[みなみけ] ハルオ『ん?』保坂『む?』藤岡『え?』マコト『へ?』 (21)

この物語はみなみけ3姉妹の平凡な日常をたんたんと描くものではありません。


むさい男たちの平凡な日常を描くものです。過度な期待はしないで下さい。

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保坂(おや、あの傘は‥)

---回想---

高校 放課後

速水『やっほー保坂 』

保坂『おお、速水か‥ちょうど良いところに来た。』

速水『それは良くないタイミングに来たということかしらね。』

保坂『何を訳のわからんことを言っている、だが、まあいい。それよりもこれをどう思う?』

速水『ん?これって、保坂が持ってるその傘のこと?』

保坂『そうだ、俺が持っているこの傘をどう思うか、おれはそう聞いている。』

速水『どうって‥別に普通の傘じゃない?』

保坂『そうだ、これは何の変哲もない普通の傘だ。しかし、放課後、天気予報では晴れと言っていたにも関わらず雨が降ったとしよう。』

速水『うん、この時期だったらそういうこともあるんじゃない。というか今まさに雨が降ってきたわね。』

保坂『そうだ、この時期ならばそういうこともあるだろう。そんな時、愛するあの人のためにそっと傘を差し出せる。そういう男でありたいとおれは思うのだ。』

速水『ふーん、つまり春香ちゃんが雨で困ってる時に傘を渡して春香ちゃんの好感度を上げようと、姑息にも用意してきたわけね。』

保坂『意外な言葉でおれを表現するな。』

速水『でも、それは意味ないんじゃないかな?』

保坂『なに?それはどういうことだ?』

速水『さっき春香ちゃんに会ったんだけど、春香ちゃん傘持ってたわよ。』

保坂『なんだと?速水それは本当か?』

速水『そんなに疑うなら確認してくれば良いじゃない。まだ教室に残ってると思うわよ。』

保坂『よし、では行くぞ速水。』

速水『ちょっと、わ、私もー?』


春香の教室

春香『それで夏奈ったら、全部学校に置いてきちゃって。』

マキ『あぁそれはさすがの春香でも怒るわ。』



速水『ね、春香ちゃん傘を持ってるでしょ?』

保坂『うーむ、流石は南春香。天気予報では全く言っていなかったのに傘を用意してくるとは。そしてあの傘‥言葉では言い表せない色ではないか。』

速水『赤だね。』

保坂『‥‥さらにあの独特のフォルム。』

速水『一般的な傘の形だね。』

保坂『‥‥』

速水『あれ?保坂怒ってる?』

保坂『怒る?何故おれが怒る?愛すべき人が笑顔でいる。それだけでおれの心は幸せで満ち溢れるている。』

速水『ふーん、まぁいいや、春香ちゃんに貸さないならその傘私に‥って保坂?』

保坂『南春香‥どうやら君の為に用意したおれの傘は不要のようだ。だが、それでいい。君が笑っていてくれればそれでいい。アハハ アハハ アハハハハ‥‥‥』


---回想終了---


保坂(間違いない、あれは南春香の傘だ。よし、拾って渡しに行こう。)

ハルオ(む、あれはこの前冬馬が持っていた‥)

---回想---
朝 もうひとつの南家

ナツキ『おい冬馬、今日はお前が風呂当番なんだから帰ってきて遊びに行く前に洗って行けよ。』

冬馬『分かってるよー全くナツキはうるさいな。』

ナツキ『うるさいってなんだ、兄に向かって』

ハルオ『ははは、ナツキそんなに怒鳴ってやるな。冬馬だって風呂当番のことは分かっていたのだろう。』

ナツキ『うるせぇ!兄貴は黙ってろ!』

ハルオ『なっ、ナツキそもそもお前は‥』

冬馬『ああ、なんだか長くなりそうだし‥行ってきます!』


ナツキ『おい冬馬、この傘を忘れてるぞ。』


冬馬『あっ忘れてた。さんきゅーナツキ。じゃぁ行ってくる。』


ナツキ『おう、気をつけて行ってこい。』


ハルオ『いってらっしゃい冬馬。』


ガラガラ ガタン


ナツキ『だから兄貴は‥』


ハルオ『いやいや、そもそもお前は‥』


アキラ『兄貴達も早く行く準備しろよ!』


ハルオ ナツキ『アキラは黙ってろ!』



‥‥‥回想終了‥‥‥



ハルオ(うん、間違いない。あれは冬馬が持っていた傘だ。持って帰ろう。)

藤岡(あれは、南の‥?)

