結衣「ゆきのんはクリスマス予定ある?」雪乃「サンタ狩りよ」 (31)

結衣「えっ?」

雪乃「聞こえなかったかしら?私のクリスマスの予定はサンタを狩るのよ……いえ、より正鵠を射た表現をするのなら
この世に存在する過去と未来のサンタ全てをこの手で消し去る、ね」

結衣「ちょっ、えっ?ゆ、ゆきのん?あの、意味わかんないんだけど……な、なんでサンタさんを狩るの?」

八幡「それは俺から説明しよう」ガラッ

結衣「ヒッキ―!」

雪乃「帰りなさい」

八幡「……」

ピシャッ

結衣「ヒッキ―!!」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382933804

ガラッ

平塚「ならば私が説明しよう」

結衣「あ、先生……ヒッキ―?ヒッキ―は??」

平塚「そこで膝抱えて泣いている」

雪乃「泣き谷君。廊下に汚物をまき散らして、一体誰が掃除すると思っているの?それに通行の邪魔よ。
大人しく家に帰って人並みの生活を全うした後死になさい」

結衣「それだいおーじょうだよゆきのん!!」

八幡「甘いな由比ヶ浜。俺がそんじょそこらのリア充みたいな人並みの生活なんて出来るわけねーだろ。
なのにそれを強制するこいつはとんでもない悪だ」ズビビ

雪乃「鼻を啜るなんてみっともないわよ恥じ谷君。ティッシュでちゃんとかみなさい」ブンッ

八幡「さんきゅ」ブフッ

雪乃「それから、頬に涙が付いているわ……こら、制服の袖で拭こうとしない。ハンカチを使って……
本当、貴方はどうしようもない人ね。比企谷君」

八幡「おうすまん……ってあれ?由比ヶ浜は?」

平塚「そこで膝を抱えてブツブツ言っているぞ」


平塚「それで、サンタ狩りの話だったな」

雪乃「先生それよりもちゃんとノックをしてください」

平塚「あぁすまない。それで、サンタ狩りの話だったな……」

雪乃「先生、ノックを」

平塚「……」ピシャッ

コンコン

雪乃「はい、どうぞ」

ガラッ

結衣「ゆきのんあたし……負けないから!」

八幡「おっ、やる気十分だな」

結衣「うん!! ――あっ、やっ、ヒッキ―キモいし!!」

八幡「うん」

雪乃「そうね」

平塚「よし。それじゃぁそろそろサンタ狩りの話でもしようか」

平塚「まぁこれを読んでくれ」

八幡「これ……稲中卓球部じゃないですか!!」

結衣「なにこれ……絵がキモい……」

雪乃「安心して由比ヶ浜さん。比企谷君の方が気持ち悪いわ」

八幡「お前そういう反論できない簡素な表現止めろよ」

平塚「これの確か……あぁこのページだ」

結衣「あっ、本当だ!サンタ狩りって言ってる!」

雪乃「そして由比ヶ浜さん。このパソコンを見なさい」

結衣「なになに……あっ、サンタ狩りって書いてる!ゆきのん凄い!!」

八幡「ページを開いたのは俺なんだけどな」

平塚「尤も稲中と大型掲示板では『サンタ狩り』と言っても意味合いに若干差異があるのだがな。
稲中は似非やバカップルを、大型掲示板は資格持ちを……君たちの標的はどっちだ?」

雪乃「無論、本物です……忘れもしない……あれは私が五歳の時の話……」

八幡「(回想始まった……)」

雪乃「……という訳です」

平塚「なるほどな……」

八幡「(それは陽乃さんが悪いな)」

結衣「ゆきのん可哀想……」ズビッ

雪乃「以来私はサンタへの復讐を誓った……はい由比ヶ浜さん。鼻ちーん」

結衣「ちーん!!」ブブッ

みんなでくるくるしよう
?ヽ(・ω・`ノ?
  (ω・`?
  (・`?)
  (?ヽ )
 ?ヽ  )?
?ヽ(   )ノ?
?ヽ(   )ノ?
?ヽ(  ´)ノ?
  ( ´・?
  ( ノ?)
  ( ?´・)
  ?ヽ´・)
 ?ヽ´・ω)?
`?ヽ´・ω・)ノ?

平塚「雪ノ下の意図は大体解かった。というかまぁ、予想通りだったな。
それじゃぁ比企谷は当日の十八時に駅に集合で良いか?二人で妬み嫉み辛みに染まったレッドクリスマスを楽しもうじゃないか……」

結衣「えっ、ちょっ、そ、それはダメ!二人っきりなんて絶対ダメ!!」

平塚「なっ、か、勘違いするな! 聖夜を性夜に変えようとする不届きものたちの雰囲気をそれとなくぶち壊して
か、帰りにでもちょこっと激辛ラーメンをでもなと……」

雪乃「もしかしなくてもそんなことばかりしているから結婚出来ないのでは……?」

平塚「がはっ!?」カハッ

八幡「おい雪ノ下発言に気を付けろ。今から喀血させちまったら当日に流す血涙が足りなくなるだろ……年なんだから」

雪乃「あっ……先生、ごめんなさい……」

平塚「うわーん!!」ダダダダダダダダダ

結衣「行っちゃった……」

八幡「良い人に……出会えると良いな、うん」

雪乃「無理よ」

結衣「断言しちゃうんだ!?」

結衣「じゃなくて!! ゆきのん、サンタさんを狩るなんて馬鹿なことは止めて、皆でクリスマスパーティーしようよ!」

雪乃「……馬鹿な事? 馬鹿なこと、ですって……由比ヶ浜さん、貴女に一体私の何が解かると――」ギュッ

結衣「ゆきのんは良い子だから、今年はちゃんとサンタさん来るよ!」ジッ

雪乃「……! ば、馬鹿馬鹿しいわ……そもそもサンタクロースの伝承は四世紀ごろの東ローマ帝国ミラの司教ニコラウスが貧しい家に金貨を投げ入れたことが起源となっていて――」

結衣「はいはい、良いから、ね? はいはいはい」ナデナデ

雪乃「ちょ、ちょっと由比ヶ浜さん……頭を撫でないでちょうだい……」

八幡「(かーえろっ)」スゥッ

結衣「えへへ、当日はゆきのんのお家にお泊りして、サンタさん捕まえちゃおっか!」

雪乃「由比ヶ浜さん貴女……さっきは馬鹿馬鹿しいことだからやめろって……」

結衣「あれー? そうっだっけ? まぁ楽しかったらどうでも良いじゃん!」

雪乃「……まったく、貴女は……」

結衣「あはは! あっ!そうだ忘れてた!ねぇ、ヒッキ―もクリスマス――ってあれ??ヒッキ―は??」

雪乃「彼ならさっき独り居た堪れなさそうに帰っていったわ」

結衣「アイエエエ!? 全然気付かなかった! もう、ヒッキ―ってば相変わらずなんだから……あっ、そうだ!」

雪乃「? 由比ヶ浜さん、あまり比企谷君を虐めては駄目よ?彼だって一応生きているのだから」

結衣「そんなことしないよ!? ていうかヒッキ―はちゃんと生きてるからね、多分!!」

雪乃「貴女も確証は持てないのね……」

結衣「もう、そんなこというゆきのんには絶対に教えないんだから!」

雪乃「貴女も大概酷い事を言っていたと思うのだけど……」

八幡「(クリスマスが今年もやってくる。楽しかった出来事を消し去るように)」

八幡「(……消されてたまるかよ! なんとしても……なんとしてもあいつだけは俺が守り通す……!!!)」

八幡「……戸塚……愛してるぜ……!!」カシャンッ

八幡「……ん?」ジャラッ

八幡「んん??」ジャラジャラ

陽乃「ひゃっはろー♪犯人確保ー♪」

八幡「え、冤罪だ!今すぐこの手錠を外してくれ!!」

陽乃「いや、あ、うん。ばっちり聞こえてたから、うん」

八幡「俺は何も後ろめたいことなんて言ってません!!」

陽乃「そ、そっか……」

八幡「(訳が解からない……心なしか雪ノ下さんもドン引きしている……くそっ、まさかもう一人の俺が何かしたのか……?
ぞおくのおにいちゃんは八幡の体から出ていってよ!!)」

陽乃「いやー……もんじゃ食べに行ったときにもしかしたらって思ったけどやっぱりもしかしちゃってたんだねー。
いやまぁ確かに可愛い子だなーって思ったけど……あ、あの、まだ間に合うから雪乃ちゃんにしとかない?
体つきはそんなに変わらないんだしさ、ね?」

八幡「俺、体で人を選んだりしませんから」

陽乃「じゃ、じゃぁ雪乃ちゃんには何が足りないのかな?も、もしか――」

八幡「戸塚。戸塚が足りない」(慈愛……ですかね?)

陽乃「……ハイ」

八幡「(もっとだ!もっと戸塚を寄越せ!!)」

八幡「……で、なんの用なんですかいきなり人に手錠を掛けてまで……どうせ碌でもないことなんでしょう?
俺今日婆ちゃん倒れたんで無理っすよ?」

陽乃「相変わらず嘘が雑だね~。そういうところは嫌いじゃないかな……まぁ、うん……」

八幡「(珍しく歯切れが悪いな……どうしたんだ……?)」

八幡「具合が悪いなら早く帰って寝た方が良いっすよ、んじゃ」フリフリ

陽乃「いや具合とかそういうのじゃなくてちょっと頭が痛くなることが主に比企谷君で――ってアイエエ!?ひ、比企谷君!?
手錠、手錠は!!?なんで抜けてるの!?」

八幡「(ふぅ。中学の頃もしもの時の為にと練習しといて助かったぜ……またクソ親父の宴会本に助けられちまった……)」

陽乃「ちょっ、待った、ストップ比企谷君!あぁもう!これ!」ブンッ

八幡「あでっ」ボスッ

陽乃「お姉さんからのちょっと早いクリスマスプレゼント!今日は調子悪いからまた出直すね、それじゃぁばいばーい!」

八幡「たくっ……本当嵐みたいな人だな……」

八幡「(しかしまぁ、折角貰ったんだし中身確認してみるか。いらなかったらそこのコンビニに捨てて行けば良いんだし)」ガサガサ

八幡「……? なんだこれ……鍵と、番号……?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年11月04日 (月) 01:37:42   ID: 0nD303BX

はよ

2 :  SS好きの774さん   2015年01月04日 (日) 21:32:29   ID: dNWQFCeZ

八幡の親父すげーwww

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom