男「高飛車で高慢なお嬢様は無視に限る」(225)

お嬢様「あら男、朝から冴えない顔をしているのね」

男「…」

お嬢様「そこの蟻を見てみなさい、よっぽどみがましく働いているわ」

男「…」

お嬢様「なんにも言い返せないのね、まったく情けない」

男「…」

お嬢様「そういえば朝の挨拶が聞こえてこないのだけど」

男「…」

お嬢様「やだ、私ったら…声を出す許可を与えていませんでしたね、どうぞ、挨拶を許可します」

男「…」

お嬢様「男…?き、聞こえなかったのかしら?挨拶をしても良いのよ?」

幼馴染「あ、男!おはよっ」

男「おはよう」

お嬢様「え…?」

幼馴染「お嬢様もおはよっ!」

お嬢様「お、おはよう」

男「宿題やってきた?」

お嬢様「愚問ね、この私が学校の宿題程度できないわけがないでしょう?」

男「…」

お嬢様「自分でやらないだらしない男に貸すのはいささか不服ですけれども、それでもまぁ頭を下げるって言うならしょうがなk

男「なあ、宿題やってきたか?」

お嬢様「…え?」

幼馴染「え?あっ、わ、私?」

男「他に誰がいるっていうんだよ」

お嬢様「…」

お嬢様「そっか、私……」

お嬢様「死んでたんだ……」




的なオチは期待しない

幼馴染「でも、男はいつもお嬢様に宿題借りて…」チラッ

お嬢様「…」ウルウル

男「幼馴染に貸してほしいんだよー」

男「おねがい!見せてくれないか?」ペコッ

幼馴染「お、お嬢様?」

お嬢様「ふ、ふん!見せてあげればいいじゃない!!」

幼馴染「はい…これ」

男「ありがとな」

お嬢様「…」ゴシゴシ

キーンコーンカーンコーン

お嬢様「…」テクテク スタッ

幼馴染「ちょ、ちょっと!どういうこと?」

男「ん?何が?」

幼馴染「とぼけないでよ…お嬢様のこと!」

男「とぼけるなって言われても…何を言ってるのか」

幼馴染「なにかされたの?どうしちゃったのよ」

男「だからどうもしてないってば」

幼馴染「ふーん…いいわ、お嬢様に聞いてくるから」

担任「ホームルーム始めるぞー」

数学「よーし、じゃあ宿題の問題黒板にやってくれ」

男「…」カツカツ



数学「おい男、そこ違ってるぞ」

幼馴染「ごめん」ヒソヒソ

男「だいじょぶだいじょぶ」

お嬢様「ふふっ、だから素直に私の見ておけば良かったのよ」

男「…」

お嬢様「今頭を下げるなら次からは見せてあげてもいいのよ?」

男「次からはよろしく頼むぞ」

お嬢様「っ!そうよ、分かれb

男「幼馴染」

幼馴染「え?え?…って人の宿題写しといて何言ってるのよ!」

この世界では教科がしゃべるのかと思ったが違ったようだ

お嬢様「…分かったわ、もう二度と見せてやらないからね?頭下げても土下座してもみせてやらないんだからね?」

男「ん?幼馴染、ここも違ってないか?」

幼馴染「そ!そうね、だから私のなんか当てにしちゃいけないのに」ブツブツ

お嬢様「…」

委員長「あっ、お嬢様、そこちょっと違うかな」

お嬢様「えっ?あ…どこかしら」

委員長「その5行目の計算が…」

お嬢様「あら、私としたことがうっかりしてましたわ、ありがとう」

お嬢様「…」ケシケシ

昼休み

お嬢様「やっとお昼ね、高貴な私とお昼を一緒に食べる権利が平凡なあなたにはあるのよ?」

男「幼馴染ー昼飯食おうぜー」

幼馴染「それは、その…良いんだけど」

お嬢様「…」

幼馴染「お嬢様も…」

お嬢様「…」

幼馴染「私達、お嬢様と一緒に食べさせて…もらえるのかな?」

お嬢様「………うん」コクン

幼馴染「良かった!じゃあ中庭行こっ!」

男「早くー」

まあリアルでこんな選民思想振りかざしてきたら無視もするわな
エロゲならデレがあるってわかってるからいいんだけど

男「俺ちょっと購買行くから先に場所取っといてくれよ」タタタッ

幼馴染「ん、分かった」

お嬢様「…」

幼馴染「で、何があったの?」

お嬢様「分からないわよ…今朝になったらいきなり無視されて…」

幼馴染「心当たりはないの?」

お嬢様「あったら苦労しないのに…」ウルウル

幼馴染「ま、まって!落ち着いて!昨日のこと思い出してみよ!」

お嬢様「うん…」

昨日 朝

お嬢様「あら、そこにいるのは男かしら?挨拶が聞こえてこないみたいだけど」

男「んー…おはよう…」

お嬢様「眠そうね…まったく、その辺の石ころの方がよっぽど立派な顔をしてるわよ」

男「んー…そうかなぁ」

お嬢様「そうよ、石ころでも煎じて飲めば男ももう少し立派になるかも知れないわ、拾って行きなさい」

男「石ころは煎じても飲めないだろー…」

お嬢様「分かってるわ、皮肉よ皮肉、それぐらいの事もわからないくらい男の頭は低性能なのね」

男「ん?んー…ふわぁ」

……

幼馴染「いやいや…考えるまでもなくそれなんじゃ…」

お嬢様「そんなのは毎日だからちがうわよ、一昨日はもっとだらしなかったから…」ペチャクチャ

幼馴染「あははー…」

幼馴染(男…よく、耐えられるな)

