あかり「みんな風邪引いちゃったよぉ…」(138)

あかり「おはよう、櫻子ちゃんに向日葵ちゃん!」

櫻子「おはよーあかりちゃん!」

向日葵「赤座さんおはようございます」

あかり「すっかり寒くなっちゃったね…もう雪積もってるよぉ」

向日葵「そうですわね、櫻子ったら今朝二回も尻餅ついて…」

櫻子「何言ってんだよ、お尻で餅つけるわけないだろ」

向日葵「…」

あかり「あ、あはは…」

櫻子「え?え?」

あかり「ちなつちゃん風邪引いちゃって、今日おやすみなんだよ」

向日葵「あら、本当ですの?」

櫻子「大丈夫かな~ちなつちゃん」

あかり「そんな熱はないみたいだから、今日と週末休めば大丈夫だってさ」

向日葵「そうですか、安心しました」

櫻子「あ、そっか今日金曜日なんだ」

向日葵「いま今日の曜日知ったみたいな反応ですのね櫻子」

向日葵「時間割揃えるときに曜日くらい確認するでしょ?」

櫻子「私がそんな事すると思うか、向日葵!」フフン

向日葵「そんな得意げな顔されましても・・・」

向日葵「時間割揃えませんから忘れ物するんですのよ?」

櫻子「えーでもめんどっちいよ…」

あかり「ふふっあまり向日葵ちゃんに迷惑かけちゃダメだよ櫻子ちゃん」

向日葵「赤座さんの言う通りですわ」

櫻子「え、迷惑だったんだ…ゴメン」

向日葵「いや、その…迷惑と言えば迷惑ですけど」

櫻子「…」ショボーン

向日葵「あぁ、もう!迷惑じゃありませんから」

向日葵「…しょんぼりするのやめなさいな、らしくもない」

櫻子「ぷぷぷ、ちょろいな向日葵は」

向日葵「なっ!騙しましたのね櫻子!」

櫻子「甘いなぁホント、これじゃ次の生徒会副会長は私で決まりだな」

向日葵「な、なんですってぇ!…あら簡単な事ですわ」ニヤッ

櫻子「なんだよその不気味な笑いは!」

向日葵「もう宿題も教えてあげませんから、生徒会副会長様」

櫻子「そ、そんなぁ…ごめん謝るからそれは勘弁してよ!」

向日葵「ぷぷっちょろいですわね櫻子」

櫻子「くそー!いつか絶対ぎゃふんと言わせてやるからな!」

あかり「ふふふ」

櫻子「ん、どうしたのあかりちゃんそんなニヤニヤして」

あかり「ニヤニヤ!?そこはニコニコにしてほしいなぁ・・・」

あかり「二人ともホント仲がいいんだなぁと思って」

櫻子「な、何言ってんだよあかりちゃん!」

向日葵「そうですわ赤座さん!」

櫻子「変な事言うのはこのお団子か!」

あかり「や、やめてぇ櫻子ちゃん。あかりのお団子は食べられないよぉ!」

向日葵「コラ櫻子!赤座さんから離れなさい!!」

櫻子「ふがふが」

あかり「ひえぇぇぇぇええええお助け~」

お昼

向日葵「赤座さん、お団子に櫻子の歯形が付いてますわ」

櫻子「うぅぅ…ごめんねあかりちゃん」

あかり「気にしないで櫻子ちゃん、あかりのお団子美味しかった?」

向日葵「…赤座さんはホントいい子ですのね」

櫻子「うーんちょっと歯ごたえがなぁ」

向日葵「おバカ櫻子…」

あかり「ふふっあかりちょっとおトイレ行ってくるね」

櫻子「おー寒いから気を付けてね」

あかり「お団子に歯形ってほんとかなぁ」

綾乃「あら、赤座さんじゃない」

あかり「杉浦先輩こんにちは!…マスク使ってますけど、大丈夫ですか?」

綾乃「ん~早退も考えたけど、あと2時間だし頑張るわ」

あかり「無理しないで下さいね、ちなつちゃんも今日風邪ひいておやすみなんです」

綾乃「あら吉川さんもなの?」

あかり「も・・・?他にも風邪ひいてる人いるんですか?」

綾乃「歳納京子と船見さんも風邪ひいて今日来てないの」

あかり「えぇ本当ですか!・・・あかり今日一人ぼっちだよぉ」

綾乃「ふふ寂しかったらいつでも生徒会室まで来てもいいわよ」

綾乃「赤座さんならきっと生徒会でも活躍できるわ!」

あかり「ぇへへそんな褒めすぎですよぉ」

あかり「杉浦先輩とこうやって二人で話すのは初めてですね」

綾乃「そうねぇ赤座さんとはあまり絡んだことがないものね」

あかり「杉浦先輩いつもごらく部に来てくれてますけど…」

綾乃「そ、それは歳納京子が何かとプリントの未提出があったりその」