---回想---
中学 帰り道

夏奈『んーやっぱり冷やし中華は最高だなー』

ケイコ『夏が来たって感じがするよね。藤岡くん、付いてきてくれてありがとう。』

藤岡『いや、こちらこそ誘ってくれてありがとう。』

夏奈『うんうん、冷やし中華は美味しいし、不良は更正するし良いことだらけだな。』

ケイコ(夏奈、絶対何か勘違いしてるよ。)

藤岡『ところで南、なんでそんなに傘を持ってるの?』

夏奈『あぁこれか?最近、朝雨で帰る時にはすっかり晴れている日が続いてるだろ?』

藤岡『なるほど!だから学校に忘れて来ちゃったんだね。』

夏奈『そうなんだよ、天気がご機嫌になったおかげで、私まですっかりご機嫌になっちゃってね。』

藤岡『そっか、でもそんなに持ったら重いだろ?おれが持つよ!』

夏奈『いやいや、いいって。悪いよ。』

藤岡『いやいや、男としてここはおれが‥』

夏奈『いやいや‥』

藤岡『いやいや‥』

ケイコ『夏奈、せっかくだし藤岡君にも手伝ってもらえば?』(藤岡君の気持ちも汲んであげて)

夏奈『ケイコがそう言うなら、じゃぁ1本だけ頼むよ。』

藤岡『1本?』

夏奈『あぁ、この傘は私が一番気に入ってる傘なんだ。だからその他大勢の傘と一緒にして汚したくないんだ。』

藤岡(南がお気に入りの傘を、おれに‥)

夏奈『やっぱり嫌か?こんな女っぽい傘持つの?』

藤岡『やるよ!!!!おれは絶対にこの傘を守って見せる!』

夏奈『うわぁビックリした。急に大きな声出すなよ藤岡。』

ケイコ(藤岡君‥)

ケイコ『でも、そんなに貯める前になんで思い出せなかったの?』

夏奈『む、ケイコそれは私の頭の中がご機嫌だとでも言いたいのか?』

ケイコ『いや、別にそういうわけじゃ‥』

夏奈『誰が頭の中までご機嫌だー!!』

ケイコ『だから言ってないってー(泣)』




---回想終了---


藤岡(うん、やっぱり南の傘だ。拾って渡しに行こう。)

マコト(あっ、あの傘は千秋の‥)

