まどか「胸があったら嬉しいなって」(114)

まどか「ん…ふわぁ…」

まどか「今日もいい天気だね!」

まどか「おはようー!」

まどパパ「おはようまどか、早速だけどママを起こしてきてくれないか?」

まどか「わかった、いってくるね!」

まどパパ「先にタツヤが起こしに行ってるから」

まどか「うん!わかった!」

タツヤ「ママー!ママー!あさー!あさー!」

バタンッ!

まどか「起きろー!」

バサッ!

まどママ「うわぁぁあ…!?」

まどか(あれ…注視してみるとママも胸小さいよね…)  ペタペタ

まどか(遺伝…なのかな…?)

タツヤ「ママ起きたねー!」

まどママ「ん…どうした?まどか、そこにつっ立ってて」

まどか「な…なんでもないよ!パパが朝食作って待ってるし」

まどママ「そうだな、行こうか」

タツヤ「ごはんー!ごはんー!」

まどパパ「おはよう、ちょっと心配したよ」

まどママ「まぁ昨日も飲んじゃったからね、二日酔いにはならなくてよかったけど…」

まどか「もうママったら、飲み過ぎはよくないよ?」

まどママ「いいか?まどか、大人は嫌なことを酒で忘れる生き物なんだ」

まどパパ「あ、冷めちゃうから早く食べてね」

まどか「はーい!」

まどか「じゃあいってきまーす!」

三人「いってらっしゃーい」


さやか「やっと来たな~!?我が嫁よ~!」

まどか「さやかちゃん…私たち女同士だよ?」

さやか「関係ないわ!愛は性別を越えるのよ!」

ほむら「なにをしているのよ…」

さやか「なにってスキンシップスキンシップ!ほむらもどう?」

ほむら「遠慮しておくわ」

さやか「か~っ!つれないねぇ…」

まどか「ねぇさやかちゃん?」

さやか「なに?」

まどか「さりげなく私の胸に触るのやめてほしいな…」

さやか「よいではないかよいではないか~!あたしたちは契りあった関係ではないか~!」

杏子「ったく…朝っぱらから道路の真ん中でなにやってんだよ…」

ほむら「そうよ、杏子の言う通りだわ」

さやか「あたしから言わせてもらうとまどかはあたし好みの胸にはまだ届いてないかな!」

まどか「………ひどいよ」

杏子「さやか……お前……」

ほむら「美樹さやか……貴女は……」

さやか「え……あが……あたしなにかした…?」

まどか「……あんまりだよ」

杏子「やりすぎだよ、さやか…」

ほむら「貴女はまどかの事、わかってないようね…」

スタスタ…

さやか「どういうこと…」

>まどか「………ひどいよ」

>杏子「さやか……お前……」

>ほむら「美樹さやか……貴女は……」

怒れる貧乳たち

学校・昼休み

さやか「まどか!一緒にご飯食べよ!」

まどか「ごめんさやかちゃん…杏子ちゃんとほむらちゃんと一緒に食べるから…」

さやか「いつもは五人で…」

ほむら「貴女は巴マミと一緒に食べなさい、私たち三人で食べるわ」

杏子「すまねぇさやか、今はそっとしてくれ、傷ついてるんだ…」

スタスタ…

さやか「マミさんの所に行こう…」

まどか「はぁ……さやかちゃんはわかってないよ……」

ほむら「本当ね、まどかは胸が小さいのを悩んでいるのに…」

杏子「でもさやかに悪意はなかったかもしれないだろ?」

ほむら「悪意がなければ人を傷つけてもいいの?」

杏子「いや…それは違うが…」

ほむら「でしょ?悪意のない悪事はまた繰り返すものよ」

まどか「ほむらちゃん、杏子ちゃんを責めないであげて…」

ほむら「そうね、杏子を責めてもなにも変わらないわ」

ほむら「『あたしの好みには届いてない』、ね…以外と傷は深いわよ…」

まどか「それは言わないで…思い出しちゃうから…」

ほむら「ごめんなさい…まどか…」

杏子「とりあえず食べちまおうぜ?時間なくなったら困るしな」

ほむら「そうね…その通りだわ、食べましょう?まどか」

まどか「うん……」

ほむら「重傷ね…」

杏子「重傷だな…」

さやか「マミさん!」

マミ「あら美樹さん、どうしたの?」

さやか「まどかたち三人が朝から明らかにあたしを避けてるんです…」

マミ「喧嘩でもしたの?」

さやか「わからないです…あたしは普通にしたつもりだったけど…」

マミ「なにか理由がありそうね、聞かせてくれる?」

さやか「はい…」

さやか「会ったときまでは普通だったんです、だけどスキンシップをしてからまどかが暗くなって…」

マミ「そのスキンシップの内容を詳しく聞かせてくれる?」

さやか「はい、よいではないかと言いながら胸に触りました」

マミ「私の勘だと原因はそれね…」

さやか「えっ?」

マミ「美樹さん、最近鹿目さんがなにか落ち込んだ様子はなかった?下を向いてたりして」

さやか「あ…はい、少しありました」

マミ「やっぱりね…原因がわかったわ」

さやか「その原因ってなんですか…!?」

マミ「その原因は…ズバリ恋よ!」

さやか「恋…ですか?まどかが…?」

マミ「そうよ、恋に落ちたのよ、Fall in loveよ!」

さやか「まどかに好きな人が…」

マミ「美樹さん、恋をするとどうなるかわかる?」

さやか「わかりません…」

さやか(って答えておこう…)

マミ「恋をすると悩むようになって傷つきやすくなるの、美樹さんにとっては些細な事でも今の鹿目さんには大きなダメージになるのよ」

マミ(確かそう書いてあったはずよね)

