QB「僕が主人公のゲーム?」(1000)


「う、ん……ここは……?」

>あなたの名前を入力して下さい

「名前? 僕はキュゥべえだけど……」

>キュゥべえ さん では、あなたは18歳未満ですね?

キュゥべえ「わけがわからないよ、いったいこれはなんなんだい?」

キュゥべえ「そもそも僕に年齢という概念を適用するのが……」

>18歳未満ということで
>では がんばって下さい

キュゥべえ「え?」


―――
――


キュゥべえ「ん……」パチッ

キュゥべえ「いま何か変な夢を見たような……」

キュゥべえ「いや、それはないか。 それだとまるで人間みたいな……」ムクリ

キュゥべえ「ん?」

自らの手のひらを、しげしげと見つめる
傷一つない白い肌に細い指が五本
何の変哲もない人間の手がそこにはあった

キュゥべえ「……人間になってる」

布団を捲り上げると、一糸纏わぬ下半身が露わになる

キュゥべえ(……性器の形状からして人間の雄であるのは間違いないようだ)

キュゥべえ(やれやれ、わけがわからないよ……どうしてこんなことになったのやら)


マミ「キュゥべえ、朝よ、起きなさ……」ガチャ

キュゥべえ「ん?」

マミ「……い……」

キュゥべえ「……なんだ、マミか」

マミ「……っ!」カアァァ

バンッッ!!

ドアを力任せに閉める音が、早朝の街中に響く


マミ「お、起きてるなら先に言ってよ!!?///」

キュゥべえ「突然入ってきたのは君の方じゃないか……」ハァ

マミ「も、もう! 知らない!!」

マミが階段を乱暴に下って行く音が聞こえる

キュゥべえ「やれやれ……」

キュゥべえ(今の反応からして、僕が人間になったことにマミはなんの疑問も抱いてないようだ)

キュゥべえ(やはり、色々と調べる必要があるみたいだね)

キュゥべえ「とりあえず、服でも着るか」ガサゴソ

キュゥべえ「……この学生服は」


―――
――


階段を下り、一階へと向かう
恐らく、一軒家なのだろう
となると、マミの家ではないのだろうか


「あ、おはよーおにいちゃん」

台所で食事の用意をしていた少女が、こちらに声をかける

キュゥべえ(……さすがにこれは想定外だ)


ゆま「朝ごはん、もうすぐできるからね」

キュゥべえ「うん……おはよう、ゆま」

キュゥべえ(ますますわけがわからなくなってきたよ……)チラッ

マミ「!……」プイッ

キュゥべえ(マミから話は聞けそうにないね)ハァ


ゆま「おにいちゃん、またマミおねえちゃんのこと怒らせたの?」コトッ

キュゥべえ「怒らせるようなことをした覚えはないんだけどね」

マミ「服を着ることもしなかったものね」ムスッ

ゆま「また裸で寝てたの? パジャマくらい着ないとダメだよー」

キュゥべえ「別に僕がどんな格好でいようが、君たちには関係ないと思うんだけど……」

マミ「わ、私には関係あるの!///」

キュゥべえ「どうしてだい?」


ゆま「おにいちゃん……毎朝起こしにきてくれる幼馴染に対してそれはひどいよ……」

キュゥべえ(今度は幼馴染か……さらにわけがわからなくなってきたよ)

マミ「はあ……ゆまちゃんはこんなにいい子に育ったのに……」ナデナデ

ゆま「えへへー♪」

キュゥべえ「悪かったよ、マミ」

マミ「もう遅いですぅー」ツーン

ゆま「二人とも、喧嘩してないで朝ごはん食べちゃおーよー」

―――
――


朝ごはんを食べ終わり、洗面所へと向かう

キュゥべえ(白髪赤目、まあ妥当な色合いだね)

キュゥべえ(とりあえず、今日一日は様子を見るか……)

マミ「キュゥべえ、早く用意しないと遅れるわよ」

キュゥべえ「うん、わかったよ」

マミ「そんなに自分の顔が気になるのかしら?」クスッ

ゆま「ゆま知ってるよ! なるしすとって言うんだよね!」

マミ「ふふ、いわれたちゃったわね」


キュゥべえ「……マミ、君はどう思う?」

マミ「なんのこと?」

キュゥべえ「僕の顔だよ」

ゆま「おにいちゃん……」

マミ「……重症ね」

キュゥべえ「?」

マミ「ま、まあ……普通よ、うん、普通」

キュゥべえ「なるほど、そうか」

マミ「で、でも、見る人が見れば、その、悪くないとは思うわ、むしろ……」

キュゥべえ(目立たないのならそれに越したことはない、か)

キュゥべえ「安心したよ。 ありがとう」

マミ「え? ど、どういたしまして……」

ゆま「?」


ゆまとマミを連れ立って学校へと向かう
どうやら、日常生活における基本は体が覚えているらしい

マミ「ほら、ちゃんと前閉めなさい」

キュゥべえ「できれば肉体が圧迫されるような格好は避けたいんだよ」

マミ「だーめ」

キュゥべえ「やれやれ……」

マミ「それはこっちのセリフよ。 はいできた」

キュゥべえ「……マミ、ちょっと」

マミ「どうしたの?」

マミの左手をとり、薬指を確認する


キュゥべえ(……)ジー

マミ「え、えっと……」

キュゥべえ(やっぱりね)

マミ「も、もういいかしら……」

ゆま「おにいちゃん、そういうのは外でやらないほうがいいと思うよ」

マミ「ゆまちゃん、誤解を生むような言い方はよしてよ」


キュゥべえ(ソウルジェムがない、か)


さやか「いやー、朝からお熱いねー」ヒョコッ

まどか「おはよう、ゆまちゃん、キュゥべえ、それにマミさん」

仁美「おはようございます」ペコリ

ゆま「おはよー!」

マミ「あら、おはよう三人とも。 それと美樹さん、これはそういうのじゃないわよ」

キュゥべえ(さやかにまどか、それと……)

仁美「?」

キュゥべえ(……まあいいや)

仁美「なんでしょう、とても酷い扱いを受けた気がしますわ」


さやか「またまたー、朝から手を取り合って見つめ合っちゃって」

さやか「『マミ、今日も綺麗だね』」

さやか「『やだもう、キュゥべえったら///』」

さやか「なーんちゃって」

マミ「この子にそんなロマンチックな真似ができると思う?」

さやか「無理だね」キッパリ

マミ「でしょ? だから、美樹さんが思ってるようなことは絶対にないわよ」

まどか「でも、マミさんとキュゥべえだったらお似合いだと思うな」

ゆま「ゆまもマミおねえちゃんなら、おにいちゃんのことまかせられると思うよ!」

マミ「ちょ、ちょっと……もう……///」

仁美(長く慣れ親しんだ幼馴染が自らの本当の気持ちに気付き晴れてカップルになり幸せな夫婦生活を営むですって……)

仁美「イケますわッ!」グッ

キュゥべえ「!?」ビクッ


さやか「あーあ、あたしもマミさんみたいな美人な幼馴染とゆまちゃんみたいな可愛い妹が欲しいなー」

マミ「あら、褒めたって何も出ないわよ」クスッ

さやか「この笑顔を独り占めできるなんて……本当にあんたは幸せ者だね……」

キュゥべえ「そうかい?」

まどか「うんうん」

さやか「くそー! 幼馴染がダメなら嫁にしちゃうもんねー!」ダキッ

まどか「てぃひひっ、わたしもー!」ダキッ

マミ「やんっ、もう、仕方ない子たちね……」


仁美(いけませ……いや、まだだ……まだ様子を見るんだ……)

ゆま「おにいちゃん、マミおねえちゃんがとられちゃうよ?」

キュゥべえ「まさか。 ただの冗談じゃないか」ヤレヤレ

さやか「なにをー、あたしは本気だぞー!」

まどか「わたしもー!」

マミ「あらあら」フフッ

仁美(くるか……?)