---回想---
書道の時間 小学校

マコト『千秋!何を書いてるんだ!?』

千秋『‥』

内田『シー!』

吉野『先生は今集中しています。』

マコト『えっ先生?』

千秋『‥見えた』

シュッシュッ シャー

内田『かさ‥ことぶき‥?』


マコト『おい千秋、「かさずし」って何だ!?』

千秋『全く、お前は本当にバカヤローだな。寿司なら司の字が足りないだろ。傘寿と書いて「さんじゅ」と読むんだ。』

マコト『そうだったのか!で、傘寿ってどういう意味なんだ?』

千秋『傘寿というのは、80歳のことだ。傘という字の略字を縦に読むと八十と見えることからそう呼ばれている。』

内田『へーそうなんだ。』

吉野『ちなみに77歳は喜寿、88歳は米寿、99歳は白寿って言うんだよ。』

千秋『うん、さすが吉野だ。それに比べてお前ら二人は‥』

内田『うっ』

マコト『はい先生!何故傘寿という言葉を書いたのでしょうか?』

千秋『うん、良い質問だ。内田も見習いなさい。』

マコト『ありがとうございます先生!』
内田『す、すいません先生!』

千秋『最近朝雨が降って、帰りには止んでいることが多いだろ?』

内田『そうだね、だから良く学校に傘を置いて帰っちゃうんだよね。』

マコト『うん、それはおれも良くやるぞ。』

千秋『そうだろう、そうだろう。そして、お前らみたいなバカヤローがうちにも1人いてな。』

吉野『バカヤロー?』

内田『それって夏奈ちゃんのこと?』

千秋『そうだ。私を除いたら、うちにはバカヤローの夏奈と、天使のような春香姉様しかいない。』

吉野『つまり、夏奈ちゃんも学校に傘を忘れてきたんだね?』

千秋『うん、さすが吉野だ。世の中には1を聞いて10を知るものがいると聞くが、まさにお前のことだな。』

吉野『ありがとうございます、先生。』

内田『それで、夏奈ちゃんが傘を忘れてきたから何なの?』

マコト『そうだぞ千秋、それじゃ夏奈が傘を忘れてきたというだけで、傘寿を書いた説明になっていないぞ!』

千秋『全く、お前らは本当に考えるということをしないな。いいか、傘を忘れてきた夏奈はその後どうなったと思う?』

内田『えっどうなったって、次の日に忘れた傘を持って帰ってきたんじゃないの?』

千秋『良く考えてみろ、最近は朝雨が降って帰りには止んでいるんだぞ。つまり夏奈が晴れたからといって、傘を忘れてきた次の朝はどうなっている?』

内田『あっ雨が降ってるね!』

千秋『そうだ、雨が降ってると何が必要だ?』

マコト『傘が必要だ。』

千秋『そう、そして他の傘を持っていく。しかし、帰ってくるときには晴れている。そうなるとあのバカヤローはどうする?』

内田『夏奈ちゃん‥毎日傘置いて来ちゃったんだね。。。』

吉野『だとすると、千秋の家の傘が無くなっちゃうね。』

千秋『‥その日‥外は晴れているにも関わらず、うちの中は雷だった。』

マコト『家の中で雷!?一般的なご家庭でそんな非科学的なことが!?』

千秋『そうだ、あのバカヤローは家中の傘を学校に置いてきてしまったのだ。そこで、とうとう仏のような心を持った春香姉様も怒り、雷神のごとき形相になり‥』

吉野『夏奈ちゃんに雷が落ちたんだね。』

千秋『そうだ。』

吉野『だからこの前、夏奈ちゃんがあんなにいっぱい傘を持って帰ってきたんだね!』

内田『そんなことあったっけ?』

吉野『うーん、内田はその時まだ来てなかったかも。でも、マコト君は一緒に見たよね?』

マコト『ああ、そうだっ‥‥‥ハッ。いや、おれはしばらく千秋の家には行っていないけど。(汗)』

内田『よ、吉野それはマコちゃんだったんじゃないかな?(汗)』

吉野『ああそっか、マコちゃんか。マコト君とマコちゃんはなんとなく似てるから間違えちゃった。』ニコニコ

千秋『吉野、マコちゃんとこのバカヤローを比べるなんて、マコちゃんに失礼だぞ。マコちゃんは優しくて、かっこ良くて、女らしさの中に男らしさもあり‥』

吉野『千秋は本当にマコちゃんが好きなんだね。』

千秋『あぁ大好きだ。』

吉野『あれ、なんでマコト君嬉しそうにしてるの?』ニコニコ

マコト『あ、いや、これは‥』

内田『と、ところで、結局千秋はなんで傘寿って書いたの!?』

マコト『あ、ああ、そうだ!おれはそれが気になってたんだ!』

吉野(ニコニコ)

千秋『あぁ、私は夏奈のように傘を忘れてくることはないが、この傘は何があっても忘れてきてはならないのだ。』

内田『あっそれ千秋のお気に入りの!』

千秋『うむ、だから念には念を入れて、傘という字を書いて後ろに貼っておけば絶対忘れないということだ。』

マコト『なるほど。』

千秋『しかし、ただ傘と書いただけでは意味が分からないから傘寿と書いたのだ。』

内田『傘寿も十分意味が分からないよ。あれ?でも今日の習字って、字は自由だったけど、一文字って決まりだったような‥‥』

千秋『‥‥‥早く言いなさいよ!』

内田『わ、わたしー?(泣)』

---回想終了---

マコト(間違いない、あれは千秋の傘だ。拾って渡しに行こう。)

ハルオ『ん?』
保坂『む?』
藤岡『え?』
マコト『へ?』


ハルオ『これは失礼、わざわざ拾ってもらったところ悪いのですが、この傘は自分の妹の物なので、自分が責任を持って渡しておきます。』

保坂『何を言っている、この傘はおれの愛すべき人の物。おれが渡すのが道理というものだ。』

藤岡『ちょっと待ってください!二人とも何か勘違いしています。この傘はおれの、愛す‥友達の物です。だからおれが渡しておきます。』


マコト『いや、これはおれのクラスメイトの傘です!だからおれが渡します!』
(あれ?藤岡さんだよね?)

