千歳「結ちとの可能性」(76)

結ちとの可能性を考えてたら方向性を間違えた短編集

千歳「恋に落ちた私」


千歳「はぁ……」ボンヤリ

綾乃「何よ千歳……溜息なんて吐いて、何か悩み事でもあるの?」

千歳「あ、綾乃ちゃん……」ポワポワ

綾乃「どんな些細なことでも、相談してよね……だって私たち、親友でしょ!」キラリーン




千歳「そやね……綾乃ちゃんも無関係ってわけやないもんね……」


綾乃「私のことで悩んでるの……?」

千歳「いや……あのなぁ、うち、恋に落ちてしもたかもしれん……///」





綾乃「ふむふむ、恋ね……ってここここ、恋ぃ!?」ビクッ

千歳「そや……うち、好きな人ができたんや……///」カァー!


綾乃「えっ、私に関係あるって……もしかして私のことを好きになったんじゃないわよね……?///」モジモジ

千歳「もちろん、綾乃ちゃんのことも好きやで?……けど、その『好き』とはちゃうの……///」

綾乃「そ、そう……」ショボーン

綾乃(何だか私、フラれたみたいじゃない……)





千歳「うちの好きになった人は……///」

綾乃「ゴクリ……」


千歳「……///」

綾乃「ゴクゴクリ……」

千歳「……///」モジモジ

綾乃「ゴクゴクップハー!……」

千歳「……///」テレテレ





綾乃「って早く言いなさいよっ!!」ムカッ


千歳「……船見さんや///」





綾乃「そうそう素直に言えばいいのよ……ってうぇええっ!?」

綾乃「船見さん!?あの!?うちのクラスの!?船見結衣さん!?」

千歳「そやで……///」テレッ


綾乃「へぇー!千歳って意外とカッコイイ感じの人がタイプだったのねぇー!」ニヨニヨ

千歳「茶化さんとってやー///」





綾乃「……けど、千歳と船見さんってそんなに接点あったかしら?」

千歳「まぁ……そやから『綾乃ちゃんも関係ある』てゆうたんよ?」

綾乃「私?私もそんなに船見さんと接点ないけどなぁ……同じクラスで、歳納京子経由で喋るくらいかしら……?」

千歳「綾乃ちゃんは……うちと船見さんとを結び付ける、愛のキューピッドなんやで!///」

綾乃「えー?本当に?私何にもしてないけれど……」


綾乃「けど、愛のキューピッドって言われて……悪い気はしないわね」ニコニコ





綾乃「……で、私は何でキューピッドなわけ?」

千歳「それはなぁ……///」キャー

綾乃「な、なによ……そんな恥ずかしいことなの……?」アセアセ


千歳「うち、綾乃ちゃんと歳納さんを使って、あんなことやこんなことを妄想するのが好きなんやけどなぁ」

綾乃「ほんと……いつも恥ずかしいんだから歳納京子の前で妄想しだすの止めてよねっ///」

千歳「そ、それだけは堪忍や……うちから妄想取り上げたら、ただの陰気な白髪眼鏡っ娘になってまう……」ショボーン

綾乃「いや、それは言い過ぎだし……しかも取り上げるとまでは言ってないでしょ?ただ歳納京子の前でだけは自重してほしいってだけで……」

千歳「うーん……うちの妄想は脊髄反射的に湧き上がってくるものやから……それを止めるとなると生命活動にまで影響を及ぼして……」ブツブツ…

綾乃「わかった!もうわかったから!千歳の妄想する権利は不可侵だって認めるから!!……だから話を戻しましょう!」アセッ


千歳「そうやねぇ……いつもうちは綾乃ちゃんと歳納さんのネチャネチャラブラブな妄想を繰り広げとって、その時に、どうしても妄想に小さなノイズが入ってまうんよ……」





綾乃「ネチャラブって単語にもひっかかるけどスルーするとして……妄想のノイズ?」

千歳「うち、今ちょっと難しい単語を使いたぁなる年頃やから、綾乃ちゃんには意味が解りづらいかもしれへんけど」





綾乃「……」スルー


綾乃「まぁ……だいたい察しは付くけど、妄想を壊そうとしてくる『邪魔物』的な意味なんでしょ?」

千歳「さっすが我が学年きっての秀才、生徒会副会長・杉浦綾乃さんやわぁ!」ニパー





綾乃(今日の千歳なんか絡みづらい……)


