キース「ぬくぬく訓練兵団」(201)


―通過儀礼―

キース「オイ、貴様」

アルミン「ハッ!」

キース「貴様は何者だ!?」

アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!」

キース「そうか!いい名前だな!!」

キース「親がつけたのか!?」

アルミン「祖父がつけてくれました!」

キース「……いいおじいちゃんだな」

n番煎じネタ、原作ネタバレあり
ネタ被りあるかも

キース「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?

アルミン「女型の巨人を特定し、敵を暴くためです!!」

キース「それはまだ早いな!!貴様は調査兵団の社畜にでもなってもらおう」ガシッ

キース「次!」

モブ教官「やってるな……」

眼鏡教官「お前も訓練兵の時は初っ端からあれだったろ?」

モブ教官「懐かしいです。でも……あの恫喝?には何の意味が……?」

眼鏡教官「通過儀礼だ。特に意味はない」

モブ教官「おうふ」

モブ教官「?……何も言われてない子がいるようですが」

眼鏡教官「あぁ……」

眼鏡教官「あれは切れたらヤバい系の子らだ」

眼鏡教官「おそらく過去に悪人を返り討ちにしたりだとか」

眼鏡教官「洗脳教育かなんかで人が悪魔の末裔にしか見えないだとか年をごまかしてるとかそんな感じの者達だ」

眼鏡教官「面構えが違う」ドヤァ

モブ教官「いわゆる非行少年ですか」

眼鏡教官「いや、だいたいは訳ありだ。優しく接してやろうな」

キース「貴様は何者だ!!」

ミーナ「ハッ!」

ミーナ「ブタ小屋出身!家畜以下です!」

キース「違うっ!貴様はトロスト区出身!ミーナ・カロライナだ!!」

ミーナ「違います!家畜以下のメス豚です!」

キース「何が貴様をMに駆り立てている!!」

ミーナ「大きな力です!」グスッ

キース「そうか!頑張って抗おうな!」

キース「次!」

モブ教官「……キース教官、いい人ですね」

眼鏡教官「ああ、すでに今期の訓練兵は全員把握しているからな。ああ見えていい奴だよ」

モブ教官「パネェ」

キース「貴様は何者だ!」

ジャン「トロスト区出身!ジャン・キルシュタインです!」

キース「何のためにここに来た!?」

ジャン「……」

ジャン「憲兵団に入って内地で暮らすためです」

キース「そうか!貴様は内地に行きたいのか?」

ジャン「……?いえ、内地には行ったことがあります」

キース「……」

ジャン「安全な内地で暮らしたいんです」

キース「……貴様は平和な内地で暮らしたいんだな」

ジャン「はい!」

キース「ふん!」ゴッ

ジャン「!!」

キース「揚げ足を取るな!あとその悪人面は悪くない!調査兵団にしとけ!」

キース「貴様は何だ!!」

マルコ「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身!マルコ・ボットです!」

キース「何しにここに来た!」

マルコ「憲兵団に入り!王にこの身を捧げるためです!」

キース「……そうか」

キース「それは結構なことだ。目指すといい……だが」

キース「王はガチホモだ。ケツに気をつけろ」

マルコ「」

キース「次!!」

キース「貴様だ!!貴様は何者だ」

コニー「ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!」バッ

キース「逆だ……コニー・スプリンガー」ミシッ

コニー「……!!」

キース「もう15回教えたハズだ。この敬礼の意味は『公に心臓を捧げる』決意を示すものだと……」

キース「貴様の心臓は何度右に移動するつもりだコニー?」

キース「私は悲しい!」クワッ

キース「……!!」

サシャ「」モグモグ

キース「」

サシャ「」ハフッ

キース「オ…イ……貴様は何をやってる?」

サシャ「?」モグッモグモグモグゴクン

サシャ「」ムシャリッ

キース「なっ!?」

キース「貴様だ!貴様に言ってる!!貴様…何者なんだ!?」

サシャ「!?」モグモグモグモグゴックン!

サシャ「ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身!!サシャ・ブラウス!通称画伯です!」

キース「サシャ・ブラウス……貴様が右手に持っている物は何だ?」

サシャ「『蒸かした芋』です!頑張って持って来ました!」

キース「……半分ちょーだい」

サシャ「……チッ」

サシャ「半分……どうぞ……」

キース「は……半…分……?」

サシャ「……」フーッ

キース「(´・ω・`)」

コニー「オイ……あの教官まだ凹んでるぞ」

エレン「え?すごいな5時間ずっとあの姿勢のままか」

マルコ「ついでにあの女の子も5時間ずっと眼鏡の教官に説教されてるね」

エレン「マジすげぇな」

コニー「なあ……あの芋女半分寝てねぇーか」

マルコ「……本当だ。眼鏡の教官が泣きそう」

コニー「おっ!モブの教官と交代した」

エレン「そろそろ飯時だもんな。俺らも行こーぜ」

マルコ「そうだね」

今日はここまで
一応トリ付けとく

再開


―適性判断―

眼鏡教官「見ろ……あの子だ。まったくブレが無い」

眼鏡教官「何をどうすればうんたらかんたら」

モブ教官「あの……彼は……」

眼鏡教官「おうふ」

エレン「」宙ブラーン

キース「何をやってるエレン・イェーガー!!上体を起こせ!!」

キース「貴様がそんなことでは物語が進まんぞ!」

エレン「むりぽ」

キース「諦めるな!」

エレン「……っ」グスッ

キース「泣くな!頑張れ!」

エレン「なっ……泣いてなんかいません!やれます!」グシッグシッ

キース「よし!その意気だ!あとアッカーマンが怖いからなんとかして」


ミカサ「<●><●>」

ミカサ「……基本通りにやればできるはず。上手くやろうとか考えなくていい」

ミカサ「上半身のうんたらかんたら」


エレン「」ズーン

アルミン「落ち着いてやればできるよ」

アルミン「運動苦手な僕だってできたんだから」


エレン「」ズズーン

ミカサ「……とにかくエレンには頑張ってもらうしかない」

アルミン「だね。上げるよ!」キリキリキリ

エレン「」ガッ ブンッ ゴッ!

