がいつもうるさいから、これはある種の癒しだな」

P「お、人発見。……仲いいなぁ、ご夫婦かなぁ」

P「……」 テクテク

P「………」 テクテクテク

P「♪~」 ハナウタ

P「っと、つい歌が出てしまった。……ま、この時間なら人もいないしいいか」

P「♪~ ♪~」

 テクテク


???「……」 コソッ


■モバP Some Kind Of Blue

ttps://www.youtube.com/watch?v=F1pQUwS7BM4



 晴れた日に、歩く二人  恋人みたいに 仲睦まじく

 思わず振り返って 彼らが話す様を見つめる

 その仕草の一つ一つが 君との事を思い出させる


 僕らはずっと一緒さ そう信じて疑わなかった

 二人が別れる事なんて 夢にも思わなかったんだ

 いま僕は 誰もいない我が家へ帰る

 沈んだ気持ちで 夜を過ごす為に


 君がいないと なんだかブルー

 僕に何ができたのかな 君のために

 君に別れを告げられた あの時からずっと

 僕はどうにも ブルーなままなんだ



 ベッドに寝転がって ただ天井を見つめてる

 ドアを開けて 出て行った君の事 考えながら

 今のこの気持ちは とても言い表せないよ

 ここで育んだ愛が もうどこにもないなんて


 君がいないと なんだかブルー

 僕に何ができたのかな 君のために

 僕の知らないところで 君は違う生き方を決めてしまった

 だけど今でも好きなんだ だから気持ちが塞ぐんだ


 君がいないと なんだかブルー

 僕に何ができたのかな 君のために

 君に別れを告げられた あの時からずっと

 僕はどうにも ブルーなままなんだ


────
──


P「フンフーン…っと、歌い終わって丁度事務所か」

P「この時間帯ならではの楽しみだが、傍から見たら完璧変な人だよなぁ」


 カツカツカツカツ


P「しっかし、一人は気楽だけど、みんながいないとやっぱ寂しいなぁ~、なんて」 タハハ…

凛「おはよ、プロデューサー」

P「うわああああああ!?」 ビックゥ!

凛「うるさい。大声出してどうしたの?」

P「だ、誰もいないと思ってたからさ…。俺を驚かすの流行ってるのか? 昨晩からもう三度目なんだが……」

凛「知らないけど、プロデューサーが勝手に驚いたんだよ。私がすぐ後ろにいるのに全然気がつかないんだもん」

P「だからって、至近距離で急に話しかけないでくれよ…俺が東郷さんだったら大変な事になってたぞ」


凛「どうしてあいさんが出てくるの?」

P「ああいや、違う東郷さんなんだが…って、いつから俺の後ろに?」

凛「プロデューサーが歌い出したあたりから」

P「き、聞いてたのか!?」

凛「うん。プロデューサーが一人でよく歌ってるのはみんな知ってるけど、外ではもうちょっと控えた方がいいよ? 危ない人だと思われるよ」

P「あ、危ない人とか言うな! ところで、朝一にしたって早い時間だが今日はどうしたんだ?」

凛「早く来ちゃいけない?」

P「いや、いいけどさ。凛なら一人で事務所入れるし」 ガチャガチャ

凛(プロデューサーがいない時は、来ないけどね) ボソッ


P「おし、入ってくれ。…なんか言ったか?」

凛「別に。Let Me Be There(傍にいさせて)だよ」

P「気にするなって意味なら、どっちかというとLet it be(そのままでおk)だぞ」

凛「……ばか」

凛「プロデューサーが一人で寂しいって言うから、来てあげたんだよ」

P「き、聞いてたのか!?」

凛「(ハァ…) 歌い出したあたりから後ろにいたって言ってるじゃん」

P「くそ……俺の孤高のイメージが…」

凛「そんなもの始めからないから。……まあ、私がいてもある種の青(some kind of blue)にしかならないけどね」 ドヤッ


P「……」

凛「……」

P「えっと、今のは凛のイメージカラーの蒼になぞらえて「ある種の青」って言ってみた、という話?」

凛「か、解説しないでよ……ばか(////)」 カァァ



 バタバタバタバタ バターン!



みく「Pチャァァアン!?」

P「うおっ、みくも早いな。おはよう」

みく「あっ、おはようにゃ。凛チャンもおはようにゃ♪」

凛「おはよ、みく」

みく「ってそうじゃないにゃ! Pチャンちょっとそこに座るにゃ!」


P「なんだよ……。はい、これでいいですか前川さん」 ギシッ

みく「前川さんはやめるにゃ! ……よいしょっと」

P「おい! 朝っぱらから膝に上るのはやめなさい! なんなんだ一体!」

みく「なんなんだはこっちのセリフだにゃ! またのあにゃんに変な事したのね! なんだかよく分からないかつらとか衣装を着せられて大変だったにゃ!」

凛「待って、朝じゃなきゃいいの?」

P「あ? あぁー、まぁ、ちょっとな。のあさんへこんでたか?」

みく「見損なうにゃ! のあにゃんはPチャンにセクハラされたぐらいでへこむようなヤワな芸歴はしてないにゃ! 新しいネタ作りにつきあわされただけにゃ!」

P「セクハラしてねえよ。っていうか、みくは何について抗議しに来たんだ?」

みく「抗議? みくはPチャンに約束を守ってもらいにきただけだけど?」 キョトン

P「あ?」


みく「とぼける気かにゃ! にゃん・にゃん・にゃん結成の時の約束にゃ! のあにゃんのボケにとことんついてく代わりに、みくを甘やかす約束にゃ!」

凛「何それ聞いてないんだけど」

みく「ほら、さっさとナデナデするにゃ!」

P「約束を盾に人に何かを強要するとか、失望しました。みくにゃんn…」

みく「それはもういいにゃ!」 フシャー!


────

───

──


凛「」 ウズウズ

みく「昨日はそんな事があったのかにゃー…」

P「みくにも声掛けたんだけどなぁ。みくにゃんがどんな歌うたってくれるか楽しみに待ってたのになぁー」 ナデナデ

みく「みくは洋楽なんか聞かないし歌わないのにゃ」

P「そっか、みくは英語苦手か」 ナデナデ

みく「(ギクッ)み、み、みくは猫チャンだからぁ。猫チャンは英語なんて話さないに決まってるのにゃ!」

P「まぁそう言わず。ミック・ジャガーとか挑戦してみたらどうだ?」 ナデナデ

みく「フシャー! テキトーすぎるにゃ!」 フシャーッ!

