橘純一「薫の髪の毛をサラサラにしてみよう!」(502)

橘「突然だけど……梅原!」

梅原「どうした、大将?」

橘「薫を薫たらしめてる、一番重要なものはなんだ!?」

梅原「……悪友キャラか?」

橘「それもそうだけど、違う!」

橘「やっぱり、あの髪型だろ!?」

梅原「確かに特徴的すぎる特徴ではあるな」

橘「というわけで、僕は薫の髪の毛をサラサラにしてやろうと思うんだ!」

田中「えええええええええ!?」

橘「あ、田中さんいたんだ」

田中「そ、そんなことしたら!薫が薫じゃなくなっちゃうよ!?」

梅原「そ、そうだぜ!棚町が少し目立つモブキャラになっちまう!」

橘「……僕はやると決めたんだ!」

橘「新たな発見の為なら……多少の犠牲は!」

梅原「犠牲になるのは棚町だけだろ!?」

橘「でも、見てみたいだろ?」

梅原「そ、それは……」

田中「ちょっと見たいかも……」

橘「とにかく!僕は行くよ!」

橘「……骨は拾ってくれよ?」

ダダッ

田中「た、橘君!」

梅原「大将……無茶しやがって」

橘「さて薫をサラサラにする方法だけど……」

①ヘアアイロンを使う

②縮毛をあててもらう

③カツラを被せる

橘「……の三つかな、考えられるのは」

橘「③は別な遊び心が生まれて、目的を見失いそうだし」

橘「②は……さすがに薫に直毛を強いる期間が長すぎる……!」

橘「①だな、ここは。うん、そうしよう。そう決めた!」

橘「そうと決まれば行動だ!」

橘「……ヘアアイロンといえば、あの人だな。うん、あの人に相談してみよう!」

橘「も、森島先輩!」

森島「あ、橘君じゃない。どうしたの?」

橘「ぼ、僕と付き合ってください!」

森島「え、えぇぇ!?////」

橘「……買い物に行くの」

森島「……あ、うん。定番のヤツね」

森島「何の買い物に付き合えばいいの?」

森島「もしかして……下着!?下着なのね!?」

橘「ち、違いますよ!」

橘「その……ヘアアイロンが欲しくて」

森島「ヘアアイロン?」

橘「えぇ!どうしても真っ直ぐにしてやりたい髪の毛があるんです!」

森島「はは~ん?また何か面白いこと思いついたのね!?」

森島「そうとわかれば全力で協力するわ!」

森島「お買い物は今日の放課後でいいかな?」

橘「は、はい!よろしくお願いします!」

~買い物後~

橘「先輩!ありがとうございました!」

橘「これならどんなに頑固なくせ毛でも真っ直ぐにしてやれそうです!」

森島「ふふっ、橘君の力に慣れて嬉しいわ」

森島「あんなに真剣な眼差しで選ぶなんて……よっぽど真っ直ぐにしたかったのね?」

橘「これは僕にしかできないことなんです!」

森島「ところで、橘君?使い方わかるの?」

橘「え、いや……説明書を読めばなんとかなるかなぁ、と思ってたんですが」

森島「甘い……甘いわよ!橘君!」

森島「そんなに簡単なものじゃないのよ!くせ毛を伸ばすのは!」

森島「というわけで、これから練習ね!」

橘「練習と言っても……何でですか?」

森島「私の髪の毛」クルクル

橘「あっ」

~橘宅~

森島「お邪魔しまーす!」

森島「美也ちゃんは!?美也ちゃんはいないの!?」

橘「まだ帰ってきてないみたいですね」

森島「そっかぁ……」ガックリ

森島「じゃあ、早速だけど練習しようか?」

橘「居間でします?」

森島「う~ん、せっかくだから橘君のお部屋にお邪魔しちゃおうかな!」

橘「ぼ、僕の部屋でですか!?」

森島「ダメだった?……あ、もしかしてエッチな本が出っぱなしとか?」ニヤニヤ

橘「ち、違いますよ!」

森島「なら別にいいじゃない?」

橘「わ、わかりましたよ!こっちです!」

森島「ここが橘君の部屋か~」

橘「片付いてなくて、すみません」

森島「さてと、いやらしい本はどこかな?」ガサゴソ

橘「な、何してるんですか!?」

森島「あ、あった!え~と……愛しのご主人様?僕は貴女の犬だワン?」

橘「せ、先輩!?そ、そんなの持ってませんから!」

橘「しかも隠し場所はそこじゃないです!」

森島「へ~、じゃあどこにあるのかな?」

橘「そ、それは今は関係ないですよね!?」

森島「もう!橘君のいけず!」

橘「と、とにかく!練習しますよ、練習!」

森島「は~い」

森島「原理自体は簡単なんだけどね」

森島「挟んで、伸ばす」

森島「これだけよ?」

橘「はい」

森島「でもね、橘君?この単純な作業が曲者なのよ」

森島「挟む力と伸ばす方向、それとかける時間ね」

森島「力強く挟んで長い時間かければいいってものじゃないのよ?」

森島「特に今回伸ばしたいのは自分の髪の毛じゃないでしょ?」

森島「女の子にとって髪の毛は大事なんだから!」

森島「ま、色々やってみようか!」

橘「は、はい!お願いします!」

橘「こ、こうですか?」

森島「や、やん!力いれすぎよ!?」

橘「す、すみません!」

森島「も、もう!初めてだからって力み過ぎ!」

橘「こ、このくらいですか?」

森島「そ、それだと弱いかな……もう少し力強く」

橘「こ、こうですか?」

森島「あ、あん!いいよ!橘君!その調子!」

橘「は、はい!」

森島「ちょ、ちょっと!熱い!橘君熱いよ!時間かけ過ぎ!」

橘「すみません……焦がしてしまいました……」

森島「私の……橘君に傷物にされちゃったよ……」

美也「……ゴホン!」

橘「え~とね、僕は森島先輩の髪の毛を伸ばしてただけなんだよ?美也?」

森島「そうそう!別に変なことは……」

美也「二人の絡みはいちいち紛らわしいの!わざとやってるでしょ!?」

橘「そ、そんなことないぞ!?」

森島「わ、わざとじゃないよ?」

美也「……じゃあ美也が見ててあげるから、続きやってみようか?」

橘「み、美也が見てるんじゃ手を抜けませんね!森島先輩!」

森島「そ、そうね!真面目にやらなきゃね、橘君!」

美也「……さっさとやる!」

橘・森島「は、はい!」

橘「ぼ、僕……出来るようになったのか!?」

森島「おめでとう、橘君」

美也「にぃに……頑張ったね」

橘「い、今の僕なら!」

森島「えぇ……どんな癖毛でも真っ直ぐにできるはずよ?」

橘「いやっほぉぉぉぉぉう!」

美也「で、にぃに?何の為にこんなことを?」

橘「明日になればわかるさ、美也」

森島「明日が楽しみね!橘君!」

橘・森島「ふふふ、フゥーハハハハハハッ」

美也「にぃに達が物凄く悪い顔してる……」

美也「嫌な予感がするよ……」

~次の日~

橘「僕なら出来る……僕なら出来る!」

棚町「なに一人でぶつぶつ呟いてんの?危ない人みたいよ?」

橘「か、薫!?」

橘「ふふふ……フゥー、ハハハハハハッ!」

棚町「な、何よ!何がそんなにおかしいのよ!?」

橘「時に薫!薫は直麺と縮れ麺どっちが好きだ!?」

棚町「え?急に何を」

橘「答えるんだッ!」

棚町「!?」ビクッ

棚町「い、いきなり大きい声出さないでよ!」

棚町「そうね……美味しければどっちでもいいわ」

橘「そうか、それは都合がいい!」

棚町「何の話!?さっきから何の話なのよ!?」

橘「いやね、薫の髪の毛を真っ直ぐにしてみようかなって」

棚町「……テンションの上がり下がりが激しいわね」

棚町「それぐらい別に構わないけど?」

橘「だよな……その髪型は薫のアイデンティティだもんな。断られることはわかって……え?」

棚町「だから、別に構わないって」

橘「薫!お前正気か!?」

棚町「ちょうど髪型変えてみようかなって思ってたし」

橘「何てことだ……薫が自分を見失いそうになってるじゃないか……」

棚町「自分を見失いそうなのは、あんたでしょうが」

棚町「で?真っ直ぐにしてくれるの?」

橘「も、もちろん!この日の為にヘアアイロンも買ったし、修行もしてきた!」

棚町「はぁ……あんたのその無駄な行動力が時々怖くなるわ」

棚町「お願いしちゃおうかな、そこまでしてくれたなら」

橘「任せて!薫をどこに出ても恥ずかしくないサラサラヘアーにしてみせるから!」

棚町「そ、そういうのいいから!」

棚町「やるなら早くしてよね!」

橘「では早速」

橘「じゃあ、真っ直ぐにしてくよ?」

棚町「あ、焦がしたら承知しないからね?」

橘「薫!僕を誰だと思っ」

棚町「はいはい、わかったから早くして」

橘「……わかった」

橘「よいしょっと」

キュッ……スー……

棚町「……んっ!」

橘「あ、熱かった?」

棚町「ううん、そうじゃなくて……」

棚町(あたし、髪の毛を伸ばされてるだけよね!?)

棚町(何か変な気持ちよさが!こいつ、何の修行してきたのよ!?)

橘「……薫?」

棚町「つ、続けて?」

橘「う、うん」

橘「……」

キュッ……スー……

棚町「……んんっ……はぁ……」

キュッ……スー……

棚町「……あっ!そ、そこは!」ビクンッ

橘「薫、動かないで」

棚町「そ、そんなこと言われても……あ、あん!」

キュッ……スー……

棚町「うぅっ……じゅ、じゅんいちぃ……」トロン……

橘(な、何だか薫が大変なことになってるけど!ぼ、僕のせいじゃない!)

キュッ……スー……

棚町「……/////」ビクンビクンッ

橘「で、出来た!」

棚町「も、もう終わりなのぉ……?」

橘「うん、サラサラになったよ!」

橘「はい、鏡」

棚町「……嘘……これがあたし……!?」

橘「街中で出会っても薫だと気付かずにスルーしちゃいそうだよ、僕」

棚町「……な、何なのよ!?この正統派だけど、コレジャナイみたいな!?」

橘「薫……ごめん」

棚町「あ、謝んないでよ!?」ガタッ

橘「うわっ!掴みかからないでよ!」

棚町「純一のバカ!」

橘「ちょっ……そんなに揺らしたらバランスがっ!」

橘「う、うわぁ!」

バターン!

橘「……」

棚町「……」

橘(い、今!僕に馬乗りになってるのは薫なんだよな!)

橘(そ、そう!髪の毛がサラサラなだけの薫!)

橘(取っ組み合いになるのだって初めてじゃないじゃないか!)

橘(……なのに!)

橘(し、知らない人に馬乗りになられてるみたいで、ドキドキが止まらないよ!)

棚町「なによ……急に大人しくなっちゃって」

橘「それは……そのっ……」

橘「何だかドキドキしちゃって」

棚町「!?」

棚町「な、何いってんのよ!?」

橘「サラサラの薫が新鮮で、つい」

棚町「な、何!?つまり……お、女の子として意識しちゃったみたいな!?」

橘「そ、そういうことだね……何だか薫が薫じゃないみたいだ」

棚町「!?」

棚町「もう……バカ!」

棚町「まぁ、いいわ」

棚町「こんなことであんたをドキドキさせられるなら、しばらく直毛でいようかなって」

橘「えぇ!?」

棚町「その方が楽しそうじゃない!?」

~後日~

梅原「おい、大将」

梅原「薫、わざわざ美容院で真っ直ぐにしてきたらしいぞ?」

田中「薫が……私の薫がぁ!エントロピー高めな薫がぁ!!」

梅原「大将、何したんだよ?」

橘「ぼ、僕は何もしてないよ!?」

棚町「あ、純一!おはよ!」

ギュ……カミカミッ

橘「か、薫!耳を噛まないで!」

スッ

棚町「純一、ドキドキした?」ニヤニヤ

橘「ど、ドキドキしたから!もうやめてよ!」

棚町「え?嫌よ?」

棚町「こらからは、もっと純一をドキドキさせてやるんだからね!?」


橘「さて梅原」

梅原「その目は懲りてないな、大将?」

田中「また犠牲になる人がいるの……?」

橘「あえて問うけど、アマガミで一番サラサラヘアーなのって誰だろうな?」

梅原「……まさか、大将!?」

橘「僕は!絢辻さんのサラサラな髪の毛を!」

橘「クルックルッなことにしてやろうと思っている!」

田中「橘君、死ぬ気なの?」

梅原「……大将、勇気と無謀は違うぞ?」

橘「梅原……これは義務だ」

梅原「義務?」

橘「あぁ、義務なんだ!」

橘「クラスメイトが一人真っ直ぐになってしまったから!」

橘「一人クルクルしたことにしなくてはバランスがとれない!」

絢辻「へぇ?面白いこと考えてるじゃない?」

梅原「あ、絢辻さん!?」

田中「……聞いてたの?」

絢辻「あんなに大きい声で騒いでたら、嫌でも聞こえると思うけど?」

絢辻「で、橘君?……本気なの?」

橘「……絢辻さん、僕の目を見て欲しい!」

梅原「た、大将!?」

絢辻「……そう、本気なのね」

絢辻「…………」ジー

橘「…………」ジー

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

田中(空気が張り詰めてる!)

梅原(た、大将が一歩も引いてない!?あの絢辻さんには頭の上がらない大将が!?)

絢辻「……負けたわ、あなたには」

橘「わかってくれたの?」

絢辻「えぇ、ここまで真剣な橘君を見たのは初めて」

絢辻「……いいわ、巻きなさい?」

絢辻「ただし!中途半端なことをしたら……」

橘「わかってる!」

絢辻「そう?ま、精々頑張りなさい」

橘「僕は……負けない!」

森島「話は聞いたわ、橘君」

森島「……今度は巻くのね?」

橘「は、はい!」

森島「私の教えは厳しいわよ?」

橘「覚悟の上です!」

森島「……その目、嘘はついてないようね」

森島「いいわ!私についてきなさい!」

橘「し、師匠!」

森島「巻いて行こう!」

塚原「……何してるの、あなた達?」

森島「もう!こういうのはノリが大事なの!」

森島「というわけで、空気の読めないひびきちゃんが練習台でーす」

橘「……すみません、塚原先輩」

塚原「な、何で私なの!?前みたいにはるかでいいじゃない!?」

森島「えー?だって私のらもう巻いてあるし?」

塚原「……寝癖なんでしょ、それ?」

森島「細かいことはいいの!」

森島「……それにあんまりうだうだ言ってると、橘君にあのことバラすよ?」

塚原「そ、それは!?……わ、わかったわよ、好きにしなさい!」

橘(あのこと!?あのことって何!?)

森島「よろしい、では始めますか!」

森島「まぁ、やることは単純なことなんだけどね」クルクルッ

森島「女性の髪の毛を熟知している橘君にとっては」クルクルッ

森島「巻くだけの簡単な作業」クルクルッ

森島「必要に応じて道具は使い分ければいし」クルクルッ

森島「必要なのは全体のバランスをとるセンスかな」クルクルッ

森島「はい、できた!」

橘「こ、神々しい……!」

塚原「ちょっと!はるか!?どんな髪型にしたのよ!?」

森島「ベルサイユの薔薇みたいな?」

塚原「!?」

橘「もしくはお蝶婦人ですね」

塚原「どんな髪型よ!?」

塚原「ひ、人の髪型を何だと思ってるの!?」

森島「……と、まぁ、このようにね」

森島「技術は素晴らしくても、女の子を怒らせるような髪型にしちゃダメよ?橘君?」

橘「わ、わかりました!」

塚原「そんなわかりきったことの為に私の髪型が……」

森島「大丈夫!ちゃんと元に戻せるから!」

塚原「ほ、本当に直せるのね?」

森島「……確実に痛むけどね、髪の毛」

塚原「え?」

森島「人類の進歩の為に犠牲はつきもの……!」

森島「ごめんなさい……でも、あなたのキューティクルは無駄にしないわ!」

塚原「わ、私の髪の毛が……」

橘「塩素に晒さられてる分、痛むの早そうですね」

塚原「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」

ーーーーーーーー
ーーーー
ーー


橘「し、師匠!」

森島「えぇ、橘君……」

森島「……私が教えることはもうないわ!」

橘「あ、ありがとうございました!」

森島「いいのよ、橘君」

森島「礼はそこで悶絶してるひびきちゃんにいいなさい?」

塚原「私のキューティクル……うぅ……」

塚原「それに……橘君のせいで……お嫁にいけないよぉ……恥ずかしいところ沢山見られちゃったよぉ……」ビクンビクン

橘「つ、塚原先輩!ありがとうごさいました!」

~そして決戦の日~

絢辻「あら?てっきりなかったことにでもされるかと思ってたけど」

橘「そ、そんなわけないだろ!僕は絢辻さんの髪の毛を巻く為にここにきたんだ!」

絢辻「そう……橘君には期待してるわよ?」

ゴゴゴゴゴゴ……

橘(こ、この殺気!中途半端なことをしたら殺られる!)

梅原「大将……」

田中「橘君……頑張って」

棚町「負けんじゃないわよ!」

橘(でも僕は……負けない!)

橘「よし!巻いて行こう!」

橘「絢辻さん?目を閉じてて貰えるかな?」

絢辻「あら?何でかしら?」

橘「絢辻さんには結果だけを評価して貰いたいんだ」

橘「過程は……見せたくない」

絢辻「わかったわ……橘君の思うように巻いてね」スッ

橘「よし!えーと、じゃあこの辺を……」

クルクルッ

絢辻「んあっ!」ビクンッ

梅原「……何なんだろうな、あの現象」

田中「え~と、髪の毛を巻いてるだけだよね?」

棚町(……頑張って、絢辻さん)

クルクルッ

絢辻「~~っ!」

橘「……できたよ、絢辻さん」

絢辻「ハァハァ……え?もう?」

橘「目を開けて、鏡を見て欲しい」

絢辻「うん……」

絢辻「……え?」

クルクル~ッ

梅原「……プッ……ククッ」

田中「……た、橘君……ププッ」

棚町「……大したヤツよ、あんた」

絢辻「な、何よ、これ!」

絢辻「何でよりによって、ロココ調なのよ!?」

※シャルル・ヴィ・ブリタニアの髪型を想像してね!

絢辻「……私も鬼じゃないわ、橘君?」

絢辻「弁解があるなら聞いてあげる」

橘「……だって!絢辻さんは元々が可愛いから!」

橘「普通に巻いただけじゃ、普通に可愛いんだもの!」

絢辻「……なっ!?」

橘「それじゃあ中途半端だろ!だから……!」

橘「決してネタに走ったわけじゃない!これは……」

橘「僕なりの誠意だ!」

絢辻「ハッ!バッカじゃないの!?」

絢辻「……そんなこと言われたら怒れないじゃないの」

絢辻「……私の負けよ、橘君……」

橘「え、本当!?」

絢辻「ただし!」

絢辻「ちゃんと可愛くしてよね……あなた好みの髪型にして」

橘「う、うん!」

橘「じゃあ、とりあえず元に戻さなきゃ」

橘「えーと」

絢辻「あっ!そんな触り方したら……んっ!」

梅原「……茶番だったな」

田中「……そうだね」

棚町(私も純一に髪の毛いじられたい!)

~後日~

絢辻「橘君」

橘「あ、絢辻さん!髪の毛、自分で巻いてみたの?」

絢辻「どう?」

橘「似合ってていいと思うよ!」

絢辻「あ、あのさ!ちゃんと巻けてる?」

橘「巻けてると思うけど……」

絢辻「私ね!やるなら完璧にやりたいの!」

絢辻「だから……ま、巻き方を教えなさい!」

絢辻「私の髪の毛触っていいから……」

橘「じゃあ、放課後でいいかな?」

絢辻「えぇ……待ってるから!」


梅原「納得いかないねーよ」

最後の最後で打ち間違えちゃった……
ごめんね?でもiPhoneだから仕方ないよね……?

橘「梅原」

梅原「何だよ、もうやることないだろ」

田中「そうだよ!次は刈るの!?」

橘「か、刈るのはさすがにないよ!」

橘「僕は髪の毛の色には寛容な方でね」

橘「何色だろうが似合ってればいいと思ってた」

橘「だがしかし!」

梅原「……日本人なら黒だってか?」

橘「梅原ぁ!そこはキリッと言わせてくれよ!!」

梅原「大将……で、次は誰がターゲットなんだ?」

田中「黒じゃないというと……私!私だよね!」

橘「……いや、違うよ?」

田中「ええええええええ!?私の出番じゃないの!?」

梅原「じゃあ、誰だよ?勿体ぶらないで教えてくれよ?」

橘「梨穂子」

梅原「お、おい!親しき仲にも……だぜ!?」

橘「いや!僕には梨穂子しか見えない!」

橘「梨穂子の髪色を……」

橘「修正してやる!」

梅原「……それがいいたかっただけだな?」

橘「……うん」

梅原「でもなぁ、大将?」

梅原「桜井さんなら、大将が黒にして欲しいって頼めば黒くしてくるんじゃないか?」

橘「何てことだ……それじゃあ僕の染髪技術が向上しないじゃないか……」

田中「橘君……どこを目指してるの……?」

梅原「というかな、大将?大将の周りの女の子は大将が黒がいいなぁっていったら」

橘「だ、黙れ!僕がこの手で染めてやるんだ!」

橘「うぉぉぉぉぉぉぉん!」

ダダダッ……ガラッ……ピシャッ!

梅原「わかんねぇ……大将がわかんねぇよ……」

田中「橘君……あの目」

森島「今度は何!?何するの!?」

森島「わお!もしかして!ドレッドヘアーに挑戦なのね!?」

橘「……違いますよ?」

森島「え~?違うの!?」

橘「今度は、染めます」

森島「今度は女の子を橘君色に染めるのね!?」

森島「困っちゃうなぁ……私はもう染まってるしなぁ……/////」

橘「ち、違いますよ!髪の毛を黒くするんです!」

森島「……それは結局同じことよ、橘君?」

森島「あなたの好みの色にはするんだから、橘色に染める以外の何物でもないわ!」キリッ

橘「は、はぁ」

森島「……コホン」

森島「突っ込みなさいよ!下手でもいいから!」

森島「じゃあ、さっそく染めてみましょうか!」

橘「この子……誰です?」

?「私!上さ……モガッ!」

森島「え~?知らない子だよ?そこの角から覗いてたから、捕まえてみただけで」

森島「ちょうど茶色い髪の毛だし、ちょうどいいかなって!」

?「ん~!ん~!」

橘「……何でそんなに必死にその子の口を抑えてるんです?」

森島「大変なことになるからよ、この子が登場すると」

森島「……具体的にいえば、あなたの人間関係が崩壊するわね」

森島「……騒がない、自己紹介しない、自分がモブの一員だという自覚を持つなら戒めを解いてあげるけど?」

?「……」コクッコクッ

森島「そう、いい子ね!」

森島「では!あらためて染めてみようか!」

森島「まず、このモブAさんの髪の毛を綺麗に洗ってみようか」

森島「ま、橘君なら余裕よね!」

橘「……ごめんね、モブAさん……」

シャカシャカ……

モブA「い、いや……ん!」ピクッ

森島「それでね、洗い終わったらしっかり乾かす!」

橘「……モブAはあんまりじゃないですか?」

森島「ん~、じゃあ田中Bで」

橘「田中Bさん、乾かすよ?」

ブォー…

田中B「そ、そんな触り方……橘君……んっ!」

森島「それで染毛剤を塗ったらあとは放置!」

森島「橘君、帰ろっか♪」

田中B「!?」

橘「ほ、放置ってそういうことなんですか!?」

橘「こ、こう……放置時間とか洗い流すとか……ありますよね!?」

森島「な~んだ、橘君わかってるじゃない!」

森島「分かり切ってることを教える必要はないわよね?」

森島「じゃあ、帰りましょ!」

橘「よっぽど田中Bさんに恨みがあるんだな、先輩……」

橘「田中Bさん、ごめんね……」

森島「でも仕方ないよね!」

~次の日~

橘「何だか不安だけど、染髪技術も会得したぞ!」

橘「あとは梨穂子に出会えれば……ってあそこにいるじゃないか!」

橘「お~い、梨穂子~!」

梨穂子「あ、純一~!」

橘「……って何で髪の毛黒くしてるんだよぉ!」

梨穂子「こ、これはね!!」

梨穂子「う、梅原君が……純一が黒髪の桜井さんを見たがってるって言ってたから」

梨穂子「へへっ……に、似合う?」

橘「似合う。似合いすぎる……あー、もう!梨穂子はかわいいなぁ!!!」

梨穂子「そ、そんなに褒めないでよ~/////」

橘「梅原……僕はお前を許さないぞ!」

橘「僕の技術のお披露目だけじゃなくて……」

橘「……田中Bさんの髪まで無駄にしたんだッ!」

橘「待ってろよ!梅原!」

ガラッ!

