まどか「泣いてなんかないもん」(219)

A「おはよう、まどかちゃん」

B「おはよー!」

まどか「うん、おはよぉ」

A「今日はちょっと遅刻しちゃいそうだね、急がなきゃ」

B「急げ急げー」

まどか「あっ、まってよぉ」

まどか「…あれ?」

まどか(わたしの上履きがない…?)

A「まどかちゃん、早くしないと遅刻しちゃうよ?」

まどか「う、うん…」

B「どうしたの?」

まどか「えっと……」キョロキョロ

A「まどかちゃん?」

まどか「…さ、先に行ってて?わたしもすぐに行くから」

B「えっ?でも…」

まどか「ね?先に行っててよ」

A「…うん、わかった」

B「まどかちゃん、どうかしたのかな?」

A「うーん…わかんないや」

まどか「あれぇ?なんでないのかな?」

まどか「どこか違うとこにしまっちゃったのかな?」

まどか「んーと…」キョロキョロ

まどか「…ないよ、どうしよう………」

まどか「誰かが間違えて履いて行っちゃったのかな…?」

C「やばっ!遅刻遅刻ー!」ドタバタ

C「ん?どしたの?そんな所に突っ立って?」

まどか「あ…えと……」

C「何か探し物でもあるの?」

まどか「そ、その…」

さやか「!」

C(あれ?この子、上履き履いてないじゃん)

C(…もしかして)

C「よーし、あたしも一緒に探してあげるよ!」

まどか「えっ?あっ…で、でもあなたまで遅刻しちゃうよ…?」

C「だいじょーぶ!なんとかなるって!」

まどか「あっ…」

C「どこかなー?っと…」

まどか「あ、あのっ」

C「んー?どうかした?」

まどか「わ、わたしのことは気にしないで?あなたは先に行ってていいよ」

C「いーのいーの、あたしも好きでやってんだしさ」

C「それに」

まどか「それに?」

C「困った時はお互い様!」

まどか「!」

C「なーんてね、えへへ」

まどか「…あ、ありがとう」

C「うんうん!さっ、早く見つけて教室に行かなきゃね」

まどか「うんっ!」

まどかの教室

A「まどかちゃん、遅いね」

B「そろそろチャイム鳴っちゃうよ?」

A「どうしちゃったのかな…?」

D「ふふっ、今ごろ泣いてるんじゃないの?」

E「あはは!まどかって泣き虫だしね」

F「ほんとほんと、まどかは新しいオモチャだよねー」

G「………」ジィー

まどか「ここにもない……」

C「うーん…誰かが間違えて履いたんなら、その子の上履きはあるはずなんだけど」

C「それもないしねぇ…」

まどか「やっぱり……隠されちゃったのかな」

まどか「…わたし、誰かに嫌われちゃったの……?」

C「いや、まだそうと決まった訳じゃないよ!」

まどか「だってぇ…」

C「んー…あ、そうだ!名前!」

まどか「えっ?名前?」

C「そそ、あんたの名前だよ、まだ聞いてなかったよね」

C「同じ学年なのは知ってたけどさ、同じクラスになったことないし」

まどか「そ、そうだね」

C「で、何て言うの?」

まどか「…まどか」

C「そっか、まどかか!」

まどか「うん」

C「よっし、んじゃ早くまどかの上履き探さなきゃね……あっ!」

C(これってもしかして、まどかのじゃ…)

C「ん…しかめ?」

まどか「あっ、かなめだよ」

C「あー、そう読むんだ、ほら!あったよ!」

C「はい、かなめまどかちゃんの上履き!」

まどか「ほんとだ…あ、ありがとう!」

C「てへへ、いいってことよ!」

まどか「えへへ…」

C(なんであんな所に…やっぱりわざと隠してるっぽいね)

C(ただのいたずらかな…これで終わればいいんだけど)

まどか「あ、あのっ」

C「ん?」

まどか「あなたの名前…」

キーンコーンカーンコーン

まどか「あっ」

C「やばっ!チャイム鳴っちゃったよ!」

C「ほらっ、急がなきゃ!行くよまどか!」

まどか「う、うんっ」

C「じゃ、あたしのクラスはあっちだから」

まどか「あの…ありがとう!」

C「てへへ、じゃーね!」

まどか「ばいばい…」

まどか(あの子…優しくて良い子だったな)

まどか(お名前、聞きそびれちゃった…)

先生「出席をとります」

D「まどか、やっぱり間に合わなかったね」

E「見つけにくいとこに隠したもんね」

F「泣いてる顔が目に浮かぶわ」

G「……鹿目さん」

ガラッ

まどか「…おはようございます」

先生「あら、鹿目さん。遅刻ですよ?」

まどか「ごめんなさい…」

E「おっ、きたきた」

D「裸足のまどか…ってあれ?」

F「ちぇっ、見つけちゃったか…つまんないの」

G「……良かった」

休み時間

まどか「はぁ…」

まどか(なんで隠されちゃったのかな?)

A「まどかちゃん」

まどか「な、なにかな?」

B「今朝はどうしちゃったの?」

まどか「あ、え…えっと…」

A「?」

まどか「その、ちょっと…おトイレに…」

B「あぁ、なるほどね」

A「良かった、何か悪いことがあったのかと思ったよ」

まどか「う、うん…ごめんね」

B「ううん、良かった良かった」

G「鹿目さん…」

G(嘘をついてるの…?)

F「はぁー、つまんないのー」

G「!」

D「もっと分かりにくいとこに隠せばよかったね」

G(この子たち…やっぱり…)

E「ねね、次は放課後までにさ、あれやらない?」

F「ん?あぁ!あれね!わかった、やろやろっ!」

D「うん、そうと決まれば早くしちゃおっか!」

F「さんせー!」

G「あっ…」

G(また鹿目さんに…どうしましょう)

G(私に…何かできれば…)

放課後

まどか「はぁ…」

まどか(今日はちょっぴり疲れちゃったな…)

まどか(あれから何も無かったから良かったけど…)

A「ごめん、まどかちゃん」

まどか「えっ?」

B「今日はわたし達、係りの仕事があるからまだ帰れないんだ」

A「だからね、今日は先に帰ってて?」

まどか「あっ、うん、わかったよ。お仕事頑張ってね」

B「ごめんね」

まどか「ううん、大丈夫だよ。それじゃあ帰るね?」

A「ばいばい、まどかちゃん」

B「ばいばーい」

まどか「ばいばい、また明日ね」

まどか(今日は早くお家に帰って宿題しなきゃ)

まどか「……!」

まどか「そんなぁ…」

まどか(わたしの靴が…ない……)

まどか「なんで……やっぱり、わたし…誰かに……?」

まどか「…うっ」ウルウル

まどか「……探さなきゃ」ゴシゴシ

H「ね、今度の日曜日に一緒にお買いものに行こうよ」

I「今度の日曜日?」

H「うん!」

I「…ごめんね?今度の日曜日は用事があるの」

H「えっ、そうなんだ」

I「ふふっ、久しぶりにお父さんとお母さんと3人でお出掛けするの」

H「そっか、なら仕方ないね。何処に行くの?」

I「美味しい紅茶を……あら?」

I(あの子…ずっと下駄箱で何をしているのかしら?)

H「ん?どうかしたの?」

I「ごめんね、先に行ってて?」

H「えっ?…うん、わかった」

まどか「…ないよぉ……」グスッ

まどか「朝のところにもないし…どうしよう……」

I「ねぇ、何か探し物をしているの?」

まどか「…わたしの靴がないの」ゴシゴシ

I「えっ?」

I(もしかして…いじめ?)

まどか「ちゃんとしまったのに…なんで……」グスッ

I「…大丈夫、きっと見つかるわ」

まどか「でもぉ…探しても見つからないもん……」

I「私も一緒に探すわ、諦めちゃダメだよ?」

まどか「………」ゴシゴシ

I「よしよし」ナデナデ

まどか「……ありがとう」

I「ふふ、それじゃあ探しましょう?」

まどか「うん」

I「靴はどんな色なの?」

まどか「ピンク…」

I「そう、わかった。私は向こうを探してくるわね?」

まどか「うん…ありがとう」

I「ふふっ、早く見つけて帰ろうね?」

I(いじめで隠されたのなら…あそこにあるのかもしれないわ)

I「たしか、この辺りに…」キョロキョロ

I「あった!やっぱりここに…うん、ピンクだし間違いなさそうね」

I「ちゃんとお名前も書いてあるわね、かなめまどかちゃん…か」

まどか「わたし…何か悪いことしたかな…」ウルウル

I「まどかちゃん」

まどか「えっ…」

I「はい、これ…よね?」

まどか「う、うんっ」

I「まどかちゃん、その…中には意地悪しちゃう子もいるかもしれないけど」

I「仲間が…お友だちがいることを忘れちゃダメだよ?」

まどか「えっ?」

I「辛いことがあっても、絶対に助けてくれる人がいるから…」

I「そのお友だちを大切にしてね?」

まどか「あ、あのっ…」

I「…あっ、いけない。ごめんね?変なこと言っちゃって」

I(この子と…昔の私が重なって見えちゃった)

I「…とにかく、辛いことがあっても、きっとお友だちが助けてくれるわ」

I「だから頑張ってね?」

まどか「…うん」

H「もぉ、どうしたの?遅いから戻って来ちゃったよ」

I「あっ、ごめんね?今すぐ行くわ」

まどか「あの…ありがとう」

I「うん、頑張ってね。さようなら」

翌日

F「あーあ、なんか隠してた靴見つかったみたいだね」

D「まぁいいじゃん、今日も隠せばいいんだしね」

E「そだね…あれ?」

D「ん?何かあった?」

E「いや、まどかの下駄箱の前にずっとあいつが立ってるからさ」

G「……」

F「ほんとだ、あれじゃ隠せないじゃん」

D「邪魔だね」

E「よし…ねぇ、あんた」

G「あら、おはようございます」

E「おはよ、でさ…そこで何してんの?」

G「ふふっ、少し用事がございまして」

E「用事?何時まで?」

G「さぁ…どうでしょう?」

E「…まぁ、いいわ」

D「何て?」

E「よくわかんないけど、邪魔だから今は止めとこうよ」

F「んー、見られたら面倒だしね」

D「仕方ないなぁ、もう」

G「……ほっ」

A「でさ~」

B「あはは!」

まどか「……」

B「…あれ?元気ないね、どうしたの?」

まどか「う、ううん!なんでもないよ?」

A「そぉ?」

まどか「うんっ」

A「わかったよ、でね~」

B「そうなんだ~」

まどか「……」

まどか(また…隠されてたらどうしよう……)

まどか「…あっ」

まどか(良かった…今日は隠されてなかった)

G「あら、みなさん」

A「あっ、仁美ちゃん、おはよう」

B「おはよー」

まどか「志筑さん、おはよう」

仁美「はい、おはようございます」

B「今日は遅いんだね、珍しー」

仁美「ええ、ちょっと用事が」

A「そっか、でももうそろそろ時間だし早く教室に行こうよ」

仁美「そうですわね」

B「よーし、行こっ、まどかちゃん」

まどか「うんっ」

まどか(今日は何もなければ良いなぁ)

リアル過ぎる・・・

A「そう言えば仁美ちゃんとこうやって話すの久しぶりだよね」

B「言われてみればそうかも…ね、まどかちゃん」

まどか「そうだね。志筑さんとはあんまりお喋りしたことないかも…」

仁美「…そうですわね、ごめんなさい」

B「あはは、別に謝らなくても」

A「お稽古、大変みたいだしね」

仁美「ええ、まぁ…」

まどか「…ラブレターかぁ」

B「ん?もしかしてラブレター欲しいの?」

まどか「ち、違うよぅ!」

A「照れない照れない」

まどか「もぉ!違うってばぁ!」

B「あははっ」

仁美「ふふっ」

まどか「も、もぅ…」

祖先から受け継ぐ鉄球ッ!

⌒~)_)、                          ノ□ヽ    _ 
Л/ヽ\                     ┣¨/../~\\ r..、_\
<^ω^)::))   /⌒ヽ ┣¨            (.(^ω^)> / /  ヽ::)、
7 ⌒ぃィ    _( ^ω^)   . 人   /⌒ヽ Г:::::`"´:::┣¨ <^ω^)::::>>
┣¨. | l   /フ ̄⌒ヽ n  ○○ (  (^ω^ )_. :ψ§ψ /_、  ヽ
::: \ \ (/l、__\__ソ  ⌒Y⌒  (^Vヽ  ̄ 、 \ ..T   || |:::::,  |
:::::: \ /っ / ,(_\         ー' 人 ̄ )(つ 士   |∪:::::::::┣¨

::::::::::::::│/_/  /__ノ          〈__r‐\ \ |
___)─'   └--'         └-┘  (フ .|
│:::|:::│          それが流儀ィィッ


E「…ね、今の聞いてた?」

D「うん、ばっちり聞いたよ!」

F「あたし、良いこと思いついちゃった」

E「あっ、あたしもー!」

D「んじゃ、さっそくやってみますか!」

F「さんせー!」

抜けてた

B「男子には大人気だもんね、仁美ちゃんはさ」

A「この前もラブレターもらったんでしょ?いいなぁ」

まどか「うん、すごいよね」

仁美「…ですが、全てお断りさせていただきましたわ」

B「家の人がうるさいんだっけ?」

仁美「はい、小学生には早すぎるって」

A「あはは、その辺難しいよね」

仁美「…ええ」

放課後

A「ね、仁美ちゃん。良かったら久しぶりに一緒に帰らない?」

仁美「…ごめんなさい、嬉しいんですけれど、今日は急ぎの用事があって」

B「…お稽古かぁ、頑張ってね」

仁美「ええ…それでは」

まどか「志筑さん、すごいなぁ…いっぱいお稽古してるんだよね?」

B「みたいだね、何でもできて凄いよ」

A「でも大変そうだよね」

まどか「うん」

仁美(…本当は私もみんなと一緒に……)

仁美「あら?」

E「後は体育館の裏で待ってるだけだね」

D「でも来なかったらどうする?」

F「その時はその時でしょ」

仁美「…体育館の裏?」

仁美(まさか…)

まどか「…良かった」

A「ん?何が良かったの?」

まどか「ううん、なんでもないよ」

まどか(ちゃんとある…!)

まどか(昨日のは誰かが間違えちゃっただけなのかな)

まどか「えへへ」

B「なんかご機嫌みたいだねー」

A「…あれ?まどかちゃん、これって」

まどか「えっ?…あっ!」

B「なになに?…手紙?」

A「まどかちゃんへ。って…もしかして、これって」

B「ラブレターじゃない!?」

まどか「えっ?えっ?」

A「やったじゃん!ラブレターだよ、ラブレター!」

まどか「わ、わたしに?そんなっ、えっ?」

B「あははっ、照れちゃって。可愛いなぁ」

まどか「も、もぉ!からかわないでよぉ!」

B「ごめんごめん」

まどか「で、でもどうしよぉ…」

A「あっ、わたし達がいたら読みづらいか。先に行っとくから、ゆっくり見といでよ」

B「そうだね、んじゃお先にー」

まどか「あっ、ちょっと…」

まどか「ど、どうしよぉ…」キョロキョロ

まどか「ら、ラブレター…!」ドキドキ

体育館の裏

まどか「だ、大丈夫…かな?」オロオロ

まどか「んと……」キョロキョロ

D「うわっ!マジで来た!」

F「まんまと騙されてやんのー」

E「よーし!それしゃ行くよ!」

D「おーっ!」

F「楽しみ楽しみ」

まどか「…まだいないのかな」

まどか(ラブレターは嬉しいけど…やっぱりお断りしなきゃ)

まどか(謝った方がいいのかな…?)

まどか「うーん…」

F「おまたせー」

E「ちゃんと来てくれたんだ」

まどか「えっ?」

D「あっ、そのラブレター書いたのあたしらだから」

まどか「……え?」

E「クラスで一番イケメンのJ君があんたなんかにラブレター書くわけなんかないじゃん」

F「なになに?ラブレター貰って浮かれてたの?」

まどか「ち、違うよ…わたしはお断りしに……」

D「…え?断りに来たの?」

まどか「だ、だって…わたし、J君のことよく知らないし…」

E「へぇー、てっきり喜んで来ると思ったのに」

F「断るつもりとか…なんか生意気じゃない?」

まどか「え?」

D「うん、そーゆーとこムカつくんだよね」

E「なんかぶりっ子みたいだし…だから目をつけたんだけどね」

まどか「目をつけた…?」

F「そそ、いじめのね」

まどか「!?」

まどか(えっ…そんな……)

まどか「じゃ、じゃあ…昨日のは…」

D「うん、あたしたちがしたんだよ」

まどか「な、なんで…?」

E「なんとなくムカつくからかな?」

まどか「え…そんなのって……」

F「ま、そーゆーことだから、よろしくね」

D「まどかちゃん!」

まどか「い、いやっ…」

仁美(気になって来てしまいましたわ…何もなければ良いんですけど…)

仁美「……!?」

まどか「や…やめてよぉ……」ウルウル

E「あははっ!」

D「もう泣きそうじゃん」

まどか「泣いてなんかないもん…」

F「泣き虫ー」

まどか「うぅぅっ……」グスッ

仁美「鹿目さん…」

仁美(助けなきゃ…でもどうすれば……)

プルル

仁美(お稽古の電話…こんな時に……)

仁美(でも、鹿目さんが…)


C「ふぅー、やっと終わった」

C「仕事長引きすぎだよ、もー」

C「…ん?あそこにいるのって、仁美?」

C「仁美がこんな時間に珍しい…なんかあったのかな?」

プルル

仁美「…ごめんなさい、お友だちの方が…大事です」

仁美「…鹿目さん!」

D「ん?」

まどか「うぅ…ぐすっ……」

F「あれ?仁美じゃん、なんであんたがここに?」

E「…もしかして」

仁美「そ、そういうことはよろしくないと思います!」

まどか「…ぐすっ…志筑さん…?」

仁美「鹿目さん…」

D「別にいいじゃん、仁美には関係ないでしょ?」

仁美「…関係あります」

まどか「ぐすっ…」

E「なんで?仁美とまどかは特に仲が良いわけじゃないでしょ?」

F「むしろ仁美に仲が良い友達なんて…」

仁美「…私と鹿目さんはお友だちですわ!」

まどか「志筑さん…」

F「ふーん?まぁどうでもいいけど」

D「まどかに味方するなら、仁美でも容赦しないよ?」

仁美「……」

まどか「し、志筑さん…いいよ、わたしなんかに構わないで…」

まどか「帰って…危ないから…」

仁美「…ううん、鹿目さんはお友だちですもの、帰るわけには行きませんわ」

まどか「志筑…さん……」

仁美「ふふっ」ニコッ

E「あーもー、そーゆーのムカつくからやめてくんない?」

D「もういいよ、まどかも仁美もやっちゃおーよ」

F「うん、そうしよっか」

E「じゃあさっそく…」

仁美「…っ」ギュッ

F「あははっ!目を瞑ったて痛みは変わらないよ?」

D「そうだ!この髪切っちゃおうよ」

F「ハサミもあるしね」

仁美「うっ…」

まどか「志筑さん…に、逃げて!わたしのことはいいから!」

仁美「…大丈夫」ニコッ

E「なに笑ってんの?きもちわる」

まどか「志筑さんっ!」

仁美「…」

D「何しに来たのかしらないけど、あんたもバカだよね」

F「ほんと、まどかの事なんかほっとけばいいのにね」

E「そんじゃ、切りまーす」

まどか「志筑さんっ!やめてっ!逃げてよっ!」

まどか「仁美ちゃんっ!」

仁美「…鹿目さん」

F「ほら、早く早く」

E「わかってるって」

まどか「仁美ちゃんっ…なんで…なんで仁美ちゃんが……」

D「もー、うるさいなぁ」

E「んじゃ、遠慮なく」スッ

仁美「っ……」

まどか「誰か…誰か助けてよ…!」

まどか「パパ…!」

C「2対3なんて、相変わらず卑怯だね」

E「…ん?」

C「そんなことするのってさ、カッコ悪いよ」

まどか「あっ…!」

F「あんたは…!」

C「でもこれで3対3だね」

仁美「あっ…」

まどか「あなたは…昨日の…」

C「なるほどねぇ、あんた達がまどかのことを…」

C「まどか、大丈夫。あたしはまどかの味方だよ?」

まどか「味方…お友だち…?」

さやか「友だちだと思った?正解!さやかちゃんだよ!」

まどか「さやか…ちゃん…?」

仁美「さやかさん…」

さやか「仁美の後をつけて正解だったよ」

D「またあんたぁ?しつこいなぁ…!」

F「美樹さやか…あんたは何も関係ないじゃん」

さやか「あんたこそ、性懲りもなくまだ虐めなんてやってるわけ?」

F「うっさい!あんたからやってやる!」

さやか「ふんだ、あんたみたいな奴に負けるわけないじゃん」

D「なによ、ついでにあんたの髪の毛切ってもいいんだよ?」

さやか「あたしのならいいよ、でも仁美とまどかの切ったら許さないよ!」

まどか「…さ、さやかちゃん」

仁美「だ、ダメっ!さやかさんは…」

さやか「関係あるって、仁美も、まどかも友だちだからね!」

さやか「友だちを見捨てるなんてできないっしょ?」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「だからさ、友だちに手を出したあんた達は許さないからね!」


F「そーゆー正義の味方気取りとかいいから」

D「いっつもいっつもカッコつけちゃってさ!」

さやか「あたしは別に正義の味方なんて気取ってないよ」

さやか「でも、あたしは友だちの味方はするから!」


D「うざーい!」

さやか「ふんっ!うざいのはあんた達じゃん!」

E「もう切るよ!」

さやか「あっ…!」

I「こらっ!やめなさい!」

E「…もー、こんどは誰?」

I「先生を呼んだわ、もうすぐ来るはずよ」

D「えっ?」

F「や、やばっ!逃げるよっ!」

E「あっ、待ってよ!」

さやか「ばーか!」

まどか「……ぐすっ」

仁美「ほっ…」

I「ふぅ…あなた達、大丈夫?」

さやか「あたしは別になんともないけど…」

仁美「わ、私も大丈夫…でも」

まどか「うっ…ぐすっ…うぅぅっ……」

さやか「まどか…」

I「…落ち着くまで待ってようか」

仁美「そう…ですわね」

さやか「先生呼んだとたん逃げちゃってさ、情けないよね、ほんと」

I「…先生を呼んだのは嘘よ、とっさに思い付いたのがあれしかなったから」

さやか「あぁ、そうなんだ…でもありがとう」

仁美「助かりましたわ」

I「…ええ、良かったわ」

I「でも……」

まどか「ぐすっ……」

I「…何をされたのかしら」

仁美「私が来た時にはもう…」

さやか「くっそー!もっと早く仕事終わらせとけばよかった!」

まどか「…め…さい…」

さやか「えっ?」

まどか「ごめ…んなさい…」

仁美「鹿目さん…?」

I「どうしたの?」

まどか「わ…わたしのせいで…仁美ちゃんとさやかちゃんに迷惑かけちゃって…」

まどか「ごめんなさい…」

さやか「ちょっ、ちょっと、まどか?」

仁美「迷惑だなんて、そんな…」

I「………」

まどか「でもぉ…わたしのせいだもん……」

さやか「そんなことないって、まどかは何も悪くないよ?」

仁美「そうですわ、鹿目さんは何も…」

まどか「でもっ…でもぉ……」

I「…ねえ、まどかちゃん」

まどか「ぐすっ…」ゴシゴシ

I「私が話したこと、覚えてる?」

まどか「話したこと…?」

I「そう」

I「仲間が…お友だちがいることを忘れちゃダメだって」

まどか「あっ…」

I「辛いことがあっても、絶対に助けてくれる人がいるって」

I「そのお友だちを大切にして、ってね」

まどか「お友だち…」

I「うん、そのお友だちがこの子達なんだよ?」

さやか「…てへへ」

仁美「ふふっ」

I「ふふ、だからこのお友だちも大切にしてね?」

I「まどかちゃんは一人じゃないんだよ」

まどか「…うんっ」

I「ふふっ」ナデナデ

まどか「えへへ…」

H「あっ、いたいた!」

K「帰ろうよー!」

L「頭使ったからケーキ食べたい」

I「あっ、ごめん!今行くから!」

I「ふふ、じゃあ元気でね。ばいばい」

まどか「あ、ありがとう!」

仁美「ありがとうございました」

さやか「ばいばーい」

まどか「ばいばい…!」

さやか「…ふぅ、でもこれで一件落着かな」

仁美「ありがとうございます、さやかさん」

さやか「いいっていいって!」

まどか「あ、あの…」

さやか「ん?」

まどか「ほ…本当にありがとう…わたしなんかの為に…」

まどか「まだ、名前もちゃんと知らないのに…」

さやか「ん?あっ、そっかそっか」

さやか「あたしは美樹さやか!さやかちゃんって呼んでくれたまえ!」

まどか「さやかちゃん…ありがとう」

さやか「へへっ、いいってことよっ!」

さやか「まどかが無事で良かった!」

仁美「ええ、本当に良かった」

まどか「仁美ちゃんも、ありがとう…!」

まどか「仁美ちゃんがお友だちって言ってくれて…すっごく嬉しかったんだ」

仁美「鹿目さんは…私のお友だちですもの」

仁美「あまりクラスのみんなとお話しすることがない私と、お話してくれますし」

仁美「それに…仁美ちゃんって、呼んでくれて」

仁美「とっても嬉しかったんですよ」

仁美「ありがとう、鹿目さん…!」

まどか「仁美ちゃん…!」

さやか「んー…仁美さぁ、鹿目さんよりも、さ」

仁美「…そうですわね」

まどか「?」

仁美「まどかさん、ありがとう」ニコッ

まどか「…仁美ちゃんっ!」

さやか「うんうん、これで良しっと!」

まどか「…でも、ほんとにいいの?」

さやか「ん?」

仁美「何がですか?」

まどか「わたし…どんくさいし、何の取り柄もないし…」

まどか「だから…その…変な意味じゃなくてね?」

まどか「本当にわたしなんかのお友だちになってくれるのかなって…」

さやか「……」

仁美「……」

まどか「うぅ…」

さやか「…あはははっ!」

仁美「ふふふっ」

まどか「えっ?あっ…」

さやか「なーに言ってんの?友だちになるのにそんなの関係あるわけないじゃん!」

仁美「ええ、そうですわね」

まどか「えっ…?」

さやか「確かに、あたしとまどかは会ったばっかりだよ?」

さやか「でもさ、最初はみんなそうじゃん!」

まどか「あっ…」

さやか「会う度にどんどん仲良くなってくのが友だちなの!」

さやか「一度あったら友だちで、毎日あったら親友さ!」

さやか「なーんてね」

仁美「…兄弟では?」

さやか「え?あぁー…ま、そんなことはどうでもいいの!」

仁美「ふふっ、たしかにそうかもしれませんわ」

まどか「さやかちゃん…仁美ちゃん…!」

さやか「ってことで!ここでさやかちゃんに提案があります!」

まどか「提案?」

さやか「これから毎日遊ばない?これも何かの縁だよ!」

さやか「運命!デッテニー!」

仁美「…デスティニー」

さやか「えっ?あぁ、えーと…ど、どうでもいいんだってば!」

仁美「ふふふっ、ごめんなさい」

さやか「もぉー!」

まどか「てぃひっ!」

さやか「あー!まどかまでぇ…このこのぉー!」

まどか「きゃっ?やめてよぉ!てぃひひ!」

さやか「許さんぞぉー」

まどか「えへへ…」ポロポロ

さやか「あっ、あれっ?」

仁美「まどかさん…どこか怪我を…?」

まどか「ううん…大丈夫だよ」

さやか「で、でも…泣いてる…よね?」

まどか「ううん…違うの」

まどか「泣いてなんかないもん」

まどか「…嬉しいから!」

さやか「ん?えっ?」

仁美「…?」

まどか「えへへ…なんだか嬉しくって涙がでちゃったんだ」

まどか「ありがとう、さやかちゃん、仁美ちゃん」

まどか「わたし…とっても嬉しいんだよっ!」

まどか「お友だちになってくれてありがとう!」

さやか「…あたしこそ、ありがと!まどか!」

仁美「私も!」

さやか「よーし、今日は気分がいいから、さやかちゃん奢っちゃいますよー!」

まどか「えっ?」

さやか「昨日お小遣いもらったばっかりだしね」

さやか「ほら、最近美味しいたい焼き屋さんができたじゃん」

さやか「あれを2人に奢っちゃいますからね!」

仁美「でしたら、お金は私が…」

さやか「いーのいーの、ほらっ!行こうよ!」

まどか「あっ、待ってよぉ、さやかちゃん」

たい焼き屋さん

さやか「ついたー!ここってすっごく美味しいんだよ」

まどか「食べたことないや」

仁美「ええ、私も」

さやか「だから今から買ってきてあげるってば、待っててー!」

まどか「あっ…行っちゃった」

仁美「ふふ、さやかさんの明るさにはいつも助けてもらってばっかり」

仁美「お友だちになれて本当に良かったって、いつも思いますの」

まどか「そうなんだ」

まどか「さやかちゃん…!」

さやか「お待たせー、はいまどかの分」

まどか「ありがとう、さやかちゃん」

さやか「うん。で、仁美の分」

仁美「ありがとうございます」

さやか「よし、食べよっか」

まどか「うんっ」

仁美「いただきます」


M「…いいなぁ」ジィー

N「ん?モモ、どうしたの?」

モモ「お姉ちゃん…モモもたい焼き食べたい…」

N「…でも、家にはお金がないからさ」

O「…1つだけなら買ってあげるわ」

モモ「えっ?ほんと?」

O「うん、お姉ちゃんと半分こにして食べてね?」

モモ「わーい!ありがとう、お母さん!」

N「お母さん…でも」

O「大丈夫よ、ほら、行ってきなさい」

モモ「行こうよ!お姉ちゃん!」

N「…うん、ありがとう!」

N「たい焼きかぁ…へへっ、久しぶりだな」

N「行くぞ、モモ!」

モモ「うんっ!」

さやか「どぉ?美味しいでしょ?」

まどか「うん、すっごく美味しいよ」

仁美「ええ、美味しい」

さやか「てへへ、今度も来ようね」

まどか「うんっ!」

仁美「ええ、もちろん」

さやか「これがあたし達の思いでの味だねっ!」

まどか「てぃひひ!」

ほむら「そう…だったんだ」

まどか「うん、そうだよ。ほむらちゃん」

さやか「いやぁー、懐かしいねぇ」

仁美「あの時のことは一生忘れませんわ」

ほむら「…だからそんなに3人は仲良しなんだね」

ほむら(いいなぁ…羨ましい)

ほむら(私には…そんなお友だち…いないし…)

まどか「ね、ほむらちゃんを連れていきたい所があるんだ」

ほむら「えっ?私を…?」

さやか「うん、何も自慢する為に今の話をしたわけじゃないんだよね」

仁美「ふふっ」

ほむら「え…?」

まどか「ほむらちゃん、こっちだよ」

ほむら「あっ、待ってよ鹿目さん」

N「あいつらまだ来ないのか?」

I「何か会わせたい人がいるって言ってたけど…」

N「だからって何でここで待ち合わせなのさ?」

N「ここたい焼き屋だぞ?」

I「ここは鹿目さん達にとって…」

まどか「マミさーん、杏子ちゃーん!」

仁美「ごきげんよう」

杏子「おっ、やっと来たか」

マミ「ふふっ」

さやか「あっ、珍しく杏子が何も食べてない」

杏子「さやか達が来るの待ってたんだよ」

まどか「ごめんね、遅れちゃって」

ほむら「あ、あの…えっと……」

杏子「ん?この子がさやか達が言ってた新しい友だちか」

さやか「そうそう、んでもって今度からは親友になるんだよ」

ほむら「…えっ?」

まどか「えへへ、ほむらちゃんにも思いでの味を作ってもらいたいなって」

ほむら「思いでの味…?」

仁美「私が、まどかさんとさやかさんと作った時と同じ思いでの味ですわ」

さやか「だからここに連れてきたってわけ」

ほむら「あっ…さっきの…!」

まどか「うん、わたし達の思いでの味…それを増やしたいなって」

ほむら「で、でも…私なんかが…その、お友だちになんて……」

ほむら「う、嬉しいんだけど…その…あのっ……」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「えっ?」

まどか「一度あったら友だちで、毎日あったら親友さ!…だよ?」

ほむら「…!」

まどか「えへへ。だから、ね」

ほむら「鹿目…さん…!」

まどか「てぃひひ!」

ほむら「えへへ…」ポロポロ

まどか「あっ」

杏子「お、おいっ?何で泣いてるんだよ?」

マミ「どうかしたの?」

ほむら「ううん…違うよ」

ほむら「泣いてなんかないよ」

ほむら「…嬉しいから!」

まどか「ほむらちゃん…!」

さやか「あはは、あの時を思い出すね」

仁美「そうですわね」

マミ「ふふっ、なんだか私も嬉しくなっちゃうな」

杏子「ああ、こう言うのも悪くないよな」

ほむら「えへへ…」

まどか「わたし…たくさんお友だちができたんだ」

まどか「隣町の子とか」

まどか「先輩とか」

まどか「それから、転校生とか!」

まどか「あっ、もちろん、さやかちゃんとも仁美ちゃんとも仲良しだよ?」

まどか「みんなみんな」

まどか「わたしの大切なお友だち!」

おわり

終盤がおかしなことになってすまん
時間がないから無理矢理終わらせた
ちゃんと最後まで書きためてから投下するべきだったな

ごめん

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