一夏「やばい……女になった」 (126)


一夏「…………やばい」

一夏「明日にはIS学園に入学だってのに!!」

一夏「毎日のように『世界初男性のIS適格者』って報道されて」

一夏「散々新聞の一面を飾っておいて、いざ当日になってみれば実は女でした、なんて……」

一夏「そんなん誰も信じねぇよ!! 織斑一夏を自称する頭のオカシイ女だって思われる、ってか俺なら思う!!」

一夏「ハッ、千冬姉に相談…………」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1349190433


一夏(くりっとした大きな瞳、なめらかな曲線を描く輪郭、全体的に丸みを帯びた体のライン……)

一夏(一回り縮んだ体格とか……どう説明すればいいんだよ)

一夏(おまけに髪が肩先まで伸びてるし……短期間でそんな伸びるはずねぇだろ……)

一夏(もし、この姿で千冬姉に会ったら…………)


千冬『貴様ぁぁぁぁ! 私の弟をどこへやったぁっ!!』

一夏『いや千冬姉、だから俺が一夏、』

千冬『何をぬけぬけと!! たしかに……姉の贔屓目を抜きにしても、一夏は整った顔をしているが』

千冬『断じて! 断じてっ!! そのような少女そのものの顔ではなかったっっ!!!!』

千冬『少なくとも、女装させたら麗人になるはずだろう、といつも妄そ、予想はしていたが!!』

一夏『落ちついてくれよ、これは朝起きたら女の子になってて……』

千冬『そんなことあるはずないだろうが!! っ、しかもその服、一夏のもの……っ!』

一夏『あー、ほら覚えてる? 子供の頃〜〜〜〜(二人しか知らない思い出語り)』

千冬『なっ…………まさか』

一夏『千冬姉!! 信じてくれ、』

千冬『一夏からそんなことまで聞き出したのか!!』

一夏『えっ』

千冬『おのれ……口の固い一夏に口を割らせるのにどれだけのことを……っ!!』

一夏『ちょ……まっ、』

千冬『地獄に落ちろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!』

〜DEAD END〜


一夏「あ、ありうる…………」がくがく

一夏「どっ、どうすれば……」

ガチャッ ……トットットッ

一夏「っ!!」

一夏「ち、千冬姉が帰ってきた……?」ぶるぶる

千冬「一夏ぁー、帰ったぞー」(階下から声を張り上げて)

一夏「やっぱり!!」

千冬「ん? おかしな声を出してどうした? ——ハッ、まさか風邪を、」

一夏「あーあーあーあーあー! コホンッ、今ちょっと発声練習しててさ! 雑誌に練習法書いてあったから試してたんだよ!」

千冬「そうなのか? たしかに、随分と音域が広がっているみたいだな」

一夏「そ、そうそう! 劇的な効果だろ!?」

千冬「ああ。だが普段の声まで少しおかしくなっているぞ? 入学を控えているんだ、ほどほどにしておけ」

一夏「わ、わかったよ千冬姉」

しーん

一夏「…………」

一夏「うあああああ! どうすんだよおおおおお!!」ごろごろ

一夏「こ、このままじゃ、ばれるのは時間の問題だぞ……」

一夏「ばれたら……っ」

一夏「うあああこんな姿で死にたくないいいいいい!!」

一夏「はぁっはぁっ…………」

一夏「………………」

一夏「クッ、」

一夏「誰かを守ることもできないまま、死ぬわけにはいかない……っ」

一夏「もう、守られるだけなんて嫌なんだ……っ!」

一夏「でもどうやれば……」

一夏「ん?」

一夏「あれは五反田が置いていった雑誌……?」


入学当日

山田「は〜い、それでは自己紹介をしてもらいまぁす」

一夏(ついに、この日が来た……!)

山田「じゃあ————順番に——」

一夏(五反田が『女の子にモテるにはまず女の子が興味ある話題を知ることから』
って言って買ってきた女性向けファッション誌……)

一夏(その『安上がり! ハリウッド仕込みの特殊メイク法!』って特集にあったメイクを実践してみたけど……)

一夏(効果は劇的! 顔を見られても千冬姉に気づかれなかったし、体格も重ね着しまくってごまかせた……!)

一夏(これでアレも実践すれば……!)

一夏(いける……っ!!)

山田「————ん? 織斑君?」

一夏「へっ!?」

山田「自己紹介、織斑君の番ですよ〜? 裏声になっちゃって……よっぽど緊張してるんですねぇ〜」くすくす

一夏「あ……いや、その」カァァ

山田「とりあえず、自己紹介してくださいね?」

一夏(来た……っ!)

一夏(ばれるわけにはいかない……っ!!)

一夏(ふぅっ、ふぅっ…………)

一夏(お、落ちつけ、俺……)

一夏(もしこんなとこでばれたら……っ!)


山田『ええ!? 織斑君って、本当は女の子だったんですかぁ!?』

クラスメイト『嘘、信じらんない……』

クラスメイト『私、世界初の男性パイロットと同じクラスになれるって楽しみにしてたのに……』

クラスメイト『私なんてこの日のために高性能カメラ用意してたのよ!?』

クラスメイト『ありえない……』

クラスメイト『もう死刑よ、死刑!!』

クラスメイト『男だって言うんならむさ苦しい男達の群れに裸で放り込んであげましょうよ』

クラスメイト『そうしましょうそうしましょう!』

クラスメイト『そのあと死刑』


一夏(うああああああ嫌だああああああああ!!!!)

一夏(ただ死ぬだけじゃなくて、拷問された挙げ句に死ぬなんて絶対に嫌だ!!)

一夏(大丈夫、仕込みは……仕込みは完璧なんだ……っ!)

一夏(俺は……生きるっ!!)

ガタッ

一夏「コホンコホンッ。……あー、オレ織斑一夏。世界初・唯一人のIS適合者だからぁ、そこんトコよろしく」

一夏「……」ガタン

一夏(完璧……っ!)

一夏(これこそ、男性向けの雑誌に載ってた『ワイルド系男子の秘訣』!!)

一夏(ワイルド=男らしいのイメージは鉄板……っ)

一夏(『喋るときはやや舌を巻く感じで』『自分の、人とは違ったところをアピールしよう』というアドバイスを忠実に守ったぜ……!!)

一夏(家事とかも得意だけど……地味だもんなぁ……)

一夏(とにかくっ!)

一夏(男らしさをみんなの印象に刻みつけておけば、女だと疑うやつなんていなくなる!)

一夏(男に戻るその日まで……隠し通してみせる!!)

しーん

ざわざわ

クラスメイト「なんか……チャラそうな人だね」

クラスメイト「うん、遊んでそう……」

クラスメイト「イケメンだからアリかな」

箒「なっ、何だあの自己紹介は……っ!?」


ざわざわ ざわざわ

一夏「ふふん……俺を女だと疑ってるやつはいないな……」

一夏「この髪……そのまんまだけど、髪型のカタログにこれくらいでちょうどいいのもあったし……」

一夏「今の俺……前よりもイケてるんじゃないか、なんてな」ハハッ

千冬「————織斑一夏!!」

一夏「はっ、はいぃっ! ——って、千冬姉!?」

バコン

千冬「織斑先生、だ」

一夏「いてて……」

千冬「話は聞いていたか? 〜〜(教本からの出題)、答えてみろ」

一夏「……いや、わからないんだけど……」

バコン!

千冬「お前は入学までの間何をやってたんだ。教本は入学前に渡されていたはずだろう」

一夏「ああアレ……電話帳と間違えて捨てちゃってさ」

バコン!!

千冬「教本をなんだと思っている!!」

一夏「す、すみません……(千冬姉は俺の頭をなんだと思ってるんだよ……)」

投下終了

とりあえず期待

一夏が女か……
もはや価値が無いじゃないか!

と言いつつ期待

一夏女体化は期待

これで心おきなく男性と付き合えるな

     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜


>>1です

生存報告だけ

ただいま書き溜め中

更新遅めですがお付き合いいただける方よろしく!

書き溜めたまへ

期待してます

ちょwwww、ISのSS懐かしいwwwwwwって思ってみてたら、面白いジャマイカ!
続き期待!

ISは基本台本形式でも事足りるからな
さぁ、支援しようか



キーンコーンカーンコーン

一夏「ふへぇ……やっと授業おわった」机にへばりつく

一夏(むずかしすぎだって授業。ぶっちゃけ甘く見てた……)

一夏(あー……)

一夏(だめだ意識がもうろうとする……)

織斑くん、じゃあねー
また明日ー!

一夏「あ、ああ! また明日な!」ふらふら

あれー織斑くんだいじょうぶー?
なんかふらふらしてるー

一夏「大丈夫大丈夫! あーそのあれだよ、授業で居眠りしすぎて眠いっていうか?」

一夏「ほ、ほら、オレって不良だからな」フンス

くすくす ちゃんとマジメに授業受けてたよねー
うんうん すごい熱心にノートとってたー

本当にだいじょうぶ?ぴとっ

一夏「うっ、うああ!いきなり額くっつけんな!近い、近いって!」

あはは 熱はかっただけだよ顔赤いーってあれ?

一夏「な、なんだ?」

織斑くん何かコスメ使ってる?いい匂いするー

一夏「えっ」どっきーん


一夏「あ、ああ……それな」

一夏(やばい!!化粧品の匂い!)

一夏(ど、どうしよう!なにかごまかさないと!)あせあせ

一夏「香水!そう香水だよ!けっこう匂いいいだろ?」

うんうん もうちょっとこのままでいていいー?
あっずるい、私にも嗅がせてよ
そんなにいい匂いなの?ならあたしもー

きゃいきゃい

一夏「だ、だめだってっ!」ばっ

あぁ残念ー
まあ、たまに香るからいいのかもー
織斑くん意外とかわいいー

一夏「オレもう帰るから!またな!」

あれ帰っちゃうの?
そういえば私らも帰る途中だったねー
またねー織斑くん

一夏「お、おうまたな!」だっ

下り階段

一夏「ふう……これからは学校おわったらすぐに帰ろう」

一夏(にしても)

一夏(化粧品のことは迂闊だった)

一夏(普段あんな近づかれることなかったからなぁ)

一夏「あっ」

一夏(そういえば)

一夏(良し悪しとか自分に合ったのとか全然わからないから、ショップの人におすすめ選んでもらったけど……)

一夏(それって匂いとかも女向けってことじゃないか?)

一夏(さすがに男の格好で化粧品買いにいけないし、公園のトイレで着替えてからいったけど)

一夏(見た目女のやつにおすすめ聞かれたら女用の勧めるよな)

一夏(だから香りが目立ったのかもな……次は男向けのにしよう)

一夏「はあ……」

一夏「あんなやりとりがこれから毎日つづくのか」

一夏「……っと」

一夏「今日から寮暮らしなんだったな」

一夏「たしか山田先生から渡された部屋割りが鞄に……」がさごそ…

一夏「あったあった」

一夏「○○○号室か。荷物はもう運び込まれてるって話だったな」

一夏「あーやっと落ちつける」

一夏「早くいこう」



寮の廊下

一夏「俺の部屋は……っと、ここか」

一夏「おっ邪魔しまーす、って誰もいないけどな」ガチャ

一夏「あ、鍵……ってあれ?かかってない?」

一夏「無用心だなあ……ま、いっか」

一夏「おお、なかなかよさそうな部屋だな」

一夏「荷物も運び込まれてるし、よし。さっそく荷ほどきするか」

シャ———————

一夏「ん? なんの音だ?」

一夏「あっちは……風呂場?
おいおい、シャワー出っぱなしは勘弁してくれよ」テクテク

ガチャッ

箒「ふぅ、さっぱり、」

一夏「」

箒「」

一夏(うおっなんで女の子が)

箒「…………一夏」

一夏「(気まずいっちゃ気まずいけど、裸みても特に動揺とかないな……)
あーごめん、向こういってるな」テクテク

箒「ちょっと待て! 私だ、分からないのか!?」がしっ

一夏「えっ、ちょっやめてくれよ(こんなとこもし見られたら痴漢扱いされる!)」

一夏「って、あれ」

一夏「箒?もしかして東雲箒か!?」

箒「はあ……やっと気づいたか」


寮の居間

一夏「箒と同室?俺、オレが?」

箒「う、うむ。そのようだ」

一夏(あぶない舌巻くの忘れるとこだった……って!)

一夏「そんなの聞いてないぞ!てっきり一人部屋かと……」

箒「わ、私だって今知ったんだ。帰ってきたら荷物が運び込まれていて」

箒「とりあえずシャワーを浴びてから聞きにいこうと、……それはともかく!」

箒「あの自己紹介はなんだ!?今もそうやって軟派なしゃべり方を!」

一夏「いや、それはなんていうかさぁ」

箒「たわけ者!いつからそんな軟弱な男になり下がった!?しかもその髪————」ガミガミ

一夏(女になった、なんて言えないよなぁ)

一夏(絶対箒経由で千冬姉に伝わるし)

一夏(そうなったら……)がくがく

箒「一夏!聞いているのか!?」

一夏「っ、聞いてる聞いてる。それで、」

ガチャッ

山田「織斑くーん、伝え忘れてたことがー」

箒「聞いてなかっただろう、一夏」ゴゴゴゴ…

一夏「あわわわわ……」

山田「あら?」


篠ノ之さん......


ふたたび寮の居間

山田「伝わるのが遅かったみたいですけど、仲は問題ないみたいですねー」

山田「でもダメですよー? 男女なんだから裸のまま話してたりなんかしたらー」くすくす

箒「せ、先生、あれは!」

山田「幼なじみだとは聞いてましたけど、仲がよすぎるのも困りものですねー」

一夏(だめだこの先生……束さんとかとは別の意味で話通じなさそう)

一夏(かといってなし崩しに相部屋を認めるわけにはいかない!)

一夏「先生!部屋割り変えましょう、今すぐに!」

山田「あら?織斑くんの方は早くも倦怠期ですかー?」

箒「一夏!私では不満だというのか!?」

一夏「いやいや、箒だって男と相部屋なんて嫌だろ?」

箒「む、それは……だが、」

一夏「とにかく男女で同室はやばいですって!なんとかしてください先生!」

山田「うーん、困りましたねー。実は部屋に空きがなくて」

山田「結局、だれかとは同室になってもらうしか」

一夏「そんな……」

一夏(本当に、このまま箒と?)

一夏(……絶対むりだろ!)

一夏(普通にバレるって)

一夏(女の子相手ってだけで問題なのにそんな綱渡り冗談じゃない!)

箒「……私と相部屋はそんなに嫌か?」

一夏(箒だから嫌ってわけじゃないけど……)

一夏(あ、でも)

一夏(幼なじみだから距離がとりづらいってのはあるか……)

山田「うーん、一ヶ月くらいは何とかなりませんか?」

山田「学校側としても便宜は図ってくれると思いますし、しばらくすれば部屋の用意も……」

一夏(断れる雰囲気じゃない)

一夏(けど相部屋を認めるわけには……)

oh…
東雲→篠ノ之
素で勘違いしてた

遅い上に投下少なくて申し訳ない
もうひとつ書いてるSSが一段落つくまでお待ちを

舞ってるよー

ほっしゅ

これは期待。続きを楽しみに待ってるぜ

良スレ保守

一夏(あれ?待てよ)

一夏(——そうか!この手があった!)

山田「ええっとぉ、この話はとりあえず後日にでも……」

一夏「先生。実はオレ、心に決めた人がいるんです」

山田「だから……って、え?」

箒「は?」

一夏「誰だろうと女性と相部屋になるわけにはいきません」

山田「じょ、冗談はいけませんよー。そんな真剣な顔しても、彼女はいないって織斑先生から……」

一夏「彼女じゃありません。勝手に片想いしてるだけですから」

山田「え、ええー……?」(箒に視線)

箒「ちょ、ちょっと待て一夏、それは一体」

一夏(誰か証人がいれば信憑性が高まる!)

一夏『箒!頼む話合わせてくれ!(アイコンタクト)』

箒「えっ……?」ドッキーン

山田「……?」

一夏『頼む!昔好きって言ってたハート型のお菓子、何ヵ月分でも奢るから!(手のひらでハート作る)』

箒「ま、まさか……そんな」ドキドキ

山田「篠ノ之さん?」

箒「は、はいぃっ!片想いどころか誓い合ってます!」

山田「そうでしたか……なら無理を言うのは酷、ですね」

一夏(箒ぃぃっ!ありがとう!お前は命の恩人だ!)にぱー

箒「はぅあっ!?」

山田「し、篠ノ之さん?」

箒「い、いえ、何でも……何でもありませんよ」

箒「本当に何でも……ふふふ」

山田「はあ……大丈夫ならかまいませんがー」

山田「とりあえず織斑君、こちらへ。今夜泊まれそうなところに案内します」

一夏「はい!いきましょう!」

一夏「箒、番号とか変わってないよな?あとで連絡する」

箒「あ、ああ……待ってるぞ」ドキドキ

山田「あ、すぐに必要な荷物は持ってきて下さいねー」

山田「ここが貴賓室です。許可も出ましたし、他の荷物はまた明日にでも」

一夏「うわ、すご……」

山田「ふふ、ホテルみたいでしょうー? 学園に招く方は、各国の要人も珍しくありませんから。スイートルームさながらなんです」

一夏「これ……使っちゃっていいんですか?」

山田「はい。業者さんで直せる範囲なら好きにしてかまいませんよー」

一夏「わかりました」

一夏(とはいえ無理通した手前、好き放題はできないな……)」

山田「あ、直せるからってアニメとかのポスターで埋め尽くしたりは止めたほうがいいですよ?」

一夏「しませんよ!そんなのする人いるんですか?」

山田「前にいたんですよねー……外国の方ってオープンですし」

一夏「へえ」

山田「それはともかく。処遇は暫定ですから、また変わってくるかもしれません」

一夏「貴賓室いっぱいありますけど、他の人きたら都合変わってきますもんね」

山田「そうなんです。すみませんが、呼び出しあったらお願いしますねー」

一夏「はい、わかりました」

山田「それじゃあーおやすみなさい」

ガチャ


一夏「ふう……メイク邪魔くさいな。暑いし服脱ごうっと」ゴソゴソ

ガチャ

山田「あ、織斑くーん、いい忘れたことがー」

一夏「う、うわあああ!」(全速力で脱いだスラックスを戻す)

山田「あら?」

一夏「ノック!ノックしてください!」

山田「ごめんなさい、うっかりしてました……」

一夏「い、いえ……それで、いい忘れって?」

山田「ああそうそう、明日はISの技能実習がありますから、————お願いしますねー」

一夏「はい……わかりました」

山田「それじゃあ、また明日ー」

ガチャ

一夏「はあ……疲れる」ゴソゴソ

コンコン

一夏「ひっ!?」

ガチャ

山田「…………」

一夏「や、山田先生……?」

山田「織斑君って案外……線、細いんですね」

一夏「あ、あはは、そうですかー?それほどでも」アハハ…

山田「……ふふ」

ガチャ

一夏「…………神経削られる」

相変わらずの亀投下申し訳ない

外国の人って本当おおっぴらにしますよね
英文科なので留学生よくいましたけど、普通にアニメの筆箱とか下敷きだすからびっくりした……

この亀が! 亀は亀らしくのろのろと更新するのがお似合いだよ!
俺は>>1のペースに合わせて、毎日、楽しみに更新を待っててやるよ!
べ、別に>>1に合わせてるわけじゃないからな! か、勘違いするなよ?


最後まで手抜かず書くなら頻度はどうでもいいよ


まあ、ヘタに急いでgdgdになるよかましだし自分のペースでええと思うよ

一夏「あー……とにかくシャワー浴びよう」

【洗濯カゴ】こんもり

一夏(……洗濯物すごい量だ。こんな重ね着してるとなぁ)

一夏(かといって重ね着しないわけにはいかないし)

一夏(着回してくならこまめに洗濯しないと。
新しい服買い込めば楽だけど、それじゃ家計に負担がかかる)

一夏「あ、毎日使うとメイク道具の消費も、……お金がかさむ」

一夏「バイト増やそうっと。今まで通り家計に入れたいし、突然減ったら怪しまれる」

一夏「シフト増やすお願いは後でするとして、まずはシャワーシャワー」たたた…



シャ——————

一夏「ふんふんふーん」

一夏「メイク洗い流す爽快感っていいな……着苦しい靴下脱いだ時よりいいかも」

一夏「わかってたけど体まるっきり女だなぁ……」

一夏「けど相変わらず何も感じない、うーん感覚まで女?」

一夏「うへぇ……」

一夏「…………」

一夏「…………」ペターン

一夏「…………はぁ」


深夜
〜貴賓室・ベッド〜


一夏「…………」

一夏「…………」

一夏「…………」

一夏「眠れない」ガバッ

一夏「不安だからかな、目が冴えてしょうがない」

一夏「頭は疲れてるのに……」

一夏「ちょっと、散歩でもするかな」

一夏「あ、メイク。消灯時間は……すぎてる」

一夏「消灯前ならまだしも、今出歩いてバレたらまずい、よな?」

一夏「学籍番号とか証明求められそうだし……だめだ、メイク一時間はかかるし、室内で何か」きょろきょろ…

カタッ

一夏「ひっ!?、な、なんだ物音か……」

一夏「ははっ、物音でびびるとかなんだよ」

一夏「…………」

一夏「あ、そうだ」カパッ

(端末のスケジュール帳開く)

一夏「げっ、明日弾と遊ぶ約束してたっけ。っと、そのあとバイトか」

カチャカチャカチャカチャ(しばらく端末弄り)

一夏「ふわーあ、……やっと眠くなってきた」

一夏「…………」Zzz…


明くる朝
〜校舎・廊下〜


千冬「……」テクテク

一夏「あ、千冬姉。おはよう」

千冬「織斑先生だと言っとろうが」

一夏「そうでした」

千冬「まぁ追々でいいがな。おはよう——っと、」

一夏「うわプリントが」ぱっ

千冬「ああ……すまん、助かった」

一夏「いいよいいよ」

(一夏が千冬の腕へ組みつく形になる)

千冬「……?」

一夏「?ちふ、織斑先生どうかした?」

千冬「いや、何でもない。ところでアルバイトの話だが……」

一夏「あ、もうちょっと増やしたほうがいいかな?」

千冬「逆だ、しなくていい。私が小遣いに取らせた分もほとんど使ってないだろう?」

一夏「貯金してるよ?使いたいことあったら使うって」

千冬「とにかく、もうアルバイトはしなくていい」

千冬「学校もあるんだ、遊ぶ時間だってろくになくなる」

一夏「そう言われてもなぁ」

千冬「…………」

一夏「まだ学校はどうなるかわからないけど、続けたいよ。楽しいし」

千冬「居酒屋、だったか?」

一夏「そうそう、家でメニュー作ったりするだろ?」

千冬「む……あれか」

一夏「おやっさんに教わってるんだ。まぁ……腕はひよっこだけど」

千冬「いや……あれは、いい。また作ってくれ」

一夏「へいっ、よろこんで!」

千冬「はあ……これでは怒れんな」スタスタ

一夏「でもやけ酒で潰れるのはほどほどにしなよ、千冬姉ーっ」

千冬「〜〜っ、織斑先生だ!」くるっ

一夏「あははっ」

〜教室〜

山田「はーい、皆さん。今日はクラスから代表を一人決めてもらいまーす」

代表ー?
誰がいいかなー

がやがや

一夏「代表かー箒はどうするんだ?」

箒「どうする、とは?」

一夏「やらないのか?しっかりしてるし、適役だと思うけど」

箒「そうか……?お世辞ならいらんぞ」

一夏「箒にお世辞なんか言わないって。昔から頼もしかったぜ」

箒「……ふんっ、その割に昨日は気づかなかったな、こんな近くの席で」

一夏「うっ、初日で緊張してたんだよ……」

山田「はーい、静かにー。立候補や推薦はありますかー?」

織斑くんがいいと思いまーす
あ、わたしもー。
勉強熱心だし、安心できるよねー

一夏「なっ……」

箒「ほーう、随分な人気だな一夏。モテモテじゃないか」つーん

一夏「からかうのはやめてくれよ」

一夏(あれ、もしかして……妬いてる?)

ガタッ

セシリア「ちょっとお待ちなさい!」

山田「あら、あなたは……」

セシリア「クラス代表はわたくし、セシリア・オルコットが相応しいに決まってますわ!」

セシリア「そんなどこの馬の骨とも知れぬ男が代表など……言語道断です!」

一夏「なんだ?お、俺?」

セシリア「あなた以外に男がいまして!?」

一夏(いないけど。いや、女だけど)

一夏(認めたくないなー……)

セシリア「しかも軟派な!あなたのような方、そもそも場違いでしてよ!」

一夏(めちゃくちゃ嫌われてるな……)

一夏「……あー、オレ辞退します。向いてませんし」

千冬「それを決めるのはお前ではない」スタスタ

きゃー!千冬さまよ!
千冬さまーっ!!

きゃーきゃー

一夏「ち、……織斑先生」

山田「その通りですよ皆さーん。推薦に名前があがった以上、候補にはなってもらいまーす」

山田「自薦他薦は問いません。オルコットさんと織斑くん、他にいますかー?」

しーん

山田「いないみたいですね。それではー、投票で決めまぁーす」


得票結果
セシリア:4
織斑:残り全員

山田「はーい、それじゃあ織斑くんに、」

セシリア「納得いきませんわ!」ガタッ

セシリア「実力も伴わない人間に代表など務まりません!皆さんもめずらしいからって、興味半分で……品性を疑います!」

えー
別に興味半分じゃないしー
感じ悪ーい

ざわざわ

セシリア「と、に、か、く!どうしてもその男を代表にするのなら、せめてわたくしと勝負させなさい!」

一夏「オレが勝てば認める、ってこと?」

セシリア「そうです」

千冬「……まあ、オルコットの言う事にも一理ある。どうしますか、山田先生?」

山田「えー、とはいえ代表候補生とでは幾らなんでも経験が……」

千冬「一週間与える、というのは?」

山田「ううん、まあ……それならー」

山田「オルコットさん、勝負は一週間でいいですかー?」

セシリア「ふんっ……まあハンデはつけないと可哀想ですからね」

セシリア「後で文句言われてはかないませんし、いいでしょう」

一夏「む、勝負した後で文句なんて言わない」

セシリア「はん、どうだか」

セシリア「しっぽを巻いて逃げるなら今のうちでしてよ?かく恥は少ないほうがいいでしょう?」

一夏「なっ……」ひくっ

一夏(そこまで馬鹿にされて黙ってられるか……!)ガタッ

山田「はいはーい、オルコットさんそこまで。口がすぎますよー」

セシリア「……申し訳ありません」

山田「織斑くんも座ってー」

一夏「……すみません」

山田「勝負は今日から一週間後、——日です。放課後でかまいませんねー?」

セシリア・一夏『かまいません』

セシリア・一夏『むっ……』

あはは、案外仲いいんじゃない?
たしかにー

ざわざわ

セシリア「お黙りなさい!不愉快ですわ!」

一夏「こっちの台詞だよ」

千冬「いい加減にしろ」

ゴツン

セシリア「痛っ!」

ゴツン

一夏「痛っ!」

千冬「気に入らない事は勝負の場でぶつけろ。器が知れるぞ」

セシリア「……」わなわな

一夏「……」つーん

箒「……会話に入り損ねた」しょぼーん

キーンコーンカーンコーン

千冬「次の時間はIS技能実習だ、場所は——で行う」

山田「織斑くんはその前に話があるので、来てくださーい」

一夏「げっ、呼び出し?」


〜廊下〜

一夏「先生、もしかして貴賓室の話ですか?」

山田「いえいえ、そちらではなくー」

山田「実は、専用機の話なんです」

一夏「専用機?」






山田「はーい、皆さん。実習はじめますよー」

ざわざわ

一夏「実習ってどんな事やるんだろうな。知ってるか?」

箒「いや、わからないな……」

山田「それではまず手本を見せますのでー」


————————
——————
————


一夏(一週間後の勝負、負けたくない)

一夏(勝つならやっぱり特訓だよな。でも、我流だと変なクセつきそうだし……)ちらっ

箒「……」

一夏「あのさ箒」

箒「どうした?」

一夏「頼み事があるんだけど、いいか?」

箒「……ふふ、特訓をつけてくれ、だろう?」

一夏「え?」

箒「違うのか?」

一夏「いや、そうだけど……」

箒「ふっ……変わっていないな、一夏」

箒「負けず嫌いで、努力家。最初に見たときは不安だったが……安心したよ」

箒「そ、それに、その……」

一夏「?」

箒「お前に頼りにされて……嬉しい」もじもじ

一夏「っ……」

箒「ま、まあ、とにかくっ!」コホン

箒「いつに特訓する?私はいつでも、」

一夏「……その、ごめん箒。やっぱり特訓の話はなしで」

箒「は?」

一夏「よく考えたらバイトが忙しいんだった。時間不安定だし、特訓は一人でやるよ」

箒「アルバイトしているのか……気にするな、暇なとき呼び出してくれたらいい」

一夏「いや、やっぱりいいよ。悪いし」

箒「そうはいってもだな、」

はいそこー、私語は厳禁ですよー

一夏「やばっ、実習しないと」

一夏「あっ、ちょっと山田先生にわからないとこ聞いてくる」たたっ

箒「お、おい……」

ぽつーん

箒「……一夏?」

投下終了

コメありがとうございます、そう言ってもらえて助かりました
きっちりやってきます

箒空回りかわいいよ

箒ぇ…

保守

ksk

なぜ加速するのか

     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜

良SS

保守

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—————


放課後、練習場

一夏「ハァッ、ハァッ……くっ!」

一夏「もう一回……っ!」ばしゅん!

一夏「————!」ばしゅぅぅぅぅ

一夏「————」しゅぅぅぅぅ…

一夏「……だめか」

一夏「練習前よりは展開の成功率は上がってるけど……」

一夏「これじゃ、とても勝負にならないな」はぁ…

一夏「にしても……際どいんだな、ISのスーツって」ツマミ

一夏(特訓のほうは勝負当日までするとして……こんな薄い生地でばれないかな?)

一夏(胸は、自然に肉感を流すつくりのスーツを下に着込んで隠せてる)

一夏(けど、視覚の誤魔化しの部分が大きい。 触られたらばれるかも……)

一夏(でも小さいほうだし、なんとか)

一夏(小さいほうだし……)

胸に手を置く

一夏(……鈴よりはあるか? 中学時代の話だけど)

一夏「ま、しょうがないか。 サラシとかで無理に押さえつけちゃ、体に悪いらしいし。 最悪胸縮むし」

一夏「スーツやらなんやら出費がかさむけど、貯まってた小遣いのお陰で助かった」ふぅ…

一夏「でも、使った分は巻き返さないと。 目標額まで遠のいたな……」

一夏「まぁ減ったものはしかたない! いけるいける!」

一夏「よし、まずは特訓再開——」

山田「織斑く〜ん! ちょっといいですかぁ〜!」

一夏「山田先生? どうしたんだろ?」

たったったっ

山田「ふぅ〜、まだ帰ってなくてよかったぁ〜」

一夏「どうしたんです一体?」

山田「ええ、実は織斑くんの専用機の事なんですよ〜」

一夏「白式の事? 説明なら一通り聞きましたけど」

山田「いえいえ、説明じゃなく渡しものです。 どうやらうっかり部品を入れ忘れたらしくて〜」

一夏「ええっ!? それって大丈夫なんですか!」

山田「う〜ん、危険はないらしいんですけど、とりあえずこれを〜」

一夏「カートリッジ? こんなの差し込むとこありましたっけ?」

山田「これを〜えいっ!」ぷしゅっ

一夏「え、ちょっ? ……あれカートリッジはどこに?」

山田「よくわかりませんが〜機体に押し当てると吸収される仕組みらしいです」

一夏「はあ、そうなんですか」

一夏(……どうなってるんだろう?)

一夏(ま、いいか。 束さんの発明なんて考えてもわからないし)

山田「それにしても精がでますね〜、さっそく特訓ですか?」

一夏「ええ、まあ」

山田「ふふふ、先生だからどちらか一方の応援はできませんけど、がんばってくださいね〜」

一夏「ありがとうございます。 といっても、展開すらあやしいんですけどね」はは…

山田「え、そうなんですか〜? ……おかしいな、トップクラスの適性があるはずなんですが〜」ぼそ

一夏「? いま何か続き言いました?」

山田「あっいえいえ〜、お邪魔してはなんなので、そろそろ失礼しますね〜」

たったったっ

一夏「なんだったんだろ? ——って、あ」

一夏「弾との約束の時間近いな。 授業昼までだったけど、もうこんな時間か」

一夏「後片付け後片付け……」ごそごそ

一夏「ああ、バイトの間の外出許可もらっとかないと」

一夏(寮住まいっていろいろと不便だなぁ……千冬姉、ちゃんとご飯食べてるかな)

——————————
———————
—————

五反田食堂

弾「よう一夏! 元気だったか?」

一夏「おう元気だったぜ! 弾も元気そうだな」

弾「はは! おい一夏、あの話聞いたか?」

一夏「あの話?」

弾「ん? ……ふーむ」

一夏「なんの話だ?」

弾「いや、聞いてないならいいんだ」

一夏「なんだよ、気になるな」

弾「そのうちわかるだろうしな。 へへ、それより上がってくれよ。 それとも外でるか?」

一夏「いや、あがらせてもらうよ。 ゆっくりしたいし」

弾の部屋

一夏「あ〜、落ちつく〜」ぼすん

弾「おいおい、きて早々ベッドインかよ」

一夏「異様に疲れるんだよ、あの学校。 もうしんどくてしんどくて」ごろごろごろ…

弾「ぜいたくな……! お前いま、世界中の男を敵に回したぜ」

一夏「替わってくれるなら替わってほしいよ、いや本当に」

弾「ふーん、そんなに大変なのか?」

一夏「ああ……たまたまIS動かせて浮かれてたけど、軽はずみに入るんじゃなかったよ」

弾「お疲れ様。 つっても、男で世界初のIS適格者だからな。 どっちみち断れなかったさ」

一夏(今、男じゃないんだよなぁ……)

一夏「ああ……う〜」ごろごろごろ

ゴン!

一夏「あいたっ」

弾「何やってんだよ、新手のボケか?」

一夏「いや、素でベッドの角にぶつけた……」さすりさすり

弾「大丈夫か?」

一夏「ああ……」

弾「相当疲れてんな。 バイト、休んだほうがいいんじゃないか?」

一夏「いやいきなりシフト抜けたら迷惑かかるし……」

弾「無理して体壊したらもっと抜けないといけなくなるだろ?」

一夏「まあ……そうだけど」

弾「休んどけって」

一夏「おわったらちゃんと休むし大丈夫だよ。 今日そんなにシフト長くないし」

弾「おいおい……」

一夏(体力落ちたか……? 単に男って突き通してる心労かもしれないけど)

一夏(困るなぁ……)

一夏「そろそろバイトいくよ。 あんまりいられなかったけど、また今度ゆっくり」

弾「……ったく」


———————————
————————
—————

街中

一夏「ふあ…ちょっと横になると眠気が増すなぁ」

一夏「でもまあ、良い気分転換になったかな?」たたっ

ぱらぱら…

一夏「…ん?」

一夏「雨?」

ザ————————

一夏「うわっ本降りになってきた。鞄を傘代わりにして、と」

一夏「急ごう」

ダッ



アルバイトが終わり——夜十時ごろ

一夏「お疲れ様でしたー」

おうお疲れさん! 気をつけてな!

一夏「ふう…特に危なげなかったな」店の戸に手をかけ、ひらく

ガラガラ

ザ————————

一夏「うわ、まだ降ってる」

一夏「ここだと屋根が…あっ、あそこ雨宿りできそう」

いったん屋根のある軒先に避難

ザ————————

一夏「ああもう…雨なんて予報じゃ言ってなかったのに」

一夏「…うーん。コンビニで傘買おうかな?」

一夏「寮まで突っ切ったらずぶ濡れになりそうだし、メイクが崩れたらまずい…」

一夏「この近くのコンビニは、と」キョロキョロ

一夏「たしかあっちの方にあったかな」ダッ




一夏「あれ、ないな……もしかして潰れた?」

一夏「…えっと」

一夏「たしかこの近くに……」

ブロロロロロ——

——キィィィィ!

一夏「えっ、うわ!?」

バシャアアアアアア

一夏「……」びしゃびしゃ

一夏「乱暴な運転…勘弁してくれよ」

老婆「お嬢さん、大丈夫?」

一夏「へ? ああ、はい」

老婆「まったく、はた迷惑な車ねえ…こっちにおいで。手ぬぐいを貸すわ」

一夏「え、でも…」

老婆「そのままだと風邪をひいてしまう。店の前で濡れ鼠になった子を、放ってはおけないわ」

一夏(店…本屋かな。古びた感じだ)

一夏「えっと、じゃあ…お言葉に甘えて」

老婆「はい、いらっしゃい」にっこり

投下おわりです

保守してくださった方ありがとうございました!
みなさんよいお年を!

乙カレー

お嬢さん?

あけまして乙


hoshu

ほしゅ

古書店、洗面所



一夏「うわ…メイク崩れかけてる」

一夏「よりによって目元が……」

一夏「……」ジーッ

一夏「右と左で全然ちがうな……どうしよう、これじゃ怪しまれる……」

一夏(メイク道具は……見つかったとき追及されると思って持ち歩いてない。でも今直せないと……くそっ、雨が降るってわかってれば)



一夏「……」ジー

一夏「洗い落とすしか……ないか」

老婆「ええと…たしかこの箪笥に……」ごそごそ

一夏(……)喉元を軽くたたく

一夏(声は地声で、っと)

一夏「あの…戻りました」

老婆「あら、おかえりなさい」くるり

一夏「タオル、助かりました。ありがとうございます」

老婆「いえいえ、どういたしまして」

老婆「服も濡れて気持ち悪いでしょう? うちの孫が昔着ていた服でよければ…ってあら?」

一夏「ど、どうしました?」

老婆「顔立ちが変わったような……」

一夏「っ!」ギクゥ!

一夏「えっ、ええと、それは、その…」

老婆「うーん、気のせいかしら…」

一夏「く、暗かったですし! たぶん気のせいですよ!」

老婆「そうよね、暗かったもの。ごめんなさいね…失礼なことを言って」

一夏「い、いえ……あはは」

一夏(……罪悪感が)

老人「…おいお前、そんなことより服を貸してやれ」

一夏(うわっ…おじいさん?旦那さん?)会釈

老人「ふん…」

老婆「ああ、そうでした。すっかり忘れてたわ」

一夏「服って…いえいえ!そこまでしてもらうわけにはいきませんよ!」

老婆「ふふ、気にしないで…昔孫が着てたものだから」

一夏「でも……」

老婆「あっ、孫も女の子よ」

一夏「いえ、ですから……」

老婆「はい、これ」

服を渡すとき手が触れる

一夏「っ!!」びくっ

老婆「え?」

一夏「あ…いや、その」

老婆「?」にこにこ

一夏「……わかりました、お借りします」

一夏(青いデニムにカッターシャツ…フリフリしたのとかじゃなくてよかった)

一夏(サイズも大して変わらないし)

一夏「あの、お世話になりました。服、洗ってお返しします」ぺこり

老婆「どういたしまして。ところでお腹空いている?古くさいかもしれないけど、よければ振る舞うわ」

一夏「いえ本当に!これ以上お世話になったら胃に穴空きますから!」

老人「…初対面であまり世話を焼かれても迷惑だろう。そこらへんにしておけ」

老婆「あっ…ごめんなさいね、つい」

一夏「お気持ちだけでうれしいです。親がいなかったので、なんだか新鮮で」

一夏(千冬姉は忙しいからな。余計な面倒なんてかけられないし)

老人「……」

老婆「あら…そうだったの」

一夏(あ!こんな言い方じゃ気を遣わせたか)

一夏「こっちが勝手に言ったことですし、気にしないでください。ずっと姉がいましたし、寂しさとかないんです、実際」

老婆「…ふふ、良いお姉さんなのね」

一夏「あー、なんかしんみりさせちゃってすみません!とにかく気持ちがありがたいって伝えたかったんです!」アセアセ

一夏「今日は失礼しますね、また後日お伺いします!」

ダッ

老婆「あら…」ぱちくり

ありがとうございましたー!

老婆「…あの子、夜道は大丈夫かしら。一人歩きは…」

老人「いつの話をしとる。わしらの時代じゃないんだから、大丈夫だろう…」

老婆「ああ、そうだったわ。よかった」ほっ

老婆「それにしても……う〜ん」

老人「…どうした?」

老婆「歳はとりたくないわねえ……すっかり感覚がボケちゃって」

老人「……」

老婆「声とか背格好とか、変なところに気がいっちゃって……いやねえ」

老人「…ふん」

生存報告も兼ねて投下
保守ありがとうございます!
またある程度書き上がったらきますね

帰り道

一夏「11時前…外出許可の門限には、なんとか間に合いそうか」

一夏「あー、どうなるかと思ったけど面識ない相手で助かった」テクテク

一夏「あとは学校に帰る、……だけ……」ピタッ

一夏「……」自分の格好を見る

一夏「……やばい」

乙!

良スレ発見保守

保守

そして>>1、GJ

hoshu

ほしゅほしゅ

保守はいらない

vipと違って保守してもしなくても>>1が最後に書き込んでから3ヶ月経つと必ず落ちる。

今は二ヶ月な

保守 

支援

支援
でも一夏って原作でも元は女だったりな
だとすると筋が通る

>>88
原作じゃなくて原案な

その言い方だと「原作で一夏は最初女だったが性転換して男になった」になってしまう(´・ω・`)

おばあさんから一夏に傘貸させるの忘れてたorz
雨は運よく止んだと解釈してください!


学園寮前

一夏「……」ソロォ〜

一夏(泊まってる貴賓室は、学生寮隣に敷設(ふせつ)された別棟……)

一夏(寮棟ならカードキーを通せばエントランスに入れる。ただ、別棟には寮監に申告しないと入れない……)

一夏(あー…厄介だな。自分で選んどいてなんだけど、寮棟なら楽だったのに)

一夏(…とやかくいってもしょうがない。とりあえず別棟までいこう)




別棟外周

一夏(さすがにセキュリティが厳重だ。入れそうなところなんてない…)トコトコ

一夏(何か策がないものか…)トコトコ

一夏(…ん? 誰かいる?)

箒「むぅー……はぁ」

一夏(……箒?)手近な物陰に隠れ窺う

箒「ああ…何をやっているんだ私は…不甲斐ない」

箒「しかしどうしたものか…」うろうろ

一夏(何やってるんだ? 普通の門限はもうとっくに過ぎてるのに)

一夏(って、鉢合わせたらまずいな。どこか別の場所に……)ソロォ〜

あー当直たるいなぁー

一夏(!? 誰かきた!)バッ

今どき見回りなんて…

ザッザッザッ

ほとんど電子化されてる時代だってのになー

一夏(当直の先生…? 校内で見た顔だな、教職員には違いなかったはずだ)

来たか

箒「……はあ」

一夏(箒!? 気づいてないのか!)ダッ

箒「——え?」グイッ

ボフン!

当直「ん?」

一夏(なんとか草やぶに引き込めたけど……隠し通せるか)

一夏(頼む、バレないでくれ……っ!)

当直「……」

キョロ キョロ

当直「……」

当直「……気のせいか」テクテク

一夏(よかった……見つからなかったみたいだ)

箒「……」

一夏「あの……大丈夫?」ひそっ

箒「……ああ。問題ない」

一夏「ごめん、訳がわからないだろうけど……」

箒「いや、大体わかった。どうやら危ないところを助けられたようだ」

箒「感謝する、ありがとう」

一夏「いや……どういたしまして」

一夏(他人行儀な話し方。一夏だとは気づかれてないか)

箒「私は箒、篠ノ之箒という。新入生だ」

一夏「お、……わたしは、……千夏。新入生。よろしく」

箒「千夏か、今回は世話になった。この礼は必ず」

一夏「礼なんかいいよ」

箒「いや、恩はきっちり返す。そうでなければ不実だからな」

一夏「そうは言っても、お礼の言葉だけで十分だし」

箒「それは困る。私の気が済まない」

一夏「はあ……真面目なんだ、ここに居たのもそのせい?」

箒「む、……そうでもない。完全に私事(わたくしごと)だ」

一夏「ふうん……」

箒「千夏こそどうしてこんな時間に?」

一夏「バイト。今帰ってきたところ」

箒「アルバイトか……ちゃんとした理由があるんだな」

一夏「箒はちゃんとした理由じゃない?」

箒「……そうなる。適当にでっち上げて外出の許可をもらったからな」

箒「これでは真面目というのは返上だ、……それに」

一夏「それに?」

箒「……なんでもない。とにかく助かった」

一夏「気になるな。そうだ、お礼するって言うならそれが聞きたい」

箒「な、本気で言っているのか」

一夏「もちろん」

箒「……わかった。お礼の話を持ちかけたのはこっちだ、話そう」

——————————
————————
——————


一夏「へえ……じゃあ、その幼馴染みを心配して来たんだ」

箒「ああ。なんとなく気になって……様子が変だったから」

一夏「……そうか」

箒「事情は伝わったか?」

一夏「ああ、伝わった」

箒「ちゃんと伝わってよかった。昔から口下手でな」

一夏「へえ……」

箒「ただ長話してしまったせいで時間をとらせたな、すまない」

一夏「こっちから頼んだことだから。それより、箒」

箒「?」

一夏「そんな奴、放っときなよ」

箒「何だと?」

一夏「自分から相談持ちかけたのに断るとか、箒の好意も無下にするし、ろくな奴じゃないよ」

一夏「箒が心配するほどの価値あるのかな」

箒「……」

一夏「時間まで合わせるって言ってくれてるのに……神経疑う」

一夏「それに、」

むんず

箒「千夏、悪いがそこまでだ」肩を掴む

一夏「……」

箒「あいつの悪口は見過ごせない。気遣ってくれているのかもしれないが……やめてくれないか?」

一夏「……わかった」

箒「そうか…わかってくれて安心したよ」

箒「あいつの話はやめよう。お互い嫌な気持ちになるだけだ」

箒「それよりも新入生同士、IS学園の話でもしないか?私としては、学食に古今東西のメニューが用意されてるということが——」






一夏「…効果なし、か」

箒「効果?何の話だ?」

一夏「単なる独り言。そんなことより本当にこれから?」

箒「ああ」

一夏(たわいない話をしたあと、箒は今日の件について切り出した)

一夏(どのような事情にせよ、不当な夜間外出をしてしまったのだから、自ら寮監に報告しに行く、と)

一夏「律儀だなあ…黙ってればバレないだろうに」

箒「私が後ろめたいことをした事実は覆らない。誰かにバレようとバレまいと、私が覚えている限り、私がそれを知っているからな」

一夏「はは…」

箒「では、またな。世話になった」

スタスタ

一夏「……いっちゃったな」

一夏「はあ……本当に堅物、筋金入りだ」

一夏「俺も真面目なんて言われることあるけど……箒にはとても敵わない」

一夏「……外聞より自分の気持ち、か」

『私が後ろめたいことをした事実は覆らない。誰かにバレようとバレまいと、私が覚えている限り、私がそれを知っているからな』

一夏「……」

一夏(箒、少し体が濡れてた。もしかして雨降りの間から居たのかな)

一夏(…………)

一夏「……帰ろう。まずは、戻れない状況をどうにかしないと」

ザッザッザッザッ…

…………

バサッ

「ふーん、ここにも居たんだ」

「——あたしの、同類が」

——————————
———————
————


一夏「別棟の外周をぐるりと一周してみたけど……ダメだな、手立てが思いつかない」

一夏(格好は女、セキュリティは厳重。男物の服を買ってくるにせよ、メイク自体落ちてる)

一夏(メイク道具一式まで買うのも……時間と立地、どちらの面から見ても厳しい、というか無理だ)

一夏(くそ…八方ふさがりか)

一夏(誰か知ってる人(先生)…、それなりに親しい人が通りがかってくれれば)

一夏(姿を見せずに、声だけで何とか言いくるめられるかもしれないんだけど……)

一夏(……)

すっ…

一夏(……人影? ——っ!あれは!)茂みに身を隠す

サッ

千冬「ふむ…無断外出する生徒や不逞の輩は居ないか」

一夏「千冬姉!いいところに!」

ガサッ(わざと茂みを揺らす)

千冬「…一夏?まさかそこに居るのか?」

一夏「ああ。千冬姉、助けてくれない?」

千冬「何?」

一夏「トラックに泥ひっかけられちゃってさ、人前出られないんだ。寮監に帰ったこと言って、中入れるようにしてくれないかな」

千冬「そんなに酷い状態なのか?」

一夏「うん、女の子ばっかの寮に入るのが躊躇われるくらいには」

千冬「…はあ、わかった。少し待っていろ」


———————————
————————
—————

別棟 廊下

千冬「全く…無茶をする」

一夏「いやあ助かったよ、本気で」

千冬「私が来なかったらどうしていたんだ。偶然通りがかったからいいものの」

一夏「うーん、そのまま一夜を越そうかなぁって」

ゴッ

千冬「馬鹿者。風邪をひいてしまうぞ」

一夏「痛ぅっ…! チョークっ…額がっ…!」

千冬「こんなこともあろうかと常備しておいて正解だったな」

一夏「そんなのは襲撃してきたテロリストにでも使ってよ!それに今、後ろ手に投げてなかった!?」

千冬「教師のたしなみだ」

一夏「どや顔だし…」ヒリヒリ

一夏(見られたくないのを察して後ろ手に投げてくれたんだろうけど……)

一夏(配慮するなら、そもそもチョーク投げるのを配慮してくれよ)

一夏(額痛い…)ヒリヒリ

千冬「とにかく一週間後、いや、もう一週間足らずか。代表決定戦を控えているんだ、体調に気を配れ」

千冬「どうだ?ISの操縦は」

一夏「どうだも何も……まだ展開も覚束ないし、なんとも言えないかな」

千冬「…何?」

一夏「座学でも実習でもISの難しさを痛感したよ。入試であっさり動いて試験官倒せたのは、本当に幸運だってことも」

一夏「ビギナーズラックじゃないけど……ISにもずいぶん好調不調の波が出るんだな」

千冬「……確かに精神状態や状況によりけりな面もあるが、そんな……」ブツブツ

一夏「千冬姉?」

千冬「…いや、何でもない。心配は無用だ」

一夏「心配いらない顔には見えないけど?明らかに顔が険しくなってる」

千冬「心配いらないのは事実だ。そして——」

prrrr…

千冬「着信…こんな時に誰だ」

一夏「ああ、出なよ。俺この場で待ってるし」

千冬「それには及ば…」

チラッ (千冬が端末のディスプレイを一瞥する)

千冬「…いや言葉に甘えさせてもらおう。少し待っていてくれるか?」

一夏「もちろん」

千冬「では行ってくる」

——もしもし、————————ああ、ならそのことはもう————————よくわかったな。じゃあまた後でかけ直す。

プツッ

千冬「すまない、待たせたな」

一夏「あれ?随分早かったけど大丈夫?」

千冬「ふっ、気遣いは無用だ。急ぎではなかったからな、また追々で済む話だ」

一夏「…そっか」

千冬「話を戻すが…ともかく、お前の心配は杞憂だよ」

千冬「順風満帆、というと胡散臭いげに聞こえるだろうが、実際うまくいっている。…この姉の言葉は信用できないか?」

一夏「……いや…信じてるよ。月並みだけど、世界で一番。…信じてる」

千冬「……。夜も遅い、早く戻って休め」

———————————
————————
——————


千冬「貴賓室に着いたな。ここで別れよう」

一夏「千冬姉は?」

千冬「臨時でもう一回りパトロールする。お前の顔を見に来たのはそのついでだったからな」

一夏「そっか…頑張って。千冬姉こそ体調に気をつけて」

千冬「ふっ、誰に言っている。だが…有り難う」

スタスタ

一夏「……もう大丈夫か」

ばっ 顔を出していた曲がり角から出る

一夏「ふう……何とか一難去ったかな」

一夏(どうなるかと思ったけど……ついてるな。運がよかった)

一夏(……本当に運がよかったな)

投下終了!
偶然ですがちょうど100レスになって、区切りがよくなりました

書き溜めして日を空けた間にも保守、支援、コメントetc.…感謝です。
この話のことは勿論、多少なりとIS絡みなら大歓迎ですので気兼ねなく!
指摘、要望もばんばんどうぞ!基本的に投下する内容でお返ししますが、必ず目は通しますので

おつ
同類が気になる、マジで気になる

個人的にバレた後の展開が楽しみでならないww



>>103
ナカーマ(´∀`)人(´∀`)

shiren

待ってるぜ

しえーん

更新が滞っていて申し訳ありません
もう一つ書いてるのがあって、そちらは地の文入れる形式なので時間割かれてまして……
書き溜めはちょっとずつできてるのでもう暫くお待ちください

>>108
読む側としては多少間が空いてもちゃんと投下されれば無問題だから、謝らんでもいいよ


『あー、やっと始業式おわった。これからみんなで遊ばない?』

『お、いいな。クラス変わったばっかであんま話したことないやつ多いし』

『なあ織斑……だっけか?お前もよかったらこいよ』

一夏『え、……おれも?』

『おーい!暇なやつこのあとどっかいこうぜー!』

ア、オレモイイー? アタシモイクー

『あれ、なんか都合悪かった?』

一夏『いや、大丈夫……だけど』

『去年転校してきたんだよな?……今年だっけ?まあとにかく同じクラスなんだしさ、どう?こない?』

一夏『う、うん……いいかな?』

『ははっ、こっちが誘ってるんだって!おーい、織斑もいくってー!』

一夏『……』ドキドキ




『うーん、でどこいく?』

ガヤガヤ

『けっこう集まったし、男女まちまちだしなー。みんな希望とかある?』

ボーリングー ワタシカラオケガイイナー

『あ、俺ビリヤードやってみてぇ』

『ビリヤード?なんか小学生のオレらには早そうな気が……まあいっか。他はー?』

ワイワイ

『織斑、いきたいところありそう?』

一夏『え?うーん……』

『なんかぱっとしないよなー。いつも休日とか何してる?』

一夏『え、えーっと……』

『?あ、ちなみにオレはサッカーとか……スマフォも最近アプリやってるかな』

『あれでしょ?よくCMでやってたりする』

『そうそう!最近ハマってる』

『織斑くんは?あんまり喋ったことなかったよね、前同じクラスだったよ』

『へぇーそうなの?』

『うん。女子だとけっこう話しかけようとする子いたんだけど……織斑くん、どっちかというと無口だから』

『だってよ。おいモテモテだな織斑!』バン!

一夏『痛っ……同じクラスだったけど、別に』

『まあまあそれはいいとして。どうなんだ?』

『気になるー。いつも何してるの?』

一夏『……えっと』

一夏(千冬姉と束さんには、こういうの正直に答えるなって言われたけど……)

一夏(か、代わりになんて答えるよう言われたっけ)アセアセ

『織斑くん?』

『どうした?』

一夏『あ、う、その……ぬいぐるみとか、抱いたり』

『は?なんだそれ』

『それちょっと滑ってるよー』

一夏『へ……何が?』

『……え?マジで?』

『冗談……だよね?』

一夏『えっ……おかしかった?』

ザワッ



一夏「はっ……!」ガバッ

一夏「……」

シーン

一夏「……夢か」


通学路

「あっ、織斑君おはよー!」タタタタッ

一夏「……うん。おはよう」

「あれ?なんか元気なかったような……まあいっか、また教室でー!」タタタタッ

一夏「……はあ」

一夏(毎朝一時間近くメイクするのは疲れるな……)トボトボ

箒「ん?……一夏じゃないか。おはよう」

一夏「……箒」

箒「なんだ、やけにぐったりして。疲れているのか?」

一夏(……気まずい)

一夏「ああ。まあ……ちょっとだけ」

箒「……」

一夏「それより昨日は悪いな、特訓の話反故にしちゃって」

箒「いや私は構わないが……」

箒「ところで特訓の調子はどうだ?うまくいきそうならこちらとしても」

一夏「……うーん。どうだろ。ちょっとずつ上達はしてるけど」

箒「相手が代表候補生だからな……難しいか」

一夏「一筋縄には……ん?なんだあれ?」

箒「……人参?」

【巨大ニンジン】ドデーン


一夏「なんかメカメかしい……」

箒「……嫌な予感しかしないな」

ススー

一夏「避けていこう」テクテク

箒「かかわり合いにならないのが一番だ」テクテク

…………

束「うがー!無視するなぁーっ!!」ピョンピョン

一夏「うわ追いかけてきた!」

箒「人間大の人参が生足を生やして追いかけてくる……軽くホラーだ」




束「とまあ、それでも逃げようとするいっくん達をなんやかんやで捕獲したわけですが」

一夏「……勘弁してくださいよ」

箒「……」プルプル

束「はっはっはっ、束さんからは逃げられないよ。ロープでぐるぐる巻きにさせてもらいました」

一夏「うっぐ、……はあ、外せないか」

箒「……それで、用件は?」ギロッ

束「せっかちだなぁ、まあ遅刻しちゃうからね、要点だけ話すよ」

束「……と、その前に」

一夏「?」

箒「?」

一夏(なんだ?こっちに近づいてきて……)

束「さわさわ〜っ」

一夏「ひやぁっ!?」ビクン

箒「何をしている!?この変態が!」ジタバタ


束「ちょっとした身体検査だよ。変態ってひどいなーもー。ほら、久しぶりだから成長を確かめたんだって」

箒「久しぶりでもそんなことするんじゃない!……私だってしたいのに……」ブツブツ

一夏「……」

一夏(や、ややややばいっ……今、胸元も触らなかったか……?)

束「んもう、相変わらず固いなあ。ねえいっくん?」

一夏「え?は、はあ……」

一夏(あれ?普通に話してる……なんだ、なんとかごまかせ)

束「それよりどうしちゃったの?いつの間に女の子になったのかなぁ〜いっくんは?」サワ〜 ミミウチ

一夏(てない!!まずいどうしよう!)

箒「いい加減にしろ変質者が!そんなに密着するな!うらやましい!」ジタバタ

一夏「え、えっと……その」

束「ま、黙っといてあげるよ。面白いしね」ヒソッ

一夏「っ!束さん……」

箒「くそっ、なんでまんざらでもなさそうなんだ一夏ぁ!」ジタバタ

束「あー外野がうるさいなあ、もう」

一夏「束さんお願いします……千冬姉には」ヒソッ

束「わかってるよ。ちーちゃんには言わない」ミミウチ

サッ

束「単なる思いつきだったんだけど。いやはや、たまにはやってみるものだね」

箒「いつも思いつきだろうがぁーっ!」ガァーッ

束「おお、こわいこわい。まあとにかく本題に移るとね、今年から新しい訓練設備を導入するんだよ」

束「学園にね」


一夏「訓練設備……ですか?」

箒「……ふん」

束「そう!シミュレーターやら模擬戦じゃつまんないでしょ?だからもっと楽しく訓練できるようにしようって!束さんの思いやりだよ!」

箒「……胡散臭い。また素っ頓狂なことを」ジロ

一夏「確か、……いやそれより、どういうものなんです?それ」

束「一言でいうとゲーム感覚だね!それに学園の生徒みんなでやるからオンラインゲーム、ってところかな、さしずめ」

一夏「へえ……」

箒「……仮にもISは兵器だというのに、不謹慎な」

束「まあ不謹慎は束さんの専売特許だからね、しょうがないよ!」

箒「自分で言うんじゃない!」

一夏「ゲーム感覚でって……それ本当に効果あるんですか?」

束「もちろん!世紀末伝説・ISファンタジーで獲得したアイテムは、なんとISのスペックを実際に向上させるからね」

一夏「え……」

箒「本気で……言っているのか」

束「まあーあれだね、ぶっちゃけ今ごろ大騒動になってるだろうけど。わたしの知ったことじゃないし」

箒「あなたの発明でしょう!!」

束「……ま、どう使うかは使う人次第だよ。いつの時代もね」

束「じゃあ束さんはそろそろ帰るよ。…あ、縄だけ切ってくね。ばいばーい!」

バシュウウウウウウ

一夏「ジェットブースター……?」

箒「おい待っ……く、逃げ足が早い」スカッ

……

一夏「とりあえず教室にいこう、遅刻する」

箒「はあ……そうだな」


教室 ホームルーム

山田「えー皆さん、今日は重大なお知らせがあります」

ザワザワ

山田「このIS学園に新たな訓練設備を誘致することになりました」

千冬「どこかの馬鹿のお陰でな」

山田「……えー、篠ノ之束博士の考案です。詳細はお手元のハンドブックに記載されていますが、わからない事があれば質問してください」

「あのー、これ読んでるとまるでゲームみたいなんですけど……」

山田「……ゲーム感覚を追求したそうです」

「だ、大丈夫なんですかこれ……?」

山田「テストでの性能は実証済みだと聞きました。安全性も何ら問題はないそうです」

ザワザワ

セシリア「ちょっと、どういうことですのこれは!?」ガタッ

山田「……どういうこと、というのは?」

千冬「抽象的だな。問題点がありすぎて特定できないから、はっきりと言え」

セシリア「仕様についてです!搭乗機の性能を直接向上させる訓練など聞いたことがありません!」バンッ

山田「……ええ、世界初ですから」

千冬「お前もそのうち分かる。慣れろ」

セシリア「な、な……っ」プルプル


山田「えー……他に質問はありませんか?」

シーン

山田「……各国政府と学園の意向で本日の授業は自主訓練とします。各自、新しい訓練設備を試すなり、従来の訓練、座学の勉強、何をしても構いません」

シーン ザワザワ

山田「静かに。……ただし、風紀を乱さない範囲でお願いします。あまりにも目に余る場合、相応の処罰が下されますのでご注意ください」

千冬「以上、解散とする。各自研鑽に励め」

……ガヤガヤ


箒「……一夏、お前はどうする?」

一夏「新しい訓練設備を試すよ。なんだかんだ興味あるし」

箒「やはりか。……よし、私もいく」

一夏「え?……いいのか?」

箒「あれが発明した以上、見てみぬ振りもできまい。……すこぶる遺憾ではあるが」

一夏「はは……箒も大変だな」

箒「……」

一夏「?どうかした——」

セシリア「おーほっほっほ!」

一夏「……うわ、出た」

セシリア「織斑一夏!相変わらず冴えない顔ですこと、少しはわたくしの高貴さを見習ってみてはいかが?」フフン

箒「今日も絶好調のようだな」

セシリア「ふっ……今日も篠ノ之箒と一緒ですか。東洋の猿同士、お似合いですわ」

一夏「む……」カチン

セシリア「なんですの?」

一夏「いや。……優劣は勝負で証明する、それだけだ」

セシリア「……ふんっ」

スタスタ

箒「……一夏」

一夏「ごめんな箒、俺のとばっちりで」

箒「馬鹿を言うな!……そんなこと、気にするものか」

一夏「……。ありがとう」

箒「ふ、ふふふ、ふんっ!何歳からの付き合いだと思っている!いくぞ、訓練設備の空きが埋まってしまう」

ドシドシ

一夏「ぷっ……肩怒らせすぎだって」

ダッ

束ワールド全開だな

投下終了
亀ですがきっちりやってきます

しえん

しえーん

しえーん

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