半沢直樹「スタンド……?」 黒木智子「半沢直樹……?」 (132)

黒木智子「スタンド……?」の前半の続きです。
第4部と第8部の時系列を無視しています。
少しだけトリプルクロスオーバーです。

前スレこれか?えらく前のだぞ??あ1は代行な。

黒木智子「スタンド……?」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52053519.html

~東京中央銀行 社宅~

半沢「おお運命よ、運命よ、みなが汝を浮気者だという」

 花「本読みながら何言ってんの?
   あ! まさか浮気の告白とかじゃないでしょうね!」

半沢「ちーがーうーよ。
   これは、“『運命』っていうのは、何がどうなるか分からない”ってこと」
   シェイクスピアのこれ」

 花「『ロミオとジュリエット』? 何でそんなもの読んでるの?」

半沢「取引先の社長がさぁ、シェイクスピアが好きなんだよ」

 花「へぇ~、でも、どうして直樹もそんなの読んでるの?」

半沢「大企業の大口取引だから、話を合わせて機嫌を取る。
   これも、銀行員の仕事のウチ」

 花「お金の話だったら、お金の話だけすればいいじゃない」

半沢「それがそうもいかないんだよ。
   相手も人間だから、『気に入られる』って必要でさぁ。
   こういうところで大口融資を受けるかどうか決めたりするんだ」

 花「ふーん、それで、直樹の成績が評価されるのかぁ。
   よく分かんないけど、面倒くさいんだね」

 花「でも、『運命』ねぇ~、あんまり考えたことなかったけど、
   素敵な『運命』なら、『浮気』されちゃっても構わないかな~」

半沢「花ちゃん?」

.  ・・
 花「私は浮気なんてしませんから、ご心配なく♪」

半沢「……」

プスリ

半沢「痛ってぇえええ!」

隆博「あははははは、パパおもしろーい」

 花「な、直樹!? 隆博、何持ってるの!」

半沢「尻が……、お尻が痛い……」

 花「あ! その『矢』! 持ってきちゃだめって言ったでしょ!」

ヒョイッ

隆博「あー取られた」

 花「もう他に持ってきたものはない!?」

隆博「ないー」

 花「本当?」

隆博「うん」コクリ

 花「これは、ママが預かりますからね。……まったくもう」

半沢「それ、ナニ?」スリスリ

 花「これね、お母さんの家にあったものなんだけど……」

半沢「あ、そういえば、どうだった? お義母さんのところ」

 花「うん、久しぶりの実家だったから、楽しかった。
   隆博も大はしゃぎ」

半沢「そりゃ良かった」

 花「この『矢』(?)ね、古い『蔵』にしまってあった骨董品なの。
   大事な物らしくてね。すごく大切に保管されてたんだけど、
   隆博が見つけて、すごく気に入っちゃって……」

 花「危ないから、絶対に持ってきちゃだめって言ったんだけど」

半沢「ふーん」

 花「お尻、大丈夫?」

半沢「うん、ぷすっといっただけだから平気」

 花「良かった。あ、今、お夕飯出すね」

半沢「このおはぎは?」

 花「我が家伝統のおはぎ。お母さんといっしょに作ったの」

半沢「これ食べていいかな」

 花「甘物はお夕食の後!」

半沢「……はい」

~1ヶ月後 S市杜王町~

半沢「斉藤君、この融資先、ヒアリングは上手く出来ているか?
   事業計画案、決算書を鑑みると、この利益推移なら真水を提案した方が良い。
   純利が出るまでに時間がかかりそうだ。
   ――ああ、今は真水とは言わないのか。
   現融資と追加融資を一本化するんだ。このケースなら、キャッシュフローを増やせるから……」

銀行員A「さすが、半沢本部次長ですね……。
    西大阪支店で5億の不良債権を回収しただけのことはありますよ。
    ……でも、どうしてこの、東京中央銀行杜王町支店に出張なんですか?」

銀行員B「まぁ、上の考えることは分からんよ。
    ただ、せっかくのご厚意でウチの仕事の手伝ってくれているからな。
    半沢次長の仕事ぶりはよく見ておけ。あれが本物の銀行《バンカー》だ」

銀行員A「はい!」

~数週間前~

 花「出張ぉ?」

半沢「ああ、S市の杜王町支店」
 
花「どうして!? また何かトラブルになったの!?」

半沢「出張と出向は違うよ、花」

 花「ゑ?」

半沢「一週間経ったら帰ってくる」

 花「なーんだ、ただの出張かあ。
   で、何しに行くの?」

半沢「視察」

 花「へー、なんにせよ、すぐ戻ってくるんでしょ?」

半沢「ああ」

.             ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢(『出張』……。しかし、どうして俺が杜王町支店に出張する?
   あの支店は業務も健全。しかも、視察目的も判然としない……。
   一体、なぜ……)

 花「良かった~。また出向の内辞が出たのかと思った」

半沢「なーいない」

 花「直樹はなにかとやっかい事に巻きこまれるからね。
   それに、この前、熱だしたばっかりでしょ?
   ふだん病気なんかしない直樹が高熱だしたから、びっくりしちゃった」

 花「しかも、隆博と、親子二人同時。
   二人が救急車で運ばれたときはどうしようかと思ったよ~」

半沢「ああ、あれかぁ、心配かけてごめん」

 花「いいのいいの。
   隆博も、もうすっかり元気だし。
   でも、まだ予後だから、今日は特に栄養のつく物を作ってみました~。
   はい」コト

半沢「お~、ウマそぉ~。
   あ、これ食べたら、あのおはぎ食べていいかな」

 花「あ、あれもう全部食べちゃった」

半沢「……」

~S市 杜王町~

カァー カァー……

ゴトン… ゴトン…

半沢(杜王町か……。良いところだな。たしか、観光ガイドでは――)ペラッ

『人口約5万人。戦国時代に端を発し、東北地方の中心都市S市の町のひとつとして発展。
 江戸時代の武士階級の避暑地や訓練所などが見所。現在は観光地としてだけでなく、
 出版・印刷業や、IT関連業種などの情報関連産業も多く誘致している。

 杜王町住民の特徴として、危機一髪な事があると、「日頃の行いが良かった」
 「イワシの頭も信心ね」と、宗教にこだわっている訳ではないがみんなこう言う。

 杜王町には年間、旅行者が20万人近く訪れるが、旅行者に対し町の店は不親切そのもので、
 「買いたきゃ売ってやる」という態度。これはムカつく。
 でも仲良くなると本当にいい人たちばかりである。』

―『旅行するなら日本のここベスト100』民明書房刊 1500YEN(税込み)―

半沢(久しぶりに渉外課の手伝いもさせてもらえて良かった。
   本部では事後管理が主業務になったからな)

半沢「……ここか」

ピンポーン

シ~ン……

シィ~ン…………

半沢「……」

ピンポーン

シィ~ン………………

~2時間後~

ガチャッ

 ?「ふぅー……」

 ?(来週分のネームは大体完成した。
   今日は少し時間がかかったな――まあ、見せ場だから仕方がない――
   小腹が空いたから、今日は軽い夕食を摂るか……)

 ?(もう午後10時か……)

半沢「『岸辺露伴』さん」

露伴「……?」

半沢「初めまして。東京中央銀行の、半沢直樹です」スッ

露伴「『ヘブンズ・ドアーッ!!』」

ドバァーンッ!

