向日葵「さくひま、ひまさく短篇集」櫻子「10月!」 (49)

櫻子「だるい。眠い。お腹減った!!向日葵!お菓子!」

向日葵「はぁ~」

あかり「櫻子ちゃん!?お顔真っ赤だよ!風邪ひいちゃったんじゃないの?」

ちなつ「本当だ。あかりちゃんの髪みたいに真っ赤」

あかり「それは赤すぎだよぉ!!」


向日葵「櫻子ちょっとこっち向いて下さらない?」

櫻子「え?何?」

コツン

櫻子「ひゃっ//」

ちなつ(向日葵ちゃんがおでこで熱測ってる!?)

向日葵「…さらに赤くなってますわね。病院に行った方がいいかも…」

バッ

向日葵「きゃっ」

櫻子「うっさいうっさいうっさい!」

向日葵「なっ!人がせっかく心配してあげていますのに!」

櫻子「だからって顔が近すぎるんだよ!」

向日葵「はあ!?うちではああやって熱を測るんですのよ」

櫻子「うちでは測らないもん!」

向日葵「もうっ、意味がわかりませんわ」

ちなつ「向日葵ちゃん、察してあげないとダメだよ」

向日葵「え?」

ちなつ「櫻子ちゃんは自分だけが、向日葵ちゃんを意識しちゃって恥ずかしいだけなんだよ」


櫻子「ちなつちゃん!?」

向日葵「え?な?…えっ//」

櫻子「ちっちげーし!!!」

向日葵「あっ、あの…そのね、私も決してしてなかった訳じゃ…」

櫻子「うっさいうっさいうっさい!向日葵のバーカバーカバーカ!」ダダダダダダ


ちなつ「櫻子ちゃん行っちゃった」

向日葵「じ、実は私の家でああやって熱を測るって言うのは嘘で…//」

ちなつ「向日葵ちゃん!?櫻子ちゃんはもういないよ!?」


あかり「え、えーと、とりあえず」

あかり「さくひま、ひまさく短篇集、はっじまるよ~」

②:櫻子「とりっくおあーとりーと!」向日葵「ついにハロウィンですわ!」

向日葵(ついに来ましたわ…1年に1回の最高の日!)

ガララッ

向日葵「来ましたわね」

櫻子「向日葵!とりっくおあーとりーと!」


向日葵「櫻子!無茶苦茶にしてーーーー」ヌギヌギ

櫻子「お菓子くれたらイタズラしてあげる♪」

向日葵「なっ!?」

櫻子「お菓子くれないとイタズラしてあげない♪」

向日葵「なんですって!?」

向日葵(イタズラされるためにお菓子を用意していませんでしたわ)

櫻子「ふふん」



向日葵(うぅ…なんという策士…さすが私のライバルですわ)

 
ダキッ


向日葵「なっ!?」

櫻子「もう向日葵。そんなに落ち込まないでよ」

向日葵「えっ?」

櫻子「しょんぼりしてる向日葵も可愛いよ」

向日葵「さ、櫻子//」

櫻子「じゃあ、お菓子をくれない向日葵にイタズラしちゃうね♪」

向日葵「や、優しくしないと嫌なんですからねっ//」



綾乃「∵」

③:向日葵「トリックオアトリート!」


向日葵(ふふふ。よく考えたら櫻子はお菓子を持っていない!)

向日葵(思いっきり櫻子の体を触るチャンスですわ!)

向日葵「櫻子!!トリックオアトリートですわ!」


櫻子「仕方ないな向日葵は…はい」

向日葵「え?クッキー?」

櫻子「こ、これは余っただけなんだから勘違いしないでよねっ」プイッ

向日葵(ど、どうしましょう…私はお菓子より櫻子が…)

向日葵「え、えーと」

櫻子「…」



櫻子「やっぱり、いらなかったよね。急に渡しても困るよね?」

向日葵「えっ?あっ、いえ。そういうわけでは」

向日葵(あ、あれ?櫻子元気がない…私がお菓子を奪ったから?)


撫子「ひま子貰ってあげてよ。櫻子、それを作るためにここ数日徹夜してたんだよ」

向日葵「え?」

櫻子「ねーちゃん!?」

向日葵「こ、これ櫻子の手作りなの?」

櫻子「か、勘違いすんなよっ!ちょっと作ってみたかったから作ってみただけ!」

櫻子「砂糖たくさんいれて甘くしてやったから太れ!デブ向日葵!」

向日葵「なっ!」

撫子「それもひま子と甘々になれたらいいなーっていう意味で…」

櫻子「ねーちゃん!」

向日葵「そ、そのありがとう。櫻子」

櫻子「っ//」


向日葵「後で紅茶と一緒に、ゆっくり味わいますわね」

櫻子「ぐ、ぐぐぐぐぐ//」

向日葵「櫻子?」

櫻子「な、何で顔赤くなってんの!キッモ!!」

向日葵「何よ急に。赤くなってるのはあなたでしょうに」

櫻子「なってないもんね!向日葵のバカ!」

向日葵「なんですって!」

櫻子「なんだと!」


向日葵「ぐぬぬぬぬぬ」バチバチ
櫻子「んぎぎぎぎぎぎ」バチバチ


撫子「櫻子、そういう照れ隠しは良くないと思うよ」

向日葵「…え?」

櫻子「ち、ちげーーーーし!!!!」

④:綾乃「寒くなってきたわね」千歳「せやねー」

綾乃「もうさすがに慣れたわ」

千歳「もう風物詩になりつつあるしなー」

綾乃「でもね、一言だけ言っておくわ」


綾乃「あなた達!生徒会役員が風紀を乱してどうするの!」


向日葵「これは櫻子が暖かいのがいけないんですわ!」

櫻子「そうです!向日葵が風邪をひいたらどうするんですか!」

綾乃「だからってずっと抱き合ってるのはダメよ!」


向日葵「櫻子…櫻子のほっぺは気持ちいですわ」スリスリ

櫻子「も、もうっ、スリスリしないでよ//」

向日葵「うふふふ//」


綾乃「もういやーーーー」

⑤:櫻子「味覚の秋!」向日葵「はいはい」

櫻子「この時期には牛肉が美味しいよね」

向日葵「…あなたが食べたいだけでしょう」

櫻子「最近お寿司もいいなーって」

向日葵「そういえば時期は関係ありませんが、先日買ったマグロのお刺身は美味しかったですわね」

櫻子「なっ!私は食べてない!」

向日葵「ああー、昨日の晩のお刺身は最高でしたわー」

櫻子「くっ、こいつ自慢しやがって!こうなったら!」


チュッ


向日葵「っ!?」

櫻子「向日葵の口からマグロの味を取ってやる!」

櫻子「でも、やっぱり1日立ってるから、マグロの味がしない…」

向日葵「じゃあ、もっと……その…ゆっくりすれば、味がするかもしれませんわよ?」

櫻子「…」


櫻子「うん♪」



チューーーーーー




櫻子「ぷはっ」

向日葵「ど、どう?わかった?」

櫻子「もうちょっとすればわかるかも…//」

向日葵「そ、そうですわね。もうちょっとしましょうか?」


チューーーーーーっ



綾乃「∵」

⑥:向日葵「最近、色んな本を読みましたわ」櫻子「本?」

向日葵「私の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」

向日葵「私の妹がこんなに可愛いわけがない」

向日葵「etc」

櫻子「へぇ~、そういえばテレビで見たかも」



向日葵「これの共通点は幼馴染がフラれている所ですわ!」

向日葵「というか、最近の幼馴染はフラれる風潮は何なんですの!?」

櫻子「ふーん、そう言われるとそうかもね」

向日葵「『ふーん』って何ですの!それでいいの!?あなたは!」

櫻子「別に…って何でそんなに慌ててんの?」


向日葵「はぁ!?だってあなたと私は………って何でもありませんわ!」

櫻子「ん?」

向日葵「いえ、それよりほらクッキーを食べましょうね?櫻子」

櫻子「…」


櫻子「なっ//」

向日葵「いえ、あの、これは…その違うんですのよ?」

櫻子「変なこと考えてるんじゃねーよ!バーーーカ!!」

向日葵「ご、ごめんなさい」

■数分後

櫻子「ハァハァ」

向日葵(さ、櫻子がたくさん暴れて…うぅ…やっぱり私なんかと…)

櫻子「…」


櫻子「ま、まぁ、向日葵はライバルだし…その…ずっと一緒にいるのは当たり前…かも」

向日葵「…え?」

櫻子「だ、だからって勘違いすんなよ!幼馴染とか関係ないんだからな!バーーーーッカ!」



向日葵(その後も櫻子は大暴れ…手がつけられませんでしたわ)

向日葵(…)

向日葵(幼馴染は関係ない…)

向日葵(そうですわね、私も櫻子が幼馴染だからではなく、『櫻子』だから…)



向日葵(櫻子に気付かされるなんて私もまだまだですわね)

向日葵「ありがとう、櫻子

⑦:櫻子「ゆるゆり10巻を読んだ!」

櫻子「蜘蛛をクールに怖がってる船見先輩可愛い…」

櫻子「はっ!」

櫻子「虫が怖い→か弱さアピール→お菓子貰える!」

櫻子「よし!」



………


櫻子「何で虫がいないんだよ!この家は!」

向日葵「いきなりなんなのよ!」

櫻子「そういえば、歳納先輩にあだ名付けてもらった!」

向日葵「ああ、あの百合姫最新号の浮気デート回の」

櫻子「え?うきわ?」

向日葵「い、いえ、何でもありませんのよ?」


向日葵「で、どういうあだ名を付けて貰いましたの?」

櫻子「櫻子大明神!」

向日葵「へ、へぇ~、そうなんですのね…」

向日葵(あの回の櫻子が可愛すぎて、内容まで覚えてなかったのですが)

向日葵(変なあだ名ですわね)

櫻子「そうだ!マリカーやろう!歳納先輩と練習したから、向日葵にはもう負けないもんね!」

向日葵「ふふふふ。櫻子はそう言って私に勝った事ありませんわね」

櫻子「ポケモンとかモンハンなら私負けないもんねっ!」

向日葵「はいはい」



向日葵(たまにはこういう日常もいいですわね)

向日葵「って、なんでこんな所にバナナが!?」

櫻子「へへーん、歳納先輩に教えてもらったもんね」

向日葵「こうなったら----」

櫻子「------!!」

向日葵「--!」

⑧:櫻子「眠い」向日葵「お昼寝禁止ですわ!」

櫻子「ぐー」Zzzz

向日葵「櫻子!生徒会の仕事がまだ残ってますのよ!」

櫻子「ぐー」Zzzz

向日葵「お、起きない…ですわね…」

櫻子「」Zzzz

向日葵「それにしても本当にいい天気…眠くなるのもわかるかも…」

櫻子「ぐー」Zzzz

向日葵「…」

 
………


千歳「戻ったでー」

綾乃「どう?終わったー?」


綾乃「って、あら?」


向日葵「くー」Zzzz
櫻子「ぐー」Zzzz


千歳「手を繋いで寝とる」

綾乃「ふふっ。普段はケンカばかりしてるけど、本当は仲良しさんなのよね」

千歳「本当やね♪」


櫻子「ひまわりのばかー」Zzzz
向日葵「なんですってー」Zzzz


綾乃「ふふっ」クスクス

⑨:櫻子「ひまさく喫茶」向日葵「ですわー」

櫻子「眠い…」

向日葵「気候が良くなりましたしね。夜はちょっと寒いですが…」

櫻子「」Zzzz

向日葵「って、まだ仕事中ですわよ!」

向日葵「…」

向日葵「まぁ、お客様もいないし…少しくらいなら」


櫻子「ぐー」Zzzz

向日葵「ふふっ。本当に気持ちよさそうに寝ていますわね」

櫻子「」Zzzzz

向日葵「櫻子の髪…ふわふわ。改めて触ると本当に気持いい…」ナデナデ

櫻子「…んっ」Zzzz

向日葵「撫でてるこっちまで気持ちよくなってきましたわ…」

櫻子「ぐー」Zzzz

向日葵「それにしてもいい天気…」

 
………


綾乃「こんにちはー。コーヒー頂けるかしらー…って、あら?」

櫻子「ぐー」Zzzz
向日葵「くー」Zzzz

綾乃「ふふ。まったくこの二人は大人になっても、何も変わらないわね」


櫻子「ひまわりーだいすきー」Zzzz
向日葵「わたくしのほうがーすきですわー」Zzzz


綾乃「ふふっ」クスクス

⑩:櫻子「ほれ薬ゲットだぜ!」向日葵「!?」


櫻子「にしえもーん」

西垣「なんだい?大室くん」

櫻子「向日葵に牛乳をくれ!って言ったら『イヤミかっ!』って殴られたよー」

西垣「仕方ないなー大室くんは…はい!ほれ薬ー」

櫻子「?」

西垣「これを古谷に飲ませて、大室を見れば大室を大好きになるのさ」

櫻子「おっほおおおおおおおお」

西垣「これで古谷のを吸い放題さ」

櫻子「先生の机にオレンジジュースが!!…ぷはーっ、しみるっ」


西垣「…聞いてたか?」

櫻子「え?はれ薬ですよね?聞いてます聞いてます。で天気がどうなるんですか?」

西垣「違うっ!」

 
………


スタスタ

櫻子(ほれ薬…って、私なんでこんなものを!?)

櫻子(べ、別に向日葵なんかどうでもいいし!)

櫻子(で、でも向日葵は私の下僕!)

櫻子(向日葵が変な人を好きになったら、主人である私の責任だから)


櫻子(責任だから、仕方なく私を好きにさせてあげるだけなんだからねっ!)

向日葵「櫻子?」

櫻子「ひゃぁっ//」


向日葵「どうかしましたの?」

櫻子「べ、別にはれ薬とか関係ねーし!」

向日葵「そうなの?」

櫻子(早くほれ薬を渡さないと)

櫻子「こ、これ…あの…その…」

向日葵「何ですの?これ」

櫻子「し、新作のジュース!飲め!」

向日葵「へぇ~、美味しいんですの?」

櫻子「うまいから向日葵の為に買ってきたの。櫻子様に感謝しながら飲め!」

向日葵「挙動不審ですわね…」

櫻子「ぜ、全然~。私はいつもどおりだしー。向日葵がおかしいだけだもんね」

向日葵「ふ~ん」



向日葵「そんなにこれを私に飲んで欲しいんですの?」

櫻子「え?」

向日葵「櫻子は私にこれを飲んで欲しいの?」

櫻子「べ、べっつにー。向日葵がどうしても飲みたいっていうから」

向日葵「じゃあ、やめておきますわ」

櫻子「…え?」

向日葵「ガッカリしてますわね」

櫻子「いや、本当に美味しいから飲んでみろって」

向日葵「じゃあ、飲みますわ」

櫻子「…」

向日葵「微妙に嬉しそうですわね」

櫻子「いいから早く飲めよ!」

向日葵「飲む前に一ついいかしら?」

櫻子「何だよ!」





向日葵「櫻子は何で私に、ほれ薬を飲んで欲しいのかしら?」


櫻子「…」




櫻子「へ?」

向日葵「何でほれ薬を私に飲んで欲しいのかしら…ね?」

櫻子「な、ななななななな何の事だか全然わからねーし」

向日葵「はぁ~。困りましたわー櫻子にこんなに好かれていたなんて」

櫻子「なっななななななな」

向日葵「まったく私も罪な女ですわねー」

櫻子「何で知ってるの!?」

向日葵「職員室であんなに大声で喋ってれば聞こえますわよ」

櫻子「ぐっ…」

向日葵「それで?何で私なのかしら?」

櫻子「ち、ちげーし!向日葵は私の下僕だから!変な勘違いすんなよ!バカ!」

向日葵「…そう、下僕なら仕方ありませんわね」

櫻子「…へ?」


向日葵「」ゴクゴクゴク

櫻子「え?」


向日葵「」プハーッ

櫻子「だ、大丈夫?」

向日葵「やっぱり、こんな薬なんて効果がありませんわ」

櫻子「え?」

向日葵「今度から下僕じゃなくて、もっとハッキリとしたシンプルな理由で私に飲ませなさいよ」

向日葵(そう…櫻子が私を好きって理由で飲ませなさい)

櫻子「は、はあ!?意味がわからねーし!」


キーンコーンカーンコーン


向日葵「あっ、予鈴。授業が始まりますわ。行きますわよ櫻子」

櫻子「待って向日葵!」

向日葵(ほれ薬?そんなものが効くはずないでしょ?)

向日葵(私の櫻子への気持ちは、薬で上書き出来る程度の安っぽい想いじゃありませんわ)


向日葵(それにしても…櫻子が私を好きだったなんて…)

向日葵(ふふふふ//)

櫻子「ニヤニヤしてる…なんかムカつく」




向日葵「実は私…好きな人がいるんですの」

櫻子「へ?」

向日葵「それだけですわ。ほら早く走りますわよ。授業に遅れますわ」

櫻子「ちょっと待って!誰?誰なの?」

向日葵「あら?気になりますの?」

櫻子「べ、べっつにー。ちょっと気になっただけだし」

向日葵「ちょっとなら教えなくてもいいですわね」

櫻子「ぐぬぬぬぬぬ」

向日葵(ふふふふ、私の事でやきもきする櫻子…可愛い)

向日葵(ほれ薬を飲ませようとした仕返しですわ♪)


櫻子「あーっもう!教えろーっ!」

向日葵「秘密ですわ♪」


櫻子「キィーッ!」

向日葵「ふふっ♪」



       終わり

これにて終わりになります。
眠い中こんな時間まで見てくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!

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