凛「ねえ、みく」

みく「ん? 凛チャンどうしたにゃ?」


凛「プロデューサー迷惑そうだし、そろそろ降りた方がいいんじゃないかな」 ウズウズ

みく「えっ、Pチャンみく迷惑かにゃ?」

P「いや、始業には時間あるし、特別迷惑って事はないが…」 ナデナデ

凛「重そうだし」

みく「お、重くないし! ……ははーん、さては凛チャン、やきもち妬いてるにゃ?」

凛「や、妬いてないし。プロデューサーが甘すぎるからみくの非常識さを指摘してあげてるだけだから」

みく「なんとでも言うがいいにゃ、Pチャンの膝は譲らないのにゃ。ご主人様のお膝に乗るのは猫チャンだけなのにゃ~♪」 フフン

P(俺の知る限り、小型犬やイグアナやキノコも乗るけどな)

凛「……」

凛「プロデューサー。今度よろしくね」


P「ん?」

凛「男の人の部屋に入るの、プロデューサーが初めてだから。笑ったりしないでね」

みく「!?」

P「は、何言って……あ、上映会がどうこうって奴か! あれは加蓮が言ってるだけで…」

凛「こんなんじゃお礼にならないかもしれないけど、夕ご飯、作るね」

P「話聞けよ!」

みく「どういう事にゃ! Pチャンどういう事にゃ!? 凛チャンばっかりずるいにゃ!」

P「凛ばっかりじゃないから! 違うから!」

みく「凛チャン以外も部屋に入れてるにゃ!? 何故みくは呼ばれないにゃ、最初に呼ばれて然るべきはずだにゃ!」

凛「気にする事ないよみく。絆って、時間だけじゃどうにもならないものだから。まゆの受け売りだけどね」 フッ


みく「なんにゃ!」 フシャーー!

凛「やるの?」 ウゥゥーー ワンッ


 マーーーオ

 ウゥゥーーーーー

 マーーーーーオ!

 ウゥゥゥーーーーーー バウッ!

 ギャフベロハギャベバブジョハバ


P「お前ら……俺の机で喧嘩するのやめろよ…」


ちひろ「おはようございまーすっ。あら、凛ちゃんとみくちゃん、今日も仲良しですね」 クスクス

P「おはようございます、ちひろさん。……まったく、ブルーになる暇もないですよ」 ハハハ

ちひろ「いつもの事じゃないですか」

P「いつもの……まぁ、そうですね」 フッ

みく「うっわPちゃんがかっこつけてるにゃ」

凛「うん。全然似合わないからやめた方がいいよ」

P「俺が迂闊な事言ったとたん共闘していじるのもやめろよ!?」




 おしまい

──────────

以上になります。

ウサミンにオーバーナイトサクセスを歌わせつつ、みくにゃんにミック・ジャガーを勧めるオチにしようというのは前々から決めてました。
それだけで五ヶ月も引っ張るってすごいね!呆れました!

最後の楽しみにしてたので、だらだら言い訳させてもらっていいですか!

自分でスレを立ててSSを書いたのは初めてだったので、ひとまず最後まで書けて良かったです。良い勉強になりました。
ラブソングが多い都合、思い人としてPがいた方が良いだろうと考えたんですが、今思うとアイドルだけだしてその場にいないPの事をあれこれ言う形でも良かったななんて。

ビジュアルに恵まれすぎてやりたい事が出来ない、というのあさんの苦悩は(自分の創作ですけど)もうちょっとうまく書ければなぁと心残りなのでいつかリベンジするかもです。
あと思いついたのが遅すぎて出来なかったんですが、ケイトあたりに日本のオールディーズで『おぼろ月夜』あたりを歌って欲しかった。心残りなのでいつか(ry
キャラの一人称、呼称も後から色々気がついたりして心残りなので(ry


そんなこんなでまた何か思いついたらスレを立てたりするかもですが、その時はまたよろしくお願いします!
ありがとうございました!

序盤の曲のようつべURLリストは>>80になります。

おっとhtml化依頼用にトリップだけつけときますね。

ありがとうありがとう

初のスレ立てだから不備があったら対応せねば~と
24時間待ったら申請しようと思って今まで忘れてましたごめんね!


