京子「そばにいて」(185)

~誰かの夢~



結衣『なぁ、京子』

結衣『私は、京子のことが好き』

結衣『京子は私のこと、どう思ってるの……?』

京子『……』

結衣『京子……?』




京子『ごめん、いつも一緒に居すぎてて好きとかそういうの、よくわかんないや!』テヘッ

京子『じゃあ、ね……』スゥー


結衣『京子!なんで……消えないでよ!』

結衣『京子っ!京子ーっ!!』

結衣「…きょうこぉぉぁああああああああああっ!!??」ガバッ

ジリリリリリ……

結衣「はぁっ、はぁっ……」

結衣「な、なんだ、夢か……」

結衣(しかしなんであんな夢を……?)

結衣(欲求不満……?)

結衣「ないないないないっ!」アセッ

ジリリリリリ……

結衣「…え?もうこんな時間!?早く用意しないと遅刻しちゃう!!」


~教室~



結衣「ふー、なんとか間に合った……」

京子「おっ、結衣ー!珍しいじゃん遅刻ギリギリだなんて」

結衣「誰のせいだと……」ブツブツ

京子「ん?なんか言った?」

結衣「い、いや、なんでもない」

京子「あかりもちなつちゃんも一緒にギリギリまで待ってたんだよー?メールしても返ってこないし」

結衣「ほんっとごめん!バタバタしてて携帯確認してなかった」

京子「二人ともすごく心配してたからあとで遅刻の理由説明してあげなよ?」

結衣「ぜひそうするよ」

京子「ところでさ」

結衣「ん?」

京子「珍しく遅刻した理由、私も詳しく知りたいなーっと」

結衣「た、ただの寝坊だよ寝坊!」

京子「えー?結衣が寝坊するなんて凄く珍しい気がする」

京子「もしかして夢の中で愛しの京子ちゃんが出てきてなかなか覚めなかったとか!」

結衣「うへっ!?」ギクッ

結衣「ななな、何言い出すんだこのバカ!あるわけないだろそんなこと」

結衣「目覚まし時計の電池が切れててアラームがならなかったんだよ」

京子「ふーん……」

結衣(我ながら実に苦しい言い訳……)





京子「私はさ、今日夢に結衣が出てきたんだよ!」

結衣「へ、へえ……///」ドキドキ

京子「結衣んちで、結衣特製のカレーライスをいっぱい食べる夢!」

結衣「なんか……やけにリアルだな……」

京子「たぶん正夢だと思うなー……なんて」

結衣「帰りにカレーの材料買わなきゃいけないな」

京子「結衣はん、おおきに!おおきに!」ペコリペコリ

結衣「急にキャラ変わるくらいカレー食いたかったのかよ……」



結衣(まったく、京子はいつも遠回しに理由付けては夕食ねだってくるな……)

結衣(私はお前の給食当番じゃないってーの……」

結衣「……!!」

結衣(京子は私のこと……そんな風にしか思ってないんじゃ……?)

結衣「いつも一緒に居すぎるから……」ブツブツ

京子「結衣ー?どーした、独り言なんかして」

結衣「な、なんでもないよ!」アセアセ

京子「それより、次は理科室だから早く行こうぜー?」

結衣「お、おう、悪い悪い……」

京子「……」




~下校時間前の校門前~

結衣(京子のやつ遅いな……)

タッタッタッ

京子「ごっめーん!待ったー?」キャッキャッ

結衣「いや、今来たところだ……ってなんだそのノリ」

京子「初めてのデート待ち合わせごっこ!今日どこいこっかー?結衣君の行きたいとこなら私どこでもいいよー!」ウフフ

結衣「はいはいさっさと買い出し行くよ……って、さりげなく手を繋ごうとするなよ!///」

京子「えー?いいじゃん減るもんじゃないし」ブーブー

結衣「いいからほらさっさと行くぞ!」

京子「結衣のケチー……」

京子「……」


結衣「そういや、なんで遅れてきたんだ?」

京子「えっ、いや、あの、綾乃にプリント渡し忘れちゃっててさぁ……」アセアセ

結衣「またか……」ハァ

京子「ついでに生徒会室のプリンもいただいてやったぜ!」

結衣「綾乃……不憫な子……」

~ショッピングセンター~

京子「隊長!私はラムレーズンとお菓子の売り場を偵察に行ってくるであります!」

結衣「はいはい……じゃあ私は一通り店内回ってるから」

京子「らじゃあー!」タッタッタッ

結衣「まったく、幼稚園児かあいつは……」


結衣(恥ずかしげもなく私に触れてきたり……恥ずかしいこと言ったり……)

結衣(京子は何とも思ったりしてないんだろうな……)

結衣(私が近くに居すぎるから……好きとも思われてない……)

結衣「はぁ……」

???「話は聞かせてもらったわよ!」

???「うちらがその悩み、解決したるわー!」


結衣「えっ!急に何!?」


あかね「我等、純情戦隊!」

千歳「ユリレンジャーぁ!!」ビシッ

結衣「……」

結衣「あかねさん……千歳……こんなとこで何やってんの……?」

あかね「あら、恋する乙女の嘆きの声が聞こえたから駆け付けてきたまでよ?」ウフフ

千歳「うちも、船見さんの溜息が聞こえたから来たまでやでー?」ウフフー

結衣「ふ、二人とも今出会ったばかり……?」

あかね「そういえば初対面ね……どうも、妹のあかりがいつもお世話になってます、姉の赤座あかねです」

千歳「こちらこそ、赤座さん……いや、あかりちゃんにはお世話になっとりますー、池田千歳ですー」

ペコリペコリ……

結衣「今のを打ち合わせ無しで合わせたのか…この人達は……」

あかね「それより結衣ちゃん!京子ちゃんとの関係で悩んでるみたいね?」

千歳「歳納さんが船見さんの気持ちに気付いてくれへん……と?」

結衣「えぇ!?なんでわかるの?もしかして口にだしてた?」

あかね「あらあら……そんなこと、結衣ちゃんの顔を見ればすぐわかるわ」

結衣「ぐぬぬ……」グヌヌ

千歳「うちはメガネ外して読心術を使わしてもろたわー」

結衣「」

千歳「実はなぁ……我らユリレンジャーには、こういう場面で効果的に使える、とある技があんねん……」ニヤリ

あかね「私たちにしか使えないとっておきがね……京子ちゃんの気持ちを知るための必殺技が……」ニヤニヤ

結衣「な、なんなんですか……必殺技って……」

千歳あかね「ごにょごにょ……」ゴニョリンコ

結衣「……」フムフム

……………


結衣「……わかりました、やりましょう」

千歳「ほんまにー!やった!じゃあ早速準備に取り掛からんとなぁ!」

あかね「私たちはひとまず準備にかかるから、結衣ちゃん達はなるべくゆっくり部屋に戻ってね!」

結衣(私がやると言った途端にこのテンションの上がりよう……なんなんだ一体……)

~買い物からの帰途~

京子「さぁて、早く帰ってラムレーズンだ!」

結衣「……」

結衣「あ、あのさ……京子」

京子「どったの?買い忘れでもした?」

結衣「きょ、今日は急にナモハザ4がしたくなったから持ってきてよ!」

京子「え、いつもはあのゲームやりたがらないじゃん?」

結衣「今日はやりたいの!だから京子は一旦家に帰りな!な?」

京子「なんだよー急に……わかったよ、そんなに結衣が言うなら」

結衣「先に帰ってカレー作って待ってるから、なるべくゆっくり来いよなっ!」

京子「隠し味に林檎すりおろし、忘れんなよぉー!」タッタッタッ

結衣「捨て台詞なのか今のは……」

結衣「(さて……早く帰って準備しないと)」タッタッタッ

~結衣宅~

ピンポーン


京子『……』ウズウズ

結衣「山……」

京子『でらこういち!!』

結衣「帰れ」

ガチャン
京子「なんだよなんだよー!物真似くらいやってみろよー!」オーハー

結衣「さっぱりにてねえよ」

♪シーンパーイゴームヨーセンセースキニ……

結衣「あ、メールだ……」

『カメラ、マイク、すべて異常なし』

結衣(なんとか準備間に合ったな……)

~今から一時間前~

結衣「どっきり?」

千歳「そや、歳納さんの素直な気持ち知るために、一芝居打とうっちゅう作戦や……」

あかね「今日は、二人でお泊り会なんでしょう?」

結衣「えっ!?ま、まぁ……///」

あかね「ちょうどいいわ……結衣ちゃんの家に事前に隠しカメラとマイクを仕掛けて……」

あかね「隙を見て、結衣ちゃんが姿を消すのよ」

千歳「歳納さん、淋しがり屋なとこあるから一人になったらきっと素直な気持ちが聞けるんちゃうかなぁ」

あかね「カメラとマイクは任せて、あかりの部屋に……じゃなくって、いざと言うときにと思って買ってあるから」

千歳「監視部屋はうちんとこ使い、赤座さんとこやとあかりちゃんがおって怪しまれたらあかんし……」

結衣(とんとんと話が進んでいる……私の意向なしに……)

千歳「とにかく、うちら以外にはバレたらおしまいやから、船見さんも気ぃつけて」

結衣「う、うん……」

あかね「カメラとマイク、あと設置場所については結衣ちゃん家のポストに入れておくわね」

結衣(なんなんだこの手際のよさは……!?こわい……)

千歳「……全ては恋する乙女のためやで!船見さん!」グッ

結衣「また心読まれた!?」

~結衣宅~

結衣「もうすぐカレー出来るから、早く夕食にしようか」

京子「よっしゃー!」



京子「やっぱり結衣のウインナーカレーは美味しいなぁー!」

結衣「そんな、普通に作っただけだよ」

京子「いや、結衣が作ってくれたってだけで全然美味しさが違うよ?」

結衣「そ、そうか……///」

京子「私への愛情がたっぷり溶け込んでるからかな!」

結衣「茶化すな、ばか///」

京子「へへへ……」

結衣「お風呂の準備も出来てるから、京子から先に入っておいで」

京子「え~、今日は一緒に入らないの~?」

結衣「ば、バカ!何言い出すんだよ!入るわけないだろ!?///」

京子「え、いつも入ってるじゃん?」キョトン

結衣(くそっ……監視カメラ付いてるから普段隠してる個人情報がまる見え……///)

結衣「と、とにかく今日は京子一人で入りな!私は後で入るから!」

京子「ぶー……まぁいいや、結衣にも一緒に入れない事情ってやつがあるんだね……」

京子「私も同じ女の子だからわかるよ」ニヤニヤ

結衣「だ、だから、わかったなら早く入れよ!///」

京子「ほいほ~い」
トテチテトテチテ……


結衣「この隙を利用するしかないな……!」

結衣(ごめんな……京子……)

~数分後、池田宅~


結衣「おじゃまします……!?」

結衣「何このモニターの数……」

千歳「うちもさすがにこんな数あるとは思わんかったで……おばあちゃんに説明するのが大変やったわー」

結衣「これ全部あかりの部屋に……あかりは本当に不憫な子……」ホロリ

あかね「あ、結衣ちゃん!早くこのヘッドフォン付けて!京子ちゃんがそろそろお風呂から上がるわよ!」ワクワク

結衣「は、はい……」

結衣(なんでこの人こんな盛り上がってんだ……?)





結衣「お、京子が部屋に入ってきた……」

京子『あー、いい湯だったー!さて結衣、次はお前の……って、あれ?』

京子『結衣いねぇ……トイレかな?』

京子『さっきも一緒に風呂入りたがらなかったし、体調もあんまりよくなかったのかな』




あかね「一緒にお風呂……///」

千歳「どこの新婚夫婦や……///」

結衣「もう!二人して茶化すなよ!///」

京子『結衣遅いな……』

京子『結衣ー?結衣ー!』トテトテ

京子『あっれ……結衣の靴がない……』

京子『コンビニでも行ったのかな……まぁ帰ってくるまで待ってよーっと』




千歳「それにしても歳納さんの寝間着姿、かわええなぁ」

あかね「あれは何の形なのかしら?イチゴ?」

結衣「いえ、トマトです……前にごらく部みんなでお泊り会した時にきぐるみパジャマをお揃いで持ってきたんです、京子が」

あかね「へぇー……結衣ちゃんのはちなみに何のきぐるみなのかしら?」

結衣「ぱ……ぱんだ……///」

千歳「船見さんもかわええなぁー」ニヤニヤ

~監視開始から2時間経過~


京子『本当に結衣おそいなー!どこ行ったんだ……あいつは』

結衣「千歳んちだよ」

京子『携帯に何度かけても通じないし……』

結衣「電源切ってるからね」

あかね「結衣ちゃん、画面越しに京子ちゃんにツッコミ入れても伝わらないからね……」

結衣「あ、いや、その、あいつさっきから携帯見てばっかで、あんまり動きがなくて暇だったものでつい……///」

千歳「ほんま船見さんは歳納さんにゾッコンなんやね~」

結衣「ばっ///……まぁ……京子のことは……大切に思ってるよ……///」カァー

あかね「あらあら」ウフフ

千歳「なぁ船見さん、この作戦は歳納さんの気持ちを確認するために行っとるんやろ?」

結衣「ああ……計画したのは二人だけどな」

千歳「なら、この監視が終わったあと、船見さんの気持ちも伝える予定なんやろ?」

結衣「え!?……そこまでは考えたりしなかったな」

千歳「じゃあ今ここでどう伝えるんか練習せぇへん?」ニヨニヨ

あかね「いいわねーそれ、結衣ちゃんがどういう風に告白するのか、私興味あるわ」ニヨニヨ

結衣「でっできるわけないだろ!///」

千歳「まぁまぁ……告白云々とゆうより、歳納さんのことをどう思っとるんか、それだけでもうちは知っておきたいなぁ」

結衣「う……京子は……その、なんというか……大切な人、だよ///」

あかね「もっと具体的に!」

結衣「ぐぅ……///」




結衣「小さい頃から一緒に過ごしてきて、ずっと私が守ってやらなくちゃって思ってた」

結衣「大きくなった今でも、破天荒で面白いことたくさん思い付いて、全然飽きないっていうか、ずっとこれからも一緒にいたいっていうか……」

結衣「とにかく、京子のことが……好き……なんですっ///」カァー




あかね「まぁ///」

千歳「ええわぁ……」トポトポ

あかね「あら、鼻血?ティッシュをどうぞ」

千歳「えろうすいまへん……」

結衣「あー、恥ずかしくって死ぬかと思った……///」

あかね「いいじゃない、応援するわ」

結衣「……というか今更だけど、千歳は綾乃のこととか大丈夫なのか?綾乃の気持ち知らないわけはないと思うんだが……」

千歳「ああ、綾乃ちゃんのことは気にせぇへんとってええんよ」

千歳「うちは全世界の恋する乙女の味方やから、いくら仲がええって言っても綾乃ちゃんばかり贔屓はせぇへん主義なんや」

千歳「それに……綾乃ちゃんかて、このままみすみす船見さんに歳納さんを渡すような真似はせぇへんと思とるし」ニヤリ

あかね「いいわねー三角関係……青春よねー」シミジミ


結衣「ははは……」アセッ

~監視開始から3時間~



京子『あかりにも……ちなつちゃんにも連絡がつかない……』ガーン

京子『どこにいったんだー!!結衣ぃー!!』


千歳「そういう根回しはキチンとさしてもろたでー」


京子『私一人で結衣んちを空けるわけにもいかないし……』

京子『くっそー!早く帰ってきてよー結衣ー!』


あかね「そろそろ本音が飛び出してきそうね……」ゴクリ

京子『お風呂上がりに一緒に食べようと思ってたラムレーズン……』

京子『結衣いないし先に食べちゃおうっかなー』

京子『……』

京子『だめだだめだ!結衣と一緒に食べるからラムレーズンは美味しいんだから!結衣が帰ってくるまで我慢!!』


千歳「歳納さん、なんて健気なんや!」

結衣「京子……」フルフル

結衣「(私も京子と一緒にラムレーズン食べたいよぉ……!京子ー!!)」

あかね「結衣ちゃんにも禁断症状が現れはじめたわね」

結衣「だ、だから心の中を勝手に覗かないでくださいよ!///」

あかね「うふふ……けど今はまだ我慢よ、結衣ちゃん」

~監視開始から4時間~


京子『結衣……帰ってきてよぅ……』

結衣「京子……」

京子『なんだか……眠くなってきちゃった……結衣が戻るまで起きてたいのに……』

京子『あぁあー……これはきっと神様と結衣からの天罰なんだなー……』


千歳「あまりの睡魔によくわからんこと言うてる……」

京子『私が結衣に迷惑ばっかりかけてるから……私がいつも素直じゃないから……』

結衣「違う……違うよ京子……」

京子『もっと私がしっかりしなきゃいけないのになぁー……結衣を守ってあげられるくらい……』

京子『昔っから弱虫な私を守ってくれた結衣……そんな結衣みたくなりたくて頑張ってみたけど……全然だなぁー……』

京子『結衣が傍にいないだけで……こんな不安になるなんて……』ウルウル




京子『そばにいてよ……結衣ぃ……』ポロポロ


京子『私とずっと一緒にいてよ……結衣……ぃ』ポロポロ

結衣「……!!」ダッ

千歳「ま、待ちぃ船見さん!!」

結衣「もういいだろ!京子の気持ちはよくわかったから!京子をこれ以上一人になんてできないよ!」

あかね「今京子ちゃんのとこにいったら何もかも台なしよ?だから京子ちゃんが寝るまでは待っていましょ」

結衣「でも……!!」ウルウル

千歳「船見さんの気持ちも痛いほどわかるで、せやけどもうちょいの辛抱や……もう眠りにつく寸前やから」

結衣「京子……っ!」

京子『ゆいぃ……好き……大好き……』ウツラウツラ


京子『ゆ…い……そばに……いて……』
スースー


千歳「よし!歳納さんが眠ったで!船見さんも家に戻って……」

あかね「もう出ていっちゃったわよ」クスッ

千歳「……ほんま船見さんは歳納さんのことが大好きなんやねぇ」



あかね「さぁて、私たちももう一仕事終わらせちゃいますか!」

千歳「そうですねぇ……ほな、おーい、千鶴ーっ!もうこっちきてええよーっ!」



千鶴「姉さん……一人で観てるのつかれた」

千歳「ほんまありがとうなぁー千鶴」

千歳「これからはこっちで一緒に見守ろうか……さ、こっちおいで、ご褒美や」ナデリナデリ

千鶴「ちょ……姉さん……///」

あかね「姉妹って……いい!!」グッ

~結衣宅~

ガチャリ

結衣「た……ただいまぁ……」コソーリ

結衣「まだ京子は寝てるか……」

京子「すぅ……すぅ……ゆいぃ……」

結衣「京子……!!」ガバッ

結衣「いや!いかんいかん!いくら寝顔が可愛すぎて天使みたいだからって、ぐっすり寝てる京子を気持ちに任せて襲うなんて///」

結衣「けど……これくらいなら……いいよな」





「京子」

「大好きだよ」




チュ




結衣「……///」

結衣「我ながら恥ずかしい……///」

結衣「ああもう!もう眠いからこのまま寝ちゃえ!///」ソイネソイネ




結衣「京子……」

結衣「私が……」


結衣「わたしも……ずっと……そばにいるよぉ……」スヤスヤ





京子「……///」

~翌日の朝~



ジリリリリリ……


結衣「京子ぉ……京子ぉ……」Zzz

結衣「京子ぉぉぉぉー!!!!」ガバッ

結衣「はっ……なんだ夢か……」


結衣「京子……あれ……?京子……?」

結衣(京子がいない!?)

結衣「おい、京子!どこにいるんだ京子!!」アセアセ

結衣「トイレか!……いない」

結衣「台所!……もダメか」

結衣「京子ぉ……京子ぉ……」ウルウル

結衣「私のそばからいなくならないでよ京子ぉ……」ポロポロ






???『よばれてとびでて……』

結衣「……!!」




京子「じゃじゃじゃじゃあ~ん!!」ジャーンプ



結衣「京子!!」

京子「結衣ちゃんにそこまで求められちゃあ仕方がない……京子ちゃんだよーん」ニコリ

結衣「だからって……そんな押し入れの中に隠れてることないだろ」フフッ

京子「えへへ……昨日の仕返しだよーん……みたいな?」

京子「そして共犯者達もかもーん!」

結衣「ん……?」




ガチャリ

???「おじゃましますー」
???「まぁ、結衣ちゃんたら一人でこんないい部屋に……」
???「誰が共犯者だ歳納」





結衣「あ……おまえらは……!!」

千歳「私たち!」

あかね「ユリレンジャー!」

千鶴「でーす……って姉さん私これだけ……?」



結衣「ええ!?ど、どういうこと?共犯者?もしかしてバレてた?」



京子「ま、わかんないのも当然だよね……じゃあ千鶴、例の物を」

千鶴「偉そうに呼び捨てんな……あと、この看板はどうかと思うが」ゴソゴソ


京子「じゃーん!!」

『マル秘!ドッキリカメラ!!』


結衣「ど……ドッキリ……?」

京子「せーっの!」




京歳鶴あか「「だーいせーいこーう!!!!」」



結衣「は……?」

結衣「え、ドッキリ仕掛けたのは私で……、え?」

京子「いやあ、まさかこんな見事に引っ掛かってくれるとは、策士冥利につきますなー!」

結衣「え、じゃあ、この家に監視カメラが付いてることは……?」

京子「もちろん!だって私が考えた作戦だもの!」



千歳「昨日の放課後に突然『手伝だってほしい!』ってうちに相談をもちかけてきて、とんとん拍子に話が進んでもうてなぁ」

あかね「いきなり京子ちゃんから『力を貸してほしい』だなんて電話がきて、ほんとびっくりしたわよ」

結衣「急ごしらえの割にはやたら演技がうまかったような……」

千歳「そんな、演技ちゃうでー?」

あかね「言ったでしょ?私たちは恋する乙女の仲間だって」

千歳「だから心から二人を応援したい一心で頑張ったんや!」

結衣「……で、私は監視カメラを自ら設置して、まんまと京子の思うツボに……」

京子「それだけじゃないぜ!千鶴!また例の物を!」

千鶴「だから呼び捨てに……まぁいい、これだ」

結衣「そのスマホがどうかしたのか……?」





『京子は……その、なんというか……大切な人、です///』



結衣「!?」

結衣「これ……昨日の……///」カァー

京子「へっへっへ、カメラが付いてるのは自分の部屋だけだと思ったか!実は千歳の部屋にもカメラが仕掛けてあったのだー!」

結衣「」

京子「しかもその映像はリアルタイムで千鶴の部屋で監視、重要なシーンだけ編集してこのスマホに送ってもらっていたのだ!」

結衣「だから……昨日……なんか携帯みたいなのを……ちまちま観てたのか……」

京子「いやぁー、監視カメラで見張られてるってのに顔がニヤけちゃうのを抑えるのが大変だったなー」テレテレ

千鶴「私だって編集するのにすごく恥ずかしかったぞ……///」



結衣「うわぁ……なんかごめん///」カァー

あかね「あのー、恥ずかしがってるとこ追い撃ちをかけるみたいで悪いんだけど……」ニヤニヤ

千歳「昨日、船見さん部屋に帰ってからカメラがついとること忘れとったやろ?」ニヤニヤ

結衣「あっ……!///」

千鶴「悪いが、歳納が終了を告げるまで、一部始終を観させてもらった……」

結衣「」

結衣「終了を告げるまでって……?」

京子「うん、あの時私起きてたし」



結衣「ちくしょおー!!いっそころしてくれぇー!!///」ジタバタ

千歳「ま、まぁまぁ船見さん落ち着いて……カメラ忘れとった船見さんも少しは悪いんやし……」

結衣「だけど……だけどぉ……///」

京子「そうだそうだ!京子ちゃんのファーストキッスを奪ったことに謝罪しろ!」




結衣「調子にのんなぁー!!!///」

……………


あかね「まぁ、私たちのことはだいたい説明したし……」

千歳「邪魔んなるといけんし、もう帰るわー」ニヨニヨ

千鶴(これが上手くいけば姉さんと杉浦先輩が……///)ダラー

千歳「あらあら千鶴、よだれ垂れとるでぇー」フキフキ

あかね「もしよければこの後、あなたたち姉妹の話も聞かせてもらえないかしら……」モンモン




結衣「早く帰ってくれーっ!!」

歳鶴あか「「お、おじゃましましたー!」」トテトテ

ガチャン




京子「さぁてと……」

結衣「お前も早く出てってくれよ!///」

京子「えー?いやだよー!まだ結衣んちいるー!」



京子「だって……まだちゃんと言っても聞いてもいないから……」



結衣「京子……」

京子「結衣、今まで素直になれなくてごめんね」

京子「私、結衣に迷惑ばっかりかけて、出会ってからずっと守ってもらうばかりで、なんか結衣のそばにこのままいていいのかな?って凄く不安だったんだ」

京子「私はずっと結衣のそばにいたい……だからこの不安を吹き飛ばすためにはどうしても結衣からの気持ちを知ることが必要だったんだ」ウルウル

京子「なんか無茶なことばっかりしてごめんね……いつもワガママでごめんね……だけどね……私……」ポロポロ




京子「結衣のことが、好きなんだ」



結衣「ばか、泣くなよな……」ポロポロ

京子「結衣だって泣いてんじゃん……」ゴシゴシ



……………



京子「さ、私の気持ちは伝えたから、次は結衣の番だよ!!さあバッチコーイ!!」

結衣「ははっ、なんだよそれ、雰囲気ぶちこわし」ゴシゴシ

京子「なんだとー!……ってごめん、いつものくせで茶化しちゃった」テヘッ

結衣「まぁ……京子らしいな」




結衣「私からは……昨日の夜のでチャラにならないか?///」

京子「だめ!昨日は昨日、今日は今日!」

結衣「しかたないか」フフッ




チュ





結衣「京子、私も大好きだよ」


結衣「京子が一緒にいるだけで、私は私でいられるんだ」

結衣「だから……その……」

結衣「これからも、ずっと一緒にいような……///」




京子「う、うん……///」カァー

結衣「うわぁー顔から火吹きそう……///」

京子「いきなりキスすんだもん……私だって死ぬほど恥ずかしいよ……///」



結衣「あれー?めずらしいなぁー京子がそんなに照れるだなんて」ニヤニヤ

京子「だって!!……結衣、もしかして忘れてる……?」

結衣「え……?何を忘れるっていうんだよ」

結衣「私にはもう京子がいるんだ、他に何もないだろ!」ギュー

京子「あのー、結衣さんや、恥ずかしさのリミッターが壊れて私に抱き着いてくるのはいいんだけど……」

結衣「ん?」



京子「その……カメラ……まだ付いてるから……///」



結衣「え、ええええぇぇぇぇぇっ!!??///」


……………

千歳「これは綾乃ちゃんには見せられん永久保存版やで~」ドバババ

あかね「あらあら、うふふ」

千鶴「これで姉さんは……ウフフ……」ダラー




おしまい

支援さんくすでした

阿部真央さんの『側にいて』という曲をききながら書きました

関係一切ないんですけど

ひまなのでもう一本貯めてたやつ書きます



タイトルは


向日葵「ずっとふたりで」


『私たち、いつまで一緒にいられるかしら?』




いつだったか、私は櫻子にこう尋ねたことがある。
その時の櫻子は返答を茶化した揚句、私の胸のことに言及してきて、殴り合いの大喧嘩に発展した。

その時はただなんとなく聞いた質問。
しかし今現在、とてつもなく大きな不安に変わっていた。

私たちは、いつまで一緒にいられるのだろう。

小さな頃は、家が隣同士ということで常に二人で過ごした。
大きくなってからも、何かと理由を付けて、喧嘩をしつつも一緒にいる時間は長い。

だけど、これからはきっと違う。
私たちはそれぞれ高校を受験し、互いに違う学校で違う友達を作り、違う夢を追って違う恋をする……。

私には、それが想像できない……いや、想像したくないのだ。

小さな頃にした『指切り』……櫻子はきっと忘れてしまっているだろう、子供同士の簡単な約束事。

私はそれを胸の中でとても大切にしまい込んで生きてきた。

そして、約束と共に芽生えた小さな恋心も、胸の奥深くにしまってある。
その恋心が、私のこの不安をより大きなモノにしつつある。

私はずっと櫻子と一緒にいたい……けれど、きっとそれは無理なこと。

『女の子が好き』だなんて知れたら、きっと櫻子だけでなく周りの子も気味悪がって離れてしまうだろう。

気持ちを隠していたって、いずれ離れる時が来てしまう。

じゃあ……私は一体どうすればいいのだろう?




……………


櫻子「おーい向日葵ー!来てやったぞー!……って何黄昏れてんのさ、正直似合わないよ?」

向日葵「……」



向日葵「なっ……べ、別に黄昏れてなんかいませんわよっ!それに『来てやった』って、誰も呼んだ覚えはありませんわよ?」

櫻子「えー、言ってたじゃん。『櫻子様の宿題を代わりにやらさせていただきますわ!』って。」

向日葵「滅びれろ。そんなこと言うなら、宿題写させてなんかあげませんからね!」

櫻子「なんだよー!ケチ!ケチっぱい!」

向日葵「はいはい、何とでもおっしゃいなさいな。」

またいつものペースに持ち込まれてはかなわないので、早いうちに話を切り上げようとする。

私だって、いつも好きで好きな人と殴り合いの喧嘩をしているわけではないのだ。



櫻子「ふんだ!せっかく遊びにきてやったのに!向日葵なんかこれからずっと一人、部屋で勉強でもしてりゃあいいよ!」




ひとり……

一人。
私一人。

ずっと……ひとり……?




『…まちゃん、だいす……』

『いつでもずっと、いっ……だから……』




向日葵「……っ!!」

パシンッ

櫻子は、テレパシーや読心術でも身につけているかのように、時々核心に触れるようなことをズバズバ言う。
これで口喧嘩が大喧嘩に発展することも少なくない。
別に、櫻子が間違ったことを言っているわけではないのだけど。


