少女「お菓子をくれたら悪戯してもいいよっ」(82)

少女「うふふー」ニヤニヤ

男「お?」

少女「だからお菓子お菓子ー」ニヤニヤ

男「ああ、そうか、ハロウィンの季節かあ」

少女「うふふー」ニヤニヤ

男「じゃあほれ、カントリィマァムをやろう」ヒョイ

少女「うふ?」

少女「それだけ?」

男「それだけってお前、おれがお菓子たくさん持ち歩いてるように見えるのか?」

少女「そ、そうじゃなくってえ」

男「あと一個はおれの分なんだから」

男「おれもカントリィマァム好きなんだから」

少女「うぅ」

男「ほれ、紅茶かなんか買ってきてやるから、そこの公園で食おうぜ」

少女「う、うんっ」

男「ほれ、ミルクティー」ヒョイ

少女「あ、ありがとう」

男「あーあったけえ」

少女「それは珈琲?」

男「おう」

少女「珈琲って美味しい?」

男「お子様にはまだ早い味だな」

少女「む」

男「あと5年したら飲みな」

少女「むむぅ」

男「さ、カントリィマァム食おうぜ」

少女「う、うん」

男「これって田舎のオカンの味、みたいな意味なんだろうな」

少女「そうなの?」

男「カントリィって田舎ってことなんだよ」

少女「へえ」

男「マァムは、まあ、ママかな」

少女「詳しいね」

男「適当だよ」

少女「カントリィマァム好きだったっけ?」

男「ん? うん、普通に好き」

少女「……好きなんだ」

男「うん、好き」

少女「……」ドキドキ

男「あのさ、お菓子くれって言ってたわりにさ、衣装も特にねえんだな」

少女「あ、うん」

少女「なんかコスプレしてた方がよかったかな?」

男「コスプレって言うなよ」

少女「魔女っ子とか、可愛いね」

男「あー魔女ね」

少女「魔法少女の方が好き?」

男「うん、割と」

少女「……アニオタ」

男「……ソウダネ」

少女「否定しないんだ」

男「知ってるだろ」

少女「お母さんがね、去年トイレットペーパー体中に巻いてミイラのコスプレしてたよ」

男「……」

男「若いな」

少女「面白かったよー」

男「はは」

少女「今年はなにかなー」

男「毎年やってんの!?」

少女「うん、一昨年はゾンビだったよ」

男「……」

少女「紫とか茶色っぽいお化粧して、レバーを体中に」

男「いや、もうその話はよそう」

少女「……」ハムハム

男「……」モグモグ

少女「美味しい」

男「なんでこう、珈琲とあうかな」

男「なんでこう絶妙なのかな」

少女「オカンの味だからでしょ」

男「そうか」

少女「……」

男「……」

少女「ねえ、悪戯しないの?」

男「んぐっ」ブフォア

少女「してもいいよ? お菓子くれたから」

男「……」フキフキ

少女「ねえ?」

男「アホか」フキフキ

少女「真剣だよ?」

男「『悪戯』って言ってるじゃん」

少女「ん……それは……」

男「『悪戯』ってことは、ダメなことってことだろ」

少女「う」

男「自分でもわかってんだろ、それはダメなことって」

少女「……してほしいんだもん」

男「マセガキ」

少女「……ソウダネ」

男「否定しないんだ」

少女「……ふふっ」

男「……ふっ」

少女「真似すんなよー」

男「お前が先じゃん」

着地点は不明!
エロスの有無も不明!
ほのぼのが書きたいんです!

また明日です

こういういちゃラブはあんまり書いたことはありません
基本シリアスかほのぼのかSFです
たまにエロスです

今日も頑張ります

少女「なんで私、もうちょっと早く生まれなかったかなあ」

男「無茶言うなよ」

少女「そしたらガキ扱いされなかったのに」

男「もう5年の辛抱だよ」

少女「長いよ」

男「あっという間だよ」

少女「……あっという間だったの?」

男「光より早かった」

少女「うっそだー」

男「ほんとだよ」

少女「光って1秒で地球7周するんでしょ」

男「7周半」

少女「それより早いの?」

男「うん、もう深呼吸1回する間に小学校終わった感じ」

少女「えー」

男「鼻ほじってる間に中学校終わった」

少女「えー汚いー」

男「ケツ拭いてる間に高校も終わった」

少女「ぎゃあ! 汚い! 最低!」

少女「クラスの男子と言ってることが同レベル!」

男「はは、脳は止まったままなのかもね」

少女「身体は大人で?」

男「頭脳は子ども」

少女「役に立たないなー」

男「ははっ」

少女「早く追いつきたいなー」

男「無茶言うな」

少女「身体も止まっててよ」

男「もうおれの方は成長終わってるよ」

少女「……早く背、伸びたいなー」

男「牛乳いっぱい飲め」

少女「……あんまり好きじゃない」

男「ミルクティーは好きなくせに?」

少女「これは別物だもん」

男「へっへ、言い訳だなあ」

少女「ブロッコリーはいけるのにカリフラワー食べられないくせに」

男「くっ」

少女「いまだに好物はハンバーグのくせにっ」

男「……くっ」

少女「ふふん」

男「お前だってハンバーグ好きだろ?」

少女「好き」

男「……」

男「寒くない?」

少女「ちょっと寒いー」

男「上着貸そうか?」

少女「くっつく」ズイズイ

男「あ、そ」

少女「ちょっとぬくい」スリスリ

男「子どもの方が体温高いらしいけど?」

少女「ぬくいでしょ?」

男「うん、まあ」

男「もう帰るか?」

少女「まだお母さん帰ってきてないと思うなあ」

男「そっか」

少女「そっちも?」

男「うん、うちも親父はまだだと思うな」

少女「お仕事って、大変なんだね」

男「でももう暗いし、ゆっくり帰るか」

少女「うん」ギュ

男「今日はどっか遊びに行ってたのか?」

少女「うん、友だちんち」

男「なにして遊ぶんだ?」

少女「いろいろ」

少女「ゲームしたりテレビ見たり手紙書いたり」

男「へえ」

男「手紙って誰に?」

少女「友だち」

男「なあんだ」

少女「ほしい?」

男「ん? 別に……」

少女「じゃあ、明日書くねっ」

男「……うん」

少女「んー」ギュウ

男「寄り過ぎ、歩きにくいだろー」

少女「んんー」ギュウ

男「甘えん坊め」

少女「なんか、この匂い、好き」

男「恥ずかしいこと言うなよ」

少女「……」スンスン

男「嗅ぎすぎ」

少女「……」スンスンスンスン

男「おい」

少女「他の女の匂いはしないわね……」

男「どこで覚えたそんなセリフ」

少女「ドラマで」

男「マセガキめ」

少女「……」グイ

男「お?」

少女「……」

男「どうした、胸ぐら掴んで」

少女「おかしいな」

男「なにが?」

少女「ドラマだとこのポーズでうまいことチューしてたんだけど」

男「身長が足りない」

少女「なんでだろう」

男「身長が足りないの」

少女「……むむぅ、謎ね」

男「現実から目を背けるな」

また明日です
ハロウィンぽさがまったくなくなってる……

男「ほれ、行くぞ」

少女「うん」ギュ

男「……」

少女「……」

男「お、いい匂い」

少女「焼き魚かな?」

男「この時間は腹減る匂いがいっぱいで、好きだな」

少女「私もっ」

スタスタ

男「お? 親父?」

少女「あれ? お母さん?」

男「……」

少女「……」

男「邪魔しない方がいいかな」

少女「……仲、よさそうだね」

男「そりゃそうだろ」

少女「……」

男「うちに入ってったな」

少女「一緒に食べるのかな?」

ピルルルル

少女「あ、お母さんから」

ピッ

少女「もしもし?」

『あ、ねえねえ、私今帰って来たんだけど、あなたいつ帰ってくるの?』

少女「あ、えっと……」チラッ

男「……飯食いに行こうか」ボソッ

少女「あ、え、えっとね、お兄ちゃんとご飯食べて帰るから!」

『あら、そうなの? ご迷惑じゃないの?』

男「代わるわ」ヒョイ

少女「あ、うん」

男「あ、もしもしおばさん、こんばんは」

『あら、ご丁寧にどうもー』

『うちの子が、ごめんなさいねー』

男「いえいえ、とんでもない」

男「遅くならないうちに帰しますんで」

『いいのよいいのよー気にしないで』

少女「……」ドキドキ

ピッ

男「さ、なにが食いたい?」

少女「え、えっとえっと」

