幼「…男、彼女が出来たの…?」(1000)

男「うん」
幼「…そ、そう」


男「幼と同じクラスの女ちゃんだよ。俺も好きだったからさ、告白してくれた時は本当に嬉しくて」



幼「…」
男「幼、聞いてる?」

幼「き…聞いてるよ!よかったね、おめでとう…っ」
男「ありがとう。それでさ、幼…」

幼「?」



男「もう…頻繁に俺の部屋には来ないでほしいんだ」

幼「え…」


男「朝も一緒に学校へは行けない。下校も…」

幼「(…そんな…)」



男「いきなりで悪いんだけど…女ちゃん、独占欲強いみたいでさ」

幼「…」


男「ごめんな?」



幼「…う、ううん!仕方ないよ!彼女が出来たんだものねっ」



幼「私はただの…"幼なじみ"だから…」

男「幼…」


幼「…あ、じゃ今ここに居るのも良くないよね…。私、自分のお家帰るね!ばいばい…っ」

男「あ、待っ…」



バタンッ タタタタ...



男「…良かったんだよな。これで…」




幼「…っ、はぁ…はぁ…」



幼「(男に好きな子…彼女…いずれ出来ることだって分かってた。覚悟だってしてた。でも…でも…)」



幼「…っ、ぅ…」ポロポロ...


幼「痛いよ辛いよ…苦しいよ…っ」

"僕と幼ちゃんはずっとずっと一緒だよ!"


幼「…約束、したんだけどなぁ…」



"幼は、俺から絶対に離れないで"


"つらい時はいつでも呼んで。すぐに駆け付けるから"



幼「…っ、男の嘘つき…嘘つき…!ずっと一緒になんかいられないし、呼べなくなっちゃったよ…」

幼「(…男が幸せになれるのなら、私は我慢しなくっちゃ…)」



幼「…うぅ…でも涙が全然止まらないよ…。ばかばかばか…私のばか…」


幼「明日はちゃんと…いつもみたいに笑顔で居られますように…」



幼「…男が幸せなら、私も幸せ…」




幼「…結局、あまり寝付けなかった…」





幼「…おはよ」スタスタ

母「あらおはよう。もういつもの時間よ。男君起こしに行かないと」ニッコリ


幼「…いいの。もう、起こしに行かなくても」
母「何を言ってるの?ていうか幼、その顔はどうしたの?目が真っ赤…」

幼「平気。ちょっと徹夜しただけだから心配しないで…」

母「男君と喧嘩でもしちゃったの?」
幼「(喧嘩ならいくらでも元に戻れるチャンスがある…。でも…)」


幼「そうじゃないよ。何でもないから、本当に」



幼「(男に一番に"おはよう"って言える特権も…無くなっちゃったんだ)」



幼「私が居なくても…男は平気だったんだろうな…」

ガチャッ


幼「行ってきます…」





幼「(なんか…学校に行くのも憂鬱だなぁ…)」



幼「(女ちゃんと顔を合わせづらいよ…)」




幼「(…男、ちゃんと起きれたかなぁ…)」ボー



女「幼ちゃん、おはよう」ニッコリ
幼「!…お、おはよ」

女「…あれ?今日は一緒じゃなかったの?」
幼「え…?」


女「いつも男君と朝一緒にきてるから」

幼「…」
女「あ、もしかして男君から聞いてる?」
幼「…」

女「あたしが男君と付き合い始めたこと」ニッコリ


幼「き、いたよ…」


女「あっ、じゃ朝一緒に来れなくなっちゃったのもあたしのせいかな?本当にごめんねー」

幼「大丈夫だよ」


女「なんか、幼ちゃんから男君奪っちゃったみたいな感じにもなっちゃったしさ」

幼「…っ」

幼「("とられた"だなんて、思いたくなかったのに…)」


幼「気にしてないよ。男、すごく喜んでた。おめでとう」
女「ありがとう!」ニコニコ


幼「…それじゃあ」







幼「…はぁ…。なんか疲れた…」

友「幼」
幼「あ、友」

友「男は?一緒じゃねぇの?」
幼「…一緒じゃない」

友「なに怒ってるんだよ」
幼「いつでもどこでも一緒なわけじゃないよ…っ。私だって、もう一人で大丈夫だから…!」

友「幼…?」

幼「…っ、ごめん…」タタッ
友「幼待てよ!」





幼「…最悪最悪最悪。友に八つ当たりなんか…。私最低だ…」



幼「(…あ、男…。今来たんだ。遅刻ギリギリじゃんか…)」

男「…あ、幼。おはよう」
幼「お、おはようございます」

男「あはは。普通に話すぐらいは全然いいよ。そんな気にしないで」

幼「(気にするよ…)」



男「…今日、やっぱり起こしに来てくれなかったんだね」
幼「…」

男「危うく遅刻はしそうになるわ忘れ物はしそうになるわで大変だったよ」
幼「…忘れ物…っ」

男「大丈夫だよ。忘れなかったから」
幼「良かった…」ホッ



男「幼はちゃんと学校に来れた?迷子にならなかった?」
幼「な、ならないよ!」

男「良かった良かった」クスクス
幼「もう…。馬鹿にして…」


友「あー!幼てめぇこんなとこに居たのかよ!」
幼「あ…」

友「何だったんだよさっきの!」
幼「ご、ごめんって」


男「…何かあったの?」

友「こいついきなり…」
幼「…っ、言わないで!」

男「?」
友「…ちっ、めんどくせぇな」
幼「だからごめんって」


男「二人とも相変わらず仲が良いんだね」

幼「良くないよ!」
友「良くねぇ!」



男「(…幼も、俺に隠し事なんてするようになったんだな…)」




幼「はぁ…。今日の学校は何だか疲れた…」



幼「男もまだ寝てないんだな…。明かりがついてる」

幼「(でも…もう行けない…。どんなに男が起きてても、暇そうでも、私はあのお部屋には行けない…)」



幼「(…寂しいなぁ…)」

ガラッ



幼「!」

幼「(男のお部屋の窓が開いた…!)」


"幼!今からこっちに来ない?"


