キュアハッピー「みんなともだち」 (411)

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キュアムーンライト「誰だってみんな嘘をついている」
キュアムーンライト「誰だってみんな嘘をついている」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365601118/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382786410


1スレ目:キュアミューズ「青色のプリキュアじゃなくてよかった」

2スレ目:キュアミューズ「青色のプリキュアが大嫌い」

3スレ目:キュアミューズ「青色のプリキュアなんて……」

4スレ目:キュアミューズ「……ビート、ごめんね」

5スレ目:キュアミューズ「大好きよビート」

6スレ目:キュアピース「なんで私の先輩は子供なんだろう……」

7スレ目:キュアエコー「友達ができない……」

8スレ目:キュアイーグレット「先輩と後輩がおかしすぎてついていけない」

9スレ目:キュアベリー「赤色のプリキュアじゃなくてよかった」

10スレ目:キュアハッピー「みんな仲良しウルトラハッピー!」
キュアハッピー「みんな仲良しウルトラハッピー!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358363526/)

好きな方を塑像していいですよ

「想像」でした
とりあえずスマプリ編は完結編なので今までのエピソード全てに決着をつけるつもりです

エコー「……」

ルージュ「エコー……なにやってんの?」

エコー「す、すみません! すぐに部屋に戻ります!」タタタッ

ルージュ「あっ、ちょっと!」

ルージュ「……?」

ルージュ(あの音はエコーが叩いてた音……? なんでまたあの子が……)

ルージュ(ま、別にいいんだけど。けど逃げることはないのに)

ルージュ「……」

ルージュ(あの子はこの先どうなるのかしら。とりあえず今はこの寮にいるけど)

ルージュ(映画終わったら……仕事なくなるんじゃないの)

……エコーの部屋

エコー「はぁはぁ……50っ!」

エコー「はぁ~、腹筋50回終了。だいぶ筋肉ついてきたかな」

エコー「この調子でどんどん鍛えなくちゃ。今後アクションシーンとかもあるかもしれないしね」

ピンポーン

エコー「!!」

エコー(だ、誰だろう……こんな時間に)

エコー(……サニーだったら絶対に嫌)

ピーンポーン

マーチ「エコー、起きてる?」

エコー「!!」

マーチ「寝ちゃったのかな……」

ガチャッ

マーチ「あっ」

エコー「マ、マーチ……?」

マーチ「ごめんねエコー、こんな時間に。寝てた?」

エコー「ううん」

マーチ「そっか。実はさ、エコーにこれあげようと思って」

エコー「これ……キャンドル?」

マーチ「うん、それいい匂いがするやつだよ。アロマテラピーとかってやつで。ミント先輩からもらったんだけどね、なんかビューティは使っちゃダメだとか言ってて」

エコー「え?」

マーチ「よく分かんないんだよね、かたくなに拒んでてさ。匂いがダメなのかな」

エコー「……」

マーチ「ああいや、別に臭いじゃないと思うから! あたしはいい匂いに感じたし。まぁ一回使ってみて」

エコー「う、うん」

マーチ「よかった、捨てるわけにもいかなかったからさ」

エコー「ありがとう……」

マーチ「じゃ、おやすみ」

エコー「お、おやすみなさい」

バタンッ

エコー「……もらっちゃった。えへへ」

エコー「嬉しい……マーチ、優しかったなぁ。かっこいいし……素敵だなぁ。プリキュアの人って」

エコー「今使ってみようかな……あっ」

エコー「火をつける道具がない……」

・・・・・

マーチ(いやーよかったよかった、エコーも喜んでくれて)

マーチ(本当はピースにあげるつもりだったけど、寝ちゃってたし……しょうがないか)

マーチ(もしプレゼントできてたらちょっと仲良くなれてたかなぁ……)

マーチ「……?」

マーチ(あれ……あの姿は)






ミント「……」

マリン「……」

マーチ(ミント先輩だ。しかもマリン先輩もいる)

マーチ(何してるんだろう)

マーチ「ミントせんぱーい!」

ミント「!!」

マーチ「こんばんは。なにやってるんですか?」

ミント「マーチ……こんばんは」

マリン「……」

マーチ「あれ、マリン先輩寝てるんですか?」

ミント「え、ええ」

マーチ「こんなところで寝ちゃうなんて」

ミント「これから部屋に連れて行こうと思ってたの。ベッドに寝かせなくちゃね。じゃあね、マー……」

マーチ「あっ、ならあたしが代わりに運びますよ」

ミント「え……」

マーチ「マリン先輩の部屋まで運べばいいんですよね、任せてください」


ミント「……そんな、悪いわ」

マーチ「なに言ってるんですか、先輩の手を煩わせるわけにはいきませんよ。面倒事は後輩のあたしが引き受けますって」

ミント「……」

マーチ「じゃあ、行ってきますね」

ミント「え…ええ。……ならお願い」

マーチ「はい!」

ミント「……ところでマーチ、あのキャンドルはもう使った?」

マーチ「え?」

ミント「ほら、あなたにあげたでしょ?」

マーチ「ああ、あれですか……あー……」

マーチ「使いましたよ、一応。あはは」

ミント「そう、どうだった?」

マーチ「え? えっと……すごくリラックスできました」

ミント「なら良かったわ。まだ他のも持ってるんだけど、使う?」

マーチ「えっ……ま、また今度に! じゃあマリン先輩連れて行きます!」タタッ

ミント「あ……」

ミント「……」

・・・・・

マーチ「はぁ、思わず嘘ついちゃった。でもなぁ、他人にあげちゃったなんて言えないし」

マリン「……」

マーチ「あっ…と、マリン先輩の部屋はこの階だっけ」

ブロッサム「マーチ…!」

マーチ「あれ、ブロッサム先輩」

マリン「……」

マーチ「どうしたんですか? ああ、マリン先輩と同じ部屋でしたっけ?」

ブロッサム「え……?」

マーチ「マリン先輩寝ちゃってて、部屋まで連れてきたんです」

マリン「……」

ブロッサム「……」

マーチ「ふたりの部屋はここでいいんですよね?」

ブロッサム「い、いえ……わたしとマリンは別々の部屋で」

マーチ「あれ、じゃあなんでここに?」

ブロッサム「それは……」

マリン「……」

ブロッサム「す、すみません。もう戻ります」

マーチ「あっ、ブロッサム先輩!」

マーチ「……なんだ? どうしたんだろう、一体」

マリン「……」

マーチ「まぁいいか」

ガチャッ

マーチ「ほら、着きましたよマリン先輩」

マリン「……」

マーチ「ちゃんとベッドで寝ましょうね。風邪ひくとまずいですし」

マリン「すぅ……すぅ……」

マーチ「……」

マーチ(あ~~!!……マリン先輩もちっちゃくてかわいいなぁ)

マーチ(いいなぁ、いいなぁ! かわいいなぁ!!)

マリン「……」

マーチ「……こほんっ、まずいまずい。冷静に」

マーチ「こんなこと考えちゃいけないって……まったく。相手は先輩なのに」

マリン「……」

マーチ「……」

マーチ(あたしもこんな風にちっちゃくてかわいい女の子になりたかったなぁ)

マリン「ぐぅ~……」

マーチ(……やっぱりかわいい)

ここまで

・・・・・

マリン「ぐがぁ~~……んんっ……」

マリン「ん……?」

マリン(あれ……朝だ……)

マリン(寝てた……いつの間にか……)

マリン「んーっ……ぷはぁ!」

マリン(昨日の夜なにやってたんだっけ……思い出せない。まぁいっか)

マリン「……お腹すいた」

マリン(前の寮なら先輩とかがご飯作ってくれたのになー……)

マリン「……」

マリン「……はぁ」

マリン(部屋の冷蔵庫はなにも入ってないし……何か外で食べてこようかな)

マリン「よっこらせ」

・・・・・

ブロッサム「あのー……サニー」

サニー「ん?」

ブロッサム「今日仕事から帰ってきたら一緒に演技のレッスン、しましょうね……?」

サニー「んー……はいはい」

ブロッサム「あの……ちゃんと話聞いてます? 今日は絶対レッスンするんですよ」

ブロッサム「昨日はできなかったですし……」

サニー「せやかて昨日は遅かったしクタクタやったしそんなことするヒマなかったんですって」

ブロッサム「そ…そんなのは気力で……」ゴニョゴニョ

サニー「あ?」

ブロッサム「い、いえ。とにかく、今日はお願いします」

サニー「……はぁ。はーい」

ブロッサム「……」

ブロッサム(はぁ……あんな子、初めて)

ブロッサム(メロディの時はメロディ自身が率先してやってたから、わたしもあまり指導とかしなくてもよかったけど……)

ブロッサム(うう……あんな不良っぽい子、わたしじゃ無理)

ブロッサム(……って、先輩のわたしがこんなことしてたら示しもつかないし)

ブロッサム「はぁ……」

ブロッサム「わたし……この寮でうまくやっていけるのかな」

ミント「ブロッサム」

ブロッサム「!!」

ミント「色々と大変みたいね」

ブロッサム「み…見てました?」

ミント「ふふっ、さぁ? 私はマリンとのことを言ったんだけど」

ブロッサム「!!」

ミント「ねえ、ちょっと私に付き合わない? 色々と話が聞きたいの」

・・・・・

サニー「あ~あ、まったく」

ハッピー「行かないの? ブロッサム先輩のレッスン」

サニー「それよりも今日の仕事。行く行かないは後で考えるわ」

ハッピー「わたし行ってみようかなぁ」

サニー「おっ、ええやん。ウチの代わりに行ってや」

ハッピー「サニーも一緒に行こうよー」

サニー「えー……」

マーチ「ふたりとも、早くバスに乗って」

サニー「はいはい……ってうわっ!?」

ハッピー「あっ!」

マリン「よっ」

サニー「マリン先輩、何やってんすか!」

ハッピー「今日マリン先輩も撮影でしたっけ?」

マリン「横浜行くんでしょ? あたしも連れてってよ」

サニー「なんで……」

マリン「なんかさー、中華料理食べたい気分なんだよね。お腹すいちゃってさぁ、中華街ならたくさん食べれるでしょ?」

サニー「それだけで……? あっははは、なんやそれ」

ビューティ「よろしいんですか? 勝手にこんな……」

マリン「たぶんへーきへーき」

マーチ「いいじゃない、マリン先輩も一緒だと楽しいし」

マリン「おっ、そうそうマーチの言うとおり。よしよし」

マーチ「えへ、えへへへ」

ビューティ「……まぁ、そうですね」

サニー「ほな、ご同行よろしくマリン先輩」

マリン「おっけー。あっ、そのお菓子ちょーだい」

ピース「は、はい」

マーチ「そういえば、マリン先輩昨日ミント先輩となにしてたんですか?」

マリン「へ?」

マーチ「昨日の夜ミント先輩と一緒にいませんでしたっけ。それであたし、ミント先輩に頼まれて眠ってたマリン先輩を部屋まで運んだんですよ」

マリン「あれー、そうなの? 昨日なにやってたかなぁー……覚えてないや」

マリン「でもマーチが部屋まで運んでくれたんだ。ありがとね」

マーチ「い、いえそんな! 後輩として当たり前のことをしたまでです!」

マリン「あははっ、なんかマーチって真面目だねー」

サニー「そうなんすよー、こいつ真面目すぎでほんと融通きかなくて」

マーチ「うるさいなぁ! そういうあんたは、真面目にブロッサム先輩の指導受けなよ」

マリン「ん……? なにそれ」

マーチ「ブロッサム先輩が、わざわざサニーに演技の指導をしてあげるって言ったのにサニーは行こうとしないんです」

サニー「うっさいなぁ、昨日は疲れて行かれへんかっただけや」

マーチ「そう言って今日もどうせサボるんじゃないの」

ハッピー「わたしは行ってくるよ!」

ビューティ「なぜハッピーが…」

マリン「んー……そっかそっか、なるほどねぇ」

サニー「マリンせんぱーい、ブロッサム先輩に頼んでレッスンの取り消ししてくれません? ウチ仕事忙しくてそんなヒマないんですぅ」

マリン「ていっ」

ポカッ

サニー「いてえ!?」

マリン「甘ったれないの、今自分の立場分かってるの? お菓子」

ピース「は、はい」

マリン「新人はね、もっと必死にやるものなの。例え仕事の疲れで体力が切れても、気力でなんとかするのがプリキュアよ!」ポリポリ

マーチ「うんうん、マリン先輩の言うとおり」

サニー「せやかて、こんな忙しかったらどうしようもないやろ。ただでさえブラック先輩とかのシゴキもあるのに」

マリン「サニー、一年ってあっという間だよ? 今のうちにできることはやっておいた方がいいって」

サニー「うーん……」

マリン「ほれ、これ食べな」ズイッ

サニー「ふがっ!?」

ピース(あ……わたしのお菓子……)

マリン「考えたり悩んだりする前にとりあえずやってみな。まずはそれからだよ」

サニー「……」ポリポリ

マリン「サニーって意外と頭でっかちだねー」

サニー「なっ……」

マーチ「あはは! ほんとほんと。言い訳考える暇があるなら体動かしな」

サニー「うっさいわ!」

マリン「あはははっ。ま、ブロッサムが指導してくれるなら安心しなよ」

マリン「あの子優しいし教え方も丁寧だからさ、ちゃんと指導受ければきっと上達するよ」

サニー「はあ……」

ハッピー「マリン先輩、わたしにもそのお菓子ください」

マリン「いいよいいよ。あーん」

ハッピー「あー……」

サニー「んっ!!」ボリッボリッ

ハッピー「ああっ! わたしのお菓子!?」

ピース(わたしのなんだけど……)

サニー「分かりましたよ、ウチは頭でっかちやないしやればできるってこと証明してやります」

マリン「おっ、言ったね。じゃあ頑張りなよ?」

サニー「おっす」

ここまで

・・・・

ビート「マ、マリン先輩本当に来てたんですか」

マリン「おーっすビート、スイート組は遅かったね」

ビート「ええ、ほかの仕事があって……」

マリン「肉まん買ったんだけど食べる?」

ビート「あっ、もらいます……じゃなくて、なにやってるんですかこんなところで」

マリン「いやー、おなかすいちゃってさー。あっこれメロディたちにもあげといて」

ビート「は、はあ」

マリン「どう? 最近の調子は」

ビート「問題はないです……って言いたですけど、さすがに最近身体が重くて」

ビート「メロディもリズムも、表には出さないですけど私以上に疲れているみたいですし」

マリン「分かる分かる。あたしも放送が終わったあとはどっと疲れが出たからねー、ビートも気をつけなよ」

ビート「……大丈夫ですか?」

マリン「ん? なにが?」

ビート「いえ……マリン先輩、何かあったら遠慮なく言ってくださいね。私、マリン先輩のためなら何でもしますから」

マリン「あははっ、なに言ってんのビート。なーんも問題ないよ」

マリン「ところでさ、ビューティはどうなの。あの子いい感じ?」

ビート「はい。すごいんですよビューティは、なんでもできて。私が新人の頃とは全然違う」

マリン「優等生っぽいもんねー。あたしが同期だったらちょっと苦手なタイプだったかも」

ビート「真面目でいい子ですよ、あの子」

マリン「んー……真面目すぎんのもね。正直なに考えてるのか分かんないし」

マリン「あたしこの先ビューティが一番心配だな。ほかの四人は分かりやすいけどあの子はなんかね、カラに閉じこもってる感じがする」

マリン「なにかの拍子でつまずいたりしなきゃいいんだけど」

ビート「……」

マリン「そういう時こそビートがサポートしなきゃダメだよ! プリキュアは先輩が後輩を支えなきゃね」

ビート「は、はい!」

マリン「あっ、そうだ。ところでさーちょっとお願いがあるんだけど」

ビート「なんですか?」

マリン「お金貸してくんない? 財布忘れちゃってさー、何も買えないんだよね」

ビート「え……じゃあさっきの肉まんは」

マリン「ああ、あれはビューティから借りちゃった。あははっ」

ビート「……はぁ、マリン先輩ってば。後輩を支えなきゃいけないとか言っておいて」

マリン「ま、持ちつ持たれつってことでさ」

・・・・・

ビート「みんな、これマリン先輩から」

メロディ「あっ、肉まんだー!」

リズム「わぁ、美味しそう。あとでマリン先輩にお礼言わなきゃね」

ビート「あはは……」

ビート(本当はビューティのお金で買ったやつなんだけど)

ミューズ「……」

ビート「ミューズも、食べない?」

ミューズ「……いらない」

ビート「……」

ミューズ「……」

メロディ「食べなよ、ミューズ。美味しいよ?」

ミューズ「食欲ないの」

メロディ「あー……そっか」

リズム「食べないと力でないわよ?」

ミューズ「……」

ビート「……ここ、置いておくわね」

ミューズ「っ……わたしのことはほっといてよ!!」

ビート「ご…ごめん」

ミューズ「……」

ビート「……」

……プリキュア寮

ミント「大丈夫よ、あなたとブロッサムならきっと元の関係に戻れるわ」

ミント「原因だって、今に思えば些細なことじゃない」

ブロッサム「けど……わたしどうしても不安で。行動するのが怖いんです」

ブロッサム「それで、考えれば考えるほど……」

ギュッ

ブロッサム「!!」

ミント「心配することないわ、ブロッサム。大丈夫」

ブロッサム「ミ、ミント先輩」

ミント「もしよかったら、今日の夜私の部屋に来て」

ブロッサム「え……?」

ミント「仲直りの秘訣を、教えてあげる」

ブロッサム「っ……」

ミント「ふふ、また後でねブロッサム」

ブロッサム「は……はい」

ブロッサム「……」

ブロッサム(仲直りの秘訣……)

ブロッサム「……」

ブロッサム(私……今のままでいいのかな)

ブロッサム(こんなんじゃダメな気がする……誰かに頼るなんて。私に全部責任があるのに……)

ブロッサム「……」

ブロッサム(それは分かっているんだけど……)

・・・・・

ミント「……」

ミント(ふふ……昨日はマーチに邪魔されちゃったけど、今日こそは)

ミント(ブロッサムとマリン……まずはこのふたり)

ミント(このふたりから……ね)

ミント(あとはビートにミューズ、マーチとビューティ……ムーンライトは、まだちょっと難しいかしら)

ミント(それとブラック先輩とホワイト先輩もね。……ふふ)

ミント「うふふ……」




ホワイト「……」

・・・・・

サニー「うあーっ……!! ようやく帰ってきた」

ハッピー「サニー! ブロッサム先輩のところにレッスンレッスン♪」

サニー「ええ~……今行くんか? 帰ってきたばかりやのに」

マリン「やればできるって証明するんじゃなかったの?」

サニー「うっ……」

メロディ「いいじゃん、ブロッサム先輩の特別レッスンなんてうらやましい」

マリン「それとも今朝のことは口だけだったのかなー?」

サニー「っ……行きますよ、普通に。余裕です余裕、ブロッサム先輩のレッスンなんか」

サニー「今から行ってきますんで。ほれ、行くでハッピー」

ハッピー「うんっ」

サニー「……はぁ」

マリン「さてと……じゃあ、あたしは部屋に戻ろっかな」

マリン(あっ、そういえばさっきミント先輩からメールが……)

ホワイト「マリン」

マリン「あれっ、ホワイト先輩。どうしたんですか」

ホワイト「あなたに話がね。このあと何かある?」

マリン「え?……あー……」

ホワイト「ああ、ひょっとしてミントに呼ばれてる?」

マリン「えっ、なんで知ってるんですか」

ホワイト「実は話っていうのはミントから伝言を頼まれたの、今日は急用が入ったからまた今度ねって」

マリン「ええ、メール送ってくれればいいのに」

ホワイト「ふふ、ほんとね。まぁミントは少し天然ボケなところがあるから」

・・・・・

ミント「……」

ミント(遅いわね……マリン。もう帰ってきてるはずなのに)

ブロッサム「ミント先輩……」

ミント「あら……待ってたわよ、ブロッサム」

ブロッサム「あの……」

ミント「ふふ、よかったわ来てくれて。さぁどうぞ、部屋に……」






サニー「あっ、こんなとこにおった!!」

ブロッサム「!!」

ミント「サニー……?」

サニー「もーようやく見つけた。なんで部屋にいないんすか」

ブロッサム「え……」

サニー「演技のレッスンするって言ったやないですか、自分で! はよ行きましょうよ」グイッ

ブロッサム「あ……そのことなんですけど」

ミント「サニー、ちょっと」

サニー「ああ? 自分から誘っといてすっぽかすんですか!?」

サニー「そんなアカンでしょ! アホなこと言わんではよレッスンしましょ」

ブロッサム「ええっとー……」

サニー「やる気ないんすか!?」

ミント「サニー、あのね……」

ブロッサム「……い、いえミント先輩すみません。今日は先にサニーと約束してたんです」

ミント「え……」

サニー「よっしゃ! 決まり!」

ブロッサム「……」

ミント「……」

サニー「なにしてんすかブロッサム先輩、レッスンするんやろ? はよ行きましょ。ミント先輩、失礼しまーす」

ブロッサム「し、失礼します」

ミント「……」

ミント(ブロッサム……土壇場で怖気づいたわね)

ミント(昨日はマーチが、今日はサニーが……明日はハッピーかピースか。……はぁ)

ミント(邪魔っていうわけじゃないけど、また……)

ホワイト「計画失敗ね、って顔してるわね」

ミント「!!」

ホワイト「……」

ここまで

ミント「……」

ホワイト「私の目をかいくぐって、好き勝手できると思ってた?」

ミント「好き勝手って?」

ホワイト「あなた、マリンに何かしたの?」

ミント「私はただ、マリンの相談に乗ってただけですよ」

ホワイト「相談……?」

ミント「彼女、今ブロッサムとちょっと微妙な仲なんです。喧嘩しているわけじゃないんですけどね、すれ違いが起きてて上手くいってないんですよ」

ミント「マリンってばあれで繊細な子ですから、どうやったらブロッサムとまた元の関係に戻れるか悩んでいたんです」

ミント「かわいそうなマリン……いえ、ブロッサムもそう。お互い不運なすれ違いであんな風になるなんて」

ホワイト「……」

ミント「私は彼女たちの仲を取り持ちたいだけなんです!」

ホワイト「御託はもういいわ。マリンに何をしたかって聞いてるの」

ミント「だから言ってるじゃないですか、相談に乗ったって……」

ホワイト「……」

ミント「……ふふっ、どうしたんですか急に。なんでそんなに必死に?」

ホワイト「あなた……例の薬まだ持ってるんでしょう?」

ホワイト「いえ持ってるだけじゃない……自分で作ってるわね」

ミント「……もし作ってたとしたら、なんなんですか?」

ホワイト「……」

ミント「……」

ホワイト「一体いつの間に……私から作り方を盗んだのかしらね」

ミント「ふふっ、どうでもいいじゃないですかそんなこと」

ホワイト「ふざけないで!!」

ミント「あら……」

ホワイト「……いい? ミント……あの薬はもう存在しちゃいけないの。ただの害悪でしかないわ、作った私が間違っていた」

ホワイト「そしてあなたに簡単にそんなものを渡すべきではなかった……」

ミント「……」

ホワイト「あの薬の存在を知っているのは私一人だけでよかったの。そのまま私が沈黙を保てばそれで済む問題だからね」

ホワイト「けど、どうやらその様子ではあなたは知ってしまったようね……あの薬の製造方法を」

ミント「ホワイト先輩? ブロッサムとマリンの問題にしろ……ホワイト先輩にも原因があるんですよ?」

ホワイト「……」

ミント「私はホワイト先輩が犯した間違いの後始末をしているだけなんです。あなたのフォローをしているんです」

ミント「怒られるようなことは何もしていない」

ホワイト「そうね、全て私の間違いよ。だから私はこの寮に来てから、この寮の秩序を守ろうと決めていた」

ホワイト「言ったでしょ? 自分の撒いた種は自分で始末するって。もしブロッサムとマリンの不仲が私に問題があるとしたら、私がそのことを引き継ぐわ。あなたはもう下がってて」

ミント「今さらあなたに何ができるんですか?」

ホワイト「そうね……私が何もしなくてもあのふたりはきっと元通りになるわね」

ミント「ふふっ、それはありえな……」

ホワイト「ありえるわよ」

ミント「……」

ホワイト「余計な手出しさえしなければ、真の友情というのは時間が解決してくれる。当事者以外は関わっちゃいけないことなの」

ミント「それができないから……」

ホワイト「それは違うわ、あなたが邪魔しているだけ。彼女たちはお互い歩み寄れる力を持ってる」

ミント「……一体どうしたんですか? ホワイト先輩らしくないですね」

ミント「精神論でも語るつもりですか?」

ホワイト「……あなたのことを止めたかっただけよ。けどそれも、すでに遅かったみたいだけど」

ミント「?」

ホワイト「今後、マリンには手を出さないことね。手を出した時点で、容赦はしないわ」

ミント「……」

ホワイト「分かったら部屋に戻りなさい」

ミント「私が何をしてるか知ってて、あえてこのままほっとくんですか?」

ホワイト「……何もしなければそれでいいのよ。それでね」

ミント「……」

・・・・・

ブロッサム「えっとじゃあ……まずは基本的なところからいきましょう」

ブロッサム「自分の今演じている役のことを考えてみてください」

サニー「考える?」

ブロッサム「うーん……考えるというより、理解すると言った方がいいですね。そのキャラの好きな食べ物はなんなのか、普段は何をして過ごしているのか」

ブロッサム「なんでもいいですから、演じるキャラを掘りさげていくんです」

サニー「んんー……」

ハッピー「はいはーい! ええっと、キュアハッピーは絵本が好きで放課後は毎日チアリーディング部に通ってます!」

サニー「チアリーディング部?」

ハッピー「そういう設定だって聞いた」

サニー「できんの? チアリーディング」

ハッピー「できるよー、やったことないけど。踊ればいいんだよね?」

サニー「踊りとはちゃうやろあれ」

ブロッサム「あのー、ふたりとも。もう少し掘り下げを……」

ハッピー「えーおんなじだと思うよ? 前動画で見たけど」

サニー「せやかてハッピー、ダンスちょっとヘタっぴやからなぁ」

ハッピー「ええっ!?」

ブロッサム「あのー……」

サニー「キレがないねん、動きにキレが。あんなんじゃプリリズのオーディションも受かってなかったやろな」

ハッピー「で、でも一応プリキュアにはなれたし」

サニー「そりゃお前……運がよかっただけや」

ハッピー「えーそんなー」

サニー「にしししっ」

ブロッサム「ふたりとも……」

サニー「ほなハッピーここで踊ってみ」

ブロッサム「いくよー? イェイイェイイェイ!」

サニー「アカンアカンアカン、こうやこう!」

ブロッサム「い、今はダンスの練習じゃ……」

サニー「イェイイェイイェイイェイ!」

ハッピー「イェイイェイイェイイェイ!」

ブロッサム「……」

・・・・・翌日

パッション「そうね……それは」

ルージュ「舐められてんのよ」

ブロッサム「う……」

ルージュ「サニーもサニーだけど、ブロッサム! あんたがしっかりしないでどうすんの!!」

ブロッサム「はい……」

パッション「まぁまぁルージュ先輩……」

ブロッサム「……あの、やっぱりわたしじゃなくてパッション先輩が指導したほうが」

パッション「え?」

ブロッサム「わたしじゃ話聞いてくれないみたいだし……」

ルージュ「ダメよ」

ブロッサム「え……」

ルージュ「あんたがやりなさいブロッサム。ブラック先輩はあんたを指名したんでしょ」

ブロッサム「それはたまたまで……」

ルージュ「たまたまでもなんでも、一度引き受けたことは最後までやりなさい」

ブロッサム「……」

ルージュ「ほら、ちゃんと部屋でどうやって指導するか考えてきな」

ブロッサム「はい……」

パッション「……いいんですか? 上手くいかなかったら、サニーにも響くことですし」

ルージュ「あんた今までブロッサムのことちゃんと教育してた?」

パッション「……」

ルージュ「なにやってんのよもう。あんたがしっかりしないからブロッサムもしっかりしないんでしょ」

ルージュ「メロディがいい子だったから助かったものの、ブロッサムはそろそろ先輩としてひと皮剥けないといけないの」

パッション「……すみません」

・・・・・

ホワイト「最近身体に異常はない?」

マリン「異常……? 特にはないですけど」

ホワイト「本当に? 些細なことでもいいわ、何かなかった?」

マリン「……そういえば、最近ぼーっとすることが多かったかなぁ。あと物忘れも頻繁に」

ホワイト「そう……なるほどね」

マリン「あれっ、これってひょっとして老化現象!? あたしもう老けちゃうの!?」

ホワイト「……ふふっ、心配しないで。それは疲労の影響よ」

マリン「そ、そうですか? けど今までこんなことなかったけど……」

ホワイト「これを飲んでみて」

マリン「……なんですか、これ」

ホワイト「栄養ドリンクよ。しばらく飲み続ければ身体の違和感もなくなるわ」

マリン「……なんかすごいドロドロしてるんですけど」

ホワイト「良薬は口に苦し。元気になりたかったら我慢して飲みなさい」

マリン「うえー……」

ここまで

ホワイト「……」

マリン「んぐっ……ぐっ……」

マリン「ぷはーっ! ……まずい、もう飲みたくない」

ホワイト「そういえばミントに色々と相談してたみたいね」

マリン「はあ……えっ、知ってるんですか?」

ホワイト「ミントから聞いたわよ」

マリン「そう……なんですか」

ホワイト「ミントには何回ぐらい相談したの」

マリン「え? 回数って言われても……うーん」

マリン「あれ……何回ぐらいだっけ。たぶん……3、4回?」

ホワイト「4回……そう。あっ、そうそう。そのドリンクあと四日間は朝昼晩毎日飲んでもらうから」

マリン「ええっ!?」

ホワイト「ブロッサムと色々大変みたいね」

マリン「っ……どれぐらい聞いたんですか?」

ホワイト「深くは聞いてないわ。首も突っ込むつもりもないわよ」

マリン「あはは……すみません、お騒がせしちゃって」

ホワイト「ただ一つ苦言を呈すなら」

マリン「?」

ホワイト「なぜよりにもよってミントなんかに相談する必要があったの」

ホワイト「あなたはあなたらしく、ブロッサムに真っ向から向き合えばいいじゃない」

マリン「……あたし、ブロッサムに嫌わちゃったから。真っ向から行こうにも避けられちゃって」

マリン「それに向き合ったとしても、今のあたしはどうすればいいのか。ブロッサムになんて言えばいいのか分かんないんです……それでミント先輩は優しく話を聞いてくれて」

ホワイト「ますますあなたらしくないわね。ネガティブな方へ考えてしまうもミントの影響のせいかしら」

マリン「へ?」

ホワイト「いえ、なんでもないわ。私が言いたいのは、自分の気持ちに嘘をつく必要はないってことよ」

マリン「……」

ホワイト「特にこの寮で暮らしてる間はね。こんな人が大勢いる寮で素直にならず自分に嘘をつきながら暮らしていたら、必ず人間関係に綻びが生じるわ」

ホワイト「みんな仲間なのよ。遠慮なんかせずあなたらしくしてみたら?」

マリン「ホワイト先輩……」

ホワイト「それにプリキュアになる人なんてほとんどが変人だもの。ちょっとやそっとのことで傷ついたり動揺してたりしたらキリがないわ」

ホワイト「心を強く持ちなさい」

マリン「……はいっ、そうですね。確かに変な人はたくさんいますけど、まともなあたしまで流される必要はないですしね」

ホワイト「一応、変人の中にはあなたも含まれているんだけど」

マリン「あっははは……うえっ!?」

ホワイト「ふふっ、冗談よ。ここにあるドリンク、四日の間に必ず飲みきるのよ。分かった?」

マリン「マ、マジですか……?」

ホワイト「それとミントには二度と相談をしないこと。もし彼女に誘われてもついて行っちゃダメよ」

マリン「えっ、どうして」

ホワイト「ここだけの話、彼女失恋したの」

マリン「ええっ!? いつ!! 誰に!?」

ホワイト「それは言えないわ。けど……今はそっとしておいてあげて」

マリン「そんな……ミントさん、失恋の傷も癒えてないのにあたしのために話を聞いてくれていたなんて……」

ホワイト「……」

マリン「分っかりました! ミントさんの乙女心のためにも、しばらくはミントさんのことをそっとしておくようにします!」

ホワイト「助かるわ。それじゃあ、部屋に戻ってもいいわよ」

マリン「あいさー!」

ガチャッ バタン

ホワイト「……単純でいい子ね。あの様子ならすぐに復調しそうだわ」

・・・・・・

メロディ「プリキュア五つの誓い、それじゃあ復唱はじめっ!」

ハッピー「ひとつ! えっと……えーっと……よく食べ!」

サニー「ひとつ、あー……なんやったっけ……よく寝て」

ピース「ひとつ……よく遊び……?」

マーチ「ひとつ! ……あ、あれ……? ……よく学び!」

ビューティ「ひとつ。プリキュアたるもの、一流のレディたるべし」

メロディ「はい、ビューティ合格。あと失格。ちゃんと覚えてきてって言ったでしょ」

ハッピー「えへへ、すみません。暗記とか苦手で」

メロディ「けどビューティももう少し声を張り上げないとね。声の大きさではハッピーとマーチは合格だよ」

ハッピー「やったー!」

マーチ「あ、ありがとうございます」

ビューティ「……あの」

メロディ「ん?」

ビューティ「撮影の合間にわざわざ外で、しかも大声を出しながら五つの誓いを復唱するなんて……一体どういう意味が」

サニー「なんやギャラリー集まってきとるな」

メロディ「スッキリするでしょ?」

ビューティ「そ、そのためにわざわざ復唱を!?」

メロディ「スッキリしない?」

ピース「はい、スッキリしましたぁ!」

サニー「うわっ、媚売っとる」

ピース「こ、媚なんてそんな……」

サニー「だいたい五つの誓いって。なんなんすかこれ」

メロディ「プリキュアの心構えに決まってるじゃない。みんなオーディションですごい努力してすごい大変だったのは分かるけど、プリキュアになることがゴールじゃないんだよ」

メロディ「その先はもっと頑張らなきゃいけない! ここからが本番! そんな初心を忘れないためにも心構えはいつも必要なの」

サニー「……」

ピース「メロディ先輩……かっこいい」

メロディ「よし、じゃあもう一度復唱しよう! 今度はメモ見ながらでいいから」

ハッピー「はーい!」

ビューティ「まぁ……この五つの誓いにそのような意味があるのでしたら、納得もできますね」

サニー「本番、か……」

ハッピー「サニー? どうしたの」

サニー「いや、なんでもあらへん」

メロディ「それじゃあプリキュア五つの誓い、復唱はじめっ!」

ハッピー「ひとつ! プリキュアたるもの、いつも前を向いて歩き続けること!」







エコー「……」

……プリキュア寮

エコー(いいなぁ、プリキュアの子たちは賑やかそうで)

エコー(なんか、あの輪の中に入るタイミング逃しちゃった……)

エコー「……」

エコー(あっ、そうだ。今日マッチ買ってきたんだった)

エコー(これであのキャンドルにも火をつけることができる。落ち込んでる時はリラックスしなきゃね……)

アクア「エコー」

エコー「あっ……!」

アクア「ちょうど良かったわ、帰ってきてたのね」

エコー「ア、アクア先輩……」

アクア「あなたに話があるの。ちょっと来てもらえないかしら」

エコー「は、話ですか……?」

エコー(なんの話だろう……こわい話じゃなきゃいいけど……)

ここまで

・・・・・
エコー「し、仕事ですか!?」

アクア「そうよ。これ、スケジュール表」

エコー「……」

アクア「よく読んでおいてね、結構濃密だから」

アクア「テレビ出演に各地でのイベント、プロ野球の始球式とかもあるわよ。横浜の球団のなんだっかしら、なんとかベイスターズ?」

エコー「す、すごい……こんなに」

アクア「これから2、3ヶ月は多忙になるわよ。より一層気を引き締めてね」

エコー「は、はい!」

アクア「それじゃあ、戻っていいわよ」

エコー「失礼します!」

ガチャッ バタン

エコー(や、やった……仕事たくさんもらえた!)