ハルオ『いやいや、これはおれの妹ので‥』

藤岡『いやいやいや、おれの友達ので‥』

保坂『いやいやいやいや、おれの愛すべき人の‥』

イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ‥‥‥以下略

ハルオ『ふむ、これでは埒があかないな。』

藤岡『たしかに‥』

マコト(藤岡さんならこれが千秋のだって分かってるんじゃないか?よし、聞いてみよう。)

マコト『あ、あの‥』

マコト(あっでも、おれは藤岡さんとマコトの状態で会ったことがない!これじゃおれがマコちゃんだとバレてしまう。)

藤岡『ん?なんだい?』

マコト『い、いえ、すいません、なんでもないです。』

保坂『全く‥これはおれの愛すべき人のものだと何度言っても分からないとは‥良いだろう、それでは証拠を見せよう。』

ハルオ『証拠‥?』

保坂『そうだ。見ろ、この言葉では言い表せない色!』

藤岡『‥赤ですよね‥?』

保坂『そしてこの独特のフォルム!』

マコト『古来から伝わる傘の形です!』

保坂『むむ、おれの出した証拠をここまで簡単に看破するとは‥お前らただ者ではないな。』

藤岡『あっ!』

保坂『どうした、ただ者ではない少年。』

藤岡『そこに、ほら、何か書いてませんか?』

ハルオ『なに?』

保坂『み、な、み?』


ハルオ『みろ、これでおれの妹のだということが確定した。』
藤岡『よし、これで南のだってハッキリした!』
マコト『やっぱりおれの友達のだった!』
保坂『ふ、やはりこれはおれの愛すべき人の傘だったか‥』


ハルオ『ん?』
保坂『む?』
藤岡『え?』
マコト『へ?』

ハルオ『なんという偶然。全員思っていた人が南という名字とは‥』

マコト(さっき藤岡さん、南って言ってたよな。ということは藤岡さんはこの傘を夏奈のだと思ってるのか?うーん、でもこの傘は千秋のだよな?どうなってるんだろう?)

ハルオ『ひょっとして、全員同じ人のことを言ってるのではなかろうか?漫画などではこういった勘違いをネタにしているものも良くみる。』

藤岡『いえ、それはないと思います。』

ハルオ『それは何故だ?』

藤岡『おれの友達の南は、3人姉妹だからです。』

ハルオ『なるほど、確かに3人姉妹ならおれの意見とは相容れないな。他の2人はどうだ?』

保坂『おれの言っている南もお前らとは違うようだ。何故なら、あの人は高校生にして2児の母親なのだから。』バサッ

藤岡(脱いだ!?)

ハルオ『それは‥‥深い理由がありそうだな。だが、これだけは言える。全然脱ぐタイミングではないと。』


マコト(藤岡さん‥やっぱり夏奈のだと勘違いしてる‥でも考えてみれば、ここでおれが千秋の名前を出して藤岡さんと協力できれば‥)

ハルオ『で、残るは君だが。君の言っている南さんはどんな人だ。』

マコト『おれの友達の南は、小学生で、』

ハルオ『うん。』

マコト『3人姉妹の末っ子です。(藤岡さん気がついて)』

藤岡『あれ?君の南さんも3人姉妹?』

マコト(気がついてくれた!これで千秋の名前を出せば。)

藤岡『失礼だけど、南なんていうの?』

マコト『はい、南ち‥』

ハルオ『待て!』

マコト『えっ?』

ハルオ『名前を言うのはやめた方がいい。』

藤岡『どういうことですか!?』

ハルオ『うむ、つまり、君達が今自分の名前を名乗るのは全く問題ない。申し遅れたが、おれは南ハルオだ。』

保坂『南‥ハルオ?』

ハルオ『どうした?おれのことを知っているのか?』

保坂『いいや、なんでもない、‥保坂だ。』

藤岡『藤岡です。』

マコト『マコトです。』

ハルオ『うん、そこで藤岡君、マコト君。君達が自分の名前を名乗るのは問題ない。何故ならばそれは君らのものだからだ。しかし、君達の言っている南さんは君らのものか?』

藤岡『南はものじゃありません!』

ハルオ『そうだろう。もちろん人であることは分かっている。そして人には人権というものがある。』

マコト『じん‥けん?』

ハルオ『そうだ、まぁつまり知らない人に自分以外の人の名前を教えるのは良くないんだ。』

マコト『なんで良くないんですか?』

ハルオ『今の世の中というのは危険なんだ。例えばマコト君、君が南さんの名前を知らない人に言ったせいで、その知らない人が色々と調べてその南さんのストーカーにならないとも限らない。そうなったら君はどう思う?』

マコト『それは‥‥』

藤岡『そんなのはダメだ!!!』

マコト『藤岡さん‥?』

藤岡『マコト、やっぱり君から南さんの名前を聞くのはやめようと思う。ただ、勘違いしないで欲しいのはこの中の誰かを疑っている訳ではないってことだよ。』

ハルオ『あぁ分かっているさ。』


保坂『うむ、藤岡、それが正解だ。この4人を疑っている訳ではない。だが、この会話を外から聞いているものがいないとも限らん。ひょっとしたらどこぞの掲示板に載せられて、何人もの人に閲覧されているかもしれない。だからこそ、外ではあまり人の名前を口にするものではない。それが自分にとって大切な人なら、特に、だ。』


藤岡『南はおれにとって大切な人です!』

保坂『‥そうか、ならばお前はお前の南さんの前でだけ、名前を呼んでやればいい。溢れ出る愛の言葉と共に!』バサッ

藤岡『お、おれ頑張ります!』

マコト(全然脱ぐタイミングじゃない)

ハルオ『さて、こうなると話は平行線だな。』

藤岡『うーん、何かいい案はないかな。』

マコト(どうしよう‥完全に名前を言える状況じゃなくなってしまった。頑張れ、おれ!父親譲りの逆境の強さで!)

キキー ガチャ

警官『君達、こんな道の真ん中で何してるの?危ないよ。』

ハルオ『む‥』
藤岡『あっ!』
マコト『はっ!』
保坂『ふっ‥』


警官『えっ‥?』

交番

警官『じゃぁもう無くさないように気をつけてね。』

春香『はい、すいません。ありがとうございました。』ペコリ

夏奈『全く、冬馬、お前が傘を無くしたから大慌てだったじゃないか。』

冬馬『だから悪かったって。』

夏奈『この傘は南さんちのお気に入りの共用の傘なんだから、扱いは気を付けなさいよ。』

千秋『バカヤロー、お前は全く人のこと言えないだろ。』

夏奈『姉に向かってバカヤローとは何よ!』

千秋『バカヤローだからバカヤローと言っただけだバカヤロー!』

春香『ほらほら、ケンカしないの。傘は見つかったんだから良かったじゃない。』

冬馬『春香の言う通りだぞ。傘は見つかったんだからそれでいいだろ。』

夏奈 千秋『お前はちょっとは反省しなさいよ!』

春香『あっ、雨‥』

夏奈『本当だ、でも傘一本しかないよ?』

春香『4人で入れば良いじゃない。』

夏奈『それじゃ狭いんじゃ‥?』

千秋『ちょうどいいじゃないか。』

冬馬『何がちょうどいいんだ千秋?』

千秋『傘という字を思い出してみろ。一つの傘に人が4人入ってるじゃないか。だからちょうどいいんだ。』


冬馬『おお、なるほど。ちょうどいいな。なあ夏奈!』


夏奈『‥傘って‥‥‥どんな字だっけ?』

千秋『この‥‥大バカヤロー!!』







終わりです。

初投稿なので色々と不備がある中、読んでくれた方、ありがとうございます。

何か意見がありましたら言ってくれると、書いてる身としては助かります。

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