千歳「うちの幸せな妄想を壊そうとしてくる存在……それが『船見結衣』さんやったんや……」

綾乃「船見さんが……?そんなアグレッシブなイメージなかったけどなぁ」ヘェー

千歳「いや、本物の船見さんとちゃうよ?あくまでうちの脳内、妄想の中の船見さんやで」

綾乃「え、千歳の妄想なんだから、簡単にそんな脳内の船見さんなんて消すことができるんじゃないの?」


千歳「それが……うちが無理矢理消そうとすればするほど、うちの中で船見さんの存在が大きくなってくんや……」





千歳「例えば、綾乃ちゃんは歳納さんと船見さんがイチャイチャしとるの見かけたら、どう思う?」

綾乃「えっ?そりゃあ……その……別にな、なんとも思わないわよ!///」





千歳「綾乃ちゃん、本当の事を話すんや……!!」ゴゴゴ…

綾乃「う……うう……」タジ…


綾乃「……嫌よ」ボソリ

千歳「なんやて……?」



綾乃「……嫌よっ///」

千歳「もっとイケるやろ!?」



綾乃「嫌!歳納京子と船見さんが仲良くしてるとこなんて見たくないっ!!」

千歳「出し切ってまえーっ!!」






綾乃「京子ぉーっ!!愛してるぅーっ!!」


綾乃「はぁ……はぁ……」

千歳「本当にいい……心からの叫びやったでぇ……」タラリ

綾乃「そう……よかったわ……」ハァ…ハァ…





綾乃(もういや……千歳と友達関係解消したい……)ウルウル


千歳「い、いや!話戻すからっ!!綾乃ちゃん落ち着いて!」アセッ

千歳「うちの脳内の船見さんも、うちの妄想の中で『嫌や!京子はうちのもんや!』って叫ぶんやて!」





綾乃「千歳……ほんと今日大丈夫……?」

千歳「大丈夫やで……?」


綾乃「もう……また話を戻しましょ?その妄想内の船見さんが、どうしたら千歳の恋に関係があるのかしら?」





千歳「そやったな……」コホン

千歳「うちの妄想の中にしょっちゅう船見さんが出てくるようになってなぁ……そしたら本物の船見さんのことまで気にしてまうようになってもうて……」

綾乃「ははーん、それで船見さんのことが好きになってしまったってわけね……」ニヤニヤ

千歳「うちも、こんな気持ち生まれて初めてで……どうしたらええか……///」


千歳「綾乃ちゃんも、歳納さんのこと考えたりするときはこんな気持ちなんかなぁ……?」

綾乃「えっ、私!?///」





綾乃「どうなのかしら……自分でもあまりよくわかってないと思うわ///」
綾乃「けど、恋って誰しも最初は戸惑うものだと思うわ」

千歳「実体験の感想には説得力があるなぁ」ニヤニヤ


千歳「最近やと、綾乃ちゃんと歳納さんの妄想よりも、船見さんのことを考える時間の方が増えてきたみたいで」

綾乃「あら、いい傾向じゃない!これで鼻血が出やすい体質からもおさらばねっ!」

千歳「けどなぁ……鼻血はうちの専売特許、言うならばチャームポイントみたいなとこもあったからなぁ……」シミジミ

綾乃「とりあえず千歳はチャームの意味をちゃんと調べましょうか……」


綾乃「で、千歳はこの先どうするの?」





千歳「え?この先て……船見さんの話?」

綾乃「ええそうよ」

千歳「んー……どうしたいとかは、まだ考えとらんかな……///」

綾乃「あら?千歳ったら他人の恋には積極的になるのに、いざ自分のことになると途端に臆病になるのね」フフッ

千歳「もう、綾乃ちゃん茶化さんとってやぁ///」


綾乃「うふふっ!けど、そっかぁ……千歳も好きな人見つけたのよね……」

綾乃「今日から私たちは共闘する戦友、ってとこね」ニコニコ



千歳「そやねー……綾乃ちゃん、うちのためにも早く歳納さんと結ばれるんやで?」アハハッ

綾乃「千歳だって、私のためにも早く船見さんと付き合っちゃいなさいよっ!」ウフフッ




ワイワイガヤガヤ







京子「……///」カァーッ

結衣「……///」プシュー

京子「ゆ、結衣、早くドア開けちゃってよ……///」

結衣「京子こそ、いつもみたいに入っていけよ……///」

京子「くっそぉ……ただ生徒会室に遊びにきただけなのになぁ……!」

結衣「こんな入りづらい空気になるとは……」

