マミ「大切な後輩」(217)

マミ「お待たせ、ちょっと授業が長引いちゃって」

まどか「ううん、あんまり待ってないから大丈夫」

マミ「そう、ありがとう」

まどか「てへへ、じゃあ行きましょうよ、魔法少女体験コース」

マミ「…ええ、それじゃあ行きましょうか」

まどか「はい」

マミ「…ねえ、鹿目さん?」

まどか「何ですか?」

マミ「本当にいいの?」

まどか「えっ?何が…ですか?」

マミ「こうやって私についてきて、危険な目にあって」

まどか「え?それは…」

マミ「私から誘っておいて言うのは悪いかもしれないけれど、やっぱり危険なことだから」

マミ「無理をしてまで、鹿目さんを巻き込みたくないし」

マミ「私は…鹿目さんがこうやって私と一緒にいてくれるだけで嬉しいの」

マミ「だから…」

まどか「マミさん、そんなこと言わないで?」

マミ「えっ?でも」

まどか「私はまだこうやってマミさんの後をついて行くだけですけど」

まどか「それでマミさんが喜んでくれて、すっごく嬉しいんです」

マミ「鹿目さん…」

まどか「それに、マミさんは私の憧れの先輩ですから!」

まどか「私、マミさんのような魔法少女になるのが夢なんです」

まどか「だから今はマミさんの後ろをついていくだけだけど…」

まどか「いつかマミさんと一緒に戦えたらとっても嬉しいなって」

マミ「…鹿目さん」

まどか「てへへ」

マミ「ありがとう…」

まどか「はい、じゃあ行きましょうよ!」

マミ「ええ、そうね」

マミ(憧れの先輩かぁ…憧れるほどのものじゃないわよ、私…)
マミ(無理してカッコつけてるだけで、怖くても辛くても、誰にも相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり)

マミ(…でも、鹿目さんが私について来てくれるのが嬉しい)

マミ(鹿目さんが一緒にいてくれるのがすごく嬉しいの)

マミ(…だから、鹿目さんにカッコ悪いところみせてられないわよね)

マミ(がんばらなきゃ、そしてならなきゃね)

マミ(鹿目さんの憧れの先輩にね)

マミ(鹿目さんの前ではしっかりしてなきゃ!)

マミ「ティロ・フィナーレ!」

まどか「すごい…!」

マミ「…」

まどか「マミさん?」

マミ「…ふふっ、今日はこんなところね!」

まどか「やっぱりマミさんはカッコいいですよ」

マミ「そうかしら?」

まどか「はい、憧れちゃいます!」

マミ「…ありがとう」

マミ(…本当にこれで良いのかしら?)

マミ(魔法少女になることは正直あまり良い事じゃないのは分かってる)

マミ(私の場合は選択の余地がなかっただけ…それだけなの)

マミ(でも、鹿目さんは家族も友達もいる…魔法少女になるべきじゃないわ)

マミ(…やっぱり、止めましょう)

マミ(これ以上、鹿目さんを巻き込むわけにはいかないわ)

マミ「…鹿」

まどか「マミさん!この後はどうします?」

マミ「えっ?」

まどか「実はその…ちょっとお腹空いちゃって」

マミ「鹿目さん…」

まどか「てへへ、だからその…何処かに寄って行きませんか?」

マミ(…その後でいいわね)

マミ「ふふ、仕方ないわね。じゃあ行きましょうか?」

まどか「はいっ」

マミ(…今はまだ、ひとりぼっちじゃないんだから)

まどか「いただきます」

マミ「いただきます」

まどか「うん、おいしー」

マミ「ふふっ」

まどか「ねえ、マミさん」

マミ「どうしたの?」

まどか「私、魔法少女の衣装を考えて来たんです」

マミ「えっ?」

まどか「ほら、これ見てくださいよ」

マミ「うん…」

マミ(鹿目さん…やっぱり魔法少女になるつもり、なのよね)

マミ(私は…)

まどか「いろいろ考えたんですけど、やっぱりそれが一番可愛いかなって」

マミ(鹿目さんは魔法少女になるべきじゃない…)

マミ(ここは…心を鬼にして)

まどか「どうですか?」

マミ「…ダメね」

まどか「…えっ?」

マミ「鹿目さん、やっぱりこれじゃダメよ」

まどか「あっ…やっぱり、えーと…は、派手…だったかな?」

まどか「じゃあその…次のページの!」

マミ「…違うの」

まどか「あれ?じぁあ…えーと…」

マミ「違うの、衣装のことは今は関係ないわ」

まどか「え?」

マミ「…鹿目さん、あなたはやっぱり魔法少女になっちゃダメ」

マミ「魔法少女になるべきじゃないのよ」

まどか「え、そ…そんな…何で…」

まどか「わ、私…その、まだ願い事とか難しくてよくわかんないけど…」

まどか「こんな私でも、誰かの役に立てるなら…!」

マミ「ダメよ、鹿目さん…それじゃダメなのよ」

まどか「なんで…?キュゥべえは私に魔法少女の素質はあるって言ってたし…」

まどか「私が魔法少女になれば…マミさんと一緒に戦えるから…」

マミ「…それはそうだけど」

まどか「それに!マミさんもあの時っ…あの時…仲間が欲しかったって」

マミ「あっ…」

まどか「嬉しいって…言ってくれたから、私は…」

マミ「…あの時は確かにそう思ったわ、でも今は…違うの」

マミ(ううん、本当は今でもそう思ってる、だけど…)

まどか「そんな…私、がんばりますから!」

まどか「えと…その…マミさんの、マミさんと一緒に戦いたいんです」

マミ「鹿目さん…」

マミ(ありがとう)

まどか「だから…」

マミ(でも)

マミ「鹿目さん、あなたは魔法少女になっちゃダメ、これは譲れないわ」

まどか「マミさんっ」

マミ「…ねぇ、鹿目さん?私が何を望んでキュゥべえと契約したかは話してなかったわよね?」

まどか「えっ?それは…は、はい」

マミ「あの時ね?私はキュゥべえと契約するしか他に方法がなかったの」

まどか「え…?」

マミ「…交通事故」

まどか「あっ…!」

マミ「お父さんとお母さん…そして私は交通事故にあったの」

マミ「そして、その時にキュゥべえがやって来たの」

マミ「何でも1つ願い事を叶えてあげるってね」

まどか「じゃあ…マミさんの願いは…」

マミ「…ええ、『生きたい』これが私の願い事なの」

マミ「あの時は必死だったから、そうする以外になかったのよ」

まどか「マミさん…」

マミ「…お父さんも、お母さんも救えたかもしれない」

マミ「家族みんな助かったかもしれないけれど…でも、あの時の私は…」

マミ「…だけど、私だけが助かったから、助けてもらったから」

マミ(助かってしまったから…)

マミ「私は魔法少女として生きて、戦ってるの」

まどか「…」

マミ「私は家族も仲の良いお友だちもいないわ…」

マミ「平穏な毎日もね」

マミ「だけど、鹿目さん…あなたは持っているの」

マミ「私が持っていないものを、ね」

まどか「私は…」

マミ「だから鹿目さんは魔法少女になるべきじゃない」

マミ「なっちゃダメなの、たとえ素質があったとしても…」

マミ「だから分かって?魔法少女になってほしくないの」

まどか「…嫌です」

マミ「…え?」

まどか「…やっぱり私、魔法少女になります」

マミ「…なんで?なんでそうなるの?」

まどか「私…」

マミ「だって、鹿目さんは持ってるのよ?」

まどか「マミさん…」

マミ「家族もお友だちも!楽しい毎日も!」

マミ「私が持ってないものを持ってるのに!なんで?」

まどか「…だって、可哀想じゃないですか」

マミ「…え?可哀想…?」

まどか「だって…マミさんは辛い思いをして、毎日一人で戦って…」

マミ「…可哀想って」

まどか「そんなマミさんの力に、仲間になれるなら、私っ…!」

マミ「同情はやめてよ…」

まどか「えっ?」

マミ「そんなこと言わないで!」
まどか「マミさん…?」

マミ「あなたに私の何が分かるの?」

まどか「えっ…?」

マミ「魔法少女の何が分かるのよ?」

まどか「あっ、いや…それは…」

マミ「分からないでしょ?あなたには何も!」

マミ「私の気持ちなんて分かるわけないのよ…っ!」

まどか「ま、マミさん…」

マミ「なのに…可哀想だから…私が可哀想だからって!」

マミ「そんな理由で魔法少女にならないで!」

まどか「う…」

マミ「魔法少女なんて良いものじゃないのよ?」

マミ「いつ死ぬかも分からないし、怖いのよ…」

マミ「さっきの戦いだって…本当は怖かったの」

まどか「っ…」

マミ「でも鹿目さん…あなたがいたから!」

まどか「えっ?」

マミ「あなたの前でカッコ悪いところ見せたくなかったから…それを表に出さなかったの…!」

まどか「私がいたから…?」

マミ「本当は嫌なのよ!魔女と戦うのはっ…」

マミ「でも…戦うしかないじゃない…!」

マミ「私は…魔法少女なんだから…」

まどか「マミ…さん…」

マミ「それが魔法少女なの!」

マミ「それがあなたに分かるの?」

まどか「私は…」

マミ「分からないでしょ?毎日家族やお友だちと平和に過ごしてきたあなたには!」

まどか「うぅ…」

マミ「なのに軽々しく可哀想だとか…魔法少女になるとか言わないで!」

マミ「言わないでよ…!」

まどか「…さい」

マミ「…え?」

まどか「ごめ…な…さい…」

まどか「ごめんなさい…」ポロポロ

マミ「…あっ」

マミ(私…なんてことを…)

まどか「ごめんなさい…マミさん…ごめんなさい…」

マミ「鹿目さん…」

マミ(鹿目さんは私を思って言ってくれたのに…)

マミ(なのに…私…鹿目さんに…)

まどか「うぅっ…ぐすっ…」

マミ「…その」

まどか「私…帰ります…」

マミ「あっ」

まどか「ごめんなさい…マミさん…」

まどか「…さようなら」タタッ

マミ「鹿目さん…」

マミ「…最低よ、私」

マミ(鹿目さんに八つ当たりなんかして…本当に最低だわ)

マミ(なんであんなことを…)

マミ(鹿目さんは私の為に言ってくれたのに…分かってるのに…)

マミ(なんで…私は…)

マミ(やっぱり私…ダメな子だ…)

キュゥべえ「今のはどうかと思うよ、マミ」

マミ「…キュゥべえ」

キュゥべえ「まどか、泣いてたじゃないか」

マミ「見ていたの…?」

キュゥべえ「うん、そうだよ」

マミ「…」

キュゥべえ「まどかは君のことを思って気を使ったんじゃないのかい?」

キュゥべえ「だから願い事も決めてないのに、魔法少女になるって言ってるんだと思うよ」

マミ「それは…分かってるわ」

キュゥべえ「じゃあ尚更だ、何故あんなことを言ったんだい?」

キュゥべえ「あれじゃ、まどかが可哀想だと思うよ」

マミ「私にも…よく分からないの」

キュゥべえ「と言うと?」

マミ「私…本当は仲間が欲しい」

マミ「ひとりぼっちは…寂しいの」

キュゥべえ「じゃあまどかが魔法少女になれば解決じゃないか」

マミ「それは…」

キュゥべえ「まどかが魔法少女になって、マミと組めばいい」

キュゥべえ「そうすれば多かれ少なかれ怖くはなくなるだろう?」

マミ「…」

キュゥべえ「君は怖いって言ってたじゃないか」

マミ「っ…」

キュゥべえ「でもそれは至って普通のことだよ」

キュゥべえ「どんな魔法少女だって魔女との戦いに恐怖心はもつよ」

キュゥべえ「だから、そのことは気にしないでいいと思うな」

マミ「…違うの、そうじゃないわ」

キュゥべえ「じゃあ何なんだい?」

マミ「鹿目さんが仲間になってくれるのは嬉しいの…本当に嬉しい」

マミ「…でも嫌なのよ、仲間になってほしくない」

キュゥべえ「何を言っているんだい?」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

マミ「私は仲間が欲しい…鹿目さんと一緒にいたいの」

キュゥべえ「でもそれが嫌なんだよね?」

マミ「…ええ」

キュゥべえ「どうして?」

マミ「それは…」

マミ「鹿目さんに魔法少女になって欲しくないから…」

キュゥべえ「でもマミは仲間が欲しいんだよね?」

マミ「…うん」

キュゥべえ「じゃあ、まどかに魔法少女になって貰えばいいじゃないか」

キュゥべえ「まどかもそう言っているんだよ?」

マミ「でも…それがダメなのよ」

キュゥべえ「…」

マミ「鹿目さんは…私と違って、魔法少女にならなきゃいけない立場じゃないわ」

マミ「ただ素質があるだけ、それだけなの」

マミ「鹿目さんには家族もお友だちもいるんだから…」

マミ「それらを犠牲にしてまで、魔法少女になる必要はないのよ…!」

マミ「なのに…鹿目さんは…」

マミ「私なんかの為に…魔法少女になるなんて…」

キュゥべえ「でもそれは、まどか自身が決めたことじゃないか」

マミ「…ううん、私が鹿目さんを誘ったりなんかしたからよ」

マミ「最初に鹿目さんを助けた時…あの時に私が鹿目さんを誘わなければ…」

キュゥべえ「なんで誘ったんだい?」

マミ「だって…キュゥべえ、あなたが鹿目さんには素質があるなんて言うから…」

マミ「あの時はやっと仲間ができるって…」

マミ「内心喜んじゃって…だから魔法少女体験コースだなんて言って」

マミ「鹿目さんを誘って…」

キュゥべえ「特に問題はないじゃないか」

マミ「ううん、あるわよ」

マミ「だって鹿目さんは魔法少女になる必要なんてないんだから…」

キュゥべえ「必要?」

マミ「ええ、さっきも言ったでしょ?」

マミ「鹿目さんは魔法少女にならなきゃいけない立場じゃないの」

マミ「なのに…私は軽々しく鹿目さんを誘って…巻き込んで…」

マミ「私が寂しかったから…それだけの理由で鹿目さんを巻き込んだの」

マミ「そして…鹿目さんはそんな私なんかの為に一緒に戦うって言ってくれて…」

マミ「嬉しいのに…嫌なの…嫌なのよっ…」

キュゥべえ「言ってることが無茶苦茶だよ、マミ」

マミ「鹿目さんと一緒に戦いたい…ひとりぼっちは寂しい…」

マミ「だけど…鹿目さんは巻き込みたくない…こんな思いをさせたくないの…」

マミ「私…分からない…どうすればいいの…?」

キュゥべえ「僕に聞かれても困るんだけどなぁ」

マミ「キュゥべえ…!」

マミ「お願い…」

キュゥべえ「僕はあくまで君たち少女に契約をお願いするだけだ」

キュゥべえ「無理に契約を迫ることはしないし、それ以外特になにかをするわけでもない」

キュゥべえ「だから、僕はどうすることも出来ないよ?」

マミ「キュゥべえ…私…どうすれば…」

キュゥべえ「だから」

マミ「キュゥべえ…」

キュゥべえ「…僕はそろそろ帰らせて貰うよ」

マミ「待って」

キュゥべえ「君たち人類はやっぱり分からないな」

キュゥべえ「感情なんてものがあるからそうなるのかな?」

マミ「キュゥべえ…」

キュゥべえ「とにかく、僕は失礼するよ」

マミ「…」

マミ「うぅ…」

マミ(私…なんでこんなにダメなんだろう…)

マミ(やっとできた後輩…それも優しくてとっても良い子)

マミ(そんな大切な後輩を誘って…危険に巻き込んで…)

マミ(一緒に戦ってくれるって言ってくれたのに…)

マミ(なのに私は…八つ当たりなんかして…)

マミ(お父さん…お母さん…私はどうすればいいの?)

