澪「律の布団でおねしょした…死にたい…」(115)

律「今日は澪が泊まりに来るという事でちょっとしたイベントを用意してるんだけど」

澪「イベント?なんだそれ」

律「知りたい?」

澪「知りたい」

律「じゃーん!これ借りてきたんだ」

澪「なんだ、ただのDVD観賞会じゃないか」

律「普通のDVDじゃないぞ?今話題沸騰のとびっきり怖いホラー映画なんだ」

澪「……」

澪「じゃ、私帰るから」

律「……」ガシッ

澪「は、はなせっ!」

律「今夜は楽しい夜になりそうだなー澪」

澪「いやだっ!そんなのいやだぁぁぁああ……!」

ウィーン カチャカチャ

律「始まったぞ」

澪「……」

律「こらこら、目つぶってたら何も見えないだろ?」

澪「律のそういうところ本当に嫌い」

律「うっ…まぁそう言うなって……怖いもの克服したいってこの前言ってたじゃん」

澪「それは確かにそうだけど…」

律「こんなもの所詮作り物なんだからさ、そう思えば怖くないだろ?」

澪「そ、そうだよな…こんな事現実にある訳ないんだから…」

律「その調子調子…ってうわいきなり怖いな…」

キャアァァァァァx!!

澪「うわぁぁぁあああ!!」

律「……」ビクッ

澪「だめだっ!私にはやっぱり…」プイッ

律「……」ニヤニヤ

……

律「流石話題になるだけあるなー、けっこう怖かった」

澪「そうか?そんなに怖くなかったぞ?」

律「……」

澪「ちゃ…ちゃんと最後まで見たんだからなっ!」

律「うわっ?!澪の背後に女の人が!」

澪「わぁぁぁぁぁ?!」

律「……」

澪「……」

律「びっくりした?」

澪「……」

澪「私本当に律の事嫌いになりそう」

律「怒るなよーみおー」

澪「もうこんな時間じゃないか」

律「寝ますか、澪が私のベッド使っていいよ」

澪「えっ、別にお布団でいいけど」

律「いいって、いいって…優しいでしょ?」

澪「優しいと思ってるならそんなDVD借りてくるな」

律「やっぱり怖かったんじゃん、大丈夫?一緒に寝てあげようか?」

澪「おやすみなさい」モゾモゾ

律「……」

律「冷たい奴め…」

……

澪「ん…」

澪「……」ムクリ

澪「といれ…」

「キミが澪ちゃんだね」

澪「?!」

澪「えっ…はっ……え…?」

「会えて嬉しいよ」

澪「り、律…!なんか知らない人が!」

澪「律?…りつー?!」

澪「どこ?どこいったんだよー?!」

「りっちゃんならほら、あそこに…」

澪「へっ?」

澪「うわぁぁあああ!!!」

澪「律が…!律が殺されてるぅぅぅぅ!!」

「次はお前の番だあああああ!!」

澪「うあわぁぁぁぁ!!やめてっ!呪わないでぇぇぇ!!」

……

律「むにゃ…」

律「うぅ…」ムクリ

律「さむいなぁ…トイレトイレ…」

澪「んっ…うぅ……んー…!」モゾモゾ

律「?」

律「なんかうなされてるな」

律「みおー?」

律「みおってば」

澪「んん…ん…」

ピュー

律「うぅさむぅ…」

律「なんでこんなに寒いんだ…?いくらなんでも今晩冷えすぎじゃ」

律「あっ窓あいてるし」

律「誰だー窓あけっぱなしにしてるのは!」ピシャン

律「……」

律「私だ」

ブルブル

律「うぅ…やばい漏れちゃう…!」トコトコ

澪「んっ…んー……!やだ…ついて……こないで…」モゾモゾ

……

トントン

「律ー、澪ちゃん。朝ごはんできたから降りておいでー」

律「」

澪「」

「起きてるのー?」

律「ふぁーい…今行くって」

律「んー…朝だぁ」

律「澪ー、朝だぞー。起きろー」

澪「」

律「みおー?」

律「しょうがないなぁ」ムクリ

律「みおー、起きろー!」

律「早く起きないとお目覚めのちゅーを」

澪「起きてるよ」

律「なんだ…つまんないなぁ」

澪「それよりも律、それ以上私に近寄るな」

律「……」

澪「……」

律「…はい?」

澪「頼むから近寄らないでくれ」

律「……」

澪「……」

律「朝っぱらから変な冗談言ってないで、早く朝ごはん食べにいくぞ」

澪「近寄るなって言ってるだろ!!」

律「?!」ビクッ!

澪「………」

律「………」

澪「ご、ごめん…つい…」

律「あ…えっと…」

律「澪…ひょっとして昨日私がした事本気で怒ってる…?」

律「だとしたら謝るよ…ごめんな澪…」

澪「(そうじゃない…とりあえず今の私に近寄られたら困るんだよ…
   いやでも…そういう事にしておいた方が…)」

澪「とにかく律は先に朝ごはん食べてて…私も後で行くから」

律「わ、わかった…」

律「……」

律「ごめんな澪…早く食べにこいよ?」

澪「ああ、すぐに行くから」

バタン

澪「……」

澪「(行ったか…)」

澪「……」ムク

澪「何かの…何かの間違いでありますように…」

バサッ!

澪「……」

澪「うわぁ…」

澪「……」

澪「死にたい…」

澪「高校生にもなって…なんでよりにもよって今日この日…」

澪「これ律のベッドだよ?私のじゃないんだぞ…」

澪「それに律となんかけんかっぽい雰囲気になっちゃったし…」

澪「どうすればいいんだよぉ…」

澪「………」

澪「どうすれば…」ジワ…

澪「……」

澪「謝る…やっぱそうだよな…」

澪「素直に律に謝らなくちゃ…」

澪「い、いやでも律の事だからきっと…」

……

澪「ごめん律…私……律のベッドでおねしょしちゃって…」

律「気にするなよ澪!私と澪の仲じゃんか!」

澪「り、りつぅ!」

律「それにしても澪ちゃんはいつまでたってもおこちゃまですわねー」

澪「?!」

律「外見とのギャップがとても可愛らしいですことよ澪ちゅわん」

澪「あっ…あ…」

律「プププー♪」

澪「あぁー…!」

……

澪「最悪こうなる可能性もあるな…」

澪「ダメだ…これじゃあ作文の時みたいに一生律の話のネタにされるかも…」

澪「……」

澪「隠そう」

澪「それしかないな…」

澪「まずは布団から出ない事には何も始まらない」

澪「うまく隠せればいいんだけど…」

澪「意外と大した事なかったりして」

バサッ

澪「」

澪「これは…」

澪「小学生の頃でさえこんなシミは…」

澪「はぁ…」

澪「そういえばこのパジャマも律が貸してくれたものじゃないか…」

澪「水分含んでるからものすごく体が重たい…」

澪「まずは脱ごう…」

澪「えーと…制服着るしかないか」

澪「なんか嫌だな…こんな体で制服着るの」

さとし「ゴクゴクプハー!澪さんのションベンうめー!!」

澪「……」

ぬぎぬぎ

澪「うわっ…裾まで濡れてる」

澪「律、ティッシュペーパーもらうからな」

ふきふき

澪「ふとももの裏拭きにくいな…まだ濡れてる気がするんだけど…」

澪「やっぱりちゃんと拭いておかないと」

澪「制服に匂いがついちゃうかもしれない」

ふきふき

ムギの沢庵
唯「ウマイ!」

澪のアップルジュース
唯「ウマイ!」

澪「こんなところか」

澪「律…パジャマちゃんと洗って返すからな…」

澪「そしてそっと律のタンスの中に返しておくから…」

澪「よしっ、ビニール袋に入れれば漏れる心配はないゾ」

澪「拭いたティッシュも一緒に入れて持ち帰ろう」

ピュー

澪「うぅ…寒い…」ブルブル

澪「早く制服着なくちゃ」

澪「えっと下着は…」

澪「……」

澪「パンツがない…」

澪「濡れたものしかないっ!うわぁぁ!」

澪「どうしよう…どう…」アタフタ

澪「スカートだし…流石に履かない訳には…」

澪「かと言って濡れたパンツをもう一度履くのも」

澪「…」

澪「……」

澪「………」

澪「やっぱりこれしかないか…」

澪「ごめんな律…」

澪「パンツ……借りるね…」

澪「えっと、確か律の下着棚はここだったよな」

澪「あれ?違った、こっちか」

澪「?!」

澪「ない…」

澪「どこにもない…」

澪「なんで?なんで一枚もないんだよぉぉ…!」

澪「いや…そういえば昨日の夕方…」

……

律「いやぁ、快適快適♪」

澪「なんで部屋に戻って一番初めにする事が下着を履き替える事なんだよ…はしたないぞ」

律「今日体育で汗かいたから気持ち悪かったんだよー」

澪「お風呂まで我慢できないのか?まったく…」

律「澪だってよくやってんじゃん、人の事言えないって」

澪「なっ…そ、そんな事ない!」

律「またまたぁ」

……

澪「………」

澪「確かこの辺に脱ぎ捨てて…」

澪「あった…」

澪「こ、これは…」

澪「このシミは…」

澪「ものすごく抵抗あるな…このパンツ履くの」

澪「ノーパンか律の履いたパンツか…究極の二択だな…」

澪「…」

澪「履こう…それしかない」

澪「よく考えれば律だっておねしょした私に自分のパンツ履かれるんだからそうとう気持ち悪いよな…」

澪「これもちゃんと洗って返すからな、ごめんな律…」

澪「……」


聡「あれ?澪さん来てなかったっけ?」

律「まだ寝てる」

聡「なんで起きてこないの?」

律「色々あるんだよ」パクパク

聡「?」

澪「とりあえず私の方は問題なしだな」

澪「鏡…鏡…」

澪「…」キリッ

澪「うん、どうみてもおねしょした人には見えない」

澪「あとはこの布団とシーツか…」

澪「これはどうすれば…」

澪「まずは一目でそれと分かってしまうこの盛大なシミをなんとかしないと…」

澪「とりあえず乾かしてみよう」

澪「律、ドライヤー借りるぞ」

澪「……」

ゴォー…

澪「おお、乾く乾く」

澪「これならすぐに全部乾かせそうだぞ」

澪「この調子で濡れてる所を全部乾かせば…」

澪「ほら元通りに…」

澪「」

澪「うわぁぁぁ…!」

澪「黄色いシミがそのままくっきり地図になってるぅぅ!」

澪「こ、これはまずい…」

澪「やっぱりちゃんと洗濯しないとダメだ」

澪「どうしよう…早くどうにかしないと律が戻ってきちゃうぞ」

澪「……」

澪「いい事考えた」

澪「律の寝てた布団と一式すり替えちゃおう」

澪「そして律が寝てた布団は私が片付けたという事にしておけば…」

澪「時間がない…これしかない…」

………

澪「よ、よし…間に合った……」

澪「これだけ万全を喫せばなんとかなる筈だ」

律「澪ー、遅いぞ?もうみんなご飯食べちゃったぞ?」

澪「…あっあぁ、ごめんな律」

律「あれ?布団が変わってる」

澪「模様替えしておいたんだ、どうだ?前より良いだろ?」

律「私が寝てた布団かぶせただけじゃんか…っていうかなんで制服着てるんだよ」

澪「そ、そろそろ帰ろうと思って…」

律「えー?もう帰るの?学校休みなのに?」

澪「あぁ、ちょっとやる事があるんだ」

律「えー…どっか遊び行こうって約束したじゃん。やっぱり怒ってるのか…?」

澪「そ、そんな事ない!私こそごめんな律…それじゃあな!」イソイソ

律「……」

澪「……」

律「なぁ澪、なんで布団持ち帰るんだよ」

澪「…!」ギクゥ

律「さてはお主布団泥棒だなっ!」

澪「い、いや…私が寝た布団だからちゃんと洗って返そうと思って…当然だろ?」

律「どんだけ礼儀正しい人なんだよ…」

澪「いいからこの布団は洗って返すから!」

律「そんなに洗いたいんなら別に良いんだけど一人じゃ持てないだろ?」

澪「持てる!」

律「階段降りれないぞ?私も手伝うよ」

澪「えっ?ちょっと律…!やめっ」

律「いいからいいから♪」

澪「(うわぁぁぁ…!私がおねしょした布団を持つなぁぁぁ!!)」

律「澪の家まで一緒に運んであげるよ」

澪「いや、本当にいいから…!」

律「遠慮するなよー」

澪「玄関までで大丈夫!」

律「そっか、それなら…」

澪「それじゃあな律!」

律「あっ、ごめん澪。一つだけ聞いてもいい?」

澪「な、なんだ?」

律「別にいいんだけどさ、なんで私のパンツ履いてるんだ?」

澪「……」

律「……」

澪「(バレてる?!?!)」

澪「な、なぜそれを…!なんで履いてる事を…」

律「いやさっき階段の下から見えちゃってさ」

澪「……」

律「ちょっと疑問に思ったから…」

澪「は…は……」

律「?」

澪「履いてないよ?そんなの履いてない」

律「さっき自分で履いてるって言ってたぞ」

澪「……」

律「……」

澪「お、おじゃましましたっ!」

律「あっ、おい澪ぉ!」

澪「……」タッタッタ

律「はやっ!」

………

律「……」

律「澪の奴…なんか様子がおかしかったな…」

律「やっぱり私があんなDVD無理やり見せたから…」

律「はぁ…もっとちゃんと謝るべきだったなぁ…」

律「……」

律「はは、模様替えとか訳分かんない事しちゃってさ」

律「……」バフンッ

律「なんか眠くなってきたな…休みだし二度寝っていうのもいいか」

律「……」モゾモゾ

律「……」

律「……」

律「……」




律「くっさぁぁぁぁぁぁ!?!?」

直後澪に携帯電話にかけ続けた律であったが
澪が電話に出る事は一切なかったという

終わり

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