安価でシークレットゲーム7 (287)

・このスレは安価(コンマ)でシークレットゲームをクリアすることを目的としています。


・プレイヤー数は14人で、主人公のPDAはJOKERという設定です。
 他の13人は、シークレットゲームに登場するキャラ(御剣、姫萩、等)です。


・基本は安価で選択肢を選ぶことになりますが、場合によってはコンマ下二桁判定を取ります。


・安価の選択肢に挙げられている中に正解のものが絶対含まれているかどうかは分かりません。


・安直な選択は死を招くので、ご注意を。


・今までのスレ

安価でシークレットゲーム

安価でシークレットゲーム2

安価でシークレットゲーム3

安価でシークレットゲーム4

安価でシークレットゲーム5

安価でシークレットゲーム6
安価でシークレットゲーム6 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363087413/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382611716

すみません、スレが埋まった事を機にしばらく放置していました。

しばらく時間が空いたので最初からやり直そうと思います。

初めての方は、過去スレを見ていただければ大体流れが分かるかと思います。(専ブラ推奨)

では、早速ですが始めて行きたいと思います……


主人公の性別は?

>>5
>>6

※>>のコンマ下二桁によって安価を決定

>>5 00~50
>>6 51~99

性別 男


次は年齢

>>8
>>9

※>>のコンマ下二桁によって安価を決定

>>8 00~50
>>9 51~99

22

25

性別 男

年齢 25

次は性格

>>11
>>12

>>12のコンマ下二桁によって安価を決定

>>11 00~50
>>12 51~99

冷酷

破滅願望

性別 男

年齢 25

性格 冷酷


次は特徴

>>15
>>16

>>16のコンマ下二桁によって安価を決定

>>15 00~50
>>16 51~99


安価にそぐわないものは安価下

鼻の高さ3メートル

童顔で爽やかなイケメン

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い


次は職業

>>18
>>19

>>19のコンマ下二桁によって安価を決定

>>18 00~50
>>19 51~99


安価にそぐわないものは1個下を採用

テロリスト

傭兵

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い

職業 傭兵

次は名前

>>22
>>23
>>24

>>24のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>22
34~66 >>23
67~99 >>24

モッキョ

田中乃 中田

NP2038

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い

職業 傭兵

名前 モッキョ

次は家族構成と趣味

家族構成
>>28
>>29

>>29のコンマ下二桁によって安価を決定

>>28 00~50
>>29 51~99


趣味
>>30
>>31

>>31のコンマ下二桁によって安価を決定

>>30 00~50
>>31 51~99

安価にそぐわないものは下を採用

孫が一人だけ

年の離れた日本人の義妹

人骨をコレクション

天体観測

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い

職業 傭兵

名前 モッキョ

家族構成 孫が1人(義孫?)

趣味 人骨コレクション



好きなこと(もの)
>>33
>>34

>>34のコンマ下二桁によって安価を決定

>>33 00~50
>>34 51~99


嫌いなこと(もの)
>>35
>>36

>>36のコンマ下二桁によって安価を決定

>>35 00~50
>>36 51~99

安価にそぐわないものは下を採用

臭い女の子

カード集め

元気な子供

おばけ

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い

職業 傭兵

名前 モッキョ

家族構成 孫が1人(義孫?)

趣味 人骨コレクション

好きなこと(もの) 匂う女

嫌いなこと(もの) 幽霊



長所
>>38
>>39
>>40

>>40のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>38
34~66 >>39
67~99 >>40

短所
>>41
>>42
>>43

>>43のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>41
34~66 >>42
67~99 >>43

>>43のコンマによって長所と短所が逆転する可能性あり
 
逆転する 00~50

逆転しない 51~99

ユーモアセンスがある

相手が下種だろうが屑だろうが平等に接する

鼻を自由に伸び縮みさせられる

弱い人間には甘い

すぐ理性が本能に負ける

水虫持ち

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い

職業 傭兵

名前 モッキョ

家族構成 孫が1人(義孫?)

趣味 人骨コレクション

好きなこと(もの) 匂う女

嫌いなこと(もの) 幽霊

長所 弱い人間に厳しい

短所 人に平等に接することができない




原作キャラとの接点(無しも可)
>>45
>>46
>>47

>>47のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>45
34~66 >>46
67~99 >>47


ゲームとの関連性(無しも可)
>>48
>>49
>>50

>>50のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>48
34~66 >>49
67~99 >>50

高山と仕事仲間

高山と戦場で何回か遭遇

高山に娘夫婦を殺された

うーふーふーふ

噂で聞いた程度

>>365
初代十三隊隊長が無間に複数いるとも思う

373 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 20:56:59.77 ID:RGh0G0y40
>>372
もしそうなら卯ノ花さんは無間で剣八と戦う前に昔の仲間に久しぶりーとか挨拶してたりして
昔の卯ノ花さんも一歩間違ったら無間行きだったのかな

374 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 20:58:15.82 ID:HZ3K7bjo0
卍解奪われて良かったんじゃないですか?という松本の台詞が今となっては空しく感じる
ほんと先のこと考えないで描いてるんだな

阿藤佐紀子

 寒さが身にしみる今日この頃。クリスマスという一大イベントも終わり、玄関に飾られたツリーが門松に変化するなど、街並みは一様に変化していた。これから来たるべき新年に向けて、世間は慌ただしく動くことだろう。年末から年始にかけて、多くの大人が、一年で一番忙しい日々を送ることになるのかもしれない。

 そんな世間とはあまり関係ないのが、学校と呼ばれる閉鎖した空間と、学生と呼ばれる子供達だ。終業式も終わり、県内のほとんどの学校は冬休みに入っている。大体の学生は学校になど来ずに、今頃ベットで二度寝を満喫しているか、温かい家でこたつにでも入ってぬくぬくしていることだろう。この学校――私立青奉中学校も、本来ならばこの日、生徒は一人もいないはずだった。

 

 しかし、校舎の一階にある三年一組――特進クラスと言われるこのクラスの教室には、なぜかいつもと同じように幾人もの生徒が集まっている。

 

「あーあ、なんで冬休みに学校来なくちゃいけないのー。まったく迷惑極まりないよー」

 

 教卓の前にある机に伏せながらそうぼやくのは、このクラスを取りまとめる女子クラス委員、東堂あかね(私立青奉中学三年一組女子14番)だった。普段はこのクラスをまとめるしっかり者のあかねも、予想外の早起きによる眠気には勝てないのか、今はただダラダラ文句を言っている。女子の中でも比較的高身長であるあかねの上半身は、今や完全に机に預けられている状態だ。それに合わせて、シャギーの入った長めのショートヘアが、重力に従ってハラリと揺れた。

 

「ホントホント、何が特別補講だって話だよ。いくら特進クラスだって言ってもさ、休みは休みで欲しいよねー」

 

 あかねの言葉に同調するような形で発言したのが、今日は二つ結びの髪型をしている辻結香(女子13番)だった。あかねとは対照的に、クラスで二番目に身長が低い小柄な女の子だ。あかねとは小学校からの友人らしく、大体休みの時間は一緒にいることが多い。暗くなりがちなクラスの雰因気を明るくする、ムードメーカーのような存在だ。

 

「文句ばっか言わないの。午前中だけなんだからいいじゃない」
「あ、帰りにさ、駅前のカフェで何か甘いもので食べて帰ろーよー」

 

 そんなあかねと結香の発言をなだめたのが、クラスで一番身長の高い五木綾音(女子1番)だ。高めのポニーテールが印象的なクールな女の子で、先ほどのようにあかねや結香をなだめたり、時には突っ込みを入れたりする役割を担っている。所属していた陸上部ではエーススプリンターを務めており、このクラスの中では一番運動神経がいい。

 そして、駅前のカフェに行こうと誘ったのが佐伯希美(女子7番)だ。成績優秀な人間が集まる特進クラスにおいて、二年時からずっとトップに君臨し続けるほどの頭脳を持つ人物。けれど、教室で勉強しているところは見たことがない。学校では、あかねや結香といった面々と会話していることが多いからだ。性格も、あかねや結香に匹敵するほど明るい人物である。

 

「みんなおはよう。あかね、朝からだらけてるわねー。そんなんだから、生活サイクル乱れるのよ」
「あ、おはよう……。みんな早いね」

 

 あかねらがそんな会話を繰り広げていたら、細谷理香子(女子16番)と鈴木香奈子(女子9番)、そして園田ひかり(女子11番)が、たった今教室へ入ってきていた。そして、いつものようにあかね達のところへと集まっていく。いわば、このクラスの女子主流派グループといったところで、この七人は一緒にいることが多い。

更新サイト(対象期間:2013年9月5日?2013年10月7日/五十音順)
はまぐり 無節操ジャンルサイトですので、OBRのみのURLはこちらになります
午後のパレード 200X年度
北海道上見市立狛楠中学校3年B組
(男子20名/女子21名/計41名) 進行中
14話/中盤戦
【残り36人】 標準ルール。血と暴力の青春をただ書いていく予定です。
美奈子  
BATTLE ROYALE ?The Gatekeeper? 1999年度
兵庫県神戸市立月港中学校3年A組
(男子18名/女子18名/計36名) 進行中
76話(77話)/惑乱編
【残り17人】 杉琴。氏の投稿作品。
another world 透 サブタイトルに沿うように話を展開しています。
?Real? 1993年度第43号
私立青奉中学校3年1組(特進クラス)
(男子17名/女子17名/計34名) 進行中
29話(30話)/中盤戦
【残り26人】 ?Link?と若干の関連性あり
Rhapsody ゆゆ 作者は中々のお花畑です。各話短めに執筆しています。文章力・発想力等至らない面も多々目立つかと思いますが、よろしくお願い致します。
Sincerely -エリカの餞- 2010年度
**県私立宍銀学園中等部3年B組
(男子22名/女子22名/計44名) 進行中
68話/中盤戦
【残り29名】  
水金 翔 読みやすく、を目標にマイペース更新しています。イラスト・質問・お題などもたまに更新しているのでよろしければそちらもどうぞ(^_^)
月に叢雲、花に風 2012年度
東京都私立帝東学院中等部3年A組
(男子20名/女子20名/計40名) 進行中
59話/中盤戦
【残り22人】 特殊ルール採用。

 有馬孝太郎(男子1番)はそう言うなり、そのまま持っている懐中電灯で曽根みなみ(女子10番)を照らす。そして、みなみの姿を確認したところで、そのスイッチを切っていた。

 

「あんまりつけていてもあれだしね。まぁ誰かが乗っているだなんて、あまり信じたくもないけど」

 

 孝太郎が何気なく言ったであろうその一言に、みなみは大笑いしそうになった。この有馬孝太郎という男、本気でそんなことを言っているのだろうか。だとしたら、おめでたいとしか言いようがない。今孝太郎の目の前にいるのは、正にプログラムに乗っている人間だというのに。

 みなみと孝太郎は同じ特待生ということもあって、一年生のときから同じクラスだ。といっても、みなみが孝太郎に関して知っていることといえば、それなりに仕事をこなせる人間であることや、クラス委員をやっているくせに頼りない須田雅人(男子9番)や、友情というくだらないものに依存する広坂幸治(男子13番)と親しいことくらいしかない。そんな二人に比べれば、孝太郎はまだマシな部類に入りはするが、そもそもそんな人間と仲良くすること自体たかがしれたものだ。

 

「曽根さん? 何かあったんじゃないのか? ちょっと言い争う声も聞こえたし、俺で良かったら聞くよ?」

 

 その声色は本気で心配しているようだ。殺し合いという状況では、それはあまりにもいらぬ気遣いであるし、ただのおせっかい以外の何者でもない。暗闇に紛れて、思わずフッと笑ってしまう。

 けれど、孝太郎はやる気ではないようだし、みなみのこともやる気でないと勘違いしてくれているようだ。なら、これを利用するという手もあるかもしれない。みなみの支給武器は、何の変哲もないダガーナイフだった。近距離においては役立つかもしれないが、銃も支給されているプログラムにおいて有利な武器とはいえない。できればどうにかして銃を手に入れたい。もしかしたら、孝太郎に支給された武器が銃かもしれないのだ。

 

 そこまで考えたところで、みなみは亜美に向けてしたように、か弱い女の子のような小さく震える声で話し始めていた。

 

「あ、あの……私、橘さんを待っていたの。橘さんなら信用できると思って。でも、橘さん……いきなり私を襲って……」
「え? 橘さんが?」

 

 信じられないといった口調で、孝太郎はそう口にする。それもそうだろうなと、心の中で納得した。誰かが乗っていることを信じたくないのなら、橘亜美(女子12番)が誰かを襲ったということ自体、孝太郎にとっては信じがたいことだろうから。

 

「うん……何とか切り抜けられたんだけど……。私、信じられなくて……呆然としてしまって……」
「そっか……。こんな状況だもんな……。信じられないけど……」

 

 どうやら孝太郎は、みなみの言うことを信じたようだ。亜美に関しても、普段からそんなに交流しているわけでもないので、元々乗っていないと信じる材料も存在しないだろう。けれど、仲がいいわけでもないみなみの言葉をこんなにもあっさり信じようとは、やはり孝太郎はバカだなと思った。

Re: 【ゲーム】「CRADLE 2 GRAVE」用スレッド ( No.5 )
日時: 2008/08/17 03:30:58
名前: はおらん

お返事ありがとうございます。

自由戦闘の装備品などを出す敵(リーダー格)が2体出るマップで、
2体とも瀕死の状態で戦闘を終えると、
(死滅させるとその場でアイテム入手判定が行われるので不可)
リザルト画面において2つのアイテムが同時に入手出来ます。
この時に、未所持の自由戦闘で入手可能なユニークがあると、
2つの入手アイテムが双方とも同一のユニーク品になることがあります。

以前普通にプレイしていたところ、偶然このような現象が確認できたので、
どのユニークが2つ入手可能なのかなどを検証された方などおられないかと思い、
色々探していたのですが、そもそもこの現象について記述しているサイトすら見つけられずにいたので、
>>3
のような質問をさせていただきました。
やはり入手が確認されていないユニークが多すぎて、あまり検証しようと言う気になる方がおられないのでしょうか。
ユニークアクセサリーが複数手に入るのは、結構便利なんですけどね。

ともあれ、他のサイト等で既出の可能性があるとのことで少し安心(?)しました。
お答えありがとうございました。

Re: 【ゲーム】「CRADLE 2 GRAVE」用スレッド ( No.6 )
日時: 2013/10/22 06:41:41
名前: cha0s

私はGoogle翻訳を使って英語のスピーカーです。WA、海の散歩のバグについては、それがPS3で可能ですか?私は、再作成することはできません。ありがとうございます。

小説
22



(そして俺は…)



また、口止めされようとしているんだ。


知らなくてもいいことにまで足を突っ込もうとする俺に、彼は自らの身体を差し出すんだ。
それを証明するかのように、三上さんは自分のネクタイをするりと解いて、片手でスーツのボタンを外し始めた。



「はぁっ、俺、」

「黙っていろ」



スーツの上着を床に放り、ワイシャツのボタンもすべて外し終えた三上さんは、今度は俺の作業着に手を掛ける。
作業着はつなぎになっているから、上半身の前ボタンを外すだけで、彼の手はあっさりと俺の下着に触れた。



「……まだ勃ってはいないな」



正直、自分でも不思議だった。
あれだけ官能的なキスをされれば、そこが昂ぶっていたっておかしくはない。


俺って意外にナイーブでもあったのかな。
女の子とまともに話すことの出来ないヘタレだってことは、ちゃんと自覚してたつもりだけど。



――スルッ



開いた胸元に彼の手が滑って、肩から作業着が落ちた。
一旦腰の位置で留まったそれを押し下げられ、俺は黒いタンクトップにボクサーパンツ一枚の、なんともこの部屋に不釣り合いな姿になる。

性別 男

年齢 25

性格 冷酷

特徴 鼻が非常に高い

職業 傭兵

名前 モッキョ

家族構成 孫が1人(義孫?)

趣味 人骨コレクション

好きなこと(もの) 匂う女

嫌いなこと(もの) 幽霊

長所 弱い人間に厳しい

短所 人に平等に接することができない

原作キャラとの接点 高山に娘夫婦を殺された

ゲームとの関連性 無し

以上が主人公設定です。

今回もPDAは完全ランダムでゲームが行われるのでご注意を。

 桜の季節も終わり、嫌になる程の観光客のラッシュも一段落したここは、K市・K町。
小説でも有名なT川の川沿いに居酒屋やキャバクラが並ぶ、K市有数の繁華街である。
ここではある暴力事件が発生したあと、週末や観光シーズンには常に機動隊が配備されるようになった。

「相変わらず、今日もだりぃな・・・あーあ、めんどくせー」
「ホンマですよ。どうせ前みたいな事件、そうそう起こるわけないですしね。」
K府警の機動隊に所属する佐藤猛彦とその後輩である高橋竜太は、今日もお決まりのルートをパトロールしている。

この二人はとても仲がいい。というのも、竜太が入隊したときの指導役が猛彦であり、1年間付きっきりで指導した経緯があるからである。
女と接する機会がほとんどないこの職場で、お互いまだいい出会いもなく独身で、
かつ寮が同じ、というのも二人の絆に影響しているかもしれない。
竜太は猛彦を兄のように慕い、また猛彦も竜太をなんとなく弟のように思っていた。
休みの過ごし方といえば、ほとんどがフットサルのチームで試合をすること。
学生時代からサッカーバカだった猛彦が竜太を誘い、今ではほとんど二人同時に休みを取り、職場の奴らからは
「お前らいっそ結婚したらええんちゃうか?」と笑われる仲である。当然、ただの冗談ではあるが。

春のK町は人が多い。その半分は観光客であり、残りの半分は新歓コンパの学生である。
観光客は基本おとなしいが、コンパの学生は調子に乗ってT川に入ったり、突然脱ぎ始めたりするもんやからやっかいで仕方ない。
道端にずらっと並ぶ客引きも、とにかく鬱陶しい。
ただ、今日はいつにも増して特に平和だ。第一、通りを歩く人がいつもより少ない。
「こう人も少ねぇと、逆にやる気もなくなるよなぁ」
「確かに。今日の俺ら、歩くのが仕事みたいになってますね。。」
「ま、たいがいそんなもんやろ。あー、なんかおもろい事件でもねえかなあ・・・」

1542 名前: 名無しさん@chs :2013/10/19(土) 00:12:48 ID:390f2788e
ID:16c853f8b
1543 名前: 名無しさん@chs :2013/10/19(土) 00:27:22 ID:390f2788e
つうか、個人情報集まるどころか自宅住所も公開されてたような

晒した奴頭おかしーわ
案外オリバト作家かもな
1544 名前: 名無しさん@chs :2013/10/21(月) 18:10:11 ID:3531003d6
同じidの奴の暴走がヤバい
1545 名前: 名無しさん@chs :2013/10/22(火) 18:10:22 ID:155761e77
携帯サイトを登録したのはどうかと
1546 名前: 名無しさん@chs :2013/10/22(火) 20:58:19 ID:171aab70d
1543は馬確定
1547 名前: 名無しさん@chs :2013/10/23(水) 00:21:17 ID:95bba0b03
いい加減にしろ。逮捕されても知らんよ
1548 名前: 名無しさん@chs :2013/10/24(木) 09:48:55 ID:63f52b0a0
冗談抜きで警察が動いてるんで。洒落にならない話になってる
1549 名前: 名無しさん@chs :2013/10/24(木) 11:19:15 ID:04aeeca26
さっさとその警察に解決してもらえよ
1550 名前: 名無しさん@chs :2013/10/24(木) 11:29:13 ID:8338f378b
ゆっち ?@yuyuyucci
蜘蛛の巣が張ってきたっていうのよ!RT @Eringi_life: セックスしなさすぎてそろそろ処女になってきた
烏丸ルナさんがリツイート

アリエP@10/1番傘カラオケ映像配信 ?@qkokp
風邪引いてるにも関わらずマスクしないのはセックスの時にゴム付けないのと一緒だ!!っていう意見を聴いて、意外と納得してしまった…
烏丸ルナさんがリツイート

kaba31 ?@koba31okm
未成年だとか職場の女だとかそういう明らかにヤバいとわかってる相手でも、イザってシーンになると案外ヤッてしまうものなので、ヤバい相手とはイザってシーンにならないように十分な車間距離をとらなければならない。

やってみたら名字のバランス激悪
49 名前: 名無しさん@chs :2013/10/22(火) 20:59:46 ID:171aab70d
>>46
でも田中太郎なんて名前ばっか投稿されても困るだろ
50 名前: 名無しさん@chs :2013/10/22(火) 23:47:31 ID:8844bb4f6
なんでそんな極端に走るんだよ
51 名前: 名無しさん@chs :2013/10/24(木) 01:09:41 ID:ae50d505f
生徒募集型オリバトで真っ当に完結したところってあるの?
52 名前: 名無しさん@chs :2013/10/24(木) 09:44:44 ID:63f52b0a0
オリバト自体・・・
ネオマトで人に迷惑掛けまくって逃げた作家にはあぜんとした
それなのにリレー小説のストーリーに文句付けまくるという図々しさ

卍解奪われて良かったんじゃないですか?という松本の台詞が今となっては空しく感じる
ほんと先のこと考えないで描いてるんだな

375 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:02:01.60 ID:haaAcCPm0
師匠は火属性は強いって事をアピールしたいだけだからな

376 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:04:26.52 ID:dkQ66XBu0
×火属性は強い
○氷属性は素人

377 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:05:35.87 ID:B0iiUKH70
平子真子、ってよく考えたらけっこう良い名前だな
べつに直接的じゃあないけど何となく能力を体言してるような感じで
じっと見てるとゲシュタルト崩壊して不安になってくるし

378 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:06:38.45 ID:7oxkDQf10
巻いてるな
クインシーは前座で実は霊王がラスボスだからかな

379 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:07:23.28 ID:gwW3gcEK0
バレみた
結局素人はまた氷割られとるwwwwwwwwwwwwwwww
あいつは閉じ込めるのが趣味なのか知らんがいい加減無意味だと悟れよ
もう死んだっけっか

380 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:09:55.35 ID:derHz ar0
仮面ガシャンは鰤の宝だからもっとやってほしいよ
あんなオサレなパワーうpの仕方他の漫画じゃ見られない

381 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:10:34.39 ID:haaAcCPm0
>>376
対極に位置する氷を弱く描くのは火属性好きにとって当然

382 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:11:04.84 ID:kQ1o/OQK0
じゃあ火輪斬術でも出てくるのか

383 :名無しさんの次レスにご期待下さい:2013/10/24(木) 21:12:14.01 ID:7oxkDQf10
だって素人は卍解状態で全力の攻撃で雛森も殺せない隊長だぜ?

【03:20】

「――ん」

俺は、不快さを感じながらゆっくりと瞼を開いた。

(どこだ、ここは……?)

見覚えのないコンクリートの天井と壁、そして乱雑に置かれたいくつかの家具――

確か、俺は明日の仕事に向けて車で現場付近まで向かっていたはずだ。

「……痛ッ!?」

立ち上がった瞬間に腹部に見覚えのない痛みが走る。

その瞬間に抜けていた記憶が脳裏に映し出される――

(そうか、確かトイレ休憩で車を止めた時に……!)

背後から迫る影の手が俺の襟元を掴み、そして腹部に一撃お見舞いしてきたのだ。

(となると、俺は拉致されたということか――)

戦場地ではなかったが故に油断しすぎたことが悔やまれる。

しかしながら、金持ちでも名声もない俺を殺さず連れてきたというのは、どういうことだろうか――

~♪~♪

「ん、あれは……?」

机で突然騒がしく鳴り出したスマートフォン、いや、PDAを手に取ってみた――

【03:30】

「……なるほどな」

PDAの中身を全て確認したところで、俺がここへ連れて来られた理由がようやくわかった。

「トランプの3……3人以上を殺害、か」

当たりなのか外れなのかは分からないが、殺しになれている俺にとっては別にたいしたことではない。

要するにこのミッションをこなしてクリアすれば、俺は生き残れる、できれなければ死ぬ、それだけである。


俺のPDAに載っていたルールは?


PDAに載っていたルールは?(コンマ判定)
※被った場合は1個下のルールが採用される。

>>66
>>67

3 00~15
4 16~30
5 31~45
6 46~60
7 61~75
8 76~90
9 91~99



なんになるかな?

なは

俺のPDAに載っていたのはルール5と8だった。

どちらもエリアに関することであり、特にルール8のゲーム開始から6時間以内は全面戦闘禁止エリアである、という内容を最初から知ることが出来たのは嬉しい事だ。

(何はともあれ、ルールを完成させる必要があるな、これは……)

他にも地雷となるルールがあるかもしれないため、ルールが全て揃うまでは派手に動くべきではないだろう。


俺はこのあと、どうする?

1.他のプレイヤーを探す
2.少し部屋の中を探ってみる
3.その他


>>70
>>71
>>72

>>72のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>70
34~66 >>71
67~99 >>72

2


他のプレイヤーとの接し方を考えておく

すみません、JOKERの解除条件を決めるのを忘れていました。

・JOKERの解除条件

※解除条件は、JOKERの機能を用いる必要があるもの、殺人が含まれているもの、またはそれらに近しい難易度のものでなければ無効となります。

解除条件については、今回のゲームに合いそうなものを私が安価の中から採用します。

>>74
>>75
>>76

いったん同盟した者を裏切って[ピーーー]こと

仲間から女を一人・男を一人殺害すること

2人以上殺害した人間を[ピーーー]

>>76を採用します。

JOKERの解除条件
『2人以上殺害したプレイヤーを殺害する』

では、ゲームを再開します。

俺は他のプレイヤーを探すことにした。

「と言っても、どうやって探せっていうんだよ……」

地図は使いものにならない上に、フィールドはかなり広い。

それに加えてプレイヤーは何人いるのか分からないため、もし少人数ならば出会う可能性はかなり低いとみて良いだろう。

(まあ、手当たり次第に行くしかねぇな――)

俺は無限に続くような廊下と無数に並ぶ扉の空間を歩き始めた……。


俺はこのあと……誰と出会う?

コンマ判定1個下

00~30 御剣たち

31~60 姫萩たち

61~90 北条たち

91~99 誰とも出会わない

【04:00】

俺は移動途中に部屋から食料や水を手に入れていた。

武器となるような物は無かったため、今は適当に家具を壊してその破片である木材を持ち歩いている。

(ん……?)

ふと遠くから自分以外の足音が聞こえた気がするため、耳を澄ませてみる。

(案外早くエンカウントできたみたいだな)

やはりそれは他人の歩む音であり、少しずつ近づいているのが分かった。

「さて、どんな奴が来るのやら――」

いま全面戦闘禁止であることを知っている俺は、足音を敢えて大きくたててその方向へ向かって歩き出した。

「ん……だれ、そっち、いる!?」

足音に気が付いた人物が声を張ってこちらに話しかけてきた。

それは若い男の声で、日本語であることが分かった。

曖昧だが、一応軽くは日本語を理解することが出来るが、外国人となるとなかなか面倒な事になりそうである。

「えーっと……ああ、そうだ! 恐らく俺もお前と同じく、このゲームのプレイヤーだ!」

と、流暢に母国語で話したいのだが、片言の日本語で話すことにした。

俺の声を聞くと同時に走ってこちらに近づく音が聞こえて来たため、俺はその場で出迎えることにした。

「えっと……日本、じゃない?」

「あぁ、そうだが。見たところ、どちらも日本人か」

姿を現したのは高校生らしき青年と、頼りなさそうな中年男性だった。

「に、日本語、わかる、だな?」

「……あぁ、日本語はある程度分かるぜ」

中年男性が細々と速く喋ったため、一瞬理解できなかったが、表情を見ればなんとなく分かった。

「I'm Souichi Mitsurugi! Nice to meet you!」

ソウイチは片言で英語で自己紹介をしてきた。

「あぁ、ソウイチ、よろしく。俺はモッキュだ。そっちのおっさんは?」

「ワシは、漆山権ゾ――よろしく」

「ん……? ゴンゾ、か。よろしく」

「違う、ゴンゾじゃない! ゴン――だ!!」

名前を間違えてしまったが、よく分からないので彼の事はゴンと呼ぶことにしよう……。


二人が持っていたルールは?
ソウイチ
PDAに載っていたルールは?(コンマ判定)
※被った場合は1個下のルールが採用される。

>>84
>>85
3 00~15
4 16~30
5 31~45
6 46~60
7 61~75
8 76~90
9 91~99

ゴン
PDAに載っていたルールは?(コンマ判定)
※被った場合は1個下のルールが採用される。

>>86
>>87
3 00~15
4 16~30
5 31~45
6 46~60
7 61~75
8 76~90
9 91~99

s

せい

ぺい

早いですが、今日はここまでです。

【現状】
04:00 ソウイチ・ゴンと出会う。


【体調】
・身体:健康
・精神:平常


【武器】
・木材


【PDA情報】
3:モッキョ

5月下旬、暦の上ではまだ春。
いくら夏に近づきつつあるとはいえ、まだ夜は冷える。
夜を凌ぐためには、建物内にいた方が利口だろう。
ただ、プログラムという状況で、建物内にいるということが本当に利口であるかは、本人の運次第になるだろうが。
プログラム本部のある小学校から見て南西に位置する中学校。
脇に小さめのスクールバスが置かれていることから、大まかに2ヶ所に分かれている住宅地や、その他島のあちこちに点在する民家に住む中学生全員を、島中から集めて学習させていたのだろう。
それでも、クラスは各学年1つしかなく、この島の過疎化が心配される。
しかし、強制的に島に連れてこられた身としては、そんなことはどうでもいい。
島の過疎化より、少子化より、自分の生存が大事なのだから。

その小さな中学校にも、もちろん特別教室は存在する。
理科室、被服室、調理実習室、そして、音楽室。
音楽室特有の五線譜の引かれた黒板の前には、古ぼけたグランドピアノが置かれ、生徒の座る席を挟んで後ろ側には、木琴や鉄琴、アコーディオン、大太鼓といった、大きめの楽器が並んでいる。
音楽会などで一般的にお馴染みのものだ。
教室の壁には、様々な作曲家の絵や写真が飾られ、生没年号が書かれている。
月明かりしか頼りにできないこの状況では、それらは恐怖の対象でしかない。
どの学校にもありそうな怪談話、『写真の人物が夜中に泣き出す』だとか、『ピアノが勝手に鳴り出す』だとか、それが今まさに起こりそうだ。

それでもそこに居座り続けるのは、松浦亮介(男子16番)。
男子の中では、お調子者の村尾信友(男子17番)、温和で人懐こい大塚豊(男子3番)に次ぐ小柄な少年で、いつもオドオドして身を縮めている姿は、信友や豊よりも小さく見える。
クラスメイトの半分弱から“亮ちゃん”という愛称で呼ばれている亮介は、丸い瞳や鼻や口といった顔のパーツが全て小ぶりにできており、男子にしてはやや長く艶のある黒髪は、時に女子に見紛う。



「結渡クンのファンクラブができたって?
 どーせ女の子は入れ、男は入るな、とか言うんでしょ?
 ま、うちの管理人が大好きだっていうからオレはお祝い言いに来たんだけどさ。
 メガネは最高だから、会員いっぱい増えるといいよねぇ♪
 ちなみに、オレは弟子にはならんよ☆」 (by某メガネ・C.F)

神奈川県にお住まいの某メガネ・C.Fから祝いの言葉をもらったぞ。
奴は教祖様の敵だけどな。祝いの言葉だからありがたく載せさせて頂く。
水金さん、ありがとうございますv

よく来たなお前ら。
俺は吉見結渡ファンクラブ会長・中山翔だ。
ここはステキオリバトサイト、N.enu. の“WITHER BLOSSOM”に登場する、
吉見結渡様を崇めるサイトだ。
ちなみにこのお方は、吉見教の教祖だ。そして俺は教祖様の一番弟子だ。
このポジションは誰にも譲らねぇから覚えとけよ。

このファンクラブに入るには、1つだけ条件がある。
そんなに厳しいもんじゃねぇから、よく聞けよ。
その条件というのは、教祖様こと吉見結渡様のことが好きだということだ。
ファンクラブだからな。そのくらい当然だろ。