あかり「ふふっほんとに京子ちゃんの事好きなんですね」

綾乃「な、なんでそうなるのよ赤座さん!」

あかり「嫌いならわざわざ遠いごらく部まで来る必要ないですからねぇ」

綾乃「うぅぅ言い返せない」

あかり「…あかりも京子ちゃんの事大好きですよ」

綾乃「えっ!!?」

綾乃「そ、それってどういう・・・」

あかり「結衣ちゃんも、ちなつちゃんも、生徒会の人もみんな大好きです!」

綾乃「あぁ、友達としてってことね」

あかり「はい!」

綾乃「ふふっ赤座さんらしいわ」

あかり「えっ?」

綾乃「何でもないわよ、ホラこんな寒いところで立ち話してると体に悪いわ」

あかり「そうですね、お体お大事にして下さい杉浦先輩!」タタッ

綾乃「…いい子ねぇ」

あかり「うぅぅ廊下寒かったよぉ~」

櫻子「お帰りあかりちゃん、私が給食準備しておいたよ」

あかり「ほんとに?ありがと櫻子ちゃん!」

櫻子「えへへなんのなんの」

向日葵「…準備したのは私なんですけどね」

櫻子「てへへ」

あかり「えぇ向日葵ちゃんがやってくれたの!?ごめんねありがと向日葵ちゃん」

向日葵「いいえ友達ですもの、気になさらないで下さい」

あかり「ぇへへそうだね」

櫻子「むぅ…」

あかり「そう言えばそこで杉浦先輩に会ったんだけどね」

あかり「風邪ひいてたみたいで大きなマスクしてたよ」

櫻子「杉浦先輩が?」

あかり「うん、あと結衣ちゃんと京子ちゃんも風邪ひいておやすみだって」

向日葵「あらあら、本格的に風邪の季節ですのね」

あかり「京子ちゃんはお家にお母さんがいるから大丈夫だと思うけど…」

櫻子「あ~船見先輩は一人暮らししてるんだっけ」

あかり「うん、結衣ちゃん大丈夫かなぁ」

櫻子「船見先輩にメールでもしてみれば?」

向日葵「なっ!学校で携帯をいじるなんてそんなのいけませんわ」

櫻子「頭固いな~固いのはお尻だけにしておけよ向日葵」

向日葵「こんの馬鹿娘…」

あかり「ごめんね向日葵ちゃん、今日だけは許してもらえるかな」

向日葵「ふふっ事情があるなら仕方ないと思いますわ」

向日葵「先生に見つからないように気を付けて下さいね」

あかり「うん!」

あかり「えーっと手短に、『結衣ちゃん風邪大丈夫?』っと」

櫻子「ちぇっ~あかりちゃんにだけ優しいんだからさぁ」

あかり「ぇへへ、向日葵ちゃんありがとう!」

向日葵「櫻子も赤座さんみたいにいい子になりなさいな」

櫻子「うるせーやい!今日はやけ牛乳でい…」

あかり「ねぇ櫻子ちゃん」

櫻子「んぐ?」

あかり「さっき向日葵ちゃんのお尻が固いって言ったけど…」

向日葵「なっ」

あかり「どうしてそんなこと分かるのかな?ほんとに触ったの?」

櫻子「ブフゥ!」

向日葵「ちょ、ちょっと赤座さん何言ってますの!」

櫻子「げほっゲホッ!」

あかり「ご、ごめんねぇ…でも決めつけちゃ向日葵ちゃんが可愛そうだと思って」ショボン

向日葵「赤座さん…」

櫻子「…ごめん、悪かったよ向日葵」

向日葵「ふ、ふん…言っておくけどそんな固くありませんからね」

櫻子「分かってるよ、子供のころ触ったことあるもん」

向日葵「は、はぁ!?何言ってますの櫻子!」

櫻子「あれぇ私の勘違いかな~」

向日葵「絶対にそうですわ!」

櫻子「ひまちゃんとさーちゃんって呼び合ってた時にさ」

櫻子「よく体の触りあいとかしてなかったっけ」

向日葵「そ、そんな昔の事のこと覚えてるわけありませんわ!」

櫻子「えー…じゃあどうして顔真っ赤なのさ向日葵」

櫻子「ほんとは覚えてるんだろ~?」

向日葵「……えぇ触りましたわ、触り合いましたわ!」

向日葵「これでいいですの!?」

櫻子「お、おう…」

あかり「…二人とも顔真っ赤だよぉ」

向日葵「くっ…全部赤座さんのせいですわ!」

あかり「えぇあかりのせいなの!?」

櫻子「あーなんか冷静になるとすっごい恥ずかしい」

あかり「で、でも二人ともほんと仲いいんだねぇ」

櫻子「まぁ、仲いいんだろうね…」

向日葵「うぅーなんですのこの仕打ちは…」

授業中

<え~ここにy=xの関数が…

あかり(結衣ちゃんからメールの返信こないなぁ)

あかり(ど、どうしよう…すごいお熱で動くことも出来ない状態だったら)

あかり(心配だよぉ…)

先生「ん?赤座ぼーっとしてるな、この問題の答えはどうなる?」

あかり「は、はひ!?えっと…」

向日葵「y=3ですわ」コソコソ

あかり「y=3です!」

先生「うんいいぞ、正解だ」

あかり「向日葵ちゃんごめんねぇ」

向日葵「いいえ、珍しいですね赤座さんが上の空なんて」

あかり「うん気を付けるよ」

向日葵「櫻子はいつも通り爆睡してますわね」

櫻子「zzz…ひまちゃん…大好きぃ」

向日葵「な、何言ってますのこの子は…!」

あかり「ふふふ」

キーンコン カーンコン

櫻子「くぁぁ~よく寝たー、向日葵あとでノート見せてね!」

向日葵「…もとからそのつもりですわ」

櫻子「え!?…いつもなら小姑みたいに文句言ってくるのに」

櫻子「何かいいことあったの?」

向日葵「よ、余計なお世話ですわ!小姑で悪かったですわね…」

向日葵「ところで赤座さん、船見先輩から連絡ありましたの?」

あかり「ううんまだないね…」

櫻子「ほんとに?もう放課後になっちゃったけど」

あかり「結衣ちゃん心配だよ」

櫻子「メールも返せないほど衰弱してる…とか」

あかり「そ、そんなぁ」ウルウル

櫻子「起き上がる時に貧血でも起こして頭を強く打ってそのまま…」

向日葵「こら櫻子縁起でもないやめなさいな」

櫻子「なーんてね、…あかりちゃん?」

あかり「う、うぅ…うわぁあああああ……」ポロポロ

二人「!!」

あかり「ゆ、結衣ちゃん死んじゃ嫌だよぉ…」

向日葵「大丈夫、大丈夫ですから赤座さん」ナデナデ

向日葵「櫻子少し調子に乗りすぎですわ…」

向日葵「ごらく部の方が赤座さん以外風邪で」

向日葵「その上、一人暮らしの船見先輩と連絡が取れなければ不安にもなりますわよ」

櫻子「ご、ごめんねぇあかりちゃん」グスッ

あかり「うぅぅ…」

向日葵「落ち着きましたか赤座さん」

あかり「うん…ありがと向日葵ちゃん」

向日葵「ふふっ赤座さんに泣き顔は似合いませんわ、赤座さんは笑っていた方が素敵ですよ」

あかり「…ぇへへ向日葵ちゃん優しいね」

櫻子「…ぶー」

向日葵「そうだ、船見先輩のお見舞いに行ってみたらどうです?」

あかり「そうだねぇ、ちょっと帰りに様子見てくるよ」

向日葵「それがいいですわ、きっと疲れて寝ているだけですよ」

あかり「うん!」

櫻子「ちぇっ~ほんとあかりちゃんばっか優しくしてさぁ」

あかり「ふふっ櫻子ちゃん、向日葵ちゃんを一人占めしちゃってごめんね」

櫻子「なっそんなんじゃないもん!」

向日葵「素直じゃありませんわね櫻子ったら」

櫻子「うるせーおっぱい星人、その胸ちょっとは分けろ!」バイン

向日葵「な、何しますのこのまな板娘!!」

櫻子「言い返せない悪口はやめろ!」

あかり「ふふっばいば~い二人とも!」

あかり「…はぁはぁ、待っててね結衣ちゃん」

あかり「すぐ結衣ちゃんのお家まで行くから…」

あかり「ひゃあっ!?」ズコッ

あかり「痛いよぉ…ひざ擦りむいちゃった」

あかり「は、早く行かなきゃ」フラフラ

『メールも返せないほど衰弱してる…とか』

『起き上がる時に貧血でも起こして頭を強く打ってそのまま…』

あかり「うぅぅ…そんなの嫌だよぉ結衣ちゃん」グスッ

<ピンポーン

結衣「ん、誰だろこんな時間帯に」

結衣「赤いお団子2つがインターホンに…あかりか?」

結衣「ハーイ」

ガチャッ

あかり「ゆ、結衣ちゃあああああぁぁぁん!」ダキッ

結衣「のわああああぁ!」

結衣「ど、どうしたんだよあかり!」

あかり「結衣ちゃん、生きてて良かったぁ…」ポロポロ

結衣「えぇ!?ちょっと落ち着きなよあかり」

