冬馬「何ニヤついてんだ? マネージャー」 三条馬「え?」 (22)

冬馬「……」

三条馬「~♪」ニコニコ

冬馬「……なぁ」

三条馬「ん?」

冬馬「何ニヤついてんだ? マネージャー」

三条馬「え? ニヤついてる?」

翔太(ニヤついてたよ)

北斗(ニヤついてたね)

※このSSでは、Jupiterとプロジェクトフェアリーが両方とも961プロに所属しています。それでも良い方のみ、どうぞ

冬馬(あのマネージャーが、ケータイの画面を見てニヤニヤしてる……)

冬馬(怪しい)

三条馬「ニヤついてるって言われると、なんかアレね。不抜けてるみたいで」

北斗「何か良いことでも?」

三条馬「まあ、そんなところね」

北斗「まさかデートの誘いとか……」

翔太(そんな、北斗くんじゃあるまいし……)

三条馬「まあ、あながち間違いじゃないかも」

三人「!?」

三条馬「まあ、でも普通に営業関連の話よ?」

冬馬(デートで間違ってなくて、でも営業? 訳分かんねぇ……)

北斗「お相手は誰なんですか?」

翔太(グイグイいくね北斗くん!)

三条馬「え? 765のプロデューサーさんよ」

三人「「「765のプロデューサー!?」」」

三条馬「うん。似たような職場だから、面白い話が聞けて楽しかったわぁー」

翔太「楽しかった、って……前にも話したことあるの?」

三条馬「もちろん。この間のオフの日なんかは、大きめのショッピングモールで一緒に買い物しちゃった」

冬馬(な、なんだってー!?)

――――――――――――
――――――――
―――

冬馬「ということがあったんだが」ポリポリ

美希「へぇ、あのサンジョーマって人も中々やるの」モグモグ

貴音「しかし、765のプロデューサーと、ですか」パリパリ

響「……社長に知れたら危なくないのか? あ、そっちのハッピーターン取って」

冬馬「ほらよ。で、ちょっと探り入れようかと思ってな」

美希「ミキは心配ないと思うけどな。社長、ミキが時々765の事務所に遊びに行っても怒らないし」

冬馬「遊びに行ってるのか」

貴音「あそこは快適な場所です、特に、こたつが」

冬馬「アンタも行ってるのか」

冬馬「……でだ、探りを入れようかと思ってるんだが、実は765のプロデューサーって会ったことないんだよ」

響「へぇー、意外だな。Jupiterくらい活動してたら、どっかで会ってると思ってたぞ」

冬馬「竜宮小町とはよく会うんだけどな、あそこのプロデューサーはうちのマネージャーと仲良いわけじゃないし」

美希「律子のことだから、「961プロとは馴れ合いません!」とか言いそうなの」

冬馬「とりあえず、もう一人プロデューサーが居るのは知ってるんだが、そいつのことは全然知らないからな」

冬馬「だから、ちょっと特徴でも聞こうかと思ってきたんだ。星井とかなら良く知ってるだろ?」

美希「んー、でもミキが移籍する直前に来た人だから、ミキが知ってるのも外見とかだよ?」

冬馬「とにかく、なんでも良いから教えてくれよ」

冬馬(ここで情報を集めて、そいつを社長からなるべく遠ざけておこう……)

貴音(……とでも思っているのでしょうか)

響「そうだ、あのプロデューサー大きいぞ。貴音より少し背が高いな」

冬馬「俺と同じくらいか?」

響「多分そのくらい」

冬馬「……って、言うほどデカいか? あ、そうか、我那覇が小さいからか」

響「なっ!? うがー! 言ったなこいつ! そんな奴に飲ませるメロンソーダはないぞ!」

冬馬「それ俺が買ってきたやつだからな!?」

美希「でも小さいよね、プロデューサー」

冬馬「?」

美希「多分千早さんと同じくらいだと思うな」

冬馬「え? 誰の話してるんだ?」

美希「765のプロデューサーの話だよ?」

冬馬「え?」

冬馬(如月……って、せいぜい160ちょいだろ? それが俺と同じくらい?)

冬馬(……我那覇が小さいから大きさの感覚おかしいのか)

響「……なんか失礼なこと考えられてる気がするぞ! 冬馬お前やっぱり変態だったんだなー!」

冬馬「なっ!? だ、だだだ誰が変態だ!」

響「その反応が変態っぽいぞ! うわーん、貴音ぇー!」

貴音「天ヶ瀬冬馬、貴方も健全なる青少年男子、私たちが口出す道理はないですが……」

冬馬「やめろ! むしろそれの方がダメージがでかい! 第一、俺は変態じゃねぇ!」

ギャーギャー

ガチャッ

黒井「ウィ? 騒がしいと思ったら、なんだ、冬馬も居たのか」

黒井「まあ良い。三人とも、そろそろ準備したまえ。車で送っていこう」

美希「はーいなの」

貴音「ふむ、それでは天ヶ瀬冬馬、またどこかで」

冬馬「十中八九、事務所で会うだろうけどな」

響「じゃあな! またお菓子よろしく!」

冬馬「俺をなんだと思ってるんだ!」

黒井「冬馬ももうすぐインタビューだろう。準備しておけ」

冬馬「わかってるよ」

黒井「では、アデュー」

ガチャッ バタンッ

冬馬「……」

――――――――――――
――――――――
―――

翔太「で、結局」

北斗「ついてきた、と」

冬馬「だってしょうがないだろ! 星井の言った「如月と同じくらい」っていうのが気になってしょうがないんだよ!」

北斗「ふむ、でも俺達三人とも、そのプロデューサーには会ったことがないからね」

翔太「僕たちも、ここまで来ると気になってしょうがないんだよね」

北斗(何より、あの静さんが「デート」と称して会うような人が誰なのか……)

翔太「ところで冬馬くん、本当にここであってるの?」

冬馬「ああ、昨日本人の口から聞いたから間違いないぜ」

北斗「……都内最大級のショッピングモール。見失ったら終わりそうだね」

冬馬「とりあえず、マネージャーがこのショッピングモール前の駅を使うのは確実だからな」

北斗「なんだか俺達、ストーカーみたいだね……」

翔太「まあ、北斗くんの後をつけたことはあるけどね……! 来た!」

三条馬「~♪」スタスタ

冬馬「追うぞ!」

~ショッピングモール内~

翔太「中々合流しないね」

冬馬「あれじゃねえか? 早めに集合場所で待つ気なんじゃあ……」

北斗「となると、この先にある喫茶店エリアに向かってるっぽいね。あそこなら、人の多い駅前より集合場所に向いてる」

冬馬「なるほど」

翔太「あ、でもお店の中入ったよ?」

冬馬「え? あ、本当だ。……ファンシーショップ?」

北斗「……冬馬と俺が入るには、ちょっと勇気がいるね」

冬馬「……翔太、GO」

翔太「えぇ!?」

翔太(うわ、そこらじゅう甘い匂いがする……ちょっと楽しいかも)

三条馬「……!」

翔太(アレは、手帳のコーナーかな? 夢中で見てるよ、ジョバちゃん)

三条馬「……」

翔太(あ、こっちきた。買うのかな)

三条馬「~♪」ニコニコ

翔太「……嬉しそうに出て行った。……!」

翔太(ジョバちゃんに、男の人が話しかけてる!)