入りたい奴は、気軽に俺にメールしてくれ。
メアドは、didgedilli@mail.goo.ne.jp だ。面倒だがコピペしてくれ。
もしサイト持ってる奴は、URLも教えてくれると嬉しいぞ。
こっちからリンクを貼らせてもらうからな。
貼るんじゃねぇ!って人は、書かなくてもいいぞ。
名簿はここだ。まだ少ないが、これから増えるに違いねぇ。

そんじゃあ最後に、活動内容を教えるぞ。きちんと心得ろよ。

1.教祖様を崇めろ。
2.教祖様を応援しろ。
3.ダテメガネをかけろ。
4.埼玉県比企郡吉見町へ行け。

このくらいだな。簡単だろ?
そんじゃ、ファンもとい信者が増えることを祈ってるぜ。
くどいようだが、一番弟子は俺だからな。忘れんなよ。

ここはリンクフリーだ。ジャンジャン貼れよ。
URLは、http://mippi.jp/lgo/yuito.htm だ。

真由子

僕が居場所が無く入り口近くに突っ立て居ると『そんな所に突っ立てないでコッチ来い』とマサさんが椅子に座ってる自分の腿を叩いた。
僕は逆らわない方が無難だと思いマサさんに近づいて行くと、子供を抱えて座る様に腿の上に抱きかかえられマサさんの上に座らせられた。
横では岩澤君が秋山先輩に抱えられて複雑な表情で座っていた。
僕が座るとマサさんは『もう6時半だぞ!後30分で帰んなきゃいけないんだから早く用意しろよ』と言った。
猿渡先輩と永瀬先輩が昨日僕が覗き見た時のように作業台に椅子を乗せると、キャプテンと橋本君は作業台に当たり前のように上がろうとした。
すると『今日はヒロアキ達居るし、近くで見ようぜ!作業台窓際に動かして、椅子こっち置けよ』と言った。
猿渡先輩達はニヤニヤしながら僕らの前に横向きに向かい合わせに置いた。
橋本君とキャプテンは椅子の前に立つとちょっと伏目がちに顔を下に向けて自分で下に履いている物を足首まで下ろすと椅子に腰掛けた。
キャプテンは既に勃起してて皮は少しめくれて赤い亀頭が少し見えていた。
橋本君は小さいまんまだったが、毛の少ないく先も僕と同じでスッポリ被っていたが小さいせいか下に垂れてなくチョコンとタマの上に直角に乗っかっている感じでなんか可愛いチンチンだなって思った。
マサさんは『キャプテン落ち着いてくださいよ!どうせまだ出ないくせにww元気だけは大人並みにエロさだしてますよ?』と冷やかし気味に言った。
猿渡先輩達が2人の手を椅子の背もたれに後ろ手に固定している間に、マサさんがこう言った。

『橋本もキャプテンもこないだまで[田島「チ○コ破裂するっ!」]すらしてなかったんだぜwwで出るように成るまで俺らが育ててやることになってなっで部活の後とか昼休みにここで育ててんだ』と言った。
猿渡先輩が橋本君の後ろからシャツをまくり胸を触るか触らないかぐらいのタッチで撫でるようにすると、永瀬先輩が腿を同じように撫ぜ回したり軽く掴んだりした。
その行為を続けていると、小さいまんまだった橋本君のチンチンも少しずつ大きさを増し数分もしないで勃起した。
勃起しても決して局部には手を出さないで撫で回していると、腰を小さく突き出したりして直接刺激をして欲しいかの様に動かした。
僕が見入っていると股間に違和感を感じた。
マサさんの手が僕の股間を揉むように動いていたからだ。
僕は恥ずかしかったのでマサさんの手の下に自分の手を持って行き邪魔をすると『男同士だろ、手どけろよ』と言った。
怖かったので手をどけた。
まだ勃起はしてなかったけど、意識しちゃうと勃起しちゃいそうで凄く困った。
ふと横を見ると、岩澤君も揉まれてたんだと思うんだけどチャックを開けられ手を中に入れられて困った顔をしていた。
困ったままで居ると『キャプテンの見てみろよ』とマサさんが小さい声で言った。
キャプテンはじらされもだえてる橋本君に視線がしっかり釘付けになっていて、誰も何もして無いのにピンピンのままで先から透明なモノがタラーっと垂れ橋本君のようにモジモジ腰を動かしていた。
『キャプテンはホモじゃないか?橋本がああやってやられてるの見てめちゃ興奮してんだ毎回』とマサさんはさっきと同じくらい小さな声で言った。
『あっ45分になった、そろそろフィニッシュ行ってみる?』とマサさんが言うと猿渡先輩達は2人の手を解いた。
『見てろよ!』と小さくマサさんが言うと。
『どうする自分でするか?お互いでお互いにしてもらうか?』と声をかけると。
キャプテンは『やってもらいたい』と言った。
すると椅子の間をくっつく位近づけると、キャプテンが橋本君のを、橋本君がキャプテンのを触りだした。

僕が魅入っていると股間がさっきとは違う感じで目を下にやった。
チャックが下ろされてて手を入れてトランクスの割れ目から中にう日を入れていた。
流石に抵抗があって手を引き抜くと『起ってるから触ってやろうかと思ってな』と悪びれるわけでも無く言った。
僕はオチャラケて『そんなに触られたら出ちゃいますよ』と言うと『出しちゃえよ』と社会の窓から出そうとしたので立ち上がろうとした。
『嫌か?』と聞かれたので首を縦に振った。
すると出すのを止めて、チャックの中に手を入れたてで包むように優しく握るようにして座らせた。
尻の下に固いものが当たってるのに気がついたが察して無い風なフリをした。
そうこうしてるうちに橋本君が『出そう』と言った。
マサさんをはじめ皆『本当か?』と信じない風だったが『あっ、あっ・・・』と声を漏らすと本当に射精した。
すると『おお?出たじゃんか!今日から俺らの仲間だ!!!』とマサさんが言った。
マサさんはトイレットペーパーを投げるように渡すと『サッサと拭いてこっち来い』と言うと、今までされてたことを忘れたかのような笑顔で拭くとボクサーブリーフを履き、制服に着替え自分の座ってた椅子を持ってマサさんの横に来た。
『キャプテンはグチャグチャ音立ててしごいてるけど、本当にまだ出したこと無いのかよ?チロウなだけなんじゃね?夢精もないの?』とマサさんが聞くとキャプテンは首を縦に振った。
『橋本、初めて出した気分は?』とマサさんは橋本君に聞いた。
『わかんないけどボーっとする、これでもう普通に出るの?』と聞き返してきた。
『出るだろ!』とマサさんは言った。
と話をしていると横から『ヤバイ・ヤバイ』と岩沢君の声がして振り向いた。
するとチャックの隙間から出されて、猿渡先輩にしごかれててそのまま射精した。
『おお?今日は岩澤もイッタかww自分でやるのとどうだ』とマサさんがトイレットペーパーを橋本君から奪って渡しながら聞くと。
『人にやられると、加減が違うから違うドキドキで気持ちよかったです』と答えると『だろ!俺ら四人で[田島「チ○コ破裂するっ!」]大会とか週末してるから今度家来いよ!多いほうが面白いし』と言った。

都内某所にある小さな公園、茂みの中を人が忙しく動き回っている。
動き回っているのはよく見慣れた制服を身にまとった警官。
そしてある一点、ビニールシートが何かに被さられていた。

「それで・・・ガイシャの身元は?」

不機嫌そうに声を上げたのは、真田勝。雲明署、刑事課課長であり階級は警部。
鋭い突き刺すような銀の髪は周りの目を惹くことは間違いないだろう。
だがその髪色は、本人の整った顔立ちもあって十分に違和感なく合っている。

「勝さん、顔色悪そうっスけど・・・どうかしたんスか?」

心配そうに勝の顔を覗き込みながら呟いたのは、池田圭祐。
勝と同じく雲明署、刑事課所属だが、階級は巡査部長である。
上司と部下という関係だが、二人はプライベートでも仲が良いらしい。
その延長線上か、あまり仕事の場でも上下関係というものはあまり見られない。

「気持ちよく飲んで・・・それでやっと寝ようかと思ったところで・・・。
 事件が起きただなんて呼び出されてだなぁ・・・」

「つまり酔いが覚めてなくて気分が悪い、と。心配して損したっスよ」

圭祐が呆れながら溜め息をついて、やれやれと首を振る。

「お、おま・・・その言い方は少し冷たいんじゃねぇか?」

「ガイシャの身元は、原田千秋。近辺の高校に通う2年生っスね」

「おい、無視するなよ」

子供のように口を尖らせてふてくされて言う勝に、圭祐は冷たい目を向ける。
そして何事もなかったかのように、話を続けた。

「詳しい死亡推定時刻については、まだ割り出せてないっスけど。
 ガイシャの携帯に、恋人である和田純直への発信履歴が。
 その時刻が午後9時。通話時間は約15分ということで。
 犯行があったのは午後9時15分過ぎから、通報のあった午後10時半までという見解っス」

圭祐の話を聞いている間、勝は不機嫌そうに顔を顰めていた。
そしてその場に屈むと手を合わせて深々と頭を下げ、被せられていたシートをめくった。
圭祐は千秋の変わり果てた姿に、耐え切れず口を覆って目を背けた。

「おいおい、いい加減に慣れないと刑事なんか務まらないぞ」

勝が死体をまじまじと眺めながら、まるで独り言のように圭祐へ向けて言った。
圭祐は、すいませんと一言謝ると千秋の方へと視線を向けた。
しかしなるべくはっきりと見ないように、目を細めている。

「何で……?」
それが合図だった。
銃声が鳴り、牛尾まどかの左胸に穴が開いた。
「ひっ!」
「嫌ぁ!」

明石ユウナ

『みんなも同じ条件なら恥ずかしく無いだろ?』と僕にも言った。
『キャプテン時間切れです、また明日にしましょ!』と言うとキャプテンは鞄からトランクスを出し履き制服に着替えた。
キャプテンの着替えが終わると僕のチャックもあげてくれ立たせてくれた。
『じゃ帰るか!』とマサさんが言うと、猿渡先輩は僕達1年に作業台を元に位置に戻す様に言うと手を水道で洗っていた。
全てが入ってきた状態に片付くと皆一緒に校舎を出て帰宅した。
僕は家に帰って風呂に直に入り風呂でさっきの光景を思い浮かべながら[田島「チ○コ破裂するっ!」]した。
夜も布団の中であの状況を思い出すとたまらなくなり、起きて[田島「チ○コ破裂するっ!」]してしまった。

次の日は土曜で昼からの練習だった。
10時少し前にに家に橋本君が迎えにきた。
僕は練習昼からだよね?と聞くと昨日帰り僕と分かれた後にマサさんが10時半に集合って言われてたんだけど、電話するの忘れてたっと言った。
それと今日練習後マサさんの家で親睦会するから、家の人に泊まりに行くって許可もらっておいてって言われた。
急だったので許可は貰えないかもと言うと、一緒に頼んであげるから親呼んでと何か焦ってるみたいに言った。
お母さんに今日の事を伝えると、部活の付き合いも大事だからと意外にもOKが貰えた。
ただしマサさんの家の方にもお礼を言いたいからと、部活から帰るときに連絡先を聞いてくるようにと言われた。

勝は、千秋の胸元に赤い十字の線を見つけると立ち上がって何やら難しい顔をした。

「胸に十字の傷。そして頚動脈を切り裂いて殺害する。女子高生。
 なぁ、圭祐。この前もそんなのがなかったか?」

「えっ?あぁ・・・確かに、先月末にまったく似たような事件ありましたけど」

「・・・こりゃあ、同一犯の犯行って可能性が高いな」

「れ、連続殺人ってことっスか!?」

勝の言葉に、圭祐は驚きの声を上げる。
そう言った当の勝は、何やら遠くへと視線を向けていた。



そしてこの事件を始まりに、一人の少年と女性の物語は幕を開ける。



Episode? 復讐のロザリオ ≪1≫



7月7日 AM12:30 雲明署・会議室


「原田千秋は、頚動脈を切り裂かれて、ほぼ即死。
 さらに胸にはナイフか何かで十字に傷をつけられていた。
 以上のことから先月の29日に起きた殺人との関連性があるのではとの見方が強いです」

捜査員の一人が、報告を終えると勝はうんと頷く。

「先月に起きた事件の被害者、佐久間佳江と原田千秋の接点を洗ってみたところ。
 中学校時代の同級生である事実がわかりました。
 殺害方法も今回の事件と酷似していたこともあり、関連性は強いかと」

さらに別の捜査員の報告を受けて、勝はその場に立ち上がった。

「佐久間佳江、原田千秋の殺害は同一犯の犯行であるという方向性で捜査を進めていく。
 各自、2人の間に何かなかったか、及びに怨恨を抱いている人物を見つけること。
 後は・・・何か犯人に繋がる証拠がないかもう一度洗いなおすこと、いいか!」

その言葉に捜査員達は、力強く頷くとそれぞれ立ち上がり会議室を後にしていった。
勝は、ふぅと溜め息をついて上着の内ポケットから煙草を取り出した。
と、ふと見上げた視線の先の人物を見て取り出した煙草を元に戻した。

「なにか用か?・・・晶」

「いいえ・・・気分悪そうね。見たところ、二日酔いってところかしら?」

呆れた表情で、相模晶は言った。晶の階級は警部補。
元は警視庁の捜査一課所属だったのだが、ある事件を原因に所轄へと飛ばされてしまった。
しかし本人は、そのことを気にしている様子はない。
それに警視庁から飛ばされてしまったのは当時から上司であった勝も同じことだ。

「まぁな。飲み方が悪いとその分、酔いも酷くなるもんだ」

晶の方を見て苦笑して言うと、勝はゆっくりと晶の隣に腰掛けた。

「飲み方が悪いって、相当嫌なことでもあったのかしら」

「ハハッ・・・最近は愚痴を聞いてくれる女もいなくてね。
どうしても酒に頼らざるをえなくなる・・・悲しいだろ?」

勝の笑みに対して、晶もそうね、と綺麗な笑みを向けた。
勝はそっと晶の肩に腕を回すと自分の方へとそっと抱き寄せた。

「おまえが良ければ・・・俺はやり直したってかまわないぜ」

耳元で囁かれ、晶の頬は赤く染まる。
が、晶はすぐに勝の顔を押しのけて、肩に回された腕を払いのけた。

「悪いけどあたし。こうみえて二番手で満足できるような性格じゃないの。
 透子さんの代わりだっていうなら・・・遠慮しておくわよ」

透子という名前が出されて、勝の表情が切なそうになったのを晶はすぐに感じ取った。
そう、勝が晶と交際する前に付き合っていた一人の女性。
きっと。勝が一生忘れることはないだろう、できないであろう人。

「透子のことは確かに大切だ。今でも忘れられない。
 だけどな、同じように俺はおまえのことも大切に思っていた・・・。
 いや、今でも思っているよ」

「・・・とりあえず。今日の相手くらいなら付き合ってあげる」

晶もまた切ない、しかし勝に悟られないような笑みを浮かべてそっと勝の手を握った。





AM7:40


どこにでもあるような普通の一軒家。それは外装も内装も変わらずして普通。
表札に「因幡」と書かれたその家に住んでいるのは、高校生と中学生の2人の兄妹。

妹・智巳は、ダイニングでのんびりと紅茶を飲んでいた。
肩まで伸びたストレートの黒髪。一見、真面目そうだが両耳には派手なピアスがつけられている。
そして顔立ちはとても端整で、中学3年生とは思えないほど品がある。

ふいにカチャ、とドアが開く音がして智巳はドアの方に目をやり、そして溜め息をついた。
眠そうに目を擦りながら現れた兄・彰人はゆっくりと智巳の向かいに座った。

「お兄ちゃん、もう少し早く起きたらどう?いっつも、遅刻ギリギリ」

智巳は呆れながら、立ち上がるとキッチンへと向かう。
そして紅茶を戻ってくると、彰人の前に置いて再び向かいへ座った。

「そんなこと言ってもしょうがないだろ。バイトの疲れが溜まってるんだよ」

「バイトばっかりして、進級できなかったら怒るからね?
 ただでさえ叔母さんに生活費どうこうで迷惑掛けてるんだから。
 せめて高校くらいちゃんと3年で卒業してよ」

不機嫌そうに言うと、智巳はすぐ横の吹き抜けのリビングへ向かう。
そしてソファに置いてあった鞄を手に取る。
彰人はそんな智巳を、いじけた様子で紅茶を啜りながら見ていた。

「そういえばさぁ・・・」

思い出したように言うと智巳は、なに?と一言、冷たく言って彰人を睨む。

「叔母さんとの話、どうすんだよ?いつまでもそのままってわけにはいかないだろ?」

「そ、それは・・・。お兄ちゃんはどうしてほしい?」

いまさっきまでと打って変わって、智巳の顔には困惑が見え隠れしていた。
それほどに、彰人が持ち出した話に対してあまり良い思いをしていないのだろう。

佐倉京子

吉川桃子

【04:20】

ソウイチが持っていたルールは4と7、ゴンが持っていたルールは4と8だった。

被っているのはソウイチとゴンのルール4、そして俺とゴンのルール8――

つまり、実質的に分かったのはルール4と7である。

(まあ分かっただけましか……)

最低でも3つは分かって欲しかったのだが、これが結果を受け入れるしかないだろう。

ルール4はJOKERという厄介なPDA、ルール7は戦闘禁止エリア内での戦闘行為者へのペナルティーが記載されていた。

もし気性が荒く、ルール7や8を持っていない者がいるとするならば、今頃自爆しているに違いない――

「で、モッキョ、どうする?」

ソウイチが俺に今後どうするかを尋ねてきていた。


俺は……

1.ソウイチたちと同行する

2.単独行動をとる

3.その他

>>123
>>124
>>125

>>125のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>123
34~66 >>124
67~99 >>125

1

3

「悪いが、俺はお前たちと一緒には行かない」

ソウイチが差し出した手に、俺の手は重なることはなかった。

「なぜ!? 一緒のほうが、安全、有利!」

ソウイチは断られると思ってなかったのか、必死に引き留めようとしている。

「俺とソウイチはまだ出会ったばかりだ。だから俺は信用できないな」

これはただのゲームではなく、戦争なのだ。

軽い気持ちで他人と手を組むのはリスクが高いうえに、リターンが全く無い可能性だってあるのだ。

「俺はモッキョの事信じてる! だから、一緒に行こう!」

「しつこい男は、どこの世界でも嫌われるものだぞ? ……じゃあな、ソウイチ、ゴン。また会えると良いな」

俺はソウイチとゴンに背を向けて歩き始めた。

そんな俺の後にソウイチがついてこようとしていたが、ゴンがどうにか引きとめていた……。

俺はこのあと……

コンマ判定1個下

00~30 誰かと出会う

31~60 ツールボックスを見つける

61~90 爆音を耳にする

91~99 何も起きない

【05:00】

俺はソウイチたちと別れた後、ツールボックスというものを見つけていた。

説明書通りPDAに導入してみると、チップに書かれた“GPS”なるものの機能が追加されていた。

「ふう……これで、ようやく考えながら行動できるな――」

地図画面には赤い光点が点滅していて、1階の地図全体から見ると割りと中央部にいる事が分かった。

(階段は、っと…………。案外遠いな、これは)

階段は1階の右上付近にあり、ここから歩いて2時間から3時間はかかりそうだった。

「戦闘解禁、ルール、階段、か……」

全面戦闘禁止エリア解放まで、あと1時間ほど――

ゲーム開始から6時間になった瞬間に、このゲームは劇的に変わるのかそれとも今と然程変わらないのかは分からない。

まあ、今のように気を抜いて廊下を歩きながら食事をするようなふざけた真似は出来なくなるだろう。

また、俺はまだルールを全然完成できていないため、できるなら今すぐにでも他のプレイヤーと遭遇しなければならない。

とは言っても、これだけ広大なフィールドで恐らく少ないプレイヤー数という酷な条件なのだから、到底起こらないだろう。

そうなると、いま現在位置が分かる俺にとってすべきは階段に向かう事ではないだろうか。

階段は恐らく1フロアに1つであり、上階へ行くにはそこを通らなければならない。

となると、階段前に待機しておけば否が応でも他プレイヤーと会うことができるはずだ――

(といっても、俺以外のプレイヤーのほとんどが既に2階にいる可能性もあるがな……)

結局、最終的に行きつきのは運任せという現実に俺は舌打ちをした。

俺はこの後……

1.とりあえず階段を目指して歩く

2.あえて階段は無視して適当に歩く

3.階段付近まで行き、その周囲を探索する

4.少し仮眠を取る

5.その他

>>130
>>131
>>132

>>132のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>130
34~66 >>131
67~99 >>132

参加者の人骨を想像する。

3

1

すみません、明日朝から用事があるのでかなり早いですが、ここまでにします。

【06:30】

俺は黙々と歩き続け、ようやく階段付近までやってきた。

途中で地図拡張機能のツールボックスを手に入れたため、今後は効率的に部屋をまわることが出来るだろう。

(さて、あとはプレイヤーを見つけるだけ、か……)

既に戦闘が解禁されているため、ソウイチたちのときのように簡単に接触は出来ないと思うが、やらざるを得ない。


俺はこのあと……

コンマ判定1個下

00~30 誰かと出会う

31~60 誰かを見つける

61~90 誰かに襲撃される

91~99 何も起きない

【07:00】

周囲を探索し始めて少し経つと、俺は3人の人影を見つけた。

見たところ全員女性であり、制服、ゴスロリ、白のワンピース、の異色なトリオだった。

地図を見ると彼女らは階段のほうへ向かっている様子である。

(さて、どうするか……)

相手は女3人であり、大柄な俺が突然近づいていくと警戒される可能性が大きい。

俺はどうやって接触を図る……?


1.遠くから声をかけて相手の出方を見る

2.ゆっくり近づいて相手がこちらに気が付くのを待つ

3.階段に着くまで後をつけて、そのときに話しかけてみる

4.その他

>>149
>>150
>>151

>>151のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>149
34~66 >>150
67~99 >>151

2

1

【07:30】

俺は3人にゆっくり近づくことにした。

3人の中でもワンピースを着た女性が一番周囲を警戒しているようだったが、俺の存在にはまだ気が付いていない。

(そろそろか)

俺はある程度彼女らと近付いたところで、足音を殺さずに歩き始めた。

「……! 誰かいる!」

すると、ワンピースの女性より先に制服をきたほうが気が付いた。

「アンタ、参加者?」

後ろを振り返ると同時にワンピースの女性が厳しい目つきで俺を睨んできた。


俺はどうやって彼女らに接する?

1.フレンドリーな感じで話しかける

2.いつもの感じで話しかける

3.ワンピースの女に睨み返す

4.その他

>>153
>>154
>>155

>>155のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>153
34~66 >>154
67~99 >>155

3


3人の顔を見ながら恐らくアンタ達と同じだと答える

「ああ、俺も参加者――このゲームのプレイヤーだ」

俺はいつも通りに話しかけることにした。

「あれ~? 外国の人~?」

「ちょっと、ナギサ!」

ナギサと呼ばれたゴスロリの女性が、興味あり気な顔をしてこちらに向かってきた。

「おっと、いまは戦闘が解禁されてるんだ。あまり不用意に近づかれるのは困る」

「え~、どうして~? あ、私はナギサっていうの~! よろしく~!」

ナギサは戦場にいる子供のような純粋な目でこちらを見てきた。

「俺はモッキョだ。よろしく、ナギサ――」

どうやって平和的に近づくか、という懸念はナギサによって杞憂に終わってしまった。

その後俺たちは自己紹介とルールを交換し合った――

【07:50】

3人の持っていたルールと俺の持っていたルールを合わせることで、全てのルールを把握することが出来た。

(このゲームとやらは、一筋縄ではいかないようだな……)

賞金の事に関しては特に気にしなかったが、ルール9の解除条件一覧が一番目を見張るものだった。

殺害が解除条件に含まれているのはA、9、JOKER、そして俺の3であり、プレイヤーが14人に対して妥当な数である。

しかし、条件によっては誰かを殺害しなければクリアするのが難しいものもあるため、人命の取り合いで競合が起こる可能性が高いだろう。

「やはりJOKERっていうのが面倒だな。これにかき回されるのは勘弁だ」

「えぇ、そうね。でも、2人殺すプレイヤー、なかなか出ないわ」

「確かに。でもだからこそ、信頼し合った後の裏切りってのが怖いわけだ」

ゲーム開始から1日目から2日目はJOKERが動くことはほとんどないだろう。

しかし、ゲームが終盤に近づけば近づくほど、周りにJOKERがいて、寝首を掻かれるリスクが高まってくるのが問題だろう。

「……さて、ルール集まったし、単独行動をとるわ」

レイカが椅子から立ち上がって荷物をまとめ始める。

「え~、一緒にいこう~!?」

ナギサがレイカを引き留めているが、彼女はあまり聞く耳を持ってい無いようだ。


俺はここで……

1.ナギサと共にレイカを説得する

2.レイカのあとをつける

3.レイカを追い出す

4.単独行動を取る

5.その他

>>157
>>158
>>159

>>159のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>157
34~66 >>158
67~99 >>159


1

2

2

【08:00】

俺はレイカが退室したのを確認したあと、流れに乗ってナギサとサクミに単独行動を取ると別れを告げて部屋を出た。

(よし、いくか――)

すると、すぐさま俺はレイカのあとを追いはじめた。

まあ、ナギサとサクミよりはレイカのほうが使える、と俺は判断したのだ。

「……ッ!」

俺の足音に気が付いたのか、レイカは動きを止めて身を隠した。

「誰!? ナギサ?」

威嚇するような声が俺の耳を刺す。

「俺だよ。モッキョだ」

「何か用? それとも、ナギサに引き留めるよう言われた?」

「いや、違うな。俺は――」


俺がこのあという言葉は……。

1.レイカと組みたいと思っている

2.レイカに惚れたんだ

3、レイカのことが心配になった

4.レイカの骨が欲しくなった

5.その他

>>161
>>162
>>163

>>163のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>161
34~66 >>162
67~99 >>163

4

3

1

今日はここまでにします。


【体調】
身体:健康
精神:平常

【武器】
木材
【ツールボックス】
GPS、地図拡張

【PDA情報】
3:モッキョ

女子十八番 室町古都美(むろまち・ことみ)

身長 154cm
体重 44kg
誕生日 2月23日
血液型 A
部活動 合唱部
友人 荻野千世
佐伯華那
鷹城雪美
(女子文化部グループ)
愛称 古都美・ことちゃん
出身小 小金井西小学校(東京)
親の
職業 市議(父)

通常入試で合格し、帝東学院中等部に入学した。
大人しく真面目な性格。
内気で人見知りをするので、グループの人と部活の人としか話をしない。
星崎かれん・湯浅季莉にたまに苛められるため、2人のことが苦手で嫌い。
風紀委員。



 チーム: 9班(リーダー)
支給武器: グロック19
kill: 横山圭(男子十八番)
相葉優人(男子一番)
原裕一郎(男子十三番)
killed: 湯浅季莉(女子二十番)
凶器: 鎌
 
教室を出発後、チームメイトの横山圭(男子十八番)に向けて発砲。その後平野南海(女子十四番)を狙った弾が圭に当たり、圭を殺害。南海には逃げられる。友人たちと生き残るためには“リーダーのみが生き残りプログラムが終わる”状況を作らなければならないと考え、メンバーを襲ったことを原裕一郎(男子十三番)に告げる。裕一郎に「友人たちに会うまでは生かしてほしい」と頼まれる。

C=05エリアにて、相葉優人(男子一番)・小石川葉瑠(女子五番)を発見。親友の荻野千世(女子三番)の死因を知り号泣するが、リーダーではない葉瑠へ殺意を向ける。葉瑠を護るために裕一郎ともみ合いになっていた優人を背後から狙撃、射殺。

D=03エリアにて、鷹城雪美(女子九番)と再会。雪美に、共に生き残ることを提案し、雪美に信じてもらうために裕一郎を殺害。しかし、雪美に裏切られ、“友達ではない”と言われたことに錯乱。絶望の中、雪美の指示に従った湯浅季莉(女子二十番)に首を切られ死亡した。


雪美を盲信し続けた古都美でした。華那が生きていれば、華那に会っていれば…と思いましたが、きっと華那が忠告したところで聞かないだろうなぁ。
付けた時には何も思わなかったですが、「室町」で「古都」ってすごく歴史的な名前だなぁと思いました、大東亜に室町時代があったかは知りませんが。


男子十三番 原裕一郎(はら・ゆういちろう)

身長 164cm
体重 50kg
誕生日 6月8日
血液型 A
部活動 サッカー部
友人 宍貝雄大
横山圭
(体育会系グループ)
愛称 裕一郎・裕ちゃん・ユウ
出身小 帝東学院初等部
親の
職業 会社員(父)

真面目で自分にも他人にもストイック。
無愛想で滅多に笑わず近寄りがたいが、実は怖がりで可愛いもの好き。
恥ずかしがりやで、女子とはまともに会話ができない。
横山圭とは部活で同じポジションを争ったライバル同士で今も喧嘩が絶えないが、その実力は認めているため一緒にいる。
風紀委員。



チーム: 9班
支給武器: ガラスの灰皿
kill: なし
killed: 室町古都美(女子十八番)
凶器: グロック19
 
室町古都美(女子十八番)に片想い中。

教室を出発後、まずは落ち着ける隠れ場所を探すことを提案するが、突如古都美が横山圭(男子十八番)へ銃口を向けた。圭の死を目の当たりにする。殺人を犯してなお優しい古都美により一層の想いを寄せ、友人と生き残りたいと願う古都美を手伝うことにする。

C=05エリアにて相葉優人(男子一番)と小石川葉瑠(女子五番)を発見。リーダーのみが生き残り試合終了する状況を目指す古都美に、リーダーではないと判断した葉瑠を狙うように指示。葉瑠を護るために動いた優人に撃たれそうになるが、古都美に救われる。日頃話しかけてくれていた葉瑠に礼と謝罪を述べ、古都美と共にその場を立ち去った。

D=03エリアにて休息中、鷹城雪美(女子九番)が現れる。雪美と生き残りたいと願う古都美の意志に従い、古都美に撃たれ死亡。


報われない片想いだった裕一郎でした。
せめてもの救いは、古都美の絶望を見なくて済んだこと…なのか、そもそも無茶でも古都美を止めていれば古都美が絶望することもなかったのか…

御神島の西の端に聳え立つ灯台と、現在プログラム本部と化している小中学校を繋ぐ、東西に走る舗装された道の中間地点にあたるD=03エリアの南側。
地面にはっきりとエリアを区切る線が書かれているわけではないので正確な位置はわからないのだが、もう少し南にくだれば既に禁止エリアに指定されているエリアに入ってしまい、首に巻き付けられた無骨な首輪が爆発してしまうので気を付けなければならない。
原裕一郎(男子十三番)と室町古都美(女子十八番)は、現在は休息を取るために道路の脇の木の幹に背中を預けて座っているので、その心配はないのだが。

古都美は隣でぼんやりとどこか遠くを眺めている裕一郎をちらりと見た。
裕一郎とはこれまで会話を交わした記憶はほぼないのでどんな人なのか詳しくは知らないが、いつ見てもムスッとしているというか、思えば笑顔は見た記憶がない。
今も表情からは喜怒哀楽を読み取れない。
ただ、つり上がり気味である上に目力の強い裕一郎のことを古都美は怖いと思い続けてきたのだが、今はその目力はなく、疲弊していることは簡単に見て取れた。

8時間程前に会った相葉優人(男子一番)と小石川葉瑠(女子五番)。
古都美がリーダーである優人に致命傷を負わせたことが原因で、5時間前の定時放送では揃って名前を呼ばれた。
2人と別れる時、裕一郎は葉瑠と二言三言会話を交わしていたようだった。
裕一郎と葉瑠が付き合っているとか、仲が良いとか、そのような噂は聞いたことがなかったのだが、もしかするとそのような間柄だったのだろうか。
しかし、故人、それも自分たちが死に追いやった相手のことを蒸し返すことはできなくて、聞けないままずるずると時間だけが過ぎていた。

古都美は小さく溜息を吐き、カーディガンの袖をきゅっと握った。
この重たい空気が、酷く息苦しい。
眼鏡の分厚いレンズ何度も拭いてみたり、太い2本の三つ編みを弄ってみたりしても、何の気休めにもならない。
元々お互いよく話をする方ではないので、お互いが喋らない状況は仕方がないのだが、古都美は裕一郎に対して負い目があるだけに、沈黙が苦しかった。

負い目の一つは、横山圭(男子十九番)を射殺したこと。
確か、圭と裕一郎は行動を共にしていることが多かった。
言い争いをしては宍貝雄大(男子八番)に宥められる、という光景を目にしたことは一度や二度ではないが、その様子を見ていた男子主流派グループや女子主流派グループの面々のような人付き合いの上手な人たちは、「あーあ、またやってる」「相変わらず仲が良いね」といった感想を述べて笑っていたので、古都美が考えていたよりも2人は仲が良かったのだろう。
そんな“喧嘩する程仲が良い”間柄だったと思われる圭の命を奪った古都美の行為を、裕一郎は表に出さないだけで心の中では恨んでいるはずだ。

そしてもう一つは、古都美は裕一郎をいつかは殺害する意思を見せているのに、裕一郎はそれを受け入れた上で行動を共にしているということだ。
クラスメイトの大半が班で協力して生き残ろうとしていると思われる中、古都美は政府に勝手に決められた班員で生存を目指すのではなく、信頼する友人たちと生き残る道を目指すことを決めた。
それは、裕一郎に「死んでくれ」と言っているようなものなのだが、裕一郎は古都美の思いを知っても逃げようとはせず、それどころか古都美が友人たちと会ったら殺せばいいとまで言ってきた。
百歩譲って親しい間柄だったのならともかく、記憶している限りでは一度も会話すらしたことのない相手に、どうしてそのようなことが言えるのか、理解できなかった。
しかし、「どうしてあたしのために死んでくれるのか」などという自意識過剰にも程がある質問を投げることができず、裕一郎の意図を理解できないままここまで生き残ってきてしまった。

雪ちゃん…雪ちゃんに会いたい…早く…会いたいよ…

この重苦しい空気を破り古都美に安らぎを与えてくれるのは、この島にはたった一人――鷹城雪美(女子九番)しかいない。
おっとりして優しかった荻野千世(女子三番)とのんびり屋でほわほわとした印象の佐伯華那(女子七番)、本当ならこの2人も古都美に安らぎを与えてくれる人たちなのだが、2人はもうこの世にはいない。
本当は4人で一緒に生き残りたかったのだけれど、もう、それは叶わぬ願い。
だけど、せめて、雪美だけでも一緒に生きて帰りたい。

「雪ちゃん……ッ」

「…鷹城のこと、心配か…?」

古都美は顔を上げた。
裕一郎が、相変わらず何を考えているかわからない仏頂面を古都美に向けていた。
雪美のことを心配していることが裕一郎の気に障ったのか、友人を心配する古都美を心配してくれているのか、特に深く考えているわけではないのか、表情からそれを判断することはできず、古都美は正直に頷くことにした。

「まあ、当然だよな…室町と鷹城って、いつも一緒にいたイメージあるもんな」

「うん…雪ちゃんは、とても大事な友達だから…」


古都美は小さい頃から人見知りが激しく、上手く人とコミュニケーションを交わすことができず、地元の小学校では友達を作ることはできなかった。
苛められたわけではないけれど、遠足のグループを作る時のような、どうしてもという必要がある時以外は誰も近寄って来ず、古都美から誰かにアプローチを掛けることもなかったので、休み時間はいつも図書室で本を読んでばかりいた。

そのまま地元の中学に進学しても環境も人付き合いも何も変わらないと心配した両親の勧めで、帝東学院中等部の入学試験を受け、なんとか合格することができた。
両親は、古都美が所謂“中学デビュー”をしてくれることを期待していたのかもしれないが、人見知りや内向的な性格がそう簡単に変わるはずもなく、帝東学院に入ってからも古都美は友達を作れないままだった。
更に、1年の頃から同じクラスで、その当時は出席番号が前後だったために何かと組まされることが多かった星崎かれん(女子十六番)の気に障ることをしてしまったのか、かれんやかれんとつるんでいた当時のクラスメイトから嫌がらせを度々受けるようになり、状況はむしろ悪化した。
2年に進級してもかれんとは同じクラスになってしまい、更に湯浅季莉(女子二十番)にまで目を付けられ、嫌がらせがなくなることはなかった。

しかし、古都美に転機が訪れた。

「室町古都美…ちゃん?
 綺麗な名前ね、あたし、とっても好きだな」

そう言って、柔らかい笑みを浮かべて手を差し伸べてくれた雪美との出会い――それが、古都美の学校生活を大きく変えた。
雪美と話をするようになって、同じように雪美に声を掛けられた千世や華那とも話をするようになり、古都美にもいつも一緒にいることができるクラスメイトができた。
古都美は一人ぼっちではなくなった。
更に、季莉は雪美と親しいようで、雪美が見ている前では嫌がらせを受けることはなくなり、ほぼずっと雪美と行動を共にしているので嫌がらせの回数が大幅に減った。
学校という場所に身を置いて8年目にして、初めて学校生活を楽しめるようになった。

あの日、雪美が声を掛けてくれたから、今の自分がいる。
この先、雪美が傍にいてくれない人生なんて考えられない。
たとえ依存していると、他人に頼りすぎだと言われても、古都美が昔の一人ぼっちの生活に戻らないためには、雪美の存在は必要不可欠だ。

「雪ちゃん…あたし、雪ちゃんがいないと…」



「古都美ちゃん…?」



不意に名前を呼ばれ、古都美はばっと振り返った。
一瞬、我が目を疑った。
10m程離れた木の陰からちらりと姿を覗かせていたのは、古都美が会いたくて会いたくて仕方がなかった、最早たった一人となってしまった友人、鷹城雪美だった。
ああ、神様――信仰心なんて持っていないのに、思わず心の中で叫んだ。

「雪ちゃん…雪ちゃんッ!!!」

古都美は立ち上がり、雪美へ駆け寄った。
雪美も笑顔を浮かべて木の陰から姿を晒し、両手を広げて駆け寄った古都美を受け止め、抱き締めてくれた。

「雪ちゃん、会いたかったよ、雪ちゃん!!」

「あたしもよ、古都美ちゃん…心配した、無事でよかった…!!」

いつもと変わらない笑顔、いつもと変わらない声、いつもと変わらない優しさ――何一つ変わらない雪美の様子に安堵し、涙を流した。
そんな古都美の頭を雪美は優しく撫で、ハンカチで涙を拭ってくれた。

やっぱり、あたし、雪ちゃんと生きたい…雪ちゃんが良い…!!

ふと、裕一郎の顔が脳裏を過ったけれど、掻き消すように頭を振った。
裕一郎が何を考えているのかなんて聞いていないからわからない。
古都美が雪美と生きるためなら命を落とすことを良しとしてくれた真意もわからないけれど、裕一郎の命懸けの善意に甘えてでも、雪美と一緒にいたい。

「…雪ちゃん、ちょっと…話、いいかな…?」

古都美は雪美の手を取り、裕一郎の死角になる所へと引っ張った。
死角に入る間際、肩越しに振り返ると、裕一郎と目が合った。
小さく笑っていたように見えたのは、気のせいだろうか――いや、気のせいに違いない、頭の中でそう決めつけ、裕一郎から視線を引き剥がした。

「どうしたの、古都美ちゃん…」

「あの…あのね、あたし…雪ちゃんと一緒に生き残りたい…」

雪美が目を見開き、じっと古都美を見つめた。
そして、困ったように眉をハの字に下げた。

「その気持ちは嬉しいけど…でも、これはプログラムなのよ?
 あたしと古都美ちゃんは班が違うじゃない…」

「班は違っても、一緒に生きられる方法、あるじゃない。
 リーダーだけが生き残ることができるっていうルール…あれを使えば…!
 …あ、雪ちゃんの班は、リーダーは誰…?」

「…あたし、だけど……」

雪美は袖を捲り、腕に付けられた、古都美とお揃いの王冠マークを見せた。
これはなんたる僥倖。
よくよく考えてみれば、雪美がリーダーでなかった場合は、雪美に殺人を強要しなければならないことになっていたのだが、幸いにも雪美はリーダーだったのでその必要はなくなり、古都美はほっと胸を撫で下ろした。
優しい雪美に、人を殺してほしいだなんてとんでもないお願い、できるわけがない。
古都美も袖を捲り、リーダーの証を雪美に見せた。

「ほら、あたしもリーダーだから…ね!?」

「でも…古都美ちゃん、原くんと同じ班なんでしょう?
 あたしも、同じ班の人がいるし…」

「原くんより、雪ちゃんがいいのっ!!
 雪ちゃんと一緒にいるためなら、原くんだってこ…殺せるよ!!
 雪ちゃんの班の人も、他の人も、みんなあたしがやる…頑張るから!!
 雪ちゃんみたいな優しい人に、辛いことはさせない、だから…!!」

雪美が目に涙を浮かべながら、笑みを湛えて古都美の手を取った。

「古都美ちゃん…そこまであたしのこと思ってくれて、嬉しい…!!
 ありがとう、古都美ちゃん…大好きよ…!!」

“大好き”――これまでろくに友達のいなかった古都美にとって、今やたった一人となってしまった友人から貰ったこの言葉は、心に深く響くものだった。
やはり雪美はとても大切な友人で、雪美も同じように思ってくれている。
そのことが嬉しくて幸せで、天にも昇る心地だった。

ああ、雪ちゃん…
あたし、雪ちゃんのためなら何だってできる…本当に心からそう思える…!!

「でも…でもね、古都美ちゃん」、雪美はじっと古都美の目を見つめた。

「あたし、怖いの…
 古都美ちゃんは嘘なんて吐かない、そう信じてる…
 でも…もし、古都美ちゃんが原くんと生き残るつもりでいたら…
 あたしの班の人がみんないなくなった後、あたしのこと裏切ろうとしてたら…」

「そんなことするわけないよ!!」

「…じゃあ、証明してくれる?」

古都美は眉を顰めた。
証明とは何なのか――少しだけ考え込み、その言葉の意味がわかると、ぐっと力を込めて震えそうになる身体を押さえ込み、ゆっくりと深く頷いた。

「…原くんを最初に…ってことだよね?」

古都美の返答に、雪美は眉をハの字に下げて少し悲しそうに笑んだ。
雪美にこんなに悲しそうな表情をさせてしまったことを少し悔やみながら、古都美はもう一度頷いた。

「…わかった…ちょっと、待っててね…」

古都美はスカートに差し込んでいたグロック19を手に取り、雪美に背中を向けた。
また、人を撃たなければならない――震えだす足を懸命に動かし、一歩、また一歩と、裕一郎の方へと向かった。
姿を現した古都美に気付いた裕一郎が、座ったまま首だけを古都美に向けた。

「…鷹城と、話は纏まったか」

「…う…うん」

感情の読めない静かで低い声に、古都美はびくっと身体を震わせながらも答えた。

「鷹城と一緒なら、大丈夫なんだな?」

「…うん」

「覚悟も、決めたんだな?」

「…うん」

「そっか」

裕一郎は古都美から視線を逸らし、どこか遠くを見つめた。
その横顔は、先程見たものよりもどこか穏やかで、今からこの人を撃とうとしていることを思うと、なんだか胸が痛くて、涙が込み上げてきそうだった。

「一発で上手くやってくれ…頼む」

ああ、この人は、もうあたしに殺されることを決意してるんだ…

うん、と答え、唇を噛み締めて嗚咽が漏れそうになるのを堪えた。
グロック19をゆっくりと持ち上げ、裕一郎の頭へと照準を定めようとするが、手が震えて全く定まらない。

「泣くな、やると決めたんだろ…頑張れ、室町…頑張れ」

どうして、こんなあたしを応援してくれたりなんかするの…?
ねえ、原くん…あたし、今からあなたを撃とうとしてるんだよ…?
ごめんなさい、ごめんなさい…ッ!!

涙が止まらない。
身体の震えも止まらない。
それでも、古都美は体中の力を振り絞って、手の震えを精一杯止めた。
どうしてとか、ごめんなさいとか、言いたいことも聞きたいことも山程あったけれど、口を開けば泣き叫んでしまいそうで、震えがもう止まらなくなりそうで、決意が揺らいでしまいそうで、何も言うことはできなかった。

裕一郎のことは何一つわからないし、これまで知ろうとすらしなかったけれど、ろくでもない古都美の我儘を受け入れてくれた、とても優しい人――それだけはわかる。
そんな人を撃つだなんて、なんて汚い人間なんだろう。
だけど、それでも――

心の中でありったけのありがとうとごめんなさいを叫びながら、古都美はグロック19のトリガーに掛けた指に力を込め、一気に引き絞った。
耳を劈く音と、両腕に伝わる振動――その向こうで、裕一郎の身体がぐらりと揺らぎ、横になるように倒れていく姿が、まるでスローモーションのように目に映った。
殺されたとは思えない穏やかな横顔を見せる裕一郎の頭の下からは、じわじわとグリムゾンレッドが広がり、地面へと吸い込まれていった。

プログラムが始まってから、ずっと隣にいて、時に厳しく時に優しく古都美を支えてくれた裕一郎は、もう動かない。
この手で、殺してしまったのだから――

「ごめ……なさい……ッ」

泣くなと言われても、無理な話だった。
口を開いたと同時にこれまで耐えてきた声が溢れ出し、声を上げて泣いた。
全ては自分の勝手な願いが招いた結果だということは十分に自覚しているのだけれど、それでも止めることはできなかった。

だから、背後に迫る人物に、気付くことはできなかった。



「あーあ…原、可哀想…」


古都美の身体が硬直した。
これまでの経験から、この声を聞くと、反射的に身体が強張るのだ。
何度も馬鹿にされ、嫌がらせを受けてきた、湯浅季莉の声だ。
同時に、後ろから回された腕が古都美の頭部に巻き付き、首元に冷たい何かが当たったと感じると同時にちりっという痛みが走ったのがわかった。
固定されて頭が動かないため、黒目を動かし――自らの首元に鎌が突き付けられているのを確認した。
古都美は、はっきりと記憶していた。
季莉は、雪美と同じ班のメンバーだということを。

「ねえアンタさぁ…原殺して、あたしら殺して、雪ちゃんと生き残ろうと思ったって?
 雪ちゃん唆して…地味っ子のくせに、随分と大それたこと考えてるじゃん?」

さあっと血の気が引いていくのがわかった。
先程とは違う震えが全身を襲った。

まさか…さっきの話、聞かれて……

季莉がぐいっと力を込めて自分ごと古都美の身体を180度回転させて逆方向を向かせると、古都美の眼前には雪美と、雪美のチームメイトである榊原賢吾(男子七番)と松栄錬(男子九番)が雪美を挟んで立っていた。

「ゆ……ゆきちゃ……――」

「あら、季莉ちゃん…安心して、あたしは唆されてなんかいないから」

耳を疑った。
雪美は、今、何と言ったのか。

「雪ちゃん……え……だって……一緒に……あたしと一緒に……ッ」

「うん、古都美ちゃんはそういうことを言ってたわね。
 でも、あたし、古都美ちゃんと生き残る気なんてこれっぽっちもないわよ?」

血の気が引きすぎて、倒れてしまいそうだった。
雪美の言葉が、一つ一つ古都美に突き刺さる。

「何で……あたしたち……友達……それで…それで…ッ!!」

「友達…あたしと、古都美ちゃんが?
 まさか…ふふっ、あたし、友達なんて一人も作った覚えないんだけど?」

「そんな…そんなわけ……あたしと…ちーちゃんと華那ちゃんと…――」

「ああ、あたし、華那ちゃんとだったらお友達になっても良かったかな。
 …まあ、友達にはなりたくないって拒否されちゃったけどね。
 あの子との最後のお話は、とっても有意義だった…死なせるのが惜しいくらい。
 最期の最後まで、とっても楽しませてくれたもの…ふふっ」

“死なせるのが惜しい”、“最期の最後”。
その言葉の意味は、混乱している古都美の頭の中で容易に処理をすることができた――つまり、雪美は、雪美たちは、華那を殺めたのだ。
いつも一緒にいた友達だったのに。
いや、雪美はそうは思っていなくて、雪美の言葉を鵜呑みにするならば華那もそうは思っていなかったのだろうけれど。

意味がわからない、ずっとずっと一緒にいたのに、友達だと思っていたのに。
一人ぼっちだった自分に声を掛けてくれたのも、いつも優しく導いてくれていたのも、柔らかい笑みをくれたのも、何もかも嘘だったというのか。

華那には、古都美に見えていなかった何かが見えていたというのか。
それとも、華那も古都美のことを友達だなんて思っていなかったのか。
華那だけではなく千世も――

友達だって思ってたのは、あたしだけだったの……?
あたしは、あたしには、友達なんていなかったの……?

じゃあ、雪ちゃんたちと生き残りたいと思ってやったあたしの行動は……
横山くんを撃って、平野さんを怖がらせてしまったあの行動は……
こんなあたしの願いを尊重してくれた、原くんの思いは……

何もかも……無駄だったの……?

「うう……うああぁぁっぁっぁあっぁぁあぁぁっ!!!」

もう、わからなかった。
何を信じるべきだったのか、どうするべきだったのか、何もわからなかった。
信じていたものが崩れ去り、頼れる人は自らの手で失くした。
ただ泣き叫ぶこと以外に、何もできなかった。

「…はぁ…やっぱり、華那ちゃんとのお話みたいに楽しくはなかったわ。
 つまらない子ね、古都美ちゃんは。
 …季莉ちゃん、もう良いわ…煩い」

あまりにも冷たい言葉。
それに絶望する間もなく、ざくっという、これまでの人生で聞いた音で一番近いもので喩えるならば包丁で野菜を切った時のような音が、耳に届いた、ような気がした。
かあっと喉元が熱くなり、それが、古都美の最期の知覚となった。



手に、腕に、古都美の細い首から噴き出す鮮血を浴びた季莉は、小さく息を吐くと、古都美の拘束を解いた。
自らの意志を失った身体はゆっくりと重力に従って倒れた。
うつ伏せになっているのでその表情はわからないけれど、きっと、酷く絶望した表情を浮かべていたことだろう。

古都美のうじうじとしたところや、物言いがはっきりしないところが季莉の性格には合わず、苛々させられていたので苛めることも度々あったのだが、友人だと信じていた雪美に突き放された古都美は、さすがに哀れに思えた。
雪美を友人とは思っていなかった華那とは違い、雪美を信じ切っていた古都美の絶望は如何程であったか――他人事とはいえ、考えると胸が痛んだ。

さすがに古都美が気の毒だよ、雪ちゃん…

とても、口には出せなかったけれどそう思った。
季莉は少しの間だけ目を閉じ、あまりにも哀れな最期を迎えた、そして自身が命を奪った古都美に対し、黙祷を捧げた。

「古都美ちゃんに騒がれちゃったし…離れましょうか」

何事もなかったかのようにそう提案してきた雪美にはぞっとした。
きっとそれは賢吾や錬も同じだっただろう。
しかし、誰も何も言わず、この場を離れようとした。

「随分と、酷い真似するじゃねーの」

季莉はびくっと身体を震わせた。

人が現れたことに驚いた、それもある。
しかし、それ以上に季莉を震わせたのは、この状況でとても楽しそうな笑みを浮かべた、雪美の姿だった。

>>213
ありがとうございます
Revise探してみます
215: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/11/08(金) 23:44:48.35 ID:cAIrcOpM0 [1/1] AAS
>>212
PSPの4シナリオにHシーンつけて 悠奈と玲の弟くんのゲームの話のZシナリオ(4?5時間)と
おまけの世界観ぶち壊しのクイズ大会シナリオが付いたのがブーステッドエディション

コードリヴァイスはAはPSPのAと8割くらい同じだがBはPSPとはまったくの別物である
コメント1件
216: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/11/09(土) 00:31:34.52 ID:cpeE/WTc0 [1/1] AAS
>>215
説明ありがとう
ブーステッドの方は早まって買わなくて正解かな
217: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/11/09(土) 09:11:06.40 ID:u6dNcXow0 [1/1] AAS
え?
218: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/11/09(土) 17:47:20.12 ID:rE0QGz0R0 [1/1] AAS
Zシナリオはやって損はないけど そのためだけに9240はないかもなー
ゼロからはじめるならCRとBEだけでいいPSPは下位互換
219: 名無しさん@ピンキー[sage]
2013/11/10(日) 16:19:51.31 ID:4mA9E Gl0 [1/1] AAS
Zシナリオ説明会に参加する奴少なすぎワロタww
一部除いて参加者のレベル低すぎ
だから特別番組をする必要が出たんだろうな

「レイカのことが心配になったから、だ」

俺はいくつか候補があった中で、当たり障りのない言葉を選んだ。

「はっ……心配、ね。偉く人辺りが良いのね、アンタ」

そんな適当な言葉など聞くに値しない、とレイカは嘲笑った。

レイカは冷たく返事をしながら俺と距離をあけていく。

恐らく俺の襲撃を警戒しているのだろうから、それを追いかけるようにして間を詰めるのは良くないだろう。

「……あくまで、個人プレイで進めるっていうスタンスなのか、レイカ?」

「えぇ、そうよ。……どこぞの他人と組むの、勘弁よ」

彼女の言っている事は至極正論であり、そうしたほうが気持ち的にも楽だろう。

裏切りが起こる可能性があるのならば、最初から組まなければよい。

警戒心が強い人間であれば、最終的に辿り着くのはその結論である。

「レイカの言いたいことは分かる。だが、このゲームは単純な殺し合いじゃない。解除条件によっては、協力者が必要となる場合もあるはずだ」

まあ、幸い俺は3人殺害すれば良いだけなので、独りで進めても特に問題は無いのだが――

「気遣いありがとう。でも、その必要、ないわ」

いつの間にやら、レイカと俺との距離は10メートルほどあいていた。

(……どうするか)

このままだと、レイカは1人で行ってしまうのは時間の問題である。

俺は……

1.レイカを去るのを見届ける

2.こちらから去る

3.ダメ元でレイカに近づく

4.レイカを殺害する

5.その他

>>189
>>190
>>191

>>191のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>189
34~66 >>190
67~99 >>191

はよこの糞スレ落ちろや
対処もできんゴミスレなんかいらねーだよカス
対処しないやつが悪い

成功率低そうだけど4で

(……やるか――)

これ以上対話が見込めないうえに、ナカマにならない――

ならば、レイカには悪いが俺の解除条件への最初の犠牲になって貰うことにしよう。

「それじゃ、私はもう行くわ――」

レイカは今にも一歩を踏み出そうとしている。


俺が持っている武器は、腕の長さ程度の木材のみである。

レイカは見たところ武器を持っているようには見えないが、何かを隠し持っているかもしれない。

また、レイカはこちらの動きを警戒しながら離れようとしているようだ。

この状況下で俺は……

1.一気にレイカに駆け寄り、木材で攻撃する

2.一気にレイカに駆け寄り、殴り倒す

3.レイカのあとを同じ速度を付け、走り出した瞬間を狙う

4.殺害すると脅してみる

5.その他

>>194
>>195
>>196

>>196のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>194
34~66 >>195
67~99 >>196

5会話を重ねるふりをして近づき、木材で攻撃する

1

2

(素人相手には、先手必勝だな……ッ!)

俺はレイカが踏み出した足を地面につけたと同時に、大きく踏み込んだ――

「――――ッ!!」

そう来ることを想定していたのか、レイカは目を見開きながらすぐさま走りだす。

俺は持っていた木材を投げ捨てて、走る速度を速めていく。

(まあ、逃げられんがな――)

そこらの女の逃げ足など、傭兵である俺に対しては立ち止まっているのと同じである。

まるで生まれた小鹿を襲うライオンの狩りであるかのように、距離は一瞬で詰まっていた――

「なッ――!?」

次に見せたレイカの目は――驚きでもなく恐怖でもなく、唯々絶望の目だった。

「が……っ!」

牙と化した俺の拳が、振り向きざまのレイカの腹部に直撃する。

その瞬間、彼女の華奢な身体はくの字に折れ、床に滑るようにしてこけた。

「……悪いな、レイカ。俺と出会ったことが、お前にとって運の尽きだった」

当たり所が悪かったのか、レイカは歯を食いしばって必死に立ち上がろうとするものの、倒れて動けていなかった。

「やめ……っ、やめ、て…………、おね、がい…………」

レイカの目尻から涙が垂れ墜ち、腹から声を絞り出される生への懇願が淡々と繰り返される。

「なんでも、する、から……っ……だから、おねが……い――」

鬼を見るみるような目で、レイカは懇願し続ける――

「…………」

俺は……

1.レイカを絞め殺す

2.レイカを犯す

3.レイカのPDAを奪う

4.その他

>>198
>>199
>>200

>>200のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>198
34~66 >>199
67~99 >>200


3

4:3→2→1の順でおこなう

「ぁ……ぐ…………っ……!」

俺はレイカを仰向けにして細い首を両手で思いっきり掴んだ。

「ぃ、ゃ…………ぁ。っ…………ぅぁ…………っ――」

レイカは俺の腕を必死に払いのけようとするが、次第に抵抗が無くなっていく――

「…………」

いままで騒がしかった廊下が、急に沈黙を始める。

「あと……2人、か――」

レイカの最期の目は、戦場で犠牲となった子供の目と同じものだった――

【08:30】

麗佳を適当な部屋のベッドに寝かせたあと、俺は彼女のPDAを確認していた。

彼女のPDAは“10”――解除条件はPDA5個の破壊である。

1人でも可能な条件だが、協力者がいなければ難しい、そんなところである。

(とりあえず、このPDAは上手く利用させてもらうとしよう――)

できればQが欲しかったところだが、このPDAでも十分に平和的であるため、今後出会う相手を騙すことができるだろう。


俺はこのあと……

1.階段を目指す

2.ナギサとサクミが居た場所付近へ戻ってみる

3.少し休憩する

4.その他

>>202
>>203
>>204

>>204のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>202
34~66 >>203
67~99 >>204

3

【09:00】

俺はレイカの骨を回収しようと思ったが、時間があまりないためそのまま階段に向かっていた。

階段付近には誰を居らず、誰かが隠れているような気配も無い。

(もうほとんどが上がったのか、それとも……)

俺は階段前まで近づいてみた。

すると、飲み物や食べ物の容器が捨てられているのを見つけた。

(痺れを切らして上がったみたいだな――)

もしくは誰かとここで出会い、そのまま同行する形で2階に上がったかのどちらかであろう。

(……どうするか)

俺はここで……

1.当初の目的通り、ここで他のプレイヤーを待つ(要記載:時間指定)

2.2階へ上がる

3.その他

>>206
>>207
>>208

>>208のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>206
34~66 >>207
67~99 >>208

2

2



そういえば趣味は人骨コレクションだったなww

(ま、ここで時間を潰してもって感じだな……)

俺は再度周囲を見渡して誰もいないのを確認すると、2階へ上がった――

俺はこのあと……

コンマ判定1個下

00~30 郷田たちと出会う

31~60 長沢たちと出会う

61~90 ツールボックスを見つける

91~99 誰かに襲撃される

【09:30】

俺は2階をしばらく適当に歩き回っていた。

「……!」

すると、廊下の角を曲がった瞬間に見たことがない女性が目に入ったため、すぐに身を隠した。

「あの、あなた、このゲームの参加者?」

女性は比較的に警戒していない口調で俺に話しかけてきた。

「あぁ、そうだ。そうなると、アンタもプレイヤーか」

俺が半身を出して覗くと、女性は手に何かを持っているようだった。

それに焦点があった瞬間に俺は心の中は昂った。

(ハッ……やっぱり、用意されてるんだな――)

彼女の手にあるもの……それは、ボウガンだった。

やはり身体スペックの差を埋めるには、殺傷能力がある武器が必要となるだろう。

1階にソレがないことがおかしいと思っていたが、どうやらここ2階にはそういったものが置かれているらしい。

となると、このゲームの性質を考えると、より上階に行けば強力な武器が手に入るということなのだろうか――

(レイカは、とんでもないハズレくじを引いたってことだな……)

ゲームの土俵にすら立つ前に、レイカは俺に殺されたのだ。

まあ、過ぎたことを考えるのは馬鹿らしいことだが――

何はともあれ無防備な俺にとって“アレ”は脅威でしかないだろう。

「私、このゲームのことがよく分からなくて、ルールも把握しきれていないの……。だから、ルール、交換しない?」

女性は俺にすがるような顔をして、こちらに少し近づく。

俺は……どうする?

1.郷田にルールを教える

2.拒否をして去る

3.郷田を殺す

4.その他

>>212
>>213
>>214

>>214のコンマ下二桁によって安価を決定
 
00~33 >>212
34~66 >>213
67~99 >>214

3


黙って走り去る

>>213

序盤で麗佳を殺れたのはいいけどどうせなら犯りたかった

柳田裕華(女子十九番)は足の力が抜け、その場にへなへなとへたり込んだ。
お守りのように握り締めていた裁ち鋏が、音を立てて床に落ちた。
中学生らしからぬ派手なアイメイクで大きく見せている目からは、ぼろぼろと涙が溢れ、所々グロスが剥げてしまっている厚めの唇の間からは引き攣った声が細々と漏れた。

「起きて…ねぇ、起きてぇ……舞……ッ!!」

疲れて何気なく入ることを決めた民家。
地図によるとE=08エリアに属しているので、暫くは禁止エリアに入る予定もなく、休むことができる。
そもそも外で夜を越すなんて裕華には考えられなかったので、次の放送で禁止エリアに指定されなければ夜を明かそうと思っていた。

しかし、中に入ると、異常を察した。
鉄の錆びたような臭いがした。
怖い、だけど足が進む。
呆れた野次馬根性だ。

裕華は懐中電灯を片手に居間に足を踏み入れ――愕然とした。
床や壁や家具を汚す紅い色、そしてその中心にいるのは、裕華の親友である浦原舞(女子二番)だった。
前の放送までは呼ばれていなかったので、その放送から僅か5時間の間に何者かに殺害されたのだろう。

「舞…舞……やだぁ……ッ!!」

裕華はいつも舞の後ろにいた。
クラスメイトをグループに分けるとすれば“ギャルグループ”に分類されるグループのリーダーは舞だった。

『ほら、行くよっ!
 今日こそ三枝を泣かせてやるんだからっ!!』

田村光貴(男子十二番)を巡る恋敵である三枝妃(女子六番)率いる“妃グループ”と敵対し、毎日のように口論を繰り広げていた。
その中心には常に舞がいて、裕華は後ろから『そうだそうだ』と同調していた。
舞の後ろだから、妃たちに対抗することができたし、馬鹿みたいに真面目なところが何となく気に食わなかった宮嵜八千代(女子十八番)を堂々と苛めることもできた。

だけど、頼れるリーダーの舞は、もういない。

最初の放送では、もう1人の親友、中垣芽衣子(女子十二番)の名前も呼ばれた。
リストカットが趣味の、滅多に笑わない少々不気味な女だった。
舞と裕華がちょっとした悪さ(気に食わない女をトイレに呼び出したり、気に入った物を万引きしたりという、ごくごく軽いもの)をする時にはそれには加担せず、主に見張り役をしていた。
芽衣子が周りに目を光らせていたから、好き勝手なことができたとも言える。

だけど、見張り役の芽衣子も、もういない。

“ギャルグループ”はクラス内では浮いていた。
イベント事には誰よりも消極的だし(クラス全体が消極的に参加していたが、裕華たちは参加すらしなかった)、他のクラスメイトとは余程の事情がない限りは馬鹿にして関わろうとしなかった。
そんなグループの一員だった裕華に、こんな状況で、誰が味方になってくれるというのだろう。

更に、裕華に関しては、ある噂が立っていた。
『柳田裕華は、援助交際をしている』、と。
それは事実であり、否定することができない。
身長152cmの小柄な体の割りにややふっくらとした体つきは、未熟ながらも街に溢れる日常に疲れた中年オヤジたちには魅力的だったらしく、ただ歩いているだけで毎日のように声を掛けられた。
舞のように意中の異性はいなかったし(舞も同じようによく誘われていたが、舞は見かけによらず意外と純情な上に光貴という恋の相手がいたので、援助交際には決して手を出さなかった)、服やアクセサリーやコスメ用品など欲しい物は溢れていたので、お金欲しさに何度も違う男を相手に夜を過ごした。
不快なことも多々あったが、上手に甘えれば何でも買ってもらえたしお金も多く貰えたので、やめることはできなかった。

だけど、甘えれば何でもしてくれる優しいおじさんも、ここにはいない。

やだよ…裕華怖い……
誰か、誰か助けて……
裕華と一緒にいてよぉ……ッ

裕華は四つん這いで居間から脱出した。
死体と夜を共にするなんて、いくら親友と言えど我慢できない。
離れても、部屋を覆っていた血生臭さが鼻から離れない。

「う…うぅ……うぇ……ッ!!」

臭いと情景が頭の中でぐるぐると渦巻き、耐え切れなくなって裕華は呻き声を上げると、その場に胃の中の物を吐き出した。
吐瀉物が床に落ちる湿った音がやけに響いて聞こえ、その不快な音に一層気分が悪くなった。

C=06エリア内にある中学校、プログラム本部の一室で、碓氷京介は呻いた。
終始モニタールームにいるわけではない碓氷だったが、この時はたまたまモニタールームにおり、生存者12人中8人が集まっていることを知り、訝しんで盗聴器から情報を掴もうとしていた。
プログラムの最中だというのにしょうもないことで盛り上がっている子どもの会話を聞き続けることに辟易し、ヘッドフォンを外そうとした、その時だった。
前川染香(女子十六番)が、友人たちの名前を呟いた。
それも、ただならぬ様子で、まだ放送で名前を呼ばれていない友人の名を。
碓氷は舌打ちをすると、叫んだ。

「ハッキングされている、対処しろッ!!!」

突然の怒号に兵士たちは慌てふためいたが、特殊な方法で染香の携帯電話の回線が外と繋がっていることを知り、それを切ることで事態を収束させた。

「滝川。
 管理がなっていない、どう責任を取るつもりだ」

ソファーに腰掛けて優雅に紅茶を堪能していた滝川哀(担当教官)は碓氷の声に顔をしかめ、ティーカップを置いた。
そしてソファーの横で仁王立ちする碓氷を見上げ、笑みを浮かべた。

「さすがは前川さん、只者ではないだろうと思っていましたが…
 お手柄ですね、碓氷さん」

「そんな評価を聞いているわけではない、責任の所在を――」

「そうですね私の監督不行き届きですね申し訳ありませんでした」

哀は心にもないといった感情の込められていない声で、一息で謝罪を述べた。
反省の欠片も見られない謝罪に、傍にいた渡部響也(軍人)がぷっと笑いを洩らしたが、碓氷に睨まれて慌てて表情を隠した。
その様子に哀は苦笑し、碓氷にもう一度笑みを向けた。

「結果的にハッキングは阻止されたのですから、今はもう良いでしょう。
 全てが終わったら、どうぞ報告なり何なりしてくださいな」

「貴様…事の重大さをわかっているのか!?」

「ええわかっていますとも、だから後で処罰は受けますよ。
 今は何を言ってもどうしようもないでしょう、私が謹慎するわけにもいかないですし。
 そんなこともわからずに私を貶めるつもりですか?
 貴方自身の目の前の優越感しか見えていない、本当に小さい人ですね」

碓氷はぐっと呻いた。
落ち着いて考えれば非は当然ハッキングに気付けなかった哀にあるのだが、哀があまりに平然としているものだから、碓氷はそれ以上何も言わずに大きな足音を立てて出て行ってしまった。

「“小さい人”って言われたんが、よっぽど気に障ったんちゃいます?
 ほんまちっちゃいお人やわ」

渡部が哀に耳打ちした。
哀はふふっと笑みをこぼし、ティーカップに手を伸ばした。

内心哀はほっとしていた。
あれ以上言及され、本当に謹慎することにでもなろうものなら、いつ来るか知れない反政府組織の人たちをフォローすることが難しくなってしまう。
碓氷がここを仕切ることになれば、渡部や木下亨(軍人)・野田浩毅(軍人)といった、哀直属の部下たちも動きを取り辛くなってしまう。

気を抜いていては駄目ね、残り少なくなったとはいえ、今生き残っている子たちはどの子も曲者揃いだもの…

「滝川先生!」

モニターの前に座っている軍人の一人が声を上げ、哀はそちらを見遣った。
城龍慶(男子九番)に支給されている探知機よりもはっきりと生徒たちの位置を確認することができる画面上で、2つの点が近付きつつあった。

…これは…
この結果次第で、今後のプログラムの進行が大きく左右されるわね…

哀だけでなく、部屋にいる軍人たちもが、その画面に見入った。
より様子を把握しやすいようにと、軍人の1人がスイッチを押し、盗聴内容をスピーカーから流せるように設定を変えた。

道下未来(男子十七番)は慎重に、だが足早に歩みを進めていた。
診療所を出てから真っ直ぐ探知機が示した方向へ向かうことはしなかった。
迂回して、相手に自分が来た方向を悟らせないように配慮したのだ。

未来は足を止め、木の幹に背中を預けた。
額に滲む脂汗を袖で拭い、ふわっとしたこげ茶色の髪を手で軽く直した。
二階堂哉多(男子十三番)から受けた傷はもちろん痛むが、痛み止めを服用したので、本来の痛みに比べれば幾分和らいでいるのだろう。
いつものように動くことはできないが、仕方がない。
全て、自分を受け入れてくれた皆の時間を稼ぐためだ。

探知機に現れた反応は1つ。
その反応が示す可能性のある人物はたった4人なのだが、未来には予感があった。
根拠は何もない、ただの第六感。
何となく、いつか遭うことになると感じていた。
運命は2人を引き合わせるに違いない、と。
だから、その予感が胸を過った時、未来は1人で向かうことを決めた。
誰も巻き込みたくない、皆を護りたい、それもある。
だが、それ以上に、未来は面と向かって話をしなければならないと感じていた。

未来は10m程移動したところで、足を止めた。
抱えていた荷物を包んでいた袋を取った。
露わになったCIS ウルティマックス100の銃口を、5m先でこちらに背を向けてしゃがんでいる人物の背中に向けた。

ああ、僕って結構第六感が働くのかもしれないね。

銃口の先の人物は、ぴくっと頭を上げた。
ツインテールと白いリボンを揺らして立ち上がりながら振り返り、篠宮未琴(女子特別参加者)はアーモンド型の大きな目を未来に向けた。

「そっちから来てくれるとは、思わなかったなぁ、未来ちゃん。
 しかも、まさかの大怪我じゃん、“硝煙の天使”ともあろう子が」

「…そっちは、何かあったの?
 随分と、雰囲気が違うような気がするよ、未琴ちゃん」

未来と同じく“天使”として働いてきた未琴だが、どこかいつもよりも余裕がないように見えるのは気のせいではないはずだ。
口調も表情もいつもと変わりない。
だけど、何かが違うのだ。
具体的に挙げろと言われれば、言葉にはし難い。
10年近く同業者として何度も顔を合わせてきたからこそ感じ取れるものなのだ。

未琴は軍刀の鞘を抜き、刃先を未来に向けた。

「何であたしがここに送り込まれたか…理解してるよねぇ?
 理解してるから、来てくれたんでしょ?」

「理解は、してるつもりだよ。
 だけど…ごめんね。
 未琴ちゃんの指令完遂に、協力は、できないよ」

「そっかぁ…残念だ…なッ!!!」

言葉を言い終わると同時に、未琴は地面を強く蹴り未来に突っ込んだ。
未来も時を同じくして、足幅を広げて体を安定させ、ウルティマックスの引き金を引く。
弾が当たれば未琴の動きを封じることが可能だが、未琴は未来が構え直してから引き金を引くまでのほんの僅かなタイムラグの隙に横に跳んで弾を避け、スローイングナイフを未来に向けて投げた。
未来は咄嗟に撃つのをやめて身を屈め、それをかわす。
その動作を見越していた未琴が軍刀を振り上げて未来との距離を詰める。
振り下ろされた軍刀をウルティマックスで受け、かぁんと音が響いた。
未来はウルティマックスで刃を押し返す。
力負けした未琴が僅かに体勢を崩す。
その脇腹に、未来は蹴りを打ち込んだ。
未琴は僅かに呻くが、体勢を崩されながらも軍刀を振るい、刃先が未来の髪を撫でた。
ここまで、僅か10秒にも満たない。

…駄目だ、反動が傷に響く…!

未来はウルティマックスを投げ捨てると、グロック19を手に取った。
彼我の距離を取ろうと退く未琴に向けて発砲するが、未琴は巧みに木の陰に身を隠すのでなかなか当てることができない。
爆発物を武器として扱ってきた未琴は、“天使”としての仕事の際も基本的に彼我の距離を取り相手の攻撃は上手く身を隠して避けていたので、今の動き方は未琴にとってはいつもと変わらないものなのだ。
一方、遮蔽物の多い森の中は、未来にとってはあまり望ましくない。
嫌でもある程度距離を詰めなければ、銃弾を当てられないのだから。
未来は未琴との距離を詰めるために前に出た。
未琴が最初にしゃがんでいた付近に足を踏み入れ――「え?」と呟いた。
足の裏で感じた感触が、それまでと違っていた。
違和感を覚えながら、それでも急に足を止めることはできず、次の一歩を踏んだ。

激しい音と閃光。
土煙。
そして、激痛。

「ああぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!」

未来は悲鳴を上げ、その場に倒れた。
それでも上半身を起こし、自分の右足に目を遣り――食いしばった歯の隙間から洩れるような呻き声を上げた。
右足の膝から下があるはずの部分には、血の池が広がっていた。
15年間毎日のように目にしてきた自分の足が、見当たらない。
ただ、その部分を中心とした地面のあちらこちらには、赤黒い物体が散らばっている――考えずともわかる、あれらが、つい先程まで未来の右足を構成していたモノだ。

「作戦通り、踏んでくれちゃったねぇ♪
 どうだった? 未琴ちゃん作の特製地雷の威力は」

未来はいつの間にか目の前に立っていた未琴を見上げた。
言葉を出そうにも、右足から突き上げる激痛が邪魔をして、ぜぇぜぇと喘ぐことしかできなかった。

ああ、何で気付かなかったんだろう。
何故、遭った時に未琴はこの場でしゃがんでいたのか。
未琴は、爆発物の扱いを最も得意とする、通称“爆炎の天使”。
予め爆発物を埋めておいて、相手をその場におびき寄せる――それが未琴のやり方の1つだということは、十分に理解していたのに。

「“天使”のセンパイからの忠告…未来ちゃんは、いつもツメが甘いんだよ。
 もっと状況から危険を予測しなきゃ…ねぇ?
 次からは気を付けてね…まあ、次なんて、ないだろうけど――…ッ!!」

未琴は目を見開き、その場に片膝を付いた。
反射的に脇腹を抑えた手を自分の顔の前に上げた。
未琴の白い手は、真っ赤に染まっていた。

「未来ちゃん…しぶといなぁ…!!」

未琴が睨む先、未来の手に握られたグロック19は硝煙を上げていた。
ぶるぶると震える手で、出来る限りの力でグロック19を握っていたが、手を上げ続けることができず、ばたりと地面に手が落ちた。

「[ピーーー]…ない……ッ!!
 みんな…が…まって…くれてる……から……ッ!!」

未琴が鼻で笑った。

「何それ。
 未来ちゃん、自分の存在がどういうものなのか、忘れてなぁい?
 みんなとは違うんだよ、あたしたちは、普通じゃないの」

「それでも…!!
 みんな…受け…入れて…くれたんだ…!!
 初めて“生きたい”って思えた…だから、負けないっ!!」

精一杯の力を振り絞り、未来は叫んだ。
何とか立ち上がろうとしたが、右足を失った状態では到底無理な話で、未来は四つん這いになろうとした時点でバランスを崩して崩れ落ちた。
それでも、左手でもう一度上半身を起こし、グロック19を持つ右手を持ち上げた。

こんな所では[ピーーー]ない。
護ると言ってくれる人がいる。
死ぬなと言ってくれる人がいる。
幸せを願ってくれる人がいる。
そんな優しい人たちの所に還りたい。
そんな優しい人たちを護りたい。

「僕にだって…護れる…護るために力を使えるんだ…ッ!!!」

「バッカみたい」

未琴は不機嫌さを露わにした声で言い捨て、引き金を引くところまで力を出すことができない未来の右手に、軍刀を突き刺した。
声にならない声を上げ、未来はグロック19を手放した。
意識が朦朧とする。
これだけの失血と痛みでショック死していないことの方が奇跡なのかもしれない。

未琴はしゃがんで、未来の頭にぽんっと手を乗せた。
はっきりとしない視界の中で、未琴は笑みを浮かべていた。

「勘違いしちゃ駄目だよぉ?
 あたしも、未来ちゃんも、壊すことしかできない兵器なんだからね?
 何かを護るだなんて、できるはずないでしょう?
 生きていたって、あたしたちには、希望も展望もないんだよ?」

「なんで…あきらめ…るの…?」

未来は左手を伸ばし、未琴の白いブーツの先に触れた。
精一杯力を振り絞り、未琴を見上げた。

「僕も…同じように…思ってたよ…ずっと…
 でも…みんな…『護ってくれた』って…言ってくれた…
 全部あきらめてたけど…今…僕には希望が見える…
 未琴ちゃんも、きっと――」

「駄目よ、未来ちゃん。
 あたしはここに来ても何も見えなかったもの…
 あたしだって…あたしにだって、護りたいと思うモノがあった…!!
 でも、全部駄目だった、あたしはやっぱり壊すことしかできなかった!!
 今だって、ほら…あたしは未来ちゃんを壊そうとしてるでしょう!?」

ああ、やっぱりそうなんだ。

未来はふっと笑みを浮かべた。
生きたかったけれど、この失血ではどうにもならない。
諦めなければ何かが起こるかもしれないということをようやくさっき学んだけれど、もう諦めざるを得ない。
もう、皆の所には還れない。
でも、時間稼ぎはできたはずだ。
だから、ここまで独りで来たもう1つの目的――未琴と話をすることに残りの力を使ってもいいだろうか。

みんな、ごめんね。
でも、これは本当に僕にしかできないことだから――

いきなりそんな呼び方するなんて、ずるい子。

篠宮未琴(女子特別参加者)は軍刀を地面に置き、最早虫の息である同業者・道下未来(男子十七番)を見下ろした。
右膝から先は爆発物を踏んだことにより消失し、真っ赤な池を作っている。
右手も同じ色に染めている。
いつ失血死してもおかしくない出血をしながらも、ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、まだ未来は生きていた。
生きて、今にも泣き出しそうな目で未琴を見上げてくる。

未琴と同じく軍の最高機密である人間兵器“天使”の1人で、未琴と同じく肉弾戦はあまり得意ではなく(と言っても、素人目から見れば達人の域だろうが)銃器の扱い全般を得意とする、通称“硝煙の天使”。
未来は“天使”となった頃から、いやそれ以前から、射的や輪投げのような狙った場所を正確に捉えることに関しては天性の才能を持っていた。
その才能をたまたま見られてしまったからこそ、二階堂一成に“天使”としてスカウトされてしまったのだ、と未琴は思っている。
人に傷付けられるのはとても嫌いだけれど、周りの人が傷付くくらいなら喜んで自分が傷付くことを選ぶ自虐的な子。
本当は、人を傷付けるなんてできるはずのない優しい子。
ずっと見てきたから知っている。

あたしの同業者。
そして、あたしの、たった1人の家族。



未琴が生まれた家庭は、地獄だった。
酒とギャンブルに溺れ、気に入らないことがあれば周りに当たり散らす男。
夜の仕事をしながら家計を支えた――と言えば聞こえはいいが、日々違う男と外へ出掛け、家庭を疎む女。
そんな2人の間に最初に生まれたのが、未琴だった。

未琴は虐待を受けていた。
殴られ、蹴られ、後から思えばあの暴力を受けてよく生きていられたものだと思う。
怖い、辛い、痛い、苦しい、悲しい――だが、狭い世界に生きる未琴にとって、たとえ人でなしでも両親が世界の全てだった。
それ以外に縋れるものは何もなかった。
虐待を受けたものの、死なない程度には食料を与えられ、小指の甘皮程度の大きさの愛を受けてきたので、どんな仕打ちを受けても、暗い世界でも、未琴は生きた。

未琴がもうすぐ2歳になろうかという頃、弟が生まれた。
とは言っても、2歳に満たない頃の記憶なんてはっきりしていないので、未琴が物心ついた時には、既に弟がいた、という方が正確かもしれない。
双子の弟――兄の未散、弟の未来。

『未琴はお姉ちゃんになったのよ』

あの女が、母親らしいことを言っていた。
未琴の記憶に残る、唯一の母親の母親らしい姿だ。
みことはおねえちゃんだから、みちるちゃんとみらいちゃんをまもってあげるんだ――幼いながらに誓ったことも、うっすらと記憶に残っている。
父親は相変わらず飲んだくれだったけれど、母親は外出している時間が長かったけれど、何となく篠宮家という家族の形ができていた時間だったと思う。

未琴はやがて小学校に入学した。
相変わらず虐待がやむことはなく、あまり学校には行かせてもらえなかったし、たまに行けば痩せ細り痣だらけの未琴にクラスメイトたちは遠ざかっていくばかりだった。
学校の教師や児童相談所の職員などが家に何度も来たが、両親は実態が明るみになることを恐れ、いつも門前払いをしていた。
未琴も両親から「家のことを訊かれても何も答えるな」と何度も言われてきたので、何を訊かれても「なんでもないよ」と答え続けていた。

家は相変わらず地獄のようだったけれど、そんな中において未琴の救いと生き甲斐は、2人の幼く可愛い弟の存在だった。
弟たちにとっても、姉の未琴は唯一縋れる存在だった。
両親の機嫌が悪い時には、未琴は弟たちの盾となった。
弟たちがその小さな手できゅっと未琴の服を掴む度、何としても護ってあげなくてはいけないという姉としての使命を感じていた。

そして、あの忌まわしい日がやってきた。
未琴は6時間の授業を終えて、家のあるアパートに着いた。
ヒステリックな母親の声と、泣き叫ぶ弟たちの声がドア越しに聞こえた。
今日は母親の機嫌が悪いのだな、そう思いながら、そっとドアを開けた。

家の中には、未琴の想像をはるかに超えた状況が広がっていた。
床や壁は赤く汚れていた。
父はいつも通りの赤ら顔で、引きつった笑みを浮かべていた。
その前には、血の海の中でぐったりと倒れている未散。
そして母親は、今まさに、未来に血まみれの包丁を突き刺すところだった。

護らなきゃ…お姉ちゃんだから、未散ちゃんと未来ちゃんを護らなきゃ…!!

普通の家庭で育った普通の子なら、外に助けを求めたかもしれない。
しかし、暴力が日常茶飯事という環境で育ち、たとえ小学校という外の世界に行っていても外の世界の他人と関わってこなかった未琴は、そんな手段を取らなかった。
台所にある包丁を手に取った。
子は親の真似をするという。
未琴は、まさにそれを実践してみせた。
未来をめった刺しにしている母親の首に、力一杯包丁を突き刺した。
人体の急所なんて知らない、無我夢中で肌が露出している首を刺したのだ。
首から血飛沫を迸らせながら、限界まで目を見開いた母親は倒れた。
血飛沫を浴びて全身を真っ赤に染めた未琴を、父親は驚愕の表情で見下ろした。
逃げ出そうとした父親は、酔いとパニックで足をもつれさせて倒れた。
お父さんもいなくなれば、未散ちゃんと未来ちゃんを助けられる――未琴はその体に馬乗りになり、その首に包丁を突き立てた。
母親と同じように血飛沫を上げ、父親も事切れた。
こうして、篠宮家は終わりを迎えた。

尋常ではない騒ぎを察知した近所の住人に呼ばれた警官たちは、篠宮家の扉を開いた時に何を思っただろうか。
扉の向こうは、むせ返るような血の臭いと真っ赤に汚れた室内、そして倒れた家族の真ん中に全身を真っ赤に汚して包丁を手にして立ち尽くす幼い少女――まさに地獄絵図とも言える光景が広がっていた。
小学1年生の少女が家族を惨殺したという、メディアが知れば当分の間はお茶の間の話題を一色に染めかねないこの事件は、一警察官から上層部へと伝えられ、近所の住人に固く口止めをして世間に公にされることはなかった。

未琴は警察署に連れて行かれた。
そこにある人物が訪れた。
防衛庁の末端の幹部であった、二階堂一成だった。

「君が、篠宮未琴ちゃん、だね?」

未琴はじろりとその男を見上げた。

「君はとんでもないことをしたみたいだね。
 その年で親を[ピーーー]だなんて、前代未聞だ」

「未琴、なんも悪くないもん。
 未琴は、未散ちゃんと未来ちゃんを護るんだもん」

未琴は唇を尖らせ、ぷいっと二階堂から視線を逸らした。
事実、両親を亡き者にした罪悪感というものは、未琴の中にはなかった。
育ってきた環境故かもしれないが、未琴の感性はこの頃既に人とずれていた。

「…その君が助けたかった未散君と未来君だが…
 2人共傷が酷くてね、助からないかもしれないんだ」

「え…う、うそだっ!!」

この世で1番大切な弟たちを護れなかったなんて、あるはずがない。
弟たちを傷付けた人たちはやっつけたのだから。

二階堂はしゃがむと、未琴の頭にぽんっと手を置いた。

「残念だけど、嘘じゃない。
 2人を助けるには、すごく腕の良いお医者さんじゃないと駄目なんだ。
 だけどね、おじさんの知り合いにとても良いお医者さんがいるんだ。
 そのお医者さんなら、おじさんがお願いしたらあの2人を助けてくれる。
 …だけど、その代わり、未琴ちゃんにはおじさんのお手伝いをしてほしいんだ」

「…や、やる!
 未琴がおじさんのお手伝いしたら、未散ちゃんと未来ちゃんは助かるんだよね!?
 なんでもする、未琴、2人のためならなんでもする!!」

未琴は“お手伝い”の内容を聞くこともなく快諾した。
当然だ、弟たちを護ることが自分の使命なのだから。
言うまでもなくその“お手伝い”というのは、人間兵器“天使”としての仕事だったのだが、当時の未琴がそのことを知るはずもなかった。

未琴の最初の頃の仕事は、実に簡単なものだった。
爆弾を仕掛けたぬいぐるみを持ってターゲットに近付き、ぬいぐるみを手渡すだけ。
未琴が離れた頃にそれは爆発し、ターゲットを死に至らしめる。
それは実に効果的な作戦だった。
当たり前だ、誰が小学校低学年のあどけない少女からぬいぐるみをプレゼントされて、それを凶器だと疑うだろうか。
もっとも、未琴自身が、ぬいぐるみに爆弾が仕掛けられているということを知ったのは、そのぬいぐるみで10人程を爆殺した後だったけれども。
その事実を知らされた時にはショックを受けたが、未琴が死のプレゼントを続けることで弟たちが助かるのなら構わない、そう割り切った。
弟たちは奇跡的に一命を取り留め、今は親戚の元で暮らしていると聞いていた。
弟たちが平穏に暮らせるなら、他の誰が死のうが構わなかった。
この世で最も大切なものは、弟たちなのだから。

それから2年程経った。
人の死に慣れ、自身も気付かないところで明らかに心が歪んでいった未琴だったが、親戚の元で生きている弟たちの平穏のためにと、幾人もの命を奪っていた。
そんな未琴の前に、後輩が連れて来られた。
『未琴ちゃんと同じように、おじさんのお手伝いをしてくれる子だよ』、二階堂にそう聞いていたのだが、その後輩の姿に、未琴は言葉を失った。

八尋幸太郎(男子十八番)は早歩きで木々の間を縫って行った。
気ばかりが急いて、息が上がる。
それでも、1分1秒でも早く辿り着きたかった。
道下未来(男子十七番)がいる場所に。

「待ちなさい、八尋君!」

後ろから追いかけてきた田村光貴(男子十二番)が幸太郎の腕を掴んだ。

「待てるわけないじゃん、離せよっ!」

幸太郎は光貴の手を振り払った。
睨みつける幸太郎の頬に、光貴は平手打ちをした。

「馬鹿も大概にしなさい!
 未来君が戦った相手は確実にまだ近くにいるんですよ?
 鉢合わせたらどうするんですか?!」

幸太郎は「あー!!」と声を上げて頭を髪がぐしゃぐしゃになる程に掻き回すと、大きく息を吐き、「ごめん」と謝った。
光貴も前髪をかき上げ、息を吐いた。

「いいえ、僕の方こそ叩いて申し訳ありません。
 慎重に、かつ急いで行きましょう」

幸太郎たちは、一人出て行った未来を見送った後、移動の準備を始めた。
応急処置ができる道具がある診療所に留まり続けるのは危険だと判断したのだ。
もしも未来が相手を追い払ったとして、その相手が傷を負っていたとすれば、診療所に足を運ぶ可能性は大いにある。
戦わずに済むには、鉢合わせないのが一番だ。

しかし幸太郎は落ち着かなかった。
未来が出て行く時に言った言葉も笑顔も、まるで「もうこれでお別れだよ」と言っているかのように見え、胸騒ぎがして気が気ではなかった。
更に、未来が持っていたCIS ウルティマックス100のものと思われる銃声が響いた時には、いても立ってもいられなかった。
診療所から南西に位置する寺に全員で移動した後、幸太郎は新しい本拠地とした本堂の横にある古びて寂れた僧房を飛び出した。

その後を、光貴が追ってきた。
未来がウルティマックス100で発砲したということは、人に危害を加えたがらない未来が発砲せざるを得ない状況になったということであり、未来が対峙する相手は特別参加者である可能性が非常に高かったことから、ただの素人ではなく状況判断もできる光貴が幸太郎を追うしかない、という判断をした残る面々が急いで決めたのだが、幸太郎の知るところではない。
ただ、無我夢中で出てきた幸太郎にとっては、冷静に未来のいるであろう方角を記憶していた光貴の存在はありがたいものだった。
お互い好き合っているわけではないが、今はそうも言っていられない。

「それにしても八尋君は、随分と未来君にご執心ですね。
 プログラムが始まるまでは、そう付き合いもなかったでしょうに」

「まあそうだけど…
 でも、そうじゃないんだよね。
 俺はちゃんと知ってたよ、未来がいいヤツだ…って」

グループ同士が対立していたので、あまり表立って未来と付き合いをすることはなかったけれど、出席番号が近いこともあり、個人的には話をすることも度々あった。
幸太郎から見た未来は、いつもグループの後ろに立っていて、いつもどこかに怪我をしていて、いつもどこか悲しそうな顔をしていて、とても儚げに見えた。



いつのことだったかははっきりと覚えていないが、中学3年生になって数ヶ月が経った初夏の頃だったと思う。
運動部は引退試合が近いこともあり、いつもつるんでいる紫垣靖隆(男子八番)・林一紀(男子十五番)・政井威光(男子十六番)もさすがに真面目に部活に勤しんでいたので(池埜多丞(男子二番)は部活を既に辞めていたが、磯田匡子(女子一番)という彼女がいたので、一緒に下校することはあまりなかった。匡子には避けられてはいたけれど、多丞は必死に追いかけていた)、幸太郎は一人で下校していたのだが、ほぼ半分の道のりを歩いたところで財布を机の中に入れっ放しだったことに気付き、面倒だと思いながらも教室に戻ることにした。

もう誰も残っていないだろうと思って入った教室には、未来がいた。
未来は前日は学校を休んでおり、今日は右腕を三角巾で吊り、頬には痛々しい色合いの痣ができていた。
幸太郎の中では未来はあまり喧嘩のようなことをするイメージはないのだが、あの痣は明らかに誰かに殴られた痕だった。
片手を動かすことのできない未来は、のたのたと教科書やノートを鞄に入れていたのだけれど、動かしている左手にも何か怪我をしているのか、何度も物を落としては拾うことを繰り返していた。
幸太郎は財布を持ってとっとと帰ろうとしたが、見かねて溜息を吐くと、未来が落としたノートを拾い上げた。

 だからもう帰ってよ、俺理由もなく誰かを殴ったりするのやめたんだよねー」

そう、これは『理由もなく暴力振るう子は嫌い』と言った前川染香(女子十六番)に認めてもらうために決めた、自分との約束。

「知るか、テメェになくても俺らにはあるっつってんだろうがッ!!!」

幸太郎の事情を知るわけもない5人は、幸太郎に襲い掛かってきた。
どうしようかな、殴られたくないから殴るっていうのは染香サンに嫌われたりしないかな――呑気にそんなことを考えていた時だった。
幸太郎の前に、傷だらけの未来が立ちはだかったのだ。
傷だらけの小柄で愛らしい少年が出てきたことに驚いた5人は、振り上げた拳を止めて、互いの醜い面を見合わせた。
ニキビ面の男が未来の胸倉を掴んだ。

「何だよチビ、テメェには関係ねぇだろ?
 それ以上怪我したくなかったら退がって――いてててててっ!!!」

ニキビ面が苦痛に満ちた悲鳴を上げた。
未来が自分の胸倉を掴んだニキビ面の右手を捻り上げたのだ。

「…喧嘩は、駄目だよ…みんなが痛い思いするだけじゃない…
 コウちゃんは謝ったでしょ、だから喧嘩はやめようよ、ね?」

「ふざけんなチビ、謝られたって俺らの気が済むわけねぇだろうが!!
 俺らはなぁ、八尋をボコらねぇとスッキリしねぇんだよッ!!」

「じゃあ、代わりに僕がボコられてあげる。
 もうコウちゃんと喧嘩しないでくれるなら、好きにしていいよ」

幸太郎は目を見開いた。
未来の言っていることが理解できなかった。
自分のせいで、どうして無関係の未来が殴られなければいけないのだ。
もうこんなにも傷だらけだというのに。

しかし、相手も未来の行動を不気味に思ったようで、言葉を交わし合うと、「今日はやめといてやるよ、覚えとけよ!!」と捨て台詞を吐いてどこかへ行ってしまった。

その様子を幸太郎は呆然と見送っていたのだが、我に返ると未来の両肩を掴んだ。

「馬鹿未来、意味わかんない!!
 あれは俺が売られた喧嘩だよ、なんで未来が殴られることになるの!?」

「だって、コウちゃんが傷付いちゃうじゃない。
 勝ったって負けたって、喧嘩したらみんながどこかに傷を負うんだよ。
 そんな悲しいこと、やらないで済むならいいじゃない?
 …僕が殴られるだけで全てが終わるなら、それでいいんだよ。
 まあ、結果的にあの人たちが殴るために使う手も傷付かなかったから万々歳だね」

未来はにっこりと、と言うには程遠い哀しげな笑みを浮かべた。

わけがわからない。
人が傷付かないなら、自分が傷付いてもいいの?

空から降ってきた滝川哀(担当教官)の声に、木下亘(男子特別参加者)は顔を上げ、隣で自分の肩に寄り掛かって眠りに落ちている相模夕姫(女子七番)の体を揺すって起こした。

2人はひとしきり泣いた後、そのまま仮眠を取った。
恥ずかしいことに、怪我の失血に加えずっとずっと独りで抱えてきた荷物が肩から降りたことで気が抜けた亘は酷い眠気に襲われ、立ち上がれなくなってしまった。
苦笑した夕姫が休憩を提案し、先に亘が眠った。
夕姫の膝を枕として借りて眠るのはとても気恥ずかしかったのだが(もちろん表情には出ていなかったが)、夕姫が頭を押さえつけるものだから逃げようもなく、抵抗することも諦めて目を閉じた。
2時間ほどで亘は目を覚まして今度は夕姫が眠る番になった時、亘も膝を貸そうかと提案したのだが、「そんな恥ずかしい真似できるかっ!!」と一蹴され(それをやった俺の立場はどうなるんだ)、座ったまま亘の肩に寄り掛かり、夕姫はやがてすうすうと寝息を立て始めた。
肩から伝わってくる体温が温かく、その温もりがとても幸せなものに思えた。
夕姫が自分から離れていかなかったことに何度も感謝した。

「…ああ、もうこんな時間になったんだ…」

夕姫の体温が肩から離れた。
まだ眠たそうに目を擦っていた夕姫は、もたもたと地図を取り出した。
地図に添付された名簿は、その大部分に小さなチェックが入れられていた。
もうプログラムが始まってから3日目、“仕方がない”と言えば夕姫に殴られるかもしれないが、それでも仕方がないとしか言いようがない。

『それでは、戦死者の発表を行います。
 女子十番・寺内紅緒さん。
 女子十七番・水無瀬繭子さん。
 女子十五番・堀内尚子さん。
 男子十七番・道下未来君。
 以上4名です』

「べに…お……まゆこ……なおこ…まで…?」

夕姫が放心状態で呟いていた。
紅緒と繭子とは、亘も面識があったのでちくりと胸が痛んだ。
疑わしすぎる自分のことを受け入れてくれた、夕姫に輪を掛けて男前だった紅緒と、とてもクールな印象を受けた繭子の表情が浮かび、消えた。
そして尚子も退場したことで、女子はたった4人しかいないということになった。
今隣にいる夕姫、夕姫の親友だという三枝妃(女子六番)、資料上には周りより1つ年を重ねていると書かれていた前川染香(女子十六番)、そして、あの篠宮未琴(女子特別参加者)。

夕姫には悪いが、亘が何よりも衝撃を受けたのは、未来の名が呼ばれたことだった。
資料にも書かれていたし、哀からも聞かされていたので、未琴の同業者“天使”である未来のことは警戒していた。
教室では担任の芝崎務を殺害したという。
特別参加者として参加した未琴とは違い、未来はこのクラスに所属しており武器使用に対して制限がない上に、元々銃器の扱いを得意としているという情報があり遠くから攻撃されればかなり危険だと思われたので、ある意味未琴よりも警戒しなければならないと思っていた。
しかし、まだ残り人数のいる中で、その“硝煙の天使”は堕ちたのだ。
恐らく、未琴が手を下したのだろう。
“天使”がごく一般の中学生にやられるはずがないのだから。

『続いて禁止エリアの発表です。
 午後7時から、A=09エリア。
 午後9時から、I=09エリア。
 午後11時から、J=02エリア、以上です。
 夜になりますが、皆さんの健闘を祈っています。
 それでは、日付を回った午前0時にお会いしましょう』

哀の放送はぷつりと切れた。
哀も本部の中学校で缶詰状態になって丸3日(いや、準備のためにもう少し前から家を留守にしていたので、もっと長い時間だ)になるので、声がかなり疲れているように感じられた。
体調を崩してはいないだろうか、と想いを馳せる。
夫の木下亨(軍人)が傍にいるので大丈夫だとは思うが。

亘は意識を遠くの母から近くの夕姫へと戻した。
特に紅緒とは仲が良かったと言っていたので、受けたショックは相当のものだろう。

「夕姫…」

「…誰だよ……紅緒たちを…殺したの…ッ」

このクラスに入ってたった3日、一度も顔を合わせたことのない生徒が大勢いる中で、この酒井真澄(男子六番)との邂逅は最早四度目だ。
右の前髪だけが目を隠す程に伸びている特徴的な髪形も、黒髪の間から覗く銀のピアスも、銀縁の眼鏡も、その奥にあるやや垂れ下がっているのに冷たく見える瞳も、不機嫌そうに歪められた眉も、もうすっかり亘の脳裏には焼き付いている。

「そっくりそのままその言葉を返してやるよ、真澄」

起き上がった夕姫も、何故何度も会いたくもないこの男に遭わなければならないのかといううんざりした気持ちと憎しみを織り交ぜた表情を浮かべ、真澄を睨んでいた。
そして、真澄の手に握られた物を目にし、夕姫は目を見開いた。

「あ…あぁ…ッ!!
 やっぱアンタか、紅緒たちを殺したのは…ッ!!!」

真澄の手に握られていたのは、Vz61 スコーピオンという名のマシンガン――亘にも見覚えがあった、確か紅緒が所持していた武器だ。
それを真澄が所持していることがどういう意味を持つか、夕姫は一瞬で悟ったのだ。

真澄はスコーピオンを目の高さまで持ち上げ、「ああ」と呟いた。
夕姫の怒りの込められた悲痛な声に僅かな感銘すら受けていないような冷めきった視線を夕姫に向け、肩を竦めた。

「心外だな、寺内たちの死で俺が責められる理由なんて皆無だよ。
 これは堀内が俺に献上した物だ。
 真相を知りたいなら教えてあげるよ。
 寺内と水無瀬を殺したのは俺じゃない、堀内だ。
 まあ、堀内を殺したのは俺だけどね」

夕姫は目を見開いた。
その隣で亘は記憶していた資料を頭の中の引き出しから引っ張りだした。
尚子は真澄と共にクラスを纏めていた人物で、紅緒や繭子とも仲が良かったはずだ。
“明朗活発で人当たりが良い”と書かれていた。
深森なぎさと似たタイプの人間だな、ぼんやりとそう思った記憶もある。
プログラムという環境下では、どんなに人が良くてもクラスメイトを殺し回る人間だっていることはわかっていたはずなのだが、それでも意外だと感じた。

一瞬驚愕の表情を浮かべたが、「…そう」とだけ呟いて再び真澄を睨んだ夕姫の行動が真澄の予想を裏切ったのか、真澄は首を少しだけ捻った。

「あれ、冷静じゃないか、相模。
 てっきり『嘘だ!』とか言ってくるかと思ったんだけれど…
 やはり聡いね、俺の言葉が真実かどうか判断する頭はあるようだ」

「…別に。
 ただ、尚子にだって事情があったかもしれないなって思っただけだよ。
 誰がどう転ぶかがわからないモンでしょ、コレは」

苦虫を噛み潰したような表情。
恐らく夕姫の脳裏には、幼馴染の佐藤史季(男子七番)を刺殺した辻莉津子(女子九番)の姿や、莉津子を殺害してしまった自分のことが過っているのだろう。
“誰がどう転ぶかわからない”、夕姫は身をもって知っているのだ。

二階堂悠「…あら兄様、中盤戦が終わったそうよ」

二階堂哉多「そうだね、姉様。 僕らはここまでだったね」

悠「とても無念だけれど、負けは負けね」

哉多「悔しいけれど、実力の差だったのだろうね」

悠「けれど兄様、代わりに素晴らしい権利を手に入れたわ」

哉多「…何だい、姉様」

悠「なんと、このページの進行権よ」

哉多「それはすごいね、姉様」

悠「ええ兄様、ここは2人だけの場、ゆるりといきましょう」

哉多「そうだね、姉様」



悠「一応、やらなければならないことは決まっているの」

哉多「決められたことはやらないといけないね、姉様」

悠「ええ。 かなり更新が遅かったから何がどうなっているかの整理をしなければならないの」

哉多「確かに、復習は必要だね」

悠「ここから、現在生き残っている19人の戦士たちを見ていきましょう」

哉多「グループずつ、グループ名の横の数字は、(残り/グループ構成人数)を意味しているよ」

悠「まあ兄様、読者への心配りを忘れないなんて素晴らしいわ」

哉多「二階堂の名に恥じないよう、死んでからも生きなければいけないからね」

悠「………意味がわからないわ、兄様」

哉多「………大丈夫だよ姉様、僕もよくわかっていないからね」

悠「それ、大丈夫ではないような…」

哉多「………さあ、行こう、姉様」

男子主流派グループ(1/5)

生き残るべきは俺だ、身の程を知れよ平民がっ!

男子六番・酒井真澄

悠「まずは酒井くん。とても自己中心的な性格らしく、プログラムには最初から参戦の意思を示していたわ。あまり運のない方で強敵に出会っては敗退を繰り返したけれど、特筆すべきは来栖くん(来栖生馬)以外のお友達全員を襲い、内2人を殺害していることね。今は相模さん(相模夕姫)との戦闘で崖から転落、状態は不明よ。米村くん(米村直)と山崎さん(山崎雛子)から恨みを買っているので、この2人との関わりがあるかどうかが注目されるところね」



被害者
秋庭俊人(男子一番)、宗和歩(女子八番)
関本春海(男子十一番)
 
退場者
男子一番・秋庭俊人→酒井真澄(男子六番)により銃殺。
男子五番・来栖生馬→篠宮未琴(女子特別参加者)により爆殺。
男子七番・佐藤史季→辻莉津子(女子九番)により刺殺。
男子十一番・関本春海→酒井真澄(男子六番)により銃殺。
 
女子主流派グループ(7/10)

何があったって、友達殺していい理由になんかなるもんかッ!!

女子十番・寺内紅緒

哉多「Star☆Dustにしては珍しく女子主流派が残っているね。まずはグループのリーダー的存在の寺内。まあ、これまでは特に大きな動きは見せていない。時岡(時岡千波)・藤原(藤原奈央)・水無瀬(水無瀬繭子)と行動を共にしている。グループをまとめ続けることができるかは、彼女の腕の見せ所か」

いいよなー、あたしも1回くらいそんなこと言われてみたいなー。

女子十一番・時岡千波

悠「次は、グループの妹的存在の時岡さん。寺内さん(寺内紅緒)・藤原さん(藤原奈央)・水無瀬さん(水無瀬繭子)と行動を共にしていて、今は無傷のようね。時岡さんのキツい性格が悪い影響を与えなければいいのだけれど…あらいけないわ、戦わなければいけないのだから、影響を与えればいいのだけれど、よね」

やっぱり…あたしこのまま諦めきれないよ…

女子十四番・藤原奈央

哉多「主流派の中では大人しい部類に入る藤原。寺内(寺内紅緒)・時岡(時岡千波)・水無瀬(水無瀬繭子)と行動を共にしている。他のクラスに恋人がいるそうだが、今のところ『会いたい』という理由で仲間に戦いを挑む様子はない。より国家が強くあるためにも、積極性がほしいものだね」

全部内申稼ぎのため、あたしはあたしが大事…悪いっ!?

女子十五番・堀内尚子

悠「主流派内で唯一積極的に戦っている堀内さん。まあ、全ては内申点を稼いで良い高校へ行くためという自己中心的な理由ではあるけれど、結果的に大東亜のためになるかしら?今までの堀内さんは仮面を被った“良い子”だったというけれど、懸想していた橋川くん(橋川新)からの言葉で心境に変化は訪れるのかしら?」



被害者
宮嵜八千代(女子十八番)

今回ばかりは諦めるワケにはいかんなぁ…うちと勝負せぇっ!!

女子十六番・前川染香

哉多「ねえ姉様、この前川は不穏な動きを見せているね。紫垣(紫垣靖隆)・城(城龍慶)・道下(道下未来)・八尋(八尋幸太郎)を率いて、脱出計画という許し難い作戦を立てているよ。その作戦がどうなるかも注目しどころだろうし、何か秘密を持っているようなことを言っているからそれが解明されるかもしれないよ」

あたしだって死にたくない、殺られる前に殺ってやるわ。

女子十七番・水無瀬繭子

悠「主流派内で最もクールな水無瀬さん。寺内さん(寺内紅緒)・時岡さん(時岡千波)・藤原さん(藤原奈央)と行動を共にしてほぼ動いていないから、彼女の陸上部で培ったという運動能力はこれまで全く発揮されていないわ。他の3人が疑わないクラスメイトをも疑うその冷静…冷徹さがこれからどう影響していくのかしら」

ホント最低な人ね、怒りを通り越していっそ憐れだわ。

女子二十番・山崎雛子

哉多「最後は山崎。異母弟にあたる関本(関本春海)との確執がなくなった矢先に、関本を酒井(酒井真澄)に殺されてしまい、米村(米村直)と共に復讐するために酒井を探しているところだ。酒井と出会えるかどうかが今後の見どころか。…それにしても姉様、ガンニョムってそんなに素晴らしいものなのかな?」

八尋グループ(2/5)

俺じゃ駄目だから頼んでんだろうが…わかれよちくしょうッ!!

男子八番・紫垣靖隆

悠「あら兄様、ガンニョムは登場人物たちが国や理念のために戦うという、わたくしたちが模範とすべき…ああ、ごめんなさい。喧嘩っ早い集団・八尋グループの参謀的存在、紫垣くん。八尋くん(八尋幸太郎)の御守をしながら、前川さん(前川染香)・城くん(城龍慶)・道下くん(道下未来)と共にプログラムから脱出しようとしているわ、大東亜男児の恥ね。まあ、そう上手くいくかどうか…うふふ、見物だわ」

嫌だ、俺はずっとずっと染香サンと一緒にいたいんだッ!!

男子十八番・八尋幸太郎

哉多「そしてグループのリーダーの八尋。前川(前川染香)・紫垣(紫垣靖隆)・城(城龍慶)・道下(道下未来)と共にプログラムからの脱出を企んでいるね。やはりあそこで殺しておくべきだったか…。非戦を唱える八尋だけど、どこまで貫けるかな。そして、前川への想いが実るのかどうか…僕にはどうでもいいけど注目点かな」


諦めるな、最後までやり抜くことがお前の義務だろうが。

男子九番・城龍慶

悠「やはり恐るべきはこのグループ、全員が健在ね。まずはこの中では1番凡人の城くん。わたくしたちや篠宮さん(篠宮未琴)に遭っても生き延びているから運はあるのかもしれないけれど、前川さん(前川染香)・紫垣くん(紫垣靖隆)・道下くん(道下未来)・八尋くん(八尋幸太郎)と共にプログラムから脱出しようとしているのは許せないわ。失敗すればいいのよ。この城くんは1つ年上なのだけれど、その理由がこれから明らかになるかもしれないわ」

僕は決めたんです…今度は僕が君を護る、と。

男子十二番・田村光貴

哉多「次に、見かけによらず意外と導火線の短い田村。彼は強敵だったね、姉様。ずっと橋川(橋川新)と行動を共にし、篠宮(篠宮未琴)とも結託して反政府組織を一掃していたね、素晴らしいよ。今は三枝(三枝妃)と合流したみたいだけど、彼女の想いに気付くことはあるんだろうか?それから、親の仇である道下(道下未来)との因縁も気になるところだよ」

昨日の友は今日の敵ってね…ま、友になった記憶ねぇけど。

男子十四番・橋川新

悠「あら、こちらの橋川くんも侮れないわ、兄様。篠宮さん(篠宮未琴)と共に反政府組織を一掃していたもの。田村くん(田村光貴)と三枝さん(三枝妃)と行動を共にしているわ。堀内さん(堀内尚子)に告白されたようだけど、どうするのかしら?仇の道下くん(道下未来)との関係もどうなるのかしらね?」

初めて“生きたい”って思えた…だから、負けないっ!!

男子十七番・道下未来

哉多「そして道下。素晴らしい動きだったよね、姉様。何故、前川(前川染香)・紫垣(紫垣靖隆)・城(城龍慶)・八尋(八尋幸太郎)と行動を共にして政府に逆らおうとしているのか理解できないよ。田村(田村光貴)・橋川(橋川新)との因縁、篠宮(篠宮未琴)に命を狙われているという状況、皆に隠している素性…これからどう動くのだろうね?」

中1のとき、いじめられっこのタダシという子をかばったことが原因で、一緒にいじめられるようになった。140cm程のタダシは小学生のようで、何度か教室でカイボウされていた。
数人の男子に取り囲まれて、扱かれるタダシのチンポはツルルツで、勃起しても親指ほどしかなく、いくら扱かれても射精することはなかった。
扱かれるチンポが痛いらしく目をキツくつぶって顔をしかめながら耐えているタダシを見ていたら可哀そうになってきた僕は「もう止めろよ」とタダシのチンポを扱いていたMを突き飛ばしてしまった。
僕はタダシが服をきるのを手伝ってやった。タダシのチンポは皮が剥かれていて、扱かれすぎたからか真っ赤になっていて、ヒクヒクと上下に動いていた。
その日はそれでタダシへのイジメはおさまった。
教室はずっと気まずい雰囲気だった。僕は部活を休んでタダシと一緒に帰ることにした。
タダシの誘いで部屋に上がった僕は、「チンポ大丈夫?」と聞いた。
するとタダシはいきなり泣き出してしまった。やっぱり痛いのかと思い、
「痛い?薬でも塗る?」と聞くと首を横に振り、「違う・・・みんなに見られて恥かしい
・・・こんな小さなチンチン・・・」とタダシは泣きながら言った。僕は何度もタダシがチンポを扱かれているのを見ていたのに、今日まで助けてあげなかったことがとてもイヤになった。
「カズヤくんも僕のモノ見たでしょ。小さいし、皮も剥かれてグロいし」
「ごめん・・・今まで助けてあげなくて・・・僕のも見せるから泣くなよ」
僕はタダシの前でズボンとトランクスを下げてチンポを出した。
「スゴイ!大きいね・・・毛ももじゃもじゃしている・・・」タダシは泣き止んで僕のチンポをまじまじと観察した。自分から出したのにやっぱり恥かしかった。
タダシは興味津々といった表情になり僕を質問責めにした。後ろめたい気持ちもあり僕は照れながらも素直に答えた。
「カズヤくんも剥ける?」
「剥けるよ、ほらっ」
僕はチンポの皮を剥いて見せた。
「ほんとだ。ねぇ、カズヤくんも自分で出すの?中1だったら、
出てあたりまえだって。自分でも出すって。Mくんが言っていた。ねぇ、出している?何才から出るようになったの?チンチンの毛がはえたのは?」
「出すって精子のこと?[田島「チ○コ破裂するっ!」]っていうんだけど、やってるよ。初めて精子が出たのは小6で、チン毛は小5の冬休みだったよ。」
「スゴイ!早いね。でも自分でやって痛くないの?僕はMくんたちにチンチンをシコられるとすごく痛いんだ。だから、Mくんにシコるぞ!!て言われるだけで体が固まっちゃうんだ」
「Mたちは無茶苦茶だからな。自分ですると痛くないんだ。逆に気持ちいいんだよ。だからつい毎日しちゃうんだ、[田島「チ○コ破裂するっ!」]」
「そうなの!ほんとは気持ちいいんだ」
「うん。特に精子が出る時がね。タダシも出るようになったらわかるよ」
「Mくんたちに精子が出るまでやるぞって、何度もチンチンをシコられたけど出ないんだ。僕のものは小さいからダメなのかな・・・このままずっと出なかったらどうしよう・・・出るまでやられるんだよ・・・」

タダシは俯いて黙り込んでしまった。また泣いているようだ。
「大丈夫だよ。ちょっと遅いだけだよ。もうタダシは剥けてるだろ。僕のは手で剥いてもすぐ戻っちゃうし。ダダシもすぐ大きくなるよ。」
「そうかなぁ・・・でも僕は無理やり剥かれたんだよ・・・僕も早く出るようにならないかな・・・そうすれば、もうイジメられないのに・・・ねぇ、カズヤくん、精子ってどんなもの?僕、見てみたいな」
涙をためた目でそう言うタダシを見て、反射的に「僕のみる?」と言ってしまった。
「いいの?すごく見たい」
「うん。恥かしいけど、タダシはもっとイヤな思いをしていたんだし、僕、見て見ぬふりをしていたし。だから、見せるよ」
僕は服を脱いで全裸になり、座り込んでいるタダシの前に立った。
「なにかHな本とかない?チンポ立たせるから」
「Mくんが僕に見せるために持ってきたやつがあるよ」
タダシは本棚からアルバムケースをとりだした。
「お母さんに見られるとイヤだから、ここに隠したんだ」
恥ずかしそうに手渡すタダシからH本を受取り僕はそれに集中した。
ゆっくりと勃起していく僕のチンポ。
「スゴイ。大きくなってきた。先も少し剥けてきたよ」
勃起していく様子を他人に見られるなんて初めての経験でいつもよりちょっと興奮しているみたいだ。腹につくほど上をむいて勃起した僕の半剥けチンポはすぐに先が濡れてきた。
「カズヤくん、、何か水みたいなものが先っぽから出てきたよ。これが精子?」
「違うよ、精子はまだ。[田島「チ○コ破裂するっ!」]すると精子がでる前にこれがでるんだ」
僕はゆっくりと扱き始めた。先走りが出ているのでクチュクチュと音がして恥ずかしい。
「[田島「チ○コ破裂するっ!」]ってそうやるんだ。僕がMくんたちにされる時と同じだ。カズヤくんの玉がぷらぷらしてる。玉も大きいね。気持ちいい?ねぇ、カズヤくん」
「うん・・・気持ちいいけど・・・スゲー恥かしい・・・」
僕は左手のH本を下に落として、眼を閉じて[田島「チ○コ破裂するっ!」]に専念した。
とにかく恥ずかしくて、早く射精して終わらせたかった。
「もうすぐ出そうだ・・・タダシ、ちゃんと見てろよ・・・」

タダシの前に仰向けに寝て、射精に向けて扱く手を早めた。
そのとき、玄関でカチャって鍵が開く音がした。
「タダシ?。帰っているの?」
「あっ、ママが帰ってきちゃった。何でこんない早いんだ」
タダシが部屋を飛び出した。僕はチンポの根元と金玉を強く握ってイキそうな感じを止めた。勃起したままで少し痛かったけど、僕は大急ぎで服を着た。
服を着たところで、タダシが「大丈夫?」と部屋をのぞいた。僕がちゃんと服を着ていることを確認すると扉を全開にして、「友達のカズヤくんだよ」と僕のことを嬉しそうに紹介した。
タダシのお母さんが持ってきてくれたお菓子を食べながら、
「せっかく見られると思ったのに、邪魔されちゃった」と残念そうにタダシが言う。
「また今度ね。ちゃんと射精するところを見せるからさ」
タダシはニッコリと笑った。
「カズヤくんのチンチン大きいね。タマがぷるぷると揺れてたよ。大人のモノみたい」
「大人のチンポなんて見たことあんのかよー。恥かしいからやめろよ」
「うん。ごめんね。でも、今日はありがとう。助けてくれたし。チンチンや[田島「チ○コ破裂するっ!」]まで見せてくれて。すごく嬉しかった」
「何だよ、嬉しいなんて変なヤツ」
「へへっ・・僕、カズヤくんのチンチンもタマも見たもんねー。お尻の穴も少し見えたよ」
「えっ?穴まで・・」
「寝たときに見えちゃった」
「タダシのヘンタイ」
僕は少し怒ったふうに言ったけど、タダシが楽しそうだったので気分は悪くなかった。
それに僕だって、何度もタダシのチンポを見ている。もちろん金玉やお尻の穴もね。
Mたちに、ぎゅうぎゅう揉まれて泣いているところを。
恥かしかったけど、気分は悪くなかった。
でも次の日から僕はタダシと一緒にイジメにあいもっと恥かしい思いをすることになる。

翌日は、何事もなく放課後を迎えた。ただ、Mが時々僕を睨みつけていることが気がかりだった。
タダシもイジメがなくてほっとしている様子だった。
今日も部活を休む訳にはいかないので、どうしようかと考えているうちにタダシはこっそり帰ったようだった。
部室に行くと、顧問の都合で部活が中止になったと先輩が教えてくれた。先輩達は部室でダラダラ喋っていたが僕は帰ることにした。
帰り道にはタダシの家の前を通る。タダシの家に寄ろうかなと思ったが、急に昨日のことが頭にうかんで恥かしくなりそのまま通り過ぎた。するといきなりタダシの家からMたちが飛び出してきて僕を取り囲んだ。
「カズヤ、何でタダシの家を通りすぎるんだよ」
「冷たいやつだなー、友達なんだろ」
「それにタダシと約束があるんじゃないの。ヒヒッ」
Mがいやらしく笑った。
「オレたちこれからタダシと遊ぶから、お前もこいよ」
相手は5人もいる。僕はダッシュでその場から駆け出した。
「逃げるなよ。お前が逃げたら、タダシをまたイジメるぞ」
「せっかくお前が助けたのになー。あいつ、またオレたちにチンポ、シコられちゃうぜ」
僕は逃げることをあきらめて、Mたちとタダシの家に入った。
タダシの部屋には、クラスで一番身体がデカイSがいた。タダシは胡坐をかいたSの膝の上で股間を握りしめられていた。
「ヤメロ!」僕はSに飛びかかろうとしたが、Mたちに取り押さえられてしまった。
「暴れるなよ。ダダシの金玉つぶすぞ」
Sがタダシの股間を揉み始めた。「痛い、痛い、ヤメテ」と苦痛に顔をゆがめるタダシ。
「相変わらずちっこい金玉だな。袋の中でグリグリ動いているぜ」
タダシのきつく閉じた目から涙が流れた。
僕が「ヤメロ、おとなしくするから」と言うと、Sはダダシの股間から手をはなした。
「カズヤ、タダシから聞いたぞ。お前タダシに射精するところを見せる約束したんだってなー。こいつがまだ精子が出ないから見せてやるんだろー、へへっ」

僕は真っ赤になって俯いた。
昨日、僕はダダシの前でシコった。射精を見せる約束も確かにした。
そのことをMたちに話すなんて、ショックだった。
「タダシから聞いたぞ、お前のチンポのことも。デカイらしいな。オレたちにも見せろよ」
「イヤダ、約束はしたけどお前たちとじゃない!」
「いいのか?そんな事言っても。タダシがかわいそうだろ」
Sはタダシのズボンのファスナーをさげ、そこに手をつっこんで乱暴にタダシのチンポを取り出すと、そのまま強く引っ張った。タダシのチンポは小さいがズルムケだ。Mたちに何度も剥き上げられてシコられたためだ。剥き出しの亀頭を摘んで引っ張られているため、顔をゆがめて苦痛に耐えている。
「オレたち、もうタダシのチンポには飽きたんだよ。いくら扱いても射精しないしな。コイツの裸は見飽きたんだよ。だからタダシの変わりにお前がチンポ見せろよ」
僕が黙っていると、「痛い・・・ヤメテ・・・」とタダシの泣き声が聞こえた。
Sに亀頭を摘まれたうえに、金玉までを引っ張りだされて指でグリグリと揉まれてる。タダシの金玉を揉んでいるのは、隣のクラスのやつだ。
「こんな金玉すぐつぶせるぜ」と笑っている。
タダシが昨日のことを喋ったことにショックと小さな怒りを覚えていた僕は、ほおっておいて帰ろうとも思ったが、二人がかりで責められているタダシの泣き顔を見ているうちに
「ヤメロよ!わかったから・・・好きにしていいよ・・・」と言ってしまった。
「ヨッシャー!」
Mたちは乱暴に僕の服を脱がしにかかった。
Mたち6人に僕は服を脱がされて、とうとうトランクス1枚の姿にされた。

「こいつのチンポ見る前に、俺たちもタダシみたいに質問しようぜ」
「まずは、いつからシコっているか答えろ」
「早く答えろよ!いつからシコってんだよ![田島「チ○コ破裂するっ!」]だよ!」
黙っていると、Sがタダシのチンポを捻りながら強く引っ張った。
「痛い!痛い!」と小さな声で呻くタダシを見て僕は答えた。

1 名前: ヨーゼフ@管理人 ◆ 6kmz1qaw1o :2010/07/05(月) 22:32:33 ID:EDrDb2o2
臨時でつくった掲示板ですが…

おしゃべりできます。
お好きな話題をどうぞ。

1564 名前: 名無しさん@chs :2013/11/05(火) 18:19:04 ID:a548b974f
女に虐められたんじゃないかって疑うレベル
1565 名前: 名無しさん@chs :2013/11/08(金) 00:12:44 ID:463e3c922
tp://octopus.axfc.net/uploader/l/59968195190453/v/3081868.jpg
これで見れるかな?女の名前酷過ぎる

学校の屋上での昼食――いつもの光景だ。

「あ、大和くん、ほっぺにご飯粒付いてるよ」

「お、サンキュ!」

喬ちゃん(玖珂喬子)と大和(須藤大和)がイチャついてるのも、いつもの光景。
それを見て勝則(藤野勝則)が不機嫌そうに睨むのも、環(村主環)が無関心そうなのも、全ていつもの光景。

それにしても、喬ちゃんと大和は、人前でこんなにイチャついてて恥ずかしくないのか?
アタシ、野原惇子は大和との付き合いが長いけど、あんなに楽しそうにするのも、優しい表情をするのも、喬ちゃんと知り合う前には見たことがない。
そこまで好きなんだ、そりゃごちそうさん。

「あ、あっちゃーんv ほっぺにパンクズが、取ってあげようか?」

「…と、取っていらんわっ!!」

アタシは、弘也(山神弘也)の手を振り払った。
弘也はアタシの彼氏、らしい、一応。
弘也は大和たちの真似がしたかったらしい。
立場が逆だっての。

どうもダメなんだ。
どうしてアタシは弘也の彼女なんだ?
いや、そりゃあ、アタシは…その…なんだ、好きだよ、弘也のコト。
ああもう何言わせてんだ!

だけど、弘也はアタシの何が好きなんだ?
とても理解できない。
喬ちゃんみたいに可愛くないし、環みたいに美人なわけでもない。
図体だってでかいし、態度も悪いし、口も悪い。
もしもアタシが男なら、絶対こんなヤツを彼女になんてしない。

対して弘也は、ね、かっこいいだろ?
細身で背が高いし、キレイな顔してるし。
結構人気あるらしい、女に優しいしね。

だから、とても不安になる。
絶対に釣り合わないから。
アタシは、いつ嫌われてしまう?
別れ話をされる?

 

「…あっちゃん?」

 

喬ちゃんに肩を叩かれ、我に返った。
もう昼休みが終わるらしい。
アタシはまだパンを食べている途中だ。

「何ぼーっとしてんだ、バーカ。
 次美術だから行くぞ」

大和が喬ちゃんを連れて屋上の扉の中に消えた。
勝則と環も後について行く。
まあね、大和は手先がありえないくらいに器用だから、美術は好きなんだ。
弘也もそういうのは好き。
環もやる気はないけど成績はいい。
だから、皆出る授業だ。

「よいしょ」

学校の屋上での昼食――いつもの光景だ。

「あ、大和くん、ほっぺにご飯粒付いてるよ」
「お、サンキュ!」

喬ちゃん(玖珂喬子)と大和(須藤大和)がイチャついてるのも、いつもの光景。それを見て勝則(藤野勝則)が不機嫌そうに睨むのも、環(村主環)が無関心そうなのも、全ていつもの光景。それにしても、喬ちゃんと大和は、人前でこんなにイチャついてて恥ずかしくないのか?アタシ、野原惇子は大和との付き合いが長いけど、あんなに楽しそうにするのも、優しい表情をするのも、喬ちゃんと知り合う前には見たことがない。そこまで好きなんだ、そりゃごちそうさん。

「あ、あっちゃーんv ほっぺにパンクズが、取ってあげようか?」
「…と、取っていらんわっ!!」

アタシは、弘也(山神弘也)の手を振り払った。弘也はアタシの彼氏、らしい、一応。弘也は大和たちの真似がしたかったらしい。立場が逆だっての。どうもダメなんだ。どうしてアタシは弘也の彼女なんだ?いや、そりゃあ、アタシは…その…なんだ、好きだよ、弘也のコト。
ああもう何言わせてんだ!だけど、弘也はアタシの何が好きなんだ?とても理解できない。喬ちゃんみたいに可愛くないし、環みたいに美人なわけでもない。図体だってでかいし、態度も悪いし、口も悪い。もしもアタシが男なら、絶対こんなヤツを彼女になんてしない。対して弘也は、ね、かっこいいだろ?細身で背が高いし、キレイな顔してるし。結構人気あるらしい、女に優しいしね。だから、とても不安になる。絶対に釣り合わないから。アタシは、いつ嫌われてしまう?
別れ話をされる?

「…あっちゃん?」

喬ちゃんに肩を叩かれ、我に返った。もう昼休みが終わるらしい。アタシはまだパンを食べている途中だ。

「何ぼーっとしてんだ、バーカ。次美術だから行くぞ」

大和が喬ちゃんを連れて屋上の扉の中に消えた。勝則と環も後について行く。まあね、大和は手先がありえないくらいに器用だから、美術は好きなんだ。弘也もそういうのは好き。環もやる気はないけど成績はいい。だから、皆出る授業だ。

「よいしょ」

おっさんくさい言葉を発して、弘也がアタシの横に腰掛けた。

「…行けよ、授業始まるよ?」
「いいよ、あっちゃんが食べ終わるの待ってる」

弘也はにこにこしてアタシがパンを食べきるのを見てる。食べてるところをマジマジと見るな、恥ずいから!!…恥ずいついでだ、ちくしょう。

「弘也」
「ん? なあに?」
「……やっぱいいや」
「うっわ、気になること言わないでさぁ、教えてよ、なぁに?」
「………言わね」
「あっちゃんってば、イジワル言わないでさぁ!」

アタシはミルクティーでパンを流し込む。
そして、弘也を睨む。
いや、睨む気はないけど、目つきが悪いんだ、文句あるか?