アルミン「……」

ミカサ「……」

エレン「痛い」



エレン「痛い」

アルミン「その後、エレンは夕食時に精神フルボッコにあい、ミカサと喧嘩したけど」

アルミン「なんとか持ち直して僕とライナーとベルトルトで星空を見て青春したよ!」

アルミン「なんかライナーとベルトルトって鎧の巨人と超大型巨人に似てるよね……なんとなくだけど」

ミカサ「……?アルミン、誰に言ってるの?」

アルミン「さあ?」

キース「エレン・イェーガー覚悟はいいか?」

エレン「はい!」

エレン「」グルン ガキン ゴン!


エレン「ま…まだ……!」バタバタ

キース「降ろせ」

エレン「オレは!!」バタバタ

キース「早く降ろせ」


エレン「まだやれる!!」ガリッ

キース「……!!」

ドオォォォォ!!!

キース「うあああああああ!!!!」

ミカサ「そ……そんな」

アルミン「エレンが……」

キース「巨人だあああああ!!!!」



ライナー「うっそん」

ベルトルト「マジっすか」

エレン「……」

チュン チュン


エレン「何だ……夢か」

ミカサ「起きてエレン。遅刻する」

アルミン「ミカサ、ここ男子寮だよ?」


少年は夢から目覚め、ぬっくぬくな現実を生きる。

今日はここまで
夢オチ便利

再開


―喧嘩仲裁―

ギャーギャー ワーワー

ドア「ガチャ」

ドア「ギィィィィ……」

キース「今しがた大きな音が聞こえたが……」

キース「誰か説明してもらおうか……」

ジャン(……くっそ)グヌヌ

エレン(やっちまった……!)ムムム

ミカサ「」スッ

エレン(……!ミカサ?)

ミカサ「サシャが放屁した音です」

サシャ「えっ!?」

エレン「えっ……えっ?」


キース「いや、無理あるだろ」

ミカサ「(´・ω・`)」

キース「しかし……ブラウス、皿を嘗めるのは頂けん。少しは慎みを覚えろ」

サシャ「!!そんな……私の楽しみを奪うのですか!!」ガバッ

キース「寄るな!頼むから卒業までには慎みを覚えろ!」


エレン「……っオレがやりました!!」バッ

サシャ「卒業まで……じゃあまだ治さなくていいんですね!」パアッ

ミカサ「違うっエレンじゃない!」

ジャン「エレンてめぇ!ミカサに庇ってもらえるからっていい子ぶってんじゃねーよ!!」

アルミン「待ってよ!僕の話も聞いてよ!」

フランツ「ハンナ愛してる!」

ハンナ「フランツ……!私も!」

マルコ「落ち着けジャン!」

ミーナ「ハンナおめでとう!」

サシャ「結婚式には呼んで下さいね!」モグモグ

コニー「サシャてめー!オレのパン食うな!!」

エレン「だから技術ある奴が内地に行くからジャンが悪いんです!」

ジャン「違う!ミカサがエレンにうらやまだからエレンが悪いんです!」

ギャーギャーギャー

キース「黙れ!頼むから黙れ!一度に話すな!」

キース「ブラウス!スプリンガーにパンを返してやれ!」

キース「あと卒業まで慎まなくてもいいという訳ではない!」

キース「ハンナ!フランツ!おめでとう!祝辞は任せなさい!」

キース「アルレルト!話なら聞いてやるから泣くな!」

キース「イェーガーとキルシュタインはあとで教官室に来い!」

キース「アッカーマン!こっちを睨むな!教官泣くぞ!?」


クリスタ「……教官って大変だね」

ユミル「だな」

今日はここまで
いまさらだけどキャラ崩壊注意

再開


―兵站行進―

キース「どうしたアルレルト!貴様だけ遅れているぞ!」

アルミン「……っ」ゼェハア

キース「貴様には重いか!?貴様だけ装備を外すか!?」

アルミン「……クッ」フーッフーッ

キース(久々に厳しい教官って感じだ私!……しかし)

キース(本当に辛そうだな……大丈夫だろうか)ソワソワ

キース「そのまま開拓地に行くか!?アルレルト!」クワッ

アルミン「絶対嫌です!」ゼ-ゼ-

キース「なら頑張るんだな!」パカラッパカラッ

アルミン「ハッ!」ハアハア

キース「……」チラッ

ライナー「(貸せアルミン!)」

アルミン「ライナー……」

ライナー「(このままじゃ―……)」

アルミン「(そ そんなことしたら―……)」


キース(いい友情だな)ジーン

『ライナー・ブラウン』

屈強な体格と精神力を持つ兄貴

何より仲間から高い信頼を得る。ホモではない

本当に優秀な兵士で自分よりも仲間のことを一番に考え行動できるナイスガイだ

手がかからなくて助かる

アルミン「……っ返せ!!」ガッ

ライナー「!」ビクッ

キース「!?」ビクッ

アルミン「ゼッ、君はっ鎧の…ンクッ巨人、ハアなんだろっ!?」ゼーハー


ライナー「」

アルミン「敵のっなさ…け、ゼッハア…なんてっ!死んでもヒッ、ごめんだ!」ゼッゼッハーフッ

タッタッタッタッタッタッタッタッ


ライナー「……俺、違っ兵士!じゃない!戦士?あっでもクリスタと結婚」ブツブツブツ

キース「」

『アルミン・アルレルト』

体力面において兵士の基準に達していない所か訓練兵に志願したしたのも奇跡的なインテリ

だが先見の明がありすぎて怖い

自分の言動が今後の展開に大きく影響することを自覚すればあるいは……

今日はここまで
アルミンマジ天使

再開


―立体機動―

ゴオオオォォォ ズバ ズバ

ジャン(クソッ!またアニとベルトルトか……)

アニ(今日はいい天気だし蟻ちゃんと一緒に『ミーナ観察』しよ)

ベルトルト(人類怖い悪魔の巣窟にいるのになんでアニは余裕綽々なの!?帰りたい……!)ビクビク


ヒュン ヒュン

眼鏡教官「……」カッカッ

『アニ・レオンハート』

斬撃の侵入角度に非の打ち所がない……目標を深くえぐり取る

性格は孤立ぎみだか本人全然気にしてない。連帯性に難がある

たまにバッタを追いかけていなくなるから困る

『ベルトルト・フーバー』

あらゆる技術をそつなくこなし高い潜在性を感じさせるが……

積極性に欠け自身の行動を人に委ねる癖がある上、
人見知りが激しいようでブラウンの背後が定位置になりつつある

カウンセリングの必要あり

ジャン(斬撃の深さじゃ敵わねぇか……こうなりゃ)

ジャン(先にあの安っぽい『巨人』を見つけて点数を稼ぐしかねぇ!)ゴォ

ジャン(あの手作り臭いケチな『巨人』はどこだ!?)キョロキョロ

ジャン「リッチな憲兵団になるのはこのオレだぁああああ!!!」ゴオオオォォォ

『ジャン・キルシュタイン』

立体機動装置の理解が深くその性能を引き出す術に長けている

現状を認識する能力を持っているハズだが一言多い

抜き身すぎる性格が軋轢を生みやすく、たまに一人でしょんぼりしている

ジャン(!!見つけた……)ゴォ

ジャン(今度こそオレが……!?)