あかり「だって、メール送っても返ってこなくて…」

結衣「あぁゴメンな、さっきまで寝ててさ」

あかり「ほ、ほんと…?」

結衣「今から返事返そうと思ってたんだけど…」

結衣「ふふっしかしおっちょこちょいだなあかりは」

あかり「だ、だって結衣ちゃんが心配だったんだもん!」

結衣「大げさだなぁあかりは」ナデナデ

あかり「うぅ…」

結衣「まぁとりあえず上がってよ寒かっただろ?」

あかり「うん、お邪魔します」

結衣「コタツでくつろいでて、今お茶でも入れるからさ」

結衣「ん…?あかり膝から血出てるじゃないか」

あかり「急いでたから、そのここまで来る途中に転んじゃって…」

結衣「…そこまでして私の事心配してくれたのか?」

あかり「本当に心配だったんだもん…」

結衣「もっと周り見なきゃダメだよ、ケガが大したことなくて良かったよ…」ギュッ

あかり「ゆ、結衣ちゃん…ぇへへ」

結衣「あかり、本当にありがとうな」

あかり「ううん気にしないで結衣ちゃん」

結衣「ほら手当てしてあげるから膝貸してごらん」

あかり「ごめんね結衣ちゃん」

結衣「どうしてあかりが謝るんだよ」

結衣「ピンチになったら駆けつけてくれる、まるで王子様だよ」

結衣「…白馬に乗ったあかり王子…プッ」

あかり「もぉー、絶対馬鹿にしてるよねぇあかりの事!?」

結衣「あははゴメンゴメン」

あかり「もぉー!」

あかり「心配して損しちゃったよぉ!」

結衣「でも感謝してるのは本当だよ、…あかりありがとうね」

あかり「結衣ちゃんってば調子いいんだから…」

結衣「ふふっ、ほら消毒するから染みるよ」

あかり「っ!」

結衣「ごめん、けど我慢してね…よしオッケーだよ」

あかり「ありがと結衣ちゃん」ニコッ

結衣「なっ」ドキッ

あかり「結衣ちゃん顔赤いけどやっぱりお熱があるんじゃ…」

結衣「い、いや何でもないよ…今お茶淹れるからね」

結衣(いや、確かにあかりはかわいいよ)コポコポ

結衣(ちょっとおっちょこちょいで、ちょっと泣き虫で)コポポ

結衣(それが母性本能をくすぐられて可愛い妹みたいな感じなんだよ…)コポ

結衣(じゃあさっきのドキッてなに?)

結衣「…分からない」ドバァー

あかり「ゆ、結衣ちゃんお茶淹れすぎだよぉ!!」

結衣「うわっちゃあああぁ!」

>>50 訂正ですスマソ

結衣(いや、確かにあかりはかわいいよ)コポコポ

結衣(ちょっとおっちょこちょいで、少し天然というか)コポポ

結衣(それが母性本能をくすぐられて可愛い妹みたいな感じなんだよ…)コポ

結衣(じゃあさっきのドキッてなに?)

結衣「…分からない」ドバァー

あかり「ゆ、結衣ちゃんお茶淹れすぎだよぉ!!」

結衣「うわっちゃあああぁ!」

あかり「結衣ちゃん手貸して、早く水に当てないと!」ジャー

結衣「あ、ありがとあかり」

あかり「もう駄目だよぉ考え事なんかしてたら」

結衣「…いや、あかりのせいなんだけど」

あかり「えぇあかりのせいなの!?」

結衣「う~ん…あかりのせいかも…でもそうじゃないかもしれないし」

あかり「ご、ごめんなさい?結衣ちゃんほんとに大丈夫?」

結衣「とりあえず手離しても大丈夫だよ」

あかり「ご、ごめんね結衣ちゃん」

結衣(顔真っ赤にして可愛いなぁ)

結衣「こんなもんでいいかな、湿布でも貼っておくか」

あかり「結衣ちゃん、やけどに湿布は良くないらしいよ」

結衣「へぇそうなんだ…なら氷水にしておこうかな」

あかり「うんそれがいいと思う」

結衣「あかりは博識だなぁ、よしよし」ナデナデ

あかり「ぇへへ結衣ちゃんになでなでされるの好きだなぁ」

結衣「ふふそっか」

結衣(やっぱり可愛い妹なんだよあかりは)

あかり「ふぅ…結衣ちゃんのお茶おいしいよぉ」

あかり「あのね、京子ちゃんとちなつちゃんも風邪引いておやすみだったんだぁ」

結衣「京子は知ってたけどちなつちゃんもだったのか」

あかり「みんな風邪引いちゃってあかり寂しいよぉ…」

結衣「ふふっでもさ健康なのはいい事だろ?」

あかり「うん、そうだね」

結衣「みんな治った頃にあかりが風邪引いてすれ違いになりそうだけど…」ズズッ

あかり「励ますのか突き落すのかどっちかにしてよぉ結衣ちゃん!」

結衣「ふふふ」

あかり「もぉー!」

結衣「ごめんごめん、あかり可愛いからつい苛めたくなるんだよね」

あかり「また可愛いなんて言う…」

結衣「ふふっ顔真っ赤じゃないかあかり」

あかり「結衣ちゃんのせいだよぉ…」

あかり「……」

あかり「あ、あのね結衣ちゃん」

結衣「ん~?」ズズッ

あかり「結衣ちゃんと二人きりって考えたら急にドキドキしてきちゃって」

結衣「ンブフッ!…げほっ、何言ってるんだよ急に!」

あかり「ご、ごめんね結衣ちゃん…」

結衣「あ、謝るなよ別に悪い事は言ってないだろ」

あかり「……」

結衣「……」

あか結衣「あ、あの」

あかり「ゆゆゆ結衣ちゃんから先にどうぞ!」

結衣「いやその…あかりがそんな事言うから私もドキドキしてきて」

あかり「ううぅ…」

結衣「…あかりは何を言いかけたの?」

あかり「あ、あの結衣ちゃん熱はどれくらいかなぁ~と思って」

結衣「熱は引いたから大丈夫だよ」

結衣「顔は火照ってるけどね、誰かさんのせいで」

あかり「ご、ごめんねぇ結衣ちゃん…」

結衣「まったくもう…」

あかり「ゆ、結衣ちゃん」

結衣「うん?どうしたんだあかり」

あかり「あのね、その…ハグしてほしいなぁなんて」

結衣「はあ!?」

結衣「お、おいあかり今日おかしくないか?」

あかり「ごめんね、そんなの嫌だよね」

結衣「嫌なんかじゃ!…その恥ずかしいだけで」

あかり「…」

結衣「ああもう!正面からは無理だ、後ろからだからな!」

あかり「やってくれるの?」

結衣「…でもコタツから出ると寒いし私の膝の間に座って」

あかり「ぇへへ、結衣ちゃん優しいからあかり大好き」

結衣(このシチュエーションでそんな事言われると…)

