橘純一「塚原先輩の手料理を食べよう!」(309)

~某日~

橘「せ、先輩!」

森島「時間通りね、さすが橘君」

橘「す、すみません。待たせちゃいましたか?」

森島「私も今さっき来たところだから、待ってないよ?」

森島「……それより私はね、橘君?君が逃げずに来たことを褒めたいくらいよ!」

橘「そ、そんなに大事なんですか!?」

橘「その……塚原先輩の手料理を食べるだけですよね!?」

森島「あ、そっか!橘君は食べたことないもんね?」

橘「は、はい!」

森島「ひびきの料理はね……その……」

森島「何でああなるのかしらね?」

森島「ひびきって、ほら?何でもできるじゃない?」

橘「は、はい!まさに完璧超人です!」

森島「でもね、何故か料理だけはダメなの」

森島「私、何回か食べてるけど」

森島「……あれだけは本当に無理」

橘「そ、そんなに酷いんですか……?」

森島「別にね、見た目が大変なことになってるとかじゃないの」

森島「むしろ見た目は一流レストランにも引けをとらないと思うわ!」

橘「つ、つまり……」

森島「ひびきの料理はね、橘君?」

森島「……普通に不味いの」

橘「ふ、普通に!?」

森島「こう……漫画とかで不味い料理を食べた時に素敵なリアクションするじゃない?」

橘「あ、はい。口から吹き出したりとかそのまま気絶したりとか……」

森島「……それってある意味オイシイでしょ?」

森島「特に私達みたいなリアクションをどれだけ大袈裟にやるかが大事なキャラにはさ」

橘「た、確かにその通りです!」

森島「でもね、ひびきの料理はそれを許さないのよ!」

森島「リアクションがとれない、絶妙な不味さ……」

森島「私達の天敵といえるわ!」

橘「そ、そんな……」

橘「な、何でこんなことに……」

森島「た、橘君が悪いのよ!?」

橘「ぼ、僕ですか!?」

森島「『料理のできる女の子って素敵ですよね~』とか!」

森島「『僕、他所の家庭の味に興味があるんですよ!』とか!」

森島「ひびきの前で余計なことをいうからいけないのよ!?」

橘「せ、先輩だって!」

橘「『ま、ひびきちゃんには関係のない話ね!』とか!」

橘「『残念!ひびきは橘君のタイプじゃないわね!』とか!」

橘「余計なことを言って、煽るからいけないんですよ!?」

森島「むむっ!?」

森島「何それ!私の方が悪いみたいじゃない!?」

橘「え、えぇ!?」

森島「む~!」

橘「……先輩、こうしましょう」

橘「僕は大人しく塚原先輩の料理をいただく」

橘「先輩は絶妙なフォローを入れて場を乗り切る」

橘「……つまり」

森島「役割分担ね!」

森島「でも、いいの?……橘君のは辛い役目よ?」

橘「大丈夫です!僕はやり切ってみせます!」

森島「Good!さすが橘君ね!」

森島「……二人で生き残ろうね!」

森島「じゃあ、行きましょっか!」

~塚原宅~

ピンポーン

ガチャッ

塚原「あ、橘君にはるか」

塚原「いらっしゃい」

橘「お邪魔します」

森島「ひびきちゃ~ん!愛しの橘君を連れてきたよ!」

塚原「は、はるか!?玄関先で騒ぐのやめてって何回も言ってるでしょ!?」

塚原「……まぁ、あがってよ」

森島「ひびきのお家に来るの久しぶりかも!」

橘「ご家族の方はいらっしゃらないんですか?」

塚原「あ、うん。今日はみんな出かけちゃってていないよ?」

森島「(橘君!)」ヒソヒソ

橘「(せ、先輩!)」ヒソヒソ

橘・森島「(これは好都合!)」

塚原「それでね、橘君が他所の家庭の味に興味があるって言ってたから……」

塚原「今回は肉じゃがを作ってみたよ」

橘「に、肉じゃが!!」

森島「……ひびきちゃんが攻めの姿勢を!」

塚原「うん。橘君お腹空いてるでしょ?」

塚原「……だから、さっそく盛ってくるね」

パタパタ……

森島「わ、私は眼中にないのね!」

橘「森島先輩には『いらない!』って言われるのが目に見えてるからじゃないですか?」

森島「……それもそうね」

森島「お姉さん、嫉妬しちゃうところだったわ!」

橘(嫉妬……?)

橘「森島先輩?」

森島「ん?怖気づいたの?」

橘「ち、違いますよ!そ、その……」

橘「肉じゃがですよ!?これはさすがに不味いなんてことはないんじゃないですか?」

森島「……君はひびきを舐めてるわね?いや、舐めたいのはわかるんだけどね?」

橘「な、舐める!?」

森島「こう、ペロペロっと。わんちゃんみたいね!」

橘「……で、何でしたっけ?」

森島「そうそう、ひびきの料理の話」

森島「肉じゃがなら、美味しく食べられるはず」

森島「……そう思ってた時期が私にもあったわ」

橘(せ、先輩……何て遠い目を……)

塚原「はい、橘君」カチャッ

橘「あ、ありがとうございます!」

橘(見た目は……まるで料理の教本の写真みたいな完璧な盛り付けだ!)

橘(匂いも……うん!悪くない!決してわるくないぞ!)

橘(これ……本当に不味いのかな?)

塚原「あ、あとはるかもいらないと思うけど一応ね」カチャッ

森島「わお!美味しそうな肉じゃかね!」

塚原「はぁ……白々しいね」

橘「と、とにかく!」

橘「いただきます!」

塚原「召し上がれ」

橘(さて……いただくか)

塚原「…………」ジー

橘(つ、塚原先輩!そ、そんな不安そうな眼差しで見つめないで下さい!)

橘(それと!)

森島「…………」ジー

橘(森島先輩!その一見僕を心配してるようで、その実何かを期待するような眼差しでこっちを見ないで下さい!)

橘(口に運ぶだけ!口に運ぶだけ!)

橘(こ、こんなに美味しそうな肉じゃがが不味いわけないさ!)

橘(な、何を僕は躊躇っているんだ!)

橘(…………よし!)

橘(ええいっ!)

パクッ

橘(こ、この絶妙にして珍妙な食感!)モグモグ

橘(いつまでも口の中に残していたいと思わせる味の立体交差と衝突事故ッ!)

橘(これを端的に言い表せば……)

橘(まさに絶妙な不味さ!これは食に対する冒涜だっ!)

橘(森島先輩の言う通りたまった……普通に不味いよ、これ)

橘(派手なリアクションで道化になれるなら、どれだけ楽なことか!)

橘(それすらも禁止する味の暴力!)

橘(だけど……)

塚原(…………)ジー

橘(そんな目で見られたら……僕!)

橘「美味しい……!」

橘「美味しいですよ!塚原先輩!」

塚原「ほ、本当に!?」

森島「へぇ、ひびきったらやっと料理できるようになったんじゃない!」

塚原「ふふっ、私だって進歩してるのよ?はるか?」

塚原「橘君がこんなに美味しいっていってるんだから、あなたも食べたら?」

森島「う、うん!」

パクッ

森島(やっぱり不味いじゃない!)

橘「あー、美味しいなぁ!箸が止まらないよ!」

ガツガツ

塚原「そ、そんなに急いで食べなくても!」

塚原「……おかわりもあるからね?」

橘「!?」

橘(お、おかわりが!?)

橘(そうだよな……あるよな、おかわり)

橘(もう食べたくない!食べたくないよ!)

橘(たけど……もう退けないところまで来てるんだ!)

橘「あ、本当ですか?じゃあ、おかわりを……」

塚原「うん、ちょっと待ってね」

森島「待って!!」

塚原「!?」

橘「も、森島先輩!?」

森島「ごめん、橘君!私……やっぱり君を見捨てるようなことは出来ない!」

森島「自分に素直になろう!?嘘で塗り固めても、結局は傷つけるだけだよ!」

橘「……塚原先輩」

橘「……その」

塚原「いいのよ……私こそごめんなさい」

森島「ねぇ……ひびき?」

森島「落ち込んでる所悪いんだけどさ」

塚原「……何?」

森島「これ、どうやって作ったの?」

塚原「え?教本のレシピ通りに材料を調理しただけだけど……」

橘(それでどうやればこうなるんだ!?)