橘「う、梅原ァ!」

絢辻「……遅かったわね、橘君」

棚町「不届き者は捕まえておいたわよ?」

田中「梅原君のせいで……私が無駄に散ったような気がするの!」

梅原「ち、違うんだ!大将!お、俺は!」

橘「梅原……」

橘「お前なんて……」

橘「僕色に染まってしまえ!」

梅原「た、たいしょぉ~ん!」


中多「……わ、私の……夢が叶ったような気がする」

橘「梅原?」

梅原「……さすがにもういいだろ!?」

田中「あ!梅原君の髪の毛を刈るんでしょ!私もやってみたいな!」

橘「それは魅力的だね、田中さん」

橘「僕はまだ許してないからな!?」

梅原「悪かった、俺が悪かったから……もうやめてくれよ……」

橘「……それはそうと!」

橘「痛んだ髪の毛って放っておけないよね!」

田中「あー、私わかったよ!次は!」

橘「そう!トリートメントでもしてみようかなって!」


梅原「そうか、俺の髪の毛を労ってくれるんだな?」

橘「……チッ」

橘「でね、田中さん?」

橘「髪が痛んだ女の子といえば?」

田中「わ、私も痛んでるよ!」

橘「そうだね!水泳部の七咲だね!」

田中「……う、うん!七咲さんだよね!」

橘「というわけで!七咲の痛んだ髪の毛をキューティクルなことにしてやる!」

田中「が、頑張って!」

橘「……田中さんのはあとでこっそり、ね?」ボソッ

田中「わ、私!待ってるから!」

暇で職場から書いてたんだけど、少し仕事が入ってしまって
続き書けるの五時半くらいになりそう、ごめん

森島「トリートメント?」

橘「えぇ、次はトリートメントを」

森島「ふ~ん?つけて流せばぁ?」

橘「せ、先輩……?」

森島「だって橘君が他の女の子を喜ばせるお手伝するの面倒臭いもん」

森島「私の髪の毛はいじってくれないもんなー」

橘「……」

森島「今の橘君ならトリートメントくらい余裕でできますよーだ!」

橘「も、森島先輩!」

森島「な、何よ?」

橘「ぼ、僕の初めては先輩ですよ!?」

森島「……ほぇ?」

橘「ぼ、僕の部屋で先輩のを……色々したじゃないですか!」

森島「橘君!?」

橘「今の僕があるのは先輩のお陰なんです!」

橘「それに……僕をこんな男にしたのは先輩なんですよ?」

橘「先輩……今更酷いですよ……」グスン

森島「な、泣かないでよ!橘君!」

森島「私が悪かったから!」

森島「あ、あのね……?私も初めてだったの……」

森島「なのに……橘君、あのあと何もしてくれないし……」

森島「だから……つい意地悪してみたくなっただけなの!」

橘「せ……先輩!!」

森島「橘君……私のことは……はるかって」

塚原「だから何なのよ、あなた達は」

森島「空気の読めないひびきちゃんがが再び練習台だよ!」

橘「わーい!ひ・び・き!ひ・び・き!」

塚原「な、なんでよ!?あそこで誰かが止めに入らないときらきら~♪って流れてくるでしょ!?」

森島「う~ん、それもそうね」

森島「では……今回も空気の読めたひびきちゃんが練習台だよ!」

橘「いやっほぉぉぉぉぉう!ひ・び・き!ひ・び・き!」

塚原「だ、だからね?何で私なの!?」

森島「え?この前の件で痛んでるし、ちょうどいいんじゃない?」

橘「ですね」

塚原「他人事のようにいってくれるじゃない、あなた達?」

森島「えーっとね、トリートメントはー」

塚原「ちょっと、はるか!?」

森島「さっきは冷たくいっちゃったけど、本当につけて流すだけの作業だからねー」

森島「さて、ここで問題。そんな単純作業で差がつくのは何故でしょうか?」

橘「……心ですね!」

森島「……合格よ!橘君!」

森島「そう!相手の髪の毛を思いやる心……それが大事なの!」

森島「やれ技術だのやれトリートメントの質がなんだの言ってるうちは三流よ!」

塚原「そんなこといったら何でも心で解け……ブフッ」

森島「あ、ごめんね?シャワーで流してるときに喋るから~」

橘(時には強引さも必要なんだな!)

森島「はい!出来た!」

森島「ほら、橘君?触ってみて?」

橘「は、はい!」

塚原「んっ……!」

橘「さ、サラサラだ!これはいつまでも触っていたい!!」

森島「ふふ、わかった?これが私からひびきちゃんへの想いの力なのよ?」

森島「……だからね、正直橘君が他の女の子をサラサラにするのは複雑な気分かな」

森島「だから……あとで私の髪の毛をサラッサラにしに来てね!」

橘「ありがとうございました!僕、いってきます!」

森島「いってらっしゃい!」


塚原「……うわっ、あんなに痛んでた私の髪の毛が本当にサラサラしてるし……」

塚原「はるかって……何なの?」

森島「ん?ひひぎったら物足りなそうね?」

森島「もしかして、橘君にやってもらいたかったの?このっこのっ!」

塚原「そ、そんなんじゃないわよ!/////」

橘「七咲……どこにいるかな?」

橘「水泳部かな、まだ」

橘「よし!プールを覗いてみよう!」

橘「け、決して不純な動機ではないからね!」

橘「七咲を探すだけなんだから!」

七咲「……私を探してるのはわかったので、一人で騒ぐのやめてください」

橘「七咲!?」

七咲「はい」

橘「七咲!七咲にお願いがあるんだ!」

七咲「私に、ですか?」

七咲「……エッチなことは嫌ですよ?」

橘「そ、そんなんじゃないよ!僕はただ!」

七咲「私にトリートメントを?」

橘「う、うん!塩素で痛んでるかなと思って」

七咲「……確かに痛んでます」

七咲「そうですね、いい機会なのでお願いしてもいいですか?」

橘「ありがとう、七咲!」

七咲「ふふっ、先輩は変な人ですよね。トリートメントさせて欲しいなんて」

七咲「……はっ!まさかよからぬことを……」

橘「ち、違うよ!?僕はただ純粋に七咲の痛んだ髪の毛をサラサラにしたいだけなんだ!」

七咲「……何でそんなに必死なのかわかりませんが……嘘はついてないみたいですね」

七咲「お願いしますね、先輩?」

橘「う、うん!」

橘「まずはシャンプーしていいかな?」

七咲「はい、どうぞ?」

橘「痛かったり、むず痒かったら言ってね?」

ワシャワシャ

七咲「は、はぅっ!」ピクッ

橘「くすぐったかった?」

七咲「い、いえ……そういうっ!わけではない……んっ……ですがっ」

七咲(私、髪の毛洗われてるだけだよね!?)

橘「そっか。じゃあ続けるね」

七咲「んんっ……ふっ……せ、せんぱぁい……そ、そこ!」

橘「あ、ここ痒いの?」

七咲「ち、ちがっ……そうじゃなくて……そ、そこは……あっ……ふっ……はぁ……」フルフルッ

七咲「……あっ!」ビクンビクン……

橘「七咲?」

七咲「す、すみません!何でもないんです!」

橘「さて、シャンプーは終わったからトリートメントを……」

七咲「ま、待って!先輩!」

橘「うん?どうしたの?」

七咲「そ、その……優しくしてください!」

橘「それは勿論だよ?」

七咲「…………せ、先輩の……バカッ」ボソッ

橘「じゃあ、トリートメントするよー?」

七咲「は、はい!」

橘(僕の心……七咲の髪の毛をサラサラにしたいという想い!)

橘(七咲に届け!)

七咲「あっ!先輩、そ……そんな……!」

七咲「私……私っ……!」

ーーーーーーーー
ーーーー
ーー

七咲「サラサラだー!」

ファッサー……

橘「ふぅ……よかった、上手くいって」

七咲「そ、その……先輩?」

七咲「これからも時々でいいんでトリートメントしてもらってもいいですか!?」

橘「構わないよ?」

七咲「や、約束!約束しましたからね!?」

橘「う、うん」

七咲「わ、私は買い出しとか色々あるんでこれで失礼します!」

タタタタタッ……



橘「……サラサラになったのがそんなに嬉しかったのかな?」




田中「わーい!私もサラッサラだよ!」

橘「はぁ……」

橘「僕は無力だッ!」ドンッ!