さやか「なるほど…わかったけど私はどうすれば…」

マミ「まずは謝る事ね、それから『頑張って』と伝えるといいわ」

さやか「わかりました、ありがとうございます!マミさん!」

マミ「お礼はいいわよ、それより食べちゃいましょう?時間が無くなるわ」

さやか「そうですね、いただきます!」

マミ「ふふっ、いただきます」

放課後

さやか「あ…まどか!」

まどか「……さやかちゃん」

ほむら「何の用なの?美樹さやか」

さやか「ちょっとまどかに謝らなきゃって思って…」

ほむら「貴女はなにをしたかわかってるの?」

さやか「考えてみたの、それでわかったわ」

杏子「さやか……本当にわかってんのかな?」

さやか「まどか、今朝は変な事してごめん!変な事言ってごめん!いや、ごめんなさい!」

まどか「……いいよ、さやかちゃんに悪気はないみたいだから…」

さやか「ごめん!本当にごめん!」

杏子「さやかも反省してるみたいだしさ、まどかも元気出せよ!」

さやか「それとさ、あたしから一つ言いたいんだ」

まどか「なに?」

さやか「まどか、頑張って!」

まどか「……………」

ひゅー…

さやか「あれ…?」

ほむら「美樹さやか…その言葉は貴女が言うべき言葉ではないわ…」

まどか「ひどいよ…あんまりだよ…私、頑張ってるのに…」

ほむら「まどか…落ち込まないで…私たちがいるわ…」

杏子「さやか…お前…まどかが何に悩んでるのかわかってるのか…?」

さやか「え…?まどかに好きな人ができたんじゃないの…?」

まどか「全然違うよっ!!」

杏子「あんな剣幕のまどかを見たのは初めてだぜ…」

ほむら「そもそもなんでそう思ったか聞かせてもらおうかしら?」

さやか「ほむら…近いよ…怖いよ…」

杏子「諦めろ、さやか…こうなったほむらには大人しく従った方がいい」

ほむら「さて、聞かせてもらおうかしら」

さやか「なぁ杏子、なんで正座なの…?」

杏子「ほむらは怒ってるんだ、察しろよ…」

ほむら「聞かせてもらうわ、なぜそう思ったのかを」

さやか「はい…明らかにまどかが変わったのは今日だったよね?杏子」

杏子「あたしに振るな!だけど確かにそうだ、決定的だったのはな」

さやか「ここ最近まどかが下を向いてため息をすることが増えてたから…」

さやか「それと、リボンの所に手を当てる回数も増えてたし…」

杏子「確かに人からみたらそう勘違いしないとは限らないな…」

ほむら「でもそれだけで決めるのは安易なんじゃないの?」

さやか「そうかもしれないから昼休みにマミさんに相談したら『ズバリ、恋!』って言われたから…」

杏子「あぁ…マミなら仕方ないな…さやかも慕ってたし…」

ほむら「貴女が巴マミを慕っているのは知ってるわ、だから仕方ないと言えば仕方ないわね…」

さやか「でさ、まどかは本当はなんで悩んでるの?」

ほむら「美樹さやか…貴女は…」

杏子「なぁまどか、さやかに教えてもいいのか?本当の理由」

まどか「うん…隠してたわけじゃないんだけど…」

ほむら「まどかはね…『自分の胸が小さい、さやかちゃんやマミさんみたいに大きくなりたい』って言ってたのよ…」

さやか「え?そんな理由?」

ほむら「は?」

杏子「悪い、さやか…今のは聞き捨てならねぇ…」

さやか「だってそんなこと言われても…」

ほむら「今、貴女は私を敵に回したわ…」

杏子「あたしたちも少なからず気にしてたんだぞ…」

さやか「いや…でもそんなこと言われても…」

まどか「ごめん、さやかちゃん…そんなこと言われたら嫌味にしか聞こえないよ…」

さやか「ごめん!本当にごめん!なさい!」

ほむら「それはさっきも聞いたわ」

さやか「あたしは…この胸は…」

杏子「それ以上言うな、ほむらたちには嫌味にしか聞こえないしあたしもフォローしきれない…」

さやか「でも…」

杏子「いいから黙ってろ」

ほむら「どうするの?私は今すぐにでも制裁を与えたいわ」

杏子「落ち着けよ、今からマミを呼んでさやかとあたしとマミでちゃんと話し合う」

ほむら「杏子、貴女はなにがしたいの?」

杏子「あたしはさ、仲間外れは嫌いなんだよ…独りぼっちは…寂しいからな…」

ほむら「わかったわ、続きは明日にしましょう」

さやか「助かったよ杏子~!ありがとう!」

杏子「まだ終わってないだろ?早くマミのやつを呼べよ」

さやか「わかった、電話してみる」

杏子「はぁ…」 パカッ

さやか「なにしてんの?」

杏子「あぁ、ロッキーだよ、食うかい?」

さやか「いただきます」

マミ「話って何?美樹さん」

杏子「内容話してないのか?」

さやか「とりあえず早く呼んだ方がいいと思って…」

杏子「まぁいいか…」

マミ「佐倉さんがいる…ということは鹿目さんの話ね…」

さやか「さすがマミさん!よくわかりましたね!」 パシンッ!

