長門「あなたと付き合って涼宮ハルヒの出方を見る」 (41)

キョン「…どういうことだ、お前も朝倉と同じことを考えているのか?」

長門「違う、あなたの存在を消すと取り返しのつかないことになるのは理解している」

キョン「ならどうして…」

長門「私はあなたを殺すつもりはない、あなたと付き合って涼宮ハルヒの出方を見る」

キョン「何?」

長門「あなたと恋人のようにふるまって、涼宮ハルヒを刺激して変化を観測するつもり」

キョン「なるほど、お前らが出した答えというわけだな」

長門「そう、統合思念体の結論」

キョン「…断っても無駄なんだろ?」

長門「断らない方が賢明」

キョン「…わかった、付き合うことにしよう」

長門「強力に感謝する」

ハルヒ「…」

長門「もっとギュッとしてほしい」

キョン「こうか?」

ハルヒ「ちょっと、さっきからそこ何ふざけてるのよ」

長門「ふざけてなどいない」

キョン「そうだ、ただ長門をだっこしてるだけだ」

ハルヒ「だっこって…それをふざけてるって言うのよ」

長門「ふざけていない」

キョン「そうだ、これはいちゃついてるんだぞ」

ハルヒ「それ何かの遊びなの?」

長門「彼とは昨日から付き合うことにした」

ハルヒ「なっ?」

キョン「だからこれはいちゃついてるだけだ、わかったならほっといてくれ」

ハルヒ「…ダメよ!団内の恋愛は禁止よ!」

キョン「そんなの勝手に決めるなよ」

長門「そう、私たちの愛を引き裂くことはできない」

キョン「そうだそうだ」

ハルヒ「ダメなものはダメなのよ!」

キョン(どうするんだ、ハルヒの奴かなり怒ってるが)

長門「…なら私がSOS団を辞める」

ハルヒ「え?」

長門「そうなれば団内の恋愛にはならない」

キョン「…確かにそうだな」

ハルヒ「…」

長門「…」

ハルヒ「とかいいながら椅子に座って本読んでるじゃない!」

長門「今の私は文芸部員、そしてここは文芸部の部室」

キョン「確かにそうだったな」

ハルヒ「…」

ハルヒ「…」

長門「…」

キョン「…」

古泉「あの…どうされたんですか?」

ハルヒ「何でもないわよ!」

古泉「…あの、これはいったいどういうことですか?」

キョン「ハルヒが一方的に腹を立ててるだけだ、俺は知らん」

古泉「どう考えても僕が来る前に何かがあったとしか思えないのですが」

キョン「そう言われてもな、ハルヒが勝手に怒ってるだけだ」

古泉「しかし…」

ハルヒ「そこ、こそこそ話さないで!」

古泉「すみません…」

長門「…あなたの膝に座らせて欲しい」

キョン「構わないぞ」

長門「ありがとう」

ハルヒ「…あーもう」

長門「ギュッとしてほしい」

キョン「こうか?」

長門「そう」

古泉「…」

ハルヒ「…もういいわ、帰る!」

バタン

長門「…」

キョン「出て行ったな」

古泉「これはどういう事でしょうか、説明していただきたいのですが?」

キョン「これはだな…」

長門「私たちは涼宮ハルヒを刺激して変化を観測する事を選んだ」

古泉「…ようするに、僕たちを出し抜いて勝手にやっているという事ですね?」

長門「そう思われても構わない」

古泉「なるほど、一理あります、我々が怖気づいて行動に起こせなかったことを行っているのですね」

長門「そう」

古泉「ところで、あなたはどうして協力してるんですか?」

キョン「まぁ成行きだな」

古泉「涼宮さんを刺激すると大変なことになるとはもう理解していると思っていたのですが」

キョン「わかってはいるが、どうしようもないだろ」

古泉「…彼女に脅されているのですか?」

長門「…」

キョン「まぁ似たような事をほのめかされたが、だが長門の決めたことだ、あまり悪いことにはならない気がするんだ」

古泉「彼女が常に正しい選択をするとは限らないんですよ?」

長門「正しい選択とは思っていない、しかし正解に限りなく近い選択をしたとは思っている」

古泉「なるほど、ところでいつまで彼の膝の上に座っているんですか?」

長門「私と彼は恋人関係」

古泉「涼宮さんの前だけではないんですか?」

長門「…」

翌日

キョン「ハルヒの奴一日中口をきかなかったな、SOS団の部室に行ってもあの調子なんだろうが」

古泉「少し話があるのですが」

キョン「どうしたんだ?」

古泉「あなたと長門さんが行っている事についてです」

キョン「恋人のふりの話か、どういう話なんだ?」

古泉「今すぐ止めてください」

キョン「しかし…」

古泉「神人の数が異常です、我々の機関も能力者を多数動員していますが、一日でこの負担、これが何日も続くと限界を超えてしまいます」

キョン「…やはりそうなったか」

古泉「はい、それと長門さんをあまり信用しないでください」

キョン「どういう意味だ?あいつがハルヒを刺激して世界を滅ぼそうとしてるとでも言いたいのか?」

古泉「…おそらく彼女はそこまで考えていません、もっと浅はかな事でしか物事を考えてないんです」

キョン「浅はか?」

古泉「今回の行動はあまりにも危険すぎます」

キョン「それはわかっている」

古泉「その行動を決めた本人は結果なんか考えていないんです」

キョン「しかし、統合思念体とやらが導き出した答えの一つだろ?」

古泉「おそらく、統合思念体が決めたというのは嘘ですね」

キョン「おいおい、そんなわけないだろ」

古泉「彼女は己の願望でこの状況を作り出しているんです、彼女にとっての結果はあなたと恋人になる事」

キョン「…本気で言っているのか?」

古泉「…あなたもそれを望んでいるんじゃないですか?」

キョン「それはない、俺の恋人は…」

国木田「キョン!」

キョン「国木田、どうしたんだ?」

国木田「最近僕に構ってくれないからさ、どうしたのかなって思って」

キョン「すまん、ハルヒに最近振り回されっぱなしでな」

国木田「またそれ?…僕さ、最近ずっとさびしいんだけど」

キョン「俺もだよ国木田」

国木田「今日待ってるから…一緒に帰ろう、ね?」

キョン「わかった、早く帰るようにするから待ってろ」

国木田「うん、絶対だよ!」

キョン「…というわけだ」

古泉「なるほど」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom