橘「薫を抱き枕にしたいんだ」キリッ棚町「アンタねぇ……」(162)

「……」

「……」モゾモゾ

「んっ……ぅん……」

「む…………」

「…………」ムクリ






橘「眠れない……な……」

橘「う~ん、最近どうも眠りが浅いなああの日薫に抱きついて保健室で寝た時以来ずっとだよ……」

橘「やはりあの時の宣誓を実行に移必要がありそうだ」

簡単ないきさつ
橘さんに抱きしめられるとデレてしまう棚町さんが
橘さんとお付き合いを始めました

朝・通学路

梅原「ぃよーう、大将!」

橘「……あぁ、梅原か、おはよう」

梅原「どうした大将、朝っぱらからそんな不景気な顔して?」

橘「うん、最近どうも寝つきが悪くて寝不足なんだよ」

梅原「なんだよ大将~彼女が出来たってのにまだお宝コレクションの整理とかしてたんじゃないのか~?」

橘「な!?何言い出すんだよ薫は関係ないだろ!?本当に寝不足なんだよ……ふぁ~あ」

梅原「こりゃ重症だな」

??「な~に朝っぱらから不景気な顔してんのよ!シャキっとしなさいシャキっと!」バシーン!

橘「っ!!!」

梅原「おぉ、すごい音だな」

橘「~~~~~っ」

??「ったく、朝からそんな調子でどうすんのよ
  『男子たるもの外に出れば七英雄に襲われる』って言うじゃない!」

梅原「男ってのはそんな無理ゲーと毎日戦わにゃならんのか……」

橘「痛いじゃないか!薫!!」

棚町「はぁ~い、ぐーてんもーげん♪」

梅原「よっす棚町、遅刻じゃないなんて珍しいじゃないか」

棚町「いや~流石に補習の量がシャレにならなくなってきてね」

橘「さらっとスルーするなよ!」

棚町「なによ、可愛い彼女からのスキンシップが不満な訳?」

橘「お前のは強烈過ぎるんだよ……」

棚町「あら、ちょっと今の聞いた?」

梅原「ああ、ばっちり聞いたぜ」

棚町「最近こんな感じでうちの彼氏ったら冷たいのよ……」

梅原「あ~あ、ついに学校公認カップルも破局の危機か」

棚町「ねぇ純一、あたしのこともう飽きちゃったの?もうあたしと……別かれたいの?」

橘「馬鹿なこと言うなよ!!」

棚町「え……」ビクッ

梅原「お……」

橘「僕が……僕が薫(の抱き心地)に飽きるなんてあるわけないじゃないか!」ガバッ

棚町「うわ!アンタまた……ぅ……うん///」

橘「薫(の抱き心地)に不満を感じたことなんて無い!いつだって薫(の抱き心地)は最高だよ!!」ギュッ

棚町「ちょ……じ、じゅんいち……わかった!わかったから!///……もぅ恥ずかしいよ……///」

梅原「おい、落ち着け大将!尋常じゃないくらい注目されてるぞ!?」

橘「ははは、薫は恥ずかしがりだなあ!」

棚町「だ、だってぇ……///」スリスリ

梅原「だー!棚町も流されるな、俺が死にたくなるだろうが!!」

棚町「……ハッ!?ちょっと純一離しなさいよ!」バッ

橘「うわっ!なにするんだよ薫」

棚町「それはこっちの台詞だっての!だ、抱きつけば何でもどうにかできるって思ってんじゃないでしょうね!?」

橘「そんな……そもそも今のは薫から炊きつk 棚町「せいっ!」バキャ!うがっ!」

棚町「何か言ったかしら~、純一?」

橘「……なんでもないです」

棚町「ん、よろしい」

梅原「ったく、お前らは付き合い始めて変わったんだか変わってないんだか……」

棚町「まぁいいじゃない、あたし達らしくって」

橘「自分で言うなって……」

棚町「なによ~朝からテンション低いわね純一」

梅原(……さっきのシーンはなかったことになってるのか?)

橘「うん……さっきも梅原と話してたんだけど最近寝不足でさ」

棚町「寝不足ってまたなんでよ」

橘「どうも寝つきが悪くて熟睡できないんだよ」

棚町「ふ~ん……」

梅原「……すごい興味なさそうだな」

棚町「だって面白くなさそうなんだもん」

橘「お前なぁ面白いとか面白くないとかじゃなくてだな……」

棚町「ん~そうねぇ……だったらあたしがこれから毎晩添い寝してあげよっか?」

橘「いいのかっ!?」

棚町「ちょ、ちょっと何真に受けてんのよ!?冗談に決まってるでしょ!」

橘「そ、そんなあ……」ショボーン

梅原「おいおい、いつもの棚町の冗談だろ?」

橘「ははは、や、やだなあ解ってて乗ったに決まってるだろ」

棚町(絶対本気だったわねコイツ……これは要警戒ね)

橘(やはりなんとかして薫を抱き枕に……!!)

昼休み・教室

橘「おーい薫~!」

棚町「ん~なによ?」

橘「食堂に昼ご飯食べに行かないか?」

棚町「へ~珍しいわねアンタから誘ってくるなんて」

橘「まぁたまにはね」

棚町「ん~そうねぇ……」

田中「いいじゃない薫、行ってきなよ」

橘「あ、田中さん……ひょっとして先約?」

田中「べつに構わないよ~薫も折角のお誘いなんだから!ね?薫」

棚町「し、仕方ないわね!恵子がここまで言うんだし行ってあげるわよ!」

橘「何でいきなり上からなんだよ」

田中「薫なりの照れ隠しだよ」

棚町「ちょ!け、恵子!?///」

田中「あはは、それじゃ橘君と仲良くね薫」

棚町「ぅう~恵子のやつめ~……」

橘「まぁまぁ、折角なんだし早く行こうよ」

棚町「……おごり?」

橘「なんでそうなるんだよ!?」

棚町「……だめなの?」ウワメヅカイ

橘「う……わかった、わかったよ!」

棚町「えへへ~てんきゅ♪」

橘「……ったくホントちゃっかりしてるよ薫は」

棚町「さ、そうと決まればさっさと食堂に行くわよ!」

橘「わ、ちょっと薫!?急に引っ張るなよ!」

昼休み・食堂

棚町「とうちゃ~っく!」

橘「何でわざわざ食堂に来るのにダッシュするんだよ……」

棚町「んふふ~……さ、純一サイフ出しなさい」

橘「うわっいきなりブレザーに手を突っ込むな!」

棚町「ゲットー!……ふむふむ、なかなかね」

橘「まったく、相変わらずむちゃくちゃだな……まあいいや、じゃ僕は席取ってくるから頼んだぞ」

棚町「で、アンタなんにすんのよ?」

橘「薫に任せるよ」

棚町「りょ~か~い♪」

棚町(計算通り……!!)ニヤリ

棚町(何のためにダッシュで食堂まで来たと思ってるのよ!?
これで心置きなくスペシャルが注文できるって寸法よ!)

棚町「おっばちゃ~ん!スペシャルランチとスペシャル定食ね~」

おばちゃん「あいよ~!!」

棚町(し・か・も!純一の分を定食にすることでその日のスペシャルを両方堪能できる……
   怖い、怖いわ……!自分の策士っぷりが……!!)

棚町「ってやってる間に混んできたわね……純一ちゃんと席キープ出来てんのかしら?」

橘「おーい薫!こっちこっち」

棚町「お、ちゃんと席キープできたみたい、ね……」

橘「うわっお前まさかスペシャルゲットしてきたのか!?しかも二つも……」

棚町「」

橘「どうしたんだ薫?」

棚町「そういや前にもこんな事あったわね……迂闊だったわ……」

橘「突っ立ってないで座りなよ」

棚町「……やっぱり前にも聞いたと思うけど喧嘩売ってんの?アンタの分しかないじゃない」

橘「だから薫は僕の膝の上だろ?」

棚町「ふざけんな!あんなのもう絶対にやんないんだからね!!」

橘「そんなこと言ってももう空いてる席なんてないぞ?ほら」ポンポン

棚町「絶対にイ・ヤ!」

橘「……」ポンポン

棚町「イヤだっつってんでしょ!」

橘「……」ポンポン

棚町「……」

橘「……」ポンポン

棚町「……っ」

橘「……」ジ~ッ

棚町「あーもう、わかったわよ!座ればいいんでしょ座れば!!」

橘「うんうん」ニッコリ

棚町「ったく、アンタってヤツは本当に自分の欲望には素直ね」

橘「ぶつぶつ言ってないで早くしろよ薫、おなか空いたし早く食べよう」

棚町(殴りたいっ!ってか両手ふさがってなけりゃ絶対殴ってるわ……!!)

棚町「そ、それじゃ失礼シマス……///」

橘「よし、それじゃいただきます」

棚町「ぃ、イタダキマス///」

橘「ん!やっぱりスペシャルは美味しいなあ」

棚町「ん~♪確かにこれは美味しいわね!」

橘「そして薫が膝の上でいつでも抱きしめられるポジション!最高だ……」ギュッ

棚町「あっ、こ、コラじゅんいち!///」

ちとコンビニへいてきます

橘「あぁ……やっぱり薫(の抱き心地)は最高だなあ!!!」ギュ~

棚町「ぅ……あ……///」

橘「いい香りもするし肌触りも最高だ……」スリスリスーハークンカクンカ

棚町「ひぅ!?ちょ、首筋に鼻を擦り付けるな!それに鼻息がくすぐったい!///」

橘「悪い悪い、お詫びにおかず一つあげるから。何がいい?」パッ

棚町「(あ……ってそうじゃないっ!!)そ、そうねぇ……じゃ、このエビフライで勘弁してあげるわ」

橘「くっ、そこを躊躇なくチョイスするとは……」

棚町「あーら、誠意ってのはちゃんとした形で示すもんでしょ?(よし、このペースで行けば大怪我はしないはず……)」

橘「むむむ……」

棚町「な~にがむむむ、よ!ホラはやーく!」

もどりますた

橘「仕方ないか……ほら薫、あ~ん」

棚町(なん……だと……?)

橘「急に固まってどうしたんだよ」

棚町(しかもまったく意識とかしていないのコイツ!?)

橘「ほら早くしろよ薫、腕が疲れてくるだろ……」

棚町(くっ、意識して音を上げたほうが負けって訳ね……いいじゃない、乗ってやるわよその勝負!!)

棚町「あ、あ~ん///」

橘「ほれ」ヒョイ

棚町「ん///」パクッ

橘「おいしいか?」

棚町「ぅ、ぅん、おいしい///(なにこれ……なにこれえええええええ!?///)」

橘「それじゃそっちのもらっていいか?」

棚町「い、いいわよ好きなのにすれば?」

橘「それじゃ、あ~ん」

棚町「」

橘「早くしてくれよ薫、顎が疲れるだろ」

棚町「ぐぬぬ……」

橘「おーい」

棚町(くっ、コイツ……明らかにあたしを見下していやがるわね!やってやるわよこのくらい!!)※棚町さんの気のせいです

棚町「は、はいじゅんいち、あ~ん///」

橘「あ~ん」パクッ

棚町(一切の躊躇なし!?輝日東の紳士は化け物か!?……だけど乗りきったわ、流石にもうこれ以上は……)

橘「次はこれなんかどうだ?はい、あ~ん」ヒョイ

棚町「ま、まだやるの!?///」

森島「……」ジー

棚町「ぅわあ!?」ビクッ

橘「も、森島先輩!?」

森島「ありゃ?あ、わたしのことは気にしないで良いから、続けて続けて」ニコニコ

棚町「ぁぁぁ……///」

橘「それじゃお言葉に甘えて、ほら薫あ~ん」

棚町「アンタはちょっとは怯みなさいよ!絶対おかしいでしょうがこの状況!!」

森島「ん~、いいわね仲睦ましい恋人同士って感じそのままで♪」

橘「いや~ハハハ、先輩にそうやって言われると照れちゃいますね」

棚町「その前に照れるところ山ほどあったわよね!?その受け答えといいアンタどっかおかしいでしょ!?」

橘「お、おかしいってなんだよおかしいって!」

棚町「自覚ないあたり性質が悪いにも程があるってーの!!」

森島「うんうん、見てて飽きないわ~♪」

塚原「こら、はるか!何やってるの!」

森島「あら?ひびきちゃんどうしたの?」

塚原「どうしたの?じゃないでしょ!まったく、何か見つけてふらふらと歩き出したと思ったら……」

森島「ふらふらは言いすぎでしょ!」

塚原「そうでなきゃ糸の切れた風船でしょ……まったくはるかは」

森島「あー!ひびきったら酷い!ひびきちゃんだってこの前一緒にお買い物言った先で……」

塚原「こ、こら!それは関係ないでしょ!///」

橘(あの塚原先輩が……)

棚町(赤くなっている……!)

橘(かわいいなあ……)

棚町「ふんっ!」ゲシッ

橘「いたっ!?薫いきなり何するんだよ!」

棚町「あ~ら?足踏まれる心当たりが全くないとでも言うのかしら?アンタは考えが思いっきり顔に出るんだから気をつけなさい」

橘「ぐぬぬ……」

棚町「ほら、いいから止めなさいよ。 アンタ慣れてるんでしょ?」

橘「別に慣れてる訳では……」

棚町「いいから!早く何とかしなさいよ」

橘「わ、わかったよ」

橘「ま、まあまあ塚原先輩もその位に……僕らは別に気にしてないんで」

棚町「アンタはもうちょっと別のところ気にするべきよね……」ボソッ

橘「うるさいなっ」ボソッ

塚原「もう、橘君がそうやって甘やかすから……ごめんなさいね棚町さん」

棚町「い、いいえ!そんな……」

森島「ぶー、いいじゃないこう言ってくれてるんだし~」

塚原「良いわけないでしょもう、ほら行くわよ」

森島「あん、もうひびきちゃんのいけず!……それじゃまたね橘くんと彼女さん今度機会があったら一緒におしゃべりしましょ♪」

橘「あ、はい」

棚町「ど、どうも……」

橘「……」

棚町「……」

棚町「……なんというか、噂には聞いていたけどいろんな意味ですごい人ね森島先輩って」

橘「まぁ、その分塚原先輩がいいブレーキになっているというか、心労が溜まっているというか……」

棚町「あ~……塚原先輩は確かに面倒見いいものね~」

橘「あれ?そういえば薫は塚原先輩と面識あったのか?」

棚町「あ、あはは~……水泳の補修の時に何度か、ね……」

橘「ったく、程ほどにしておかないと留年しても知らないぞまったく」

棚町「留年か~アンタを先輩って呼ぶのも面白そうではあるわね」

橘「おいおい……」

棚町「『先輩』♪」

橘「……」

棚町「……」

橘「……無理、するのは良くないぞ」

棚町「うん、ごめん……」

橘「でも本当に気をつけないとダメだぞ、来年には受験生なんだからな?」

棚町「へっ!?アタシ進学しないわよ?」

橘「何でだよ?」

棚町「いや、何でって……」

橘「今までは家庭のことがあったからそうせざるを得なかっただけだけどこれからは違うじゃないか」

棚町「それはそうなんだけどバイトも続けたいしって考えるとどうしてもね~」

橘「それとこれとは別だろ、バイトしながらでも勉強は出来るだろ」

棚町「う……だ、だけど今から頑張ったって」

橘「大丈夫だよ薫」ギュッ

棚町「へっ!?ちょ、ちょっと純一!?///」

橘「高校受験の時だって何とかなったじゃないか」

棚町「そ、そうだけど高校受験と大学受験は違うじゃない……」

橘「それだったらこれからバイトのない日は一緒に勉強しよう。今からでもきっと何とかなるさ」

棚町「で、でもそれじゃアンタに迷惑が」

橘「馬鹿だなぁ薫は」

棚町「な、なんでよっ!?」

橘「今更薫が僕に迷惑なんて考えなくていいんだよ」ポンポン

棚町「じゅんいち……///」

橘「それとも薫は僕と一緒にいるのが嫌か?」

棚町「……ううん、嫌じゃない、一緒がいい///」

橘「それじゃあ頑張ってみよう、きっと薫のお母さんだって……お義父さんになる人だってきっと協力してくれる。もちろん僕だって」

棚町「……うん、わかった///」

橘「まぁ細かい話はまた後にして、とりあえず教室に戻ろうか?」スッ

棚町「うん……ぁ……」

橘「どうした薫?」

棚町「ん///」

橘「……こっちに手を広げてどうしたんだよ?」

棚町「ん~!///」

橘「あの、棚町さん?」

棚町「立てないの!だから………………だっこ///」

橘「」

棚町「じゅんいち?」

橘(ハッ、あまりにも愛らしさとギャップに意識が飛びかけたぞ!)

棚町「じゅんいちはやく~」

橘「ははは、薫は甘えんぼだななあ!!よし、ちょっと待ってろよ」

??「こぉんの馬鹿にぃに!学校の食堂でなんてことやってるの!?」

橘「そ、その声は美也か!?」

棚町「……はっ!?」

美也「身内として恥ずかしいから学校で、しかもよりによってお昼の食堂でそんなことするな~!!」

橘「別に美也には関係ないだろ!」

美也「みゃーに関係あるとかないとかじゃないの!ほら、もじゃ子さんだって顔真っ赤にして恥ずかしがってるんじゃん!」

棚町「真っ赤って、いやそのこれは……ぅう……///」ボシュ~

美也「ほら、こんなに恥ずかしがってるんだから!」

橘「いや、今のは美也が……」

美也「にぃには黙ってって!いい?もうこういう事はもっと場所を考えてやってよね」

橘「……はい」

美也「それじゃあもう美也行くからねお兄ちゃん」

橘「うん……」

棚町(じゅんいちの身内に見られた……じゅんいちの身内に見られた……っていうかそうじゃない!ここ学校の食堂じゃない!!)

