千早「プロデューサー」五十嵐「」ビクッ (89)



 早歩き  Demo Limited.
     Presented by 765Production
Takashi Igarashi

 1.早歩き 3:53

 2.Nice to meet you 4:04

 3.早歩き Off Voca 3:53

 4.Nice to meet you Off Vocal 4:04

 5.No track 1:03

 6.No track 1:03

 7.No track 1:03

 [8.ゆきぴょん音頭〜萩の月〜] 7:24



 ヅ——ヅ——ヅヅ——


『ほ、ホントに歌うんですかぁ……』

『う、うぅ〜……わ、わたし、恥ずかしすぎますぅ〜!』

『あ、あぅぅ! そそそれだけは許してくださいぃぃ〜!』

『うぅ……わ、わかりましたぁ!』


『……ぴょ、ぴょん! ぴょん! ぴょんぴょんぴょん!』

『ぴょんぴょんぴょんぴょん萩の月!』

『しっとりまろやか萩の月!』

『ぴょんぴょんぴょんぴょん萩の月!』

『幸せおいしい萩の月!』

『ぴょんぴょんぴょんぴょん萩の月!』

『思い出いっしょに萩の月!』

『ぴょんぴょんぴょんぴょん萩の月!』

『仙台銘菓萩の月!』

『ぴょんぴょんぴょんぴょん萩の月!』

『菓匠三全萩の月!』


 ヅ——ヅ——ヅヅ——



五十嵐「…………なんだこれ……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365080976



 765プロダクション——


 パンパパパン!


 「「「「おかえりなさーい! と、おめでとうー!」」」」


五十嵐「……えっ?」

千早「パーティー?」

雪歩「はわわ……」

社長「ふっふっふ!」

五十嵐「」ビクッ

社長「今日が何日か知っているかね、三人とも!?」

五十嵐「え……四月三日……ですよね?」

春香「はいっ! 四月三日です!」

五十嵐「」ビクッ

春香「わたし、天海春香! 誕生日ですよっ! 誕生日っっ!」

五十嵐「えっ、あっ……おめでとう」

社長「うむっ! そして、竜宮小町と早歩きのデビューシングルの発売日でもある!」

五十嵐「えっ?」

社長「そうだ! 突貫だよ突貫! どうにかねじ込むことができたよ!」

律子「ついでに言うと、そのデイリー速報がついさっき発表されたばかりですよ」

亜美「んっふっふ→、何位だと思う? がっちゃん!」

五十嵐「えっ? 10位?」

真美「ぶっぶ→!」

亜美「なんと!」

亜美真美「「2位と9位でした→!!」」


 パチパチパチパチ!



千早「と、トップテン入り……? 私たちのシングルが……!?」

春香「そうだよ、千早ちゃん! 小町が2位で早歩きが9位だよ!」

雪歩「す、すごいですぅ!

五十嵐「お、おめでとう」

伊織「ふん!」

五十嵐「」ビクッ

真「あぁ、伊織は1位じゃなくてすねてるんですよ」

美希「ま〜、ラルクが相手じゃしょうがないの〜」

伊織「ラルクはいいのよ、ラルクは! それより、やよいも祝ってあげなさいよね!」

響「もちろん、忘れてないぞ! やよいもすごいもんな!」

やよい「うっうー! ウィークリーチャート14位でしたーっ!」

五十嵐「えっ、すごい」

やよい「うっうー! お祝いのからあげおいしいですー!」グイグイ

五十嵐「ちょっ、なんで押し付けるの……」

やよい「長旅に疲れたプロデューサーさんに食べてほしいかなーって!」



社長「うむうむ、竜宮小町も早歩きもウィークリーで生き残っていけるといいねぇ!」

律子「本当ははやく一位がとりたいですけどね」

あずさ「まぁ〜、ラルクはしょうがありませんからね〜」

響「よぉ〜しっ! 一位は自分がとってやるからな!」

貴音「響……大変申し上げにくいのですが……」

響「なんだ?」

貴音「響の相手は、B'zです」

響「えっ……」

律子「あと、モーニング娘。といきものがかりね……」

美希「トップテン入りも難しいんじゃないかなって思うな」

響「うがぁーっ!」

小鳥「ま、まあまあ、響ちゃんはローカルバラエティのレギュラーが決まったし……」

響「そ、そうだぞ! 春香もバッチシ宣伝してくれたからな!」

春香「うん! 私と同じ事務所の我那覇響ちゃんの南国育ちをよろしくって!」

響「うぅ〜! 春香ぁ〜!」

春香「CMの入りと被ったけどね!」

響「うがぁぁぁぁぁ!!」



 ワーワーキャーキャー
 ヘッヘーイタダキー
 チョットマミワタシノメロンパンー
 アラアラー


「」モグモグ

「どうだい、五十嵐君?」

「えっ?」

「みんな、元気だろう?」

「……そっすね……でも」

「ん?」

「いえ……その……トップアイドルなんてって……だったら俺以外の人ほうが——」

「——五十嵐君」

「」ビクッ

「私は、君にトップアイドルを育ててくれとは言っていないよ」

「えっ……でも……」

「たしかに、トップアイドルを目指している子はいる。彼女たちの何人かもそうだろう」

「それなら……」

「……五十嵐君」

「……はい」

「私は家を作りたいのだよ」

「家……すか?」

「あぁ、誰もが必ず帰れる家だよ」

「……ここを、そうするんですか?」

「そのつもりだよ。みんないつか離れていくけれど、いつかまた戻ってこれる場所を作るんだ」

「……いいっすね、映画みたいで」

「もちろん、君にも帰ってきてほしい」

「えっ?」

「いつかまた、帰ってきてほしい。いや、帰ってきたいと思う……そういう場所を、君が作ってほしい」

「……」


 ワーワーキャーキャー
 ケーキタリマセーン
 ダイジョーブツクッテアルキャワッ
 ワーハルルンコケター
 アラアラー


「頼んだよ、プロデューサー」


恥ずかしながら戻ってまいりました。

五十嵐隆ライブ�生還�の一般発売は4/7です。

まただらだらやっていきますので、よろしくお願いします。

ラルクとB'zはしょうがない

千早に合う曲は生きたいよだと思ってます。



 765プロダクション——


 prrrrrr……ガチャ
 

「はい、765プロです」

「えぇ、はい……はい……え、えぇっ!?」

「はい! はい! 伝えておきます! よろしくお願いします!」

「はい! ありがとうございます。失礼します!」


 ガチャ


「……」

「う……」

「うっうーっ!」


 カンカンカンカン……


「」ハッ

「い、いけないいけない……」




 ガチャ


五十嵐「おはようございまーす……」

小鳥「お、おはようございます、五十嵐さん」

五十嵐「……どうかしました?」

小鳥「そ、そうだ! 五十嵐さん、来週月曜日のベストヒットTVから出演依頼がきたんですよ!」

五十嵐「えっ、すごいですね」

小鳥「はい! やよいちゃんのウィークリーと竜宮と早歩きのデイリーで、短い映像出演ですけど、決定しました!」

五十嵐「へぇ……」

小鳥「うぅっ……音楽番組から出演依頼が来るなんて初めてですよ……」

五十嵐「そうだったんですか」

小鳥「だって、今までランキングはほとんど20位前後でしたからね」

五十嵐「まあ、たしかに写真とかバラエティばっかりっすね」



小鳥「それで、どうしますか?」

五十嵐「えっ?」

小鳥「いちおう、プロデューサーから確認をとって折り返すということですので、五十嵐さんに決めてもらわないと」

五十嵐「えっ、そうなんすか……?」

小鳥「竜宮小町は律子さんですけど、そのほかの子たちは五十嵐さんがプロデューサーということになってますから、最終的な決定は五十嵐さんがするんですよ」

五十嵐「えぇ……そんなこと言われても……」

小鳥「まあ、そうですよね……ぶっちゃけたことを言ってしまえば、来る仕事は全部引き受けるくらいにはスケジュールは空いてますね」

五十嵐「もしかして……ボクが仕事をとってくるって……」

小鳥「……」

五十嵐「……ごめんなさい」

小鳥「すみません……」



小鳥「はい……はい……そうですね、全員空いてますね……それじゃあ、それぞれに再確認して、はい、わかりました。失礼しまーす」


 ピッ


五十嵐「すんません……」

小鳥「いえいえ、とりあえず律子さんからは最優先でって言われました。これから出演の子たちに電話しますけど、五十嵐さんにもお願いしていいですか?」

五十嵐「えっ……あ、うん、そう、ですね……電話くらいできるようにしといたほうがいいですよね」

小鳥「そ、そうですね。アイドルの子たちと連絡して慣れてもらえればって思います」

五十嵐「うん、あ、はい」

小鳥「あ、あの、かしこまられちゃうと逆に緊張しちゃいます……」

五十嵐「あ、そうすか……」

小鳥「はい、そうですね、まずは千早ちゃんと雪歩ちゃんにお願いしていいですか、これ二人の連絡先です。そこの電話使っていいですよ」

五十嵐「うん」



 ピポ、パ prrrrrr……ガチャ


千早『はい、如月です』

五十嵐「」ビクッ

千早『もしもし?』

五十嵐「あ、おはようございます」

千早『えっ? どなたでしょう?』

五十嵐「あ、五十嵐です」

千早『えっ? あ、プロデューサーですか?』

五十嵐「あ、うん」

千早『どうしたんですか? 今日の予定は午後のレッスンだけだったと思いますが』

五十嵐「えっと、音楽番組に出演が決まったので、それを——」

千早『ホントですか!?』

五十嵐「」ビクッ

千早『あ、す、すみません……音楽番組って……本当でしょうか?』

五十嵐「うん……ベストヒットTV、明日、収録になるから……出られる?」

千早『はいっ、問題ありません。ありがとうございます、プロデューサー』

五十嵐「あ、うん」



五十嵐「……はぁ」

小鳥「お疲れ様です。あと雪歩ちゃんですね」

五十嵐「あ、そうすね……あ」

小鳥「どうしました?」

五十嵐「電話……出てくれるかな?」

小鳥「あぁ……いえ、電話はたしかだいじょうぶだったはずですけど……社長とも電話では話していましたし」

五十嵐「あ、じゃあ……」


 ピポ、パ prrrrrr……


五十嵐「……」


 prrrrrr……


五十嵐「……」


 prrrrrr……


五十嵐「……」


 prrrrrr……


五十嵐「出ない……」

小鳥「そ、そうですか……い、いちおう私の携帯からもかけてみますね」

五十嵐「あ、お願いします」



小鳥「……出ませんね」

五十嵐「まだ、起きてないんですかね」

小鳥「いえ、雪歩ちゃんは起きていると思いますけど……メールしておきます」

五十嵐「電源切ってるのかな」

小鳥「いえ、なるべく切らないようにしてもらっているので、マナーモードかもしれませんね……あ、返信きました」

五十嵐「ホントすか?」

小鳥「はい、えっと……怖いけど出ますって」

五十嵐「あぁ、はい」

小鳥「雪歩ちゃん、いつもはちゃんと電話で返してくれるんですけど……」

五十嵐「電車の中とか」

小鳥「うーん……かもしれませんけど、今日は千早ちゃんと同じ午後ですから」



 正午頃——


 ガチャ


雪歩「おはようございますー……」

亜美「へっへ→ん! くらえがっちゃん、ミドリのコウラ!」

五十嵐「ちょっ……」

真「うそっ、あの距離生当て……」

真美「がっちゃん、負けたら交代だかんね→!」

五十嵐「あ、うん——あっ、落ちた」

貴音「面妖な……」

雪歩「……」

真美「あ、ゆきぴょんおはよ→う!」

雪歩「う、うん、おはよう……」

真「ん、どうしたの、雪歩?」

貴音「すこし顔色が悪いようですが?」

雪歩「え、そ、そう? なんにもないけど……」

五十嵐「あ、おはよう」

雪歩「はひっ! お、おおおおはよよございままま——……」ドガッガンガン

真「ちょ、ちょっと雪歩!」

貴音「いろいろ壊しすぎです……!」

雪歩「ひぃぃ! ごめんなさいぃぃ!」ドガバキッ



 ユキホーユキホー
 アナホッテウマッテマスゥー
 メンヨウナッ


五十嵐「……」

亜美「よっしゃ→! ゴォ→ルッ!」

五十嵐「あっ」

真美「はいはい! がっちゃんこうかーん!」

五十嵐「あ、うん」

真美「よぉーっし! 真美の華麗なドリフトを……ってがっちゃんどこ行くのさーっ!」

五十嵐「あ、ごめん」テクテク

真「あ、五十嵐さん!?」

雪歩「ふぇぇ! ふぇぇぇ!」

五十嵐「だいじょうぶ?」

雪歩「はひっ!? ひぃやぁぁぁぁっ!」ブンブン

五十嵐「ど、どうしたの?」

雪歩「な、なんでもないですぅぅぅぅ! 穴掘って埋まってますぅぅぅぅぅ!」

貴音「ご安心を、すこっぷはわたくしが確保しております」

真「いや、それ置いてボクを手伝ってほしいんだけど……雪歩、落ち着いてってば」

雪歩「はぅぅ、はぅぅ……」



五十嵐「あの……」

雪歩「ひっ!」

五十嵐「」ビクッ

雪歩「あ、ご、ごめんなさい、プロデューサーさん……あ、あのプロデューサーさんが悪いわけじゃないです……あぅ、あぅぅ……うぇぇぇぇ……!」

真「え、ど、どうしたの、雪歩!? 泣いてるの!?」

雪歩「ごめんなさっ、ごめんなさいぃ……」

貴音「ひとまず……奥で休みましょうかプロデューサー殿はしばしお待ちを」

五十嵐「え、うん……」

雪歩「ひっくひっく……」

五十嵐「……」

真「ご、ごめんなさい、五十嵐さん」

五十嵐「うん」



亜美「がっちゃん、ゆきぴょん泣かしたのー?」

真美「いけないんだー!」

五十嵐「えっ、いや……」

亜美「んっふっふー、オンナを泣かせるなんてがっちゃんもなかなか罪な男ですなぁ」

真美「ぎるてぃですなぁ」

五十嵐「えぇ」



真「あ、五十嵐さん」

五十嵐「あ、うん」

真「えっと、雪歩なんですけど……あ、えと……んーと……」

五十嵐「……言いにくいなら、いいけど」

真「あ、ごめんなさい。えっと……そうですね、ちょっと……一応、落ち着いたんで」

五十嵐「そう」

真「ごめんなさい。でも、えっと、雪歩個人のことなので、えっと、解決できると思います!」

五十嵐「そう」

真「あ、そうだ! 五十嵐さん、ボクのレッスン見てもらっていいですか!? ボク、この前のやつからちょっとタンバリンにハマっちゃって——」


五十嵐(…………)



 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆
  Bad Communication!!
 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆


 〜五十嵐のテンションが下がった〜


アカン、五十嵐が電話スキル身に着けてまう


エレ速でまとめられたの見たらツイートつきまくっててファッ!?ってなりました。

みんな五十嵐たまってたんだなぁ……

明日の10時からチケット一般発売開始です。

自分は10時始業です。




 Best Hit TV——


『先週のランキングで週間14位に入った高槻やよい、さらに今週デビューし、ともにトップテン入りを果たしたユニット�竜宮小町�と�早歩き�——彼女たちが所属する765プロダクションのスペシャルインタビューが届いています』


 ——


伊織「Best Hit TVをご覧のの皆さま、こんばんは。765プロダクションです」

亜美「やっほ→!」

あずさ「こんばんは〜」

伊織「竜宮小町のデビューシングルトップテン入り、ありがとうございます。まさかこれほど応援してくれる人がいるなんて思わなくて、私、ちょっと戸惑っています……」

亜美「いおりーん、何言っちゃってんの→」

伊織「えっ?」

亜美「さっきまでこのわたしのユニットなんだからぁ〜、売れるに決まってんでしょぉ! とか言ってたくせにぃ」

伊織「ちょっと! 何言ってんの——ゴホン! 何言ってるの、亜美ちゃん、私は——」

亜美「取り繕うったって、そうはいきませんぞ、いおりん殿ぉ。ほぉれこうしてやるぅ!」

伊織「ひっ——あ、あひゃ、あははふふっ! ちょっ、やめなさ——」

あずさ「あらあら〜」

亜美「ほれほれ、えぇのんか? ここがえぇのんかぁ〜?」

伊織「ぐぉら! このバカチンが! やめんかボケェ!」

亜美「ほぉ→ら本性出たぁ!」

伊織「——ッ! え、えっと、今のはカットで! カットでお願いします!」

あずさ「あらあら〜、もう千早ちゃんたちの番ですか?」

伊織「えっ!? ちょっと! ちょっとちょっと!」

あずさ「竜宮小町をよろしくお願いしますねぇ〜」

亜美「いっぱい応援してねぇ→!」

伊織「ちょっと! カットよ! カット! 絶対ダメなんだからぁーっ!」


 ——



 ——


千早「Best Hit TVをご覧のみなさん、いつも応援ありがとうございます」

やよい「765プロダクションでーっす!」

雪歩「で、でーす!」

千早「私と萩原さんのユニット、早歩きのデビューシングルのランクイン、ありがとうございます」

やよい「うっうー! わたしのキラメキラリもありがとうございまーっす!」

雪歩「ま、まーす!」

千早「デビューしてから4カ月、ようやくこのようなテレビの場で歌えることを心より待っていました。この後の収録でもせいいっぱい歌わせていただきたいと——」

雪歩「えっ、千早ちゃん、今日は歌の収録はないよ?」

千早「えっ? この後番組で歌うんじゃ……」

やよい「今回はこのビデオだけですよ!」

千早「そ、そうなんですか? 私てっきり……そんな……」

雪歩「え、えっと、これからもがんばりますので……」

やよい「よろしくおねがいしまーっす!」


 ——


『元気いっぱいの765プロダクション、これからの活躍に期待ですね!』

『さて、CMの後は超スペシャルゲスト! なんと961プロダクションからデビューする新生アイドルユニット!』

『�JUPITER�のお披露目ライブです!』



五十嵐「えっ……?」



  Alice or Guilty Vo.JUPITER


伊織「どっ! どどどどういうことなのよ! これはっ!?」

あずさ「あらあら……」

律子「新聞にも私たちの事前資料にも載ってないわ……」

亜美「これじゃあ亜美たちまるでベンザじゃん!」

千早「私たちを踏み台にしたということですか……?」

律子「たしかに961プロは多少強引なやり口で売ってきたところはあったけど……」


 ガチャ


雪歩「……もどりましたぁ」

亜美「あ、ゆきぽーん! 酷いんだよ!」

雪歩「えっ……あっ?」


 カシャン


亜美「あ、ケータイ落しちゃった? ごめんね」ヒョイ

雪歩「だ、ダメッ!」バッ

亜美「いっ」

雪歩「あ、ご、ごめんね、亜美ちゃん……」

亜美「あ、いや、いいよ、ごめんね、ゆきぴょん」

雪歩「う、うん……こちらこそ……」


五十嵐「……?」

チケットかえませんでした、しのう


 日刊アイドル——

 『鮮烈デビュー! JUPITERの秘密に迫る!!

  Best Hit TVで衝撃的なデビューを飾った961プロダクションの新ユニット�JUPITER�
  異色の男性アイドルユニットの情報は一日で駆け抜け、新宿渋谷などでは既に巨大な広告が立てられている。
  「トップアイドルを女の子だけにやらせるわけにはいかないじゃないですか」
   黒井社長自らがマネージメントしているという三人のイケメンが目指すのはもちろん、アイドルアルティメイトの制覇だろう』



あずさ「プロデューサーさ〜ん、こちらですよぉ〜」

五十嵐「……ッ」ゼェ、ゼェ

あずさ「ごめんなさい、私……また道に迷ってしまってプロデューサーさんにご迷惑を……」

五十嵐「あ、あぁ、うん……」ゼェ、ゼェ

あずさ「いつもは律子さんに迎えにきてもらっているのですけれど……」

五十嵐「あ、秋月さんならもうスタジオ入りしてるから」ゼハ、ゼハ

あずさ「本当に申し訳ありません〜」

五十嵐「……ところで、どうして最初は東京タワーにいたのに、雷門の前に来てるんですか?」

あずさ「それが……風船を放してしまった女の子に代わりの風船を探してあげていたら〜」

五十嵐「そ、そうすか……」

あずさ「ごめんなさい……」

五十嵐「まあ、行きましょう……」




 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆
  Nomal Communication!!
 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆


 〜五十嵐のテンションが複雑になった〜



 TVスタジオ——


千早「納得がいきません! どうして歌わせてもらえないんですか!?」

D「だから、さっき説明したでしょうが!」

千早「ふざけないでください!」

D「ふざけてんのはそっちだろうが!」

律子「千早! ふ、二人ともまず落ち着いてください……!」

雪歩「あぅ、あぅぅ……」



五十嵐「……どうしたの?」

亜美「おっ、がっちゃん」

伊織「アンタ、ちゃんとあずさ連れてきたでしょうね?」

五十嵐「あ、うん」

あずさ「ごめんなさい、二人とも」

五十嵐「それで、どうしたの?」

伊織「えっと、今日、生放送じゃない?」

五十嵐「うん」

伊織「それで、ついさっき千早たちのリハーサルが終わったんだけど」

五十嵐「うん」

伊織「あのディレクターが、どうせ今日は歌は使わないってことを言ったのを、千早が聞いたみたいなの」

五十嵐「歌を使わない?」

伊織「早い話が、口パクよ」

五十嵐「……あぁ」



伊織「それで、千早がまあ、あんな感じに喰らいついてるってワケよ」

五十嵐「そっか……」

千早「プロデューサー!!」

五十嵐「」ビクッ

千早「私は、今日こそ歌えると聞いてきたんです! それなのに……!」

D「アンタがプロデューサーかい!? 如月さんどうにかしてくれませんか!」

五十嵐「え、えっと……」

千早「歌うためにコンディションは調えてきました! 私の歌をようやく聴いてもらえると思って——」

D「こっちは生放送ですよ! アイドルの歌なんて危なっかしくて流せる訳ないじゃないですか!」

千早「アイドルの歌なんてって……! わたしは失敗なんてしません!」

D「そんなこと言われたってどっかの歌手だって生で音程ズレまくってんですよ! ましてや初出演のアイドルが出来る訳ないでしょう!」

五十嵐「えっと……如月さんはすごく歌うまいですし……」

D「歌がうまいなんてのはゴマンといますでしょう! でも生で歌えない人もいるんですよ! 本番になって歌えませんなんてシャレにならないんですよ!」

千早「わ、私は——」

D「そんなこと言ってもなんてパターンだっていくらでもあるって言ってんでしょ! とにかく、歌ってはもらいますが、流すのはCDですからね!」

五十嵐「……」

千早「……くっ」



千早「……」

五十嵐「……」

千早「プロデューサー」

五十嵐「」ビクッ

千早「私は、いつ歌わせてもらえるんでしょうか……」

五十嵐「……ごめん」

千早「……いえ」

五十嵐「……」

千早「私の方こそ……すみません」

五十嵐「……うん」



雪歩「……」

亜美「ゆーきぴょん!」

雪歩「はひぃ!?」

亜美「ゆきぴょん、最近ケータイ見てるけど、どうしたの?」

雪歩「なっ、なんにもないよ! ないない!」

亜美「ホントにー? もしかして彼氏ぃ?」

雪歩「ち、違う! 違うよ!」

亜美「んっふっふ→、ゆきぴょんも隅におけませんなぁ」

雪歩「そんなことないよぉ!」


五十嵐「……」



 765プロダクション——


 ガチャ バタン


五十嵐「……」

美希「プロデューサーさん」

五十嵐「」ビクッ

美希「どうしたの?」

五十嵐「え、いや、なんでもないけど……」

美希「ふぅん。あのね、ミキ、これに出たいなぁって思うの」

五十嵐「なに……? 雑誌?」

美希「うん、ハイティーンってプロデューサーさん、知らない?」

五十嵐「う、うん」

美希「んとね、デビルックコンテストって言って、小悪魔な感じの子を選ぶコンテストなの」

五十嵐「へぇ」

美希「このブランドさん、ミキ好きなんだ。ね、いいよね?」

五十嵐「ま、待って、スケジュール見て……」

美希「スケジュールはもう小鳥に見てもらったの! あとはプロデューサーさんの許可だけなの!」

五十嵐「それなら、いいけど……」

美希「やったぁ!」



 コンテストスタジオ——


五十嵐「意外と小さいね、会場」

美希「うん、今日は一次審査で次が本選になるから」

五十嵐「そうなんだ」

美希「えっとね、本選に残れるのが五人で、いちおうそれが全員合格って扱いなの。で、あとはその五人でセンターを争うって感じかな」

五十嵐「へぇ」

美希「ねぇねぇ、ミキ、イチバンになれると思う?」

五十嵐「……なれると思う、かな」

美希「ふぅん……」


 「あーっ! ミキ先輩だぁ!」


五十嵐「」ビクッ

美希「あっ、翼ちゃんなの」

五十嵐「知ってる子?」

美希「うん、前にモデルの仕事でお友達になったの」



翼「こんにちはっ! 伊吹翼でーっす! このたび、グレェ事務所からデビューさせていただくことになりました!」

美希「あはっ☆ 翼ちゃんもついにデビューするんだね!」

翼「はいっ! わたし、先輩に負けないようにがんばります!」

Gマネ「翼ちゃーん、そろそろ準備入るよー」

翼「あ、はーいっ! それじゃ、今日はよろしくお願いしますね、先輩!」

美希「うんっ!」

翼「失礼しまーす!」タタタッ

美希「ふふっ」

五十嵐「……?」

美希「ミキね、翼ちゃんに先輩って呼ばれるとなんかくすぐったくなっちゃうの。ちょっとオトナな感じ?」

五十嵐「そっか、あ、もう星井さんも準備したほうがいいんじゃない?」

美希「うんっ! 翼ちゃんに負けないようにがんばるの!」



 ——ふるふるフューチャー Vo&Da:星井美希


美希「ありがとうございますなの! あはっ☆」

審査「ありがとうございます。星井さん、ダンス変えましたね」

美希「うん、そうなの! ソコに気付いてくれてうれしーの!」

審査「正直なところ、星井さんが出るって聞いて、参加を断ろうかと思われてたんですよね」

美希「えぇっ! どうして!?」

審査「やっぱり、ちょっとレベルが違いすぎますよって」

美希「あはっ☆ 審査員さんったらお口が上手なの! でも、そう言ってくれてミキもうれしいの!」


五十嵐(すごいなぁ、プレッシャーとかまったく感じてないのかな……)



美希「おまたせなの! プロデューサーさん、ミキどうだった?」

五十嵐「すごかった、うん」

美希「あはっ☆ キラキラしてた?」

五十嵐「うん」

美希「ブイ☆ なの! あ、次は翼ちゃんなの!」


翼「グレェ事務所の伊吹翼です! よろしくお願いしまーっす!」

審査「おっ、元気いいですね。今日がデビュー初オーディションと聞きましたが?」

翼「はいっ! でも、ミキ先輩も出てるから、すっごく頑張らなきゃってはりきってます!」

審査「へぇ、じゃあ曲もやっぱり星井さんと同じ?」

翼「いいえっ! TMRevolutionさんの曲です!」



五十嵐(えぇ……?)



 ——魔弾〜Der Freischutz〜 Vo&Da.伊吹翼


美希「……っ!」

五十嵐「星井さん?」

美希「……!!」

五十嵐「どうしたの?」

美希「——!? な、なんでもないの、プロデューサー、さん」



翼「ありがとーございまーっす! あ、せんぱーい!」

美希「ッ!」

翼「うまくできましたっ! イェイッ!」

美希「う、うん、すごかったの」

翼「はいっ! あ、そうだミキ先輩、明日って予定ありますか? すっごくかわいいショップ見つけたんですよ〜!」

美希「えっと……ちょっとダメなの」

翼「え〜っ! そうですかぁ、残念……あ、それじゃあ明後日とかいつでもいいので空いてる日って——」

美希「——あのね」

翼「はい! なんですか?」

美希「その……翼ちゃんとはもう事務所ちがうから、あんまりおしゃべりしてたら怒られちゃうと思うな……」

翼「えぇ〜っ! そうだったんですかぁ〜!? ごめんなさい、わたし、まだルールとかよくわかってなくて……」

美希「う、うん……あ、美希もう次のスケジュールあるから、ね、プロデューサーさん?」

五十嵐「えっ?」

美希「ほら、いこ」

五十嵐「え、う、うん」

翼「おつかれさまで〜す! また会いましょうね〜!」



五十嵐「どうしたの?」

美希「……わかんないの」

五十嵐「えっ?」

美希「オーディションの翼ちゃん見てたら、なんだか、ミキの大事なものなくなっちゃいそうな気がしたの……」

五十嵐「……」

美希「……ミキ、翼ちゃんが読モだった時にいっしょに並んでお仕事するの楽しいって思ってたのに、翼ちゃんがアイドルになるって聞いて……」

五十嵐「……」

美希「……ミキね、ショーブとかアラソイゴトとかキライって思ってたの、ミキはミキだし、翼ちゃんは翼ちゃんなの。でも——」

五十嵐「……」

美希「——翼ちゃんにイチバンは渡したくないの」



 765プロダクション——


五十嵐「ただいまもどりました……」

美希「ただいまなのっ」

春香「あ、プロデューサーさんと美希! おかえりなさーい!


 「「「「おかえりなさーい!」」」」


五十嵐「あ、うん」

やよい「うっうー! プロデューサーさん! 響さんのCDが届いてたんですよーっ!」グイグイ

五十嵐「えっ、あ、ちょっ……聴くからイヤホン押し付けないで……」

響「自分、完璧だからな! B'z倒すんだぞ!」

五十嵐「……うん」

響「なんでそんなに弱気なのさーっ!」



春香「ねぇねぇ美希、コンテストどうだった?」

美希「あ、うん……あのね、春香はこの後レッスンあるよね?」

春香「うん、どうしたの?」

美希「ミキも行くの」


 「「「「——えっ!?」」」」


千早「み、美希が自分から……」

律子「レッスンに……?」

伊織「だ、だいじょうぶ!? 熱でもあるんじゃないの!?」

美希「熱と言えば熱なの、でこちゃん。ミキ、今すごく練習したい気分なんだ。いこっ、春香」

春香「えっ、う、うん。お、お先に失礼しまーす!」


 タタッ ガチャ バタン



律子「五十嵐さん、どうやったんですか、いったい……美希が自分からレッスンを受けたいだなんて……」

五十嵐「いや、ボクは何も……」

真「まあ、美希がやる気になってくれるのはいいことなんだけど……」

響「……ぐすっ」

亜美「おや、ひびきんどうしたの?」

貴音「響は自分のCDの話題を一瞬で持って行かれたことに泣いているのですよ」

響「うわーん!」

あずさ「あらあら〜」


五十嵐「……あれ、萩原さんは?」

小鳥「雪歩ちゃんは今日はおやすみですよ」

五十嵐「……そうすか」


正直なことを言うと、
スロマス>ぷちます>>ゼノマス>>>アニマス
なんですよ

スロからアイマス知ったんで、メイン13人に特別好きな子っていないんですよ。
みんな平等に期待値低いし

そんな中、グリマス発表で見た伊吹翼ちゃんがかわいい。これもうかわいい。

ということで、ミッキー&翼がんばりまーす。



 765プロダクション——


小鳥「美希ちゃんの後輩の読モですかぁ……」

五十嵐「そうすね」

小鳥「美希ちゃんを焦らせるほどの女の子ですかぁ、たしかに、ちょっと怖いですね」

五十嵐「そうなんすか?」

小鳥「だって、美希ちゃんでさえ女の子にとっては怖いんですよ。あんなおばけみたいにかわいくて自信満々な子、怖いに決まってるじゃないですか」

五十嵐「……そうすね」


 ガチャ


五十嵐「」ビクッ

小鳥「あら、誰かしら?」

美希「……小鳥なの?」

小鳥「あら、美希ちゃん、今日は早いのね」

美希「う、うん、ミキ、早く目がさめちゃったの」ガサ

小鳥「うんと……あら、今日美希ちゃんお仕事ないわよ」

美希「え、そ、そうなの? ミキ、ぜんぜんきづかないできちゃったの……」ガサゴソ

小鳥「美希ちゃん、なにか探し物?」

美希「えっ? ぜんぜん、ぜんぜん探してなんかないの」

小鳥「そう?」

美希「うん…………ミキ、お出かけしてくるの」

小鳥「あらどうしたの?」

美希「う、うんと……おにぎり買ってくるの!」


 タタタッ ガチャ バタン


小鳥「……? どうしたのかしら?」

五十嵐「……さぁ」



 765プロダクション——


貴音「こうして地球は核の炎に包まれたのでした……めでたしめでたし」

真「全然めでたくないよ! なにその絵本!」

貴音「はて、そう言われましても……これを朗読してくれとでぃれくたぁ殿に……」

真「うわー、なんだそれー……」

五十嵐「……」ポリポリ

小鳥「……」パリパリ


 ガチャ


美希「おはようなの!」

小鳥「あ、美希ちゃんおはよう……あら?」

五十嵐「……?」

真「あれ? 美希、ヘアースタイル変えた?」

美希「あはっ☆ そうなの!」

真「へぇ、なんかちょっと貴音にも似てるね」

美希「うん! ミキ的に、これがかわいいって思うの!」

貴音「ふふ、そう言われると少し照れてしまいますね」

美希「今日の本番、これでミキは優勝するんだ!」

真「そっか、今日がコンテストの本選だよね。生放送だから事務所で見てるよ」

美希「うん! ほら、プロデューサーさん、いこっ!」

五十嵐「えっ、まだ時間じゃないけど……」

美希「いいから!」



 コンテスト会場——


五十嵐「……っ……!」ゼェゼェ

美希「プロデューサーさん、だらしないの。ちょっと歩いただけなのに」

五十嵐「……」ゴクゴク

美希「ミキ、もう控室に入るから、待っててなの!」

五十嵐「……」


 アハハー デモサー
 エー ウソー


五十嵐「……かえりたい」



『レディースエンドジェントルメン! アイムレッサー!』

『今日は渚の衝動出版ハイティーンのデビルックコンテストの模様を生中継でお届けします!』

『さぁ、まずは予選を勝ち残った5人の小悪魔ガールズたちを紹介しましょう!』


 ——

 ——

 ——


『さぁ、お次は4人目! 読モで赤マル急上昇! アイドルデビューで衝撃の予選2位! 伊吹翼ちゃんだー!!』


 \ワァァァァァァァァ!!/


翼「はーいっ! 伊吹翼っ、がんばりまーっす!」


 ツバサチャーン

 ケッコンシテー

 ソクハボシテー


『翼ちゃん、今日の意気込みはどうかな!?』

翼「はいっ! がんばりまーっす!!」

『入りとコメントおんなじだねぇー!』



『さぁ、お待たせしました!』


 \ウワァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!/


『デビルックコンテスト予選1位通過のアイドル!』


 \キャァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!/


『今やティーンファッションには欠かせない! 765プロ、星井美希ぃぃぃ!!』


 \キィャァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!/


美希「あはっ☆ みんなだいすきなの〜」


 \ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!/



五十嵐「……こわっ」



『さぁ、だるま落とし、お膳跳び箱、帯引きグルグル、お座敷ボウリングとアピールバトルをしていただきました!』

『そして先ほどのお座敷ロデオで得点差はなんと翼ちゃんが美希ちゃんを上回りました!』

『ラストバトルはもちろん、ライブアピールです! もちろん、アピール次第ではほかの三人にも可能性はあります! がんばっていきましょう!』


 ——

 ——

 ——


『さぁ、それでは現在2位の美希ちゃん。翼ちゃんに先輩パワー見せつけちゃいますか?』

美希「ミキ、いっぱいがんばるからね!」


 \ウボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!/


『それでは曲名をお願いします!』

美希「はいなの!」

『やっぱり、ふるふるフューチャーですか?』

美希「んーん、響の�TRIAL DANCE�って曲なの!」



五十嵐「……えっ?」


 ヴーッ ヴーッ


五十嵐「」ビクッ



 ヴーッ ヴーッ ダダッ ガチャ バタン


五十嵐「は、はい……」

律子『ちょっと! どういうことですか、五十嵐さん!!』

五十嵐「え、えっと……」

律子『響の曲は明日発売ですよ! それを今、美希が歌っちゃったら……!』

五十嵐「えっと……」

律子『……聞かされてないんですよね?』

五十嵐「えっ……?」

律子『どうせ、美希が悪知恵働かせたんでしょう……はぁ……』

五十嵐「……」

律子『はぁ……あの子には困ったものね……』

五十嵐「……」チッ


 ピッ ガチャ 




 ——TRIAL DANCE Vo&Da:星井美希



美希「——あはっ☆」


 \ウボァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!/


五十嵐「……」


『いやぁ〜、すごいライブでしたねぇ!』

美希「アンコールの準備はできてるの☆」


『さぁ、現在1位の翼ちゃんはどうかな?』

翼「やっぱり先輩はすごいです〜っ! でも、わたしも負けませんよ〜!」

『おぉ! やる気満々ですね! それでは曲名をお願いします!』

翼「はいっ! TMRevolutionさんで�THUNDER BIRD�!」



 ——THUNDER BIRD Vo&Da:伊吹翼


五十嵐「……」



 コンテスト会場 外——


美希「……」

五十嵐「……」

美希「……プロデューサーさん」

五十嵐「……うん」

美希「……ミキ、負けちゃったね」

五十嵐「……うん」

美希「……響に、謝らないといけないの」

五十嵐「……あ、雨」

美希「ホントだ……」

五十嵐「……折り畳み傘、持たされてたから」

美希「うん……あ、プロデューサーさん、先に帰ってていいよ」

五十嵐「えっ?」

美希「荷物、先に持ってってほしいの」

五十嵐「あっ、えっ?」

美希「じゃあね」

五十嵐「……」



 765プロダクション——


 カンカンカン ガチャ


小鳥「あ、五十嵐さん」

五十嵐「あ、うん」

小鳥「あ、あれ、美希ちゃんは……?」

五十嵐「さぁ……?」

小鳥「えっ……あの、律子さん、怒ってましたよ……電話切られたって……」

五十嵐「……音無さんは、気づいてたの?」

小鳥「えっ?」

五十嵐「……いや、なんでもない」

小鳥「あ、あの……私、今日はもう帰りますけど……五十嵐さんはまだ事務所にいますか?」

五十嵐「……うん」

小鳥「あ、それじゃあ鍵、置いておきますね……戸締りとかもよろしくお願いします」

五十嵐「わかった」

小鳥「……」

五十嵐「……」

小鳥「その……お疲れ様です」

五十嵐「お疲れさま」


 ガチャ パタン カンカンカンカン


五十嵐「……」



 765プロダクション——


 ヴーッ ヴーッ


五十嵐「……はい、もしもし」

小鳥「あ、五十嵐さん、まだ事務所にいます!?」

五十嵐「はあ、いますけど」

小鳥「あの、私の机の上にプレイヤー置きっぱなしにしてないですか?」

五十嵐「えっと……あ、あります」

小鳥「よかったぁ……どこかに落としちゃったのかと思いました」

五十嵐「そうすか」

小鳥「あ、そのまま置きっぱなしにしておいてだいじょうぶです。明日も出勤ですから」

五十嵐「はあ」

小鳥「ありがとうございます。すみません、失礼しましたー」ピッ

五十嵐「……小鳥スペシャル?」


 ピッ




 ——ダンデライオン

 ——リライト

 ——ゴキゲン鳥

 ——罠

 ——NOCTYRNE No.9

 ——trick

 ——Discommunication

 ——BLOWIN'

 ——夢であるように

 ——冒険者たち

 ——サバイバル

 ——ケンゼンな本能

 ——甲賀忍法帳

 ——Re:Start

 ——Planet Patrol

 ——虹

 ——BLACK JACK

 ——DESIRE

 ——スライド

 ——リアル

 ——蒼い霹靂

 ——宙船

 ——紅

 ——MARIA

 ——MUGEN

 ——駆け抜けて性春

 ——バッハの旋律を夜に聴いたせいです

 ——KILLER TUNE

 ——2145年

 ——十字架You and I

 ——ゲット・アップ・ルーシー

 ——3104丁目のDANCE HALLに足を向けろ

 ——INUZINI

 ——ロビンソン

 ——少年時代

 ——光





 キュィィィィバシャ バタン パシャ パシャ


五十嵐「……?」


 ——バン!


五十嵐「!」ビクッ


 ——バン! バン!


五十嵐「……だれ?」


 ——……プロデューサーさん?


五十嵐「……」


 カチャ キィ 


五十嵐「……えっ……えと、伊吹、さん?」

翼「……」

美希「あは……」

五十嵐「えっと……」

美希「……とりあえず、入れてほしい、かな……」

五十嵐「あ、う、うん……」




翼「……」

五十嵐「……寝てる?」

美希「気を失っちゃったって言ったほうが正しいかも……ミキも、よくわかんない……」

五十嵐「……そう」

美希「……おかしいな」

五十嵐「えっ?」

美希「本当はミキ、もうここには戻ってこないつもりだったの……戻ってこれない、のほうが正しいかな」

五十嵐「……」

美希「ベックスでキャラメル・ラテ飲んでて……おうち帰ろうって思って……でも気づいたら、今日の会場にいて……」

翼「……」

美希「もう外は真っ暗でね、でも、翼ちゃんだけが見えたの」

五十嵐「……」

美希「プロデューサーさん、あのコンテスト……ヤオチョウだったんだって」

五十嵐「八百長?」

美希「最初っから……翼ちゃんが勝つようにしてあったの……それで、そのあとTVの人に無理やり連れて行かれそうになって、逃げてきたんだって」

五十嵐「……」

美希「それで、ミキと会って……ふぇ、くしゅん!」



五十嵐「……」

美希『むー……小鳥、ミキ自分で着替えられるの』

小鳥『ダメよ、美希ちゃん、ちゃんと拭いてから着替えないと風邪ひいちゃうんだから……』

美希『それより早く翼ちゃんを着替えさせてあげてほしいの』

小鳥『そ、そうね……はぁ、本能が拒否しそうだわ……』

美希『翼ちゃん、おっぱいミキよりおっきぃの』

小鳥『……くっ。最近の若い子ときたら……カラダばっかり大きくなっちゃって』

五十嵐「……」



小鳥『五十嵐さん、もう入っていいですよ』


 ガチャ


五十嵐「すんません、こんな時間に」

小鳥「いえ、緊急事態ですから」

美希「すぅ……」

翼「すぅ……」

小鳥「美希ちゃんから、話は聞きました」

五十嵐「……」

小鳥「こう言ってはなんですけど……ずっとあることです……」

五十嵐「……うちの、みんなも?」

小鳥「それは……ないと思います……いえ、思いたいです」

五十嵐「……」

小鳥「プロデューサーさん……」

五十嵐「……はい」

小鳥「私も、がんばりますから、この子たちのこと、守ってあげてください……」

五十嵐「……」


やっぱりドラマ作るとよくないね。
五十嵐が今にも死にそうな顔しちゃう。



 朝——



  ガシャァンッ!!


五十嵐「——!?」

AD「四条さん! 何するんですか!」

貴音「あなたがたこそ何を考えているのです!!」

AD「何をって、こうしろってディレクターが……」

貴音「でぃれくたぁ殿! でぃれくたぁ殿!?」

D「なんですかぁ、四条さん? 大声出して——ヒッ!」

貴音「何ゆえにあの巨大ぱんけぇきをお捨てなさるというのですか!?」

D「はぁ? そんなものアンタ食べられないからに決まって——ギャッ!」

貴音「わたくしは食べますと言いました!」

五十嵐「ちょ、ちょっと四条さん待って——」

貴音「プロデューサー殿! 何をするのですか、離してください!」

D「ゲホッ——何言ってるんですか? 食べられる訳ないでしょう、あんなゲロみたいでまずい失敗作……」

貴音「まずかろうが醜かろうが、食べるのが食材に対する敬意というものでしょう!」

D「あのなぁ……敬意で視聴率が取れりゃあゴールデンは般若心境でも流してるんだよ!」

貴音「それで食材で遊ぶと!? そんな放送で視聴率が取りたいと——」

D「あー! うるさいうるさい! 文句言うなら帰ってくれて結構! ったく、失敗して時間も圧してるし、出ないなら出ないでいいですよ!」

貴音「えぇ! あなたのような下劣な人間、こちらからお断りさせていただきます!」

五十嵐「ちょ、ちょっと——」



 昼——



 ガァァァンッ!!


五十嵐「——!?」

監督「くぉら我那覇ぁ!! 台本と違うだろうがぁっ!!」

響「え、えぇっ! そ、そんなこと書いてなかったぞ!」

監督「てめぇビキニアイドル舐めてんのか!? 負けたら土下座してもう一勝負って書いてある時点で察しろよ!」

響「わ、わざと負けるっていうのか!?」

監督「そ、れ、が! 新人の役目だろうが! どこの世界に先輩に優る後輩がいるってんだ! お前がはのんちゃんより視聴率取れるっていうのか!? あぁ!?」

響「うっ、うぅ……」

監督「プロデューサーさんよぉ!?」

五十嵐「は、はい」

監督「こういう常識的なことははじめっから仕込んでもらわなくちゃ困りますよ! 常識でしょう!? じょ、う、し、き!」

五十嵐「……」

監督「おら、もう1テイクいくぞ! 負けたらあれで土下座だからな! 今のうちに土下座のやり方考えておけよ! っつうか最初っから考えとけ! っつーかわかれ!」

響「え、えぇっ!? なんだあの台……し、下からカメラで撮ってるじゃないか!」

監督「さっさと来い我那覇ぁ! はのんちゃん待たせてんじゃねーぞ!」

響「う、うぅ……」

五十嵐「……我那覇くん」

響「だ、だいじょうぶだぞ、プロデューサー、とりあえず一回負けて、そのあと勝てば、歌わせてもらえるんだからな!」

五十嵐「……」



 夕——


 ガーッ ガリガリガリガリ!


五十嵐「……」


 ガリガリガリガリ!


真美「がっちゃ→ん! 何してんのー!?」

五十嵐「……シュレッダー」


 ガリガリガリガリ!


真美「楽しそー! 真美にもやらせてー!」

五十嵐「あ、うん」


 ガリガリガリガリ!


真美「うわははは! しゅごいしゅごーい!」

五十嵐「……」

真美「あ、そうだ、ねぇがっちゃん、翼ちんってウチの事務所に入るの?」

五十嵐「それは、わからないかな……向こうの事務所との話し合いを今、社長がやってるけど……」

真美「ミキミキと翼ちんでタッグ組んだらすごいことになりそうだね→!」

五十嵐「……そうだね」




 夜——


 カンカンカンカン——


五十嵐「……あぁ、明日は、菊地くんの……」

春香「あれ? あれはプロデューサーさん?」

五十嵐「……ファン感謝デーだから……たぶん大丈夫……」

春香「何か、すごいフラフラしてるなぁ……だいじょうぶかなぁ」

五十嵐「だいじょうぶ……ライブだけ……菊地くんだけ……」

春香「あ! 五十嵐さん! 赤信号の交差点に入ったら危ないですよ!」

五十嵐「だいじょうぶ……だいじょうぶ……」

春香「プロデューサーさん! 危ないですよー! トラックがきてますよー!」

五十嵐「あぁ、早く帰って寝よう……」


 グォォォォォォォォー!


五十嵐「えっ?」

春香「プロデューサーさぁぁぁぁぁぁん!」


 ドカッ!


五十嵐「——ッ!?」


 キキキィーッ!!


 『バカヤロー!! どこ見て歩いてんだ!!』


五十嵐「……っ」

春香「はぁ、はぁ……プロデューサーさん、無事でしたか?」

五十嵐「……」カチカチ

春香「プロデューサーさん……?」

五十嵐「だいじょうぶ、だいじょうぶ……」カチカチ




 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆
  Bad Communication!!
 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆


 〜五十嵐のテンションが下がった〜



 765プロダクション——


五十嵐「あ、髪形変えたんだね」

真「へへー、美希に触発されちゃいました!」

五十嵐「今日は、ファンクラブの女性限定で、1000人ちょうど。ライブとトークショーと握手会……だね」

真「女性ファン1000人かー、あははー」キラキラ

春香「真はかっこいいからね! しょうがないね!」

真「あははー、またフリフリ着たいなぁー」

五十嵐「トラブルとかは……ないよね?」

真「あ! 大丈夫ですよ! 任せてください!」

春香「私もご安心ください!」

五十嵐「じゃあ、行こうか」

「「はいっ!」」



 感謝祭会場 控室——


真「それじゃ、行ってきまーす!」

五十嵐「うん」


 ダダッ ガチャ バタン


春香「……」

五十嵐「……天海さん?」

春香「あ、あの、プロデューサーさん……昨日のことですけど……」

五十嵐「あぁ……うん、ごめんね」

春香「い、いえっ、そんな謝らないでください……その……」

五十嵐「……?」

春香「わ、私! がんばりますから! トップアイドル目指してがんばりますから、プロデューサーさんも一緒にがんばりましょう!」

五十嵐「……うん」

春香「きょ、今日もよろしくお願いします!」


 ダダッ ガチャ バタン ドンガラガッシャーン!


五十嵐「……がんばれ、かぁ」



 ヴーッ ヴーッ


五十嵐「——はい」

小鳥『い、五十嵐さん! 真ちゃんは!?』

五十嵐「え、もうステージに……」

小鳥『と、止めてください! 今、ヤフーのトップ記事で、真ちゃんが! と、とにかく止めてください!』

五十嵐「わ、わかりました」ダッ




 感謝祭 舞台袖——


五十嵐「き、菊地さん……」ハァハァ

真「五十嵐さん! ボク、ガツーンって行ってきますよ!」ダッ

春香「まかせてください!」

五十嵐「ま、待っ……」


 ダダダッ バンッ!


真「イェーッ!!」



 「「「「…………」」」」シン——



真「……えっ?」



小鳥『真ちゃんが、昨日ブティックでjupiterの天ヶ瀬冬馬君とデートしてたって記事が……twitterから広まって、ヤフーもまとめサイトでも……五十嵐さん?』

五十嵐「……遅かった、です」ピッ

春香「ぷ、プロデューサーさん……」



真「あ、あの……えっ、どうしちゃったんですか……? あの……」


 『真クーン、昨日冬馬くんとデートしてたんだってー?』

 『楽しかったー?』

 『かわいい服着てたねー』


真「えっ!? な、なんですかそれ!?」


 『しらばっくれてんじゃねーよ!』

 『冬馬くんに色目つかってんじゃねーよ!』

 『しね!』


真「ちょ、ちょっと待って! いったい……!」


 『しゃべんな! 耳が腐る!』

 『帰れ! ブス!』

 『かーえーれ! かーえーれ!』



真「ちょ、ちょっと待って……危ないから、ペットボトル投げないでくださ——うわっ!」


 カンガンカンコン!



スタッフ「ストップ! ストップかけて!」

スタッフ「中止! イベント中止です!」

春香「ぷ、プロデューサーさん! 真が!」

五十嵐「……」


 ガコン! ガンカンカン!
 

真「痛っ——! 物を投げないで——ッ!?」ズルッ


 ドカッ


真「痛っつぅ……」


 『あはははー!』

 『かわいいよー!』

 『真ちゃーん!』


真「やめて……やめてください……!」




スタッフ「誰か菊地さんを——!」

スタッフ「か、完全にヒートアップしてます——!」

スタッフ「ペットボトルどころじゃないです——!」

五十嵐「……」スッ

春香「プロデューサーさん?」


五十嵐「……」


 『なにあの人?』

 『だれ?』

 『彼氏じゃね?』

 『うそっ、おっさんじゃん』


真「五十嵐さん……?」

五十嵐「だいじょうぶ?」

真「えっと……」

五十嵐「血、出てる」

真「あっ……」


 ガンッ!


五十嵐「痛っ!」

真「い、五十嵐さん!?」

五十嵐「……立って」

真「あ、足が……」

五十嵐「……わかった、肩貸すから」

真「ご、ごめんなさい……」

五十嵐「……いいよ、たぶんこれが大人だから」



 765プロダクション——


律子「本当に、デートじゃなかったのね?」

真「はい……一人ですし、前に立ってる人も店員で、女の人です」

律子「それじゃあ、これは合成ってとこかしらね……ここまでダメージの大きいタイミングで出てきたってことは、完全な妨害目的ね」

春香「ぼ、妨害……?」

律子「真を狙い撃ちにしつつも961プロにダメージを与えてる。いつかはと思ってたけど、こんなに早く露骨にやられるとは思っていなかったわ」

五十嵐「……」

小鳥「あ、あの、五十嵐さん……」

五十嵐「……なに?」

小鳥「その……今日の様子がネットで上がってて……」

律子「どうしたんです?」

小鳥「五十嵐さんのことが、祭りになってます……」

五十嵐「祭り……?」

小鳥「あの、すごい、ネットで盛り上がっちゃってるってことです。五十嵐さんが765プロにいるって……」

律子「そんなに大変なんですか?」

小鳥「えっと……真ちゃんのニュースがすごい取り上げられてるので、それを見た人が拡散してて、もう音楽系のサイトじゃかなり持ち上げられてますよ」

五十嵐「……広島行きましょう」

律子「えっ?」

春香「広島ですか?」

五十嵐「うん。事務所のみんなで」

真「どうしてですか……?」

小鳥「い、五十嵐さん、広島って……」

五十嵐「ホームシップ衛星に行こう」

大変申し訳ありません。
あまりにも話が鬱々としてしまったのでもう逃げさせていただきます。
あともう二つやよいと雪歩の話入れて五十嵐が入院するぐらいまでとしてましたが、私が耐えられなくなりました。

毒にも薬にもならない話をして終わりにします。

本当に申し訳ありませんでした。

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