オールディーズ関係ないので完全蛇足になりますが、最後っ屁を

──────────

~エピローグ~

──某所 郊外


 テクテク テクテク


莉嘉「ねーお姉ちゃん、まだー?」

美嘉「……来ちゃった♪ …これだと軽い女だと思われるかな…。本日はお日柄も良く…うぅ、流石にそれはないよね……」 ブツブツ

莉嘉「うー…! お姉ちゃんっ!!」

美嘉「は、はい! 好きですっ!★」 ビクゥ

莉嘉「へ?」

美嘉「えっ? あ、いやその……なんだ莉嘉か…(////)。急に大声出さないでよ、恥ずかしいじゃない。どうしたの?」


莉嘉「お姉ちゃんが返事してくんないからじゃん…。ねーPくんの家まだー?」

美嘉「そろそろのはずだけど…あ、見えた。あれかな」

莉嘉「ホントっ!? あ、ねえねえ、莉嘉変じゃないかな。ちゃんと可愛い?」

美嘉「うん、超キマってる。マジ可愛いよ★」

莉嘉「えへへへ☆ Pくんちに初めてのお呼ばれだもんね。Pくん喜んでくれるかなー♪」

美嘉「大丈夫、きっと喜んでくれるって!」

莉嘉「へー、Pくんこんなところに住んでるんだね☆ まあまあだけどちょっと地味かなー」

美嘉「こーら、そんな事言わないの。素敵なメゾネットでしょ。…じゃ、行くからね」

莉嘉「うんっ!☆」


 ピンポーン


美嘉(莉嘉は見てあげたけど、あたしは変なとこないよね……?) ミダシナミチェック

P『はーい、どなたですか?』 ワイワイガヤガヤ

美嘉「(何だか騒がしい…?)あ、その、城ヶ崎です! プロデューサー?」

P『ん、あぁ、美嘉か。今開けるから、ちょっと待ってな』

 バタバタ ガチャッ

美嘉「あ、あのっ! 本日はお招き頂き誠に…」 カチンコチン

P「おう、いらっしゃい、ちゃんと変装してきてくれたな。まぁ、上がってくれよ」

美嘉「う、うんっ」

莉嘉「おじゃましまーすっ☆ …ん?」

P「はいお上がり下さい、っと。どうした?」


莉嘉「んー、なんでもない?」

P「? ならいいけど。ふう、どっこいしょっと」

美嘉「(なんだか疲れてる…?) あ、あの、プロデューサー。これ、ママから…いいって言ったんだけど」

P「え…」

美嘉「?」

莉嘉「ウチの近くのケーキ屋さんでね、ちょー美味しいんだよ☆ いっつもすぐ売り切れるの!」

P「あ、あぁ。ありがとう、ごちそうさま。親御さんにもよろしく伝えてくれよ」

美嘉「…ひょっとして迷惑だったり?」

P「い、いや、そう言う訳じゃないんだが、手ぶらで来てくれって言ったのにみんなやたら色々持ってきてくれてなー」 ハハハ…

美嘉「みんなって、そんなに……?」 ギョッ


美嘉(すごい数の靴…下駄箱から溢れてる!?)

P「まあでも、ありがたく頂くよ。ケチをつけてごめんな。さすがに桃華が持ってきた箪笥と鏡台は運転手さんに持って帰って貰ったんだけどさ」

美嘉「は!? それってまるで…」


 Pサンマダー?

 プロヴァンスノ カゼヨ!

 ハヤク キナサイヨ! レイナサマヲ イツマデ マタセル ツモリ!?


P「わーったよ! 今行くから!」

P「…取り敢えず上がってくれ。流石にスリッパが足りなかったから、そのままで。いいよな?」


 パタパタ ドタドタ


紗南「やっと戻ってきた。じゃ、クエ貼るよー?」

蘭子「漆黒の魔刃の前にひれ伏すがいい!(私は太刀でいきます!)」

麗奈「アタシはヘビーにするわ! みんなまとめて吹き飛ばしてあげる! アーッハッハッ!…ゲホゲホ」

莉嘉「あーっ☆ いいなー、アタシもやりたい!」

P「おっ、じゃあ莉嘉に選手交代だ」

紗南「えーっ? まだ二戦しかやってないのに…」

麗奈「レイナサマに恐れをなして逃げるつもりね!」

P「だってどう考えても俺が一番下手じゃん……。ゲームだけやってるわけにいかないから、な?」

蘭子「異界への召喚は定めなれば(他のお客さんの相手もしないといけないし、仕方ないですね…)」

紗南「まぁ、仕方ないかー。じゃ莉嘉ちゃん! 一狩り行こうぜっ!!」


莉嘉「うっしゃー☆ 狩るぞー!」

麗奈「あ、ちょっとP、レイナサマに飲み物買ってきなさいよ」

紗南「コーラとオレンジでよければそこの小さい冷蔵庫にいつも入ってるよ」

蘭子「! 汝は魔術師の塔の全てを熟知するか!?(プロデューサーのお宅の事詳しいんですね!)」

P「もうすっかり勝手知ったる他人の家だな…。はぁ……」


P「…んじゃ美嘉、来て早々で悪いんだが、ここ頼めるか?」

美嘉「へ? ま、任せといてよ★」

P「じゃ、俺ほか見てくるから……それにしてもゆかりはこの状況でよく眠れるな」

美嘉「うん?」

ゆかり「……」 スー スー


美嘉(ソファで爆睡してる……。大物だわ…あたしPさんの家ってだけで心臓バクバクなのに…)

P「ま、疲れてるんだろ。そっとしといてやってくれ」


美嘉(隙を見て二人きりに……なんて思ってたけど、とてもじゃないけど無理だわこれは…。まぁいいか、子供は好きだし) ストン


ゆかり「んん……Pさん……」 モゾモゾ

美嘉「プロデューサーなら庭……って、寝言?」

ゆかり「ん……Pさん見つけた……むにゃ…」 クンクン

美嘉「!?」

美嘉(そ、そういえばここはPさんの家、掛けてある毛布は当然Pさんの毛布…!)

ゆかり「んん……Pさぁん…うふふ……むにゃ…」 スヤスヤ


美嘉「……」 オズオズ

美嘉(あ、あたし今すごい事しようとしてる……) ドキドキ



 茜「うわーっ! すごいですねぇーー!!!」



美嘉「すすすすごくないよ!? あたし何もしてないから!」



 茜「ここからだと河川敷が良く見えますね!! 土手を走っている人もいて!」



美嘉(に、庭で話してるのか……) ホッ



茜「ううう…見ていたら居ても立ってもいられなくなりました! 私もちょっと走ってきます!!」

P「は? おいやめろ! 地元ならまだしも騒ぎになったらどうする!」

茜「その時は気合いで切り抜けます!! ううううー!ボンバー!!!」 ダッシュ!

P「なんでも気合いで片付けんな! ちょ、待って! お願い!」


P「あいつはなんで暇があれば走りたがるんだ…自分が有名人て自覚ないのか! ああもう、スニーカー出して来なきゃ…」

真奈美「私が追おう」

P「あー…済みません木場さん。お願いできますか」

真奈美「いいとも。君は家主らしく、でんと構えていたまえ。君に頼って貰えるなら、無理を押して邪魔させて貰った甲斐があったというものだ」 タッ

 タッタッタッタッ


P「ふう…木場さんがたまたま庭に出ていてくれてよかった…」

桃華「全く騒がしいですわね…」

P「うん、桃華が今当然のように座ってお茶してる椅子とテーブルは持って帰ってくれるんだろうね?」

桃華「? 何故そんな事をする必要がありますの?」 キョトン

P「何故そこで不思議そうな顔が出来るのか…箪笥だの鏡台だの、嫁入り道具かっつーの」

桃華「無論そのつもりですわ」

P「そうか、俺が嫁入りする機会があったらありがたく使わせて貰うよ」

桃華「うふふ、おかしなPちゃま。Pちゃまの場合は婿入りですわよっ」

 ピンポーン

P「冗談じゃなければその通りだな。…っと、また誰か来たのかな。はーい?」


 バタバタバタバタ


桃華「…Pちゃまさえよければ、わたくしこのままここに嫁ぐつもりでしたのに」 ボソッ




P「はーいはい、っと」

 ガチャ

藍子「あ、こんにちは、Pさん」

P「おっ、藍子か。よし、手ぶらで来てくれたな」

藍子「あの、なんだか凄い人数みたいですけど…」

P「ああ、すまんな。なんかうちにどーしても来たいって言うからさ…」

藍子「えっ? どうして分かったんですか?」


P「えっ?」

藍子「え、あ……そうではなくてっ(//////)」 アセッ

P「? で、アイドルがそういうのまずいだろって思ったんだが、あまり突っぱねるのも悪いしさ。ならいっそ大勢一気に呼んじまえば、逆にスキャンダルにもなりにくいだろと」

藍子「そうだったんですか…あの、そう言う事なら私、このまま帰った方が……」

P「駄目だ、帰らないでくれ!」 ガシッ

藍子「ひゃっ!? あ、あのっ?」 ドキッ

P「藍子が帰ったら困るんだ…」

藍子「そ、それって、その、どういう…?」 ドキドキ

P「部屋のキャパ以上に、明らかに俺のキャパを越えている。藍子みたいな良識枠が必要なんだ…頼む…っ」

藍子「あ、そういう……だからさっきから乃々ちゃんがぴったりくっついてるんですね?」


P「ん?」

乃々「」 ギュゥゥ

P「お、おわぁ!? の、乃々!? いつの間に!」

乃々「あ、あの…帰りたいんですけど……。こんなに人がいるなんて、もりくぼは心が折れそうなんですけど…」

P「強制じゃないのに何故来たし…」

乃々「藍子さんと扱いが全然違うんですけど…もりくぼじゃ頼りにならないって分かってますけど、流石に傷つくんですけど…」

P「わ、悪かったよ…。それじゃ、特別に俺の部屋に隠れてていいから。そこなら誰もいないから。な?」

乃々「そ、それならなんとか頑張れそうです…」

P「よ、よし。二階の大部屋にみんな集まってるから、藍子はそちらに行っててくれるか」

藍子「あ、はい。分かりました」



 パタパタ


亜季「良いでありますか。ミリタリーの基本は明快なリアリズム、目標を策定したら、それを達成する上でのあらゆる障害と無駄をそぎ落とし、ただひたすらに効率を追求したものなのです!」

フレデリカ「うんうん、あたしそーゆーの得意♪」

亜季「それはよかった! それではコーナーでの索敵における基本についてレクチャーするでありますっ」

P「お前ら人んちの階段で何やってんだ」

亜季「サー! フレデリカ殿にCQBの基本をレクチャーさせて頂いておりました! サーッ!」 ビシッ

フレデリカ「さーっ♪」

P「そうか…」

藍子(ますます疲れた顔に…!?)


亜季「プロデューサー殿も如何でありますか! 海外遠征の折など、いつ銃を取って身を守る必要に迫られるとも限りませんっ!」

P「いや、俺は亜季が酔うと教え魔になると学んだだけでお腹いっぱいだよ……。フレデリカは飲んでないだろうな?」

フレデリカ「お酒? 飲まない飲まない♪ 飲んで、ないっ!(キリッ) っとくらぁー♪」 ケラケラ

P「そんなテンプレな酔っぱらいがいるか…いや、むしろ酔っぱらいだからやるのか?」 ズイッ

フレデリカ「さーどうかなー? ……えっ、ちょ、近……」 ドキッ

 スンスン

P「…よし、飲んでないな」

フレデリカ「……」 ポー

フレデリカ「はっ? 息の匂いかいだの!?(//////) 不意打ちなんてヒドイ! えっち! サイテー!」 プンスカ

P「はいはい。じゃあ危ない事と法に触れる事だけはしないように。頼むぞ軍曹」


亜季「サーッ! 自分の吐息は確認しないでありますか! はぁーっ」

P「うわ酒くさ…お前は明らかに酔ってるだろ! っていうか成人してるから問題ないだろ!」

亜季「然様でありますか! それではフレデリカ殿、続けます。よく映画などでは壁に背をぴったりつけて向こう側の情報を得ようとしがちですが…」

フレデリカ「あ、待って! 吐息の交換はもっとロマンチックだってママが…もぉーっ!」

 ギャーギャー!