コニー「ラッキー!!」ヒュン ヒュン

ジャン(コニー!!あの野郎……)グヌヌ

コニー「なんとなくジャンの後ついてってよかったゼ!」ゴオオオォォォ

コニー「ありがとよジャン!」バスッ



巨人の尻「パックリ」

ジャン「」

『コニー・スプリンガー』

バランス感覚が良く小回りのきく機動が得意。しかし頭の回転は鈍く作戦の誤認が多々ある

何度教えても巨人(手作り)のうなじではなくケツを狙う

そろそろケツが無事な巨人(手作り)が少ない

ジャン(コニーが馬鹿でよかった!)ヒュン

バスッ

ジャン「!?」

ジャン「なっ……サシャ!!」

サシャ「やったー!!」モグモグモグモグ ビョーン

『サシャ・ブラウス』

身のこなしが素早く型破りなうんたらかんたら

キース教官の天敵。つねに何か食べているのは最早デフォ

座学の時間ではかなり個性的な絵を書いたり、動物の鳴きまねを披露するなど奇行が目立つ

サシャ「上からコニーを尾けた甲斐がありました!」ヒュウゥゥゥ

コニー「なんだサシャもいたのか!」

ジャン「くそ!お前らついて来んじゃねぇよ!」ヒュン

コニー「そうだぞサシャ!ジャンに続け!」ヒュン

サシャ「はい!」ヒュン

ジャン「来んじゃねぇええええ!!!!」ゴオオオォォォ

モブ1「来たぞ」

モブ2「おう」グイ

ギシ グググ ギコギコギコギコ

巨人(手作り)「起きたお!」

ミカサ「……」ヒュ ズバッ ズバッ

巨/人(手作り)「無念」

ミカサ(エレン!見てくれた!?)バッ

『ミカサ・アッカーマン』

あらゆる難解な科目を完全にこなす実現力がある。とても理想的な腹筋をしている

歴代でも類の無い逸材だが、イェーガー離れ出来ていないのが残念

イェーガーがいないところでは至って普通の女の子☆だと聞く

人類最強に最も近いのだが……

ミカサ「エレン!頑張って!」

エレン「言われなくてもやってるってば!」ダンッ

エレン「ふん!」ザクッ

エレン(……!またミカサよりも浅い……!!)ジワッ

エレン「クッ……」グシッグシッ

『エレン・イェーガー』

格闘術に秀でる他は目立った特技は見られない。本人は隠してるつもりだが涙もろい

しかし他ならぬ努力で徐々に成績を伸ばしうんたらかんたら

行間で唐突に駆逐脳に戻るのでギャップが怖い

眼鏡教官「……以上が私からの立体機動試験に置ける今期訓練兵の個人評価です」

モブ教官「私の受け持ち分はまだまとめ終わっていないのでまた明日に回してもよろしいでしょうか?」

キース「……構わん」

眼鏡教官「しっかし、本当に104期生は個性的ですね」

モブ教官「本当そうですよ。キース教官、お疲れ様です」

キース「……うむ」

キース「……」カキカキ

眼鏡教官「……?何してるんです?」

キース「スケジュール調整だ」

モブ教官「スケジュール調整?」

キース「うむ……一部の訓練兵が私に個人面談を要望してきてな……」

キース「出来るだけ精神負担の少ない順に進めたいんだが……」

キース「……わからん」ウーム

眼鏡教官「……お疲れ様でしたー」ガタッ

モブ教官「お先失礼しまーす」ガタッ

キース「えっ……ちょっ待っ!!」

扉「バタン」


キース「……」

キース(どうしよ)

今日はここまで
次回原作から離れます

再開


―個人面談―

1st.ミーナ・カロライナ

ドア「コンコン」

キース「……入れ」


ミーナ「失礼します」ガチャ

キース「そこに腰掛けなさい」

ミーナ「……はい」

キース「……待て。貴様なぜ地べたで四つん這いになる」

ミーナ(四つん這い)「えっ!?」ビクッ


ミーナ「腰掛け(になり)なさいって……」

キース「言っていない!そんなことは言っていない!」

ミーナ「えっ……えっ?」オロオロ

キース「あー…コホン言い方が悪かった。そこの椅子に座れ」

ミーナ「すみません」シュン


キース「……カロライナ訓練兵。わざわざそのようなMらしい振る舞いをする必要はない」

キース「以前貴様はMのような行動をしたいわけでないと言っていたな」

キース「もしそれを強要する者がいるのなら今ここで親告しろ」


ミーナ「……ありがとうございます。でも違うんです」

キース「何が違う?」

ミーナ「強要されているわけではなくて……強制的な強迫観念に捕われているというか」ブルブル

ミーナ「どこかの誰かに『この娘は家畜以下のメス豚ちゃんだってww』というレッテルを貼られているような気がして」

ミーナ「でもそれがみんなの総意ならそれを守らなきゃ!って」グッ



ミーナ「……すいません、話が重くなるので本題に移りましょう!」

キース「えっ」

ミーナ「実は私、キース教官にご相談したいことがありまして―」

キース「ちょちょっと待て!さっきのが本題ではないのか!?」

ミーナ「はい。正直アレは様式美みたいなものなのでこの際ちょっと置いといて」

キース「私の心配はどこに置いとけば……」ズーン

ミーナ「実は……アニのことで相談したいんです」

キース「レオンハートか」


ミーナ「はい。あの子いい子なんですけど、ちょっと変わってますよね」

キース「まぁそうだな」

ミーナ「カマキリやトンボを見つけては追い掛けてっちゃうし」

ミーナ「部屋の隅っこをジーッと見詰めてるからなにかと思えば、何もないし」

ミーナ「この間なんて蟻のぬいぐるみを抱いたままジーッと見詰めてくるから『なぁに?』って聞いたら」


ミーナ「すっごい真面目な表情で『観察してる』って」

キース「……わからんな」ウム

ミーナ「わかりませんね」ウン


ミーナ「でも私はあの子と1番仲がいいのでもう慣れたんですけど、やっぱり他の子らは苦手みたいで……」

ミーナ「女子はアニが無言で睨んでくるから怖いって避けちゃうし」

ミーナ「男子は格闘術が強い上に無口でクールだから『氷の女』なんて揶揄してくるし……」

ミーナ「アニは確かに無口だけどこっちから話し掛ければちゃんと答えてくれるし!」

ミーナ「昆虫シリーズだけどぬいぐるみを集めちゃうような可愛い女の子なのに!」


ミーナ「誤解されて遠巻きに眺められてるのが悔しいんです!」ダンッ

キース「ふむ。しかしそれはレオンハートの問題で……」

ミーナ「だから!」

キース「」ビクッ


ミーナ「この前のストケ(※)で『アニちゃんの取扱説明書』を無料配布したら……」

ミーナ「アニに口を聞いてもらえなくなりました」シュン

(※トロスト・コミックマーケットの略)

キース「……すとけ?」

ミーナ「どうしたらいいですかね?」ウーン

キース「わからん……」

ミーナ「やっぱり本人に無無許可で無配本を作ったのがまずかったですよね」

ミーナ「とりあえず謝ってきます!」

ミーナ「ありがとうございました!」ガタッ

扉「バタン」


キース「……」

キース(ゲンドウポーズ)「」

今日はここまで
ちなみに>>1の故郷ではガタケとかオカケとかやってる

再開


―個人面談―

2nd.クリスタ・レンズ

ドア「コンコン」

キース「……入れ」


クリスタ「失礼、します」キィ

ユミル「失礼しまーす」ガチャ


キース(……やはり2人で来たか)ハァ

with.ユミル

キース「まあ一応聞くか……ユミル訓練兵、今日はレンズの個人面談のハズだが?」

ユミル「クリスタがなんか変なこと言わないように付き添いに来ただけです」フンッ

クリスタ「だからっ!変なことなんかじゃないってば!」プンプン

ユミル「クリスタの勘違いだろ?チッ何度説明したらわかんだよ」

クリスタ「ユミルこそ!全然わかってくれない癖に!」

ギャ-ギャ-


キース「喧嘩するんじゃない!」

ユミクリ「「だって(クリスタ)(ユミル)が!」」

キース「黙れ!!」カッ

ユミクリ「!?」ビクッ

キース「だってもクソもあるか貴様ら!口を開けばぎゃあぎゃあと……!」

キース「貴様らが喧嘩しているせいで女子寮の雰囲気がおかしいとあのブラウスが私に報告してきたんだぞ!?」

キース「『あのギスギスとした二人の会話は……破裂寸前のアレと同じなんです』と」


キース「アレってなんだよ!?アレって!!」ダンッ

クリスタ「そんな……」

ユミル「私らに当たられても……なぁ?」

クリスタ「ねぇ?」


キース「そこなぜ同調する」

キース「……とにかく!その下らん喧嘩の理由は一体なんだ!?」


キース「あと喧嘩してるならなぜ離れない!!」

ユミクリ「「えー……」」ベッタリ

クリスタ「……ユミルが離してくれないから怒られた」プク

ユミル「その前にお前が自分から私の膝に乗ってきたんだろ?イヤこれはまぁいいとして」

ユミル「私のせいにしちゃダメだろ……クリスタは良い子なんだから」

クリスタ「……ユミル」


クリスタ「そんな言い方したって無駄だよ!私まだ怒ってるんだから!」フンスッ

ユミル「チッ」

キース「バカ夫婦はフランツとハンナで十分だ……!」

キース「さっさと本題に移れ!!」クワッ

ユミクリ「「ハッ!」」

キース(なにこの茶番劇)


クリスタ「実は……」


~回想~

サシャ「一番!サシャ・ブラウス、歌いまぁす!!」////ヒック

ジャン「ケッ……どうせならミカサの歌が聴きたいね」グビッ

マルコ「ジャン、飲み過ぎだよ」

コニー「サシャの奴も相当酔ってやがるな……」

サシャ「――みんな、メス豚になれぇ♪」

ミーナ「はい!!」ビクッ

サシャ「るんるんりる♪ゴキゲンいかが♪」

アニ「ミーナ、メス豚なっちゃダメ」

サシャ「らんらんらら♪天使が通る♪」

クリスタ「呼んだぁ?」////ヒック

ユミル「あーこりゃダメだわ」

サシャ「るんるんりる♪お花畑に♪」

ユミル「先、クリスタ連れて戻るわ」ヒョイッ

クリスタ「ええーサシャのお歌もっと聴きたいのにぃ」ジタバタ

サシャ「――恋というハァアンティイイング!!!」ダンッ


クリスタ「!」ビクッ

サシャ「どっきんめちゃくちゃLOVE YOUんなはっきり言ってなパ・ラ・ダ・イ・ス!」

サシャ「ゆけ!トラトラ攻撃ランパリやっぱり玉砕!」

サシャ「Hey ピーポー Hi ピーポー どけどけ踊るキーゼルバッハBoo!!!」


クリスタ「」

ユミル「……」トテトテトテ

クリスタ「……ねぇ、ユミル」

ユミル「……なんだ」

クリスタ「なんか酔いも醒めちゃったから夜空でも見て行かない?」

ユミル「……了解」

クリスタ「うわぁ!すっごい星空だね」

ユミル「そうだな……ほら」スッ

クリスタ「お水?」

ユミル「ちょっとばかし飲ませ過ぎたからな。飲んどけ」

クリスタ「……うん」

クリスタ「……」

ユミル「……」

クリスタ「ユミルってさ……」

ユミル「ん?」

クリスタ「実はけっこう優しいよね」

ユミル「は?」

クリスタ「口は悪いけど、なんだかんだコニーやサシャのこと気にかけてあげてるし……」

ユミル「なんだまぁだ酔ってんのか?」

クリスタ「最近はライナーやベルトルトとも仲いいし……」

ユミル「ライナーを牽制してるだけ。ベルトルさんはそのついで」

クリスタ「それ!」バッ

ユミル「!」ビクッ

クリスタ「コニー、ライナー、エレン、アルミン……みんな呼び捨てで呼んでるのに……」フルフル

クリスタ「なんでベルトルトだけあだ名呼びなの!?」クワッ

ユミル「そ、それは呼びづらいから便宜上そうやって」

クリスタ「ユミルにとってベルトルトは特別なんでしょ!?」

ユミル「違うっ!私の特別はクリスタだけだ!」

クリスタ「嘘!」

ユミル「嘘じゃない!そもそもあだ名呼びはベルトルさんだけじゃねぇ!」

ユミル「コニーは『バカ』だろ?ライナー……は『ホモ』、エレンは『死に急ぎ野郎』、アルミンは、えーと……『劣等生』!!」

ユミル「ほら、みんなあだ名で呼んでるだろ?」

クリスタ「嘘つかないで!コニーとエレン以外は今初めて聞いたもん!」

クリスタ「……私はユミルが1番なのに」グスッ

ユミル「クリスタ……」

クリスタ「もう知らないっ……!!」ダッ

ユミル「クリスタっ!!」


クリスタ「……」タッタッタッ

ユミル「……」

クリスタ「……」クルッ

クリスタ「」ピタッ


ユミル(……夜道が怖いんだな)

~回想終了~

クリスタ「……と、いうことがありまして」

ユミル「何度言ってもコイツが納得しないんです」

クリスタ「だって!」

ユミル「だってじゃない!」ギュウッ

クリスタ「……!ユミル?」


ユミル「私はクリスタ…いや、ヒストリア・レイスお前しか見てないよ」

ユミル「ヒストリア……お前がどう勘違いしようとこれだけは絶対変わらない」


ユミル「信じてくれ」

クリスタ「ユミル……!!」ウルッ


クリスタ「疑ったりしてゴメンね……私もつぶらな瞳がかわいい巨人なユミルしか見えないよ!!」

クリスタ「鎧型の巨人よりも超大型巨人よりもエレンゲリオンよりもずっとずっとユミルの方がカッコイイもん!!」

クリスタ「大好き…!!」ヒシッ



キース「えっ?」

キース「……えっ?」

ユミル「こら、巨人化のことは秘密にしろって言ったろ」

クリスタ「ユミルこそ!私の本名は二人っきりのときだけって約束したじゃない」

ユミル「……ま、お互い様か」

クリスタ「そうだね」

イチャイチャ


キース(なんだこれ)

ユミル「あ、キース教官。今日は御迷惑かけてすみませんでした」

クリスタ「また何かあったらよろしくお願いします」ペコ

ユミクリ「「ありがとうございました!」」ガタッ

扉「バタン」


キース「」

キース「……とりあえず酒没収しよ」

※未成年飲酒ダメ。ゼッタイ。

今日はここまで
このスレはバカップルなユミクリとバカ夫婦なフラハンでお送りします

再開


―個人面談―

3rd.マルコ・ボット

ドア「コンコン」

キース「……入れ」


マルコ「……失礼します」ガチャ


キース「……」

マルコ「……」

キース(ボットは今まで面談してきた者の中では1番まともな訓練兵だ)

キース(しかし、その真面目な性格故にあの灰汁の強い男子訓練兵が集う男子寮での生活はさぞ辛かろう)


キース(……一体何を相談されるかまったく想像出来ん)ドキドキ

マルコ「……あの」

キース「……なんだ」

マルコ「本日は、その……このような場を設けて頂きありがとうございます」

キース「ふん、生真面目だな」

マルコ「今日はいくつかキース教官にご相談したいことがありまして」

キース「御託はいらん。さっさと話せ」

マルコ「ハッ!」ビシッ

マルコ「では早速……」


マルコ「王がガチホモって……その、本当ですか?」

キース「……」

マルコ「……」ゴクリ




キース「……ああ、もちろん(嘘だ)」


マルコ「……っ」ゾワッ

マルコ「そんな……あの気高き王がガチホモだなんて……」ガクブル

キース「王だけじゃない。憲兵団男子はもれなく全員ガチホモだ(嘘)」


マルコ「そ、そんな……!!嘘だっ!!」

キース「(嘘だけど)嘘ではない!!貴様のようなノンケ新兵なんぞ巨人のエサになる前に喰われるわ!!」

マルコ「自分の身ぐらい守り通します!」

キース「悪いことは言わん!憲兵団は止めておけ!」

マルコ「嫌です!」

キース「なぜだ……逆に調査兵団はいいぞ?(性格)美男美女揃いのヘテロだぞ?」

マルコ「ずっと掲げてきた目標をたかだか他人の性癖で左右されるわけにはっ……!!」

キース「いいや、されるべきだ。されろ。されろ」


マルコ「うっ……あ!僕がガチホモになれば万事解決……?」ピーン

キース「待て。ちょっと待て」

キース「……ボット、貴様のような指揮官向きの有能な兵士は無能な憲兵団よりも調査兵団の方が向いている」

キース「現実的な洞察力と判断力があり人望もあるとくればもう調査兵団しかないだろう」

キース「どうだ?調査兵団にしないか?」


マルコ「……例えキース教官のように、毛根が駆逐されようと」

マルコ「僕はッ!憲兵団がいいです!」ビシッ

キース「おいこら喧嘩売ってんのか」

マルコ「いえ、キース教官が僕のケツを案じて調査兵団を勧めてくれるのは嬉しいのですが……」

マルコ「僕は王の近くで仕事が出来る、憲兵団に入るために訓練兵を志願しました」

マルコ「幼い頃からずっと憧れてきたんです。内情がどうであれ、僕は憲兵団を目指します」

マルコ「これだけは譲れません!」


キース「……ふむ」

キース「まぁ進路変更はいつでも出来るからな。調査兵団も視野に入れておけ」

マルコ「ハッ!」

キース「あと憲兵団がガチホモ兵団だということはオフレコな」

マルコ「……?はい」

マルコ「では次の相談に移りましょう」

キース「うむ」

マルコ「次は……PN『恋するお馬』さんからの相談です」

キース「おい、貴様の相談ではないのか」

マルコ「えーと、『訓練兵団に所属して間もなく美しい黒髪の子に一目惚れしました』」

キース「ちょっと」


マルコ「『逸る気持ちを抑え勇気を出して髪を褒めてみましたが、彼女は翌日にはその美しい黒髪をバッサリと切ってしまいました』」

キース「話しを聞け!」

マルコ「『本当は美しい黒髪や顔立ちだけでなく彼女が纏う雰囲気に惚れたのですが、まったく見向きもされず心が折れそうです』」

キース「貴様は一体何を言っているんだ!?」

マルコ「相談ですよ!ほら、ちゃんと聞いて下さい」

キース「私が悪いのか!」


マルコ「『せめてちゃんと自分を認識してもらえるようにアプローチをかけてはいますが、いまいち戦果を得られません』」

マルコ「『どうしたらいいのでしょう。あと死に急ぎ野郎は爆ぜやがれ』と」


マルコ「うわぁ個人的に『恋するお馬』さんには是非とも報われて欲しいです。応援するよ!キース教官はどう思います?」

キース「そのラジオDJみたいなノリはなんなんだ!?」ダンッ

マルコ「……実はここ最近、なぜかみんなが僕に相談を持ち掛けてくるんです。昼夜問わず」

キース「……お、おう」

マルコ「だからこの際キース教官に一気に解決してもらおうと思って!」

キース「んん?」

マルコ「みんなの相談をお便りで募集しました!頑張ってどんどん解決していきましょう!」

キース「マジで?」

マルコ「付き合って頂けますよね?」


~1時間後~

マルコ「PN『オアエリ』さんからの相談です」

キース「ずいぶん不穏なPNだな」

マルコ「『いつも芋女に飯を取られ身長が伸びません。いつもブスに頭をジョリジョリされて困っています』」

キース「まあいつもの風景ではある」

マルコ「『なんとかして身長を5m級まで伸ばしたいんだが、どうすりゃいいですか?』と」

キース「奴は巨人にでもなるつもりか!?」


~30分後~

マルコ「PN『武士トルト』さんからの相談です」

キース「ほう、武士とはなかなか勇ましいな」

マルコ「えっと、『人類怖いでござる。故郷に早く帰りたいでござる』……?」

キース「落ち武者になるの早っ!」


~20分後~

マルコ「PN『結婚しよ』さんからの相談です」

キース「願望丸出しだな」

マルコ「『女神と結婚したので故郷に連れて帰りたいのですが俺の中の戦士が阻止してきます』」

マルコ「『どうすればいいですか』」

キース「病院に相談だ」


~40分後~

マルコ「PN『巨人駆逐し隊です』さんからの相談です」

キース「揃いも揃ってなぜそんなPNばかりなんだ」

マルコ「『最近夢見が悪くて朝起きるのがしんどいです。そのせいでいつも遅刻寸前……』」

マルコ「『こんなんじゃ巨人に太刀打ち出来るはずねぇ!と思い、ミカs……家族に起こしてもらうように頼んだのですが』」

マルコ「『起こし方がひどく雑でうっかり永眠しちまいそうなレベルです』」

マルコ「『さすがに朝から袈裟固めからのアームロックやジャーマンスープレックスは体に堪えます』」

マルコ「『どうしたらいいのでしょう?あと馬面はとっとと失せろ』と」


マルコ「『巨人駆逐し隊です』さんの家族は意外と不器用なんですね」フフッ

キース「どこから突っ込むべきか悩むな」


~50分後~

マルコ「PN『ハンナは俺の嫁』さんからの相談です」

キース「……嫌な予感がする」

マルコ「『僕の愛しのハンナが好き過ぎて辛い
    まだ出会って間もなく、お互いのことをよく知らないときからずっと好きだった
    相思相愛だと気付いてからも情けない僕はなかなか告白出来ずに彼女を随分待たせてしまった
    でも彼女は――』」

キース「待て、その冊子はなんだ」

マルコ「フランツからの相談です。全105ページにも渡る壮大な悩みみたいで……」

キース「丸子、それ相談やない。壮大な惚気や」


~3時間後~

マルコ「さて、キース教官が妙な具合に壊れてきたところで最後の相談です!」

キース「やっとか……」

マルコ「PN『ゲスミン』さんからの相談です!」

キース「!」ビクッ

マルコ「『僕の幼馴染みは一人は高い戦闘技術を、もう一人はとても強靭な精神力を持っています』」

マルコ「『それに比べ僕は考えることしか能のない臆病者でいつも二人に助けられてばかりです』」

マルコ「『これで一体どうやって対等な友人だと言えるのでしょうか』」

キース「……」


マルコ「『いつか僕を置いて突っ走って行くのではないか、そんな未来が待っているような気がして不安で堪りません』」

マルコ「『だから』」

マルコ「『僕は』」


マルコ「『そんな未来を変えるために敵に対する情け容赦を一切合財捨てました』」

キース「!?」

マルコ「あれ?なんかアルm……んん『ゲスミン』さんらしくないなぁ」

マルコ「まぁいいか、えーと『そこでできればキース教官にだけ報告しておきたいことが――』」


バンッ

コニー「失礼しゃっす!!キース教官!大変です!!」バッ

マルコ「コニー!?」

キース「一体なんだ!?」

コニー「エレンとライナーがすっげぇでかくなってプロレスやってます!!」

キース「はあ!?」

コニー「とにかく早く来て下さい!えーと、あっ『百分は一件に知らず』!?」

マルコ「それをいうなら『百聞は一見に如かず』だよコニー」

キース「と、とにかく現場に連れていけ!」

コニー「ハッ!」

コニー「あそこです!!」

キース「あ、あれは……!!」


ズシン パキパキ バキッ!
アアァアアアァ!! ドォッ! ゴォ!

