ハルヒ「いい子にしてたのにサンタがこなかった!サンタくたばれ!」(120)

ハルヒ「何がサンタよ。やっぱりあれは都市伝説の空き巣なのよ」

キョン「あれてんな」

みくる「ですね」

長門「……」

古泉「んふ」

ハルヒ「サンター!!!カムヒア!!」

ハルヒ「あれよね。きっと願いが弱かったのよ」

キョン「長門、借りてた本、返すよ」

長門「どうだった?」

キョン「そうだな。中盤の中だるみは拭えないけど、それでも魅力的な文章で面白かった」

長門「そう」

キョン「またオススメがあったら頼むな」

長門「わかった」

みくる「お茶です」

キョン「どうもすいません」

ハルヒ「まだサンタが来る可能性はあると思うのよ!!私!!」

古泉「どうです、一局?」

キョン「断る」

古泉「残念」

ハルヒ「ねえ、サンタがどこの国の人かしってるひとー!!」

ハルヒ「諸説あるんだけど、私はインド人だと思うのよ!!」

ハルヒ「なんちゃって!!」

キョン「……」ズズッ

みくる「……」

長門「……」

古泉「……」

ハルヒ「でさぁ、なんでインド人かというとね。まぁ、あれよ、あんな奇怪なことをするのは東洋の神秘を受け継ぐインド人しかいないと思うの」

キョン「朝比奈さん」

みくる「はい?」

キョン「茶柱が立ってます」

みくる「わぁ、すごーい」

キョン「いいことがあるかもしれません」

みくる「やったぁ。たのしみですぅ」

キョン「いやいや……朝比奈さんには来ないかもしれません」

ハルヒ「なんていってもヨガがあるでしょ?あれで関節外して狭い煙突にも入れちゃうわけよ!!」

古泉「あ、そろそろ。バイトの時間だ」

キョン「がんばれよ」

古泉「はい」

ハルヒ「バイバイ!!」

ハルヒ「えと……」

キョン「朝比奈さんはお正月の予定とかあるんですか?」

みくる「鶴屋さんと初詣にいこうかなぁって」

キョン「俺も行っていいですか?」

みくる「どうぞどうぞ」

ハルヒ「サンタの服って赤いでしょ?何でかしってる?」

長門「……」

ハルヒ「返り血なのよ……こわーい!!」

みくる「……」

キョン「……」

鶴屋「―――やっほぉ!!」

みくる「あ、鶴屋さん」

鶴屋「おまたせ、さ、かえろっ」

みくる「それじゃあ、さようなら」

キョン「はい」

ハルヒ「バイバイ!!」

鶴屋「それでさぁ、みくる。駅前の店にいってみないかい?」

みくる「あ、気になってた―――」

キョン「……」

長門「……」

ハルヒ「サンタは光の速度で―――」

長門「帰る」

キョン「送ってくよ」

長門「……」コク

ハルヒ「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「最近、みんな冷たいのよね……」

ハルヒ「何かしたかしら……?」

ハルヒ「……」

ハルヒ「みくるちゃんの服を無理やり剥いだこと?」

ハルヒ「それとも、有希がブラをしてないことを馬鹿にしこと?」

ハルヒ「古泉くんのゲームを古臭いっていちゃったこと?」

ハルヒ「キョンの携帯電話を勝手に見たこと?」

ハルヒ「……」

ハルヒ「何がいけないっていうのよ……」

ハルヒ「ちゃんと言ってくれなきゃわかんないっつーの」

ハルヒ「かえろーっと」

ハルヒ「ま、どうでもいいわ」

ハルヒ「……」スタスタ

ハルヒ「戸締りしてっと」ガチャン

ハルヒ「ふんふーん」

ハルヒ「……」

ハルヒ「さむ……」ブルル

ハルヒ「早く家に帰らないとね」

ハルヒ「……」スタスタ


キョン「……」

長門「……」

キョン「ハルヒは反省してるか?」

長門「してない」

キョン「……だろうな」

長門「……」

キョン「ふむ……」

長門「……」

みくる「無視だけじゃあの涼宮は動揺しませんね」

古泉「ですね」

鶴屋「ねえねえ、なんでみんなしてはるにゃんを無視してんの?」

キョン「それが……」

長門「……」

鶴屋「んー?」

みくる「……」

古泉「協力してもらっていますし、いいのでは?」

キョン「そうだな」

鶴屋「やっぱり、なんかあったのかい?」

キョン「あいつのところにはサンタなんてこないんですよ……絶対」

一週間前

ハルヒ「キョン!!」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「なんか面白いことして」

キョン「いやだね」

ハルヒ「なんでよー」

キョン「そんな言い方されても面白いことなんていえないからな」

ハルヒ「ふぅん」

キョン「……」

ハルヒ「クリスマスは一人なんでしょ?」ププッ

キョン「!?」

ハルヒ「かわいそー。私でよければ、一緒に居てあげてもいいわよぉ?」

キョン「断る!!」

ハルヒ「な……」

キョン「そんな言い方されて、一緒にいれるわけないだろうが!!」

ハルヒ「ふ、ふーんだ!!別にいいわよ!!」

キョン「……」

ハルヒ「みくるちゃーん」

みくる「はい?」

ハルヒ「みくるちゃんもどうせ一人でしょ?」

みくる「……」ピクッ

ハルヒ「私と一緒にクリスマスしましょう?」

みくる「……誰のせいで……恋人が作れないと……」

ハルヒ「え?」

みくる「―――すいません。もう約束が」

ハルヒ「そんなの破っちゃえばいいでしょ」

みくる「ごめんなさい」

ハルヒ「……ゆきー!!」

長門「……」

ハルヒ「クリスマス、暇よね?」

ハルヒ「有希はほんとに根暗だし、男とか寄って来そうにないもんね」

長門「……」ピクッ

ハルヒ「ねね、私と―――」

長門「断る」

ハルヒ「え……」

長門「久しぶりに朝倉涼子が日本に来る。その出迎え」

ハルヒ「そ、それなら私も―――」

長門「断固拒否」

ハルヒ「……」

長門「それだけ」

ハルヒ「……」

古泉「んふ」

ハルヒ「……キョン!!私の誘いを断るとかなによ!!そんなことじゃあ一生童貞なんだからね!!」

キョン「余計なお世話だ!!」

古泉「……」

キョン「―――というわけで、流石に今回は全員怒り心頭なんです」

鶴屋「……」

鶴屋(単にキョンくんを誘いたかっただけじゃ……?)

みくる「私のことだって……」

長門「……」

古泉「無視はないと思います。あの状況で」

鶴屋「あー……なるほどね」

キョン「だから、反省してもらおうと思いまして」

鶴屋「そ、そうなんだ」

鶴屋(みんな……)

鶴屋「おっけー!!わかったにょろ!!」

キョン「え?」

鶴屋「ちょっとまってておくれ!!」

キョン「あ、鶴屋さん!!」

鶴屋(こんなことササッと済ませちゃうにかぎるっさ!)

共同玄関

ハルヒ「……」スタスタ

鶴屋「はーるーにゃん!!」

ハルヒ「あら、鶴屋さん」

鶴屋「ねー、みんなと仲直りすれば?」

ハルヒ「え?」

鶴屋「はるにゃんがごめんねって言えば万事解決なんだかさ」

ハルヒ「いや……何を謝ればいいの?」

鶴屋「ほらぁ、一週間前のことさ」

ハルヒ「一週間前……?」

鶴屋「なんかあったんじゃない?」

ハルヒ「うーん……」

ハルヒ「ああ!!」

鶴屋「そう、それ!!みんなまだ学校にいるよん!!はやくいくといいさ!!」

ハルヒ「うん!わかった!少し釈然としないけど謝ってくるわ!!」

鶴屋「ほら、あそこ」

ハルヒ「……」

キョン「ん?」

ハルヒ「みんな……帰ってなかったのね」

みくる「涼宮さん……」

ハルヒ「―――謝るわ。ごめん」

古泉「え……」

キョン「ハルヒ……」

鶴屋「うんうん」

ハルヒ「流石に文芸部の部費を携帯電話代の支払いに使っちゃだめよね」

鶴屋「oh……」

ハルヒ「ごめん!反省してるわ!!この通り!!」

キョン「……」

長門「……」

鶴屋「あぁぁ……」

キョン「帰りましょう」

みくる「はい」

古泉「寒いですね」

長門「外気温は2℃」

キョン「そりゃ寒いな」

ハルヒ「え……あれ?」

鶴屋「みんな!!ちょっとまって!!部費は私が立て替えるっさ!!」

キョン「そんな問題じゃないです」

鶴屋「で、ですよね……」

ハルヒ「な、なによ!!謝ってるでしょ!!」

キョン「……」

ハルヒ「まってよ!!キョン!!なによ!!反省してるじゃない!!」

キョン「……今後、SOS団に関わらん」

ハルヒ「な……!?」

鶴屋「キョンくん!!それはあんまりじゃないかい!!」

みくる「さよなら」

長門「……」

古泉「籍は置いておきます」

ハルヒ「まって……」

鶴屋「……」

ハルヒ「……なによ……謝ってるじゃない……」

鶴屋「ごめん!!」

ハルヒ「……」

鶴屋「まさかそんな爆弾があったなんて思いもしなくって!!」

ハルヒ「いいわよ……鶴屋さんの所為じゃないし」

鶴屋「ごめんよぉぉ……」

ハルヒ「いいから」

鶴屋「でも……」

ハルヒ「帰りましょう。確かに今日は寒いもの」

鶴屋「はるにゃん……」

通学路

ハルヒ「……」

鶴屋「いやぁー、ほんとに寒いねー。凍えちゃう!!」

ハルヒ「……」

鶴屋「こうして体をひっつけるといいかもー」

ハルヒ「……」

鶴屋「はるにゃんのほっぺ、やぁらかぁいにょろ~」

ハルヒ「やめてよ」

鶴屋「……」

ハルヒ「……」

鶴屋「あの……みんなも少し時間をおけばきっと戻って―――」

ハルヒ「うるさいっ!!」

鶴屋「!?」

ハルヒ「……ごめんなさい……今は何もいわないで」

鶴屋「ごめんよ……ごめん……」

ハルヒ「……」

鶴屋「―――はい」

ハルヒ「え?」

鶴屋「あったかいお茶でも飲もう!!」

ハルヒ「……ありがと」

鶴屋「はるにゃん……なんでそんなことしちゃったの?」

ハルヒ「……ちょっと、お小遣いが足りなくて」

鶴屋「でも……お父さんかお母さんに頼めば……」

ハルヒ「クリスマスパーティーの準備でだいぶ前借しちゃって……」

鶴屋「え……」

ハルヒ「どうしようもなかったの」

鶴屋「そのパーティー……は?」

ハルヒ「結局、誰もこなかったから……企画倒れね」

鶴屋「はるにゃん……」ウルウル

ハルヒ「な、なによ!!」

鶴屋「健気でいいことだけど……やっぱりみんなに黙ってはいけなかったと思うっさ」

ハルヒ「分かってる……でも、なんか……恥ずかしいじゃない。理由をいうの」

鶴屋「そっかぁ」

ハルヒ「それで全然言えなくて……先延ばしにしてて……」

鶴屋「……」

ハルヒ「……」ゴクゴク

鶴屋「おいしい?」

ハルヒ「ありがとう、鶴屋さん。ごちそうさま」

鶴屋「うん」

ハルヒ「さっきはごめん。つい、酷いこと言っちゃって」

鶴屋「ぜーんぜん気にしてないにょろ!!」

ハルヒ「ふふ」

鶴屋「かわぁいいなぁ」

ハルヒ「ちょっと、やめて……」

鶴屋「はるにゃんのほっぺ、あったかぁいにょろ~」

ハルヒ「こら……誰かに見られたらどうするの?!」

鶴屋「見せ付けてやればいいっさ」

ハルヒ「もう……」

鶴屋「よし!!」

ハルヒ「なに?」

鶴屋「みんなにそのことをきちんと伝えよう!!」

ハルヒ「……無理よ」

鶴屋「だいじょうぶ!!」

ハルヒ「だって……」

鶴屋「素直になればいいっさ!!」

ハルヒ「素直……」

鶴屋「みんなは部費を使ったことに怒ってるんじゃなくて、黙ってたことに怒ってるだけさ」

ハルヒ「そうかな……?」

鶴屋「うん!」

ハルヒ「……どうすればいいの?」

鶴屋「うーん……確かにいきなり言っても話を聞いてくれるかどうか……」

ハルヒ「……」

鶴屋「はるにゃん、クリスマスパーティーの準備に使った物ってまだ残ってるかい?」

ハルヒ「え、ええ……そろそろ捨てようと思ってたけど」

鶴屋「おっけー、それ絶対に捨てちゃだめにょろよ?」

ハルヒ「う、うん」

鶴屋「あとは……」

ハルヒ「……」

鶴屋「うんうん」

ハルヒ「鶴屋さん?」

鶴屋「はるにゃん、みんなが目の前に来たとき、ちゃんとごめんなさいっていえる?」

ハルヒ「え……?」

鶴屋「言えるかい?」

ハルヒ「うん……言う」

鶴屋「うん。じゃあ、任せて!!」

ハルヒ「え?」

鶴屋「それじゃあ、ちょろんと待っててよ!!」

ハルヒ「あ……」

ハルヒ「鶴屋さん……」

鶴屋(よぉーし!!)

鶴屋(私の所為でSOS団が解散しちゃあ、年なんて絶対に越せない!!)

鶴屋(みんなを元通りにしてみせるっさ!!)

鶴屋「まずは……!!」

鶴屋「……」トゥルルル

鶴屋「あ、もしもし?」

鶴屋「―――うん、すぐに迎えにきておくれー」

鶴屋「いくぞぉ!!」

古泉宅

鶴屋「ここかぁ」

鶴屋「突然、鶴屋のばんごはんー!!」ピンポーン

古泉「あ……」

鶴屋「どもども!!相変わらずかっこいいねー!!」

古泉「なにか?」

鶴屋「はるにゃんのことなんだけどぉ」

古泉「さよなら」

鶴屋「まっておくれ!!」

古泉「なんですか?」

鶴屋「話だけでも聞いてくれ~」

古泉「……」

鶴屋「おねがい!!」

古泉「……どうぞ」

鶴屋「わーい!!ありがと!!はいこれ、お土産のお煎餅!!おいしいよ!!」

古泉「―――なるほど」

鶴屋「うん。だから、はるにゃんも反省してるから許してあげてくれないっかな?」

古泉「しかし」

鶴屋「だめ?」

古泉「うっ……」

鶴屋「ねえねえ……一樹くぅん」

古泉「わ、わかりましたから……離れてください」

鶴屋「あれれ?顔あかいけど、熱でもあるの?」

古泉「い、いえ……」

鶴屋「はるにゃんを擁護はしない。でも、わかって欲しいだけ」

古泉「……」

鶴屋「そもそもクリスマスに行かなかったみんなにも―――」

古泉「呼ばれてません」

鶴屋「……」

古泉「無視、されましたからね」

鶴屋「あー……」

古泉「他の三名は存じませんが、僕は二重苦なのです」

鶴屋「いや……それはぁー……」

古泉「果たして鶴屋さんでも許容できますか?」

鶴屋「え?」

古泉「クリスマスパーティーにすら招待せず、部費の横領をしていた……彼女を……」

鶴屋「うーん……」

古泉「……」

鶴屋「厳しいね」

古泉「そういうことです」

鶴屋「でもでも!!きっとなにか理由があったにきまってるさ!!」

古泉「ちょっと、そんな迫って……」

鶴屋「いつきくん!!わかってあげて!!」

古泉「顔が……ちか……」

鶴屋「おねがい……」ウルウル

古泉「……ですから」

鶴屋「どうしても……だめかい?」

古泉「簡単にはいきませんね」

鶴屋「そっかぁ……」

古泉「……」

鶴屋「……?」

古泉「あの……僕も健全な男子ですので……その……」

鶴屋「どったの?」

古泉「いや……こんな押し倒された状態では……」

鶴屋「んー?」

古泉「鶴屋さん……」

鶴屋「どうしたの?」

古泉「ぐ……」

鶴屋「あ!!ごめんごめん!!女の子に押し倒されるなんて嫌だよねー!!ごめんっさ!」

古泉「い、いえ……」

鶴屋「でも、一樹くんだけ呼ばないのはやっぱり違和感あるにょろ。きっとサプライズとか考えてたんじゃないかな?」

古泉「本当ですか?」

鶴屋「きっとそうだって!!」

古泉「……」

鶴屋「だから、もう一度はるにゃんと話してくれないっかな?」

古泉「わかりました」

鶴屋「あっはっは!!さすが!!顔がいいと心もイケメンだねー!!」

古泉「……」

鶴屋「よぉし!!じゃあ、また連絡するから……携帯番号でも訊こうかな?」

古泉「え?!」

鶴屋「ささ、教えて」

古泉「は、はい……」

鶴屋「―――おぉ!!ありがとう!!」

古泉「いえ……僕も嬉しいです」

鶴屋「そう?じゃ、またね!!」

長門のマンション

鶴屋「よし!」

鶴屋「たしかぁー……」

鶴屋「……」ピンポーン

長門『……』

鶴屋「どもー、長門っち!」

長門『……』

鶴屋「あけてー」

鶴屋「どうしても話したいことがあるっさ」

鶴屋「お土産におまんじゅう持ってきたよ!」

ウィーン

鶴屋「お、あいた♪」

鶴屋「お邪魔しまーす」

鶴屋「ごめんね。急に押しかけて」

長門「……」パクパク

鶴屋「それすごい美味しいおまんじゅうなんだけど、どう?」

長門「……」パクパク

鶴屋「あっはっはっは!!気に入ってくれて嬉しいっさ!!」

長門「……」パクパク

鶴屋「えーと、話はもちろんはるにゃんのことなんだけど」

長門「……」

鶴屋「長門っち的にもこの状況はあんまり好ましくないと思うんだよね」

長門「……」

鶴屋「だってほら、はるにゃんの機嫌をそこね―――」

黄緑「……」スッ

鶴屋「わぁ……なんかいた……」

長門「……なにがいいたい?」

鶴屋「だから、はるにゃんと仲直りしてほしいだけだって。長門っちにもなんの利益もないにょろ」

長門「……」

鶴屋「確かに思ったことを口にしちゃうから、流石の長門っちも堪忍袋の緒が切れちゃったんだよね?」

鶴屋「でも、今までちゃんとそれは処理できてたんじゃないの?」

長門「……」

黄緑「長門さんは、エラー回避のためにこのような対処をしたのです」

鶴屋「エラーっていってもこの前のやつはもう修復しちゃったんでしょ?」

長門「……どこでそれを?」

鶴屋「そんなことはどうでもいいさ。でも、エラー回避か……それは難しいね」

長門「……」

黄緑「今後は少し距離をとって観測することにしています」

鶴屋「そんな……はるにゃんが可哀想にょろ」

黄緑「世界を改変させるよりはまだいいかと」

鶴屋「……」

黄緑「……」

鶴屋「そうだね」

鶴屋「でも、長門っちもみんなが戻ってくれば部室に戻ってくる」

長門「……」

鶴屋「違うかい?」

長門「そうかもしれない」

鶴屋「じゃあ、解決さ」

長門「……?」

鶴屋「だって、みんなはあの部室にまた集まってくれるからね!!」

長門「……」

鶴屋「それじゃあ、おまんじゅうは二人でわけてくれ!!」

長門「……わかった」

鶴屋「それじゃあ!!」

黄緑「不思議な人……」パクパク

長門「……」パクパク

公園

鶴屋「……」トゥルルル

みくる『はい?』

鶴屋「やっほー、みくるー!!」

みくる『どうしたんですか?』

鶴屋「みくるー、はるにゃんと仲直りしてほしいっさ」

みくる『え……』

鶴屋「あれには深い事情があってね」

みくる『いえ……分かっています』

鶴屋「お……そうなのかい?」

みくる『いつかはやるって……思ってましたから』

鶴屋「あ……」

みくる『パソコンを強奪したり……そこで脅したり……あの人は普通じゃない』

鶴屋「うん……」

みくる『だから、怒ってなんていません。ただ、関わることをやめたんです』

鶴屋「そんなこといわずにさぁ」

みくる『そもそも……立場的に何も言いませんでしたけど……男性の前で裸にされたり、胸をわしづかみにされたり』

鶴屋(始まった……)

みくる『着替えは盗撮され……馬鹿だのろまだと罵られ……』

みくる『変な格好もいっぱいしました』

みくる『でも……なんにも見返りがないんです』

鶴屋「みくる……」

みくる『お礼も……なにも……ない……。そして極めつけはあの暴言です』

鶴屋「そっかそっか」

みくる『だから……今回はもう……だめです……私……もう……つか、れちゃって……』

鶴屋「あーそっか……うん……」

みくる『つるやさぁぁん……』

鶴屋「あー……」

みくる『ふぇぇぇん……』

鶴屋「困ったなぁ……」

みくる『えぐ……』

鶴屋「みくる、今から外に出てこれるかい?」

みくる『え……はい』

鶴屋「よし、でておいでー」

みくる『う、うん……』

鶴屋「じゃ、まってるよー」

鶴屋「……はぁ」

鶴屋「……」トゥルルル

キョン『はい?』

鶴屋「やぁやぁ!!元気かい、若人ぉ!!」

キョン『ええ、まあ、元気ですよ』

鶴屋「今からキョンくんの家にいってもいいかい?」

キョン『え?』

鶴屋「みくるも一緒に。いいにょろ?」

キョン『え、ええ……構いませんが』

鶴屋「はぁ……さむ……」

みくる「―――おまたせ!!」

鶴屋「おっそいよ、みっくるー!!」

みくる「それで、今からどこに?」

鶴屋「んー、いいとこ」

みくる「いいところ?」

鶴屋「さ、こっちさ」

みくる「う、うん」

鶴屋「みくるはかわいいなぁ」

みくる「や……鶴屋さん」

鶴屋「あっはっは。照れちゃって、かわいい」

みくる「もう!」

鶴屋「元気が一番にょろ!」

みくる「ありがとう……」

キョン宅

みくる「ここは……」

鶴屋「さ、いっくよー!!」ピンポーン

キョン『どうぞ、開いてます』

鶴屋「さ、いくっよ」

みくる「どうして……?」

鶴屋「二人にどうしても話しておきたいことがあってね」

みくる「そう、なの?」

鶴屋「はるにゃんのことで」

みくる「……」

鶴屋「いこ」

みくる「うん……」

鶴屋「おじゃましまーす!!」

みくる「おじゃまします」

キョン「どうぞ。こっちです」

鶴屋「急にごめんねー」

キョン「いえ、それでどうして?」

鶴屋「はるにゃんのことで」

キョン「もういいですよ……あんなやつ」

鶴屋「……」

みくる「鶴屋さん……」

キョン「犯罪者です」

鶴屋「そうだね」

キョン「……」

鶴屋「はるにゃんのやったことは許されない。まさしく泥棒にょろ」

キョン「だから……」

鶴屋「―――お願い」

キョン「な……?!」

みくる「鶴屋さん……!!頭をあげてください!!」

鶴屋「許してあげてとはいわない。でも……嫌いにだけはならないであげてほしい」

キョン「鶴屋さんが頭を下げても……あいつがいないんじゃ……」

鶴屋「こんなことになったのは私の責任でもあるしねー」

キョン「え?」

鶴屋「はるにゃん、素直になるって言ってくれたし、もう一度だけ……会ってほしいっさ」

キョン「でも……」

みくる「……」

鶴屋「だめかい?じゃあ、脱ぐけど」ヌギヌギ

みくる「鶴屋さん!!!」

キョン「なにしてるんですか?」

鶴屋「色仕掛け」

キョン「その手には乗りません」

鶴屋「あっはっはっは!!厳しい!!」

キョン「どうしてあいつの為にそこまでするんですか?」

鶴屋「だって……私は君らが集まっているあの空間が大好きだからね。それがもう見れないのは嫌にょろ」

みくる「鶴屋さん……」

鶴屋「いっつも楽しいことばかりして、羨ましいぐらいに……」

キョン「……あなたならいつでも参加できたはずです」

鶴屋「いやー、あの場所に私の席はないからね」

みくる「そんなことは……!」

鶴屋「頼られたときだけしか、参加できない。はるにゃんは私を必要としてないっさ」

キョン「……」

みくる「……」

鶴屋「考えなおしておくれよ。キョンくん、みくる」

キョン「……」

鶴屋「……キョンくん」

キョン「なんでしょう?」

鶴屋「お手洗い……お借りにしてもいいかな?」モジモジ

キョン「あ、ど、どうぞ!!」

鶴屋「ごめんよー!!すぐにかえすっさ!!」

キョン「やっぱり……変な人だ……」

鶴屋「ふぅ……」

鶴屋「……」

鶴屋「つかれた……」

鶴屋「はぁ……これで二人が考えを改めてくれれば……」

鶴屋「……」

鶴屋「大丈夫……大丈夫……」

鶴屋「みんないい子だし……きっと……」

鶴屋「……よっと」

鶴屋「……」ガチャ

妹「あ……」

鶴屋「お!キョンくんの妹じゃないかぁー!!ひっさしぶり!!」

妹「……あの、元気出してね」

鶴屋「……!」

妹「きっとうまくいくよ。なんのことかよくわかんないけど」

鶴屋「うん……ありがと」

鶴屋「おまたせー!!考えはまとまったかい!?」

キョン「ええ……」

みくる「あの……もう一度、涼宮さんとお話してみます」

鶴屋「そっか!!」

キョン「でも……アイツ次第では……」

鶴屋「だいじょーぶ!!はるにゃんはもう嘘はつかないし、隠し事もしないっさ!!」

キョン「……」

みくる「はい」

鶴屋「よし!!じゃあ、あとは当事者に任せて部外者は退散するかな!!」

キョン「鶴屋さん、あの……」

鶴屋「じゃあね、キョンくん。みくるをよろしくぅ」

みくる「そ、そんなぁ!!おいていないでください!!」

鶴屋「チャンスだ。みくる!」

みくる「なにがぁ!?」

鶴屋「あっはっはっは!!それじゃあね!!」

公園

鶴屋「……」トゥルルル

ハルヒ『はい?』

鶴屋「舞台は揃えたよ。あとは君次第だ!!」

ハルヒ『鶴屋さん……』

鶴屋「がんばるっさ」

ハルヒ『うん』

鶴屋「メリークリスマス!!」

ハルヒ『メリークリスマス……』

鶴屋「……」

鶴屋「さ、帰ろうかな」

鶴屋「今日は一年で使うエネルギーの7割ぐらいを使った気分……」

鶴屋「ふわぁぁ……」

鶴屋「ねむ……」

翌日 鶴屋邸

鶴屋「……」

鶴屋「さむ……」

トゥルルルル

鶴屋「ん?」

鶴屋「はるにゃん……」

鶴屋「……よし!」

鶴屋「やぁやぁ!!どうしたのかなぁ!!」

ハルヒ『あ、ありがとう……』

鶴屋「仲直りできたかい?」

ハルヒ『解散せずに済んだわ』

鶴屋「それはよかったね!!」

ハルヒ『あと……少し遅れてクリスマスパーティーもすることになったの』

鶴屋「そっか!!」

ハルヒ『鶴屋さんも来るわよね?』

鶴屋「いや、こっちも忙しくってさぁ!!ごめんよぉ!!」

ハルヒ『ううん。ならいいの。じゃあね』

鶴屋「良いお年をー!!」

鶴屋「……」

鶴屋「ふぅ……」

鶴屋「よかった……」

鶴屋「これでもう……」

トゥルルル

鶴屋「……ん?」

鶴屋「あ、一樹くん」

鶴屋「はぁーい!!どうしたにょろ?」

古泉『あ。あの……』

鶴屋「んー?」

古泉『その……言うか迷ったのですが……僕と―――』

鶴屋「まにあってまーす。それじゃあ」ブツッ

数日後

キョン「あ、鶴屋さん」

鶴屋「みんなぁー」

ハルヒ「鶴屋さん!!」

鶴屋「はるにゃん、かわいいねえ!!」

ハルヒ「ありがと!!」

長門「……」

みくる「ふふ」

鶴屋「あれ?一樹くんは?」

キョン「それが……鶴屋さんが来るってわかった途端、帰ってしまって」

ハルヒ「なにかあったのかしらね?」

鶴屋「さぁ?」

ハルヒ「それじゃあ行きましょう。鶴屋さん!今日はいっぱい遊ぶわよ!!」

鶴屋「うん!!」

キョン「……」

ハルヒ「有希、みくるちゃん、こっちよ!!」

みくる「は、はい!!」

長門「……」

鶴屋「いやぁー良かったよかったぁ!!」

キョン「鶴屋さんが奔走してくれたおかげですね」

鶴屋「まるでサンタクロースになった気分で面白かったさ!!」

キョン「……力、抜いてください」

鶴屋「え?」

キョン「そうして俺たちに弱さをみせないようにする貴女も素敵ですけど」

鶴屋「もう!!なにいってるにょろ!!私はいつもダウナー系っさ!!」

キョン「どこが……」

鶴屋(……流石はキョンくん……でも、心までは見透かしてないみたいっさ……)

キョン「鶴屋さん?」

鶴屋「さ、キョンくん!!いこっか!!」

キョン「はい」
                   おわり

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