あかり「んしょ、よっと」

結衣「大丈夫?狭くないか」

あかり「うん、大丈夫だよぉ」

結衣「お、お腹に手回すからな」

あかり「結衣ちゃんのお胸があかりの背中に当たってるよぉ…」

結衣「へ、変な事言うな!しょうがないだろ」ギュー

あかり「あぅ…」

結衣「でもどうしてこんな恥ずかしい事、普段私に頼まないだろ」

あかり「あかりもよく分からないけど」

あかり「櫻子ちゃんが学校で意地悪な事言うから…」

結衣「大室さんが?」

あかり「結衣ちゃんがメールも返せないほど衰弱してる…とか」

あかり「起き上がる時に貧血でも起こして頭を強く打ってそのまま…って」

結衣「そんな大げさな…」

あかり「で、でも本当に結衣ちゃんに何かあったと思って」

あかり「すごく怖くて…不安で」

結衣「ふふっ心配しすぎだってあかりは」ギュッ

あかり「ぇへへ苦しいよぉ、…それでね結衣ちゃんの顔見たらほっとしてね」

あかり「何でか分からないけどドキドキしてきちゃって」

あかり「結衣ちゃんに甘えたい気分で…」

結衣「…それ多分吊り橋効果って言うのかな」

あかり「話には聞いたことはあるけど」

結衣「どっちにしろそんな気持ちすぐ治まるよ」

結衣「あかりはただちょっと興奮してただけ」

結衣「…またいつも通りの私とあかりの距離感に戻るはずだよ」

あかり「で、でもあかりこんな気持ち初めてで…ドキドキも治まりそうにないよ」

あかり「あかりきっと結衣ちゃんの事がす、好きなのかな」

結衣「と、友達して好きって事だろ?」

あかり「…多分違うと思う」

結衣「…」

結衣「あかり、もう今日は帰った方がいいよ」

あかり「ど、どうして!?」

あかり「結衣ちゃんもさっきドキドキしてるって言ってくれたよね…」

あかり「あれは嘘なの?」

結衣「嘘じゃない、それにあかりの事も好きだよ」

結衣「多分LOVEの方の好き」

結衣「でも付き合ったとしても…きっとお互い傷つくだけだよ」

あかり「傷つく?どうして?」

あかり「お互い好きならそれでいいんじゃないの…?」

あかり「…結衣ちゃんが何言いたいのかあかり分からないよ」グスッ

結衣「…」

あかり「…今日はもう帰るね、風邪気を付けて結衣ちゃん」

結衣「あかりっ!」

ガチャッ バタン

結衣「あかり泣いてた…」

結衣「…でも私たち女の子と女の子なんだよ?」

結衣「普通は男の人と結婚して、家庭を築いてお母さんになって…」

結衣「…幸せになるってそういう事だろ」

結衣「あかりには幸せになってほしい」

結衣「でも私じゃあかりの事幸せに出来ないんだよ…」グスッ

結衣「こんなにあかりの事好きなのに…」

結衣「あかりに嫌われちゃったかな、けどこれで良かったんだ」

結衣「良かったはずなのに涙が止まらないよ…」ポロポロ

月曜 学校

結衣「はぁ・・・」

京子「朝からため息って何かあったの結衣?」

千歳「ため息してると幸せが逃げるらしいで船見さん」

結衣「幸せ…か、何でもないよ大丈夫」

綾乃「でもすごく辛そうよ?まだ熱が引いてないんじゃ…」

結衣「ん、大丈夫だよ心配してくれてありがと綾乃」

綾乃「無理なんかしたら罰金バッキンガムよ、船見さん!」

結衣「…」

綾乃「い、いつもなら笑ってくれるのに」グスッ

千歳「よしよし、ええ子だから泣いたらあかんでー綾乃ちゃん」

京子「うーむ」

あかり「はぁ・・・」

ちなつ「もーちょっとあかりちゃん朝からため息なんてついて…」

あかり「ご、ごめんねちなつちゃん」

櫻子「まーまー、風邪大したことなくて良かったねちなつちゃん」

ちなつ「うん、それより結衣先輩たちも風邪引いたって聞いて…」

あかり「!」ビクッ

向日葵「歳納先輩なら今朝下駄箱で見かけましたけど…」

ちなつ「そっか京子先輩は治ったみたいだね」

向日葵「そう言えば金曜日船見先輩の様子はどうでした赤座さん?」

あかり「さ、さぁ?」

向日葵「へ?でも先週帰りに様子見に寄るって…」

あかり「み、見に行ったけどよく分からないかなぁ」

櫻子「ん~どういうこと?」

あかり「あかりちょっとおトイレ行ってくるね!」

向日葵「赤座さん!…会話が成り立ちませんでしたわ、まるで櫻子と話してるみたいに」

櫻子「ちょっと待てコラぁ!」

ちなつ「大丈夫かなぁ結衣先輩、それにあかりちゃんも…」

放課後

ちなつ「や~っと終わった…久々だと授業長く感じちゃうなぁ」

あかり「ふふふお疲れ様ちなつちゃん」

ちなつ「うんあかりちゃん、ごらく部行こうよ」

あかり「えっ…えーっと」

ちなつ「あかりちゃん?」

向日葵「こらっ櫻子、日直なのになんで学級日誌書いてないんですの!?」

櫻子「えーだってめんどっちーもん」

あかり「あ、櫻子ちゃんあかりも手伝うよ!」

櫻子「ほんとに?さすがあかりちゃん!」

向日葵「また赤座さんに迷惑かけて…私も付き合いますわ」

あかり「ちなつちゃん先行ってて、あかりは遅れるって伝えてくれるかな」

ちなつ「おっけーなるべく早く来てね」

ちなつ「…」

ごらく部 部室

ちなつ「と言うわけで、あかりちゃんは遅れてくるそうです」

結衣「そ、そっか…良かっ」

京子「んーいま良かったって言いかけたよね結衣?」

結衣「そんなわけないだろ、空耳だよ京子の」

ちなつ「いえ私もそう聞こえましたよ」

結衣「あっその、ヨガって体にいいのかなぁ…なんて」

京子「はぁ~さすがに無理があるだろそれは」

ちなつ「結衣先輩、なんからしくないというか…」

京子「今日一日こんな感じでさ」

ちなつ「あかりちゃんも教室で様子おかしかったんですよ」

京子「へーたとえば?」

ちなつ「結衣先輩の話題をふられると挙動不審になったり」

ちなつ「ごらく部にもなんか行きたくなさそうにしてました」

結衣「っ!」

京子「ねえ結衣、あかりと何かあったの?」

結衣「な、何もないよ」

ちなつ「でもすごく辛そうですよ結衣先輩」

結衣「…」

ちなつ「私たちじゃ力になれませんか…?」

京子「結衣が落ち込んでるの見るとさ、私達も辛いんだ」

結衣「……」

結衣「あのね…先週の金曜日にね、学校帰りにあかりがお見舞いに来てくれたんだ」

京子「うん」

結衣「ふふっ…玄関開けるなり私の胸に泣きながら飛び込んできてさ」

結衣「途中で転んだらしくてね、膝からも血が出てて」

結衣「私の事本当に心配してくれたんだなって」

結衣「それでいろいろあってさ、いい雰囲気になってね」

結衣「…あかりから告白されたんだ」

ちなつ「そうだったんですか…」

京子「…」

結衣「断ったけどね」

京子「…どうして?あかりの事嫌いなの?」

結衣「好きだよ、一緒にいるとドキドキする」

結衣「…多分友達としての好きを超えてると思う」

ちなつ「それならどうして!」

結衣「だって私たち女の子と女の子なんだよ?」

結衣「普通はお、男の人を好きになるのに…」

結衣「あかりは普通に男の人を好きになって、…幸せになってほしい」

結衣「私とじゃ結婚も出来ないし…あかりの事を幸せに出来ないと思ったから」

京子「…結衣はそれでいいの?」

結衣「将来あかりが幸せになるなら…耐えられるよ」

ちなつ「はぁ・・・」

ちなつ「・・・正直幻滅しました結衣先輩に」

結衣「えっ?」

ちなつ「お互い好きなら性別なんて関係ないと思いますけど」

結衣「でっでも!」

ちなつ「女にとっての幸せって何ですか?」

ちなつ「男の人と結婚して、子供を産んで、家庭を築いて…」

ちなつ「それも間違ってないと思いますよ」

結衣「うん…」

ちなつ「好きな人と一緒の時間を過ごして、二人だけの思い出を作って…」

ちなつ「ハグしたり、キスしたり、じゃれあったり」

ちなつ「これも十分幸せな事なんじゃないんですか?」

結衣「…」

ちなつ「幸せになるなら性別なんて関係ありません」

ちなつ「好きな人と一緒にいるのが一番大切な事だと私は思いますよ」

ちなつ「それにまだ私たち中学生ですよ?難しく考えすぎです」

ちなつ「ふふっ、しっかり者の結衣先輩らしいと言えばらしいですけどね」

結衣「ちなつちゃん…」

ちなつ「さぁさぁ、早くあかりちゃんの所に行ってあげて下さい」

結衣「で、でも…」

ちなつ「あーもう!またうじうじする!!」

ちなつ「あかりちゃんは結衣先輩の事待ってますよ絶対!」

京子「結衣、私もそう思う」

京子「お互い好きなら性別なんて関係ないよ」



結衣「うん…」

結衣「…私ちょっと弱気になってたな」

結衣「知らない男の人にあかりが取られるなんて耐えられない」

結衣「難しい事を考えるのはやめた」

結衣「性別なんて関係ない、私はあかりが好きなんだ!」

ちなつ「その意気ですよ、結衣先輩」

京子「行ってこい、結衣!」

結衣「二人とも…」

結衣「ありがとう京子、ちなつちゃん!!」タタッ

京子「行っちゃった…」

ちなつ「あー疲れた、人の恋路を応援するなんてどうかしてましたね私も」

京子「ははっ、啖呵切ってるちなつちゃん格好良かったよ」

京子「でもさ…結衣の事好きだったんだじゃないの?」

ちなつ「好きでしたよ、でも望み薄って大体分かってましたし」

京子「そっかぁ」

ちなつ「京子先輩ならともかく、あかりちゃんに取られるとは…」

ちなつ「京子先輩はどうなんです?」

京子「ん~結衣が好きかって?分からないなぁ」

ちなつ「そんな曖昧な…」

京子「でも素直に応援出来ないって事はやっぱ結衣の事好きだったんだろうなぁ」

ちなつ「…そうですか」

京子「案外幼なじみも不便なもんだよねぇ」

京子「好きだ愛してるって言ってもさ、冗談だろって流されちゃうんだもん」

ちなつ「それは京子先輩がにやけながら言うからでしょうが」

京子「でも恥ずかしくて真顔で結衣にそんな事言えないよ」

ちなつ「そうやってしおらしくしてれば可愛いんですけどねぇ」

京子「…ごめんねせっかくごらく部入ってくれたのに」

ちなつ「どうして京子先輩が謝るんですか?」

京子「無理してここに残ることはないよちなつちゃん」

ちなつ「はぁ何言ってるんです急に」

京子「で、でも…」

ちなつ「確かに結衣先輩はあかりちゃんとくっ付いちゃいましたけど」

ちなつ「今の京子先輩をほうっておけませんよ」

京子「ち、ちなつちゃん」グスッ

ちなつ「…ほんと大人しい時は可愛いんだから」ナデナデ

ちなつ「ふふっねえ京子先輩」

京子「うん?どうしたの」

ちなつ「やっぱ私って惚れっぽいのかなぁと思いまして」

京子「へっ…それってどういう意味?」

ちなつ「こういう事です」ギュッ

京子「ちょ、ちょっといきなり抱き着かれちゃ恥ずかしいよ」

ちなつ「普段人に飛びかかっておいて何言ってるんですか」

ちなつ「それとも迷惑でしたか」

京子「ううん、…すごく落ち着く」

ちなつ「京子先輩の事は一人にはさせませんよ…私が」

京子「うん…ありがとちなつちゃん」

櫻子「大体さー学級日誌なんて何書けばいいんだよぉ」

向日葵「櫻子の思うまま書いてみなさいな」

櫻子「それじゃ…向日葵のおっぱいが、いつも通りたゆんたゆんだった…と」

向日葵「…まぁそのオチはある程度予測できましたわ」

向日葵「赤座さんもこの単細胞に何か言ってあげて下さいな」

あかり「…」

向日葵「赤座さん?」

あかり「あ、うんクラスみんな真面目だったとかでいいと思うよぉ」

櫻子「なるほどなるほど…」

向日葵「今日一日上の空でしたわね赤座さん」

櫻子「何かあったのかな~」

あかり「…」ボー

ガラッ

結衣「あかり!!!」

あかり「ひゃうっ!?」

櫻子「船見先輩だ、こんちはー」

結衣「あ、あれ…あかりは?」

向日葵「赤座さんならそのカーテンに…隠れられてないですけど」

櫻子「足はみ出てるし…」

あかり「…」ビクビク

結衣「あかり、顔を私に見せてくれないか?」

結衣「出てこなかったら力ずくでカーテンから出すけど」

あかり「今出るよぉ…」

あかり「あ、あかりに何の用事かな?」

結衣「キスしにきた」

ひまさく「…え?」

あかり「えぇ!…んむっ!?…んっ…むぐ」

結衣「んっ……ちゅ……」

さくひま「」

あかり「ぷはっ…ひ、ひどいよ結衣ちゃん!!」

あかり「…せっかく結衣ちゃんの事忘れようとしてたのに!」

あかり「ま、また結衣ちゃんの事好きになっちゃうよぉ…」ポロポロ

結衣「あのねあかり、私がお互い傷つくって言ったのはね」

結衣「同性愛はきっと周りから祝福されないと思ったから」

結衣「結婚する事も、子供も産むことも出来ない」

あかり「そんなの関係ないもん…」

結衣「うん…私もあかりが側にいてくれればそれでいい」

結衣「一緒にいることがお互いにとっての幸せだってやっと分かった」

結衣「だからあかり…私と付き合ってくれ」

あかり「…もちろんだよ、結衣ちゃん」

あかり「ぇへへ、も少しで結衣ちゃんの事嫌いになるところだったよぉ」

結衣「あかり!」

あかり「!?…ん…ぅ……んっ…」

結衣「んむっ………ん」

あかり「ぷは…そんなキスばっかりして、結衣ちゃんってばわんわんみたいだね」

結衣「もう犬でもなんでもいいよ…」

結衣「我慢出来ないんだ、あかりの全部が欲しい…」

あかり「は、恥ずかしいけど結衣ちゃんになら何されてもいいよ」

結衣「~~~~~っ!!」

<アカリィ!  ユイチャン…

櫻子「……」カキカキ

向日葵「……今日の学級日誌それでいいと思いますわ」

櫻子「…それじゃ生徒会室行こうか」

向日葵「ええ…」

櫻子『放課後に船見先輩とあかりちゃんが教室で濃厚なキスをしてました』


おしまい!

結あか、ちな京、さくひま書きたかった
後悔はしてない
支援サンクスおつでした

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月27日 (水) 08:09:05   ID: P5Hoal_Z

スレ主…最高なのです(≧▽≦)

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