棚町(だって言うのにアタシはあんなことを……!?///うう、うあああああああああああああ……)

橘「か、薫?急に不思議な踊り始めてどうしたんだ!?」

棚町「~~~~~~~っ!!///」ガタンッ

橘「ちょ、薫!?どこ行くんだよ!」

棚町「うっさいついてくんな女の敵!!」

橘「はぁ!?い、意味がわからないぞ」

棚町「うるさいうるさいうるさーい!ちょっと一人にさせてっ!」ダッ

橘「……なんだったんだ?」

保健室

ガラッピシャッ!

棚町「ハァッハァッハァッ!」

棚町「と、とりあえず落ちつかないと……ま、まずは深呼吸、すーはーすーはー……」

棚町「……」

棚町「あああああああああああ、アタシはまた学校の食堂でなんてことを……落ち着いたら落ち着いたでとんでもなく恥ずかしくなってきたじゃないの!!」

棚町「しかもそれをアイツの妹さんに見られるなんて……あああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

棚町「………………でも、じゅんいちに抱きしめられるのは嫌じゃないっていうか、むしろ……///」ボソッ

ガラッ

橘「薫ー、ここかー?」

棚町「うひゃぁ!?」

おふろー

橘「お、いたいた。なんだ、今の声?」

棚町「な、なんでもないわよ///」

橘「そうか?」

棚町「ちょっと!それより何で普通に着いて来ちゃってんのよアンタってやつは!?」

橘「おいおい、普通あんな様子だったら心配になるだろ?」

棚町「うっさい!誰のせいだと思ってんのよ!!」

橘「誰って……美也か?」

棚町「ふっ!」ドスッ

橘「ゲフッ!?」

棚町「何でそうなるのよ!アンタに決まってんでしょ!」

橘「……薫」

棚町「な、なによ……」

柔らかいだけの枕じゃ納得できないから低反発枕があるんだろうがjk…

橘「食事の直後にボディーブローは流石にダメだろ?」

棚町「死ねっ!」ガスッ

橘「グハッ!」

棚町「あ~もう、あったま痛くなってきた!もういい、アタシは5時限目ここで寝てくからアンタは教室に戻んなさい」

橘「え、体調悪いのか?」

棚町「誰かさんのせいでね」

橘「そうか……」

棚町「次の時間はちゃんと出るつもりだから休み時間になったら起こしに来てー」

橘「……よし、わかった!」

棚町「それじゃお休みー」

橘「ああ、お休み」

棚町「って何でアンタもベッドに入って来てんのよ!?前もあったわよねこんな事!?」

橘「え?いや、僕も最近の寝不足がたたって辛いから薫の様子を見るついでに休んでいこうかと」

棚町「だったら別のベッド使いなさいよっ!」

橘「薫……」

棚町「な、なによ急に真面目な顔して……」

橘「実は……僕はもう(薫の抱き心地)なしでは生きていけないんだ」ギュッ

棚町「へっ!?///」ボンッ

橘「だから……いいだろ、薫……?」

棚町「え……ぁ……だ、ダメよ学校の保健室でなんて///」

橘「そんなこと言われたってもう我慢できないんだ(眠気が)」

棚町「そ、そんなこと……///」

橘「僕には薫が必要なんだ……薫が欲しいんだ(抱き枕として)」

棚町「じゅんいち……///」

橘「だからいいだろ?薫……」

棚町「ぅ……///」

橘「……薫?」

棚町「じゅんいちがそこまで言うんならアタシはこれ以上拒めないよ……うん、いいよ///」

橘「ありがとう薫」

棚町「うん……優しくしてね、じゅんいち……///」

橘「?もちろんだよ薫」

棚町(あぁ……とうとうこの時が来ちゃったのね……///)






橘「ZZZZZZZZZZZZ」スピー

棚町「…………知ってた」

橘「ん……んん……」

棚町「大体何回目よこのパターン……いい加減学べっての」

橘「ぅん……薫……」ギュー

棚町「んっ……ちょ、ちょっとこら……///ったく人の気も知らないで幸せそうに寝やがってコイツめ」

キーンコーンカーンコ-ン

橘「んぅ……?チャイムか……」

棚町「あらおはよう、えらく寝起きいいわね」

橘「ん、おはよう……久々に熟睡できたからな」

棚町「そんな状態なのに一時間だけでよく起きれたわね」

橘「それだけ深く寝れたってことだよ」

棚町「何よ、まさかアタシを抱き枕にしたからってんじゃないでしょうね?」

橘「……」

棚町「ちょっと、何とか言いなさいよアンタ」

橘「薫」

棚町「あによ」

橘「……何か機嫌悪くないか?」

棚町「……気のせいよ」ゴゴゴゴゴゴ

橘「そ、そうか……」

棚町「で、何?教室戻りたいんだけど?」

橘「うん、今日ってバイトか?」

棚町「そうよ」

橘「だったらその後ちょっとウチに来ないか?」

棚町「へっ!?な、なんでよ?」

橘「大事な話があるんだ」キリッ

棚町「な、なによ急に真面目な顔しちゃって……」

橘「今後のことについて薫と話し合いたいんだ」

棚町「今後のって……さっきの勉強の話?」

橘「うん、それもあるけどどうせなら僕の家でその後のことまで考えてもいいんじゃないかなって思って」

棚町「そ、その後って……///」

橘「どうしたんだよ顔赤いぞ?」

棚町「な、なんでもない!続けて続けて」

橘「いや続けるも何もそれだけなんだけど……それでどうだ?時間は」

棚町「作る!絶対に作るから!」

橘「そ、そっか……それじゃどうすればいい?迎えに行こうか?」

棚町「へ……!?き、来てくれるの?」

橘「当然だろ、夜に大事な女の子(だきまくら)を家に招くんだからだからそれくらいさせてくれよ」

棚町「純一……てんきゅ、それじゃお願いね?」

橘「任せとけって、さあ教室に戻ろうか」

棚町「うんっ」

橘(よし、これで上手くいけば今後の安眠が保障されるぞ!!)

夜・トトス

棚町「ん~~~……終わった~!それじゃお先に失礼しまーす」

店長「お疲れ様~」

棚町「さて、純一はっと」

橘「おーい薫~」

棚町「お、来てるわね純一。関心関心」

橘「まぁ自分が言い出したことだしやっぱり心配だからな」

棚町「しかも自転車で来てるあたりわかってるじゃない」

橘「……乗るのはいいけど暴れるなよ?」

棚町「あら、失礼ね。このアタシがいつそんな事したっていうのよ?」

橘「どの口で言うんだよ……」

棚町「この可愛らしい口に決まってるじゃない!」

橘「だから自分で言うなよ」

棚町「なによいちいち細かい男ね、それとも何よアンタの彼女は可愛くないとでも言いたいのかしら?」

橘「うぐ……」

棚町「ほらほらどうなのよ?」ニヤニヤ

橘「か、薫は……その」

棚町「私はー?なになに?

