男「幼馴染、世の中で一番大切なのは?」(223)

幼馴染「お金ね」

男「じゃあ、お金以外で答えて」

幼馴染「金銀財宝ね」

男「えと、俺は愛とか友情が大切だと思うんだけど、どうかな?」

幼馴染「はっ、そんなものが何の役に立つの?」

男「ほら、人間助けあいだからさ。愛情友情あった方が困った時助けてくれるだろ?」

幼馴染「じゃあ、今、私お金に困ってるのよ。男、1000万用意して」

男「む、無茶だよ。しかも、それ嘘でしょ」

幼馴染「ほら、所詮友情なんてこんなもの。信じてすらくれなかった。やっぱり世の中お金ね」

 みたいな捻くれ幼馴染が愛情に目覚めちゃう感じでオネガイシャス

幼「恋愛映画なんて本当にくだらないわね」

男「なんでそう思うの? 俺は好きだけどな、なんか胸がキュンってなるし」

幼「純愛物だけが恋愛映画じゃないでしょう。三角関係物なんて胸キュンなんてしないわ。むしろギュゥね」

男「そうかもしれないけどさ」

幼「大体、実際の恋愛なんてほとんど純愛なんてないじゃない。ビッチとヤリチンばかりね」

男「そ、そういう汚い言葉は使わない方がいい」

幼「貴方もどうせヤリチンなんでしょう?」

男「……ごめんなさい、童貞です」

幼「童貞が純粋かっていえばそうでもないものね。いつも僻んでばかり。これは処女にも言えるわね」

男「べ、べつに俺は僻んだことないよ」

幼「本当に? クリスマスにカップルがイチャイチャしている場面を見ても貴方はなにも感じないと?」

男「……い、いや、ちょっとは羨ましいと思うけど」

 みたいな感じでオネガイシャス

幼馴染「男も女も、お金をちらつかせればホイホイ股開く世の中よ」

男「そんなこと…」

幼馴染「男だってお金さえ貰えれば顔も性格も悪い女でも抱けるでしょ?」

男「そんなことない!」

幼馴染「あたしは抱かれても良いよ、お金さえ貰えればキモイ親父にだって股開いてあげる」

男「やめろよ…」

男「……本当に金出せば誰にでも股開くんだな?」

幼馴染「なに、お説教?」

男「まさか。お前みたいな奴に説教なんて時間の無駄だろ」

幼馴染「じゃあ何よ」

男「幾らだ?」

幼馴染「は?」

男「幾ら払えば股開くかって聞いてんだよ」

幼馴染「はあ!? なに、本気なの?」

男「自分で言ったんだろ、金出せば股開くって。それとも、あれは嘘か?」

幼馴染「ち、ちょっと……何? 本気で私とヤりたいの、あんた?」

男「本気だよ。何度も言わせんな、面倒臭い」

幼馴染「…………」

幼馴染「10万」

男「高っ!?」

幼馴染「初物だし幼馴染みの思い出代込みよ。安いもんじゃない?」

幼馴染(これだけ吹っ掛ければ……)

男「分かった。それで良いぜ」

幼馴染「えっ!? なに、マジ?」

男「手持ちじゃ足りないからコンビニ寄ってくわ。で、どこでする?」

幼馴染「ウソ? 冗談だよね? またまた~。驚かそうったって、そうはいかないよ?」

男「冗談だと思うか?」

幼馴染「……10万は無し、やっぱ20万」

男「分かった。大学で一人暮らしする為に貯金してたからな。20万なら直ぐ出せる」

幼馴染「っ!?」

男「今日は親の帰り遅いから、俺の家に行くぞ」

幼馴染「う……うん、わかった」

男宅

幼馴染「ほ、本気にするの?」

男「今更何言ってんだ?」

幼馴染「…………」

男「ほら、先に金払っとくよ。確認しろ」

幼馴染「こういうのって、終わった後に払うんじゃ……」

男「先に払っておけば、買われたってはっきり自覚出来るだろ?」

幼馴染「……さいってー」

男「売るお前も大概だろ。立場が理解出来たら、さっさと脱げ」

幼馴染「せめてシャワーくらい!」

男「買われた奴がぐだぐだ言うな」

幼馴染「う……」

男「買われるって事がどういう事か分かったか?」

幼馴染「…………」

男「脱ぎたく無いなら俺が脱がせるぞ」

幼馴染「いい。自分で脱ぐ」ゴソッ

パサッ

男(やっぱり綺麗だな。幼馴染……)

男(はは……最悪の童貞卒業になりそうだ……クソっ)