マルコ「鎧の巨人……!?となんだろ?エレンゲリオン?」

コニー「ちっげーよ、ライナーとエレンだってば」

マルコ「えっ!?ライナーとエレン!?気づかなかったよ、随分大きくなったんだね!」

キース「」


コニー「あいつら、オレが身長低いの悩んでるってのにあっという間にでかくなっちまったんだぜ!?」

コニー「ずりーよな!!」プンプン

マルコ「あはは、ん?あれは……ミカサ?」

ミカサ「キース教官!」シュバッ

キース「アッカーマンか……ん?立体機動を許可した覚えはないぞ!?」

ミカサ「エレンは悪くない!!あれは、ハエを叩こうとしてるだけ……!!」

キース「いや、色々無理があるからな!?あとで教官室に来い」


ジャン「キース教官!」ダッ

キース「今度はなんだ!?」

ジャン「向こうでアルミンが……!!」

ジャン「ベルトルトにすっげぇゲス顔で詰め寄ってます!!」


アルミン「――ベルトルト、知性を持っている巨人について知っていることいい加減教えてくれないかな?」ズイッ

アルミン「君なら何かしら知ってるよね?以前、君は自分の意志がないって言っていたけど、あれは追及されたくない何かを隠すためだろ?」ズズイッ

アルミン「君はライナーほどではないけど、実直な性格だからあまり嘘を付くのが得意じゃない。だから追及されないための予防線を張ったんだ」ズズズイッ

アルミン「正直僕は君達が巨人だって確信してる。でも、ちゃんとした確証が欲しい」ズズズズーイッ

アルミン「君も『兵士』なら、わかるよね?『戦士』だなんて言わせないよ?」ズズズズズーイッ

アルミン「……もし仮に君がそっちの都合で動くと言うのなら僕は容赦しない。絶対にね」ピタッ

アルミン「いいのかな……?君の大切な仲間が拷問にかけられても」ニヤァ

ベルトルト「ぅあ、ひっ……ぁ!!」ガタガタガタガタガタ


キース「アルレルト止めろ!!フーバーはもう虫の息だ……!!」

クリスタ「キース教官!」タッ

キース「っなんだ!!」

クリスタ「先日はご迷惑おかけしてすみませんでした」

クリスタ「お詫びにユミルがスクランブルエッグを作ったのでよかったら召し上がって下さい」ニコッ

キース「お、おう。そうか」


ユミル「キース教官……!!」グググ

ユミル「早く食って下さいよ!!サシャを抑えるの、もうっ限界だ!!」グギギギ

サシャ「ぐるるるる……!!」ハァハア

キース「」


ミーナ「キース教官!」

キース「!?」バッ

ミーナ「アニが……!!」

ミーナ「私がアニを褒めて褒めて褒めまくったら!!恥ずかしがって水晶体に引き込もっちゃいました!!」

アニ(水晶体)「……」////

キース「」


マルコ「キース教官!」

コニー「キース教官!」


ミカサ「キース教官!」

ジャン「キース教官!」

クリスタ「キース教官!」

ユミル「キース教官!」

ミーナ「キース教官!」

エレンゲリオン「キィゥウ!キャウアッ!」

鎧の巨人「キィーウ!キョウアウ!」


キース「……」


ブッツン


ジャン「ん?」

アルミン「何の音……?」


サシャ「あ、あの音は……聴いたことがあります!!」ハッ

ユミル「は?」ゼエゼエ

ミカサ「……?」

サシャ「私がキース教官のおまんじゅうをこっそり頂いた時に」

コニー「バカって怖えぇ……」

サシャ「キース教官の堪忍袋の緒が切れた音……!!」ビクビク

全員「!!」ビクッ



キース「……貴様ら」ゴゴゴゴゴ


キース「元調査兵団団長を舐めるな!!」


キース教官の戦いは!!これからだ!!