P「じゃ、藍子は悪いけど大部屋の方頼むな」

藍子「あ、分かりました…」


P「そして乃々、ここが寝室だから……って、なんで人がいるの!?」

周子「うおー、Pさんマニアックだなぁ。Pさんと付き合う人は色々大変だねー」 カチカチ

P「おっおい!? なに人のPC勝手に見てんだ! っていうかどうやって…その手のやつは全部メモリに退避してたのに……って、あれ、電源入ってない…」

奏「ええ、別に何も見ていないわ。けど、間抜けは一人見つかったようね」

P「はっ!?」

千秋「“その手のやつ”があるのね?」

P「き、汚いぞ! 大体ここには入るなって…」

千秋「あ る の ね?」

P「う、あ、あります……いいじゃないかちょっとぐらい……」 チヂコマリ


千秋「見せなさい」

P「な、なんでそこまでしなきゃいけないんだよ…あ、お前も酔ってるのか千秋」

千秋「見せなさい」

P「大人組は誰彼見境なく飲ませやがって全く…千秋も成人してるからいいけど慣れてないんだからほどほd」

千秋「見 せ な さ い」

P「ひぃ!?」

奏「おお怖い…。これはPさんも観念するしかないみたい」 クスクス

周子「千秋さんマジだねー。頼もし~♪」 ケラケラ

P「お前ら笑ってないで助けろよ! 乃々頼む! たまにはお前が矢面に立ってくれ!」 クルッ

乃々「む、むーりぃー……いやわりと本格的にむりなんですけど……た、助け…」 ガクガクブルブル


奏「女の情念を甘く見たPさんが悪いんだし、仕方ないわよね」

周子「ていうかあたしも見たいし?」

奏「私もそれが本音だけどね♪」

P「ひどいぞお前ら!?」


────

───

──


P「」 シクシクシク

周子「ま、公開処刑は免れたんだからよかったじゃーん♪」 バンバン

奏「もうそれに近い状況だと思うけどね」 クスクス

P「お前らもなんだか浮かれすぎだぞ! 酒とか飲んでないだろうな!」

周子「飲んでないって。これただのオレンジジュースだしー?」

P「ちょっと貸しなさい!」 パッ

周子「あっ」

 ゴクゴク

P「うん、普通のオレンジジュースだな…」

周子「また間接キスだねー。Pさんそんなにあたしとキスするの好きかなぁ」


P「ブッ! ああああアホか! ていうか思春期の中学生か! ま、まぁ、酒じゃないみたいだからいいけど、あんまり悪ふざけしてると怒るからなっ」

奏「……ねえPさん?」

P「ん? なんだ奏」

奏「私の飲み物は確認しないの?」

P「え、あー…まあいいだろ」

奏「フェアじゃないわ…… (ゴクッ) さぁ、私のも味見して頂戴」 ズイッ

P「なんでわざわざ直前に飲んで見せるの!? か、奏の事は信用してるから! じゃあそういうことで!」

奏「あんっ…もう! 間接ぐらいいいじゃない! ちょっと、待ちなさい!」



P「おっ、乃々はここに退避してきてたのか」

乃々「も、もりくぼにはあの場に居続けるなんて無理なんですけど……少女漫画のレベルを超えているんですけど……」

P「あーまぁ、少女漫画はないけどそこにある漫画は読んで良いから。……あれ、俺のベッド誰か寝てる?」

乃々「知らないんですけど…もりくぼが来た時にはもうこうなってましたし」

P「誰だよまったく…」 バサッ

杏「Zzz……」 スヤスヤ

P「あ、杏!? こいつ、来ないって言ってたのに……おい杏起きろ! 俺の最後の聖域まで侵すな!」 ユサユサ

杏「んん…うるさい…」 バシッ

杏「Zzz……」

P「こ、こいつ……! ……はぁ…もういいよ」 パサッ

乃々「も、毛布掛けてあげるんですね…」

P「まぁ、さすがにないと風邪引くからな……はぁぁ…なんでこんな事になったのか…」

 トボトボ



友紀「Pさーん、つまみまだー?」

P「お前くつろぎすぎだろ…あぐらはやめなさい。って、あー!? 俺のシングルモルトのコレクションが!?」

礼子「ちょっと格好つけすぎじゃないかしら」 ゴクゴク

志乃「男らしい趣味だと思っちゃう年頃なのね」 ゴクゴク

P「楽しみにしてたのに……大人は遠慮してくれって言いましたよね!? 来るならせめてアルコールは自重して、人に勧めたりもしないようにって言いましたよね!!」

瑞樹「確かに言われたわね」

早苗「でも、従うとは言ってないわ!」

礼子「遠慮は遠慮したわ」

志乃「遠慮をやめて深慮した結果よ」

P「こ、この大人げない大人どもは……」


ちひろ「あ、あの……やっぱり私達はお暇した方が…」 オズッ

あい「ご近所にも迷惑だろうし、せめて分別が残っている者だけでも帰った方が良いのではないだろうか?」

P「お、俺一人でこのドランクモンスターどもを相手しろと!?」

あい「そ、それを言われるとつらいな…」

ちひろ「せめて私達はノンアルコールで行きますね…」

P「あ、ちひろさんはくれぐれもそうして下さい。ちひろさんまで酔ったら本当に俺は死ぬかもしれない」

ちひろ「ど、どういう意味ですか!?」

P「酔ったちひろさんは鬼や悪魔が可愛く見えるレベル」

あい「そ、そこまでなのかい、ちひろさんは…」

ちひろ「そんな事ありませんからぁ! ち、違いますよね? そういえば酔った自分って全然記憶に……」


P「…って、あれ? 楓さんも来てませんでした?」

友紀「? あれ、さっきまでいたよー?」

P「おかしいな……お手洗いかな…」

藍子「あ、あの……楓さんなら…」

 ガシッ

P「おわぁー!?」 ズデーン

早苗「きゃっ!?」

藍子「て、テーブルの下に…」

楓「ふふふ、油断していると足元をすくわれますよ」 ノソノソ

P「い、いきなり人の足首掴むとか……子供か! すいません早苗さん、大丈夫でしたか?」


早苗「もぉー、ほろ酔い姿のお姉さんが色っぽすぎてつい襲いかかっちゃったのね。もう逮捕だわ♪ ていうかシメる♪」 ガシッ

P「ちょ、放して下さい! ていうかどこがほろ酔いですか! どう見ても泥酔でしょう!」

瑞樹「ちょっとP君。今明らかに私の方を避けて倒れたわよね。それについて納得のいく説明を要求するわ」

P「か、川島さんに怪我させたらまずいと思って……早苗さんはこういうの慣れてるイメージが…」

早苗「やだもう、壊れちゃうような事をするつもりだったのねっ! でもあたしも初めてだから優しくして欲しいわ♪」

P「話をややこしくしないでください! ああもうこの酔っぱらいは!」

志乃「こんな風紀の乱れた男性が私達のプロデューサーだったのね」

礼子「ちょっとそこに正座しなさいな」

P「悪のりはやめて下さいよ!」

瑞樹「いいえP君、そこに正座よ。従わないとどうなるか…分かるわね?」

P「ひぃっ!?」 カシコマリッ


楓「!」

楓「♪♪~~」 ノソノソ

P「あなたはいかにも『良い事思いついた!』って顔で膝に乗ってこないで下さい! 全然良い思いつきじゃないですからね!?」

友紀「さぁーバッターボックスのP、2アウト2ストライクと追い込まれました! ここはどうにかランナーを帰したいところ!」 ケラケラ

P「うるさいよお前!」 ナミダメ



美優「あの…簡単につまめる物を用意しました……えっ? ど、どうしたんですか?」

友紀「おー待ってました! ここで期待の助っ人、美優さんに交代です!」

P「た、助かった……! 美優さん後お願いしますっ」

美優「あ、はい…? あの、えっ?」


菜々「ナナからも、ウサミン特製! お酒によく合うおつまみでーすっ! キャハッ♪」

P「安部さん、今日はオフだからスーパー十七歳解禁でもいいですけど子供組に何か言われたら自分でフォローしてくださいね」

菜々「はうっ!? だ、大丈夫ですよっ! ナナは永遠の17歳だから、ジュースに見える飲み物しか飲みませんっ」

藍子(全然大丈夫に聞こえない…)


