結衣「最近、あかりが気になってしかたない」(180)

結衣(元はと言えば、先週のことだよね)

- 一週間前 -

京子「ちなちゅー!」

ちなつ「やめてくださいー!」

京子「大人しくキスさせろぉー」

ちなつ「助けてください、結衣先輩」

結衣「こら、京子」

結衣「ちなつちゃん嫌がってるだろ」

京子「照れ隠しだよね、ちなつちゃーん」

ちなつ「違いますっ!」

京子「えー?」

ちなつ「あ、でも」

ちなつ「結衣先輩ならキスされてもいいですから」うふ

京子「だから結衣はわたしにぞっこん」

京子「ちなつちゃんのものにはならないっ」

ちなつ「そんなことないですよね、結衣先輩!」

結衣「えーっと」

あかり「あはは、モテモテだね結衣ちゃん」

結衣「あかり、笑ってないで助けてよ」

京子「あかりは、わたしの味方だー」

ちなつ「あかりちゃんはわたしの味方だもん」

結衣「いや、わたしを助けてくれるはずだ」

京子「どうする、あかり!」

京子「この選択で、この後の人生が変わるぞー?」

あかり「えぇー!?」

あかり「こんなことで、あかりの人生が決まるのっ!?」

京子「ふっふっふ」

京子「わたしは関係ないとか思ってただろー」

ちなつ「それだから存在感なくなるのに」ぼそぉ

あかり「ちょっとぉ!ちなつちゃん!?」

京子「さあ!人生の選択を、どうぞ!」

あかり「そんな大げさにしないでよぅ!」

京子「みんなが注目してるぞー」

あかり「うぅ、わかったよ」

京子「あかり選手、選択したようです!」

結衣「選手って」

あかり「こ、こうなったら」

あかり「結衣ちゃんは、あかりのものぉ!」

だきっ

結衣「わあ!ちょっと、あかり!?」

どさっ

ちなつ「ちょ!あかりちゃんなにやってんの!?」

京子「苦し紛れに結衣に抱きついたー!」

あかり「あいたた・・・ごめん結衣ちゃ・・・ん?」

結衣「うわぁ!」

京子「これは!」

京子「結衣選手の手が、あかり選手のムネに!」

結衣「ご、ごごご、ごめん!」

あかり「あはは、いいよ結衣ちゃんなら」

結衣「・・・え?」

どっきーん

京子「誰も助けず、結衣に抱きつくという選択ですが」

京子「どう思われますか、ちなつちゃん」

ちなつ「最悪ですね!海にでも流されて欲しいです!」

あかり「ひどい!?」

京子「一方、抱きつかれた結衣選手の反応ですが」

京子「って、顔赤いけど、どうしたー?」

結衣「な、なんでもない!」

結衣(そして、いまに至るわけだよね)

結衣(なんでこんなことで意識してんだろ)

ちなつ「結衣先輩」

結衣「うわぁ!」

ちなつ「ど、どうしたんですか?」

あかり「びっくりしたぁ」

結衣「ははは、は」

京子「結衣、今日はやけに大人しいね」

結衣「え?そ、そうかな」

ちなつ「でも、物思いにふける姿もかっこいいですぅ」

京子「実はえっちな妄想してるかもしれないぜー」

ちなつ「そんなことないです!」

あかり「もー、京子ちゃんじゃないんだから」

結衣(ごめんなさい、してます)

結衣(だって、あの言葉が頭から離れないよ)

あかり『あはは、いいよ結衣ちゃんなら』

結衣「だめだめだめだめ」

ちなつ「結衣先輩?」

京子「なにがだめなんだよ」

結衣「あ、あれ?」

あかり「結衣ちゃん、どっか具合でも悪いの?」

結衣「べ、別に悪くないよ」

あかり「熱っぽいとか?」ぴとっ

結衣「うわわわわわっ!」

あかり「あの、どうしてそんなに逃げるのかなぁ!?」ずずーん

結衣「いや、ちがっ」

ちなつ「まさか、あかりちゃん、変なものでもさわったの?」

あかり「えんがちょなの!?」

京子「まさか、中学生にもなって拾い食いしたとか?」

あかり「小学校でもしたことないよ!」

京子「それを、家政婦の結衣は見た!」

結衣「いや、家政婦と違うし」

京子「おお、ツッコミのキレが戻った」

ちなつ「京子先輩相手には、もっと心をえぐるツッコミがいいです」

京子「そんなこと言うのは、そのクチかー」

ちなつ「だから、来ないでくださいっ!」

あかり「あはははは」

結衣(あかりの笑顔、可愛い)

結衣「いやいやいや、違う違う」ぶんぶん

京子「今度は頭を振り始めた」

ちなつ「一体、どうしちゃったんでしょう」

あかり「なんか悩み事とか?」

結衣「あれ?」

結衣「わたし、なんか変なことしてた?」

あかり・京子・ちなつ「うんうん」

結衣「はぁ」

結衣(夕食を作る気にもならない)

結衣(もしかしてこれってさ)

結衣(あかりを好きってことなのかな)

結衣(いやいやいや、だって女同士じゃん)

結衣(で、でもこんなに気になるってことはさ)

結衣(べ、別におかしくないよね、京子だってそうだし)

結衣(いや、でもあれは本気なのか?)

結衣(だけど、ちなつちゃんだって、あれそうだよね)

結衣「って、もう2時!?」

結衣「ははは、寝よ」がっくり

結衣(ちゃんと確かめてみるかなぁ)

- 翌日 -

あかり「珍しいね、あかりだけ家に呼ぶなんて」

結衣「そ、そう?小さい頃は良く行き来してたじゃない」

あかり「なんか結衣ちゃん疲れてない?」

結衣「あ、いや、昨日夜更かししちゃって」

あかり「ゲームでもやってたの?」

結衣「そ、そんなとこ」

あかり「いいなぁ、自由でうらやましいよ」にこにこ

結衣「あかりも一人暮らしとか、してみたい?」

あかり「それは憧れるけど」

結衣「けど?」

あかり「一人で暮らしたりすると、その」

結衣「その?」

あかり「なんとなくポツンと死んじゃいそうだから」あはは

結衣(そ、想像出来すぎて笑えない)

結衣「わたしと、い、一緒に住んだらその辺は大丈夫だね」

あかり「そしたら毎日、結衣ちゃんのオムライス食べられる♪」

結衣「いや、オムライス以外も作るけど」

結衣(ていうか、なに一緒に住むとか言ってんの!?)

結衣(落ち着け、わたし!)

あかり「結衣ちゃん、顔赤いよ」

結衣「そそそ、そう!?部屋が熱いのかな!?」

あかり「昨日も調子悪そうだったよねぇ」

結衣「そうだっけ、ははは」

あかり「やっぱり熱でもあるんじゃないかな」ぴとっ

結衣(今度は、おでこっ!?)

あかり「あれ、なんか急に熱くなったような」

結衣「あ、あああ、あかりぃ!」がしっ

あかり「な、なに!?」

結衣「落ち着いて聞いてくれ」

あかり「うう、うん」

結衣「このままわたしがキスしたら、あかりはどう思う?」

あかり「へ?」

結衣「キスしちゃったら、どう思う!?」

あかり「えっと」

あかり「あの、その」

あかり「ごめん、いま全然聞こえなかったぁ」あはははー

結衣(すごい現実逃避だー)

あかり「あ、お昼はキスのフライがいいとか聞いた?」あたふた

あかり「あかりは、やっぱりオムライスがいいなぁ」あたふた

結衣「もしかしてあかり」

あかり「ななな、なに?」

結衣「キスがトラウマになってる?」

あかり「うぅぅぅー」がっくり

結衣「やっぱり」

あかり「だってぇ、あかりのファーストキス女のコなんだよぉ?」

あかり「二度目も女のコだよぉ?」

あかり「これって、泣いていいよねぇ」

結衣「いや、泣くなよ」

結衣(こっちが泣きたいっ)

結衣「ごめんごめん、冗談だから」

結衣(うぅ、言ってて心がチクチクする)

あかり「もう、びっくりするよ」

結衣「ほら、京子達がああだからさ」

結衣「あかりはどうなのかなって思って」

あかり「京子ちゃん達?」

結衣「ほら、キスとかいつも言ってるじゃない」

あかり「あかりは、お友達同士でキスはちょっとなぁ」

結衣「友達同士でキス?」

あかり「ちなつちゃんは好きなお友達なら」

あかり「キスは当たり前みたいに言ってたけど」

あかり「あかりはそこまで出来そうにないよ」あはは

結衣(やっぱりあかりは大きな勘違いをしてる)がっくぅ

あかり「あ、あれ、どうしたの結衣ちゃん」

結衣(この考えのズレはどうすればいいんだよ)

あかり「あかり、また変なこと言った?」あたふた

結衣「いや、大丈夫、こっちの問題だから」

結衣「とりあえずお昼にしようか」

結衣(た、立ち直る時間が欲しいです)

あかり「ふんふんふ~ん♪」

結衣「ご機嫌だね、あかり」

あかり「だって、結衣ちゃんがあかりのためだけに」

あかり「オムライス作ってくれるんだもん♪」

結衣「はぅっ!?」ずきゅーん

結衣「あ、あかりは男だったらジゴロになれるね」

あかり「あはは、はは、は?」

あかり(じ、ジゴロってなんだろう)

あかり「いただきま~す♪」

結衣(あかりの食べてるとこ可愛い)

結衣(いやいやいや、これじゃただの変態だよ)

結衣(はぁ、結局わかったことは)

A.あかり ← 友達 ← 結衣 ×ぶぶー

B.あかり ← ガチ ← 結衣 ○ぴんぽーん

結衣(こういうことだけじゃん!)ぐっ

あかり「結衣ちゃん、なんで握りこぶし?」

結衣「あれ、なんだかお腹一杯になったら」

あかり「眠くなったね」

結衣(あんまり寝てないうえに、疲れた、はは)

結衣「お布団敷いて、お昼寝しようか」

あかり「わーい、子供の時みたい」

結衣「手伝ってくれる?」

あかり「うん♪」

あかり「すぅすぅ」

結衣「寝るの、はやっ!」

結衣「まあでも、これって安心してくれてるんだよね」

結衣「やすらかな寝顔しちゃってさ」

結衣「なんで、わたしならいいよなんて言ったんだよ」

結衣「こんなに切なくなっちゃってるんだぞ」

結衣「はぁ、寝よ」

- 5時間後 -

結衣「ん、んんん」むくり

結衣「あれ、あかりがいる」

結衣「そっか、昼寝したんだった・・・って」

結衣「もう6時過ぎ!?」

あかり「んん、すぅすぅ」

結衣(この時間だと、あかり帰っちゃうかも)

結衣(もしかして、あかりにキスするラストチャンス?)

結衣「って、なんでキスにこだわってるんだ」

結衣(わたしって、こんな変なコだったっけ)ずずぅん

結衣(なんかまるで、京子が乗り移ったみたい)

結衣「というか、京子の呪いとか?」

あかり「京子ちゃんの呪い?」

結衣「そうだよ、だからあかりにキスしたくなるんだ」

あかり「あかりにキス?」

結衣「そう、キスを・・・ん?」

あかり「お、おはよう」

結衣「!?」がーん

結衣「おはよ」

あかり「わー、もーこんな時間だー、帰らないとー」ぎくしゃく

結衣「そうだね」

あかり「じゃー、結衣ちゃんまたねー」ぎくしゃく

がちゃ ばたん しーん

結衣「終わったー!!!」がっくぅ

結衣「どどど、どうすんの、明日から」

結衣「どうやって、あかりと目を合わせるの」

結衣「なんとかしないと」

結衣「でも、自分じゃなんともならない」

結衣「そ、そうだ、京子に相談すればいいかも」

京子『じゃあ、ちなつちゃんはわたしのものだ!』
 ▽
ちなつ『先輩、不潔ですぅ、学校中に言いふらしてやります!』
 ▽
千歳『船見さんってそうなんやぁ』
 ▽
綾乃『風紀を乱す人は、罰金バッキンガム&退学よ!』
 ▽
まり『お姉ちゃん、退学ってなに?』

