咲「時過ぎて、ただ一通の手紙」 (100)

代行  ID:D5PuWfhz0

代行感謝です。

咲―Saki―の物語から幾年もの年が過ぎ、各自が娘のいる設定です。
ただ、各自の娘に名前は付けていません。

娘の存在・性格含め、各キャラのキャラ崩壊などあるかもしれませんが、どうかお許しください。
苦手な方は脱出願います。

また、カップリングはスレ主の趣味です

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空の青さが夏らしく輝きを増してきました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

あの三年間が終わって、もう何年が過ぎたかと日々思い返します。

あの時はただ楽しく、麻雀を打つ理由を思い出すことができた、私にとってかけがえのない時間です。

――――――――――――――――――――

久「おはよー………うあー………」

美穂子「おはようございます。どうしましたか?」

久「いやまあ、なんか疲れが取れないっていうか………」

美穂子「最近働きづめですからね。今日のお休みはゆっくり休んでください」

久「美穂子だって働きづめじゃない」

美穂子「私は平気ですよ。もともとお料理が好きで始めた割烹ですから」

久「んー………とはいってもねー………よし。決めたわ」

美穂子「え?」

久「美穂子!!今日の休み、二人で出かけるわよ!!」

美穂子「えぇ!?」

久「ここ最近忙しくて美穂子とイチャつけなかったからねー。学生時代みたいに思いっきりはしゃぎましょうよ」

美穂子「い、イチャつくって………あの、その………」

「………なーに美穂子母さん困らせてるのよ、この人は」

久「あら、おはよう。あれ?今日何かあったっけ?」

「何言ってるのよ。県予選の前の前に練習があるからって言ってあったじゃない」

久「あ、そ、そうだっけ………あはは」

美穂子「おはよう。ご飯出来てるから。あとお弁当も」

「ありがと。全く、久母さんもしっかりしてよね」

久「うっさいわねー………こっちもこっちでクタクタなのよー」

「だから、無駄に残業引き受け過ぎっていってるじゃない。もう若くないんだから無理しないの」

久「うぐっ………ほんっとーに言うようになったわね、この子は」

「美穂子母さんからは料理と目の色を、久母さんからは髪の色と口の悪さが遺伝したもので」

久「………美穂子ぉ、私ってそんな口悪かった?」

美穂子「そ、そんなことないですよ」

「甘やかさないでって。あと………そうね、基本手に麻雀の打ち方は美穂子母さんから受け継いだ………つもりだった、んだけどね」

久「ふっふーん、そうは問屋が卸さないってね。美穂子の『眼』を受け継いだのにはびっくりしたけど、ここぞってところで牌を撥ね飛ばすあたり私の娘ねー」

美穂子「誇るところじゃないですよ、もう………牌がかわいそう………」

「うーん………よっしゃ!!ってなるとつい打ち上げちゃうからなぁ………って!!話してたらこんな時間!?」

久「ありゃ、ほんと」

「ご、ごめん美穂子母さん!!ご飯食べてる時間無くなっちゃった!!行ってきます!!」

美穂子「気を付けてね!!部活、頑張って!!」

「はーい!!」

バタバタバタ・・・・

久「………あのそそっかしさはどっから出てきたんだか」

美穂子「ちょーっと抜けてるから心配なんですよね………ふふ」

久「どうしたの?急に笑って………なにか面白かった?」

美穂子「うふふ。いえ、そういえばどこかの誰かも、学生時代は少し抜けてる部分があったなぁ、なんて」

久「うぐっ」

美穂子「それで、懐かしくなっちゃいました」

久「………美穂子も、言うようになったわね………」

美穂子「伊達にずっと一緒に居ませんから」

――――――――――――――――――――

あの時に出会った皆さまも、今はそれぞれの道を歩んでいることかと思います。

時折ご連絡をいただくこともあれば、なかなかお会いできない方も多く、ふと思い返しては懐かしくなるばかりです。

もうご結婚されてお子さんのいる方も多いことでしょう。
いつか、また皆さんとお会いして近況など交わしながら当時を振り返りたい。そう思っております。


――――――――――――――――――――

ゆみ「モモ、おはよう」

モモ「おはようっす、ゆみさん。朝ごはんできてるっすよ」

ゆみ「ああ、いつもすまないな」

モモ「久しぶりの休みなんすから、もっとゆっくりしててもよかったのに」

ゆみ「そう思うんだがな、いつもこの時間に目が覚めてしまうんだ。それに」

モモ「?」

ゆみ「せっかくモモが食事を用意してくれているんだ。もったいなくてな」

モモ「………え、えへへ。大好きっすよ、『せんぱい』」

ゆみ「お、おい。ずいぶん懐かしい呼び方を………」

モモ「学生じゃなくなっても、おばあちゃんになっても、この呼び名は忘れないっすよー」

ゆみ「………まったく」

モモ「あ、それと」

ゆみ「どうした?」

モモ「後ろにいるっすよ」

ゆみ「!!!?」ガバッ

「おはようございます」

ゆみ「お、お前はまた………朝から心臓に悪いことをするんじゃない!」

モモ「気を抜くと私でも見失うっすからねー。こんなに似るとは思わなかったっすけど」

「むしろ自分で切り替えつくあたりは便利ですけどね」

ゆみ「それを自発的にやるあたりタチが悪いがな………その性格はいったいどこから出てきた」

「おそらくモモ母さんでしょうね」

モモ「私っすか!?」

「モモ母さん、割といたずら大好きじゃないですか」

ゆみ「そんなこと………ああ、確かに………」

モモ「ゆみさぁぁぁぁぁぁん!?」

「まあ、ゆみ母さんからはしっかり麻雀としゃべり方を受け継がせていただきましたので」

ゆみ「その言葉にはいつも疑問を呈したいんだが………そのしゃべり方は絶対に私のものではないと思う」

モモ「そうっすね………なんか、ところどころ胡散臭いというか………」

「実の娘に言う言葉ですかそれが」

ゆみ「まあいいさ。さっさと朝食を済ませないと、時間が無くなるんじゃないか?」

「ああ、もう済ませました」

モモ「実は早起きして食べ終わってたんっすよ」

ゆみ「で、寝起きの私に奇襲をかけたと………」

「それはさておいて」

ゆみ「さておくな」

「それでは、行ってきます」

ゆみ「いってらっしゃい」

モモ「気を付けるっすよ」

バタンッ


ゆみ「………本当にあの性格はどこから出てきたものなんだ………」

モモ「蒲原先輩でもむっきー先輩でもないっすよね………」

ゆみ「それもそれだがな。実の娘がいきなり「ワハハ」とか言いだしたらあいつを小一時間問い詰めねばならん」

モモ「あ、あはは………」

――――――――――――――――――――

しかし、お恥ずかしながら私、近頃体調を崩してしまい、しばし病床に臥せっております。

この度お手紙を差し上げましたのも、厚かましながらもお願いがありましての事です。

自らの不徳を人様に押し付けるような形になってしまいましたことを、情けなく思いますとともにどうかお許しいただけますようお願いいたします。


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「おーきろー。衣お母さん起きろー」

衣「うーん………まだ眠いぞ………」

「起きてってば。朝ごはん覚めちゃうって」

衣「うあー………」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「目、覚めた?」

衣「すまない、毎朝毎朝………どうにも目が………」

「まったく………なんで娘の私のほうがしっかりしているんだか」

衣「面目次第もない」

「けど、どうせまた夜遅くまで仕事してたんでしょ?」

衣「一度筆が乗ると、とにかくのめり込んでしまってな………それに最近は期限が近いものも多いんだ」

「もともと夜更かし苦手なんだから、無理しないの。その度に起こすこっちの身にもなってよ、言語学者さん」

衣「うぅ………お前は本当にしっかりと育ったなぁ………」

「衣お母さんも智美お母さんも、見てて危なっかしいから自然にこうなったんでしょ!!ついでに背が伸びないのも衣お母さんの遺伝!!」

衣「うぅ、今日は娘が厳しいぞ………あれ?智美は?」

「智美お母さんなら、ご飯食べて仕事出たよ。智美お母さん、危なっかしいのは同じだけどやたら朝に強いから」

衣「そうか………最近、いってらっしゃいも言ってやれんな」

「そうそう。朝早くからイチャつきたいならしっかり早起きしなさーい」

衣「な、う、うぐ………」

(否定しないあたり、さすがの衣お母さんだよ………)

「さて、と。悪いけど、私も練習あるから。そろそろ夏の県予選だからね」

衣「そうか。気を付けてな。それに………」

「わかってる。『まず麻雀を友と楽しめ』でしょ?衣お母さん譲りの海底撈月で、しっかり楽しむよ。じゃ、いってきまーす!」

衣「ああ。行って来い」



「ワハハ♪」



バタンッ

衣「………まさか、智美の口癖が遺伝するとは思いもしなかったが………あいつは、真っ直ぐに育ってる」



衣「私の時とは違う―――心から、麻雀を楽しんでる」

衣(父よ、母よ――――――見ておられるか?)

