龍が如く×マジすか学園3×特命係長只野仁×シティーハンター (15)

クロスオーバーです。

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そこは窓もなく、食事はパンと牛乳だけ、脱出は不可能と言われる監獄……そんな刑務所に私は連れてこられた。
マジすかプリズンを脱獄後、しつこい追っ手から、親友であるピースと名無しを逃げさせる為に、囮となった。
目隠しをされ、車に乗せられた為、この刑務所がどこにあるのかもわからない。

皮肉にも、脱獄したマジすかプリズンに連れてこられた時と殆ど同じ状況だ。
唯一、違うのは記憶があることだけ。


因みに、この刑務所には男も女も関係ない。
そこに人権やプライバシーなんてものはない……男女共同で檻に入れられ、寝食を共にする事が当たり前。
収容されているのは、凶悪犯ばかり。
運が悪く、寝食を共にする人に恵まれなければ喧嘩、レイプなどは日常茶飯事。
その点、私は多少だが、運良くまともな人間達に恵まれた。

関西の龍と怖れられたヤクザ・郷田龍司元プロボクサー・田島重行、女泥棒・飯本初音……彼らは私にこの刑務所での仕事などを教えてくれた。

それは、ある日の晩だった……今日もテーブルを4人で囲み、他愛もない会話をする。

田島「オレ、この前まで全日本のチャンプだったんすよ~……」

郷田「これでも関西の龍と呼ばれてたんや~……」

飯本「あたいの盗んだ一番、高価な物は~……」

主に会話は自分達の昔話か雑談が主だった。
パルはその会話をいつも聞いているだけ……でも今日は違った。

田島「皆さん、こっから出れたら何したいっすか?」

郷田「久々に焼肉でも食いに行きたいのぉ」

田島「焼肉かぁ……いいっすね!」

郷田「そんなら、全員がここから出たら、ワシが奢っちゃる」

飯本「そんな約束しちゃっていいの?あたい、結構食うよ?」

楽しそうに会話をしているが、パルの耳には全く入ってこない。
と言うより、聞く気が無かったが、田島が質問してきたので、仕方なく答える。

田島「パルちゃんは何かしたいことある?」

パル「仲間を救いに行く……だから今日でお別れ」

私には焼肉を食べることなんかより、やらなければならないことがある。
マジすかプリズンで待っている仲間を助けに行くことだ。

郷田「それはどう言う事や?」

今まで、常に口を開かなかった私はここに来た経緯、マジすかプリズンでの出来事を全て喋ると、その場にいた3人は凍りついた。

郷田「成程な……だけどここから出るのは不可能や。ワシらは終身刑みたいなもんやからな」

パル「不可能でも仲間を救いに行く。脱走してでも」

郷田「えぇ度胸しとるやないかい。でもな今はその時やない。仲間の為にも命は無駄にしちゃあかんのや」

私は郷田にそう言われたが、気持ちは全く変わらなかった。
もうこの刑務所に来て2週間は過ごした……今、こうしている間にも仲間達が私の救いを待っているに違いない。
そう考えると、黙ってジッとしていることなどできなかった。
善は急げ……脱獄の決行は今夜だ。

パルは皆が寝静まったのを確認すると、昼間に予め盗んでおいた、部屋の鍵を取り出し、部屋の外に出ると、見張りの警備員に気づかれないように、慎重に行動した。

しかし、監視カメラがいたる所に取り付けられており、気付かれないように脱出すると言うのはさすがに無理があった。

けたたましい音のサイレンが鳴り響き、「脱獄だぁ!」と言う声が、監獄内で木霊する。
バレた以上、こうなれば、強行突破で脱出するしか方法はない。
それに脱出ルートは一つしかなく塞がれる前に迅速に行動する必要があった……長い階段を駆け上り、屋上に出れば、断崖絶壁の崖があるが、何とかよじ登りさえすれば、外に出られる。
しかし、成功者は誰一人としていない……でもやるかしかない。
階段までの通路にいる警備員達を次々と倒して、屋上の扉にまでたどり着いた。

だが、そう上手くはいかなかった……夜になると、屋上への扉に鍵が掛かるらしく、扉が開かない。
パルは焦った……このままだと捕まってしまうのは時間の問題。
蹴っても殴ってもビクともしない扉の前でパルは項垂れた。

誰かが階段を駆け上がってくる……パルは敵に備えて身構えるが、現れたのは意外や意外、飯本だった。
飯本はパルに駆け寄ると思いっきりビンタした。

飯本「何で脱獄するならするって相談してくれないの!?」

パル「これは私の問題だから……」

パルは巻き込みたくはなかった……脱走がバレて捕まれば、何をされるかわからない。
脱獄を手伝ってくれなどとは言えるはずもなかった。

郷田「そりゃ違うで」

田島「パルちゃんが脱獄するのなら、これは俺達の連帯責任になっちゃうんだよ」

そう言って駆け上がってきたのは郷田と田島だった。

パルは飯本に扉の鍵を渡される。

飯本「4人で逃げましょ」

パルは頷くと扉を開く。
監視が誰一人いない……4人は全速力で崖に向かう。
近くで見ると、ビル10階くらいの高さはあり、途中で落ちたらそれは「死」を意味する。

郷田「準備はええか?下を見たらあかんで」

登りはじめようとした時、銃弾がパルの隣で登ろうとしていたパルの頬を霞める。

野中「ここから逃げれると思ったか?」

警備の大群を引き連れ、この刑務所の所長である野中が不気味な笑みを浮かべてこちらに近づいてくる。
野中は残虐かつサディストで懲罰と言う名目で何人もの囚人を甚振っては殺害している、狂人。

郷田、田島、飯本が次々と崖を降り、野中と対峙する。
人数では勝ち目がない……パルも参戦するべく登りかけていた崖を降りようとするが、郷田に制止される。

郷田「パル!仲間の為にもお前は行け!……焼肉はまた今度会った時に必ず奢っちゃる。約束や」

パル「でも!……」

田島「元チャンプのオレからしたら雑魚の集まりだから心配するなって!」

飯本「あたい達も後から追いつくから先に逃げなさい」

パル「わかった……でも絶対に死なないって約束してくれ」

郷田「おぉ!絶対にワシは死なへん。お前はとりあえず神室町に行って桐生一馬と言う男を頼れ。必ず、お前の力になってくれるはずや……さぁ行くんや!」

パルは降りかけていた崖をよじ登りはじめる。
下では郷田達が必死に戦っている……今すぐにでも降りて、助太刀したいが、それは郷田達の想いを無駄にすることになってしまう。
今は郷田達の言葉を信じて、生き延びるしかない。

パル「登った……」

パルは成功者、未だ0人と言われる断崖絶壁の崖を登りきったのだ。
ゆっくりと急な坂道を降りていくが、暗闇と疲れから、足元を滑らせ、転がり落ちてしまう。

パル「仲間を救わなきゃ……」

泥だらけの囚人服にボサボサの髪の毛に崖を血まみれの素手で、登る。
パルの身体は体力の限界を越えていた……それに加え、まともな食事を摂らせてもらえなかった影響から何度も立ち眩みにあった。
でも休めば、追っ手に捕まるかもしれない……パルは力を振り絞って山を下っていく。

スマソ
眠いんでつづきは次の来た時にでも投下汁

おつです
頑張ってな!

多重クロスが面白かったためしがない

糞確定

続き投下

>>7
サンキュー頑張るよ

>>8
そう焦らないで読んでから判断して

ふらふらと街を彷徨う少女、髪はボサボサで顔には掠り傷、服は泥まみれでボロボロの囚人服。
衰弱しきった彼女の姿を見たら、誰もが手を差し伸べたくなるはずだ。
しかし、手を差し伸べるどころか、声すらかけない。
眠らない街「神室町」では、賑やかな住宅街、飲食店、アミューズメントパーク、コンビニ、ビル、カジノ、キャバクラや風俗店などが多数存在し、一見華やかに見えるが、その裏ではホームレスの溜まり場になっている。
職を失った者、前科がある者、老若男女問わず、ホームレスは溢れ返っており、私もその一人として見られていたのだろう。
神室町ではホームレスの少女がうろついていても珍しくはない。
私は朦朧とする意識の中、人間離れした強さで、神室町の危機を救ってきた伝説の極道、桐生一馬を捜し続けていた。

街行く人達に声をかけるが、清潔感の無い見た目からか、決まって無視される。

何か食べるお金も寝泊まりできる家も無い。

私は第三公園のベンチで横になり、星空を見上げて、仲間の事をふと考えていた。
自分に一筋の希望を託し、マジすかプリズンで助けを待つ仲間、自分を逃がす為に追っ手の足止めをしてくれた刑務所の仲間、そして共にマジすかプリズンを脱出したピースと名無しは無事だろうか……。
そんな事を考えるうちに、瞼がだんだんと重くなってきた。
それもそのはず、ちゃんと睡眠や食事をとったのは何時だったか……少なくとも、1週間は何も食わず、睡眠もとらずに神室町を目指して歩きっぱなしだった。
私は仮眠をとるため、目を瞑った。


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私は気づくと、霧の深い森の中に立っていた。
一人ではない……右にはピース、左には名無し、私の仲間がいる。
ここはどこかで見覚えがある森……それも忌まわしいプリズンのある森。
皆を助けに来るためにここまでやって来たのだ。

「助けに来たよ!」

施設に突入する私達が目にしたのは、あれだけ助けに行くと、救い出すと誓った仲間達のあまりにも無惨で血まみれな姿があった。
横たわっているが、殆ど服は破れ、皮膚は拷問のせいか、焼けただれ、身体中に痣などを残しいるのが、遠目でわかる。
私は思わず目を逸らさずにはいられなかった。


「助けてパル……」

「助けてよ……」

「助けて……」

「助けて……」

倒れていた仲間達は、ゾンビのように立ち上がり、譫言のように「助けて……」と私に助けを求め、縋りつく。

「イヤァァァァァァァァァァ!!」

私は仲間達が差し出したその手を怖くて、握ることができなかった……やっぱりマジすかプリズンを潰し、仲間を助けることなど不可能だったのか。
私の絶望を表現するかのように、周りが暗くなっていった。

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そこで私の目が覚めた……太陽の日差しが眩しい。
夢だった……リアルすぎて、まだ心臓がバクバクと動いている。

「嫌な夢……」

私は気持ちを落ち着かせ、嫌な夢を吹っ切るように一晩過ごした第三公園のベンチから起き上がる。
もし、1週間以内に桐生と言う男の情報が掴めなければ、私は一人でも仲間を救い出しに行く……そう心に決めていた。
そもそも、私は桐生一馬と言う男に会ったことがない。
顔は勿論、写真も持っていない……手元に手掛かりが一切ない状況。
手掛かりは嫌と言うほど、郷田に聞かされた「桐生一馬は義理人情に厚く、困っている人間を放ってはおけない極道の鏡とも言える男で喧嘩の強さは人間離れしている」その話だけ。
郷田は「桐生一馬」と言う名前を出すだけで、神室町の人間ならわかるはずだと言っていたが、本当だろうか。
そもそも、ホームレスだと思われて無視されているのが現状なので話を聞こうにも聞けない状況なのだが。

今日も一日中、歩き疲れて収穫は無し。
暫く何も食べていないせいで、貧血気味だ。
きっと栄養がいきわたっていないのだろう。
このままでは仲間を助けに行くこと以前に野垂れ死にしてしまうのが目に見えている。
かと言って、脱獄してきた私に食料を買う金などない。
食い逃げ、万引き……今はそうするしか生きる道はない……別に警察に捕まろうが、命を落とそうが構わない。
でも、それはプリズンの仲間達を救った後の話だ。
今は警察に捕まることも死ぬことも許されない。

私は覚悟を決めて、天下一通りにあるポッポと言うコンビニに入った。

店員「いらっしゃいませ~」

店員の陽気な声が今の状況では耳障りでしかなかった。
とっとと、食い物を盗んで逃げよう。
弁当は大きすぎるからバレるし、カップラーメンも肝心のお湯が無い。
飲み物は水道水で何とかなるとして、やはり盗むならポケットに入れても隠せるおにぎりかパンだろう。
おにぎりとぱんを一つずつ、ズボンの両脇にあるポケットに入れようとしたが、その手を誰かに捕まれた。
心臓がバクバクした……バレてしまったのか……。
恐る恐る掴まれた手の方向を見ると、清潔感MAXの白いスーツ姿に胸元がザックリ開いた黒いシャツを着ている男。
見た目からして、ホストかなんかであることはすぐにわかった。

???「何してるんだ?」

私は逃げようと、無言で立ち去ろうとしたが、その男に止められた。

パル「今は捕まることはできない……仲間の為にも……その後ならいくらでも罰は受ける。だから見逃してくれ」

男は少し考え込むと、私の手からおにぎりとパンを強制的に奪う。
私も抵抗したが、コンビニ内は狭く、事を大きくなればこちらが不利になる。
何より、何も食べていなかったためか、全く力が出ない。

???「理由がどうであれ、これは犯罪だ。君の仲間だってそんな事望んでなんかいないと思うぞ?」

男の説教くさい言葉にイラッときた私は男の胸ぐらを掴んだ。

パル「何も知らないくせに知ったような口を聞くな」

こうなってしまった以上、ここで食料を盗み出すのは不可能。
私は一呼吸置くと、男の胸ぐらから手を放すと、無言でその場を立ち去ろうとしたが、また男の手が肩を掴む。

???「腹が減ってるんだろう?ちょっとこい」

男は私の腕を引っ張ると、
ポッポを出て、そのまま真っ直ぐ歩き、一晩過ごした第三公園を通ると中道通りに出る。
この通りは、セガのゲームセンター、スマイルバーガー、喫茶店アルプス、ドン・キホーテなどがあり、神室町で最も人が多い場所である。
左に曲がると、大きなビルが見える……あれが有名なミレニアムタワー。
そしてミレニアムタワーを正面に右斜めの方向に進む。

パル「どこに連れて行く気だ?」

???「いいから黙ってついてこい」

そんなやり取りをしていると、ミレニアムタワーの横で私達は見るからに、ギャングチームの男達に囲まれた。
その数四人……四人のギャング達は私達に向けて、殺気を飛ばしているのを感じる。

ギャングA「お前が元スターダストの№1ホストの一輝だな?」

一輝「何だお前達は?」

ギャングA「お前に騙された白木綾乃の兄貴だよ!」

案の定、私と一緒にいる男はホストだったようだ。

一輝「俺は騙してなんかいない。結婚はできないと言ったのがどうして騙してることになるんだ?」

ギャングA「はぁ?何言っちゃってんの!?綾乃のはなぁ……綾乃はお前と結婚まで考えてたなのにお前はその気持ちを踏みにじりやがって!綾乃を差し置いて、その薄汚い女と付き合ってんのか?どこまでキモイ奴なんだ」

一輝「確かに彼女の気持ちに応えられずに傷つけた事は謝る。でもそれが俺達ホストの仕事だ。後、こいつは彼女でも何でもない」

ギャングA「屁理屈はいいんだよ……クソホスト覚悟しろやぁ!」

私の目の前で、喧嘩が始まる。
ただのホストだと思って馬鹿にしていたが、4人いるギャングチームと互角に渡りあっている。
私は放っておくこともできず、一輝と言うホストに加勢する。
相手はただ弱い奴が吠えているだけで勝負は明白だった。
衰弱しきった私の拳でKOされるギャング達……手応えが皆無だった。
ギャング達は捨て台詞を吐きながら、その場から逃げ出していった。

この店には桐生と共に神室町を救った伊達と言う刑事がいる。
一輝からそう聞いた私は天下一通りにあるニューセレナの前に立っていた。
桐生の情報は何か聞けるだろうか……。
私はエレベーターを使い、店に入る。

ママ「いらっしゃ……」

私が店に入るなり、セレナのママと白髪混じりの男は言葉を失う。
こんな恰好をしているので、驚くのも無理はないが。

「刑事の伊達はいるか?」

「伊達は俺だが?……お前さんどこかで会ったか?」

白髪混じりの中年男性が目をパチパチさせ、キョトンとした顔で私を見る。
面識もない、みすぼらしい恰好をした、若い少女に名前を言い当てられ、何が何だかわかっていないのだろう。
しかしそんなのしったこっちゃない。
早速、単刀直入に桐生の事を聞いてみることにした。

パル「桐生一馬と言う男がどこにいるか知ってるか?」

伊達「何だ、お前さん桐生を捜してるのか?あいつの知り合いか?」

パル「いや……」

首を横に振る私を見て、伊達は懐疑的な顔をする。

伊達「じゃあどうして桐生を捜してるんだ?」

パル「仲間を……ダチを救う為、あいつの力を借りたい」

伊達「話が全く伝わらん……仲間を助けたいってどう言う事だ?俺は刑事だ。安心しろ、守秘義務は守る」

パル「……あんたはマジすかプリズンって知ってるか?」

一瞬、話すのを躊躇ったが、桐生の情報を得るためには仕方ない。

伊達「マジすかプリズンって凶悪事件を起こした少女達を集めた刑務所の事じゃねぇか。しかしあれは都市伝説だ。そんな機関存在する訳がない」

パル「あんたは何も知らない……実際にマジすかプリズンは存在する。私はそこから逃げて来た」

少年法が新しく改正され、法務省矯正局が委託した民間企業が少女刑務所を運営することになった。
それが民間更生教育法人「プリズン HOPE」 通称「マジすかプリズン」である。
元々学園だった施設を改装し、少女たちは罪状に関係なく無期懲役が科せられ、プリズン側が模範生として認めた場合のみ釈放。
それぞれにチームが割り振られ、受刑者同士で戦わなければならない。
逃げようとして、施設内の森の境界線を抜けると受刑者それぞれに付けられた腕輪から毒が発生し、死に至る。
しかし、本来は単なる監獄施設ではなく「クリーナー」と呼ばれる暗殺者を生み出す目的で作られた。
だが私達はクリーナーになる事を拒否した。
プリズンの駒になることを良しとせず、戦う事を決意したからだ。
私が所属していたチームハブ、ライバルだったチームマングースの全員でプリズンから脱出する為に力を合わせて、戦った。
しかし、逃げ出せたのは私とピースと名無しの僅か三人だけ……他の仲間達は私を逃がす為に身を犠牲にしてまで戦ってくれた。
私はその期待に応えなくてはならない……「まだ終わりじゃない」……すぐに助けに行くと誓ったが、そう甘くはなかった。

プリズンが暗殺者の確保と育成を行う非合法施設であるという証拠を入れたHDを私達は持ち出すことに成功した。
これが公になれば今の形でのプリズンは解体される…そして法案の見直しと修正、民間運営の矯正施設廃止の流れになって捕縛されたメンバーは解放されるはず。
後は、このHDを公に公表するだけだったが、その事を知られたくないプリズン側は追っ手を何度も何度もよこした。

その追っ手の誰もが、喧嘩自慢の強敵揃い……このまま逃げ切るのは難しいと判断した私はHDをピースと名無しに託し、一人で追っ手数人と対峙。
相手の実力から言って、勝てるとは思っていなかったし、勝つ気もなかった……ただピースと名無しが逃げれるだけの時間稼ぎにさえなってくれればよかった。
かくして捕まった私は脱獄者未だ0人と言われる、刑務所に留置されたのだ。
しかしその刑務所も出会った仲間の力を借りて脱走に成功。
その仲間の一人に神室町に行き、桐生を頼れと言われ現在に至る。

「そんな事が……そのピースと名無しとは連絡はとれないのか?」

私は首を横に2回振った……できたら言われなくてもそうしている。
刑務所にいた私は携帯電話を持っていない……だからピースや名無しが無事なのかもわからない。

「そうか……悪いが俺も桐生の居場所は聞いてない。それより、まずはその恰好を何とかしろ。それじゃあ、まるでホームレスだぞ?ママ、お風呂貸してやってくれないか?」

「えぇ、いいわよ。服も私のを貸してあげるわ。スーツだけど」

「でも……」

「暫くは神室町にいるんだろ?この店を住居として使え。もしかしたら桐生も来るかもしれねぇしな。ただ忙しい時は店番手伝ってもらうけどな。そうと決まればまず風呂に入ってこい」

私は言われるがままに、店の奥に風呂場に向かう。
シャンプーなんてプリズン以来してなかったせいか心地よいような、こそばいような不思議な感覚に襲われる。
泡立てた後に勢いよくシャワーで流し落とす。
そのシャワーのお湯が身体中の至るところにある傷口に沁みた。

お風呂の湯加減も丁度良く、お湯に浸かると言う感覚を忘れかけていた私にとっては新鮮に感じた。
風呂から上がり、ドライヤーで髪を乾かし、ママから借りた白いワイシャツと黒い長ズボンを着こなすと再び、伊達とママの前に顔を出す。

「かわいいじゃないか、似合ってるぞ」

「伊達さんも歳取ったわねぇ」

ママに茶化されて苦笑いを浮かべる伊達。
有名な刑事と聞いていたから、もっと嫌味な奴でとっつきにくいと思っていたが、私のかんがえすぎだったようだ。

「いやぁ……俺にもお前くらいの娘がいてなぁ、沙耶って言うんだが、どうも重ねちまうんだよなぁ……警察を目指すとか言ってたがどうしてるんだか……そう言えばお前、名前は何て言うんだ?」

「私はパル……」

「パルか。伊達真だ。よろしくな」

「よろしくね、パルちゃん」

どうやらいい人そうで安心した。
これで暫くは衣食住に困らずに桐生を捜せる。
そんな折、たまたまテレビから舞い込んできたニュース。

アナウンサー「さて続いてのニュースです……また死神が現れました」

パル「死神?」

「死神」と言うのが気になり、伊達に聞いてみた。

伊達「パル、お前知らねぇのか?最近、現れた全てが謎に包まれている犯罪者だ」

「死神」……最近、神室町全域を中心に殺人、強盗、放火などを頻繁に行っている犯罪者。
不気味な般若の仮面で素顔を隠し、黒いフードがさらに恐怖を増幅させる。
ちなみに殺人の手口もバラバラ、盗む物もバラバラ、放火する場所も一貫性が無く、まさに神出鬼没の怪人。
死神の姿を見た者は必ず殺される……巷ではそう噂されている。

伊達「しっかし、こいつ何がしたいんだか……目的が全くわからねぇ……こいつに警察官が何人も殺されてんだ。それに、いつも警察の一歩先を行っていると言うか、かなり頭がいいようだ」

私には死神の名に聞き覚えがあった。
しかし肝心のどこで聞いたのかかが思い出せない……プリズンの時か、郷田達の話か、或いはプリズンに入る前か……。

伊達「じゃあ、俺はそろそろ行く。死神も現れたようだしな……後パル、落ち着いたら神室町ヒルズに行け。あそこにはサイの花屋と言う情報屋がいる。そいつなら桐生の居場所を知ってるかもしれん」

神室町ヒルズ……夜も遅いが、今から向かう事にしよう。

パル「ママ、ちょっと神室ヒルズに行ってくる」

ママ「夜は危ないわ。死神に襲われたらどうするの?」

パル「大丈夫、私は負けない」

死神がくれば返り討ちにしてやればいい……そう思っていた。
だがこの時、私は死神の実力を甘く見ていた。
その後、死神の実力を垣間見ることになるのは、もう少し後の話だ。

つづきはまた次来たとき投下汁

で聞きたいんのだが台詞のとこに名前付けた方がいい?それともつけないほうがいい?

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