森島「本当に!?何も余計なことしてないの!?」

塚原「え、えぇ……自信がなくなってきたけど」

森島「……わかったわ、ひびきの料理がいつも失敗する理由が」

塚原「……理由?」

森島「ひびき?台所借りるよ?」

塚原「それは構わないけど……」

森島「あと橘君?ちょっと手伝って?」

橘「は、はい。僕でよければ」

森島「……せーのっ」

橘・森島「ラブリークッキンッ!」

森島「今日は塚原家の台所からお送りするよ!」

森島「橘君、今日の献立は何かな!?」

橘「きょ、今日の献立は肉じゃかです!」

森島「わお!肉じゃか?肉じゃかなのね!?」

橘「に、肉じゃかといえば!男心をくすぐる……えーっと、家庭の味!」

森島「美味しい肉じゃかで彼のハートを鷲掴みね!」

橘「そ、そうですね!」

森島「材料は~」

森島「……肉じゃがっていうくらいだから、きっと肉とじゃかいもね!」

橘「え、えぇ!?」

森島「で、まずこの肉とジャガイモを……」

森島「橘くーん?適当に切っておいてー?」

橘「は、はい!」

森島「……まだー?」

橘「も、もうちょっと待ってください!」

橘「で、できました!」

森島「さて、適当に切った材料を鍋に入れて」

森島「……煮るんだっけ?」

橘「は、はい!煮ましょう!」

森島「うん、じゃあ煮よっか!」

森島「適当な味付けで適当に煮ること」

森島「……どのくらいかな?」

橘「さ、さすがにそれは……」

森島「もう!適当でいいわよ!」

森島「……それで出来上がったのが!」

ゴソゴソ……

森島「これです!」

ジャジャーン

塚原「た、タッパーに入った肉じゃがだしただけ!?」

塚原「何か料理らしきことしてたじゃない!?」

森島「え?ただそれっぽくやってみたかっただけだよ?」

橘「……ちなみにその肉じゃが作ったの僕です」

森島「まぁ、この橘君の作った肉じゃがをひびきちゃんに食べてもらおうと思ってね」

塚原「……橘君が?これを?」

橘「はい。折角なんで、うちの家庭の味を知ってもらおうと思って」

橘「お口に合うかはわかりませんが……」

塚原「そんな……わざわざいいのに」

橘「いえ、ご馳走になりっ放しもどうかと思いまして」

塚原「ありがとう。勿論いただくよ」

塚原「いただきます」

パクッ……モグモグ

塚原「お、美味しい!」

森島「でしょ!」ドヤァ

塚原「何ではるかが誇らしげなのかは置いといて」

塚原「橘君、これ……どうやって作ったのかな?」

橘「え?……普通に、としか」

塚原「……なら私のと何が違うの?」

塚原「は、はるか!さっき理由があるっていってたよね?」

森島「ひびきちゃん?料理に大事なのって何かわかるかな?」

塚原「そ、それは……材料の鮮度と技術?」

森島「そんなだからひびきちゃんはダメなの!」

森島「ひびきちゃんに足りないのは!」

森島「料理を食べてもらう人に対する愛情よ!」

塚原「!?」

森島「ひびきちゃんはレシピ通りに作れば美味しく出来ると思ってるでしょ?」

森島「……そんな心の篭ってない料理だからダメなの!わかる!?」

森島「ひびきちゃん?橘君はね」

森島「その肉じゃがを作ってるとき、きっと『美味しい』って言ってくれるひびきちゃんの姿を思い浮かべながら作ったはずよ!」

森島「それに対してひびきちゃんはどうしてた?」

塚原「レ、レシピを追うのに必死で……」

森島「その差が大きいの!」

森島「ひびきちゃん……不味いものを橘君に食べさせたかったわけじゃないんでしょ?」

塚原「も、勿論そうよ!」

森島「じゃあ……もうやることはわかるよね?」

塚原「橘君……今回のことは私が悪かったわ」

塚原「だけど……こんな私にもう一度チャンスをもらえるかな?」

塚原「一ヶ月……いえ、一週間でいい!」

塚原「必ず美味しい肉じゃがを作るから!」

塚原「その……もう一度……食べてもらえるかな?」

橘「は、はい!」

森島「一週間後にまた来るから」

森島「頑張ってね、ひびきちゃん」

