幸子「スパッツだから大丈夫なんですよ?」ヒラ (24)

 *モバマスの短いSSです。

P「幸子。スカートで横になるのはやめなさい」

幸子「ふふーん、残念でした。スパッツだから大丈夫なんですよ?」ヒラ

P「こら。やめんか」

幸子「?なにを慌ててるんですか?」

P「年頃の女性が、しかもアイドルがはしたない真似をするんじゃない」

幸子「む、怒らなくたっていいのに。それに水着の撮影とか、もっと刺激が強いのをたくさん見てるんじゃないですか?」

P「そういう問題じゃない。大体、なんでスパッツなんて履いてるんだ」

幸子「えっ」

P「は?」


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幸子「スパッツは邪魔だから、脱げってことですか?プロデューサーさん、変態ですね」

P「そのぶっ飛んだ発想には恐れ入るよ……」

幸子「ボクはカワイイですからねぇ」ドヤァ

P「今日が運動会だったのは知っている」

幸子「切り替えが早いのはいいことですが、話を聞かない男性は嫌われますよ」

P「お前との付き合いも長くなって来たからな。これも話を進めるための知恵ってやつだ」

幸子「それは、言うまでもないってことですか?」

P「そうとも言うかな」


幸子「プロデューサーさんはどれだけボクのことが好きなんですか。さすがのボクも少し引きますよ」

P「ちょっと待ってくれるか」

幸子「大丈夫です。ボクはカワイイだけでなく心も広いのでその歪んだ思い、受け止めてあげます」

P「……」

幸子「ボクに見とれる気持ちは痛いほどわかりますが、そろそろ話を進めましょう」

P「前半の意味は分からないが、同意だ」

幸子「そう。今日は運動会だったので、スパッツを履いているんです」

P「だったので、ってな。まさか運動した後、そのままってわけじゃないだろ?」


幸子「そんなわけないでしょう、何を想像してるんですか。やっぱりプロデューサーさんは変態ですね」

P「俺が悪いのか……」

幸子「早苗さんのこと、じっと見てましたよね?」

P「女性の切り替えの早さは、この業界で学ばせてもらった大事な教訓の一つだな」

幸子「ごまかさないでください。ボクはプロデューサーさんが変態であることに、今更どうこう言うつもりはありません」

P「それはどうも(あれは見ちゃうと思うんだが。いろんな意味で)」

幸子「ですが、担当アイドルとしては簡単に他の女性に目を奪われるのは面白くないことも確かです」

P「なるほど」

幸子「というわけで、特別サービスです。ボクのカワイイスパッツ姿が見れてよかったですね!」

よかったです


P「そういえば昼間、幸子はハーフパンツだったな」

幸子「ええ。今の子は皆そうなんじゃないですか?……ははぁ」

P「どうした?」

幸子「ブルマ、ですか」

P「んっ?」

幸子「本当に仕方のない人ですね、プロデューサーさんは」

P「何でそうなるんだ」


幸子「少年時代に鬱積した劣情をカワイイボクにぶつけたい、その気持ちは分からなくもありません」

P「はぁ……」

幸子「ですが、さすがにそこまでの用意はしていません。残念でしょうけど」

P「いや、別に」

幸子「ボクも少しは興味があったんですが、今回は機会がありませんでしたから。我慢してくださいね」

P「なんだ、それなら言ってくれれば……」ハッ

幸子「……」


P「……違うんだ」

幸子「もしもし、早苗さんですか?今目の前に極めて悪質な変態が――」

P「ちょまっ、ストップ!気持ちはわかるけどストップ!!」

幸子「冗談ですよ。半分は」

P「助かった、割と真剣に。何処が本気だったのかは聞かないでおく」

幸子「ええ、あえてお伝えはしません。ボクは優しいですから」

P「そうだな」


幸子「それで、なんですか?ボクが望めば衣装さんに頼んで用意してくれるとでも?」

P「分かってるんなら、そう言ってくれ……」

