妹「かいふくまほうを覚えたのです」 (33)

男「ふーんよかったじゃん、母さん、味噌汁おかわり」

母「朝ごはんは元気の源だからね、たくさん食べるんだよ」

妹「嘘じゃないです、本当にかいふくするんです」

男「ほ~ん、だったらそこで仕事帰りにキャバクラ行ってキスマーク付けてきたのがバレて母さんに半殺しにあって顔が腫れ上がってる父さんを回復してやってくれ」

父「ウボォ…」ピクピク

妹「分かりました…」ギュ

男「首を掴んで何をす

妹「ほいみん!」ボキッ

父「ミャッ!!?!」

妹「……」

父「すっげぇ元気!」

男「お、おう」

妹「かいふくまほうです」

男「凄いな…ぱっと見、首を折っただけなのに顔の腫れが引いてやがる」

妹「だからかいふくまほうを覚えたって言ったのです」

父「はっはっはっ、母さん、私にも朝ごはんを」

母「あらぁ、次行ったのが判明したら海に捨てるからお父さんも用心してくださいね」

男「あのさ、その回復魔法って昨日覚えたのか?」

妹「はい、そうです」

男「だったらどうやって覚えたのか教えてくれよ」

妹「えっ…」

男「だから、どうやって覚えたのか教えてくれよ」

妹「い、嫌です」

男「なんで?」

妹「……か、かいふくまほうは私だけの呪文なんです。だから秘密なんです」

男「ほぉ~ん、まぁいいや、学校行ってきまーす」

妹「ま、待ってください私も一緒に行きます」

~通学路~

男「その回復魔法ってどこまで治せるんだ?」

妹「えっと、かいふくまほうですから死ぬ間際の人間までだったら助かる筈です」

男「ふ~ん、やっぱ対象は人間限定なんだ」

妹「どういう意味です?」

男「いや、昨日自転車のタイヤがパンクしてさぁ、もしかしたらその回復魔法ってやつで治せるかと思ってたんだよ」

妹「むむむ、厳しそうです」

男「そっかぁ」

タッタッタ

友「おーい!」

男「?おい、そこの信号まだ赤だぞ」

友「青は進め、黄色は進め赤進め、姉ちゃんの教え キキィイィ‼︎

ガシャァアァァアン

運転手「大丈夫かぁあ!!」バタン

友「ぉっぉっぉ」

妹「大変です。友さんがダンプカーに跳ねられたのです」

男「おい、大丈夫か!!」

友「ま、まさかダンプカーに跳ねられるとはな……ははっ、いい人生だったよ」

運転手「てえへんだ!早く救急車呼ばないと死んでしまう!」

男「あー、腹が裂けてる…もう無理そうだな」

友「マジ、かよ…まだハンターハンター終わってねぇのに……し、死ぬのかよ…」

妹「……」

男「!?妹、汚れるからこいつに触れるなよ」

妹「くいっくひーる!」ギュゥウ

友「すっげぇ元気!」

男「おうっふ、避けた痕すら消えてやがる」

妹「早めのかいふくが必要だと思ったのでくいっく系にしたのです、だから

友「うぼぇえぇ!」ゲボボボボ

男「うわ汚ぇ!ゲロ吐くなよ!」

妹「かいふく量が少ないのです…」

運転手「だ、大丈夫なのか…?」

友「は、はい、なんとか…とりあえず警察には黙っとくので30万ください」オロロロ

運転手「わ、分かった!じゃあな!」

ブロロロロロ

妹「行っちゃったです」

男「よかったな助かって」

友「ついでに30万手に入ったからな!帰り奢るよ」

~部室~

男「朝練ってだるいよな」

友「あぁ、しかも俺達かるた部だからな」

部長「私語はやめなさい、今は戦いの最中なのよ」

友「……部長が可愛いから入っただけなんだよな」

男「あぁ、部長巨乳だしな」

部員「むらさめの~、」

部長「そこっ!」ブンッ

男「がはぁ!」プシャァア

部長「!?す、すまぬ。つい本気を出してしまった」

友「あーあ、部長の手刀が手に突き刺さったな」

男「さ、さすが部長…つーか血が止まらねぇ」ドクドク

妹「任せるのです」スッ

男「おう、どっから湧いて出てきたんだ」

部長「あわわわわわ」ガクガクガク

部員「落ち着いてください、たかが手に穴を開けただけです」

部長「ぶ、部員に手を出した挙句、怪我まで負わせてしまっ…た、退学、廃部…あわわわわわ」

友「おっぱいがばるんばるん揺れてやがる、いい眺めだ」

妹「お兄ちゃん、手を出すのです」

男「あ、うん」

妹「……」ギュッ

男「……」

妹「……」ギュゥウ

男「?おい、早くしてくれよ何ずっと人の手握ってんだよ痛いよ血が止まらないよ」

妹「うるさいです、今からかいふくします……きゅあ!」

男「おぉ、穴が塞がってやがる」

部員「ほら見てくださいよ部長、治ったじゃありませんか」

部長「で、では廃部じゃなくなる…?」

部員「はい、ただ男くんが部長に暴力を受けたと先生の方に言われたら廃部ですけどね」

部長「はわわわわわ」

妹「それじゃあ私は部活に戻ります」

男「そういえばお前なんの部活やってるんだ?」

妹「卓球です」

男「嘘を言うな嘘を、ラケットすら持ってないだろ」

妹「……」スゥ

男「き、消えやがった…」

友「まぁいいじゃねぇか、ほら、部活再開だ」

~教室~

男「それにしても妹のやつ、急に回復魔法を覚えたけどなんでなんだろうな」

友「さぁなぁ、けどそのおかげで俺は助かったんだからいいじゃねーの」

男「まぁそうだけどさ……ん?」

DQN「おい、邪魔だ」

イケメン「僕はただ椅子に座ってるだけなんだけど…」

ブス達「そうよ!邪魔なのはアンタの方でしょ!」

DQN「うぜぇんだよ!」ブンッ

イケメン「イケメン合気道」ボキン

DQN「ぐぅわぁああ!腕がぁあ!」ブラーン

ブス達「きゃぁああ!イケメン君の合気道でバカを返り討ちにしたわぁああ!」

男「……大丈夫か?」

DQN「大丈夫じゃねーよ、右折られたわ」

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