男「3……2……1……」

少女「は、ハンバーグ!!」

男「よし、決定」

少女「うふふー」

少女「お母さん、なんて?」

男「うちの親父と飯食うんだってさ」

少女「あ、やっぱりそうなんだ」

男「仲いいよなー」

少女「ね」

男「年離れてんのになあ」

少女「か、関係ないんじゃない? 年とか」

男「そうかな」

少女「そうだよー」

……

「いらっしゃいませー」

男「二人で」

「おタバコはお吸いになられますか?」

男「いえ、禁煙席で」

「はーい、ご案内しまーす」

少女「……」チラチラ

男「ん? どした? 行くぞ」

少女「あ、うん」

「ただ今ハロウィンキャンペーン中でして、こちらのハロウィンセットがお得となってます」

男「あ、えっと、僕はデミハンバーグセットで……」

少女「……」ウズウズ

男「そのハロウィンセットって?」

「こちらのセット内容と、お菓子セット、ジャックオランタン帽子がついてきます♪」

少女「……」チラッ

男「これがいいの?」

少女「……えっと……」ウズウズ

男「じゃ、これで」

「かしこまりました♪」

……

男「なんか遠慮してるのか?」

少女「ん……」

男「さっきも店先のこの帽子、見てたろ」

少女「だって……」

男「値段気にしてんのか?」

少女「う」

男「アホぉ」

少女「むむぅ」

……

少女「美味しそー♪」

男「ああ、腹減った」

少女「いただきまーす♪」

男「いただきます」

「失礼します、こちらハロウィンセットのお菓子と、帽子でございます♪」

少女「わ」

男「おお、可愛いな」

「以上でお揃いでしょうか?」

少女「はーい♪」

男「え? それかぶんの?」

少女「……ダメ?」

男「ん……室内だし食事中だし……」

少女「……」

男「いや、うん、今日は特別、許す」

少女「やたっ!」ニコニコ

男「……ふふっ」

少女「可愛い?」ニコニコ

男「うん、可愛い」

男「……帽子が」

少女「もー!」

男「うそうそ、両方可愛い」

少女「両方って? 帽子と、あとなに?」

男「……お前」

少女「うふふー」ニコニコ

男「……うまい」モグモグ

少女「ね、ハンバーグ美味しいね!」モグモグ

男「ソースついてる」フキフキ

少女「んむー」

男「全部食べられる?」

少女「うん」

男「ふう、満足」

少女「……」モグモグ

男「ゆっくり食べろよ」

少女「うん」モグモグ

男「……」

少女「ごちそうさまー♪」

男「珈琲でも飲むかなあ」

少女「さっき飲んだじゃん!」

男「食後は別なの」

少女「じゃあ私も別腹!」

男「ハロウィンセットもう一つ?」

少女「なんでやねん!」

男「デザート?」

少女「うん!」

少女「トリック・オア・トリート!」

男「は?」

少女「デザートを奢ってくれないと、お母さんに『お兄ちゃんに悪戯された』とチクります!」

男「シャレにならん!」

少女「ふふふ……デザートを奢るしかあるまい」ニヤニヤ

男「いや、まあ、そんなことしなくてもデザートくらいいいけど」

少女「ほんとに!?」

男「おう」

……

男「珈琲とパンプキンプリン一つずつ」

「かしこまりました♪」

少女「うふふー」

男「太るぞ」

少女「いっぱい食べて早く伸長伸ばしたいの!」

男「なんで?」

少女「内緒!」

男「なんで?」ニヤニヤ

少女「……内緒!」

……

男「プリン美味しい?」

少女「うん!」

少女「一口あげる!」

男「お、ありがと」

少女「はい、あーん」

男「……」

少女「あーん」

男「……」ハムッ

少女「美味しい?」

男「うん、なかなか」

少女「もう一口どーお?」

男「誘い方がいやらしい」

少女「じゃあこっちのプリン、食べる?」ムニッ

男「壁じゃん」

少女「壁じゃないし! 日々成長中だし!」

男「少なくともプリンではないな」

少女「すぐにプリンプリンになるし!」

男「言ってることが親父臭い」

ハロウィン中に終わらなかった……
風邪気味なので寝ます、また明日です

……

少女「ふぅ、満足ー♪」

男「あのさあ、さっき電話でさ、おれのこと『お兄ちゃん』って呼んだじゃん」

少女「あ……うん」

男「家ではおれのこと、兄ちゃんって呼んでんの?」

少女「うん……」

少女「嫌だった?」

男「いや、全然」

男「ていうかどうせ、来月にはほんとに兄妹になるんだし、それでいいんじゃね」

少女「そうだね……」

男「なに、お母さんが再婚するの、反対?」

少女「反対……じゃないよ」

男「じゃあ」

少女「お兄ちゃんは嫌じゃないの?」

男「全然」

男「母さんが死んでから、親父ずっと一人で大変だっただろうし」

男「おばさんはすっごくいい人だし、可愛い妹もできるし」

少女「……」

男「おれは素直に嬉しいぜ?」

少女「そっかー」

