幼馴染「絶対領域幼馴染とは不可視の不思議のことである!」(17)


男「なにそれ」

幼「説明しよう! 『絶対領域幼馴染』とは不可視の不思議と呼ばれる技の一種である!」

男「うん、同じことをたった今聞いた。だからなにそれ」

幼「つまりはね。憎きライバルをたじたじにする絶対不可侵領域のこと! とってもすごいよ!」

男「心底意味が分からない。ライバルって誰だよ。競い相手が誰だよ」

幼「男君がにぶいせいで私が苦労するんだからね。大っ嫌いになっちゃうよ。……大好きだけど」

男「小声で恥ずかしがるくらいなら言うな」

幼「なにはともあれ、絶対領域幼馴染! 正しい使い方をすれば世界征服も余裕のよっちゃんです!」

男「余裕のよっちゃんって……、お前の実年齢はいくつだよ……」

幼「お、お父さんの影響です! まだまだ若い高校生だよ! ピッチピッチの鮮女だよ!」

男「鮮魚みたいに言うな。生臭い」


幼「生臭いっ?! ひどいっ!」

男「どうでもいいけど、その……絶対領域幼馴染だっけ? いつ活躍するの?」

幼「それは男君に忍び寄る誘惑を退治するときに――」

義妹「おにいちゃーん! おっはよー!」

幼「むっ! 敵襲!」

男「おはよーって、お前。家で顔を合わせてるのに学校でする挨拶か?」

義妹「お兄ちゃんのお腕げっちっち。家は家、外は外だよ」

男「ただの母さんの口癖じゃん。使い方が微妙に違うし」

義妹「些細な問題でーす」

男「毎度毎度、朝学活前に来るのが好きなやつだな。だー鬱陶しい!」

義妹「鬱陶しくないでしょ。もっと喜んでよ。可愛くて人気な義妹ですよー」


男「家に帰ったらいくらでも相手してやるから。ほら、教室に戻りなさい」

義妹「学校お兄ちゃんには学校でしか会えないの。やーです」

男「ったく、我儘娘が」

幼「義妹ちゃん……許すまじ……」

義妹「ん? おひゃう?! 幼ちゃん?!」

幼「凛神特圏~愛鎖巻茨~!」

男「うっわ……」

幼「男君は渡さないですよ!」

義妹「甘いよ! 戯舞兎拳~疎畏音~!」

幼「なっ?! がふっ! は、はやい……っ!」

義妹「そんな低級技で私のお兄ちゃん愛に食い込めると思わないで」

書き溜め半分くらいだから1日5レス~のスローペース
ニーソとスカートの間に見える魅惑の太ももは一切関係なし


男「なにこの寸劇。なにも出てなくね?」

義妹「出てるよ。戦う者にしか見えない不可視の不思議」

男「だから不可視の不思議ってなによ。つーかお前もそっち系かよ」

幼「ふ、ふふ……分かってる、じゃない。いきなり本気なんて、みっともない、でしょ」

義妹「私はお兄ちゃんが絡めば全力よ。お兄ちゃんと絡みあうときも全力。いつでも全力なんだから」

男「やめろ。虚実なのにクラスのみんなに白い目を向けられてるじゃないか」

義妹「悔しかったらいつでも相手するよ。心折れるまで戦ってあげる」

幼「男君は……渡さない!」

義妹「そうだ、今度の日曜日、ここの屋上においでよ。会員限定の大会だけど特別に参加させたげる」

幼「会員限定の退会?」

義妹「そっ、お兄ちゃんファンクラブ主催の『ファンクラブ内最愛決定戦』」

幼「『ファンクラブ内最愛決定戦』……」


義妹「怖かったら見学だけでもいいよ。じゃ、ばいばいお兄ちゃん。私はクラスに戻るね」

男「お、おう」

義妹「ばいばーい」

幼「……」

男「幼……大丈夫か?」

幼「うん、怪我はしてないよ」

男「じゃなくて頭がさ。義妹ともどもやれてるかと思って」

幼「すっきりしたよ。遊び半分だったの怒られちゃった」

男「本気でやってたら俺が怒るわ」

幼「私、最愛決定戦に出る」


男「正気かよ……」

幼「うん。正気だよ」

男「正気だったか……残念だ」

幼「優勝して義妹ちゃんに認めてもらう! 私の方が好きだって認めてもらう!」

男「なんで俺に非難の眼差しが集まるんだろうなあ。めちゃくちゃ理不尽だよなあ」

幼「頑張るからね!」

男「好きにしてくれ。何も言わん。誤解も解かん。弁明もしない。好きにいたぶれよ」

幼「頑張るよ! おーっ!」

>>4
は?







は?

まで
白熱教室でアイデア補充せねば

昼休み


幼『はっ! ほっ! せいっ!』

幼友『幼ちゃん! よくわかんないけど、もっと脇をしめて!』

幼『はいっ! よっ! そいっ!』

幼友『踏み込みが遅いっ! よくわかなんいけど!!』

幼『はいっ! せやっ!! ていっ!!』

幼友『よくわかんない!!』

幼『はいっ!!』

男「…………人生楽しそうだな」

男友「中庭を死んだ魚の目で見つめてどうした。……なんだあれ」

男「儀式じゃね?」

男友「なんの儀式だよ」


男「わかんない。なんか大会に出るんだとさ」

男友「大会? なんの?」

男「よくわかんない」

男友「よくわかんないのか」

幼友『よくわかんない!!』

幼『はいっ!!』

男「……よくわかんない」

男友「……そうか」

男「考えても疲れるだけだし飯にするか。今日は頭を使いたくない。無でいたい」

男友「お気楽なお前がそこまで追い詰められるってそうとうだな」

男「分かんない。死にたい」


男友「早まるな。まだ生きられる」

男「机どうするよ」

男友「勝手に借りても怒られまい。委員長の机でも借りるかな」

男「なんかさ、人間深く考えるとダメだな。浅く生きていくのがいいわ」

男友「17歳が悟りすぎだろ。なにがあった」

男「なにもない。なにもなかったことにしたい」

男友「詮索はしないけが楽に生きれよ。難しくことを避けて進むのも人生だ」

男「お前こそ悟りすぎだろ」

男友「親切なアドバイスになんてことを言いやがる」


女「ね、ねえ。私も一緒にお昼ご飯食べていい、かな?」

男友「男、女さんが仲間になりたそうにこちらを見つめてる」

男「仲間にしてしんぜよう」

男友「いいってさ。椅子持ってきな」

女「ありがと! えへへ、おじゃましまーす!」

男「女の弁当っていつも美味そうだよな」

女「そう? ほとんど残り物だよ」

男友「いつも? いつも女さんのお弁当を見てんのかな?」

女「そ、それって……」

男「人の弁当箱を眺めるのが趣味なだけだ。男友のは肉団子とミニトマトと卵焼きが日替わりローテだろ」


男友「つまんねえな。もっと面白いリアクションしろよ」

男「米に海苔を乗せた弁当だけ食ってると、隣の芝生にむしゃぶりつきたくなるんだよ」

女「なんか可哀相……」

男「好きに言え」

女「その……かじりかけでいいならハンバーグいる?」

男「ぜひとも!」

男友「がっつくなよ。みっともない」

男「貴重な食料の恵みに飛びつかん方が失礼だ。卑しく貧しい民に施しを」

女「は、はは……、おおげさだよ。はい」

男「うめえ! 肉うめえ!」

男友「お前もよっぽど人生楽しそうだな」

まで

>>8
立ててからスレタイミスったなあとは思ったからご勘弁

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