幸子「ボクはカワイイだけでなく、お茶目なところもありますからね」

P「それが一時流行ったてへぺろ、ってやつか。間近で見ると無性にもやもやするな」

幸子「我慢しているからじゃないですか」

P「それはあるかもな」

幸子「無理はいけません。ボクに発散してくれてもいいんですよ?」


P「いいのか」

幸子「どうぞ。存分にボクのカワイさを褒め称えてください」

P「……」

幸子「さあ!」

P「……サチコハカワイイナー」

幸子「まだです。プロデューサーさんの心の渇望をっ、どろどろした感情を吐き出してください!」

P「サチコハ!カワイイ!!ナアァアアーーーーッ!」


幸子「もっとっ!熱くなって!!」

P「カワイイけど引っ込んでろ」

幸子「……」

P「……」

幸子「今日はこのくらいにしておきましょうか」

P「そうだな」



――

P「腹が空いてきた。そろそろ帰るぞ」

幸子「それなら、ちょうどここにお弁当があります」

P「何で」

幸子「今日は運動会でしたからね」

P「普通はお昼に食べるものじゃないか?」

幸子「運動会とは言え、お仕事の一環ですよ?手作りのお弁当を二人で食べるわけには行かないでしょう」

P「何だその恥ずかしいシチュエーションは」


幸子「という事で、用意しました。一度寮に戻って調理したので、鮮度も心配ありません」

P「わざわざそんな手間をかけたのか」

幸子「下ごしらえはお昼の分とまとめてでしたから、それほどでも。品数も少なめにしましたし」

P「そこまで気を遣うことはないんだぞ」

幸子「それならこんな日に遅くまでお仕事なんてせずに、早く休んでください」

P「すまんな」

幸子「……ボクも、余計なこと言っちゃいました。温めるものは、レンジでチンしましょう」


P「味噌汁まであるのか」

幸子「ええ、簡単なものですが」

P「……ありがたく、いただくよ」

幸子「どうぞ」





P「ご馳走様でした」

幸子「お粗末さまでした」

P「美味かった」

あぁ幸子かわいい


幸子「空腹は、最高の調味料ですからね」

P「正直な感想な」

幸子「具体的には?」

P「大根のあんかけ。味がしみてるけど、あっさりしててよかった」

幸子「生姜たっぷりですから、元気が出ますよ。これに懲りたら、先ずは食生活から見直してください」

P「努力するよ」

幸子「……それじゃ、そろそろ帰りましょうか」


P「ああ。これ、洗って返すからな」

幸子「はい。昼間、皆のいる時にお願いしますね」

P「いじめか」

幸子「冗談です。また皺が寄ったらいけないので、勘弁してあげます」

P「しわ?」

幸子「眉間に、ぐぬぬって。少しはリラックス、できましたか?」

P「……十分に」


幸子「ならいいんです。後は早く帰って、お風呂に浸かったら直ぐ寝てください。涼しくなってきましたけど、湯冷めなんてしないでくださいね」

P「至れりつくせりだな」

幸子「言っておきますが、お家まではお付き合いしてあげませんよ?」

P「そりゃ残念」

幸子「まったく。本当に変態ですね」

P「悪かったな。それじゃ、お姫さまを送ってから帰ることにするよ」

幸子「ふふん、良い心がけです。まぁボクのプロデューサーなんだから、これくらいは当然ですけど!」


P「ああ。なんだ、今日は、ありがとうな」

幸子「気にしないでください」

P「そうは言ってもな」

幸子「プロデューサーさんはこうやって、ボクに手を引かれながらガンバって行けばいいんです!」

P「さっ行くぞー」

幸子「あ、照れ隠しはよくないですよ!だいたいプロデューサーさんは……」





おしまい


終わったぁぁ短いのに時間かかった。ありがとうございました!

>>5(見てくれている人がいて)よかったです
>>15やったぜ。

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