幼馴染「……脱いだよ」

男「下着が残ってるだろ」

幼馴染「……せめて遮光カーテン閉めて電気消してよ」

男「注文の多い奴だな……電気、消すぞ」

幼馴染「うん……」

パチッ

男「そのままベッドに横になってろ」

幼馴染「……ん」

男「脱がせるぞ?」

幼馴染「……良いよ」

スルッ

幼馴染「……っ、手冷た……」

幼馴染「……触らないの?」ブルブル

男「暗いからよく見えないんだよ」

男(あれだけ鼻息荒く語ってたクセに震えるなよ……)

幼馴染「は、はやく済ませなさいよ……っ」

男「……足開け」

幼馴染「ん、こう?」

男「前戯面倒だから、もう入れる」

幼馴染「ち、ちょっと! なにそれ!?」

男「買われたんなら黙って股開いてろよッ!」

幼馴染「ひっ……」ビクッ

幼馴染「い、痛っ……無理、何もしてないんだから無理ッ!」

男「こっちは20万払ってんだぞ。いい加減黙れよ!」ギチッ

幼馴染「やだ、やだよ……っ。痛い、痛いっ」グスッ

男「……」

男「我が儘ばかり言いやがって。俺が良心的な客で良かったな」スッ

幼馴染「ひゃうっ」

男「キスするぞ」

幼馴染「ん……ふぁっ」

男「首、綺麗だな」ペロッ

幼馴染「あっ……」ゾクゾクッ

男(あーあ。ファーストキスがこんなかよ……)

幼馴染「ねぇ、むね……触って……?」

男「良いよ」ムニュ

幼馴染「ん……っ」

幼馴染(一人でするのと違う……ちょっと、気持ち良いかも……)

モゾッ

幼馴染「ひゃっ……し、下の方は……っ」

男「濡らさないと入れられないだろ?」クリクリ

幼馴染「馴れてないからヒリヒリするのっ! もっと優しくしてよぉ……」

男「分かったよ……」クチュ…

幼馴染「ん、あ……っ、あ、あッ……」

男「痛くないか?」

幼馴染「うん……へいき」

幼馴染「なんか、優しいね」クスッ

男「――っ!」ドキッ

男「……もう入れるぞ」

幼馴染「えっ、もう? 舐めたりとかしなくて良いの?」

男「めんどい」ズチュッ

幼馴染「――――っっ!!?!」

男「まだキツかったか……」グチュッ グチュッ

幼馴染「いたっ……まってっ! まだうごか……っ!」ズチュッ ズチュッ…

男「我が儘言うな、売女っ」

幼馴染「……っ!」

男「幾ら払ったと思ってるんだ? 少しは俺を楽しませてろよ」

幼馴染「……最低…………」グスッ

男「ああ、最低だよっ!」

男「俺は好きな女に金払ってこんな事やってる最低のクズ野郎だ!」

幼馴染「え……」

男「お前も金貰ったなら、少しくらいは気を使えッ!」

幼馴染「……好きって…………」

男「……」

幼馴染「ごめん。そうだね、私は買われたんだからサービスしなきゃね……」ギュッ

幼馴染「好きに、して良いよ。でも……ちょっと優しくしてくれると嬉しいな」

男「……そうだな。初めて、だもんな」ギュッ

男「……動くぞ、キツかったら言えよ?」ギシッ

幼馴染「うん……大丈夫……」

幼馴染(このベッド、男の匂いがする……)

幼馴染(そういえば昔……よく男の家に遊びに来て、ベッドの上でマンガ読んでたな……)ポロッ

幼馴染(あれ……? なんで私泣いてるんだろ……)

男「おい、大丈夫か?」

幼馴染「う、うん。平気……だよ。ちょっとシみただけ」

男(辛そうだな……)

男「ちょっと我慢してくれよ。直ぐ終わらせるから」ガシッ

幼馴染「ふあっ!?」

男「くっ……」パンッ パンッ パンッ

幼馴染「いた、いたいっ……もっと優しくしてえっ……」

男「無理っ、もう出る……っ」

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――――
――

幼馴染(お腹の上……あったかい……)ハァッ ハァッ…

男「……大丈夫か?」

幼馴染「うん……なんとか……」

男「そうか。ならシャワー浴びたら帰ってくれ」

幼馴染「え、帰れって……」

男「料金分は終わり。もう十分だ」

幼馴染「は? 20万だよ!? これだけで良いの?」

男「十分、もう十分精算できたよ」

男「もう、十分だ……」

幼馴染「十分って……」

男「いいからシャワー浴びて帰れよ……」

幼馴染「……うん」

男「幼馴染」

幼馴染「なに?」

男「無理させてごめんな」

幼馴染「ばか、料金分よ」

男「はは……そうだな」

男「……そう、だよな……」

翌日

幼馴染「おはよっ」

男「……よお。もう痛みとか無いのか?」

幼馴染「まだ少しズキズキするけど、我慢出来ない程じゃ無いわね」

男「……そっか。じゃあな」

幼馴染「え? なに、一緒に行かないの?」

男「ああ」

幼馴染「どうして?」

男「……もうお前の顔は見たくない。じゃあな」

幼馴染「な、なによそれ!?」

幼馴染「ちょっと男!! ……なんなのよ…………」

教室

男「おはよう」ガラッ

地味子「おはよう、男くん」

男「あ、地味子。おはよう」

地味子「あの……ね。その……プリント……」

男「ああ、分かったからちょっと待って」ゴソゴソ

男「はい、これ」

地味子「うん、ありがとう。男くん」ニコッ

男「雑用押し付けられて大変だな」

地味子「そ、そんなこと無いよ? わたし、こういうの慣れてるから……」ワタワタ

男「そっか。がんばれよ」

地味子「うんっ」

地味子「あ、幼馴染さん。あの、プリント……」

幼馴染「え? あ、はい。これね」パサッ

地味子「ありがとう、幼馴染さん」

幼馴染「…………」

地味子「幼馴染さん?」

幼馴染「え? なに?」

地味子「大丈夫? 調子悪いなら保健室行った方が……」

幼馴染「へ、平気よ? ちょっと寝不足気味でさー」

地味子「そうなの?」

幼馴染「うんうん。だから気にしないでっ」

地味子「うん……」

昼休み

幼馴染「男っ、お昼一緒に食べない?」

男「……金無いからパス」

幼馴染「は? なによそれ」

男「もっと金持ってる奴の所行けよ、自分で言っただろ。金が全てだって」

幼馴染「……っ、ちょ、ちょっと――――」

男「じゃあな」ガタッ

幼馴染「ま、待ちなさいよ!」ガシッ

パシッ

幼馴染「――――っ!!」

男「触んな」

幼馴染「…………」

男「……もう話掛けるなって言ったろ」

食堂

男(…………食欲無いな)

男(うどんで良いか)ピッ

地味子「……男くん?」

男「地味子……どうした?」

地味子「どうしたじゃないよっ。顔真っ青だよ?」

男「そうか……」

地味子「大丈夫……?」

男「なあ、地味子。うどん好き?」

地味子「? うん、好きだよ」

男「そっか……じゃあこの食券やる。俺、ちょっと保健室行くわ」

地味子「え、あ、ありがとう。お大事にね?」

男「ああ。じゃあなー」

幼馴染(あ、男……)

幼馴染(地味子さんと話してる……)

幼馴染(っ!?)

幼馴染(なんで買った食券地味子さんにあげてるの? お金無いってさっき言ってたじゃない……っ)

幼馴染(あ、食堂から出てった……よし)

幼馴染「ちょっと地味子さん」

地味子「あ、幼馴染さん」

幼馴染「男と何話してたの?」

地味子「男くん、顔色悪かったから、声かけただけだよ?」

幼馴染「そうなんだ……」

幼馴染「そういえば、何か貰ってたみたいだけど?」

地味子「え? 見てた……の?」

幼馴染「偶然目に入っただけよ」

地味子「……うん。食券、貰ったんだ。えへへ……」カアッ

幼馴染「ふーん、何の食券? 食べたいのじゃなかったら、私のと交換する?」

地味子「そんな、悪いよ!? それに、勿体なくて使えないし……」モジモジ

幼馴染(……キツネうどん、ね……)

幼馴染(たかが200円を勿体ないってバカみたい)

地味子「じゃ、じゃあ、わたし行くね?」

幼馴染「あ、うん。ばいばい」

放課後・保健室

男「もうこんな時間か……」

保険医「おや、目が覚めたみたいだね」

男「はい。おかげさまで、だいぶ楽になりました」

保険医「顔色も良くなっているし、これなら歩いて帰れそうだね」

男「そうですね」

コンコン

保険医「どうぞ」

地味子「失礼します」

男「あれ、地味子……」

地味子「あ、良かった……」

男「転んだのか?」

地味子「ち、違うよっ。男くんのカバン持って来たの!」

男「そんな、わざわざ……」

地味子「お昼のお礼だよ。気にしないで」

男「そっか、ありがとな」
地味子「えへへ……」

男「せっかくだから、途中まで一緒に帰るか?」

地味子「い、良いの?」

男「カバンのお礼。じゃ先生、失礼します」

地味子「お邪魔しました」ペコッ

保険医「うん。気を付けてね」

帰路

地味子「でも良かったよー」

男「何が?」

地味子「男くんの体調だよ」

男「そんなヤバそうに見えた?」

地味子「うん。すごい真っ青だった」

男(俺のメンタル弱すぎるだろ……)

地味子「あと、カバン」

男「ん?」

地味子「入れ違いにならなくて良かった」ニコッ

男「……地味子は良い奴だな」

地味子「え? な、なに……?」

男「地味子は可愛いなって言ったの」

地味子「ひぇっ!? ……は、わ、わたしバスだから先行くね。ばいばいっ」タタタッ

男「……良い奴、だな……」

男宅前

幼馴染「……おかえり」

男「……」

幼馴染「その……保健室で寝てたから、先に帰ったんだけど、やっぱり心配で……」

男「……」

幼馴染「それで、電話したんだけど……電話もメールも繋がらなくて……」

男「……」

幼馴染「迷惑だったかな……迷惑、だよね……」

男「……ああ。邪魔だから退いてくれ」

幼馴染「うん……ごめん」

男「……」カチャ

パタン

幼馴染「……ううっ……ひっく……」ジワッ

幼馴染「な、なによ、バカぁ……」グスッ

玄関

男「何がバカだよ……」

男「……もう、全部精算したんだ……」

男「あいつが何しようが未練が残らない様に。その為に買ったんだろ……」

男「もう、あいつの事なんか……」

男「……あいつの事なんか…………」

翌日

男「おはよう」ガラッ

地味子「あ……お、おはよう、男くん」

男「おはよう、地味子」

地味子「えへへ……」

男「なんか機嫌良いな」

地味子「そ、そうかな? そう……だね。うん、良い事あったよっ」

男「へえ、何があったんだ?」

地味子「ひ、秘密だよっ」

男「なんだ、残念だな」

地味子「残念がっても秘密は秘密だよ?」

男「はは……無理には聞かないって」

幼馴染「おはよう……」

「おはよう。って目真っ赤じゃん、どうしたの?」

幼馴染「あはは……昨日見た映画でマジ泣きしちゃってさー」

「うんうん、あれマジで泣けるよねー」

幼馴染「はは……」チラッ

男「……」

幼馴染「はあ……」

「どしたの?」

幼馴染「な、なんでも無いよ」

「ふーん。そう言えば今朝テレビでさー――――」

幼馴染「そうなんだー」

幼馴染(なにこの中身の無い話。くだらない……)

休憩時間

先生「おう、地味子。次の教室移動で使う機材を運ぶの手伝ってくれ」

地味子「は、はい。分かりましたっ」

先生「何時もすまんなー」

地味子「気にしないでください、先生」

男「……」

男「先生、俺も手伝います」

幼馴染「……!」

先生「おお、そりゃあ助かる!」

地味子「い、いいの?」

男「一人じゃキツいだろ?」

地味子「ありがとう、男くんっ」



幼馴染「……ふーん、そういう事なんだ……」ボソッ

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――――――
――――
――

先生「いやー、助かったよ二人とも」

地味子「えへへ……どういたしまして……」

男「さすがに二人だと早いな」

地味子「そうだね。ありがとう、男くん。すごく助かっちゃった」ニコニコ

先生「どれ。いつも頑張ってくれてる地味子に、先生からご褒美やらないとな」

地味子「そんな。いいですよ、先生」

先生「なに、ご褒美って言ってもただのカップラーメンだ。二つやるから昼にでも二人で食ってくれ」

男「やりっ。昼飯代浮いたな、地味子」

地味子「うんっ。得しちゃったね。先生ありがとうございます」

昼休み

幼馴染「地味子さん、お昼一緒に食べない?」

地味子「え、わたし?」

幼馴染「そう。地味子さん」

地味子「いいの? 幼馴染さん、何時も他のお友達と食べたし……」

幼馴染「たまには、そういう気分の日もあるのよ」

地味子「そうなんだ。うん、良いよっ」

地味子「あ、でもわたし今日カップラーメンだから食堂行かないと……」

幼馴染「構わないわよ。食堂行こ」

地味子「うん。なんかわたしの都合に合わせちゃってごめんね?」

幼馴染「良いわよ、気にしないで」

食堂

幼馴染「お待たせ」

地味子「全然だよー」パタン

幼馴染「メール?」

地味子「うん。お母さんから買い物頼まれちゃった」

幼馴染「あー、そういうのあるよね。ほんっと面倒」

地味子「あはは……」チャラ…

幼馴染「なに? 変わったストラップね……」

地味子「あ……」

幼馴染「キップホルダー?」

幼馴染「……!」

幼馴染「これ……昨日の食券……?」

地味子「あ、あの、その……」

幼馴染「まあ、好みは人それぞれよね」

地味子「へ、変かな? 変だよねっ。でも、何となく使えなくて……」

幼馴染「えっと……、なかなか可愛いんじゃない?」

地味子「そうかな……。うん、ありがとうっ」

幼馴染(なにコイツ、気持ち悪い……)

幼馴染「ねえ……?」

地味子「なに、幼馴染さん?」

幼馴染「貴女、男の事好きなの?」

地味子「ふえ?」

地味子「……」

地味子「な、なんですか、いきなりっ? どうしてわたしが男くんを……」ゴニョゴニョ

幼馴染「見れば分かるわよ、そんなの」

地味子「う、うそっ? ほんとに?」

幼馴染「分かり易い……」

地味子「あうう……」カアッ

幼馴染「……でも、止めた方が良いわよ」

地味子「な、なんでですか?」

幼馴染「あいつ、ヤりたくなったら女買う様な奴だから」

地味子「え……?」

地味子「そんな……」

幼馴染「ほんと」

地味子「ウソですっ、何かの間違いです!」バンッ

ザワッ……

地味子「あ……」

地味子「……」

幼馴染「本当よ」

地味子「でも、何の証拠も無いのに……」

幼馴染「証拠ならあるわよ」

地味子「ウソっ」

幼馴染「だって買われたの私だもん」

幼馴染「それも、20万で……」クスッ

地味子「…………そんなの、そんなのって……」

地味子「わたし……」

幼馴染「……」クスクス

地味子「わたし、男くんに直接聞いてきますっ」

幼馴染「はあ!? そんな事して何か意味があるの?」

地味子「だって男……貴女の事を……」

幼馴染「私の……?」

地味子「……っ。なんでもありません!」

地味子「きっと……きっと何か事情があって……っ」

幼馴染「そう、あいつが私を……ねえ」

地味子「お先に失礼しますっ」タタタッ

幼馴染「必死ね……」

幼馴染「そんなに男が大事なのかな」

幼馴染「200円の貴女が、20万の私に勝てる筈無いのに……」

屋上

男「カップラーメンだけじゃ足りないな……」

バタンッ

男「ん?」

地味子「ハァ……やっと……ハァ……見つけ……」フラフラ

男「ど、どうしたんだよ地味子!?」

地味子「屋上で……ご飯食べてるって聞いて……」

地味子「それで走って……」

男「どうしたんだよ、そんなに急ぎの用なのか?」

地味子「はい……どうしても聞きたい事が……」

男「分かった、分かったから一先ずお茶飲んで落ち着け」

地味子「い、いただきます……」ゴクゴクゴク

男「それで、話って?」

地味子「はい……あの……」

地味子「……幼馴染さんを買ったって、本当なんですか?」

男「……」

地味子「幼馴染さんから……聞いたんです……」

男「……そっか」

地味子「本当……なんですか?」

男「……ああ。本当だ」

地味子「なんで……だって男くん、幼馴染さんの事好きだったんじゃ……」

男「そうだよ。好きだった」

男「でも、価値観が致命的に違いすぎたんだ」

男「あいつは金が全てだって」

男「あいつにとっては思い出や感情より、金の方が大事だったんだ」

男「だから金で。力ずくで物にしようと思った」

男「……まあ、結果ダメだったんだけどね」

男「結局俺ができたのは、僅かな時間あいつの身体を弄ぶ事だけだった」

地味子「そんなの……」

男「と、まあ。俺はそういう人間なんだよ」

男「まんまり俺と一緒に居ると、地味子にまで変な噂立つかも知れないぜ?」

地味子「そんなの……酷いです……」

男「自覚してるよ、自分がクズだって……」

地味子「そうじゃないっ」

男「……」

地味子「そんなんじゃ、男くんが報われない……男くんが報われないよ……」

男「俺……が……?」

地味子「だって好きだったんでしょ?」

地味子「わたし、何となくだけど知ってたよ。男くんが幼馴染さんを好きな事」

地味子「なのに、こんなの酷過ぎるよ……」

男「……ありがとな」

地味子「え?」

男「こんな俺を心配してくれて」

男「俺はもう大丈夫だよ」

地味子「でも……」

男「俺は、幼馴染を好きだった」

男「もう……好きじゃない」

地味子「……」

男「だから、大丈夫」

幼馴染「……なによそれ…………」

男「なっ……幼馴染……!?」

幼馴染「なんなのよ、あんた……」

男「……言葉の通りだよ」

幼馴染「もう好きじゃ無いからってあんな態度だった訳? バッカじゃないの!?」

男「なんとでも言えよ」

幼馴染「はあっ!?」

男「もうお前とは関わりたくないんだ」

地味子「そんな……男くんっ」

男「良いんだ、地味子。幼馴染には幼馴染の理想や考えがある」

地味子「でも……」

男「俺はそれに目を向けたくないんだ」

男「だから幼馴染……俺に関わらないでくれ」

幼馴染「なによそれ……」

幼馴染「訳分かんない……訳分かんないわよ!」

幼馴染「私がどこで何しようと勝手でしょ!」

幼馴染「それが何で無視になるのよ!!」

男「好きな女が売りだの援交だのやってるなんて、見たくも聞きたくもねえんだよッ!!」

幼馴染「!?」

地味子「男さん……」

男「クソッ……」

男「分かっただろ、そういう事だから」

幼馴染「…………」

男「……じゃあな」

地味子「あ、待って男くん!」

幼馴染「…………」

幼馴染「ふふっ……」

幼馴染「なんだ……」

幼馴染「やっぱり私の事好きなんじゃない」

幼馴染「ふふふ……」

階段

地味子「良いの、男くん?」

男「良いも何も、これしか俺には出来ないんだよ……」

地味子「でも……」

男「俺は自分が傷つきたくないんだ」

男「あいつの事で、煩わしい思いをしたく無いんだよ……」

地味子「…………」

男「地味子は先行きなよ。俺と一緒にいたら、変な噂立つかもしれないぜ」

男「買春男の次のターゲット、ってな」

地味子「幼馴染さんはそんな噂流さないよ」

男「どうだか」

地味子「きっと流さない。だって男くんが傷付くもん」

男「……それはどうだろうな」

放課後

男「帰るか……」

幼馴染「男」

男「……」

幼馴染「一緒に帰ろ」

男「……」

幼馴染「あの事バラして一緒に退学になる?」ボソッ

男「お前……っ」

幼馴染「ね、一緒に帰ろ?」

男「……分かった」

幼馴染「ふふっ、良かった」クスッ

帰路

男「……」

幼馴染「ねえ」

男「……」

幼馴染「何か話そうよ」

男「……」

幼馴染「ベッドの上だと、あんなに優しかったのに」

男「てめ……っ」

幼馴染「最初強引だったのも愛情の裏返しだよね?」

男「……知るか」

幼馴染「あのね」

男「……」

幼馴染「今日、親居ないんだ」

男「だから何だよ」

幼馴染「ウチ来ない?」

男「嫌だね」

幼馴染「なんで?」

男「俺みたいな貧乏人じゃなく、金持ってそうな奴連れ込めよ」

幼馴染「それもそうね」

男「……」

幼馴染「ふふっ、ウソよ。知らない奴部屋に入れたく無いし」

幼馴染「男」

男「……」

幼馴染「ニ万で良いよ」

男「……」

幼馴染「もうだいぶ痛く無いから、前よりサービス出来ると思うんだけど」

男「……」ギリッ

幼馴染「だめ?」

男「悪い、用事あるから先帰ってくれ」

幼馴染「あ、男っ!」

幼馴染「……なによ、本当はしたいクセに」

スーパー

男「適当に入ったけどどうするかな……」

男「うん。夜食でも買って帰るか」

地味子「あれ、男くん?」

男「お、地味子。お使いか?」

地味子「うん。お昼に買い物頼まれたの」

男「結構な量だな……」

地味子「うち弟が食べ盛りだから、えへへ……」

男「家近いのか?」

地味子「え、うん」

男「じゃ、荷物持って良いかな」

地味子「ええっ? 悪いよ、そんな」

男「ちょっと時間潰したくてさ、人助けだと思って頼む!」

地味「うふふ。良いよ、正直助かるし。はい、お願いします」

男「おう、任せろ!」

帰路

地味子「やっぱり男の子だね。すっごい助かっちゃった」

男「量多いもんな。何時もこんな感じなのか?」

地味子「我が家には食べ盛りが、弟とお姉ちゃんとお父さんとって一杯いるんだ」

地味子「だから、いつもこんな感じだよ?」

男「大変なんだな……」

地味子「えへへ、もう慣れちゃったよ」

地味子「あ、もうすぐだよ」

男「どこ?」

地味子「あのマンション」

男「へー、本当に近いんだな」

マンション前

地味子「今日はありがとね」

男「大したこと無いって」

地味子「そんな事ない。わたし一人だと倍くらい時間掛かるんだよ?」

男「はは……」

地味子「だから、すごく助かったな」

地味子「それにね……」

男「それに?」

地味子「すごく楽しかったっ」ニコッ

男「……っ」ドキッ

男(ああ、ちょっとヤバい……俺、節操無さ過ぎだろ)

地味子「あ、あのね、男くん……」

男「え、な、なに?」

地味子「また、こうやって……一緒に買い物できたら嬉しいかな……」

地味子「……」

地味子「……って。えへへ、なに言ってるんだろ、わたし」

男「荷物持ちくらい、言ってくれりゃ……」

地味子「だめっ」

男「え?」

地味子「やっぱりだめだよ、そんなの……」

地味子「男くんが弱ってるところ付け込むのはダメ。ずるいもんね」

男「地味子……」

地味子「だって男くん、まだ幼馴染さんのこと好きだもの……」

男「はは……そんな事無いって」

地味子「ほんとに?」

男「……ごめん、何か地味子には嘘吐けないな」

地味子「ほらね」

地味子「……ね、男くん」

男「……なに?」

地味子「いつか心の整理が付いて、まだ誰も好きじゃなくて、まだ誰かを好きになれるなら……」

地味子「わたし、男くんを好きになっても良いかな?」

男「それって……」

地味子「えへへ……告白、だよ?」

地味子「じ、じゃあまた明日ね。荷物、ありがとっ!」

男「……ああ。また、明日…………」

男宅

男「ただいまー」

「おかえりー。お前にお客さん来たから、部屋に上がって貰ったぞー」

男「は?」

男(幼馴染の靴……)

男「マジかよ……」

男「…………」

男「よしっ」

男「もう逃げないで、全部はっきりさせよう」

ガチャ

幼馴染「おかえり」

男「ああ」

幼馴染「帰りが遅いから来ちゃった」

男「見りゃ分かる」

幼馴染「シーツ変えたんだ……」

男「当たり前だ」

幼馴染「血の跡、何て言って誤魔化したの?」

男「何だって良いだろ」

幼馴染「私の純潔の証なんだから、そのままにしてくれれば良かったのに」

男「……お前なあ」

幼馴染「ふふっ、冗談よ」

男「で、何しに来たんだよ」

幼馴染「えっちしに」

男「……はあ」

幼馴染「この際だから、一万円で良いわよ」

男「しない」

幼馴染「何でよ!?」

男「金が無い」

幼馴染「じゃあ五千円でも良いわ。ヤりたい盛りなんだから、無理しなくて良いのよ?」

男「……はっきり言うぞ」

幼馴染「なに……?」

男「お前に払う金は無い。例え1円だって」

幼馴染「な、何よそれ!?」

男「言葉のまま受け取れ」

幼馴染「男。あんた、ふざけてるの?」

男「それは俺のセリフだろッ!」

幼馴染「私には1円の価値も無いって事? 馬鹿にしないでっ!」

幼馴染「あの地味女には金を出せて、私には出せないってどういう事!?」

男「地味女って……地味子の事かよ」

幼馴染「あいつ男から貰った食券を、大事そうにキップホルダーに入れてストラップにしてたのよ」

幼馴染「たった200円の物大事にしてさ、気持ち悪い……私は20万で買われたのに!」

パンッ

幼馴染「え……?」

男「……」

幼馴染「……なんで、何で叩くの?」

幼馴染「私はあの女より価値があるのよ……」

幼馴染「なんで……」

男「金が全てって幼馴染の考え方ならそうかもしれない」

男「けどな……想いや思い出が大切だって奴も居るんだよ!」

男「お前が地味子を侮辱するなら、俺はお前を許さない。絶対に……ッ」

幼馴染「何で地味子の味方するの……?」

幼馴染「男は私を好きだって言ったじゃない!」

幼馴染「えっちしてる時も、屋上でもっ!」

男「……俺が好きだった幼馴染は、お前じゃない」

幼馴染「……なによ……それ……。なんなのよ……訳分かんない」

男「今はっきりした」

男「俺は変わったお前が受け入れられなくて、過去の思い出で美化した幼馴染が好きだったんだ」

男「俺の好きだった幼馴染は、もう……居ない」

幼馴染「そんな事無い。私は私よっ!」

男「ごめん……」

幼馴染「何で謝るの? 叩いた事なら気にしてないわ」

幼馴染「男がそういうの好きならして良いのよ? 私も頑張って好きになるよ?」

男「もう……良いんだ。幼馴染」

幼馴染「良く無いッ!」

男「幼馴染は、ちゃんと幼馴染を評価してくれる奴と居るんだ」

男「俺より良い男、金持ちなんて幾らでも居る」

幼馴染「嫌っ!」

男「幼馴染は美人なんだから大丈夫だって」

幼馴染「嫌ぁっ!」

男「幼馴染……」

幼馴染「だって私には1円の価値も無いって」

男「それは……」

幼馴染「ねえ、処女じゃ無い私には価値が無いの?」

幼馴染「紙切れより価値が無いの!?」

男「そんな事無いって」

幼馴染「だったらもう一度私を買ってっ!」

男(興奮し過ぎて会話になって無い……)

男「……ダメだよ、幼馴染」

幼馴染「なんで?」

幼馴染「私もう痛くないよ?」

幼馴染「やった事無いけど口でもしてあげる」

幼馴染「したいなら、お尻も使って良いよ?」

幼馴染「だから……」

幼馴染「だから、私を……」

幼馴染「私を見放さないで……っ」

男「……」ギュッ

幼馴染「あ……」

男「少し落ち着けって」

幼馴染「……うん」

男「いいか、幼馴染」

幼馴染「うん……」

男「金が全てってのは間違いじゃない」

幼馴染「……」

男「やっぱり何をするにしてもお金は必要だもんな」

幼馴染「……うん」

男「でもな、お金の為にやって良い事と悪い事があると思うんだ」

男「例えば、お金の為にえっちするとか、さ……」

幼馴染「うん……」

男「これは俺の我が儘だけど、幼馴染にはそんな事して欲しく無いんだ」

男「だって……」

幼馴染「だって?」

男「俺が好きな人だったから……」

幼馴染「……だった、かぁ…………」

幼馴染「ねえ……」

男「なに?」

幼馴染「もう男以外としないって言ったら、私、挽回できるかな……?」

男「え……それは、どういう……」

幼馴染「また、好きになってくれる?」

男「……たぶん、きっと好きになる……と思う」

幼馴染「私ね、初めてえっちした時に男に好きって言われて、実はさ」

男「……」

幼馴染「……凄いドキドキしたんだよ」カァッ

男「お、俺だって……内心、ずっと……」

幼馴染「知ってた」

男「な……」

幼馴染「だって、ずっと抱き合ってたんだもん……」

幼馴染「ね、今日泊まって良い?」

男「母さん達が良いって言うなら、良いけど……」

幼馴染「ほんとっ?」

男「ああ。親同士だって知らない仲じゃ無いしな」

幼馴染「だったら私、話がしたい! いっぱい、いっぱい話をしよ?」

男「そうだな。価値観とか、興味のある事とか」

幼馴染「うんっ! あ、私ね、恋愛映画興味出て来たかもっ」

男「なんだよ急に」

幼馴染「三角関係って辛いよね……」

男「お前が言うか……」

翌日

男「おはよう、地味子」

幼馴染「地味子さん、おはよっ」

地味子「あ……」

地味子「おはようございます。男くん、幼馴染さん」ペコッ

男「その、何て言うか……」

地味子「はい。おめでとうございます」

男「……ありがとう」

幼馴染「あのね、地味子さん……昨日はごめんなさいっ!」

地味子「えっ? そんな、頭を上げて下さいっ」

幼馴染「私、酷い事たくさん言った。あの食券の事も、内心バカにしてた……」

地味子「もういいよ、幼馴染さん。私、ちょっと変なところあるし、気にしてないよ」

幼馴染「地味子さん……」

地味子「でも良かった……」

男「……」

地味子「お二人ならきっと上手くやれますよっ」ポロッ

地味子「あれ……」ポロポロ

地味子「おかしいな、なんでだろ……」ポロポロ

地味子「良いことなのに、涙が……止まらない……」グスッ

幼馴染「地味子さん……」

地味子「あ、あのっ。私日直だから、先に行きますねっ!」グスッ ズズ…

男「そうか……日直、頑張れよ」

地味子「はいっ。それじゃあっ!」タタタ…

幼馴染「地味子さん……ありがとう……」

男「なあ、幼馴染」

幼馴染「ん?」

男「この先、また意見が合わずに喧嘩したりするかもしれないけどさ」

幼馴染「うん」

男「ちゃんと話あって。ちゃんと仲直りしような」

幼馴染「うんっ」

男「……約束だ」

幼馴染み「ふふっ……約束よ」



おわろ

疲れたからゴールしても良いよね
あと地味子は軽くクズ入ってる男とくっつくべきでは無いと思うんだ

最終的に20万円はどうなったのか

>>216
同棲資金

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