モバP「それいけぼくらの手乗りマキナ」 (84)

ちひろ「……」カタカタ

P「――いけ、クロガネッ!」ウィーン

クロガネッ!クロガネッ!

紗南「甘いねPさん!22+P……シロガネ、緊急回避!」ウィーン

シロガネッ!シロガネッ!

ちひろ「…………」カタカタカタカタ

P「なにっ!?クロガネの渾身の一撃がっ」

紗南「その隙もらったぁ!2+P、5+P、6+K、236+K……632146+S!シロガネ抜刀!」ウィーンウィーン

シロガネェ!!

ガッシャーン!!

クロ…ガネェ…

P「クロガネェ!?」

ちひろ「………………」カタカタカタカタ

ちひろ(最近、プロデューサーさんが暇あれば紗南ちゃんと格ゲーしてます)

ちひろ(しかもただの格ゲーじゃありません)

ちひろ(30センチくらいの脳波で操るらしいロボットを使って、リアルファイトしてます)

ちひろ「……晶葉ちゃん。なんてものを作ってくれたんですか……はぁ」

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【そもそものはじまり】

1ヶ月ほど前のこと

P(最近、晶葉がまた何か開発してるらしい。暇あれば事務所の奥にこもって作業をしている)

P(今度完成するのはどのようなものなのか気になるが……)

P「ただいま戻りました~」

晶葉「お、助手よ!いいところに戻ってきたな」

P「晶葉じゃないか。作ってたモノは完成したのか?」

晶葉「ああ、試作機を3機ほどな。早速披露してみせよう」ザッ

P「……一体どこから取り出したその謎ヘルメット。そして被ってなにする気だ」

晶葉「まあ見ておけ――来い、ハガネッ!」

P「……?」

ウィーン、ウィーン

P(事務所の奥から機械音?)

ハガネ「ハガネ、ハガネッ」

P「30センチくらいのロボットが……歩いてきただと!?」

晶葉「私が開発した脳波で遠隔操作するマシーン……名付けて『マキナ』だ!」ドヤッ

【脳波の万能性】

ハガネ「ハガネッ」ウィーンウィーン

P「……すごいなこれ。どうやって動いてるんだ?」

晶葉「説明しよう!今私が被っている操縦者用ヘルメット、これが感知した脳波をマキナへ送信する」

P「ふむふむ」

晶葉「マキナがそれを感知すると、その脳波パターンを分析、該当するプログラムを呼び出して動作する仕組みだ」

P「それを被って考えるだけで動くわけか」

晶葉「ああ。画期的だろう?」

P(すごいな脳波)

【今はできない(後にできるとも言ってない)】

P「脳波のパターンってたくさんありそうだが……全部対応したプログラムを用意したのか?」

晶葉「さすがに私でも、無限に等しい量のプログラムを用意することはできなかった……」ショボン

P「つまり、このマキナってロボットは簡単な動きか、大雑把な動きしかできないわけか」

晶葉「――いや、その点は問題ない!」

P「と、言うと?」

晶葉「マキナには基礎的な動作以外に、学習機能が組み込まれている。動作を見た操縦者の反応を元に、基礎動作を組み合わせて複雑な動きを学習、実行できるようにしている」

P「ダンスとかも踊れるようになるのか?」

晶葉「根気よく学習させればいずれは、な」ドヤッ

P「……トリプルアクセルからのダブルトウループとかもできるのか?」

晶葉「……今はできないが、学習させればあるいは……」アセアセ

【耐久実験】

P「それにしてもこいつ……結構軽いな」

晶葉「私が以前作っていた特殊な素材を使っている。軽さ、頑丈さ、加工のしやすさ、どれをとっても優れていたので、なにかに使いたかったんだ」

P「確かに、力を込めてみてもびくともしない丈夫さだな」

晶葉「高層ビルから落としても傷1つつかなかったからな。助手の力ではどうにもならないだろう」

P「……は?」

晶葉「……なんだその顔は。言っておくが、周囲と下の人払いはきちんとしておいたから、危険はなかったぞ」

P「……いや」

晶葉「それとも私の発言が信用ならないのか。ならここにデータがある。耐衝撃実験だけではなく、耐圧、耐熱、耐水、耐爆――」

P「……試作機を3機作った理由は?」

晶葉「それぞれで別の試験をしたかったんだ。ハガネは動作確認と耐久実験用――おい助手。なぜハガネの頭をなでる?」

P「――つらかっただろ?よしよし」ナデナデ

【動きを教える(意味深)】

晶葉「あとの2機はこれ――クロガネとシロガネだ」

P「おお、黒と白の色違いか」

晶葉「この2機は学習実験のために作った同型のマキナだ。助手にはこちら、クロガネの学習実験に協力してほしい。なに、暇なときにこのクロガネ用ヘルメットで動かせばいいだけだ」