橘「可愛いに決まってるだろ!言わなくたってそう思ってるよずっと!」

棚町「……ぅ、そ、そう……///」

橘「自分で言わせておいて照れるなよ……」

棚町「っさいわね!///そんな細かいこといいでしょ!ほら、行くわよ」

橘「わっ、引っ張るなよ!」

棚町「はいはい、さっさと乗った乗った」

橘「相変わらず振り幅がめちゃくちゃだなお前は」

棚町「あーあー聞こえなーい」

橘「まったく……しっかりつかまってろよ?」

棚町「わーかってるって、いつからアタシがアンタの後ろに乗ってきてるって思ってんのよ」

橘「はいはい、それじゃ行くぞ?」

棚町「しゅっぱーつ♪」

ヤバス…寝そう

橘家

橘「ただいまー」

棚町「お、おじゃましまーす……」

美也「お帰りにぃに……と、もじゃ子さん!?」

棚町「こ、こんばんは美也ちゃん」

美也「こんばんはー。もうにぃに!」

橘「なんだよ美也?」

美也「こんな時間に彼女えお家に連れてくるなら言っておいてよね!」

橘「悪い悪い、でも別にいいだろ?」

美也「良くないよ、もう……言ってくれれば紗江ちゃんの家泊まりに行ったりとか考えたのに」

×美也「こんな時間に彼女えお家に連れてくるなら言っておいてよね!」

○美也「こんな時間に彼女を家に連れてくるなら言っておいてよね!」


橘「なんでだよ?」

美也「!?///そ、そんなの知らないよにぃにの馬鹿っ!今日はみゃー下で寝るからっ!///」

橘「なんだぁ?……まぁいいや、それじゃ部屋に行こうか薫」

棚町「う、うん」

橘さんの部屋

棚町「へー、綺麗にしてあるのねアンタの部屋」

橘「あんまりジロジロ見るなよ」

棚町「何よ、見られたら困るもんでもあんの?」

橘「そこに座って待っててくれよ、飲み物持ってくるから」

棚町「はいはーい」

バタン

棚町「……」

棚町「や、やっぱりこれってそういうことなの!?」

棚町「それに後のことの話って……アイツはどこまで考えてんのかしらね~……」

棚町「け、結婚……とか?///」

棚町「~~~~っ!!///」ジタバタジタバタ

ガチャッ

棚町「!?」バッ

橘「カフェオレで良かったか?」

棚町「う、うん!」

橘「……どうしたんだ?そんなそわそわして」

棚町「な、なんでもないっ///」

橘「ならいいけど……」

棚町「そ、それより話って?」

橘「ああ、うん。まずは勉強の話だけど」

棚町「うげ、やっぱりそっちからなのね……」

橘「当然だろ、なにいってるんだよ」

棚町「あ~はいはい、それで?」

橘「やっぱりバイトの日もやろう」

棚町「はぁ!?ちょっと待ちなさいよアンタ!そんなことしてたら帰るの何時になるのよ?」

橘「うん、それについてはウチに泊まって貰えば大丈夫」

棚町「そんなこと出来る訳ないでしょ!?大体母さんに何て言えば……」

橘「あ、それについてはもう交渉済みだから。『薫をお願いします』って言われたよ」

棚町「」

橘「それで当面の着替えとか預かってきたから」

棚町「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!色々ツッコミたいところが多すぎて訳わかんないんだけど、とりあえずアタシはどこで寝るのよ!?」

橘「ここ」

棚町「へっ!?」

橘「だから僕の部屋だって」

棚町「そ、そんなこと出来るわけないでしょ!大体美也ちゃんだっているじゃない!」

橘「美也がいるのが何か問題なのか?」

棚町「だって!それは……その……///」ゴニョゴニョ

橘「それで一緒に寝るに当たって一番大事なことを言いたいんだけど、いいか?」

棚町「ふぇっ!?ね、寝る!?///」

橘「よく、聞いて欲しい」

棚町「う、うん……///」

橘「薫を抱き枕にしたい」

棚町「じゅんいちが望むなら///………………はい?」

橘「聞こえなかったか?ならもう一回言うぞ?」

橘「薫を抱き枕にしたい」キリッ

棚町「…………アンタねぇ」

橘「もう、ダメなんだよ……薫がいないとろくに眠ることも出来ないんだ」

棚町「だ、だからってそんなの……」

橘「薫!」ガシッ

棚町「きゃっ」

橘「……だめか?」ギュッ

棚町「ぅ……ぁ……///」

橘「僕はもう薫じゃなきゃダメなんだ!薫しかいないんだよ!」

棚町「じゅんいちぃ……///」

橘「だから、一緒に寝よう薫……」

棚町「……ぅん///」

橘「ありがとう薫!!」ギュ~

棚町「ん……///」ギュゥ

橘「よし、それじゃあ早速寝ようか!」

棚町「あ……」

橘「……どうした薫?」

棚町「待ってじゅんいち!アタシまだお風呂はいっていないから……その……バイトで汗とかかいちゃってるし///」

橘「!?」

棚町「……じゅんいち?」

橘「今日はお風呂なしでお願いします」

棚町「そんな……ちょっと汗臭いかもしれないのに」

橘「……」スンスンクンカクンカ

棚町「ちょ、ちょっと!?匂い嗅いじゃやぁ……///」

橘「うん……薫」

棚町「うん?」

橘「僕はそのままの薫がいいんだ!」キリッ

棚町「……うん、じゅんいちがいいならアタシはいいよ……///」

橘「ありがとう、薫……それじゃ薫は僕の枕を使って先に横になって」

棚町「うん……」

棚町(ってちょっと待ちなさいよアタシ!なんでこんな事になってんのよ!?)