アクア「……」

ローズ「彼女、この寮にいてもいいの?」

アクア「不満?」

ローズ「いえ、そんなんじゃないけど……映画終わったらどうするのかしら」

アクア「それはエコー次第ね」

ローズ「なんとかしてあげないの?」

アクア「優しいわね、ローズ」

ローズ「……」

アクア「仕事に関しては私は何もできないわ、今日だってただスケジュール表を渡しただけだし。まぁ彼女自身でもどうにかなるって話でもないわね」

アクア「先のことは誰にも分からないわ」

ローズ「そうね……」

・・・・・

ハッピー「ねえねえ、ブロッサム先輩のところに行かないの?」

サニー「その前にちょっとエコーの部屋を家宅捜査や」

ハッピー「?」

サニー「実はな、今日エコーがマッチ買ったの見たんや」

ハッピー「マッチ? それがどうしたの?」

サニー「絶対タバコ吸ってるに決まってる」

ハッピー「ええっ!?」

サニー「考えてもみい、年頃の女の子がマッチなんて何に使うねん」

サニー「タバコしかないやろ!」

ハッピー「ええ……でも、マッチで暖を取ったりとか」

サニー「ありえへん、ないない」

ハッピー「タバコだってないよ~」

サニー「ああ? ウチの地元じゃマッチやライター買ってたらタバコだって怪しまれるで」

ハッピー「タバコ買おうとした時点で止められない?」

サニー「タバコは買ったか分からんやろ。もしかしたら誰かにもらったかもしれんし、または盗んだのかも」

ハッピー「ぬすっ……!?」

ハッピー「大変だよ、エコー捕まっちゃう!」

サニー「なぁ? もしエコーが未成年喫煙の上に窃盗まで働いてたらやばいやろ?」

ハッピー「うんうんうんっ!」

サニー「だからここはウチらでエコーを止めるんや。エコーの部屋に入って、タバコを処分する」

サニー「もしエコーがいたら、ハッピーがエコーを押さえつけるんやで? そのスキにウチがタバコ捨てるから」

ハッピー「分かった!」

サニー「よしハッピー、ウチらでエコーを悪の道から足を洗わせるで」

ハッピー「はい!」

サニー(なーんてな。もしタバコ持ってたらウチが全部もらっとこ、吸ってみたいし)

サニー「部屋の扉、開けるで」

ガチャッ

サニー「お邪魔しまーす……って、おらん」

ハッピー「まだ部屋に戻ってないみたいだね」

サニー「ま、好都合やな。タバコ探すで」

ハッピー「どこらへんにあるのかな」

サニー「適当に探せ、適当に」

ハッピー「んー……あっ!」

サニー「あったか?」

ハッピー「お菓子発見!」

サニー「なんや違うんか。まぁ一応もらっとけ」

ハッピー「……ああっ!」

サニー「またお菓子か?」

ハッピー「これもお菓子かな?」

サニー「ん? ……ちゃうわそれ、ロウソクや」

ハッピー「ロウソク……これが!? 美味しそうな色してるのに!」

サニー「あれやろ、アロマキャンドルってやつやろ。ご丁寧にグラスの中にまで入っててまーおしゃれやな」

ハッピー「へー……確かに綺麗だね」

サニー「……あっ」

ハッピー「タバコ見つかったの?」

サニー「もしかしてマッチ買ったのって……これに使うためか」

ハッピー「ああっ、なるほど!」

サニー「なんや……タバコかと思ったのに」

ハッピー「もー、サニーが変なこと言うから。ウチの地元じゃ絶対タバコだー、って」

サニー「せやかて地元じゃそうやったもーん」

サニー「エコーのやつ普通に女の子女の子しやがって、紛らわしいんじゃ」

ハッピー「ねえねえサニー、わたしもこういうの欲しい~!」

サニー「買えばええやろ」

ハッピー「サニーも一緒に買おうよ! わたし一人じゃどこに売ってるのかも分かんないし」

サニー「ウチいらんわそんなん」

ハッピー「えー欲しい欲しい欲しい!」ブンブンブンッ

サニー「危なっ、振りますな! 一人で買え! 今の時代ネットで検索すれば簡単に」

ハッピー「あ……」スルッ

ガシャーンッ

サニー「……」

ハッピー「落としちゃった……ロウソク」

サニー「あーあ……ガラス粉々」

ハッピー「ど、どうしよう! ロウソク使えるからまだ大丈夫だよね!?」

サニー「知らんけど……こういうのって雰囲気もんやろ? ロウソクだけあってもアカンとちゃうの、雰囲気出えへんやろ」

ハッピー「そんな~……どうしよう」

サニー「ま、弁償やな」

ハッピー「お、おいくらぐらいするんですか……?」

サニー「そりゃあ……何百万とかやな」

ハッピー「そ、そんなに!! どうしよう、お給料で足りるかな!? 実家に仕送りもしなきゃいけないのに!!」

サニー「アホ、冗談や冗談。そんなんどうせ千円もしないやろ」

ハッピー「千円……それでも結構高級なものなんだね」

サニー「高級……? まぁとりあえず部屋出るか。タバコないし、ブロッサムのとこ行かなアカンし」

ハッピー「わたしここでエコーが来るの待ってる」

サニー「は? なんで」

ハッピー「ちゃんと謝らなきゃ……わたしが悪いことしちゃったんだし」

サニー「そんなん後でもええやん」

ハッピー「ダメだよ今じゃないと。後からじゃ、気持ちは伝わらないと思う」

サニー「はぁ……ええ子ちゃんやなぁ。勝手にし、ウチは先に行っとるで」

ハッピー「うん、わたしも後で行くね」

サニー「……」

・・・・・

ブロッサム「……」

サニー「お待たせしました~」

ブロッサム「あっ、サニー。……今日はサニーひとりなんですか?」

サニー「ハッピーなら後から来ますよ」

ブロッサム「そ、そうですか」

サニー「で、今日は何やるんすか?」

ブロッサム「きょ、今日は昨日と同じことをやろうと……」

サニー「おっ、ダンスの練習ですか?」

ブロッサム「ち、違います。まずは自分の演じる役の……」

サニー「はいはい」

ブロッサム「……はぁ」

……エコーの部屋

ガチャッ

エコー「!?」

ハッピー「おかえりエコー」

エコー「ハ、ハッピー……なんで私の部屋に?」

ハッピー「あのね。実はエコーの部屋にタバコがあると思って探してたんだけど……」

エコー「タバコ!?」

ハッピー「あっ、でもわたし達の勘違いだったの。ごめんね」

エコー「は、はあ……?」

ハッピー「それでね……もうひとつ謝らなきゃいけないことがあって……」

エコー「あ……」

ハッピー「ロウソク……壊しちゃった。ごめんなさい!」

エコー「……」

ハッピー「ごめんね……高かったでしょ、これ?」

エコー「い……いいよ別に」

ハッピー「えっ」

エコー「もらった物だし、全然……構わないから。壊れちゃったものはしょうがないよ」

ハッピー「……ご、ごめんね本当に」

エコー「ううん、本当にいいの……ガラスが割れただけだし」

ハッピー「そうだ!!」

エコー「な、なに?」

ハッピー「今度一緒に新しいロウソク買いに行こ!」

エコー「え……?」

ハッピー「わたしも欲しくなったの、このロウソク……じゃなくてなんだっけ、なんとかキャンドル?」

エコー「アロマキャンドル……?」

ハッピー「そう、それ! わたしも、欲しくなっちゃった。今度一緒に買いに行こ?」

エコー「い、一緒に……?」

ハッピー「うんっ。わたしこういうのどこに売ってるのかよく分かんなくて、えへへ」

エコー「……」

ハッピー「ダメかな……?」

エコー「う……ううん! い、行きたい、私も!」

ハッピー「じゃあ……!」

エコー「あ……う、うん。買いに……行こ」

ハッピー「やったー! ウルトラハッピー!」

エコー「私なんかと一緒でもいいのかな……」

ハッピー「うんっ、もちろんだよ!」

エコー「……!!」

ハッピー「絶対に行こうね!」

エコー「う、うんっ!」

ハッピー「そうだ、そろそろわたしブロッサム先輩のところに行かなきゃ。じゃあまた明日」

エコー「あ……あの!!」

ハッピー「?」

エコー「あの……その……」

エコー「も、もしよかったら……私と」

エコー「と、とっ……ともだちにっ!」

エコー「ともだちになってください!!」

ハッピー「……へ?」

エコー「いや、えっと……あの……」

ハッピー「あははっ、変なエコー。わたし達とっくにともだちじゃん」

エコー「っ……!」

ハッピー「じゃあね、おやすみ~」

ガチャッ バタンッ

エコー「……」

エコー「やった……やったー!」

エコー「嬉しい! ハッピーと……うふふっ」

エコー「やった! やった! やったー!!」

エコー「えへっ、えへへへ」

エコー「はぁ……くぅ~~~っ!!」

エコー「よーしっ、明日から……ううん、今日から頑張るぞー!!」

エコー「とりあえず筋トレしよう!」

エコー「あっ、そうだ。このキャンドル……」

エコー「……新しいの買うし、いっか。どこかにしまっておこ」

ここまで

・・・・・三週間後

メロディ「ダッシュ30本! はじめっ!」


サニー「しゃあっ!!」

ビューティ「はっ!」

ピース「はいっ」

ハッピー「はぁ……はぁ……」

マーチ「ぜぇ……ぜぇ……」


メロディ「……」

リズム「どう? あの子たちの調子は」

メロディ「うーん……運動能力はサニーとビューティのふたりが今のところトップかな。ピースも十分合格ラインだけどね」

メロディ「この三人はいいとして、ハッピーとマーチがねぇ……」


ハッピー「ふぎゃっ!?」ドテッ

マーチ「もう……ダメ……」

リズム「あらら……」

メロディ「まぁ、まだ伸びしろはあるから焦らなくてもいいとは思うけどね。おーいハッピー、大丈夫ー?」


ハッピー「だ、大丈夫でーす!」


メロディ「よしっ。根性はあるからいいよね、ハッピー」

リズム「そうね。……それにしてもビューティはすごいわね、今のところ全部のレッスンを完璧にこなしているんでしょ?」

メロディ「そうみたい。演技もダンスも歌も、全部高評価だってさ」

リズム「おまけに性格も礼儀正しくて真面目で、ビートも特に教えることがなくて困ってるって言ってたわ」

メロディ「あははっ、教える側としては楽そうで羨ましいけどなぁ」


マーチ「ひぃ……ひぃ……」


リズム「マーチも、もう少し頑張ってほしいけど……」

メロディ「まっ、ビューティ以外の四人はこれからだよこれから」

メロディ「よーしっ、オッケー! 今日はここまで!」

メロディ「すぐにシャワー浴びて着替えてご飯食べて、撮影スタジオに出発するんだよ!」


ハッピー「は、はーい……」

マーチ「ご……ご飯食べなかったっけ……」

サニー「あんな牛乳とバナナが朝飯のうちに入るわけないやろ。この後たくさん食べて、体力つけるんや」

マーチ「つ、疲れて食欲なんて……」

ビューティ「マーチ、肩を貸します」

マーチ「ごめんビューティ……」

ハッピー「うー……サニーわたしもー……」

サニー「はよ歩いてこんと置いてくで」

ハッピー「うえ~……」

ピース「……」

ピース(こんなんじゃ全然ダメ……)

・・・・・

ガツガツガツ

ハッピー「ふがっふごっ」

サニー「おかわりおっさきー」

ハッピー「ああん、わたしも!」

ビューティ「おふたりも……もう少し品良く食事を」

ハッピー「だってお腹すいちゃったんだもーん」

サニー「うまいしなぁ!」

ハッピー「こんなにご飯たくさん食べられるなんて、超ウルトラハッピー!」

マーチ「……」

サニー「おいマーチ、なにモタモタ食ってんねん。ブラック先輩に最低でも丼ぶり三杯は食えって言われたやろ」

マーチ「もうお腹いっぱい……丼ぶりなんて食べらんない」

サニー「それでもプリキュアか! 口に入れろ口に!」

マーチ「うう……」モグッ

サニー「もっともっと!」

ハッピー「ほら、唐揚げ美味しいよ~」

サニー「どんどん入れろどんどん入れろ!」

ビューティ「マ、マーチ……」

マーチ「うぐっ……むぐっ……」

サニー「よっしゃ! そのまま飲み込め!」

ハッピー「ごくんっと!」

マーチ「……ごくんっ」

サニー「よっし、よくやったー! もう一杯いくでー!」

マーチ「もう一杯……うぶっ!?」

サニー「!?」

マーチ「おぼろろろろろろろ」

サニー「うわあ!? 吐きやがった!!」

ビューティ「マーチ!!」

ピース「うわ……」

ハッピー「大丈夫!?」

……スタジオ

ビューティ「体調が優れないのなら、今日は休んでも……」

マーチ「だ、大丈夫……平気。休むわけにはいかないし」

サニー「情けないなぁ、もうちょい根性見せぇや」

マーチ「あんなに詰め込まれたら……」

サニー「ピースですら三杯食べてたんやで~」

マーチ「うぐっ……」

ビューティ「気にしないでくださいマーチ、誰にでも得手不手はあるものです。マーチはマーチが食べられる分だけでいいんですよ」

サニー「マジな話、ルージュ先輩も言っとったけど今のうちに食べて体力つけんと夏場になったらバテるらしいで」

ビューティ「……」

マーチ「わ……分かってるよ」

サニー「ほなたくさん食わんとな。今日焼肉でも行くか?」

ビューティ「……そんな暇があるんですか?」

サニー「は?」

ビューティ「サニーはブロッサム先輩のレッスンがあるのでしょう?」

サニー「そんなんビューティには関係ないやろ」

ビューティ「関係あります。これ以上撮影の時に足を引っ張られるとこちらも迷惑ですし」

サニー「なっ……!!」

ビューティ「……」

サニー「……チッ」

マーチ「ああ……えっと……」

ガチャッ

ハッピー「おまたせ~みんな。そろそろ行こっか」

マーチ「ハッピー……よかった来てくれて」

ハッピー「?」

・・・・・

監督「カット。もう一度」


サニー「すんませーん」

ビューティ「……」

サニー「……」

ハッピー「あーん、今わたしも間違えちゃった~」

サニー「まったくハッピーは進歩ないなぁ」

ハッピー「サニーに言われたくないよ」

サニー「あっははは、やかましいわ」

マーチ「よ、よーし! 次はもっといいシーンにしよう」

サニー「おっ、ええこと言うやん。次はやったるで」

ハッピー「おーっ!」

サニー(……はぁ)

……プリキュア寮

ブロッサム「もう少しオーバー気味でもいいですから感情を出して……」

サニー「それでさっきオーバー過ぎって言うたやないですか」

ブロッサム「ですからさっきよりは少し抑えて……」

サニー「あーもう分からーん!!」

ブロッサム「……じゃあ、少し休憩しましょう」

サニー「はぁ……」

ブロッサム「今日はハッピーは来ないんですか?」

サニー「アクア先輩に今後のことについて話があるからって呼び出しされてます」

ブロッサム「そうですか……」

サニー「……」

ブロッサム「あっ……そういえば、もうすぐですね。スマイルプリキュアの放送」

サニー「もうすぐって、明日っすよ明日」

サニー「明日は朝からみんな揃って観る予定なんです」

ブロッサム「楽しみですね。わたしもハートキャッチの放送が始まるときはワクワクしました。あの日はマリンと一緒に……」

ブロッサム「……っ」

サニー「?」

サニー「どうしたんすか」

ブロッサム「い、いえ。とにかくちょっと恥ずかしいですけど嬉しいものですよ、テレビに写ってる自分を見るのって」

サニー「そりゃ楽しみや。ウチもいよいよ全国デビューかー」

サニー「やっぱテレビ出ると今までの生活変わります? みんなにチヤホヤされたり、ファンレターもらったり」

ブロッサム「そうですね、身の回りは騒々しくなりますね」

サニー「華やかそうでええなぁ。それぞプリキュアって感じや」

ブロッサム「そういえば……」

サニー「ん?」

ブロッサム「サニーはどうしてプリキュアになろうと思ったんですか?」

ここまで

サニー「そらもちろん、人気者になれるしお金も稼げるからに決まっとるやないですか」

ブロッサム「へ? そ、それだけ……?」

サニー「なんか文句あるんすか?」

ブロッサム「い、いえ……」

ブロッサム(あまりに動機が単純っていうか……志が低いっていうか)

サニー「あ、今つまんない理由でプリキュアになったとか思ったんやないですか」

ブロッサム「ええっ!? そ、そんなこと……」

サニー「はぁ……ブロッサム先輩さぁ、言いたいことあるんならハッキリ言えばええんちゃうの?」

サニー「そうやって顔色伺って黙っているとこっちもイラっとくるんやけど」

ブロッサム「わたしは別に……」

サニー「別にいいっすよ、つまんないんだと思えば。ウチはブロッサム先輩が何を思おうが気にせんし」

ブロッサム「……」

サニー「ま、これでもプリキュアになるためには必死にやってたんすけどね」

サニー「身体は鍛えまくったし……って言っても、ブラック先輩とかにはまだまだ敵わないけど」

ブロッサム「あの人は……次元が違いますから」

サニー「才能かぁ……」

ブロッサム「……」

サニー「ブロッサム先輩さぁ、ウチ演技の才能あると思う?」

ブロッサム「えっ、ま、まぁ……そうですねぇ」

サニー「……」

ブロッサム「も、もちろんあると思いますよ。自分の才能を信じていればきっと…」

サニー「そんなんいらんからハッキリ言ってくださいよ」

ブロッサム「……その、正直まだ分かんないです」

サニー「……」

ブロッサム「でも……才能があろうとなかろうと結局は努力しなきゃ結果は出ません」

ブロッサム「だからサニーは本当にこれからなんです。今は才能がどうこう悩むよりも、がむしゃらにやるべきことをやってみたらいいと思います」

サニー「……!」

ブロッサム「なんちゃって……えへへ」

サニー「……プリキュアに選ばれる基準って何なんすかね」

ブロッサム「え?」

サニー「ウチみたいなやつでも選ばれるってことは、才能なんて関係ないんかな。アホでもプリキュアになっとるやつもおるし」

ブロッサム「……」

サニー「ありがとなブロッサム先輩、ちょっとやる気出てきたわ」

ブロッサム「そ、そうですか。ならよかったです」

サニー「ほなええ話で締めたし、今日はこれでもうおしまいやな」

ブロッサム「はいっ……ってダメですよ!」

サニー「なははっ」

・・・・・

アクア「以上よ」

ハッピー「こ、こんなにですか……?」

アクア「そう、それが今月の仕事全部。特にあなたはリーダだから、他よりも仕事量が多いの」

ハッピー「三日で倒れちゃいそう……」

アクア「大丈夫よ。人間、案外無茶できるものだから」

ハッピー「が…がんばります」

アクア「ところで、聞きたいことがあるんだけれど」

ハッピー「?」

アクア「あなたから見て、他のスマイルのメンバーはどう評価している?」

ハッピー「評価……ですか?」

アクア「そうよ。リーダーとしてあなたの意見を聞かせてちょうだい」

ハッピー「ええっと……意見って言われても」

アクア「まさか、彼女たちとコミュニケーションを取ってないわけじゃないでしょ?」

ハッピー「と、取ってます!」

アクア「なら彼女たちと接してみて実際どういう人間なのか、自分が現時点で下している評価を言ってくれればいいのよ」

ハッピー「う、うーん……えっと」

ハッピー「サニーは、いつも元気で。ピースはいつも大人しくて」

ハッピー「マーチはみんなをまとめてくれて頼りがあって、ビューティは何でもできる凄い人です!」

アクア「……」

ハッピー「みんな明るく楽しいです!」

アクア「はぁ……そんなことを聞いているんじゃあないんだけど」

ハッピー「へ?」

アクア「評価の話はもういいわ。それ以前の問題みたいね」

アクア「あなた、リーダーとしての自覚はあるの?」

ハッピー「じ、自覚……?」

アクア「リーダーとして心がけていることは、何かある?」

ハッピー「え、えっと……リーダーとして……?」

ハッピー「あの……リーダー……リーダー……えっと……」

アクア「……」

ハッピー「ご、ご飯はみんなよりたくさん食べるようにしてます」

アクア「もういいわ」

ハッピー「はうっ……」

アクア「リーダーはまず、広い視野を持たなければいけないの」

アクア「あなたは今自分のことで精一杯かもしれないけれど、あなた一人でプリキュアをやっているわけじゃない」

アクア「仲間がいる。その仲間を支えたり引っ張ったり、時には意見を聞いたり……それら全てができる柔軟性が必要だわ」

ハッピー「???」

アクア「……だから、もう少し周りを観察しなさい。そして友達付きあいではなく、あくまでプロとして仲間ひとりひとりに向き合うの」

アクア「分かってる? プリキュアはお遊びじゃないのよ。リーダーのあなたが周りの状況を把握しない限りは何も始まらないわ」

ハッピー「は、はい」

アクア「……私達は先輩として指導はするけど、それはあくまで技術面や精神面だけよ」

アクア「それ以外の足りない部分は、全てあなた達だけで補わければいけないの」

ハッピー「……」

アクア「そしてリーダーのあなたがしっかりしない限り、周りもしっかりすることはないわ」

アクア「もう少し自覚を持って、自分が今なにをすべきなのかよく考えてきなさい。分かった?」

ハッピー「はい!」

アクア「なら……今日はこれでいいわ。部屋に戻って」

ハッピー「し、失礼します!」

ガチャッ バタンッ

アクア「……はぁ」

アクア「あの子をプリキュアに選んだのは誰なの……」

・・・・・

ハッピー(アクア先輩の話半分以上……ていうか、ほとんど分からなかったなぁ)

ハッピー「ああんどうしよー! リーダーなんて今までやったことないのにー!」

ハッピー「……お?」



ドリーム「……」



ハッピー「ドリーム先輩……」

ハッピー(そうだ、ドリーム先輩になら何かいいアドバイスもらえるかも!)

ハッピー「ドリームせんぱーい!」

ドリーム「あっwwハッピーwww」

ハッピー「なにしてるんですか?」

ドリーム「今ねwwお腹すいたからどこか美味しいもの食べに行こうと思ってたのwww」

ドリーム「ハッピーも来る?wwww」

ハッピー「えっ、いいんですか!?」

ドリーム「いいよwww」

ハッピー「わーい! 行きまーす行きまーす!」

ハッピー(……あれ、何かドリーム先輩に話したいことがあったような)

ハッピー(まぁいっか)

・・・・・翌日

ハッピー「むにゃむにゃ……」

サニー「おいハッピー、起きろ」

ハッピー「うーん……もう食べれない……」

サニー「ハッピー!!」

ハッピー「ひゃあっ!?」

サニー「ようやっと起きたか」

マーチ「おはよう、ハッピー」

ビューティ「おはようございます」

ハッピー「あ、あれ……みんななんでわたし達の部屋に」

サニー「今日みんなでスマイルの放送見るって言うたやろ」

ハッピー「あっ、そうだ! もう朝だ!?」

サニー「まったく、ギリギリまで寝やがって」

ビューティ「ハッピーは一番忙しいですから、疲れるのも無理ないです」

サニー「よう言うわ、こいつ昨日遅くまでドリーム先輩と外食してたんやで?」

マーチ「それにしても……この部屋ちょっと汚くない?」

サニー「あ? そうか?」

マーチ「散らかりすぎでしょ、服とかあちこちに脱ぎっぱなしになってるし」

ハッピー「あっ、もうすぐ始まるよ!」

サニー「おっ、はよテレビ点けな」

マーチ「今日の放送終わったら少し掃除しなよ。手伝うから」

サニー「余計なお世話や、んなもんどうでもええねん」

ハッピー「始まった!!」

・・・・・

スタッフ「エコーさん、もうすぐ本番でーす」

エコー「は、はーい!」

エコー(そういえば、もうスマイルプリキュア始まってるのかな。わたしも今見たかったなぁ……)

エコー(寮に帰ったら、すぐに録画したやつ見よう)

エコー「……」

エコー(NSの撮影もそろそろ終盤に入るし。私も気合入れていかないと)

エコー(みんなには負けられない)

・・・・・・

ハッピー「お…おお~!!」

サニー「……」

ピース「……」

マーチ「終わったね」

ビューティ「ええ……」

ハッピー「すごいね! なんていうか……感動しちゃった!!」

ハッピー「わたしがテレビの中に映ってるなんて!!」

マーチ「すごいよねほんとに! 興奮しちゃったなぁ、早くあたしの出番にならないかなぁ!」

ハッピー「プリキュア! ハッピーシャワー!」

マーチ「ハッピーかっこよかったよ! もう最高!」

サニー「……」

ハッピー「サニー! 来週はサニーの出番だね、楽しみだね!」

サニー「お、おう……せやな」

ハッピー「あら、どうしたの?」

サニー「いや、別に……」

ビューティ「……素晴らしい一話でしたね。私達の門出にふわしいと思います」

マーチ「うんうん! すごく面白かったしね!」

マーチ「あたしなんだか、今日の放送見てますますやる気が出てきたよ!」

ハッピー「わたしもわたしも!」

マーチ「よーし、今日の撮影もがんばろー!」

ハッピー「おーっ!!」

サニー「……」

サニー(嘘やろ……あんな下手っぴな演技してたのがウチか……?)

サニー(撮影ん時も何度か自分の演技見たけど……ここまで酷かったっけ)

サニー(アカン、あんな演技全国に晒すなんて恥や。ただでさえ周りはウチより上手いのに……)

サニー(こりゃマジで考えなアカン……)

ハッピー「わーい! わーい! スマイルプリキュア最高ー!!」

ピース「……」

・・・・・

ブロッサム「……ふぅ、今日も疲れた」

ブロッサム(そういえば……もうすぐNSの撮影も終盤なんだっけ)

ブロッサム(わたしたちハートキャッチも出番があるけど……そうするとマリンと顔を合わせなきゃいけないってことに)

ブロッサム「……」

ブロッサム(できるのかな、今のわたしに。その前にマリンと話ができたらそれが一番なんだけど)

ブロッサム(……今日は部屋に入って早く休もう)

ガチャッ

サニー「ばあっ!!」

ブロッサム「きゃああああああ!?」

サニー「あっははは、驚いた驚いた」

ブロッサム「サ、サニー……? どうしてわたしの部屋に!?」

サニー「ん? 鍵かかってなかったで」

ブロッサム「だ、だからって勝手に入っちゃ……」

サニー「それよりほら、はよやりましょ」

ブロッサム「え……?」

サニー「『え……?』ちゃうやろ! 演技のレッスンやレッスン!」

ブロッサム「ええっ! 今からですか!?」

サニー「当たり前やろ、そのために来たんやから」

ブロッサム「で、でも今日はもうわたしもクタクタですし……」

サニー「そんなん関係あらへん。はよやりますよ」

ブロッサム「でも……」

サニー「でもやない! ウチがやるって決めたらやるんや! はよついて来い!!」

ブロッサム「うう……」

ブロッサム(サニー……なんでよりにもよってこんな時にやる気を……)

・・・・・

ハッピー「ふんふーんふーん♪」

ハッピー「今日は美味しいもの買っちゃったー。部屋戻ったらサニーと一緒に食べようっと」

ハッピー「ふんふんふーん♪」

ガバッ

ハッピー「!?」

「……」

ハッピー「んっ……んー!?」

ハッピー(だ、誰……? いきなり後ろから)

「騒がないで」

ハッピー(く、口抑えられて……!?)

ハッピー「んーっ! んーっ!」ジタバタ

ここまで

「騒がないでって!」

ハッピー「!!」

ピース「……」

ハッピー「ぷはぁ! ピ、ピー…」

ピース「しーっ。サニーとかいない……?」キョロキョロ

ハッピー「ど、どうしたの?」

ピース「……ちょっと来て」

ハッピー「え?」

ピース「いいから来て!」

ハッピー「う、うん」

ハッピー(なんだろう……いつもと様子が違う)

・・・・・

ハッピー「でも驚いちゃった、いきなり後ろから襲われたんだもん。変態さんかと思った」

ピース「ここは寮なんだからそんな人いるわけないでしょ……あんまり騒いでほしくないから口押さえたの」キョロキョロ

ハッピー「あっ、ここピースの部屋?」

ピース「……中に入って」

ハッピー「いいの? やった、ピースの部屋に入るのって初めてだね」

ピース「その前にっ!」

ハッピー「なに?」

ピース「……この部屋に入ったことはみんなに秘密ね」

ハッピー「なんで?」

ピース「い、いいから。秘密にできなきゃ入れてあげない」

ハッピー「うん、じゃあ分かった。秘密にする」

ピース「それと後……引かないでね?」

ハッピー「?」

ガチャッ

ハッピー「うわぁ……!」

ピース「……」

ハッピー「すっごーい、プリキュアのポスターがこんなに……」

ハッピー「あっ、玩具もある! 見たことないやつばっか!」

ピース「それはMHのハートフルコミューン。そっちはフレッシュのパッションハープ」

ピース「いちおう……全シリーズのアイテムは揃えてあるんだよ」

ハッピー「すごーい! あっ、こっちはDVDもある!」

ピース「DVD全シリーズはもちろん、劇場シリーズだってあるよ。初代なんかVHS版も持ってるんだから」

ハッピー「VHS……?」

ピース「DCDだってもちろん、今のところ全部コンプリートしてるし……あっ、こっちは新しく買ったハートキャッチのフィギュア」

ハッピー「すっごいねピース、こんなにプリキュアグッズがあるなんて!」

ピース「えへへ……ってそうじゃない。今日はハッピーに言いたいことがあるの!」

ハッピー「言いたいこと? わたしに?」

ピース「今まではずっと我慢して黙ってたけど……」

ハッピー「うん」

ピース「ハッピー! プリキュアとしてちょっとたるみすぎてない!?」

ハッピー「……え?」

ピース「だから! もっとハッピーにはしっかりして欲しいの!」

ピース「今のハッピー、全然プリキュアっぽくない! プリキュア失格レベル!」

ハッピー「ええっ!?」

ピース「今日放送された一話だって、あれ見て本当に満足したの!?」

ハッピー「おもしろくなかった……?」

ピース「そ、そういうことじゃないの。あれで満足しちゃダメなの!」

ピース「まだまだ悪いところはいっぱいあるのに、満足しちゃったら何も改善されないでしょ!」

ピース「今日だって放送が終わったあとは本当だったら反省会とかやらなきゃいけないのに、そんなの何一つなかったし!」

ピース「挙げ句の果てにマーチと一緒に有頂天になって今日の撮影も全然集中してなかったよ!」

ピース「なんでリーダーのハッピーがそんななの!!」

ハッピー「……」ポカーン

ピース「はぁ……はぁ……」

ハッピー「えっと……ごめんなさい」

ピース「わたしに謝ってもしょうがないでしょ! 謝るならすべてのプリキュアファンに謝って!!」

ハッピー「ご、ごめんなさい皆さん」

ピース「はぁ……はぁ……」

ハッピー「大丈夫……?」

ピース「だ、大丈夫……とにかく、ハッピーはもっとプリキュアとしての自覚を持って」

ハッピー「あはは……なんかアクア先輩にも似たような話されたような」

ピース「いくらわたしでも……もう黙り続けることはできない」

ピース「プリキュアが大好きだから、プリキュアのことだけは絶対に譲れない。だから適当なことやられるとファンとしても演者としても納得いかないの」

ハッピー「す、すみません」

ピース「はあ……わたしがハッピーのポジションだったらもっとグイグイやってるのに」

ハッピー「ピースはピンク色やりたかったの?」

ピース「当然だよ! プリキュアを目指す人なら誰だってそのポジションを目指すもん!」

ピース「黄色もいいけど、わたしの憧れているのはブラック先輩やピーチ先輩、メロディ先輩みたいなかっこいいプリキュア!」

ピース「凛々しくて素敵だよね~。この寮に来てから恥ずかしくてあまり喋れてないけど、同じ空気を吸えるだけでもう幸せ! いっちゃうそう!」

ピース「それなのに!!」

ハッピー「は、はい」

ピース「ハッピーは全然ダメダメ。かっこよくない」

ハッピー「そんな~」

ピース「はいこれ」

ハッピー「これは……?」

ピース「わたしが作ったプリキュア全員の評価した表。運動能力から演技力、容姿やその他もろもろを詳細にまとめて総合評価したの」

ハッピー「わたしのところ、Dって書いてある」

ピース「A~Eまでの五段階評価だよ」

ハッピー「ええと、Dだから……四番目!? ひくっ!」

ピース「今のハッピーなら当然だよ。ちなみにサニーはE、マーチはD、ビューティはB」

ハッピー「ピースは?」

ピース「わたしはもちろん、Aだよ」

ハッピー「あ……Aなんだ」

ピース「とにかく、もっとプリキュアに対して情熱的に取り組んで!」

ハッピー「情熱的に、って言われても」

ピース「ハッピーだってプリキュアは好きでしょ?」

ハッピー「うん、いちおう」

ピース「その好きな気持ちを仕事にもぶつければいいの!」

ピース「ちなみにどのシリーズが好き? わたしはね、一番はSSかなぁ……ああでも初代からMHの伝説的流れや完結したばかりのスイートも捨てがたいんだよねえ~」

ハッピー「えっと……」

ピース「ちなみにプリキュア個人で好きなのは……あー! これも決められない!」

ピース「ハッピーはどの作品が好き!?」

ハッピー「ええっと……スイート?」

ピース「スイートいいよねえ! どの話が好き? わたしは21話かなぁ」

ハッピー「……」

ピース「ハッピー?」

ハッピー「ごめん、スイート好きなんだけど半分ぐらいしかみてないや」

ピース「……は!?」

ハッピー「ていうかプリキュア自体ほとんど見たことなくて。あっ、5も半分ぐらいは見たよ」

ハッピー「あれも面白かったよね~。ドリーム先輩もメロディ先輩も大好き」

ピース「……」

ハッピー「どうしたの?」

ガチャンッ

ハッピー「!?」

ピース「もう怒った!!……今日はハッピーをこの部屋から出さない」

ハッピー「え? え??」

ピース「ハッピー……ハッピーには徹底的にプリキュアっていうものを叩き込まなきゃね」

ハッピー「な、なにを……!?」

ピース「ふっふっふっ……!!」

ここまで
次回は都合によりしばらく空けてからまとめて投下します
スマイル編は明るく楽しくをモットーにしてます

・・・・・翌日

ハッピー「……」

サニー「……」

ピース「……」

マーチ「ん……? 三人ともどうしたの。なんだか眠そうだけど」

ハッピー「朝までプリキュア見てて……」

サニー「ウチはブロッサム先輩と特訓してた……」

マーチ「仮眠とったら? リハまで時間あるし」

ハッピー「そだね……そうする」

ピース「……ぐう」

マーチ「……」

マーチ(ピースの寝顔……かわいすぎる)

ガチャッ

マーチ「!!」

ビューティ「あら……みなさんどうしたんですか?」

マーチ「ビュ、ビューティか……びっくりした」

ビューティ「眠っているんですか? せっかくリハーサル前に台本の読み合せをしようかと思っていたのに」

マーチ「みんな疲れているみたい。寝かせてあげなよ」

ビューティ「マーチは大丈夫ですか?」

マーチ「なにが?」

ビューティ「普段無理な運動とかしていますし……休んでなくても平気ですか?」

マーチ「うん、まぁ……疲れてないって言ったら嘘になるけど、あたしは誰よりも劣ってるから休んでる暇なんかないよ」

ビューティ「無茶はしないでください」

マーチ「ありがとう。でもプリキュアになったからにはあたし……必死に食らいついてでも頑張らなきゃ」

マーチ「そうじゃないと……」

ビューティ「そうじゃないと?」

マーチ「……んっ、いや、応援してくれている人に申し訳ないと思ってさ」

ビューティ「そうですね…」

ビューティ(けどやはり、私はマーチのことが心配です)

