J('-`)し「野球ごめんね・・・」 (28)

J('-`)し「ごめんね・・・」

幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。


       J('ー`)し
        (  )\('∀`)
        ||  (_ _)ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

学もなく、技術もなかった母は、個人商店の手伝いみたいな
仕事で生計を立てていた。

┌─────────┐
│  個 人. 商 店  │
└─────────┘
 │  J('ー`)し     |
 │   (  )    ┌─|
 │   ||    │ i|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


それでも当時住んでいた土地は、まだ人情が残っていたので
何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

   │
   │
   │
   │  J('ー`)し_____________
  / ̄ ̄ (  )  ('∀`)
/      ||  (_ _)ヾ

娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を
持って、近所の河原とかに遊びに行っていた。

///////ww   w  ww
//////w ww        J('ー`)し
/////w w ww. ('∀`)  □ノ(  )
////w w  w   ( ヘヘ    ||
///w  ww ww  w



給料をもらった次の日曜日にはクリームパンとコーラを
買ってくれた


         J('ー`)し         ワーイ コーラ ダ

          (  )ヽ□ ヽ('∀`)ノ クリームパン ダ
          ||      (_ _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらって
きた

       J('∀`)し
        (ヽロロ   ヽ('∀`)/
        ||      (_ _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

俺は生れて初めてのプロ野球観戦に興奮し、母はいつも
より少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。


   J('∀`)し
t─┐ノ( ノ)        ヾ('∀`)ノロロ
  │■| |       .  (_ _)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

野球場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に
止められた

──┐

   │                _[係]
   │   J(;'Д`)し       (`Д´ )
   │     (  )\('д`) ロロヾ(  )
   │     ||  (_ _)ヾ    / └
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母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。
チケット売り場で1人1000円ずつ払ってチケットを
買わなければいけないと言われた。

──┐

   │                _[係]
   │   J( ;'A`)し       (`Д´ )
   │     (  )\( 'A`) ロロヾ(  )
   │     ||  (_ _)ヾ     ||
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

帰りの電車賃くらいしか持っていなかった俺たちは
外のベンチで弁当を食べて帰った。

電車の中で無言の母に「楽しかったよ」と言ったら


  ( '∀`) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


母は 「母ちゃんバカでごめんね」 と言って涙を少しこぼした


  ( 'A`) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に1度だけ目を覚まし思い出したように
「野球、ごめんね」 と言った。

                 ('A` )
         J('A`)し    (  )
      /⌒⌒⌒⌒⌒ヽ  ||
     // ̄ ̄ ̄フ /
   / (___/ /
   (______ノ

俺は 「楽しかったよ」 と言おうとしたが、
最後まで声にならなかった

                 ('ー`;;)
         J('A`)し    (  )
      /⌒⌒⌒⌒⌒ヽ  ||
     // ̄ ̄ ̄フ /
   / (___/ /
   (______ノ

そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に1度だけ目を覚まし思い出したように
「お前さえ…お前さえいなければ…」 と言った。

                 ('A` )
         J('益`)し    (  )
      /⌒⌒⌒⌒⌒ヽ  ||
     // ̄ ̄ ̄フ /
   / (___/ /
   (______ノ

俺は 「楽しかったよ」 と言おうとしたが、
最後まで声にならなかった

                 ('A`;)
         J('益`)し    (  )
      /⌒⌒⌒⌒⌒ヽ  ||
     // ̄ ̄ ̄フ /
   / (___/ /
   (______ノ

母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。
チケット売り場で1人1000円ずつ払ってチケットを
買わなければいけないと言われた。

──┐

   │                _[係]
   │   J( ;'A`)し       (`Д´ )
   │     (  )\( 'A`) ロロヾ(  )
   │     ||  (_ _)ヾ     ||
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


いい席で見たかった俺たちは
指定席Sのベンチで極上松阪牛ヒレ肉弁当10,500円を食べて帰った。

電車の中でルールがわからず無言の母に「楽しかったよ」と言ったら


  ( '∀`) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
母は 「母ちゃんバカでごめんね」 と言って涙を少しこぼした


  ( 'A`) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

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