橘「よし、それじゃ電気消すぞー」

棚町「ちょっと待った純一!」

橘「へ?どうしたんだ?」

棚町「や、やっぱりこういうのは……(あ、枕……ベッドもじゅんいちの匂いがする……///)な、なんでもない……」

橘「うん?」

棚町(そ、そう逆に考えるのよ薫!アタシは何故か純一に抱きしめられると逆らえなくなっちゃうから
   これは今後の為に耐性を身に着けるためにも必要なことなのよ!)

パチン

橘「それじゃおじゃまします、てのも自分のなんだし変だな……まあぁいか」ギュッ

棚町「ぁ……///」

橘「ああ、薫の抱き心地はやっぱり最高だなあ!!!硬くなくかといって柔らかすぎる訳でもなく……」

橘「そしてこの柔らかくふわふわな髪の毛!そしてこの香り……最高だ」モフモフスーハークンカクンカ

棚町「ゃぁん……///」

※橘さんは棚町さんを後ろから抱きしめる形で首筋に顔をうずめています。羨ましいねっ!

橘「ぁぁ……これなら、よく……眠れ、る」

棚町「……じゅんいち?」

橘「Zzz…」

棚町「寝ちゃったの……?」

橘「んぅ……Zzz…」スースー

棚町「くっ、寝息が首筋に当たって……///」

橘「ふむぅ……んむ……」モフモフ

棚町「あ、こら……!」

橘「んん……Zzz……」モゾッ

棚町「んっ///」ビクン

棚町「……これアタシが寝れるのかしら?慣れるまでいつまで掛かるかしらね、んふふっ♪」



棚町「こら純一起きろっ!」バサッ

橘「うわっ!?」

棚町「いつまで寝てんのよ、遅刻するわよ」

橘「……薫にだけは言われたくないぞ」

棚町「ん、目覚めたみたいね。朝食出来てるから早く食べて学校行くわよ」

橘「朝食って……まさか美也が!?」

棚町「アタシがやっておいてあげたわよ……見てて怖かったから」

橘「ほっ、ありがとう薫」

棚町「ほらほら、礼なんていいからとっとと着替えて降りてきなさいよ」

橘「ん、わかった」

棚町「あ」

橘「どうした薫?」

棚町「そういえば、美也ちゃんがアタシのこと『もじゃ子さん』って呼んでたのはやめてもらったけど……
   誰がそう呼ぶように仕向けたのかしらねぇ?」

橘「……あ」

棚町「まぁ、その辺の話は朝ごはん食べながらゆっくりしましょうねぇ?」

橘(し、しまった!美也のヤツ結局呼び方治さなかったのか!?)

棚町「という訳でちょっと話したいこともあるから早く降りてくるように」

橘(……朝一番から天国から地獄への急落下だよ)


通学路

棚町「……それで?この生活をいつまで続けんのよ」

橘「うん?そうだなぁ……とりあえずは大学受験が終わるまではって考えているけど」

棚町「ふぅん……それじゃその後アンタはどうすんのよ?」

橘「どうするって?」

棚町「熟睡できないんじゃないの?」

橘「あ……」

棚町「……はぁ、まさか本当に考えてなかったとはね」

橘「う、うるさいな!」

棚町「こいつにそんな甲斐性期待したアタシが馬鹿だったか……」ハァ…

橘「何の話だよ?」

棚町「うっさい、こっちの話よバカ」

橘「何怒っているんだよ……」

棚町「ねぇ純一?」

橘「うん?」

棚町「だったらさ……もし、アタシが大学に行けたら同棲でもしよっか?」

橘「へ……!?ええええぇぇぇえええ!?」

棚町「何でアンタがそんなに驚くのよ」

棚町「何でアンタがそんなに驚くのよ」

橘「いや、だって……ど、同棲って」

棚町「……何よその反応……嫌なの?」

橘「嫌って言うかむしろ嬉しいけど、いいのか?」

棚町「アンタねぇ……どの口で言うのよ?」

橘「いや、でも……」

棚町「あーもうっ煮え切らないわね!これはアタシが大学受かったらってことだから
   今はそんな深く考えないでアンタはどうしたいのよ?」

橘「それは……出来たらいいと思うけど」

棚町「だったら決まり!アンタは自分の安眠を守るために必死でアタシに勉強を教えなさい!」

橘「おいおい、お前も頑張るんだろうな?」

棚町「当然じゃない!ほらっ行くわよ、じゅんいちっ」

おわり

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