梅原「ど、どうしちまったんだよ、大将!?」

橘「年下の引っ込みじあんな女の子を何とかしたい……!」

橘「髪型を変えてイメチェンでもして……自信を持たせてやりたい!」

橘「だけど……僕はハサミを持ったことがない!」

橘「そんな無力な自分が……悔しいッ!」

梅原「……あのさー、大将?」

梅原「大将のことだから、やってみたら意外とできるんじゃないか?」

田中「それもそうだよねー」

梅原「というかな、大将?無理に切らなくても今まで何人もイメチェンさせて……」

橘「うるさい!僕の向上心がそれを許さないんだ!」

田中「橘君……」

梅原「ええい!大将!俺の髪の毛を試しに切ってみろ!」

橘「う、梅原!?」

梅原「大将ならきっとできるはず!俺は信じてるぜ!?」

橘「……後悔することになるよ?」

梅原「男梅原!二言はないぜ!」

橘「そうか……わかった」

橘「じゃ、切ってみよっか☆」

田中「わーい!」

梅原「た、大将の馬鹿ー!もう学校にいけないよー!」

田中「ま、待って!私がいい感じに刈ってあげるからーっ!」

バタバタ……

橘「だから言ったんだ……」

橘「僕は無力だ……」

絢辻「それは違うわ、橘君」

橘「あ、絢辻さん!?」

絢辻「だって、梅原君は短髪だから……」

絢辻「ああなるのは切る前からわかってたことよ?」

橘「あ、それもそっか」

絢辻「まったく橘君ったら、そそっかしいんだから!」

橘「いやー、参っちゃうよね、ハハハッ」

森島「髪の毛を上手に切りたい?」

橘「は、はい!僕はどうしてもやらなきゃいけないんです!」

森島「ご、ごめんなさい!無力な先輩を許して!」

森島「さすがに私もそこまでは……」

橘「森島先輩……」

森島「あ、でも心構えと練習台の確保なら出来るよ?」

橘「え?」

森島「田中B!そこにいるのはわかってるのよ!?」

森島「素直に出てこないと牛乳を……」

田中B「わ、わかりました!私、田中Bです!れ、練習台になりますから!」

森島「よろしい」

橘「田中Bさん……」

橘「で、どうするんですか?」

森島「こうするんだけど」

森島「えーい!」

ズバスバッ

橘「も、森島先輩!?そんなハサミの入れ方したら!?」

田中B「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

橘「た、田中Bさんの髪型がっ!」

森島「何てことだ……何だか大変なことになっちゃったぞ!」

橘「……楽しそうですね、先輩」

森島「さて、橘君?」

森島「田中Bさんの運命はあなたにかかってるわよ」

森島「可愛くしてあげなさい!」

橘「そ、そんな!僕にはそんな技術は!」

森島「もう、バカッ!」

パシーン!

森島「あなたは今まで何を学んできたの!?」

森島「大切なのは……!」

橘「心!心なんだ!」

森島「そうよ!相手を可愛くしてやりたいという心!それがあればきっとできるわ!」

橘「そ、そうか……そうだよな!」

森島「それにね、橘君?」

森島「あなたには妄想エンジンと変態グラフィックボードが載ってるから」

森島「それのイメージ通りに切れれば、上手くいくわよ」

橘「そ、そうだった!僕は美容師じゃない!」

橘「変態紳士だ!」

橘「田中Bさん!今すぐ君を可愛くしてみせる!」

田中B「私、どんなことになっても橘君を恨まないから!」

橘「できた!」

森島「……つまんなーい!」

橘「えぇ!?」

森島「どっちに転んでも面白いと思ってたのに!」

森島「橘君ったら、普通に可愛く仕上げちゃうし!」

森島「ほら、あなたも鏡をみてみなさい?つまらないことになってるから」

田中B「こ、これが……私ですか!?」パァァァァァ……

田中B「橘君!ありがとう!」

田中B「私!このことは忘れないから!」

森島「……チッ」

田中B「ひ、ひぃ!」

田中B「わ、私はこれで……失礼します!」
タタタッ

森島「……橘君ったら罪作りな男!」

橘「わ、悪いの僕ですか!?」

橘「そんなこんなで髪の毛を切れるようになったぞ!」

橘「……ただし女の子限定でね!」

橘「さて……中多さんは……?」

中多「しぇ、しぇんぱい?」

橘「なんと奇遇な!」

中多「ひゃ、ひゃい!?」

橘「あ、あのさ!紗江ちゃん?」

中多「しぇ、しぇんぱい!あ……あの!私を……」

中多「か、変えてください!」

橘「わお!展開はやーい!」

橘「それで……紗江ちゃんはどうなりたいの?」

中多「わ、私は……み、美也ちゃんみたいに……はっきり喋れるようになりたいです!」

中多「それと……しぇんぱい好みの女に……////」

橘「……ふむ」

中多「」

橘「わかったよ、紗江ちゃん!」

橘「きっと君を変えてみせる!」

中多「お、お願いします!」

橘「燃え上がれ!僕の妄想力ッ!」

橘「……見えた!」

空白には適当な台詞いれてね!

俺「それで……紗江ちゃんはどうなりたいの?」

中多「わ、私は……み、美也ちゃんみたいに……はっきり喋れるようになりたいです!」

中多「それと……俺しゃん好みの女に……////」

俺「……ふむ」

中多「」

俺「わかったよ、紗江ちゃん!」

俺「きっと君を変えてみせる!」

中多「お、お願いします!」

俺「燃え上がれ!僕の妄想力ッ!」

俺「……見えた!」

橘「えーっと、ここをこう……」

チョキン

中多「…………」

橘「んでもって、ここを短く……」

パサッ

中多「…………」

橘「ここは軽くするんじでー」

シャッシャッ

中多(ど、どうしよう……しぇんぱいに髪の毛切ってもらうの気持ちいい……!)

中多(で、でも……こ、声を出したり動いたらしぇんぱい集中できないよね……)

中多(……がまんっ!)

橘「んー……ここが僕の妄想とは~」

ーーーー
ーー

橘「できたよ、紗江ちゃん」

橘「かなり短くしちゃったけど……気に入らなかったらごめんね?」

橘(美也と七咲の髪型を足して二で割ってさらに香苗さんを足したような、そんな髪型になっちゃったけど)

中多「先輩……凄くいいです!」

中多「何だか私、変われそうです!!」

中多「ありがとうございました!」

中多「美也ちゃんと逢ちゃんに見せてきます!」

タタタタッ


橘「わお!変わるの早い!」

俺「できたよ、紗江ちゃん」

俺「かなり短くしちゃったけど……気に入らなかったらごめんね?」

俺(美也と七咲の髪型を足して二で割ってさらに香苗さんを足したような、そんな髪型になっちゃったけど)

中多「俺先輩……凄くいいです!」

中多「何だか私、変われそうです!!」

中多「ありがとうございました!」

中多「美也ちゃんと逢ちゃんに見せてきます!」

タタタタッ


俺「わお!変わるの早い!」

田中B「私の出番だよ!」

絢辻「……モブは帰りなさい?」

田中B「そんな……酷いよ!」

棚町「あれ?この子って……」

梅原「田中Bさんというか……」

田中「え?田中Bさんは田中Bさんだよ?」

田中「隠れてないとダメだよ?」

田中B「ふ、フラグが!だって一通り……」

田中「田中は田中らしく日陰者で暮らすの!」

田中B「わ、私は田中じゃなくて上崎……」

田中「田中Bだよね!?」ドンッ

田中B「……はい、田中Bでした……」

田中B「帰ります……日陰に」

トボトボ

橘「な、何だったんだ……」

梅原「それでよー、大将?」

田中「次はどうするのかな?」

橘「……美容室で髪切った後ってマッサージしてもらうよね?」

絢辻「あー、肩凝るなぁ……最近忙しいからなぁ」チラチラッ

棚町「あざとい、あざとすぎる!」

橘「これには僕でもドン引きだよ!」

絢辻「な、なによ!?」

梅原「じゃあ、大将?次はマッサージか?」

橘「……違うよなぁ」

絢辻「残念……」

橘「他に何か……何かないのか!?」

梅原「他には……顔剃りとか?」

田中「パックもあるよね!」

橘「パック?あぁ……パック、パックか。えぇ、パック!?」

絢辻「そのホックの件を思い出したから、みたいな反応やめなさい!」

橘「それだ!パック!」

棚町「ど、どうしたのよ、あんた!」

橘「ちょっとお肌が曲がり角、な女性にパックしたい!」

梅原「ぶっ飛ばされるぞ……その発言」

絢辻「いいんじゃない?ちょうどいい年増もいるし?」

田中「あぁ、高橋先生ね!」

棚町「け、恵子!?」

森島「パック?」

橘「えぇ!パックです!」

森島「だってさぁ、ひびきちゃーん?」

塚原「……さすがにぶっ飛ばすわよ、はるか!?」

森島「そんなに怒ってると小皺が増えちゃうぞ~?」

塚原「!?」

塚原「も、もう!はるかが悪いんでしょ!?」

橘「まぁまぁ、塚原先輩」

森島「うーん、パックねぇ……」

森島「ひびきちゃんはツルッツルだから練習台としては不適よねぇ……」

森島「田中Bもツルツルだし……」

森島「ぶっつけ本番でいこう!」

橘「ですよね」

ちょっとwifiに繋げるんでid変えますよ

橘「た、高橋先生!!」

高橋「橘君?」

橘「今、お時間いただけますか?」

高橋「え、えぇ……構わないけど」

高橋「何か授業でわからないことがあった?それとも悩み?」

橘「どちらかといえば……悩みですね」

高橋「そう?じゃあ場所を変えようか」

橘(こ、ここまでは思惑通り!)

橘(僕……上手くやれるかなぁ?)

橘(いや、やるんだ!やるしかない!)

高橋「それで?どうしたの?」

橘「た、高橋先生!ぼ、僕は……!」

高橋(な、何!?この鬼気迫る感じ!?ただごとじゃないの!?)

橘「ぼ、僕は!高橋先生に……そ、その!」

高橋(ま、まさか!告白!告白されるの!?)

高橋(駄目よ、橘君!私達は教師と生徒!いくらなんでも越えられない壁が……!)

橘「高橋先生に!パックがしたいんです!」

高橋「だ、駄目よ橘君!いくらなんでも……えっ?」

橘「パックが!したいんです!」

高橋「え、えーと……どういうことなの?」

高橋「詳しく話して?」

橘「高橋先生は毎日僕のような不出来な生徒の相手をしてらっしゃり!」

橘「さらに!教師同士の付き合いでお疲れになっていると思います!」

橘「心身ともに疲弊した高橋先生から……せめて!せめて、お顔からだけでも疲労の色を取り除き!」

橘「僕らの美人教師、高橋麻耶に戻っていただきたいのです!」

高橋「橘君?……えーとね?」

高橋「何かよくわからないけど、私を気遣ってくれてるのよね?」

高橋「ありかだいんだけど……その、ねぇ?」

橘「ぼ、僕が高橋先生に出来ることは……パックくらいしかないんです!」

高橋「いやね?その……勉強ちゃんとして問題起こさなければいいだけなんだけど……」

橘「……なにそれ、つまんなーい」

高橋「た、橘君!?」

橘「……ではなくて!先生!」

高橋「わかった、わかったから!」

高橋「橘君?最近あなたが校内で美容師紛いのことをしているのは聞いてるわよ?」

高橋「それに……やたら腕がよくて、みんな綺麗になってるこも」

高橋「橘君?私を綺麗に……して貰えるかな?」

高橋「最近ね……疲れてるのは本当だし」

高橋「わ、私もあなたの魔法にかかりたい!」

橘「……高橋先生」

橘「僕に任せてください!」

橘「必ず綺麗にします!」

高橋「橘君……お願い!」

高橋「ふぅ……まさか生徒の前で化粧を落とすことになるとはね」

橘「すみません」

高橋「いいのよ。……予想より老けててびっくりした?」

橘「いえ……その……お綺麗ですよ?」

高橋「あ、あなたがいうとお世辞に聞こえないから質が悪いのよ!」

橘「お、お世辞になんがじゃ!」

高橋「まぁ、いいわ。それで、次は?」

橘「お顔の産毛を……剃らせていただきます!」

高橋「わかったわ」

橘「で、ではクリームを!」

打ち間違い酷すぎたね
お世辞なんかじゃ、だね
これまでの打ち間違いとか、シャルルの件とかごめんなさいでした

橘「ぬ、塗りますね」

ヌリヌリ

高橋「……手際いいのね?」

橘「……僕の師匠は大事なのは心だって言ってました」

橘「これはやり慣れてるから、とかではなくて……」

高橋「…………////」

橘「え、えーと!蒸しタオル!蒸しタオル載せますね!!」

橘(これくらいの温度ならちょうどいいかな?)

スッ……

高橋(あっ……温かくて気持ちいい……)

高橋(何だかリラックスしてきちゃったな)

高橋(……橘君、優しいんだ)

橘「う、産毛を剃りますけど……その!」

高橋「大丈夫よ!私は橘君を信じてる」

橘「で、では……」

橘(せ、先生の柔肌を傷つけないように……慎重に……慎重に!)

ショリ……ショリ……

高橋(剃刀の刃を通してもわかる……彼、緊張してるけど……)

高橋(絶対に私を傷つけない……そんな確信がある!)

橘「ふぅ!終わりました!」

高橋「ふふっ、お疲れ様!」

橘「そ、それは僕の台詞ですよ!?」

高橋「……それもそうね!」

橘「あ、もう一度蒸しタオル載せますから」

高橋「うん」

橘「パ、パック!します!」

高橋「ひ、ひゃっ!」ビクン

橘「す、すみません!くすぐったかったですか?」

高橋「ち、違うの……私が動いたら皺になっちゃうわよね、こちらこそごめんなさい」

高橋「……続けて?」

橘「は、はい!」

高橋「…………」

高橋(た、橘君の手で触られると何故か気持ちいい!)

高橋(産毛剃ってもらったから、敏感になってるのかな……?)

高橋(……生徒の前でみっともない姿をみせられないし、我慢!我慢よ、麻耶!)

