兄「俺の妹が宇宙人で未来人で超能力者なわけがない」 (7)

妹「で、どうしてくれんのこの状況?」

兄「いやあの、つい勢いで」

妹「勢いでとかじゃないよね? 何なの、宇宙人で未来人で超能力者って?」

兄「そのままな感じで……」

妹「は? 頭燃やしてパーマにすんぞ、超能力で」

兄「ごめんなさい」

妹「まず説明しろよ。宇宙人で未来人で超能力者って何?」

兄「こう、宇宙から来た妹が、実は未来人で……」

妹「説明になってないんだけど?」

兄「だ、だから、あれだよ、未来じゃコロニーとか出来てて、そこから妹は来たっていう設定で」

妹「あー、なるほどねー、ふーん。で、それのどこが妹なの?」

兄「……み、未来から来た年上の妹って萌えない?」

妹「萌えねーよグズ!」

兄「で、でも辻褄は合うじゃん?」

妹「あったからなんだよ? 妹属性が台無しじゃねーか」

兄「ならまずその口調直せばいいのに」

妹「あ?」

兄「ご、ごめんなさい」

妹「ったくよー、で、超能力? 何使えるわけ、私?」

兄「全部」

妹「は?」

兄「この世の超能力全部」

妹「おい豚。お前能力バトル舐めてんのか?」 ガシガシッ

兄「や、やめて! 超能力で肝臓直接殴るのやめて! めっちゃ痛い!」

妹「うっせーよ! 制限なしの最強能力者とか盛り上がらねーんだよ!」 ガシガシッ

兄「ひぎぃ!」

妹「はぁ、はぁ……」

兄「だ、大丈夫?」

妹「大丈夫じゃねーよ。超能力とかめっさ疲れるわ」

兄「やはり俺の妹の超能力は間違っている」 ボソッ

妹「おい」 ガシッ

兄「ひっ、な、なんですか?」

妹「お前それ何なの? ずっと言おうと思ってたけどさぁ……俺の妹が宇宙人で未来人で超能力者なわけがないって何?」

兄「えへ、えへへ。分かり易くていいですよね、こういうのが今流行りでおぼぇ」 ビチャッ

妹「ただのパクリじゃねえか!」 ガシガシッ

兄「胃が直接ハードパンチで痛い! やめて!」

妹「うっせーよ! お前こんなふざけた設定で私にどうしろってんだよ!?」 ガシガシッ

兄「死ぬ! 死んじゃう!」

妹「うっせー死ね! そのまま死んじまえ!」 ガシガシッ

妹「ああ……もういやだ……なんでこんな風になっちゃったんだろ……」 ブツブツ

妹「私だって格好良いお兄ちゃんとイチャラブの末に妊娠とかしたかった……」 ブツブツ

妹「なんでこんな糞設定でクソ兄貴をどつかなきゃならないんだろう……」 ブツブツ

兄「あ! 俺すごい事思い付いちゃった!」

妹「……何?」

兄「聞いちゃう? 聞いちゃう? んんん、どうしようかなぁ、言おうかなぁ、言わないかなぁ~」

妹「燃やすぞ」

兄「言わせてくださいお願いします」

妹「おう」

兄「……そのままの設定にしちゃえばいいんじゃないですかね」

妹「はぁ?」

兄「だから、俺の妹は宇宙人でも未来人でも超能力者でもない!って事にして」

兄「あ、あはは、すいません、冗談ですよ流石に。無理ありすぎますよねぇ」

妹「採用」

兄「え?」

ジリリリリリッ

妹「こら、お兄ちゃん! 早く起きないと遅刻するぞ!」

兄「ん~、後十分だけぇ……」

妹「ダメだってば、早く起きて」 ユサユサッ

兄「……妹がちゅーしてくれたら起きれそう……むにゃむにゃ」

妹「調子に乗ってると超能力で金玉潰すぞ」 ボソッ

兄「おははは、おはよう妹! 超能力者じゃ全然ない妹は今日も可愛いね!」

妹「おはようお兄ちゃん! 私は未来人でも宇宙人でもないよ! えへへ」

兄「それじゃリビングで朝食を食べようか」

妹「そうだね、兄妹らしく普通に朝食を食べようね!」

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