────

───

──


P「だ、駄目だ…これ以上は身が保たない…一旦書斎に退避……」

涼「おーっ、Pさん結構いいギター持ってるね」

P「あー、まぁ形だけな? いじる暇も無くてこいつらには可哀想な事をしてるなぁ」

夏樹「じゃ、あたしらが弾いてもいいかい?」

P「ああ、いいぞ。弦ならそこの二段目に入ってるから」

李衣菜「あっずるい! 私には駄目って言ったくせに!」

P「だりーなの時はエレアコだったからなぁ、時間も遅かったし。今日は昼間だし、ご近所にあらかじめ話通してあるからな」

李衣菜「うぅ……あの時は知らなかったんですよぅ」

P「おう。アンプの存在もあの時は知らなかったな」

涼「それでロックとか言ってたのかよ…。夏樹…あんた苦労してるな…」


夏樹「まあまあいいじゃないの。李衣菜も弾いてみたいのあったら言いなよ、音合わせてやるから」

李衣菜「うんっ! Pさん、私これ欲しい!」

P「弾くだけな!? あげるあげないの話はしてないよね!?」

涼「あたしはこれ、っと。軽く合わせてみようぜ」

P「アンプの使い方は……まぁ大丈夫だよな。あまり大音量にはしないようにな?」

李衣菜「はーいっ♪」

P「……あまり大音量にはしないようにな?」

夏樹「ああ、了解」

涼「心配しなさんなって」

李衣菜「なんで聞き直したんですか!?」


 パタパタ



P「…ん、頼子達は読書か」

頼子「うん…賑やかなのは、苦手…だから……」

P「そうか。何か気に入った本とかあったか?」

頼子「それは……まだ、読み始めたばかり…だから……」

P「そりゃそうか。この棚のは大体読み終わってるから、借りてって構わないからな」

頼子「大丈夫…読むだけでいいから……。…盗みたいものは、あるけど……その方法を、調べたいの……」

P「物騒な物言いだなぁ。まぁ、仕事の本もあるから、読めば俺のプロデュースのノウハウなんか簡単に盗めちゃうかもな」



P「……で、そちらはみんなして何見てるんだ?」

日菜子「むふふ…日菜子と同い年のPさん…。新しい教室……隣同士になって、教科書を見せて貰ったのがきっかけで二人は……むふふふ…」

智絵里「あ、あの……日菜子ちゃん、ほ、他のページも……」

芽衣子「最後の学生名簿見ようよー。Pさんの地元、あたしが行った事ない場所だったらいいなー♪」

留美「その校舎は確か○○県の……いえ、その写真だけだと絞り込めないわね。もっと情報を…」

P「うおぉ!? おお俺の卒業アルバム!? や、やめて! 公開処刑やめて!」 バッ

日菜子「あっ、Pくん……今日は私服なんだね」

P「いつも私服だ! 戻ってこい日菜子!」

日菜子「あ、あれ…。また日菜子の妄想でしたぁ。むふふ…」

智絵里「あ、あの……ごめんなさい、Pさん…私……」


P「い、いや、いいんだ。俺もみんなの昔の写真とか見たくなるし、実際親御さんに見せて貰ったりしてるから」

智絵里「み、見捨てたり、しませんよね? 見捨てないでください…見捨てないで……」

P「さ、最近言わなくなったから安心してたのに!? しないから、見捨てたりしないからな! 智絵里の方がもう嫌だって言うぐらい最後までプロデュースするから! な!」

芽衣子「もーっ、卒アルぐらいいーじゃん。Pさんの地元いい加減教えてよー。どんなとこ? 山の方? 海の方? 珍しいものとかある?」

P「ふつーのとこだよ! ふつーのとこ!」

留美「引っ越していないなら中学……小学校のアルバムでもご実家の住所は載っているはずだわ…」 ガサゴソ

P「ちょっと和久井さん!? 卒アルはホント恥ずかしいんでもう勘弁して下さいよ!?」



P「はぁぁぁ……もう駄目、ちょっと外の空気吸おう……」

 カラカラ

輝子「キノコ~ノコノコ~♪ デストロォォォォイ♪」 ゴソゴソ

P「おっ、輝子はここにいたのか」

輝子「フヒ……ひ、人混みは苦手…だから…」

P「別に今日は強制じゃなかったんだがなぁ。伝わってなかったか?」

輝子「だ、大丈夫……。トモダチだからな…と、トモダチの家に行きたいのは、常識…。む、むしろ、住みたい…」

P「友達の家には普通住まないけどな。あと鉢植えをそんなに並べてどうするつもりなんだ」

輝子「と、トモダチ…だからな。友情をお…おすそわけ……フヒヒ」

P「俺が貰っても枯らしちゃうぞ…」

輝子「だ、大丈夫……。私が、定期的に、様子を、見に来る」

P「机だけじゃなくて俺の部屋にも入り浸る気か。…まぁ、輝子なら静かだし別にいいか……」


小梅「Pさん、Pさん……!」 トコトコ

P「ん、小梅もベランダにいたのか。凄い良い笑顔だけど、何か面白いものでもあったのか?」

小梅「う、うんっ……。あ、あの、ね。こ、ここ、と通り道になってて…」 キラキラ

P「うん? 通り道…?」

小梅「そ、そう…あ、あっちから…せ、線路の方に……み、み、水が近くにあるから…だと、思うんだけど…」 キラキラ

P「あまり聞きたくないけど心当たりはあるんだよな……夏場とか寝てると気配がさぁ…。何の通り道があるんだ?」

小梅「れ、霊の! な、夏場はま、窓…あ、あ、開けて、風通り良くすると…入ってくる事があるから…」 ニコニコ

P「そうか…電気代は掛かるけどエアコンに頼る事にするよ」

小梅「あ、あのね、ぴ…Pさん。夜までいていい?」 キラキラ

P「夜になったら霊が通るのか?」


小梅「う、うん…い、今も大勢いるけど、ぴ、Pさんのおうちにも入ってるけど…も、もっと増えると思う…ね、い、いいでしょ?」 キラキラキラ

P「そうか、今もいるのか……。おーい、ユッコ! ユッコいるかー?」

裕子「はーいっ! エスパーユッコ参上!」 ヒョコッ

裕子「どうしました? 何かお困りですかっ?」

P「この辺霊の通り道になってるらしいんで、ちょっとサイキック除霊で何とかしてくれないか?」

裕子「ひっ!? れれれ霊ですか!?」

P「うん、流石にうちの中を徘徊されたら困るからな。あ、“あの子”は小梅の友達だから駄目だぞ、“あの子”以外な」

小梅「す、すごい……! あ、で、でも…でもね、き、気づいてないだけで、迷ってる霊も、い、いるから、余りい、いじめないであげて欲しいな…あ、あまり追い詰めると、あ、危ない、し…」

裕子「そそそそんな事を言われましてもですね」 ガクガクブルブル

P「よし、じゃあユッコ、我が家の対霊外交政策は任せたぞ。俺はちょっと台所を見てくる」

裕子「ぷぷぷプロデューサー!? ま、待って! 行かないで下さいぃ!」



 パタパタパタ



千枝「響子さん、レタス、こんな感じでいいですか?」

響子「うんっ、良い感じ! それじゃ、大皿に並べてくれるかな。まゆちゃんの方はどうっ?」

まゆ「刻み終わったわ。それじゃ、私も包む方に回るわね」

響子「うん、お願いします! 千枝ちゃん、レタスが敷けたら次はこれねっ。ええと次は…」

P「おーっ、なんだかうまそうなものが出来つつあるなぁ」

響子「あ、Pさんっ! そろそろ料理が出るから、座ってて下さい」

薫「せんせぇ! かおるもお料理手伝ったよ! ほらこれ!」

P「おっ、これはサラダに載せるのか? うん、うまそうだな。薫はえらいなぁ」


千枝「あ、それじゃ薫ちゃん、最後の仕上げだね」

P「千枝と薫の合作か。千枝もありがとな」

千枝「えへへ…。なんだかお姉ちゃんと妹が出来たみたいで嬉しいですっ」

響子「混ぜたり並べたりじゃ、おうちでお手伝いしてる子には役不足だったかもですね。流石に火と刃物は任せる訳にいかなくて…」

P「なるほど慣れたもんだなぁ。みんなのお母さんみたいだぞ」

響子「あ…えへへへっ♪」

まゆ「Pさぁん…」

P「おっ、まゆは何やってるんだ? 餃子か?」

まゆ「ごめんなさいPさん……まゆ、台所を頼むって言われたのに……この場で一番お姉さんなのに…」

P「えっ、ど、どうしたの? 一体何があったんだ? 話しながら手を休めないのは偉いが、顔も見れないと心配なんだが…」


まゆ「まゆはたくさん料理を作った事も、大勢で作った事もなくて……Pさんの期待に答えられませんでした…・」

響子「わ、私はたまたま大家族で慣れてただけだから! まゆちゃんが包丁仕事してくれたからここまで早く出来たんだから! ねっ」

P「あぁ、なんとなく分かったわ。そっか、料理をするって一言で言っても色々あるんだな…。すまんまゆ! 俺が無知だった!」

まゆ「そんな、Pさんが謝る事なんてないんですよぉ」

P「思えばまゆが作ってくれる料理って、一人分から二人分ぐらいだったもんなぁ。響子がいいママなら、まゆはいい奥さんて事だな」

一同「「「「!?!?!?」」」」

P「だから元気だせ、な!」

まゆ「良い奥さん、ですかぁ? うふふふ、まゆ、すごく元気になりましたぁ♪」

P「おっ、やっとこっちを向いてくれたな。何作ってるんだ?」

まゆ「餃子ですよぉ。由愛ちゃんとありすちゃんも手伝ってくれているんです」


ありす「橘です。家事の事で皆さんには負けていられませんから」 テキパキ テキパキ

由愛「……! ……!」 セッセ セッセ

P「二人静かだと思ったら黙々と作業をしていたのか…なかなか手際がいいな、なんだか鬼気迫るものがあるが」

まゆ「メニューを考えたのは響子ちゃんなんですよぉ」

響子「あ、はい。大勢で、お酒を飲まれる方もいるならこういうのがいいかなって…。でも、何味の餡を作るかはみんなで考えましたし、私一人で考えたわけじゃ…」

P「なるほどな。ともかく餃子は大好物だから期待してるよ。あ、ニンニクとか入れた?」

響子「あ、いえ、基本入れなかったんですけど……」

まゆ「Pさんの為に、入れた餡も作りましたよぉ」

P「おっ、まじか。みんな、ありがとな! ……ところでもう何人かいなかったっけ?」

響子「あ、デザート係って事で、そちらはかな子ちゃんにお任せしちゃいました」



P「お、なるほど。こっちで作ってたのか」

かな子「あ、Pさん! えへへ、火が塞がってるから、フルーツパンチを作ります♪」

P「ほー、缶詰のフルーツじゃなくて、ちゃんと皮向いて切り分けてるのか」

かな子「はいっ♪ あ、缶詰も使うし、気が抜けちゃうので、仕上げるのは最後ですけど」

茄子「プロデューサー♪ ほたるちゃんも頑張ったんですよ、ほらっ」

P「おー、綺麗にむけたな。ナイフうまく使えたか?」

ほたる「あ、はいっ。私、私が触ると良くない事が起きるって言われて…やらせて貰えなかったから…私……」 ポロポロ

P「うわ、わ、な、泣くな! 泣かないで! 変な事聞いて悪かった! ごめんな!」

茄子「違いますよ、ほたるちゃんは悲しくて泣いてるんじゃないです。ねっ?」 ギュッ

ほたる「私……私、嬉しくて……ごめんなさい…」


かな子「嬉しい時も、涙が出ちゃうんだよね。私もそうだから、大丈夫だよ」 ナデナデ

歌鈴「わ、わたしもそうだから。ほたるちゃんが謝る事ないよっ」 アワアワ

P「かな子と歌鈴は泣きすぎだろう…」

歌鈴「はうっ!?」

かな子「あぅ…ごめんない…」

茄子「もう、プロデューサーだってよく泣いてるじゃないですかっ」

P「お、俺はプロデューサーだからいいの!」

茄子「むぇーー☆プロデューサーちゃんはめっめ!ほたるちゃんはカコとハピハピすぅ☆」

ほたる「あ、それきらりさんの……うふふ」 ニコッ

茄子「あ、笑った! うふ♪ ほたるちゃんは笑顔が一番可愛いにぃ♪」


────

───

──


P「…しかし料理ぐらい出来るようになった方がいいだろと思うんだが、そんなに不幸な事があったのか? ちょっと切ったりやけどするぐらいなら、むしろ経験だと思うんだが」