男「?」

少女「さ、お腹いっぱいになったし、帰ろ」

男「ん」

少女「外、寒いかなあ」

男「寒いだろな」

少女「トイレ行ってくるね」

男「おう」

少女「あ、間違えた、お花摘みに行ってきますわ♪ おほほ♪」

男「遅いよ」

……

少女「寒い」ギュ

男「だから言ったろ」

少女「……」ギュウ

男「……」

少女「……」

男「……なに考えてんの?」

少女「別に」

男「なんか、悩んでる顔」

少女「……」

男「当たりだ」

少女「……」

男「家に帰るまでに言える?」

少女「言わなきゃいけない?」

男「言いたくないなら聞かない」

少女「……聞いて」

男「おう」

少女「お母さん、再婚してほしくない」

男「やっぱ、それかあ」

少女「……」

男「どうして?」

少女「だって……」

少女「……」

男「?」



少女「兄妹になったら、結婚できないもん」

男「……は?」

少女「……」プルプル

男「あ、っちょ、泣くな! 泣くな!」

少女「……」プルプル

男「いや、今のは、ほら」

少女「おっきくなったら結婚してくれるって言ってくれたくせにっ」プルプル

男「違う違う、それを忘れてたわけじゃなくてだな」

少女「『は?』って言ったもん! 『は?』って!」グスグス

男「違う違う、だからさ……」



男「兄妹でも、血が繋がってなかったら結婚できるんだよ!」

少女「……え?」

男「だから、兄妹でも結婚できるの」

少女「……私たちも?」

男「うん」

少女「じゃあ、じゃあ!」

男「……お前の気が変わってなかったら、な」

少女「……」ニコッ

男「一瞬で泣きやんだな」

少女「嬉しくて」ニコニコ

男「そうかい」

男「ていうか、そんなことで悩んでたのか」

少女「そんなこととは失礼なっ」

男「おばさんに直接『再婚すんな』とか言ってねえだろうな」

少女「……う」

男「言ったのか」

少女「今日、謝る」

少女「それで、『結婚していいよ!』って言う」

男「うん、そうしろ」

少女「一緒にいて?」

男「……おれも?」

少女「うん」

男「……いいけど」

少女「心強いですわ♪」

男「さっきからそのお嬢様言葉はなんなの」

少女「……照れ隠しですわ♪」

男「可愛いなコイツ」

少女「結婚はしてくれるのに、私に悪戯してくれないの?」

男「それとこれとは話が別だろ」

少女「まだ小さいから?」

男「それもある」

少女「他には?」

男「……周りの目が痛い」

少女「そんなの気にしなくたって」

男「周りから見たら、単なる兄弟だよ」

少女「むぅ」

男「もしくは、変質者と被害少女」

少女「……」

少女「それはまずいよね」

男「まずいよな」

少女「お兄ちゃんが変質者扱いを受けるのはまずい」

男「お前が被害少女役なのはいいのか」

少女「喘ぎ声ならうまく出せるよ?」

男「なんでそんな練習してんだ馬鹿」

少女「アヘ顔もできるよ?」

男「全然興奮しない」

……

少女「まず私たちが家に入るでしょ?」

男「うむ」

少女「そうするとお母さんたちが『お帰り』って迎えてくれるでしょ?」

男「うむ」

少女「そして私がおもむろに、『結婚おめでとう! 祝福するよ!』って言うでしょ?」

男「うむ」

少女「そしたらお母さんたちも、『私たちも、あなたたちの結婚を祝福するわ♪』と言うでしょ?」

男「ちょっと待て」

少女「万事オッケー」

男「その返答はまったく期待できない」

少女「どうして?」

男「具体的な話にするな」

男「まだ結婚なんてずっと先だし、お前かおれが心変わりするかもしれないだろ?」

少女「私はしない」

男「……っ」

少女「お兄ちゃんはしちゃうの? 約束破っちゃうの?」

男「……しない……かな?」

少女「……うふふ♪ じゃあ問題ないねっ」

少女「よし、帰ろう」

男「どっちに?」

少女「どっちでもいいよ、隣じゃん」

男「まあそうだけど」

少女「悪戯はしてもらえなかったけど、ハッピーハロウィンだった♪」

男「そりゃよかった」

少女「トリック・オア・マリッジ!」

男「はい?」

少女「悪戯してくれないなら、結婚しなさい!」

男「……五年経ったらな」

少女「うふふ♪」


★おしまい★

あれ? エロくない……
なんか普通のSSになってしまいました


    ∧__∧
    ( ・ω・)   ありがとうございました
    ハ∨/^ヽ   またどこかで
   ノ::[三ノ :.、   http://hamham278.blog76.fc2.com/

   i)、_;|*く;  ノ
     |!: ::.".T~
     ハ、___|
"""~""""""~"""~"""~"


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