まる子「あたしゃ磯野家を滅ぼしてみせるよ。」(149)

すみれ「なんてこというんだい!バカまる子!」

まる子「だって、みんなアイツらのせいで困ってるじゃん!」

まる子「女の人は恥ずかしい目にあって、男の人は殺されて」

まる子「笹山さんだって、連れてかれちゃったし…」

まる子「助けにいった藤木は次の日に首だけが見つかったし…。」

まる子「あたしゃ決めたよ!あのおぞましい2世帯住宅をこの地上から消し去ってやるんだ!」

すみれ「おバカ!そんなことしたら、お母さんたちまで殺されるでしょ!」

すみれ「そんなに死にたいなら、アンタひとりで死になさい!」

まる子「トホホ…」

翌日

たまえ「ええー!まるちゃん、磯野さんに歯向かうの!?」

まる子「そうさ、もうヤツらの好きにさせちゃおけないね!」

まる子「藤木の無念はあたしが晴らしてやるよ!」

永沢「はっ、バカだなさくらは。」

まる子「ちょっと永沢アンタ!それどういう意味さ!」

永沢「どういう意味も、そのままの意味に決まってるだろ?」

まる子「アンタねぇ、藤木が殺られたんだよ?親友としてくやしくないの!?」

永沢「自分の分もわきまえない藤木くんが悪いんだ。」

永沢「磯野さん家に逆らうなんて、今時警察でもしないのにね。」

まる子「何さ!アンタに藤木を卑怯呼ばわりする筋合いないね!この卑劣!」

永沢「なんとでもいえばいいさ。さくらもせいぜい殺されないように媚び売ってきなよ。」

たまえ「まるちゃん、よした方がいいよ…。」

まる子「いーや、ダメだね!あんなヤツら、誰かが始末しなきゃダメなのさ。」

まる子「あたしゃねえ、正義の名においてヤツらを始末してやるんだ!」

たまえ(まるちゃん、ただの子供の私達に出来ることはないよ…)

まる子「もちろん、たまちゃんも手伝ってくれるよね?」

たまえ「え?」

まる子「ね!」

たまえ「う、うん…」

放課後

まる子「でもさ、私達二人じゃまだ戦力不足だよ。」

まる子「だからさァ、男子たちが協力してくれるといいんだけど…。」

たまえ「でも、みんなビビって手伝ってなんかくれないよ……。」

まる子「そうなんだよねえ。ウチのクラスにはもっと骨のあるヤツはいないのかね。覚悟が足りないね。」

たまえ「ははは、子供に求めちゃいけないレベルの覚悟だと思うよ。」

大野「ハア…、ハア…!」

大野「さくら達、まだいるか!」

まる子「はれ?大野君。どうしたの?」

大野「お前ら、磯野んとこに乗り込むんだよな……。」

まる子「そうなんだけどさぁ、どうにもこれが戦力が足りなくてねェ。」

大野「……俺もいくぜ。」

まる子「本当!?そりゃ助かるねぇ!」

たまえ「でも、どうして?」

大野「…杉山がやられた。」

タラオ「さっさと城ケ崎さんの居場所を吐くですぅ~(ドゴ」
笹山「あぐっ……誰が……あなたたちなんかに………」
タラオ「そんな口きいていいんですかぁ?(ガシッ」
笹山「あっ……」
タラオ「このまま腕を折るですぅ~(ボキッ」
笹山「いやああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」

まる子「う、うそ…!」

大野「杉山が磯野の所の孫にサッカーボールけらしてくれって言われてよ。」

大野「それでちょっと蹴らしてやったんだけど、ソイツ、勝手に転びやがったんだ。」

大野「そしたら、あのガキが逆ギレしやがって…、もってた拳銃で杉山を…!」

たまえ「そんな…、ひどい。」

まる子「これはいよいよ放って置けなくなってきたねぇ。」

たまえ(いよいよ止めた方がいい気がしてきた…)


永沢(さくらたち、本当にやるつもりなのかな…) コソコソ

たまえ「でも、いくら大野くんでもあの磯野さん達にはかなわないよ…」

大野「確かになぁ、…杉山を失ったのはいた過ぎる。」

まる子「そんな弱気になっちゃダメだよ!あたしゃこの三人でも乗り込むつもりだよ!」

たまえ「そんなの、みすみす殺されるようなものだよ!」

まる子「う…、それでも、磯野をこのままにしてはおけないんだい!」


はまじ「さくらー、俺も手伝ってやるよ。」

ブー太郎「ブー。藤木はともかく、杉山くんが殺されたとなっちゃダマっちゃおけないブー!」

小杉「アイツら、俺のたこ焼き横取りしやがった!」

まる子「あんたたち!これは頼もしいねぇ!」

はまじ「あとは丸尾と花輪がいればなー。」

ブー太郎「そうだブー。頭と金さえあればいけるブー!」

小杉「そんな簡単なこっちゃねェだろ!」

小杉「相手はこの俺からたこ焼きを奪うほどのヤツらだぞ!」

大野「小杉、黙ってろ。」

はまじ「とにかく、あの二人も誘って、明日もっかい会議しようぜ!」

翌日

丸尾「ズバリ、あまり気はすすまないでしょう……。」

花輪「ま、これも人助けだよベイビー。」

ブー太郎「これであらかたそろったブー。」

大野「ちょっと待ってくれ、もう1人入りたいってヤツがいるんだ。」

まる子「おや?まだいるの?」

大野「ああ。おい、入って来いよ。」


カツオ「………どうも。」

はまじ「こ、コイツ!磯野家の長男坊じゃねーか!」

ブー太郎「飛んで火にいる夏の虫だブー!やっちまえブー!」

小杉「うぉおお!たこ焼きかえせこの坊主頭ー!」

大野「やめろお前ら!…おい、自分で説明しな。」

カツオ「…実は、僕も家の状況にはウンザリなんだ。」

カツオ「甥っ子のタラちゃんを筆頭に、皆、おかしいんだよ!」

カツオ「なんとかしないとって思ってた。」

カツオ「それで、思い切ってこの前死んだ子がいたこのクラスの子に話しかけたんだ。」

カツオ「最初は警戒されたし、すごく蔑まれた。」

カツオ「でも、家族を御しきれないのを反省して頭を丸めたのを見せて、なんとか理解してもらった。」

大野「それがめぐりめぐって、俺のところに来たってわけだ。」

まる子「なんだか、神様が私達に微笑んでるきがするねぇ、たまちゃん!」

たまえ「そうだね…」

はまじ「ぜってー罠にきまってんだろ!」

ブー太郎「そうだブー!わざわざ危険因子を抱える必要なんかないブー!」

小杉「そうだそうだ!わざわざ毒キノコ食うようなもんじゃねーか!」

花輪「毒も使いようでは薬ににもなるよ、ベイビー?」

まる子「まあ、大野くんがつれてきたなら信頼していいよね。えーっと…。」

カツオ「カツオです。」

はまじ「カツオ、お前変な真似したら巴川に沈めるからな!」

まる子「ちょっとはまじ!川田さんに迷惑かけるんじゃないよ!」

はまじ「わ、悪い…。とりあえず妙なマネはするなよ!」

カツオ「分かってるよ…。」

丸尾「ズバリ、これで敵の内情をしることが出来るでしょう!」

ブー太郎「ブー。」

小杉「そうなりゃ腹はってくるな…。」

たまえ「小杉アンタ…。」

大野「ハハハ、まあ腹が減っては戦はできぬっていうしな。」

大野「それじゃ、そろそろ乗り込もうぜ!」

たまえ「えええっ!?もう!?」

大野「ったりめーだ。一日もはやく、杉山の敵をとるんだよ!」

ブー太郎「ブー、杉山くんは俺たちの大事な仲間なんだブー!」

まる子「そうだよ、あたしゃもう磯野家のヤツらをはやく懲らしめたくてウズウズしていんだよ。」

たまえ(ああ、タミーは本当はいきたくないのに…)

小杉「よーし、それじゃたこ焼きの仇を討ちに乗り込むぜ!」

永沢「あれ?さくらたちじゃないか。どうしたんだい?」

まる子「へへん、あたし達いまから磯野家にカチコミかけるんだよ。」

永沢「ふーん、自ら殺されにいくだなんてばかばかしいな。」

たまえ「ちょっと、永沢!」

永沢「穂波だっけ、本当はノリ気じゃないんだろう?」

たまえ「そ、それは…!」

永沢「止めといた方が懸命だよ。君達はまだ若いんだしさ。そんな無駄な時間をすごすヒマがあるなら…」

たまえ「私だっていくもん!まるちゃんと一緒にどこまででもいく!」

永沢「!?……へん、そうかい。なら皆でなかよくあの世にでもいきなよ。」

永沢「それじゃ、僕はこれで失礼するよ。」

まる子「なにさー!永沢なんかもっかい火事にあえばいいんだ!」

たまえ「まるちゃん…。」

永沢「さくら達は本当にバカだよな…、長い物には巻かれるしかないのさ。」

野口「くっくっく…。」

永沢「!?・・・なんだよ、脅かさないでくれよ。」

野口「くっくっく…。」

永沢「相変わらず君悪いな君は。笑ってちゃわからないだろう?」

野口「あーあ、さくらさんたち行っちゃった。」

永沢「…本当、バカな奴らだよ。」

野口「くっくっく…」

永沢「………?」

磯野家

大野「ここか…!」

カツオ「今はみんなパーティの時間だよ。」

まる子「パーティ?」

カツオ「姉さんが殺した人を、みんなで食べるんだ。」

小杉「なにぃ!?流石の俺もカニバリズムはムリだ…。」

丸尾「ズバリ!磯野家は狂気にみちているでしょう!」

花輪「一応、花輪家のSPがつかう防弾チョッキをもってきたよベイビー。」

はまじ「おぉー、さすがだぜ。」

ブー太郎「なんか本格的だブー!」

カツオ「それじゃ、僕から入るよ。きっと姉さんがくる…!」

カツオ「ただいまー!」 ガララ

サザエ「カツオ。お帰りなさい。」

サザエ「あら、お友達?丁度よかった、いまパーティしているところなの。」

カツオ「ね、姉さん!僕たちはいいから。」

サザエ「いいわけないでしょう?ほら、さっさと手を洗ってきなさい。」

カツオ「姉さん!本当にいいって!」

サザエ「何よ、聞き分けの無い子ね!」

サザエ「後で父さんにきっちり叱って貰わないとだめね。」

サザエ「その前に私が叱ってあげるわ、カツオオオオオオ!」

サザエ「一児の母の、包丁さばきで姉の素晴らしさをしれー!」 ヒュンッ!

ブー太郎「や、やばいぶー!」

大野「落ち着け、ブー太郎!大根切って刀の達人になれるワケがねえだろ!相手はド素人だ!」

ブー太郎「それでも怖いブー!切られるブー!おいらもういやだブー!」

はまじ(くそっ、ブー太郎がパニックになっちまった!)

まる子(どうしよう、このままじゃ殺されちゃうよ!)

サザエ「あら、美味しそうな豚さん…。」

サザエ「今夜はトンカツね!」

ブー太郎「ぶぶぅ!?」

カツオ「しめた!姉さんは今彼に集中している!」

大野「いまの内に逃げるぞ!」

まる子「でも、ブー太郎はどうするのさ!?」

たまえ「大丈夫、きっとブー太郎なら大丈夫だよ!」

丸尾「ズバリ!彼ならやり遂げてみせるでしょう!」

タッタッタ

小杉「うへへへ、トンカツか…ジュルッ」

小杉「あぁっ!逃げ遅れちまった!」

ブー太郎「ブー…、もうダメだブー!」

サザエ「うふふふ、じゃーんけーん…ぽーん!」

小杉(ブー太郎があぶねえ!)

小杉(ブー太郎は俺のトンカツだ!)

小杉「どけえええええ!」

ドンッ

サザエ「きゃっ…」

サザエ「あらァ?…そんなに待ちきれないの?」

小杉「……」 ドクンドクン

サザエ「いますぐにトンカツ作ってあげるからねぇ。」

小杉「……」

小杉(落ち着け、この女はそこまで強くないはずだ…)

小杉(……ブー太郎!この女の足に飛び込んでくれ!)

ブー太郎(ブブ?足かブー?)

小杉(ああ、一か八かだ!)

ブー太郎「わかったブー!」 ガババッ

サザエ「きゃ…」

ガバッ グイッ ドシーン!

サザエ「イタタタ…、はっ、包…丁が…。」

小杉「へっへっへ。たこ焼きと杉山の仇だー!」

ザクッザクッザクッ
ドシュドシュ

ブー太郎「ぶ、ぶ…。ブー…やったブー?」

小杉「ああ、やったぜブー太郎!」

ブー太郎「ブー!怖かったブ~!小杉ブー!」

ドシュッ

ブー太郎「…ブ?」

小杉「ごめんな、ブー太郎。腹ァ、減ったんだ。」

カツオ「あとは妹のワカメと甥のタラちゃんと、マスオ兄さんと母さんと父さんか!」

カツオ「僕が甥のタラちゃんを引き受けるよ。」

カツオ「あとは任せたよ!」

大野「それじゃ、俺は親父さんにいくぜ!」

丸尾「ズバリ!妹さんにいくでしょう!」

たまえ「それじゃ、私はお兄さんにいくね!」

まる子「とほほ、あたしゃおばさんか…。」

花輪「それじゃ、僕はここで待機しておくよ。」

花輪「みんな、これを持っていってよ。」

まる子「あんた、これ拳銃じゃないか!」

花輪「相手が明確に殺意を抱いてる以上、こちらも殺意で対応するしかないよベイビー。」

大野「……あくまでも奥の手だな!」

丸尾「ズバリ!いきなり撃つのはNGでしょう!」

ワカメ「どうしたの?さっきから煩い…」

ターンッ

丸尾「とはいえ、悪には遠慮は必要ないでしょう!」

ワカメ「…い、いきなり撃つなんて。」

丸尾「ズバリ!これでトドメでしょう!」

ターンッ

丸尾「」

ワカメ「は、ハジキくらい、私だってもってるわ。」

ワカメ「私はお兄ちゃんみたいにウスノロじゃないもの。」

カツオ「ワカメのヤツ…」

まる子「ま、丸尾くんがやられちゃったよ!」

まる子「あたしゃ後悔してるよ、たまちゃん。」

たまえ「まるちゃん?」

まる子「頭も何かでまもってくべきだったんだよ。」

たまえ「ま、まるちゃんいまさら…。」

ワカメ「お兄ちゃん、いたずらばっかりしてるとお父さんに叱られちゃうよ?」

ワカメ「だからららららら、早くなかか、なおりしましょう?」

ワカメ「わぐ、ひ。私はおこってないから!」

花輪「Fu~…。クレイジーだね。ベイビー。」

大野「常軌を逸してやがるぜ!」

はまじ「ああ、そうだな。」

はまじ「やい、そこのガキ!」

はまじ「丸尾をよくも殺してくれたな!」

ワカメ「わたし、パンツ見えてるから無罪だもん。」

はまじ「……意味がわからねーぞ!」

ワカメ「パンツパンツ。パンツのな~かから…」

ワカメ「手榴弾~♪」 ヒュッ!

花輪「伏せなベイベー!」

ドォォオゥン

ワカメ「ふう、これでお掃除完了ね。」

ワカメ「さて、パーティの続きしないと…」 コロン…

ワカメ「あら?」

ワカメ「……こ、これはまさか…!」


ドオオンン!

花輪「皆、いきてるかい?」

花輪「ヘーイ。君は自ら生み出した粉塵で僕も手榴弾をなげたのに気づけなかったわけだね。」

花輪「ははっ、とはいえ。肉塊に聴覚はないよね、ベイビー?」

まる子「けほ、けほっ!」

たまえ「す、すごいよ花輪君!」

大野「これで丸尾の仇は討てたな!」

はまじ「ズバリ、正義は勝つってわけだ!」

小杉「お~い!」

大野「小杉ィ!」

たまえ「よかった、無事だったんだね!」

小杉「ああ、あの変なおばさんをぶっ倒してきたぜ。」

まる子「ブー太郎は?」

小杉「あ、ああ…。帰ったよ。ゲプゥ」

小杉(くそ、ブー太郎があまりにもうまいからおばさんもくっちまった!)

小杉(カニバリズムって結構いいもんだな。)

たまえ「小杉、なんだか晴れやかな顔だね。」

はまじ「ああ、やりきった男の顔だよ。」

大野「…あれ、カツオがいねーぞ?」

まる子「まさか!先に1人でいっちゃったんじゃ!」

花輪「それは大変だ。すぐに後を追おうじゃないか、ベイビー。」

タラオ「わーい!カツオお兄ちゃんこっちですよー!」

カツオ(くそ、疾い…!)

タラオ「カツオお兄ちゃん、本当に僕を殺したいんですかー?」

タラオ「やる気みせてくださーい。」

カツオ(………)

カツオ「ねえ、タラちゃん僕がいい事を教えてあげよっか。」

タラオ「なんですかー?」

カツオ「カツオは…勝つ男ということを!」

マスオ「えぇっ!?ワカメちゃんを倒したのかい!?」

マスオ「ソイツはすごいねえ!」

たまえ「もう諦めて降参してください!」

マスオ「それはできない相談だねえ。」

マスオ「どうやらサザエも負けちゃったみたいだし。」

マスオ「僕が頑張らないと、家を追い出されちゃうよ!」

マスオ「お義父さんは頑固だからねえ」

たまえ「なら貴方を殺します!」 カチャッ


バキィッ

たまえ「…っ!?」

マスオ「うふふ、お義父さんのゴルフクラブはいいなあぁ。」

ゴルフクラブで殴打したんならもっと鈍い音だと思うけど

バキッ!ドカ!

マスオ「ほれほれ、痛いか?痛かったらゆうてみやぁ!」

まる子「た、たまちゃん!」

マスオ「おっと!動かん方がええでェ。」

マスオ「おのれらみたいなガキがハジキ使こうたところで」

マスオ「全部弾き飛ばしたるさかいのぉお!!」

まる子(どうしよう、たまちゃんが殺されちゃうよ!)

まる子(あたしゃたまちゃんがころされたらもう生きてけないよ!)

>>86
実際殴打したないことないからわからんのだ、すまんw


マスオ「ほれほれ、もっと痛がれやー!」

マスオ「せっかく手加減したってるんやからなぁ!」

マスオ「ぶわははははは!」



パリーンッ


チューンッ

マスオ「ぐぉっ!あ、足が…!」 ガクガクッ

マスオ(何や…、誰が撃って来よったんや…!?)

マスオ(まだ仲間がおったんか!?)

大野「なんだ今の!?」

はまじ「外から何か飛んできたぞ?」

花輪「ヘイ!穂波くん!今の内にやっちまいな!」

たまえ「うん!」

たまえ「うおおおおおおっ!」 バララララララっ!

マスオ「うぐっ!ぐひっ!ぐえっ!ぎゃう!…ごふう!」

たまえ「や、やった!」

たまえ(でも、誰があんなことを…?)

伊佐坂家屋根

永沢「これで満足かい?それにしても、よくこんな狙撃銃持ってたね。」

野口「…いーよ。くっくっく。」

野口「やるじゃん。」

永沢「よしてくれよ。やったのは穂波じゃないか。」

野口「……ブフッ」

永沢「本当に気味が悪いな君は。」

花輪「何にせよ、これで残るはカツオくんの担当を除いてふたりだね。」

はまじ「ああ、あとは親ふたりだけだな!」

まる子「ついにあたしの番だよ、腕がなるねえ!」

大野「よし、さくら!おれと一緒にこい!」

花輪「なら、浜崎くんと穂波くんは僕がエスコートするよ。」

まる子「たまちゃん、絶対に勝とうね!」

たまえ「うん!」

お台所

フネ「ほら!さっさと煮込んどくれよ!」

笹山「……。」

はまじ「あ、笹山だ!」

笹山「……!」

たまえ「笹山さん!たすけにきたよ!」

笹山「こないで!」

花輪「……どういう事か説明してくれるかい?」

笹山「だって、私を助けにきた藤木くんも、殺されたのよ!?私のせいで藤木くんが!」

笹山「だから、きっとみんなも!」

はまじ「心配すんなよ、ぜってー助けるから!」

花輪「そうだよ。僕たちはきっと助けて見せるさ。だから、彼の墓標の前で笑ってあげなよベイビー?」

フネ「おやまあ」

フネ「勝手に奴隷を連れて行かれちゃ困りますよ。」

フネ「それに、私はサザエの何倍もの場数を踏んでいるんですよ?」

フネ「わかったら、さっさと尻尾まいてお逃げ。」

はまじ「へっ、誰が逃げっかよ!ブー太郎じゃねぇんだぞ!」

たまえ「そうだよ、この状況で逃げるのはブー太郎くらいだよ!」

花輪「そういう事だから、マドモワゼル。老兵はさっさと退場しておくれよベイビー?」

フネ「生意気な子だこと!」 シュパパパッ

はまじ「なんて包丁さばきだ!」

花輪「流石に、さっきのお姉さんとは段違いだねベイビー」

たまえ(タミーにはあの太刀筋が追えないよ!)

フネ「それじゃ、誰から料理しようかしらね。」

小杉「りょ、料理だとぉっ!?」

たまえ「小杉っ!」

小杉「おいばーさん!いま料理つったな!」

小杉「よーし、腹がへってきたぞー!はやく食わせろ!」

フネ「なんて体だい!ちゃんと運動しなきゃだめじゃないか。」

小杉「うるせえ!運動するくらいなら食うのが俺のポリシーだ!」

フネ「仕方のない子だね。だったら、その肉を削ぎ落としてあげましょ。」 シュラッ

はまじ(…よし、小杉を囮にするぞ!)

たまえ(ええ!?)

花輪(何か策でもあるのかい?)

はまじ(ああ、うまくいけば勝てるぞ!)

フネ「…シュッ! ヒャァオ!」 

小杉「おっとぉ、流石にはえーな。俺には避けるのがやっとだぜ。」

フネ「ヒョーッ! シャァオ!」

小杉(くそ!手刀の一発一発がまるで包丁じゃねーか!)

小杉(それにしても、なんて華麗な技なんだ!まるでフカヒレスープの油のような煌き!)

フネ「よく避ける子だね、まったく…」

フネ「タラちゃん以外にこれをよけたのはお前が初めてだよ」

フネ「でもね、これもここでおしまいですよ! ヒャァオ!」 シュッ ズバッ!

小杉「ごふっ…!」

小杉(あ、あまりの速さと華麗さに見とれちまった…)

フネ「ブヨブヨの脂と肉を削いであげましょうね…」 シュッ ズバババババ

小杉「あ、あぁっ、ぐああああっ!」

はまじ(小杉、耐えてくれ!そのばあさんの料理が終わるまでに助けるから!)

はまじ(…そのままだ、そのまま小杉に集中してろよ…) コソコソ

はまじ(…ゆっくりだ。ゆっくりと近づくんだ)

はまじ(ゆっくり、ゆっくり…)

はまじ(よし、いまだ!) 

はまじ「穂波!」

たまえ「うん!」 ダララララララッ

フネ「……なんだい、全部外してるじゃないか。」

フネ「不意打ちでもしたかったんだろうけど、甘いよ。」




はまじ「それはどうかな?」

フネ「……?」 

ジジッ…、ジジッ…

フネ「…!で、電子レンジが…!」

ジジジっ ジジジ…

パチパチ…

はまじ「小杉!伏せろ!」

ドゥゥウン!

フネ「けふ、けふ…。」

フネ「生意気な子達だよ…」

フネ「もう許しませんよ、貴方達にはしんでもらいますからね!」

花輪「おっと、マドモワゼル。もう降参すべきじゃないかな?」

花輪「浜崎くんは、貴方にここまでの重症を負わせながら殺さなかった。」

花輪「電子レンジをショートさせて爆破するなんて、回りくどいやりかたをしてまでね。」

花輪「そう、殺意をもった貴方を、殺意を抱きつつもその命を守ろうとしたのさ」

フネ「……」 ガクッ

花輪「貴方は彼の優しさと自身の卑しさの差に負けたのさ」

波平の間

大野「さくら、大丈夫か?」

まる子「ああ、あたしゃ平気だよ…」

まる子「それより、この人がカツオくんのお父さん?」

まる子「それにしては若いね。」

ノリスケ「はっはっは、僕は彼の従兄だよ。」

ノリスケ「おじさん。つまりカツオくんのお父さんにはちょっと退場ねがったのさ。」

ノリスケ「カツオくんが乗り込んでくると聞いて、彼じゃ力不足だと判断したからね。」

ノリスケ「さて、取引しないかい?」

大野「取引だぁ?」

ノリスケ「君たちでは、絶対に彼。タラちゃんには勝てない。」

ノリスケ「だから、君たちも諦めるんだ。」

ノリスケ「そこかわり、僕たちも少しは乱暴を控えるようにするよ。」

まる子「ふざけんじゃないよ!あたしゃねえ。磯野家を消しにきたんだよ!」

ノリスケ「それが困るんだよね。」

ノリスケ「磯野家は僕のエサ場だ。」

大野「餌場?」

ノリスケ「そう、磯野家に狂気をうけつけ、そしてやりたい放題させる。」

ノリスケ「そして僕は彼らの蛮行を記事にまとめて、世に流す。」

ノリスケ「これで僕はしがない編集者からいっきに正義のジャーナリストだ!:

ノリスケ「彼らに狂気を受け付けるのは簡単だったよ…。」

ノリスケ「ちょっと、暗示を与えてやるだけでここまで壊れてくれた!」

ノリスケ「とはいっても、タラちゃんは暗示にかかったふりだったようだけどね。」

大野「つまり、お前がすべての元凶なのか!」

まる子「あたしゃ怒ったよ!」

ノリスケ「おぉっと、君たちが吼えたところで僕がやったなんて誰も信じないよ。」

ノリスケ「はっはっは!あはは、あーっはっはっは!」

ノリスケ「さあ!タラちゃんとカツオくんの殺し合いを見物しにいこうじゃないかああああ!」

カツオ「う、ぐ…」

タラオ「カツオお兄ちゃんよわいでーす。」

カツオ(くそ!これで3歳児というのだからおそろしい!)

カツオ(しかし、勝機はきっとある!)

ノリスケ「おぉー!やってるなー!」

ノリスケ「カツオくーん!タラちゃーん!愉しんでいけよー!」

ノリスケ「あっはっはっは!」

大野(この男、壊れてやがるぜ!)

タラオ「うるさいでーす」

ターン

ノリスケ「 」

タラオ「言われなくても愉しむデス!」

タラオ「カツオおにいちゃんはぼくが殺すんですよぉ!」

タラオ「他の誰にも渡さないし、他の誰にも口出させないです~~!」

タラオ「ハイエナは自分の死体でもくってなさーい!」

カツオ(タラちゃん……)

タラオ「さああ!こrrrしあうですぅ!」 ターンターン

カツオ(なんていう歪んだ甥…)

カツオ「せめて僕が…殺してみせるよ!」 ダダダダッ


花輪「……おそらく、決着はすぐにつくだろうね」

大野「そうだな…なんとなくそんな気がする」

小杉「何かを決める戦いってのは、そういうものなのかもしれないな。」

はまじ「ああ、目がはなせないぜ!」

タラオ「これでフィニッシュデース!」カチュ


カツオ「……」 カチャ


ターン ターン

カツオ「 うぐっ… 」 ガク

タラオ「カツオお兄ちゃん……」 ニヤァ

タラオ「……参ったです…」 ドシャァア


まる子「か、勝ったの?」

はまじ「やったんだ、磯野家の悪夢はおわったんだ!」

大野「やった、やったぜ杉山ァアア!」

花輪(ふふっ、よかったよかった)

小杉「腹減った…、そがれた俺の肉はまじぃし…。」

カツオ「みんな、ありがとう。」

まる子「いいんだって、あたしゃな~んもしてないし。」

たまえ(まるちゃん言いだしっぺなのにね。)

大野「ま、何にせよこれからは平和に暮らせるわけだ。」

花輪「でも、丸尾くんは殺されてしまったね。」

はまじ「ああ、それにしてもブー太郎だよ!」

小杉「そそそ、そうだよな!1人で帰りやがって!」

まる子「明日あったらとっちめてやらないとダメだめこりゃ。」

はまじ「藤木が死んだし、二代目卑怯はブー太郎だな!」


キートン「本当に卑怯なのは小杉であることを知らぬまま、まる子たちの戦いは終わりを告げたのだった」


おわぃ

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