冬馬「おい、北斗」

北斗「うん、見えてるよ」

男性「―――」

三条馬「―――」

冬馬「何話してるか分かんねぇけど、知り合いっぽいのは確かだな」

北斗「あ、移動した」

冬馬「追おう。おっと、翔太は?」

翔太「ここだよ。ジョバちゃんはお店で手帳買ってただけだよ」

北斗「アレが、765のプロデューサーさんなのかな?」

冬馬(……にしても、身長に関しては北斗級に見えるな、あの男)

男性「――!」グッ

翔太(あ、ギュッてした)

人ごみ「ザワ・・・ザワ・・・」

冬馬「くっ! なんだ、突然人が多くなったぞ、このエリア!」

北斗「……! 今日、正午から喫茶店エリアの路上でアイドルの小規模ライブイベントだって!」

翔太「だからこんなに人が多いんだね……むぎゅっ」

冬馬「それに、765のプロデューサーがマネージャーを誘ったのにも合点がいくな」

北斗「あの男の人の背が高くて良かった。静さんだけなら、人に埋もれて見失ってたところだよ」

翔太「今どの辺にいる?」

北斗「ステージが見える位置にある喫茶店のテラスだね。店員さんを呼んでるから、あそこで話すみたい」

冬馬「よし、気づかれない程度に近づくぞ」

冬馬「ふぅ……ようやく人ごみから解放された」

北斗「それにしても、テラスの逆端の席を取るとは」ヒソヒソ

翔太「まあ、気づかれてないっぽいから良いけどね」ヒソヒソ

冬馬「……成程、この位置からだと、ステージも見れるしスピーカーの音も届く。その上、ステージからはやや離れているから空いてる」

冬馬「分析には良い位置だな」

北斗「……考えられてる席取りだね」

翔太「ていうか、僕の席からだとジョバちゃん見えないんだけど」

冬馬「コーヒー飲みながら話してるな」

男性「――それで、やっぱりあの企画は――」

三条馬「やっぱり――ですか。それなら、――なら」

冬馬「……」

北斗「……」

翔太「……ガッツリビジネスだね」

男性「――、ということで」

三条馬「はい、じゃあこの企画は――で――ですね」

男性「では」スッ

冬・北「「!」」

北斗(席を立った……!?)

男性「」ダッ

冬馬(そして、一目散にステージの方に……えっ、えぇ!?)

翔太(二人が滅茶苦茶驚いてるのは分かるけど、振り向くに振り向けないのが辛い……)

冬馬(どうなってんだ!?)

三条馬「……ふぅ」ズズズ…

北斗「……でも、静さんはまだ席に残るみたいだね」

翔太「……二人共、僕にもどうなってるのか教えてよ」

冬馬「あ、ああ。いや、なんか男の方が、ステージの方に走っていった」

翔太「うん、なるほど分からないよ」

冬馬「……あれが待ち合わせ相手じゃない……?」

北斗「そう……かもね」

冬馬「ってことは、あともうちょい待てば来そうだな」

翔太「じゃあ紅茶お代わりしていい? すいませー――」

???「静ぁぁぁあああー!」

三人「「「!?」」」

三条馬「あ、こっちこっちー」

冬馬「あ、」

北斗「あれは……」

翔太「間違い、なさそうだね……」

女P「お待たせぇ!」

三人「「「男じゃない!?」」」ボソッ

女P「待たせた?」

三条馬「いや、むしろちょっと早いかな。今仕事の話終わらせたところだよ」

女P「そっか」

冬馬(そうか、全て理解したぞ……)

冬馬(確かに背はでかい。俺と同じかそれ以上だ)

冬馬(と、同時に星井の言葉も理解した)

冬馬「……胸か」

女P「」ピクッ

三条馬「?」

女P「……静、今日の仕事はもうないの?」

三条馬「うん? うん、Jupiterもオフだし」

女P「そう、じゃあ午後は目一杯付き合ってもらよ! デートですよ、デート! なんてね」

女P「と、その前に」

女P「バレバレだよ、そこの三人」

三人「「「!!!」」」

三条馬「え、え?」

女P「私だって、一般人と売れっ子アイドルの見分けくらいオーラで分かるって」

冬馬「……ばれたか」

三条馬「と、冬馬君!? ってことは、そっちの二人は」

北斗「はい」

翔太「あはは……」

女P「おおう、まさかこんなところで会えると――」

三条馬「なにやってんの三人共ーっ!」ゲキド

ビリビリビリ

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