……プリキュア寮

ガチャッ

ハミィ「にゃー」

ムーンライト「……!?」

ビリッ ビリッ

ビート「あああ!? ダメじゃないハミィ! それはムーンライト先輩のお気に入りのクッションなのに!」

ハミィ「にゃー」

ムーンライト「……」

ビート「あ、ムーンライト先輩……おかえりなさい。そのぅ……ハミィは悪気があってやったわけじゃなくて……」

ビート「むしろムーンライト先輩に懐いているっていうか、ムーンライト先輩が好きすぎて……」

ビリッ

ビート「あっ、また!?」

ハミィ「にゃー」

ムーンライト「……もういいわ」

ビート「ムーンライト先輩……」

ムーンライト「保健所を呼びましょう。躾のなってない猫は処分してもらわなくちゃね」

ビート「!?」

ムーンライト「電話番号は何番なのかしら」

ビート「ま、待ってください!」

ハミィ「にゃー」

ビート「これからちゃんと躾ますから! お願いしますそれだけは!」

ハミィ「にゃー」

ムーンライト「……冗談よ。クッションのこともいいわ」

ビート「へ?」

ムーンライト「部屋だけはちゃんと片しておきなさい。私はこれからまた仕事があるから」

ビート「は、はい」

ハミィ「にゃー」

ムーンライト「……」

・・・・・

パッション「あら、ムーンライト。出かけるの?」

ムーンライト「雑誌のモデルの仕事よ」

パッション「羨ましいわね、スタイルがいいとそういう仕事も入って」

ムーンライト「……なぜついて来るの?」

パッション「私も仕事よ。って言っても、こっちはただの取材だけど」

ムーンライト「そう……」

パッション「……」

ムーンライト「……」

パッション「……最近、なにか変わった?」

ムーンライト「私のことを言ってるの?」

パッション「雰囲気変わったなって思ったのよ」

ムーンライト「……」

パッション「なんか、丸くなったっていうか少し優しい感じがするっていうか」

パッション「ビートと一緒に暮らしてる影響かしら」

ムーンライト「……」

パッション「いいことだと思うわよ、彼女があなたのことを変えてくれたんだわ」

ムーンライト「冗談じゃないわ」

パッション「え?」

ムーンライト「……」

パッション「……どうして認めたがらないのかしらね」

ムーンライト「正直に言えば私だって自分が変になってるって分かってる……変わろうとしている自分に違和感を持ってる」

ムーンライト「どこかおかしくなってるわ……私は」

パッション「何を言ってるの、おかしくなんかないわ。むしろ今までがおかしかったのよ」

ムーンライト「……」

パッション「おかしいっていうのは……言いすぎたかも。けど楽しいでしょ? 今」

ムーンライト「……」

パッション「素直に自分の気持ちを受け入れればいいのよ。そうしればそのしかめっ面もいつか笑顔になるわ」

パッション「じゃあね、私こっちの道だから。またあとで」

ムーンライト「……」

ムーンライト(……変わるわけがないわ、パッション)

ムーンライト(プリキュアになって、あなた達と出会えた。だけど逆に言えば、プリキュアにならなければあなた達には出会えなかった)

ムーンライト(そして私がプリキュアになれたのは……あの女が裏で動いていたから)

ムーンライト(私の根本にあるのはいつもあの女が影響している。常にあの顔が頭にチラつく)

ムーンライト(だから変わるはずがない……)

ムーンライト「……」

ムーンライト(それでも……もし変わるとしたなら私は……)

・・・・・

スタッフ「お疲れ様でしたー」

ハッピー「お疲れ様でーす」

サニー「さてと、後はもう帰るだけか」

ハッピー「あっ、ごめん。わたしこの後まだ仕事あるの」

サニー「まだあんのか。はぁ、大変やなハッピーも」

ハッピー「えへへ、じゃあいってきまーす」

ピース「ハッピー」

ハッピー「え?」

ピース「これ、昨日のDVDの続き。ポータブルプレイヤーも渡しておくから移動中でもちゃんと見てね?」ヒソヒソ

ハッピー「う、うん……」

サニー「なんや、何してんの?」

ピース「えっ、い、いや別に……」

サニー「ああん? なに隠してんねん」

ピース「なにも……」

ハッピー「それじゃあ、いってきまーす」

サニー「おう、また後でな」

ピース「……」

……プリキュア寮

サニー「ブロッサム先輩! はよしてください!」

ブロッサム「は、はい」

ガチャッ

ブロッサム「お待たせしました」

サニー「よっしゃ、レッスン室行きましょ」

ブロッサム「昨日あれだけやったのに今日もやるなんて、どうしたんですかサニー。急にやる気出すなんて」

サニー「ええ? ウチは最初からやる気まんまんですって!」

ブロッサム「そ、そうですか」

ブロッサム(まぁ……いいことですよね)

サニー「で、今日はなにやるんですか?」

ブロッサム「そうですね、じゃあ今日はまた新しい……」



マリン「あっ」

ブロッサム「!!」

サニー「ん? おっ、マリン先輩やーん!」

マリン「……」

ブロッサム「……」

サニー「なんや、どないしたんやふたりとも。固まって」

ブロッサム「えっ、い、いや……」

マリン「なんでも……ないよ」

サニー「そうだ、マリン先輩もウチのレッスンに一緒に付きおうてくださいよ」

マリン「へ!?」

サニー「ウチがどれだけ演技上達したか見せたります。な? ブロッサム先輩」

ブロッサム「いや……それはちょっと……」

サニー「ああん?」

ブロッサム「っ……」

マリン「……」

サニー「えっ、なに? 喧嘩でもしてんの?」

ブロッサム「け、喧嘩なんて……」

マリン「別にそんなんじゃないけど!」

ブロッサム「……」

マリン「……」

サニー(うわ、なんやねんこの空気……)

サニー「あ~……もう行きますけど、マリン先輩も来ますか?」

マリン「……」

サニー「来ないんならそう言ってくださいよ。ほら、行きましょブロッサム先輩」

マリン「ま、待って。……あたしもレッスン付き合うよ」

ブロッサム「!?」

サニー「え?」

サニー(あ、来るんだ)

マリン「あたしも演技の練習しろってサニーに言ったしね……見てあげなきゃ」

ブロッサム「……」

サニー(ブロッサム先輩)ドンッ

ブロッサム「ひゃっ!?」

サニー「そういう顔やめてもらいます? 空気重くなんのいやなんですけど」ヒソヒソ

ブロッサム「サ、サニーがマリンを誘うから……」ヒソヒソ

サニー「うわ、やっぱ喧嘩してんのか」ヒソヒソ

ブロッサム「ち、違います!」ヒソヒソ

サニー「仕方ないやろ、ウチかてほんま来るとは思わんかったですもん」ヒソヒソ

ブロッサム「……」

マリン「……」

サニー「……あー、ほな行きましょか」

・・・・・

ブロッサム「それじゃあ……私が昔使っていたこの脚本を渡します」

サニー「ん? これは?」

ブロッサム「即興劇の脚本です。これのセリフを五分で覚えてください」

サニー「たった五分!?」

ブロッサム「はい。五分たったら実演してもらいます」

サニー「五分かぁ……うーん」

ブロッサム「時間になったら呼びますね」



マリン「……」

サニー「ええっと……長いなー」




ブロッサム「……」

マリン「……久しぶりに顔合わせたね」

ブロッサム「そう……ですね」

マリン「……」

ブロッサム「……」

マリン「あたし……ここにいるの邪魔かな」

ブロッサム「い、いえ……」

マリン「そっか……」

ブロッサム「……」

マリン「サニーがんばってる?」

ブロッサム「は、はい」

マリン「ならいいけど」

ブロッサム「……」

マリン「……」

・・・・・

ハッピー「た、ただいま~……」

サニー「おう、お帰り」

ハッピー「ああ゛~~……げええっぷ」

サニー「うわ!? なんやねん……きもっ!」

ハッピー「疲れてるからホワイト先輩にもらった栄養ドリンク飲んだの。げえっ……なんかゲップが止まんない」

サニー「変なんもん飲まされてないか?」

ハッピー「飲んで寝たら身体は元気になるらしいもん。しかもお肌も綺麗になるって」

サニー「ほんまに?」

ハッピー「うん」

サニー「不規則な生活続いて肌荒れとるからなぁ……ウチも飲んでみよっかな」

ハッピー「はぁ……でもやっぱしんどい」

サニー「あっ、なあなあ知っとる?」

ハッピー「んー?」

サニー「ブロッサムとマリン、仲ちょー悪いんやで」

ハッピー「ええっ、そうなの?」

サニー「そうそう。今日もふたりっきりでおったんやけどな、ずーっと無言で目も合わせんかったで」

サニー「気まずかったわ~、あれ」

ハッピー「仲いいと思ったんだけどなぁ、あのふたり」

サニー「ま、ああいうのが実は裏では仲悪かったりするからな。こういう業界は分からんで」

ハッピー「でもなんで仲悪いのかな。ふたりともすっごく優しいのに」

サニー「さぁな。一緒にいるうちに自然と悪くなったんやろ」

サニー「よくある話やん。毎日顔を合わせるとなんかのキッカケでうんざりしてきて、自然とお互い避けるようになったんちゃう?」

ハッピー「ええ? うーん……なんでそうなるんだろう」

サニー「ま、みんながみんな仲良しこよしでいられるってわけやないってことやな」

ハッピー「わたしとサニーはそうならないかな?」

サニー「は?」

ハッピー「サニーとお互い避けるような仲になるのはヤダなぁ……」

サニー「ぷっ……なに言うてんねん。もしウチがハッピーを嫌いになっても避けたりはせんって」

ハッピー「ほんと?」

サニー「ああ。嫌いなやつにはハッキリ嫌いって言うからな」

ハッピー「ええ~……それもヤダな」

サニー「でも陰湿なやつよりマシやろ? ウチ女子特有の陰口だったり無視とかは嫌いやねん」

ハッピー「えっ、サニーも悪口言ってなかった?」

サニー「うそっ!?」

ハッピー「ビューティがどうとか、エコーはああだとか。わたしに話してたよ」

サニー「そりゃあ、ただの愚痴やろ。お前も結構ハッキリ言うタイプやな」

ハッピー「わたしはみんな仲良しがいいなぁ。サニーもマーチと喧嘩したりしないでね?」

サニー「はいはい。ま、ウチはマーチよりビューティに嫌われてると思うけどな」

ハッピー「そう……?」

サニー「せやって。だいたいあいつは頭硬すぎんねん。ことあるごとに突っかかってきやがって……」

ハッピー「……ぐう」

サニー「おい、またかよ。話の途中で寝んな」

ハッピー「う~ん……むにゃむにゃ……」

サニー「はぁ……仕方ないか」

ハッピー「……」

サニー(ま、たぶんウチはハッピーのこと嫌いになったりはせんと思うけどな)

サニー(ていうか、こいつが誰かから嫌われんのが想像できんわ)

・・・・・翌朝

ハッピー「おっはよー!」バサッ

サニー「うがっ!?」

ハッピー「朝だよー! 起きようサニー!」

サニー「うう~……なんやねん……まだ時間ちゃうやろ」

ハッピー「昨日飲んだ栄養ドリンクのせいかな、すっごくテンション上がっちゃってる!」

サニー「……」

ハッピー「起きようサニー! 起きて朝ごはん食べよう!」

サニー「やかましい!! 寝かせろ!! 死ね!!」

ハッピー「ええ……」

・・・・・

ハッピー「うーん、しょうがない。一人でなにか食べよ」

ハッピー「部屋の冷蔵庫にはなにもないからー、食堂行ってなにか作ろうかなぁ」

ハッピー「あれ? ……あっ、マーチが走ってる」

ハッピー「偉いなぁ、がんばってるんだ」

ハッピー「よーし、わたしもご飯食べたら走るぞー!」

ハッピー「……あっ!」



ムーンライト「……」

ハッピー「ムーンライト先輩!」

ムーンライト「……」

ハッピー「ムーンライト先輩も食事ですか? 早いですね」

ムーンライト「……」

ハッピー「あっ、わたしキュアハッピーっていいます!」

ムーンライト「……知ってるわよ」

ハッピー「そうだ! 一緒にご飯食べませんか? わたしお腹ペコペコで」

ムーンライト「……はぁ。ここには食事しに来たんじゃなくてコーヒーを飲みに来ただけ。部屋にあった豆が切れていたからね」

ムーンライト「分かったら向こうに……」

ハッピー「コーヒーって美味しいですか? わたしも飲んでみたい」

ムーンライト「……」

・・・・・

ハッピー「……ごくっ。うえっ……うう」

ムーンライト「満足した? 飲んだのならもう向こうに行きなさい」

ハッピー「えへへ……もっとムーンライト先輩とお話したいです」

ムーンライト「行かないのなら、私がどけばいいわね」

ハッピー「ああっ、待ってください。ムーンライト先輩に聞きたいことがあるんです」

ムーンライト「……?」

ハッピー「実はわたし、リーダーシップが足りないって言われて。どうすればリーダーらしくなれるのかなーって悩んでて」

ハッピー「だから、リーダーっぽくなるにはどうすればいいかアドバイスおねがいしまーす!」

ムーンライト「……なぜ私にそれを聞くの?」

ハッピー「え? だってムーンライト先輩ってすごくしっかりしてそうですし、リーダーっぽいし」

ムーンライト「私はリーダーじゃないわ。そういう話はブロッサムにでもしなさい」

ハッピー「ブロッサム先輩……あっ、そうだ」

ムーンライト「もういい加減に」

ハッピー「そういえばブロッサム先輩とマリン先輩ってどうして仲が悪いんですか?」

ムーンライト「……なんのこと?」

ハッピー「サニーに聞いたんです。あのふたりってすごく仲悪いって」

ハッピー「ふたりとも優しいのにどうして仲悪いんだろうって、気になって」

ムーンライト「さぁ……そんなこと知らないわ。けどひとつだけ言えることは」

ハッピー「?」

ムーンライト「あまり他人の関係に首を突っ込まないことね。部外者がとやかく言う資格なんてないわ」

ハッピー「そっかぁ、迷惑かな。でも気になるなぁ」

ハッピー「ふたりともいい人なのになぁ。仲悪いならなんか悲しくなっちゃう……」

ムーンライト「……」

ハッピー「あっ、すみません。じゃあわたし向こうでご飯食べてます。お騒がせしました」

ムーンライト「待ちなさい」

ハッピー「へ?」

ムーンライト「砂糖とミルクを入れれば多少は飲めるようになるわ。……はい、飲んでみて」

ハッピー「……ごくっ。う……やっぱり苦い」

ムーンライト「それぐらい慣れなさい。苦いのも飲めるようになれなきゃ……いつまでも子どものままってわけにもいかないんだから」

ハッピー「えへへ……こんなに苦いの飲めるムーンライト先輩って、大人ですね」

ムーンライト「……そうでもないわ」

ハッピー「?」

ムーンライト「私はもう戻るわね」

ハッピー「あっ、はい!」

ムーンライト「……」

ハッピー「……」

ハッピー(綺麗……大人だなぁ、憧れちゃう)

ハッピー(……それより、ひとりじゃ料理できないからやっぱりムーンライト先輩にはいてほしかった……)

……ブロッサムの部屋

ブロッサム「……」

ブロッサム(なんで何も言えなかったんだろう……わたしのバカ)

ブロッサム(昨日謝らなきゃいけなかったのに……いつまでこんなこと続けるの)

ブロッサム(もう自分が嫌になる……)

コンコンッ

ブロッサム「!!」

ブロッサム(誰だろう……まさかサニー?)

ブロッサム(こんな朝早くからまた練習に……)

ムーンライト「私よ、ブロッサム」

ブロッサム「!?」

ガチャッ

ムーンライト「……」

ブロッサム「ム、ムーンライト……」

ムーンライト「……」

ブロッサム「……どうしたんですか? ムーンライトが私の部屋に来るなんて」

ムーンライト「ハートキャッチ組は、いつ打ち合わせをするのかしら」

ブロッサム「へ?」

ムーンライト「もうすぐ私達もNSの撮影があるのよ。出番は少しでも、台本の読み合わせやらやることはあるわ」

ブロッサム「あ……それは……」

ムーンライト「あなたリーダーのくせに何をやってるの?」

ブロッサム「……」

ムーンライト「あなたのそういううだつの上がらないところ、前から気に食わなかったわ」

ブロッサム「う……」

ムーンライト「あなたっていつも結局、自分のことしか考えてないわよね」

ムーンライト「自分が傷つくか傷つかないか、それを基準に行動しているんでしょ?」

ムーンライト「傷つくなら何もしない。安全だと分からない限り動こうとはしない」

ブロッサム「なっ……!」

ムーンライト「他人のために動けるのなら、今頃こんな苦労してないものね。マリンと顔を合わせたくないから外にも出ないつもり?」

ブロッサム「な、なんですかいきなり……勝手なこと言わないでください! どうせ何も知らないのに……」

ムーンライト「知らないけど、あなたがつまらないことで悩んでいることぐらいは分かってるわ」

ブロッサム「……」

ムーンライト「……なにも成長してないようね、昔から。そんなのはこの寮であなただけよ」

ブロッサム「……」

ムーンライト「……とにかく仕事はきちんとやってちょうだい。私にも迷惑がかかるの」

ムーンライト「なにも考えてないっていうなら、私が決めるわ。今日集まりましょう」

ブロッサム「きょ、今日……?」

ムーンライト「打ち合わせは今日の夜よ。分かったわね?」

ブロッサム「あの……夜はサニーのレッスンが」

ムーンライト「そんなのは知ったことじゃないわ。いいから、こっちを優先しなさい」

ブロッサム「……」

ムーンライト「みじめなままでいいっていうなら、来なくてもいいけどね」

ブロッサム「ッ……」

ムーンライト「いつまでもそうやってウジウジ悩んでなさい」

バタンッ

ブロッサム「……」

・・・・・

メロディ「……これなに?」

ハッピー「サンドイッチです! 冷蔵庫にあったものを適当に挟んでみました。たくさん作ったんでメロディ先輩にもあげようと思って」

メロディ「あ、ありがとう……」

メロディ(なんか変なにおいするけど……)

ハッピー「それでですね!」

メロディ(うわ、味微妙)

ハッピー「実はメロディ先輩にアドバイスをもらいに来たんです!」

メロディ「うん? アドバイス?」

ハッピー「はい! プリキュアのリーダーについてです!」

ハッピー「わたしなんかイマイチリーダーっぽくないらしくて……どうしたらリーダーっぽくなれるんですかね?」

メロディ「アバウトな質問だね……うーん、リーダーかぁ」

メロディ「あたしも言うほどリーダーっぽかったわけじゃないしなぁ」

ハッピー「えー、そうですか? すごいリーダーっぽいんだけどなぁ」

メロディ「アドバイスはできないけど、あえいて言うなら悩まずがむしゃらにやればいいんじゃない」

ハッピー「へ?」

メロディ「考えるよりまず行動! 目の前にある壁を一つずつ乗り越えていけばいいんだよ。リーダーって、それをみんなよりも一番早くする人なんじゃないかな」

メロディ「失敗することもあるけどさ、そんなのは怖がらないでガンガン積極的に進めばいいんだよ」

メロディ「ちょうど今、あたしにアドバイスを聞いたみたいにさ」

ハッピー「ほー……」

メロディ「まぁあたしはろくなアドバイスできてないけど。ブロッサム先輩にも聞いてみたら?」

ハッピー「ブロッサム先輩……あっ、そうだ」

ハッピー「ブロッサム先輩とマリン先輩って、なんで仲悪いか知ってますか?」

メロディ「ん……? なにそれ」

ハッピー「ふたりが喧嘩してるってサニーから聞きました」

メロディ「喧嘩、ねえ……」

ハッピー「なんだか意外ですよね」

メロディ「……いや、心当たりはあるかも」

ハッピー「えっ!」

メロディ「ただ、ちょっと……うーん。あんまし話せないことかなぁ。プライベートなことだしさ」

ハッピー「そうですか……じゃあわたし、この話忘れます」

メロディ「ああ、そうしてくれる? 噂広まったりすると面倒だし」

ハッピー「はい! プライベートなことならしょうがないですしね」

メロディ「……いやぁー」

ハッピー「?」

メロディ「ハッピーは素直でいい子だねー、助かるよ。あたし大好き」

ハッピー「えへへ」

・・・・・

ハッピー「さてと、部屋に戻ったらサニーにもサンドイッチ食べさせてあげ……」

ガバッ

ハッピー「うわ!?」

ピース「ハッピー……」

ハッピー「ピ、ピース。びっくりした」

ピース「さっきメロディ先輩となに話してたの?」ズイッ

ハッピー「へ?」

ピース「楽しそうに話してたでしょ!」

ハッピー「あー、それは……ごめん、ピースには言えないかな」

ピース「わたしには言えない!?」

ハッピー「わたしとメロディ先輩のふたりだけの秘密だから」

ピース「ふたりだけの秘密!?」

ピース「ずるいずるい!! ハッピーだけ! わたしもメロディ先輩と仲良くなりたいのにぃ!!」

ハッピー「そういわれても」

ピース「むー……」

ハッピー「あっ、じゃあ今度メロディ先輩とわたしたち三人でご飯食べに行く? メロディ先輩にはわたしから言っておくから」

ピース「ほんと!? やったー! ハッピー大好き!」

ハッピー「えへへ……」

ピース「あっ、ところでDVDどこまで見た?」

ハッピー「え? ええっと……13話ぐらいかな」

ピース「まだそれだけ!?」

ハッピー「だって忙しいんだもん」

ピース「そんな言い訳通用しないよ! ちゃんと時間を作れば見れるはずだもん!」

ハッピー「えー、だって……」

ピース「じゃあ今からわたしの部屋に行ってDVD見よう!」

ハッピー「えっ、今って」

ピース「はい! ついて来る!」

ハッピー「あっ、ちょっ!? わたし部屋戻ろうと思ったのに!」

・・・・・

ブロッサム「……」

ブロッサム(もうお昼過ぎてる……今日本当に打ち合わせするのかな)

ブロッサム「……はぁ」

ブロッサム(どうせわたしなんか……グズで臆病で根性なしですよ……)

ブロッサム(わたしなんか……)

コンコンッ

ブロッサム「!!」

ブロッサム(今度は誰……)

メロディ「ブロッサム先輩、あたしです。いますか?」

ブロッサム「メ、メロディ……!?」

ここまで

すみません、遅れそうです
まこぴー貼るんで許してください
http://i.imgur.com/Xbmvo5d.jpg

今年中になんとかピースのエピソードまでは終わりそうです

ガチャッ

メロディ「あっ」

ブロッサム「……」

メロディ「よかったー、いたんですね」

ブロッサム「メロディ……」

メロディ「こうやって話すのって……久々ですよね。中、入ってもいいですか?」

ブロッサム「えっ」

メロディ「あ、別に変なことはしないですから! ……あの時みたいなことは」

ブロッサム「っ……」

メロディ「……ええっと」

ブロッサム「……ど、どうぞ」

メロディ「!」

ブロッサム「中で……話しましょう。せっかく来てくれたんですし」

・・・・・

メロディ「やー、やっぱりちゃんと整頓されてるんですねー」

ブロッサム「……」

メロディ「あっ、この小物前の寮にもあったやつだ」

ブロッサム「それで……話っていうのは」

メロディ「あはは、すみません。えっと……」

ブロッサム「……」

メロディ「……ごめんなさい!」

ブロッサム「え……?」

メロディ「私……まだちゃんと謝れてないと思って。ブロッサム先輩に変なことたくさんしちゃいましたよね」

メロディ「その……口では言えないようなこととか、あの……色々とご迷惑を……」

ブロッサム「……」

メロディ「あの日、赤寮から出て行った日に本当はちゃんと謝らなきゃいけなかったのに」

メロディ「なんか……私まるで、ブロッサム先輩から逃げるように出て行った感じになっちゃいましたよね」

ブロッサム「そんなこと……」

メロディ「本当は!! ……心の中では、ブロッサム先輩が私のこと引き止めてくれるんじゃないかなって期待してたりしてて」

ブロッサム「……」

メロディ「あはは、都合のいいことばっかり考えるなって話ですよね……ほんと」

メロディ「ブロッサム先輩の気持ち……ずっと踏みにじってたのに」

ブロッサム「……」

メロディ「あはは……ほんとあたし、なんであんなことしちゃったんだろう。自分でも信じられない」

メロディ「今でも思い出すと、少しぞっとするかも」

メロディ「……あの時はリズムのことが怖くなって、自分でもわけも分からないまま何も考えたくなくて」

メロディ「それで……あれ?」

ブロッサム「……メロディ?」

メロディ「あたし……どうしてブロッサム先輩のことを襲ったりしたんでしたっけ……」

ブロッサム「えっ」

メロディ「……???」

ブロッサム「……あの日はホワイト先輩が来て、メロディに何か変なものを食べさせたんです」

ブロッサム「そしたらメロディがおかしくなって……」

メロディ「そう……でしたっけ?」

ブロッサム「……ずっと思ってたんです、あの時ホワイト先輩が来なかったらこんなことにならなかったんじゃないかって」

ブロッサム「あの人は一体……」

メロディ「でも! あたしが間違ったことしたのは確かだから……あたしが全部悪いんです」

メロディ「ごめんなさい!」

ブロッサム「メ、メロディは悪くは……」

メロディ「……いつもそうですよね、ブロッサム先輩は」

ブロッサム「え……?」

メロディ「優しすぎるんですよ、相手を傷つけないようにしてる。でも……相手に気持ちを隠されると傷つくときもあるんです」

ブロッサム「っ……」

メロディ「はっきり言っちゃっていいんですよ。『お前が悪いんだバカヤロー!』ってね」

メロディ「そうじゃないと、ずっとモヤモヤしたままになっちゃいますし……」

ブロッサム「私は……私はメロディが思ってるような人間じゃないんです」

メロディ「え?」

ブロッサム「相手に本当のことを言わないのも……ひっぐ……相手を傷つけたくないからじゃなくて……」

ブロッサム「自分が……傷つくのが怖いからなんです……」

ブロッサム「本当のことを言ってもし相手に嫌われたらって思うと……何も言えなくて……」

メロディ「……」

ブロッサム「そんな感情が積もったら……余計に自分から動くのが怖くなって……ぐずっ……」

ブロッサム「もう嫌なんです! 本当はメロディともマリンとも仲直りしたいのに!! ……私が何かしたら……またみんな離れるんじゃないかって……」

ブロッサム「怖いんです……」

メロディ「……言えたじゃないですか」

ブロッサム「ぐずっ……ひっく……」

メロディ「今、あたしと仲直りしたいって。あたしもブロッサム先輩と仲直りしたい」

メロディ「はっきり言えばこんな簡単なことなんですよ。ね?」

ブロッサム「うう……ひっぐ……」

メロディ「それにあたし、自分のことでブロッサム先輩とマリン先輩の仲に亀裂が入っちゃったのは本当に申し訳ないと思ってたんです」

メロディ「だから私、ふたりには絶対に仲直りして欲しい。あたしにできることがあればなんでも言ってください、なんでもします!」

ブロッサム「うう……ううう……」

メロディ「ブロッサム先輩、もう泣き止んでも……」

ブロッサム「うわああああああああん」

メロディ「ありゃりゃ……」

メロディ(こりゃしばらく泣き止まないかな……)

メロディ「……」

メロディ(本当はもう一度ブロッサム先輩としたいんです! ……なんて言えないよね、こんなこと)

メロディ(リズムとはなんか飽きちゃったし、やっぱりブロッサム先輩とが一番かなぁ)

・・・・・

コンコンッ

ガチャッ

リズム「はい」

ホワイト「おはよう、リズム」

リズム「ホワイト先輩? どうしたんですか」

ホワイト「メロディはいる?」

リズム「いませんけど……?」

ホワイト「そう。メロディが、体調がすぐれないって言ってたから特性の栄養ドリンクを用意してたの。前も飲ませたんだけど、一杯だけじゃ足りないと思って」

リズム「はあ」

ホワイト「いないならしょうがないわ。また来るわね」

リズム「私からメロディにそれ渡しましょうか?」

ホワイト「いいわよ、自分で渡すから」

リズム「……あの」

ホワイト「なぁに?」

リズム「一つ聞きたいんですけど……その飲み物って、変なものとか入ってませんよね?」

ホワイト「変なもの?」

リズム「その……言いにくいんですけどホワイト先輩って怪しい薬とか作ってたみたいだし……」

ホワイト「あら、単刀直入に言うのね」

リズム「……前の寮にいた時も、私よくホワイト先輩から栄養ドリンク飲ませれてましたよね。体にいいからって」

ホワイト「……」

リズム「あれ……実はメロディも飲んでたんです。撮影の時とか、私のやつを勝手に飲んでたりして」

リズム「それで、もしあのドリンクにも薬が入ってたとしたら……私たち二人がおかしくなったのは……」

ホワイト「ふふっ、そうね。私があなたの飲み物に薬を入れて二人がそれを飲んだ」

ホワイト「あの薬は正直失敗作だったわ。失敗作だから薬の効果は個人によって違い、様々な影響を及ぼした」

ホワイト「その結果リズムは自分の欲望を抑えきれなくなり、メロディはショックと同時に幼児退行をしてしまった。全て説明がつくわよね」

リズム「じゃ、じゃあやっぱり……!」

ホワイト「なーんてね、うふふ」

リズム「へ?」

ホワイト「いくらなんでも、そんなことはしないわ。それじゃあまるで私が、後輩を薬の実験動物にしたみたいじゃない」

ホワイト「私にだって一応、良心はあるつもりなんだけど?」

リズム「っ……」

リズム「そ、そうですよね……失礼なことを言って、すみませんでした」

ホワイト「いいのよ。疑われるだけのことをしてきた私に罪があるわ」

ホワイト「そしてその結果が……ミントみたいな人間を生み出してしまった」

リズム「ミント先輩……ですか?」

ホワイト「彼女は今、自分の欲望のまま動こうとしている。放ってけば大変なことになるわ」

ホワイト「もしかしたらこの寮にいる人間みんな薬漬けになったり……」

リズム「な、なんですかそれ!?」

ホワイト「最悪な場合よ。そうならないためにも、私は彼女のことを止めなくちゃいけない」

ホワイト「正確に言えば私“は”じゃなく、私“が”だけどね。自分の犯した罪は自分が償わなければいけないんだもの」

リズム「……」

ホワイト「そう……彼女は私の罪そのもの。だから私が彼女のことを救わなければいけない。どんなことをしてでも」

リズム「ホワイト先輩……」

ホワイト「あなたにも色々と迷惑かけてしまったものね。ごめんなさい」

リズム「い、いえ! そんな。私……嬉しいです」

ホワイト「え?」

リズム「ホワイト先輩が考え直してくれて。私たちの気持ち、分かってくれたんだって……」

ホワイト「ふふっ、先輩としてこれ以上無責任なことはできないもの。後輩を傷つけることなんて、もうできないわ」

リズム「ホワイト先輩……!」

ホワイト「これからもよろしくね。何か困ったことがあれば遠慮なく言ってちょうだい」

リズム「は、はい! ……でも」

ホワイト「?」

リズム「私……去年はなんであんなことしちゃったんだろう。もともと性格が悪いのかな……」

ホワイト「そんなことないわ、あなたはとてもいい子よ。ちょうどいいわ、話があるなら聞いてあげる」

ホワイト「そうだ、なんならリズムもこれを飲んでみて。リズムもスイートの撮影が終わったばかりで体調良くないでしょ? 少しは良くなるわよ」

リズム「ありがとうございます」

ホワイト「とりあえず、部屋の中で話を聞くわ。入るわね」

リズム「はい」

バタンッ

・・・・・

サニー「ぶえっ!? まずっ!! なんやこれ!?」

ハッピー「わたしが作ったオリジナルサンドイッチだよ、おいしいでしょ?」

サニー「まずいって言うたやろ!」

マーチ「う……」

ビューティ「これは……」

サニー「なんでこれ刺身入ってんねん! うえ……ソースもかかってるし」

ハッピー「入れたらおいしいと思って」

サニー「まずいわ!! 生あたたかいパンと挟まって気持ちわるい!!」

マーチ「これなに……」

ハッピー「豚足だよ。コラーゲンたっぷりなんだって」

マーチ「ひっ……ぶ、豚の足!?」

ハッピー「でもコーラゲンって何に良いのかな」

ビューティ「なぜ納豆が……」

ハッピー「わたし納豆大好き! 安くておいしいし」

ビューティ「……」

ピース「……」

マーチ「なんか……ピースさっきからずっと調子悪そうだけど」

ハッピー「ピースには朝早くに食べてもらったの」

サニー「……」

マーチ「……」

ビューティ「……」

ハッピー「さあみんな、今日の撮影もがんばろー! おー!」

ハッピー「わたしについてこーい!」

サニー「ついていけるかあ!!」

ハッピー「ええ?」

サニー「こんなまずいもん食わせやがって、調子狂うわ!」

マーチ「お腹いたくなってきたかも……」

ビューティ「私も……少し頭が」

ハッピー「だ、大丈夫!?」

サニー「なぁ……前は料理できてなかったかこいつ」

ビューティ「確かによく見ると、見た目はおかしくはないですが……味付けが」

マーチ「材料を間違えてなかったら……きっとおいしかったと思う」

サニー「はは、そらそうやわ」

ハッピー「オ、オリジナルティがあると思って」

サニー「オリジナルティって……なんなんすかね」

マーチ「あたし……ちょっとトイレ行ってくる」

ここまで

サニー「はぁ……うちも気持ち悪くなってきた」

ハッピー「メロディ先輩は全部食べてくれたのに」

ビューティ「今度味付けの仕方を教えてあげます」

サニー「これで体調悪くなって今日うちがNG出したらハッピーのせいやからな」

ハッピー「じゃあもしNGが出なかったらわたしの料理のおかげになるね」

サニー「ははっ、なんでそうなんねん。アホか」

ハッピー「ねえ、今日どっちがNG少ないか競争しようよ」

サニー「競争……? まぁええで。うちが勝ったら飯おごってもらうからな。こんなマズいサンドイッチやなくて美味いもんをな」

ハッピー「あーひどーい。じゃあわたしが勝ったらねぇ……」

ビューティ「お二人とも、仕事は遊びではありません。真面目にやってください」

サニー「ああ? はいはい」

ビューティ「……」

サニー「……ほなうちは先にスタジオ入ってるで。今日はうち先に出番あるからな」

ハッピー「あ、うん。いってらっしゃーい」

ビューティ「……」

ハッピー「わたしも今のうちに台本確認しておこうかなぁ」

ビューティ「ハッピー、少しお話が」

ハッピー「なに?」

ビューティ「サニーのことなんですが……」

ハッピー「サニーがどうかした?」

ビューティ「彼女の言動には目の余るところがあります。なにより普段の態度が不真面目ですし……ハッピーの方から注意していただけませんか?」

ビューティ「それにハッピーも彼女といたら悪い影響を受けてしまいます。きちんとした指導が彼女のためにもハッピーのためにも必要です」

ハッピー「指導……って?」

ビューティ「彼女の幼稚な性格を矯正するんです。今後一切身勝手な振る舞いは許さないときつく言ったほうがいいでしょう」

ハッピー「なんか怖いなぁ……そういうの」

ビューティ「ハッピーがやらなければいけないことです。リーダーとして、チームをまとめ上げるには時として鬼にならなければいけないのです」

ハッピー「……」

ピース(うわぁ……こわっ)

ビューティ「あ……すみません。別にハッピーを叱ってるわけじゃないんです」

ビューティ「ただ、サニーのことをなんとかしてもらいたくて……」

ハッピー「だけどわたし……」

ビューティ「?」

ハッピー「サニーと一緒にいると楽しいな」

ビューティ「……」

ハッピー「ビューティはサニーのこと好きじゃないの?」

ビューティ「……はっきり言ってしまえば嫌いです。生理的に無理です」

ハッピー「そっかぁ……」

ビューティ「……」

ハッピー「……」

ビューティ「……少し、お手洗いへ行ってきます」

ハッピー「あ……」

ハッピー(……なんて言えばよかったのかなぁ)

ハッピー「……」

ピース「ねえねえ、ビューティってちょっと怖いよね」

ピース「わたしの中でランクがBからCに下がっちゃうかな。プリキュアとしてああいう性格はちょっとねー」

ハッピー「……」

・・・・・

マーチ「はぁ……」

サニー「よっ」

マーチ「!」

サニー「なんやまだ吐いてたんか? ひっどいなぁ、せっかくハッピーが愛情込めて作ったのに」

マーチ「……ていうか、サニーだって不味いだとか思いっきり言ってたじゃん」

サニー「なはは、そやったっけ?」

マーチ「今朝も無理してたくさん食べたら気持ち悪くてさ……それであのサンドイッチにトドメ刺された」

サニー「胃袋ちっちゃいなー、ほんま。それでよくプリキュアになれたな」

マーチ「……」

サニー「ん? どないした」

マーチ「ほんとさ、あたしみたいなのがなんでプリキュアになれたのかなーって思って」

マーチ「体力もないし、かといって他の何かが突出してるわけでもないし……」

サニー「演技力もうちに負けとるしな」

マーチ「それはない」

サニー「うぐっ……」

マーチ「なんであたしなれたんだろ。オーディションの時、あたしよりもずっとすごい子がいたのに……」

サニー「お前そもそもなんでプリキュアのオーディション受けたんや」

マーチ「そ、そりゃ……憧れてたし」

サニー「なら憧れてたもんになれたんやしそれでええやろ。それ以上余計なこと考えてどうすんねん」

マーチ「……不安でさ。この先うまくやっていけるのかって思うと……」

サニー「……」

マーチ「もうほんと、毎日しんどいよ」

サニー「……せやな」

マーチ「ビューティはすごいなぁ……あたしと同期なのになんでもできて」

サニー「あいつと一緒の部屋はしんどくないんか? 頭固すぎて話が合わんやろ」

マーチ「はは……真面目すぎるのは玉に瑕なのかもね」

サニー「真面目か? あいつ絶対性格悪いで。うちにばっか妙に突っかかってくるし、鬱陶しいわ」

マーチ「そりゃまぁ、あんたの普段の行いを見るとねえ?」

サニー「なんやねん」

マーチ「あははっ。でもビィーティだって悪い子じゃないんだし仲良くやりなよ」

サニー「はいはい。悪い子はうちだけでございますね」

マーチ「またそういうこと言う」

サニー「あいつだけは好かん。うちああいうの絶対無理」

マーチ「そんなこと言わずにさ」

サニー「あいつの何がええねん、どこが好きなん?」

マーチ「あたしにないもの全部持ってるから、それだけで尊敬できるし憧れるよ」

マーチ「あたしはビューティのこと好きだよ」

サニー「分っからんわ。なんでそうなんねん」






ビューティ「……」

ビューティ(マーチ……)


