男「貞子!伽椰子!富江!ゆき!早く起きろ!」(268)

あれは、俺がまだ小学生の頃だった…

友達仲間と富士急に行ってな

その中の「戦慄迷宮」に忍び込んだんだよ

そしたら、仲間の一人だったゆきという女の子が迷子になってな

結局、ゆきを見つけられないまま、俺たちは警察に連れていかれたんだ

高校生になって、俺がゆきの存在を忘れかけていた時だった

ある日の夜、俺の家に来たんだよ

ゆきが

「男くぅ~ん…ここ開けてよぉ…寒い…寒いよぉ…」

その声は、紛れも無くゆきだった

俺はゾッとしたね

恐る恐るドアを開けてみたら、そこにはゆきがいた

あの時と同じ格好

白いワンピースを着て、そこに立ってたんだよ

「入ってもいい?」

正直、不気味だった

でも断る理由もないし、俺はゆきを家にあがらせた

男「おーい、ゆき。早く起きろ、朝だぞ」

ゆき「ん~…あと5分…」

男「遅刻するぞ!いいからさっさと起きろ!」



あの日から今まで、彼女は俺の家で暮らしている

話は変わるんだが

ゆきが居座って1週間が経った頃だったかな

友達から借りたビデオでも見てみようかなぁ

なんて思ったわけよ

友達が血相変えて「絶対に見てくれ」なんて言うもんだからさ

AVかなぁー、なんて思いながら

俺はそのビデオを再生したんだ

何やら、文字が不規則に動いてる

何だこれ

でもまぁ、これが最近のAVの流行なのかなぁ。なんて思ってたんだ

すると場面が変わり、今度は女性の出演シーンになったんだ

鏡の前で、髪をとかしてる

こんなAV女優いたっけ?でもまぁ、新人なのかなぁ、なんて考えながら見てた

でもその映像、良く考えると不自然なんだよ

だってさ

構図的に、正面の鏡にカメラマンが映りこむはずなのに

いないんだよ

カメラマンが

へぇ……

最近の映像技術はすごいなぁ

なんて俺は感心してたわけ

すると、また場面が変わった

今度は井戸の映像だ

……ずっと井戸の映像が続く

正直つまらなかった

その時、俺はよう気付いてしまったんだ

あ、これAVじゃないな。ってね

もう消そうかなと思ったその時だった

俺は見てしまったんだ

井戸から人の手がひょっこり出て来るのを

不可解に思った俺は、リモコンの停止ボタンから指を離した

そして井戸から、人が出て来たんだよ

女の人だ

何かこっちにのそのそ歩いて来るんだよ

その瞬間、俺の体が震え立った

いけねっ

小便我慢してたんだった

俺はとりあえずトイレに行ったんだ

そしてすっきりしてトイレを出て、リビングに戻ってみたら


いたんだよ、そいつが

さっきまでテレビの中にいたはずの

女が

これが3Dってやつなのか…?

すげぇ!

俺は興奮したね

でもそれもつかの間だった

その女がさ、俺を睨んでるわけよ

凄い眼力だなぁー、なんて俺は思ってさ

「凄い眼力ですね」

って声をかけてみたわけよ

でも、その女は何を返すわけでもなく、ずっと俺を睨んでるんだよ

恐る恐る手を伸ばしたら

触れるんだよ。女に

あ、これ3Dじゃない。この人実在してるな

って俺は確信したね

この人何をそんなに怒ってるんだろう…

俺は考えた挙句、一つの答えを弾き出した

その女、濡れてたんだよ

あ、性的な意味じゃなくてね

全身、びしょびしょなわけ

「何でそんなに濡れてるんですか?」

聞いても彼女は何も答えないんだ

とりあえず風呂を沸かして、入るように言ったんだ

ゆきがわからない

「風邪ひきますよ?」

彼女はやはり何も答えぬまま、しかし風呂場へと向かったんだ

数分後、その女が風呂から出て来てさ

とりあえず、姉ちゃんの服を貸してやったんだよ

「家はどこなの?送って行こうか?」

彼女はやはり何も答えない

何か事情があるのかな、と思って俺はそれ以上の追求をやめにしたんだ

「泊まってく?」

彼女はゆっくり頷いた

>>21
戦慄迷宮3D

男「おーい貞子、起きろ!」

貞子「起きております、ご主人様」

男「そのご主人様ってのはやめろ」


彼女もまた、いつのまにか俺の家に居座っていたんだ




ゆき「……えっ…誰?」

男「貞子さんだ」

貞子「よろしくおねがいします」

また話が変わるんだけどさ

俺、高校2年の時に引越しすることになったわけよ

引越し先の家は、何だか薄暗い感じの家でさ

正直、始めの頃はそんなに好きになれなかったんだ

ある日

俺はその家に隠し部屋がある事を知ってさ

入ってみたんだ、中に

そしたらさ

「ごめんなさい」って字がびっしり書いてあったんだよ

イタズラ書きは感心せんなぁ、と思いつつ

俺はその字を綺麗に消したんだ

ドイツ製の洗剤はやっぱタフだなぁ、なんて感心してさ

何か疲れて、その部屋で布団敷いてそのまま寝ちゃったんよ

どれぐらい経った頃だったかな

ふと目を覚ますと

動いてるんだよ、布団が

何かいるんだよ、俺の上に

布団を恐る恐るめくってみると

そこには全身白塗りの男の子がいたんだ

何で白塗りしてるのかなぁ…海老蔵の隠し子なのかなぁ…なんて考えちゃってさ

「君、海老蔵の隠し子?」

って聞いてみたんだ

何も答えない

恥ずかしがりやなのかなーって思ってさ

俺も恥ずかしがりやだから、何か気まずい空気が流れたんだよ

何とかこの空気を打破さねばと思ってさ

俺はその子にうまい棒をあげたんだ

そしたら

「ありがとう!」

って言って、スーッとどこかへ消えていったんだ…

へぇ…最近の子供は姿を消すことも出来るのかぁ

人類の進歩も目まぐるしいなぁ、なんて思って

俺はまた寝た

その日の夜中、俺は目を覚ました

喉が渇いてたから、リビングまで降りて牛乳を飲んでいたんだ

ついでに抜くかと思い、俺はおもむろにシコり出した

すると、階段がギシリと軋む音がするわけ

ああ、ラップ音だなと思って

俺はシコり続けてたんだ

ギシ…ギシ…

やべぇ!親が来たのか!?

俺はいきり勃ったチンポを掴んだまま、階段の方へと向かった

階段を下りて来ていたのは

見知らぬ女だった

しかも何故か、全身血まみれなんだよ

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

何か呻いてる

「すみません、もう一度言っていただけますか?」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

これは埒があかないなぁ

困ったなぁ

良く見るとさ、その女の人、あごがないんだよ

ちぎられてるっぽいんだよ、あごが

これじゃ「あ゛あ゛あ゛」しか言えんわな、と思い

俺は急いで救急車を呼んだんだ

そして翌日

彼女の体はすっすり元通りになり、俺は安心した

「それで、どこに住んでるの?」

奇妙なことにさ、俺の家に住んでるって言うんだよ

それで俺は思い至ったね

ああ、親父の隠し子だな。ってね

なら仕方ないと思い

俺は彼女を家に連れて帰ったんだ

男「おーい伽椰ちゃーん、朝ですよー」

伽椰子「……入る?」

男「入りません。起きてください」

伽椰子「ちぇーっ」


後日、親父に話を聞くと、隠し子なんていないらしい

じゃあこの娘は何者だ…?


ゆき「…また増えてる」

貞子「最低…」

男「何でだよ」

またまた話は変わるんだけどさ

高校生の頃、俺の友達が富江って子と付き合ってたわけ

その娘は綺麗な黒髪で顔も整っててさ

まさに絶世の美女って言うか…、ミステリアスビューティーだったわけよ

でも性格は最悪でさ、傲慢でわがままなわけ

神は人に二物を与えないって本当なんだなぁ、なんて思ってたんだよ

ある日、その友達から電話がかかってきてさ

震えた声で言うんだ

「富江が死んだ」

友達も気が動転しててさ、落ち着くように言ったんだよ

聞くところによれば、富江はゴミ捨て場で死んでいたらしいんだ

いくら死体だからって人をゴミ扱いするなよ…と俺はあきれたね

それから、その友達は元カノだった女と寄りを戻したんだよ

立ち直ってくれて良かったなー、なんて安心してたわけ

でも、事件は起こった

その友達の前に現れたらしいんだよ

何の前触れもなく

突然

富江が

あ~…双子だったのかなぁ、っていう結論に至ってさ

別に気にしてなかったんだよ

でも翌日

死んだんだよ、友達が

不幸が続くのは嫌だなぁ、なんて気が滅入っちゃってさ

でもまぁ、今は安らかに眠れ

って友達を供養したんだ

そのまた翌日だよ

俺のクラスに来たんだよ

富江の双子の…妹か姉かどっちか知らないけどさ

転校生として来たんだよ

奇遇だなぁ、なんて思ってさ

でも何か不気味だし

双子だからきっとこっちの富江も性格悪いんだろうなー

なんて思って、俺は近づかないでいたんだ

でもそいつ、妙に俺に絡んで来てさ

いつの間にか、クラスでは俺と富江(仮)が付き合ってることになってたんだよ

富江(仮)はクラスの男子の中でも人気でさ

嫉妬か何か知らないけど、俺イジメられるようになったわけ

で、俺そのまま登校拒否になったわけよ

その間も、富江(仮)は俺の家に毎日来てさ

何か怖くなって来たわけよ

その日も富江(仮)は俺の家に来てさ

図々しく俺の部屋まであがりこんで来たんだよ

「もうほっといてくれよ富江(仮)!」

思わずそう口に出したんだ

そしたら

富江(仮)は形相を変えてこう言ったんだ

「(仮)じゃない。私は正真正銘、富江よ」

俺はゾッとしたね

やばい

という事は俺は友達の彼女を略奪したことになってしまう

いや厳密に言えば付き合ってるわけじゃないから、別に略奪ってわけじゃないけど

何か心苦しいものがあった

ていうか友達すでに死んでるし、別に付き合っていたところで問題ないな

という結論に至り、俺はどうでもよくなった

男「おーい富江!さっさと起きろ」

富江「べ、別にアンタの声で目覚めたいとか、そんなんじゃないんだからね!」

男「はいはい」


あの日から何故か富江は俺の家でずっと暮らしている

正直、帰ってほしいんだが


ゆき「ええー?また増えたのぉー?」

貞子「最低!」

伽椰子「男くん…」

男「なぜそんな目て俺を見る」

そんな俺も今は大学生として、こいつらと一緒に上京して来た

なぜこいつらも憑いて来たのかは謎だ


男「伽椰子、早くメシ」

伽椰子「うん、今急いで作るね」

貞子「ていうか今日日曜じゃん…もっと寝てれば良かった」

男「お前が買い物したいから早く起こしてって、俺に頼んだんだろが…」

貞子「そうだっけ?」

ゆき「男くぅ~ん、髪結んでぇ…」

男「おう」

貞子「ちょっと男!ゆきの事甘やかしすぎよ!」

富江「そうよ!うらやま…じゃなくて!自分でやらせなさいよ!」

男「しょうがないだろ。ゆきは精神年齢が小学生でストップしてんだぞ?」

貞子「ぐぬぬ」

ゆき「…ニヤッ」

富江「!?」

ゆき「…アッカンベー」

富江「こ、殺すぞクソガキ…!」

ゆき「ふぇぇ…怖いよぉ男くぅん」

男「物騒なこと言ってんじゃねーよお前…」

富江「だ、だって!だってそのガキが!」

伽椰子「ほらほら喧嘩はよしなさい。はい、朝ごはんできたよ」

ゆき「わーい」

富江「ちぇっ…」

貞子「ふふっ、伽椰子の料理は美味しいわね」

伽椰子「男くんは…どう?」

男「ん?ああ、美味しいよ」

伽椰子「…//」

富江「…」ギリギリ

男「歯軋りするなよ、歯か欠けるぞ」

富江「ふんっ」


伽椰子(ま、この中で家事出来るのは私だけだし…皆には悪いけど、一歩リードってところかな)

こんな感じが大体の朝の風景だ

賑やかなのも別に悪くはない

そしてその日、俺たちは皆で近くのデパートに行ったわけ

そもそも、用事があったのは貞子だけだったんだけど

色々見て周ってる内に、他の皆もショッピング始めちゃってさ

富江なんて2時間ぐらいずっと服見てたんだよ

「ねぇ、このスカートにこのシャツって合うかな?」

知らんがな

俺に女の服のことを聞くなよ

しかも俺、童貞だぜ?

「そういうのは店員に聞けよ」

そしたらさ、富江が何かすっごい睨んで来るわけよ

人を殺せそうな眼をしてたね

途中で貞子が凄い勢いで仲裁に入ってくれてさ

その時はなんとか丸く収まったわけ

富江は結局服を買わなかった

次はゆきがおもちゃ屋に行きたいって言うから、行ったんだよ

そこにはうさぎのぬいぐるみがあってさ

ゆきはそのぬいぐるみをジーっと見てるわけ

「欲しいの?」

ゆきは何も言わずに首を横に振った

でもさ、バレバレなわけよ

あ、こいつ欲しいんだな。ってすぐに分かったよ

「…買ってやるよ」

ゆきは笑った

貞子と富江は怒った

俺がゆきを甘やかすのが、よほど気に入らないらしい

こいつら心狭すぎだろと思いつつ、俺はぬいぐるみを購入したわけよ

「一生大事にするね」

ゆきはぬいぐるみを抱きしめ、頬を少し赤らめながら柔らかく微笑んでいた

次の瞬間、俺は富江に首を絞められていた

富江さん、目がマジですよ…

意識が朦朧としてきた時、また貞子に助けられた

「わ、私もゆきみたいに甘やかしなさいよ!」

こいつ…ドSなのに甘えん坊だったのか…

驚愕の事実にとまどいつつ

甘やかすってどうやってだよ、と考えた末

俺はとりあえず富江の頭を撫でてみた

すると

富江は俯いて黙り込んでしまった

俺の手で触られたのがよほどショックだったらしい

「ごめん」

富江は「は?」と言わんばかりの顔を俺に見せた

「そ、そうだ!私本屋に行きたいな~」

伽椰子が割って入って来た

そして俺たちは、本屋に向かったわけさ

聞けば、伽椰子は料理本が欲しいらしい

実に伽椰子らしいと感心しつつ

俺はエロ本コーナーに向かった

人妻モノも飽きたなぁ

俺は女子高生モノを手に取り、パラパラとページをめくって見てたんだ

ふと

後ろから妙な殺気を感じるんだ

俺は振り返った

するとそこには、貞子と伽椰子と富江とゆきがいたんだよね

あ、俺死んだな

って思ったのさ

「最低」

貞子が俺に冷たい視線を突き刺してくる

「変態」

富江がまた人殺しのような眼で俺を睨む

「へぇ…そういうが趣味だったんだ…」

伽椰子が哀しげな瞳で俺を見つめる

「クンニ…って何?」

ゆきは知らなくていい事だよ

と、俺は優しくゆきに言った

俺とて男である

ゆえに、このような官能的な本を愛読するのは当然である

俺は4人に力説したわけよ

そしたらその場で貞子と伽椰子と富江にボコボコにされたってわけ

「だいじょうぶ?」

ゆきがそう言って絆創膏を張ってくれたんだ

傷のないところに

ゆきは天然なところが可愛いな、と思いつつ

ゆきを撫でてやったわけよ

そしたらまた貞子と伽椰子と富江が俺をボコボコにするわけよ

ああ…こいつら生理なんだな

という結論に至り、俺は彼女たちの暴行を真摯に受け止めた

殴られたり蹴られたりするのは、もともと嫌いではなかったからな

そんでさ、その後皆でデパートの中にあるレストランに行ったんだ

そしたら、レストランの店員が不思議なことを言い出すんだよ

「お客様1名でいらっしゃいますか?」

ああ…。後ろにいる4人と俺とで勝手に区別しやがったな、この店員

確かに俺みたいな奴が、女4人を連れて歩くなんて思わないかも知れないな

「いえ、5人です」

するとだ

店員が頭に「?」を付けて俺をまじまじ見てくるわけよ

俺、そんなにブサメンなのかなって思ってさ

軽くショック受けてたんよ

そしたら店員がまた不思議なことを口に出すわけ

「4名様は、後でお越しになられるんですか?」

この人、俺をバカにしてるのかなって思ってさ

「いや、後ろにいる4人を入れて5人です」

って返したわけさ

そしたら店員が固まっちゃってさ

「いいから早く入ろうよ」

って後ろから富江が急かすもんだから、仕方なく1名っていうことで入ったんだよ

それからも店員の嫌がらせは続いてさ

水も一杯しか持ってこないわけ

どう思う?ひどすぎでしょ

でもまぁ、最近のバイト店員はこんなもんなのかなぁ、なんて思ってさ

このままで日本の将来は大丈夫なんだろうか、なんて思いに耽ってたわけよ

水は仕方ないから、皆で回し飲みすることになったんだけど

何か知らんが皆、俺の後に飲みたがるわけよ

ああ、よっぽど喉渇いてたんだなぁ

あとでジュースでも買ってやろうかと考えつつ

俺と貞子と伽椰子は

ゆきが頼んだオムライスに入ってるグリーンピースをせっせと取り除いていたのさ

と言うのも、ゆきはグリーンピースが嫌いでさ

取ってって言うもんだから、3人でこうして取り除いてるわけよ

その間

富江は不機嫌そうに窓の外を見ながら

カキフライを食べていた

ああ…こいつ本当はカキ食べれないのに

背伸びしてカキフライ頼みやがったな

まぁ、早く大人になりたいお年頃だもんな

そして俺たちはレストランを後にして

帰宅したのだった

その日の夜なんだけどさ、成り行きで怖い話大会やろうってことになったんだよ


貞子「じゃあ、まずは私から行くわね」

男「お、おう」

ゆき「ゴクッ」

貞子「これは、私が知り合いから聞いた話なんだけどね…」

貞子「ある一家が、古い一戸建ての家に引越ししたんだって」

貞子「だけどその家に住んでからね…怪奇現象が次々に起きるようになったらしいの…」

富江「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

男「うおおお…怖えぇ…」

ゆき「ふぇぇ…」

貞子「どう?怖いでしょ?」

伽椰子「……何か聞いたことのあるような話ね」

貞子「何、いちゃもんつける気?」

伽椰子「別にそう言う訳じゃないけど…」

貞子「ならアンタが話してみなさいよ」


伽椰子「これはね…ある美しい少女と、その美貌に取り付かれた男たちの話よ…」

貞子「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

男「マジ怖いなその話…」

ゆき「ふぇぇ…」

伽椰子「でもこの話ね、実際にあった事みたいよ?もしかしたら今も誰かが犠牲に…」

富江「……あんまりピンと来ないわね」

伽椰子「そーかな?」


富江「次は私よ!」

富江「これはね…ある小学生たちが、遊園地のお化け屋敷に行った時の話よ」

富江「男の子二人と、目の見えない女の子、大人しい女の子と、その妹の5人で行ったらしいの…」

伽椰子「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

貞子「んー…そんな怖くないわよね、その話」

男(…何か身に覚えのある話だな)

ゆき「ふぇぇ…その女の子、何か私みたい…」

富江「何か反応悪いわねぇ…」

男「ゆき、お前も話してみるか?」

ゆき「うん」


ゆき「これはね、ある男が友達からビデオテープを渡された事から始まるお話なんだけどね」

男「ぎゃああぁぁぁぁ!」

伽椰子「怖っ!何でテレビから出て来るわけ?」

富江「予想外のオチだったわね…正直私もビビっちゃったわ」

貞子「……う~ん…なーんかその話、私知ってるのよねぇ」

男「そんなに有名な話なのか?」

ゆき「うん、結構有名らしいよ」

男「へぇ」

貞子「ん~…その話どっかで…どこだったかなぁ…」

それから数日後のことである

俺が夜道を歩いていると、背後に何か気配を感じたんだ

何だろうと思って振り返ると

女の人が立ってるんだよ

その女はでかいマスクをしてて

ただこっちをじっと見つめてくるんだ

「あの…何か御用ですか?」

ただ見つめられるのは恥ずかしいから、俺が沈黙を破ったわけよ

「わたしきれい?」

藪から棒である

こんな夜にそんな事、俺に聞くなと思いつつ

あ、でかいマスクはもしかして口を整形したからなのかな

と考えたのさ

親から貰った大事な顔を整形するなんて恥を知れ

と、説教してやりたかったが、早く家に帰りたかったので

「はい、とても綺麗ですよ」

と適当に言ったんよ

そしたらその女がさ、つけてたマスクを取り始めたんだよ

「これでもかー!!」

俺はゾッとしたね

口が異常にでかいんだよ。耳の近くまで裂けてるわけよ

それを見て俺は一発で理解したね

ああ…、整形に失敗したな

かわいそうに…

だから懇願するように私は綺麗かなんて聞いたんだな…

「はい、それでも貴女はとても綺麗ですよ」

それがせめてもの言葉であった

嘘は方便って言うしな

話は変わるんだけどさ

この間、電話が鳴ったわけよ

出てみると

「私メリーさん。今あなたの町に来てるの」

なんて言うわけよ

メリーさんて誰よ

そんな知り合いいたっけかな、なんて考えてはみるものの

いないんだよ

そんな知り合い

しばらくするとまた電話がかかってきてさ

「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」

なんて言うわけさ

いやぁ…これは困ったもんだな。って思ってさ

俺は恐る恐る口を開いて

メリーさんとやらに行ったわけよ

「ごめん、今大学にいるんだけど…」

「えっ…」

しばらくメリーさんとやらも黙り込んじゃってさ

「いや、大学の図書館で調べたいことがあったからさ…」

メリーさんとやらはまだ押し黙ってるんだよ

「…家についたらまた連絡するって言うのは?」

「あ…うん、わかった。じゃあ番号言うね。えっと…×××の…」

図書館での調べ事も終わってさ

あ、そうだ、トイレに寄っていこう。って思って

俺はトイレに行ったんわけよ

そしたらさ、男子便所がなぜか閉まってるんだよ

我慢できなかったし、人も全然いなかったからさ

女子便所に入ったわけ

あー、女子便所ってこんな匂いがするんだなぁ

なんて思いながらチンコを勃たせていると

何か女の子が立ってたるんだよ、そこに

見た目小学生ぐらいでさ

何か不気味なんだよ

「お嬢ちゃん、こんなところで何してるの?」

って聞いてみたわけ

俺が何してるんだって話だけどさ

男子の方は使えないし、仕方ないじゃんと一人で納得してたんだよ

「花子」

一言、女の子は自分の名前を言ったんだ

花子て…

今どきの子供にしては古風な名前だなー、なんて思ってさ

でもまぁ、何て読むのかも分からないようなキラキラネームよりはマシだよな

なんて思ってたんだよ

「君、どこからここから入って来たの?」

花子ちゃんは何も答えないんだよ

きっと恥ずかしがってるんだろうな

こういう奥ゆかしさが今の女性には足りないんだろうな

という自分なりの結論を出し

俺は花子ちゃんのような女性が増えるよう星に願ったのです

家に帰り、早速メリーさんに電話かけたわけよ

「家についたよ」

「うん、今から行くね」

声からして、子供っぽいのさ

こんな時間に子供がほっつき歩いてていいのかなー、なんて心配してたらさ

「今電話してたの誰?」

って背後で伽椰子が聞いてきたんだよ

「メリーさん」

って答えると、伽椰子は何故か溜め息をついたわけ

メリー「もしもし、私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」

男「おう、入っていいよ」

メリー「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」

男「何!?」


振り返ると、いるんだよ

メリーさんが

俺はゾッとしたね

金髪碧眼の可愛らしい人形のような女の子でさ

こんな時間まで外出歩いてるとなれば…

そう

人身売買しか考えられないわけよ

この国も地に堕ちたな、なんてゾッとしちゃってさ

「安心しろ、俺が守ってやる」

って抱きしめてやったわけよ

そしたら後で富江と貞子と伽椰子にボコボコにされたわけ

ゆきとメリーはそれを怯えながら、何も出来ずに見ててさ

願わくば、君たちはこんな女にはなるなよ…

俺は再び夜空の星に願ったね

数分後、誰かが俺の家のドアをノックしてきた

ドアを開けてみると、そこには先ほど知り合ったばかりの整形女がいてさ

彼女を見るや、皆怯えちゃってさ

「何でアイツあんなに口でかいのよ!」

なんて富江が失礼極まりないこと言い出すんだよ

俺は彼女が貧乏育ちのいたいけな少女時代を過ごし

一生懸命働いたお金でやっと整形したのはいいけれど

ヤブ医者のせいで整形が失敗に終わったことなど

彼女の生い立ちからこうなったに至るまで、すべて説明したのさ

皆泣いて彼女に謝ってさ

何故か彼女自身はポカンとしてるわけよ

ああ、そうか

この娘はきっと今まで人の優しさに触れることなく

健気に生きてきたんだな、と思ってさ

思わず抱きしめたわけよ

そしたらまたボッコボコよ

俺がもはや恒例になりつつある集団リンチを受けていると

また玄関のチャイムが鳴ったんだよ

やって来たのは花子ちゃんでさ

何か皆溜め息ついてるわけ

ゆきとかメリーとか、友達が増えていいじゃん。って思うんだけどさ

二人も溜め息ついてるんだよ

世の中不思議なこともあるもんだなぁ

なんて考えつつ

俺は寝た

それから数年後のことだ

厄年ってこともあってさ

神社に厄払いに来たわけよ

皆は嫌がってたけどさ

行ったわけよ

神主さんの厄払いが始まって

俺は目を瞑って

こうしてる間、考えることも特にないし

このまま無我の境地でも開こうかな、なんて考えてたんだ

いや、そんな事考えること自体、無我の境地は悟れないだろ

と自己完結してさ

終わるのをただひたすら待ってたわけよ

そしたらさ

なんと

神主が死んじゃったんだよ、目の前で

うわぁ…こんな事もあるんだなぁ

って、俺は初めて目にした死体に怯えてさ

なぜか隣にいたゆきがニヤニヤしてるわけよ

伽椰子も貞子も富江もメリーも花子も整形女も

皆笑ってるわけ

俺はゾッとしたね

こいつら…死体見て笑うとか性格悪すぎだろ…

富江は死体を見て笑っても何ら不思議ではない

でも他の皆まで笑ってるんだぜ?

何これ

皆の性格を歪ませる富江教でも始めたのか?

だとしたら絶対に入りたくないなぁ、なんて思ってたのさ

そしたらゆきが

「さ、帰ろ」

なんて言うんだよ

いやいやいやいやいや…

俺の厄払いは?

仕方ないから、お守りだけ買って帰ろうとしたんよ

そしたら貞子が

「そんなもの必要ない」

なんて言うんだよ

でもまぁ、貞子がそう言うならそうなのかなぁ、なんて納得しちゃってさ



貞子「だってあなたは…私たちが守ってるから//」

男「…?」

大学を無事卒業してさ

就職にも苦労はしたけど何とか就けたわけ

今度は結婚かな

なんて思ってさ

俺だって、ちゃんと世帯を持ってみたいわけよ

俺は、会社の同僚をディナーに誘った

話は弾んでさ

その夜は色々喋ったんだよ

それで、ホテルに行ったんだ

これで童貞ともおさらばだな…

俺は嬉しかったね

同僚が、シャワーを浴びに行き、俺はその時を心待ちにしてたんだ

その時だった

シャワールームから聞こえたんだ

悲鳴が

俺はシャワールームへ駆けつけた

するとそこには

首を切られた同僚が死んでいたんだ

怖かった。ものすごく

同僚が死んだことも

また童貞卒業が遠のいたことも

ショッキングだったわけよ

落ち込む俺に、伽椰子が言うわけ

「またいい人に出会えるよ」

そんな虫のいい話があるかよ

伽椰子は付け足した

「もしかしたら…すぐそばに、いるのかもよ…?」

ゆきちゃんのことか

確かに彼女とは幼馴染だし、仲も良い。相性もいいだろう

でもゆきは、精神年齢11歳ぐらいだぞ

俺がそんな事を言うと

伽椰子は俺をボコボコにしたんだよね

それからというもの

俺と交際した女性は皆死んで行くんだよ

そしてその度に

貞子も伽椰子も富江も、皆して嬉しそうな顔するんだよ

俺はゾッとしたよ

きっと俺は、童貞を捨てられない星の下に生まれてきたんだなって

死にたくなったわけよ

死のうかな

俺がそう呟くと、部屋の時間が止まったように静まり返った

「ついに来るのね…」

貞子がそう言っていたが、意味はよく分からなかった

聞こうともしなかった

聞いてはいけないような気がして…

俺が自殺しようと言うのに

皆は止めようとはしなかった

何だか寂しい

いや、自分がモテないことは分かってる。分かってるけど

あいつらには

あいつらだけには

好かれてるんじゃないかな、なんて心のどこかで思ってたわけよ

別に異性として好きとかじゃなくて

友達として…好かれてるんじゃなかったのかなって…

俺は、自殺した

人は死んだら、無に帰るとどこかで聞いたことがある

なぜだろう

無ではない

確かに感じるんだ

目の前が、真っ白な光に包まれている

誰かの、ぬくもりを感じる

「起きて、起きて」

誰かの声がするんだよ

聞き覚えのある、心がやすらぐ、優しい声が

ゆっくり目を開ける

「起きた?」

俺は、貞子の膝枕で眠っていた…

眠っていた?死んでないのか?

自殺することさえ、俺には許されないのか…?

「いらっしゃい、男」

富江の声だ。その声の方を見てみると、富江が微笑んでいる

「こっちの世界に来たのね…」

伽椰子の声だ

こっちの世界?

俺がどういう事か尋ねようとしたその刹那

部屋の電気が消えた

停電……?

直後、俺は異変にすぐ気付いた

さっきまで温かかった貞子の膝枕が、湿ってるんだよ

あ、こいつ漏らしたのかな?

でもデリケートな問題だから、俺は口には出さないわけよ

俺とてジェントルマンなわけですからね

やがて

真っ暗だった視界が、徐々に目が慣れて

薄っすらと見えるようになってきたわけ

伽椰子の方を見てみる

伽椰子…?

伽椰子が、血だらけになっているように見えた

メリーは…どこだ?

さっきまでメリーがいた場所に

一体の人形が置いてあった

ゆ、ゆきちゃん…?

返事がない

ただのしかばねのようだ

いや、違う

ベッドに寝ている

口に吸引機を付けられて、まるで植物状態のように

ゆきはぐっすり眠っていた

さ…だ…こ…?

俺の頬に、冷たい手が触れる

「なぁに?」

貞子だ

「なぁ…聞いても…いいか?」

貞子は無言だった

貞子の沈黙を押し返すように、俺は続けた

「何で…お前の手、そんなに冷たいんだ?何で…お前の体、濡れてるんだ…?」

あはははははははははははははははははははははははははは

あははははははははははははははははははははははははははは

あはははははははははははははははははははははははははははは

あははははははははははははははははははははははははははははは

あはははははははははははははははははははははははははははははは

あははははははははははははははははははははははははははははははは

あはははははははははははははははははははははははははははははははは


響くのは、笑い声

滴るのは、井戸の水

感じるのは、血の匂い

蘇るのは、皆との記憶

男「みんなー朝だぞー、起きろー」

貞子「んー…あと5分…」

ゆき「ふぁ~あ…眠いよぉ…」

伽椰子「ほらほら、もう朝ごはん出来てますよ」

男「おっ!やっぱ伽椰子の料理は美味いな」

伽椰子「そ、そんな…//」

富江「ギリギリ」

男「歯軋りすんなよ」

いつもと変わらない朝

いつもと変わらない日常

誰にも邪魔されることのない世界

誰も踏み込めない、この世界



隣の部屋の住人が噂話している

耳を傾けてみた

どうやらこのアパートに

幽霊が出たらしい

おわりです♪

えーっと、見てた人は薄々感じてたとは思いますが、
俺は「富江」だけ未見です
あらすじを知ってる程度です。


ごめんなさい

おっと玄関のチャイムが鳴った
こんな時間に誰だ…

ちょっと行って来るわ

追いついたら終わってた。乙
今度からこのSSのヒロインが出てくる映画見ても純粋に怖がれないだろうな

あとすまんがゆきってなんの映画だ?

>>251
戦慄迷宮3D

呪怨の監督だけど、正直全然怖くない

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom