善吉「安心院さん、俺アンタが好きだ」安心院「無理」(113)

安心院「っていう展開はどうだい?」

善吉「いや、無理です。つーか、考えといて俺を降る方向ですか」

安心院「知らないのか?人吉君。ツンデレって奴だよ」

善吉「めだかちゃん一筋なんで」

安心院「あれー?おっぱい揉めてイチャイチャできればいいんじゃないのかい?」

善吉「さて、選挙に備えて何から始めるかな……」

安心院「おい、無視はないだろ?」

善吉「うーん……」

安心院「もう主人公になる協力してやんねーぜ?」

善吉「あ、別に結構ですけど」

安心院「言うと思ってた。」

安心院「キスまでした仲じゃないか」

善吉「あれはスキルを渡す為でしょう」

安心院「おいおい。浮気の言い訳みたいな事言うなよ。つれないなあ」

善吉「それより何する気なんですか。もうすぐラブコメ終了させるとか
言っちゃって」


安心院「うん?終わるよ。僕と君が結婚して終わりだ」

善吉「は?めだかちゃんどうすんだよ」

安心院「彼女は阿久根君や禊ちゃんがいるだろ。ほっといてもなんとか
なるぜ。大体面倒じゃねえか?本編はみそぎボックスに任せてとっとと裏でイチャイチャしようぜ」

善吉「そんなもん、認められるわけないだろうが」

安心院「君がそう思ってるだけだよ、それは」

善吉「あ?」

安心院「考えても見ろよ。僕はスキルをめちゃくちゃ持ってんだぞ。
漫画終了させる事ぐらいわけない。僕じゃ不満なのか?」

善吉「そんなわけないでしょ。めっちゃ美人だしおっぱいも揉みたいし
とにかく性欲をかきたてるエロい顔してるし」

安心院「それは流石に僕でも引くわ」

善吉「じゃあ、可愛いです」

安心院「いやあ照れるなあ」

善吉(嬉しくねえなあ)


安心院「じゃ、僕のスキル使ってこれからはなじみボックスが
始まるから」


善吉「ちょ」

安心院「じゃ、スタート♪」


---------------------------------

―なじみボックス―

安心院「やあ、善吉」

善吉「よお、なじみ」

なじみと俺、人吉善吉は幼馴染だ。

こいつとはもう何年の付き合いになるだろうか……。

そろそろ告白でもしようか、と思い悩んでいた頃、突然こいつが
生徒会長になると言い出した。

安心院「善吉、私の……セフレになってくれないか?」

善吉「もう満足っすか?安心院さん」

安心院「うん?あれ?」

球磨川『ヒント、オールフィクション』

安心院「あ、忘れてた」

善吉「あれだけチート過ぎてイラってしてたスキルもいざ
使えるとなると便利っすね」

球磨川『勘違いしないでよね、僕は君の為に使ったんじゃない
んだからね』

善吉「みそぎボックスやるからだろ?」

球磨川『主人公はいいよね、最終的に優遇されてさ』

善吉「そのかわり悲惨な役もやらされるけどな」

安心院「僕って可愛いんだろ?それ以外に何が要るんだよ」

善吉「うわー……」

安心院「考えて見ろよ。女なんか見た目9割中身1割だよ所詮。
君は果報者じゃないか。ただ主人公ってだけで可愛い女の子が
やってくるんだからね。実際、世の中の男共は僕か江迎ちゃんとくっついて終了でいいと思ってるはずだよ」

善吉「じゃあ、江迎がいいです」

安心院「はあ?ふざけてんのかてめえ。どう考えても僕だろ?
何故なら可愛いから。逆に駄目なとこを教えてくれよ」

善吉「達観してるところ。一緒に居てもだるそう。可愛いだけ。絡みが疲れる。回りくどい。とっととめだかちゃんと俺をくっつけれるスキルだせ」


安心院「結構、傷ついた」

善吉「嘘泣きのスキル……?」

安心院「あるけど……これは本物だよ」

善吉「じゃあスキルなんだな。じゃあ、逆になんで俺?」

安心院「………………ないな」

善吉「はい解散」

安心院「かっこいい、可愛い、デビル()かっけえ」


善吉「恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいうわあああああっ!
……はい、解散」

安心院「冗談冗談。まあ、強いていうなら、一目惚れかな」

善吉「帰りてえ。デビル帰りてえ」

安心院「エンジェル帰りたくない」

善吉「それは……ないな」

安心院「ああ、やっぱ達観が楽だわ」

 元  画 し! .i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i        |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:||;:;:;:;:;_ノ   .画 え

 服  像  / i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ィ、         l;:;:;:___jl|___)    像  |
 前  な  L/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-彡彡、      ,イ::7´ ,r=ぅ   r- ヽ   な マ
 ま   し  /ミイ゙ー-- ;:;:i;:;:;:;ーー‐'"´ ヾ彡彡シ     /::::シ  "´    ` ~´.i.   し ジ
 で.  が  /ミミ´   rz,、, i ー'''rzッ    '彡彡シ      )::/ ,. -- 、   , --く   と
 で  許  l ミリ  -  ̄ `i ´  ̄,,.,,   ゙彡7⌒i     l:::l.:.,ィ句丶y'.:  ィ句丶厶  な
 お  さ  iド、 '"- 二iソ,,`ー'" 二ヾ彡 ゙彡;ヽ j      }::l:.:.` ̄,.:'´ .: : `ミ ̄.:.:.:.ヽ !? 
 じ  れ  l{ { 〃代ゞイ::i ーt‐=でシ>シ  リシ;; /     l::l   , ' ,r'  ヽ、   :.:.レ、⌒Y⌒ヽ
 ゃ  る  _ゝ ` 、,,~~':::  ヽ,,,二 ィ  / 「 {′    N!    /゙'^'- '^'゙ヽ      l::fク //
 る  の  「 いヽ   ノ::   ヾ、   , '´  r '_人__人ノ_l!   /  ,..,_,..、 丶     l:lぅ,ノノ
-┐  は,√  ゙i::.   ー=、_-=ヘヽ       | 「 心 帝 L_ i   ,イエエエ>、 ヽ    ,l:ゝ- '
  レ'⌒ヽ/    ',::: ,彡ツj i ヾミミヽ   ,' .ノ ノ. し に   了 l l{、:.:.:.:ノ:.:.:l) l   イ::ノ
人_,、ノL_,iノ!    i  (シ一 -ー―゙ミ、   //). て 言   | ! l ヽゝェェェァツ  }   ,/:::ヽ
が 汰 帝 /   ,,,,小、'  `二二´___  ,,, ノ::::く  お 上   >、  `ー-‐ '" ノ ,ィ'{^~゙゙´
よ を の{. /,:/::iヽヽ、     ,,,  /.:::::::::!  じ す  ( l, ト、       ,ィ" Y lト、
い 待 おヽ,:,:/ヘ \\`三二三,,-‐'"::::::::,,イノ   ゃ る   >ヽ.` ‐--‐ '"´    / ハ
! つ 沙 /                  フ  れ 故   /

善吉「さて、じゃあそろそろ本当に解散するか」

安心院「そうだね、自称物書きさんも湧いちゃったしね」

善吉「そういうとこが駄目なんだって……」


善吉「あ、そうだ。帰る前に」

安心院「なんだよ、降られて泣きそうなんだけど。帰らせろよ」

善吉「いつ結婚式挙げたい?」


安心院「お前……頭おかしいんじゃねーの?」

善吉「……そうか?普通だと思うんですけど」

安心院「いやお前めだかちゃんと付き合うんだろ?何の為に
ここまで頑張ってきたんだよ」

善吉「らしくねーな、安心院さん。いきなり青春漫画に必要な
背中を押すライバルみたいになって」

安心院「あ?違うだろ。君がさっき僕を振ったんだろ。めだか
ちゃんと選挙で勝って惚れさせるんだろ?」

善吉「ああ、当たり前だろ」

安心院「じゃあなんで結婚式になるんだよ」

善吉「いや……惚れさせるのと付き合うのはまた別だろ?」

安心院「やっぱ頭おかしいわお前」


安心院「じゃ、じゃあ本当に結婚するのか?僕と」

善吉「キャラじゃねえなあ……。いつもの調子が狂うんですけど」

安心院「あのねえ、僕だってアブノーマルとマイナスってだけで後は普通の女の子なんだぜ?」

善吉「もう十分普通じゃないし、異常なのに普通って矛盾だらけだな」

安心院「はいはい普通じゃないよ僕は。4月」

善吉「え?何が?」

安心院「結婚式に決まってるだろ、4月」

善吉「いやっ、無理」

安心院「…………うーん。殴りたいなあ♪」

善吉「だって、四月は選挙あるしな」

安心院「それを分かっててセレクトしたんだけど」


善吉「あ、思いついた」

安心院「言ってみろ」


善吉「めだかちゃんに勝負やめようって言ってくる」

安心院「本末転倒だろうが、脳みそ本当にあんのかお前は」

善吉「……ふざけんな。これから嫁になる女の方が大事に
決まってんだろうが!」

安心院「あ、今のはちょっとドキッとした。……が、それは
駄目だ」

安心院「人吉くん、君が好きだ」

善吉「な、なんだってーーーーーーーー!!!




ってそんな訳無いでしょう」

安心院「ははは、さすがラブコメの主人公
    告白には慣れっこってわけだ」  

善吉「そりゃどうも
   全く。実ははちょっとビックリしちゃいましたよ
   それじゃ、俺は庶務の雑務があるので」

安心院「しっかりやってくれたまえよ、主人公」








安心院「『失恋』なんてスキルは持ち合わせてないんだけどね」
 

善吉「なんでだよ!もう気持ちは安心院さん一色なんだ。
俺は決めたらとことんやりたいんだよ。優先順位は俺の
大事なもんからだ」

安心院「だったら、さっさとめだかちゃんに勝って来い」

善吉「……なんでだ?」

安心院「フラスコ計画の為」

善吉「………………任せろ、勝ってきてやるよ」


安心院「じゃあ、任せるよ」

善吉「ああ、待ってろ」

数分後


安心院「……行ったか」

不知火「お疲れ様ですねー、安心院さーん」

安心院「ん?居たのか」

不知火「えげつないですね」

安心院「そうか?」

不知火「スキルなんて使わなくてもうまくいったんじゃないんですか?」

安心院「まあね。でも、僕としてはめだかちゃんとラブコメ
ってエンドも腑に落ちないからね」

不知火「……く……くかかかかかかかっぶはははははっ!」

安心院「相変わらず、だな」

安心院「(ああああああああん
    善吉好き好き好き
    君が欲しい欲しい欲しい
    早く主人公として僕を迎えに来てくれ><)」

ガチャン

善吉「よーっす、安心院さん」

安心院「おいおい
    相変わらずモブじみた挨拶だ
    そんなんじゃ一生主人公になれねーぜ」

不知火「安心院さん、鈍すぎ」

安心院「念には念をだよ」

不知火「いや、違うだろ。そろそろ素直になっても――」

安心院「僕は目的の為だけに、彼を利用してるだけさ。
利害が一致しているからこそ彼を利用してやってるのさ」


不知火「うちの善吉、あんま舐めんなよ。クソババア」

安心院「うん?もちろん、素質はあるよ。そしてお姉さんだ」


不知火「だから違うっつってんだろー?分かっててやって
んだよ、善吉は」

不知火「もう優しすぎてイライラしちゃうよ、本当に。
考えてもみろよ。天才が好きでもない、むしろ厭な部類に
入るのに何故めだかちゃんについてやってんのか。
考えてもみろよ。なんであいつは誰とでも仲良くするのか。
考えてもみろよ。なんであいつはあんなにも優しいのか」


安心院「そういう奴だからだろう?」


不知火「その通りですよ。そういう奴だからですよ。
誰も不幸にしたくないから、そういう奴になったんですよ」

不知火「これって、アブノーマルよりアブノーマルじゃないですか?」

不知火「ある意味、フラスコ計画は成功してますよ。努力しかできなかった奴が優しさの天才になったんだから」

不知火「もう、ここまで言えば分かりますよね」

安心院「つまり本来敵である僕だけが不幸にならないように
してるってことが言いたいのかい?」

不知火「そう、それ。ありがた迷惑ですよ、本当。
まあ、そんな善吉をうちらは愛してるんで」

安心院「まあ、そこまで言うのなら、スキルはもう使わないよ」

不知火「あれ?惚れた?」

安心院「いや、全く」

安心院「その代わりに」

不知火「代わりに?なんですか?」

安心院「惚れてやってもいいかな、とは思ったかな」

不知火(こいつはいつになったら素直になるんだろう)


終わり

安心院「あれ、まだ落ちてなかったのかい」

安心院「案外SSというのも難しいな」


安心院「言っとくが、これは僕のただの妄想だぜ?
スキルの一つさ」


安心院「スキルって便利だよねえ、都合悪いときに『スキル
を使ったのさ』って言えばいいんだもん」


安心院「うん、そうだな。もう少しだけスキルを使わせて
貰おうかな」

安心院「ひっそりと消えていくこのスキルを」

善吉「何が妄想だよ、とんだ阿呆な先輩だな」

安心院「勝手にでてくるんじゃないよ、阿呆な後輩」


善吉「っ!?アンタが呼んだんだろう!」

安心院「うん、なんというかやっぱ人吉君が居ると落ち着くね」

善吉「うん?へっ、そりゃどうも」

安心院「……本当、楽だね。めだかちゃんは本当に幸せ者だ
なあ」

善吉「結局どうしたいんっすか。こんな大層なスキル使って三文芝居まで始めて」

安心院「鈍吉鈍吉」

善吉「それは一瞬読み方に困る呼び方ですね」

安心院「人吉、人吉、人吉君」

善吉「なんですか?安心院さん」

安心院「こんな妄想スキルを使う僕でも、不幸にしないと
言えるのかい?」


善吉「はあ?意味分かんないっす。でも安心院さん、その
質問はマジで意味わからねーよ」

安心院「何故だい?君は優しいんだろ。妄想じゃなくても
優しくしてくれるのかい、って聞いてるんだよ僕は」

善吉「その優しくってのがよく分からねえ。優しくするって
どういうことなんだよ」

安心院「……うん、まあそれでいいよ。それがいい。ああ、これ以上僕を困らせないでくれ」

善吉「んな無茶な。どうすりゃいいんだよ……」

安心院(余計なものを煩ってしまった)

善吉「しかしまあ変なシナリオを書いたな」

安心院「そうかい?こういう終わりもありじゃないかと僕は
思うんだけれど」

善吉「いや、変だ。俺はこんなに主人公みたいにかっこよく
ないし優しくない。しかも安心院さんが俺に興味があるみたいなシナリオが変だ」

安心院「……僕じゃあ釣りあわない、いずれは負かされる敵が好きになるのはおかしいと。ラスボスは主人公を好きになっちゃいけないのか」

善吉「そんなことないっすけど、俺に安心院さんは勿体無い
っていうか。何言ってんだってなるかもしれないけど、俺の中ではありえないかな、みたいな」

安心院「ありえないことっていうのは想像できる時点でありえるかもしれないことになるんだよ」

善吉「へえ」

安心院「こいつマジか」

善吉「え?」

善吉「あ、一つ聞きたい事があるんすけど」

安心院「なんだい」

善吉「スキルを失くすスキルって無いんですか?」

安心院「愚問だな。あるに決まってる。約27兆の中にないとでも思ったのか」

善吉「いや、あると思ってたよ。さっきも言ってたじゃないですか、安心院さんが」

安心院「うん?なんだっけか」

善吉「ありえないと思った時点で、ありえるかもしれないことになるって」

安心院「ああ、あんなもんただの言葉の揚げ足とりだよ。で、それがどうかしたのかい?」

善吉「俺に考えがあるんですよね」

善吉「スキル全部棄てませんか?」

安心院「……は?」

善吉「スキルなんてもん持ってたら不幸になっちまうじゃねーか。安心院さんやめだかちゃん、それに他のアブノーマルも失くしちゃった方がいいんですよ」

安心院「それは、僕に、死ねと言ってるようなもんだろ」

善吉「なんでですか」

安心院「価値がないからだよ、単純に。スキルも何もないただの女の子がラスボス?ふざけてるぜそんな漫画。それこそ
破綻してる」

善吉「むしろ、ラスボスなんて要らないだろ。なんでわざわざ漫画にオチなんかつける必要がある。どっかのエロしかやってないハーレム宇宙人漫画でいいじゃないですか」

安心院「toloveるしかないなその言い方」

善吉「ばれてましたか」

善吉「もっと楽に生きたい。それが俺の願いです。皆と
真面目に学校のこと考えて生徒会やってもいい。皆とわ
ざわざいがみあう必要なんかない。戦う必要なんか無い。
そんな生き方が俺はしてえ」


善吉「スキルは便利で素晴らしいものだとは思う。――だけどそれ以上に人を不幸にし過ぎる。めだかちゃんなら正し過ぎる、安心院さんなら追求をする、球磨川なら自由思想。
どれも余計過ぎる。そんなもん、要らん。その点俺は幸せです」

安心院「確かに君はスキルこそ持ってないが才能は持ってる。僕達みたいにスキルに依存してしまっているスキルジャンキーにとってそれは羨ましいものだね」

善吉「だから、捨てましょう」

安心院「だから、それをしたら僕の存在が――」

善吉「なくなんねーよ、んなもん」

安心院「大層なものいいをさっきからしているけど、何の
根拠があるというんだよ」

善吉「……俺にも一つだけスキルがあるんですよ。それが根拠になるんです」

安心院「才能とスキルは違うぜ」

善吉「……そうだな、スキルや才能とはまた違うかもしれない。体質です」

安心院「まさか……」

善吉「はい、主人公体質です。これを使えば安心院さんは
わざわざ退場しなくて済む」

安心院「だがそれをしたら君は、」

善吉「めだかちゃんとは、確実に結ばれないでしょう」

善吉「俺はどの道ヒロインを選ぶ。それは
めだかちゃん――のはずでした、が。俺は
アンタに使ってもいいと思ってます」

安心院「何が人吉君をそうさせるというんだ。
僕は所詮散ってく為に生まれた敵役さ。下らない
同情をされるぐらいなら消える。
僕のスキルを読んだろう?不知火の言う通り、
ありがた迷惑だ。僕が不幸になるのは勝手だ」


善吉「知らん。興味ない。俺はアンタが好きだ。
それで十分なはずだ」

安心院「それは残念ながら断るよ、だって僕は
幸せになることを望んでいないからね」

善吉「……本当にそうか?」

安心院「……何が言いたい」

善吉「じゃあアンタは何の為に登場してきた?
10巻で終わらせたかったならでなくたって良かった。
フラスコ計画を破綻させるシナリオを表で書いて裏で
進行することもできたはずだろ?
何故俺を主人公にしようとした?
目的の為?嘘だね。だって俺じゃなくたってできるから。
めだかちゃんは敵役が居なきゃ主人公でもなんでもない
チートすぎる女ってだけだ。勝手に自滅する。
それでもアンタは俺を主人公にした、これは何故だ」

善吉「単純なはずだ、アンタも加わりたかったんだよ。
アンタの大っ嫌いなだらだら続くラブコメやバトルに。
楽しそうじゃねえか。スキル72兆?んなもん役に立つか。
そんなゴミ棄てちまえ。俺はアンタを一人の好きな女性と
して見てるんだよ、敵役なんて興味ねえ」

安心院「だ、ふ、だ……ふざけるな……そんな
わけないだろ……僕が、主人公を取り巻くヒロインとして
出たかった……?だから、僕は、ただフラスコ計画をうまくいかせる為に、人吉を……善吉を……ああああああああああああああああああああ下らない下らない下らない
下らない下らない下らな過ぎる――!
そこらに居るヒロイン共と変わらないじゃないか!
何が自覚することだよっぶははははは!
自分が目を背けてるじゃないかっあっはははははっ!
恥ずかしい……あははあはははぶははは……恥ずかしい、
悔しい……悔しいよ……うっ……うああああああん!」

善吉「いや、良いと思うぜ。俺も自覚する時はそんなん
なったし。ああ、恥ずかしくない。ちゃんと自覚して
泣いて、泣いて、泣いて、考えてくれ」

安心院「情けなさ過ぎるぜ、僕。魅せる顔がない。
今の僕には今まで作ってきた雰囲気が皆無だ。
魅力の無いただの、女だ」

善吉「そうだ、ただの女の子だ。超可愛いじゃねえか。
例え誰も今の安心院さんを安心院さんと見ていなくとも
俺は好きだぜ。デビル可愛い」

安心院「…………本当?」

善吉「ああ、大丈夫」

安心院「じゃあチューしてよ、チュー。できんのかよ、
おい。童貞主人公」

善吉「分かった」

安心院「え?ありゃ、嘘だろ?おい」

安心院「……いつの間にか僕が下みたいになってる
じゃないか。いいよ、人吉君。君と付き合おう」

善吉「ああ、絶対幸せにするから、安心してくれ」


安心院「一つだけ、約束を」


善吉「?」


安心院「デビルなんとかは、ださいからやめて」


善吉「じゃあ付き合えねえ……チクショウ」

安心院「……君の基準が分からない」

―翌日―

安心院「善吉♪善吉♪ぜーんーきーちっ♪僕お弁当
作ってきたんだっ!食べよう!」

善吉「うおっ!腹減った!とっとと食おうぜ!」

安心院「はい、あーん♪」

善吉「お、さんきゅ。うまいなあ」

安心院「一生懸命作ったから……残さず食べてね?」

善吉「残すわけ、ないだろ。こんなにおいしいもの」

安心院「じゃあ、チュー」

善吉「甘えん坊だなあ、なじむは」

不知火(……どうしてこうなったっ!デレ過ぎだろうが!黒神めだかは常に乱心モードだぞ……あーあ、知らない)

善吉はこれから起こる、惨劇の戦いをまだ知る由もなかったのだった……。

-happy end?-

めだか要らないから善吉と安心院さんちゅっちゅさせてくんないかな。
いやめだかも棄てきれないけども。

乙、書いてて楽しかった

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