P「あれ?こういうのはプロダクションのみんなに協力してもらって、数を稼ぐほうがいいんじゃないか?」

晶葉「いや、マキナを動かせるのは1機につき1人だけにしてある。同じ動作を思考しても個人ごとに発する脳波は違うから、かえって学習の妨げになるんだ」

P「となると、こいつは俺の専用機になるわけか。ロマンがあるなぁ」

P「…………」

晶葉「どうした助手よ」

P「いや、踊りと歌とその他を学習させれば、こいつをアイドルマキナに育てられるかなって」

晶葉「……くれぐれも変な動きは学習させるなよ」

【パイロット候補】

晶葉「――登録完了。早速動かしてくれたまえ」

P「よし、やってみるぞ……」オソルオソル

P「歩く……歩く……」

クロガネ「クロガネッ、クロガネッ」ウィーンガチャン、ウィーンゴトン

P「キェェェェェェアァァァァァァアァルイタァァァァァァァ!!!」

ウィーンガチャ、ウィーン

晶葉「その調子で頼むぞ」

晶葉「さて、シロガネのほうだが……誰を操縦者にするかな」

晶葉「まず第1に、事務所に長くいることが多い人。暇潰しで長居してる人ならなおよしだな」

晶葉「第2に、マキナに興味を持ってくれる人。登録変更は手間だし、飽きずにやってくれる人がいい」

晶葉「最後に、センスのありそうな人。効率性を求めるならこれは欠かせないな」

晶葉「まあ、そんな人物がそう都合よくいるわけが――」

紗南「――ちょっとPさん!?なに今の奇声!」

晶葉「キェェェェェェアァァァァァァミィツゥケェタァァァァァァァ!!!」

紗南「!?!?」

【ゲーム脳】

紗南「そういうことならあたしにまかせてよ!」

晶葉「お、やってくれるのか?」

紗南「新ジャンルの育成ゲームみたいで面白そうじゃん。あたし好みの手乗りロボット作れるなんて……ワクワクしてきた!」

晶葉「よし。ならシロガネの操縦者は紗南に決定だな。よろしく頼むぞ」

紗南「やった!それじゃあ、まずは動きを整えて……次は外装……いや、内装かな?ジェネレータは軽め、アセンは機動力を重視して……」

晶葉「……紗南?」

紗南「ん?なに?」

晶葉「いや、多少の改良ならできるが、そんな気軽に内装や外装はいじれないぞ」

紗南「……なぁんだ、残念」

10分後

紗南「ねぇねぇ」

晶葉「どうした紗南。登録ならもう少しで終わるぞ」

紗南「いや、アセン組むのは無理でもさ、オーバードウェポンつけるだけなら大丈夫だと思ったんだけど、どう?」

晶葉「」

【センスが違うんです】

シロガネ「シロガネッ、シロッ」オットット

紗南「わわわっ……なかなか難しいね、操作」

P「はっはっはっ、紗南よ。歩く程度でふらついていては俺には追いつけないぞ?」

紗南「……む。言ったねPさん。すぐに追いついてみせるから!」

5分後

シロガネ「シロガネェッ」トテトテトテトテ

P「な、なんて速い走りなんだ!クロガネが追いつけないっ」

紗南「へへん。覚えゲーとか死にゲーはさんざんやってきたからね。場数を踏めばあたしのもんだ!」ニコッ

晶葉「クロガネはまだ歩きが限度みたいだな」

翌日

クロガネ「クロガネッ」ヨチヨチ

P「うーん、なかなか速度が上がらないぞ」

紗南「Pさん、すごくふらついてるよ。……コツ、教えてあげよっか?」

P「いや、紗南が10分たたずに出来たんだ。俺だって!」

さらに翌日

クロガネ「クロガネェ……」ジタバタ

紗南「……盛大にこけたね」

P「……なんで走れないんだぁ!?」orz

晶葉(単純にセンスの違いだと思うが……)

【原因】

なんやかんやで1週間

P「よし、だいたいの動きはできるようになったぞ」

晶葉「学習機能も少しずつだが働き始めているようだ。2人とも、この調子で頼むぞ」

紗南「了解っと。……でもでも、ただ動かすってのも少し飽きてきたね」

P「とは言うものの、ひたすら動かさないと学習しないだろ?暇なときにとにかく稼働させるしか……」

紗南「なにかないかな、楽しく動かせるやり方」

晶葉「ならば、マキナでスポーツでもしてみたらどうだ?基礎の反復も、独自動作の学習もできる」

紗南「――それだ!」

晶葉「そうだな。やるとしてオススメのスポーツは――」

紗南「Pさん、マキナで格ゲーをやろうよ!」

晶葉「」

P「か、格ゲー?」

紗南「そうそう。ライフゲージはないから、適当に3ダウン取ったほうが勝ちってことで、早速!」

P「まあ別に構わないが」

紗南「ステージは……あのテーブルの上でやろっと」

【不完全燃焼なんだろ?】

紗南「よっし、いくよ!ラウンドワンッ」

P「かかってこい、紗南!」

紗南「先手はもらうよ、シロガネッ」ウィーン

P「迎え撃て、クロガネ!」ウィーン

紗南「まずはKを主体に牽制を……」

シロガネ「シロッ」スッテン

P&紗南「「あっ」」

シロガネ「」ボテンッ

「「…………」」

晶葉「シロガネ、1ダウン」

ラウンドツー

P「しまった、クロガネの足がシロガネに引っ掛かった!?」

紗南「ちょっ!?」

ドテーン!

晶葉「両者ダウン」

ラウンドスリー

紗南「もう後がないんだけど……」

P「決着の要因が事故ばっかりなんだが」

紗南「とりあえずこけないようにP中心で攻撃かな」ウィーン、ヒョローン

ポカッ

P「……当たっても全然聞いてないぞ、そのパンチ」

ヒョローン、ポカポカ

紗南「……めちゃめちゃへっぽこなPだね」

10分後

紗南「助けてアキえもん!決着がつかないよ!?」

晶葉「私にどうしろと……」

紗南「せめて236+Pで波動拳くらいでるように――」

晶葉「――できたら苦労しないさ」ハァ

【コマンド技を出したい】

晶葉「今の動きを見るに、格闘戦ができるようになるのは当分先だな」

紗南「そんなぁ~」

晶葉「まずは学習機能で殴る蹴るの動きを学ばせるところからスタートだな。紗南の言うような技を使えるのはさらにその後だ」

紗南「昇竜拳までの道は長いよ……」

晶葉「とりあえずは気長にやっていこう」

?「その必要はないわ」

晶葉「――誰だ!」

アスラクラインを読んでたらふとアスラマキーナで遊ぶ紗南が頭に浮かんだ。無性にssが書きたくなったから書いた。昨日は4時頃までss書いてたので今ものすごく眠いが反省も後悔もしてない。

という訳で、ムダに引っ張りながら今日は寝ます。

明日もこのペースでまったり書くつもり。今週中には終わるかな?

【超アイドル級のプログラマー】

泉「私がマキナのプログラムを改良する」

P「泉じゃないか」

晶葉「改善策があるのか?」

泉「まずは基礎行動のパターンを増加させる。次はそれをもとにサンプルプログラムを組んで、学習機能の効率化をはかる」

晶葉「なるほど、学習例を最初に用意するわけか。かなり複雑になりそうだが、いけるのか?」

泉「問題ないよ」

晶葉「よし、まかせたぞ。助手たち、しばらくこのマキナは泉に預けるぞ」ガシッ

紗南「了解っと。じゃあその間は、積んでたゲームでもやろうかな」

P(……なんだろう。すごく、魔改造されそうな気がする。プログラム組むだけなのに)

【Q.泉+晶葉=? A.なんでもできるって風潮あるよね】

P「あれから3日か……。晶葉の意見を聞きながら泉がプログラミングしてるみたいだが、どうなることやら」

ちひろ「結構あの2人、いっしょに物作りしてますよね」

P「ハードには晶葉、ソフトには泉。それぞれ強みが違いますから、役割分担してるんでしょう」

ちひろ「2つが合わさって最強に見えるってやつですね」

ちひろ(……便利アイテムや面白グッズを作ってくれるのはいいんですけど、時たまとんでもないのができるんですよね)

P(こないだの人造ブリュンヒルデ事件みたいなことが起きなければいいが……)

ちひろ(サイボーグヒョウ君計画とか勘弁してくださいホント……)

【結果】

さらに3日後

晶葉「泉の改良が終わったから、試しに動かしてくれ」

紗南「……うん、前より滑らかに動くね」ウィーン

P「ぎこちない動きがかなり減ったな」ウィーン

晶葉「私がハガネを動かしても同じようになったな」

紗南「波動拳はだせるようになった?」

P「動きはできてもマキナ自体から何か発射できるような改良がいるからできないだろ」

晶葉「その通りだ。だが、昇竜拳はできるようになったぞ」

紗南「ホント!?さすがだね♪」

P「力の入れどころ間違ってないか?」

紗南「よぅし、これでPさんといっしょにマキナで格ゲーが……」ワクワクドキドキ

P「紗南も期待するところが間違ってると思うぞ」

【そこまでやってなぜやめたんだ】

紗南「さっそく昇竜いってみよう……シロガネッ、623+P!」

シロガネ「ショーリューケンッ」バシュッ

P「ボイス付き!?」

紗南「お、できた――」

ガッシャァン!!

紗南「こけた!?」

ゴロゴロ……ヒューン……

紗南「テーブルから転げ落ちた!」

P「痛った!?小指にシロガネがぁ!」

晶葉「あ、そういえばだが、着地は自分で学習させてくれと泉が言ってたぞ」

紗南「それ先に言ってよ!?」

P「……な、なんでここまでやったのに最後だけ投げてるんだよ」プルプル

晶葉「あの不安定な空中の姿勢から上手く着地するプログラムを組めなかったらしい」

P(――圧倒的、圧倒的なまでの正論ッ!)

【不満な点】

しばらくたって

紗南「ヘルメットが重い……」

P「そうだな。長く装着していると首にくる」

晶葉「そろそろそんな意見もでると思ってな。改良版を用意した」

P「これは……ヘッドフォンみたいな形だな」

晶葉「大幅な軽量化に成功したぞ」

紗南「持ち比べればすぐわかるね」

その後

紗南「う~ん……」

晶葉「どうした紗南。調子でも悪いのか」

紗南「いや、シロガネがなかなか動きを学習しないからちょっと考えてたんだ。なにか裏技ないかなって」

晶葉「裏技はないが、アドバイスならできるかも知れない。どんな動きを学習させていたんだ?」

紗南「竜巻旋風脚」

晶葉「」

紗南「ホントうまくいかない……ってちょっと?なんで無言で去って……おーい」

【なにか物足りない】

紗南「動きはだいたい学習させたから……Pさん、今度こそきちんと格ゲーやろうよ!」

P「わかった。ちょうど今は暇だしな」

P(結局竜巻旋風脚は習得できたんだろうか……?)

紗南「そうこなくっちゃね。よぅし、行け、シロガネ!」

P「よけろ!クロガネッ」

数分後

クロガネ「」プシュー……

シロガネ「シロガネェ」ガッツポーズ

P「なん……だと……?」

紗南「あたしの勝ちだね、Pさん!」

P「ここまでボコボコにされるとは……ゲーマー恐るべし」

紗南「でもなにか物足りないなぁ……。実際の格ゲーと比べると、少し足りない感じがする」

P「体力とかないのは仕方ないと思うが」

紗南「いや、なんと言うか、華やかさがないなぁって感じるの」

P「華やかさか。……見栄え重視で武器でも持たせるか?」

紗南「それだっ!」

【トランプでも持たせるか(大爆笑)】

晶葉「――それで武器を持たせたい、と」

紗南「できるかな?」

晶葉「いや、そこまで難しくないだろうが……とりあえずやってみるか」

数日後

晶葉「できたぞ!マキナ用の大剣だ」

紗南「おお、カッコいいじゃん!」

晶葉「マキナの操作がうまい紗南に試しに使ってもらうとしよう」

紗南「やったね♪よしPさん、もう1戦やろう!」

これまた数日後

P「助けてアキえもーん!」

晶葉「どうした助手よ」

P「紗南にまったく勝てない……。クロガネにも武器をください」

晶葉「単純に技量の違いだろう。武器を持たせても扱いきれないだろうし、トランプでも装備して戦ったらどうだ?」

P「むむむ……」

翌日

P「トランプを1枚盾にして戦ったら、トランプごと一刀両断されたんだが」

晶葉「本当に装備するとは思わなかったよ」

【ハイテク化】

晶葉「2人とも、3日ほどマキナを借りるぞ」

P「いや、もともと晶葉のものだから構いはしないが。調整でもするのか?」

晶葉「そんなところだな」

3日後

P「見せたいものがあると言われてきてみたが……」

紗南「なんだろうね」

晶葉「来たか。まずはこれを見るといい」

P「こ、これは……バトルフィールドか」

紗南「すごい!なんだかカスタムロボを思い出すね」

晶葉「家に強化段ボールが余ってたから、作って見たんだ。あとはこれを渡しておこう」

紗南「えっと、これは……モノクル?」

P「それにしてはサイズが大きいな」

晶葉「それをコントローラーにつけてくれないか」

P「操縦用のヘッドフォンもどきに装着っと」

紗南「お、スカウターみたいになったね」

晶葉「それがディスプレイになる」

P「何に使うんだ?」

晶葉「体力の表示だ。マキナに小型の衝撃感知センサーを搭載して、それを元にダメージを計算できるようにしたんだ」

P(もうこれ商品化していいんじゃないか?)

【そして今に至る】

ちひろ「なるほど」

晶葉「……本当はここまでするつもりはなかったんだが」

ちひろ「2人が喜んでくれるのが嬉しくて、ついハイテク化してしまった。ということですね」

晶葉「ああ」

ちひろ「まあ、晶葉ちゃんは作っただけですし、別に何を言うつもりもないですけど……どうしましょう、あの2人」

晶葉「想像以上にマキナ勝負にハマってしまったみたいだ」

ちひろ「プロデューサーさんも暇あれば紗南ちゃんと勝負してるし、あまりかまってもらえない娘たちのテンションが下降の一途……」

晶葉「……どうしたものか」

ちひろ「もういっそ、1人1機マキナとやらを用意して、みんなで遊べるようにしますか?」

晶葉「さすがに多すぎるぞ。少数なら近いうちに作れるが……」

ちひろ「うーん……実験を早めに終了させるとか」

晶葉「申し訳ないんだが、まだまだデータが欲しいところなんだ」

ちひろ「……どうしましょう」

【かまってくれない】

一方そのころ――

P&紗南「――――」ワイワイガヤガヤ

みく「むぅ……」

みく「最近Pチャンがかまってくれない……」

みく(あのちっちゃいロボット手に入れてから、ずうっと紗南チャンと遊んでるにゃ)

みく「猫は遊んでくれないと寂しくて死んでしまうんだにゃあ……」

みく(Pチャンを1人占めしてる紗南チャンがうらやましい……)

みく「はぁ……ん?あそこにいるのは……ちひろチャンと晶葉チャン?」


晶葉『さすがに多すぎるぞ。少数なら近いうちに作れるが……』


みく「――!」

みく「……にゃはははは!これはいいことを聞いてしまったのにゃ☆」

みく「善と猫は急げ。そうとなればすぐにでも行動決定だにゃあ♪」

【手段は選ばない】

みく「あ~きはチャン♪」

晶葉「」ゾクゾクッ

みく「……どうしたにゃその反応」

晶葉「いや……とんでもない猫なで声だったから思わず寒気が」

みく「いくらにゃんでも傷つくにゃあ」

晶葉「さすがにあの声は……どうしたみく」

みく「みくはさっき聞いちゃったのにゃ。新しいマキニャを作れるっては・な・し☆」

晶葉「確かに作れるが――まさか」

みく「そう。……1機、譲ってくれにゃい?」

晶葉「いや、さすがにそうホイホイと渡すわけには」

みく「……1日デート券」ボソッ

晶葉「――!?」

みく「こないだのCGプロ隠し芸大会の優勝商品。勝ったのはみく。たしかあれ、5枚セットだった気がするんだにゃ~♪」

晶葉「ぐぅ……」

みく「誰かに1枚――いや、2枚くらいあげたい気分にゃんだけど、いい人いにゃいかにゃ~♪」

晶葉「――いいだろう。みく用のマキナを作成しよう」

みく「やったにゃあ!!」

【そこでもゲーム脳】

紗南「最近はよくPさんと遊んでるなぁ」

紗南「Pさんを1人占め!……なんちゃって」

紗南(でもでも、よく考えるといい状況じゃないかな!?マキナの話を共有してるのはあたしとPさんとアキえもんの3人だし、恋愛ゲームとしてみれば、競争倍率は2倍!)ドキッ

紗南(し、しかも……実際マキナを動かしてPさんと交流してるのはあたしだけじゃん!?つまり、Pさんから見た攻略ヒロインは……あたし1人!?)ドキドキ……

紗南(Pさんと2人、ルートは1つ……これはイベント発生のチャンス!!)