結衣「む、無理すぎる」

結衣「というか、冗談と思われるよね、たぶん」

結衣「ちなつちゃんに相談は、そもそも無理」

ちなつ『裏切りましたねー、恨みますぅ、呪いますぅ』

結衣(な、なんだろう、このイメージ)

ちなつ『あかりちゃんともども、抹殺ですっ』

結衣(ひぃぃ!?)

結衣「というか」

結衣「こんな時に一番真面目に聞いてくれそうなのは」

結衣「あかりだった!」くっ

ぴんぽーん

結衣「!?」

結衣「もう、誰だよこんな時に」

結衣「あかり!?なんで!?」

あかり「結衣ちゃぁん」うぅ

結衣「な、なに?」

あかり「あかり、こういうこと相談出来るのって」

あかり「結衣ちゃんしかいなかったよぉ」

結衣「あ、やっぱりそうだよね」がっくり

結衣「じゃ、じゃあ今後どうするか相談しよう」

あかり「そうだね、よろしくお願いします!」

結衣(うぅ、意味わかんないよ)

結衣(これってどんな状況なの?)

あかり「あ、あのさ」

あかり「なんで、あかりとキスしたいのかなぁ?」

結衣(しかも、いきなり直球!?)

結衣「それは、えっと、その」

結衣「好きだから」

あかり「やっぱり友達でも、好きならキスは当たり前なんだぁ」はぁ

結衣「いや、友達じゃなくて」

あかり「え?」

結衣「お、女のコとして好きというか」

あかり「うん、あかり女のコだよねぇ」

結衣「それはそうなんだけど、その」

あかり「ん?」

結衣「恋愛対象として好きというか」

あかり「誰が?」

結衣「あ、あかりが」

あかり「ふーん、そうなんだぁ」

- 3分経過 -

あかり「って、えぇぇぇぇぇ!?」

結衣「おそっ!」

あかり「結衣ちゃん、ほんとは男のコだったの!?」

結衣「どうしてそうなる」

結衣「女のコ同士だけど、あかりが好きなんだ」

あかり「えぇぇぇぇぇ!?」

結衣「変だってわかってるけど、しょうがないんだ」

あかり「そ、そうだよね」

あかり「やっぱり変なんだよね」

結衣「う、それはまあ」ぐさっ

あかり「良かった、あかりが変なのかと思ったよぉ」

結衣「そっか良かったね、そうじゃなくて」ぐさぐさっ

あかり「うーん、あかりには女のコ同士ってわかんないかも」あはは

結衣「う、うん」

あかり「だって、あかりにとっての結衣ちゃんは」

あかり「小さいころは、あかりのおやびんで」

あかり「いろんな相談に乗ってくれて」

あかり「頼りになって、かっこ良くて」

あかり「あ、あれ?」

あかり「なんかすごく男のコっぽいよ?」

結衣「そ、それはそれで、なんかヘコむ」くぅ

あかり「ご、ごめんごめん」

結衣「だけど、そう、そうだよ」

あかり「へ?」

結衣「わたしを彼氏と思ってくれればいいんだよ!」くわっ

あかり「か、彼氏!?」

結衣「わたしを彼氏にしたら」

結衣「いつもあかりを守るし」

結衣「もちろん相談にも乗るし、勉強も教える」

結衣「それにほら、オムライスだって作ってあげる!」

あかり「あ、あの」

結衣「まだ足りないの!?じゃあ耳掃除も追加で!」

あかり「そうじゃなくて、最後のってさ」

あかり「彼女のやることなんじゃないかなって」あせあせ

結衣「あ!」

結衣「わ、わたしを彼氏にしたら」

結衣「彼女も一緒に出来て、一石二鳥だから!」くわっ

あかり「えぇぇぇぇぇ!?」

結衣「どうなの!?」

結衣(もう自分でなに言ってるのかわからないっ)