マミ(ひとりぼっちは…寂しいよ)

まどか「うぅ…」

まどか「マミさん…私は…」

まどか(どうしよう…マミさんを傷付けちゃったよ…)

まどか(マミさんはとっても辛い思いをして戦ってるのに…)

まどか(何も知らない私が…同情しちゃったからダメなの…?)

まどか(私…マミさんに助けて貰って、憧れて…)

まどか(マミさんに恩返しがしたかったの…)

まどか(マミさんの力になりたかった…だから魔法少女になろうって思ったのに…)

まどか(マミさんに怒られて…あのマミさんを怒らせちゃって…)

まどか(私はただ、マミさんの力になりたかっただけなのに…)

まどか(…でも、マミさんの言う通りなんだよね?)

まどか(何も知らない私なんかが軽々しく魔法少女になるなんて言っちゃ…ダメだよね?)

まどか「マミさん…」

キュゥべえ「まどか、話があるんだ」

まどか「…キュゥべえ?」

キュゥべえ「入っていいかい?」

まどか「…うん」

キュゥべえ「まどか、さっきの様子を見させてもらったよ」

まどか「マミさんとの…?」

キュゥべえ「うん、マミは自分でもよく分かってないみたいだったけどね」

まどか「…マミさん」

キュゥべえ「でも、マミにも悪気はなかったんだと思うよ」

まどか「うん…でも」

キュゥべえ「マミはずっと1人で戦ってきたからね」

キュゥべえ「学校が終わったら遊びもせずにすぐパトロール」

キュゥべえ「内心は怖がっていても魔女と戦いたい続けて」

キュゥべえ「家に帰っても1人、帰りを待つ人なんていない」

まどか「…」

キュゥべえ「たまに僕がマミの家に行くとすごく喜んでくれてね」

キュゥべえ「あんなに僕を楽しみに待っていてくれる魔法少女なんてマミが初めてだよ」

まどか「…そうなんだ」

キュゥべえ「だから僕も時間があれば極力マミに会いに行っているんだけどね」

まどか「…優しいんだね」

キュゥべえ「それほどでもないよ」

まどか「…」

キュゥべえ「でも、今日みたいなマミを見たのは初めてだ」

キュゥべえ「きっと今までのストレスや鬱憤が溜まっていたんだろうね」

まどか「マミさん…」

キュゥべえ「だから、マミを許してあげてくれないかな」

まどか「…許すもなにも、悪いのは私だから…」

キュゥべえ「まどか、君もマミと似ているね」

まどか「えっ?」

キュゥべえ「君たち人類は分かりかねることが多い」

キュゥべえ「さっきの出来事は一見すれば悪いのはマミだ」

キュゥべえ「でもそうとは思わないんだろう?」

まどか「…うん」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

まどか「だって、私がマミさんの気持ちを考えないであんなこと言ったから…」

キュゥべえ「なるほどね、じゃあ本題に入らせて貰うよ」

まどか「なに…?」

キュゥべえ「まどか、君は僕と契約して魔法少女になってもいいのかい?」

まどか「…」

キュゥべえ「さっきマミにはそう言っていたよね」

まどか「あれは…」

キュゥべえ「僕は準備できているよ」

キュゥべえ「後は君が願い事を言うだけだ」

まどか「私…」

キュゥべえ「まどか、君は何を願う?」

まどか「…ごめんね、キュゥべえ」

キュゥべえ「ん?」

まどか「私…やっぱり魔法少女にならない…」

キュゥべえ「どうして?」

まどか「だって…マミさんがなっちゃダメだって」

まどか「…マミさんがここにいたら絶対なっちゃダメだって言うと思うの」

キュゥべえ「でも契約をするかしないかを決めるのはマミじゃない」

キュゥべえ「まどか、君自身が決めるんだよ」

まどか「わかってる…わかってるけど」

まどか「でも、やっぱりなっちゃダメかなって思うんだ」

キュゥべえ「なるほどね」

まどか「だから私、やっぱり…魔法少女になれない…」

まどか「なりたく…ないよ」

キュゥべえ「そうかい、わかったよ」

まどか「キュゥべえ…」

キュゥべえ「僕も無理して君と契約するつもりはない」

キュゥべえ「君が魔法少女になるつもりがないのなら、ここでお別れだね」

キュゥべえ「僕は他の契約を待っている子の所へ行かせて貰うよ」

キュゥべえ「まだマミと関わるのなら会うことはあるかもしれないけどね」

キュゥべえ「それじゃあ元気でね」

まどか「…待って」

キュゥべえ「ん?」

まどか「キュゥべえ…お願いがあるの」

キュゥべえ「僕にお願い?」

まどか「う、うん」

キュゥべえ「願い事かい?それなら…」

まどか「あっ、その…そうじゃないの」

キュゥべえ「じゃあ何なんだい?」

まどか「えぇと…マミさんのこと、なんだけどね?」

まどか「魔法少女にならないで…マミさんの力になる方法ってないのかな?」

キュゥべえ「マミの力になる方法?」

まどか「うん、こんな私でもマミさんの力に…マミさんの役に立てるんだったら」

まどか「それをしたい…少しでもマミさんに恩返しがしたいんだ」

キュゥべえ「…」

まどか「キュゥべえ、ちょっとでもいいから…何かないかな?」

まどか「私、がんばるから…!」

魔法少年オリ主最強ハーレム OR まどか☆マギカの原作知識有りチート男オリ主SS
ヴァンパイア十字界×禁書