塚原「……うん、頑張るよ」

塚原「必ず……橘君に美味しいっていわけてみせる」

~帰り道~

橘「も、森島先輩!」

森島「なぁに?橘君?」

橘「さっきのことなんですけど……」

橘「その……勢いに任せて適当なことをいって誤魔化しましたね?」

森島「……橘君には隠し事ができないなぁ」

森島「うん、そうだよ?」

橘「ど、どうするんですか!?」

橘「次はきっと塚原先輩が立ち直れなくなりますよ!?」

森島「大丈夫よ、心配しなくても」

森島「よく考えて?橘君?」

森島「レシピ通りに作って不味くなるはずないじゃない、現実的に考えて」

森島「……つまり、ひびきはレシピ通りになんか作ってないの」

橘「えぇ!?そうなんですか!?」

森島「ひびきは料理に凄い苦手意識があってね?」

森島「台所に立つ誰が見てもわかるくらい緊張しちゃうの」

森島「だからレシピ通りに作ろうとはしてるんだけど、細かい間違いを沢山しちゃうのね」

森島「本人はそれどころじゃないから気付かないけど」

森島「で、細かい間違いが積み重なった奇跡の味が……あれね」

橘「で、でも先輩?塚原先輩って水泳部のおでんはちゃんと作れますよね?」

森島「あー、あれはね」

森島「ひびきの中での枠組みが『料理』じゃなくて『部活』だから緊張しないみたいよ?」

森島「ふふっ、私達にはよくわからないよね」

森島「そんな不思議な子なのよ、ひびきは」

橘「塚原先輩の料理が失敗する理由はわかりました」

橘「でも……それなら追い込まない方がいいのでは?」

森島「ひびきってね、デキる女だから基本的に追い込まれる前に何でもこなしちゃうけど」

森島「……実は追い込まれてからの方が強いのよ?」

橘「じゃあ、何で料理下手のままなんですか?」

森島「これは私の想像なんだけどね、橘君?」

森島「ひびきは『こんなにやっても下手なままなら仕方ないかなぁ』って考えてたんだと思うわ」

森島「だけど今回、そんなことを言ってられない事態に陥った」

橘「僕……のせいですね?」

森島「言葉は悪いけど、その通り!」

森島「ひびきね、自分が想像していたよりも橘君が大変な目にあって、ズガーン!って心にきたと思うよ?」

森島「きっと、これ以上ないくらいに追い込まれてるはず」

森島「もう苦手意識が~!なんて緊張してる場合じゃないくらいにね」

森島「だから、大丈夫」

森島「……ひびきならきっと、ね」

森島「橘君ったら凄いよね!」

森島「私が『不味い!』って言っても、ひびきちゃんはそんなに落ち込まなかったし!」

森島「……妬けちゃうなぁ」

森島「橘君に嫉妬しちゃう!」

~一週間後~

塚原「た、橘君?……どうかな?」

橘「大丈夫ですよ、先輩」

橘「凄く美味しいです」ニコリ

塚原「ほ、本当?本当に!?不味くても遠慮しないでいいのよ!?」

森島「ひ~びきちゃ~ん?」

森島「私と橘君がこの一週間コソコソと何してたかわかるかな~?」

塚原「え?何かしてたの?」

森島「万が一の事故に備えて、不味かったときのリアクションの特訓してたの!」

森島「……リアクションをとれない私達なんて、ねぇ?」

森島「だから無意識にリアクションとれちゃうまで特訓したのよ!?」

橘「ち、血の滲むような特訓でしたね!」

橘「でも、お披露目することがなくて、本当によかったです!」

塚原「つ、つまり!」

森島「橘君は美味しいって言ったのよ?」

塚原「そ、それが刷り込んだリアクションってわけじゃなくて!?」

森島「もう!心配性なんだから!」

森島「橘君はひびきを信じてここに来てるんだから、ひびきも橘君を信じてあげて!」

塚原「……橘君?もう一度感想を聞かせてもらえるかな?」

橘「はい!塚原先輩の手料理、美味しかったです!」

塚原「…………」

塚原「よかった……私……」

塚原「また不味かったら……どうし……ようかとっ……!」

森島「もう……泣かないでよ、ひびき……」

森島「私まで貰い泣きしちゃうじゃない……」