あかり「で、でも付き合ったりしたらなにをするの?」

結衣「デートしたり、部屋でまったりしたり、あと」

あかり「あ、あと?」

結衣「キス、したり?」もじもじ

あかり(ゆ、結衣ちゃん可愛い)

あかり「はっ!?」

あかり「そんなのダメぇ!」

あかり「だって、彼女より彼氏が可愛いって、ありえないもんっ!」

結衣「じゃあ、あかりが彼氏でいいからっ!」どーんっ

あかり「さっき、彼氏になるって言ったばかりだよねぇ!?」

あかり「それにしても、あかりが彼氏」うーん

あかり『可愛いよ、結衣』

結衣『は、恥ずかしいよ、あかり』

あかり『こっちへおいで、マイハニー』

結衣『や、優しくして』

結衣「それじゃ千歳だよ」

あかり「ちょぉぉぉ!心を読まないで!」

あかり「と、とりあえず、彼氏も無理だと思う」

結衣「だよねぇ」

あかり「ごめんね」うぅ

結衣「いや、わたしこそごめん」

結衣「いままで通り、友達でいてくれるかな」

あかり「も、もちろんだよ」

あかり「あかりは、結衣ちゃん大好きなんだからっ」

結衣「なっ!?」たじっ

結衣「そ、そういうこと言うから勘違いするんだよ!」

あかり「え?」

結衣「この前だって、わたしだったらいいとか、さ」

あかり「この前って、一緒に倒れちゃった時?」

結衣「そう、その時に言ったでしょ」

あかり「だって結衣ちゃんだったら構わないよ?」きょとん

結衣「なんで構わないんだよ!」

あかり「んー、んんんー、んんんんー?」

結衣「あかり?」

あかり「あれ、あれれ?」

あかり「もしかしてあかりって」

あかり「結衣ちゃんのこと、そういう意味で好きなの?」

結衣「はい?」ぽかーん

あかり「んと、結衣ちゃん女のコだよねぇ」

結衣「ま、まぁ一応」

あかり「あかりも女のコだよ?」

結衣「そ、そうだね」

あかり「なのに結衣ちゃんのこと好きって変だよね?」

結衣「お、おかしいなぁ」

結衣「さっきその話題やった気がするけど」

結衣「えっと」

結衣「な、なんか混乱してるから、ちょっと整理しようか」

あかり「う、うん」

結衣「あかりはわたしを好きなんだよね」

あかり「うん」

結衣「わたしもあかりが好きだって、さっき言ったよね」

あかり「うん、聞いたよ」

結衣「だ、だったら、これって両想いじゃないのかな」

あかり「そっか、あかりと結衣ちゃん両想いだったんだぁ」

- 3分経過 -

あかり「って、えぇぇぇぇぇ!?」

結衣「だから遅いよ!」

あかり「でも、結衣ちゃん女のコだよね」

結衣「うん」

あかり「あかりも女のコだよ?」

結衣「あかり、話が戻っちゃったから」がっくぅ

あかり「女のコ同士とか普通じゃないよねぇ」

結衣「それもさっき言ったよね」

あかり「お、おかしいなぁ、あかりは普通で目立たないはずなのに」

あかり「これじゃあ、あかりらしくないよねぇ」おどおど

結衣「なに、その後ろ向きな混乱のしかた」

結衣「じゃあ、こう思ってよ」

あかり「なに?」

結衣「もしわたし達が付き合ったとしてもさ」

結衣「他の人にはあまり言えないだろ?」

あかり「そ、そうだね」

あかり「ちなつちゃんに言ったりしたら」うーん

- 3分経過 -

あかり「!?」ぷしゅぅぅぅ

結衣「あ、あかり?」

結衣「大丈夫?白目むいてたよ?」