衣(あなた方の娘は、幸せをつかみました――――)

――――――――――――――――――――

本当ならば、これは私がやらねばならないことでした。

自分では、間違ってなどいないつもりでした。

しかし、それでも、事は狂ってしまった。

それが何より悔しく、悲しくてたまりません。


――――――――――――――――――――

カンカンカンッ!!!

純「おーい!!飯できたぞ!!誰か、優希の奴起こしてきてくれ!!」

「はいはい。じゃあ起こしてくるから」

純「頼む!!チビ共は俺が行く!!」

バタバタバタ………

優希「んが………んが………」ムニャムニャ

「こらーーーーー!!さっさと起きろ、このダメ母―――!!」バサーーーッ

優希「じぇええええええええええ!?」

「ご飯出来たからさっさと起きて!!」

優希「ちょ、母親を朝から虐待する娘がいるか!!」

「毎朝娘に叩き起こされる母親がいるか!!さあ、早く!!」ズルズル

優希「うわーーーーーーーーーーーー!!」

「純母さん!!優希母さん引っ張ってきた!!」

純「おし!!おら、チビ共も飯食え飯!!」

ゴハンー オナカスイタジェー タコスー

優希「うう、まだ眠いじぇ………」

「あーもう!!妹三人より手がかかるのがなんで母親なのさ!!」

純「むしろ量産型優希だからな………将来が怖え」

優希「うっさいじぇ純!!」

「純母さん、牛乳取って!」

純「ほい!!優希は!?」

優希「私もー」

純「ほい!」

「さあ、さっさと食べちゃおう!!私も練習あるんだから!!」

純「もうすぐ県予選だもんな。オーダーは先鋒だっけ」

「そう、親二人と同じ。これって何?宿命か何かなの?」

優希「何を言う!!先鋒こそ団体戦の花!!ガンガン派手に稼いで引き離すんだじぇ!!」

純「………言いづらいが、お前、優希のこの猪突猛進グセ………」

「あーやめてやめて!!考えないようにしてるんだから!!」

純「まあ、優希より持久力もあるし、よっぽど無茶しなけりゃ大丈夫だろ」

「気を付けるよ。まあ、純母さんからは身長もらえたしぃ?」

優希「うがー!!それが親を見る目かー!!」

純「優希、咆えるなって!!てか、チビ共こぼしてるじゃねえか!!タオルタオル!!」

「ちょ、私時間じゃん!!行ってきます!!」

純「気を付けてな!!」

優希「頑張るじぇ!!!」

「いってきまーーーーす!!」

バタンッ

純「あいつもあいつで慌ただしいなおい………てか、おい!!コップ倒れてるじゃねえか!!優希、タオル!!」

優希「ちょ、待って!!こっちも!!」

オカーサン、トイレー

純「ああああ、もう!!優希、そっち頼む!!テーブルは俺が片づけておくから!!」

優希「毎朝毎朝、忙しい家だじぇ………」

純「お前が言うな!!」

――――――――――――――――――――

もう、彼女は私の手が届く存在ではなくなってしまいました。

ですが、それでも。彼女をこのまま放っておくことはできません。

彼女に本当の楽しさを教えてあげることは、親の私にはできなかった。

誰かを傷つけるのではなく、花を咲かせることを教えることができませんでした。


――――――――――――――――――――

一「よし、こんなものかな」

「一母様、こちらも終わりましたわ」

一「ああ、ありがと。………ていうか、今日は県予選間近の朝練習なんでしょ?そういう時は仕事しなくてもいいのに」

「いいえ、いかなるときであれど己の責務を果たせぬようでは、龍門渕は名乗れません」

一「むしろ、本来は龍門渕だからこそこういう仕事はメイドに任せておくものなんだけど………」

「一母様も龍門渕でしょう?多くのことを知り、学ぶ。そうでなければ長たる資格を持つことはできない」

一「透華の教えだね。まあ僕は好きで続けてるだけ………いいけど。ご飯は済ませたけど、一仕事したし何かつまんでく?」

「そうですわね。それでは、軽くパンを切ってきます」

一(最近、メイドたちが仕事がないって言ってたけど………当主令嬢がそこらのメイドよりしっかりしてるからなぁ)

一(むしろしっかりしすぎてて不安だよ………残念ながら背は僕の遺伝だから堂々としてても可愛らしいだけだけど)

「何か言いまして?」

一「ううん、なんでも」

「今日の練習が終われば、あとは各自調整の後、県予選………」

一「そうだね………それに、今年は」

「ええ。あのメンバーとであれば負ける気がしません。もとより、負けるつもりなどありはしない」

「昨年の雪辱は、必ず果たします」

一「うん。いい心構えだね」

ばたばた………バタンッ!!

一「うわ!?」

透華「ああ、よかった。まだおりましたのね」

「透華母様!!今日は仕事で早朝から出られていたのでは………」

透華「予定がずれ込みましたの。それで、せめて見送りくらいはできればと」

一「もう、まだ全国どころか県予選前だよ?」

透華「それでもですわ!!可愛い愛娘を見送りたいというのは、親の気持ちです」

「ありがとうございます、透華母様。それでは………」

透華「ええ………いってらっしゃい」

一「いってらっしゃい」

「行ってまいります」

バタンッ


透華「………しっかりしてますわね」

一「透華の教育のおかげだよ」

透華「あの子に家事やその他を教えたのは一でしょう?わたくしではとてもできなかった」

一「まあ、発育について触れると怒るけど」アハハ

透華「………しかし」

一「?」

透華(………一のファッションセンスまで遺伝するとは思いませんでしたわ。発育がよくなくて、逆に幸運かも………)

――――――――――――――――――――

己の責務を果たすこともできずに何を言うかと思われるかもしれません。

ですが、どうかお願いです。

彼女に教えてあげてください。傷つけることではない、本当の麻雀を。

私では教えることができなかった、温かさを。

彼女を―――――――――――――


――――――――――――――――――――

【ここからは苗字を表記します】


井上「おっはようございまぁぁぁぁす!!」

蒲原「おはよう。相変わらず朝から元気なことで」

加治木「おはよう」

井上「先輩、おはようございます!!」

加治木「今はまだ私たちだけか?」

龍門渕「おはようございますわ」

蒲原「おはよう」

井上「おっはようございます!」

龍門渕「な!!だ、だから抱きかかえないでくださいませ!!」

井上「だって先輩、軽くて抱えやすいんだもん!」

蒲原「諦念もまた選択なりて………というか、今朝は私じゃなくてよかった」

井上「え?あとでやるよ?」

蒲原「」

福路「おーおー、朝から騒がしいわね」

井上「あ!!おはようございます!!」

蒲原「全員揃ったところで、部長。アレ止めてください。部活になりません」

福路「はいはい。ストーップ。続きは部活の後でね」

龍門渕「部長!?」





福路「さて、今日は練習の前に、各校のビデオを見て、今年も参戦する選手の打ち方を頭に入れて頂戴。それでは、点呼!!」


『はい!』

福路「一年!!先鋒、井上!」

井上「はーい!!」


福路「二年!次鋒、加治木!」

加治木「はい」


福路「三年!中堅、私!はい!」

加治木「相変わらず自分でですか」


福路「二年!副将、龍門渕!!」

龍門渕「はい」


福路「一年!大将、蒲原!!」

蒲原「はい」



福路「………さて」

福路「今から見てもらうビデオだけど………ハッキリ言って、桁が違う。過去を振り返っても、常軌を逸した選手よ」

蒲原「………」

龍門渕「その力はもはや………」

福路「ええ。まさに鎧袖一触。みんなで力を合わせることで勝ち抜く団体戦という概念を覆しかねない、危険な存在」

加治木「昨年………私たちは、その脅威をこれでもかというほどに味合わされたよ」

井上「………!」

福路「だから、今から見る映像でどうか、心折れないで。完璧な打ち手なんていない。必ず、倒せる」

龍門渕「恥ずかしながら………私は一度、昨年に心を折られましたわ。けれど、今年こそは―――彼女を倒し、そして――――」

加治木「そう―――ただ、勝つのではない」

福路「とても難しいことだけど、私たちのやるべきこと。それは、彼女を―――」













―――――――――救い出すこと

久「………ねえ、美穂子」

美穂子「はい」

久「私は、あの子が間違ってたなんて思わない」

美穂子「………その通りです」

久「なのに………なんで、こうなっちゃうのかなぁ」

美穂子「………それでも」

美穂子「きっと、救い出せます。自分たちの娘を、信じて待ちましょう」

久「………ええ、そうね。きっと………」

ゆみ「正直、な」

モモ「はいっす」

ゆみ「まだ、迷ってる。自分の娘を、この世代の麻雀の世界に―――送り出してよかったのか」

モモ「………私もっすよ」

ゆみ「心を壊されはしないか。道を閉ざされはしないか」

モモ「………それは」

ゆみ「わかってる。誰でも同じなんだ。あいつも、彼女も。だから―――信じることにしたんだ」

衣「………人は、時に容易く道を、己自身を歪めてしまう」

衣「衣がそうだったように。だが、衣は救い出された。かけがえのない、あの友に」

衣「………だが」

衣(………彼女は………ダメだった)

衣(理由はわからない。きっと、悪かった者などいないのだろう。だがそれでも、この結果は―――)

衣「………残酷に、すぎる」

衣(頼む。あの子を………衣の、二の舞にだけはしないでくれ)

優希「………なあ純。あの子………助けられるかな」

純「………俺達じゃ無理だろうな」

優希「うん………だから、あの子が行ったんだ。自分自身の、意志で」

純「自分の娘を信じて待つのも、親の務めだぜ?………ココアでも飲んで、さっさと泣き止め」

優希「ありがと………お父さん」

純「………母親だっての」

透華「………ねえ、一」

一「大丈夫だよ」

透華「でも………相手は、あの………」

一「僕だって怖い。自分の娘だよ?自分をお母さんと呼んでくれる存在だよ?大事じゃないわけ、ないじゃない」

一「だけど、あの子は………自分で望んだんだ。彼女を救い出すという、果てしなく困難な道を」

透華「………誇らしいですわ」

一「そうだね………心から」

【警報】 【危険】 【警報】 【危険】 【警報】 【危険】 【警報】 【危険】



この先、散々キャラ崩壊をしてきた本作でも最大級のキャラ崩壊があります。



【警報】 【危険】 【警報】 【危険】 【警報】 【危険】 【警報】 【危険】

『き………………きまり、ました。本年度、長野県予選………ゆ、優勝は、風越学園。風越学園、です!!』


井上「………ヒッ」

蒲原「………よもや、ここまでとは」

加治木「………それでもだ。助け出してみせるさ」

龍門渕「当然ですわ。こんな、誰かが傷つくだけの麻雀など………これ以上打たせたくない………!」

福路「そうね。こんな苦しそうに麻雀を打つ子を………放ってなんて、おけない」



福路「だからこそ、私たちは――――――」

――――――――――――――――――――






私の、娘を     助けて――――――――――






――――――――――――――――――――

宮永「アハ、アハハ。ねえ、どうしたの?なんで泣いてるの?なんで逃げるの?

もっとさ………





麻雀を タ ノ しも ウ ヨ?



ア/ \ / \ははハは/ \はハハはハハハハハノヽ/ \ノヽハはノ \ハハノ \ノヽははハハハハハ!!!!!!!!」

21世紀―――

世界の麻雀競技人口は一億人の大台を突破

我が国日本でも、大規模な全国大会が毎年開催され、
プロに直結する成績を残すべく高校麻雀部員たちが覇を競っていた――――――






その中に、ただ―――純粋なまでに麻雀を愛し、愛しすぎ、
麻雀に壊れてしまった少女がいた

井上「………いきましょう。彼女を、これ以上………苦しませたくない―――!!」


誰よりも麻雀を愛した両親を持ち、自身も麻雀を愛した彼女に世界が与えたのは、


加治木「同感だ。あんな悲しい麻雀は―――私たちが、終わらせる」


自分と周囲の、あまりにも大きすぎる隔たり―――


福路「誰かの心を壊すのではなく、誰かと笑いあい、楽しむ―――」


それが、誰よりも牌に愛された少女を狂わせた

龍門渕「そして………包み込んであげましょう。世界はあなたを、これ以上傷つけないと」


これは、その一人の少女を救い出そうとする――――




蒲原「麻雀は―――こんなにも楽しいものだと」




受け継いだ、少女たちの軌跡――――――

「………………………」

照「全国までは、あたらない」

「照母さん」

照「だから………もし、彼女が、全国まで上がってきたら」

淡「助けて揚げて………それが、サキの………私たちの、願いだから」

「淡母さん………」


「………当然ですよ」



「ただ一人の、可愛い―――従妹ですから」









                                    カン

以上で終了となります。

てか、最後の最後、何を妙な誤字してるんだ私………

当初は各家庭のほのぼので展開しようと思ったのですが、いわゆる「裂さん」が脳裏に浮かびまして。

そこから、「もし魔王魔王言われてる咲さんだけど娘がマジでそうなったらどうなるだろう」と考えて書いたのが今作です。

あまりSS経験が無いもので、乱文ですがご容赦ください。


それでは、ご支援ありがとうございました。短くつたない作品でしたが、心よりお礼申し上げます。




【最後に】
咲さんの嫁はご想像にお任せします。
また、全国の娘たちに関しましては、もしかしたら別スレで書くかもです。
肉体が癒え次第構想を練りますので、その時はまたご覧いただけたら幸いです

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