・・・・・
……プリキュア寮

マーチ「ふう、今日も一日大変だったね」

ビューティ「ええ。お疲れ様でした、マーチ」

マーチ「あたし今日は大浴場の方に行こうかな。ビューティも行く?」

ビューティ「えっ、い、一緒にですか……?」

マーチ「うん」

ビューティ「わ、私でよければ……」

マーチ「?」

ビューティ「い、いえ……行きましょうか、い……一緒に」

マーチ「うんっ、そうしよ」

ビューティ(一緒にお風呂……)

マーチ「あっ、そうそう」

ビューティ「な、なんですか?」

マーチ「もうさ、敬語やめてもいいよ?」

ビューティ「え?」

マーチ「ほら、ビューティっていつも敬語じゃない。先輩たち相手ならともかくあたし達にまで使われるとなんだかね」

マーチ「普通に話してもいいんだよ?」

ビューティ「普通……ですか」

マーチ「そう、普通にね」

ビューティ「……そう言われましても、私はいつも誰に対しても敬語でして……」

マーチ「そうなの? じゃあこれを機会に今から使ってみよう、タメ口」

ビューティ「ええっ!?」

マーチ「恥ずかしがらなくてもいいじゃない。難しいなら、まずはあたしだけにでもいいからさ」

ビューティ「そ、それじゃあ……えっとなんて言えば」

マーチ「あはは、そんな悩まなくても。適当でいいよ、適当で」

ビューティ「じゃ、じゃあ……マーチは今日も素敵ね」

マーチ「えっ」

ビューティ「あっ、ち、違います! その……」

ビューティ「今日も……素敵な一日でし……だったわねマーチ」

マーチ「ははっ、まぁいっか」

ビューティ「すみません、どうも慣れなくて」

マーチ「ほら、また敬語使ってる」

ビューティ「あ、えっと……ごめんね」

マーチ「でもまさか、ビューティにも苦手なことがあったなんて」

ビューティ「もう、からかわないでください」

マーチ「言ってるそばからまた」

ビューティ「あ……」

マーチ「ふふっ」

ビューティ「……うふふ」

マーチ「もっとさ、気軽に接してくれていいんだよ。あたしたち仲間なんだし」

ビューティ「はい」

マーチ「それと……さ」

ビューティ「?」

マーチ「サニーのことなんだけど、あの子のことで気に入らないことがあるのは分かるけどさ」

マーチ「もうちょっと寛容的になってほしいっていうか……仲間なんだし仲良く、ね?」

ビューティ「……」

マーチ「サニーも別に悪い奴ってわけでもないし……」

ビューティ「ええ、そうね」

マーチ「!」

ビューティ「マーチがそう言うなら、そうするわ。私も、もう少し広い心を持った方がいいのかもね」

マーチ「よかった、分かってくれたんだ」

ビューティ「マーチが喜んでくれるなら、私はなんでもするわ……」ボソッ

マーチ「ん? なんか言った?」

ビューティ「ううん、なんでもない」

ここまで

・・・・・

サニー「おーい、ハッピー」

ハッピー「あ、サニー。それなに?」

サニー「ハンバーガー。30個もあるんやで、ピーチ先輩からもらったんや。食うやろ?」

ハッピー「食べる食べる!」

サニー「ほな部屋戻って食べよな。食ったら今日もブロッサムとレッスンや」

ハッピー「がんばってるね~、サニー」

サニー「…おっ、噂をすれば。おーい」




ブロッサム「……!」

サニー「なにやってんすかこんなとこで」

ハッピー「おいーっす、ブロッサム先輩」

ブロッサム「ふたりとも……お疲れ様です」

サニー「なぁなぁ、今日もレッスンするやろ? あっ、ブロッサム先輩もこれ食う? ハンバーガーあるんやけど」

ブロッサム「いえ、今日は……」

サニー「部屋戻って食うねん。ブロッサム先輩も行きましょ」グイッ

ブロッサム「いや、ちょっ……」

ハッピー「わーい! ブロッサム先輩ご招待ー!」グイッ

ブロッサム「ええっ!? あの、わたし今日は……」

ベリー「あんたたち、何騒いでんのよ」

ハッピー「あっ、ベリー先輩! 今からハンバーガーパーティするんです!」

ベリー「……は?」

サニー「いやあ、ピーチ先輩から大量にハンバーガーもらって」

ベリー「こんなに……!? まったくピーチったら。……あのね、ジャンクフードをこんな時間にそんなに食べたら健康に悪いどころか美容にも悪いでしょ。やめときなさい」

サニー「けどお腹すいたしな?」

ハッピー「うん」

ベリー「……ならせめて野菜とかも取るようにしなさいよね」

ハッピー「はーい」

ベリー「そもそも桃寮にいた連中の指導はおかしいのよ、大量に食べて体力つけろなんて。あんな暴飲暴食したら太るし肌も荒れるに決まってるでしょ……」ブツブツ

ブロッサム「あのー……わたしそろそろ」

サニー「ん? そやな、お腹くっつきそうやしはよ部屋で食べよか」

ブロッサム「そうじゃなくて!」

ハッピー「じゃあわたし、食堂の冷蔵庫から何か野菜持ってくるねー!」

サニー「おう、変なもんは持ってくんなよ」

ハッピー「はーい」

ベリー「ブロッサム」

ブロッサム「!!」

ベリー「あんたからもピーチたちに言っておきなさいよ。後輩にあんまり無茶なこと教えるなって」

ブロッサム「え……は、はい」

ベリー「だいたいなんであんな食生活でスタイル維持できるのよ……」ブツブツ

サニー「ほな行きましょ」

ブロッサム「……」

ブロッサム(た、助けて……!)

・・・・・

マリン「……」

サンシャイン「……」

ムーンライト「……」

マリン「……ねえ、本当に今日集まりがあるの?」

ムーンライト「ブロッサムがそう言ってたわよ」

マリン「……来てないじゃん」

ムーンライト「……」

サンシャイン「電話も出ない。どうしたんだろう」

マリン「寮にはいるんでしょ?」

ムーンライト「だったらマリン、あなたが連れてきて」

マリン「ええっ!? な、なんであたしが……」

ムーンライト「時間がもったいないから早く行ってきなさい」

マリン「……」

・・・・・

サニー「ほらブロッサム先輩、入ってええで」

ブロッサム「……」

サニー「なにつっ立ってんねん」

ブロッサム「この部屋、ちょっと……」

サニー「ん?」

ブロッサム「……散らかりすぎじゃないですか?」

サニー「えっ、そう?」

ブロッサム(脱いだ服はそのまま放置されてるし……あっ、スープの残ったカップ麺も捨ててある!?)

サニー「まぁええやん。好きなとこに座ってええですよ」

ブロッサム(……どこに座ればいいんだろ)

サニー「テレビテレビ~」ポチッ

『続いてはスポーツです』

サニー「あっ、なんや今日のオープン戦阪神負けとるやん」

ブロッサム「……」

サニー「ブロッサム先輩野球とか見る?」

ブロッサム「い、いえ」

サニー「そっかぁ。まあ普通はそっか。ハッピーも見たことないって言ってたしなー」ポチッ

『なに言うてんねんきみ!』ワハハハ

サニー「……アカン、つまらんわ最近のお笑い。ブロッサム先輩もそう思わへん?」

ブロッサム「え? は、はあ……」

サニー「最近はほんまにおもろい若手芸人がテレビ出てこんなぁ。みんな似たり寄ったりのやつらや」

サニー「ネタも同じようなもんばっかやし。だいたい喋り自体が上手い奴がおらんねん。そう思わへん?」

ブロッサム「よ、よく分かんないです」

サニー「つまらんな、テレビ。アカン」ゴソゴソ

ブロッサム「あの~……わたし今日はハートキャッチの……」

サニー「じゃーん! これ見よ、これ。知っとる? ごっつええ感じって」

ブロッサム「知らないですけど、それよりも……」

サニー「ほな見ましょうよ。めっちゃおもろいで」

ブロッサム「だからわたしは」

ガチャッ

ハッピー「サニー! 野菜持ってきたよー!」

サニー「おっ、ちょうどええとこに来た! これからごっつ見……っておいおい、ピーマンやんそれ」

ハッピー「人参やキャベツも持ってきたよ」

サニー「それはええけど、ピーマンはそのまま食えへんやろ」

ハッピー「マヨネーズたくさんつければ大丈夫だよ」

ブロッサム(それじゃあ逆に健康に悪いと思うんですけど)

サニー「うげー、ナスもある。なんでこんなん持ってくんねんアホ。これはさすがに生じゃ無理やろ」

ハッピー「じゃあ焼いてみる? 焼いたら食べれそう」

サニー「せやな、そうしよ」

ハッピー「うーん……あっ! ただ焼くだけじゃつまらないから麻婆ナス作ってみる!」

サニー「はぁ? 作れるんかそんな難しいもん」

ハッピー「作り方は前に料理番組で見たことあるよ」

サニー「ほーん、じゃあやってみ」

ハッピー「テレッテッテッテー♪ テレッテッテッテー♪」

サニー「なんやねんそれ」

ハッピー「3分クッキングの音楽」

サニー「ほんまに3分で作れたら100万やるわ」

ハッピー「ほんまに!?」

サニー「ほんまほんま」

ハッピー「よーしっ! 本気出しちゃうよー!」

ハッピー「テレッテッテッテー♪ テレッテッテッテー♪」

ハッピー「テレッテテテテッテッテッテテ♪」

ハッピー「愛は食卓にある。キューピーの提供でお送りします」

サニー「そこまで再現せんでもええやろ」

ハッピー「こんにちは、今日はナスを焼いて麻婆ナスを作ります」

ハッピー「アシスタントのブロッサム先輩よろしくお願いします」

ブロッサム「!?」

ハッピー「美味しそうなナスですねー。まさに秋って感じがします」

サニー「今春やけどな」

ハッピー「まずナスを切ります」ザクッザクッ

サニー「おお、切るのは上手い!」

ハッピー「次はどうしますか先輩?」

ブロッサム「えっ」

ハッピー「とりあえずソースを作りますか」

ブロッサム「ソ、ソース……?」

ハッピー「塩と醤油を大さじ二杯ぐらい入れます」

ハッピー「辛味をつけるためにタバスコと七味も入れます」

ハッピー「そしてとろみをつけるためにマヨネーズを入れます。赤くするためにケチャップも入れます」

ハッピー「最後に隠し味に砂糖を入れます」

ブロッサム「……」

サニー「それ麻婆なんか」

ハッピー「麻婆……じゃないでしょうか」

サニー「麻婆……じゃないと思いますけど」

ハッピー「……テレッテッテッテー♪ テレッテッテッテー♪」

ハッピー「こんにちは、今日はナスを焼いて麻婆ナスを作ります」

サニー「またそこからかい!」

ハッピー「こほっ、けほっ……完成ー!」

サニー「くっさ! なんやねんこれ!?」

ブロッサム「か、換気扇回してください! ごほっごほっ!」

ハッピー「愛は食卓にある。キューピーの提供でお送りしました」

サニー「この料理に愛はまったく感じられへんけどな」

ハッピー「ではサニーさん、試食してみてください」

サニー「やかましいわ」

ブロッサム「……どうするんですかこれ」

ハッピー「えっ、食べましょうよ」

サニー「ほんまに言っとるんか……ほなまず自分で食ってみろ」

ハッピー「いいよー。ブロッサム先輩も一緒に食べましょうよ」

ブロッサム「なんで!?」

ハッピー「いただきまーす!」パクッ

ブロッサム「っ……」パクッ

ブロッサム「ぶほっ!?」

ハッピー「だめだこりゃ」

サニー「なに笑とんねん」

ハッピー「次いってみよう!」

ここまで

すみません年末は死にそうです

そうダビィ

たぶんもうすぐです

ハッピー「んー…なんで上手く作れないかなぁ」

サニー「貸せって。こんなもん適当にソースとか入れとけばええねん」

ブロッサム「かけすぎじゃ……」

ハッピー「ブロッサム先輩も一緒に作りましょうよ~」

ブロッサム「いや、あの」

ブロッサム(わたし何しに来たんだっけ……)

サニー「そんなでな、こうやって塩とか湖沼とか醤油とか適当に入れて…」

ブロッサム「……」

ブロッサム「ま、待ってください! 何を作ろうとしてるんですか」

サニー「なにって、麻婆やろ。なあ?」

ハッピー「うん」

ブロッサム「……貸してください、わたしが作ります。そんなんじゃ材料を粗末に扱ってるだけです」

ハッピー「えっ、作れるんですか!?」

ブロッサム「作ったことはないですけど……作り方を見ればたぶん大丈夫です」

ブロッサム(たしかアプリで作り方見れたっけ……)

・・・・・

サニー「おお、上手いっすね」

ブロッサム「そりゃまぁ、前の寮では料理当番とかしてましたし」

ハッピー「おいしそ~」

ブロッサム「……」

ブロッサム(そういえばこうやって誰かのために料理するのって久しぶりだな……)

ブロッサム「はいっ、できましたよ」

ハッピー「すごい! 本物の麻婆みたい!」

サニー「ほんまやな、すごいわ」

ブロッサム「今盛り付けますね」

ハッピー「わ…わたし! ブロッサム先輩のこと尊敬しちゃいます!!」

ブロッサム「そんな大げさな……」

サニー「……なぁ」

ハッピー「なに?」

サニー「今さらやけど、ハンバーガーと麻婆って合わんやろ」

ハッピー「大丈夫大丈夫、ハンバーガーは冷凍して保存できるから」

サニー「結局ハンバーガーは今日なしか……」

ハッピー「いただきまーす」ガツガツ

ブロッサム「そんな一気に食べなくても」

ハッピー「もぐにょもぐにょもぐにょ」

ブロッサム「食べながら話さないでください…」

サニー「うちらはいっぱい食べなアカンって先輩たちに言われてるんです」

ハッピー「もぐにょもぐにょもぐにょ」

ブロッサム「それもそうですけど、暴飲暴食は健康に悪いんですよ。だいたい先輩たちの言うことは極端なんですからあんまり真に受けない方が…」

ブロッサム「昔からそうで……ってわたしの分も食べないでくださいよ!?」

ハッピー「もぐにょもぐにょもぐにょ」

ブロッサム「だから食べながら話さないでください!」

サニー「うちももーらいっ」

ブロッサム「ああっ! もう!」

サニー「あははっ」

ブロッサム「……ぷっ、うふふ」

ハッピー「もぐにょもぐにょもぐにょ」

ブロッサム(……なんか楽しいなぁ。こういう食事っていつ以来だろう)

・・・・・

マリン「……」

マリン(どこにいんのブロッサム)

マリン「はぁ~……見つけたらなんて声かければいいのやら」

マリン「いよぅブロッサム! 今日打ち合わせあるの忘れてた? おっちょこちょいだなー、ほら行くよ!」

マリン「……無理だよねぇ、はぁ」

ベリー「なにが無理だって?」

マリン「うわっ!?」

ベリー「なにそんな驚いてんのよ」

マリン「いきなり声かけるから……びっくりするじゃん普通」

ベリー「びっくりしたのはこっちよ。なにさっきから独り言しゃべってんの」

マリン「あれ……聞こえてた?」

ベリー「内容までは聞こえなかったけどね。なにしてんのあんた」

マリン「いやぁ、ブロッサム探してるんだけど……」

ベリー「ブロッサム? サニーにレッスンでもしてるんじゃないの? いつもやってるんでしょ」

マリン「あっ、そっか。でも今日打ち合わせあるって言われてたのに……」

ベリー「……あっ、でもさっきレッスン室通ったけどサニーたちはいなかったわね」

マリン「ええ?」

ベリー「ビューティが使ってたわ。とりあえずサニーの部屋にでも行って聞いてきたら?」

マリン「あぁ~……そうしよっか」

ベリー「……マリン」

マリン「ん?」

バシッ

マリン「いたっ!」

ベリー「しゃきっとしなさいよ。いつにも増してマヌケみたいな顔になってる」

マリン「マヌケって……」

ベリー「そんな眉間にしわ寄せてたらあんたらしくないの。似合わないわよ」

マリン「……」

・・・・・

サニー「それでなぁ、こいつ会っていきなりなんて言ったと思います? 一緒にスイーツ食べません? だって。出会っていきなり頭おかしいと思いません?」

ハッピー「えーそう?」

サニー「そうやって。今どき下手なナンパでもそんなこと言わんわ」

ブロッサム「確かにいきなりそんなこと言われたら驚いちゃいますね」

ハッピー「だってどうしても食べたかったんだもん、おしゃれなスイーツのお店とか行ったことなかったから。一人で行くのは緊張するし、同い年くらいの子と一緒に行ったら大丈夫かなって」