あかり「ご、ごめん結衣ちゃん」

あかり「自分が生き残る姿が想像できなかったよ」ふぅ

結衣「う、うん、すごく良くわかるよ」

結衣「あの、そろそろ話を続けていいかな?」

あかり「ど、どうぞ!」

結衣「み、みんなには話せなくて」

結衣「みんなの前では特別じゃなくてもさ」

あかり「う、うん」

結衣「わ、わたしの中では、あかりは特別だから」ぽっ

あかり「と、特別!?」

あかり「あかりが特別!?」ぷるぷる

結衣「そうだよ」

あかり「それって普通じゃないってことだよねぇ!?」

結衣「そ、そうだね」

あかり「特別って、なんかいい響きだなぁ」ぱぁぁ

結衣「は?」

あかり「もう、結衣ちゃん、からかったりしてないよね」

あかり「結衣ちゃんの中では、あかり目立ってるんだぁ」あはは

結衣「あの、一言いいかな」

あかり「ん?」

結衣「全部、だいなしだろ!」どーんっ

あかり「あの、ごめんね?」あせあせ

結衣「むぅ」

あかり「はしゃぎすぎちゃった」えへへ

結衣「ふん」

あかり「あぅぅ、許してよぅ」

結衣「許して欲しい?」ちらっ

あかり「う、うん」

あかり「なんか嫌な予感がするのは、気のせいかなぁ」あぅぅ

結衣「言うとおりにすれば許してあげる」

あかり「な、なにするのかなぁ?」おどおど

結衣「あかり、目を閉じて」

あかり「なんで目を閉じるの!?」

結衣「いいから、閉じて」

あかり「あぅぅ」

あかり「な、なにも見えないなぁ」あはは

結衣「じゃあ、いくね」

あかり「な、ななな、なにがくるのかなぁ!?」

結衣「んっ」ちゅ

あかり「!?」びっくぅ

- 3分経過 -

あかり「お、おでこにっ!?」

結衣「なんでその反応も遅い!」

結衣「今日はそれで勘弁してあげる」

あかり「も、もうびっくりするよぅ」

結衣「この位は当たり前だろ」

あかり「いくら結衣ちゃんなら構わないって」

あかり「思っててもさぁ」

あかり「すっごい緊張したんだよぉ!?」はぁ

- 5分経過 -

結衣「は?」

結衣「それってもしかして」

あかり「ん?」

結衣「唇にキスしても良かったってこと?」

あかり「言わないでよぅ、恥ずかしいなぁ」てれてれ

結衣「あの、あかり、もう1回」

あかり「えぇぇぇぇぇ!?もうこんな時間なのっ!?」

結衣「あの、あのさ」

あかり「帰らないと怒られちゃうよぅ!」

結衣「あの」

あかり「結衣ちゃんごめんね!今日は帰るね!」

結衣「えっと」

あかり「またねぇ!」

がちゃ ばたん しーん

結衣「あの、あかり、あの」ぽつーん

結衣「あはは、は」

結衣「な、泣いていいかな」

結衣「あはは」がっくぅ

ぴんぽーん

結衣「ひぃっ!?」

結衣「あかり!?今度はなんで!?」

あかり「えへへ、忘れ物」

結衣「な、なに忘れたの?」

あかり「んっ」ちゅっ

結衣「!?」

あかり「いままでのは忘れてね」

あかり「結衣ちゃんとをファーストキスにするから」えへへ

結衣「くちびる、くちびるに、あかりのが」ふらっ

あかり「じゃあ、また明日ね!」ばいばーい

がちゃ ばたん しーん

結衣「んと」

結衣「えっと」

結衣「うん」

結衣「今日は、顔洗わないで寝よっと」   END

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