「あらら、いつになく真剣なお顔」
「…じゃあ、訊くぞ、答えろよ、笑うなよ?」
「…?」
「弘也は、さ。 アタシの、何が……いいんだ?」
「可愛いトコ。 優しいトコ。 楽しいトコ。 世話焼きなトコ。 お母さんみたいなトコ。 一緒にいるとなごむトコ。 俺のことわかってくれてるトコ」

あまりにスラスラ言うもんだから、驚いた。
顔が熱い。

「あ…アタシは可愛くなんかないぞッ!!」

アタシが反論すると、弘也はくつくつと笑うんだ。
余裕たっぷりかよ、アタシがいっぱいいっぱいだってのに。

弘也はアタシの頬にそっと手を当てた。

「そういうトコが、可愛いって言ってるんだよ、あっちゃんv」

弘也はアタシにそっと口付けた。
いつもなら恥ずかしくて突き飛ばしてたけど、今日はちょっと動けない。

ちょっとして、弘也は離れた。
ぺろっと自分の唇を舐める。

「今日はミルクティーの味がするね」
「……ひろ…や…ッ」

もう我慢の限界だ。

「…やるなら予告くらいしろや、このバカがぁっ!!」
「え…うわぁっ!!」

恥ずかしさのあまり、殴り飛ばしてしまった。
今に始まった事じゃないけどさ、これ。

アタシに甘い雰囲気を期待しちゃあいけないよ。
ま、してないだろうけどさ。
アンタも、アタシのことをわかってくれてるだろうから。

あたし――小南香澄には夢がある。

それは、小説家。

デビュー作は絶対に笑いアリ、涙アリの学園モノ。

モデルはある。

もちろん、今までで最高のクラス、篠中3年4組。

 

「今朝の抜き打ち小テストを返すよ、取りに来てね!」

そう言ったのは女子委員長、駿河透子。
明るく優しいしっかりものの委員長。

小説に書けば、あの人はまともだから笑い話の場面では目立たないだろうな。

「うっわ、ツネ、5点だって、バカだな!!」

「何だと…? テメェだって6点じゃねぇかよ、ボケッ!!」

ほら、今日もネタが転がってる。

あたしはポケットに入れてあるメモを取り出して、情景を克明に記録する。

小テスト片手に胸倉を掴み合ってるのは、不良男子の2人。

体は小さいけど明るさはピカイチ、栗原佑。

見た目は怖いけど彼女さんには優しい、新島恒彰。

笑い話の場面では中心に立ってくれそうな2人組。

「ケッ、1点勝ったからテメェは最悪のバカなんだよ!!」

「うるせぇ、なんだよ漢字ちょっと間違えただけだっつーの!!
 それさえなければテメェに勝てた!!」

「見直ししろって先公が言ってるだろうが、人の話聞けよバーカ!!」

「テメェだってしてねぇだろうが、何だよ『戒ぬる』って!!
 『ぬ』じゃなくて『め』だっつーの、脳みそねぇんじゃねーの?!」

日常茶飯事の口喧嘩だけど、いつ聞いても笑える。
クラスメイトたちも笑ってる、このクラスが明るい原因の1つかな、これ。

「5点に言われたくねぇよ、バーカ!!」

「知ってたか、バカって言った方がバカなんだよ、このバーカ!!」

「ケッ、テメェなんて3回もバカって言ってるぜ、究極のバカか!?」

「ああ゛? 全部足せばテメェの方が多いぜ、バカの神様か、テメェは!!」

「ざけんなよテメェ…っ!!」

「「テメェの方がバカだっつーの!!」」

2人の声が揃った。

クラスメイトたちが一斉に笑い声を上げる。

あたしの考えでは、この2人は気が合うと思うよ、頭のレベルとかも含めて。

「まーたやってるけどさ、いい加減ガキレベルの喧嘩してるって気付いてほしいよね」

あたしの横で溜息を吐いたのは、成績優秀スポーツ万能容姿端麗性格最悪な不破千尋。
何考えてるかわからないから、文章で表現するのは難しそうだなぁ。

「香澄チャンはまたメモってるの?」

「まあね、ネタはどこに転がってるかわからないのだよ?」

「ふーん… まあ、とにかくあの2人は笑い話専門だね、というかバカ専門?」

「もちろん、わかってるね、不破君っ」

ああ、とうとう殴り合いの喧嘩になっちゃった。2つの不良グループの中では大人しい池田圭祐と無口な設楽海斗が止めに入る。
あ、あーあ、池田君が巻き添え喰ってる…あたし、結構好きだよ、2人の喧嘩。ずっと見てたいな、笑いネタが絶えないからね。2人の話だけで1つ話が書けちゃうそうだよ、ホント。

オレ、楠本章宏はある日学校を休んだ。
風邪とかじゃない、要はサボリだ。

次の日、担任にプリントを渡された。
「個人調査書」だとか。
名前に始まり、好きな科目やらなんやら、親友の名前まで書かなくちゃなんねぇ。

面倒だけど、仕方ない。
書くとするか。

名前、住所、好きな科目・嫌いな科目、部活動(入ってねぇけど)、趣味…

オレはあるところで悩んだから、清二(江原清二)と航(都竹航)に相談した。

 

章宏「なぁ、聞いていいか?」

清二「何だよ?」

章宏「この『学校における親友』って誰書けばいいと思う?」

清二「…ハァ?」

章宏「だってさ、こういうのって誰書けばいいか悩まねぇ?
   だって、テメェらとか、美和子とか凛とか草子とか椎音とか…
   でも欄は4つだけだしよぉ」

航 「…そもそも、オレとアキヒロは親友なんだろうか?」

章宏「え…違うのか?」

航 「わからない…そもそも友達と親友の境とは何だ?
   親友とは親しい友。
   だが、何を基準に親しいと言うのだろうか?
   毎日一緒にいれば親友か?
   しかし、それならオレはこのクラスの人間全員と親友になってしまう。
   一度遊んだ事があれば親友か?
   しかし、それなら人間によっては辺り一体親友になってしまう。
   オレはアキヒロたち全員と同じ付き合いはしていない気がする。
   シイネと一緒にいる回数が最も多く、リンとが少ないだろう。
   シイネが親友として、果たしてリンは親友なんだろうか?」

章宏「え…あ…えっとだなぁ…」

航 「そもそもこの解答欄に問題があるのではないか?
   例えば5人親友というものがいたらどうなる?
   誰をどういう基準で省くべきなんだ?
   それに、親友とは互いに思う者ではないのか?
   一方的に親友だと思っていても、相手は書いていないかもしれないじゃないか。
   それは果たして本当に親友なんだろうか?
   いや、それはただの友達かもしれない。
   …アキヒロ、どう思う?」

章宏「えっと…えっと…えぇ!? わかんねぇ!!」

清二「…章宏、もう誰でもいいから適当に書けや、頭痛くなってきた」

航 「待て、セイジはどう思うんだ? オレにはわからない」

清二「オレにもわかんねぇよ」

 

航の話は小難しくてよくわかんなかったけど。

やっぱり、オレにとっては航は親友だと思う。

それは、あくまでオレの考えだけど。

航にとってはどうなのか、わからないけど。

俺の名前は滝井良悟。
これでも中学テニス界じゃ、それなりの有名プレイヤーで、全国レベルだ。
見た目だって、それなりにいい、はずだ。
そんな俺には、疑問がある。
だから、疑問をぶつけてみた。
ある日の掃除の時間に。

掃除の班は出席番号で分けられている。
我らが4班は、男女出席番号10番から12番までの6人。
一応メンバー紹介をしておく。
男子10番は、俺様。
男子11番は、面倒見が良いことで通っている多田尚明。
男子12番は、水泳焼けで肌が黒くて塩素で色が抜けて髪が茶色い津村翔平。
女子10番は、ツリ目にお似合いのドぎつい性格、河本李花子。
女子11番は、一見大人しそうだけど実はそうでもない、志摩早智子。
女子12番は、金髪に白い肌、無愛想でなんかおっかない、村主環。
この6人だ。

 

翔平「あっれぇ、村主さんは?」

早智子「環サンはいつものごとく、おサボりみたいだよ」

李花子「ま、しゃーないよ、止めるの怖いし」

 

良悟「…なぁ、ナオ」
尚明「何だよ、良悟…掃除を早く終わらせたいならサボってないでやりなよ」
良悟「違う!! サボってねぇよ、休憩だっつーの!! つーかそうじゃなくて!!」
尚明「休憩長くないか?」
良悟「うっせー!! つーか違う、あのさ、俺、悩んでるんだ」
翔平「えぇ!? タキが悩み事!? どう見ますか、リッちゃん!」
李花子「そうだねぇ…明日は槍が降るかもね!」
良悟「黙れそこのお調子者コンビが!! 俺真面目なんだって!!」
早智子「…で、何を悩んでるの、タキくんは」
良悟「あのさ、何で、俺は馨よりモテないんだ?」

間。

翔平「…よーっし、掃除終わろうかぁ!!」
李花子「今日もよく掃いたしね!!」
良悟「そこぉっ!! しれっと流そうとするなっ!!」
李花子「…バッカだなぁ、タキ。 馨ちゃんは王子様だから憧れの的なんだよ」
良悟「はァ!? 王子!? だっはは、河本の口から出る単語かよ――ぶへぇっ!! ゲッホゲホ、テメェ、箒で叩くな!! うえっ、蜘蛛の巣が!!」
李花子「そういう言い方が、馨ちゃんとの違いだっつってんの! ねぇ、サチ?」
早智子「えぇっ!? えっとあの…その……」
翔平「あれ、サッちゃん顔赤いですよ? あ、もしかしてもしかすると……」
早智子「もうやだぁっ!! 翔平くんのバカ!! ちょっと多田くん、掃除しよ!!」
尚明「…俺はさっきからやってるんだけど……翔平もリカも、早くやろうよ」
翔平「うんもう、多田っちったら真面目ボーイなんだからァ☆」
李花子「翔平ーキモいよー」
良悟「ってテメェら!! 俺の悩み無視か!? 無視なのか!?」
尚明「…じゃあ、みんな、良悟のために話し合いながら掃除しよう」
翔平「え、何で馨ちゃんがモテてタキがモテないかっつー議題?」
尚明「ちなみにさ、女の子としてはどうなの? リカもサチも、どっちがいい?」
李花子「馨ちゃん(即答)」
早智子「え…えっと…その…」
翔平「この反応からして、馨ちゃんだな。 2対0で馨ちゃんの勝ち!」
良悟「何でだよ!!」
李花子「馨ちゃんの方が優しそうだし、かっこいいし?」
尚明「じゃあ、馨くんに無くてタキにありそうなのは?」
早智子「うーん……裏の顔?」
李花子「あっはは!! それ同感!! 良悟腹黒そう!!」
翔平「あとは身体に開けた穴ですかねぇ」
李花子「そうそう、あのピアス穴の多さが、馬鹿っぽさを出してるよね」
早智子「やっだぁ、リッちゃん酷いよぉ!」
翔平「腹黒いって言ったサッちゃんも中々だと思うけどねぇ」
早智子「異議あり!! あたしは裏の顔があるって言ったの! 腹黒って言ったのはリッちゃん!!」
李花子「似たようなモンじゃんねぇ。…じゃあまとめると、タキは馨ちゃんよりモテないのは当然、と…オッケー?」
翔平「賛成ー! 可決ー!」
尚明「…うわぁ……本人の前でよくもまぁ……」
良悟「……テメェら好き勝手言いやがって……ッ!!」
李花子「アンタのために話し合ってやったんじゃないの、感謝してよね!」
良悟「できるかああぁっぁぁっ!!」
早智子「ちょっとタキくん!! ちりとり振り回さないでよ、危ない!!」
翔平「タキがご乱心じゃあ!!」
尚明「うわ、ちょっと良悟、ゴミ踏み散らかすなよ!!」

結論。疑問が解決してないようなしたような、よくわかんないことになった。わかったのは、なんかムカついた掃除の時間だったということだけ。

オレ、水原翔には親友がいる。

とりあえず、4人。

まずは同じサッカー部で、誰よりも気が合う土方涼太。
でも、最近は彼女とラヴラヴだから、少し寂しい。

次にグループ1のお調子者、土谷和。
すっげぇお調子者でお喋りで、とにかくいいヤツ。

あとグループの中で誰よりも落ち着きがある日向翼。
文武両道って言葉の通りだ、何でもできる凄いヤツ。

そしてバスケ部で活躍中で、人柄も頭も良い宝田義弘。

今回は、義弘の話をしようと思う。
オレからすればバカみたいな話なんだけど、聞いてくれよ。

 

あれは遠足の時だったな。
珍しく楽しみだったんだ。
だって、遠足が資料館見学と遊園地の2本立て!

午前中のことは省く。
ま、あえて何か言うなら、退屈だったって事。

午後は遊園地!
そんなでかい遊園地じゃなかったんだけどさ、それなりに楽しんだ。

オレが何よりも好きなのは、やっぱジェットコースター!!
もう、乗る気マンマンだった。
むしろその為に行ったようなもんだ、この遠足。

「ジェットコースター!!乗ろうぜ乗ろうぜ!!」

「まったく、翔ちゃんったら可愛いは・しゃ・ぎ・よ・うv」

「和キショい!! やめれ!!」

「落ち着け落ち着け、とりあえず並ぼうぜ、なぁ涼太」

「そうだな、並ばないと乗れないな」

オレも和も翼も涼太も乗る気マンマンだったんだ。
だから、言い出しにくかったんだろうな、義弘。
バカだな、そんな気兼ねするような仲じゃないのにさ。

いよいよ乗る順番が回ってきた。
オレらは奇数グループだったから、後ろにいた翼が他のクラスの女の子の
横に乗っていた。
その子、とても嬉しそうだった。ま、翼は人気があるからな。その前が涼太と和。そして、その前――なんと先頭がオレと義弘!!

「やったな義弘! 特等席だぜ特等席!!」
「…あ、あのさ、お、オレさ…」

何どもってんだ、義弘。

「お、オレ…小さい時に…ベランダから…落ちたんだ」
「…マジ!?」
「幸い怪我はなかったけど…それ以来…ど、どうも、高い所は…」
「……もっと早く言えよ」

高所恐怖症だって知ってたらオレらも乗せたりしなかったっての!!

「だ、大丈夫…世の中には乗り越えないといけない困難も一杯で…」
「いいよ、乗り越えなくて!!」
「き、きっと、実際乗ってみたら、楽しいかも、だろ?」
「…そっか、そうだな」

ガタン。動き始めた。ゆっくりと上っていく。この緊張感がたまらない!!

「なあ、結構いいもんだろ、義弘!!」

無反応。

「…義弘?」

オレは横を見た。オレ、どうかと思う、気絶するのは。そんなになるなら乗らなきゃいいだろうが!!天辺で止まる。高速で下り始める。悲鳴があちこちから聞こえる。…なんて事、お前気付かなかっただろ?そりゃあそうだよな、お前が目ぇ覚ましたの、コースターが止まってからだったしな。義弘。オレ、思うんだ。ジェットコースターは、ただの娯楽なんだって。だからさ、乗り越えなくていいと思う。

オレには怖い人がいる。

アイツの名前は西川東。

「東」と書いて「アズマ」と読む。

皆、覚えておけよ、アズマだぞ、アズマ。

間違って「ヒガシ」とでも呼ぼうものなら、悲惨な目に合う。

 

そもそも、事は中学入学時に遡る。

オレは西川の前に座った、出席番号順で。

友達になろうと思って声を掛けた。

今思えば掛け方を間違えたんだ。

「えっと…西川…ヒガシ君?
 オレ、関克哉って言うんだ、よろし――

そこまで言ったところで、オレの頬に拳が飛んだ。

「誰がヒガシだ、お笑い芸人じゃねぇ!!
 アズマだ、憶えとけ!!」

 

まったく、入学その日にオレは傷物だ、クソ。

とにかくそれ以来「ヒガシ」と口に出すのが怖い。

いわゆる“トラウマ”だな、これは。

 

 

だからさ、輪、タツキ、頼むよ。

そんなでかい声で「ヒガシ」「ヒガシ」と連呼すんなよ。

次のサッカーの相手は東中だ、それはわかったよ。

頼むよ、西川が睨んでるんだよ、オレを。

なあ、オレまだ死にたくないんだよ。

頼むからやめてくれよ、マジホント一生のお願い。

 

「コラァ関テメェ!!」

「違う違う、船海東中の話をしてただけ――

「誰がヒガシだテメェ、オレはアズマだぁ!!」

「ぎゃー――――――ッ!!」

 

だから頼んだんだよ…

大丈夫か、だって?

お陰様でヘディングは痛くてできないよ、これじゃあ。

輪もタツキも憶えておいた方がいい。

アイツはアズマだ、ってな。

 

男子八番・関克哉

 

オレ――良元礼の周りには色んなタイプのヤツがいる。
爽やかな中国人とのハーフとか、ぼーっとしてるけどいいヤツとか、
やる気なさげなロック好きとか、笑い声の煩さでは負けないヤツとか、
騒がしいけど正義感の強いヤツとか、笑い方が変なヤツとか…
あと、バカが2人。
名前を出すと、拓也(稲毛拓也)と東(西川東)。
特にあれだ、拓也のバカはどうにかならないもんかな?

 

ゲーッホゲホゲホゴホゴホッ

ズズッ

カサカサ  チーン ズズズッ

和久「…うるさい」

稲毛「悪かったなチクショー……ぶぇっくしょい!!」

李「どうしたんだよ稲毛、珍しく学校に来たと思ったら…」

堀田「オレ知らなかったぜ、バカでも風邪ひくんだな!!」

岡「同感!! ナイス勝海!! ギャハハハハハハッ!!」

稲毛「うるせぇ、好きでひいたんじゃねぇやい!!」

杉江「そういえば、東も風邪ひいて今日休んでるらしいよ?」

白川「ゲハハハッ!! Wバカが風邪かよ!!」

稲毛「ケッ!! もういい、テメェらと一緒にいたらムカつく!!」

李「あっ……あーあ、行っちゃった」

和久「いいよ、静かになって」

 

ゲホゲホッエホッゴホゲハゲハッ

ズズズズッ

良元「…うるせぇな」

稲毛「テメェまでそう言うか…ズズッ」

良元「そりゃあ人が予習してる時に横でゲホゲホ言われちゃあな」
稲毛「ケッ…ふ…ぶえっくしょい!!だーこんちきしょう!!」

良元「オヤジかテメェは」

稲毛「礼?…風邪ひいた…」
良元「見ての通りだな」
稲毛「…理由聞いてくれよ」
良元「別に興味ねぇよ」
稲毛「良いから聞けってんだ!!…ぶわっくしょい!!」
良元「きたねぇ!!唾飛ばすな!!つーかそれが人に物を頼む態度か?」
稲毛「良いから聞けよチクショー…ズズズッ」
良元「……言いたきゃ言えよ」
稲毛「それがよ、昨日東のバカがオレに喧嘩吹っ掛けてきやがってよ、橋の上で喧嘩してたらよ、アイツが川に落ちやがったんだ!バッカだろ??」
良元「…で、何でテメェも風邪ひいてんだ?」
稲毛「それがよう…ちょーっと手違いで… 橋の手すりの上に乗って…東からかったらよう…足滑っちまってよぉ!!だははははーっくしょい!!」
良元「バカだな」
稲毛「あー…何か熱っぽくなってきた…」
良元「あー近寄んな。 うつる。 バカ菌が」
稲毛「何だとテメェ、こっちはだるいってのに学校来たんだぜ!?」
良元「…何で普段休んで今日は来てるんだ」
稲毛「いや…今日は校外学習だし出席稼ごうと…」
良元「それは明日だ」
稲毛「何!? そうだったのか!?」
良元「…今まで授業受けてきて、何で気付かないんだ」
稲毛「……あぁ、そういえば」
良元「頼む、マジでバカ菌うつるから、とっとと帰れ」

 

男子一番・稲毛拓也&男子十六番・良元礼

男子1番・和泉直正(いずみ・なおまさ)

男子バスケットボール部キャプテン。
しっかりした性格。
西智美(女子14番)との口喧嘩が絶えない。



支給武器:シグ・ザウエル P230 9ミリショート
kill:なし
killed:斎藍(女子2番)
凶器:カマ
 

実は智美に恋心を抱いていた。
G=08エリアで智美と再会。喜んだのもつかの間、藍に発見される。智美を先に逃がして自分も逃げようとしたが、カマで手首を切られ出血多量死。

男子2番・井上稔(いのうえ・みのる)

部活は無所属。不良ペアの片割れ。
ケンカ好きでがさつ、大雑把だが、優しい部分もある。
麻生咲(女子1番)に恋心を抱いている。


支給武器:クマデ
kill:美祢達哉(男子17番)
能勢杏奈(女子15番)
killed:なし
凶器:なし
 

出発後、担任を殺されたことにより、坂出慎(男子5番)と共に政府に復讐しようとする。また、普通に接してくれていた皆川玉樹(男子16番)・咲に会おうと決心する。
F=01・02エリアの境目で和田純直(男子20番)・原田千秋(女子16番)が自殺したことを知りショックを受ける。火炎瓶の作り方の紙を入手。
F=08エリアで尾花哲也(男子3番)の死体を発見。銃を入手するが、G=08エリアで出会った土井雫(女子10番)に渡してしまう。
E=06エリアで中野尋代(女子13番)を看取る。
F=09エリアで着々と脱出の作戦の準備をしていたが、杏奈に襲われる。両足を負傷するが、慎の道連れ作戦(?)でその場から逃げ出す。政府・杏奈への復讐を誓って移動開始。銃を入手。
D=07エリアで咲が達哉に殺されかけているのを見つけ、咲に声を掛ける。咲が駆け寄ろうとしたが咲を殺害された。達哉を無言で銃殺。
その後合流した雫と移動。D=08エリアで休憩中に杏奈に襲われる。全身に被弾するが、致命傷にはならなかった。フリッサで杏奈の全身を刺して殺害。優勝。

男子3番・尾花哲也(おばな・てつや)

卓球部。クラス1大柄。
性格は大らかで面倒見も良い。
吉井英(男子19番)と最も仲が良い。



支給武器:S&W M29 44マグナム
kill:なし
killed:中野尋代(女子13番)
凶器:ベレッタM84
 

狂う。F=08エリアで尋代・武藤萌(女子19番)を発見。襲いかかるが、逆に尋代に左胸・腹を撃たれ死亡。

 



男子4番・門脇吉孝(かどわき・よしたか)

 

テニス部。自慢癖がある。
閑谷邦康(男子6番)が聞き役。
その他に親しい人物は特にいない。


支給武器:ポケットティッシュ5個
kill:なし
killed:美祢達哉(男子17番)
凶器:裁ちばさみ
 

G=02エリアで、石を投げながら慎重に移動していたが、その1つが達哉に当たってしまう。追いかけられ必死に逃げるがこけてしまい、腹をメッタ刺しにされ死亡。

女子20番・矢矧彩乃(女子20番)

テニス部。ギャルグループ。
リーダーの日生吹雪(女子17番)には絶対服従。


支給武器:石鹸2個
kill:なし
killed:斎藍(女子2番)
凶器:ベレッタM84
 

I=10エリアで武藤萌(女子19番)に暴行していたが、藍が襲ってくる。吹雪が殺害されたことのショックで泣き叫び、体に3発被弾。死亡。

[3167] 大変ですね キム MAIL URL










管理人さん、どうもこんにちは

お知らせ読んでビックリしました

荒らし自体人としてどうかと思うのに、人の名前騙って荒らすなんて一番やっちゃいけないことですよね…
本当に不遜な輩がいるものです(-_-;)

なかにはそんな訳わかんない人もいますけど、管理人さんの小説を楽しみにしてる人がたくさんいると思うんで、元気出してください(^ω^)

正直俺も早く続きが読みたいです(笑)

乱文失礼しました?


返信 2013年09月18日 (水) 12時33分


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

+ + + + + + + + + + + + + + + +








[3169] かける@管理人 [ MAIL ] [ URL ]


キムさんこんばんは^^

荒らしも騙りも、正直電柱にぶつかった後田んぼに突っ込んでケータイなくせ、くらいには怒ってるんですが(基準がわからんw)、気にしても仕方がないですし、四六時中気にしていられるほど暇でもないので、気にせずに今まで通りしていこうと思います。励ましのお言葉、ありがとうございます。仕事などでバタバタしていて更新が止まっていて申し訳ありません(>_<)OBRNが次に更新されるまでには更新できるように頑張ります(笑)それでは^^

2013年09月20日

[3166] 残念です 春日 真澄 MAIL URL

水金さん、こんばんは。お久しぶりです、春日です(*^^*)なりすまし書き込みのせいで、執筆が進まなかったようで…残念です(><)掲示板などはたくさんの方が利用するものですし、皆さんが気持ちよく利用するためには、人に迷惑をかけてはいけないですよね。今回水金さんもショックを受けられたことと思いますが、気にせずこれからも執筆頑張ってください。続きを楽しみにしてます(^^)話はかわりますが、水金さんは生徒さんたちの設定などを決めるときに、どのようにして決めてますか?いきなり変な質問をしてすみません。水金さんの書く生徒さんがいつも個性的で、名前や性格などがすぐ覚えられるので、キャラクターの書きわけが上手だなぁ、どうやって考えてるだろうと常々気になってました(爆)

返信 2013年09月16日 (月) 20時19分


[3168] かける@管理人 [ MAIL ] [ URL ]


春日さんこんばんは^^返信が遅くなり申し訳ありません。なりすましの件、2ちゃんねるがわからないおかげで探し出すのに時間がかかりました(>_<)私の名誉(?)を傷つけられた気分です。どこかしこにサイト宣伝なんてしないのに…励ましのお言葉ありがとうございます!ハムスター(なんて可愛いものではないですが)に指先かじられたくらいの気持ちで気にしないようにします^^設定ですか…名前は、その時々でハマっているものから借りたり、昔の名簿を引っぱり出したり、地名とかから持ってきたり…ですね。下の名前は、ほとんどが、家にある名前の本です。つまり名前のセンスは80年代です(笑)性格はとりあえず同じ話の中では被らないように心がけ…てはいますが、よく被ってますね(笑)それでも時間をかけて作っている子たちなので、覚えていただけると嬉しいです、ありがとうございます!春日さんに励ましていただいたので、また頑張っていこうと思います!それでは☆

2013年09月20日 (金) 22時17分

[3163] お邪魔します! ゆゆ MAIL URL

水金翔様

こちらではお初にお目にかかります。Rhapsodyのゆゆです。ようやくご挨拶に伺うことができました!こうして余所様の掲示板にお邪魔することがこれまでほとんどなかったので、内心びくびくしております←失礼がありましたら申し訳ございません。私がこうしてオリバト界に身を投じたのは最近唐突に思い立ったからなのですが、バトロワ全盛期のころ等はこっそりとオリバトを読みふけっておりまして、
実は水金さんの作品も何作か拝見させていただいておりました。連載中の『月に叢雲、花に風』も最新話まで拝見しました。さすがに何年もご執筆されてるだけあって、文章がとにかく上手いですよね。プロローグの平和な日常の描写がとにかく和やかで、そこだけでも十分読み応えがあるので感情移入し易いのですが、だからこそその後の非日常への転落の振り幅が大きくて、そう言うがらりと変わる感じ、いいですよねー。私も目指しましたが無理でした。水金さんは凄いなと心から尊敬します。ああ、上手いなあ?、続きも楽しみにしております!ご自分のペースで頑張ってください!あと、唐突ですが、私もテニプリとONE PIECE好きなんですよー。自分は不動峰派で神尾アキラが好きでした。ワンピはサンジと、ビビが好きでした物凄く!実は新世界編まで追えてないのですが←新しいキャラデザも素敵ですよね。ナミ&ロビン美しすぎる。それでは、やはりと言うか、まとまりのない文章になってしまいまして、お目汚しを失礼いたしました...よろしければまたお邪魔させてくださいねー!ではでは。


D'ont enter, if you can't understand Japanese.


以下のことを守ってください。

★荒らし禁止
 当然のことです。人としてどうかと思います。

★誹謗中傷禁止
 生徒に対する好き嫌いはあると思いますし、多少書かれるのは良いですが。
 度を過ぎれば私も人間ですので、嫌なものは嫌です。
 また、他の方が不快になる書き込みはご遠慮願います。
 画面の向こうにも感情を持った人間がいることをお忘れなく。

★宣伝のみ・日記のみ・意味不明書き込み禁止
 それだけの書き込みはご遠慮願います。
 反応に困ります。
 意味不明なのは一番困ります。

★タメ口遠慮
 はじめまして、でいきなりタメ口はマナー違反です。
 日常生活においてやりますか?やらないでしょう、クラスメイトならともかく。
 付き合いで互いの距離が縮まり、初めてタメ口になるのです。
 ネット上は書き文字の世界、リアル生活よりも気を配るべきだと思います。

★はじめまして大歓迎
 管理人、とっても喜びますので遠慮なくお気軽にどうぞ!
 かたいように見える注意書きかもしれませんが、どれも当たり前のこと。
 つらつら書いてますが、管理人基本ちゃらんぽらんなので緊張はいりません(笑)

以上のことを守っていないと判断した場合は、勝手ながら書き込みを削除させていただく場合がありますが、あしからず。

津田彰臣(男子13番)は今にも泣き出しそうな表情で、建物の屋上から下を見ていた。

下には、幼馴染だった伊達功一(男子12番)が倒れている。
恐らく、もう息はないだろう。
首が変な方向に曲がっており、頭の下には血が広がっている。

自分が直接手を下したわけではない。
功一が勝手に落ちた。
自分は助けようとして手を伸ばしたが、届かなかった。

――と割り切ってしまう事ができれば苦労はしない。

オレがコウに怪我をさせなければ、コウは死ななかった…
オレのせいだ…

彰臣は頭を抱えた。
気が合わないとはいえ、掛け替えのない幼馴染を殺してしまった。
その罪悪感は、彰臣の背中にずっしりと圧し掛かっていた。

 

「コウ!!?」

あたしはこのクラスが大好き。
だから、色々な思い出を文章にして残したい。
それが、あたしの、ささやかな夢――
 

アスレチック公園の一部になるF=04エリアは、休憩所のような簡単なつくりの建物がある。
中にはベンチとゴミ箱と自動販売機しかない。

小南香澄(女子6番)はそのベンチの中の1つに腰掛けていた。
自動販売機を壊してジュースでも飲もうと思ったが、香澄にはそんな力はないし、電気の通ってない自動販売機の、生ぬるい賞味期限がいつかもわからないようなジュースを飲むのは気が引けたので、それは諦めた。
因みに、すぐ隣のエリアにはアスレチックを陣取っているミステリアスな少年、長門悟也(男子14番)がいるが、香澄はその事には全く気付いていない。

香澄は反射的にとはいえ、人を殺してしまった。
彼――柚木康介(男子19番)は、狂っていた。
奇声をあげながら香澄に襲い掛かってきたので、反射的に手に持っていた小型自動拳銃(ファイブセブン)の引き金を引いてしまった。
あの時の光景は今でも目に浮かぶし、初めて引いた引き金の感覚もしっかりと手に残っている。

康介は普段はとても穏やかで優しい人だった。
常に周りの人に気を使っていて、修学旅行で同じ班になったので班行動をしていた時も、班員に気を配り、疲れきっていた黒川梨紗(女子5番)の荷物を持ったりもしていた。

そんな彼も、命のかかったこの状況では思いやりの欠片も感じられなかった。

あれが、素だったのかな…?
ううん、そんな事は無いよね、きっと。
混乱しただけで、狂っちゃっただけで、理性が働いていれば優しい人。

このクラスには、優しくて楽しい人たちがたくさんいる。
それは作り上げた性格なんかじゃない、そう信じている。

香澄は自分の荷物から1冊のノートを出した。
ごく普通の大学ノートだが、中はびっしりと文字が書かれている。
香澄が何かがある毎に書き記していた、このクラスの物語。
今のクラスになった2年の1学期から記録を始めた。
このノートは3冊目だ。

香澄はノートをパラパラと捲った。
修学旅行の事はまだ書けていないので、一番新しい大きな行事の記録は、篠山中学校春の恒例行事、新入生歓迎春の運動会だ。
運動会と言ってもそんなに体育会系の行事ではなく、楽しく障害物リレーをやってみたり、音楽を流してイントロクイズをしたりという楽しい行事だ。

とても楽しかった。
いつになく盛り上がった。
というのも、曽根崎凪紗(女子10番)率いるグループと真田勝(男子9番)率いるグループ、2つの不良グループが何故か燃えていたからだ。
“やるからには優勝を狙う”をモットーに掲げ、クラス全体が盛り上がった。

障害物リレーでは濱中薫(女子14番)が網の下をくぐり、高山淳(女子11番)が体を10回転させられて目を回し、伊達功一(男子12番)が何が混ざっているかわからないミックスジュースを一気飲みして、吐きそうになりながらも1位でアンカーにバトンを渡したにも拘らず、アンカーの栗原佑(男子7番)がハードル跳びで派手にこけて最下位になってしまった。
佑は後で勝や新島恒彰(男子15番)あたりにボコボコにされていた。

イントロクイズでは真中那緒美(女子16番)が意外にも音痴である事が発覚し、クラス全員に爆笑され、那緒美自身も大声で笑っていた。
バンドでボーカルをしている斎藤穂高(男子8番)がマイクを持った時には、2・3年の大勢の女子が盛り上がり、一時穂高のワンマンショーのようになっていた。

春の運動会内では珍しく運動会らしいリレーでは、それぞれ部活で陸上部顔負けの走りを見せる笠井咲也(男子5番)・工藤久尚(男子6番)・今岡梢(女子1番)・駿河透子(女子9番)と、「リレーなら任せろ」と参加した設楽海斗(男子10番)・不破千尋(男子17番)・凪紗といった不良グループの面々と、篠山中学校が誇る陸上部エースの椎名貴音(女子8番)が、見事なバトンリレーを見せて全校1位をもぎ取った。
応援はこの時が1番盛り上がっていた。

そして最後に1クラスずつが走ってタイムを競った40人41脚では、梨紗が最初に転んでそれが波紋のように周りに広がってしまい、それが何度も繰り返されて記録は悪かった(時には羽山柾人(男子16番)もこけていた)。
梨紗が何度も泣きながら謝っていたのを、皆で慰めた。

 

皆楽しくて良い人ばかりで…
でも、こんな事になっちゃったから、もうあのクラスには戻れないんだなぁ…

ノートにぽとっと雫が1滴落ちた。
黒目がちの大きな目には、涙が滲んでおり、それは頬を伝ってノートに落ちていった。

もう、あのクラスには戻れない。
たくさんのクラスメイトが死んでしまった。
不味そうなミックスジュースを見事飲み干した功一も、ハードルに引っ掛かって派手に転んだ佑も、音痴ながらも一生懸命歌っていた那緒美も、リレーで見事な走りを見せたも久尚も梢も、皆死んでしまった。
それも、クラスメイトに殺されてしまった。

どんな気持ちだったんだろう…?
仲が良いと思っていたクラスメイトに撃たれたり刺されたりして、何を思って死んでいったんだろう…?

あたしに撃たれた柚木君は、どんな気持ちだったんだろう…?

香澄は丸眼鏡を外し、涙を拭った。
泣いている場合ではない。
もう、後には戻れない。
もう、いっぱい経験した。
自分の趣味であり夢である小説書きの、参考にできるかできないかはわからないけれども。

…友達に襲われた気持ち、体験するのかな…?
あんまり体験したくないなぁ…

 

「香澄…ちゃん…?」

 

可愛らしい声で名前を呼ばれ、香澄は弾かれたように振り向いた。
しかし、すぐにその声の主を理解し、ほっと笑顔を浮かべた。

「良かった、緋鶴かぁ!
 脅かさないでよね、びっくりしたじゃん!」

結城緋鶴(女子19番)とは普段から一緒にいた仲だ。

中学3年生になって間もない頃、緋鶴はこのクラスにやってきた。
可愛い子だな、と思った。
声を掛けて、仲良くなって、時々一緒に遊ぶようになった。
クラスで1,2位を競うほどの低身長にもかかわらず、運動神経が抜群である事には驚かされた。
スポーツは粗方何をやらせてもそつなくこなしていた。

そんな緋鶴が好きだが、時々気になる事がある。
本人は隠そうとしているのか、或いは無意識なのかはわからない。
他の親友――梨紗や矢田美晴(女子18番)は気付いていないかもしれないが、クラスメイトをいつも観察している香澄は気付いた。

商店街の一部にあたるH=02エリアを、羽山柾人(男子16番)は慎重に進んでいた。
普段は艶やかな黒い髪も、常に泣き出しそうな弱気な表情を浮かべた色白の顔も、きちんと着こなした制服も、土や埃で汚れている。
しかし、その事を柾人は気にしていない。
今は夜中で暗い事もあるが、明るいうちから気にしていなかった。
正確には、気付いていない。
それほど集中している。
誰かいないだろうか、誰かに狙われていないだろうか。

昼間に親友の長門悟也(男子14番)と会った事で、少しは落ち着いた。
次に誰かに声を掛けられても、錯乱はしないだろう。
相手がやる気なら話は別だが。

柾人は店を1軒ずつ覗いていった。
新しい店を覗くたびに緊張し、汗が頬を伝った。
悟也と会った時に撃ち尽くし、今は新しいマガジンを装着してある自動拳銃(シグ・ザウエルP232)を握る手にも、汗が滲んでいる。
手にはグリップの型がついているだろう。
とてもきつく握っているので。

…どこにいるんだろ、結城さん…
大丈夫かな、怪我してないかな…

店に入って、想い人である結城緋鶴(女子19番)を探し続けている。
守りたい、この手で。
動き回る事は怖い。
しかし、じっとしているわけにはいかない。
じっとしているなら、弱い自分のままだ。
変わりたい。
強くなりたい。

大丈夫、きっとちょっとは強くなってるよ…
そうだよね、悟也君…

『自分を信じなさい』

悟也の言葉が蘇る。
多分、もう二度と会う事はないだろう。
それは、悟也か柾人のどちらかがこの世を去ってしまうか、或いは両方とも去らなければいけないのかのどちらかだろう。

多分会える、悟也はそう言った。
“予知夢”を見る事ができるという悟也の、曖昧な答え。
それは無理だと言うことを意味している事は、前々から知っていた。
親友だから、ずっと一緒にいたから、わかっていた。
これからも一緒にいられると思っていた。

だけど、もう一緒にはいられない。

「…悟也君……」

柾人は溢れてきそうになる涙を堪えた。
代わりに、静かな空間に嗚咽が響くように聞こえた。

「僕、強くなるよ…」

たくさん迷惑をかけてきた。
昼間も錯乱して、その結果悟也に傷を負わせた。
もう、きっと、二度と会えない。
だから、せめて、悟也に心配をかけないように、強くなりたい。

弱い自分と、サヨナラしたい。

強くなりたい。
緋鶴を守れるように。
悟也に心配をかけないように。

 

あとがき

 

終了しました。

書くごとに時間も話数も伸びてっております(汗)

いかがでしたでしょうか?

100話行きましたよ、自分でもビックリでした。

 

FC3を書き始めたのが…詳しくわかりませんが、FC2完結が2003年8月ということなので、多分9月頃でしょうか。

高2で書き始め、大学1回生の終わりまで…ほんと長いですね(汗)

間に受験やら慣れない大学生活やらを挟んだのも原因だと思いますが。

特に受験期に書けなくて書くべき事を忘れたりとかもありました(こら)

プチスランプ期を何度か迎え、至らない部分も多々ありました。

色々申し訳ないです。

 

この間にプチオフ会なども参加させていただいたり色々ありました。

その関係上、FC3の子には特に強い思い入れがあったりしますね。

千尋やら勝やら…生の声で好きだと言ってもらえて嬉しかったり恥ずかしかったり。

 

実は、FC3が最後になるかな、と思っていたので、やりたいことを色々やりました。

不良グループを思いっきりメインに出してきたりとか。

ややタレントが集まったクラスだったかもしれないです、やりたい人色々出したので。

転校生出してみたりとか。

通常の中学生にあるまじき戦闘能力の持ち主を出してみたりだとか。

シーンとしては、勝と透子のシーンだとか。

千尋と美晴と誠の絡んだあのあたりだとか。

千尋v.s.勝から始まったあのあたりだとか。

書いていて満足しました、自己満足かもですが(汗)

 

あれですね、前の作品でちょこちょこ今回のことについて書いているので、色々不都合が(汗)

「こんなん書いてるからこれに合わせなあかんやん!」とか何度も思いました(苦笑)

多分大体これで繋がったかなぁ、と思います。

 

FC2の時にも思ったんですが、私は反政府がどうだこうだの話を書くのは苦手なようです。

大体の漠然としたイメージは持っていても、書けないんです。

音楽論講義(1番意味不明だった授業)の時間に一生懸命話の流れとか校舎の見取り図とか書いたりしてました。

というわけで、フィニッシュはやたら時間掛かりました(汗)

 

突然ですが、今現在の人気投票の結果でも載せてみます。1位+++不破千尋(77票)2位+++真田勝(56票)3位+++設楽海斗(51票)4位+++曽根崎凪紗(47票)5位+++遠江敬子(31票)6位+++長門悟也(29票)7位+++周防悠哉(25票)8位+++矢田美晴(24票)9位+++栗原佑(23票)10位+++結城緋鶴・井上稔(22票)次点+++工藤久尚・池田圭祐・濱中薫………千尋がやっぱり1位でしたか、ありがとうございます。ちなみに私が書いてて楽しかったのは千尋と薫ですね、人の呼び方が独特だったので。神戸弁の緋鶴と悠哉、神戸弁というより水金弁ですので変かも知れないですね・・・まあ、それが口語の神戸弁という事で見逃してください(汗)どうでもいいですが描いてて楽しいのは千尋と悟也です。メガネは楽しいですね、前にリクでメガネーズを描いた時もテンション上がりましたよ(笑)投票へのご協力ありがとうございます。まだまだ人気投票受け付けてますので、お気に入りの子に1票といわずいっぱいいれてください(笑)毎度のように書いているかもですが、事実なので書きます。やはりここまで書ききることが出来たのは皆様の支えのお陰です。掲示板に書き込んでくださった皆様、メールをくださった皆様の感想がなによりの支えでした。陰ながら読んでくださった皆様もありがとうございました。FC3連載中に10万打も越える事が出来ました。本当にありがとうございます。支離滅裂なあとがきとも言えないようなあとがきでごめんなさい。上に書きましたが、最初はこの作品で終わりかと思ってました。が、4周年アンケートで希望してくださった方が結構いてくださいまして、嬉しかったので次作も書きます。オリバト愛が失われない限り&ネタが尽きない限り書き続けたれと考えてますので。次作・FC4はADGIメンバーの高谷祐樹の妹が巻き込まれたプログラムです。別にその子がメインで出てくるというわけではないんですが。部活の役職上多忙になる気がするのですが、やる気と根性で書いていこうと思います。よろしければお付き合いくださいませ。同時にうれしはずかしな最初の作品・EN1の改稿版も書いていこうと思います。色々変わっているので、よろしければそちらも相手してやって下さいませ。更新止まりまくっているFBRもまったり更新していこうと思いますので、そちらも…長くなりましたが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。

プログラム本部である中学校の屋上。
そこに止められているヘリの中の空気は重かった。
「…連絡、取れました?」

結城緋鷹(戦闘実験体18号)は心配げな声を出した。
高谷祐樹(ADGI)は首を横に振る。

先程からADGIの他のメンバーの誰とも連絡が取れない。
田口陽平(ADGI)からの連絡が最後だ。
陽平によると、秋山貴晴(ADGI)と園山シホ(ADGI)は既に他界しており、陽平自身も通信機から聞こえた銃声を最後に連絡が取れないので、おそらくもうこの世にはいないのだろう。
残りの3人も、井上稔(ADGI)の放送が聞こえたのを最後に連絡が取れない。

祐樹はガリッと親指の爪を噛んだ。
イライラした時に出る、祐樹の癖だ。

「…まずいな……」

祐樹の声に緋鷹が振り返る。

ここまで連絡が取れないとなると、何かあったと考えるのが妥当だ。
曽根崎匠(ADGI)・稔・柳瀬伊織(ADGI)はとりあえず作戦は成功させたはずだ、そうでなければあの放送があるはずがない。
このプログラムの担当教官は稔のクラスメイトたちの仇だと聞いている。
比較的好戦的で激昂しがちな稔の性格を考えると、担当教官を殺害した上での成功のはずだ。
ここの最高責任者であろう担当教官がいなくなった後に、何かがあったのだろうか?

陽平からの最後の連絡から既に10分が経とうとしている。
20分でこの校舎が爆発してしまう。
それまでにヘリはここから離れなければいけないし、中にいるメンバーがまだ生きているのなら連れ出さなければならない。

様子を見に行くべきか…?
でも…ここを離れている間に何かあったら…

「…僕、様子見てきましょうか?」

緋鷹が訊いた。
しかし、既に自動拳銃(ベレッタM92F)を右手に持ち、替えのマガジンや銃器などを入れた小さなナップサックを背負って扉の前に立っていた。
祐樹の意思など最初から考慮に入れないつもりである事が見て取れる。

「え…ちょっと緋鷹君!?」

「連絡が取れない以上、見に行くしかないと思いますよ?
 大丈夫です、僕それなりに強いと思いますから。
 ちゃんと爆発の時間までには戻りますし、何かあったら通信しますし」

祐樹が何を言う間も無く、緋鷹はヘリから飛び出した。
校舎内に入ろうとした時、銃声が響いた。
祐樹と緋鷹は顔を見合わせ、急いで屋上の縁に行き、下を見下ろした。

「周防君…!」

祐樹は目を見開いた。
2度目の銃声で、周防悠哉(男子11番)が倒れるのが見えた。
その前には、スーツ姿の男が4人。
稔の話では担当教官は体育会系の筋肉質な男だ、という事だったが、遠目に見てもとてもそうは見えなかった。

「…誰だ…」

「…お…お父さん…っ!!」

緋鷹がぎりっと歯を喰いしばった。
そして、彼の手元に目を遣り――目を見開いた。

「ちょ…祐樹兄ちゃん、お父さんの手!!
 ほら、掴んどる人…っ!!」

祐樹は緋鷹が父と呼んだ人物が含まれるスーツ姿の男たちを順番に見ていき、悠哉に最も近い人物の手元を見――言葉を失った。

そんな……匠…さん…っ!!

衝撃は続けてやってきた。
銃声が響き、悠哉の頭が弾かれた。
祐樹は口を押さえて後ずさった。
激しい吐き気に襲われたが、何とか堪えた。

「お姉ちゃん…
 僕、下に行きますから!!
 あ、ちゃんと稔兄ちゃんたちは探しますんでっ!!」

緋鷹は校舎の中に消えていった。祐樹はヘリの中に戻り、頭を抱えた。深い溜息を吐く。気が狂いそうだった。陽平たちの死でかなり憔悴しきっているのに、追い討ちをかけるように匠もこの世を去り、残り2人は安否不明、繋がりのあった悠哉も目の前で殺害されてしまった――最悪のケースに近づきつつある。…どうすればいい……大槻さん……助けてください……っ祐樹の目に、うっすらと涙が滲んだ。

男子14番・長門悟也(ながと・さとや)

部活は無所属。男子文化系グループ。
ミステリアスな雰囲気に包まれている。
実家は寺。予知夢を見ることができるらしい。



支給武器:ボウガン
kill:吉原遼(女子20番)
killed:真田勝(男子9番)
凶器:キャリコM950
 

偶然出会った濱中薫(女子14番)を諭す。薫と別れ、移動。
F=03エリアで羽山柾人(男子16番)と会う。励まし、別れる。
設楽海斗(男子10番)・曽根崎凪紗(女子10番)と会う。 悟也は予知夢で自分がここで死ぬ事を覚悟していた。 それを聞いた凪紗に殴られる。 そのまま別れる。
夢の通り、遼を発見し殺害。 勝を目にして初めて予知夢に逆らい、勝から逃げようとするが、全身に被弾し死亡。

 

遼ちゃんも書きにくいですが悟也君も書きにくかったです(*_*)
結果は一緒でしたが、最後まで頑張っただけ何か得たものがあったかもしれません。
書きにくいですが好きな子でした。


男子2番・浅原誠(あさはら・まこと)

囲碁部。男子文化系グループ。
成績は学年3位で、常に勝てない不破千尋(男子17番)を嫌っている。
愛国主義者で、将来の夢は政府官僚。


支給武器:フランキ スパス12
kill:濱中薫(女子14番)
矢田美晴(女子18番)
killed:不破千尋(男子17番)
凶器:フランキ スパス12
 

千尋を憎み、探し出して殺害しようとしている。

D=06エリアで薫と遭遇。 偶然千尋の居場所を聞き出せた上、千尋とも遭遇。 薫を銃[ピーーー]るが、千尋には逃げられる。
千尋と美晴を発見し、トラックを炎上させる。 千尋を庇い続ける美晴に苦戦するが、銃殺。 それに激怒した千尋も倒そうとしたが、腕と頭を撃たれ死亡。

 

プチオフ会でも見事に人気の無かった(苦笑)浅原君。「誠」の字が泣くよ。
結局最期まで勝てなかったのは、実力の差。
そして、奪う為の強さと護る為の強さ、2つの力の差。

負い目の一つは、横山圭(男子十九番)を射殺したこと。
確か、圭と裕一郎は行動を共にしていることが多かった。
言い争いをしては宍貝雄大(男子八番)に宥められる、という光景を目にしたことは一度や二度ではないが、その様子を見ていた男子主流派グループや女子主流派グループの面々のような人付き合いの上手な人たちは、「あーあ、またやってる」「相変わらず仲が良いね」といった感想を述べて笑っていたので、古都美が考えていたよりも2人は仲が良かったのだろう。
そんな“喧嘩する程仲が良い”間柄だったと思われる圭の命を奪った古都美の行為を、裕一郎は表に出さないだけで心の中では恨んでいるはずだ。

そしてもう一つは、古都美は裕一郎をいつかは殺害する意思を見せているのに、裕一郎はそれを受け入れた上で行動を共にしているということだ。
クラスメイトの大半が班で協力して生き残ろうとしていると思われる中、古都美は政府に勝手に決められた班員で生存を目指すのではなく、信頼する友人たちと生き残る道を目指すことを決めた。
それは、裕一郎に「死んでくれ」と言っているようなものなのだが、裕一郎は古都美の思いを知っても逃げようとはせず、それどころか古都美が友人たちと会ったら殺せばいいとまで言ってきた。
百歩譲って親しい間柄だったのならともかく、記憶している限りでは一度も会話すらしたことのない相手に、どうしてそのようなことが言えるのか、理解できなかった。
しかし、「どうしてあたしのために死んでくれるのか」などという自意識過剰にも程がある質問を投げることができず、裕一郎の意図を理解できないままここまで生き残ってきてしまった。

雪ちゃん…雪ちゃんに会いたい…早く…会いたいよ…

この重苦しい空気を破り古都美に安らぎを与えてくれるのは、この島にはたった一人――鷹城雪美(女子九番)しかいない。
おっとりして優しかった荻野千世(女子三番)とのんびり屋でほわほわとした印象の佐伯華那(女子七番)、本当ならこの2人も古都美に安らぎを与えてくれる人たちなのだが、2人はもうこの世にはいない。
本当は4人で一緒に生き残りたかったのだけれど、もう、それは叶わぬ願い。
だけど、せめて、雪美だけでも一緒に生きて帰りたい。

生きるとはどんなものか 僕らは其れをあまり深く考えた事は無かった。 けれども僕らは考えなければならなかった。生きることに意味がないとしても

「何で二人して倒れてんの…」
静木 青が先ず、川瀬 和生と葵 輝丹が 床で倒れている所を見つけた。
「何で輝丹まで倒れてたんだ?」と
木元 拓は首傾げる。 中居 螢太が「何かあったんじゃないのか?」と 何気に 拓に訊いてみる。 藍瀬 輝々はベットに寝かせた輝丹の近くに居る。 甘野 大和も和生の近くに居る。 月下 香介と相野 輝己は只それを見て 「どうなる?」「さぁ?」と返答を繰り返すしかなかった。
「輝丹?」
輝々の声に皆振り向き駆け寄った。 輝丹が目覚めたのだろう。
「輝丹、大丈夫か?」
輝々が話し掛けても返事は来ない。
「ちょっとー?こーにくーん?」
輝己がひらひらと輝丹の目の前で手を振った。
「何か様子可笑しくないか?」
拓が輝丹のところへ近寄る。
「お前は誰だ」

は?
「拓、それひどすぎるんじゃ…」
螢太が焦る。 すると輝丹は「葵 輝丹」と答えた。
「…じゃぁ、学年は?」
拓が何気に訊く。
「学年…1年」
「…やっぱり」
拓の話だと何かの拍子で頭を打ってしまい 少し、前の記憶状態になってしまったという。
「もしかしたらふらついた和生を輝丹が助けようとしたんじゃない?」
青が予測した。
「あ、それあるね、失敗したとか…」
「現にそうでしょーv人間誰でもミスはあるて?」
「や、それは今は関係ないんじゃないのかな」
どうこうしている間に輝丹が訊いた。
「誰」
訊かれた瞬間皆「え?」と言いたがるような顔をした。 そういえば輝丹が青空学園に来たのは 小学3年生のときだ。 知らないのも同然だろう。
「あ、俺木元 拓」
「俺は藍瀬 輝々」
「月下 香介」
「相野 輝己と申しますかにゃ?v」
「中居に決まって…っ …中居 螢太です;」
「静木 青と言うけど。」
「甘野 …大和。」
違和感がある。 其処で輝丹が首を傾げた。
「何処かで会ったことないか?」
「多分何処かで会ったと思うよ」
拓がそう云った。
「じゃぁ、覚えてないだけか?」
「うん、俺もそう思う」

きっと何かの運命なのかもしれない。 けど、今此処に居るのは幼い頃の輝丹だ。
今の輝丹じゃない。 違和感あるけれども。

「マジでどうしよう…」
大和がぽつり、ベランダで呟いた。 其の隣には青も居る。
「和生もやばい状態だしそれに輝丹いつになったら元に戻れるのか…」
続いていった。 「それは辛いねぇ…」と青は呟いた 生きる事に何の意味が在るのだろう?
「何か、あれだね、何もわかんなくなるって…」
青は云った
「答えも見つけられなくて…また探しての繰り返し。悔しいなと思うんだ、其の上和生も輝丹もあんなことに…ホント、悔しいな…」
俯いた。

「ねーこーすけーかずきとこーに良くなるかにゃぁ?」
「良くなるよ、輝己、心配してんの?」
「当たり前だよー何か日々に皆元気がどんどん無いの。だから少しでも元気になって欲しいんだ!」
香介はフッと微笑み、輝己の頭を撫でた。
「大丈夫だって、心配しすぎだよ」

そうだよ。 こんなことぐらいでへこたれる俺達ではないんだ 今、生きる事が何よりも大切なんだ 失うものは失ってても構わない だけど仲間を消さないで欲しい。
俺達はおもちゃじゃないんだ 俺達は人間なんだ 戦争の意味を知らないだけで死ぬなんてそれはお前等の勝手なんだよ。
俺達のことなんだと思ってんだよ…!

「こんな所で何してるんだ?」
香介は振り返ると輝々がちょこんと立っていた。 「あぁ…」と香介は少し安心した。 輝己も気付いたらしく「こーじーvv」と呑気に話し掛けていた。
「俺達って只、ひたすらに生きてるだけだと思うか?」
香介は輝々にそう話し掛けた。 そして輝々はこう答えた。
「俺達は生きたいと思って生きている。これは輝丹もそう言ってくれてたし「死ぬまで」生き続ける。少しでも長く長く。そう、他人から見たら俺達は輝いてるのかもしれない。俺はそう、信じたいんだよ」
「そっか…」
「こーじの言うとおりだねーvぼくもあれだ生きたい生きたい思ってんの。だからそんなに深く考えなくて良いかなって思うんだ今は生きることに集中しなくちゃ。」
そういい、輝己はにぱっと笑った。
香介も輝々もくすっと笑い、お互い此処に居た。

「こーに?」 和生が直ぐペットの向こうを見た。 其処には輝丹が立っていた。 「ごめんね、こーに。僕の所為でこんなんなっちゃって」 「誰…」 「あ、川瀬 和生というよvv」 「何で川瀬が…謝ってるんだ?」 「え、だって僕の所為で…」 「よくは分からないけど自分の所為にすんな」 やっぱり何処かが同じだ。 「こーにってさ親居るの?」 相手が小学1年生状態なら聞ける可能性はあるだろう。 だが、輝丹は無感情でこう云った。 「俺が生まれて直ぐ、実の親は俺をダンボールの中に突っ込んで捨てたんだ。其の後色んな人々に育てられたが全部自分から捨てたんだ。何もかも、全て。」「…え…」 信じられなかった。 そんな酷い大人が居たなんて。 「それ、ひどいよ…っ」 「でも、いい」 輝丹は俯きこういった。 「俺一人の事であんまり周りの人に迷惑かけちゃいけないし。…すまない」 それは何年経っても変わらなかった。輝丹は顔をあげ 「じゃぁ」と言って個室から出た。 和生は涙が流れ出てきた。 昔からずっとこーには数え切れない程傷ついてきたんだね。 何も出来ない自分が悔しい 悲しい 苦しい。 何で何も話してくれなかったの? どうして一人だけで背負い込むの? 深い夜の中に一人、ただ、泣いていた。

僕らは色々考えて
この日を待っていたのだった。
僕らはあと少しで此処から逃げられる。
そのための準備をしなければならないのだった。

「輝己、もういないの?」
静木 青が驚いて月下 香介が抱えている相野 輝己を見ながらそう言った。
「ああ。こいつ我慢してたみたいで…」
香介が言いにくそうな口調でそう言った。
「…なんで、誰にも言わなかったんだよ、輝己…」
中居 螢太が泣きながら叫ぶような口調でそう言った。
甘野 大和は呆然と立ち尽くしていた。
藍瀬 輝々は悲しそうな顔で輝己を見つめていた。
「…俺達は外国へ行けるんだ。いや、行く。俺は行くよ。皆はどうなんだ。」
大和がそう言う。
そして全員が笑顔になった。
「勿論。行くよ?」
「俺、自分とタクと皆を守る。だから行く」
「俺も。皆と一緒に生きると決めたんだ。」
「ああ。俺は自分を変えたいんだ」

青、螢太、輝々、香介。
それぞれ、生きることに目標を持った。
全員が笑いあった。

長かった。
もう5人はいないけれど
それでも僕らは笑って生きられるんだ。
大丈夫と信じて
一歩一歩踏み出していくんだ。

「そーだ、カラオケ行こうぜ?」
「そうだな、行こう」
「あ、タク連れて来て良い?」
「良いんじゃない?あそこ誰も使ってないし」
「その前にちょっと寄ってかない?」

この十数年間僕らはずっと大事な人達と
笑いあって共に生きてきた。
平和だったけど今に平和ではなくなってしまったんだ

「はっ?!外国へ逃げる?何考えてんだお前等!」
香介達を手助けした海原 青歌に
大和がそのことを報告したのだ。
大和の後ろには香介達がいる。
「あぁ。そのことを知ってるのは海原だけだ。そのことは誰にも言わないでくれないか?」
香介がそう言い、そしてゆっくりとこう言った。
「今、さっき、輝己が逝った」
「…は…」
「拓も逝ったよ。俺、車に轢かれそうになったんだ。けど、拓が俺の代わりに轢かれたんだよ」
螢太が俯きながらも香介に続き青歌にそう言った。
「…そっか」
青歌はそれだけ言い、ため息をついた。
そして、青が言い難そうに顔をあげ、青歌を見る。
「…こんなことするなら、飛べない悪魔さんが生きてる前に行動しろ。とか君は思ってないよね…」
「…思ってるよ。けど仕方が無い事だし…で?お前等、行き先は決まってんのか?」
青歌が青にそう言い、そして全員にそう聞いた。
「…………」
誰もが黙っていた。
どうやら、決まってないらしい。
「あのさ…行き先は教えないことにしとくよ」
大和が真剣に言った。
その答えに青歌が首を傾げた。
「どうして?」
「俺達はせめて、誰にも見えないところで暮らしたいんだ。なるだけばれないようにしたいんだよ。」
「そっか。」
螢太が答えて青歌は納得しそして微笑んだ。
「頑張りなよ。」
その言葉に香介達は微笑み返して
「今まで有難う」と
そう言ったのだ。

僕らは此処から動き出すんだ。
もう前に進むしかない。

僕等は、認めたくなかった。 強く励ましてくれる人がもうこの世にはいないことを。 認めたくない、認められずに生きている。 でも、もう居ない

「未だ、葬式をすませないのですか?」
葵 一成が大部屋でそう、皆に言った。
だが、藍瀬 輝々は既に死亡した葵 輝丹の傍に居て離れようともしない。 木元 拓も静木 青も月下 香介も輝丹の傍に居た。 少し離れた所で甘野 大和と中居 螢太と相野 輝己が泣き崩れていた。 一方、輝丹は口元に笑みを浮かべたままだった。 どんな想いをして逝ったのか誰にも分からなかった。 輝丹にかけられている毛布の上には輝丹がいつも被っていた 帽子が、ぽとんと置かれていた。

一成は一袋から何通かの手紙とテープを
皆の前に差し出した。
「…これ、輝丹君の病室に置かれていました。貴方達宛てです」
輝々達は曇った顔でそれぞれ、何処かへ行った大和は、トイレの前にしゃがみ、手紙を読んでいた。其処には輝丹の可愛らしくてシンプルな字が広げられていた。
『突然で、すまない。だが、甘野に言いたかった事がある。以前、青木 はるの死に何も感じなかった俺を甘野は叱ったな。人の死とはこんなに悲しいとは想わなかったんだ。死と生の違いを理解できなかった頃の俺は人の死など、どうでもよかったんだ。だが、今は違う。川瀬 和生の死をきっかけに俺の考え方は変わった。見方が変わったんだ。だから、こう云う結果になった。甘野 大和は誰よりもしっかり者で明るくてこれから先の苦難を笑って越えられると俺は見ている。青木 はる、川瀬 和生の死をどんなに悔やんでも、お前には未だ、未来があるんだ。』
其の文章を読んだ時には大和の目に涙が浮かんでいた。 それを止めることは出来なかった。 進んで、読み始めた。
『笑って、前に歩け』
泣きながら機械にテープを入れスイッチを押した。 そして、手紙を構わずに読んだ。 最後にこう書かれていた。
『悲しみはいつも、人生の隣り合わせにある。負けずに、笑って道を歩け』
大和は涙で顔が濡れ、手紙にも涙一滴垂らした。

『相野 輝己は誰にも負けない性格をしている。それが、叉、個性的で良いんだ。笑う時は笑って、泣くときは泣いて。何処の誰よりも感情が上手い。だが、別に逸れを恥ずかしがる事は無い。逸れを隠せば、自分までも隠してしまうことになる。月下 香介と、共に生きろ』
輝己宛ての手紙にはそう書かれていた。
そして、テープを輝己は持ち、香介のところに近づいた。 香介もどうやら、手紙を読み終えたらしい。 早速、お互いテープを入れてスイッチを押した。 歌が、流れていた。 音楽なしなのになぜか頭の中で音が浮かんでくる。 多分、輝丹が歌っているからだろう。 輝己と香介のテープに入ってある歌は二人共、同じだった。

いつかこんな日が来ると 分かっていたはずだろう でもそれでも俺達は走り続けなければいけない 信じること自体 馬鹿だと思い嘲笑えばいい けど、信じればきっと光が見えてくるはず。 二人共、涙を流した。

「輝々、いい加減にしなよ」
青は輝丹が火葬準備の為、一成や医者数人に
連れてかれても輝々は未だその場を動かなかったので
腹が立ち、そう叱った。
「そりゃ、気持ちは分かるよ、でも輝丹を送ってやるぐらいは出来ないの?どうしてそれぐらいしてあげないの?」
「五月蝿いよ、輝丹寝ているだけだろ?死んではないのに。きっと、また直ぐに起き…」
「だから、いい加減にして、この馬鹿!」
輝々の顔を青は一発殴った。
人を殴るのは、青は初めてだったが
そんなことどうでもよかった。
辛すぎて、涙が出てしまった。
輝々は呆然と、青を見ていた。
「…もう輝丹、起きないよ、死んだんだよ。それは、輝々も分かってたでしょ…!」
「…っじゃぁ、何だよ」
「何もないよ!輝丹は病気の所為で、死んだんだ。だから、誰の所為でもない!そうやって、泣き喚けば?輝丹が悲しんでも、知らないよ!!」
何で、輝丹のことで喧嘩しなければならない訳…
青は心の奥からそう思っていた。
だが、輝々はスイッチが入ったように泣き続けていた。
「…テープ、聞いたんだよ…輝丹言ってた…『輝々は俺が逝ったら直ぐに逝く?』と…『そうなら、止めて欲しい。輝々は他にも仲間が居るから』と…輝丹…言ってたんだ…」
輝々の言葉を聞いて、青は俯いた。
だが、顔をあげ、こう言った。
「それなら、輝丹は輝々に「生きろ」と言ってるんだよ。だから、輝々は輝丹の分まで生きなくちゃ駄目だよ」
そう言う青だが、輝々は直ぐに俯いた。
青はそれでも微笑んだ。
「…大丈夫だよ」

この人は、ずっと、一人で生きてきたんだ。
僕達のような仲間が居ないと駄目なんだ。

「…ったく、拓何処行ったんだよ…」
螢太は輝丹からのテープや手紙を
一人で読む、聴く気になれないので、
拓と一緒に読もうかと思っていたのだ。
だが、拓の姿が見当たらない。
探していると、輝丹が居た病室に一成がぽつんと立っていた。
螢太は声をかけようとしたが、一成はテープを聞いていたので
声をかけるのをやめて、別のところへ行った。

『葵 一成と言ったな。俺の事を存じているのは意外だったが前々から俺を尾けてたのは知っていた。お前が何者だろうがあの時俺には関係なかった。聞くと、お前は俺を救おうとしたな。…余計なお世話だ。愚民に救われるなんて気持ち悪くて仕方が無い。だが、お前のその、救おうという気持ちは大体、状況からして理解出来た。良いか、俺はお前を知らない。親子として話を交わしたことなんか、1度もない。』
輝丹の声が、一成の耳に届いていた。
『お前を許そうとは1度も思ってはいなかった。だが、一応、感謝しとく。もし、以後、輝々達を兆発するようなことがあったら俺は、大人を理解しようともしない。』
やはりと一成は心の中で苦笑した。
『だが、言わせてもらう……ありがとう、父さん』
一成の表情が豹変した。
何故なら、顔を合わせ、「父さん」と呼ばれたことがなかったからだ。
其処で、テープは途切れた。

ぼくらのこえ・登場人物

・鏡音所有者候補
静木青(しずき・せい)
□4/25 A型 135cm 小学五年生
□歌と作詞が得意。コンクールで優勝経験あり。
□よく呆れたりする。「何やってんの、君は」が口癖。
□運動音痴。孤独、暴力、血が苦手。自分に自信が持てない。
□メイン活動・合唱部

木元拓(きもと・たく)
□10/10 B型 135cm 小学五年生
□独特で生意気な口調。かなりの前向き思考で優等生賞を狙う。
□怒らせると神出鬼没フライパンで殴る。
□電話と暗い所が大の苦手。誰にも弱点を話していない。
□メイン活動・剣道部

中居螢太(なかい・けいた)
□8/3 A型 136cm 小学五年生
□正義感が強い。自ら人助けする。
□基本的にフレンドリーで誰とでも仲良くできる。
□特に弱点といったものがない。あるとすれば漢字が書けない。
□メイン活動・合唱部

青木はる(あおき・はる)
□5/7 O型 137cm 小学五年生
□運動神経がよく、スポーツが得意。
□主にサッカーが好き。将来の夢はサッカー選手。
□「スポーツしようぜ!」とみんなと遊びたがる。約束は必ず守る。
□メイン活動・サッカー部

藍瀬輝々(あいせ・こうじ)
□2/2 A型 137cm 小学五年生
□読書家。常に本を持ち歩いている。
□単独行動中心。口癖「俺には関係ないし」
□協調性はないが自分の気持ちを口に出すことが苦手。本当は仲間想い。
□メイン活動・図書部

葵輝丹(あおい・こうに)
□誕生日血液型不明 137cm 小学五年生
□無口で無感情。並外れた知識を持っている。
□判断力に優れていて必要性があれば行動する。人間らしさが感じられない。
□空を眺める癖がある。長髪の為に性別を間違われることがある。
□メイン活動・図書部

月下香介(つきした・こうすけ)
□11/8 AB型 151cm 小学五年生
□振り回されっ放しの苦労人。10人の中で一番背が高い。
□簡単に人を信じることができずに警戒心が強い。人間不信。
□目には見えないものを常に疑う。
□メイン活動・バスケ部

相野輝己(あいの・こうき)
□7/7 O型 137cm 小学五年生
□笑顔が絶えなく、能天気で気楽。香介をいじって遊んでる。
□悪戯が好き。しょっちゅう犠牲者が出ることが多い。
□表情が明るいために怒った顔など見たことがない。
□メイン活動・料理部

甘野大和(あまの・やまと)
□9/9 A型 136cm 小学五年生
□中でも特に常識人。マナーに反する行動ができない。
□慎重に過ごしている為に活発的ではない。控えめでおとなしい。
□頼まれたらノ―と断れない時がある。目立つことをするのが苦手。
□メイン活動・報道部

川瀬和生(かわせ・かずき)
□6/20 B型 125cm 小学五年生
□人の弁当を食べるほど食いしん坊。10人の中で一番背が低い。
□元気だが心配性で怖がり。正しい行動をする大和の後ろに隠れがち。
□輝己と一緒に悪戯する時がある。宿題を期限までに終わらせるのが苦手。
□メイン活動・料理部


・その他
海原青歌(うなばら・あおか)
□7/20 O型 142cm
□10人のクラスメイト(初等部5年A組)。一人称が「俺」。
□基本的に男口調。女らしい服や行動は苦手で避けている。
□螢太としょっちゅう言い争う。初音ミク所有者。
□メイン活動・無所属

僕等は、只、従うしかなかった。 運命には逆らえなかった。 けれど、何もせずにいられなかった。 僕等は、大人に頼ったんだ。

「おい、葵 一成とか言ったな。俺達全員の病気治してくれ」
甘野 大和は葵 一成にそう言った。
だが、一成は首を横に振るだけだった。
「何でっ…」
「私も、全員の病気を治療すると医者のお偉いさんに言いました。昨日「全員は駄目だ」と言われました」
月下 香介と相野 輝己が絶望したような顔をした。
静木 青が「もしかして、あと3人死んだら
他の5人は助けてやってもいいって言われませんでした?」と
一成にそう聞いた。
それを、聞いて、木元 拓と中居 螢太と他、藍瀬 輝々が
驚いたような顔をした。
「えっ、馬路?!」
「誰が!!誰が死ぬんだよ!」
「やだ!他の3人も救えよ!」
ギャ―ギャ―と喚く7人に一成は
「ご命令に従うしかないのです」と
悔しそうに言うしかなかった。
逸れを聞き、7人は黙った。
「…輝丹」
輝々はそう一言呟いて、葵 輝丹の病室へ行こうとした。
そして、輝々は呆然と立ち尽くしていた。
青と拓は不思議に思って、廊下を見回した。
すると、二人共、死んだように硬直していた。
「どうした?」
螢太が拓の肩を掴んでひょこっと廊下を見ると
驚いたような顔を見せた。

其処には、輝丹の姿が在った。
だが、輝丹は息を切らしている。
今にも倒れそうな勢いだった。
「輝丹?!」
輝々が輝丹の肩を掴んだ。
其処で一成が驚いた顔を見せる。
「貴方は未だ、寝てなくてはなりません。点滴も抜いたら危険な状態になるんですよ?一刻も早く寝てなければ…」
「五月蝿い、愚民…」
一成の言葉を、輝丹は切って捨てた。
全員、信じられないような目で輝丹を観る。
それに、輝丹はゆっくりとこう言った。
「…最期まで皆と一緒にいたい。これは俺の我侭だと思って欲しい。今、逝ったって…後悔はしない。俺は一人じゃないと思えるだけで良いんだ…だから、皆の傍に、置かせて欲しい…」
今度は、本音をちゃんと言ってもらえた。
皆、輝丹の言葉に、涙を流した。
何故なら、輝丹がきつそうな顔をして
今にも逝ってしまいそうだったから。
だけど、輝丹は死を受け止めた。

何で、もっと、早く気付かなかったんだろう。
輝丹は、前から強かったのに。

「あ、おなかすいた…」
大和が泣きながら笑った。
それに、皆が苦笑する。
「じゃぁ、朝食作るよ」
香介と輝己が台所に行こうと歩いてく。
だが、二人共、涙が溢れていた。
「輝丹、行こう?」
輝々が声をかける。
それに輝丹が「そうだな」と何時ものように返した。
青と拓と螢太が悲しそうな目で二人を見ていた。

「…こーすけ。こーに死んじゃうの?」
輝己が泣きそうな顔で香介を見つめていた。
香介は只「あの様子じゃ、死にそうだな…」と
辛そうに返すしかなかった。
輝己は覚悟した所為か真剣に語った。
「こーにが死んじゃったらあと2人となるんだよね…それ、凄くいやだ。皆、生きて欲しいよ。何で、全員じゃ、駄目なのかな。大人って残酷すぎるよ…!」
「…悪い大人もいれば良い大人もいる…か」
叫ぶ輝己に香介はそう呟いた。
「…和生の父さん母さんって優しかったよな」
「…うん」
「俺の父さんと大違いで、ホント、羨ましかった」
「…うん」
「…あ、ごめんな、輝己両親居ないんだろ」
「…ううん、良いよ。全然大丈夫」
輝己はそう言って、笑った。 それにつられて、香介も笑った。 「…無理してない?輝丹」 青が輝丹に声をかけた。 先程から輝丹が辛そうにしていたので余計、心配になったのだ。 だが、輝丹は首を横に振り、「全然。静木は心配しすぎ」と 平気そうな顔をし、青にそう言った。 「そう。なら、いいけど…」 しかし、青には無理してるようにしか見えなかった。 ふと、青はもう一度、輝丹を見た。 心臓が止まった気がして、青は直ぐ輝丹のほうに近づいた。 輝丹の隣に座っていた輝々は驚き 「青、どうした?」と話し掛けたが返事できなかった。 「輝丹!!やっぱ、寝といた方が良いよ!全然大丈夫じゃないでしょ!!」 そう、輝丹の手が微かだが、震えていたのだ。 それをもう片手で、輝丹は抑え込んでいた。 腕の点滴を抜いた後のちらっと見えた青痣が痛々しかった。 「朝食できたよーv」 いつも通りの輝己が笑顔で朝食を運んだ。 そして、いつも通りの「いただきます」という声が食卓に響いた。 青木 はると川瀬 和生はもう居ないけれど明るい声が食卓を響かせた。 そして、朝食も終わり、大部屋で、彼等は雑談していた。 しかし、輝丹は居なかった。 あの、拓も居なかった。 「…どうした?輝丹」 ベランダの所に拓と輝丹が居た。 輝丹が俯いて、こう言った。 「木元 拓。だいぶ、強くなったな。」 続けて言った。 「木元なら、落ち着いて俺みたいに対処も出来る。だから、頑張れ。俺、木元達を見守ってる。」 其の言葉と共に、拓は泣いた。 泣き止まない拓に輝丹は気付いた。 「…何故、泣くんだ」 輝丹はゆっくり拓の頭を撫でた。 初めて輝丹に頭を撫でられた拓は耐え切れずに輝丹の服を掴んだ。 掴まれて、輝丹はきょとんと首を傾げた。 「…輝丹……っ」 どうして、お前が先に死ぬんだよ。 俺は、俺はこんなの認めない! 拓はそのまま、泣き続けた。 泣き続ける拓に、輝丹は拓を見た。 今までと違う、優しい目で。 だが、口元は、笑みを浮かべなかったが それでも、拓にとって優しい輝丹であった。 「今まで、ありがとう」 輝丹の声は、何処か悲しく切なかった。

僕らは久しぶりに外の世界へ行った。 これもあの人のおかげなのかなと思うと笑えてくるんだ でも、今、大変な事態なんだと 今、気付いたんだから。 「諦めるなってのはこれのことか―?!」 月下 香介が倒れた葵 輝丹をおんぶして帰ろうと 走っていたが渋滞に巻き込まれていた。 其の隣で相野 輝己が「あはは?vv」と笑う。 其処で、柱にぶつかってしまい、痛がる中居 螢太と 其の横であきれて見ている木元 拓に会った。 だが、話し掛ける余裕もなく、そのまま、走ってしまった。 当然、拓は話し掛けようとしたが走られたため呆然と立ち尽くしていた。 「何で、あいつら、そんなに急いでいるんだ…」 「馬鹿、中居。香介、輝丹をおんぶして走ってったぞ。もしかしたら、輝丹に何かあったんじゃないのか。」 「えっ、何?!それを早く言えよ!おーい、待て香介―!」 「…目的が次々と変わるな…」 香介と輝己は「ごめん!」と謝りながら走っていた。 「輝己、輝丹どうだ?!」 「未だ目覚めてないよー、このままだと危険な状態かも…」 「畜生、どけぇ!」
静木 青と甘野 大和を見つけ、輝己が二人の首を締め付けながら走っていく。
香介が、「連れてけ」と言ったからだ。
「えっ、輝己、どうしたの?苦しいって!」 「いてえぇっ;何の真似だー!ギブギブ!」 「兎に角、早く帰ろー!こーにが危ないー」 藍瀬 輝々と葵 一成は自動自販機の前に立っていた。 喉が渇いたので一成のおごりで飲み物を購入してくれたからだ。 「貴方は死ぬ事に抵抗しないのですか?」 一成がそう訊いた。 久しぶりに飲み物を味わう輝々はこう答えた。 「そりゃ、抵抗あるよ。でも輝丹が生きていればそれでも良いんだ」 一成はそんな風に答える輝々を見てこう思った。 この子のおかげで、輝丹は此処まで成長したと思えると申し訳ないと思う。
途端、香介達が走ってくのが見えた。 其の中で輝丹が苦しそうに眠っているのが輝々の目に映った。「輝丹…!!」 輝々が駆け出し、香介達の中に混じれた。 一成は只、見守る事しか出来なかった。 「青歌。あれ、月下達じゃないか?」
淡本 綾唯が海原 青歌にそう訊いた。
二人は、合唱コンクールに向けて歌を練習していたのだった。輝丹が香介におんぶされてるのを見て青歌は驚く。 「え、あれ…輝丹?ちょっと、あやゆ?、来い!」 「はっ、ほっとけば良いだろ!…もう!」 「和生の火葬、どうするのー?」 「忘れてた!拓、準備しろっ」
「分かってるよ、ほら、お前等来い!」
色んな声が飛び舞う中で、香介はひたすらに走っていた。 其処で、歌が聞こえた。 大地を素早く駆け回り 風が吹き 身体が動き走って走って走りまくれ解き放て 無限の緑へ何かが僕を支配してるんだ心が僕を痛めつけるんだけれども何も今は無い今こそ扉の鍵を開けて風は其処へ 水までも浴びせもっと君が輝けるように空は青く 地面は滑らかに解き放て 無限の光へ
空が傷ついて泣いているんだ
その下の人々が泣いてるんだ
こんな残酷の世界から
逃げ出すチャンスを頂戴?

炎は熱く 氷が溶ける
水が炎を消すように
僕が君を助けるから
解き放て 無限の闇へ

優しくて悲しい歌声に香介は吸い取られそうになった。
途端、何かが動いた。
輝丹が、目を覚ました。

「輝丹?」
香介が声をかけた。
すると、輝丹が微かだがこう云った。
「…こ……じ…」
「こーじ?」
輝己が続いて言う。
呼ばれた輝々は輝丹の近くに走っていた。
「輝丹?どうした?」
「…俺…、結局…お前に…助けを求めなか…た…結局…俺、素直、じゃ、ない…」
「もう良い、喋るな!いつでも助けを求めて良いから!だから、今は、生きてくれ!」
輝丹の声が聞き取れない輝々は涙を流した。
だが、輝丹はゆっくりと首を横に振った。
「今なら…言える…俺…本当は…一人は、怖かった…でも…強がりを…した…だから…」
ゆっくりとそう言うと、輝丹は片手を輝々に差し出した。
「…色々…すまない…」

あの時、本当は、輝々が言ってくれた言葉。
凄く、嬉しかったんだ。
でも、俺はわからなかったから…
何も、喜びを言えなかった。
結局、最後まで、素直じゃなかったんだよ。

輝丹の被っていた帽子が落ち、ぱたっと地面に落ちた。
それを青が拾った。
だが、拾った途端、輝丹は目を閉じた。
誰もが、驚いた。
そして、誰もが涙を流した。
皆、叫んだ。


「助けて!!」

僕達は、最後まで頑張ったつもりだけど
悲しすぎて、何もいえなかったんだ。
僕達は、きっとどこかで、誰かに助けて欲しかった。
自力で頑張るのは、もう限界だったから。

そして、輝々達が居た場所に着いた。
ばたばたと足音が五月蝿く感じた。
そこで、一成が手術室に運ぶように指示した。
一成の後ろに何人か医者が居た。
輝丹は手術室に運ばれた。

輝己は「こーすけぇ!」と泣きながら香介にすがりついた。
香介も涙を流しながら輝己のされるがままになった。
大和は立ったまま泣いていた。
青は一応、座ったがそれでも耐え切れず
「もう、頑張るのは嫌だ!」と顔を覆っていた。
拓と螢太は手術室の隅っこに立って俯いていた。
其処で、輝々が手術室の前へ立って
両手を床につけた。
涙を流しながら言った。
「…輝丹を…助けて…」

僕達は数日経って、とうとう立ち直った。
みんなのためにも生きようと思ったからだ。
伝えたい事があって、僕等は立っている。
悲しいのを我慢しながら。

「何処行くんだよータクー。」
中居 螢太は体育館に入ってきたタクを探していた。
その隣に木元 拓がいる。
「やっぱ戻ろうぜ?どうせ戻ってくるし」
「こら、拓!無責任なこというな!」
「へーへー…」
すると、二ャ―と聞こえた。
その声が聞こえたほうへと螢太と拓は歩く。
其処に、タクは居た。
その隣には葵 輝丹が箱の中で眠っていた。
「…タク?」
螢太は声をかける。
だが、タクは反応せずに輝丹に近づいた。
「!!こ、こらタク!やめ…」
「中居、させとけよ」
「だ、だって…」
「ほら。」
拓は指差した。
その先にはタクが輝丹を必死に揺さぶっていた。
「…にゃぁあ…」
タクの声が聞こえる。
その声が螢太と拓にとっては、何故か、切ないように聞こえた。
「にゃぁあ――…」
タクは輝丹の上に乗って、少し動いた。
だが、直ぐに離れた。
もう、居ない事を知ったのかタクは悲しそうな目で輝丹を見つめていた。
「…タ…ク…?」
螢太はもう1度呼んだ。
タクは振り向き、螢太のほうへと歩いた。
そして、足に擦り寄ってきた。
「にゃー」
「…輝丹の事覚えてんのかな、タクって…」
螢太がタクを抱きしめながらそう言う。
そして、拓はタクを見、ゆっくりとこう言った。
「飼い主のこと、絶対忘れないだろう。輝丹の事もそうじゃん?動物も人間と同じぐらい記憶力があるんだよ」
その言葉に螢太は微笑んだ。
「…そうだな。拓、良い事言うね。」
「そーか?輝丹には負けるけど?」
そう言い、二人はお互い笑いあった。

翌日、輝丹の正式な葬式が開かれた。
多分、葵 神海が色々やってくれたのだろう。
葵 一成は警察に渡され、解剖作業が行われた。
葬式には、海原 青歌や淡本 綾唯。そしてAisuin-syonや
クラスメート全員や、先輩、後輩達、学園の殆どが参加していた。
藍瀬 輝々、静木 青、甘野 大和、月下 香介、相野 輝己
拓、螢太は、参加者の中心席に座っていた。
沢山の綺麗な花の中心に置いてある写真の中にいる
輝丹は泣いている人達をいつもの無表情で見ているだけだった。
「…輝丹、こんな沢山の人に来て貰えるなんて凄いね」
「そうだな、影では大きな存在になってんじゃん」
青が感心し、それに大和が答えた。
「輝丹の存在、みんなの心に大きく刻まれてるね」
「うん。凄いよな」

こうして、僕等と輝丹との別れは
あっという間に終ってしまった。

もうチャンスは一回しか残されていない。月下は再び静木青に電話をかけた。警戒されているようだ が、仕方ないかもしれない。美織達も、月下を見守るかのように真剣な表情を浮かべていた。できければ このまま穏やかに進んでほしいと。残酷な真実なんて今の自分達にはいらないも同然。
「さっきはいきなりごめん、名前を言うべきだったな……月下だ」
『……え?』
「……覚えてるよな、俺の弟……香介を」
もちろん、弟と静木青が仲よかったことも知っている。あの時、誰もが嘆いていた日。誰かが言っていた のだから。よく青空学園からわざわざ休日、商店街や公園に遊びに行く男子小学生集団を見かけたと。そ の内の二人が、弟と静木青。よっほど仲が良かったのだと、花屋を務めていた男性がさみしそうに呟いて いた。そんなことを思い出していると泣き声が聞こえた。静木青が泣いている。それだけでもやるせない 気持ちになった。

『ごめ……なさ……ごめんなさい……』
当時小学5年生だった静木青はこうやって謝り続けたのだろうか。泣きながら、許す言葉が返されないこ とを知っても謝り続けて。生き残った者は大抵心に大きく傷をつけて戻らなくなる。だけど、青空生徒は 必ず最初から心の傷を抱えている。静木青も、そうだ。あのプログラムから生き残った傷をつけられれば 確実に壊れてしまう。何が、青を支えているだろう。
「……大丈夫だから。俺は、大丈夫。謝らなくていい。香介はどんな最期だった?」
『……香介は……友達を殺そうとして、友達に殺された。僕は……見ているしか何もできませんでした』
「……そうか」
『……ごめんなさい。何かできたら……多分』
何もできず、助けられなかったことを今でもこの少年は悔いて自分を責め続けている。どれだけ苦しい生 き方をしてきたのか、未だ月下には理解する権利がない。だけど、一歩でも前に進めなければ、この人生 に生きる意味を見い出せないのと同じだ。諦めかけている証拠。青はこんな世界を生き抜こうとは考えて いないはず。あまりにも、失ったものが少年には多すぎた。月下は考えた。

青が生きていくことへの意思を持たなければ、自分も弟のことを、過去を引きずるばかり。お互い、頑張 らなければならない運命にある。きっかけを作らなければもう何も見えない。
「……大丈夫だって。香介は君を責めないはずだから。俺はむしろ、君に生きていてほしい。香介や亡く なった友達の分まで、限界が来るまでに生きてくれれば、こんなに嬉しいことはないよ。だって、そのた めに君は生きているんだろうだから。俺も限界まで頑張ってみる。約束、できるか?」
向こうは何も言わない。ただ泣き続けるばかりだった。青が泣き止んでまともな返答をしてくれることを ただ待つだけ。きっと家族は優勝者を恨みながら生きていくのかもしれない。だけど優勝者を恨むのでは なく、この国を恨んだ方が悪いものを生み出さなくてすむ。だから月下は電話の向こう側にいる優勝者を 恨まない。誰も悪くなんてないのだから。

大丈夫。誰も怒ってない。
もう謝らなくていいから。

『……できません』
意外な返答に月下は目を丸くした。泣きながら感情的に言っていない。むしろ、もう泣き止んで落ち着い た口調で応えているのだ。何故かと問い質そうとすると、相手は続けて言った。
『僕は、そんなに長く生きる気はありません。多分、流れに任せて自滅すると思います。……知っていま すか?優勝者がその後どうなるか』
「いや……」
『……ケースによりますが、どこかの県に強制的に引っ越します。優勝したら貰えるものは本当に貰えま す。ただ、周りから冷たい目で見られるのが確実です。ある人は軍に、ある人は何事もなかったように。 だけど、僕はそれができません。普通にしていても必ず思い出してしまうから。自分を殺そうとした人、 友達が争って殺し合わせるところ……涙を流したままのクラスの人の死体……みんな、みんな思い出して しまうんです。どうしようもできなくなって、誰も自分を見ていないのに、どこかに隠れて……涙が止ま らなくなって、死にたくなるほどに辛い。それで自[ピーーー]る人も少なくともいました。僕もみんなの所に行 こうと思っていた一人です』
「なっ……、」
『でも、僕は弱虫だからできませんでした。みんなの笑顔も思い出すから。まるで死ぬなって言ってるみ たいに。もうそのまま流れていこうって……決めました。だから、約束できません。限界なんて……とっ くに超えています。ごめんなさい。最初は本当に生きていこうって前向きに歩いたこともあったけれど、 今の僕にとってはそれさえ強がりに思えて……ごめんなさい。あなたの言ってることはわかってるんです』

なんてことだろう。
想像以上に辛い道を歩いているのか。
これじゃ絶対心の問題だ。自分で立ち上がらなければならない。
でも、ここまでこの子が生きてきたのは、奇跡に近いこと。

「……一つ、いいか?」
『……はい』
「……何が君を支えているんだ?」
月下が真剣な表情になって、美織と麻月は顔を見合わせた。祈るように手を組んでいる実倶瑠は心の中で 願う。どうか、苦しんでいる人たちに幸せを。生きる者に希望を。これくらいしか願うものはないから。
『……歌』
「……うた?」
『みんなで歌った歌です。それだけが、僕の安らぎだと言ってもいい。歌は、みんなが生きた証でしたか ら』
「……そうか。悪い、嫌なこと思い出させて」
『いえ……それより、何で僕の電話番号を知っているんですか?』
あ、と思わず声に出しそうだった。ここでプログラムに選ばれたことを話せば、下手すれば同じことを繰 り返すに違いない。亡くなった友達の死を悲しんで引きずって、その苦しみを再び味わわせてしまう。も う一度傷を広げる危険があるぐらいなら、何も言わない方がいいだろう。無理をさせてはいけない。
「……いや、探してたんだ。君に香介のことを聞くために……香介は、笑っていたか?」
『……はい、笑っていました。とても、楽しそうに』
何だかとても優しい気持ちになって、泣きたくなった。多分、今までずっと後悔していたからだ。香介が 笑っていたなら、もうそれでいい。他に何を求める必要があるという?許してもらおうなんて、思ってい ない。ただ、もうそれでよかっただけ。
「……ありがとう」
今ならちゃんと、もう乗り越えていける。忘れずに生きていく自信がある。
たとえ、明日泣きたくなっても、笑った顔を思い浮かべればきっと。

【残り:13人】

僕らは乱れていった。 だから、空に手を伸ばした。 そんなことは駄目だと分かっている。 僕等は生きるべきなのに。 中居 螢太は大部屋で自分を傷つけるような事を言い続けていた。 只、一人残された者は遠くへ行ってしまった者を思い続けるしかなかった。 藍瀬 輝々から「やめろ」と言われていたがそれでも自分を傷つける事をやめなかったのだ。 何故だろうか、死とはこんなにも重過ぎるとは誰も思わなかったのだ。 少なくとも、最初のうちには。 認めたくなかったんだ。 もう、いないことを。 「世界を愛する者さん」 突然声をかけられ、螢太は思わず声を出してしまった。 振り向くと、静木 青がいた。 青は何かを抱えていた。 それを螢太は注目しようとした。 すると、タクだということが分かった。 だが、いつもより元気が無かった。 「雨に打たれてたよ。君と拓が病院に運ばれた時、その猫、ずっと雨に打たれてた。中居君を待ってたみたいだよ?このままだと駄目かもしんない。」 言われてすぐ、青からタクを強引に抱いた。 「…タク」 「タク?それがその猫の名前?」 青が言った事に螢太は頷く。 「そう、タクか、いい名前だね」 そう言って青は「じゃぁ」とそれだけ言ってさっさと出た。 螢太は呆然とタクを抱えたまま、立ち尽くしていた。
「にゃぁああ」 タクが鳴いている。
それに螢太が反応した。 「タク…」 拓と同じ名前をつけたこの猫をこれからどうすればいいのだろうか? 螢太はずっと逸れを考えていた。 暫くすると螢太に笑顔が戻った。 そうだ、こいつを家族にすれば良い。 動物でもなく友達でもなく家族にすりゃいい。 そしたら俺にも未だ生きる資格があると思われる。 「…餌あげよーか?タク。」 「にゃぁあ」 「あはは、わりーな?俺右足怪我しちゃったんだぜー?」
「にゃーにゃー」
「だっ;いてぇえ!こらタク!右足に触るなー!」

「ど?中居」
「どうやら戻ったみたい」
「なら、いい」
なんやら螢太について話し合っている二人がいた。
静木 青と藍瀬 輝々だった。
「何で協力してくれたの?今の君なら『ほっとけば治る』とか言うと思ったよ?」
「別に…どうでもいいだろ、そんなこと」
「よくないよ、今の君は飛べない悪魔さん状態になってる」
輝々は少し反応した。
「やっぱり、立ち直る事が出来ないんだね」
「五月蝿い、その口、縫いつけてやろうか?」
「ったくもー本当のことなのに。何でそう云う事言うかな」
「五月蝿いて。黙れ」
完全に輝々は輝丹を失った途端、急激に変わってきていた。
青はため息をついた。
「ホントに勇気ある勇者さんは変わったねぇ…」
「ひとつだけ聞いて良い?」
「なんなりと」
聞かれて青は少し苦笑した。
輝々は俯く。
「何で、輝丹、微笑んだんだ?」
そう、葵 輝丹の死に顔。
とても優しくて逆に切ないあの笑顔。
青は少し微笑み、こう言った。
「これは僕が考えている事だけとね。輝丹は皆といられて良かったって思ってたんじゃないのかな。あとは笑いたくても今まで笑うことが出来なかったらしいからせめて、最後はどうにか笑えたんじゃない?最初で最後の笑顔。それだけは言えるよ?」

「こーすけー卵とってーvv」
「あ、あぁ、分かった」
相野 輝己と月下 香介は昼食の準備にかかった。
そして、香介が卵を2個とり、輝己に渡した。
輝己は器用がいいからか、卵をきれいに割って見せ、
箸を持ち、かき混ぜた。
「こーすけー、中居君立ち直ってくれるかなぁ?」
「多分、立ち直ってくれると思うよ」
「ならいいけど、心配だなーこーじもどうなんだろ…」
「さぁ…」
「気長に待てば立ち直るのかなぁ。あ、こーすけもうすぐクリスマスだよね!」
クリスマスだと微笑む輝己に香介は軽く微笑んだ。
「明後日、終了式だな。2学期の。」
「あーvv出たいなー行きたいなーがっこーvv」
「無理、俺ら、入院してんもん、一応、これでも」
「むー行きたい行きたい行きたーいーvv」
「うっせぇ!」
「こーすけひどーいv」
そう言って、輝己は笑う。
香介もつられて笑った。
そして輝己は手を洗おうと手洗い所に近づいた。
だが、足がぐらつき、輝己は眠るように
ばたりと倒れた。
「…え…」
その場を見た香介は驚きを見せる。
輝己の笑顔が香介の頭の中で蘇る。
「輝己!!!」

一方、輝々は屋上に行き、手を空へ届かせた。
そう、木元 拓が手を延ばして掴もうとしたかのように。

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