~後日~

森島「急にだけど、橘君の功績を讃えたい!」

橘「こ、功績?」

森島「ひびきちゃんの料理の件!」

橘「え?」

森島「あの日以来、料理出来るようになったひびきちゃんはねー」

森島「料理するのが楽しいらしくて、色々と作ってきてくれるの!」

森島「橘君のお陰で毎日ご飯が美味しい!」

橘「それはよかったですね」

森島「まぁ、私は実験台なんだけどね!」

橘「実験台?」

森島「美味しく作れるのに自信がないらしくてねぇ」

森島「だから私が味見して改善できそうな所を、ね」

橘「へぇ~、よっぽど美味しい料理を食べさせたい人がいるんですね、塚原先輩」

森島「……その他人事感たまらないわね!」

森島「それボケ!?ボケなの!?どこから突っ込んで欲しいのかな!?」

橘「こ、ここです!ここに突っ込んでください!」

森島「もう!いやらしい子!それならお姉さんが今すぐにッ!」

塚原「……二人で盛り上がってるところ悪いんだけど……ちょっといいかな?」

塚原「橘君?あのね?お弁当作ってきたんだけど……よかったら……」

塚原「その、食べてもらえないかな?」


おわり

七咲「先輩ってHだったんですね」

橘「え?いけなかった?」

七咲「……こんなに硬いのを私のに入れるつもりですか?」

橘「し、仕方ないだろ!これしかないんだから!」

七咲「……大丈夫です、慣れますから」

七咲「……その、先輩に入れてもらってもいいですか?」

橘「七咲が自分で入れたらいいじゃないか……」

七咲「私…….不器用なんで」

七咲「先輩?お願いします……」

橘「わかった。入れるよ?」

森島「……ってそのネタは私がやりたかった!」

七咲「私としてはBくらいが書きやすいと思います」

橘「というかな、七咲?」

橘「いくら不器用でもシャープペンの芯を自分で入れられない、はさすがにない」

森島「ちょっと強引よね、もって行き方が」

七咲「そうですね……反省します」

塚原「……真面目に勉強する気がないなら帰っていいかな?」

塚原「勉強会するからって言われたから来たのに」

ごめん、無理でした
落としてください

森島「でも何だかんだいって興味津々なんでしょ?」

森島「もう!いやらしいひびきちゃん!」

七咲「先輩?いやらしい響きってどんな響きなんですかね?」

橘「う~んと、ね?きっと……」

塚原「帰る」ガタッ

森島「あ、ちょっと!ひびきちゃん!」

森島「橘君!逢ちゃんは橘君に任せた!」

橘「え?」

森島「待ってよ、ひびきちゃん!」

タタタッ

橘「いやね、七咲?ああしたくなる気持ちは凄くわかるよ?」

橘「だって、塚原先輩は……」

七咲「下ネタに耐性ないですからね」

橘「うん、面白くてついやっちゃうよね」

七咲「はい、全くです」

橘「……だけど、やりすぎちゃったなぁ」

七咲「大丈夫ですよ」

七咲「森島先輩が上手いことラブリーな感じに丸く収めてくれますから」

     ____  
   /      \
  /  ─    ─\   
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /


ワーオッ!!チキチキチキチキ!!
ワーオッ!!コノッコノー!!

七咲「それはそうと先輩?」

橘「どうしたの?」

グー

七咲「あっ」

七咲「……聞いての通り、お腹が空きました」

橘「そう言われてもなぁ……ここを離れるわけにもいかないし」

七咲「何でもいいんです。何か食べ物はありませんか?」

橘「そういえば、バナナ持ってたな」

橘「確か鞄の中に……」

ゴソゴソ

>>144
わおちきはひらがなで書け

>>147

     ____  
   /      \
  /  ─    ─\   
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /


わーおっ!!ちきちきちきちき!!
わーおっ!!このっこのー!!

七咲「……先輩?それは私を試してるんですか?」

橘「試すって?」

橘「七咲?どういうこと?」

七咲「と、とぼけないでください!」

七咲「どれだけ私の口からいやらしいことを言わせたいんですか!?」

橘「え、えぇ!?」

七咲「……わかりました、背に腹は変えられません」

七咲「私の空腹に付け入ってこんなことを要求してくるなんて……とんだ変態ですね!」

橘「……何で僕罵られてるの?」

>>150
よし、それで良い



できれば
わおっ!ちきちきちきちき
わおっ!このっ♪このっ♪

にして欲しい

>>152

   /      \
  /  ─    ─\   
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /

わおっ!ちきちきちきちき
わおっ!このっ♪このっ♪

七咲「……コホン」

七咲「せんぱぁ~い……先輩のバナナ……私欲しいな……」

七咲「焦らさないでくださいよぉ……いじわる……」

七咲「私……私……もう我慢できなくて……」

七咲「私……こんなになってるんですよぉ?」

七咲「私……先輩のバナナを口いっぱいに……」

橘「な、七咲?」

七咲「はい」

橘「間が悪い」

七咲「え?」

塚原「…………/////」

azusaたんの全身をOPのPVで初めて見たんだけど、足短くて可愛かったな

七咲「塚原先輩!?いつからそこに!?」

塚原「七咲が咳払いしたあたりから」

七咲「全部見られてたわけですか」

塚原「本当……あなた達が羨ましいわ」

森島「ひびきちゃんも変態プレイしたいの?」

塚原「ち、違うわよ!」

塚原「あなた達の後先を考えないノリだけで生きてるところが羨ましいって思っただけよ」

橘「……は?」

森島「……えぇ?」

七咲「……はぁ」

塚原「な、何?私何か悪いこといった!?」


       ____
     /⌒  ⌒\    
   /( ●)  (●)\   
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    
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  \      `ー'´     /
雨上がりの虹の空に手伸ばすお♪

ちぇっくまいそうっ!(チャチャ ちぇっくまいそうっ!(チャチャ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

   _____________
 /|:: ┌──────┐ ::|       , ─- 、
/.  |:: |         | ::|     ∠_      \
|.... |:: |         | ::|      llヽ _|      ヽ 
|.... |:: |         | ::|      |l ̄| |       l
|.... |:: └──────┘ ::|     /  ´\     /
\_|    ┌────┐   .|      ヽ、_   `^イ
    ̄Τ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Τ ̄  _ __ lニ二二l、           ____
   ┌┴───────┴┐ ⊆フ_)__./   ┌ヽ ヽ┐   /´       `\
 二二二二二二二二二二二二二二二l  /    |  |   | |.  /             ヽ 
 __________l_____| /`ー─‐|_|   |_| /             ヽ
                |       /`ヽ__, ─ 、ノ |─l  l               l
                |───/  /lニ/  /二ニluul.  |                 !
                |    ___| ̄ |  |  |_|.      l                /
               └─(    )(ニ|  ̄|./二ニ)     ヽ              /
                    ̄ ̄  /   )            >━━━━━━ く
                          `ー ´            /               ヽ



橘・森島・七咲「………ハッ」

塚原「そ、そんな『おいおい、何を言い出すんだよ……困ったねーちゃんだな!』みたいなリアクションしないで!?」

橘「つ、塚原先輩は何もわかってないです!」

森島「そうよ!何もわかってないわ!」

七咲「ノリだけで生きていることが……どれだけの十字架を背負うことになるか知らないんです!」

塚原「でも、それって自業自得でしょ?」

森島「正論すぎて反論できないわ……」

橘「何てことだ……」

七咲「さすが塚原先輩ですね」

塚原「あ、そこは食い下がらないんだ」

     ____  
   /      \
  /  ─    ─\   
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/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /

好きーだよ、僕のこくはーくー

森島「例えばね、ひびきちゃん?」

森島「橘君は鞄にバナナを何故か忍ばせていたけど、その理由がわかる?」

塚原「……携帯食?」

橘「違います」

塚原「ち、違うの!?」

森島「橘君はね?誰かがうっかり『バナナが食べたいなー』って口を滑らしたときに」

森島「何か、こう……いやらしい雰囲気を作る為だけにバナナを携帯しているのよ!?」

七咲「……私はしてやられたわけですね」

橘「バレちゃあ仕方ないな!」

橘「その通りですよ!」

橘「僕はその一瞬の為にバナナを携帯している男ですよ!」

あとホームランバーもな

橘「その代わり僕は……」

橘「鞄からトロピカルな匂いがすることに耐えなくてはいけなかったり!」

橘「手荷物検査で悪いことをしていないのにビクビクしなくてはいけないんです!」

森島「……ね?よくわからないネタを仕込む為に色々と犠牲にしてるでしょ?」

塚原「な、七咲は!?七咲はどんなネタを!?」

七咲「私は……制服のしたに水着を着用しています」

塚原「え?それくらいなら私もやるよ?」

七咲「先輩のような真っ当な人と一緒にしないでください!」

塚原「えぇ!?」

七咲「塚原先輩?私が水着を着用しているのは……」

七咲「風が吹いたり」

七咲「ブランコに乗ったり」

七咲「あらゆる『あれ?あの子の下着見えてない?』な状況に対して!」

七咲「『く、黒!?』だとか『何だ……水着かぁ』などといった!」

七咲「もやっとした感想を抱かせる為に水着を着用しています!」

塚原「それ……何の意味があるの?」

七咲「意味なんかありませんよ、ノリでやってますから」

七咲「でも、強いていうなら『お約束の期待を裏切る快感』の為ですかね」

七咲「その代わりトイレで不便だったり」

七咲「そこの変態にスカート捲られたり」

七咲「裏で痴女って呼ばれたりしますけどね」

塚原「七咲……あなた……」

塚原「は、はるか!?あなたも何かあるんでしょ?」

森島「私?私はね?」

森島「知っての通り、まさにノリだけで生きているような人だからね!」

森島「橘君とか七咲さんみたいに尖ったものはないわ!」

塚原「そういわれてみればそうね」

森島「その代わり……」

森島「踊り場で満面の笑顔で踊ったり……」

森島「エキセントリックでハイカラなことを求められたらやらなきゃいけないし」

森島「^0^」

森島「なんて言われたり……ね?」

森島「でも私はこの生き方を曲げる気はないわ!」

森島「皆のトラウマの森島部長は何なんだって?」

森島「あんなの存在そのものがギャグじゃない!」

りほっち
http://imepic.jp/20120118/862600

塚原「……よくわかったわ」

塚原「色々と大変なのね……ノリで生きるのも」

森島「わかってもらえたところで、試しにひびきちゃんにもノリだけで動いて貰おうかな!」

橘「あ、いいですね」

七咲「何して貰います?」

塚原「えっ?えっ?」

森島「せっかくだから、まず……このバナナの皮で何かしてもらおっか!」

森島「え~と、この辺でいいかな?」

パサッ

橘「ベストプレイスですね!」

塚原「な、何をすればいいの?」

七咲「やることは一つしかありませんよ、塚原先輩」

塚原「え?うん……だよね」

森島「わくわくしちゃうね!」

橘「えぇ、わくわくしますね!」

塚原(……滑って転べばいいのよね?)

ツルッ

塚原「きゃっ!」

ドシーン!

塚原「……これでいいの?」

森島「……ひびきちゃん、それはダメね」

七咲「許されませんね、これは」

橘「ただ滑って転んだだけじゃないですか!!」

塚原「ど、どうすればよかったの?」

森島「仕方ない……橘君?」

橘「えぇ、僕たちでお手本を見せるしかありませんね」

七咲「頑張って下さい」

森島「きゃっ!」

橘「こ、この声は森島先輩!?」

橘「だ、大丈夫ですか!?」

森島「いてててて……何でこんなところにバナナの皮が落ちてるのよ!」

橘「せ、先輩!?そ、その……」

森島「え?……あ!/////」

ババッ

森島「た、橘君?み、見えちゃった……かな?/////」

橘「い、いえ……そんなにバッチリとは見えてないんで!」

森島「そ、そう?は、恥ずかしいな////」

橘(ほ、本当はバッチリ見えたんだ……)

橘(森島先輩……)

橘(ノ、ノーパン健康法ですか!?)

なんやてぇぇぇぇぇ!?

森島「わかった?ひびきちゃん?」

森島「ただバナナの皮で滑るにしてもね、これくらいの寸劇やりなさいよ!」

塚原「は、はるか!?ノ、ノーパンなの!?」

橘「あれは勝手に僕が呟いただけですよ?」

森島「そうそう!ちゃんと見られてもいいのを履いてやったわよ?」

塚原「そ、そうなの?……そうだよね」

七咲「絶妙な角度で転んでるんで、スカートの中は見えないわけです」

橘「夢が広がるよね、逆に」


┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /

  _ノ   _ノ   _ノ ヽ/|    ノ    ノ       。。
       /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:

森島「次はねー……アイスでも食べて貰おうかな?」

塚原「そ、そんな卑猥なこと……////」

七咲「まさにいやらしいひびきちゃんじゃないですか」

森島「アイスを食べるだけなのに、何を要求されてると思ったのかな?」

塚原「そ、それは……///」

森島「……この様子じゃ無理ね」

橘「どうします?」

七咲「じゃあ、私がやるんで」

七咲「橘先輩?手伝ってください」

七咲「はい、先輩。一本どうぞ?」

橘「お、ありがとう、七咲」

七咲「暑いですよねー」

橘「そうだねぇ」

七咲「アイス……冷たくて美味しいですね」

チュポンッ

橘「…………」ジー

七咲「?」

七咲「何見てるんですか、先輩?」

七咲「アイス……溶けちゃいますよ?」

ペロッ……ツー……

橘「……ははっ、なんでもないんだ!」

橘(な、なんで僕が顔を赤くしなくちゃいけないんだ!)

七咲「みたいな?」

七咲「私はただアイスを食べただけです」

七咲「それを見て、勝手にそこの変態が意識しちゃったのをイメージしてみました」

橘「こんな文章じゃ伝わらないと思うけどね」

森島「ちなみに今は真冬!暑くないよ!」

塚原「……やっぱり私にはできないよ、こんなこと」

森島「諦めないで!」

橘「次、いってみましょう!」

>森島「諦めないで!」
ゆうかのお茶石鹸かよ

何も思いつかねぇ

橘「えーと……鞄の中に他に何かいれてたかな?」

森島「バナナの他にも何か入れてたの?」

橘「ええ。『な、何でこんなところに○○が!?』ってやる為に色々と試行錯誤してますよ」

七咲「私が言えたことではないですけど、歪みすぎです」

塚原(橘君って……もしかして思ってた以上に気の毒な子なの?)

橘「あぁ、今日はこれくらいしか入ってませんでした」

七咲「……バターですか」

森島「私をピンポイントで狙ったような小道具ね!いけない子!」

塚原(え?バターって小道具なの?)

七咲「先輩?いくらなんでもこれは使い道が限られすぎじゃないですか?」

橘「何で僕もこれを選択したのかわからないよ」

塚原「……どう使うものなの?」

森島「え?」

塚原「だからね、どう使うものなのかな?って」

塚原「まさかパンに塗るなんてことはしないでしょ?」

橘「へへっ……本当、困ったねーちゃんだな!」

森島「汚れたことがない人はこれだから嫌よね!」

七咲「眩しくて直視できません」

塚原「ま、また私が悪い流れなの!?」

森島「こんなもの、塗るに決まってるでしょ!?」

七咲「それしかあり得ないですね」

塚原「……何に塗るの?」

森島「ひびき?ちょっと手の平出して?」

塚原「えぇ、それはいいけど」

塚原「…….って、何で私の手の平にバター塗ってるの!?」

七咲「塚原先輩なんて、そこの変態にペロペロっとされちゃえばいいんです!」

森島「橘君!出番よ!」

橘「……え?あ、はい」

森島「あれ?乗り気じゃない?」

七咲「ど、どうしちゃったんですか!?」

橘「頭の中に像は浮かぶんですけどね」

森島「な、何だか大変なことになってるでしょ!?」

七咲「せ、先輩!?手の平を舐めるなんて滅多にないプレイですよ!?」

塚原「橘君……私に魅力がないからなの?」

橘「ち、違います!そういうわけではないんです!」

橘「ただ……」

橘「背徳感に耐えられないだけです!」

森島「た、橘君が……」

七咲「……あり得ないことをいってます」

森島「背徳感なんてあなたには無縁な言葉じゃない!」

七咲「そ、そうですよ!どうしちゃったんですか?」

橘「僕にだって……線引きはあるんだ!」

橘「それに、ここでバターを使ってしまったら」

橘「いやっほおおおぉう!もうこうなったら皆に塗って回ってやるぞ!」

橘「……ってなる衝動を抑えきれないじゃないか」

橘「さすがに僕の身体がもたないよ!」

森島「……ごめん、君の身体のことまで考えてなかった」

七咲「すみませんでした、先輩」

橘「いや……僕こそごめん」

橘・森島・七咲「……はぁ」

塚原「次は……?」

森島「え?」

塚原「次は何かないの?」

七咲「塚原先輩?」

塚原「……不完全燃焼って嫌だから」

塚原「か、勘違いしないで?別に変態プレイしたいわけじゃないからね!?」


ひとまずおわり

響ちゃんの手にバター……これぞまさに手料理
ってオチかと

>>306
しまった。その手があったか

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