結衣「京子愛してるー!って叫んでたな///」クスッ

京子「千歳だって結衣の妄想ばっかしてるって///」



結衣「ま、まぁひとまず部室に戻るか……///」

京子「明日からどんな顔して二人に会えばいいんだよぉ……///」



おしまい

続きまして……






綾乃「だきしめたいっ」




綾乃「」ポケー

千歳「綾乃ちゃんどしたん?朝からぽわぽわして……」オハヨ

綾乃「っ!!///」

綾乃「な、なんでもないないナイジェリアよっ!!///」アセアセ


千歳「ほんまにぃ……?熱でもあるんちゃう?」ピト

綾乃(ちちち千歳の顔がちかかかかか近いっ!///)カァー!

千歳「顔は赤いけど……熱はなさそうやねぇ……」フムフム

千歳「なんかあったら、すぐに言うんやで?無理したらあかんよ?」

綾乃「///」プシュー





綾乃(言えない……っ!!)

綾乃(『今朝から千歳を抱きしめたくてたまらない』だなんて……死んでも言えない……!!///)


綾乃(けど……本当に私どうしちゃったんだろ……?)

綾乃(あー、千歳をぎゅって……ぎゅーってしたいっ……!!)






千歳「あやのちゃん?綾乃ちゃんってば……」

綾乃「んあっ?あ……ごめんなさい、ちょっとボーっとしてたわ……」


千歳「保健室行く?うち付き添うよ?」

綾乃「えっ、でも……」





綾乃(けどもしかしたら……ドサクサに紛れて抱き着けるチャンスかも!)

綾乃(行くのよっ!綾乃!!)


綾乃「うん……やっぱりそうするわ……」





綾乃「けど……ちょっと今立ちあがるのも辛いから……肩を貸してくれないかしら……?///」



千歳「うん、ええよ」ニコッ

綾乃「ありがとう……千歳///」

綾乃(気づかれないように……自然に……!!)ハァハァ


千歳「ほな……手ぇ貸して」ヨッコイショ

綾乃(キタキタキターッ!!!)

綾乃「っんしょっと……あっ///」





ギュッ





千歳「……!!」ピーン

綾乃「……」ギュギュ

千歳「綾乃ちゃん……?///」

綾乃「ちとせぇ……ちとせぇ……っ!///」ハァハァ

千歳「このまま保健室いこか……」

綾乃「はぁ……はぁ……///」ガクガク

綾乃(あっ……やばい……幸せすぎて意識が……)ガクッ






綾乃「うーん……ん、ここは……」パチリ

千歳「あ、綾乃ちゃん気ぃ付いたんやね」

千歳「綾乃ちゃん、あのあと教室でぐったりして、うちが保健室まで引っ張ってきたんよ?」

綾乃「あ……ごめん、ありがとうね千歳……///」




千歳「ええってこと」ニコッ






千歳「……でなぁ、綾乃ちゃん、うちの肩借りて立ち上がる時……」

千歳「うちのこと……抱きしめたやろ?」

綾乃「!?」

綾乃「な、何言ってるのよ!?///」


千歳「耳元で『はぁはぁ』言っとったし……」クスクスッ

綾乃「あああ……///」

千歳「そんなにうちのこと、抱きしめたかったん?」ニヤニヤ

綾乃「あうあうあう……///」プシュー





ギュッ





綾乃「!?」


千歳「うちもな……今日実は朝から綾乃ちゃんに抱き着きとうて……たまらへんかったんや……///」ギュー

千歳「なんでなんかわからんけど……まぁ、綾乃ちゃんから先に抱き着いたんやから、うちからも抱き着く権利はあるよなぁ……?」ギュー





綾乃「あわあわあわ……///」

綾乃「……///」

綾乃「うん……///」ギュギューッ






綾乃「ふぅ……なんとか落ち着いてきたわ」

千歳「まだ抱き着いたまんまやけどなぁ」ニコニコ

綾乃「い、いいじゃない別にっ!!///」

千歳「けど……なんでうちらは今日に限って無性に抱き着きたくなったんやろか?」

綾乃「そうね……なんだか病気みたいな感じで、急に気持ちが落ち着かなくなってきて……」

千歳「なんか、薬でも盛られたんかなぁ?」


綾乃「まぁ……まだ今は犯人探しするのは止めましょう」ギュー

千歳「そやな、今はこの状況をしっかり楽しむのが先やね」ニコニコ

綾乃「もう……!///」ギュッ






綾乃「……絶対に離してなんかあげないんだからねっ!」ギューッ!!






おしまい


続きまして最後は





綾乃「トルティアチップスおいしい」



綾乃「トルティアチップスおいしい」ポリポリ


千歳「綾乃ちゃん」


綾乃「トルティアチップスおいしい…」ポリポリ


千歳「綾乃ちゃん、今は委員長会議の最中やで?お菓子食べるのは止めとき」


綾乃「おいしい……トルティアチップス」ポリポリ


千歳「……」


千歳「綾乃ちゃんっ!!」ダンッ


綾乃「!!」ビクッ


千歳「そのお菓子……預からせてもらうで?」ガサガサ


綾乃「ああっ!だめっ!」


綾乃「トルティア……チップスぅ……」ウルウル


千歳「ふぅ……なんとか会議は済ませたでぇ」


綾乃「……てぃあ、……てぃあ」ブツブツ


千歳「しかしどうしたんや、今日の綾乃ちゃんなんかおかしいで?」


綾乃「……!」キッ


綾乃「わたしのとるてぃあ!!かえせっ!!」ガバッ


千歳「うわぁあっ!」


綾乃「……ふふふ」


綾乃「トルティアチップスおいしい」ポリポリ


櫻子「あー、それ超おいしいですよね!」


櫻子「一枚もーらいっ!」ヒョイパク


綾乃「!?」


綾乃「うう……」ポロポロ


綾乃「わたしのとるてぃあ……とらないでよぉ……」ポロポロ


櫻子「えっ、あ、ごめんなさい……」シュン


千歳「綾乃ちゃん、後輩に一枚くらい分けてあげてもええんちゃう?」


綾乃「……」ポリポリ


千歳「綾乃ちゃん?」


綾乃「トルティアチップスおいしい……」ポリポリ


綾乃「おいしい……から」ポリポリ


綾乃「許す……」ポリ


千歳「綾乃ちゃん……!」パァー


櫻子「副会長……!」ニカァ-


千歳「なぁ、綾乃ちゃん?」


綾乃「トルティアチップスおいしい」ポリポリ


千歳「そのお菓子って、トルティアなん?トルティヤなん?」


綾乃「え……トルティアチップスおいしいよ?」ポリポリ


千歳「トルティアなんやね」


綾乃「うんっ!」ニコー!


千歳「ほんと美味しそうやね……」ジュルリ


綾乃「トルティアチップスほんとおいしい」ポリポリ




向日葵「私はその臭いが苦手ですわ……」


綾乃「!?」ガーン


向日葵「食べたあと、お口も臭いますし……」


綾乃「!?」ハァークンクン


向日葵「あとなんか歯にくっつきやすくて嫌ですわ……」


綾乃「……」ショボーン




向日葵「けど……美味しいですわよね……///」


綾乃「!!」パァー



綾乃「トルティアカンパニーおいしい」ポリポリ


千歳「え、綾乃ちゃん今なんて?」


綾乃「と、トルティアチップスおいしい……」ポリポリ


千歳「今なんかちゃうこと言ったやろ?」


綾乃「……」ポリポリ


千歳「まぁええわ」


綾乃「おいしい……」ホッ


綾乃「トルティアチップスおっいしっいなぁー♪」ルンルン


千歳「あれ、綾乃ちゃんえらい機嫌ええなぁ」


綾乃「おいしいからねっ♪」ニコニコ


千歳(ああ、かわええなぁ……)


千歳「うふふ……」ナデナデ


綾乃「えへへー♪トルティアチップスも千歳もおいしいから好きっ!」ニコニコ


千歳「綾乃ちゃん……///」ナデナデ




綾乃「トルティアチップスおいしい!!」


おしまい

結論:俺に結ちとは無理だった

あとトルティヤチップスはおいしいですよね





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