紗南「――よしっ!これを機会に、一気にPさんを攻略してエンディングへ向かおう!!」

みく「そうはさせにゃいのにゃあ!」

紗南「!?」

【競技人口=主に2人】

みく「Pチャンと遊ぶ権利をかけてみくとマキニャで勝負するにゃ!」

紗南「で、でもマキナってシロガネ、クロガネ、ハガネの3機しかないはずしゃ……」

晶葉「説明しよう!」

紗南「アキえもん!?」

晶葉「つい先ほど、シロガネとクロガネから得たデータをもとに、新たに3機、マキナを完成させたのだ!」

紗南「――つまり、みくにゃんは」

晶葉「そう、新型マキナの1機――ロードナイトの操縦者なんだ」

晶葉「しかも紗南、新型は今までの実験目的のマキナとは違い、最初から競技用に作られている」

紗南「なっ……」

みく「にゃはは♪それでも勝負するかにゃ?」

紗南「――いいじゃん。受けて立つよ」

紗南「あたしはゲーマー、多少のハンデくらいなれてるからね!ひっくり返してみせる!!」

みく「それでこそみくの相手にふさわしいにゃあ!」

ちひろ「……」

ちひろ(……そもそも競技自体ありませんよね?)

【言いたかっただけ】

晶葉「フィールドはテーブルの上に用意してある」

紗南「よし。行くよ、シロガネ!」

シロガネ『闇より深き深淵より出でし――其は、科学の幻影を裁く剣!』

紗南「うわっ!?知らないうちに新しい音声が追加されてる」

晶葉「対戦時の起動音声だ。盛り上がると思ってな」

紗南「いいね、テンション上がってきたよ!」

紗南「準備完了!ロードナイトだったっけ?新型の性能、見せてもらうよっ」

みく「……ちっちっち。みくのマキニャはそんな名前じゃにゃいのにゃ」

紗南「?でもさっき、アキえもんが――」

みく「ロードナイトじゃなくて、ロードニャイトにゃあ!」ドヤァ!

紗南「――」チョットヒイテル

みく「……あれ?あんまり好評じゃにゃいの?」

ちひろ(さすがにねぇ……)

晶葉「ちひろも見るなら、このメガネをかけたほうがいいぞ」スイッ

ちひろ「これは?」

晶葉「各マキナのライフがわかるデバイスだ」

ちひろ「便利ですね」スチャッ

【便利機能】

紗南「先手をとるよ!シロガネ抜刀、6+S!」

シロガネ「シロガネッ」バシュッ

みく「ロードニャイト、後退!間合いを広げるにゃ」

紗南「なら詰めるだけっ。シロガネ突撃、236+S!」

みく「回避に専念するにゃあ!」

ロードナイト「――」ヒョイヒョイッ

紗南「逃げてばかりじゃ勝てないよ、みくにゃん!」

みく「今から攻めるので問題にゃいよ!いっけぇ!!」

ロードナイト『闇より永き悠遠より覚めし――其は、科学の鎖が縛る刻!』シュバッ!

紗南「ロードナイトの腕からチェーンが……!?しまった!」

みく「捕獲完了、にゃあ」

晶葉「ロードナイトに搭載した機能は鎖の射出及びその制御。中距離戦で効果を発揮する能力だ」

ちひろ(どこにあの鎖しまってたのか聞くのは――禁句ですよね)

【無駄機能】

ちひろ「見事にぐるぐる巻きですね」

みく「これで大剣は使えにゃい!」

紗南「くっ……でも、その戦法には弱点がある!」

紗南「マキナは結構軽いんだよっ。シロガネ、逆に振り回しちゃえ!」

シロガネ「シロガネェ……!」ギギギギギギギ……

ギチギチギチ――

ちひろ「……相当力入れてるみたいですけど、びくともしませんね。みくちゃんのマキナ」

紗南「そんなっ!?いくらなんでもシロガネのフルパワーで動かないはずが――」

晶葉「ロードナイトにはもう1つ機能がある。鎖を逆に相手に利用されないよう施した機能だ」

晶葉「足裏から、超高性能の吸盤を展開できるようにしている。大人1人が全力で引っ張ってもはがせない吸着力だ」

ちひろ「無駄に力いれすぎな気がしますよ、その機能」

みく「振り回すのはこっちにゃ、ロードニャイト!」

ロードナイト「バラ!バラバラァ!!」ブゥン

ガッシャーン

紗南「シロガネッ!?」

【攻略ルートが見えたっ!】

みく「まだまだ、振り回し続けるにゃ」ブゥン、ブゥーン

ガシャーン、ガッシャーン

シロガネ「――」ボロッ

晶葉「一方的な展開だな。シロガネにダメージがたまるばかり。このままだとみくの完勝になるぞ」

ちひろ「でも晶葉ちゃん、紗南ちゃんの眼を見てください。――まだ、あきらめてないですよ」

みく「降参したほうがいいにゃ、紗南チャン。これ以上マキニャを傷つけたくにゃいでしょ?」

紗南「――いいや、まだだよ!たった今、ロードナイトの攻略法を見つけたんだからっ」

みく「にゃにゃ!?」

紗南「あたしが勝つ!シロガネ、フルパワー!!」

シロガネ「シロガネェェエ!!」ギギギギギギギ!

みく「ムダムダなんだにゃあ!ロードニャイト、ソールグリップ展開っ」

ギチギチギチ――

紗南「この瞬間を待ってたよ、シロガネッ」

シロガネ「――」スッ―

晶葉「シロガネが力を緩めて……ロードナイトの体勢が崩れた!」

みく「にゃ!?にゃにが――」

紗南「今だぁ!」

【痛そう(小学生並みの感想)】

紗南「両腕使えないから……ドロップキーック!」

ドカッ

みく「ロードニャイト!?」

晶葉「直撃が入った!」

ちひろ「しかも、ただの攻撃よりダメージが大きい……これは」

晶葉「ソールグリップで足裏が地面に固定されてるせいで、衝撃を逃がせないのか!」

ちひろ「しかもとっさに逃げることも、回避もできない。完全に裏目にでてますね」

紗南「もう一発、ドロップキック!」

みく「くぅ……。グリップ解除!」

ドガッ

ちひろ「また直撃!」

晶葉「だが、今度はダメージが小さい。しかも吹き飛んだから間合いが開いたぞ」

みく「やるにゃ、紗南チャン!でもこれで仕切りにゃおしがきくのにゃ」

紗南「それはどうかな?あたしの反撃はここからだよっ」

【綱引きで縄をいきなり離したら?】

みく「この距離はロードニャイトの間合いにゃ!まだチェーンは巻いたまま、また投げてやるのにゃあ」ウィーン

紗南「もうそのやり方は通じないよ!シロガネッ、投げ返せっ!」

みく「ソールグリップ展開にゃっ」

ギチギチギギギ……

ちひろ「チェーンを引っ張りあってますね」

シロガネ「――」スッ

晶葉「またシロガネで力を緩めて――ロードナイトが倒れそうに!?」

晶葉「――そうか!引っ張りあいでいきなり力を緩めれば、相手の体勢は崩れる」

ちひろ「そこで姿勢を直せれば小さな隙ですみますけど、ロードナイトは吸盤を使ってますから――」

紗南「そう!足裏が固定されてるなら、とっさにバランスが取れないからね。この勝負、もらった!」

【八方塞がり】

紗南「てりゃあ!」

ドガッ!

ちひろ「本日3回目のドロップキック……」

みく「――グリップが裏目にでるなら、使わずに投げればいいにゃ!」

紗南「そうするなら、投げ返すだけだよっ。いけ、シロガネ!」

シロガネ「シロガネェッ!!」

ブゥン!!

ロードナイト「バラァ!?」ガッシャーン

みく「しまったにゃあ!?」

ちひろ「みくちゃん、やること全部裏目に……」

晶葉「チェーン頼りの戦法は紗南にはもう通用しないからな。どうする?」

みく「まだ体力はロードニャイトが上。ここはチェーンをほどいて回収してから……」

シュルッ

ちひろ「シロガネの拘束が解けた!」

紗南「よし。シロガネ、飛び込めっ」

晶葉「――一気に距離が縮まったぞ!」

みく「この間合い、チェーンを射出する余裕がにゃい……」

ちひろ「格闘戦にもつれ込みそうですね」

【決着!】

みく「うにゃあ!」

ロードナイト「バラァッ」ブゥン!

シロガネ「――」シュバッ!!

ちひろ「ロードナイトの拳撃をシロガネが避けて――ゼロ距離!」

みく「なんで当たらないのにゃあ!?」

紗南「反撃確定……1コンボで決めるっ!」

シロガネ「シロガネェェエ!!」ウィ――ン!

紗南「いくよ――まずは6+Pから!」

ボカッ!

紗南「そのままたたみかけて――」

ドガッ、ボガッ!!

紗南「623+P、昇竜券!」

シロガネ「ショウリューケンッ!」ガスッ

晶葉「打ち上げた!」

みく「身動きが!?」

紗南「トドメッ、シロガネ抜刀――」

シロガネ『闇より深き深淵より出でし――』

紗南「兜割り、いっけぇ――!」

シロガネ『――其は、科学の幻影を裁く剣!』

バシュッ!!

winner 紗南&シロガネ!

【人口増加】

ちひろ「いい勝負でしたね」

晶葉「ああ。ロードナイトの機能実験だけではなく、シロガネの――マキナのポテンシャルの高さも確認できた」

晶葉「更なる改良案がうかんできたぞ……!」ワクワク

みく「うにゃあ……途中まではよかったのに」ガックシ

紗南「いくら強い技があっても、そればかりだと読まれるからね~」

みく「むむ……紗南チャンから勝者の余裕オーラを感じるにゃ。次は負けないよ!」

ちひろ(楽しそうでなにより)

ちひろ(なによりですけど……)

ちひろ「マキナが増えたってことは、一層騒がしくなるというわけで……はぁ」

ちひろ(――あれ?)

ちひろ「そういえば晶葉ちゃん、新型は3機作ったって言ってましたけど。残りの2機は?」

【かげからみてる】

?「みくさんが負けてしまいましたか」

?「でも、ロードナイトは新型マキナ3機の中では一番直接戦闘能力が低い機体……」

?「紗南さんのシロガネなんて、ボクのカワイイ『ビスマス』の敵じゃありませんっ」

?「次にPさんと遊ぶのはこのボクです!」

ビスマス「――――」ウィーン……

ちひろ(――なるほど、1機は彼女が持っているわけですね)

ちひろ「もったいぶらないで出てきて遊べばいいと思うんですが……うーん」

【たぶんラスボス】

?「ちょっと調べてもらいたいことがありましてよ」

?「ええ、あの小さなロボットについてですわ」

?「なるほど、すでに大方は調べ終えていると。さすがですわね」

?「ならお願いが1つ。――同じようなロボットを、作ってはいただけないかしら」

?「――ええ。くれぐれも内密に。お願いしますわ」

?「……ふう」

?「Pちゃまの1人占めはさせませんわ、紗南さん」フフフフフ……

【次回予告(適当)】

次回の手乗りマキナは!

事務所に戻ってきたPの前に立ちはだかる新たなマキナ『ヒスイ』!

その強力な能力を前に、クロガネは絶体絶命!?

紗南「超必を全部ジャストガードすれば反確だよっ」

P「俺はウメ○ラじゃないからな!?」

誰もが諦めかけたその時、クロガネに宿るブリュンヒルデの力がついに目覚める!

次回、「さすがに冷凍機能はつけれそうにないよ」!

お楽しみに!!





?「――ちょっと!?ボクのビスマスは!?」

なんか最初のほうに1週間で終わるかな?って書いた記憶があるけど……ご覧のありさまだよ!

終わるどころか1週間続き書けてないよ!

……ホントはみくが『ロードニャイト』でドヤ顔したところで終わる予定だったんです、はい。

【勝てない】

しばらくして

紗南「いっけぇ~!」ボカッ

winner 紗南&シロガネ!

――――

紗南「これでっ!」ドガッ

winner 紗南&シロガネ!

――――

紗南「チェストォォ!!」ザシュッ!

winner 紗南&シロガネ!

――――

P「助けてアキえもん!紗南に勝てないよっ」

ちひろ「の○太ですかプロデューサーさん……」

晶葉「データを見る限り15連敗。確かに私に泣きつきたくなるのもわかるが」

ちひろ「とりあえず練習あるのみでは?」

P「してるんですが……剣のリーチがどうにもならないんです」

晶葉「確かに、あの剣技に素手で対応するのは難しいだろうな」

ちひろ「白刃取りとか?」

P「できたらこうも連敗してませんよ」

晶葉「……さて、どうしたものか」

【切れ味=そもそも切れない……はず】

P「お願いです、クロガネに新装備をください!さすがにトランプでは勝負にならないんです」

晶葉「まだトランプ使ってたのか……」

P「こないだは5枚重ねの上から叩き斬られた」

ちひろ「……あの大剣、刃はついてないんですよね?」

P「ついてない。……ついてないと信じたい」

晶葉「つけてないぞ。……確かにつけてない剣を渡した」

晶葉「――まあ、このままでは助手が不利なだけだから、クロガネを強化することにしよう」

P「本当か!?」

晶葉「ああ。いくつかアイデアがある。それを新装備に使ってみよう」ワクワク

P「やったぜ!」

晶葉「それではさっそく作るとしよう」

晶葉「何を使おうか。重力操作か、極低温化か、それとも――」ブツブツ…

ちひろ(聞こえてくる単語がすごいものばっかりなんですが……大丈夫でしょうか)

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