―完―

今日はここまで
次でラスト

再開


―解散式後―

トロスト区にある寂れた酒場で一人酒に浸る

解散式の夜、104期生は最後になるであろう仲間との夕餉の時間を過ごしているだろう


恐らく……いや、確実に何かしらの騒動は起こしているだろうがここにいる限りそれを知る術はない

訓練所の騒がしい日常に思いを馳せ、遠くを眺めるように氷の溶けかけたウイスキーを煽った


不意に肩を突かれ振り返る


キース「……なんだ貴様か」

眼鏡教官「お疲れ様です」

キース「ご苦労」

眼鏡教官「ここで会うのは初めてですね」

キース「そうだな」

眼鏡教官「隣り、お邪魔してもよろしいですか?」

キース「構わん。眼鏡の、何か頼んだらどうだ」

眼鏡教官「そうですね……じゃあこの人と同じの下さい」

マスター「かしこまりました」


カラン

眼鏡教官「乾杯」

キース「乾杯」


カチャン

眼鏡教官「……ふぅ。今回もあっという間でした。3年間って短いもんですね」

キース「ふん。何を当然のことを」

眼鏡教官「なんか感慨深いというか寂しいというか。何度繰り返しても慣れません」

キース「……直に慣れる」ゴクッ


眼鏡教官「とかなんとか言っちゃって、キース教官今回は大分流されてましたよね」フフッ

キース「なんだもう酔っ払ったのか?……まぁ、いい」


カラン

眼鏡教官「……私、今回で6回目です。キース教官は今回で何回目になるんでしたっけ?」

キース「私は……15回目だ」

眼鏡教官「そうですか……」


眼鏡教官「そんなに回数を重ねてもまだ終わらないんですね」

キース「いや、まだわからん。今回で終わるかもしれんし、まだ続くかも知れん」

キース「これまでもずっとそうだったからな」

眼鏡教官「そうですね。そう、でした」

眼鏡教官「これは私たちの物語ではありませんから」


キース「そうだ。あくまでも奴らが結末に辿り着くまで何度も繰り返される」

キース「そういう世界になっているのだろうな」


眼鏡教官「私たちってなんなんでしょうね……」

キース「……深く考え過ぎないことだ。ハゲるぞ」

眼鏡教官「あなたに言われるとは思いませんでした」

眼鏡教官「そういうえば何度か繰り返して今回ようやく気付いたんですが」

眼鏡教官「104期生の面子はほとんど変わらないのに性格とか能力とか少し変わってきてませんか?」

キース「今さら気付いたのか」

眼鏡教官「私はキース教官ほど彼らと身近な存在ではありませんから」

キース「ふん、まぁいい。本質は変わらんようだが、やはり多少なりともループの影響は受けているのだろう」


キース「今回は特にアルレルトが顕著だったな」

眼鏡教官「そうですね。アルレルトにはすごく困らせられましたよ……」

眼鏡教官「前回までのループで出した試験問題では難無く満点を取るわ」

眼鏡教官「アルレルトの試験対策ノートが出回ったおかげで男子兵ほぼ全員が満点状態になり」

眼鏡教官「あながちカンニングではないから罰するのも憚れ、新たに試験問題を作成しなくてはならず」

眼鏡教官「選択式では簡単に突破されるために記述式を増やしたことで採点に費やす時間が増え」

眼鏡教官「結果!残業が増えました!当社比5倍!!」ダンッ


キース「荒ぶるな」

眼鏡教官「正直こんな優秀な子に手を煩わされるとは思いませんでしたよ」

キース「まぁ、な」

眼鏡教官「……?なんかやけに物知り顔ですね」

キース「……」


カラン

キース「……実は前回、アルレルトは女型と遭遇した辺りでリタイアしてな」

キース「よっぽど早期離脱が悔しかったのだろう」

キース「今までのループでこしらえた知恵とヒントを無意識に携えてきたのだと思うと、な」


眼鏡教官「……そうでしたか」

眼鏡教官「ならしょうがないですね」

キース「すまん」

眼鏡教官「謝らないで下さい」


眼鏡教官「あ、そうだ。せっかくですしキース教官のお話聞かせて下さいよ」

眼鏡教官「私がループしてる時はいつもキース教官がいらっしゃるので私が存在しない世界の話、興味があります」

キース「そうか」

キース「そうだな……貴様がいるときは比較的まだまともな時が多い」

眼鏡教官「そうなんですか?」

キース「ああ。例えば事あるごとに超大型巨人が現れて訓練兵……主にイェーガーを飲み込む世界もあった」

眼鏡教官「ええ!!それって大丈夫なんですか!?」

キース「ああ、次の日にはケロッと戻って来ていた。あれは不思議だった……」

キース「いま思えば今回のイェーガーの性格はあの頃のイェーガーに近かったかもしれん」

眼鏡教官「うーん……ちょっと想像しづらいです」

キース「DVDもしくはBlu-rayの映像特典で見られるぞ」

キース「逆に超大型巨人が現れず壁が破られなかった世界もあった」

眼鏡教官「えっなにそれすごいじゃないですか」

キース「ああ、女型の巨人も鎧の巨人も現れずウォール・マリアも破られなかった平和な世界だ」

キース「その代わり、私の代で調査兵団がなくなった世界でもある」

眼鏡教官「……それは」


キース「私が不甲斐ないために調査兵団は不要とされ、調査兵団は訓練兵団教官か駐屯兵団あるいは生産者に分散された」

キース「私はその時も教官をしていたがその際イェーガー、アッカーマン、アルレルトが現れることはなかった」

キース「もちろんフーバー、ブラウン、レオンハートの3人もな」


キース「なんの進展もなく人類は家畜のまま世界は終わった」

眼鏡教官「……」

キース「悲劇が起こらずともこの世界に先がないことはもうすでに証明されている」

キース「だからといってフーバーやブラウン、レオンハート……奴ら巨人の罪が軽くなるわけではないが」

キース「奴らが訓練兵になることが、先の燭に繋がるのならば」

キース「奴らを受け入れ、人類と共に育てあげるのが我々の役割なのだろう」


眼鏡教官「……私には、わかりかねます」

キース「む、すまん少し酔っている。話が飛躍しすぎたな」

キース「まあ、なんにしろ解散式が終わった以上、私の出番はこれまでだ」

眼鏡教官「……今回の104期生は今後どうなりますかね?」


キース「さあな。ああ、スプリンガーが少々不安だな」

眼鏡教官「あ、それなら大丈夫です!『うなじ』ではなく『首の後ろ』を狙うように指導したらちゃんと理解してくれました!」

眼鏡教官「あの子は天才ですよ!」

キース「……そうか」フッ

キース「ブラウスもスプリンガーを見習い、少しは成長してくれればよかったんだがな」

眼鏡教官「そんなことありません。あの子だってきっと成長してますよ」

キース「ああ、まだ成長過程だがな。ユミルやレンズといった仲間を得て何かしらの変化はあっただろう」


キース「しかし……結局慎みは覚えぬままだった」ズーン

眼鏡教官「それはもうあの子の性格だと思って諦めましょう」アハハ


眼鏡教官「それに少しぐらいダメなところがあったっていいじゃないですか」

眼鏡教官「だってまだ成長過程なんでしょう?」フフッ

キース「……ふん」


気付けばグラスの氷は溶け切り、ほぼ水となったウイスキーは透明な色で沈んでいた

キース「マスター、何か温かい物を」

マスター「かしこまりました。少々お待ち下さい」



眼鏡教官「今夜は少し冷えますねぇ」

キース「そうだな」

眼鏡教官「私ね、いつも104期生には生き残って欲しいなと願っているんですよ」ヒック

キース「ああ」

眼鏡教官「キース教官だって、執拗に調査兵団を勧めていたじゃないですかぁ」ヒック

キース「……」

眼鏡教官「あれ、憲兵団選択が早期死亡フラグだからヒック、回避させる為の、でしょう?私知ってますからぁ」ヒック

眼鏡教官「……ボットも、キルシュタインも今回は生き残れるといいですねぇ」ヒック


キース「……」フン

眼鏡教官「だんまりですか?このハゲ親父」ヒック

キース「黙れ、この酔っ払い」

マスター「お待たせしましたホット黒ビールです」

キース「ああ」


分厚いガラスのマグに注がれた黒ビールは仄かに湯気を立てている

黒々とした液体に浮かぶ白い泡はまるで掴めぬ雲が佇んでいるように見えた


一口飲む


キース「……ぬくいな」

眼鏡教官「そうですか」ヒック

キース「ああ」


この残酷な世界における束の間の平穏

たまにはこんななまぬるい時代を送ってもよかろう


黒い液体は緩やかに喉を通り、胸に僅かなわだかまりを残したまま熱とともに体に染み込んだ



おわり

なんかギャグに成り切れんかったすまん
キースたん、これから出番あるといいな

お付き合いありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom