結衣「子供達は夜の住人」(534)

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『ほら、2人ともはやくー、あかりが公園で待ってるよ~!』

『まって、まってよ、ゆいぃ』

『きょうこ、転んだくらいで泣いちゃ駄目だよ、ほら、こんな傷』


ペロッ


『こうしておけば、大丈夫!』ニコ

『ゆい、あ、ありがとう』

『ゆいおねえちゃん、血なんて舐めたらだめだよ』

『え?どうして?』

『だって、あなたは』

『あなたは』

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~結衣宅~

結衣「……」パチッ

結衣「……夢か」

結衣「うーん、随分懐かしい夢見てたなあ」ゴロン

結衣「小さい頃は、四人で良く遊んだよね……」

結衣「……」

結衣「よにん?」

結衣「私と」

結衣「あかりと」

結衣「京子と……」

京子「はいっ……むにゃむにゃ」zzz

結衣「……」クスッ

結衣(小さい頃の京子も可愛かったけど、今の京子も可愛いよね……)

結衣「ほら、ちゃんと布団かけないと、風邪引いちゃうよ……」フサッ

京子「うにゅ……」zzz


結衣(そう、私とあかりと京子、三人じゃないか)

結衣(私、寝ぼけてたのかな……四人目の幼馴染が居るような気がするなんて)

~朝~

京子「おはゆいー」ゴシゴシ

結衣「おはよう、京子、ちょっと待っててね、今、朝御飯作ってるから」

結衣「って、京子パジャマはだけてるっ」

京子「んあー、別にいいじゃん……それより、朝御飯良い匂いー」ギュゥッ

結衣「……!」

結衣「きょ、京子、後ろから抱き着いてこないで///」

京子「えへへ、朝御飯はパスタかぁ、ゆいー、チーズも乗せてね?」ブラーン

結衣「もう、しょうがないなあ、京子は……」

京子「結衣のパスタね、美味しいから大好き!」

結衣「はいはい、何食べても美味しいって言うよね、京子は」

京子「うん、結衣が作ってくれるご飯は、全部美味しいもん」モグモグ

結衣「そ、そうか///」

京子「だから、私のお弁当も毎日作ってよ!」

結衣「ことわる」

京子「ちぇーっ」

結衣(お弁当……か、作ってあげたいけど)

結衣(綾乃達の前で同じお弁当広げるのは、流石に恥ずかしいよ)

京子「ごちそうさまでした!」

結衣「おそまつさまでした」

京子「結衣~、シャワー借りて良い?」

結衣「いいけど、急がないと学校遅刻するよ?」

京子「ぱぱっと済ましてきますって!」

京子「~♪」ヌギヌギ

結衣「ちょ、脱衣場で脱ぎなよ///」

京子「ほーい」ポポイッ

結衣「あー、もー、パジャマ脱ぎっぱなしで……」

結衣「このトメィトゥパジャマも、随分、くたびれてきたなあ……」

結衣「まあ、京子が泊まりに来る度に着てるから、仕方ないか」

結衣「……あ、ちょっと裂けてきてる」

結衣「……まったく、このパジャマは私たちの絆の証なんだろ?」

結衣「もう少し、大切にして欲しいよ……」

結衣「えーと、ソーイングセットは……」ゴソゴソ

結衣「……」ヌイヌイ

結衣「よし、綺麗に直った」

結衣「……」

結衣(パジャマに京子の、甘い匂いが残ってる)

結衣(京子、まだシャワー終わらないよね……)

結衣「……」

結衣「京子……」スリスリ

結衣(京子の体温、まだ残ってる……)

結衣(どうしてだろ、中学に入ってから、京子の匂いや体温が気になって仕方ない……)

結衣(駄目だよね、京子に黙ってこんな事してちゃ……)

結衣(けど、けど、止まらない……)クンクン

結衣(さっき抱きついてきてくれた時もそうだけど、時々、理性が飛びそうになる……)

結衣(私って、やっぱり……同性が好きなのかな……)

結衣(けど、ちなつちゃんとかは、別に、そういう対象に見れないし……)

結衣(という事は、京子だけ、特別?)

結衣(特別、なのかも……)ギュッ

京子「ふー、さっぱりした~♪」

結衣「///」ガバッ

京子「あれ、何やってんの、結衣」

結衣「あ、う、うん、ほら、京子のパジャマが裂けてたから、直してあげてたんだよ///」

京子「ありゃ、裂けちゃってたか、気づかなかった……ありがとね、結衣」ニコ

結衣(うう、罪悪感が……)

結衣「京子~、早くしないと学校遅れるよ~」

京子「ま、まって!今ドライヤーかけてるから!」ゴー

結衣「はぁ……だから急げって言ったのに」

結衣「そもそも、どうして今日に限ってシャワーなんて」

京子「だ、だって……あの、昨日、結衣、布団の中で私の匂い嗅いでたでしょ?」

結衣「なっ///」

結衣「か、か、か、か、かっ」

京子「蚊?」

結衣「嗅いで無いよ!ばかっ///」

京子「うそ、くんくんって嗅いでたもん……」

京子「だから、わたし臭いのかなって……」

結衣「京子……」

結衣「……ドイヤー、貸して」

京子「へ?」

結衣「いいから、京子はブラッシングだけしてて」グイッ

京子「結衣……」

結衣「京子はさ、良い匂いしかしないよ」ゴー

京子「え、え?」

結衣「ほら、もう時間無いんだから、手を止めない」

京子「う、うん」サッサッ

結衣「……臭いとかは、絶対思って無いから」ゴー

京子「///」サラサラ

結衣「よし、これくらいでいいかな?」

京子「あ、ありがと、結衣///」

結衣「うわあ、流石に走らないと遅刻になりそう」

京子「よし、じゃあ、走ろっか?」

結衣「そだね」

京子「よーい、どんっ!」タッ

結衣「あ、こら、京子ずるいぞ!」タッ

京子「へへーん、結衣は足が速いんだから、これくらいのハンデ……」

結衣「京子!前!」

京子「へ?」ガタンッ

結衣「京子!」タッ

京子「……!」

結衣「京子?大丈夫?」ギュ

京子「あ、あれ?わたし、工事の看板に足を取られて……」

結衣「もう、私が抱き留めなかったら、京子、工事の穴に落ちてたよ?」

京子「あ、ありがと、ゆい……」ドキドキ

結衣「……」ギューッ

京子「あ、あの、結衣……あの、そんなに強く抱きしめられると///」

結衣「あ、ご、ごめん///」パッ

京子「い、いや、私のほうこそ、ごめん///」

結衣(やばい、京子の匂い間近で嗅いだから理性が飛びかけてた……)

結衣(そ、それに、京子の鼓動が……ドキドキが私に伝わってきてた……)

結衣(凄く、心地いい鼓動だったな……ずっと抱きしめていたくなるくらい……)

京子「と、いうか、結衣、よくあの距離から間に合ったね///」

京子「私、てっきりもう駄目かと……」

結衣「え!?」

結衣「……あ、ま、まあ、走るのは得意だからね」

京子「そ、そうだよね、クラス一の俊足だもんね、あははは///」

結衣(……確かに、我ながら、よくあの距離を一瞬で移動できたなって思う)

結衣(まあ、そのお陰で京子を助けることが出来たんだけど……)

京子「ゆい?」

結衣「え、あ、うん、ごめん、ボーっとしてた」

京子「もう、1限目には間に合いそうに無いねえ」

結衣「あー、そだな……じゃあ、ゆっくり行くか」

京子「うん!」ニコー

結衣(凄く嬉しそうな顔……最近の京子って、何だか、私に凄く甘えてくるよな……)

結衣(もしかして、京子も、私のことを……)

結衣(い、いや駄目だ、変に期待するな……変な思い込みすると、お互い傷ついちゃうだろ……)

結衣「……」テクテク

京子「~♪」テクテク

結衣「そういえばさ、昨日、変な夢見たんだよね」

京子「ほほう、えっちな夢?」

結衣「……京子って、最近、すぐにそっちの方へ話しもっていくよね」

結衣「なに?欲求不満なの?」

京子「ち、ちがうよ!結衣がムッツリだから、そんな夢見てるんじゃないかなって思っただけじゃん///」

結衣「誰がムッツリだ、誰が」

京子「結衣が」

結衣「へえ、私の何処がムッツリなのか、教えてくれないかな?」

京子「えーとね、結衣のパソコンの中にある隠しフォルダの中身が……」

結衣「きょきょきよきょきょ、きょうこ!?あれ見たの!?」

京子「え?本当に隠しフォルダあるの?」

結衣「なっ///」

京子「……やっぱり、結衣はムッツリだよね」クスクス

結衣「そ、そんな事ない///」

京子「それで~?隠しフォルダの中に何があるのかなぁ?」ニマニマ

結衣「///」

結衣(京子の映像ばっかりだなんて言えるはず無いだろ///)

京子「ま、それは何時か教えてもらうとして……夢がどうしたの?」

結衣「あ、うん、子供の頃の夢なんだけど……」

結衣「私、何時もあかりや京子と一緒に遊んでたよね?」

京子「うん、懐かしいなあ……」

結衣「でも、夢の中だと、私達は4人で遊んでるんだよ」

京子「え?」

結衣「おかしいよな、私達は、何時も3人で……」

京子「4人だよ?」

結衣「え?」

京子「私でしょ?結衣でしょ?あかりでしょ?それから……」

京子「あれ」

結衣「3人だよ」

京子「……おっかしいなぁ、あと1人、誰かいたような……」

結衣「んー……まあ、私達3人が基本だったけど、時々、クラスの子とかも混じってたりしたから」

結衣「その辺から、記憶がごっちゃになったんじゃないかなって思ってる」

京子「そ、そうかなぁ?」

結衣「さて、学校に着いたけど……どうする?」

京子「2限目始まるまで、部室でゴロゴロしてようぜ~」

結衣「京子は悪い子だなあ……」

京子「結衣ちゃんだって同罪じゃないですか!」クスクス

結衣「まあ、そうだな」ニコ

~娯楽部~

京子「オコタはやっぱりいいよねえ……」ゴロン

結衣「京子、本格的に寝るなよ?2限目は出席するんだからな?」

京子「判ってますよーっと」

結衣「……」ゴロン

京子「おや、結衣にゃんも寝っころがるの?」

結衣「私だけ、起きてるのって、馬鹿らしいじゃない」

京子「……うん、そだね」ニコ

京子「……」ダラー

結衣「……」ジー

京子「結衣、どうして私を見つめるの?」

結衣「……別にいいだろ、他に見る物もないし」

京子「う、うん……」

結衣「……」

京子「……」

結衣「京子」

京子「ん?」

結衣「手、繋ごうか」

京子「は?どしたのさ、いきなり」

結衣「何となく、繋ぎたくなったの」

結衣「駄目ならいいよ」

京子「……」

結衣「……」

京子「ん」スッ

結衣「ありがと、京子」ギュッ

結衣(京子の手、暖かいな……)

結衣(それに、何か、京子の鼓動が、私にも伝わってきて、凄く、安心する)

結衣(私、本当に、京子が好きなんだな……)ナデ

結衣(ずっと、ずっと、手、繋いでいたい、京子の鼓動を、感じていたい……)ナデナデ

京子「///」

結衣「どしたの?」

京子「え、えっと、あの、りんご、あったよね///」

結衣「ああ、ちなつちゃんが持ってきてくれたやつ?」

京子「あれ、食べたいっ///」

結衣「……あとで、いいじゃない」

京子「今食べたいの!」

京子「ちょっと、剥いてきてあげるっ///」タッ

結衣「あ……」

結衣(手、離れちゃった……もっと、撫でていたかったな……)

結衣(……撫でて?)

結衣「……」

結衣(うわあっ、私、無意識に京子の手、撫でてたのか)

結衣(だ、だから、京子、照れてあんな事を///)

結衣(というか、そもそも手を繋ぐってのも何なんだよっ、どうしたんだ、何がしたいんだっ///)ゴロゴロ

京子「結衣~?何ゴロゴロしてるのさ」

結衣「な、何でも無いよっ///」

京子「ほんとか~?つっ!」

結衣「京子?」

京子「い、いたた……」

結衣「京子!?」タッ

京子「い、いや、何でも無いって、ちょっと指切っただけ」

結衣「……」ドキン

京子「ゆい?」

結衣(京子の血が、流れ出てる)ドキドキ

結衣(私の、大好きな、京子の、血が)ドッキンドッキン

結衣(京子の温かさの源が、心地よい鼓動の源が)ドックン





結衣(もったいない)



京子「結衣、どうしたの?固まっちゃって」

結衣「あ、ごめん、あの、京子、傷が……」ドックンドックン

京子「うん、結衣、ティッシュ取って……」

結衣「いいよ、こうしておけば、大丈夫だから……」ドックンドックン

京子「え」


パクッ


京子「あ、ゆ、ゆい?」



結衣「…………!」ド ッ ク ン



結衣(口の中に、京子の、血が、広がる)

結衣(京子が、私の中に、入ってくる)

結衣(京子が、京子が、京子が)レロッ

京子「ふぁっ///」

結衣(京子の血が、私の口の中で、私と同化してる……)

結衣(京子、きょうこぉ、だめ、京子が好きな気持ち、抑えられない)チュッ

京子「あっ///ゆ、ゆいっ///」

結衣(京子、好き、大好き、私の舌で可愛がってあげる、どんどん、私の中に入ってきて)

結衣(お願い、京子、もっと、もっと、もっと、もっと)レロッチューッ

京子「ゆ、ゆいっ///」ドンッ

結衣「ふえ、あ、京子……」タラッ

京子「ゆ、結衣、あの、もう、血、止まったから、あ、あの、ありがとう///」

結衣「う、うん、そっか、よかった」

京子「もう、結衣、よだれ///」

結衣「え、あ///」ゴシゴシ

京子「び、びっくりしたよ、結衣、いきなり、あの、吸いはじめるんだもん///」

京子「子供がおっぱい、吸うみたいに///」

結衣「え、そ、そんな事してないよっ!ただ、あの、ばい菌が入ると危ないと思って……」ドキドキ

結衣「というか、おっぱいとか言うな///」ドキドキ

京子「あう、だって///」

結衣(わたし、どうしたんだろ、京子の傷を舐めてあげたら)

結衣(突然、止まらなくなって……京子の指を)

結衣(……)

結衣(いや、違う、指じゃなくて……)

結衣(京子の、血を?)ゾクッ

結衣(ど、どうして、わたし、京子の血が凄く欲しかったんだろ)

結衣(好きな子の血だから、興奮して……って言う事なのかな?)

結衣(おかしいよ、そんなの、普通じゃ……)



『ゆいおねえちゃん、血なんて舐めたらだめだよ』

『だって、あなたは』

『あなたは』


結衣「……」ゾクゾクッ

結衣(な、なんで、あの夢の事を思い出すんだろ)

結衣(……い、いや、こんなの、ただの気の迷いだよね)

結衣(京子が怪我したから、ちょっと混乱しただけ、そうにきまってる……)

結衣「……はい、バンソーコーも貼ったし、これで大丈夫」

京子「うう、ごめんね、結衣、世話掛けさせて」

結衣「何時もの事だから、気にしないで」

結衣「そんな事より、ほら、りんご、食べよう?」

京子「う、うん!」

京子「そういえば、結衣~、今日も部屋に泊りに行ってもいい?」

結衣「うん、いい……って、だめだ、ごめん」

京子「へ?何か用事あるの?」

結衣「今日は、まりちゃんがお泊りに来るんだ」

京子「あ、そなんだ……」

結衣「まりちゃんの両親も来るから、ちょっと今日は……」

京子「ん、仕方ないなあ、結衣は、今日は我慢してあげるよ」フンゾリ

結衣「えらそうだな」クスッ



キーンコーンカーンコーン


京子「お、チャイム鳴った……じゃあ、そろそろ教室に行きますか」スタッ

結衣「ん、そだね……」スタッ

京子「結衣」

結衣「ん?」

京子「あの、えっと……」モジモジ

結衣「え、なに?」

京子「まださっきの、続き、したい?」

結衣「さっき?」

京子「教室着くまでだけど……手、繋ぎたい?」

結衣「……!」

京子「はい」スッ

結衣「……うん///」ギュッ

結衣(京子の鼓動、さっきよりちょっと早くなってる……)

結衣(緊張、してくれてるのかな、私の為に)

結衣(京子、優しい京子、私の事を考えてくれる京子、大好き)

結衣(どうしよう、この気持ち、抑えられない、京子に、伝えたい)

結衣(大好きだって、伝えたいよ、叫びたいよ、身体全体で、それを表現したい)

結衣(そして、そして、京子の、京子の)

結衣(血を)




結衣「……」



京子「ん?どしたの、結衣?」

結衣「な、なんでもないよ、京子」

結衣「あ、やっぱりさ、もう子供じゃないし、手、繋ぐの止めようか」パッ

京子「あ……」

結衣「じゃ、あの、わたし、ちょっと用事があるから、先に教室へ行くね」タッ

京子「ちょ、ゆ、結衣!?」

結衣「ごめん、急ぐから」タッタッタッ

~廊下~

結衣(な、なんだよ、私、また血って)

結衣(どうして、京子の血を、欲しがるの)

結衣(昨日までは、こんなじゃなかったのに)

結衣(私、私、おかしくなっちゃったのかな、頭がおかしく……)

結衣(こんなんじゃ、京子の傍に、居られないよ、わたし……)

結衣(と、取りあえず、落ち着こう、一人になって、落ち着こう……)

あかり「あ、結衣ちゃん?」

結衣「あかり、か」

あかり「ど、どうしたの?顔色、真っ青だよ?」

結衣「うん、ちょっと、具合が悪くてね」

あかり「大丈夫?保健室、行こうっか?」

結衣「そうだな、保健室で、ちょっと休むよ……」

あかり「じゃ、あかり、付き添ってあげるね?」

結衣「ありがと、あかり……」

結衣(あかりは、優しい子だなあ……)

結衣(けど、こんなに近くにあかりがいるのに、京子の時みたいなドキドキは感じない……)

結衣(京子の時みたいに、匂いや鼓動を感じたいとは思わない……)

結衣(やっぱり、やっぱり、京子は、特別なんだ……)

結衣(特別だから、血を……)



『血なんて舐めたらだめだよ』




結衣「……」ブンブンブン

あかり「結衣ちゃん?」

結衣「あ、ごめん、何でもないよ……」

~保健室~


あかり「結衣ちゃん、具合、どう?」

結衣「うん、横になったら、ちょっとマシになった……」

あかり「そっかぁ……良かったぁ」

結衣「……あかり」

あかり「ん?どうしたの?結衣ちゃん」

結衣「あのさ、小さい頃の事なんだけど」

あかり「うん」

結衣「私と、あかりと、京子って、何時も一緒に遊んでたよね」

あかり「うん、何時も一緒だったね、私達」ニコ

結衣「それでさ、あの……もう1人、居なかった?」

あかり「え?」

結衣「私達3人の他に、もう1人、幼馴染、居なかったかな」

あかり「んー、あかりは、覚えてないなあ、時々、あかり達の中に近所の子が混ざる事はあったけど」

あかり「何時も一緒に遊ぶ幼馴染って言うと……あ」

結衣「あかり?」

あかり「結衣ちゃんと京子ちゃん、一時期、夜に家を抜け出して遊んでた事があったよね」

結衣「……え?」

あかり「あかりは、夜寝るの早かったから、殆ど参加できなかったけど」

あかり「その時に、結衣ちゃんと京子ちゃんと仲良くしてた子がいたと思う、その子の、事かな?」

結衣「え、あの、あかり?」

あかり「ん?」

結衣「私、その、夜の遊びっていうの、全然覚えてないんだけど」

あかり「え、そうなの?夜のお出かけ、半年くらい、続いてたと思うけど……」

結衣「はんとし……」

あかり「子供の頃の事だから、忘れちゃったのかな?」

あかり「あかりも、もう殆どその子の事覚えてないし……」

結衣(半年もそんな事を続けてたなら、忘れるはずない……)

結衣(けど、実際、全然覚えてない……私も、京子も)

結衣(どうして、だろ、どうして……)

………

……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『結衣、ちょっといいかしら』

『なに、お母さん、今から京子と遊びに行くんだけど』

『今夜、親戚の子が遊びに来るんだけどね、結衣と同じくらいの歳の子だから、仲良くしてあげて欲しいの』

『うん、別にいいよ』

『何て子なの?』

『ええ、まりちゃんって言ってね』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結衣「……」パチッ

結衣「……また、夢か」

結衣「変な夢……まりちゃんは、あの頃はまだ産まれてもいないはずなのに」

結衣「……」

結衣(あれ、何か、手に感触が……)ニギニギ

結衣(この鼓動は、もしかして……)

結衣「京子?」

京子「……」zzz

結衣「京子、何時の間に……」

結衣(あかりから、話聞いて、来てくれたのかな……)

結衣(手、握っててくれたんだ、京子……)

結衣(ありがとう……)

結衣(ていうか、今何時だ……え)

結衣(もう、夕方じゃないか……)

結衣(うわあ、今日は完全に授業サボっちゃった……)

京子「んむー、ゆい……」zzz

結衣「……」

結衣(まあ、いいか……たまにはこんな日があっても)

結衣(京子の手、柔らかいな……すべすべだし……いい匂いがするし)ナデナデ

結衣(……駄目だ、これ以上は、考えないようにしよう)

結衣(でないと、また……)

京子「むにゃ……あ、あれ、私、寝てた……」

結衣「ん、おはよう、京子」ニコリ

京子「ゆい、おはよ……って、具合はどうなの結衣!?」

結衣「うん……大分、調子はいいよ」

京子「そっかぁ……良かったぁ」ホッ

京子「びっくりしたよ、教室に戻っても、結衣いないんだもん」

京子「体調悪かったのなら、言ってよぉ、心配するじゃん……」

結衣「ごめんね、京子……」

京子「……私、そんなに頼りにならないかな……」ショボン

結衣「京子……」スッ

京子「……!」ビクッ

結衣「そんな事、ない、京子の存在、凄く私の支えになってる……」ギュッ

京子「ゆい……」

結衣「京子がいないと、立っていられないくらい、支えになってるよ……」

京子「///」

結衣「これからは、ちゃんと言うから、京子に、頼るから……そんなにションボリしないで……」

京子「しょ、しょんぼりなんて、してないって///」

結衣「そっか、なら、いい」ニコ

お風呂入ってキマ

遅くなてごめん

京子「ふぅ……じゃ、そろそろ帰る?」

結衣「そだね、急がないと、まりちゃんが家に来ちゃうし」

京子「結衣ちゃん、歩けまちゅか?」

結衣「そこまでは、弱って無いよ、というか、赤ちゃん言葉止めろ」

京子「その割には、私の手を離さないようですけどっ」

結衣「あ///」

京子「まったく、結衣は甘えん坊だなあ」クスクス

結衣「う、うるさいっ///」パッ

~結衣宅~

結衣「……今日は、色々あって疲れたなあ」バタン

結衣(変な夢は見るし、それに、京子に対して変な欲求が生まれるし……)

結衣(何なんだろ、あの欲求は……正直、自分が恐い……)

結衣(明日になったら、治ってるかな……)ゴロン


ピンポーン


結衣「……まりちゃん達かな」

結衣「はーい」トタトタトタ

まり「うにー!」

結衣「こんばんわ、まりちゃん……あれ?まりちゃん、ひとり?」

まり「うん、そだよー」

結衣「御両親は?」

まり「えっとねー、かんりにんさんのところに泊まるってー」

結衣「あ、なるほど……」

結衣(そだよね、私の部屋、そこまで広くないし)

結衣(管理人さんも、うちの親戚なんだから、そこに泊まるのが当たり前か)

結衣「まりちゃんは、どうする?管理人さんのところに泊まるの?」

まり「まりは、ゆいおねえちゃんの所が、いいー」

結衣「そっか……、歓迎するよ、まりちゃん」ニコリ

まり「うん!」

結衣「今日の晩御飯はオムライスなんだけど……まりちゃんは」

まり「……」

結衣「あれ、どうしたの?まりちゃん、入っておいでよ」

まり「……」ニコッ

まり「ありがとー、ゆいおねえちゃん」タッタッタッ


ピョンッ


結衣「おっと、まりちゃん、元気だなあ」ダキッ

まり「……んー」スリスリ

結衣「まりちゃん?」

まり「ゆいおねえちゃん、きょうこおねえちゃんの匂いがするね」

結衣「えっ」ドキッ

まり「きょうこおねえちゃんはー?」

結衣「あ、うん、京子は自分の家にいると思うけど……」

まり「お泊り、してないのー?」

結衣「う、うん、今日は、お泊りして無いよ」

まり「……」

結衣「まりちゃん?」

まり「ゆいおねえちゃん」

結衣「どうしたの、まりちゃん」

まり「きょうこおねえちゃん、呼んでほしー」

結衣「え?」

まり「だめ?」キョト

結衣「い、いや、駄目じゃないけど……まりちゃん、京子とそんなに仲良かったっけ」

まり「うん!ミラくるんの事、いっぱいおしえてもらったー!」ニパ

結衣「い、何時の間に……」

結衣(いま、京子を呼ぶと、自分がどうなるか、自信がない……)

結衣(けど……)

まり「……」ニパ

結衣(まりちゃんのお願いって、何か断れないんだよなぁ……)

結衣「じゃ、一応呼んでみるけど……駄目だったら諦めようね?」

まり「うんー!」バンザイ

結衣「よしよし、良い子だね、まりちゃんは」ナデナデ


プルルルー


結衣「もしもし?京子?」

結衣「うん、私は大丈夫……もう、心配し過ぎだって」

結衣「実はさ、まりちゃんが、京子と一緒にお泊りしたいって言ってるんだ」

結衣「それで、急にで済まないけど……今から来れないかな?」

結衣「いや、まりちゃんの両親は管理人さんの所へ泊ってる、うん、まりちゃん一人」

結衣「うん、ごめんね、京子、無理言って」

結衣「ん、待ってるから」


カチャン

結衣(京子が来る事になっちゃった……)

結衣(怖い半面、凄く楽しみにしてる自分も居る……)

結衣(京子に、会いたい、抱きしめたい……)

結衣(京子の体温を感じたい、鼓動を感じたい……)

結衣(そして……)

まり「うに」

結衣(そう、うにを食べたい……って)

結衣「え、まりちゃん?」

まり「きょうこおねえちゃん、お泊りに来る?」

結衣「あ、うん、来てくれるって言ってたよ」

まり「やった」ニパ

結衣「ん、まりちゃん、良かったね……」ナデナデ


結衣(なんだろ、まりちゃんの声を聴いてると、変な欲求が消えて行く気がする……)

結衣(純粋な子供に接する事で、邪な欲求が消えちゃったって言うことかな……)

書き溜めが尽きました
頑張りますがペース落ちます



ピンポンピンポンピンポンピンポン


まり「んに?」

結衣「ああ、このチャイムの鳴らし方は、京子だな」

結衣「はーい、ちょっと待ってー」トテトテ

まり「うにー」トテテ

京子「お待たせ!みんなの京子ちゃんだよん♪」キャルッ

結衣「ノリノリだな、お前」

京子「だって、こんな時間に結衣ちゃんからご指名されたんだもん」

京子「テンションだって上がりますって!」

結衣「べ、別に私が指名したわけじゃ///」

まり「きょうこおねちゃんー」ピョンッ

京子「おわっと」ダキッ

京子「まりちゃんお久しぶりだね~!」ギューッ

まり「きょうこおねえちゃん……いー匂い」スリスリ

京子「お、おう、そうか、今朝、結衣にも同じこと言われた///」

結衣「きょ、京子、そんな事、まりちゃんに言わないで///」

京子「えー、だって本当の事だし……」

京子「……本当だよね?」

結衣「……」

京子「ゆいぃ……」

結衣「あー、はいはい、京子は良い匂いがします、これでいいんだろ///」

京子「……!」

京子「あ、ありがと、ゆい///」

まり「……」スリスリ

結衣「はい、京子、まりちゃん、オムライスだよ」カチャン

京子「おー!美味しそうだねえ、まりちゃん!」

まり「うんー!」



一同「「「いただきまーす!」」」



まり「んむんむ」モクモク

結衣「ふふ、まりちゃん、ほっぺにご飯粒ついてるよ?」

まり「んに?」

結衣「はい、取れた」スッ

まり「ありがとー、ゆいおねえちゃん!」ニパ

京子「あはは、結衣とまりちゃん、お母さんと娘みたい」クスクス

まり「んに、ゆいおねえちゃん、お母さん?」

結衣「いやいや、あれは京子の冗談だから、ね?」ナデナデ

まり「まり、ゆいおねえちゃんがお母さんでも、いいー」

結衣「……そか、ありがとうね、まりちゃん」ニコ

まり「きょうこおねえちゃんが、お父さんで」

結衣「え///」

まり「三人で、くらせたら、いいな」

京子「えー、まりちゃん、私もお母さんがいいよ~!」

結衣「いや、京子、そういう話じゃないって///」

まり「あの時の、やくそくみたいに」

結衣「まりちゃん……?」

まり「んに」ニパ

結衣「さて、食器も片付けたし、まりちゃん、お風呂入る?」

まり「んー、はいる」

結衣「よし、じゃあ、一緒に入ろうか?」

まり「うんー!」

京子「あれ、私だけ仲間はずれなのかい、ゆいー」

結衣「お、お前は1人で入れるだろっ」

京子「ちぇーっ」

まり「きょうこおねえちゃん、一緒にはいりたいの?」

京子「うう、まりちゃんからも言ってあげてよ、結衣ちゃんが私を仲間はずれにするんだよっ」ウルウル

まり「うにー……」ジー

結衣「いや、まりちゃん、そんなに目で訴えられても、うちのお風呂は狭いから……」タジタジ

結衣(さ、流石に京子と密着してお風呂入るのは恥ずかしい///)

結衣(けど、もしまりちゃんがどうしてもって言うなら///)

結衣(どうしてもって言うなら……仕方ないよねっ)フンスッ

京子「結衣、なにか興奮してない?」

結衣「し、してないよ///」

結衣「ま、まりちゃん?どうしてもって言うなら、わたし……」

まり「んにー……じゃ、わたしがきょうこおねえちゃんとはいるー」

結衣「え」

京子「よーし、まりちゃん、行こうか!」トテトテ

まり「うにー!」トテテ

結衣「あれ?」

結衣(別に勿体ないとか思ってないです)

結衣(京子の裸は、修学旅行で見ましたから)

結衣(それに、これからも一緒のお風呂入る機会なんて幾らでもありますし)

結衣(幾らでも……)

結衣「幾らでも機会があるんなら、これまで苦労してないんだよぉぉっ」ゴロンゴロン

結衣「ど、どうしよう、今からお邪魔しまーすって感じで入っちゃおうかな」

結衣「けど、けど、もしそんな事をして」


『え?何しに来たの?狭いって言ったの結衣でしょ、出てって』


結衣「とか、言われたら、言われたら!」ゴロンゴロン


ガチャッ

結衣「もう上がったの?二人とも」キリッ

京子「ふいー!良いお湯でした!」ホカホカ

まり「うにぃー」ポワン

結衣「京子、ありがとうね、まりちゃんの世話してくれて」

結衣「冷凍庫にラムレーズンあるからさ、食べていいよ」

京子「うおー!お風呂上がりのラムレーズン!結衣!ありがと!」

結衣「どういたしまして」ニコリ

京子「ほら、まりちゃん、頭乾かさないと、変な寝ぐせついちゃうぞ~」ゴー

まり「うにー、頭あったかいー……」

結衣「京子も、ちゃんと乾かしなよ」

京子「私のは、結衣ちゃんお願いします!」

結衣「もう、しょうがないなあ、京子は……」ゴー

京子「えへへ、ありがと、結衣」ニコリ

結衣(京子の髪、触るの好きだしね……)

結衣(それに、なんだか、いいな、これ……)

結衣(私がいて、京子がいて、まりちゃんがいて……)

結衣(まるで、家族みたいで……)

結衣「はい、終わり……と」

京子「髪、乾いた?」サラサラ

結衣「うん、何時ものサラサラな髪になったよ、京子」

京子「ん、ありがと、結衣」ニコ

まり「まりはー?」

京子「まりちゃんも、超綺麗な髪になったよ~!」スリスリ

まり「んに!」ニパ

結衣「じゃ、わたしも、お風呂入ってくるから、京子、まりちゃんを宜しくね?」

京子「ほーい」

結衣「ふー……」チャプ

結衣(まりちゃんと一緒にはしゃいでる京子も、可愛かったな……)

結衣(一緒にお風呂入れなかったのは、やっぱり残念だけど……)

結衣(けど、本当に良かった、また京子とお泊り出来て……)

結衣「……」チャプン

結衣(結局、あの欲求は、何だったんだろ)

結衣(血が欲しい……って欲求……)

結衣(このまま、治まってくれてるといいんだけど……)

そろそろ限界なので寝ます
朝から仕事なので
もし万が一、夜までスレが残ってれば続投したいと思います

支援アリガトでした
ご飯食べながら投下します

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『えー、まりちゃん、夜しかお外にでれないの?』

『出れない訳じゃないけど、つかれるー』

『そっかぁ……しょうがないなあ』

『うん、だからまりのことは……』

『じゃ、晩御飯食べ終わった後に、きょうことあかりを呼んでおくよ』

『え』

『よるのこうえんで、あそぼ?』

『ゆいおねえちゃん、まりのことは……』

『はい、けってい!楽しみだね、まりちゃん!』ニコ

『……うん』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結衣「ふご……」

結衣「あ、あれ、私、湯船で寝てた……」チャプ

結衣(また、子供の頃の夢見てた……)

結衣(まりちゃんの夢……)

結衣(それに、あれは、あかりが言ってた夜のお出かけの約束なのかな……)

結衣「ん゛ーーーーーー」ブクブクブク

結衣「ぷはっ」

結衣「考えてても仕方ないか……所詮、夢なんだし」

結衣「今の記憶と昔の記憶がごっちゃになってるだけなのかもしれないしね」

結衣「んー、良いお湯だった……京子、まりちゃん、そろそろ……」

京子「ん、んぁっ///」

結衣「……京子?」

まり「……京子お姉ちゃん、大丈夫?」

京子「え、あ、うん、平気///」

結衣「京子、顔赤いよ?」

京子「え、えへへ、ちょっと、暖房強すぎたかも///」

まり「はい、京子お姉ちゃん、指のバンソーコー、新しいの貼ってあげたよ」

京子「あ、ありがと、まりちゃん///」

まり「どういたしまして」ニパ

結衣「京子、指、また血が出たの?」

京子「あ、いや、お風呂入ってたらバンソーコー剥がれちゃってさ」

京子「まりちゃんに新しいの、貼ってもらってたんだ」

結衣「いや、けど、バンソーコーに血が滲んでるし……」

京子「あ、ほんとだ、何時の間に……」

まり「……」ペロッ

まり「……んー、まり、お腹いっぱいになったから、もう眠たい」ゴシゴシ

結衣「ん、そうだね、もうこんな時間だし……そろそろ寝ようか?」

まり「ねむいけど、もう少しお姉ちゃん達と遊びたいな……」

京子「けど、早く寝ないと、こわーいお化けが出るかもしれないよ、まりちゃん」

まり「結衣お姉ちゃん、お化け恐いー!」ダキッ

結衣「もう、京子、子供を脅かしちゃ駄目だよ」ギュッ

京子「ごめんごめん、まりちゃん、お化けが来ても、私と結衣が守ってあげるからさ」ナデナデ

まり「本当?」

京子「うん、ほんと」ニコ

まり「ずっと、一緒に居てくれる?」

結衣「大丈夫、手を繋いで寝てあげるから、ね?」

まり「……うん」

まり「ありがとう、お姉ちゃん達」ニコリ

結衣「じゃ、電気消すよ~」

京子「おう!」

京子「まりちゃん、私と結衣の間においで?」

まり「うんー」ゴソゴソ

京子「あはは、ま、まりちゃん、くすぐったいってっ」

まり「んにー!」コチョコチョ

京子「ふはははは!まりちゃん、悪戯しちゃ、め!め!」

結衣「もう、二人とも、大人しくしなきゃだめだよ?」

二人「「はーい!」」


ポチッ


まり「まっくらになったー」

結衣「うん、まっくらだね、まりちゃん」ゴソゴソ

結衣「まりちゃん、恐くない?」

まり「うん、恐くないよー」

まり「お姉ちゃん達が、手を繋いでくれてるから」ニパ

京子「……まりちゃんの手、冷たいなぁ、もう少し、暖房温度上げる?」

まり「平気ー、京子お姉ちゃんの手が、暖かいから」

京子「そか……」

結衣「……」

まり「……」

京子「……」

京子「……」zzz

結衣(京子は、もう寝ちゃったか……まりちゃんは、まだ起きてるのかな)

まり「結衣お姉ちゃん」

結衣「ん?どうしたの、まりちゃん」

まり「ごめんね」

結衣「え?」

まり「謝っても、許してもらえないと思うけど、ごめん」

結衣「まりちゃん?」

まり「結衣お姉ちゃん、我慢できずに、京子お姉ちゃんの血を吸っちゃったんだよね」

結衣「……え」ドキン

結衣「まり、ちゃん、どうして……それ……」

まり「ごめんね、まりのせいなんだ……」

結衣(あれ、気のせい、かな?)

結衣(まりちゃんの眼、赤い……)

結衣(血のように、真っ赤で……)

結衣(なんだろ、気が遠く……)

まり「もう、結衣お姉ちゃんは、後戻り、できない」

まり「だから、貴女は選ばなくちゃならない」

まり「この先、何処に進むかを」

まり「思い出して……結衣お姉ちゃん」

結衣(そうだ、私、この赤い目を、前に見たことがある……)

結衣(子供の頃に……)

結衣(夜の公園で……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結衣「この子が、親戚のまりちゃん!きょうこ、あかり、仲良くしてあげてね!」

京子「あ、あの、はじめまして、私、としのう、きょうこ……」オドオド

あかり「……あかり、だよ、ずびー」zzz

結衣「駄目だ、あかり、半分寝てる」

まり「……まりって言うの、よろしくー」

結衣「まりちゃんは、夜しか遊べないからさ、今日から暫く夜のお出かけをして遊ぼうと思うんだ」

結衣「京子は、夜のお出かけ、大丈夫?」

京子「ふぇ、よ、夜は、恐いよぉ……」ビクビク

結衣「もう、京子、そんな事で泣かないの」ナデナデ

まり「……夜は、恐くないよー」

京子「ふえ?」

結衣「まりちゃん?」

まり「月は私たちを優しく照らしてくれるし、星は友達で、色んなことを教えてくれる」

まり「草木も、皆が寝静まった夜にだけ、綺麗な音で歌ってくれるんだよー」

京子「星が、お友達?」

まり「うん」

結衣「まりちゃん、大人っぽいなあ……」

あかり「……」zzz

京子「あの、まりちゃん……」

まり「ん?」

京子「聞かせて欲しい、な、星のお友達の話や、草木のお歌の話……」

結衣「私も、聞きたいよ、まりちゃん!」

まり「……うん」

あかり「……」zzz

まり「あの子は、旅人達の友達、迷子になった旅人に、自分の位置を教えてくれるんだよ」

京子「お星様、すごい……、それに優しいんだね、好きになっちゃった」ニコ

まり「けど夜にしか、会えないんだー」

京子「……お昼にも、会いたいな」

結衣「まりちゃん、あっちの星は?」

まり「あっちの子はね、冬にしか出てこない子で……」

………

……

京子「今日は、おままごと、しようよ」

結衣「よーし、じゃあ、私かお母さんね」

まり「まりは、子供の役がいいー」

結衣「残った京子は、お父さんね!」

京子「え、え、や、やだよ、ゆいぃ、私も、お母さんがいい……」グス

結衣「しょうがないなあ、きょうこは……」

結衣「じゃあ、きょうこも、お母さんやる?お母さん、2人になっちゃうけど」

まり「まりは、それでもいいよ」

結衣「よし、じゃあ、無夫多妻制のどうにゅうだ!」

まり「京子お姉ちゃん、良かったね」ナデナデ

京子「う、うん、ありがとう、ゆい、まりちゃん」ニコ

結衣「きょうこ~、ご飯できたよ~」

京子「わあ、ゆいのご飯、おいしそう~」

結衣「えへへ」

まり「はやく、たべようよー」

結衣「まりちゃんは、くいしんぼうだなあ」

京子「じゃあ、いただきます、しよう?」

まり「んに!」


一同「「「いただきまーす」」」


結衣「よし、まりちゃんおいで、私がだっこしてあげよう!」

まり「んに!」ヨジヨジ

京子「よかったね、まりちゃん」クスクス

まり「京子ママ、ごはんー」

京子「はいはい、まりちゃん、あーんして」ニコ

まり「あーーーん」

結衣「きょうこー、わたしもー!」

京子「うん、ゆいも、あーん///」

結衣「あーーーん」

結衣「何時か、本物のご飯作って、きょうこやまりちゃんに食べさせてあげるね」

京子「ほんと?たのしみだなぁ」

まり「うん、まりも、楽しみ……」

まり「本当に、こんなふうに、食卓を囲めるようになったら、いいね」

まり「大好きな、結衣お姉ちゃんと、京子お姉ちゃんと、まりとで」ニコリ

京子「まりちゃん……」

結衣「よし、じゃあ、今度、お母さんにオムライスの作り方、教えてもらおう!」

京子「ゆい、がんばって、わたし、応援するから」

結衣「えー、応援だけ?」

京子「だって、わたし、包丁とか恐くてもてないし……」

結衣「がんばれ!」

京子「う、うう、がんばる……」

まり「京子お姉ちゃん、結衣お姉ちゃん、面白いー」クスクス

結衣「まりちゃんも、笑ってないで手伝ってよ?」

まり「……うん」

京子「明日は、何して遊ぼうか?」

結衣「鬼ごっこは、こないだやったし、今度はかくれんぼかな?」

京子「今度は、あかりちゃんも来れるといいんだけど……」

結衣「あかりは、殆ど寝てばっかりだからなあ……」

まり「明日も、たのしみー」

………

……

京子「まりちゃん?顔色が、悪いけど、大丈夫?」

まり「……うん」

結衣「ほんと?熱があるのかも……」ピトッ

まり「……!」

結衣「まりちゃんって、相変わらず、身体冷たいよね、熱あるかどうか判んないや」

まり「……ごめん、結衣お姉ちゃん、離れて」

結衣「ん?」

まり「いいから、離れてっ」ドンッ

結衣「うわっ」パタン

京子「ゆ、ゆい、大丈夫……?」

結衣「いたた、もう、まりちゃん、どうして……って、え」

京子「まり、ちゃん?」

まり「……」

結衣「まりちゃん、どうして、どうして、眼が赤いの?」

京子「どうして、そんなにおっきな牙を生やしてるの?」

まり「……」

まり「それはね」




まり「まりが化け物だからだよ」



まり「結衣お姉ちゃん、京子お姉ちゃん」

京子「ふえ」

結衣「な、なに?まりちゃん」

まり「お父さんや、お母さんに、教わらなかった?」

まり「夜遅くまで遊んでると、お化けが出るって」

まり「お化けに、食い殺されるって」

京子「ま、まりちゃん、こわいよ、そんな話、やめようよお……」

結衣「そ、そうだよ、まりちゃん、お化けなんて、本当にいるはずが……」

まり「ふふ、あはははははははははははははははははははははははははは」

京子「ま、まりちゃん?」

まり「お化けはね、本当に、いるんだよ」

まり「百年生き続けて」

まり「親族の輪の中に知らぬ間に勝手に入り込んで」

まり「夜出歩く馬鹿な子供がいないか見張って」

まり「その子たちを見つけたら、友達のフリをして近づいて」

まり「油断したところを、一口で食べちゃう、化け物が」

結衣「まりちゃんが、その、お化けだって言うの?」

まり「そう、まりはね、結衣お姉ちゃん達が油断するのを待ってたんだ」

まり「けど、失敗しちゃった……今なら、結衣お姉ちゃん達、逃げられるよー?」

まり「多分これが最後の機会」

まり「ほら、逃げて」

まり「さっさと、逃げて、馬鹿で優しい子供達」

京子「……やだ」

まり「京子お姉ちゃん?」

京子「だって、だって、前に、まりちゃん、言ったもん、一緒にご飯食べるって」

まり「それは、嘘だよ、京子お姉ちゃん達を騙す為の……」

京子「うそじゃ無いもん!」

まり「……!」ビクッ

京子「まりちゃん、あの時、笑ってたもん……嘘じゃないもん……」

まり「まりは嘘の笑顔が作れるから」

まり「だから、騙されたんだよ、京子お姉ちゃんは」

結衣「じゃあ、嘘笑い、してみて」

まり「え」

結衣「まりちゃんが、いま、嘘笑いを出来るんなら、私はきょうこを連れて逃げるから」

結衣「だから、してみて」

まり「……」

京子「そ、そうだよ、してみて……」

結衣「はーやーくー」

京子「う、うっそわっらいっ」

結衣「うっそわっらいっ!!」

京子「うっそわっらい!」

結衣「うっそわっらいっ!」




まり「う、うう……」


まり「……」ニヤリ


結衣「……」

京子「……」

まり「……え、何とか言って欲しいー」

結衣「ぷぷっ」

京子「ま、まりちゃん、す、凄い、悪そうな顔で、何か企んでそうな顔だったっ」プププッ

結衣「そ、そんな顔では、誰も騙せないよ、まりちゃん」クスクス

まり「なっ///」

まり「さ、さっきのは間違いー!今度こそ……」

まり「……」


まり「……」ニヘラ


京子「……」バタンバタン

結衣「まりちゃん、もうやめて、京子が限界……ぷっ」クスクス

まり「……」

まり「もういい、2人とも嫌い」プイッ

結衣「う、うそうそ、まりちゃん、ちゃんと笑えてたから、ね?」クッ

京子「……」ピクピク

結衣「まりちゃん、そろそろ機嫌直して下りてきてよ~」

京子「ご、ごめん、まりちゃん、謝るから、ね?」

まり「……」

結衣「駄目だ、電柱の上で体育座りして下りてこない」

京子「まりちゃん、飛べるんだね、凄いよね」

結衣「おーい、まりちゃーん」

結衣「まったく、まりちゃんはしょうがないなあ……」

結衣「まりちゃんが下りてこないなら、私から行くから」

京子「ゆ、ゆい、電柱登ったら、あぶないよぉ」

結衣「平気平気、こないだ、電気工事の人が登ってるの、見たから」ヨジヨジ

結衣「らくしょうそうだったよ!」

京子「けど、けどぉ……」ワタワタ

結衣「もう、京子は心配性だ……あ、れ」フラッ

京子「ゆ、ゆい!」

結衣「……あれ」ブラーン

まり「結衣お姉ちゃん、無茶しちゃ、だめだよー」

結衣「まりちゃん……助けてくれたんだ」

まり「……うん」

結衣「ありがとね」ニコ

まり「……あんまり、まりに笑いかけないで」

結衣「え?」

まり「血、欲しくなっちゃうから」

京子「ふええ、ゆい、ゆい、良かったよぉ……」ギュッ

結衣「もう、きょうこ、泣かないで……」

京子「だって、ゆい、落ちたと思ったもん、まりちゃんが助けてくれなかったら、落ちてたもん」グスン

京子「ま、まりちゃん、ゆいを助けてくれて、ありがとう」ヒック

まり「……京子ちゃん」

まり「2人は、あの、本当に、まりが恐くないの?」

まり「まりがお化けだって言うのは、本当だよ?」

結衣「だって、まりちゃんはまりちゃんだよ」

京子「うん、まりちゃんは、私達のお友達」ゴシゴシ

結衣「そうそう、作り笑いがヘタで、ちょっと無愛想で、わりと我侭で」

まり「うっ……」

京子「ちょっと大人っぽくて、けど、少し寂しそうで……だから、一緒にいてあげたくなる」

結衣「うん、そんな、お友達が、まりちゃん」

まり「……結衣お姉ちゃん、京子お姉ちゃん」

まり「まり、そんな事、言ってもらえたの、久しぶり」

まり「……ありがとう」ニパ

結衣「うん、まりちゃんは、やっぱりその笑い方の方が、いいよ」ナデナデ

まり「……んに」

まり「まりはね、吸血鬼なんだよ」

結衣「きゅうけつき?あの、映画とかで有名な?」

まり「んに、細かい部分は違うけど、だいたいあんな感じ」

まり「夜に活動して、他人の血を吸って、永遠に生き続ける、そんな存在」

京子「血……」ビクッ

結衣「お昼は、動けないの?」

まり「動けるけど、凄く疲れるよー」

まり「ずーっと前にまりは吸血鬼になって、ずーっと1人で過ごしてきたの」

まり「まりは、少しだけ、催眠術みたいなのが使えるから、それで『この子は親戚の子』って暗示をかけて」

まり「色んな家族を、巡ってきたんだ」

結衣「まりちゃんの、お父さんとお母さんは?」

まり「いないよー」

結衣「え、けど、うちに来たときは……」

まり「あれも、暗示ー」

京子「まりちゃん、ご飯は、血、なんだよね?」

京子「あ、あの、じゃあ……」

まり「うん、色んな家族を巡る間に、ご飯貰ってた」

まり「誰にも気づかれないように、そっと、ほんの少しだけ」

京子「そう……」

まり「けどね、やっぱり騙しとおすのは、無理なんだよー」

まり「何時も、最後は、バレてた、お前何処の子だって、問い詰められて」

まり「その度に、走って逃げて、また別の家族の中に入って、少しだけご飯貰って、またバレて」

まり「それの、繰り返し」

結衣「まりちゃん……」

まり「バレるまではね、仲良くしてくれた子供達もいたんだー」

まり「トモちゃんとか、ノリちゃんとか、レイコさんとか、シオリちゃんとか、いっぱい」

まり「けどね、最後はその子達も、まりの事を」

まり「……」

まり「その子達も」

まり「お化けだって言って、まりを追い出すの」

まり「まあ、本当にまりはお化けだし、もう言われ慣れたけどねー」ニヘラ

結衣「まりちゃん、嘘笑いになってるよ」

まり「……」

結衣「まりちゃんは、嘘つくの、へただよね」

まり「……」

結衣「本当に、慣れたって思ってる子なら、もっと嘘つくの、上手になってると思う」

まり「……」

結衣「まりちゃん、本当は……」

まり「……嫌だったよ」

まり「平気なわけ無い、友達からそんな事言われて」

まり「ずっと、ずっと、思ってた、まりはどうして生きてるんだろうって」

まり「どうして、まりは、1人なんだろうって」

まり「せめて、せめて、同じ存在が、いてくれれば、耐えられるのに」

まり「お互いを慰めあって、生きていけるのに」

京子「ま、まりちゃん」

まり「だからね、結衣お姉ちゃんや、京子お姉ちゃんが、まりを受け入れてくれて」

まり「凄く嬉しかった、毎夜毎夜、遊んでくれたのも、凄く楽しかったよ」

まり「けど、私達の夜は、もうここでおしまい」

結衣「え?」

京子「ま、まりちゃん?」

まり「これ以上やると、まりは、2人の血を吸いたくなる」

まり「大切な人の血程、美味しそうに感じるから……」

まり「まりは、もう、我慢できなくなってるから」

京子「あ、あの、まりちゃん、わたし、わたし……」ギュッ

京子「い、痛く無いなら、ちょっとくらいなら、血、飲まれても、いいよ……」

結衣「うん、私も、まりちゃんの為なら、頑張ってレバーとかいっぱいたべる!」

まり「……」クスッ

京子「まりちゃん?」

まり「……うん、ありがとう、お姉ちゃん達なら、そう言ってくれると、思ってた」

まり「けど、駄目なんだー」

結衣「え、どうして?」

まり「大切な人の血を吸うとね、その相手が吸血鬼になっちゃう可能性が、ほんの少しだけあるの」

まり「ほんの僅かな可能性だけど、まりは、大切な人を、お化けにしたくないから」

まり「だから、二人の血は、吸ってあげない」


京子「……」

結衣「……」

まり「じゃ、もう遅いし、帰ろう」

まり「それで、まり達は」

京子「最後に」

まり「んに?」

京子「最後に、もう一度だけ、おままごと、したいな」

結衣「うん、そうだよ、まりちゃん、最後にもう一回だけ、ね?」

まり「……」

まり「うん、じゃあ、最後に、もう一回だけ」

まり「おままごとしよー」ニコリ

京子「はい、まりちゃん、お膝に乗って?」

まり「うん、京子ママ、ありがとー」モゾモゾ

京子「まりちゃんは、相変わらず冷たいね……」ギュ

まり「んに……京子ママは、何時もあったかいー」スリ

京子「うん、もう、最後だから、いっぱい、甘えてね、まりちゃん」

まり「うん……」スリスリ

まり「……」グス

結衣「はい、ごはん、できたよ、きょうこ、まりちゃん」

京子「うわあ、おいしそうー」

まり「うん、おいしそうー……」ヒック

結衣「まりちゃん、ほら、泣かないで」ナデナデ

まり「うん、ごめんね、結衣ママ」グス

まり「何時も、何時も慰めてくれて」

まり「ありがとう」

結衣「だって、まりちゃんは、私達の、家族だもん」

まり「……かぞく」ヒック

結衣「うん、私がママで」

京子「わ、私も、お母さん」

まり「まりは、二人の、子供……」

結衣「うん、だから、家族の間で、がまんとか、いらないから」ナデ

京子「そうだよ、まりちゃん……」ギュ

まり「けど、けど、まりは、二人を、お化けにしたくないよ」グスン

結衣「しょうじき、お化けになるって、良く判らないけど」

結衣「私は、京子とまりちゃんが居てくれたら、平気!」

まり「結衣、お姉ちゃん……」ヒック

京子「わ、わたしも、弱虫だけど、頑張る……」

京子「まりちゃんが、今まで一人で頑張ってきたって聞いて、凄いと思った……私も、強くなるっ」グッ

まり「京子、お姉ちゃん……」グスン

結衣「だから、ね、まりちゃん、怖がらないで」

京子「私達は、何があっても、まりちゃんを拒絶しないから……」ギュ

まり「……うん」ゴシゴシ

まり「ありがとう、結衣お姉ちゃん、京子お姉ちゃん……だいすき」

まり「じゃあ、あの、いただきます……」

結衣「おう!どんとこい!」

京子「あ、あの、まりちゃん、痛くしないでね?痛くしないでね?」

………

……

まり「けぷ」

まり「ごちそうさまでした……」

まり「京子お姉ちゃん、結衣お姉ちゃん、大丈夫?」

京子「……う、うん」ポー

結衣「な、なんだろ、まりちゃんに、血を吸われて、凄く、変な気分だった……」ポー

まり「んに、子供にはやっぱり早すぎたかも」

結衣「わ、私は子供じゃないよ」ポー

京子「んー……」グッタリ

まり「さっきは、ああ言ったけど……多分、二人が吸血鬼になる事は無いと思うー」

結衣「え、そなの?」

まり「可能性は、本当に小さいから……」

京子「そ、そうなんだ……」

まり「京子お姉ちゃん、ちょっと残念そう?」

京子「うん、まりちゃんと同じになれたら、もっと仲良くなれるかなって、思ってたし」

結衣「あ、私も!」

まり「もう、二人とも、のんきすぎー」

結衣「そんな事よりさ、また明日も、遊べるよね?」

京子「う、うん、明日は、ブランコ、しよう?」

まり「……うん」

まり「明日も、一緒に、遊ぼうね」ニコ

………

……


結衣「ほら、2人ともはやくー、あかりが公園で待ってるよ~!」

京子「まって、まってよ、ゆいぃ」

結衣「きょうこ、転んだくらいで泣いちゃ駄目だよ、ほら、こんな傷」


ペロッ


結衣「こうしておけば、大丈夫!」ニコ

京子「ゆい、あ、ありがとう」

まり「ゆいおねえちゃん、血なんて舐めたらだめだよ」

結衣「え?どうして?」

まり「だって、あなたは、私に噛まれてるから」

まり「結衣お姉ちゃんは、少しだけど、吸血鬼化しちゃう素質があると思う」

まり「だから、好意を持った相手の血とか、舐めちゃ、だめー」

結衣「うーん、私は、別に構わないけどね、吸血鬼になっても」

まり「……」

結衣「まりちゃん?」

まり「ごめんね、こういう状況は、予想してなかった」

結衣「え?」

まり「結衣お姉ちゃんに吸血鬼の素質があっても、京子お姉ちゃんに素質が無いと」

まり「2人は、そのうち、別れなくちゃならなくなる」

まり「京子お姉ちゃんは、そのうち、老いて、死んでしまうから」

まり「まりの、本当の両親も、そうだったから」

まり「やっぱり、結衣お姉ちゃんに、まりと同じ思いは、して欲しくないな」

まり「だから、やっぱり、夜のお出かけは、これでおしまい」

結衣「ま、まりちゃん?」

京子「あれ、赤い、目が……」

まり「二人が、まりの事を忘れれば、結衣お姉ちゃんが吸血鬼になる可能性を、少しでも減らせると思う」

結衣「忘れ、る?」

まり「うん、まりの事は、忘れて、二人とも、昼間の世界へ戻るの」

京子「忘れるはず、ないよ、まりちゃんの、こと」

まり「まりの催眠術でも、それくらいは、出来るよー」

結衣「……」zzz

京子「……」zzz

まり「さよなら、私の大切な貴女達」ナデナデ

まり「温かい日常をくれて、ありがとう」

まり「愛してくれて、ありがとう」

まり「貴女達が忘れても、私は忘れないから」

まり「貴女達の優しさ、忘れないから……」

まり「さようなら……」



プツン



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結衣「……あれ」

まり「おはよう、結衣お姉ちゃん」

結衣「まり、ちゃん……」

結衣「あれ、けど、まりちゃん、あの頃のままで……」

まり「まりは、老いないんだ、吸血鬼だから」

結衣(そ、そうか、あの夢は、全部、本当にあった……)

まり「それでね、結衣お姉ちゃん、大切な話があるの」

結衣「な、なに?」

まり「……結衣お姉ちゃんは、吸血鬼になりつつある」

結衣「……!」ビクッ

まり「あの頃は、結衣お姉ちゃん、受け入れてくれたけど」

まり「今は、どうかなって」

結衣「……」

結衣(今日、何度も京子の血を欲した、あれが、吸血鬼の衝動なの……?)

結衣(じゃあ、私は、これからも、ずっとあんな衝動と一緒に……)ゾクッ

まり「うん、やっぱり、嫌だよね」ニパ

結衣「ち、ちがっ……」

まり「けどね、もう、遅いの」

まり「結衣お姉ちゃんの、吸血鬼化は、止まらない」

結衣「そ、そんな……」ガクッ

まり「結衣お姉ちゃんに選べる道は、2つ」



まり「まりと一緒に旅立って、京子お姉ちゃんから離れるか」


まり「京子お姉ちゃんを吸血鬼にするか」


結衣「……え」

まり「結衣お姉ちゃんは、京子お姉ちゃんを、大切に想ってる、よねー」

結衣「う、うん、大切な友達、だし……」

まり「友達とかじゃなくて、愛してるんだよね?」

結衣「なっ///」

まり「今日のお姉ちゃんの態度見てたら、誰だって判るよー」

まり「結衣お姉ちゃんは、本当に、京子お姉ちゃんと、ふーふになりたいんだって」

結衣「……ま、まりちゃん///」

まり「大切な人だから、血を吸いたくなる……これは、仕方ない事だよ、お姉ちゃん」

まり「だからこそ、京子お姉ちゃんの事を考えて、選択してあげてほしいー」

結衣「京子の事を、考えて……」

まり「結衣お姉ちゃんの決定に、まりは従うよ」

まり「けど、助言をしてあげると……」

まり「京子お姉ちゃんが、吸血鬼になる可能性は、かなり、低いと思う」

結衣「え……?」

まり「さっき、京子お姉ちゃんの指の傷にバンドエード貼ってあげた時」

まり「ちょっとだけ、血を吸ったんだ」

まり「けど、結衣お姉ちゃんみたいな、吸血鬼化の予兆は、無かった」

結衣「それは、京子は血を吸われても吸血鬼化しない……ってこと?」

まり「んに、結衣お姉ちゃんが吸ったら、また別の結果になるかもー」

まり「吸う量とかも、影響してくるから、もっと沢山吸えば、吸血鬼になってくれるかもしれない」

結衣「それって、危ない……よね?下手したら、死んじゃうかも……」

まり「うん、だから、その辺も考えて、決めてほしい」

結衣「そ、そんなの……決められないよ……」

まり「んに」

まり「じゃあ、朝まで、待つから」

まり「それまでに、決めよう?」

結衣「朝、までに……」

まり「時間がたてばたつほど、結衣お姉ちゃんも、京子お姉ちゃんも、苦しむと思うから」

結衣「京子……」

京子「ふご……」zzz

結衣「わ、わたし、どうしたら、いいのかな……」

結衣「京子と、離れたく、ないよ」

結衣「ずっと、ずっと、一緒に居られると、思ってたのに……」

京子「むにゃ、ゆいー……」ゴロン

結衣「……」

結衣(京子の首筋が、見える)

結衣(細くて華奢な首筋)

結衣(それに、綺麗な腕も、魅力的だな)

結衣(パジャマに隠れてる、肩とかも、見てみたい)

結衣(京子の薄い胸も……)

結衣(ああ、凄く、血が、欲しくなってくる……)

結衣(……これが、これが、吸血鬼の、衝動……)ザワッ

結衣(確かに、こんな衝動を持ったまま、京子の傍に居るのは、危険だ……)

結衣(京子の、全部を、私と同化させたくなってくる……)

結衣(京子の身体をめぐる、温かくて、繊細で、可愛らしい、命の源を……)

結衣(血を、私の体内に……)

結衣「……」ブンブンブン

結衣「だ、だめ、そんな事したら、京子が死んじゃう……」

結衣「じゃあ、じゃあ、京子を吸血鬼にしたら……」

結衣「そうしたら、これからも、ずっと一緒に居られるよね」

結衣「……けど、吸血鬼に、ならなかったら?」

結衣「もし血を吸っても吸血鬼にならないって判った時に、私、ちゃんと止められるの?」

結衣「京子の血を吸うのを、ちゃんと止められるの?」

結衣「吸血の欲求に負けて、京子の血を吸いつくしちゃう可能性も、あるんじゃ……」

結衣「だ、だめ、京子が死んだら、京子を殺したら、私、正気を保ってられない……」

結衣「きょうこ、きょうこお……わたし、わたしどうしたら……」グスン

京子「……結衣?」

結衣「きょ、きょうこ……?」ヒック

京子「結衣、ひょっとして、泣いてるの?」

結衣「……うん」グス

京子「もう、結衣はしょうがないなあ……」ギュッ

結衣「あっ……」

結衣(京子に、抱きしめられた……)

結衣(京子の、鼓動が、甘い匂いが……)ドクン


京子「何があったかは、知らないけどさ、結衣は、一人で抱え込みすぎだよ」

京子「もっと、私を頼ってくれて、いいからさ」

結衣「……」ドックン

京子「結衣?」


結衣「……」 ド ッ ク ン


結衣「京子……」ガシッ

京子「ん、どったの、結衣」

結衣「私、もう、我慢できない……」

京子「え、ちょ、結衣、顔が近い///」

結衣「朝、言ったよね、京子からは、良い匂いしか、しないって」

京子「う、うん///」

結衣「私ね、その匂いを嗅いで、興奮してたの」

京子「……え」

結衣「今も、京子に抱きしめられて、凄く、興奮してる、いや、それ以上に」

結衣「それ以上に、京子の、血を、舐めたいって、思ってる」

京子「ゆ、ゆい?」

結衣「京子の、細い身体を、ぎゅっと抱きしめて、京子が身動きできなくなるほど抱きしめて」

結衣「京子の首筋に顔をうずめて、匂いを嗅いで、そのまま、そのまま、噛みついて」

結衣「歯を立てて、血を吸いたいって、思ってるの」

京子「ゆ、ゆい、か、かっげきぃ///」

結衣「冗談じゃ、ないんだよ」スッ

京子「結衣……」ギュッ

結衣「きょうこ……?」

京子「ありがと、こんな私を、愛してるって言ってくれて」

京子「私もね、私も結衣の事、ずっと、好きだった」

京子「血を吸いたいとかは、良く判らないけど……」

京子「ずっと、結衣の事を見て、色々想像してた」

京子「結衣の、その、腕で、ぎゅっと抱きしめられたいなって」

京子「あと、ちゅ、チューとか、してくれないかなって///」

結衣「京子///」

京子「だから、あの、結衣が望んでるなら、しても、いいよ……」

京子「血、吸いたいんでしょ?」

結衣「けど、これは、キスとかじゃないんだよ、もっと、もっと重要な……」


チュッ


結衣「きょ、京子///」

京子「キスより重要な事なんて、無いと思うけど……もし、あったとしても」

京子「結衣にされることなら、何でも、許せちゃうよ」ニコリ

結衣「きょうこ……」

結衣「ごめん、私、やっぱり、京子と一緒にいたい、離れるなんて、考えられない……」

京子「うん、私も……ずっと一緒にいたいよ……」

結衣「だから、京子に迷惑かけるかもしれないけど、私の我儘、通させて……」

京子「うん……」

結衣(京子の首筋、凄く、綺麗……けど、余計な所には、傷つけないようにしないと……)

結衣「京子……大好き……」


カプッ


京子「ひゃぅっ///」

結衣「ん、きょうこ、んっ……」レロッ

京子「んくぅっ///ゆ、ゆいぃ///」

結衣(京子の血、凄く、良い匂い、指から吸った時より、美味しい、どうして)レロッチュッ

京子「ふあっ///」

結衣(京子、吸うたびに、痙攣してくれる、私の舌で、口で感じてくれてるのかな……)チューッ

京子「ゆ、ゆい、お、おねがい、私の名前、呼んで、んっ///」

結衣「京子、きょうこ……凄く、可愛い、可愛いよ、京子……」チュプ

京子「んっ、んんっ///」

結衣(だ、だめ、このまま、血を吸い続けると、京子が死んじゃう)

結衣(少しずつ、弱めないと……京子と、一緒に居るって、誓ったんだから……)

結衣「ぷはっ……京子……キス、していい?」

京子「ふあ、ん、うん、いいよ、ゆい……」

結衣「京子、愛してるよ……」ギュッ


チュッ


京子「わ、わたしも、すき、結衣が、大好き……」


チュッ



~事後~

京子「……」グッタリ

まり「京子お姉ちゃん、気絶しちゃった……」

結衣「う、うん」

まり「結衣お姉ちゃんは、えっちだねー」

結衣「え、えっちな訳じゃないよ、まりちゃん、これは、あの、吸血鬼の衝動で///」

まり「血を吸う以外の部分は、結衣お姉ちゃん個人の性癖だと思うー」

結衣「う、うう、そうなのかな///」

まり「これで、京子お姉ちゃんが吸血鬼になってくれれば、結衣お姉ちゃんと一緒に居られるよ」

結衣「……もし、京子が吸血鬼にならなくても、私は、一緒にいたいよ」

まり「……けど、それだと、何時か、京子お姉ちゃんと別れる時が、来るよ?」

まり「人間は、年老いる物なんだし」

結衣「それでも、一緒にいたい、最後の瞬間まで」

結衣「例え、私が取り残されることになっても……」

まり「……結衣お姉ちゃんは、強いねー」

結衣「まりちゃんだって、そういうの、経験してきてるんでしょ?だったら、まりちゃんだって強いよ」

まり「……まりは、もう無理ー」

結衣「まり、ちゃん?」

まり「もう、死別なんて、経験したくないよ」

まり「みんな、みんな、最後は死んじゃうんだから」

まり「そんなのを永遠に経験するくらいなら、最初から出会わない方が、いい」

結衣「まり、ちゃん……」

まり「……時間だよ、結衣お姉ちゃん」

結衣「え?」

まり「夜明け」

結衣「え、まりちゃん、身体が……」

まり「んに、実はまり、一つだけ嘘ついてた」

結衣「え?」

まり「吸血鬼は、昼間も出歩くことは可能だけど……」ザラザラ

まり「夜明けの光だけは、禁物なんだー」ザラザラ

まり「今の、まりみたいに、なっちゃう」ザラザラザラ

結衣「ま、まりちゃん、身体、灰に……!」

まり「吸血鬼が滅びれば、その犠牲者は人間に戻れる……そう聞いたことがあるよ、実演するのは初めてだけど」

結衣「だから、まりちゃん消えようって言うの!?」

結衣「そこまでして人間に戻りたくなんてないよ!まりちゃんっ!あ、あつっ」ジュワッ

まり「無茶しちゃ、だめだよ、結衣お姉ちゃんが消えちゃったら、京子お姉ちゃんはどうするの?」ザラザラ

結衣「……!」

まり「これで、これでハッピーエンドだよ、お姉ちゃん」ザラザラ

まり「最後に、家族の為に、何かしてあげられて、まりも、幸せだから」ザラザラ

結衣「ま、まりちゃん……」

まり「今までは怖くてできなかったけど、やっと、やっと……」ザラザラザラ

まり「かいほうされる……」ザラザラザラ

まり「さよなら……」ザラザラザラ

『お父さん、お母さん』

『今、そっちに行くよ』

『……』

『あ、けど駄目か』

『私みたいな化物が、天国になんていけるはずないー』

『結局、わたしは、最後まで、一人か』

『もう、慣れちゃったけど、しょっぱいね』ニヘラ




「また嘘笑いになってる」



まり「んに?」

京子「あ、まりちゃん、目覚ました?」

まり「……あれ、まりは」

結衣「よ、よかった、まりちゃん……治って、良かったぁ」ホッ

まり「……どうして」

京子「結衣に血を吸われてる最中にさ、全部思い出したんだ」

京子「ごめんね、今まで忘れてて……」ナデナデ

まり「……京子お姉ちゃん、その腕、どうしたの?」

京子「うん、目が覚めると、まりちゃんが灰になりかけてたからさ」

京子「カーテンで包んで、何とか保護して」

京子「それでも、傷が治らないから、ちょっと、腕を傷つけて、血を」

まり「まりに飲ませたの?」

京子「うん」

まり「どうして、そんな」プチッ

まり「結衣お姉ちゃんに血を吸われて、もうフラフラだったはずでしょ!」

まり「もっと、もっと自分を大切にしないと、駄目ー!」

京子「家族を守るためだもん、無茶するのは、当たり前でしょ?」

まり「……」

結衣「まりちゃんも、無茶したから、お互い様だね」ポンポン

まり「……」プイッ

まり「まりは、解放されたかったの、永遠から、だから……」

京子「やだよそんなの」

京子「大切な人に先立たれる人の気持ちとか、まりちゃんが一番判ってるはずでしょ?」

まり「……!」

まり「ごめん、なさい……」ショボン



チュンチュン


結衣「よし、じゃあ、夜明けも終わったみたいだし、朝ごはんでも作ろうか?」

京子「あー、ちょっと貧血気味なので、鉄分多いのお願いします!」

結衣「京子、あれだけ血を抜かれたのに元気だよね」

まり「あ、あの、お姉ちゃん達」

京子「ん?まりちゃんも食べるでしょ?朝ごはん」

まり「んに」コクン

まり「あ、そうじゃなくて」

まり「まりは、もう、お別れとか、するのいや、だから」

京子「だから、誰とも親しくしたくない……って?」

まり「うん……」

京子「けど、嫌なのは、誰かとお別れすることだけ、だよね?」

京子「誰かと出会って、親しくなるのは、凄く楽しい事だよ」

まり「けど」

京子「まりちゃん、友達だった子の名前、全部、覚えてたよね?」



『仲良くしてくれた子供達もいたんだー』

『トモちゃんとか、ノリちゃんとか、レイコさんとか、シオリちゃんとか、いっぱい』



まり「うん……」

京子「本当に、辛いことばかりだったなら、その子達の名前なんて、忘れてるはずだよね」

京子「確かに最後は悲しい別れをしたのかもしれないけど」

京子「だからって、楽しい思い出まで否定してあげなくても、いいんじゃないかな」

京子「でないと、楽しい思い出を紡いだまりちゃんが、可哀そうだよ」

まり「楽しい思い出……」


『へえ、まりちゃんって、凄い物知りなんだね』

『あはは、まりちゃん、こっちだよー!』

『ありがとう、まりちゃん、私、まりちゃんと友達になれて、うれしい』

『まりちゃん』

『マリちゃん』

『真理ちゃん!』


まり「……」ウルッ

まり「うん、楽しい思い出、いっぱい、あったよ」ヒック

まり「忘れたくても、忘れられない、想い出、たくさん……」グスン

京子「そか」ナデナデ

結衣「はい、ご飯、昨日の残りだけど……って、京子、まりちゃん泣かせちゃ、だめだろ!」

京子「え、ええー、違うよ、別に、苛めてたわけじゃ」

結衣「本当か?」ムニー

京子「ゆ、ゆい、頬引っ張らないで」

結衣「京子の頬って、凄く手触りいいよな……」ナデナデ

京子「ゆい、突然優しくしないで///」

まり「ふふふっ」

京子「ほら、結衣、まりちゃん笑ってる、ね?苛めてたわけじゃないでしょ?」

結衣「京子が本当にまりちゃんを苛めてたなんて欠片も思ってないよ」

結衣「寧ろ、京子は苛められる方だ」

京子「え、ええー……」

まり「……んに」ニパ

『ありがとう、結衣お姉ちゃん、京子お姉ちゃん』

『それに、今までまりに優しくしてくれた、沢山の人達も、ありがとう』

『楽しい思い出をくれてありがとう』

『これからも、辛い事がたくさんあると思うけど』

『それに負けないくらい、楽しい思い出を紡いでいきたいな』

『だから、もう少し、2人の家族でいさせてね』


京子「ほら、まりちゃん、ご飯食べよ」

結衣「うん、家族みんなで食べないと、美味しくないからさ」

まり「うん!」



一同「「「いただきまーす!」」」




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