お嬢様「そういうわけで朝は関係ないと思うの」

幼馴染「そ、そだね…」

お嬢様「昨日は他に…」

昨日 昼休み

お嬢様「男?今日も私とお昼ご飯を食べさせてあげるわ、光栄に思いなさいよね」

男「いつもありがとな…幼馴染も、ほら」

幼馴染「よろしくっ」

お嬢様「まだ眠いの?どれだけだらしないのかしら、もう…しょうがないわね、私の豪華なお弁当で目を覚まさせてあげるわ」パカッ

男「今日も凄いなー…ところでこれってお嬢様が作ってるの?」

お嬢様「当たり前じゃない、女性として料理の一つもできなきゃ、ところで、少しぐらいなら食べてもいいのよ?」

男「そう?それならちょっと」モグモグ

男「うん、うまい!」

お嬢様「そうでしょうそうでしょう、何回も作ってやっと成功したのを

お嬢様「はっ!!なんでもないわ!料理なんて簡単よ」

幼馴染「昼は結構いい雰囲気だったよね…」

お嬢様「い、いい雰囲気だなんて!私は男が食べたいって言うからしょうがなく大切なお弁当を」

幼馴染「はいはい、でも結局なんだか分からなかったなぁ…」

男「幼馴染ー」タタタッ

お嬢様「…」

男「ごめんごめん、ちょっと混んでて…さ、食べよっか」

バクバク

男「やべ、ちょっと足りなかったかも…」

お嬢様「バカね、自分の食べたい量も分からないなんて…でもラッキーだったわね、今日の私はやっぱりうっかりしてるみたい」

お嬢様「いつもより多く作ってきたから恵んであげるわ、ほら、感謝の言葉を唱えなさい」

男「おっ、幼馴染の弁当美味そうだな、ちょっと失礼」ヒョイ

幼馴染「あ、あっ!ちょっと!!」

お嬢様「」

お嬢様「わかっているわ、まだ足りないのよね?幼馴染の迷惑になるからこっちを食べて良いのよ?ほら」

男「ふーっ、お腹いっぱい…幼馴染は流石だな」

幼馴染「誰があげるなんて言ったのよ!もー…ハンバーグとっといたのに…」

お嬢様「…」パクパク

お嬢様(多いわ…)ジワ

幼馴染「お、お嬢様!?私足りないなー!男に取られて全然足りないなー!!」

お嬢様「ふぇっ?」グスッ

幼馴染「もしよかったらその美味しそうなお弁当少し分けてもらえないかなー!!!」

お嬢様「え、ええ!もちろんよ、高級品をじっきり味わうと良いわ!」

幼馴染「う、うまい…!」

お嬢様「よかったぁ…」

男「zzz」

じっきり…

キーンコーンカーンコーン

男「zzz」

お嬢様「起きなさいよ、ホントにだらしないのね、ナマケモノでももうちょっと動くわよ」

幼馴染(そんなことないよ…)

男「ん、あー…」

お嬢様「ほら、起きなさいってばナマケモノよりも怠け者の男はさしづめ…」

お嬢様「そうね、ひどすぎてちょっと名前も付けられないわ…」

幼馴染(無理しなくていいのに)

男「むにゃむにゃ、ありがと幼馴染」

お嬢様「なっ、私がおこしてあげたのよ!?信じられないわ…お礼も言えないなんてこれはもう貴賤の差ではなくて」ブツブツ

幼馴染「私じゃないよ、お嬢様が起こしてくれたんだよ…」

男「んー…ま、教室行こっか、」

放課後

お嬢様「さて、今日も1日終わりましたが私を無視して楽しかったかしら?」

男「…」

お嬢様「率直に言って非常にふゆかいでしたわ、特に男のような平々凡々な一市民に馬鹿にされるとはね」

男「…」

お嬢様「気は済んだでしょ?そうね、これから私の買い物に付き合わせてください、って言うのなら許してあげないことも無いですけど」

男「…」

幼馴染「おとこー!掃除終わったよー…って、お邪魔だったかな」

男「なにが?俺も幼馴染待ってただけだから…さて、帰ろっか」

幼馴染「え?…でも」

お嬢様「…また明日」

幼馴染「うん、また明日…」

お嬢様「…」トボトボ

お嬢様宅

お嬢様「…」

姉「どうしたの?今日は元気が無いのね?」

お嬢様「お姉様…今日は…ちっとも楽しくなかったの…」

姉「どうしたの?いつもはあんなに楽しそうにしてたのに」

お嬢様「男がね…?」

姉「また男さんの話なのかしら?私も流石に妬けてしまうというか…」

お嬢様「違うの…男が無視するの」

姉「無視?あれだけ仲が良かったのに?」

お嬢様「ち、違うのお姉様!…お姉様には色々と聞いていただいたけど…その」

姉「?」

お嬢様「本当は…私が勝手に巻き込んでるだけなの…」

うっかり通学途中で男と会おうとしてるんだよ

むしろ男と帰るために徒歩なんだろ

姉「ふふっ、知ってたわ」

お嬢様「え?」

姉「あなたは素直になれないのよね?昔からそう」

お嬢様「お姉様…」

姉「お父様にもわがままばっかり、そのくせ一緒にご飯を食べれるときはにこにこしちゃって…」

お嬢様「あ、いやあれは…その」

姉「でも素直にならなければ伝えられないこともあるわ」

お嬢様「素直に…」

姉「そう、あなたは可愛いんだから自信持たなきゃだめよ?」

お嬢様「そんな…///」

姉「ううん、違うわね、自信に溢れてるのが良いところだけど…それだけじゃだめ、もっと素直になってみるのもいいかもね」

お嬢様「お姉様はやっぱり凄いのね!流石だわ」

姉「そんなこと無いわ、頑張ってね」ニコッ

お嬢様「はい!」

お嬢様「なんて妹の私に相談されることを誇りに思いなさい!」
姉「だいなしだー」

翌日

お嬢様「今日も眠そうね、その目は開いているのかしら?…大仏さまの方がまだ目が開いているわ」

男「…」

お嬢様「そう、まだ続けるのね、良い度胸だわ…」

男「…」

お嬢様「覚えてなさいよ、もう謝ってきても遅いんだからね?許さないんだからね?覚悟は…できてるみたいね」

男「…」

お嬢様「やだ、私ったら朝の挨拶を忘れていましたわ、ごめんなさい」

男「…」

お嬢様「おはようございます」

男「!」

幼馴染「おはよー!」

お嬢様「おはよう」ニコッ

男「おはよう」

お嬢様「それでは、また」

男「…」ドキドキ

幼馴染「…?」

男「お、幼馴染…」

幼馴染「どしたの?」

男「俺、お嬢様に殺されるかも知れない」ガタガタ

幼馴染「あれ?今お嬢様って…って、殺される?」

男「殺される…」

幼馴染「どういうこと?」

男「お嬢様が言ったんだよ…『許さない』って…『覚悟はできてるな』って」

幼馴染「いや、だって男が無視するから…それは、当たり前っていうか」

男「違うんだ!…そんなに傷つけるつもりは無かったんだよ…」

幼馴染「じゃあなんで?」

男「お嬢様の高飛車で高慢な所が直るかなって思って…そ、それだけだったんだよ」

幼馴染「…」

男「軽い気持ちだった…そしたらな…さっき、ついさっきだ」

男「『おはようございます』って!!にこっと…見たことの無い素敵な、眩しすぎる程の笑顔でそう言ったんだよ…」

幼馴染「???」

男「やばい…あれはやばい」ガタガタ

幼馴染「何言ってるの?」

男「何のんきな顔してんだよ!!!」

幼馴染「いやいや、違うじゃん」

男「…?」

幼馴染「自分から挨拶できないほどの高飛車なお嬢様が笑顔で自分から挨拶してくれたんでしょ?」

男「いや、そうは言うけどな?あれは間違いなく…」

幼馴染「成功じゃん」

男「えっ?」

幼馴染「大成功じゃん、二日目にして」

男「…」

男「違うんだ!お前は見てないから何とでも言えるんだよ!」

幼馴染「…」

男「あのお嬢様が、あの、お嬢様がだぞ?」

男「いつもより儚げな雰囲気を漂わせて後半なんか語尾を震わせてあのくりっと大きい瞳を気持ち潤ませながら言ったんだよ」

幼馴染「…」イライラ

男「心なしか毒舌も切れが悪かったし抱きしめれば折れてしまいそうな可憐さで」

男「あれは間違いなく男を射殺すアマゾn

幼馴染「主人公か!!!!!」

男「えっ?」

幼馴染「ラノベの主人公かお前は!!!!!!」

男「え…えっ?」

幼馴染「アマゾネスがなんだよバカ!?!?!?」

男「アマゾネスが相手を油断させる為に」

幼馴染「馬鹿か!!!」

男「いや、ちょ…そんなに正面切って言われると…凹む」

幼馴染「ベタ惚れじゃねーか!!!!!」

男「ははっ?それはないよwww」

幼馴染「…」イラッ

男「お、落ち着いた?」

幼馴染「呆れた」

男「そっかそっか…お嬢様より先にお前に殺されるかと思った…」

幼馴染(こいつ…分かってねえな)

幼馴染「…お嬢様はね、きっと」

男「なに?」

幼馴染「いや、なんでもない」

男「それでな、あんまり怖いから…」

幼馴染「なによ!!」

男「そんなに怒るなって…」

男「お、お嬢様が来たら…一緒に居てくれると…」

幼馴染「あぁん!?」

男「あ、いや…だってお前、お嬢様扱うの上手いし…ほら」

幼馴染「…ちっ」

男「な!頼むよ」

幼馴染「男の頼みを断るわけ無いじゃない」ボソッ

男「え?」

幼馴染「いいよ、分かった」



お嬢様「男ー、お昼一緒させてあげるわ、着いてきなさい」

男「…」

お嬢様「やっぱり…無視するの?」

男「お、幼馴染ぃー」オドオド

幼馴染「お嬢様、今日はどこ行くの?」

お嬢様「屋上よバカと何とかはたかいところが好きっていうじゃない?」

男「…」

幼馴染「イイネ!」

お嬢様「それじゃあ行きましょ」

男「…」モグモグ

お嬢様「男は相変わらず貧相なご飯を食べているのね、購買で買えるようなパンで満足できるのかしら?」スッ

幼馴染「うわっ…何この果物…」

お嬢様「パンを焼いてきたの、男はパンの方が…その、好きなのかなって」モジモジ

男「!」

幼馴染「えっ?」

男「…」モグモグ

幼馴染「ちょ、ちょっと!なんでまだ無視してるのよ」ヒソヒソ

男「今さら何食わぬ顔してパンもらえるかよ」ヒソヒソ

幼馴染「せっかく作ってきてくれたのに」

男「無理無理!幼馴染貰っといてよ!」

お嬢様「…」パクパク モソモソ

幼馴染「た、食べるって!男はパン大好きだから」

男「お、おい!そんなに好きじゃねーよ!!」ヒソヒソ

お嬢様「っ!……や、やっぱりそうなのね!?良かったわ…明日からは色々作ってくるからね」ニコニコ

男(ほら、こうなる…)

幼馴染「あはは…凄いね、お嬢様は…パンまで作れるんだ…」

お嬢様「お姉様が教えて下さるの、だから凄いのは私じゃないわ、お姉様なのよ」

幼馴染「でもやっぱりこんな美味しそうなの作れるなんてすごいよ!…良いな良いなー…私もお姉ちゃんほしかったな…」

男「…」

キーンコーンカーンコーン

男「ん、もう終わりか…」

幼馴染「パンありがとね、持って帰らせて貰うから!」

お嬢様「良かったら…その、男と一緒に食べてね?」

幼馴染「もちろんだよ」

お嬢様「あ、ちょっと、私先に…行くから」タタタッ

男「なんかあるのかな?」

幼馴染「あんたは…全くデリカシーが無いわね」

男「?」

男「まぁいいや、それで…どうしよう…これから」

幼馴染「なにが?」

男「どうやって元の関係に戻れば…」

幼馴染「謝ればいいんじゃないの?」

男「ばかやろうッ!」

幼馴染「なによ」

男「『許さない』『覚悟はあるな』って言われたんだぞ!?」

幼馴染「そうね、だったらぎゅっと、抱きしめてあげればいいんじゃない?」

男「ぎゅっと?…」

幼馴染「そうそう、お嬢様そう言うのに耐性なさそうだし、いつもせめられてるんだからたまには主導権握るのもいいんじゃないの」

男「ふむふむ…なるほど」

幼馴染「え?いや、適当に言っただけよ?」

男「たまには主導権を…なるほど」ブツブツ

幼馴染「ちょ、ちょっと!どうなっても知らないよ!?」

男「ブツブツ」

放課後

お嬢様「今日も1日が終わるのだけど、まだ気はすまないのかしら?」

男「…」

お嬢様「そう…分かったわ」

男「…」スクッ

お嬢様「な、なに?いきなり立ち上がって…お…怒ってるの?険しい顔してなによ!」

男「…」

お嬢様「なんなのよ!私が何かしたの…?私が悪いのっ?…言ってくれなきゃ分からないじゃない!」

男「…」

お嬢様「私が何をしたか教えさせあげても………お、教えて…教えてよぉ」ウルウル

男「…」テクテク

幼馴染(お?おっ?)

男「…」

お嬢様「なに?…いきなり近づいてきて…怖いじゃない…」

男「…」ブツブツ

お嬢様「何言ってるのよ?…聞こえないわよ…」

男「…」

お嬢様「きゃっ、な、なによ!答えてよっ!!…っていうか…ち、近い…んじゃない?」ドキドキ

男「…」

お嬢様「無視しないでよぉ…そうよ!怖いのよ!!文句あるの!?」

男「…」スッ

お嬢様「叩くの…?いいわ、覚悟はあるのよね、後で説明してもらうからね」

男「…」ギュッ

お嬢様「ふぇ?」

幼馴染(ホントにやりおったでー!漢や!!ほんもんの漢やでー!!!)

お嬢様「へ?へ?」

男「ぎゅー」

お嬢様「な!なによ!あんたみたいな平民が私に抱きついて良いと思ってるの!?」

男「だめ?」

お嬢様「ぁ、ぃゃ…」

男「ごめんなさい」

お嬢様「え?いや、あの…」

男「無視してごめんなさい、許して下さい」

お嬢様「あ、はい…」

男「許してくれるの?」ギュッ

お嬢様「えっ?えっ?その…え?…ゆ、ゆるします」

男「よかったぁ…」

お嬢様「一体…なにが?あの…」

男「許してくれないって言ってたからさー」スッ

お嬢様「ぁ、も、もうちょっと…」

男「え?」

お嬢様「な、なんでもないです!」 

男「あんなに怒ってたから許してくれるなんて、思ってなくて…」

お嬢様「はっ、いや!許さない!許しませんよ!!」

男「え?だめだよ!今許すっていったじゃん!」

お嬢様「あれは、何がなんだかわからなくってその…」

男「許してよー」

お嬢様「そうね、も、もう一回ぎゅってしてくれたら…考えるわ」

男「はい」ギュッ

お嬢様「ぁ…んっ」ギュッ

男「こんな感じ?」

お嬢様「んぅ…もうちょっと」スリスリ

男「…はい」

お嬢様「はふぅ…」スンスン

男「…」

お嬢様「す、好き…なの」

男「え?」

お嬢様「だ、だからね?…男の事が……好きなの」

お嬢様「だから素直になれなくてね、ついついあんな言葉が出ちゃうの…」スリスリ

男「……えっ?」

お嬢様「なんかもぉ…ぎゅってしたら、我慢できなくて…大好きなの」ギューッ

男「…」

お嬢様「ごめんなさい、いつもひどいこと言って…」

男「いいよ」

お嬢様「良くないわよ…」

男「俺も好きだから」

お嬢様「え?」

幼馴染(えっ?えっ?……ゑ?)

男「憎まれ口ばっか叩くから…直れば良いなって無視してみたけど」

お嬢様「そ、そうなの?」

男「無視しても無視しても全然めげないんだもん」

お嬢様「凄く寂しかった…でも私が諦めたら男との繋がりも無くなるんじゃないかって…」

幼馴染(…ぐぬぬ)

お嬢様「許さないから…」

男「えっ?」

お嬢様「買い物行ったり遊びに行ったり…やってほしいことはいくらでもあるんだから…」

男「ははっ、それなら喜んで着いていくのに」

お嬢様「うるさい…黙って着いてくればいいのよ…バカ、庶民…」

幼馴染「もぉいいでしょおおおおお!!!」

男「うおっ!」ビクッ
お嬢様「ひゃっ!」ビクッ

幼馴染「いつまで抱きついていちゃいちゃしてんのよ!!!」

男、嬢「…」ドキドキ

幼馴染「ここ!!!学校だから!!!は、な、れ、て!!!!!」

男「あ、はい…すいません」
お嬢様「あん…男ぉ」

幼馴染「あん…」

幼馴染「じゃないわよ!!!!!!」

幼馴染「男!」

男「なぁ…もうちょっと落ち着いて…」

幼馴染「お嬢様のこと、好きじゃ無かったんじゃないの!?!?」

男「いや、そんなの恥ずかしくて正直にいえないだろ…」

お嬢様「おとこ…///」

幼馴染「何顔赤くしてんのよもぉ…可愛いなぁ…勝てないじゃない…」

お嬢様「えっ、あ…か、かわいいなんて」カァ

幼馴染「」

男「かわいいよ、赤くなってるお嬢様もっとかわいいよ…」

お嬢様「ちょ、ちょっと!そんなこと言わないで、恥ずかしい…」

男「あははっ、真っ赤っか!」

幼馴染(ハハッ、噛ませ犬過ぎワロタ…)

翌朝

ピンポーン

お嬢様「おはようございまーす」

男「んー、あぁ…お嬢様か、おはよう、今出るとこだから」

お嬢様「やっぱり朝は弱いのね…それはポストよ、ねぼすけさん」

男「あー、そっか…ってなんだよ母さん!にやにやすんなって!」

お嬢様「おはようございますお母様」ペコッ

男「いいからいいから!早く行こうか」アセアセ

お嬢様「ふふっ目覚めたたみたいね」

幼馴染「おとこー!おはよっ!」

男「おはよ…今日は一緒に行くのか?」

幼馴染「朝起きたら見覚えのあるシルエットが男の家の前に立っていたので」チラッ

お嬢様「いやっ!あの、違うのよ!?男が起きるまで待ってた訳じゃ!」

男「ありがとお嬢様」

お嬢様「あぅ…ちがう、ちがうの」

男「幼馴染もありがと」

幼馴染「へ?なにが?」

男「幼馴染がいたからお嬢様と付き合えたから」

幼馴染(この男は全く人の気も知らないで…おどりゃクソ森、左巻きじゃのう)ギギギ

男「ホントに感謝してるから」ニコッ

幼馴染(でも、この笑顔が見られれば…うん!)

お嬢様「ねぇおとこ?…なにかする事はないの?」ソワソワ

男「?」

お嬢様「私達…恋人同士なんでしょ?だったら…ね」

お嬢様「わ、私の手を握ってもよろしいのよ?」

男「あっ!ごめんごめん…気づかなくて」ギュッ

お嬢様「ん、でも残念、外れですわよ?…こう言うときの正解は…」

幼馴染(①ハンサムなポルナレフは突如反撃のアイディアが閃く)

男「こう?」ギュッ

お嬢様「もぉ…わかってるなら最初から…」

男「ごめんごめん、お嬢様いじめるの楽しくて」

お嬢様「おとこ?本気で怒るわよ?」

男「そ、そんな怖い顔しないで!」

お嬢様「無視したの、許してないんだからね」

男「どうすればいい?」

お嬢様「そうね…き、きすをしなさい…もちろん手は繋いだままよ?」

男「…ん」チュッ

お嬢様「ほっぺなの…?ふん、まぁいいわ」

幼馴染「おとこー!私も、私もちゅー、私は口に!」ガシッ

お嬢様「ちょっ、幼馴染!?こら、やめ…なさいってば」グイグイ

男「うおっ、ちょっと…」

お嬢様「私の、男に…なに、するのよ!」ギリギリ

男「私の?」

お嬢様「あ、当たり前じゃない!付き合ってるのよ?」グイグイ

男「いや、なんか…お嬢様の口から聞くとうれしいなって…」

お嬢様「何言ってるの!?とにかく…この子を…」

幼馴染「んー!んーっ!」

男「お嬢様…」

幼馴染「もらったぁ!」チュッ

お嬢様「きゃあああああ!!」ガクッ

幼馴染「ふふん、ほっぺで我慢してあげるわ」エッヘン

男「…」ポーッ

幼馴染(これぐらいは…ね!)


おわり

1ヶ月位前に似たようなの立てたら謎の虫スレになってて悔しかった後悔はしていない
既視感はきっとそのせい
登下校に関しては>>70>>72

読んでくれてありがとうございました

みがましいって方言なのかよ…
分からなかったらごめんなさい
浜松人です

浜北だけど全く知らんかった

>>1

>>221
ちょっとびっくり、俺も浜北だけど
遠州弁伝わらないとか、まだまだみるいな

そろそろ叩かれそうだから今度こそさよなら

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