スレイヤーズ×禁書
スレイヤーズ×ヴァンパイア十字界
ヴァンパイア十字界×まどか
ヴァンパイア十字界×Fate
Bleach×禁書
ダイの大冒険×禁書
ダイの大冒険×Fate
まどか×Bleach
ダイの大冒険×まどか
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ToLOVEる×まどか
ヴァンパイア十字界×まどか
blackcat×まどか
CODE:BREAKER×まどか
吸血殲鬼ヴェドゴニア×まどか
PHANTOM OF INFERNO×まどか
天使ノ二挺拳銃×まどか
鬼哭街×まどか
Claymore×まどか
スレイヤーズ×まどか
dies irae×まどか
式神の城×まどか
鬼切丸×まどか
真・女神転生CG戦記ダンテの門×まどか
鬼畜王ランス×まどか

キュゥべえ「まどか、僕たちはそういったことはしないんだ」

まどか「えっ?」

キュゥべえ「僕たちは君たちに魔法少女になる契約をするだけ」

キュゥべえ「それ以外には極力干渉しないようにしているんだ」

キュゥべえ「だから」

まどか「で、でもっ!」

まどか「キュゥべえは…マミさんに…」

キュゥべえ「…」

まどか「キュゥべえ、お願い…!」

キュゥべえ「…やれやれ、仕方ないね」

まどか「キュゥべえ…!」

キュゥべえ「ヒントだけだからね」

まどか「えっ?」

キュゥべえ「マミは本当はすごく寂しがっているんだ」

キュゥべえ「帰りを待つ人がいない家で今も泣いてるんじゃないかな」

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まどか「マミさん…」

キュゥべえ「まどか、君は魔法少女になる以外にもマミを助けることはできるだろう?」

まどか「あっ…!」

キュゥべえ「マミは1人で寂しがっているんだ、だったら…」

まどか「だったら…!」

キュゥべえ「後はわかるね?」

まどか「…うん」

キュゥべえ「じゃあ、僕は失礼させてもらうよ」

キュゥべえ「マミを宜しく頼むよ」

まどか「ありがとう、キュゥべえ…!」

まどか「私…がんばるよ!」

公園

マミ「はぁ…」

マミ「私…ほんとにダメな子ね…」

マミ「せっかく出来た大切な後輩なのに…」

マミ「もう…鹿目さんに会わせる顔がないわ…」

マミ「また…ひとりぼっち、か」

マミ「…キュゥべえ、寂しいよ」

マミ「側にいてよ…キュゥべえ」

キュゥべえ「呼んだかい?」

マミ「えっ?」

キュゥべえ「やれやれ、家にいないと思ったらこんな所にいたんだね」

マミ「キュゥべえ…!」

キュゥべえ「ん?」

マミ「キュゥべえ!」ダキッ

キュゥべえ「…」

マミ「キュゥべえ、寂しい…寂しいの…!」

マミ「キュゥべえ…今だけでいいから側にいて?」

マミ「また私…ひとりぼっちになっちゃうよ…」

キュゥべえ「…悪いけど、お断りさせてもらうよ」

マミ「えっ?なんで…?」

キュゥべえ「僕たちはこう見えて忙しいんだよ」

マミ「でも、私にはキュゥべえしかいないの…」

キュゥべえ「そうかな?」

マミ「だって…私にはお父さんもお母さんもいないのよ?」

マミ「それにお友だちだって…」

キュゥべえ「マミ、はっきり言わせて貰うよ」

マミ「えっ?」

キュゥべえ「そうやって自分から孤立するのは良くないよ」

マミ「…どういうこと?」

キュゥべえ「もっとしっかり周りを見てごらんよ、答えはそこにあるから」

マミ「えっ?」

キュゥべえ「またね」

マミ「あっ、待って!」

マミ「…キュゥべえ?」

マミ「…わからないわよ」

マミ「私…ひとりぼっち…」

マミ「はぁ…」

マミ(…でも、こうやって何時までもくよくよしてられないわ)

マミ(ひとりでも、強く生きるって決めたんだから…!)

マミ(ひとりでも…)

マミ「…帰りましょう」

マミホーム

マミ「…」ガチャッ

マミ「あ、あれっ?」

マミ(うそ…?鍵を開けっ放しにしていたのかしら?)

マミ(それとも…泥棒?)

マミ(ど、どうしよう…泥棒だったら…)

マミ(そ、そうだわ、変身すれば負けないはずよ…!)

マミ「よし…変身して…」

ガチャッ

マミ「きゃっ?」

まどか「あっ、おかえりなさい!」

マミ「…え?」

まどか「てへへ、この前教えてもらった隠し場所から鍵、取っちゃいました」

マミ「か、鹿目…さん…?」

まどか「ごめんなさい、勝手にお邪魔しちゃって」

マミ「何で…あなたが…?」

まどか「マミさん!私、お料理作ってきたんです!」

マミ「えっ?お料理…?」

まどか「はい!…と言っても急だったからパパに頼んで一緒に作ってもらったんですけど」

まどか「急いで持ってきたらマミさんお留守だったから、勝手に入っちゃいました」

まどか「ごめんなさい」

マミ「え…あ…いや…」

まどか「取り合えず、上がってください?」

まどか「マミさんのお家なんだけど」

マミ「そ、そうね…」

まどか「マミさん、おかえりなさい」

マミ「た…ただいま」

まどか「てへへ」

マミ「鹿目さん…何で…?」

まどか「あっ!準備してきますね」

マミ「あっ…」

マミ(何で…?何で鹿目さんが私の家に?)

マミ(私は鹿目さんに酷いことを言ったのよ?嫌われるようなことを…)

マミ(泣かせてしまったのよ?)

マミ(なのに、何で鹿目さんはここにいるの…?)

マミ(何で…)

まどか「マミさん、準備できましたよ」

まどか「どうぞ、サンドイッチです!さっきはあんまり食べられなかったし、大丈夫だよね?」

マミ「…ええ」

まどか「ごめんなさい、私…まだちゃんとお料理できなくて」

まどか「簡単なものしか作れないから…」

マミ「ううん、ありがとう」

まどか「あっ…えへへ」

まどか「じゃあ…」

マミ「ええ、頂くわ…でもその前に」

まどか「えっ?」

マミ「…鹿目さん、どうしてここにいるの?」

まどか「それは…隠し鍵を使ったから…あっ、ご、ごめんなさい!」

まどか「勝手にお邪魔しちゃって…」

マミ「ううん、それはいいの」

まどか「えっ?なら…」

マミ「そうじゃなくて…なんで私に会いに来たの?」

まどか「…」

マミ「鹿目さん?私はあなたに酷いことを言ったのよ?」

マミ「日頃の鬱憤を何の罪もないあなたにぶつけたの」

マミ「嫌われて当然のことをしたのよ?」

マミ「なのになんで…鹿目さんはそんな私のところに…」

マミ「なんで…?」

まどか「私、マミさんのこと嫌いになんかなってないですよ?」

マミ「えっ?でも…」

まどか「それに、あれは私が悪かったから…」

まどか「だから、ごめんなさい」ペコッ

マミ「そ、そんな!頭を上げて?」

まどか「でも…」

マミ「あれは鹿目さんは悪くないわ、全部私が悪いの」

まどか「じゃあ…許してくれるんですか?」

マミ「ええ、もちろんよ」

まどか「てへへ、ありがとうございます」

マミ「いえ…むしろ謝るのは私の方よ」

マミ「鹿目さん、ごめんなさい」ペコッ

まどか「ま、マミさんっ?」

マミ「全部…全部私が悪いの」

マミ「勝手に鹿目さんを巻き込んで、八つ当たりして、泣かせてしまって…」

マミ「先輩として…ううん、人として最低なの、私は…」

まどか「な、何を言ってるの?」

マミ「ごめんなさい…」

まどか「や、やめて?マミさんっ!」

マミ「ううん、やめられないわ」

マミ「だって、私は…私は…」

マミ「うぅっ…」ポロポロ

まどか「あっ…マミ…さん…?」

マミ「私…ダメな子だ…」

マミ「鹿目さんの前では…カッコ悪いとこ見せたくなかったのに…」

マミ「カッコ悪いとこどころか、酷いことをしてしまって…」

マミ「私…私っ…」

まどか「マミさん…ね?やめてくださいよ」

まどか「マミさんは悪くないから…!」

マミ「鹿目さんっ…」

まどか「マミさんは何も悪くないし、それに…誰もマミさんを責める資格なんてないよ」

まどか「マミさん、いっつもみんなの為に戦ってくれてありがとうございます」

マミ「鹿目…さん…」

まどか「なんて言われてもやっぱり、マミさんは憧れの先輩だよ?」

まどか「強くてカッコいい、そんな先輩なの」

マミ「なんで…?」

まどか「だって、マミさんだから」

マミ「…え?」

まどか「私が憧れた先輩はマミさんだけだもん」

マミ「鹿目さん…?」

まどか「今日は…ちょっと問題があったかもしれないけど、それは変わらないから」

まどか「だから、マミさんは今までも、そしてこれからも私の憧れの先輩なんですよ」

マミ「…ありがとう」

まどか「てへへ」

マミ「…ふふっ、何でだろう…まだ涙が止まらないの」ポロポロ

マミ「嬉しいのに…!」

まどか「…マミさん、なんならいっそのこと」

まどか「思いっきりないちゃえばいいんだよ」

マミ「えっ?」

まどか「今日は…ううん、今日からは私がいるから」

まどか「もうマミさんはひとりぼっちじゃないから」

まどか「だから…ね?」

マミ「…ありがとう、でも大丈夫」

まどか「えっ?」

マミ「やっぱり、カッコ悪いとこみせられないものね!」

まどか「…ふふっ、そうですね」

マミ「ええ、それよりも…」

まどか「?」

マミ「その、『今日からは私がいるから』ってどういう意味なの?」

まどか「あぁ、それは…」

まどか「私、考えたんです」

まどか「魔法少女にならないで、マミさんの力になる方法をね」

マミ「魔法少女にならないで?」

まどか「はい、キュゥべえがヒントをくれたんですよ?」

マミ「キュゥべえ…!」

まどか「…私に出来ることは限られてるかもしれないけど、出来ることはあるから」

まどか「出来ることは全部やろう、って決めたんです」

マミ「全部…?」

まどか「その…なんて言うか…えぇと」

まどか「マミさんの帰りを待つと言うか…一人にしないって言うのかなぁ…んと…」

まどか「とにかく、マミさんと一緒にいるって決めたんです」

マミ「私と一緒にいる…」

まどか「うん、いっつもは無理でも、放課後とか空いてる時間は全部!」

まどか「うちは門限とか厳しくないから、たぶん大丈夫」

まどか「それに、パパに頼んだらご飯一緒に食べようって言ってくれたの」

まどか「だから、一緒にご飯食べたり遊んだりできたら」

まどか「それはとっても嬉しいなって!」

マミ「鹿目さん…」

まどか「…ダメ、ですか?」

マミ「…」

まどか「マミさん?」

マミ(…私、やっぱりダメな子よ)

マミ(それも幸せな…ね)

マミ(そっか、私…ひとりぼっちじゃなかったのね)

マミ(こんなに近くに、私のことを思ってくれる人がいるんだものね)

マミ(キュゥべえが言っていたことはこのことなのかしら?)

マミ(…ありがとう、キュゥべえ)

マミ(鹿目さん!)

マミ「ありがとう、鹿目さん」

まどか「あっ…」バァッ

マミ「ふふっ、まだ涙が止まらないわ…」ポロポロ

マミ「でも嬉しい…嬉しいの」

まどか「マミさん…!」

マミ「でもいいの?お家の人に迷惑じゃない?」

まどか「ううん、パパもタツヤも歓迎だって」

まどか「それに、ママも絶対歓迎してくれるよ」

マミ「ふふ、そっか」

まどか「だから、遠慮しないでくださいね?」

まどか「いつでも…毎日でも歓迎しますから!」

マミ「ええ、でもさすがに毎日はね…」

まどか「大丈夫ですよ?」

マミ「ううん、寂しくなった時は遠慮せずにお邪魔させてもらうわ」

まどか「…はいっ!」

マミ「ふふっ、ありがとう」

まどか「てへへ」

マミ「それじゃあ、さっそくいいかしら?」

まどか「何ですか?」

マミ「このサンドイッチ、2人で食べましょう?」

まどか「…うん!」

マミ「ふふ、いただきます」

まどか「いただきます」



まどか「…どう?美味しいですか?」

マミ「ええ、とっても」

マミ「今までで一番のサンドイッチよ!」

まどか「えへへ、やった!」

数日後

マミ「お待たせ、今日も授業が長引いちゃって」

まどか「ううん、それにまだ私しか来てませんから」

マミ「美樹さんと志築さんはまだなの?」

まどか「はい、ちょっとあって」

マミ「そう、今日は4人で帰られないのかしら?」

まどか「そうですね、4人じゃ帰られませんね」

マミ「なら…」

まどか「だって、今日からは5人になるだから!」

マミ「えっ?5人?」

まどか「うん、今日うちのクラスに転校生が来たんですよ」

マミ「そう、その子と仲良くなったのね?」

まどか「はい!暁美ほむらって名前で可愛いんですよ」

マミ「なら、私も仲良くならなきゃね」

まどか「そうですね!」

マミ(あれからも私は魔女と戦い続けているわ)

マミ(それに、もう魔法少女体験コースは止めたの)

マミ(やっぱり鹿目さんに危険な目をあわせる訳にはいかないからね)

マミ(でも、私はひとりぼっちじゃない)

マミ(私には帰りを待っていてくれる人が、お友だちが)

マミ(鹿目さんがいるから)

マミ(それに、美樹さやかさんとも、志築仁美さんともお友だちになれたの)

マミ(だから私はもう、ひとりぼっちじゃないのよ)

マミ(離れていても、私には大切なお友だちがいるのだから、ね)

マミ(だからもう何も怖くない)

マミ(私がこの子達を、見滝原を守るんだからね)

マミ(負けるもんですか)

さやか「おーい!まどかー!マミさーん!」

まどか「あっ、来た」

仁美「まどかさん、マミさん。すみません、遅れてしまって」

マミ「ううん、いいのよ?」

ほむら「ぁ…」

さやか「ほーら、ほむら自己紹介しのよ?」

ほむら「は、はい…」

マミ「ふふっ」

ほむら「ぁ…あの…その…」

仁美「ほむらさん、大丈夫ですよ」

さやか「やっぱ緊張しちゃうか」

まどか「ほむらちゃん、私が変わりにしてあげよっか?」

ほむら「…ぅ、うん」

まどか「ほむらちゃん、この人が巴マミさん」

まどか「大切な先輩」

まどか「そして大切なお友だちなの」

ほむら「巴マミさん…」

マミ「ふふっ」ニコニコ

まどか「そして…マミさん、この子が暁美ほむらちゃん」

マミ「暁美さんね?」

ほむら「は、はい」

マミ「巴マミです、よろしくね?」

ほむら「あ、暁美ほむらです…よ、よろしくお願いします」

マミ「ふふっ」

さやか「よーし!今日からは5人で下校決定だね!」

仁美「そうですわね」

ほむら「うん…」

まどか「今日からはますます騒がしくなるね」

マミ「ええ、でも楽しいわ」

まどか「そうですね」

マミ「ありがとう、鹿目さん…あなたのおかげよ?」

まどか「てへへ、そうですか?」

マミ「ええ!」

マミ「鹿目さん、美樹さん、志築さん、そしてこれからは暁美さんも」

マミ「みんな、私にとって…」

マミ「大切な後輩」

マミ「そして大切なお友だちなんだからね」

まどか「えへへ、私も同じですよ」

さやか「さやかちゃんも!」

仁美「私もですわ」

ほむら「あ…」

まどか「ほむらちゃんもだよ?」

仁美「ええ」

さやか「そうそう、これからどんどん仲良くなっちゃいますからね!」

ほむら「みんな…」

マミ「ふふっ、ね?」

ほむら「うん…!」

マミ(こうやってみんなと一緒にいることが、私にとって一番の宝物なの)

マミ(だから例えどんな魔女が相手でも私は負けない)

マミ(この宝物を絶対に守ってみせるんだから)

マミ(どんなに大きな壁があっても、越えてこせるから…!)