ーーーーーーー
ーーーー
ーー

高橋「うわ~、すっごいスベスベ!」

高橋「……化粧のノリも凄いし」

高橋「……橘君、あなたは一体なんなの?」

高橋「美容師、本当に目指してみたら?」

橘「いや~、僕なんて趣味でやってるくらいがちょうどいいんですよ」

高橋「そうかな?私、橘君のいるお店なら毎週いっちゃうけど?」

橘「あ、ありがとうごさいます!」

高橋「こちらこそ、ありがとう……」

高橋「……橘君!」

~後日~

梅原「何か最近、麻耶ちゃん輝いてるよなぁ」

田中「若く見えるよね!」

絢辻「橘君……私も疲れが顔に出てると思うんだけど?」

棚町「あ、あたしもバイト最近多くてさ~!」

田中「ふ、二人とも!?」

梅原「……わかりやすすぎるぜ!」



橘「……本当に美容師目指そっかなぁ」


美也「にぃに!美也には何かないの!?」

橘「ない」

美也「えー!みんなやってもらってるじゃん!?」

橘「……美也、仮にだぞ?」

橘「これまでの流れを踏まえて、お前の出来が一番よかったら……僕はどうすればいい!?」

橘「キミキスか!?サヨナラしてきた!!なのか!?」

美也「そ、それを持ち出すのは反則だよ!」

橘「……だろ?」

橘「だから僕は美也には何もしない」

橘「何もしちゃいけないんだ……」

美也「にぃに……」

美也「……実験」

橘「え?」

美也「キミキスといえば『実験する?』だよ!」

橘「ふ、二見さんが何だっていうんだよ!?」

美也「みゃーがいいたいのは……」

美也「やってみなくちゃわからないでしょ!?ってこと!」

美也「やらずに決めつけるなんて、にぃにらしくないよ!!」

橘「み、美也……!!」

橘「いいのか?実験の結果が偉いことになっても?」

美也「もう!進歩に犠牲はつきものだよ、バカにぃに!」

美也「みゃーは……別にそれでもいいから」

美也「そのときはにぃにの好きにすればいい!」

橘「美也……わかったよ!」

橘「僕はやるよ!!」

美也「それでこそにぃにだよ!」

橘「美也はショートだし、特に痛んでもいないからシャンプーだけでいいな?」

美也「うん、いいよ」

橘「まずお湯で流すぞ」

シャー……

橘「湯加減大丈夫か?」

美也「……だ、だいじょっ……ぶだよっ」

美也(こ、これが逢ちゃんと紗江ちゃんの言ってたヤツか!)

橘「お湯だけである程度洗うからな?」

美也「あっ……うん!」

美也「んんーっ!あっ……ふっ……!」ジタバタ

橘「おいおい、暴れるなよ!」

美也「だ、だって!」

橘(そろそろいいかな……)

橘「美也、シャンプーするぞ」

美也「う、うん……いいよ、にぃに……」

美也「きて……?」

橘(えーっと、しっかり泡だてて)

ワシワシ

橘「美也?痒いところあるか?」

美也「あ、そ、そこ!そこが……んっ!いいな……?」

橘「ここか?」

美也「ち、ちがっ!そ、そこじゃなくて……」

橘「こっちか?」

美也「そ、そう!そこ!んんっ……にぃにぃ……」トローン

橘「……美也、気持ちいいのか?」

美也「う、うん……気持ちいいよぉ……」

橘「それはよかった」

美也「…………」ボーッ

橘「……美也、乾かし終わったぞ」

美也「ん、あぁ……もう終わりなの?」

橘「そ、そんなこと言われてもなぁ!?」

美也「……で、実験の結果はどうなの?」

橘「美也、僕はな……お前を……」

美也「……うん」

橘「ちゃんと妹として見れてたみたいだぞ?」

美也「……そ、そっか!そうだよね!」

美也「よかったー!にぃにが相原純一じゃなくて!」

橘「こ、こら!相原さんをあまり悪くいうもんじゃないぞ!」



美也(へへっ、ちょっと残念かな)

ちょっとおまけ

愛歌「私もかまえ」

橘「……わかりましたよ」

橘「ツインテールにでもしてみますね?」

橘「よいしょっと」

愛歌「んっ…….」

愛歌「……/////」

橘「出来ました!」

愛歌「橘」

愛歌「お前は凄い」

愛歌「私が太鼓判を押そう」

橘「は、はぁ……」

ちょっとおまけ2

夕月「橘ッ!!」

橘「先輩は……そうですね」

橘「分け目を変えてみましょう!」

橘「知ってます?心理学には分け目の話があってですね……」

夕月「………////」

橘「出来ましたよ?」

夕月「橘ッ!」

夕月「お前はな、その……何ていうか……ズルい男だな」

橘「え?あ、はい……すみません」




ちょっとおまけ4

橘「黒沢さんの髪の毛をいじろう!」

絢辻「やらせないわよ?」

橘「な、何で!?」

絢辻「私以外にはしないって……」

絢辻「誓約……してくれたじゃない////」

橘「アマガミSS+は好評放送中!」

絢辻「紳士なら見なさいよ?」

黒沢「あれ?私の出番は!?」

黒沢「絢辻詞!あんたには絶対に!」

黒沢「……勝てない、な」


ちょっとおまけ3

橘「香苗さんには僕からはできない!」

橘「梅原……お前がやるんだ!」

梅原「お、俺!?」

橘「……大事なのは心だ!」

梅原「お、おう!」

梅原「か、香苗さん!?あ、あのさ……」

香苗「ん?梅原?」

梅原「か、香苗さんの髪を……!」

香苗「いいよ?」ニコッ

梅原「や、やったぜ!!」

森島「うんうん、心ね!」


ちょっとおまけ5

蒔原「あれ?橘君?」

橘「ま、蒔原さん!?」

蒔原「その、ね?」

橘「田中Bから聞いたよ?」

蒔原「私……その……」

橘「いやー、ありがとう!」

橘「蒔原さんがいなかったら、アマガミ始まらなかったよ!」

橘「このっこのっ!」

ワシワシ!

蒔原「あ、あん!橘君!?」

橘「このっ!このっ!」

田中B「根に持ってるよね、やっぱり」


ちょっとおまけ6

縁「私の髪の毛どうかな?」

橘「あ、三つ編みにでもしてみます?」

キュッキュッ

縁「…………」

橘「ツヤツヤでいい髪の毛ですね」

橘「はい、できました!」

縁「橘君の、ありがとー!」

橘「いえいえー」



縁「す、凄かった……」

ちょっとおまけ7

橘「男はしらないよ!」

橘「だからここは田中Bに……」

橘「自己紹介してもらうよ!」

田中B「い、いいの!?」

田中B「どうも!田中Bこと上崎裡沙です!」

田中B「好きな物は橘純一!嫌いな物は牛乳だよ!」

田中B「わ、私に会いたい人はアマガミを全キャラクリアしてね!」

田中B「してくれないと……酷いよ?」

橘「田中BはアマガミSSにもで出てるから、面倒な人はそっちでね!」



こんなところですかね?

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