サニー「だからってなんでウチに話しかけたんや」

ハッピー「だってサニーってなんだか都会っぽくない感じで話しかけやすそうだったんだもん」

サニー「田舎モンって言いたいんかい!」

ブロッサム「親しみやすそうってことじゃないでしょうか」

ハッピー「そうそう! それそれ!」

サニー「ほんまにー? まぁそれならええけど」

ハッピー「それにね、わたしサニーを初めて見たときビビッときたんだよ!」

サニー「ビビっと?」

ハッピー「『あ、わたしこの子ときっと友達になれるだろうなー』って」

サニー「なんやそれ」

ブロッサム「直感でそう思ったんですか?」

サニー「むしろお前が仲良くできないなんて思える相手がいるんか?」

ハッピー「ううん、だけどサニーは特別だったの。なんていうか……運命の出会い!」

サニー「運命? 大げさやなぁ」

ブロッサム「けど、今こうして一緒にプリキュアやってますし確かに運命かもしれませんね」

ハッピー「この街に着いていきなり同じプリキュアに会えたんだもん、これは運命運命♪」

サニー「運命ねぇ……そうや、ブロッサム先輩はどうなん?」

ブロッサム「え?」

サニー「マリン先輩と初めて会ったときはどんな感じだったん?」

ブロッサム「マ、マリンとですか」

サニー「うん」

ハッピー「あっ、わたしも聞きたーい」

ブロッサム「ええっと……そうですね……」

ハッピー「?」

ブロッサム「……マリンと初めて会ったのは、ハートキャッチの打ち合わせの時ですね。あの日は打ち合わをする事務所へ行く道に迷ってて……その時にちょうどマリンと出会ったんです」

サニー「マリン先輩と会って、一緒に事務所まで行けたとか?」

ブロッサム「いえ、その逆で……全然辿り着けなくて。結局打ち合わせには大幅に遅刻、後で二人とも怒られちゃいました」

ブロッサム「遅刻したのも単に道に迷っただけじゃなくて、マリンがあちこちのお店に寄り道したりして、わたしもそんなマリンについ引っ張られちゃって」

ブロッサム「つまりふたりで一緒に遊んでたんです。初めて会ったその日に」

ハッピー「会ってその日に仲良くなれたんですね」

ブロッサム「仲良かったのかな……わたしは強引なマリンに振り回されてただけな気もしますけど」

ブロッサム「でも……一緒にいてあんなに楽しかった人は初めてだった。あんな人、わたしにとっては初めて」

ブロッサム「それからもマリンと過ごす時間は楽しくて。辛いことはたくさんあったけど、マリンと一緒だったから乗り越えられたし今となっては楽しい思い出になったんだと思います」

ハッピー「ということはブロッサム先輩はマリン先輩のことやっぱり好きなんですね」

ブロッサム「えっ」

ハッピー「だって一緒にいて楽しい相手のこと好きじゃないわけないじゃないですか」

ブロッサム「……今はどうなんでしょう」

コンコンッ

サニー「ん? 誰やろ」

コンコンッ

サニー「はいはーい、今出ますよーっと」

ガチャッ

サニー「おっ」

マリン「おいっす」

サニー「どうしたんすか」

マリン「いやあ……ブロッサムどこにいるか知らない? 探してんだけど」

サニー「え? ああ、ブロッサム先輩なら……」

マリン「?」

サニー「いや、えっと……」

サニー(確かこのふたり喧嘩しとるんやなかったっけ。今会わせてええんかな)

ハッピー「あっ、マリン先輩だー!」

サニー「!?」

マリン「おっ、ハッピー」

ハッピー「ちょうどよかった~、先輩もこっちに来て一緒にご飯食べましょ」

マリン「いや、まだ仕事中で」

ハッピー「ブロッサム先輩もこっちにいますよ」

マリン「そのブロッサムを探してて……はあ!?」

ここまで

ブロッサム「あ……」

マリン「ブ、ブロッサム……なにやってんの!?」

ブロッサム「……」

ハッピー「え? え?」

マリン「今日打ち合わせあるって言ってたのに……」

ブロッサム「それは……」

ブロッサム(……忘れてました)

マリン「なんでよ……こんなとこで遊んでて。そんなにあたしと顔合わせたくないの……」

ブロッサム「ち、違くて……」

マリン「……」

ハッピー「そうですよ。遊んでたんじゃなくて、わたし達ごはん食べてたんですって」

マリン「ごはん……?」

ハッピー「はい! これブロッサム先輩が作ったんですけど、おいしいですよ~。マリン先輩も食べてみてください」

マリン「……」

サニー(おい黙っとけハッピー)

ブロッサム「……や、やめてくださいハッピー」

ハッピー「?」

マリン「……もういいよ。ブロッサムがそんなんなら、あたしだってもう……」

ブロッサム「っ……あ」

ハッピー「待ってください!

マリン「え……」

ハッピー「すっごいおいしいんです! 絶対に食べたほうがいいです!」

サニー「そこまでゴリ押しせんでも……空気読めって」

ハッピー「えーだっておいしいものは色んな人に食べてほしいじゃん」

サニー「だから今そんな空気ちゃうやろって……」

ハッピー「これ食べながら、マリン先輩の話聞いてたんですよ」

マリン「え?」

ハッピー「ふたりとも初めて会った日から仲良かったんですよね。わたしとサニーもそうなんです」

マリン「な、なんの話……」

ブロッサム「ち、違うんです……それはその」

ハッピー「ブロッサム先輩もマリン先輩のこと大好きって言ってましたもんねー」

マリン「!?」

ブロッサム(い、いいい言ってないですよ!!)

マリン「……うそ」

ブロッサム「!!」

マリン「だって……ブロッサムはあたしのこと……」

ハッピー「?」

ブロッサム「マリン……」

ブロッサム(……もうこれ以上逃げるのは嫌だ。たとえマリンに嫌われてるとしても……わたしはわたしの気持ちを伝えなきゃ……!!)

ブロッサム「っ……マ、マリン」

マリン「……」

ブロッサム「あの……わたし……」

ぐぅ~

ブロッサム「!?」

マリン「あ……」

ハッピー「なんだ、お腹すいてるんじゃないですかマリン先輩。ちょうどよかった」

マリン「ち、ちがっ!」

ハッピー「やっぱり食べたいんですね~これ」

マリン「う……うう……もう全部ブロッサムのせいなんだからね!!」

ブロッサム「ええ!?」

マリン「ブロッサムがいつまで経っても何も言わないから後輩の前でこんな恥ずかしいことになったんじゃん!!」

ブロッサム「そ、そんな……わたしは……なんでわたしのせいにするんですか!!」

マリン「ああっ! 逆ギレするつもり!?」

ブロッサム「だってマリンが無茶苦茶なこと言うから!」

マリン「だいたいブロッサムはいつもそうだよ! 言いたいことはハッキリ言わないくせに頭に血が上ったらすぐ切れるんだから!!」

ブロッサム「わたしだって別に怒りたくて怒ってるわけじゃないんです!! マリンがわたしのこといつも引っ掻き回すから……」

マリン「あー!! あたしのせいにするんだー!!」


サニー「……どうすんねんこれ」

ハッピー「どうしよっか」

マリン「いつもあたしがいなきゃダメだったくせに!! あたしが昔ブロッサムの私服を買ってコーディネートしてあげたこと忘れたの!?」

ブロッサム「あれはマリンがわたしの服にペンキかけてダメにしたからじゃないですか!」

マリン「月一回の夜は近くのファミレスでおごってあげてたのに!!」

ブロッサム「わたしは毎週お昼をおごらされてた!!」

マリン「ぐぬぬ……」

ハッピー「あのー、早く食べないと冷めちゃいますよ」

ブロッサム「うるさい!!」
マリン「うるさい!!」

ハッピー「ご、ごめんなさい」

マリン「もう限界!! あたしだって堪忍袋の緒が切れまくってるよ!! この分からず屋!!」

ブロッサム「分からず屋なのはマリンの方でしょ!?」

マリン「あたしのどこが分からず屋なのよ!? あたしはブロッサムのことずっと心配してたのに!!」

ブロッサム「え……」

マリン「なんであたしの話ずっと聞いてくれなかったの!! あたしの話は聞かないくせに他人の話は聞いて勝手に勘違いして塞ぎこんで!!」

マリン「そんなことされてたあたしの気持ち分かる!? 辛かったんだから!! 大切な親友があたしのこと嫌いになるなんて!!」

マリン「あたしはずっと好きなのに! ブロッサムのことが好きなのに! 今でも大好きなのに!!」

マリン「どうしてあたしの気持ちを無視するの!?」

ブロッサム「……」

マリン「はぁ……はぁ……」

ブロッサム「……」

ブロッサム「……わたしだって。わたしだってそうですよ!! マリンのことは大好きです!!」

ブロッサム「だけど、わたしは……自分のことで精一杯で、マリンの気持ちにも気づけなくて……」

ブロッサム「ひっぐ……わたし、何度もマリンに謝ろうと思ったのに……できなくて……」

ブロッサム「わたしが悪いんです……ぐずっ……わたし……マリンにひどいことを……」

マリン「……違うよ、悪いのはあたしだよ。ブロッサムのこと、分かっていた気がしていたのに全然分かっていなかった」

マリン「あたしがブロッサムともっとちゃんと向き合っていたら……」

ブロッサム「マリン……ごめんなさい!! 今さらで、こんなに遅くなっちゃったけど……」

ブロッサム「わたし、マリンともう一度親友になりたい……マリンのことが大好きなんです!!」

マリン「あたし……あたしも大好きだよブロッサム!! ごめんね、ブロッサムごめんね!」

ブロッサム「ひっぐ……うわああああん!!マリ~ン!!」

マリン「ブロッサ~ム!!」

ハッピー「……」

サニー「……」

ハッピー「えっと……やっぱり仲良いね!」

サニー「どないすんの、これ」

ハッピー「うーん……邪魔しちゃ悪いのかな。外出てよっか」

サニー「……ま、ええか」


ブロッサム「わたし、マリンとやり直してもいいですか……?」

マリン「当たり前だよ! あたし達は大親友なんだから!!」

ブロッサム「うう……」

マリン「もーブロッサムったら! 愛してるぞー!!」

・・・・・

ムーンライト「……」

サンシャイン「ふたりとも遅い……ですね」

ムーンライト「……」

サンシャイン「どうしましょうか……」

ムーンライト「……」

サンシャイン「……」

ムーンライト「……」

サンシャイン「……はぁ」

ここまで
もう新しいプリキュアが始まるんやな……

・・・・・数日後

アクア「まずはそうね……仕事の話からしましょうか。これが来月五人で一緒にする仕事のスケジュールよ」

サニー「撮影撮影撮影……ライブにインタビュー」

マーチ「撮影以外で五人一緒の仕事がこんなにあるなんて」

サニー「休みないやん……」

ローズ「働けるうちが華よ。文句言わないの」

サニー「いえ、文句ってわけじゃ」

アクア「一段落すれば休みも取れるようになるわ。それまでがんばりなさい」

ハッピー「はーい!」

サニー「それにしても、スケジュール管理は全部うちら任せなんすか?」

ビューティ「私もてっきりマネージャーやプロデューサーのような方がついてくれると思ったのですが」

アクア「昔からそうなのよ、自立性を養うとかなんとかで。みんなそれでやってきたわ」

ビューティ「……」

アクア「といっても、ブラック先輩の頃からあった風習が今もなし崩し的に続いてるってだけなんだけどね。はっきり言えば悪習よ、仕事の効率も悪くなるわ」

サニー(よくそんなんで今までプリキュア続いてたな……)

ビューティ「では……」

アクア「事務所からのサポートも少しはあったけど……そうね、環境も変わったんだし何かマネージャー的な人をつけてもいいかもね」

ビューティ「ありがとうございます。こちらとしても、その方が安心です」

アクア「そうと決まればすぐにこちらで用意するわ。他に何か質問は?」

ハッピー「はい! はい! あの、これなんですけど」

アクア「?」

ハッピー「スケジュール表の、この『GAF』ってなんですか?」

アクア「ああ、これね……毎年行われてる有名なフェスなんだけど、知らなかった?」

ハッピー「えへへ」

サニー「えへへ、ちゃうやろ。うちでも知っとるぞ」

アクア「GAF、ガールズアイドルフェスティバルって読むのよ。全国のアイドルグループが集まって、ライブを行うの」

ハッピー「アイドルグループ……へぇー。でもどうしてわたし達のスケジュールに入ってるんですか?」

アクア「……それに出るからに決まってるでしょ」

ハッピー「ええええええ!? わたし達アイドルじゃないですよ!」

アクア「世間の扱いじゃ、プリキュアも女の達が集まったアイドルグループとして一括りされてるの」

サニー「ま、確かに女の子が集まって歌って踊ったらそりゃもうアイドルやもんな」

ビューティ「ですが私はプリキュアを他のアイドルグループと一緒くたにできるものとは思ってません。プリキュアであるということは、他の有象無象アイドルと違い特別な人間なのです」

サニー「確かに。オーディションは厳しいけど受かればあっという間に大金稼げるって意味じゃ他とは違うわな」

ビューティ「はい?」

サニー「あん?」

ビューティ「私が言っているのはそういう意味ではありません、心がけの話をしているのです」

サニー「なんやねん、心がけって」

ビューティ「いいですか? プリキュアというのは子どもに……いえ、テレビを見ている人全てに夢と希望を与える仕事なんです」

ビューティ「そのプリキュアに選ばれるということは、人として清らかで美しいからです。心が醜い人間なんてそもそもプリキュアに選ばれるはずがありません」

ビューティ「私たちは真面目で優しく、愛という象徴を代表するような人間としてプリキュアに選ばれたんです。他のアイドルなんかとは、わけが違います」

サニー「なにが言いたいねん。要はうちらプリキュアは神様のように世界で一番偉くて、他のプリキュアに選ばれない女はブスでどうしようもないゴミくずみたいなもんって言いたいんか?」

ビューティ「そんなことも一言も……!」

サニー「うちはそう見下した風に聞こえたけどな。他のアイドルは存在する意味もないゴミって」

ビューティ「!!」

サニー「だいたいプリキュアだけが夢や希望を与える仕事だと思ってるんか? 他に色々あるやろ。うちら以外のアイドルグループかて、夢や希望を与えるために歌って踊ってるかもしれんし」

ビューティ「それは……」

サニー「プリキュアに選ばれる人間は真面目ちゃんだけっつうのもおかしいわ。お前、うちのことは真面目だと思っとるってことか?」

ビューティ「……例外も当然います」

サニー「そやね。先輩だけ見ても愛想の悪いムーンライト先輩や何考えてるのか分からんドリーム先輩、気味の悪いミント先輩や年下の癖に生意気なミューズ。例外はたくさんおるもんな!」

ビューティ「……」

アクア「……こほん」

ローズ「……」

サニー「あ……お二人はすごくいい人だと思ってますよ? でへへ……」

アクア「そうじゃなくて、そういう話は部屋に戻ってからしなさい」

ビューティ「……」

サニー「はい……。あっ、今のことは他の先輩には内緒ってことで。どうかよろしくお願いします」

アクア「……はぁ」

アクア「とりあえず、GAFのことは分かったハッピー? 要はこのイベントであなた達はライブをするの。もちろん、大取でね」

ハッピー「大取ってことは……最後ってことですか?」

アクア「そうよ。一番有名なグループが最後のステージを飾るの」

マーチ「確かに知名度はプリキュアがダントツだろうしなぁ」

ローズ「全国が注目するイベントよ、ミスは一度たりとも許されないわ。もしミスしたら……」

ハッピー「ミスしたら……?」

ローズ「……やめときましょ、余計なプレッシャーはあなた達には毒にしかならないかもしれないしね」

アクア「本番までにはきっちり練習するのよ。分かった?」

ハッピー「は、はい」

サニー「ただでさえ仕事で忙しいのに……きっついわー」

アクア「きつい事ばかりでもないわよ。あなた達にとって嬉しいお知らせだってあるわ」

サニー「え?」

アクア「あなた達の、給料明細」

サニー「!!」

アクア「今までの仕事のギャラが振り込まれてるわ。後で確認しておきなさい」

サニー「お、おお……お給料や!」

ハッピー「やったー! ありがとうございまーす!」

ピース「あ、ありがとうございます」

マーチ「こうやって実際に報酬を貰えるとなんだか今までのことが報われた気がするよ」

サニー「当たり前やん! 稼ぐための仕事なんやから!」

ビューティ「……」

ローズ「こらサニー! 今ここで開けようとしないの、部屋に戻ってからにしなさい」

サニー「へーい」

アクア「話はこれで終わりよ。あとは次の仕事までそれぞれ待機していなさい」

ハッピー「はーい!」

アクア「それとハッピー」

ハッピー「はい?」

アクア「あなたはここに残る」

ハッピー「……はい」

・・・・・

アクア「サニーとビューティはいつもああいう感じなの?」

ハッピー「ええっと……うーん」

アクア「あなたチームをまとめる気ある?」

ハッピー「あ、あります!」

アクア「気持ちがあるなら行動で示してほしいわね」

ハッピー「……」

アクア「さっきだって、ふたりが口論を始めたとき止めなきゃいけなかったのはあなただったのよ?」

ハッピー「はい……」

アクア「別に無理に仲良くさせろなんて言わないわ。不仲な関係なんてどこにでもあるもの。だけど自分たちがプロである自覚というのは最低限持っててほしいの。それを導くのがリーダーであるあなた」

アクア「言いたいことは分かる?」

ハッピー「わか……ります」

ハッピー(本当は分からないけど)

アクア「……ならいいわ。もう戻って」

ハッピー「はい、お邪魔しました!」

バタンッ

ローズ「……大丈夫かしら」

アクア「……」

ローズ「最悪、リーダーを変えたほうがいいかもしれないわね。だけどまともだと思ってたビューティも正直……」

アクア「……」

ローズ「なにを考えてるの?」

アクア「いえ……リーダーのことじゃないんだけど、ビューティがね」

ローズ「?」

アクア「彼女、あのままで大丈夫かしら」

ローズ「まぁ……自分のこと、というかプリキュアのことを過大評価しているところを除いたらまともなんだけど」

アクア「そういう性格のなのよ。そうでもしないと自分を支えるものがなくなってしまうの。脆い子のなのよ」

ローズ「……」

アクア「……そういえば、彼女ダークドリームの妹だったかしら」

ローズ「えっ、ええ……」

アクア「今度時間があったら……彼女に会ってみようかしら。以前酷いことも言ってしまったし」

ローズ「……」

アクア「どうしたの?」

ローズ「アクアからそんなこと言うなんて……ちょっと驚いて」

アクア「人間は変わるものよ。それともこんな私はおかしい?」

ローズ「ううん、そんなことないわ。私すごく嬉しい」

アクア「そう……よかったわ」

ここまで

http://i.imgur.com/sHRREOP.jpg

死にそうです
更新の方はなんとかします

早ければ来週に再開します
ちょっとずつですが

もうしばしお待ちを
モチベはあるけど書く時間がほんとにないです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月31日 (日) 05:22:22   ID: 7PpHoycj

ずっと続きを待ってるんだが
もう更新されることはないのか

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