球磨川「『……GANTZ?』」(6)

stage1、ネギ星人


なんて事のない日、なんて事のない夜。そのなかで、ただ、ある瞬間、球磨川禊は死んだ。

━━球磨川禊。
這い寄る過負荷(マイナス)、大嘘憑きのグッドルーザー、弱者の味方、強者の敵。惚れやすい、最弱の男。

彼が勝負に負け、死ぬのはいつもの事だった。彼も「『また安心院さんに会うのかー、嫌だなー』」ぐらいしか思ってなかった。

息絶えた次の瞬間、球磨川は目を覚ました。

球磨川「『…………あれ?』」

安心院さんと会えなかった。今まで死ぬたび、必ず腑罪証明(アリバイブロック)を使って僕にちょっかいをかけてきたのに。


『』つけるの忘れててスレ建て直しました、すみません。


球磨川「『と、まぁそれは今はどうでもいい。今、考えるべきはこの異常だよね』」

辺りを見渡す。
ごくありふれたマンションの一室に、見知らぬ他人が数人、犬が一匹。そして何より異常に見える、部屋の中央に置かれた黒い巨大な玉。

なぜ、こんな場所に僕はいる?

球磨川「『あのー、モブキャラの皆さん。僕はどうしてここにいるのかな?』」

ヤクザ「あ?」

金髪「誰がモブキャラだよ、つーか俺らも知らねーよ」

中学生「…………」

教師「僕らもよく分かってないんです、死んだと思ったらいつの間にかこの部屋に」

球磨川「『え、生きてるよ。僕は今まで何回も死んできた。今、僕は間違いなく生きてる』」


モブ「」ザワッ

政治家「何を言ってるんだ君は、ここはね天国だよ。私はさっきまでガンと戦っていた、それがい」

球磨川「『玄関ってこっち?行かなきゃいけない所があるんだけど』」

教師「あ、あぁそうだけど」

ざわめくモブを尻目に玄関へ向かう。行かなきゃいけない、戦わなくちゃいけない。この状況はよく分からないけど、今は帰らなくちゃいけないんだ。

もしかしたら、安心院さんを倒しうるスキルかもしれないんだ、彼女のスキルは。

球磨川「『……あれ、触れない』」

ドアノブが掴めない、というより壁自体に触れない。見えない壁でもあるみたいだ。

球磨川「『なら、なかったことにしてしまえばいい!』」

全てをなかったことにするスキル、大嘘憑き。

を使った筈なのに。

球磨川「『……何も起こらない』」

ドアには触れないままだった。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月20日 (月) 20:52:42   ID: ktJtxNzJ

これ続いてほしいな。

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