幼「男…っ」



男「あははっ。俺も嬉しいよ。女ちゃんと電話できるなんて」

幼「…あ…」

男「うん、そうだよね。わかるわかる」



幼「…なぁんだ、電話…か…」


幼「そう、だよね…。何期待してるんだろ…。本当に私馬鹿だ…」



幼「…おやすみ、男…」




コンコン


兄「へいへーい」

ガチャッ


幼「…お兄」
兄「お前、朝から変なんだって?母さんが心配してたぞ」

幼「変じゃ、ないもん」

兄「んでもって男と喧嘩したんだって?」
幼「…喧嘩じゃ、ないもん」


兄「じゃあお前何しに来たんだよ」
幼「一緒に…寝たいなって」


兄「ほらな?いつもそうやって男と喧嘩する度、俺と一緒に寝たがるじゃねーか」

幼「だから喧嘩なんてしてないもん!」

兄「(何だかいつもと様子が…)」



幼「…うぅ…」

兄「分かった分かった。ほら、布団入れよ」
幼「…入るっ…」



兄「なんかあったらいつでも兄ちゃんのこと頼るんだぞ?」

幼「…スースー…」
兄「…もう寝たし」




男「…うん、じゃまた明日。おやすみ」


ピッ


男「あれ…。幼の部屋、もう電気が消えてる。さっきまで付いてたのに…」


"男!今からそっちに行ってもいい?"


男「…ま、俺にはもう関係ないことか…」




男「…ん…」

男「日曜だっていうのに早起きしちゃったな…」


男「(約束の時間までまだ結構あるのに…)」





男「おはよう、父さん母さん」

母「おはよ。ねぇ、今日も女ちゃん来なかったわよ?」
男「だから言っただろ。女はもう来ないって」

母「はやく仲直りしなさいよー!」
男「(だから喧嘩じゃないのに…)」


父「…女ちゃん、最近元気がなさそうだな」
男「!…そう?」

父「そしてお前もな?」
男「…別に、そんなことないよ」


母「あ、男。新聞取りに行ってきてくれる?」
男「うん」

すみません間違えました。
↑は女→幼の間違いです




男「…ん…」

男「日曜だっていうのに早起きしちゃったな…」


男「(約束の時間までまだ結構あるのに…)」





男「おはよう、父さん母さん」

母「おはよ。ねぇ、今日も幼ちゃん来なかったわよ?」
男「だから言っただろ。幼はもう来ないって」

母「はやく仲直りしなさいよー!」
男「(だから喧嘩じゃないのに…)」


父「…幼ちゃん、最近元気がなさそうだな」
男「!…そう?」

父「そしてお前もな?」
男「…別に、そんなことないよ」


母「あ、男。新聞取りに行ってきてくれる?」
男「うん」




男「はぁ…。父さんはやっぱり勘がするどいな…」



兄「男」
男「あ。兄君おはよ」

兄「おはよ、じゃねぇよ。俺の大事な妹に何したんだよお前」


男「…兄君には関係ないよ」プイッ
兄「充分あるわ!幼は俺の大切な大切な妹なんだからな!」

男「…別に何もしてないよ」
兄「あ?じゃあ何で急にあんなに元気無かったんだよ」

男「…」
兄「俺んとこに寝に来たりもしたんだぞ?」


男「俺にはもう、関係のないことだから。じゃあね」

ガチャッ



兄「…!何なんだあいつは!」

男「(俺にはもう…どうすればいいか分からない…)」



男「…とりあえず準備しなくちゃな…」







男「えーと…この辺でいいんだよな…」キョロキョロ

女「あ!男くーん!」

男「ごめん。待たせちゃったよね」
女「平気平気!」ニッコリ

男「(女ちゃん、優しいなぁ…)」


女「さっ、行こ行こ」





男「…はぁ、ごめん。ちょっと疲れた」
女「えー、早いよー」

男「ごめんね。遊園地なんて久しぶりだからはしゃいじゃって」

女「ふふ。男君かわいい」ニッコリ
男「…っ、そ、そんなことないよ…」

男「(女ちゃんのほうが断然可愛いのに…)」



女「ね。次はあれ乗りたい」
男「うん、いいよ」




友「足元に気をつけてお乗り下さーい」



女「男君、楽しみだねー」
男「うん」

友「(…ん?なんか聞いたことあるような声…」



男「あ」
友「…は?」

女「あれ、あなたは確か…」
男「…」


友「はぁぁぁぁ!?」

男「(そうだ…。友のやつ、遊園地でバイトがどうとか言ってたっけ…)」



女「ねっ、確か男君のお友達でしょ?」
男「う、うん」

女「紹介してくれる?」ニコニコ



男「…えっと」
友「…」

男「俺の、彼女の…女ちゃん」



友「…は?」

女「よろしくねー」ニッコリ
友「…お次どうぞー。後ろ詰まってるんで」

女「えっ、まだ話が…」
男「女ちゃん行こ」


グイッ


男「わっ…」
友「…詳しい話は、また今度な」ボソッ
男「う、うん」



女「何言われたの?」
男「なんでもないよ」


友「…ははー、そういうことだったのか。幼が元気なかった理由は」




幼「…はー!なんか休日に勉強するって新鮮だなぁ」

幼「他にやること…ないしなぁ」



幼「(いつもは男とばかり遊んでたから…)」

幼「…考えない考えない!さ、勉強勉強…」


ブブブブ...


幼「…ん?メールだ。誰からだろ?」

パカッ

幼「あれ、友からだ…」


『今日、会えないか?バイト終わってからになるけど』


幼「…まぁ、予定ないし暇だったからいっか!」







母「ん?どこか行くの?」
幼「うん。友と会ってくる」

母「…ふーん」ニヤニヤ

幼「何?」
母「最近男君と仲良くないのは幼に彼氏が出来たからなのねぇ」

幼「か、彼氏なんかじゃないよ!」

幼「(むしろ逆なのに…っ!)」



母「照れちゃってもう」
幼「違うもん!…行ってきます!」

兄「あれ、幼は?」
母「お出かけ。デートよ、デート」

兄「でででデート!!??誰とだよ!!!」

母「さぁねー」







女「…んー!遊んだ遊んだ!」
男「女ちゃんはタフだね。全然疲れてない…」


女「だってすごく楽しかったもの。男君と一緒だったからね」ニッコリ
男「そ、そう?ありがとう」




幼「友ー」
友「おっ、悪いな。わざわざバイト先まで来てもらって」

幼「私が来たんだよ。それに、久しぶりにこの遊園地も見ておきたかったから」


幼「(…懐かしいな。よく私の家族と男の家族で来てたっけ…)」



友「…お前がさ、最近元気ない理由…分かったかもしれない」
幼「え?」

友「…まぁ、人生色々だ!」
幼「ふふっ、何それ」


幼「(友なりに私のことを元気づけてくれてるのかな。あ、だから今日も…)」



幼「…友、ありがとう」
友「お、俺は別に何もしてねぇよ」
幼「嬉しいよ、すごく」


友「…っ、なんか食べにいこうぜ!」
幼「あ、いいねいいね」ニコニコ




女「ね、この後はどうする?」
男「そうだな…。帰りの電車までまだ時間あるしね」



男「どこかでお茶でも…」



女「…あっ、男君!見てみて!」
男「え?」


男「あれは…」

女「あれ、さっきの男君の友達と幼ちゃんだよね!」

男「(二人が…どうして…)」



女「すごく楽しそうだね!」
男「…あの二人は前々から仲良いからね」


男「(幼も…あんな顔して笑ったりするんだな…)」



女「あの二人、付き合ってるのかなー?」
男「…さぁ…」

男「…女ちゃん、行こう」
女「え?あ、うんっ」


女「男君?どうしたの?」
男「別に何もないよ」
女「…そう?」



女「…待って」ギュッ
男「!」

女「こうして手繋いだほうが暖かいよ?」
男「そ、そうだね…」


男「(女ちゃんの手…すごく暖かくて柔らかい…)」

男「(そういえば…幼以外の女の子と手を繋ぐなんて始めてだ)」



"手繋ぐと、すごくすごくうれしい気持ちになるの!"


"男、手大きくなったね。成長してる証拠だね"



男「(そういう思い出も…少しずつ忘れていくようになるんだろうな…)」




幼「楽しかったー!久しぶりにあんなに笑ったよ」

友「そりゃあ良かった」



幼「バイト帰りで疲れてるっていうのにごめんね。そして送ってくれてありがとう。それじゃ…」

友「幼」


幼「なぁに?」
友「大丈夫だからな!きっと!」

幼「何のこと?変なの」クスクス

ガチャッ


幼「ただいまー」
兄「…おかえり」

幼「わっ、びっくりした…」



兄「…今日も俺の部屋に来るのか?」
幼「行かないよ。もう一人で平気だもん」


兄「(やはり彼氏が出来たからか…!)」



兄「嫌だああああああああああ!!!」
幼「ちょっ、どうしたのお兄!?」




女「駅までわざわざ送ってくれてありがとう」
男「ううん、全然だよ」


女「…」
男「どうしたの?」

女「この手、離したくないなって…」

男「…っ」ドキッ



女「ごめんねっ。困らせちゃって。じゃ、おやすみなさい」
男「お…おやすみ…」ドキドキ




幼「…あれ、男のお部屋に明かりが付いた」


幼「(今帰ってきたのかな…。やっぱり出かけてたんだ)」



幼「やっぱり…デートとかかな…」ズキッ



幼「…男…、楽しかったの…かなぁ…」

幼「…あ、窓開けっ放しだった…。閉めなくちゃ…」


ガラッ


男「…あ、幼」
幼「あ…えと。こんばんは」

男「こんばんは…」


幼「そ、それじゃ」



男「幼、待って」
幼「…え?」

幼「な…なに?」
男「もう話が出来ないって言ってはいないよ。だから少しだけ話がしたい。勝手でごめん」

幼「う、ううん。いいよ」


幼「(どうしよう…嬉しい…)」



男「…今日は寒かったね」
幼「どこか…出かけてたの?」

男「うん、遊園地に」
幼「こんな寒い中遊園地に…!?」

男「大丈夫大丈夫。ちゃんと暖かい格好してたし」
幼「(てか…。私も近くまで行ったんだけど…)」



幼「…誰、と?」
男「…女ちゃんだよ」


幼「(やっぱり…)」

幼「(小さい頃から…ずっとずっと一緒に行ってた遊園地…)」


幼「(でも…今日、男が行ったのは違う人…)」



幼「(寂しい…すごくすごく寂しい…。大切な場所や思い出が取られちゃったみたいで…)」



幼「…っ」
男「…幼?」

幼「だから嫌い…。幼なじみなんて…」ボソッ



男「幼?」
幼「…何でもないっ。良かったね!楽しかった?」

男「うん、楽しかったよ」
幼「…そっか」



男「…幼は今日、何してたの?」

幼「私は、その…遊んでたよ!」
男「そう。どこで?」


幼「あ…えと、それが私も遊園地らへんで!あははっ、偶然だよね」
男「そう、なんだ」



男「(俺との思い出がある遊園地で、友とずっとあんなに楽しそうに笑っていたのか…)」

もしかしてチロル、あんみつの人?猫ss書いた人。
なんか幼とか文の書き方がそうっぽかったから

>>185
俺も思った

サーバーが落ちてたみたいでずっと書き込めませんでした。すみません。保守ありがとうございました。


>>185
>>193

なんで分かるんだあああ
その通りです。覚えててくれてありがとう。

今回は猫は出ない...はず

>>244
おお、そうなのか
この間のssも読んでますた

がんばれ

やっぱりそうか
昔もドロドロss書いてたよね
期待してる

男「幼とも…よく一緒に行ってたよな、遊園地」

幼「え…っ。う、うん…」


幼「(男…もしかして私と同じこと考えてくれてたのかな…。そうだったらすごく嬉しい…っ)」



幼「私達の大事な…」



男「そういう思い出もさ、お互いにとってどんどん大事じゃなくなっていくのかな」

幼「…え…」
男「寂しいけど、仕方がないよな」


幼「…そ、そんなことないよ!どんなに私達の関係が変わっても思い出は関係な…」
男「ま、お互い大人になる為には過去を振り返るのもあまり良くないだろうしね」



ドクンドクンドクンドクンドクン...



幼「嫌…嫌だよ…っ」

>>247
ユキのやつかな?ありがとう

>>252
書いてましたwwもう何年前かなぁ
覚えててくれてありがとう

幼「(思い出まで無くすなんて嫌だ…。絶対に嫌…!)」



幼「…っ、大人になるってそんなに大事なこと!?」
男「…」

幼「恋をするとそういう思い出すらもいらなくなっちゃうの!?」

男「そんなこと…」



幼「そんなの変だよ!おかしいよ!」

男「幼…」

幼「…もういい。話したくない…」
男「ごめん…」


幼「ちゃんと暖かい格好して寝るんだよ…。明日の朝も、忘れ物しちゃ駄目だよ…」
男「…幼」



幼「おやすみなさい」

幼「…う…っ、ひっく…ひっく…」ポロポロ



幼「(ちゃんと…ちゃんと男の前で泣くの我慢できたかな。見られてないかな…)」

幼「(泣いてるの見ると、すごくすごく心配しちゃうから…)」



"幼、どうした!?なにがあったんだよ!"



幼「…あ、そっか。もう…心配なんかされるような立場じゃないんだ…」



コンコン


兄「!?幼か…!?」


兄「(な、何だ…。さては彼氏との惚気でもしに来たのか!?それともデートの感想とかか…!?)」

兄「俺はそんなの聞きたくねぇよおおおおお!!」


幼「!」ビクッ

兄「…幼?どうした?」
幼「…い、一緒に寝たいな…って。さっきお断りしたばっかなのに…ごめんなさい…」


兄「彼氏に…怒られたりしないのかよ…。いくら兄とはいえ、年も離れてるし」ブツブツ
幼「?…私、彼氏なんていないよ?」

兄「…本当か!?」
幼「う、うん」


兄「そっかそっか!いやー良かった!よし幼、はやく布団に入りなさい」ニコニコ
幼「…うんっ」

幼「(…男と喧嘩したとき以外は、お兄と寝ることなんて無かったのにな…)」



"…いくら兄君とはいえ、あんまり一緒に寝ないでほしいよ"


幼「(でも…もうそんなことも言われない。気にしないでもいい)」



"眠れないときは俺が一緒に寝てあげるから!"


幼「(…嘘つき…)」




幼「男…」ポロポロ
男「…どうしたんだ!?誰かに何かされたのか!?」

幼「ち、違う…」
男「じゃあどうして…」


幼「男が…死んじゃう夢見ちゃって…。すごく怖くて…っ」

男「…幼、大丈夫だよ。俺は幼を置いて死んだりなんかしないよ」
幼「ほんとに…?」


男「うん、大丈夫。ずっと一緒だから」





幼「…ゆ、夢…」


幼「(昔の頃の夢をなんて見るの…久しぶり…)」



兄「幼」
幼「あっ、おはよ」


兄「…隣の家の前にお前と同じくらいの年の女が居るんだけど、どういうことだ?」

幼「え…」

幼「どういうことも何も、男の…彼女さん…だよ」

兄「…お前に元気がなかった本当の訳はこれか」
幼「隠してた…わけじゃないよ」

兄「大丈夫。分かってっから」


幼「…お話したの?」
兄「いや、俺が一方的に見ただけ。あっちも気付いてない」

幼「そう…」




男「行ってきます」
女「あ!男君おはよっ」ニッコリ

男「!女ちゃん!?」ビクッ


女「ごめんなさい。どうしても朝一緒に行きたくて、お家まで来ちゃった」
男「そ、そう…。嬉しいよ、ありがとう」



女「隣」
男「え?」

女「本当に隣同士なんだね?幼ちゃんの家と」

男「…うん」
女「すごいなー!漫画みたい」
男「よく言われるよ」


女「相当仲が良かったんだろうね。なんかちょっと嫉妬しちゃう」

男「…俺と幼は、ただの幼なじみだよ」



女「そっか!なら良かった」ニコニコ
男「さ、行こ。遅刻しちゃう」




男「…はぁ、最近疲れるな…」
友「おい」

男「あ、友おはよう」


友「おはようじゃねぇよ。お前いつからあいつと付き合ってたんだ?」
男「つい最近だよ」


友「…ふーん」

友「幼、ショックだっただろうな」
男「そんなことないよ」

友「ショックに決まってんだろ?幼はお前のこと…」


男「だって幼には、友が居るから」
友「…は?」


男「…ごめん。ちょっと具合悪いから保健室行ってくる」

友「意味わかんね…」

友「(大体、なんであいつなんだよ…。絶対騙されてる…)」





幼「(男のお母さんにお弁当届けて欲しいってお願いされちゃったけど…何だか渡しにくいな…)」

幼「友にでも頼もうかな…」

女「幼ちゃん!」
幼「…あ、おはよ…」


女「ん?そのお弁当、幼ちゃんの?」
幼「あ、これは違うよ。男のお母さんに渡してって頼まれて…」


女「じゃ、あたしが渡してあげる!」
幼「え?」

女「任せて!」

幼「(…なんかやだな…。でも、彼女さんから渡されたほうが男も嬉しいよね…)」


幼「じゃ、お願いしてもいいかな?」
女「うん!あ、そういえばさ」


女「友君って人と付き合ってるんだよね?」
幼「…え?」

女「この前、男君と一緒に見たんだよ。二人が仲良く歩いてるところを」

幼「あ、そうなんだ」
女「そうなんだって…。見られても平気なの?」

幼「平気も何も、友はただの友達だし、それは男が一番よく分かってるから…」
女「え?じゃ、付き合ってないの?でもすごく仲良さそうなカップルに見えたんだけどなー」



幼「(男からもそう見えたのかな…)」

幼「とにかく…私と友は付き合ってないからねっ」
女「そう。なんか残念だなー」


幼「どういう意味…」
友「幼!」


女「あっ、友君こんにちはー」
友「…どもっす」

幼「どうしたの?」
友「男、保健室に行ったんだけどさ…何かあったのか?」

幼「…え!?」

女「そうなの!?男君大丈夫かな…。なんか最近風邪も流行ってるみたいだし…」ソワソワ

友「(お前には話してねぇよ…)」



幼「私、保健室に…」

女「あたしが行くから大丈夫!」
幼「えっ…」

女「お弁当も届けなきゃだしね」

女「じゃ、行ってくるね!」

タタタッ

幼「あ…っ。行っちゃった…」
友「弁当って何のことだ?」

幼「友!男、大丈夫なんだよね!?」
友「あ、あぁ…。ちょっと疲れた顔してただけだ」
幼「そう…良かった…」


友「(やっぱり誰よりも男のこと心配するんだな…)」







コンコン


女「失礼しまーす…」

女「(…先生、居ないのね…)」


男「あれ、女ちゃん?」
女「男君!友君から保健室に行ったって聞いたから…。大丈夫!?」

男「大丈夫だよ。少し疲れてるだけ」
女「良かったー…」


男「幼には言わないでね」
女「へ?」

男「俺のこととなると、人一倍心配しちゃうからさ」

女「(もう知ってるんだけどな…)」

女「うんっ、分かった!」



男「あれ?その弁当って俺の…」

女「あ、これ幼ちゃんが男君のお母さんに渡してって頼まれたみたいで」
男「すっかり忘れてたよ」

男「幼に後でお礼言っておかないとな」
女「…」


女「…いつも、幼ちゃんの話ばかりするよね…」
男「え、そうかな」
女「うん」

男「ごめん。気をつけるよ」



女「じゃ…あたしにキスして?」

男「え…」
女「どうしてびっくりしてるの?付き合ってるんだからキスするぐらい当たり前だよ!」

男「そ、そうだよね」


男「(でも…)」



"男はキスってしたことある…?"