露伴「悪いね、最近、ブッソーなヤツが多いから、
    先に『本』にさせてもらったよ」

露伴「なになに……、本名『半沢直樹』……。ふむ、今取り出した『名刺』と同じだ」

露伴「旧産業中央銀行出身、現東京中央銀行のバンカー(銀行員)。
   東京本社の営業第二部で次長を務める。
   優秀な行員であり、融資先の会社とは、社長や社員と真っ正面から向き合うという
   人間くささを持ち合わせる」

露伴「そのため、どんな小さな会社でも、
   どれ程の経営赤字を出している零細企業でも、
   そこで働く人たちが真摯である限り、再建のため融資を行う。
   その一方で、会社建て直しのためにありとあらゆる手段を用いる、
   一種の冷酷さを見せることも。情と非情を併せ持つ希有のバンカーである」

露伴「金沢の零細企業・ネジ工場『半沢ネジ』のひとり息子として生まれ、
   小さな工場で、小さくとも軽くて丈夫なネジを作る父親の背中を見て育つ。
   『人と人とのつながりを大切にしろ。ロボットのような人間にはなるな』と
   教え諭す父に、大きな影響を受ける」

露伴「しかし、半沢が中学生の時、半沢ネジは倒産の危機に瀕する。
   銀行の担当者は、土下座して融資継続を嘆願する半沢の父親をないがしろにし、
   融資を取り上げた。自社の倒産だけでなく、
   取引先が潰れてしまうという責任感に押し潰され、父親は自殺。
   その死の現場を、中学生の半沢は目撃してしまう……」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
露伴「こ、これは……ッ! 読めば読むほどに止まらないぞッ!!!
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   素晴らしい! マンガの主人公にできるネタだ!!
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   昨日のあの『女の子』とはまるで真逆だッ!!!」

露伴「……が、少年誌向けのキャラクターじゃあないな。
   参考資料として全ページ保管しておきたいところだが、
   康一君に釘を刺されているから、自分の記憶にとどめておくだけにしておこう」

露伴「そしてこの『半沢』。
   あの『女の子』と違って『スタンド使い』ではなさそうだな。
   
露伴「だが、『チープ・トリック』の例もある。
   念のため書き込んでおこう」

露伴「『岸部露伴を攻撃できない』、
    『岸部露伴に対しては、いかなる能力も使えない』っと」カキカキ

ドォーン!

半沢「はっ!」

露伴「どうかしたかい? 半沢さん」

半沢「いえ、失礼しました。
   岸辺さん、例の『個人融資』の件で伺いました」

露伴「ああ、すっかり忘れていたよ。
   約束の時間は、午後8時だったね」

半沢「時間通り参りましたが、玄関のチャイムを押しても
   お返事がありませんでしたので、ここでお待ちしておりました」

  .  ・ ・ ・ ・   ・ ・ ・ ・
露伴「2時間も? ここでか?」

半沢「はい」

露伴「ずいぶんと気が長い銀行員だな。
   そんなすっトロいことをしていて業務が務まるのか?
   それに、ぼくが今日どこかに出かけていて、
   帰ってこなかったらどうするつもりだった?」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「今日は日曜日です」

露伴「何?」

半沢「漫画家『岸部露伴』――仕事を始めるのは日曜日から。
   午前9時には起床。ストレッチや腹筋などで体をほぐし、
   午前11時から漫画の執筆に取りかかる。
   6時間で『ネーム』を完成させ、たいてい、午後11時には仕事を終える」

露伴「……!」

半沢「雑誌であなたのことを読みました。
   あなたは、非常に『規則正しい』生活をしている。
   何より漫画を優先するあなたなら、
   もっとも大切な『ネーム』の作業をしている今日、絶対に家にいるはずだ」

露伴「……」

半沢「そしてもし、約束の時間にチャイムに出ないとしたら、
   それはネームが滞っているということを意味している。
   だから、私はお仕事の邪魔にならないよう、ここで待っていました」

露伴「……」

露伴「なぜ、たったひとりの客のためにそこまでする?
   おまけにぼくは、『人間のベロのように出てくる整理券を持ちながら、
   人が多い場所で待つなんてまっぴらごめんだね』と、
   銀行員を呼びつけたんだぜ」

半沢「それは……、これを読んだからです」ガサゴソ… パッ

露伴「『ピンクダークの少年』――ぼくの漫画じゃあないか」

半沢「これを読んで、町工場で働く熟練工が作る手製の部品を思い出しました。
   ただ、『面白い』だけじゃない。
.                              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「『人間』が持つ希望、成長、可能性……。機械には決して無いもの。
   この漫画には、そんな『人間賛歌』が描かれている。
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   こんな漫画を描く人に、私は会って話がしたかった」

これは支援要るかな?

もう一丁要るかな?

露伴「……」

半沢「お会いできて光栄です。岸辺先生」

露伴「半沢さん、ひとつお願いがあるんだが」

半沢「なんでしょうか」

露伴「その「『岸辺先生』っていうの、やめてもらえないかな。
   『露伴』でいい。その呼び方の方が慣れているんでね」

半沢「分かりました、露伴先生。
   それでは、さっそく『融資』の件についてお話を……」

露伴「その話なら、『レストラン』でしよう」

半沢「プライバシーに関わります。自宅の中で、お話をさせて下さい」

露伴「大丈夫だよ。個人経営の小さなレストランで、
   テーブルが2席しかないんだ。
   店長とも知り合いでね」

半沢「……」

露伴「客のプライバシーは必ず守ってくれる。
   杜王町でも抜群に上手い店だ。
   レストラン『トサラルディー』。
   待たせたお詫びだ。奢るよ」

露伴「それから――」

露伴(『ヘブンズ・ドアー』)

ペラッ

露伴(これは消しておいてやるよ。
   『岸部露伴を攻撃できない』
   『岸部露伴に対しては、いかなる能力も使えない』)カキカキ

露伴(気に入ったよ……半沢直樹。
   もし仮にこいつが無意識の『スタンド使い』であっても、
   正々堂々と戦いたいと思わせる)

半沢「どうかしましたか」

露伴「いや、なんでもない。さあ、場所はアッチだ。
   ――ええと、内容だけ先に説明したいんだが、
   実は、『六つ』、『山』を買い取りたくてね……」

~翌日~

タッタッタッタ……

半沢(まずいな……。遅刻してしまう)

半沢(昨日のレストラン……。
   あの後、あまりにも身体が健康になって、ぐっすりと眠り込んでしまった……。
   腕時計まで壊れて止まってしまって、余計に時間が遅れてしまったし)

半沢(しかし……)

スッ

半沢(昨日届いたこの『メール』……)

   ――奴らに気をつけろ――

半沢(そして……)

   ――お前を狙っている――

.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢(添付されたこの写真の男……)
   『空条承太郎』と『東方仗助』……)

半沢(これは警告のメールか?
   なにより、差出人の名前……)

  ――気をつけろ  浅野匡 ――

半沢(一体どういうことだ……。
   浅野はもう……)

ドンッ

智子「ぎょわっ!?」

バタッ

半沢「!」

 優「も、もこっち、大丈夫?」

半沢「大丈夫か君!?」

智子「だ、だっ……ょぅ!?」

智子(な、なんだこいつ、ちょっとカッコイイぞ。
   ……中年のスマートさ? オスオスしいカンジ?
   わ、私はオヤジスキー属性も持っていたというのか!)

半沢「すまない、私の不注意だ。ケガは?」

智子「ぁ……ァリャァセン……」///

半沢「少し肘がすりむけてる。ちょっと待っててくれ」スッ

ソッ……

智子(は、ハンカチで私の……、私の身体を中年がなでまわしている……!!
   そ、そういえば、この年齢のおっさんは
   JKに目がないとネットに書いてあったぞ……。

     半沢『ほら智子、こんなところもすりむけて……』

     智子『ら、らめぇ~、そこはむけてるけど、すっちゃイヤぁ~』

     半沢『どうしてダメなんだい?』スーリスリ

     智子『Oh…、Oh, I’m comin’!! Coming soon!!!』

    そう……私としても熟れた手つきで初夜を迎えるのは悪くな…………)

智子「……」

智子(そういえば、私、こんなに男に優しくされたこと……ないな……)

半沢「君、名前は」

智子「ぁ……ぇっと…………あ、……ク、クぅ……」

 優「黒木智子ちゃんです。
   あの……、お急ぎみたいでしたけど、大丈夫ですか……?」

半沢「大丈夫。今、智子君を放っておくわけにはいかない。
   そのために遅刻しても、それは私の責任だ。
   ――そこの薬局で消毒液を買ってくる。少し待っててくれ」

智子「半沢さん……」

ドゲッ!

智子「ぶべらっ!」

ドサッ

 ?「おわっ!?」

 優「も、もこっち!?」

智子(……)ピクピク…ビクンビクン

半沢「智子君!」

 ?「こいつが『半沢』か」

半沢「……?」

 ?「どうやらそ~みたいッスねぇ~~承太郎さん。
   この『写真』の男だ。間違いない」

承太郎「仗助」

仗助「なんスか?」

承太郎「こいつには俺が話をする。
    その娘を『治して』やれ」

仗助「へ?」

智子「……」ブバーッ

仗助「大丈夫かい? お、鼻血が出てんな。ナイアガラの滝みてぇ~によぉ~」

智子(テメーがやったんだろ! 鼻が真っ赤なお花畑だよ!
   ブスになったらどうしてくれんだ!)

仗助「俺はタッパがあるからよぉ~、たまに足下が見えねーんだよ」

智子(チビか! 私がチビだと言ってんのか!
   それがどうした! デカけりゃいいってモンじゃねーんだよ!!
   初めての時、挿入(はい)りにくいだろ!)

スッ……

仗助「おジョーちゃん、すまなかったな。
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   今ケガを『治した』けど、もう痛いところはないかい?」

智子「へ……?」

 優「ケガが……治ってる……」

.     ・ ・ ・ ・
智子(治ってる!? た、たしかに治ってる!! もう血も出てない!?
   鼻が曲がるくらい思いっきり蹴られたのに!? でも、こいつ今……)

仗助「悪かったなぁ~~。オレは東方仗助。
   あっちは『空条承太郎』さん。
   ちょっと奇妙に思うかもしれないけど、オレの甥にあたる人」

智子(『ジョウスケ……』? 『ヒガシカタ ジョウスケ』?
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   あの隙っ歯と同じ名前……!)

           ゴゴゴゴゴゴゴ……

.    ・ ・ ・      ・ ・ ・ ・
智子(まさか……、こいつも……)

        ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

.    ・ ・ ・ ・ ・    ・ ・ ・ ・      ・ ・ ・ ・ ・ ・
智子(こいつも……『スタンド』……『スタンド使い』……!)

        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     

承太郎「半沢直樹。東京中央銀行東京本店次長……。
    現在、東京中央銀行杜王町支店に出張中……」

半沢(この男……!)

承太郎「妻の名前は花、子どもが一人いる」

半沢「……私に……何かご用が、おありですか?」

       ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

承太郎「半沢直樹……。お前に少し聞きたいことがある」

半沢「失礼だが、あなたの質問に答えることなど、何もありはしない」

承太郎「……」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢(この帽子の男……『浅野』が言っていた『空条承太郎』……。
   こいつが、私を狙っている……?)

半沢「答えるのはあなたの方だ。
   どうして、私を知っている」

承太郎「やれやれ……」

半沢「答えて頂こう。なぜ、私の身辺まで知っているのかを」

承太郎「『スター・プラチナ』」

ズオッ

半沢「!?」

承太郎「まどろっこしいのは嫌いなんでな……

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    先に見きわめさせてもらうぜ……。
    その後で、詳しく話を聞かせてもらう。
    ちょっとばかり痛いだろうが、最近やっかいなヤツが多くてな……」

半沢「ッ!」

スター・プラチナ
S・P『オラァッ!』

ガシィッ!

承太郎(何ィッ!?)クルッ



        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     

 ?『ヤラセハセン ヤラセハセンゾ……』

.      ・ ・ ・ ・ ・    ・ ・ ・ ・
承太郎「こ、これは……『スタンド』……ッ!
.      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     (『半沢』とは別の『スタンド使い』がいたというのか!?)」

仗助「お、お前……ッ!」

     ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

智子「『フライ・トゥ・ダーク』……」

智子「ハ……ハンザワ……、
    半沢さんささささ」

フライ・トゥ・ダーク
FtD『半沢サンニ……
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   ワタシニ 優シクシテクレタ人ニ……
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   暴力ヲ振ルウコトハ サセナイ ケッシテ』

仗助「この女! 『スタンド使い』かッ!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スタンド名 ― フライ・トゥ・ダーク
【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - E / 持続力 - D / 精密動作性 - D / 成長性 - A】

本体 ―黒木智子(推定15さい)

能力 ― 左手の薬指に触れた物質(スタンド)の存在を
ちょっぴりの間だけ消し去ることができる。
元から存在がないみたいなものなので、本体である智子自身には使えない。

名前は、アニメ12話の挿入歌が元になっているらしい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

半沢「な……、智子君……、
.                     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   な……なんだ……その……『幽霊』みたいなものは……」

            ゴゴゴゴゴゴゴ……

承太郎「!」

智子「!?」

     ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

半沢(この帽子の男――空条承太郎――も、
    『幽霊』のようなものを出して、俺を攻撃しようとした……!)

承太郎「やれやれだぜ……。
     この『半沢直樹』、やはり『スタンド使い』か……」

智子(なんにせよ! 半沢さんは私が守るッ!
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    私にホレさせるためにッ!!)

智子「『フライ・トゥ・ダーク!』」

 FtD『モテネェ――――ッ!!』

ゴゥッ!

ガシィッ!

仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』!!」

智子(とめられたッ!? 私のグーパンが……ッ!)

仗助「オマエが『スタンド使い』でよぉ~。
    そして、攻撃をしてくるってんならよぉ~~~。
    また、その地味な鼻をお花畑にしてやらなきゃいけねぇーなぁーッ!」

クレイジー・ダイヤモンド
C・D『ドラァーッ!』

半沢「危ない!」

ドンッ

智子「!?」

ドグォッ

半沢「ぐはっ!」

ドサァッ

仗助「!」

半沢「大丈夫か……智子君……はぁ、はぁ……」

智子「ハ、半沢サン……」

         ゴゴゴゴゴゴゴ……

.       ・ ・     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
智子「……お前……半沢さんに手を出したな……」

       ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

仗助「な、なんだ……!?」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
智子「私に優しくしてくれた人を! (最初で)最後(かもしれない)の人を!」

 優「もこっち!?」

智子「ゆうちゃん、下がってて!」

スッ

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
智子「これは、私の戦争なんだァ――――――ッ!!!」

仗助「今は狙いが外ちまったがよぉ――――ッ! 今度は外さない!」

 FtD『モォーテモテモテモテモテモテモテモテモテモテェッ!!』

仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!」

C・D『ドララララララララララララララァッ!!』

ガンガンガンガンガンガンッ!

智子「うらああああああああああああああああああッ!!!」

FtD『モォテネェーッ! モテモテモテモテモテモテモテモテモテェッ!!』

ドガゴガガガガゴガッ!

仗助(な、なんだこの〈パワー〉!
.    ・ ・
    強いッ!
    お、オレの『クレイジー・ダイヤモンド』と“互角”だっつーのかッ!)

半沢(智子君……!)

.    ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     ・ ・ ・ ・
半沢(た、助けなければ……。この私が……
   こいつらの狙いは俺だ。
   この娘を傷つけるわけには…………いかない!)

        ズズズズ……

半沢(この娘を巻きこんだ責任は、俺にある!)

   ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

        ズオオオッ!!

 ?『オマエ……「攻撃」シタナ……』

        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     ''

仗助「!?」

 ?『「ヤラレタラ ヤリカエス」……』

仗助(ま、また『スタンド』だと……!?
   ま、まさか……!
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   こいつが半沢の……ッ!!」

 ?『ソレガ ワタシノ「流儀」ナンデネ……』

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助(こ、攻撃してくるッ!)

 FtD『モテェッ!』ブ゙ォアッ!

ドゴォッ!

仗助「ぶぐぉっ!」

ガクッ

仗助(しまっ……ッ!)

 ?『コッチヲ見ロォ―――ッ!!』

ゴゥッ!!!

仗助(ま、まずいッ!!)

ピタァッ

承太郎「『スター・プラチナ・ザ・ワールド』!
.     ・ ・ ・ ・ ・
     時は止まる」

承太郎「やれやれだぜ……。この『スタンド』……。
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     この半沢直樹が今、無意識に出したようだな……。
     本格的に『スタンド使い』として覚醒したってところか……」

S・P『ォオラァ―――ッ!』

バゴォッ!

.      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承太郎「時は動きだす」

半沢「ぐふっ! (な、なんだ!? 何の予備動作もなく――)」

ドグォォーン!

仗助「ハッ! (『半沢』がブッ飛んでいる……。
    承太郎さんが『時』を止めたのか……ッ!)」

承太郎「仗助! お前はその女の子をやれ!
     そいつは完璧にプッツンしてやがる。
     今、誤解の解ける相手じゃあない」

智子「……」オオオオオオオ……

半沢「ぐっ……!」ガラッ

半沢(一瞬で現れ、殴られたことにも気づかなかった……!?)

承太郎「こいつ――半沢――は俺がやる」

半沢「……くッ……今の攻撃は……お前が……やったのか」

.      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・
承太郎「お前の相手は、俺だぜ……半沢直樹」

       ズオオオオオォォ……

 ?『オマエ、「攻撃」シタナ……』

    ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

承太郎「やれやれ、おでましか……」

半沢「はぁ――ッ、はぁ――ッ……」

半沢「この『幽霊』……『スタンド』……というのか……。
    今はまだよく分からない……分からないことがたくさんある……」

半沢「……だが、今! 私に暴力を与えたこと……!
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    あなたには、倍にして償って頂く……ッ!!」

承太郎「『スター・プラチナ』!」

S・P『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ――――ッ』

 ?『ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラァ―――――ッ』

ドガガガガガガガガガッ!

バキィッ!

承太郎「……!?」

ガクッ

承太郎「ぐあっ」ビシャッ

承太郎(なんだこの『スタンド』……!
.    ・ ・   ・ ・ ・ ・    ・ ・ ・
    速い、速すぎる! 異常だ!
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    スター・プラチナよりも異常に速い!」

承太郎「ッ!」

 ?『ヤラァッ!』

承太郎「『スター・プラチナ・ザ・ワールド』!」

スカッ

半沢「!?」

承太郎(あ、危なかった……。
     とっさだが、わずかに時を止められた……)

半沢(攻撃が外れた……?)

承太郎(……このスタンド能力……)

承太郎「やれやれ……。こいつは……とんでもねースタンドだぜ……」

半沢(今の『瞬間移動』……。そして先の『突然の攻撃』……。
.    こいつも『スタンド能力』を使っているのか――)

.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「今の攻撃は外れたが……、やられたらやりかえす。
.     ・ ・ ・ ・ ・
    『倍返し』だ!
    ……それが私の流儀なんでね……」

半沢(そして、この……俺名義のスタンド……。
    ――安易だが、『ペイバック・ダブル』と名付けるか――)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スタンド名 ― ペイバック・ダブル
【破壊力 - C / スピード - C / 持続力 - A / 射程距離 ? D / 精密動作性 - A / 成長性 - B】
※ただし、〈パワー〉と〈スピード〉は後述の『能力』によりA~Eに変動する。

本体 ― 半沢直樹(推定43さい)

能力 ― 『倍返し』
① 敵意のある攻撃行為』により本体(スタンド)がダメージを受けると、
 一時的にスタンドが半自動操縦状態になり、敵に反撃する。

② この際、ペイバック・ダブルの〈破壊力〉や〈スピード〉などは、
 『攻撃を受けた際の敵のパワーとスピード』の倍に上昇する。

③ ただし、『相手が攻撃行為を行った』という『証拠』がなければ能力は発動しない。

④ 基本的に、受けた攻撃をきっちり全て『倍返し』し終えるまで止まらない。
 ただ、本体が能力を解除するか、あるいは再起不能になると止まる。

⑤ スタンド自体は争いを好まない性格なので、子どものイタズラなどには反応しない。
 また、『敵意のある攻撃行為』であっても、
 敵の事情を斟酌して手心を加えることもあるらしい。

⑥ 土下座して謝ると許してもらえる(時もある)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

FtD『モォーテモテモテモテモテモテモテモテモテモテェェ!!!!!!』

グッオオオオォッ!

ガシガシ!ガガガガッ!

仗助「ぐぅおおおおおおっ!!!! クレイジー・ダイヤモンドォー!!!」

ガンガンガンガンガンガンッ!

フッ

FtD「モテネェ――――ッ!!」

ボゴォッ!

仗助「あば――ッ!」

ドグワッシャーン!!

智子「……」ニヤリ

FtD『アワヨクバ……ダ、ココデ「半沢」サンヲ 助ケタラ――

     半沢『智子ちゃん……ありがとう。君のおかげで助かったよ』

     智子『いいえ、当然のことをしたまでです』

     ガバッ

     智子『ひゃっ!?』

     半沢『本当に、ありがとう』

     智子『いいんです……』

     半沢『助けて“もらった”ついでに、もうひとつ“もらい”たいんだ』

     智子『え……』

     半沢『君の“初めて”を俺に“もらえ”ないか? ……いいかな?』

     智子『……はい……』///

   ――トナルハズ、ダ』

仗助(な、なに言ってんだコイツは、マジでプッツンしてやがる!
    頭おかしーんじゃねェーのか!?)

FtD『ソノタメニ!』

智子「お前は必ず倒す!」ビシィッ!

仗助「上等だぜぇー! テメーのようなゲス野郎は
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   この東方仗助が必ず倒す!!」

      ズズズズ……

半沢「『ペイバック・ダブル』。
.    ・ ・ ・ ・ ・
    そうはいかない。
    智子君は、私が守らせてもらう」

ペイバック・ダブル
P・D『ヤラレタラ ヤリカエス』

仗助「なっ!?」

承太郎「仗助! そのスタンドは、攻撃してきた相手に反応する!
    しかも、〈パワー〉と〈スピード〉を『倍』にしてだ!
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    さっきお前は、一発、半沢を殴っている!」

仗助「グレート……!」

承太郎「『スター・プラチナ・ザ・ワールド』(時は止まる)!」

ピタッ

シィ~ン……

承太郎「あの女……『近距離パワー型』のスタンドだ。
     いくら仗助でも二対一では分が悪い……。
     『半沢』は俺が引き受ける」

P・D『オ……オオオ……オマエマエマエ……』

    ゴゴゴゴゴゴゴ……

承太郎「!!!」

  ━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・
  ━┛. ━┛.. ━┛. ━┛. ━┛. ━┛  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

P・D『ヤハリハリリ……「時間」ヲ……ヲヲヲヲ……「止メテ」イタナ……』

承太郎「こ……こいつ……!」

        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     ''

承太郎(『倍にして返す』……。
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     相手が攻撃してきた時の『能力』すら倍にして返すのか……ッ!!
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     スタンドが『攻撃』とみなした行為ならなんでも……!)

P・D『ヤラレタラ ヤリカエス……』

承太郎「スター・プラチナ!」

S・P『オラァッ!』

バゴォッ!

ミシィッ!

承太郎(スタンド自体の〈パワー〉と〈スピード〉は、
.     ・
     並程度だ……。
     並程度だがこの『能力』……)

承太郎(もう限界だ……。時は動き出す)

ドッグォンッ!

半沢「ぐぉわッ!」

仗助「ハッ!」

承太郎「一部撤回する、仗助」

仗助「え?」

承太郎「こいつは、相手の〈パワー〉と〈スピード〉でだけではなく、
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     自分に向かって行われた攻撃行為すべて……、
.     ・ ・ ・ ・
     能力すら『倍』にして返してくる。
     ……今、『止まった時』の中を、こいつは動いてきた……」

仗助「な……なんスッてェ―――ッ!!!」

半沢「ぐぅ……はぁ、はぁ……、
.     ・ ・ ・     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    私は今……、腕時計をしていない
    壊れて動かなくなってしまったからだ」

承太郎「……」

半沢「『時間が止まった腕時計』……。それがヒントだ。
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    お前のスタンドの動作を見ていて確信した。
    状況証拠だが間違いない。お前は時を止められる」

仗助(な、なんてヤローだ、たった数度の攻撃で承太郎さんの能力を
    見抜いたっつーのか……ッ!!)

ズォッ!

FtD『ヨソ見シテイル暇ガ アルノカ……?
   ワタシハ イツモ 「暇」ダガナ……』

仗助「!!」

智子「フライ・トゥ・ダーク!」

承太郎「仗助! そいつの左――」

グオンッ!!

ガッ! バギィ!

智子「ひぎぃッ!?」

仗助「ドラァ……!」

智子(や、やられた……?)

ガクッ

仗助「この仗助君に何度も同じ攻撃は通用しないぜェ~」

智子「な……!」

仗助「気づくまでちょっぴり時間がかかっちまったけどなぁ~~」

仗助「『左手』だろ? その『左手の薬指』。
    触れたものを一瞬だけ『消滅』させる能力。
    (億泰の『右手』と似てたんで気づけたぜ……)」

智子(こいつ……!)

仗助「能力を悟られないように、上手くごまかしていたようだが……。
    これでテメーのヨコシマな野望も終わりだ!!!!」

半沢「智子君!」

承太郎「テメーの相手は俺だぜ……」

半沢「私は必ず智子君を守る。邪魔をしないで頂きたいッ!!
    ペイバック・ダブルッ!!」

承太郎「スター・プラチナ!」

仗助「だ、ダメだ、承太郎さんッ!
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   攻撃が倍になって返ってくるぞォ―――ッ!!」

ペイバックダブル
P・D『ヤラァ――――ッ!』

ボグォッ!

承太郎「がぉあッ!!!」

メシャッァ!

承太郎「ぐぉっ……、がふぅっ……、
     スター・プラチナァ――――ッ!!」

S・P『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
   オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
   オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
   オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!』

FtD『終ワリ……ダト? ソレハ チガウナ』

仗助(クソッ! こいつッ!!)

仗助「クレイジー・ダイヤモンドォッ!!」

C・D『ドラララララララララッ―――――ッ!!!!』

スカッ

バゴォッ パラパラパラ……

仗助「!?」

仗助(消えた!? スタンドが消えたぞ!? こいつの能力……
    まさか自分の存在も消せるのか!?)

.   ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
FtD『コレカラ ハジマルンダ』

承太郎「仗助! 後ろだ!」

仗助「!?」クルッ

FtD『ワタシの時代ガ!』

C・D『ドララララァ―――ッ!!』

FtD『モテモテモテモテモテモテモテモテネェ―――――ッ』

ドグァドガドゴドグボゴォバキィッ!!

仗助「ぶぐぁぁああッ!!」

ドッパァーンッ!!

智子(やっぱり気づかなかったか……。
    チビの私がこそこそと後ろに回りこんでいたことに……。
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    足下は見にくいって言ってたからな……)

智子(FtDは、こいつの視線を上にするための『囮』。
    私はスタンドを一度引っこめて、もう一度出しただけだがぁ……。
    私の存在を消したとでも思ったかな……ふへへへへ……)

仗助「ぐふっ、はぁ、はぁ、はぁ……
    『存在を消す』ってのはよぉ~~、けっこう“恐ろしい”能力だよなぁ~。
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    あることにも気づかないってとこが特によぉ~」

智子(こいつの頭、サザエさんみたいなヘアーしてんな)

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「自分でも『あることに気づかない』。
    ……そろそろ、『時間』かな」

ボゴッ

智子「ぐぇっ!?」

仗助「さっきブチ割った壁の破片をよぉ~、あえてオマエの頭上あたりで
.    ・ ・ ・
    あえて『消して』もらったぜ……。とびきりデカいやつをな……。
    チビだから、気づかなかったか?」

智子「あう……」フラフラ……

仗助「さて、決め台詞でも考えるか……。
    そうだな……、たしかオマエ、モテないんだったな」

ググ……

智子「ヒッ!?(ひ、左腕が……!)」

グググググ……

智子(引っぱられる……ッ!?)

仗助「これ、オマエの左袖のボタンね。
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    オマエを殴った時にむしり取っておいた」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「ボタンを『治す』」

智子(ふ、服が引っぱられてるッ!
    左袖のボタンが『治る』から、身体が服ごと――)

ドヒュゥン!

仗助「オマエは次に“私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!”と言う」

智子「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪いぃぃぃいいいッ!!
    『フライ・トゥ・ダーク』ッ!!!」

仗助「遅いッ!」

C・D『ドラァアア――――ッッッ!!!!!』

C・D『ドラララララララララララララララララララララララララララララララララ
    ラララララララララララララララララララァアア――――ッッッ!!!!!』

ペイバック・ダブル
P・D『ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラ
    ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラァァァアアアア―――ッ!!!!!』

ガガガガシガシガシガシガシガシッ!!!

メキャッ

半沢「ぐぅッ!」

仗助「なッ!?」

智子(半沢さんのスタンド!?)

仗助「は、『半沢』……!?
    (承太郎さんのラッシュを食らってるのに……!?)」

S・P『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
    オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!』

半沢「ペ……『ペイバック・ダブル』。
    智子君……、こちらに向かって飛んできたのが幸運だった。
    『ペイバック・ダブル』の〈パワー〉でも、ダメージを軽減できる」

━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・
━┛. ━┛.. ━┛. ━┛. ━┛. ━┛  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

承太郎「……まったく……やれやれだぜ……
     これじゃあ、『スタンドパワー』の無駄づかいってところかな……」

ピタッ

S・P『……』

承太郎「本当に恐ろしいのは、こいつの『スタンド能力』ではなく……
     『洞察力』のようだぜ……仗助」

仗助「な、なにがどうなってやがるんだァ――ッ!?」

半沢「ペイバック・ダブルの『能力』は、『倍返し』……。
    やられた分を、きっちり相手に倍にして返す」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「空条承太郎、あんた今、あえてダメージを低くしてラッシュをかけてきたな」

承太郎「この能力の弱点は、『やられた分』のダメージが弱かった場合だ。
     俺はそこを突いた。
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     蚊も殺せねーようなダメージで、このスタンドにダメージを与えれば、
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     ハエも殺せねーようなダメージで『やりかえしてくる』。殴った数だけな。
     その間に本体を叩けばいい……」

半沢「だから私は、『能力』を解除した。
    ペイバック・ダブルを自由に動かし、智子君を守るためになァッ!」

仗助(つ、つまりこういうことか……?
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    承太郎さんは、半沢のスタンドの弱点を見抜いた。
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    しかし、半沢はそれを逆手に取ってあの女を守った)

             バァァア―――ン!

仗助(なんなんだこの二人……読み合いが高度すぎて、ついてけねぇーぞ……!)

承太郎「だが……。もうそこまでのようだな……」

半沢「はぁ―――ッ、はぁ―――ッ……」

承太郎「仗助の全力のラッシュと殴り合ったんだ。
     お前の両腕は、もう使い物にならない。
     それに、『スター・プラチナ』の攻撃をまともにうけてもいる……。
     能力を使うほどのスタンドパワーも残っていない……」

半沢「はぁ……、はぁ……。……」

仗助「理解できねーぜ……。なんだって、そのゲス女をそこまでして守ろうとする?」

智子(なにがゲスだ! 氏ね!)

半沢「私は、『やられたら、必ずやりかえす』。
    たとえ、地べたを這いつくばり、土下座をしてでも」

半沢「ただ……。そのために無関係の人間を犠牲にはできない。
    智子君がこの争いに加わったのは、
    私が智子君を蹴ってしまったことがきっかけだ。
    彼女を巻きこんだ責任は、この私にある」

半沢「こい……。私は、『スタンド使い』として、最期まで責任をまっとうする……」

智子「半沢さん! ダイジョウ…ブレスカカカカ」

半沢「今のうちに逃げろ、智子君……。君には何の罪も――

バゴンッ!

半沢「ゴフッ!!」

仗助「え!?」

承太郎「!?」

智子「おわっ!?」

━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・
━┛. ━┛.. ━┛. ━┛. ━┛. ━┛  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

.    ・    ・ ・ ・    ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「な……なんだ……こ、『攻撃』……!?」

バゴォンッ!

半沢「がァッ!」ビシャァ!

半沢「ペ……ペイバック・ダブ……ル……」

P・D『……』

.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「ペイバック・ダブルが攻撃をしない……!?」

        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     ''

.      ・ ・ ・ ・ ・ ・
承太郎「『第三の男』か……」


    ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

仗助「ど、どういうことッスか!? 誰が半沢に攻撃を――」

.    ・ ・ ・ ・     ・
半沢(『第三の……男』……、そ、そうか……、そういうことだったのか……)

バゴォンッ!

 優「ぐふッ……!」

智子「ゆうちゃん!?」

 優「もこっち……さっきから……なにが起き……。
    私……怖……」

バゴンッ!

 優「キャッ!」

ドサァッ!

智子「ゆうちゃん! ゆうちゃんッ!!」

仗助「む……無差別……だと!?」

仗助(あ、『新手のスタンド使い』がまた現れたっつーのか!?
    しかし――)

仗助(それらしいヤツは周囲にいない!)

仗助「承太郎さん!」

バゴンッ!

仗助「げふっ!」

仗助(お、俺にも……!?
    ど、どこから攻撃してきてんだコイツ……!
    やばい、やばいぞ……、攻撃してくる『位置』が分からないッ!
    このままじゃ、なぶり殺しだ……ッ!)

承太郎「落ち着け、仗助」

.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
承太郎「こういう状況は予測しておくべきだぜ……」

承太郎「『怪しい』と思わなかったか?
     あの、差出人不明の『メール』」

仗助「このケータイに来てたやつ……!」

  ――この男は「写真の親父」の「矢」で貫かれた、「新たなスタンド使い」――

  ――まだ『覚醒』はしていないが――

  ――『吉良』を追う、お前たちの驚異になりうる――

承太郎「どこの誰かも分からない人間は、きちんと調査しておかなければな……」

スッ

智子(電話?)

承太郎「……」

プルルルルル……

承太郎「俺だ。奴の情報はまだつかめないのか?」

スピードワゴン
SW財団の男『承太郎さん! 今、お電話しようと思っていたところです!
     “メールの差出人”がようやく分かりました!
      周到に身元が割れないように工作をしていました!』

仗助「承太郎さん!」

承太郎「どうした?」

仗助「この攻撃に気を取られてました……」

智子「ハ……ハンザ……」

FtD『半沢サン ガ ドコカヘ行キマシタ。
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   行方不明デス』

承太郎「何ィ……!」

 ?「クク……、いいぞ……、『半沢』……。
   私は、お前には大分『債権』を持っているんだよ。
   ここでお前を殺すくらいの『債権』をねぇ……」

 ?「あの時の『債務』はしっかり取り立てさせてもらうよ?」

 ?「……ん……?」

 ?「なんだ……? 『反応』が消えたぞ……」

 ?「ど、どこに行った!?
   今までは確かに『反応』があったのに」

半沢「――ここですよ……はぁ――ッ、はぁ――ッ」

 ?「は、半沢!」

半沢「はぁ、はぁ……これはどういうことか……。
    説明してもらおうじゃありませんか……。
.    ・ ・ ・ ・ ・
    『小木曽』ォッ!!!」

小木曽「クク……久しぶりだねぇ、半沢融資課長。
     おっと、今は融資次長だったかね」ニヤリ

半沢「裏で糸を引いていたのはお前だな、小木曽」

小木曽「私は、元東京本部人事部次長だよ?
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     私の口利きで昇進した人間もたぁーくさんいる。
     そいつらにちょっとした『お願い』をしてね。
     君が私の出向先――杜王町――に来るようにしたんだよ」

半沢「……」

小木曽「君の好きな台詞だったねぇ。
     『やられたらやりかえす。倍返し』。
     今度は私がそうさせてもらったよ。ははははは」

半沢「『空条承太郎』と『東方仗助』を私に差し向けたのもお前だな」

小木曽「君を杜王町に呼びつけ、
     『吉良吉影』の父親が、君をスタンド使いにした(私がそうされたようにね)
     ――と空条承太郎と東方仗助に、吹き込む」

小木曽「そして、君には、空条と東方を警戒するよう写真を添付したメールを送る。
     差出人が浅野と書いてあれば、君としても迷惑メールだとは思うまい」

小木曽「本来は、空条が君に尋問をして、いざこざに巻きこまれれば、
     それでよかった。私としてはね。
     しかしどうだ! 『運命』は私に味方してくれているようだ、半沢君!
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・   
     まさか本当に!
.     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
     君も『スタンド使い』になって、大けがを負うとはねぇ!」

小木曽「さんざん痛めつけられたところで、私の『スタンド』で攻撃させてもらったよ。
     気持ちがいいもんだなぁ! 『倍返し』というのは!
     鼻歌のひとつでも歌いたい気分だよ! はははははははッ!」

小木曽「ん~、しかし、どうして私が隠れている場所が分かったのかね? ん?」

半沢「……コンパスだ」

小木曽「?」

ズォッ

半沢「私のスタンド、『ペイバック・ダブル』。
    『倍返し』をするためには、絶対条件がある。
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    『そいつが攻撃した』というこれ以上ない証拠が必要だ。
    それが存在しなければ、能力を発動することもできない」

.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半沢「今の私に出来るのは、攻撃の流れを追うことくらいだ」

小木曽「その反応をたどって、ここまで来たというわけか。
     相変わらず小賢しい真似をするなあ、君は、え?」

小木曽「しかし、半沢融資次長、そのボロボロの身体では何ができるというのかね?」

半沢「お前の行為で……、
    私だけでなく、無関係の人たちまでもが痛みを味わった……。

半沢「その発端が私の『負債』にあるのなら――すべての責任はこの私が取る
    たとえ、差し違えてもだ!」

小木曽「私のスタンド、『Bang!カー』は、『ストレス』を感知するからねぇ。
     多少の誤差が出てしまうんだよ。
     仕方ないじゃないか、え?」

小木曽「君の『精神力』には感服するが、
     まぁ、おしゃべりもここで終わり、そして、君もここで終わり、だ。
     やれ『Bang!カー』! とどめだ!」

半沢「やれぇぇぇぇえええええええッッ!! ペイバック・ダブル―――ッ!!」

小木曽「遅いんだよぉ!」

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スタンド名 ― Bang!カー
【破壊力 - B / スピード - D / 持続力 - C / 射程距離 - B / 精密動作性 - B / 成長性 - E】

本体 ― 小木曽忠夫(50さいくらい)

能力 ― 何かを平手で『叩く』と、その分のダメージを相手に与える。
ダメージは身体だけでなく、精神(ストレス)にも至る。
遠距離攻撃に特化しており、ターゲットの「ストレス」を感知し、攻撃する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

バギィッ!

小木曽「ぶごぉッ!?」

承太郎「……『遅い』のはお前のスタンドの方だな……」

半沢「!?」

仗助「コイツが『スタンド使い』……」

小木曽「な、なにィ!?」

智子(こいつがすべての元凶か……!)

FtD『ジョウタローサン ノ 言ッタトオリダッタナ。
   アノ〈パワー〉……。
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・   ・ ・ ・ ・   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
  「スタンドバワー」ガ強イカラ、「本体」ハ、ゴク近クニイル』

小木曽「ど、どうしてこの場所に、貴様らがいるんだ!?」

仗助「俺の能力を忘れてもらっちゃ困るぜぇ~~」

シュゥ――……

半沢「わ、私の『スーツ』……!?」

仗助「半沢の『スーツ』の切れっぱし。
    半沢は承太郎さんにボコボコにやられてたからなぁ――ッ!」
 
仗助「さっきの場所に落ちてたヤツを、『治した』!
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    切れっぱしは『治る』から、それを追ってここまで追跡してきたぜ」

仗助「そして、『クレイジー・ダイヤモンド』!」

仗助「あんたの傷も治してやったぜ、半沢さんよぉ~~」

半沢「ほ、本当だ……。傷が……痛みが無くなっている……」

小木曽「なんなんだね君たちは! 特にそこの、妙な髪型をした学生!
     もう登校時間だろう!」

プッツーン


        /´〉,、     | ̄|rヘ

  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     ''

.                 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
仗助「テメェ―――ッ!! 今オレの髪型のことなんつったァッ!!!」

.   ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
FtD『小木曽、オマエ ハ 私ノ親友ヲ傷ツケタ――』
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
智子「絶対に許さない!」

小木曽「ひっ!?」

半沢「小木曽……、お前はもう終わりだ」

小木曽「う、うわあああああああああああああっ!」ダッ

承太郎「おっと……、こっちは行き止まりだ……。
     逃げることはできねえぜ……」

小木曽「しゅ、瞬間移動ぉぉおおおおおお!?」

半沢「小木曽忠夫……」

小木曽「ひぇ!? な、何をする気だ!」

半沢「『やられたら、やりかえす』……」

半沢「あんたに対しては……10倍返しだッ!!」

承太郎「待ちな……半沢さん」

半沢「止めないで下さい、こいつはそれだけのことをしでかした!」

小木曽「ささ、さすが空条君だ。君も見習いたまえ、半沢君!」

承太郎「勘定に入れるのを忘れてるぜ……。
.    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    俺たち残り、3人分の『倍返し』をな……」

小木曽「は……?」

半沢「……!」

承太郎「ところで仗助、10倍×4人分だと何倍になると思う?」

仗助「その答えはよォ――ッ!
    このハゲオヤジを叩きのめしてからゆっくり考えてもらいますッ!」

承太郎「やれやれだぜ……。
     ……『黒木智子』と言ったな。お前はどう思う?」

智子「40……倍……」

.     ・ ・ ・・
承太郎「違うな。
     答えは、10の4乗……10,000倍だ。答えは……これで間違いないな?
.     ・ ・ ・ ・
     この場合」

仗助「よく分かンねェ――がよォ―――!!
    その方が正しいッスねェ―――この場合はァ――ッ!!!」

智子(ゆうちゃんの仇!)

小木曽「お、おいおい……1万倍だって?
     な、何を言ってるのかね君たちは……。
     ……ほ、本気なのか?」

半沢「……ええ、仰るとおり、『本気』で間違いありません。
.   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
   本案件に関しては10,000倍です、小木曽元人事部次長」

半沢「では――さて、みなさん少しお手を煩わせて下さいますか――」

小木曽「待ちたまえ! 私は元東京中央銀行人事部次長だよ!?
     そんな人間に手を出せば……」

半沢「小木曽忠夫……、『やられたらやりかえす』。
    あんたに対しては――


    半沢&承太郎&仗助&智子&「10,000倍返しだッ!!!!」


小木曽「ヒィェ―――――ッ!!」

P・D『ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラ!!』
S・P『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!』
C・D『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ!!!!』
FtD『モテモテモテモテモテモテモテモテモテモテモテモテモテモテモテ!!!!!!』

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ!!!!

P・D『ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラ
   ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラ
   ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラ
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   ヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラヤラ!!』

S・P『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
   オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
   オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
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C・D『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
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