杏子「調子に乗るな」

さやか「ごめんなさい…」

マミ「それで美樹さん、どうなったの?」

さやか「いやぁ…まどかの悩んでる理由が違ったんですよ…」

マミ「そうなの?じゃあ本当の悩みはなんだったのかしら…」

杏子「そっからはあたしが説明する、まどかは自分の胸が小さいから悩んでたんだよ」

マミ「そっちだったのね…」

さやか「あたしの説明不足だったのかな…」

マミ「そんなことないわ、私の思いこみが悪かったのよ…ごめんなさいね…」

さやか「言われてみれば下を向いてため息をつくのも、リボンを触る回数が増えたのも頷けるね…」

マミ「私は恋かと思ったのよ、反応の内容が似て非なるものだったのね」

杏子「でもな、さやか…『そんなこと?』はないと思うぜ、あたしでもちょっとかんに触りそうになったからな」

さやか「ごめん…」

杏子「謝らなくていいからそれを改めた方がいい」

マミ「その意見には賛成ね、その言い方はちょっとひどいわ」

さやか「今後気をつけます…」

杏子「誤解は解けたがまだ溝はあるぞ、明日からはそれを埋めていけばいいさ」

さやか「どうすればいいかな…」

マミ「それを考えるのも人生の勉強よ?頑張りなさい」

杏子「とりあえず謝っておいて損はないと思うからな」

さやか「わかった、まどかと仲直りできるようにさやかちゃんは頑張るよ!」

マミ「その意気ね、きっと鹿目さんもわかってくれるわ」

杏子「その心の熱さを忘れるなよ!」

マミ「暑苦しがられないようにね」

さやか「わかった、今日はありがとね、マミさん、杏子、あたし頑張るから!」

マミ「大丈夫かしら?」

杏子「さやかのことだし、まぁできるんじゃないのか?でも一番厄介なのは…」

マミ「なんなの?」

杏子「ほむらだよ、あいつはまどかに対して過保護だからな…」

マミ「そう思えば、そうね…美樹さんならいけるわ、そう信じてる」

杏子「あたしも信じるよ、絶対失敗するって決まってるわけじゃないしな」

マミ「そうね…あ、そうだわ佐倉さん、私の家にケーキがあるの、一緒に食べない?」

杏子「食う!」  キラキラ

マミ「ふふっ、じゃあ行きましょう」

杏子「おー!」

ぴんぽーん

まどパパ「はーい」

まどママ「どうした?まどか、元気なさそうに見えるぞ?」

まどか「ん…大丈夫だよ!」

まどママ「そうか?ならいいんだが…」

まどパパ「まどかー!さやかちゃんが来てくれたよー」

まどか「うん、すぐ行くよー」

まどママ「私としてはちょっと心配だけどあまり気にする必要はないね」

まどパパ「どうしてだい?」

まどママ「この年頃には色々あるんだよ、これを乗り越えて成長するのさ」

さやか「はは…ほむらが来ると話がややこしくなりそうだったから直接来ちゃったよ…」

まどか「はは…ほむらちゃんは過保護なところがあるよね…」

さやか「昨日の話だけどまずはごめん!知らなかったとはいえ失礼なこと言っちゃって!」

まどか「もういいよ…私ももう子供じゃないし…一日も経てば落ち着くし…」

さやか「じゃあまたいつもみたいに…?」

まどか「うん、本当は昨日のうちに許したかったんだけどほむらちゃんが話を大きくし過ぎちゃって…」

さやか「よかった…許してもらえなかったらどうしようかと思ったよ…」

まどか「それに関しては私もごめんね…」

さやか「いやいや!悪いのはあたしなんだからまどかは謝らなくていいよ!」

まどか「でも…さやかちゃんに悪いし…」

さやか「今回悪いのはあたし、ぜーんぶあたしがやったことなの、だからまどかは謝らないで!」

まどか「でも…」

さやか「いいんだって!そういうことにしておいて、まどかに謝られたのを知ったらまたほむらになにか言われそうだし…」

まどか「確かになにか言われそうだね…わかった」

まどパパ「こらー、ダメじゃないか、話すのはいいけど間に合わなくなるよ」

さやか「げっ!?もうこんな時間だ!」

まどか「急ごう!さやかちゃん!」

さやか「走れば間に合うよ!」

まどか「うん!わかったよ!」

ほむら「遅いわ…」

杏子「もう行こうぜ、ほむら、遅れたらダメだろ?」

マミ「そうよ、暁美さん、遅れたら元も子もないわ」

ほむら「でもまどかが遅れちゃう…」

杏子「大丈夫だよ、今日は多分さやかと行ってるから」

ほむら「美樹さやかと?なんでよ」

杏子「そんな気がするだけだ」

マミ「私もそう思うわ」

杏子「まどかはさやかに任せて早く行こうぜ」

ほむら「心配だわ……」  トボトボ…

きーんこーん…

さやか「ふぅ…ギリギリセーフ…」

まどか「さやかちゃん…早いよ…」

さやか「ごめんごめん!でもまどかに合わせたんだよ?おいて行っちゃいけないから」

まどか「そっかぁ…ごめんね…」

さやか「謝らないでって…」

杏子「やっと来たか、ギリギリだったな」

さやか「あはは…おかげさまで…」

杏子「見たところ仲直りできてるみたいだな」

さやか「まぁね!さやかちゃんの思いが伝わったんだよ!」

杏子「だから調子に乗るな」  バシッ!

さやか「いたっ!」

放課後

マミ「仲直りしたみたいね、よかったわ、お友達がいがみ合ってるのはよくないものね」

ほむら「まどか、大丈夫なの?」

まどか「平気だよ、ありがとう、ほむらちゃん」

杏子「ふぅ…一件落着ってとこかな…」

マミ「じゃあ今日は仲直り記念にケーキバイキングにでも行きましょうか!」

さやか「賛成ー!」

杏子「絶対行くっ!」

ほむら「悪くないわね」

まどか「てぃひひ!私もケーキ食べたかったんだ!」

マミ「決まりね、じゃあ行きましょうか」

全員「おーっ!」



終わり

本来ならマミさんの予想は「胸の大きさを気にしてる」で正解にしようと思ってたけど違った方が面白いかもって思って変更してしまいました

本当ならもっと短く終わらせるつもりだったんだけど思いつくままに書いていったらこんなになってしまいました

次はまた別のSSであいまみえることがあれば

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