"いつかは…男も誰かとする時が来るのかなぁ…"



男「…」

女「男君?」
男「ごめん。できないよ」

女「え…」
男「ほら、風邪だったら移すことになっちゃうし」
女「…」

男「ごめんね」


女「そ、そうだよね!なんかあたしこそごめんね!」

女「あたし、そろそろ戻るね。じゃあ…」
男「うん。ありがとう」





男「…出来なかった」







女「…このままじゃきっとやばい。どうにかしないと…」

12時からちょっと出掛けるので書き込めないかもです。すみませんorz

3時くらいに再開します;




幼「(男…。大丈夫かな…)」ソワソワ



女「幼ちゃん」
幼「あっ、女ちゃん!男どうだった!?」

女「大丈夫、元気だったよ。あたしに会えてもっと元気になったって」ニッコリ
幼「あ…。そ、そっか!良かった!」

女「ところでさ、幼ちゃん」
幼「なに?」


女「すごく言いづらいんだけど…男君を呼び捨てにするの辞めてくれるかな?」

幼「え…どうして…」


女「どうしても何も、他の女の子から自分の彼氏を呼び捨てになんてされたくないからさ」

女「幼ちゃんには彼氏が居ないからこの気持ちは理解しづらいだろうけど」



幼「(そっか…。自分の、彼氏…。私は、"他の女の子"と一緒…)」

幼「わ、わかった!ごめんね、今まで気づかなくてっ」
女「ううん、急にあたしこそごめんなさい。でも男君にはあたしが言ったなんて言わないでね?」

幼「う、うん…」






幼「男君!今日も一緒にあそぼっ」
男「幼。君付けなんてしないでいいよ」

幼「どうして?」

男「もっともっと仲良くなりたいから」
幼「…呼び捨てにしたら、もっともっと仲良くなれるの?」


男「そうだよ。特別な証拠」






幼「特別じゃ…無くなるんだ…」




トボトボ...


幼「(…これを機に、ちゃんと男…じゃなかった、男君離れをしよう…)」


幼「そうしたほうが…男、君が…幸せになれるんだから…」



幼「よしっ、頑張る!」

幼「…今まで気にもしなかったけれど、本当に男君とのお家と私のお家ってこんなにも近いんだなぁ…」



幼「…こんな思いをするぐらいなら、幼なじみになんてなりたくなかったよ…」



男「あれ、幼も今帰り?」
幼「!」ビクッ

男「早かったんだね」


幼「…男、君」

男「?…幼、もう一度俺のこと呼んで?」
幼「…男君」


男「急にどうしたんだよ…。今までずっと呼び捨てだっただろ?」
幼「もう、私にはそんな権利ないから」


男「どうして…」



幼「…なぜ、"どうして"なんて言えるの?私から距離を置き始めたのは男のほうなのに…っ!!!」

男「そ、れは…」
幼「私は何も悪いことなんかしてないのに…。どうしてこんなに辛い思いしなきゃいけないの!?」

幼「私は…!男のこと…っ!」



男「…幼だって、俺が居なくたっていいんだろ」

幼「な、何を言って…」



男「だから俺の知らないところでいつの間にか友と仲良くなってたり、遊びにすら行けるようになったんだろ…?」




男「幼…あれ」

幼「あ、男。どうしたの?」
男「数学の教科書忘れちゃって借りに…」

幼「仕方ないなぁ」クスクス

友「そういや次は数学かよー。面倒だな」
幼「楽しいのに」


男「…いつの間に二人は仲良くなってたの?」


幼「委員会が一緒になったの!」
友「席も隣なんだぜ?」

男「…そうなんだ」

幼「友と男が仲良かったの前から知ってたから話が弾んじゃってね」ニコニコ

男「(…友?)」


友「幼のことは前から見かけてたからなー」

男「(幼…)」


男「(俺の知らないところで仲良くなって、知らない間に俺以外の男と呼び捨てし合ってたのか…)」


"そうだよ。特別な証拠"







男「幼は…俺じゃなくてもいいんだよ」

幼「どうして…そんなこと一言も…」



男「言わなきゃ分からないような仲だったのかよ!?」
幼「!」ビクッ

男「…ごめん。やっぱりまだ具合悪いから家に帰って寝るよ」


幼「待っ…」


バタン!


幼「…ど、うして…」




男「…怒鳴ってしまった。幼に…」


男「(何してるんだ俺は…。責めないように、我慢してたつもりだったのに)」



男「俺も、幼も傷付いちゃうぐらいなら…幼なじみになんてなりたくなかった…」

男「距離が近すぎたんだ…」




幼「(やっぱり…あの時見られたせいで勘違いしてるのかな…)」


幼「でも…友と仲が良いのも、恋愛関係じゃないことは男が一番良くわかってくれてるはずなのに…」



幼「…男、苦しそうだった…。私のせいだ…」




友「お疲れさまっしたー」



友「今日のバイトはちとハードだったな…」


女「友君!」
友「…」ハァ


友「(何なんだよ…)」


女「今バイト終わったの?」
友「あぁ」

女「ちょっとそこの喫茶店で話さない?」

女がユキの女と同じ臭いがする

ちょっと電話きてましたすみません

>>418
私も書いてるうちにそう思ってきてしまったおーまいがー




友「…んで、何の用だよ」

女「いや。友君って本当は幼ちゃんのことが好きなんじゃないかって思って」
友「なんでそうなるんだ?」


女「女の勘ってやつかな?ほら、友君と幼ちゃんが付き合ったらダブルデートとかもできて面白そうかなって。あたしで良ければ協力…」



友「俺、彼女いるから」キッパリ

女「彼女!?」
友「俺がバイトしてんのもそいつの為。誕生日近いから」

女「そ、そうなんだ…」


友「はぁ…。まだ男や幼にも話してなかったのに」
女「なんで?」
友「言い出すタイミングが無かっただけだっての」

女「そう…」



友「お前、俺と幼が付き合えば完全に男が自分に振り向くとでも思ってたんだろ」
女「!」ギクッ

さすがいい男の友はすでに売約済みかww

女「そうじゃないよ…」


友「男がお前のことを好きになったのは本当だろうけど…完全にお前を好きになれないのには訳があるんじゃねぇかな」

女「訳?何…?」


友「それは俺も考え中」
女「何それ…」



友「お互いが"好き"になれたからって、その感情が一生続く保証はないと俺は思う」

女「…」
友「大変だよなぁ。ずっと好きで居てもらえんのも」


友「でも、そこを乗り越えられたら…よりもっと傍に居られる時間が増えるんじゃねぇかな」

女「…あたしには、まだ理解出来ない。好きって気持ちだけじゃやっていけないことなんて無いと思う」


友「まぁ、人それぞれだからな」




女「…わかんない。何なの…」



女「(あ、男君の家につい来ちゃった…。男君、今何してるかな)」



父「家に何か用かね?」
女「え…っ。あ、あのもしかして男君の…」


父「あぁ、男の友達かな?」

女「はじめまして!」
父「初めまして。いやぁ、男に幼ちゃん以外の女の子がね…。びっくりだよ」


女「(また幼ちゃん…)」



父「昔から身体が弱くて引っ込み思案な子だったんだけど、女の子と仲良くなれるような年頃になってきたんだなぁ。うんうん。これからも仲良くしてあげて下さいね」

女「…はいっ!」

父「今、男のことを呼んでくるよ」
女「あ…いいです!すみません、失礼します!」


タタタッ


父「…?」







父「ただいま」
男「あ、父さんおかえり」

父「男。幼ちゃんじゃない女の子がさっきまで家の前に居たぞ?」
男「え?」


男「(女ちゃんかな…)」




兄「幼、幼!」
幼「ん…あ、お兄…」


兄「そろそろ起きろ。晩御飯だぞ」

幼「(知らない間に寝ちゃってたんだ…)」



兄「?何見てたんだ?」
幼「あっ、これは…」

兄「懐かしいな、アルバムか。男も幼もちっせぇなぁ」
幼「お兄だってちっちゃいよ!」

兄「…こんな小さい頃から、お前らは一緒だったんだもんな」
幼「…」

兄「大丈夫だって!今、気まずいかもしれねぇけど、きっとまた仲良くなれるさ」

幼「本当に…?」


兄「こんなに仲良かったんだぜ?大丈夫だよ」




母「あら、お父さん何を見てるの?」
父「いや…昔の写真をね」
母「珍しいわねー」クスクス


父「男も幼ちゃんもいい顔で笑ってるな」
母「そうね。でも最近はあまり仲良くないみたいだけれど…」


父「この頃みたいな笑顔で、二人にはずっと笑って欲しいもんだな」




男「…行ってきます」


男「(幼は元気かな…。いつもは頻繁に会ってたから…)」



男「はぁ…」


ガチャッ


幼「行ってきまーす」
男「!幼…」

男「おはよ!」
幼「あ…おはよう」


男「あのさ、幼…」
幼「あのさ!」

男「?何…?」



幼「私、ちゃんと…ちゃんと男君って呼ぶし、もう泣いたりもしない…」

男「幼…?」


幼「なに言われたって我慢するよ…眠れなくてもちゃんと目つむって眠れるように努力するし、お部屋にだって絶対…絶対行かないから…!」

男「幼…」


幼「ただの幼なじみでもいいから…だから前みたいにお話だけでもしたいよ…っ、お願いだから…!」

幼「お願い…。だから、幼なじみって関係だけは絶たないで…お願い」

男「幼…。そんなの…」



女「お取りこみ中だった?」
幼「…!」

男「あ、女ちゃん…」
女「ごめんね。邪魔するつもりは本当に無かったんだけど」

いい感じで女のインターセプトはいったぁぁぁ!!!

男「どうしたの?こんな朝早くに…」
女「ちょっと話がしたくて」


幼「あっ、じゃあ私は先に学校行くね!それじゃ…」
男「幼…っ」


女「本当にごめんね。今日、学校サボらない?」
男「いいけど…今日は寒いしちょっと頭痛いからどこかに入って話さない?」

女「すぐ済むから。それに色んな人がいるところで話すようなことじゃなくて…」
男「…?」




女「あのね、男君」
男「ん?」

女「あたしの告白、どうしてOKしてくれたの?」


男「…なんか今更言うのは恥ずかしいよ」
女「お願い。答えて」

男「…明るくて元気で、喋ってて楽しかったからかな」
女「そう」

男「女ちゃんには、よくドキドキさせられてたしね」


女「それは、あたしじゃなくても平気だったんじゃない?」
男「え…」

女「別にあたしじゃなくても良かったってこと」

あきらめない、そこに光がない限り

支援と保守の違いがわからないやつ増えたよな

>>554
これってあってるの?
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

男「なんでそんなこと言うんだよ、そんなことないよ」
女「近頃、男の態度が変」
男「普通だよ」

女「変っていったら、変なの!」
男「そんな怒るなよ」

女「ほんとは幼がいいんじゃないの?」     

すみませんもう少しで再開します


チロルやあんみつ、ユキのSS読んでくれた人もありがとうございます。嬉しい。

女「…男君は、確かにあたしのことを好きになってくれたって友君が言ってた。あたし、嬉しかった」

男「…」


女「でも、幼ちゃんとあたしがどちらが大切って聞かれたら、男君は絶対に…絶対に…」



男「(どちらが大切…。そうだよな、大切な人は"一人"なんだもんな…)」

男「(俺は…幼のことを…)」





男「…うっ…く…」
女「…男君?」


ドサッ


男「はぁ…、ぅ…!」
女「男君…男君!?」

女「…あ…」


"幼「あっ、女ちゃん!男どうだった!?」"


女「…だから…あのとき…」


"父「昔から身体が弱くて引っ込み思案な子だったんだけど」"


"男「いいけど…今日は寒いしちょっと頭痛いからどこかに入って話さない?」"


女「…!あたし最低だ…っ!」

女「ど…どうしよ…」



男「…はぁ、く…薬…っ」
女「!薬…薬が必要なのね!?」


女「とにかく男君のお家に…!」


女「ごめんね…っ、携帯勝手に借りるね!」

男「(やばい…。薬を飲むの…すっかり忘れてた…)」





幼「…忘れ物…っ」

男「大丈夫だよ。忘れなかったから」
幼「良かった…」ホッ




男「(俺から距離を置いたにも関わらず…幼はずっと俺のことを心配してくれてた、気遣かってくれてた…)」




幼「こんな寒い中遊園地に…!?」

男「大丈夫大丈夫。ちゃんと暖かい格好してたし」





男「(ごめん…ごめんな、幼)」

男「(友に嫉妬して…幼なじみって関係で居ることに怖くなって…一瞬の"好き"って気持ちだけで女ちゃんと付き合ってしまった俺が一番いけないんだ…)」


男「(俺のことをいつも、ずっと、一番に大事に思ってくれてたのは幼なのに…)」



男「(幼…)」







幼「…男?」

友「幼、どした?」
幼「…何でもないよっ」


幼「(何だろう…。すごくすごく嫌な予感がする)」


ブブブ...


幼「!わ、私の携帯だ…」



幼「あれ、男から…?」

久々に良いSSに出会えた
おかげですっかり寝るのが遅くなったわw
因みに>>1は一般の人?
文が確立されてるって言うか、凄い読みやすい

幼「も、もしもし。男、学校は…」


女「もしもし!?」
幼「!?」ビクッ

幼「(どうして…女ちゃんが…)」



女「大変なの…っ、男君が倒れちゃって…!薬が欲しいみたいで実家にも電話かけたんだけど…誰も出なくて!」

幼「え…」


ドクンドクンドクンドクン...


女「救急車呼んだほうがいいよね!?」

>>634
もったいないお言葉恐縮です。全然ふつーの人です。

orz
すいませんすいませんすいませんお恥ずかしい

友「…幼?」



幼「(うろたえるなうろたえるなうろたえるな私…前にも同じようなことがあったはず…。大丈夫…大丈夫)」



幼「…女ちゃん、救急車を呼んで到着するより、私が今から男のお家に行って薬を取ってくるほうが早いはず。それに薬は即効だから飲めばすぐに治まるし…。だから…」


幼「男の居場所を教えて下さい…っ」

友「幼、一体なにが…」
幼「家帰る」
友「は!?おい幼…っ」





幼「…はぁっ、はぁ…!」

幼「(学校からお家が近くてよかった…)」



ガチャガチャッ



幼「(やっぱり…ドア閉まってる…)」


幼「…仕方ない」

幼「…あ!やっぱりポストに鍵あった…っ」





幼「確かこの棚に…」ゴソゴソ

幼「(薬を取りに侵入するのはこれで何度目かな…)」





男「あ…薬忘れた」
幼「え!?」
男「取りに戻らなきゃ…」

幼「だめ!私が行く!」
男「幼…」

幼「男は待っててねっ」


男「幼、ありがとう…!鍵はいつもみたいにポストに入ってるからね…っ」




幼「(男…待っててね!大丈夫だからね!)」




男「はぁ…はぁ…」
女「だ、大丈夫!?」

男「大丈夫…。幼に電話してくれたんだね…ありがとう」
女「う、ううん」


男「幼が来てくれるなら…大丈夫…。病院も行かなくて済む…。はぁ…」


女「男君…」

幼「…男、女ちゃん!」

女「あっ、幼ちゃん…男君、幼ちゃん来てくれたよ!」
男「はぁ…幼…」



幼「男、もう大丈夫だからね!」

男「…ごめん、ごめんな…」







女「…ほんとだ。落ち着いたね…男君…」

幼「男、病院嫌いだから薬で済んでよかったよ…」

女「…本当に、男君のこと何でも知ってるんだね。あたしより」

幼「あっ、ごめんね…。女ちゃんより、私のほうが付き合いが長いだけだよ…」
女「ううん。あたしは男君のこと、色々と気遣える場面がたくさんあったはずなのに全然無理だった…。彼女失格ね」


幼「女ちゃん…」

女「(友君が言ってたのはこのことだったんだろうな…)」



幼「と、とりあえず男運ばなきゃっ」
女「でもどうやって…」







プルルルル...



兄「へいへーい」
幼「あっ、お兄!よかった、やっぱり今日仕事入ってなかったんだね」

兄「お前今学校だろ?忘れ物か?」
幼「…車出してくれない?」


兄「…車?」




幼「あっ、来た」
女「幼ちゃんにお兄さん居たんだね」

幼「うん!」


兄「幼、男はもう大丈夫なのか!?」
幼「薬飲んだから」

兄「…ったく、心配かけんなよ…。馬鹿男」



兄「?んで、こちらさんは?」
女「あ…っ、あたしは…」

兄「…あー!!男の家の前に居たよな、確か!!」
女「!居ましたけど」

女「(見られてたんだ…!)」



兄「…まぁいい。車乗れ」
女「は、はいっ」







幼「…顔色も大分良くなってきた」


幼「よかった…よかった」ポロポロ...

幼「(今まで我慢してた分、涙が止まらない…)」


幼「…ひっく…ぅ…」ポロポロ





兄「…うちの妹泣かせやがって…。早く起きろよ馬鹿男」
女「あの」

兄「…え?俺?」



女「彼女居ますか?」
兄「…あ?」

幼「(今まで我慢してた分、涙が止まらない…)」
幼「…ひっく…ぅ…」ポロポロ
↑ここで感情入って結構ウルウルしたのに
↓これでいっきに素にもどってしまった
女「彼女居ますか?」

兄「な、何なんだいきなり!」
女「…い、いえ何でも」

兄「男の彼女なんだろ!?」



男「ん…うるさいよ兄君…」
幼「!男…」

男「…幼。またいつもみたいに俺が起きるまでついててくれたんだね」

幼「男…っ、男…」ポロポロ
男「大丈夫、大丈夫だよ。幼残して死んだりなんかしない」

幼「…うぅ…っ、男…だめ…だめだよ…」
男「わかってる、わかってるよ」ポンポン



男「幼、ちょっと女ちゃんと二人きりにさせてもらえる?話がしたいんだ」
女「え…っ」

幼「…う、うん…」



幼「(女ちゃんが居るのに男にしがみついて泣いてしまった…何してるんだろ私…)」




女「…話ってなに?」
男「あのさ…」

女「あぁ!もしかしてさっきの話聞いてた?ごめんね、男君よりお兄さんのほうがかっこよくて惹かれちゃっ…」


男「ごめんね、女ちゃん」

女「…なんで男君が謝るの。悪いのはあたしなのに」



女「今だって、平気で嘘付きそうになったもの」

男「女ちゃんが好きだったのは確かだよ。告白が嬉しかったのも本当」

女「分かってる。でも、一番大事なのは幼ちゃんなんだもんね」

男「…うん」



"明日は暖かいかな?暖かいと、男も過ごしやすいからねっ"


"一緒に寝ると何だか安心する…。幸せ…"


"いつも頼ってばかりでごめんね。もう高校生なんだから、自立しないとね"


"ずっと幸せで居て欲しいよ"



男「今も昔も、特別な存在だったんだ…」

女「…別にそんな深く考えないでよね」
男「え…」


女「彼女がいても他の子好きになったり、両思いになっても簡単に別れたりするのってよくあるんだから!」

男「そ、そうなんだ…」


女「…それにあたしだって好きって気持ちだけで、男君のこと全然大事に出来てなかった。ごめんね」
男「ううん。こちらこそだよ…」

女「高校生なんだから恋の一つや二つ当たり前だよ!大体、二人が特別すぎるの!」
男「確かにそうかもね」


女「…いつも幼ちゃんは、男君のことを励ましたり喜ばせたり、命までも救ってたんだね。大袈裟かもしれないけどさ」

男「それが"当たり前"になってた俺のミスだよ。幼なじみって関係にずっとずっと甘えてたんだ」


女「なんか難しいね、幼なじみって。憧れたりもしたけど…複雑なのね」

男「…うん。そのせいで幼を苦しめた部分もあったと思う」





男「だからもう、解放してあげたいんだ」




兄「はぁ…今日は色々あったな」
幼「お兄、色々ありがとねっ」


兄「いいよ。いつでも頼っていいって言ったろ?」
幼「…ありがとう」ニッコリ







幼「男が無事で本当によかった…」


幼「(あれ…。男のお部屋、電気付いてる。まだ寝てないんだ…)」

ガラッ


男「幼」
幼「男…っ」


男「今日は色々とありがとう。また救われちゃったね」

幼「う、ううん…」



幼「(今までだって何度もあったことなのに…。改まってお礼を言うってことはやっぱり私はもう…)」

すみません恒例の電話きちゃってました


このスレで終わらせたいのでちょっとはしょっちゃいます。なかなか来れなかった私の責任ですごめんなさい。
続き書きます

幼「…あの…」



男「俺、女ちゃんと別れたよ」
幼「え…」

男「幼ちゃんにも謝っといて、って言ってた」
幼「どうして…」



男「幼、ごめんな。本当に、本当にごめん」

幼「…なんで別れちゃったの!?私のせい…!?」
男「違う。俺が全て中途半端だったからいけなかったんだ」


幼「でも…あんなに、あんなに嬉しそうだったのに…」



"幼と同じクラスの女ちゃんだよ。俺も好きだったからさ、告白してくれた時は本当に嬉しくて"



幼「男が幸せになれるならって…いっぱいいっぱい我慢したのに…。足りなかったの…?」

男 (42)
幼 (41)

幼「わ、私…ごめんなさい…」
男「幼。幼のせいじゃないんだ、本当だよ」

幼「…じゃぁ…どうして…」



男「俺と幼はさ、ずっとずっと幼なじみとして仲が良かったよね」
幼「う、うん…」

男「でも幼なじみって関係が曖昧過ぎて、幼とどう仲良くすれば分からなくなっていったんだ」
幼「…」


男「幼なじみになんてならなきゃ良かった、って思ったこともあるよ」

幼「(私と一緒…)」

今更だけど、呼び名が男とか幼とか女とかすげー違和感あんだけど。読みにくいし

>>815
申し訳ないですorz

男「でもね、やっぱり大事な大事な存在だから」


男「大事な存在であればあるほど、どう向き合っていけば分からなくなっていただけだから」

幼「うん…」



男「だからこれからは、ちゃんと向き合っていきたいと思ったんだ」
幼「…それは、幼なじみに戻れるってこと?」

幼「また…前みたいに戻れるの…?」


男「…」


幼「男のお部屋、遊びに行ってもいいの?一緒に登下校とか、暇さえあればお話したり、お互いのお家でご飯食べたり…一緒に寝たり、朝起こしに行ったり…っ」

男「幼」


幼「また…戻れるの…?我慢しなくてもいいの…?」

男「…もちろんだよ。幼」

幼「嬉しい…っ、うぅ…良かった…良かったよ…」ポロポロ


男「幼…。相当我慢してたんだな、ごめんな」
幼「男…男…っ、良かった…」



ギュッ



男「ごめん…ごめん幼」
幼「…く、苦しいよ…っ」

男「そうだね、苦しいかも。だって俺は男の子なんだから幼より力持ちだし背だって高い」

幼「…知ってるよ…?」


男「幼がいつも俺の手を握るたび、大きいって言ってくれる」
幼「う、うん」



男「俺は男の子だから、幼のことをきっときっと守ってあげられる」

幼「男…?」

男「体は貧弱だけど…これからは少しでも強くなれるよう頑張るから」



男「今まで幼が俺を支えてきてくれた分以上に、俺が幼を守るから」

幼「男、ありがとう…嬉しい…」
男「でも」


幼「…?」
男「それは、幼なじみとしてはもう出来ない」

幼「ど、ういうこと…?だってさっき戻れるって…っ」



男「幼なじみじゃなくても、前みたいな仲の良さに戻れるし、幼を守ってあげられるって意味だよ」

幼「え…」



男「幼。今まで幼が守ってきてくれたこの体で、幼のことを今度は俺が守るから」

幼「…」


男「だから、俺の一番大事な存在として…彼女として、これからは傍に居て欲しいんだ」

幼「…男…っ」

男「好きだよ、幼。誰よりも特別なのは幼だけだよ」


幼「嬉しい…。嬉しいよ、男…」


幼「わ、たしも…ずっとずっと…怖くて口に出せなかったけど…」ポロポロ



幼「男のこと…好きなんだよ…っ」

男「ありがとう…ありがとう。俺も嬉しい」
幼「うぅ…っ、涙とまんない…」


男「幼、笑って。幼にはずっとずっと笑顔でいて欲しいよ」


幼「男…ありがとう…」


男「こちらこそだよ。ありがとう、幼」



「これからもずっとずっと、いつも笑顔で一緒にいれるからね」



End.

本当に中途半端になってしまいました。すみません。



色々と本当に申し訳なかったです。そして読んでくれてありがとうございました!

茶番がすぎる

とにかく間に合って良かったです。なんかほんとすみませんorz


こんな夜遅くまでありがとうございました。

┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
  _ノ   _ノ   _ノ ヽ/|    ノ    ノ       。。

       /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl  
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄

  /   | .|           | .| ,U(ニ 、)ヽ
 /    | .|           | .|人(_(ニ、ノノ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月03日 (日) 22:16:21   ID: HfBt53PU

友と幼との関係性を勘違いしたまま終わるのはなぜ?
スッキリしないよ。

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