ほたる「あの……一度無理を言ってキッチンに立たせて貰ったんです。そうしたら近所で落雷があって、一斉に停電してしまって…」

ほたる「うちはガスじゃなくて全部電気だったので、何も出来なくなってしまって…」

P「そ、そんな事があったのか…あるもんなのか……」

茄子「思いがけない事はよくありますよ~」

P「茄子もあるのか?」

茄子「あ、私の場合は嬉しい偶然ですけど…以前卵をパックごと落として駄目にしてしまって」


P「茄子って意外と抜けてるよな」

茄子「もう!なんですか! …それで、買いに出ようとしたら、偶然お隣さんが卵を買いすぎたからとお裾分けしてくれたんです」

歌鈴「思いがけない事と言えば、わたしもありました。電子レンジでゆで卵を作れると聞いて、試したんですけど、爆発して大変な事に…」

P「それはただのドジだ!」

歌鈴「はわっ!?」

かな子「卵をホイルで包んで、お水に入れて作るんだよ。そうしないと爆発しちゃうから」

P「さすがかな子は知ってるか。かな子はなんか無いのか、思いがけないエピソード」

かな子「わ、私ですか!? えっと、私はもう、思いがけない事ばっかりで…毎日がサバイバルです…」

P「そう聞くと凄まじいな……」



響子「Pさん、そろそろ料理が出るので、お二階の方にお願いしますっ」

P「おっ、了解。じゃ、かな子達も区切りがついたら集まってくれな」

一同「「「はーいっ」」」


P「お前ら腹減ったろ。そろそろゲームは切り上げて上に集合なー」

 ハーイ! マチクタビレタゾ!

P「桃華も中に入ってたか」

桃華「風が出てきたからですわ。Pちゃまがちっとも迎えにきて下さらないから、痺れを切らしたというのもありますけれど」

P「そりゃすまんな。んじゃ、行くぞー」



 パタパタ ドタドタ



美嘉「そういえばPさん、今日って何のパーティだったの?」

P「ん? あー……なんだっけ…?」


奈緒「なんだっけじゃないだろ!?」

P「あ、そうだそうだ。元々は奈緒のお勧め作品の上映会をしようって話だったんだよ」

未央「プロデューサー遅いぞっ! もう映画一本見ちゃったよ」

卯月「とっても可愛かったですよっ!」

凛「卯月はジブリ好きだよね」

卯月「えっ、うん。好きだけど…おかしいかなぁ?」


未央「むしろすごく普通で、しまむーっぽい!」

卯月「えぇーっ?」

加蓮「Pさんここ座って! 私の隣!」 バンバン

凛「プロデューサーの席は真ん中だよ。そう決めてあったでしょ」

美嘉「なんか…凄まじいね……」 タハハ…

P「お前ら完璧にアニメ見る気しかないな」

未央「最初にお掃除したよ!」

卯月「頑張りました!」

P「おう、その節は大変助かりました」 フカブカ

未央「いえいえどういたしまして」 フカブカ

卯月「またのご利用をお待ちしておりますっ」 フカブカ


凛「だって、プロデューサーが料理させてくれなかったんじゃん」 ムスッ

P「いやだって、凛があんなに台所仕事が出来ないとは……。料理以前に、刃物を渡す時は柄の部分を相手に向けるんだぞ」

卯月「見ててドキドキしちゃった! 修羅場ってこういう感じなのかなって!」

未央「プロデューサーを殺して、私も死ぬ! ぐさーっ!」 グサー

卯月「きゃーっ♪」 バターン

凛「しないから!」

加蓮「えー、凛はやりそうなタイプだよね」

奈緒「加蓮…お前も人の事言えないだろ…」

加蓮「えー? 私はPさんの事信じてるし? 旦那様の事を包む優しい奥さんタイプだし」

奈緒「いーやお前はPさんを刺すタイプだね」

P「なんで毎回刺されるのは俺なんだ……」


みく「PチャンPチャン、ちょっと注目にゃ!」

P「ん? 今までどこにいたんだみく」

アーニャ「あーにゃんです。ダー」 ニャンッ

みく「みくにゃんだにゃ♪」 ニャンッ

のあ「新田美波でございます」 ニャンッ

みく「なんでにゃ! 打ち合わせどおりにやるにゃ! 大体そのネタは『みなみ』しかあってないにゃ!」

P「人んちまで来て何やってんだよ…」

みく「ていうかみくが毎回オチという風潮おかしいのにゃ!」

のあ「それは違うわみく。フィナーレは誰にでも出来るものではない…それは言うなれば、信頼の証明よ」

みく「え、そ、そうなのかな…」


のあ「みく…」

みく「のあにゃん……」

のあ「人の心は本人にも分からないもの。それでも、ボケたのに突っ込まれないというのは、悲しい事よ」

みく「ボケだったのかにゃ! 折角良い事言ったと思ったのに、ボケだったのかにゃ!?」

アーニャ「プロデューサー、面白かったですか?」 クイクイ

P「いや、かなり面白いけど……」

アーニャ「じゃあ、ナデナデして下さい」

みく「ぶるすこにゃー!?あーにゃんばっかりずるいにゃ!」

のあ「あーにゃんばっかりずるいにゃ」

みく「のあにゃんは真似するにゃ!」


P「もう何が何だか……めまいがしてきた…」

のあ「皆が思い思いの音を奏でていても、出来上がるものがハーモニーをなすならば、それは音楽なのよ。貴方ならそれが分かるはず……私達の、プロデューサーなのだから」

P「のあさん……。そうだな、こんな日も、ずっと後になって、オールディーズみたいな懐かしい思い出になるのかもしれないな」

のあ「P……。ボケたのに突っ込まれないというのは、悲しい事よ」

P「今のもボケなのかよ!?」



   こんどこそおしまい

──────────

今度こそ本当におしまいです。
ちゃんみおにちゃんと「しまむー」呼びさせておきたかっただけなんですが、長々と失礼しました!

それじゃ今度こそhtml化依頼してきます!

次は90年代アニソンで立てようと思います!嘘です!
ありがとうございました!

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