キュゥべえ「それに、マミが僕からそう簡単に離れて行くとは思えないしね」


さやまど「「おおー……」」

マミ「なっ、なな……///」

仁美(キマシタワー!)グッ

さやか「こ、これが亭主の貫禄……っ!」

マミ「み、美樹さんっ!///」

まどか「なんだか羨ましいなぁ~」

仁美「結婚式挙げたら起こして」

マミ「もーっ! そんなんじゃないってばっ!///」プンプン

キュゥべえ(事実だと思うんだけどなあ)


キュゥべえ「幼馴染と言えば、最近上條恭介とはどうなんだい?」

さやか「ふぇっ!? な、なんでそこであいつの名前が出るわけっ?」

仁美「そう言えば、昨日も上條君のことを話してましたわね」

マミ「あ、あら、美樹さんも人のこと言えないわね」

さやか「ぬ、ぬぐぐ……おーっともうこんな時間かー! 遅刻しちゃうぞ! 走れー!」ダッ

まどか「あ、逃げた」

仁美「追いますわよ!」

ゆま「おー!」

キュゥべえ「やれやれ……」

マミ「ほら、ボーッとしてないの」グイッ

キュゥべえ「ちょっ……なんで僕まで」

マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかがマミ、QBの蘇生願いを願ったら
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって


―――
――


校舎に着き、マミ、ゆまと別れ教室へと向かう

キュゥべえ(やれやれ……やっと静かになった)

キュゥべえ(とりあえず、現時点で判明した情報をまとめてみるか)

キュゥべえ「……この名前は無理があると思うけどなあ」


>千歳 九兵衞
見滝原学園中等部に通うごく普通の中学二年生

>千歳 ゆま
見滝原学園初等部に通うキュゥべえの義妹

>巴 マミ
見滝原学園中等部に通うキュゥべえの幼馴染
中学三年生

>鹿目まどか・美樹さやか・志筑仁美
クラスメイト


キュゥべえ「さやかとまどかがいるなら“彼女”もいると思ったけど……」

??「おーい」

キュゥべえ(何だ……見ない顔だな……)

??「いやー、これはこれは、学園内でも有名なべえさんじゃないですか」

キュゥべえ(こういうのは無視に限る)

中沢「どーも、俺の名前は中沢……って、友人を無視するなよ!」

キュゥべえ「君と友人になった覚えはないんだけどなあ」

>中沢
友人(?)、モブ

中沢「うわこれどうしようもなくねえ?」


恭介「いつものことじゃないか」

>上條恭介
クラスメイト、美樹さやかの幼馴染

恭介「こいつらしいというかなんというか……」

キュゥべえ(上條恭介……僕の記憶では入院中だったような)

中沢「くっ……校内屈指のモテモテ美人を幼馴染に持ち自らも人気大絶頂のべえさんは俺みたいな凡人は相手にしてられないってか!」

恭介「落ち着け」

キュゥべえ「……恭介、腕の調子はどうだい?」

恭介「ん? 良好かな、一時期はどうなるかと思ったけどね」

中沢「結局軽傷で済んだもんなあ」

キュゥべえ(……)

始業を知らせるチャイムが鳴り、教室の扉が開く

早乙女「はーい、席についてー」


―――
――


早乙女「さて、今日は転校生を紹介します」

さやか「そっちが先だろー!」

中沢(あれ、俺の見せ場が……)

早乙女「暁美さん、入って来て下さい」

ほむら「……」ガラッ

キュゥべえ(暁美ほむら……イレギュラーと言えば彼女だけど……)


ほむら「あ、暁美ほむらです……」モジモジ

キュゥべえ(あれ……? 僕の知ってる彼女とは少し違うな、眼鏡なんかきけてたっけ)

ほむら「よっ、よろぴっ……」

キュゥべえ(噛んだ)

さやか(噛んだね)

まどか(うん、噛んだ)

ほむら「……よろしくお願いします……///」カアァァ

>暁美ほむら
病弱な転校生


―――
――


―休み時間―

「ねえねえ、どんな学校に通ってたの?」
「部活とかは?」
「胸のカップは?」
「ほむほむってなんだよ?」

ほむら「え、えと……」アワアワ


さやか「転校生さん、大人気だね」

まどか「わたしもお話ししてみたいなー」

仁美「一目惚れですのね」クスッ

まどか「それはない」

さやか「それはない」

仁美「……」


中沢「あの眼鏡の下に隠された素顔は圧倒的なポテンシャルを秘めている可能性が素粒子論的な観点から観測できる……?」

恭介「そんなこと言われても……どう思う?」

キュゥべえ(暁美ほむら……しばらく様子を見るのも手だけど……)

キュゥべえ「……」スッ

二人「「?」」

キュゥべえ「まどか、ちょっと」

まどか「どうしたの?」


<ワイワイガヤガヤ

ほむら(ど、どうしよう……)

まどか「ちょ、ちょっとごめんね……えっと……」

キュゥべえ「少しほむらを借りて行くよ」

「「「!?」」」

さやか「おお……」

仁美「なん………………だと………………?」

中沢(これが噂の肉食系だというのか……?)


まどか「えっと、暁美さん心臓が弱いから……」

キュゥべえ「そろそろ薬を飲む時間だと聞いたけど?」

ほむら「へっ? あ、は、はい……」

「あー、なるほど」
「ごめんねー」
「ちっぱいだもんねー」
「きゅっぷいぺろぺろ」

キュゥべえ「じゃ、行こうか」

さやか(あれ? 保健係はまどかだけだったような……)


―――
――


まどか「ごめんね、みんなはしゃいじゃって。 転校生なんて初めてだから」

ほむら「い、いえ! 全然気にしてないですからっ」

キュゥべえ「……」

まどか「あ、わたしは鹿目まどか。 保健委員だから、もし何かあったら言ってね」

ほむら「は、はい、よろしくお願いします、鹿目さん。 それと……」

キュゥべえ「僕の名前はキュゥべえ、よろしくね、ほむら」ニコッ

キュゥべえ(……さて、どうでる?)


ほむら「え、えっと……その……」

まどか「キュゥべえ……暁美さんが困ってるよ……」

キュゥべえ「困らせるようなことをした覚えはないよ?」

キュゥべえ(……やはり、僕のことを……)

まどか「この子は千歳九兵衞」

キュゥべえ(相変わらずこじ付け感たっぷりだね)

ほむら「千歳……くん?」

キュゥべえ「キュゥべえでいいよ、ほむら」ギュッ

言いもってほむらの手を取り、同じように薬指を確認する


ほむら「は、はわわ……///」

まどか「!」

キュゥべえ(……ソウルジェムはなし、か)

ほむら「よ、よろしく、です、あの」アタフタ

キュゥべえ「そんなに緊張しなくてもいいと思うんだけどな、ただのクラスメイトなんだし」ニコニコ

ほむら「クラスメイト……う、うん、ありがとう///」

まどか「……」ムゥ

キュゥべえ(この反応が偽物なのか本物なのか……少し判断に困るね)


まどか「そう言えば、どうしてキュゥべえまでついて来てるのかな? 保健係でもないのに……」

ほむら「え? そうなんですか?」

キュゥべえ「ほむらのことが気になるからだよ。 他に理由が必要かい?」

ほむら「ふぇっ!?」

まどか「だっ……」

キュゥべえ「?」

ほむら「……///」プシュー

まどか「ダメだよそんなの!」


キュゥべえ「どうしてだい?」

まどか「えっ、と、それは……ほら、マ、マミさんが怒るよ、うん」

キュゥべえ「そこでマミの名前が出る理由が分からないんだけど……それに、転校生のことが気になるのは他の皆だって同じだろう?」

まどか「あ……な、なーんだ……そういうことか……」ホッ

ほむら「あ、あはは……」

キュゥべえ(ほむらについて探られると困るようなことでもあるのか……?)

眠気で頭がティロティロがうんたらかんたらおやすみなさい

キュップィペロペロ(^ω^)

メガほむペロペロ(^ω^)

キュップィペロペロ(^ω^)

メガほむペロペロ(^ω^)

キュップィペロペロ(^ω^)

>>1はまだ起きてないのか

メガほむペロペロ(^ω^)

キュップィ


―――
――


―保健室―

教師は不在のようだ
ほむらをベッドに寝かせ、薬を渡す

ほむら「――ふぅ」コクン

ほむら「ごめんなさい、二人とも。 迷惑かけちゃって……」

まどか「そんなことないよ」

キュゥべえ「僕は君と話がしたかったからついて来ただけだしね」

まどか「もうすぐ授業始まっちゃうけどね……」アハハ

キュゥべえ「もうそんな時間か……ほむらはどうするんだい?」

ほむら「私は……うーん……」

まどか「わたしはもうちょっと休んでたほうがいいと思うな」

キュゥべえ「まあ、無理はあまり良くないだろうしね」

ほむら「うん……じゃあもう少しだけ、休んで行こうかな」


まどか「あ、それとね」

ほむら「?」

まどか「わたしもほむらちゃんって呼んでいいかな……なんだか、かっこいい名前だから」

ほむら「そう、かな……」

まどか「こう、もえあがれーって感じで」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

まどか「え、そうかな……?」


ほむら「そんな……名前負けしてますよ……」

まどか「だったらさ、ほむらちゃんもかっこよくなっちゃえば「わけがわからないよ」」

まどか「……」

キュゥべえ「どうやったらそんな結論に至るんだい?」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

まどか「もー! 二回も言わなくていいの!」プンスカ

ほむら「ふふっ」クスッ


キュゥべえ「まあ、名前なんてものはあくまで個人を見分けるための記号でしかないんだし、それほど重く受け止めるものでもないと思うよ」

まどか「うーん……そんなものかなあ……」

ほむら「あの……それより、時間は大丈夫なんですか?」

まどか「あ、ほんとだ」

キュゥべえ(……戻るか、残るか)


キュゥべえ「……まどか、僕は残るよ。 ほむらともう少し話がしたいからね」

まどか「ええー、さぼりは良くないよ……」

ほむら「わ、私と話なんかしても、楽しくないですよ……?」

キュゥべえ「僕が残ると迷惑かい?」

ほむら「そ、そんなことない、けど……」

キュゥべえ「なら問題はないね」

まどか「仕方ないなあ……じゃ、また後でね」


ほむら「ありがとうございます、鹿目さん」

まどか「まどかでいいよ、ほむらちゃん」

ほむら「う、うん……まどか、さん」

まどか「てへへ。 それじゃあキュゥべえ、ほむらちゃんに変なことをしちゃダメだよ?」

ほむら「へ、変なことって……」

キュゥべえ「善処するよ」

苦笑いを浮かべ、まどかが去って行く
予定通り、暁美ほむらと自身だけが保健室に残ることになった


キュゥべえ(さて……どう切り出すか)

ほむら(二人っきり……二人っきり!?)

キュゥべえ(遠回しに聞いたところで、はぐらかされたら意味がない)

ほむら(い、今更になって緊張してきちゃった……)

キュゥべえ(となると……)

ほむら(へ、変なことされちゃったりするのかな……)ドキドキ


キュゥべえ「ねえ、ほむら」

ほむら「ひゃいっ!?」ビクッ

キュゥべえ「?……まあいいや」

ほむらのすぐ近くに腰掛ける
ベッドの軋む音が室内に響く

キュゥべえ「やっと二人っきりになれたね」ニコッ

ほむら「は、はひっ!」

ほむら(お、落ち着こう、うん、落ち着こう)


キュゥべえ「実は君を初めて見たときから、二人っきりで話がしたかったんだ」

ほむら「えっ、そ、それって……」

ほむら(ももももしかしてもしかしてもしかしていやでもそんなことはうんきっと罰ゲームなのよ罰ゲーム)

キュゥべえ「ほむら、君にお願いがある」

ほむら「な、なに、かな?」

ほむら(ずっと入院してたからってすぐ騙されると思ったら間違いだよ、うん!)

キュゥべえ「……僕と……」

ほむら「……」ゴクリ

ほむら(で、でももし本気だったら……やっぱりお友達からとかそんな感じで……)


キュゥべえ「僕と契約して、魔法少女になってよ!」



ほむら「…………」


ほむら「……………………」


ほむら「………………………………は?」


キュゥべえ(この反応……無関係と見て良さそうかな)

ほむら「えっ……と…………」

キュゥべえ(とはいえ、いつ何が起こるかもわからないし……マークしておいて損はない、か)

ほむら(……からかわれてるのかな)

キュゥべえ「驚かせたようだね、悪かったよ」

ほむら「いや、驚いたというか……」

キュゥべえ「さっきのをどう解釈するかは君次第さ」

ほむら「は、はあ……」


キュゥべえ「さて、と……」

ほむら「もう行くの?」

キュゥべえ「君とはクラスメイトだから、いつでも話せるしね」

ほむら「そうだけど……」

ほむら(二人っきりで話したかったのはあれだけなのかな……)

キュゥべえ「だから、もし何かあれば遠慮なく僕やまどかに相談してよ」

ほむら「え……」

キュゥべえ「きっと力になれるはずさ」

ほむら「……うん、ありがとう、キュゥべえ」

キュゥべえ「それじゃあ、お大事に」

まどっちペロペロ(^ω^)


―――
――


ほむら「……ふう」

ほむら「変わった人だったな……」

ほむら(魔法少女、ってアニメの話かな……?)

ほむら「ううーん……わかんないや」

先ほどの彼の言葉を思い出す
“クラスメイトだから”
何処まで本気かはわからない、けれど

ほむら(少し、うれしいかな)

魔法少女とかいうのも、もしかしたら私の緊張を和らげる冗談だったのかもしれない

ほむら「キュゥべえ、か……ふふ、変なの」


―――
――


教室に戻るか、校内をうろつくか
どちらも得策ではない
そう考え、ひと気のない屋上へと向かう

キュゥべえ「暁美ほむら、巴マミ、千歳ゆま、三人共にソウルジェムはなし」

キュゥべえ「鹿目まどか、美樹さやか……もちろん志筑仁美も同様、か」

キュゥべえ「わけがわからないよ……本当に」

キュゥべえ「……そう言えば、次は体育だね」

すこし用事

メガほむペロペロ(^ω^)

マミほむって中指に指輪してた記憶が

それはそうとQBうらやま

ちゃん

(^ω^)

キュップィ

m

m

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

>>155
なん………………だと……………?

やっちまったな!


―――
――


「今日の体育はドッジボールだぞー」

―体育―

キュゥべえ(結局手がかりはなし、か)ヒョイ

キュゥべえ(まあ、気長に調べて行くしかなさそうだね)ヒョイッ

キュゥべえ(まるで悪い夢を見てるみたいだ)サッ

キュゥべえ「そうか……夢と言えば……」

中沢「いい加減当たれよ!!」


キュゥべえ「やだ」

中沢「こいつ……せえい!」ブンッ

キュゥべえ「おっと」パシッ

中沢「ちくしょー! 涼しい顔して「きゅっぷい」ぐほぁーっ!」バキャッ

恭介「顔面!?」

キュゥべえ(ほむらの攻撃に比べたらなんと避けやすいことか)

中沢「こいつ……どんな運動神経なんだよ……」

恭介「まだ終わっちゃいないぞ!」

中沢「!」


恭介「確かにあいつは物凄い運動神経をしてるかもしれない、だけどこっちは二人だ、それにあいつだって人間なんだ、いつかは限界がくる ――ちっとばかし長いプロローグで絶望するなよ! 始めようぜ! 集中攻撃!」グッ

中沢「上條……ああ、そうだな!」グッ

中沢「おらあぁぁぁぁ!!!」ブンッ

キュゥべえ「……」パシッ

中沢「ちょっ「きゅっぷい」 ごっ、があぁぁぁぁっ!!」グチャッ

恭介「あちゃー……」

中沢「これが……補正か……」ガクッ

恭介「くっ、とりあえず仇は……って、ボールは?」

キュゥべえ「ここだけど」

恭介「……ああ、跳ね返っ「きゅっぷい」 ぎゃふん!」メメタァ

キュゥべえ「やれやれ……」


―――
――


キュゥべえ「で」

キュゥべえ「どうして僕が後片付けをしなきゃいけないのかな?」

先生「前の授業をさぼってたからに決まっとるだろ」

恭介「暁美さんと二人で何をしてたのやら……」

中沢「そのことについて後でじっくりと聞かせてもらおう」

キュゥべえ「……はあ」


―体育倉庫―

キュゥべえ「おや」

ほむら「あ……」

キュゥべえ「どうしたんだい?」

ほむら「後片付け頼まれちゃって……」アハハ

キュゥべえ「大丈夫なのかい? 体の方は」

ほむら「うん、ちょっとくらいなら……多分……」

キュゥべえ「……大方、押し付けられたのを断れなかったといったところかな」ハァ

ほむら「うっ……」ギクッ

メガほむペロペロ(^ω^)


キュゥべえ「やれやれ……仕方ない、僕がやっておくよ」

ほむら「そ、そんな、悪いよ」

キュゥべえ「ほむら、僕は君の体が心配なんだ」

ほむら「えっ、あ、うん……ごめんね……ありがとう」

キュゥべえ(ここで倒れられでもしたら困るしね)

ほむら「でも……」

キュゥべえ「……やれやれ」

キュゥべえ「そっちのは軽いから、君に任せるよ」ヒョイ

ほむら「!……う、うんっ」トテトテ

キュゥべえ(虚弱体質、そして気弱な性格……それらが彼女のコンプレックスだったというわけか)

キュゥべえ(今の僕にはあまり関係のない話だけど)

―――
――


キュゥべえ「これでよし、と……そっちはどうだい?」

ほむら「うん、終わったよ。 それにしても、広いね……ここ」

キュゥべえ「俗に言うマンモス校というやつだからね、その分倉庫も――」

ガチャン

ほむQ「「?」」

ほむら「今の音……」

キュゥべえ「やれやれ……できればトラブルは避けたいところなんだけどな」スタスタ

ほむら「トラブルって……」


ほむら「扉が……」

キュゥべえ「閉じ込められたみたいだね。 さすがにこれはどうしようもないや」

ほむら「ど、どうしよう?」

キュゥべえ「いや、どうしようもないんだってば」

ほむら「そ、それじゃあ……」

キュゥべえ「すぐに誰か気付くだろう。 それまで待つしかないね」

ほむら「ほ、本当に?」

キュゥべえ「さあね」


キュゥべえ「……」

ほむら「……」

キュゥべえ「…………」

ほむら「…………」

キュゥべえ「………………」

ほむら「……誰も来ないね」

キュゥべえ「そうだね」

キュゥべえ(参ったな、初日からこんなトラブルに出くわすなんて……)

ほむら「……」

キュゥべえ(さすがに蹴破る力はないし、かといってこのままというのも……)


ほむら「……」

キュゥべえ「……」ウーン

ほむら「……」モゾモゾ

キュゥべえ「……?」

ほむら「……」モジモジ

キュゥべえ「……ねえ、ほむら」

ほむら「な、何……?」

キュゥべえ「まさかとは思うけど、尿意でも催したのかい?」

ほむら「っ……」

キュゥべえ「……」

ほむら「…………///」コクリ



キュゥべえ「…………はあ」

ほむら「しっ、仕方ないじゃない、だって……///」

キュゥべえ「生理的なものだからね、まあ仕方ないとは思うよ」

キュゥべえ「とはいえ、処理に困るのも事実だね」

ほむら「しょ、処理って……我慢するから大丈夫だよ……」

キュゥべえ「我慢できれば、ね……あ」


キュゥべえ「そうか、飲めばいいのか」ポン



ほむら「……」



キュゥべえ「問題は受け止めきれなかった場合だけど……それはその時考えるか」

ほむら「…………」ズザザッ

キュゥべえ「どうして距離を取るんだい?」

ほむら「……へんたい」


キュゥべえ「誤解しないで欲しい。 僕は最適解を示しただけ「変態」……」

ほむら「……」ジトー

キュゥべえ「……そこらに撒き散らすよりはましだと思ったんだけどなあ」

ほむら「我慢しますからいいです」

キュゥべえ「そうかい? まあ我慢できなくなったら「できます」」

キュゥべえ「案外強情だね、君も」ヤレヤレ

ほむら「そういう問題じゃないと思う」


―――
――


ほむら「……」

キュゥべえ(……べたべたして気持ち悪い)

ほむら(……が、我慢我慢)

キュゥべえ「……」ガサゴソ

ほむら「ストップ」

キュゥべえ「なんだい?」

ほむら「なんで脱ごうとしてるの?」

キュゥべえ「汗で張り付いて気持ち悪いからだけど?」

ほむら「ダメ」


キュゥべえ「安心しなよ、僕はそういうの気にしないから」

ほむら「わ、私が気にするの!!」

キュゥべえ「ふむ、なら仕方ない」

ほむら(っ……大声出したから……)ブルッ

ほむら(…………我慢、我慢)

キュゥべえ「大丈夫かい? 顔色が悪いみたいだけど」

ほむら「ち、近付かないで!」

キュゥべえ「?」

ほむら「今動かしたら、出ちゃうかも……」プルプル

キュゥべえ「やっぱり飲「うるさい!」」


ほむら(でも、どうしようこのままじゃ……)

ほむら(漏らしたらきっと笑われる……)

ほむら(だからってひ、人前でおしっこなんて……///)

キュゥべえ(あまり興奮させてもいけないし、これ以上余計なことを言わないでおくかな)

ほむら(もしかして、実は飲んでもらうのっていい考えなんじゃ……)

ほむら(服も汚れないし、証拠も残らない)

ほむら(って、ダメダメ何考えてるの私!)ブンブン

ほむら(こ、このままじゃ私まで変態になっちゃう!)


キュゥべえ「ほむら」

ほむら「はひっ!?」

ほむら(も、もしかして私じゃなくて向こうが我慢出来なくなったの!?)

ほむら(こ、このままじゃ……)

ほむら(私が漏らしちゃうまで舌を挿しこんでぺろぺろしたりされちゃって限界がきたわたしのおしっこを飲むんだけどなかなか止まらなくて途中からあれ、これはおしっこじゃな)

キュゥべえ「もうすぐ出られるよ」

ほむら(いね? どうしたんだいこれはとかいって出られる……え、出られる?)

ほむら「……え?」

ばんごはん食べてくる

っさむ

マミ「あなた誰なの?」
QB「ああ。確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよ ちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

きゅっぷいきゅっぷい


ガチャリ、と鍵の外れる音がして、徐々に扉が開かれる

「織莉子ー、確かこの奥で良かったんだよね……って……」

「ええ……あら?」

キュゥべえ「ほらね」

ほむら「よ、良かった……」ホッ

キリカ「……何をしてるんだい、こんなところで」

織莉子(体育倉庫で二人っきり……)ハッ


キュゥべえ「閉じ込められたのさ、説明は後でいいかい?」

キリカ「私は構わないけど……織莉子、どうする?」

織莉子(ま、まさか……いけないわそんなこと、学園の風紀が乱れる!)

キリカ「織莉子?」

キュゥべえ「ほむら、立てるかい?」

織莉子(しかも男子のほうはよりによってこの子だなんて……)

ほむら「…………」フルフル

織莉子(そうよ、ここは見滝原学園生徒会会長としてビシッと言うべきだわ)

キリカ「おーりーこー?」


キュゥべえ「やれやれ……」ヒョイッ

ほむら「きゃっ……ちょ、ちょっと、あの」

キュゥべえ「それじゃあまた」タタッ

キリカ「あ、行っちゃった……」

織莉子「破廉恥よっ!!」クワッ

キリカ「おりこー、難しい漢字は読めないよー」


>美国織莉子
見滝原学園生徒会会長兼ソフトボール部部長
とてもえらい人

>呉キリカ
見滝原学園生徒会副会長兼マスコット
よくすべってこけて小銭をばらまいている、重度の人見知り


―――
――


ほむらをトイレの個室に届け、教室へと戻る

キュゥべえ(あの二人、特に織莉子までいたとはね)ガラッ

さやか「あ、戻って来た」

まどか「どこ行ってたの? 先生呆れてたよ……」

キュゥべえ「少し閉じ込められてただけさ」

さやか「閉じ込められてたって、あんたねえ」

仁美「一日二回もさぼるのはあまりよくないかと……」

恭介「まあ、丸一年授業に出なくてもこいつのことだから」

さやか「マミさんに教える側だもんね……」

中沢(いろいろ格差がひどい)

―――
――


―昼休み―

まどか「そろそろマミさんがお弁当持って来る頃だね」

さやか「マミさん手作りの愛妻弁当とか……世の男どもが泣いて欲しがるよ」

キュゥべえ「中身は普通だけどね」

仁美「いいえ、きっと深い愛情がこもっていますわ!」フンス

まどか「あはは……」


ほむら「あの……」

まどか「あ、ほむらちゃん。 ちょうど良かった、お昼ご飯一緒に食べようよ」

ほむら「え? い、いいのかな……」

仁美「ええ、もちろん」

さやか「かのキュゥべえ君が興味を持った数少ない人物ですからなあ」

ほむら「そうなんだ……」

まどか「あんまり他人のことに興味なさそうだもんね……」

仁美「ドライ、と言えなくもありませんね」

キュゥべえ(本人の前でする話じゃないと思うんだけどな)