マミ(だから…もう何があっても)

マミ(怖くない!)

おわり

おまけ

マミ(あれから数ヵ月が経ったわ)

マミ(あの後、ワルプルギスの夜…とてつもなく強い魔女が見滝原に現れたの)

マミ(私一人では間違いなく勝てなかったわ)

マミ(…でも)

ガチャ

杏子「ただいまー」

マミ「おかえりなさい」

杏子「ほら財布、言われたもん買って来たぞ」

マミ「いつもありがとう」

杏子「なーに、こっちは居候させてもらってんだからさ」

杏子「お使いくらい頼まれてやるさ」

マミ「ふふっ」

杏子「で、今日は何を作るんだ?」

マミ「材料で分からなかった?」

杏子「え?あー…んと…」

マミ「今日はね」

ピンポーン

杏子「ん?」

マミ「あら、もう来たみたいね」

杏子「誰か来るのか?」

マミ「ええ、実はね?今日はパーティーなの」

杏子「えっ?マジかよ!」

マミ「ふふ、だから待ってて?」

ガチャ

さやか「こんにちはー!」

ほむら「こんにちは」

マミ「みんな、いらっしゃい」

マミ「さあ、入って?」

仁美「はい、お邪魔しますわ」

まどか「えへへ、お邪魔しまーす」

杏子「おっ、さやか達じゃねーか」

さやか「やっほー」

杏子「なんだよ、久しぶりじゃんか」

さやか「えぇ?4日ぶりくらいでしょ?」

杏子「そうか?」

さやか「あんた、普段寝てばっかだから感覚ずれてんじゃないの?」

杏子「なんだと?」

マミ「まぁまぁ、佐倉さんは最近勉強を始めたのよ?」

さやか「えっ?マジっすか?」

杏子「…まあな」

さやか「えっ?なに?学校に言ってんの?」

杏子「いや…」

マミ「学校はいろいろあって入学が難しいの」

マミ「だから私が佐倉さんに教えてるの」

さやか「へぇー」

まどか「これが本当の家庭教師だよね」

ほむら「うん、そうだね」

仁美「ふふっ」

さやか「でも何で?」

杏子「あー…それは」

マミ「高校よ」

さやか「えっ?高校?」

マミ「高校ならなんとか入ることができそうなの」

マミ「だから、入試に向けて私が教えているのよ」

さやか「マジ?」

杏子「…ああ」

マミ「でも流石に今からじゃ今年度は厳しいから、来年度になるの」

さやか「えっ?なら…」

ほむら「私たちと同学年になるのかな?」

まどか「うん、そうだよ」

さやか「へぇー、杏子がねぇー」

杏子「ま、マミのやつが無理矢理!」

仁美「杏子さん、一緒に頑張りましょうね」

杏子「…ああ」

マミ「佐倉さん、実は今日のパーティーは佐倉さんの為のものなのよ」

杏子「えっ?あたしの?」

まどか「うん、みんなで杏子ちゃんを応援するパーティーなんだよ」

さやか「そう、だから感謝したまえ?」

仁美「私たちもこれからは一緒にお勉強致しますわ」

ほむら「わ、私も…!」

杏子「みんな…」

マミ「ふふっ、じゃあ今から準備に取りかからなきゃね」

まどか「あっ、手伝います」

まどか「ほむらちゃん、行こっ?」

ほむら「うんっ」

仁美「私も」

さやか「あたしもやるやるー」

マミ「みんな、ありがとう」

マミ「先に始めてて?」

まどか「はーい」

杏子「…なんか悪いな」

マミ「そう?みんな喜んでしてくれるわよ?」

杏子「いや…こんなあたしなんかの為にさ」

マミ「ふふっ、みんなお友だちでしょ?」

杏子「…ああ、そうだな」

マミ「それにね?佐倉さん、あなたは私にとって最初の」

マミ「大切な後輩」

マミ「そしてお友だちでもあるの」

杏子「マミ…」

マミ「佐倉さん、帰ってきてくれてありがとう」

杏子「いや、あたしこそ…ごめんな?」

杏子「そして、ありがとね」

マミ「うんっ」

杏子「へへっ」

まどか「マミさーん、杏子ちゃーん」

マミ「呼ばれたことだし、私たちも行きましょうか」

杏子「ああ!」

マミ(そう…まだ私たちの人生は走り始めたばっかりなのよ)

マミ(未来を描くために、ね)

マミ(これからも大変なことはたくさんあるだろうけど)

マミ(明日を信じて祈るの)

マミ(ずっとみんなと仲良くいられますように、ってね)

マミ(だからもう何があっても挫けないわ)

マミ(絶対に、ね)

おわり

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