春香「ゴーマイウェーイwwwwww」(204)

春香「はぁ・・・・」

こんにちは、天海春香です!
ため息ついてます・・・。

小さい頃から歌うのが好きで、いつかステージに立って大勢の人と一緒に歌いたい!

そんな私の夢を叶えてくれたのは、プロデューサーさんでした。

小鳥「どうしたの?ため息なんてついて」

春香「あ・・・いえ、何でもないんです」

一回り大きくなった事務所には、私と小鳥さんの二人きり。

そこに、プロデューサーさんの姿はありませんでした。

今の私には・・・ちょっと広すぎるかな?

春香「プロデューサーさん、元気にしてますかね」

小鳥「そうね・・・プロデューサーさんが海外研修に出てからもう3ヶ月になるのね」

今の765プロは人気絶頂!私もトップアイドルの一員として、テレビにラジオに大忙し!

―――のはずだったんですが・・・・

私の足は、事務所の中で歩みを止めていました。

春香「この事務所も、ずいぶん静かになっちゃいましたね」

小鳥「やっぱり寂しい?」

春香「寂しくなかったら、こんなに足しげく事務所に通わないですよ」

小鳥「フフッ、それもそうね。私も春香ちゃんとお喋りできて嬉しいわ」

小鳥さんのその笑顔が、私を事務所に留まらせるんですよ?

だって、ここが私にとって一番居心地のいい場所だから・・・・

みんな、それぞれ自分の夢に向かって走り始めました。

千早ちゃんは本場の音楽に触れたいからって留学しちゃうし、

真や美希はプリプリでキラキラになりたいって張り切ってる。

竜宮小町は相変わらず忙しそうだし、他のアイドルのみんなもそれぞれの仕事に打ち込んでる。

私だけだよね、こんな事してるの・・・

小鳥「お茶のおかわり、する?」

春香「あ、ありがとうございますっ・・・」

小鳥さんだって何も言わないだけで、こんな私のことをきっと心配してるんだと思います。

意外な小鳥さんの包容力、素敵だなって思ってるのは秘密です。

小鳥「でも・・・今日もお仕事で疲れてるんじゃない?家に帰って休んだほうがいいんじゃないかしら?」

春香「いえ、いいんです。もう少しここに、いたいですから」

小鳥さんに負けじと私も笑顔を作ります。

小鳥「・・・きっと、今日は誰も来ないと思うわ」

困ったような顔をした小鳥さん。やっぱり私をここから追い出そうとしてるのかな・・・

なんて柄にもなくネガティブになってみたり!

春香「やっぱり・・・ダメですよね」

小鳥「どうしたの?」

春香「みんな、それぞれの夢に向かって進んでる。みんな、スタート地点から足を伸ばしてる」

春香「なのに私は・・・って、スタートで転んでるほうが私らしいですかね?あははっ・・・」

小鳥「春香ちゃん・・・・」

春香「私、みんなと一緒に頑張りたいって。ずっとそう思ってたんです」

春香「でも・・・みんなで頑張っていくうちに、みんなとどんどん成長していくうちに」

春香「みんなは気付かない間に、一人前になってたんです」

ただ黙って私の声にうなずく小鳥さん。

同人誌を読んでるときの顔からは想像もつかないくらい真剣です。

春香「私は、目的を見失っちゃったのかもしれません」

春香「いつも傍にいた、みんなと一緒に過ごせなくなって・・・」

そして、いつも隣にいた、プロデューサーさんがいなくなって・・・

春香「私、迷子なんです」

春香「一人で歩こうとしても、自分の道が、事務所につながってるんです」

春香「こんなとき、道案内をしてくれたのはプロデューサーさんだったんですけどね。えへへ・・・」

重くなった雰囲気を振り払うかのように、私はおどけた微笑みを見せました。

それが伝わったのか、小鳥さんも柔らかいトーンで続けます。

小鳥「確かに、残念だけどみんなと一緒に過ごすのは難しいかもしれない」

小鳥「でも・・・それと迷子になることは違うわ」

小鳥「自分の道が見つからないなら、作るしかないのよ?」

小鳥「今はまだ事務所につながっている道かもしれないけど、それだって立派な春香ちゃんの道じゃない」

春香「そ、そうですか・・・?」

私の自信のなさを押し切るように小鳥さんは語気を強めます。

小鳥「みんなに会いたいから、事務所への道ができる」

小鳥「春香ちゃんのしたい事が、春香ちゃんの新しい一歩になっていくの!」

私の、したい事・・・・・?

私は、みんなに傍にいてほしい・・・

またみんなと一緒に頑張りたい・・・同じステージに立ちたい・・・・

それがずっと私の夢だったから

小鳥「春香ちゃんのしたい事、何だか決まった?」

私は、もう一度その夢を叶えたい。

一人じゃ迷子になっちゃうけど、一緒に私の夢を叶えてくれる人・・・・

その人に、私は会いたい!

だから・・・・だから私は、

春香「プロデューサーさんに、会いに行きたいです!」

小鳥「ふふっ、そう言うと思った」

ずっと靄がかかっていた私の瞳が、晴れていくような気がしました。

前を向く事って、こういうことだったんだな・・・

ようやく私が私らしくなれたと思います。

小鳥「前を向いて頑張る春香ちゃん、私も応援するわ!」

春香「小鳥さん、ゴーマイウェイですよ!ゴーマイウェイ!」

春香「でも・・・いきなり会いに行くって言っても、一人でちゃんと行けるか不安ですよね・・・・」

出だしでつまずくのも私の特徴だってことを、忘れてもらっては困ります。

小鳥「そうね、まだお仕事も残っているしいきなりっていうのは無理だけど・・・」

小鳥「でもきっと、春香ちゃんが思っているほどみんなは一人前じゃないと思うわ?」

小鳥「必ず仲間がいるから大丈夫よ♪」

このとき小鳥さんが言っていることはよく分かりませんでした。

まさかこのあと意外な助っ人が現れることになるとは、まだ知る由もなかったのです。

―数日後―


「お疲れさまでーす」

春香「お疲れ様でしたー!」


春香「ふぅ・・・今日のお仕事も疲れたなぁ・・・・」

先日、小鳥さんに言われた言葉の意味をぼんやりと考えながら

私はいつもの道を辿っていました。

春香「今日こそ、他のみんなに会えるかもしれない!」

春香「本当に海外まで行くことになったら、しばらく会えないかもしれないしね・・・」

以前よりハッキリと見えるようになった気がするその瞳で目指す先は、もちろん事務所。

やっている事は大して変わらないけど・・・それでも、何か自分の中で足枷がとれたような、そんな足取りでした。

事務所のドアを引く手も、いつもより軽い気がします。


春香「こんにちはー!」


そこに広がるのはいつもと同じ、ガランとしたオフィス・・・

と思いきや、私の視界に飛び込んだのは意外な人物の姿でした。

雪歩「春香ちゃん、お久しぶりだね」

春香「ゆ、雪歩!」

予想外の出迎えに目を丸くする私を見つめる雪歩の顔は、どこか浮かない感じでした。

いろんなお土産話とかしようと思ったけど、そんな空気じゃなさそうだなぁ・・・

春香「どうして、雪歩が事務所に?」

雪歩「私も事務所によく来てたんだよ?春香ちゃんにはあんまり会えなかったけど・・・」

私は深く理由を尋ねようとしましたが、

右手に強く握られていたスコップを見た瞬間におおよその事情を察したので聞くのをやめました。

小鳥「こんにちは、春香ちゃん」

小鳥「今日はせっかく二人も揃ったんだし、少しお話していったら?」

小鳥さんの気遣いに甘えて、私と雪歩はソファーに向かい合わせに腰をかけます。

春香「えっと・・・もしかして、穴掘ろうとしてた?」

雪歩「うん・・・」

雪歩「あのね、私・・・最近お仕事あんまりうまくいってなくて」

雪歩「今日もまた、監督さんが男の人だったからって撮影が滞っちゃって・・・」

雪歩「もうすっかり、ダメダメな私に逆戻りだよぉ・・・・ううっ、ぐすっ・・・!」

春香「わ、分かった!分かったから泣いちゃダメだよ!」

ちょっと前までは自分が泣きそうだったくせに偉そうな私。

でも、仲間と一緒なら助け合える。強くなれる。そういうことですよね?

春香「でも・・・私も雪歩と同じだよ」

雪歩「えっ、春香ちゃんも・・・?」

春香「うん。私も、みんながどんどん一人前になって、みんな離れ離れになって・・・」

春香「それで、私だけ取り残されて迷子になっちゃってた」

雪歩は泣きやんで、私のことをキョトンと見つめ安心したように言った。

雪歩「春香ちゃんもそうだったんだぁ・・・。
   春香ちゃん、舞台の主演にも選ばれてたし、私てっきり上手くいってるのかと思ってたよ?」

春香「ううん、そんな事ないよ。だから今日、雪歩にこのこと話せてよかったって!」

雪歩「えへへ・・・私もちょっと安心したよっ」

二人のあいだに自然とこぼえる笑み

やっぱり私は、765プロで過ごすこの時間が一番大好きなんです。

小鳥「でも・・・どうして二人とも上手くいってないのかな?」

小鳥さんが私たちの会話に入ってきました。

きっと小鳥さんも、私たちと過ごす時間を愛おしく感じてたんだと思います。

春香「雪歩はどう思う?」

雪歩「えっと・・・その、やっぱり・・・・」

小鳥「やっぱり?」

雪歩「プロデューサーがいなくなったから・・・・かなぁ・・・って」

だんだんと声が小さくなっていく代わりに、頬が赤くなっていくのが見てとれて面白いです。

春香「雪歩はプロデューサーさんのこと大好きだもんねぇ~」

雪歩「そ、そんな事ないよーっ!!///」

小鳥「でもそれは春香ちゃんもでしょ?」

思わぬ不意打ちに、雪歩と私は揃ってしばらく顔を上げられませんでした・・・

雪歩「だって、私たちに何も言わずにいなくなるなんてひどいよね?ひどすぎだよ!」

確かに・・・プロデューサーさんが研修に行く話を知ったのは、

プロデューサーさんが発つ前日のことでした。

春香「私たち、お別れも言えずじまいだったもんね」

小鳥「みんなに余計な心配をかけたくないから、私や社長にも言わないでくれって」

そうだったんだ・・・

乙女心がわかってないなぁ、プロデューサーさんも。

雪歩「そんなのあんまりですぅ!私、これからもお願いしますねって約束したのに・・・・ぐすっ」

大事なアイドルの頬を濡らすなんてプロデューサーさん失格です。

空っぽになった湯飲みにお茶を注ぎながら、雪歩は続けます。

雪歩「お父さんも私のことよろしくって、プロデューサーに言ってくれたのに・・・・」

ええっ!まさか親御さん公認だったなんて。

これは聞き捨てならない事実です。

雪歩「うぅぅっ・・・プロデューサー・・・・」

小鳥「雪歩ちゃん!お茶入れ過ぎ入れ過ぎ!」

湯飲みからお茶があふれていく様は
まるで雪歩のこみ上げた思いがこぼれてしまっているようでした。

春香「・・・そっか。じゃあ雪歩もプロデューサーさんに会いたいんだね」

雪歩「うん・・・」

春香「会いたいならさ、会いに行こうよ」

私は胸を張って言いました。

それが、ようやく決まった私の進む道だったから。

雪歩「会いに行くって・・・?」

まだ事情を飲みこんでいないのか、不思議そうな顔をする雪歩に
私は自信満々に答えました。

春香「渡米だよ、渡米!」

雪歩「えぇぇーーっ!?」

ふだんは細くて消えてしまいそうな雪歩の声も、
このときばかりは事務所の中でこだましました。

春香「私は本気だよ?」

雪歩「うぅっ・・・・」

私の真剣な表情を見るなり、雪歩も考え込みます。

雪歩の大好きなプロデューサーさんを、私にとられちゃう危機感があったのかも?

雪歩「・・・でもでも、お仕事はどうするの?」

それを言われると、返事に困ってしまうのが実情なんですけどね・・・

小鳥「それなら大丈夫よ」

春香「えっ?」

小鳥「お仕事のことなら私に任せておいて?」

小鳥「それにもう、春香ちゃんがいつ決心してもいいように飛行機のチケットとっちゃったし!」

そう言って、小鳥さんはこれでもかというほどのグーサインを私たちに見せ付けました。

こういうときの小鳥さんは本当に頼りになります。

春香「でも・・・本当にいいんですか?」

小鳥「言ったじゃない、私春香ちゃんのこと応援するって」

春香「わぁ・・・・あ、ありがとうございます!」

感謝と感激で少しうるっときちゃいました。

小鳥「雪歩ちゃんはどうするの?」

雪歩「わ・・・私も行きますぅ!!」

小鳥「うん、いい返事ね」

そう言うと、小鳥さんは引き出しから二枚の紙切れを取り出します。

小鳥「それなら二人で行ってらっしゃい、プロデューサーさんの待つ場所へ!・・・ねっ?」

私と雪歩は顔を見合わせてうなずき、声を揃えました。

「「はいっ!!」」

こうして、私と雪歩の海外出張が決まったのです。

・・・でも、どうして小鳥さんはチケットを二枚持ってたんだろう?

もしかして雪歩がプロデューサーさんに会いたいってこと、知ってたのかな・・・・


小鳥「(本当は私が春香ちゃんに付き添うつもりだったけど、その必要はなかったみたいね)」

小鳥「(感動の再会はもう少しの間お預けですね、プロデューサーさん)」

春香「そうと決まればさっそく作戦会議だね、雪歩!」

雪歩「私も今日は、春香ちゃんとずっと話してたいかも・・・・えへへ」

それから私たちは、いろんなことを話しました。

向こうに着いてからのこと、お土産は何を買う?プロデューサーさんに会ったら何て言う?

ほんと、数えだしたらキリがないくらい・・・

時間を忘れて、ずーっと話題に花を咲かせていました。

そう、終電の時間を忘れるくらいに・・・・・

当日、空港。

雪歩「あ、あのぅ・・・・そ、そちらの方は・・・ひっ」

小鳥「あっ、紹介しますね。こちら、社長の友人で、今回二人に同行してくれる、島田紳助さんです」

春香「同行なんて聞いてないですよぉ・・・って!」

春香「島田紳助って、あの!!!!」

雪歩「し、島田紳助って・・・潜伏中の・・・?」

小鳥「ゆ、雪歩ちゃん!失礼よ!申し訳ありません・・・」

紳助「かまへんでwwwwこの娘ら、お宅のプロデューサーのとこ連れてけばええんやろ?」

紳助「俺も国内におるより、安心出来るわwwwwよろしくな!」

春香「よ、よろしくお願いします・・・」

雪歩「・・・・」

紳助「そうかぁー。春香ちゃん、今スランプなんやぁ」

春香「はい・・・頑張って皆に追いつこうとしてるんですけど・・・」

紳助「焦らんでもええねん。結局、この業界は息の長い奴が勝ち組や」

紳助「早いうちにハシャいで、運を使い切ったら後は堕ちるだけ」

紳助「まずは自分の居場所や立ち位置を確立せなアカンねん!」

春香「なるほど・・・」

紳助「勉強なった?」

春香「はい!ありがとうございます!」

紳助「しかし、勿体無いわぁ~!俺がまだ引退してなかったら、絶対春香ちゃんプロデュースすんのにな!」

雪歩「・・・・」

紳助「もちろん、雪歩ちゃんもやで」

雪歩「ひっ」

紳助「そんな怯えんでええやろwww仲良くやろうやwwww」

雪歩「は、はぃ・・・・」

紳助「・・・ww」

誰か見てる?

紳助「ふーっ、着いたなぁ、ハリウッド」

春香「プロデューサーさん・・・」

雪歩「・・・」

紳助「まずは宿を確保せなアカンな」

春香「え?あの・・・」

紳助「ん?どないした?」

春香「このままプロデューサーさんに会いに行かないんですか?」

紳助「いや、まずは一泊やろ。こういう時はいきなり会いに行っても会えんねん」

紳助「向こうも忙しいやろうからな。一先ず連絡だけして、会うのは明日にしよ」

春香「は、はい・・・」

雪歩「・・・・」

やっぱりもしもしじゃ駄目だな
制限で名作は生まれん

俺もちゃんと踏襲して乗っ取ろうとしたんだよ
けど忍法帖がないとね、限界がある

だから余興でね、紳助出しちゃったわけだけれども
VIPホントつまんなくなったわ。杓子定規っていうかね
祭りを許さないっての?世の中全体そんな感じだけども
昔はマジキチ、乗っ取り大歓迎な空気だったんだけどな
スレ主が帰ってくるまでの余興って心のゆとりがあった

やっぱ不況は人の心を貧しくするわ
労りの心がね、もうないんだよね
他者を貶めることで結束するのが、今のVIPクオリティ

>>1だけど深夜まで再開できそうにない
放置してごめんなさい
落ちたら立て直すのでこのスレはお好きに

今はとにかくマジキチ系乗っ取りが出てきたら叩く風潮でしょ
俺みたいな芸風の奴はとにかく叩かれる

つまらない系をね、あえて持て囃すって遊びね
AKBが出てきた辺りからVIPPERの心も狭くなった

いやだからもしもしじゃ無理なんだよ、忍法帖がないと
そういう投げやりな心情で書いたのをね、本気で叩くとか、どうかと思うわけ

度量の問題っていうか
昔は規知が乗っ取ってもとにかく「よし書け」って感じ
忍法帖が出来て、AKBが出てきて、邦楽テレビ内閣全てが終わって
世の中の余裕がなくなり、VIPも死んだ

>>168
お前の頭が死んでる

煽りの質も低下したよな
とにかく>>169みたいな奴ばっか
理詰めで論破してくる奴は皆無
本当にゆとりと老害しかいなくなったんだな

自動保守、ゆとりは出てけ
余りの定型句の連続に唖然
ホントこういうレベルの奴ばっかだもんな
賛否すらない。とにかく周りに合わせて叩く
堕ちたもんだ

もうお気づきだがID:dVAASonY0が痛い件
こういうゆとりが増えたのが嘆かわしい

ID:dVAASonY0痛すぎだろ…

お、おう

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