キュゥべえ「ところでほむら、間に合ったのかい?」

ほむら「えっ!?……う、うん、まあ、なんとか……///」

まどか「間に合った? 何かあったの?」

ほむら「な、何でもないよ! ね!」

キュゥべえ「……こっちの話さ」

ほむら「……」ホッ

さやか「なーんか、怪しいなー」

ほむら「あ、怪しくなんかないですよっ!」アタフタ

さやか「ほほーう……」ニヤニヤ


―屋上―

マミ「はい、お弁当」

キュゥべえ「いつも悪いね、マミ」

マミ「ふふ、どういたしまして……それで、そっちの子は?」

ほむら「あっ、は、初めまして」ペコリ

ほむら(綺麗な人だな……)

キュゥべえ「彼女は暁美ほむら、今日転校してきた子だよ」

マミ「……」


キュゥべえ「マミ?」

マミ「……そう、初めまして、私は巴マミ」

ほむら「は、初めまして」

マミ「キュゥべえの幼馴染よ」ニコッ

さやか「そこで幼馴染を前面に出してくるあたり、無意識にキュゥべえのことを考えてるってのがわかるね」

マミ「えっ…… あ! ち、違うの、これは、そのっ」アタフタ

ほむら「……仲、良いんですね。 羨ましいな」

マミ「えっと……まあ、悪くはない、わね」

キュゥべえ「まあ……そうだね」


さやか「ほほう……べえさんや、二人っきりになるとマミさんはどのようにデレるのかこの私めに教えて下さいませぬか?」ニヤニヤ

まどか「確かにちょっと気になるかも……」

マミ「で、デレたりなんかしませんっ///」

キュゥべえ「二人っきり、ねえ……」ウーン

マミ「あなたも答えようとしなくていいの!」グイッ

キュゥべえ「きゅっ! し、締まってるよ……」


仁美「怪しいですわね……」フフフ

まどか「仁美ちゃん、悪人顔になってるよ……」

マミ「ほら、行くわよ」グイグイ

キュゥべえ「やれやれ……何を怒ってるんだか」ズルズル

マミ(……)

ほむら(キュゥべえにお礼言いそびれちゃったな……)

キュゥべえ「二人っきり、ねえ……」ウーン

―――
――


キュゥべえ「きゅっ! し、締まってるよ……」

マミ「あなた誰なの?」
QB「ああ。確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよ ちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって


―――
――


暁美ほむらを迎えての昼食
彼女について得られた情報は、既に知り得たものばかり

何事もなく学校が終わり、下校時刻になる
変わったことと言えば、下駄箱に入っていた宛先不明の手紙をマミにひったくられたくらいだろうか

さやか「仁美は相変わらず忙しいんだなー、今日も一緒に帰れないなんて」

マミ「お嬢様も辛いわね……」


ほむら「あ、それじゃあ、私はこっちなので……」

さやか「ん、それじゃあね」

まどか「また明日」

マミ「さようなら、暁美さん」

キュゥべえ(ここでほむらについていく選択肢もあるにはあるが……)

ほむら「さようなら、みなさん」


ほむら「 それと、キュゥべえ」

キュゥべえ「なんだい」

ほむら「今日は、その……色々とごめんなさい」

キュゥべえ「ああ、気にしてないよ、別に」

ほむら「そっか、ふふ、ありがとう……それじゃ」

まみさんお姉さんポジで世話してるところはかわいい
こういうまみさんは魅力を感じないな、恥ずかしい台詞にどうじないしむしろ自分からバンバンいってそう


さやか「なーんか、訳ありって感じ?」

まどか「……そういえば、ほむらちゃんと何を話してたの?」

キュゥべえ「なんのことだい?」

まどか「ほら、保健室で二人っきりになった時」

マミ「…………二人っきり?」

キュゥべえ「特にこれといった話はしてないよ。少し緊張気味だったから、それを和らげる手助けにはなったみたいだけどね」

マミ「……」


さやか「とかなんとか言って、本当は口説いてたりして」

キュゥべえ「それは――」

マミ「それはないわよ、だってキュゥべえよ?」

さやか「ははっ、それもそうだね」

まどか「勘違いさせる行動は多いんだけどね……」

さやか「はっ、それで転校生も……?」

マミ「だとしたら、ちゃんと言ってあげなきゃね。 もっといい男を捕まえなさいって」

キュゥべえ「酷い言われようだね」

マミ「ふふ、ごめんなさい」


その後、さやか、まどかと別れ、マミと二人になる

キュゥべえ(……家に帰って自分の過去でも調べてみるか)

キュゥべえ(何故ゆまが“義妹”なのか……そして……)

マミ「ねえ」

キュゥべえ「ん、なんだい?」

マミ「……眼鏡」

キュゥべえ「?」

マミ「眼鏡かけてる子が、好きなのかな、って」

キュゥべえ「 どうしてそう思ったんだい? わけがわからないよ」

マミ「……なんでもない」


キュゥべえ「君が何を考えてるのかわからないけど……僕はそういうことには特に拘っているつもりはないね」

マミ「そう、よね……うん、そうよね」

キュゥべえ「どうしてそんなことを?」

マミ「……言わない」

キュゥべえ「そうか、ならいいよ」ハァ

マミ「……」ジトー

キュゥべえ「……?」

マミ「……ふんだ」プイッ

キュゥべえ「やれやれ、君はたまに子供のような反応をするね」

キュップィペロペロ(^ω^)

メガほむペロペロ(^ω^)

キュップィ

キュップィ

ペロペロ(^ω^)

マミ「あなた誰なの?」
QB「ああ。確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよ ちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの魔法少女全員生存ワルプルギス撃破 誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

キュップィ

あまりの保守の多さに呆れた マジで速報でやれ

キュップィ

メガほむん

食べたい

キュップィ

まだ残っているという事実に驚きを隠せない


―――
――


キュゥべえ「ただいまー」

ゆま「おかえりー、おにいちゃん!」ギュッ

キュゥべえ「ゆま、抱きつかれると歩きにくいよ」

ゆま「はーい」パッ

キュゥべえ「ところで、この家にアルバムってあったよね」


ゆま「……」ピクッ

キュゥべえ「……?」

ゆま「……」

キュゥべえ「ゆま?」

ゆま「……ゆまね、今日テストがあったんだ!」

キュゥべえ「え……うん、それで?」

ゆま「ちょっと待ってね!」タタッ

キュゥべえ(これは聞けそうにないな……)


ゆまの後を追うように、部屋へと入る

ゆま「じゃーん! 80点!」バッ

キュゥべえ「頑張ったようだね」

ゆま「すごいでしょー! ほめてほめてー!」ピョンピョン

キュゥべえ「えらいえらい」ナデナデ

ゆま「えへへー♪」テレテレ

―――
――


思えばこの家は、子供が二人で住むには広すぎる

キュゥべえ(ここ、かな)

わずかな記憶を頼りに、“過去”が置かれている部屋へと足を踏み入れる

キュゥべえ「あった……」

過去の自分が映ったアルバムを開く

キュゥべえ「……」パラ

キュゥべえ「まるで作り物の笑顔だね……」

キュゥべえ「……」

キュゥべえ「……ゆまの写真は無し、か」パタン

キュゥべえ「この立ち位置は、あまり好ましくないね……」


ゆま「ゆまはそこにはいないよ」

キュゥべえ「……!」

ゆま「だってゆまは、役立たずだったから」

キュゥべえ「……」

ゆま「ねえ、おにいちゃん」

ゆま「ゆまは役立たずだと思う?」

キュゥべえ「……」

ゆま「ゆまはいないほうがいいと思う?」

キュゥべえ「……」

ゆま「……」


キュゥべえ「……その問いに対する答えを、僕は持ち合わせていない」

ゆま「っ……」

キュゥべえ「ただ、ゆまがいることで色々と助かってはいるし、それに義理とはいえ、君は僕の妹だ」

キュゥべえ「事情はどうあれ、それは揺るぎようのない事実さ」

ゆま「……」

キュゥべえ「少なくとも今の僕は、それを否定する気はないよ」ポン

ゆま「んー……」

キュゥべえ「……」


ゆま「むずかしくてわかんない」ニコッ

キュゥべえ「…………はあ」ヤレヤレ

ゆま「そんなことよりおにいちゃん、晩御飯は何がいい?」

キュゥべえ「ゆまの好きなものにするといいよ」

ゆま「もー、そういうのダメなんだよ」

キュゥべえ「そう言われても、すぐに思いつくものでもないし……」

ゆま「やれやれ……なんちゃってー」エヘヘ

―――
――


千歳家にとって、実子はゆまのほうだった

気味が悪い程にでき過ぎた義兄をもった時点で、彼女の運命は決まっていたのだろう

役立たず――そう罵られる運命が

キュゥべえ(僕の存在が彼女に大きく影響しているのは確かだ)

千歳ゆまにとって兄は絶望をもたらす者であり
唯一自分を認めてくれる希望でもあった

キュゥべえ(少しでも対応を間違えれば……)

そしてそれは、彼女も同じなのだろう
事故で両親を失い、魔法少女にならざるを得なかった少女を思い浮かべる

―――
――


台所で夕食の用意をする妹の後姿を眺めながら、ふと思う
小学生の妹に家事を押し付けるのはいかがなものか、と

キュゥべえ(求められたら手伝うから問題ないか)

キュゥべえ(そんなことより、今後のことを考えないとね)

キュゥべえ「……やはり、彼女に接触するべきかな」

魔法が存在しないのなら、父のために願い、その父によって魔女と罵られた彼女は今、どうなっているだろうか


キュゥべえ「ゆま」

ゆま「んー?」

キュゥべえ「明日……いや、明日からしばらく帰りが遅くなるよ」

ゆま「どこかへ出かけるの?」

キュゥべえ「神に祈るという行為に、どれほど価値があって、どれほど価値がないのか調べに行こうと思ってね」

ゆま「ふーん、よくわかんない」

キュゥべえ「……」

キュゥべえ(マミなら喜んで乗ってくれるんだけどなあ)


ゆま「うーん……それじゃあ……」

キュゥべえ「?」

ゆま「今日はいっしょにお風呂にはいってほしいな」

キュゥべえ「なんだ、そんなことか」

ゆま「それで、いっしょに寝てほしいな」

キュゥべえ「うん、構わないよ」

ゆま「やったー!」


―――
――



――幼児性愛という言葉がある



千歳ゆまの身体は、まだ少女にすらなりきれていない


手触りのよい、さらりとした髪
全体的に丸みを帯びたフォルム
乳白色の肌に淡く添えられた薄桃色の蕾
そして、外部からの侵入を拒否するように閉じられた、一本の筋


「おにいちゃん……いいよ」


いつもはあどけない笑顔を浮かべるその顔には、不安の表情
震える声が、耳を優しく撫ぜる


千歳ゆま自身はどうなのだろうか
彼女の立ち振る舞いは、年相応と言える
だが、その本質は同年代の少女たちよりも、少しだけ育っている

「ふぁっ……くすぐったいよ……」

ゆえに少女は、未成熟の体に、少しばかり“女”を匂わせる
それはどこか不安定で――とても背徳感を滾らせる

「んっ……痛っ……」

ほんのりと紅潮した頬、そして身体が、ピクリと震える


キュゥべえ「ちゃんと目を瞑ってないからだよ」

ゆま「つむってるよ~」

ちなみに千歳家の風呂場では、兄が妹の頭を洗ってやるという何とも微笑ましい光景が繰り広げられていた

キュゥべえ「ほら、流すよ」

ゆま「ん~」

微笑ましい光景である


キュゥべえ「浴槽に二人は狭いと思うんだけど……」

ゆま「だめー♪」

妹の小さな体を抱え、湯船につかる

ゆま「……♪」ムニッ

キュゥべえ「っ……ゆま、あんまり動くと……」

本体の動きに合わせ、股間を直接刺激する妹の柔らかな臀部の感触を噛み締めながら、少年は円周率をひたすら数え続けた

エントロピーだし

およそ50000桁ほど思い浮かべたところで、少女がのぼせたことを告げ、バスタイムは終わりを告げた

キュゥべえ「ゆま、今度入る時は浴槽に一人ずつ入ることにようよ」

ゆま「やだ!」ニコッ


―――
――


キュゥべえ(何故かとても疲れたような気がする)

ゆま「おにいちゃんのベッドー!」ボスン

キュゥべえ「もう夜も遅いから、あんまり暴れちゃ駄目だよ」

ゆま「はーい」コロン

キュゥべえ「やれやれ……」



ゆま「ねえ、おにいちゃん」

キュゥべえ「なんだい?」

ゆま「おにいちゃんは、ゆまを一人にしないよね?」

キュゥべえ「まあね、そのつもりさ」

ゆま「えへへー」ギュッ

キュゥべえ(……そう言えば、体のスペアなんてものはないんだったな)

ゆま「おにいちゃんおにいちゃん」クイクイ

キュゥべえ「ん?」

ゆま「ゆまね、最近色んなとこが大きくなったんだよ」

キュゥべえ「……何の話だい?」


―――
――


―翌日―

学校へ行かない選択肢もあったが、それをするとマミが何を言うのかわからないので大人しく登校する

そして、放課後。 帰り道

キュゥべえ「僕は用事があるから、先に帰っておいてくれ」

マミ「用事……? 何かあったかしら」

キュゥべえ「こちらの話さ、それじゃ」

マミ「え……うん……わかったわ」

てとす


―風見野市―

キュゥべえ「確かここらに……」

目的は、とある教会

キュゥべえ「……」ガチャリ

「人間は地上で楽しむためには、わずかの土くれがあればいいのです――」

キュゥべえ(……どうやら、まだ無理心中には至っていないようだ)

「――地下で休むためには……さらにわずかの土くれがあればいいのです」

キュゥべえ(とはいえ、この傍聴者の少なさでは……結局結末は変わらないだろうね)


―――
――


杏子「……」ザッザッ

キュゥべえ「ちょっといいかい?」

杏子「……掃除中だから、邪魔しないでくれない?」スッ

キュゥべえ(取り付く島もない)

杏子「……」

「私は正しい事をしてるんだ!!」

杏子「っ……!」ダッ

キュゥべえ「やれやれ……」


「落ち着いてください、佐倉神父」

「こんなことを続けていれば、あなたも、ご家族も破滅ですよ?」

「うるさい! 私の家族は、私が正しい道へと導く!」バタン

「佐倉神父!……行ってしまわれたか」

杏子「あの……」

「ああ……杏子ちゃんか」

杏子「ごめんなさい、父が……」ペコリ

「君は気にすることないさ……しかしこのままでは……」

杏子「……いつかは、わかってくれると、思います。 だから……」

「……そうか。 また来るよ」


杏子「……」

キュゥべえ「わかってくれるのはどっちかな?」

杏子「何さ、まだいたの?」

キュゥべえ「君の父親の話は、確かに正論だ」

キュゥべえ「だけどそれが正しいとは限らない」

杏子「……話、聞いてくれてたのか」

キュゥべえ「まあね、全く興味がないわけでもないし」

杏子「何だ、それなら早くいってくれよ。 冷やかしかなんかだと思っちゃったじゃん」

キュゥべえ「たしかに、ある意味では冷やかしかもしれない」

杏子「ん? どういうことだ」


キュゥべえ「僕が本当に興味があるのは、君だからね」

杏子「……ナンパなら、よそでやってくれよ」

キュゥべえ「ナンパ、ねえ……そういうのじゃないんだけどなあ」

杏子「だったら何なのさ、一目惚れとか?」フフン

キュゥべえ「確かに、それが一番近いかも知れないね」

杏子「……はっ、寝言は寝て言えっての」スタスタ

キュゥべえ「やれやれ……また来るよ」

杏子「もう来なくていいぞ」シッシッ


―二日目―

キュゥべえ「やあ」

杏子「マジで来やがった……」

キュゥべえ「僕は嘘をつかないからね」

杏子「自分でそんなこと言うヤツは信じられないね」フン

キュゥべえ「厳しいなあ」


キュゥべえ「ところで、君の父親の様子はどうだい?」

杏子「相変わらずさ、誰も話を聴いてくれない」

キュゥべえ「だろうね」

杏子「……なんでなんだろうな」

キュゥべえ「君は、彼の話を皆に聞いて欲しいんだね」

杏子「親父は正しいことを言ってる、アンタもそう思うだろ?」

キュゥべえ「まあ、否定はできないね」


杏子「5分でいい、ちゃんと耳を傾けてくれれば、正しいこと言ってるってわかってくれるはずなんだ。 そんで……」

キュゥべえ「皆が君の父親の話を聞き、それに賛同したとして、君はそれで良いのかい?」

杏子「……当たり前だ」

キュゥべえ「そうなったところで、君が幸せになれるとは思わないけどね」

杏子「……どういう意味だよ」


キュゥべえ「そのままの意味さ、その頃には……いや、もう既に、君の父親の目に君達は映っていないのかもしれない」

キュゥべえ「現実を否定し、理想を――奇跡を追い求めたところで、そこには破滅しか残っていないよ」

杏子「テメェは……何様のつもりだ。 事情通ですって自慢したいのか?」

キュゥべえ「少なくとも、君よりは君達のことが見えていると思うよ」

杏子「……お話にならねえな」スッ

去っていく彼女の後姿を見ながら、ため息をつく

キュゥべえ「やれやれ……少し怒らせすぎたかな」


―三日目―

キュゥべえ「うーん……」

キュゥべえ(杏子に会いに行く前に、何かしらの対策を考えておかないといけないようだ)

休み時間、校内で人気のないところを歩きながら、物思いにふける

キュゥべえ「そろそろ追い返されそうだしなあ……」

――にゃあ

キュゥべえ「ん?」

ふと目を向けると、黒猫がこちらを見つめていた
それとなく手を伸ばし、抱きかかえる

キュゥべえ(この黒猫、どこかで……)


まどか「エイミー?……あれ、キュゥべえ?」

キュゥべえ「やあ、まどか」

まどか「教室にいないと思ったら、こんなところで何してたの?」

キュゥべえ「ちょっと考え事をね。 それより、この猫……」

まどか「うん、あの時キュゥべえが助けてくれた猫ちゃんだよ!」

キュゥべえ「……」

まどか「?」

キュゥべえ「……なるほど」

まどか「どうかしたの?」


キュゥべえ「いや……ところで君は何をしていたんだい?」

まどか「あ、実はね」ガサゴソ

まどかが何かを探しているのを横目に、そっと猫を地面に降ろす

まどか「てへへー、クッキー焼いてきたの。 それでみんなに味見してもらおうと思って」

キュゥべえ(お菓子……そうか、その手があったか)


まどか「はい、キュゥべえにも一枚」

キュゥべえ「ありがとう、まどか」パクッ

まどか「……ど、どう、かな?」ドキドキ

キュゥべえ「うん、悪くないと思うよ」

まどか「良かったー……マミさんみたいにうまくできないから、心配になっちゃって」テヘヘ

キュゥべえ「競い合うようなものでもないと思うけどね。それはともかく」ポン

まどか「わ、わ」アタフタ

キュゥべえ「君のおかげでいい考えが思いついたよ、ありがとう」ナデナデ

まどか「て、てへへ……///」

キュゥべえ「もうすぐ授業が始まるね、急ごうか」

まどか「うんっ!」


―放課後―

キュゥべえ(餌付け用のえさを買っていかないと……って本人にバレたら殺害されそうだね)

帰宅の用意をし、校舎の玄関へと向かう
いつものように、マミが僕の下駄箱の前で待機していた

キュゥべえ「マミ、今日も少し用事があるんだ」

マミ「今日も、なの?」

キュゥべえ「まあね。 すこし時間がかかりそうなんだ」


マミ「そう……でも、何をしているのかぐらいは教えて」

キュゥべえ「風見野の教会に行ってるのさ」

マミ「教会……? どうしてそんなところに」

キュゥべえ「そこの神父の娘に用があってね」

マミ「娘……って、女の子に会いに行ってるの?」

キュゥべえ「そうだけど?」

マミ「……なん、で?」

キュゥべえ「何でと言われても……まあ、君にはあまり関係ない話だよ」

マミ「っ……」

キュゥべえ「マミ?」


さやか「おいーっす、って、何だか険悪な感じ?」

まどか「キュゥべえ……またマミさんに何か言ったの?」

キュゥべえ「……どうして僕のせいになるのかな」

仁美「キュゥべえさんなら仕方ない、ですわ」

ほむら(分かる気がする)

キュゥべえ「わけがわからないよ」

マミ「……ごめんなさい、なんでもないの。 さっ、帰りましょ」


―――
――


マミ「……」

帰宅し、風見野の教会について調べる

マミ「……何よこれ」

有名だったのか、少し調べるだけでそれなりの情報が出てきた

結論としては、いわゆる危ない新興宗教
そんなイメージが、ぴたりと当てはまる

―――
――


<シャーセーッシター

キュゥべえ「まあ、こんなものかな」

いくつかのお菓子を購入し、杏子の元へと向かう
その途中、今日のまどかとの一件について考える

キュゥべえ(エイミー、といったかな。 あの黒猫を助けた記憶は確かにある)

キュゥべえ(いや、あるというより思い出したといったほうが正しいか)

おそらく、何かしら関連した事象に触れるたび、記憶を取り戻すのだろう
ゆまのときも、アルバムを見進めるうちに記憶を取り戻したのだから

キュゥべえ(そして、僕があの猫を助けた理由)

もしまどかの目の前で猫が危険に曝されたとして、そこに僕がいれば彼女はなんと願うか
答えは明白、猫を助けてくれと願うだろう

キュゥべえ「……見返り無しだと、あまりにも非効率的だね」

まあ、そこはさっきのクッキーで代用することにしよう
どうせ、エネルギーなど回収できないのだから


―風見野―

杏子「……また来たのか」

キュゥべえ「まあね」

杏子「いいのかよ……家族とか」

キュゥべえ「おや、心配してくれるのかい?」

杏子「チッ……」

キュゥべえ「心配ないよ、妹にはちゃんと言ってあるしね」ガサゴソ

杏子「妹がいるのか……で、なんだそりゃ」

キュゥべえ「くうかい?」

自分がよく知っている、佐倉杏子お馴染みの口調を真似しながら、ロッキーを差し出す


杏子「何だよそりゃ……」

キュゥべえ「いらないのなら別に良いけど?」

杏子「いるに決まってんだろ」パッ

二袋入ってるうちの、開いていないほうを丸々ひったくられる

キュゥべえ「……普通、開いてるほうからとらないかな」

杏子「そんな決まりは聞いたことないね」ムシャムシャ


キュゥべえ「やれやれ……おや」

モモ「……」ジー

杏子「どうした、モモ」

キュゥべえ「食べるかい?」

モモが差し出された菓子の箱と杏子を見比べる

杏子「好きなだけ食ってもいいぞ」ポム

キュゥべえ(買って来たのは僕なんだけどなあ)


モモ「ありがとーございます」ペコリ

キュゥべえ「誰かさんと違ってお礼が言えるんだね、えらいえらい」ナデナデ

モモ「……///」

杏子「おい……どういうことだよ」ムッ

キュゥべえ「さあね」

モモ「……ふふっ」クスッ

杏子「ちっ……」


杏子「そういや、アンタの名前聞いてなかったな」

キュゥべえ「僕はキュゥべえ。 よろしくね、杏子、モモ」ニコッ

モモ「キュゥべえ……」

杏子「ヘンテコな名前しやがって……で、アタシと何を話したいの?」

キュゥべえ(効果は抜群、か)


キュゥべえ「うーん、特には決めてないね」

杏子「ますますわかんないヤツだな。 アタシの何がそんなに気になるのさ」

キュゥべえ「僕は佐倉杏子という少女が気になる、その事実に理由が必要かい?」

杏子「いや、まあ……別にいいけどさ……」

モモ「お姉ちゃんのことが好きですか?」

杏子「おまっ、何わけわかんねぇことを」



キュゥべえ「まあ、嫌いではないね」

杏子「アンタもいちいち答えなくてイイんだよ!」

モモ「お姉ちゃん!」

杏子「何だよ」

モモ「イケメンさんですよ、良かったですね!」キラキラ

杏子「オマエはもう引っ込んでろ!」


杏子「ったく……アンタのせいで話がややこしくなっちゃったじゃんか」

キュゥべえ「その反応は理不尽じゃないかな……まあいいや」

キュゥべえ「ところで君達は、今の生活に満足しているかい?」

杏子「いきなりだな……まあ、満足はしてないな」

杏子「やっぱさ、親父の話をみんなに聞いて欲しいんだよね」

モモ「……」

キュゥべえ「なるほどね」


モモ「モモは……またお父さんやお母さんとおでかけがしたいです」

杏子「モモ……」

キュゥべえ「どうやら、君の妹は君と違って、本心から目を背けることを良しとしないようだ」

杏子「……」

キュゥべえ「さて……そろそろ僕は帰るよ」

モモ「もう帰るですか?」


キュゥべえ「また来るよ、それじゃあ」

杏子「……ああ」



杏子「またな」


杏子「……なんつーか、わかんないヤツだな」

モモ「でも、またお話したいです」

杏子「えらく懐いてんな……」

「杏子、さっきの子は誰だ」

杏子「え……いや、知り合いっつーかなんつーか……」

杏子「まあ、なんか、変なヤツさ……」

「……」

杏子「でも、親父の気にするようなヤツでもないさ」

「杏子、今度からあれには近寄らないように。 モモもだ」

杏子「え……何で……」

「あれは……普通ではない」


―四日目―

キュゥべえ(今のところはうまくいっている、か)

キュゥべえ(ただ、このまま杏子と接触をして……最終的にどうするかだね)

キュゥべえ(彼女の魔法の影響かとも思ったけど……これはそんなものではないだろうし)

キュゥべえ「……うーん」

マミ「キュゥべえ、ちょっと」

キュゥべえ「やあ、マミ。 今日も僕は……」

マミ「いいから」グイッ

キュゥべえ「っとと、どうしたんだい?」

マミ「……」


―校舎裏―

キュゥべえ「こんなところまで連れ出して……本当にどうしたというんだい?」

マミ「……あなたが行ってる教会、そこの神父の名前は佐倉。 間違いないわね?」

キュゥべえ「どうしてそれを……」

マミ「昨日、色々と調べてみたのよ」

キュゥべえ(杏子のことを知っているわけではないか……)


マミ「単刀直入に言うわ、もうそこに行くのはやめなさい」

キュゥべえ「どうしてだい?」

マミ「おかしな新興宗教って噂があるの……あなたに限ってそんなものにはまるとは思えないけど……」

キュゥべえ「ああ……なるほど」

キュゥべえ(噂じゃなくて、ほとんど事実のようなものだけどね……)

マミ「もし万が一のことがあってからでは遅いわ、だからもう行かないで。 お願い」


キュゥべえ「お願い、と言われれば聞き届けてあげたいところだけど……それはできないね」

マミ「……どうして?」

キュゥべえ「僕が用があるのはそこの教会の娘……佐倉杏子であって、下らない宗教なんかに興味はないよ」

マミ「っ……その子だって頭のおかしい教祖の娘なのよ? きっとまともじゃないわ」

キュゥべえ「……珍しいね、君がそんなことを言うなんて」

マミ「あ……ち、違うの、私、あなたのこと心配で……」

マミ「あなたに何かあったらゆまちゃんだって心配するでしょ? だから、その……」


キュゥべえ「はあ……君に何と言われようが、こればっかりはどうにもならないね」

マミ「待って!」

立ち去ろうとする僕の手を引き、そのままマミが身体に抱きつく

キュゥべえ「マミ……少し大袈裟すぎるよ」ハァ

マミ「だって……私……」

キュゥべえ「やれやれ……何を心配してるのか分からないけど、危険なことは何もしてないよ」ハァ

マミ「違うの……そうじゃないの……」


キュゥべえ「わけがわからないよ、君は一体僕にどうして欲しいんだい?」

マミ「それは……」

抱きついたまま、マミがあちらこちらへと視線を泳がせる
しばらくそうした後、硬く目をつむり、抱きしめる手に力がこもる

そして最後に、潤んだ瞳でこちらを見上げ、こう告げた

マミ「……ちゃんと、帰って来てくれる?」

キュゥべえ「……はあ、そんなことか」

マミ「……」

キュゥべえ「もちろんさ、僕が帰る場所はあそこしかないからね」

マミ「約束よ、破ったら……」

キュゥべえ「破ったら?」

マミ「……怒る。 すっごい、怒るもん」

キュゥべえ「はいはい……」ヤレヤレ


遠ざかる彼の背中を見ながら、私の頭の中では様々な思いが錯綜していた


嫌われた
呆れられた
見限られた


――もう、私のことなど見ていないのではないか


そんなことは、ないと分かっているけれど

―――
――


彼のことが好きなのか、そう鹿目さんに聞かれたことがある

いつものように冗談めかしてではなく、とても真面目な面持ちで

結局私はその問いに答えないまま、その場を誤魔化して今に至る

何故なら、私の彼に対する思いは口に出せるような代物ではないから


彼は基本的に、他人に興味を示さない
彼に感情が向くことはあっても、彼から何かを向けることはほとんどない

彼が興味を持つのは、私を含む極一部の人間であり、そうでなくてはいけない

だからこそ――
彼が私という存在を気にかけてくれているからこそ
私はここにいられる


私は、世界を変えるような奇跡は望まない

自らの魂を寄り合わせ、真紅の血に浸したリボンで縛りつけ
あの傷ひとつない美しい白い身体に巴マミという存在を刻み込みたい

彼にこの身体を捧げ、彼で一杯に満たして欲しい
魂すらも蕩けるほどに、私を穢して欲しい

彼が私のことを永遠に忘れられないようにしたい
私が彼のことを永遠に忘れられないようにしたい


――それくらいには、彼のことを想っている


それがあの時私を助けた彼への愛情であり――復讐でもある


―――
――



杏子「なんだ、今日はやけに遅かったじゃん」

キュゥべえ「ちょっとしたトラブルがあってね……モモは?」

杏子「あー……手伝いだよ、手伝い」

杏子(モモのヤツ……何が二人っきりでお話しするです!、だよ……余計なお世話だってーの)


キュゥべえ「なるほど、それは好都合だ」

杏子「なっ、何で好都合なんだよ」

キュゥべえ「君と二人っきりになりたかったからね」

杏子「……ほ、ほー、言うじゃねえか、喧嘩なら買ってやるぜ」

キュゥべえ「いや、その発想はわけがわからないよ」

杏子「け、喧嘩じゃなかったらなんなんだよ、あれか? 殴り合いか?」


キュゥべえ「落ち着きなよ……はい」

杏子「な、何だよ……」

キュゥべえ「あーん」

杏子「じっ、自分で食えるっての!」バッ

キュゥべえ「そうかい、それは悪かったね」

杏子(くそっ、調子狂うなあ)ムシャムシャ


キュゥべえ「ところで、昨日の質問だけど」

杏子「ああ……あれか」

キュゥべえ「一晩経ったけど、考えは変わったかい?」

杏子「変わったというか……気付いたっていうか……」

杏子「……アタシはさ、みんなが親父の話を聞いてくれれば、それだけでいいと思ってた」

杏子「でも、そうじゃなかった。 昨日のモモの顔を見て気付いたよ」

杏子「アタシが本当に求めたのは、昔みたいに、家族で笑って過ごすことだったんだ、って」

杏子「親父の話がどーたらっていうのは、それの建前みたいなもんだったんだよな」

杏子「ははっ、ホントわがままだよな、アタシって」


キュゥべえ「……親、というものにまともに接したことのない僕が言うのもなんだけど」

キュゥべえ「子は親に甘えてはいけない、なんてことはないと思うよ」

杏子「……オマエの親って……」

キュゥべえ「その話は、また今度だ」ポン

杏子「……子供扱いするなよ」

キュゥべえ「悪かったよ」ナデナデ

杏子「なーでーるーなー……でも、なんか吹っ切れたよ」

杏子「ありがとな……アタシさ、ちゃんと親父と話し合ってみるよ」

キュゥべえ「それは良かった……さて、僕はこれで帰るよ」


杏子「何だよ、もう少しくらいいてくれても……」ハッ

杏子「ほ、ほら、モモが会いたがってるだろうし……」アセアセ

キュゥべえ「話すべきことは話したからね。それに」



キュゥべえ「――僕は彼にとって、招かれざる客だろうしね」


「……」


杏子「親父……?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月01日 (金) 02:59:03   ID: nF1Y1mgw

おもしろいんだが


作者がデブ専過ぎてキモイ

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