私は本心を見抜いているような櫻子の物言いに、とっさに手が出てしまっていた。

しかしそれ以上に……。

櫻子「いったぁー……別に殴ることないじゃんかっ!!……あ……」

向日葵「うう……ひっぐ……」ポロポロ



櫻子の『言葉の一撃』で、大きな不安や櫻子への気持ち、その他諸々が込み上がってきて私の目から溢れていた。

こんなに涙が出るのは何年ぶりだろうか。あの約束をした日以来かな。

櫻子「え、うそ……ご、ごめん、向日葵……。泣かせるつもりじゃなかったんだよぅ……。」


そんなことはわかってる。
だって私も本当に泣くつもりじゃなかったし。


向日葵「うぇぇん!さくらこのばかぁー!」ポロポロ

櫻子「ごめんごめんごめんなさいっ!マジで泣くとは予想外すぎるよ。」

ゴシゴシと、自分の着ているシャツで私の止まらない涙を拭ってくれる櫻子。

ちょっと力が強くて痛いけれども、今の私の涙腺にはちょうどいいくらいかもしれない。

……………


どのくらいの間、私は泣いていたんだろうか。

泣き疲れて眠そうな私を心配そうに見つめながら櫻子は

櫻子「もう、泣くんだったら事前に言えよなー。こっちにも心の準備ってもんが……」

と、悪態を吐いている。
さっきまで、狼狽しきっていた人間の台詞とは思えず、少し笑えてくる。

櫻子「な、なんだよ?泣き終わったと思ったら今度は笑いだしたりして……気味悪いなぁ。」


向日葵「ご、ごめんなさい……ただ、櫻子が面白くって……。」フフッ

櫻子「あ!また笑ったなぁ!……なんだよ、心配して損した!」プイッ


櫻子は笑われたのが気に入らないらしく、そっぽを向いてしまった。
そんな姿が小さい頃からちっとも変わってなくて、櫻子はかわいいな……と心から思う。

櫻子「なぁ……向日葵?」


向日葵「え……?な、なんですの?」



急に呼びかけられたと思ったら、櫻子は凄く真剣な表情をしてこちらを振り返った。



櫻子「何か……どんな小さなことでもいいから、心配なことがあったら……私に言えよな?」

向日葵「……」

さっきの私の涙から、櫻子はやけに優しい。やっぱり女の涙は武器になるのかしら。
その櫻子の優しい言葉に、枯れたはずの涙がまた目を潤ませる。

そして、出てきたのは涙だけではなかった。


向日葵「櫻子……。」

櫻子「うん。大丈夫。私は向日葵のことだったらなんだって受け止められる自信あるし!」


向日葵「あのね……」







「私たち、いつまで一緒にいられるのかしら……」




櫻子「えっ……?」



なんだか意外な質問をされたような顔をしている櫻子。


向日葵「私ね……、近頃ずっとずっとずーっと、そんなことを考えているの……。」

櫻子「……」

向日葵「櫻子とは本当に小さな頃から二人一緒でしょう?だけど……これからのクラス替えで一緒のクラスになれるかどうかわからないし……。」


櫻子「まぁ……そりゃあ……。」

向日葵「それに……これから高校、大学と進んで行ったら、きっと櫻子とは一緒にいられませんわ……。」

櫻子「けど、家は隣同士だし……」

向日葵「学校が変われば、きっとお互いに会いづらくなって……疎遠になりますわ……。」


櫻子は以前のように茶化すことはしなくなって、むしろとても真剣に聞いてくれる。
女の涙パワーは恐ろしい。
けど、いつもの櫻子らしくないのはそれはそれで物足りない。



向日葵「そんな不安がドンドン膨らんでいって、辛くなって、今日櫻子に『一人でいろ』って言われて……泣いてしまったんですの。」

櫻子「わ、私があんな軽口を叩かなければ……。」

向日葵「いいえ、いずれどこかで不安が爆発して大変なことになっていたと思いますから、よかったんですのよ。」


私の話を聞いている間、櫻子は何かに悩んでいるような顔をしていた。
しかし最後には決心が付いた、そんな表情に変わっていた。


……………

櫻子「向日葵の不安、よぉーくわかった!」

向日葵「櫻子に真剣に聞いてもらえただけで嬉しかったですわ……。では、櫻子の宿題を……」

櫻子「いやいや、ちょい待ち!私何も答えてないじゃん!」

向日葵「いえ、ですから聞いてもらえただけで結構ですって……。」



櫻子「それじゃあ私の気がすまん!質問されたんだから答える!」

向日葵「まぁ……そこまで言うんでしたら聞かせていただきましょうか、答えを……。」


櫻子のいつにない真面目な表情に、私は何かを期待していた。
『何か』はわからないけれど。

櫻子「まず結論から言わせてもらう!いつまで一緒にいれるかだって?……知るかそんなもん!」

向日葵「なっ……」

期待した私が馬鹿だったのかもしれない……。




櫻子「向日葵が私と一緒にいたいと思うなら、いつまでだって一緒にいてやるよ!」

向日葵「……!?」

櫻子「ただし、私が向日葵と一緒にいたいなって思う時は、向日葵も私といつでも一緒にいること。これが条件な!」




櫻子「私と一緒にいたいなら、いればいいじゃん!」


向日葵「けど、クラス替えとか……。」

櫻子「だぁーから!もう!向日葵と私の絆って、そんな脆いものなの!?クラスが変わったくらいで、私たち二人が変わるわけないし……私が変えさせないし!」



ああ……櫻子はなんて強い子なんだろう。
そんな姿に私は惹かれ、恋したのだ。

だけど……。



向日葵「だけど……受験は……?」


櫻子「え?ああ、向日葵には言ってなかったっけ?私は向日葵と一緒のとこ受けるよ。」


え……?私と一緒……?

向日葵「だ、ダメですわよっ!そんな……私のために人生に関わるような選択を蔑ろに……」


櫻子の人生や学力を心配する私をよそに、櫻子は呆れた顔をして


櫻子「向日葵は少し自己チューなとこあるよねー……。」

と、言った。

櫻子「別に、向日葵のために同じ学校目指すわけじゃないんだから!私が向日葵と一緒のとこ受けたいって思ってんの!わかる?」


向日葵「……」ポロポロ



ああ、今までの私の不安はなんだったのだろう。
櫻子の言うとおり、私は一人で勝手に決め付けて不安に陥っていただけだったのだ。
そう思うと、どこから湧いてきたのか涙がまた溢れてきていた。



櫻子「ああっ……また泣いて……もう、今日の向日葵は泣き虫だなぁ。」フフッ

向日葵「さ、さくらこが悪いんですからぁ……ひっく」ポロポロ




櫻子「じゃあ……向日葵が二度と不安な気持ちにならないように、私がおまじないかけてあげるよ……。」


櫻子の調子が急に変わって、私はまた少し不安になった。


向日葵「さ、櫻子……?なんですの、おまじないって……。」

櫻子「本当はもっと後に言おうと思ってたんだけどなぁー……ほら向日葵!恥ずいから後ろ向け、後ろ!」


突然真面目な雰囲気になったと思ったら、今度はやたら照れている。
いつものコロコロ表情が変わる櫻子でも、こんな急激な変化は初めて見るかもしれない。


向日葵「後ろ、向きましたわよ……一体なんなんですの……?」




櫻子「今から言うから、真面目に聞けよ……?」

向日葵「わかりましたから早く……」

櫻子「……私はっ!!」

向日葵「!!」ビクッ





「私は、向日葵が好き。」

「向日葵が大好きなの。」



……………

『ひまちゃん、だいすき!』

『いつでもずっと、いっしょだからね!』

『やくそくだからね!わすれちゃだめだよ!』

……………


指切りげんまん

そうだ……。
あの時、私たちは約束したんだ……。
好きだから……いつでも一緒にいるって……。
いつの間にか私は不安ばかり膨らませて、大事なことを忘れていた……。


向日葵「さくらこ……っ!」

櫻子「だぁー!まだこっち向くな!恥ずかしいんだからっ!///」



ギュッ


櫻子「な……、ひまわり……?///」

向日葵「これでしたら……顔を互いに見なくても済みますでしょう?」ポロポロ


私は櫻子を、ぎゅっと抱きしめた。
あんなこと言われたら……私だって我慢できない。
照れて離れようとする櫻子を絶対に放すまいと、私は強く強く櫻子を抱きしめた。
櫻子の肩に身体を預けると、真っ赤になった耳が目に入った。
……かわいい。

向日葵「櫻子……私からもお返しのおまじない……受けとってもらえますわよね?」

櫻子「え!?いいよ!別に!今は!今はすげー恥ずかしいから止めてっ!///」

向日葵「まぁまぁ遠慮なさらずに……。」







櫻子が私を離さないように……。
私が櫻子と離れないように……。






ずっと一緒にいようね。





おしまい

ひまさくシリアス書きたかったのに腕がついていけなかった
反省文400枚書きます

向日葵は大人びてるけど、中学生特有のちまちました悩みが多そう
悩みのない櫻子ちゃんがカバーしてあげたらよかです

ひまなので書き溜めなし単発を修業がてら垂れ流し



タイトルは

京子「Baroqueの乙女たち!」

ちなつ「ゆーいせーんぱぁーい!!」ダキッ

結衣「え!?ちなつちゃ……あぶないっ!!」

ちなつ「あっ……!?」



ガタガタガタガタン




ちなつ「いったた……」

ちなつ「あ…!結衣先輩!大丈夫です……か……?」



……………


ちなつ「主よ、私は人間を殺めました……」

ちなつ「私は、この手で大切な女性を殺めました……」



……………



京子「……っていう夢見たんだけどさぁ」

結衣「え?私あれ死んだの!?」

京子「うん、ちなつちゃんが勢いよく抱き着いて階段落ちて」

ちなつ「なんて夢観るんですか!!」

京子「いやぁ、ごめんごめん」

京子「なんかちなつちゃんって、ヤンデレ臭いじゃん?」

結衣「おい、いきなりちなつちゃんになんてことを……」

ちなつ「や……ヤンデレ……」

京子「結衣限定のね」

ちなつ「……」ブツブツ

結衣「ちなつちゃん、こんな馬鹿の言うことを真に受けちゃダメだよ?」

ちなつ「結衣先輩は……」

結衣「ん、どうしたの?」

ちなつ「結衣先輩は……ヤンデレが好きなんですか……?///」

結衣「え、いや別にそんなこと一言も」

ちなつ「いえ、結衣先輩はヤンデレが好きなんですよねそうですよね、よかったぁー私結衣先輩のためならヤンデレだってなんだってやってのけますから」

結衣「ち、ちなつちゃん!落ち着いて……」

結衣「京子も馬鹿言ってないで……」

京子「私はヤンデレ大好きだ!さぁ、来いちなちゅー!」

ちなつ「京子先輩はいちいちうるさいんですよ私と結衣先輩の間を邪魔ばかりしてほんと死んでくれればいいのにマジで……」

結衣「ちなつ……ちゃん……?」

ちなつ「そうだ……京子先輩が死ねばごらく部は結衣先輩と私のもの……京子先輩……死ねぇ!!」キシャー

京子「どんと来いやぁー!」

結衣「おいバカやめ……」




ザクッ





結衣「そんな……果物ナイフなんてどこから……」

ちなつ「ヒヒッ……イヒヒッ……イヒヒヒヒヒッ!!京子先輩死んだ!!やった!!結衣先輩!!やりましたよ!!」

京子「」ドサッ

結衣「おい京子……おい……なんで……なんで……」ポロポロ

結衣「死ぬなよ……!」

結衣「いますぐ救急車をっ……!!」








京子「……なーんて」

京子「劇を文化祭でやってみたいよね」スクッ


結衣「!?」


京子「騙された?ねえ、結衣騙されたの?」ニヤニヤ

ちなつ「泣き顔の結衣先輩もかわいいですー!」

結衣「もうやだ」



おしまい

蛇足失礼しましたー

ほんとは今、京子ちゃんがサンホラに触発されて文化祭で生徒会組混ぜて劇やろうぜ!ってのを書いている途中だったので宣伝がてら


ガチ蛇足だった

おつおつ
オペラ座とかキャッツの人?

>>182
ちがいますよ
SS処女ですた
携帯からじゃ滅多にスレ立てできないんで

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